(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162843
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】画像読取装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/04 20060101AFI20231101BHJP
【FI】
H04N1/04 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073520
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】藤井 正幸
(72)【発明者】
【氏名】安川 拡孝
(72)【発明者】
【氏名】堀川 大作
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 大樹
(72)【発明者】
【氏名】新戸 嘉春
(72)【発明者】
【氏名】林 里史
(72)【発明者】
【氏名】原澤 雄輔
【テーマコード(参考)】
5C072
【Fターム(参考)】
5C072AA01
5C072BA05
5C072CA05
5C072CA07
5C072CA12
5C072DA25
5C072EA07
(57)【要約】
【課題】三色以上の光源を備える画像読取装置において、二色で画像を読み取るときの効率を向上させること。
【解決手段】三色以上の光源(光源部10)を備えた画像読取装置1であって、原稿を搬送する搬送部30と、原稿を読み取る読取部20と、フルカラーモードと二色画像モードとを切り換える制御部70と、を備える。フルカラーモードは、すべての光源を順次切り替えて点灯して、読取部にてフルカラー画像を読み取るモードとし、二色画像モードは、フルカラーモードより少ない回数で光源を点灯して、読取部にて二色読取画像を読み取り、二色読取画像から狙いとする二色を抽出して切り出して出力画像とするモードとし、前述の回数のうち少なくとも一回で二色の光源を点灯する設定を有するものとする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三色以上の光源を備えた画像読取装置であって、
原稿を搬送する搬送部と、
前記原稿を読み取る読取部と、
フルカラーモードと二色画像モードとを切り換える制御部と、を備え、
前記フルカラーモードは、すべての前記光源を順次切り替えて点灯して、前記読取部にてフルカラー画像を読み取るモードであり、
前記二色画像モードは、前記フルカラーモードより少ない回数で前記光源を点灯して、前記読取部にて二色読取画像を読み取り、前記二色読取画像から狙いとする二色を抽出して切り出して出力画像とするモードであり、前記回数のうち少なくとも一回で二色の前記光源を点灯する設定を有する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記二色画像モードが、赤と黒との二色の前記出力画像とする場合には、赤色の前記光源と、緑および黒の前記光源とを切り換えて点灯する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記二色画像モードでは、選択可能な二色を限定し、限定された二色以外の色を読み取る場合には、前記フルカラーモードに切り替える
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記制御部は、発光させる前記光源の点灯Duty比を変更する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記二色画像モードでは、前記光源の点灯を二回とする
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記読取部は、イメージセンサにて前記原稿を読み取る
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の読取色(例えばR(赤)、G(緑)、B(青))を順次切り替えて原稿画像を読み取る読取装置において、二色コピー時(二色読取時)においてもフルカラー読取時と同様に読取色をR、G、Bと順次切り替えて読み取りを行う技術がある。
今までのフルカラー読取では読取色を順次切り替えての点灯やフルカラーを前提とした画像処理をするため、モノクロに対して三分の一の読取速度となり、コピー印刷に時間がかかるという問題があった。
例えば、特許文献1には、三つ全ての光源ではなく二つの光源を発光させることで、高速・低電力で画像を読み取る技術が開示されている。
しかし、二色読取時の読み取る色の組み合わせに対して、点灯する光源の組み合わせや制御について改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、三色以上の光源を備える画像読取装置において、画像を二色で読み取るときの効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明は、三色以上の光源を備えた画像読取装置であって、
原稿を搬送する搬送部と、
前記原稿を読み取る読取部と、
フルカラーモードと二色画像モードとを切り換える制御部と、を備え、
前記フルカラーモードは、すべての前記光源を順次切り替えて点灯して、前記読取部にてフルカラー画像を読み取るモードであり、
前記二色画像モードは、前記フルカラーモードより少ない回数で前記光源を点灯して、前記読取部にて二色読取画像を読み取り、前記二色読取画像から狙いとする二色を抽出して切り出して出力画像とするモードであり、前記回数のうち少なくとも一回で二色の前記光源を点灯する設定を有するものとする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、本発明は、三色以上の光源を備える画像読取装置において、画像を二色で読み取るときの効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像読取装置の構成例を説明する図である。
【
図2】同画像読取装置が備える制御機能の一例を説明するブロック図である。
【
図3】二色読取点灯として、R色光源とG色光源とを点灯する例を説明する図である。
【
図4】カラー(三色)におけるLED点灯タイミングを説明する図である。
【
図5】二色印刷におけるLED点灯タイミングを説明する図である。
【
図6】二色読取点灯として、G色光源とRB色光源とを点灯する例を説明する図である。
【
図7】R色光源を点灯してカラーパッチ原稿を読み取った画像を示す図である。
【
図8】G色光源を点灯してカラーパッチ原稿を読み取った画像を示す図である。
【
図9】B色光源を点灯してカラーパッチ原稿を読み取った画像を示す図である。
【
図10】G色光源を点灯してカラーパッチ原稿を読み取った画像を示す図である。
【
図11】G色光源を点灯してカラーパッチ原稿を読み取った画像を示す図である。
【
図12】RB色光源を点灯してカラーパッチ原稿を読み取った画像を示す図である。
【
図13】二色読取点灯として、RG色光源とRB色光源とを点灯する例を説明する図である。
【
図14】点灯Dutyを調整する動作例を説明するフローチャートである。
【
図15】Duty制御(RBとGの二回点灯)の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0008】
本発明に係る画像読取装置は、画像を二色で読み取る二色画像モード(「二色読取モード」とも称する)では、専用の画像処理によりフルカラーモードより効率的なモードを有する。
画像形成装置の一態様は、例えば、三色以上の光源(光源部10)を備えた画像読取装置であって、原稿を搬送する搬送部(搬送部30)と、イメージセンサにて原稿を読み取る読取部(読取部20)と、フルカラーモードと二色画像モードとを切り換える制御部(制御部70)と、を備える。フルカラーモードは、すべての光源を順次切り替えて点灯して、読取部にてフルカラー画像を読み取るモードとし、二色画像モードは、フルカラーモードより少ない回数で光源を点灯して、読取部にて二色読取画像を読み取り、二色読取画像から狙いとする(選択された)二色を抽出して切り出して出力画像とするモードとし、上述の回数のうち少なくとも一回で二色の光源を点灯する設定を有するものとする。( )内は後述する
図1の構成を一例として対応付けている。
【0009】
このようにすると、三色以上の光源を備える画像読取装置において、二色で画像を読み取る二色読取時の生産性を向上させることができる。また、二色読取時の色の組み合わせ(二色印刷の色の組み合わせ)に対する読み取り時の光源の組み合わせや制御を改善することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0010】
まず、本発明の実施形態に係る画像読取装置の構成例を説明する。
図1は、同画像読取装置の構成例を説明する図であり、順次点灯の読取方式の画像読取装置の一例を示す。
画像読取装置1は、光源部10、読取部20、搬送部30、コンタクトガラス40、白基準板50、外光防止シャッター60、および、制御部70を備える。
光源部10は、基板11に、三色以上の光源となるLEDアレイ13を設けている。
図1では、R(赤)、G(緑)、B(黒)の光源を有する構成例とする。
読取部20は、イメージセンサ受光部(「イメージセンサ」とも称する)21を有し、二色以上の光源を切り換えて点灯して、イメージセンサ21にて、コンタクトガラス40に載せた原稿を読み取る。
搬送部30は、原稿を搬送する。
図1では搬送部30は、二つの一対のローラにより構成された例を示す。
白基準板50は、光量を調整するときの基準とするものである。
コンタクトガラス40と白基準板50との間は、長さAの隙間が設けられている。
【0011】
制御部70は、画像読取装置1の全体を制御するとともに、画像読取処理を実行する。制御部70は、画像読取処理として、上述のフルカラーモードと二色画像モードとを切り換える。
制御部70は、フルカラーモードでは、光源部10が有するすべて色の光源を順次切り替えて点灯してフルカラー画像をイメージセンサ21にて読み取るように制御し、二色画像モードでは、フルカラーモードより少ない回数で光源を点灯して二色読取画像をイメージセンサ21にて読み取るように制御する。このとき、二色画像モード(画像読取装置1)は、前述の回数のうち少なくとも一回を二色の光源で点灯する設定(出力色と点灯色との組合せ)を有する。
また、制御部70は、二色画像モードでは、二色読取画像から所望の(狙いとする)二色を抽出して切り出して出力画像(二色画像)とする。
【0012】
ここで、実施形態に係る画像読取装置の制御機能について説明する。
図2は、同画像読取装置が備える制御機能の一例を説明するブロック図である。
画像読取装置1が有する制御部70は、プロセッサであるCPU(Central Processing Unit)71と、メモリ73とを備える。制御部70は、光源部10、読取部20および操作部80と、バス90により接続されている。
【0013】
メモリ73は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)、ハードディスク等の揮発性、不揮発性の記憶装置から構成される。メモリ73は、画像読取装置1の基本プログラム、画像読取処理を制御するための画像読取プログラム等のプログラム、及びこれらのプログラムを実行するのに必要なシステムデータやその他のデータを記憶するとともに、CPU71のワークメモリとして利用される。
【0014】
CPU71は、例えば、ROMなどに記憶されている各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って、基本処理、画像読取処理などの各種処理を制御する。
【0015】
画像読取装置1は、例えば、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-RW(Com pact Disc Rewritable)、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読取り可能な記録媒体に記録されているプログラムを読み込んでメモリ73に導入することで、画像読取処理を効率化する画像読取装置として構築されているとよい。
【0016】
操作部80は、スタートキー、ファンクションキー等の各種操作キーが設けられているとともに、表示部(例えば、液晶ディスプレイ)が設けられている。操作部80は、操作キーによって画像読取装置1に目的とする動作を行わせるのに必要な各種命令が入力操作され、表示部には、操作キーで入力された各種命令内容や画像読取装置1からユーザに通知する各種情報が表示される。
一例として、制御部70は、操作部80に、後述する二色画像モードの出力色選択を促す画面を表示し、ユーザによって各種操作キーを介して入力された情報を受け取り、フルカラーモードと二色画像モードとを切り換える。
【0017】
制御部70(CPU71)は、光源部10が有するLEDアレイ13(例えば、R色光源、G色光源、B色光源)の点灯を制御する。
制御部70は、各モードに応じて、各色の光源を点灯させ、読取部20のイメージセンサ21に画像を読み取らせる。読取部20において、イメージセンサ21は、等倍結像レンズで結像された原稿の読取光を光電変換して、読み取った画像データを出力する。
【0018】
画像読取装置1は、制御部70の制御に基づいて、光源部10のLEDアレイ13から光源を点灯させ、イメージセンサ21で原稿を読み取る。このとき、モノクロ読取においてはG→G→Gの点灯、カラーにおいてはB→G→Rと順次点灯させて一ラインの画像を形成する。
以下の各実施形態では、上述の画像読取装置1が行う、二色読取時の色の組み合わせに対する、点灯する光源の組み合わせ、制御等について説明する。
【0019】
実施形態1.
本実施形態では、二色画像モードでは、光源部10の点灯回数を二回とする場合を説明する。
画像読取装置1は、二色画像モードでは、RGB光源による三回の順次点灯から二回の順次点灯に変更して原稿を読み取る。このようにすると、読取りにおけるLED点灯回数を低減でき、読み取りの生産性向上が得られる。
図3から
図5を参照して、フルカラーモードと二色画像モードとの画像読取について説明する。ここでは、フルカラーモードとして、RGBの三色を用い、二色画像モードとして、RBの二色の光源を点灯する場合を用いて説明する。
図3に二色読取点灯の一例として、R色とB色とを点灯させる例を示す。画像読取装置1は、出力する二色応じて、最適な色のLEDを点灯させる。
【0020】
図4は、カラー(三色)におけるLED点灯タイミングを説明する図である。三色順次点灯では一ライン読み取るのにRGB各々点灯させることになる。一方、
図5は、二色印刷におけるLED点灯タイミングを説明する図である。
図5では、
図3の点灯の一例の場合のタイミングを示し、一ラインが二色(R、B)点灯のみとなり、一色の点灯分を省略することができる。これにより、二色印刷の生産性の向上が図れる。
【0021】
ここで、出力される二色を選択する処理の一例について説明する
本実施形態では、出力される二色はユーザの操作により決定されるものとする。
制御部70は、例えば、操作部80を介して、ユーザに出力する二色の選択を促し、ユーザが選択した出力色を受け取る。制御部70は、操作部80から受け取った出力色を設定し、この設定に応じて、点灯させるLED色数や色の種類を決定する。このとき、読取部20は、シェーディングデータも原稿の点灯設定に応じて取得する。
【0022】
表1に、出力色選択と点灯色との組み合わせ(点灯パターン)の一例を示す。
【表1】
【0023】
図6に、表1に示す点灯色がG色光源と、R色とB色との二つの光源(RB色光源)との組合せを点灯する例を示す。
【0024】
次に、読取部20が原稿を読み取った二色読取画像の切り出し処理について説明する。
画像読取装置1は、出力を二色と限定することにより、フルカラー時よりも効率的な制御を行うことができる。任意の色光源点灯時に、カラーパッチ原稿を読み取った結果を用いて、二色読取画像から所望の二色の画像を切り出し出力画像とする処理を説明する。
【0025】
(1)黒、赤の二色印刷(R色光源、G色光源点灯)の場合
二種類の光源点灯で黒、赤の二色の印刷を行う場合の処理例を説明する。
原稿画像を読み取り、赤/黒の二色データとして印刷を行う場合、読み取りデータをR色光源で読み取った画像およびG色光源で読み取った画像データの二種類を用いる方法がある。
図7はR色光源を点灯してカラーパッチ原稿を読み取った際の画像であり、
図8はG色光源を点灯してカラーパッチ原稿を読み取った際の画像である。また、表2は、
図7、
図8内の抽出色の輝度情報(抽出対象パッチ輝度(R/G))を左側から順番に並べた値である。
【0026】
【0027】
制御部70は、
図7、
図8に示すように、R色光源点灯の画像およびG色光源点灯の画像それぞれから、抽出対象色としてR色パッチを抽出する。
図7、
図8では、抽出対象色のパッチを一点破線で囲んで示している。制御部70は、抽出したR色光源とG色光源とのR色パッチから輝度情報(表2)を取得する。
【0028】
制御部70において、R色光源とG色光源との同一座標上の明度を比較し、以下のように明度比較を行うことにより、簡易的に二色データに分離できる。
・R色光源データの明度がG色光源データの明度より大きい(R色光源データの明度>G色光源データの明度)となる箇所がR色の成分を含んだ画像データ
・R色光源データの明度がG色光源データの明度より小さい(R色光源データの明度<G色光源データの明度となる箇所がR色の成分を含まない黒データ
【0029】
なお、明度が同じデータは、画像データと黒データとのいずれかに分離されればよいため、明度が同じデータを、画像データまたは黒データとするように予め設定し、制御部70が設定に基づいて分離するとよい。
【0030】
(2)黒、青の二色印刷(B色光源、G色光源点灯)の場合
次に二種類の光源点灯で黒、青の二色印刷を行う場合の処理例を説明する。
原稿をB色光源とG色光源との二種類を用いて読み取り、読み取った画像の明度の比較により、青/黒の二色を抽出することが可能である。
図9はB色光源を点灯してカラーパッチ原稿を読み取った際の画像であり、
図10はG色光源を点灯してカラーパッチ原稿を読み取った際の画像である。また、表3は、
図9、
図10内の抽出色の輝度情報(抽出対象のパッチ輝度(B/G))を左側から順番に並べた値である。
【0031】
【0032】
制御部70は、B色光源点灯の画像およびG色光源点灯の画像それぞれから、抽出対象色としてB色パッチを抽出する。
図9、
図10では、抽出対象色のパッチを一点破線で囲んで示している。
制御部70において、B色光源とG色光源との同一座標上の明度を比較し、以下のように明度比較を行うことにより、簡易的に二色データに分離できる。
・B色光源データの明度がG色光源データの明度より大きい(B色光源データの明度>G色光源データの明度)となる箇所がB色の成分を含んだ画像データ
・B色光源データの明度がG色光源データの明度より小さい(B色光源データの明度<G色光源データの明度)となる箇所がB色の成分を含まない黒データ
なお、明度が同じデータは、明度が同じデータを、画像データまたは黒データとするように、予め設定するとよい。
【0033】
(3)緑、黒の二色印刷(G色光源とR+B色光源点灯)の場合
続いて、二種類の光源点灯で緑、黒の二色の印刷を行う場合の例を説明する。
G色光源はモノクロ読み取りにおいて用いられることもあり、黒との色判別が困難である。
そこでG色光源による読み取りと、R色光源およびB色光源(RB色光源)の二色同時点灯による読み取りとの二回の読み取りを組み合わせることにより判別精度の向上が図れる。
図11はG色光源を点灯してカラーパッチ原稿を読み取った際の画像であり、
図12はRB色光源を点灯してカラーパッチ原稿を読み取った際の画像である。また、表4は
図11、
図12内の抽出色の輝度情報(抽出対象のパッチ輝度(G色とRB二色))を左側から順番に並べた値である。
【0034】
【0035】
制御部70は、G色光源点灯の画像およびRB色光源点灯の画像それぞれから、抽出対象色としてG色パッチを抽出する。
図11、
図12では、抽出対象色のパッチを一点破線で囲んで示している。
制御部70において、G色光源とRB色光源との同一座標上の明度を比較し、以下のように明度比較を行うことにより、簡易的に二色データに分離できる。
・G色光源データの明度がRB色光源データの明度より大きい(G色光源データの明度>RB色光源データの明度)となる箇所がG色の成分を含んだ画像データ
・G色光源データの明度がRB色光源データの明度より小さい(G色光源データの明度<RB色光源データの明度)となる箇所がG色の成分を含まない黒データ
なお、明度が同じデータは、明度が同じデータを、画像データまたは黒データとするように、予め設定するとよい。
【0036】
上述の(1)から(3)のように、制御部70は、ユーザが選択した出力色に対応づけられた点灯色の光源(表1)を二回点灯して、読取部20に二色読取画像を読み取らせ、点灯毎の二色読取画像を受け取る。その後、制御部70は、二色読取画像から狙いとする二色を抽出して切り出すため、点灯色毎の二色読取画像から、出力する二色のいずれかの色を抽出し、点灯色毎に抽出した色の輝度を用いて、ユーザが選択した出力色の二色画像(出力画像)とする。
【0037】
以上説明した通り、本実施形態の画像読取装置は、三色以上の光源を備えた装置において、そのすべての光源を順次切り替えて点灯してフルカラー画像をイメージセンサにて原稿を読み取るフルカラーモードがあり、原稿を搬送させる搬送手段、フルカラーモード向け、二色画像モード向けに画像変換方法を変える制御手段(制御部)、二色画像モードでは専用の画像処理によりフルカラーより効率的なモード(二色画像モード)を備え、二色読取画像から狙いとする抽出した二色を切り出す方法を有する。
また、本実施形態の画像読取装置は、二色画像モードでは点灯回数を二回にして、読み取り速度を早くする制御手段を有する。
【0038】
上述した実施形態によれば、二色画像モードでは点灯回数を二回にして、読み取り速度を早くすることができる。このようにすると、画像読取装置が二色を読み取るときの生産性を向上させることが可能になる。
【0039】
実施形態2.
本実施形態では、出力色選択と点灯色との組み合わせの他の例を説明する。
実施形態1では、二回点灯する光源色として、
・単色:R→G→R→G・・・(
図4)
・単色+複数色:G→RB→G→RB・・・(
図6)
等を示した表1を例示したが、二回とも複数色であってもよく、例えば、以下の点灯色を用いることができる。
・複数色+複数色:RG→RB→RG→RB・・・(
図13)
【0040】
また、単色+複数色についても他の複数色を用いることができる。
表5に、出力色選択と点灯色との組み合わせの他の例を示す。表5は、表1へ二つの組み合わせを追加している。
【表5】
【0041】
例えば、赤、黒の二色印刷の場合に用いる点灯色について、R色光源とGB色光源を点灯するパターンを選択可能とすると、感色性能の異なる出力画像を生成するため、ユーザに多様な選択肢を提供できる。
また、二回の点灯において、複数の光源色を用いると、二色の判別精度を向上させることができる。
さらに、画像読取装置1の制御部70は、二色読取時の色(二色コピーする色)を限定し、それ以外の色を読み取る場合はフルカラーモードとするような機能を有するとよい。
【0042】
以上説明した通り、本実施形態の画像読取装置は、出力画像が赤/黒二色の場合はR点灯とG+B点灯の二回点灯で切り替えることにより、感色性能を向上させることを可能とする。
また、本実施形態の画像読取処理は、二色コピーする色(二色読取時の色)を限定させ、それ以外の色(色の組合せ)をコピーする場合はフルカラーモードとする制御を行う。このようにして、制御部70における複雑な制御を回避し、二色画像を効率的に読み取ることができる。
【0043】
実施形態3.
本実施形態では、LEDの点灯Dutyに関する改良について説明する。
一般的に読取光源となるLEDの点灯Dutyは電源オン時の光量調整により決定される。このとき、画像読取装置1は、白基準板50を読み取り、そのピーク値からDutyを調整している。
【0044】
本発明の実施形態に係る画像読取装置1は、二色画像モードに対応するため、二色における色の識別に特化した点灯Dutyで原稿を読み取ることが好ましい。このようにすると、二色画像モードの画像処理をより効率的にすることができる。
フルカラーモードでの調整は電源オン時のみに実施して、これ以降の変更はない。
そこで、本実施形態では、制御部70が二色読取設定(二色画像モードの選択)に応じて点灯Dutyを制御して、目的にあった光量で原稿を読み取ることを可能とする。
【0045】
図14は、点灯Dutyを調整する動作例を説明するフローチャートである。画像読取装置1において、電源が投入されると(S11)、制御部70は、操作部80を介して、ユーザにスキャンモード(例えば、フルカラーモード、二色画像モード、モノクロモード)を選択させ(S12)、光源部10の光量調整を、選択されたモード毎に(三色点灯及び二色点灯パターン毎)に調整する(S13)。制御部70は、ユーザが選択したスキャンモードを設定し、選択されたモードに応じたDutyをセットする(S14)。その後、制御部70は、選択されたモードに対応する光源を点灯して原稿を読み取る(S15)。
【0046】
なお、Duty設定はユーザが色合い設定に応じて自由に設定することもできる。例えば、制御部70は、操作部80を介して、ユーザに色合い設定に応じたDuty設定の入力を促す画面を表示し、ユーザが指定したDuty設定を受け取るようにするとよい。
図15は、Duty制御(RBとGの二回点灯)の一例を説明する図である。
制御部70は、例えば、点灯区間を色合いの設定に応じて矢印で示すように制御する。
【0047】
以上説明した通り、本実施形態の画像読取装置は、発光するLEDの点灯Duty比を変更する制御手段を有する。このようにすると、二色読取設定に応じた点灯Dutyの変更が可能となり、二色読取画像の色合い、画質を向上させることができる。
【0048】
その他の実施形態.
上記各実施形態では、光源を二回点灯して二色画像を読み取る例を説明したが、これに限られるわけではなく、フルカラーモードより少ない回数で光源を点灯して二色画像を読み取ることにより、フルカラーモードより効率化することが可能である。
また、上記各実施形態の画像読取装置1は、画像形成装置に設けることができる。画像形成装置は、例えば、画像読取装置1と作像装置とを備え、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(BK)の4色トナーによって一つの画像を形成するカラー複写機とするとよい。作像装置は、例えば、画像読取装置1で取得した画像データに基づいて記録媒体にトナー像を形成するものである。作像装置は、画像形成手段と、画像形成手段によって形成された記録媒体上のトナー像を記録媒体に定着する定着装置と、画像形成手段に向けて記録媒体を搬送する記録媒体搬送装置と備える。ここでは詳細な説明を省略する。
【0049】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>三色以上の光源を備えた画像読取装置であって、
原稿を搬送する搬送部と、
前記原稿を読み取る読取部と、
フルカラーモードと二色画像モードとを切り換える制御部と、を備え、
前記フルカラーモードは、すべての前記光源を順次切り替えて点灯して、前記読取部にてフルカラー画像を読み取るモードであり、
前記二色画像モードは、前記フルカラーモードより少ない回数で前記光源を点灯して、前記読取部にて二色読取画像を読み取り、前記二色読取画像から狙いとする二色を抽出して切り出して出力画像とするモードであり、前記回数のうち少なくとも一回で二色の前記光源を点灯する設定を有することを特徴とする画像読取装置である。
<2>前記制御部は、前記二色画像モードが、赤と黒との二色の前記出力画像とする場合には、赤色の前記光源と、緑および黒の前記光源とを切り換えて点灯することを特徴とする前記<1>に記載の画像読取装置である。
<3>前記制御部は、前記二色画像モードでは、選択可能な二色を限定し、限定された二色以外の色を読み取る場合には、前記フルカラーモードに切り替えることを特徴とする前記<1>または<2>に記載の画像読取装置である。
<4>前記制御部は、発光させる前記光源の点灯Duty比を変更することを特徴とする前記<1>から<3>のいずれか一つに記載の画像読取装置である。
<5>前記制御部は、前記二色画像モードでは、前記光源の点灯を二回とすることを特徴とする前記<1>から<4>のいずれか一つに記載の画像読取装置である。
<6>前記読取部は、イメージセンサにて前記原稿を読み取ることを特徴とする前記<1>から<5>のいずれか一つに記載の画像読取装置である。
【0050】
なお、本発明は上記に示す実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲において、上記実施形態の各要素を、当業者であれば容易に考えうる内容に変更、追加、変換することが可能である。また、上述した二以上の実施形態を適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0051】
1 画像読取装置
10 光源部
11 基板
13 LEDアレイ
20 読取部
21 イメージセンサ受光部(イメージセンサ)
30 搬送部
40 コンタクトガラス
50 白基準板
60 外光防止シャッター
70制御部
71 CPU
73 メモリ
80 操作部
90 バス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】