(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164283
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】クロストーク低減のためのイメージセンサ構造
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H01L27/146 D
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023015754
(22)【出願日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】63/336,851
(32)【優先日】2022-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/892,820
(32)【優先日】2022-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8, Li-Hsin Rd.6, Hsinchu Science Park, Hsinchu, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100164448
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】黄 偉志
(72)【発明者】
【氏名】蔡 雙吉
(72)【発明者】
【氏名】林 杏芝
(72)【発明者】
【氏名】劉 人誠
(72)【発明者】
【氏名】楊 敦年
【テーマコード(参考)】
4M118
【Fターム(参考)】
4M118AA05
4M118AB01
4M118BA14
4M118CA02
4M118CA25
4M118CB01
4M118CB02
4M118CB03
4M118FA06
4M118FA27
4M118FA28
4M118GA02
4M118GB04
4M118GB11
4M118GC07
4M118GD04
4M118GD07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】イメージセンサ構造において光ノイズがより好適に遮断され、大きなフォトダイオードの小さなフォトダイオードとの間のクロストークが低減されたイメージセンサ構造を提供する。
【解決手段】イメージセンサ200は、1つの方向に沿って第2フォトダイオード208Lと第3フォトダイオードと208Lの間に設けられた第1フォトダイオード208Sと、第1フォトダイオード周囲に設けられた第1ディープトレンチアイソレーション(DTI)特徴240Dと、第2フォトダイオードと第3フォトダイオード側壁に沿って設けられた第2DTI特徴240と、を含む。第1DTI特徴の深さは第2DTI特徴の深さよりも深い。第2フォトダイオードの量子効率は、第1フォトダイオードの量子効率よりも低い。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの方向に沿って第2フォトダイオードと第3フォトダイオードとの間に設けられた第1フォトダイオードと、
前記第1フォトダイオードと前記第2フォトダイオードとの間に設けられた第1ディープトレンチアイソレーション(DTI)特徴と、
前記第1フォトダイオードと前記第3フォトダイオードとの間に設けられた第2DTI特徴と
を含み、
前記第1DTI特徴の深さが前記第2DTI特徴の深さよりも深く、
前記第2フォトダイオードの量子効率が前記第1フォトダイオードの量子効率よりも低い、
イメージセンサ。
【請求項2】
前記第3フォトダイオードの量子効率が前記第1フォトダイオードの量子効率と同一である、
請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記第1フォトダイオードが前記1つの方向に沿って第1の幅を有し、
前記第2フォトダイオードが前記1つの方向に沿って第2の幅を有し、
前記第1の幅が前記第2の幅よりも広い、
請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記第1フォトダイオード、前記第2フォトダイオード、及び前記第3フォトダイオードの上方に設けられたパッシベーション層と、
前記パッシベーション層に埋め込まれて前記第1フォトダイオード、前記第2フォトダイオード、及び前記第3フォトダイオードの上方にまたがる金属グリッドと
を更に含む、
請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記パッシベーション層に埋め込まれて前記金属グリッドと前記第2フォトダイオードとの間に設けられた金属フィルム
を更に含む、
請求項4に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記第1フォトダイオード、前記第2フォトダイオード、及び前記第3フォトダイオードの下方に設けられた第1誘電体層と、
前記第1誘電体層に埋め込まれた第1金属構造と
を更に含み、
前記第1金属構造が、垂直方向に沿って前記第1DTI特徴と整列している、
請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記第1金属構造が環形状を有し、前記第2フォトダイオードの直下の前記第1誘電体層の一部を完全に囲んで延伸する、
請求項6に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
前記第1誘電体層の下方に設けられた第2誘電体層と、
前記第2誘電体層に埋め込まれて前記第2フォトダイオードの直上に設けられた第2金属構造と
を更に含み、
前記第1金属構造が前記第2金属構造と直接接触する、
請求項6に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記第1金属構造が金属柱のアレイを含む、
請求項6に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
第1フォトダイオードと、
1つの方向に沿って前記第1フォトダイオードと隣接する第2フォトダイオードと、
前記第1フォトダイオード及び前記第2フォトダイオードの上方に設けられた第1パッシベーション層と、
前記第1パッシベーション層の上方に設けられた金属グリッドと、
前記第1パッシベーション層に埋め込まれ、前記第1フォトダイオードの直上に設けられるが、前記第2フォトダイオードの上方に延伸しない金属フィルムと
を含み、
前記第1フォトダイオードの量子効率が前記第2フォトダイオードの量子効率とは異なる、
イメージセンサ。
【請求項11】
前記第1フォトダイオードの前記量子効率が前記第2フォトダイオードの前記量子効率よりも低い、
請求項10に記載のイメージセンサ。
【請求項12】
前記第1フォトダイオードが前記1つの方向に沿って第1の幅を有し、
前記第2フォトダイオードが前記1つの方向に沿って第2の幅を有し、
前記第1の幅が前記第2の幅よりも狭い、
請求項10に記載のイメージセンサ。
【請求項13】
前記第1フォトダイオードの周囲の第1ディープトレンチアイソレーション(DTI)特徴と、
前記第2フォトダイオードの側壁に沿った第2DTI特徴
を更に含み、
前記第1DTI特徴の深さが前記第2DTI特徴の深さよりも深い、
請求項10に記載のイメージセンサ。
【請求項14】
前記金属フィルムが、スズ、アルミニウム銅、又はタングステンを含む、
請求項10に記載のイメージセンサ。
【請求項15】
前記第1パッシベーション層及び前記金属グリッドの上方に設けられた第2パッシベーション層と、
前記第2パッシベーション層に埋め込まれて前記第1フォトダイオードの直上に設けられた第1カラーフィルタ素子と、
前記第2パッシベーション層に埋め込まれて前記第2フォトダイオードの直上に設けられた第2カラーフィルタ素子と
を更に含み、
前記第1カラーフィルタ素子と前記第2カラーフィルタ素子が、前記第2パッシベーション層の一部によって間隔が空けられる、
請求項10に記載のイメージセンサ。
【請求項16】
前記第1パッシベーション層が、100Å~1000Åの間の厚さを含む、
請求項15に記載のイメージセンサ。
【請求項17】
1つの方向に沿って第2フォトダイオード領域と第3フォトダイオード領域との間に設けられた第1フォトダイオード領域と、
前記第1フォトダイオード領域の上方に設けられた第1トランジスタと、
前記第2フォトダイオード領域の上方に設けられた第2トランジスタと、
前記第3フォトダイオード領域の上方に設けられた第3トランジスタと、
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、及び前記第3トランジスタの上方に設けられた第1誘電体層と
を含む基板を受け取ることと、
前記第2トランジスタを完全に囲んで延伸するよう環状トレンチを前記第1誘電体層に形成することと、
第1金属構造を形成するため、前記環状トレンチに第1金属充填層を堆積することと
を含み、
前記第1金属構造の第1部分が前記第1フォトダイオード領域と前記第2フォトダイオード領域との間の界面と垂直に整列し、前記第1金属構造の第2部分が前記第2フォトダイオード領域と前記第3フォトダイオード領域との間の界面と垂直に整列する、
イメージセンサの形成方法。
【請求項18】
前記第1誘電体層及び前記第1金属構造の上方に第2誘電体層を堆積することと、
前記第2フォトダイオード領域の垂直投影領域と整列するよう開口を前記第2誘電体層に形成することと、
第2金属構造を形成するため、前記開口に第2金属充填層を堆積することと
を更に含む、
請求項17に記載のイメージセンサの形成方法。
【請求項19】
前記基板を反転することと、
前記第2フォトダイオード領域を完全に囲むディープトレンチを形成することで、前記第1フォトダイオード領域と前記第3フォトダイオード領域が前記1つの方向に沿って前記ディープトレンチによって前記第2フォトダイオード領域から間隔が空けられることと、
を更に含み、
前記ディープトレンチが前記第2フォトダイオード領域の全高さを貫通して延伸する、
請求項17に記載のイメージセンサの形成方法。
【請求項20】
前記ディープトレンチの上方にライナーをコンフォーマルに堆積することと、
前記ライナーをコンフォーマルに堆積した後、前記ディープトレンチの上方に誘電体材料を堆積することと
を更に含む、
請求項19に記載のイメージセンサの形成方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体集積回路(IC)産業は指数関数的な成長を経験している。IC材料及び設計における技術進歩は、各世代が前世代よりも小型で複雑な回路を有するというICの世代を生み出してきた。ICの進化の過程で、機能密度(即ち、チップ面積あたりの相互接続されたデバイスの数)は一般的に増加してきたが、ジオメトリサイズ(即ち、製造プロセスを用いて作成できる最小コンポーネント(又はライン))は減少してきた。この微細化プロセスは、一般的に、生産効率の向上及び関連コストの削減という利点をもたらす。このような微細化により、ICの処理及び製造の複雑さも増加している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
特許文献1:米国特許公報第10,770,502B2号
特許文献2:米国特許公報第10,475,847B2号
特許文献3:米国特許公報第11,172,142B2号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサ(CIS)といったイメージセンサは、近代の消費者電子機器において頻繁に見られる。例えば、CISは自動車産業において自動化及び感知機能を実現するために多用されている。画像検知感度を向上させるため、異なるサイズのフォトダイオードがアレイに実装される。異なるサイズのフォトダイオードは異なる量子効率(QE)レベルを有するため、大きなフォトダイオードからのクロストークは隣接する小さなフォトダイオードに大きなノイズをもたらす。このため、既存のイメージセンサ構造が一般的に意図された目的に適切である一方、全ての面で満足できるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、いくつかの実施形態においてイメージセンサを提供する。該イメージセンサは、1つの方向に沿って第2フォトダイオードと第3フォトダイオードとの間に設けられた第1フォトダイオードと、第1フォトダイオードと第2フォトダイオードとの間に設けられた第1ディープトレンチアイソレーション(DTI)特徴と、第1フォトダイオードと第3フォトダイオードとの間に設けられた第2DTI特徴とを含む。第1DTI特徴の深さは第2DTI特徴の深さよりも深く、第2フォトダイオードの量子効率は第1フォトダイオードの量子効率よりも低い。
【0005】
本発明はまた、いくつかの実施形態においてイメージセンサを提供する。該イメージセンサは、第1フォトダイオードと、1つの方向に沿って第1フォトダイオードと隣接した第2フォトダイオードと、第1フォトダイオード及び第2フォトダイオードの上方に設けられた第1パッシベーション層と、第1パッシベーション層の上方に設けられた金属グリッドと、第1パッシベーション層に埋め込まれ、第1フォトダイオードの直上に設けられるが第2フォトダイオードの上方に延伸しない金属フィルムとを含む。第1フォトダイオードの量子効率は第2フォトダイオードの量子効率とは異なる。
【0006】
本発明は、いくつかの実施形態においてイメージセンサの形成方法を更に提供する。該イメージセンサの形成方法は、1つの方向に沿って第2フォトダイオード領域と第3フォトダイオード領域との間に設けられた第1フォトダイオード領域と、第1フォトダイオード領域の上方に設けられた第1トランジスタと、第2フォトダイオード領域の上方に設けられた第2トランジスタと、第3フォトダイオード領域の上方に設けられた第3トランジスタと、第1トランジスタ、第2トランジスタ、及び第3トランジスタの上方の第1誘電体層とを含む基板を受け取ることを含む。該方法は、第1誘電体層に環状トレンチ形成することで、環状トレンチが第2トランジスタを完全に囲んで延伸することと、第1金属構造を形成するため、環状トレンチに第1金属充填層を堆積することとを更に含む。第1金属構造の第1部分は、第1フォトダイオード領域と第2フォトダイオード領域との間の界面と垂直に整列し、第1金属構造の第2部分は、第2フォトダイオード領域と第3フォトダイオード領域との間の界面と垂直に整列する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、イメージセンサ構造において光ノイズがより好適に遮断され、大きなフォトダイオードの小さなフォトダイオードとの間のクロストークが低減されたイメージセンサ構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の態様は、添付図面と共に以下の詳細な説明を読むことで最もよく理解される。本業界の標準的な慣行に従い、様々な機能は縮尺どおりに描かれていないことを強調しておく。実際、添付図面に示される様々な機能の寸法は、説明を明確にするために任意に拡大又は縮小されている可能性がある。また、添付図面は本発明の典型的な実施形態のみを示しており、本発明は他の実施形態にも同様に適用できるため、範囲を限定するものと見なされるべきではないことも強調しておく。
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の様々な様態によるイメージセンサデバイスを製造する方法を表すフロー図である。
【
図2】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図3】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図4】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図5】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図6】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図7】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図8】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図9】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図10】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図11】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図12】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図13】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図14】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図15】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図16】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図17】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図18】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図19】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図20】
図2~20は、本発明の様々な様態による、
図1の方法による製造の様々な段階を経るワークの断片的な断面図又は上面図を表す。
【
図21】
図21は、本発明の様々な様態による、本発明のイメージセンサの様々な特徴がクロストークを低減するため如何に動作するかを概略的に表す。
【
図22】
図22と23は、本発明の様々な様態による、小さなフォトダイオード領域に対する金属吸収特徴のための開口の概略上面図を表す。
【
図23】
図22と23は、本発明の様々な様態による、小さなフォトダイオード領域に対する金属吸収特徴のための開口の概略上面図を表す。
【
図24】
図24~27は、本発明の様々な様態による、小さなフォトダイオードの周囲に拡張ディープトレンチアイソレーション(DTI)特徴が実装されたイメージセンサの断片的な上面図を表す。
【
図25】
図24~27は、本発明の様々な様態による、小さなフォトダイオードの周囲に拡張ディープトレンチアイソレーション(DTI)特徴が実装されたイメージセンサの断片的な上面図を表す。
【
図26】
図24~27は、本発明の様々な様態による、小さなフォトダイオードの周囲に拡張ディープトレンチアイソレーション(DTI)特徴が実装されたイメージセンサの断片的な上面図を表す。
【
図27】
図24~27は、本発明の様々な様態による、小さなフォトダイオードの周囲に拡張ディープトレンチアイソレーション(DTI)特徴が実装されたイメージセンサの断片的な上面図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の実施形態は、提供される主題の異なる特徴を実装するための多くの異なる実施形態又は実施例を提供する。本発明を単純化するため、要素及び配置の特定の実施例を以下に説明する。当然ながら、これらは例示であり、限定することを意図していない。例えば、以下の説明における、第2の特徴の上方又は第2の特徴上の第1の特徴の形成は、第1及び第2の特徴が直接的に接触して形成される実施形態を含んでよく、また第1及び第2の特徴が直接的に接触しないように、第1と第2の特徴の間に追加的な特徴が形成された実施形態であってもよい。加えて、本発明は様々な実施例において参照符号及び/又は文字を繰り返す可能性がある。この繰り返しは単純化及び明確化の目的のためであり、それ自体は言及される様々な実施形態及び/又は構成の間の関係性を規定するものではない。
【0011】
更に、「下」、「下方」、「低い」、「上方」、「上部」等といった空間的相対語は、図に表される1つの要素又は特徴の別の要素又は特徴に対する関係性を説明するための記述を容易にするために用いられ得る。空間的相対語は、図示された方向に加え、使用中又は操作中の装置の異なる方向を包含することを意図している。装置は他に方向付けられてもよく(90度又は他の方向に回転)、ここで使用される空間的相対記述語は同様にそのように解釈されてよい。
【0012】
また更に、ある数、又は数のある範囲が、「約」、「およそ」等を用いて説明されるとき、該用語は、当業者によって理解されるように、製造中に本質的に生じる変動を考慮した妥当な範囲内の数値を包含することを意図している。例えば、数又は数の範囲は、数に関連付けられた特性を持つ機能の製造に関連付けられた既知の製造公差に基づき、述べられた数字のプラス又はマイナス10%といった、述べられた値を含む妥当な範囲を包含する。例えば、「約5nm」の厚さを有する材料層は、材料層の堆積に関連する製造公差が当業者にプラス又はマイナス15%であることが知られているとき、4.25nm~5.75nmの寸法範囲を包含する。更に、本発明は様々な実施例において参照符号及び/又は文字を繰り返す可能性がある。この繰り返しは、単純化及び明確化を目的のためであり、それ自体は説明される様々な実施形態及び/又は構成の間の関係を規定するものではない。
【0013】
相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサ(CIS)は近年人気を博している。例えば、CISは自動車産業において自動化及び感知機能を実現するために用いられている。これら機能を果たすとき、CISは人間の視覚を補助又は置き換えるマシンビジョンを提供する。当該産業が直面する1つの挑戦は発光ダイオード(LED)のちらつきであり、これはマシンビジョンにとって非常に悩ましいものであり得る。1つの解決策は、大きなフォトダイオードと小さなフォトダイオードの両方を実装する分割ピクセル技術である。大きなフォトダイオードは小さなフォトダイオードよりも高い量子効率(QE)を有する。大きなフォトダイオードは、比較的高いQEを有するために、比較的大きなサイズか、異なる注入ドーパントを有する。つまり、大きなフォトダイオードは必ずしも小さなフォトダイオードよりも大きいわけではない。大きなフォトダイオードは短い露光時間でシーンをキャプチャするよう構成され、小さなフォトダイオードは長い露光時間で LED信号をキャプチャするよう構成される。分割ピクセル技術又は類似の技術が採用されるとき、大きなフォトダイオードと小さなフォトダイオードは互いに隣り合うよう設けられる。隣接した大きなフォトダイオードからの光は、小さなフォトダイオードにおいてノイズを引き起こす可能性がある。大きなフォトダイオードからの光はディープトレンチアイソレーション(DTI)特徴の間隙、配線工程の金属特徴からの反射、又はマイクロレンズとカラーフィルタを介して、小さなフォトダイオード内へ横切る可能性がある。
【0014】
本発明は、大きなフォトダイオードと小さなフォトダイオードとの間のクロストークを低減させるイメージセンサ構造を提供する。1つの様態において、本発明のイメージセンサ構造は、隣接した大きなフォトダイオードからの光ノイズを好適に遮断するため、小さなフォトダイオードの周囲に比較的深い又は拡張されたディープトレンチアイソレーション(DTI)特徴を実装する。もう1つの様態において、本発明のイメージセンサ構造は、上を覆うマイクロレンズ及びカラーフィルタからの光ノイズを遮断するため、小さなフォトダイオードの上方のパッシベーション構造に埋め込まれた金属フィルムを含む。更にもう1つの様態において、本発明のイメージセンサ構造は、金属特徴から反射された光ノイズを遮断するための、配線工程(BEOL)構造における接点構造を含む。本発明の様々な特徴は、小さなフォトダイオードへのクロストークを低減するため、単独で又は組合せで機能する。
【0015】
本発明の様々な様態を、図面を参照してより詳細に説明する。これに関し、
図1は本発明の実施形態によるワーク200上にイメージセンサを形成する方法100を表すフロー図である。方法100は単に例示であり、本発明を方法100に明示的に表されるものに限定することを意図していない。追加的なステップが方法100の前、間、及び後に提供されてよく、説明されるいくつかのステップは該方法の追加的な実施形態のために、置き換え、排除、移動されてよい。簡略化のため、全てのステップをここで詳細に説明することはない。方法100を、方法100の実施形態による製造の様々な段階でのワーク200の断片的な断面図である
図2~19と併せて以下に説明する。ワーク200が製造プロセスの終わりにイメージセンサ又はイメージセンサ構造に製造されるため、ワーク200は内容によってイメージセンサ200又はイメージセンサ構造200とも呼称する可能性がある。加えて、本願を通して、特記しない限り同様の符号は同様の特徴を示す。
図2~16においてX、Y、Z方向を一貫して用い、これらは互いに直交する。
【0016】
図1と2を参照し、方法100は、小さなフォトダイオード(SPD)領域202Sと大きなフォトダイオード(LPD)領域202Lとを含むワーク200を受け取る、ブロック102を含む。
図2に示すように、ワーク200は、小さなフォトダイオード(SPD)領域202Sと大きなフォトダイオード(LPD)領域202Lとに分割された基板202を含む。ワーク200は、LPD領域202Lの上方に製造されたLPDトランジスタ208Lと、SPD領域202Sの上方に製造されたSPDトランジスタ208Sとを更に含む。LPDトランジスタ208LとSPDトランジスタ208Sは、分離特徴204によって互いに分離される。ワーク200は、分離特徴204の上方の第1エッチストップ層206と、第1層間誘電体(ILD)層210とを更に含む。基板202は、バルクシリコン(Si)基板であってよい。或いは、基板202は、ゲルマニウム(Ge)といった元素半導体、炭化ケイ素(SiC)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化ガリウム(GaP)、リン化インジウム(InP)、ヒ化インジウム(InAs)、及び/又はアンチモン化インジウム(InSb)といった化合物半導体、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素リン(GaAsP)、ヒ化インジウムアルミニウム(AlInAs)、ヒ化ガリウムアルミニウム(AlGaAs)、ヒ化ガリウムインジウム(GaInAs)、リン化ガリウムインジウム(GaInP)、及び/又はヒ化リン化インジウムガリウム(GaInAsP)といった合金半導体、又はそれらの組合せであってよい。
【0017】
基板202にSPD領域202SとLPD領域202Lを形成するため、基板202は、p型ドープ領域、n型ドープ領域、又はそれらの組合せといった、様々なドープ領域(未図示)を含んでよい。1つの実施形態において、基板202は、ホウ素(B)、二フッ化ホウ素(BF2)、又は他のp型ドーパントといったp型ドーパント、並びにリン(P)、ヒ素(As)、又は他のn型ドーパントといったn型ドーパントを含んでよい。本実施形態において、基板202は、フォトダイオードとも呼ばれるイメージセンサを形成するために基板202の特定領域に導入されたp型ドーパント及びn型ドーパントを有する市販のシリコン基板であってよい。
【0018】
SPDトランジスタ208S及びLPDトランジスタ208Lのそれぞれは、ソースと、ドレインと、ソースとドレインとの間に設けられたチャネル領域と、チャネル領域の上方に設けられたゲート構造とを含む。
図2に示したSPDトランジスタ208S及びLPDトランジスタ208Lは、異なる構成のトランジスタを表し得ることに注意されたい。例えば、これらはプレーナトランジスタ、フィン型電界効果トランジスタ(FinFET)、マルチブリッジチャネル(MBC)トランジスタ、全周ゲート型(GAA)トランジスタ、ナノワイヤトランジスタ、ナノシートトランジスタ、ナノ構造を有するトランジスタ、又はゲート構造がチャネル領域の複数の表面に係合する他のマルチゲートトランジスタであってよい、。SPDトランジスタ208S及びLPDトランジスタ208Lのアクティブ領域は、シャロートレンチアイソレーション(STI)特徴であってよい分離特徴204によって互いに分離される。SPDトランジスタ208S及びLPDトランジスタ208Lの構成によって、これらのアクティブ領域には、分離特徴204を埋め込んでよい。又は、SPDトランジスタ208S及びLPDトランジスタ208Lの構成によって、これらのアクティブ領域は、シート状、フィン状を有するしてよい。又は、SPDトランジスタ208S及びLPDトランジスタ208Lの構成によって、これらのアクティブ領域は、互いに垂直に間隔が空けられた複数のチャネルメンバを含んでよい。分離構造204は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、フッ素でドープされたケイ酸塩ガラス(FSG)、lоw-k誘電体、それらの組合せ、及び/又は他の適切な材料を含んでよい。第1エッチストップ層206は、窒化ケイ素又は酸窒化ケイ素を含んでよい。第1ILD層210は、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)酸化物、ドープされていないケイ酸塩ガラス、又は、ボロホスホシリケートガラス(BPSG)、溶融シリカガラス(FSG)、リンケイ酸ガラス(PSG)、ホウ素でドープされたシリコンガラス(BSG)といったドープされたシリコン酸化物、及び/又は他の適切な誘電体材料といった材料を含んでよい。
【0019】
図1と3を参照し、方法100は、少なくとも1つの開口212がワーク200の上方の第1ILD層210に形成される、ブロック104を含む。ブロック104で、少なくとも1つの開口212を形成するため、フォトリソグラフィプロセス及びエッチングプロセスが用いられる。1つの例示的なプロセスにおいて、フォトレジスト層がワーク200の上方に堆積される。フォトレジスト層は、パターン化フォトレジスト層を形成するため、露光前のベークプロセス、フォトマスクから反射された又はフォトマスクを透過した放射線への露光、露光後のベークプロセス、及び現像プロセスを経る。次いで、パターン化フォトレジスト層は、第1ILD層210における少なくとも1つの開口212をエッチングするため、エッチングマスクとして適用される。第1ILD層210のエッチングは、不活性ガス(例えばAr)、フッ素含有ガス(例えば、CF
4、C
2F
6、SF
6、又はNF
3)、他の適切なガス及び/又はプラズマ、及び/又はそれらの組合せの使用を含むドライエッチングプロセスを用いて実施されてよい。少なくとも1つの開口212は、SPD領域202Sの垂直投影領域を囲んで延伸するか、延伸するよう配置される。少なくとも1つの開口212は、異なる形状及び構成であってよい。
図18に表したいくつかの実施形態において、少なくとも1つの開口212は、SPD領域202Sの垂直投影領域を完全に囲んで延伸する単一の連続した開口であってよい。
図22における単一の連続した開口212は、約0.05μm~約0.2μmの間のトレンチ幅を有するトレンチに類似する。単一の連続した開口212はSPD領域202Sの垂直投影領域を完全に囲んで延伸するため、環状と呼ぶことができる。
図23に表したいくつかの他の実施形態において、
図3の少なくとも1つの開口212は、SPD領域202Sの垂直投影領域の縁部に沿って配置された複数の分離した開口212Sを含む。複数の分離した開口212Sは、所定の間隔によって互いに間隔が空けられてよく、互いに流体連通していない。複数の分離した開口212Sのそれぞれは実質的に円形で、約0.05μm~約0.2μmの間の直径を有してよい。分離した開口212Sの隣接するものの間の間隔は、約0.11μm~約0.5μmの間であってよい。
図3を参照し、X-Y面上で、少なくとも1つの開口212はSPDトランジスタ208Sを囲む。Z方向に沿って、少なくとも1つの開口212はSPD領域202Sと隣接するLPD領域202Lとの間の境界と実質的に整列していることに注意されたい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの開口212は第1ILD層210と第1エッチストップ層206を通って延伸する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの開口212は分離特徴204内に部分的に延伸してよい。
【0020】
図1、4、5を参照し、方法100は、金属吸収体特徴215が少なくとも1つの開口212に設けられる、ブロック106を含む。金属吸収体特徴215を形成するため、先ず、金属充填層214が
図4に示すようにワーク200の上方、そして少なくとも1つの開口212に堆積され、次いで、
図5に示すように誘電体層210の上方の余分な金属充填層214が、化学機械研磨(CMP)プロセスといった平坦化プロセスにより除去される。金属充填層214は、銅(Cu)、アルミニウ銅(AlCu)、タングステン(W)、又は適切な金属又は合金を含んでよい。金属充填層214は、物理蒸着(PVD)又は電解めっきを用いて堆積されてよい。金属充填層214が電解めっきを用いて形成されるとき、先ずシード層がCVDを用いて少なくとも1つの開口212の上方に堆積される。シード層の堆積の後、金属充填層214が電解めっきを用いて堆積される。シード層は、銅(Cu)又はチタン(Ti)を含んでよい。
図4に図示したいくつかの実施形態において、金属充填層214は少なくとも1つの開口212を充填するのみならず、第1ILD層210の頂面上にも堆積される。次いで、金属吸収体特徴215を形成するため、ワーク200は余分な金属充填層214を除去するため平坦化される。少なくとも1つの開口212が異なる実施形態において単一の連続した開口212(
図22に図示)又は複数の分離した開口212S(
図23に図示)であってよいことから、金属吸収体特徴215は単一の連続した金属構造物であるか、柱状の分離した金属吸収体特徴のアレイであってよい。
【0021】
図1と6を参照し、方法100は、保護金属層216がSPD領域202Sの直上に形成される、ブロック108を含む。保護金属層216を形成するため、第2エッチストップ層218と第2ILD層220が第1ILD層210の上方に順に堆積される。第2エッチストップ層218は、組成及び形成プロセスにおいて第1エッチストップ層206に類似する。第2ILD層220は、組成及び形成プロセスにおいて第1ILD層210に類似する。保護金属層216のための開口が、第2エッチストップ層218と第2ILD層220を通って形成される。次いで、金属充填層が該開口に堆積される。余分な金属充填層が平坦化プロセスにより除去された後、保護金属層216が第2エッチストップ層218と第2ILD層220に形成される。保護金属層216のための金属充填層は、銅(Cu)、アルミニウム銅(AlCu)、タングステン(W)、又は適切な金属又は合金を含んでよい。保護金属層216は、光ノイズがSPD領域202Sに進入することを低減するよう機能し、SPD領域202Sの直上に設けられる。SPD領域202Sの囲い込みを確実にするため、保護金属層216はSPD領域202Sの垂直投影領域よりも大きくてよい。Z方向に沿って見たとき保護金属層216とSPD領域202Sの両方が実質的に正方形である実施形態において、保護金属層216はSPD領域202Sの垂直投影領域よりも大きく作られてよい。ただし、相互接続構造においてスペースを過度に占めることを避けるため、囲いのマージンは全ての縁部に沿って約1μm未満であってよい。金属吸収体特徴215と保護金属層216との間の電気接続は要さないため、保護金属層216は金属吸収体特徴215と直接接触してもしなくてもよい。保護金属層216が金属吸収体特徴215と絶縁されるとき、保護金属層216のための開口は第2エッチストップ層218において終結し、残りの第2エッチストップ層218は保護金属層216及び金属吸収体特徴215から間隔が空けられる。
【0022】
図1と6を参照し、方法100は、更なる金属層が保護金属層216の上方に形成される、ブロック110を含む。金属吸収体特徴215と保護金属層216の形成は、イメージセンサ200における様々なデバイスを機能的に相互接続するために相互接続構造229を形成するための配線工程(BEOL)の部分と見なされてよい。ブロック110は、保護金属層216の上方に金属層を形成するためBEOLに続く。
図6を参照し、ブロック110は、第2ILD層220と保護金属層216の上方に第3エッチストップ層222を堆積してよい。次いで、第3ILD層224が第3エッチストップ層222の上方に堆積される。次いで、複数のコンタクトビア230が、金属吸収体特徴215と保護金属層216を形成するために用いたものと類似のプロセスを用いて、第3エッチストップ層222と第3ILD層224に形成される。同様に、第4エッチストップ層226と第4ILD層228が第3ILD層224の上方に順に堆積される。次いで、導電線231が第4エッチストップ層226と第4ILD層228に形成される。コンタクトビア230と導電線231は、銅(Cu)、アルミニウム銅(AlCu)、タングステン(W)、又は適切な金属又は合金を含んでよい。第3エッチストップ層222と第4エッチストップ層226は、第1エッチストップ層206に類似してよい。第3ILD層224と第4ILD層228は、第1ILD層210に類似してよい。後述するように、保護金属層216なしでは、LPD領域202Lからの光はコンタクトビア230及び導電線231によってSPD領域202S内に反射される可能性がある。参照を容易にするため、ILD層、エッチストップ層、コンタクトビア、及び導電線を含むBEOL特徴は、集合的に相互接続構造229と呼称する可能性がある。
【0023】
図1と7を参照し、方法100は、拡張ディープトレンチ232Dが小さなフォトダイオード領域の境界に沿って形成される、ブロック112を含む。BEOL構造が形成された後、基板202が上でBEOL構造が下となるようワーク200は上下に反転される。ワーク200の反転を示すため、
図7におけるZ方向矢印は下を向いている。ワーク200を上下に反転するため、キャリア基板(明示的に図示しない)が基板202に接合される。いくつかの実施形態において、キャリア基板は、融着により、粘着層の使用により、又はそれらの組合せにより、ワーク200に接合されてよい。いくつかの例において、キャリア基板は、半導体材料(例えばシリコン)、サファイア、ガラス、高分子材料、又は他の適切な材料で形成されてよい。融着が用いられる実施形態において、キャリア基板は第1酸化物層を含み、ワーク200は第2酸化物層を含む。第1酸化物層と第2酸化物層の両方が処理された後、これらは室温又は高温での直接接合のために互いに密接に接触して配置される。キャリア基板がワーク200に接合されると、ワーク200は
図7に示すように反転される。
【0024】
ワーク200が上下に反転された後、ディープトレンチ232と拡張ディープトレンチ232Dが基板202に形成される。
図7に示すように、ディープトレンチ232は2つの隣接するLPD領域202Lの間に形成され、拡張ディープトレンチ232DはSPD領域202SとLPD領域202Lとの境界で形成される。名称が示唆するように、拡張ディープトレンチ232Dは基板202内により深く延伸する。
図7に示すように、ディープトレンチ232は第1の深さD1を有し、拡張ディープトレンチ232Dは第2の深さD2を有する。第2の深さD2は第1の深さD1よりも深い。いくつかの例において、第1の深さD1は約1.0μm~約9μmの間であり、第2の深さD2は約1.5μm~約10μmの間である。第2の深さD2に対する第1の深さD1の比は、約55%~約90%の間であってよい。拡張ディープトレンチ232のエッチングは、より広いトレンチ幅ももたらす。
図7に示すように、各ディープトレンチ232は第1のトレンチ幅W1を含んでよく、各拡張ディープトレンチ232Dは第2のトレンチ幅W2を含んでよい。第2のトレンチ幅W2は第1のトレンチ幅W1よりも広い。いくつかの例において、第1のトレンチ幅W1は約10nm~約300nmの間であってよく、第2のトレンチ幅W2は第1のトレンチ幅W1の約110%~約200%であってよい。
【0025】
1つの例示的なプロセスにおいて、ハードマスク(明示的に図示しない)が基板202の上方に形成される。ハードマスクは、単一層又は複数層であってよい。1つの実施形態において、ハードマスクは、窒化ケイ素層と、窒化ケイ素層の上方の酸化ケイ素層とを含んでよい。次いで、ハードマスクをパターン形成するため、フォトリソグラフィプロセスとエッチングプロセスが実行される。例えば、フォトレジスト層(明示的に図示しない)がハードマスクの上方に形成され、適切なフォトリソグラフィ放射線源に露光され、パターン化フォトレジスト層を形成するため現像される。次いで、パターン化フォトレジスト層が、ハードマスクをパターン形成するためエッチングマスクとして用いられる。次いで、基板202はパターン化ハードマスクをエッチングマスクとして用いられて異方性エッチングされ、これによりディープトレンチ232が形成される。異方性エッチングは、六フッ化硫黄(SF6)、四フッ化炭素(CF4)、三フッ化窒素(NF3)、他のフッ素含有ガス、酸素(O2)、又はそれらの混合物で実施するドライエッチングプロセスであってよい。ディープトレンチ232が形成された後、SPD領域202Sの境界に沿ったディープトレンチ232を選択的に露出するため、もう1つのパターンフィルム又はもう1つのパターン化フォトレジスト層がワーク200の上方に形成される。次いで、SPD領域202Sの境界に沿ったディープトレンチ232は基板202内に更に延伸するようエッチングされ、拡張ディープトレンチ232Dが形成される。
【0026】
図1と8を参照し、方法100は、ライナー234が、ディープトレンチ232と拡張ディープトレンチ232Dとを含むワーク200の上方にコンフォーマルに堆積される、ブロック114を含む。ライナー234は金属を含んでよい。いくつかの実施形態において、ライナー234は、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、又は銅(Cu)を含む。ライナー234は、CVD又は原子層蒸着(ALD)を用いて堆積されてよい。
【0027】
図1と9を参照し、方法100は、ディープトレンチアイソレーション(DTI)特徴240と拡張DTI特徴240Dとを形成するため、充填材料236がディープトレンチ232と拡張ディープトレンチ232Dに堆積される、ブロック116を含む。充填材料236は、半導体酸化物や金属酸化物といった誘電体材料を含んでよい。例えば、充填材料236は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化イットリウム、又はそれらの組合せを含んでよい。1つの実施形態において、充填材料236は酸化ケイ素を含んでよい。充填材料236は、原子層蒸着(ALD)又は化学蒸着(CVD)を用いて堆積されてよい。ディープトレンチ232及び拡張ディープトレンチ232D内への充填材料236の堆積は、それぞれDTI特徴240及び拡張DTI特徴240Dを形成する。一般的に、DTI特徴240と拡張DTI特徴240Dは、量子効率(QE)を向上させるためSPD領域202S及びLPD領域202Lに向けて光を反射するリフレクタとして機能することができる。換言すれば、DTI特徴240と拡張DTI特徴240Dは、入射光が分散、吸収、又は逃れる前に、SPD領域202S及びLPD領域202Lを跳ね回ることを可能とする。
【0028】
図1、10、11を参照し、方法100は、金属フィルム244が充填材料236の上方に堆積される、ブロック118を含む。金属フィルム244は、斜めの入射光を隣接するLPD領域202Lの上方から回折又は偏向させるため、SPD領域202Sの直上(又はワーク200が上下に反転されるとき直下)に形成される。
図10と11に表した1つの例示的なプロセスにおいて、
図10に示すように、グローバル金属層242が充填材料236の上方に約100Å~約1000Åの間の厚さまでブランケット堆積される。グローバル金属層242は、スズ(Sn)、アルミニウム銅(AlCu)、又はタングステン(W)を含んでよい。次いで、
図11に示すように、堆積されたグローバル金属層242は金属フィルム244を形成するためパターン形成される。
図11に示すように、金属フィルム244はSPD領域202S及びSPD領域202S周囲の拡張DTI特徴240Dの直上にあり、金属フィルム244はSPD領域202Sと拡張DTI特徴240Dの垂直投影領域と重複する。
図21、22、23と併せて更に説明するように、拡張DTI特徴240Dは、単一のSPD領域202S又は複数のSPD領域202Sのアレイを完全に囲んで延伸することができる。本発明によると、拡張DTI特徴240Dは、SPD領域202Sと隣接するLPD領域202Lとの間の境界に沿って形成される。少なくともいくつかの実施形態において、金属フィルム244はSPD領域202Sの量子効率(QE)を低減させ、SPD領域202SがLPD領域202Lよりも低いQEを有する少なくとも1つの理由である。他の理由は、SPD領域202SとLPD領域202Lの寸法に関わりがあり得る。
【0029】
図1と12を参照し、方法100は、第1パッシベーション層246が金属フィルム244の上方に形成される、ブロック120を含む。第1パッシベーション層246は酸化ケイ素を含んでよく、CVDを用いてワーク200の上方に堆積されてよい。第1パッシベーション層246は、充填材料236と同一の組成を共有してよい。
【0030】
図1、13、14を参照し、方法100は、金属グリッド250が第1パッシベーション層246の上方に形成される、ブロック122を含む。名称が示唆するように、金属グリッド250は、SPD領域202SとLPD領域202Lのうちの、全てでなければいくつかの上方に延伸するグリッド状構造又はフレームワークである。より具体的には、金属グリッド250は、SPD領域202SとLPD領域202Lへの光路開口を定義するようSPD領域202SとLPD領域202Lの境界に対応する。いくつかの実施形態において、金属グリッド250は、スズ(Sn)、アルミニウム銅(AlCu)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、又は銅(Cu)を含んでよい。1つの実施形態において、金属グリッド250はスズ(Sn)で形成されてよい。金属グリッド250は、隣接するフォトダイオード領域(即ち、SPD領域202SとLPD領域202L)間の光反射を物理的に遮断し、隣接するフォトダイオード間のクロストークを防止する。金属グリッド250を形成するための1つの例示的なプロセスにおいて、金属層が第1パッシベーション層246の上方に堆積される。次いで、金属層を金属グリッド250にパターン形成するため、フォトリソグラフィプロセス及びエッチングプロセスが用いられる。図示した実施形態において、金属グリッド250は、形成プロセスにおけるエッチング様態のため、面取りされた又は丸みを帯びた上部角部を有する。
図15に示したワーク200の上面図に示すように、その形成プロセスにおけるエッチング様態のため、金属グリッド250はシャープな正方形開口ではなく丸みを帯びた正方形開口を形成してよい。ここで用いられるとき、丸みを帯びた正方形開口は、丸みを帯びた角部を有する実質的に正方形のグリッド開口を指す。
【0031】
図1と16を参照し、方法100は、第2パッシベーション層252が金属グリッド250の上方に堆積される、ブロック124を含む。第1パッシベーション層246のように、第2パッシベーション層252は酸化ケイ素を含んでよく、CVDを用いて堆積されてよい。SPD領域202SとLPD領域202Lの上方の充填材料236の部分と、第1パッシベーション層246と、第2パッシベーション層252は、集合的にパッシベーション構造と見なされてよい。金属グリッド250と金属フィルム244は、そのようなパッシベーション構造に埋め込まれる。本発明によると、パッシベーション構造の厚さは、LPD領域202Lの上方からSPD領域202Sへの光ノイズの経路を減少させるため最小化される。
図16を参照し、パッシベーション構造は、金属グリッド250の頂面から測定した頂部厚さT1と、金属グリッドの底面から基板202の頂面へ測定された底部厚さT2とを含む。頂部厚さT1は、金属グリッド250により遮断されていない頂部隔たりを表し、底部厚さT2は金属グリッド250により遮断されていない底部の隔たりを表す。いくつかの実施形態において、頂部厚さT1と底部厚さT2はそれぞれ約100Å~約1000Åの間であってよい。
【0032】
図1と17を参照し、方法100は、更なるプロセスが実行される、ブロック126を含む。そのような更なるプロセスには、第2パッシベーション層252の上方のカラーフィルタアレイ260の形成と、カラーフィルタアレイ260の上方のマイクロレンズ特徴270の形成を含んでよい。カラーフィルタアレイ260は、ポリマー材料又は着色顔料を含む樹脂で形成されてよい。ブロック26で、カラーフィルタアレイ260は第2パッシベーション層252の上方に形成される。カラーフィルタアレイ260は、特定の波長の範囲を有する放射線(例えば光)の透過を可能とし、特定の範囲外の波長の光を遮断する、複数のフィルタを含む。
図17を参照し、マイクロレンズ特徴270はカラーフィルタアレイ260の上方に形成される。マイクロレンズ特徴270は、高透過率のアクリルポリマーといった、パターン形成してレンズを形成できる任意の材料で形成されてよい。1つの実施形態において、マイクロレンズ層は液状の材料及びスピンオン技術を用いて形成されてよい。この方法は、実質的に平坦な表面及び実質的に均一な厚さを有するマイクロレンズ層を生成することが分かっており、これによりマイクロレンズ特徴270のより高い均一性を提供する。CVD、PVD等といった他の方法も用いられてよい。マイクロレンズ層のための平坦な材料は、該平坦な材料をフォトダイオード領域(即ち、SPD領域202SとLPD領域202L)のアレイに対応するマイクロレンズ特徴270にパターン形成するため、フォトリソグラフィ及びエッチング技術を用いてパターン形成されてよい。次いで、平坦な材料は、マイクロレンズ特徴270のための適切な湾曲面を形成するためリフローされてよい。マイクロレンズ特徴270は、紫外線(UV)処理を用いて硬化されてよい。
【0033】
ブロック126での動作が完了すると、
図17に示したイメージセンサ200が実質的に形成される。当業界の慣習として、LPDトランジスタ208LとSPDトランジスタ208Sが形成されている基板202の側は表面と呼ばれ、パッシベーション構造254が形成されている反対側は裏面と呼ばれる。イメージセンサ200は入射光が裏側から到来することを可能とするため、
図17のイメージセンサ200は裏面照射型(BSI)構造を含み、BSIイメージセンサ200と呼称されてよい。
【0034】
いくつかの代替的な実施形態において、カラーフィルタアレイ260は、パッシベーション構造254の完全な上方に設けられるのではなく、パッシベーション構造254に部分的に埋め込まれる。
図18を参照されたい。これら代替的な実施形態において、第2パッシベーション層252は
図16のものよりも厚く形成される。次いで、
図18における、より厚い第2パッシベーション層252は、カラーフィルタ開口を形成するためパターン形成される。次いで、カラーフィルタアレイ260を形成するため、カラーフィルタ素子がカラーフィルタ開口内に形成される。
図17のカラーフィルタアレイとは異なり、
図19に示したカラーフィルタアレイにおけるカラーフィルタ素子は第2パッシベーション層252により互いに分離される。
【0035】
図17に示したBSIイメージセンサ200は、周辺領域によって囲まれた画素領域に設けられてよい。それらの名称が示唆するように、画素領域は入射光によって照射されるBSI画像センサ200を含み、周辺領域は照射されない基準構造を含む。
図20は、例示的な基準構造300を表す。
図17のBSIイメージセンサ200とは異なり、基準構造300は金属シールド2500を含む。金属グリッド250のようなグリッド開口を有さず、金属シールド2500は入射光を遮断するよう機能する。いくつかの実装において、基板構造300の上方の金属シールド2500とBSIイメージセンサ200の上方の金属グリッド250は、同一の材料を用いて同時に形成される。1つの例示的なプロセスにおいて、金属層が画素領域及び周辺領域の上方に堆積され、次いで画素領域における金属層のみが金属グリッド250を形成するためパターン形成プロセスを経る。実装において、金属シールド2500と金属グリッド250は、Z方向に沿って同一の厚さを有してよい。金属シールド2500の厚さは、金属フィルム244のものよりも厚い。図示した実施形態において、周辺領域への入射光は金属シールド2500により完全に遮断されるため、基準構造300は金属フィルム244を含まない。基準構造300は、黒状態の背景レベルを提供するよう機能する。基準構造300からの背景レベルは、感度を高める黒レベル補正(BLC)を可能とする。
【0036】
図21は、より薄いパッシベーション構造、金属フィルム244、拡張DTI特徴240D、金属吸収体特徴215、及び保護金属層216が、LPD領域202LからSPD領域202Sへの迷光ノイズを如何にして低減するかを表す。入射光Aは、LPD領域202Lの上方からカラーフィルタアレイ260及びマイクロレンズ特徴270を透過した、及び/又は、それらに反射された光を表す。
図21は、ある角度で到来する入射光Aが金属フィルム244により遮断又は反射されることを概略的に示している。より薄いパッシベーション構造254もここでの役割を果たすことに注意されたい。頂部の隔たり(金属グリッド250の上)と底部の隔たり(金属グリッド250の下)が大きすぎるとき、浅い角度の(即ち、イメージセンサ200の法線方向に対して90°に近い入射角を有する)入射光Aは金属フィルム244を避けてSPD領域202Sに進入する可能性がある。入射光Bは、LPD領域202Lの周囲のDTI特徴240のライナー234によって反射された光を表す。拡張DTI特徴240Dは基板を実質的に貫通して延伸するため、拡張DTI特徴240Dは入射光Bを遮断又は反射するよう対処し、SPD領域202Sに進入することを防止する。拡張DTI特徴240Dにより反射された入射光Bは、LPD領域202Lにおいて、より多くの光子電子を生成し、その量子効率を増加させる。
【0037】
続けて
図21を参照されたい。入射光Cは、LPD領域202Lを貫通して相互接続構造229に進入する光を表す。金属吸収体特徴215と保護金属層216なしには、入射光Cは相互接続構造299において金属特徴により反射されてSPD領域202Sのノイズとなる可能性がある。
図21に代表的に示すように、金属吸収体特徴215は入射光Cを遮断し反射する。入射光Dは、相互接続構造299において金属特徴により反射される光を表す。入射光Dは、入射光Cに類似の光に由来し得るが、入射光Cのように隣接するLPD領域202Lに由来しない。
図21に示すように、保護金属層216は入射光Dを遮断し反射するよう機能する。
【0038】
図2~20においてSPD領域202Sが二つのLPD領域202L間に挟まれるよう示しているが、本発明はこれに限定されず、少なくとも1つのSPD領域202SがLPD領域202Lに隣接する他の設計も含むと理解されるべきである。本発明によるイメージセンサ200の例示的な設計を
図24、25、26、27に示す。
図24は、矩形に配置された1つのSPD領域202Sと3つのLPD領域202Lを含む第1のイメージセンサ200-1の概略上面図を表す。SPD領域202Sは矩形の左上角に設けられ、3つのLPD領域202Lが他の3つの角を占める。
図24に表す実施形態において、SPD領域202Sは拡張DTI特徴240DによりLPD領域202Lから分離され、LPD領域202LはDTI特徴240又は拡張DTI特徴240Dによって互いに間隔が空けられてはいない。SPD領域202Sと3つのLPD領域202Lとを含む第1のイメージセンサ200-1は、DTI特徴240により囲まれる。
【0039】
図25は、1つのSPD領域202Sと、矩形に配置されてSPD領域を囲む8つのLPD領域202Lとを含む第2のイメージセンサ200-2の概略上面図を表す。SPD領域202Sは矩形の地理的中心に設けられ、8つのLPD領域202LはSPD領域202Sを囲むよう縁部に沿って設けられる。
図25に表す実施形態において、SPD領域202Sは拡張DTI特徴240Dにより8つのLPD領域202Lから分離され、8つのLPD領域202LはDTI特徴240又は拡張DTI特徴240Dによって互いに間隔が空けられてはいない。SPD領域202Sと8つのLPD領域202Lとを含む第2のイメージセンサ200-2は、DTI特徴240により囲まれる。
【0040】
図26は、矩形に配置された、4つのSPD領域202Sと、12個のLPD領域202Lとを含む第3のイメージセンサ200-3の概略上面図を表す。4つのSPD領域202Sは矩形の地理的中心に設けられ、12個のLPD領域202Lは4つの中心のSPD領域202Sを一周するよう縁部に沿って設けられる。
図26に表した実施形態において、4つのSPD領域202Sは拡張DTI特徴240Dにより12個のLPD領域202Lから分離されており、LPD領域202LはDTI特徴240又は拡張DTI特徴240Dによって互いに間隔が空けられてはいない。加えて、4つのSPD領域202SはDTI特徴240又は拡張DTI特徴240Dのいずれによっても互いに間隔が空けられてはいない。4つのSPD領域202Sと12個のLPD領域202Lとを含む第3のイメージセンサ200-3はDTI特徴240によって囲まれる。
【0041】
図27は、八角形のLPD領域202Lと、八角形のLPD領域202Lの間隙に設けられたSPD領域202Sとを含む第4のイメージセンサ200-4の概略上面図を表す。各SPD領域202Sは正方形状又は矩形状を有してよい。各SPD領域202Sは、拡張DTI特徴240Dによって囲まれる。SPD領域202Sとの境界縁部を除き、各LPD領域202LはDTI特徴240によって囲まれる。つまり、各LPD領域202LはDTI特徴240と拡張DTI特徴240によって囲まれる。
【0042】
よって、いくつかの実施形態において、本発明はイメージセンサを提供する。該イメージセンサは、1つの方向に沿って第2フォトダイオードと第3フォトダイオードとの間に設けられた第1フォトダイオードと、第1フォトダイオードと第2フォトダイオードとの間に設けられた第1ディープトレンチアイソレーション(DTI)特徴と、第1フォトダイオードと第3フォトダイオードとの間に設けられた第2DTI特徴とを含む。第1DTI特徴の深さは第2DTI特徴の深さよりも深く、第2フォトダイオードの量子効率は第1フォトダイオードの量子効率よりも低い。
【0043】
いくつかの実施形態において、第3フォトダイオードの量子効率は第1フォトダイオードの量子効率と実質的に同一である。いくつかの実装において、第1フォトダイオードは前記1つの方向に沿って第1の幅を有し、第2フォトダイオードは前記1つの方向に沿って第2の幅を有し、第1の幅は第2の幅よりも広い。いくつかの例において、該イメージセンサは、第1フォトダイオード、第2フォトダイオード、及び第3フォトダイオードの上方に設けられたパッシベーション層と、パッシベーション層に埋め込まれて第1フォトダイオード、第2フォトダイオード、及び第3フォトダイオードの上方にまたがる金属グリッドとを更に含む。いくつかの実施形態において、該イメージセンサは、パッシベーション層に埋め込まれて金属グリッドと第2フォトダイオードとの間に設けられた金属フィルムを更に含む。いくつかの実装において、該イメージセンサは、第1フォトダイオード、第2フォトダイオード、及び第3フォトダイオードの下方に設けられた第1誘電体層と、第1誘電体層に埋め込まれた第1金属構造とを更に含む。第1金属構造は、垂直方向に沿って第1DTI特徴と実質的に整列している。いくつかの実施形態において、第1金属構造は環形状を有し、第2フォトダイオードの直下の第1誘電体層の一部を完全に囲んで延伸する。いくつかの実施形態において、該イメージセンサは、第1誘電体層の下方に設けられた第2誘電体層と、第2誘電体層に埋め込まれて第2フォトダイオードの直上に設けられた第2金属構造とを更に含む。第1金属構造は、第2金属構造と直接接触する。いくつかの実施形態において、第1金属構造は金属柱のアレイを含む。
【0044】
本発明のもう1つの様態はイメージセンサに関する。該イメージセンサは、第1フォトダイオードと、1つの方向に沿って第1フォトダイオードと隣接する第2フォトダイオードと、第1フォトダイオード及び第2フォトダイオードの上方に設けられた第1パッシベーション層と、第1パッシベーション層の上方に設けられた金属グリッドと、第1パッシベーション層に埋め込まれ、第1フォトダイオードの直上に設けられるが、第2フォトダイオードの上方に延伸しない金属フィルムとを含み。第1フォトダイオードの量子効率は、第2フォトダイオードの量子効率とは異なる。
【0045】
いくつかの実施形態において、第1フォトダイオードの量子効率は第2フォトダイオードの量子効率よりも低い。いくつかの実装において、第1フォトダイオードは前記方向に沿って第1の幅を有し、第2フォトダイオードは前記方向に沿って第2の幅を有し、第1の幅は第2の幅よりも狭い。いくつかの実装において、該イメージセンサは、第1フォトダイオードの周囲の第1ディープトレンチアイソレーション(DTI)特徴と、第2フォトダイオードの側壁に沿った第2DTI特徴とを更に含む。第1DTI特徴の深さは、第2DTI特徴の深さよりも深い。いくつかの実施形態において、金属フィルムは、スズ、アルミニウム銅、又はタングステンを含む。いくつかの実施形態において、該イメージセンサは、第1パッシベーション層及び金属グリッドの上方に設けられた第2パッシベーション層と、第2パッシベーション層に埋め込まれて第1フォトダイオードの直上に設けられた第1カラーフィルタ素子と、第2パッシベーション層に埋め込まれて第2フォトダイオードの直上に設けられた第2カラーフィルタ素子とを更に含む。第1カラーフィルタ素子と第2カラーフィルタ素子は、第2パッシベーション層の一部によって間隔が空けられる。いくつかの実施形態において、第1パッシベーション層は、約100Å~約1000Åの間の厚さを含む。
【0046】
本発明の更にもう1つの様態は方法に関する。該方法は、1つの方向に沿って第2フォトダイオード領域と第3フォトダイオード領域との間に設けられた第1フォトダイオード領域と、第1フォトダイオード領域の上方に設けられた第1トランジスタと、第2フォトダイオード領域の上方に設けられた第2トランジスタと、第3フォトダイオード領域の上方に設けられた第3トランジスタと、第1トランジスタ、第2トランジスタ、及び第3トランジスタの上方に設けられた第1誘電体層とを含む基板を受け取ることを含む。該方法は、第2トランジスタを完全に囲んで延伸するよう環状トレンチを前記第1誘電体層に形成すること、第1金属構造を形成するため、環状トレンチに第1金属充填層を堆積することを更に含む。第1金属構造の第1部分は第1フォトダイオード領域と第2フォトダイオード領域との間の界面と垂直に整列し、第1金属構造の第2部分は第2フォトダイオード領域と第3フォトダイオード領域との間の界面と垂直に整列する。
【0047】
いくつかの実施形態において、該方法は、第1誘電体層及び第1金属構造の上方に第2誘電体層を堆積し、第2フォトダイオード領域の垂直投影領域と実質的に整列するよう開口を第2誘電体層に形成し、第2金属構造を形成するため、開口に第2金属充填層を堆積することを更に含む。いくつかの実装において、該方法は、基板を反転すること、第2フォトダイオード領域を完全に囲むディープトレンチを形成することで、第1フォトダイオード領域と第3フォトダイオード領域が前記1つの方向に沿ってディープトレンチによって第2フォトダイオード領域から間隔が空けられることと、を更に含む。該ディープトレンチは、実質的に第2フォトダイオード領域の全高さを貫通して延伸する。いくつかの例において、該方法は、ディープトレンチの上方にライナーをコンフォーマルに堆積し、ライナーをコンフォーマルに堆積した後、ディープトレンチの上方に誘電体材料を堆積することを更に含む。
【0048】
上記は、当業者が本発明の態様をより好ましく理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、ここで紹介した実施形態と同一の目的を実行するため、及び/又は同一の利点を達成するため、他の処理及び構造を設計又は改変するための基礎として、本開示を容易に用いることができることを理解すべきである。当業者はまた、そのような均等な構造は本発明の精神及び範囲から逸脱せず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な改変、置き換え、及び変更を行うことができることを理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、大きなフォトダイオードと小さなフォトダイオードとの間の低減されたクロストークを有するイメージセンサ構造を提供する。
【符号の説明】
【0050】
100:方法
102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126:ブロック
200:イメージセンサ
200-1:第1のイメージセンサ
200-2:第2のイメージセンサ
200-3:第3のイメージセンサ
200-4:第4のイメージセンサ
202:基板
202L:大きなフォトダイオード(LPD)領域
202S:小さなフォトダイオード(SPD)領域
204:アイソレーション特徴
206:第1エッチストップ層
208L:大きなフォトダイオード(LPD)トランジスタ
208S:小さなフォトダイオード(SPD)トランジスタ
210:第1層間誘電体(ILD)層
212、212S:開口
214:金属充填層
215:金属吸収体特徴
216:保護金属層
218:第2エッチストップ層
220:第2層間誘電体(ILD)層
222:第3エッチストップ層
224:第3層間誘電体(ILD)層
226:第4エッチストップ層
228:第4層間誘電体(ILD)層
229:相互接続構造
230:コンタクトビア
231:導電線
232:ディープトレンチ
232D:拡張ディープトレンチ
234:ライナー
236:充填材料
240:ディープトレンチアイソレーション(DTI)特徴
240D:拡張ディープトレンチアイソレーション(DTI)特徴
242:グローバル金属層
244:金属フィルム
246:第1パッシベーション層
250:金属グリッド
252:第2パッシベーション層
254:パッシベーション構造
260:カラーフィルタアレイ
270:マイクロレンズ特徴
300:基準構造
2500:金属シールド
A、B、C、D:入射光
D1:第1の深さ
D2:第2の深さ
T1:頂部厚さ
T2:底部厚さ
W1:第1のトレンチ幅
W2:第2のトレンチ幅
X、Y、Z:方向
【手続補正書】
【提出日】2023-02-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの方向に沿って第2フォトダイオードと第3フォトダイオードとの間に設けられた第1フォトダイオードと、
前記第1フォトダイオードと前記第2フォトダイオードとの間に設けられた第1ディープトレンチアイソレーション(DTI)特徴と、
前記第1フォトダイオードと前記第3フォトダイオードとの間に設けられた第2DTI特徴と
を含み、
前記第1DTI特徴の深さが前記第2DTI特徴の深さよりも深く、
前記第2フォトダイオードの量子効率が前記第1フォトダイオードの量子効率よりも低い、
イメージセンサ。
【請求項2】
前記第3フォトダイオードの量子効率が前記第1フォトダイオードの量子効率と同一である、
請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記第1フォトダイオードが前記1つの方向に沿って第1の幅を有し、
前記第2フォトダイオードが前記1つの方向に沿って第2の幅を有し、
前記第1の幅が前記第2の幅よりも広い、
請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記第1フォトダイオード、前記第2フォトダイオード、及び前記第3フォトダイオードの下方に設けられた第1誘電体層と、
前記第1誘電体層に埋め込まれた第1金属構造と
を更に含み、
前記第1金属構造が、垂直方向に沿って前記第1DTI特徴と整列している、
請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
第1フォトダイオードと、
1つの方向に沿って前記第1フォトダイオードと隣接する第2フォトダイオードと、
前記第1フォトダイオード及び前記第2フォトダイオードの上方に設けられた第1パッシベーション層と、
前記第1パッシベーション層の上方に設けられた金属グリッドと、
前記第1パッシベーション層に埋め込まれ、前記第1フォトダイオードの直上に設けられるが、前記第2フォトダイオードの上方に延伸しない金属フィルムと
を含み、
前記第1フォトダイオードの量子効率が前記第2フォトダイオードの量子効率とは異なる、
イメージセンサ。
【請求項6】
前記第1フォトダイオードの前記量子効率が前記第2フォトダイオードの前記量子効率よりも低い、
請求項5に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記第1フォトダイオードが前記1つの方向に沿って第1の幅を有し、
前記第2フォトダイオードが前記1つの方向に沿って第2の幅を有し、
前記第1の幅が前記第2の幅よりも狭い、
請求項5に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
1つの方向に沿って第2フォトダイオード領域と第3フォトダイオード領域との間に設けられた第1フォトダイオード領域と、
前記第1フォトダイオード領域の上方に設けられた第1トランジスタと、
前記第2フォトダイオード領域の上方に設けられた第2トランジスタと、
前記第3フォトダイオード領域の上方に設けられた第3トランジスタと、
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、及び前記第3トランジスタの上方に設けられた第1誘電体層と
を含む基板を受け取ることと、
前記第2トランジスタを完全に囲んで延伸するよう環状トレンチを前記第1誘電体層に形成することと、
第1金属構造を形成するため、前記環状トレンチに第1金属充填層を堆積することと
を含み、
前記第1金属構造の第1部分が前記第1フォトダイオード領域と前記第2フォトダイオード領域との間の界面と垂直に整列し、前記第1金属構造の第2部分が前記第2フォトダイオード領域と前記第3フォトダイオード領域との間の界面と垂直に整列する、
イメージセンサの形成方法。
【請求項9】
前記第1誘電体層及び前記第1金属構造の上方に第2誘電体層を堆積することと、
前記第2フォトダイオード領域の垂直投影領域と整列するよう開口を前記第2誘電体層に形成することと、
第2金属構造を形成するため、前記開口に第2金属充填層を堆積することと
を更に含む、
請求項8に記載のイメージセンサの形成方法。
【請求項10】
前記基板を反転することと、
前記第2フォトダイオード領域を完全に囲むディープトレンチを形成することで、前記第1フォトダイオード領域と前記第3フォトダイオード領域が前記1つの方向に沿って前記ディープトレンチによって前記第2フォトダイオード領域から間隔が空けられることと、
を更に含み、
前記ディープトレンチが前記第2フォトダイオード領域の全高さを貫通して延伸する、
請求項8に記載のイメージセンサの形成方法。
【外国語明細書】