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特開2023-164355ハイボウウエハ用静電チャック台座ヒータ
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  • 特開-ハイボウウエハ用静電チャック台座ヒータ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164355
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】ハイボウウエハ用静電チャック台座ヒータ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20231102BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20231102BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20231102BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
H01L21/31 B
C23C16/458
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023071729
(22)【出願日】2023-04-25
(31)【優先権主張番号】63/335,811
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シュバム・ガーグ
(72)【発明者】
【氏名】ジェヨン・チョ
(72)【発明者】
【氏名】アミット・ミシャラ
(72)【発明者】
【氏名】アクシャイ・パドニス
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K030GA02
4K030JA01
4K030JA20
4K030KA23
5F004BB22
5F004BB26
5F045AA06
5F045AA15
5F045EK07
5F045EM05
5F131AA02
5F131AA03
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131BA23
5F131CA03
5F131CA06
5F131EA03
5F131EA04
5F131EB11
5F131EB81
5F131EB82
(57)【要約】
【課題】台座本体と台座本体上にハイボウウエハなどの基板を受容するための表面とを含む静電チャック(ESC)台座ヒータを提供する。
【解決手段】電極が台座本体に埋め込まれ、静電力を選択的に生成する。ESC台座ヒータは、台座本体上の表面を超える高さまで隆起する基板接触面を含み、延在している内側シールバンド、中間シールバンド、および外側シールバンドを含む。基板接触面では、内側シールバンドから外側シールバンドへ外向きに延在する主スポークが設けられ、補助スポークは、中間シールバンドと外側シールバンドとの間の領域内の主スポークの間に設けることができる。さらに、接触領域またはドットが、バンドとスポークとの間の空間内の基板接触面に設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電チャック(ESC)台座ヒータであって、
台座本体と、
基板を受容するための前記台座本体上の表面と、
前記基板と前記表面との間に静電力を選択的に生成して前記基板を前記台座本体に固定するよう動作可能な、前記台座本体に埋め込まれた電極と、
前記台座本体上の前記表面を超える高さまで隆起する基板接触面と、を備え、
前記基板接触面が、
前記台座本体上の前記表面の中心の周りを第一の直径で延在する内側シールバンドと、
前記台座本体上の前記表面の前記中心の周りを前記第一の直径よりも大きい第二の直径で延在する中間シールバンドと、
前記台座本体上の前記表面の前記中心の周りを前記第二の直径よりも大きい第三の直径で延在する外側シールバンドと、を備え、
前記基板接触面が、
前記内側シールバンドと前記中間シールバンドとの間の前記台座本体上の前記表面の中間領域と、
前記中間シールバンドと前記外側シールバンドとの間の前記台座本体上の前記表面の外部領域と、に配設された複数の接触領域をさらに備える、ESC台座ヒータ。
【請求項2】
前記第一の直径が35~60ミリメートル(mm)の範囲であり、前記第二の直径が150~230mmの範囲であり、前記第三の直径が270~320mmの範囲である、請求項1に記載のESC台座ヒータ。
【請求項3】
前記外側シールバンドの幅が、前記内側シールバンドの幅よりも大きく、前記内側シールバンドの前記幅が前記中間シールバンドの幅より大きく、前記外側シールバンドの前記幅が、3~7mmの範囲から選択される、請求項1に記載のESC台座ヒータ。
【請求項4】
前記内側シールバンドおよび前記中間シールバンドが各々、ギャップによって第二のセクションに近接するとともに第二のセクションから離隔して配置される第一のセクションを備える、請求項1に記載のESC台座ヒータ。
【請求項5】
前記接触領域の各々が、1.5~3.0mmの範囲の外径を有するようにサイズ設定され、前記中間領域および外側領域の各々における前記接触領域の数が、少なくとも30箇所あり、前記中間領域および外側領域の前記接触領域が、前記接触領域の隣接するものから実質的に等距離に離間している、請求項1に記載のESC台座ヒータ。
【請求項6】
前記基板接触面が、前記内側シールバンドから前記外側シールバンドへ直線的に外側に向かって各々が延在するスポークの組をさらに含み、前記スポークの各々が1~3mmの範囲の幅を有する、請求項1に記載のESC台座ヒータ。
【請求項7】
前記スポークの組が、前記スポークのうちの隣接するものから放射状に各々60度オフセットした6本の前記スポークを含む、請求項6に記載のESC台座ヒータ。
【請求項8】
前記基板接触面が、補助スポークの組をさらに備え、各々が前記中間シールバンドから前記外側シールバンドへ直線的に外側に向かって延在し、各々が前記第一のスポークの組のうち、隣接する一対のスポークの間に配設され、それによって、前記中間シールバンドと前記外側シールバンドとの間のスポークの数が、前記中間シールバンドと前記内側シールバンドとの間のスポークの数よりも大きい、請求項6に記載のESC台座ヒータ。
【請求項9】
前記補助スポークの組が、6本の前記補助スポークを含み、前記補助スポークの各々が1~3mmの範囲の幅を有する、請求項8に記載のESC台座ヒータ。
【請求項10】
前記基板接触面の面積と前記台座本体上の前記表面の面積との比が10パーセント未満である、請求項1に記載のESC台座ヒータ。
【請求項11】
静電チャック(ESC)台座ヒータであって、
組み込みヒータおよび一体電極を含む台座本体と、
基板を受容するための前記台座本体上の表面と、
前記台座本体上の前記表面を超える高さまで隆起する基板接触面と、を備え、
前記基板接触面が、前記台座本体上の前記表面の中心の周りを第一の直径で延在する内側シールバンドと、前記台座本体上の前記表面の中心の周りを前記第一の直径よりも大きい第二の直径で延在する中間シールバンドと、前記台座本体上の前記表面の中心の周りを前記第二の直径よりも大きい第三の直径で延在する外側シールバンドとを含み、
前記基板接触面が、前記内側シールバンドから前記外側シールバンドへ直線的に外側に向かって各々が延在するスポークの組をさらに備える、ESC台座ヒータ。
【請求項12】
前記スポークの組が、前記スポークのうちの隣接するものから放射状に各々60度オフセットした6本の前記スポークを含み、前記スポークの各々が1~3mmの範囲の幅を有する、請求項11に記載のESC台座ヒータ。
【請求項13】
前記第一の直径が35~60ミリメートル(mm)の範囲内であり、前記第二の直径が150~230mmの範囲内であり、前記第三の直径が270~320mmの範囲内であり、前記外側シールバンドの幅が前記内側シールバンドの幅よりも大きく、前記内側シールバンドの前記幅が前記中間シールバンドの幅より大きく、前記外側シールバンドの前記幅が3~7mmの範囲から選択される、請求項11に記載のESC台座ヒータ。
【請求項14】
前記内側シールバンドおよび前記中間シールバンドが各々、ギャップによって第二のセクションに近接するとともに第二のセクションから離隔して配置される第一のセクションを備える、請求項11に記載のESC台座ヒータ。
【請求項15】
前記基板接触面が、前記内側シールバンドと前記中間シールバンドとの間の前記台座本体上にある前記表面の中間領域に、および前記中間シールバンドと前記外側シールバンドとの間の前記台座本体上にある前記表面の外部領域に配設された複数の接触領域をさらに備え、前記接触領域の各々が、1.5~3.0mmの範囲内の外径を有するようにサイズ設定され、前記中間領域および前記外側領域の各々の前記接触領域の数が、少なくとも30箇所である、請求項11に記載のESC台座ヒータ。
【請求項16】
前記基板接触面が、補助スポークの組をさらに備え、各々が前記中間シールバンドから前記外側シールバンドへ直線的に外向きに延在し、各々が前記第一の組のスポークのうち、隣接する一対の前記スポークの間に配設される、請求項11に記載のESC台座ヒータ。
【請求項17】
基板を選択的に締付けおよび加熱するための装置であって、
台座ヒータと、
前記台座ヒータ上に、静電力を使用して基板を受容およびチャックするためのESC表面を含む静電チャック(ESC)と、
前記ESC表面から外側に延在する基板接触面と、を備え、前記基板接触面が、前記ESC表面の中心から離間するとともに前記内側シールバンドから前記外側シールバンドへと、半径方向外側に各々延在する線形スポークの組を備え、前記スポークの組が、前記スポークの隣接するものから放射状に各々60度オフセットした6本の前記スポークを含み、前記基板接触面が、対の前記スポークの間の前記ESC表面の領域に配設された複数の接触領域をさらに備える、装置。
【請求項18】
前記基板接触面が、前記台座本体上の前記表面の中心の周りを第一の直径で延在する内側シールバンドと、前記台座本体上の前記表面の中心の周りを前記第一の直径よりも大きい第二の直径で延在する中間シールバンドと、前記台座本体上の前記表面の中心の周りを前記第二の直径よりも大きい第三の直径で延在する外側シールバンドと、を含み、前記第一の直径が35~60ミリメートル(mm)の範囲であり、前記第二の直径が、150~230mmの範囲であり、第三の直径が270~320mmの範囲であり、前記外側シールバンドが、前記内側シールバンドの幅よりも大きい幅を有する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記内側シールバンドの前記幅が、前記中間シールバンドの幅より大きく、前記外側シールバンドの前記幅が、3~7mmの範囲から選択される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記基板接触面が、補助スポークの組をさらに備え、各々が前記中間シールバンドから前記外側シールバンドまで直線的に外側に向かって延在し、各々が前記第一の組のスポークのうち、隣接する一対の前記スポークの間に配設され、前記補助スポークの組は、6本の前記補助スポークを備え、前記補助スポークの各々が、1~3mmの範囲の幅を有する、請求項18に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ウエハ処理または反応器システムでウエハを加熱するための方法およびシステムに関し、より具体的には、反応チャンバで用いるための、ハイボウウエハとの使用に適合する静電チャック(ESC)台座ヒータに関する。
【背景技術】
【0002】
原子層堆積(ALD)および化学蒸着(CVD)を含む半導体処理技術は、シリコンウエハなどの基板上の材料の薄膜を形成するために使用されることが多い。このような処理を実施するために、基板ホルダーが配置されてウエハ処理工程中にウエハを保持するために使用される反応チャンバを有する反応器システムまたはツールが使用されている。多くの状況では、基板ホルダーは、基板を加熱するために使用される台座ヒータの上部として提供され、受容したウエハを基板ホルダーの上面に対して上昇および下降させるためのリフトピンを含む。
【0003】
特に、静電チャック(ESC)は、エッチング、CVD、イオン注入、および反応器システムまたはツールにおけるその他の処理を含む多くの半導体処理用途において、台座ヒータの基板ホルダーとして使用される。ESCは通常、バルクセラミックから作製され、プラズマおよびプロセスガスに対して高い耐性を有する。内蔵ヒータは、高い面内温度均一性を確保し、半導体のさらなる小型化をサポートするために必要な半導体製造工程に寄与する。ESCには内部電極が埋め込まれており、この構造体と、ESC表面上に載置されたウエハ(例えば、シリコンウエハ)との間に生成される静電力を利用する。
【0004】
シリコンウエハマウント用の使用に加えて、一部のウエハベースのデバイス設計ではボウが発生する可能性があるため、半導体製造工程中に平坦性を補正するためにESCが使用される。例えば、NANDフラッシュメモリデバイスは、最大数のフィルムスタックのうちの1つを有し、このことが、ウエハに高応力をもたらし、これらのウエハにボウを引き起こす可能性がある。加工中、ボウが発生しているウエハは、台座ヒータ表面と良好な熱接触をしない場合があり、これは望ましくない蒸着品質につながり得る、不必要に大きい熱勾配を生成する可能性がある。さらに、蒸着されたとき、ボウが発生しているウエハは、最終的にクリーニングする必要があるほど背面側の蒸着レベルが高くなる可能性があり、結果として、ボウが発生しているウエハを含むデバイス製造に含まれる不要な追加工程をもたらす。
【0005】
一部のESC設計は、チャックの上面上に最小接触領域(MCA)ドットを含み、MCAドットは、一部の用途では、ESC上に受容したウエハを平坦化するのに有用であった。しかしながら、MCAドットは、ウエハ上に均一な締付力を提供したり、サドル形状のウエハを締付けたりする場合には、効率が悪いことが多い。したがって、ボウが発生しているウエハを含む処理をより効率化しやすくするとともに、背面側の蒸着を除去するための追加のクリーニング工程の必要性を最小限に抑える反応器システムで使用するための改良されたESC台座ヒータ設計に対する需要がある。
【発明の概要】
【0006】
この発明の概要は、概念の選択を単純化した形態で紹介するために提供される。これらの概念は、下記の開示の例示の実施形態の「発明を実施するための形態」において、さらに詳細に記述される。この「発明の概要」は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図せず、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図しない。
【0007】
本記述の一部の実施形態では、様々な反応器システムおよび/または反応チャンバアセンブリで使用するための静電チャック(ESC)台座ヒータが提供される。ESC台座ヒータは、台座本体と、基板(例えば、限定はしないが、ハイボウウエハ(high bow wafer))を受けるための台座本体上の表面(ESC表面と表す場合がある)とを含む。電極は、基板と、基板を台座本体に固定する表面との間に静電力を選択的に生成するように動作可能な台座本体に埋め込まれる。
【0008】
ESC台座ヒータは、台座本体の表面を超える高さまで隆起した基板接触面を含み、この表面は、(a)前記台座本体上の前記表面の中心の周りの第一の直径で延在する内側シールバンドと、(b)前記台座本体上の前記表面の中心の周りの前記第一の直径よりも大きい第二の直径で延在する中間シールバンドと、(c)前記台座本体上の前記表面の中心の周りの前記第二の直径よりも大きい第三の直径で延在する外側シールバンドを含む。さらに、基板接触面は、(a)内側シールバンドと中間シールバンドとの間の台座本体上の表面の中間領域と、(b)中間シールバンドと外側シールバンドとの間の台座本体上の表面の外側領域と、に配設される複数の接触領域をさらに含む。
【0009】
一部の例示的なESC台座ヒータでは、第一の直径は35~60ミリメートル(mm)の範囲であり、第二の直径は150~230mmの範囲であり、第三の直径は270~320mmの範囲である。外側シールバンドの幅は、内側シールバンドの幅よりも大きくてもよく、その場合、内側シールバンドの幅は、中間シールバンドの幅よりも大きくてもよい。外側シールバンドの幅は、3~7mmの範囲から選択することができる。内側シールバンドおよび中間シールバンドはそれぞれ、ギャップによって第二のセクションに近接するとともに第二のセクションから離隔して配置される第一のセクションを含んでもよい。接触領域の各々は、1.5~3.0mmの範囲の外径を有するようにサイズ設定されてもよい。また、中間領域および外側領域の各々の接触領域の数は、少なくとも30箇所でもよく、中間領域および外側領域の接触領域は、接触領域の隣接するものから実質的に等距離に離間してもよい。
【0010】
ESC台座ヒータのいくつかの様々な実施形態において、基板接触面は、内側シールバンドから外側シールバンドまで直線的に外側に向かって各々が延在するスポークの組をさらに含む。このような実施形態では、スポークの各々は、1~3mmの範囲の幅を有してもよい。スポークの数は変化する場合があるが、スポークの組が、隣接するスポークから放射状に各々60度オフセットした6本のスポークを含むことが有用であり得る。基板接触面は、補助スポークの組をさらに含んでもよい。補助スポークの各々は、中間シールバンドから外側シールバンドへ直線的に外側に向かって延在してもよく、第一の組のスポークのうち、隣接する一対のスポークの間に配設されてもよい。補助スポークの組は、6本以上の補助スポークを含んでもよく、補助スポークの各々は、1~3mmの範囲の幅を有してもよい。さらに、基板接触面の面積と台座本体上の表面の面積との比は、約9パーセントなど、10パーセント未満であってもよい。
【0011】
本記述のその他の実施形態では、組み込みヒータおよび一体電極を含む台座本体を含み、さらに、台座本体上に基板を受容するための表面を含む静電チャック(ESC)台座ヒータが記述される。ESC台座ヒータのこれらの実施形態では、台座本体の表面より上の高さまで隆起した基板接触面が含まれる。基板接触面は、(a)台座本体上の表面の中心の周りを第一の直径で延在する内側シールバンドと、(b)台座本体上の表面の中心の周りを第一の直径よりも大きな第二の直径で延在する中間シールバンドと、(c)台座本体上の表面の中心の周りの第二の直径よりも大きな第三の直径で延在する外側シールバンドとを含む。さらに、基板接触面は、内側シールバンドから外側シールバンドまで直線的に外側に向かって各々が延在するスポークの組を含む。
【0012】
基板接触面は、内側シールバンドと中間シールバンドとの間の台座本体上の表面の中間領域、および中間シールバンドと外側シールバンドとの間の台座本体上の表面の外部領域に配設された複数の接触領域(例えば、MCAドットなど)をさらに含んでもよい。接触領域の各々は、1.5~3.0mmの範囲の外径を有するようにサイズ決定されてもよく、中間領域および外側領域の各々における接触領域は、少なくとも30箇所でもよい。基板接触面はさらに、補助スポークの組を含んでもよく、各々が中間シールバンドから外側シールバンドへ直線的に外側に向かって延在し、各々が第一の組のスポークのうち、隣接する一対のスポークの間に配設される。
【0013】
さらに他の例示的な実施形態では、基板を選択的に締付および加熱するための装置が提供される。装置は、台座ヒータ、および、台座ヒータ上に静電力を使用して基板を受容およびチャックするためのESC表面を含む静電チャック(ESC)を含む。ESC表面から外側に延在する基板接触面が含まれる。基板接触面は、各々がESC表面の中心から離間するとともに内側シールバンドから外側シールバンドへと、半径方向外側に延在する線形スポークの組を含む。スポークの組は、隣接するスポークから放射状に各々60度オフセットした6本のスポークを含み、基板接触面は、スポークの対の間のESC表面の領域に配設された複数の接触領域(MCAドットなど)をさらに含む。
【0014】
ESC台座ヒータのこのような実施形態では、基板接触面は、(a)台座本体上の表面の中心の周りを第一の直径で延在する内側シールバンドと、(b)台座本体上の表面の中心の周りを第一の直径よりも大きな第二の直径で延在する中間シールバンドと、(c)台座本体上の表面の中心の周りの第二の直径よりも大きな第三の直径で延在する外側シールバンドを含むことができる。一部のヒータでは、第一の直径は35~60ミリメートル(mm)の範囲であり、第二の直径は150~230mmの範囲であり、第三の直径は270~320mmの範囲である。また、外側シールバンドの幅は、内側シールバンドの幅よりも大きい。内側シールバンドの幅は、中間シールバンドの幅より大きくてもよく、外側シールバンドの幅は、3~7mmの範囲から選択することができる。いくつかの実施形態では、基板接触面は、各々が中間シールバンドから外側シールバンドに直線的に外側に向かって延在し、各々が第一の組のスポークのうち、隣接する一対のスポークの間に配設された、補助スポークの組をさらに含む。補助スポークの組は、6本の補助スポークを含んでもよく、各補助スポークは1~3mmの範囲の幅を有してもよい。
【0015】
これらの実施形態のすべては、本開示の範囲内であることが意図される。これらの実施形態および他の実施形態は、添付の図面を参照するある特定の実施形態の以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかとなり、本開示は考察されるいかなる特定の実施形態(複数可)にも限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本明細書は、本開示の実施形態と見なされるものを具体的に指摘し、かつ明確に特許請求する特許請求の範囲で結論付ける一方で、本開示の実施形態の利点は、添付の図面と併せて読むと、本開示の実施形態のある特定の実施例の記述から、より容易に確かめられる場合がある。図面全体を通して同様の要素番号が付けられている要素は、同じであることが意図されている。
【0017】
図1図1は、本記述のESC台座ヒータを有する反応チャンバアセンブリの一部の上部斜視断面図である。
図2図2は、例えば図1に示す反応チャンバに使用するための、本記述のESC台座ヒータの側面図を示す。
図3図2のESC台座ヒータの上面図であり、ESC表面上の隆起したウエハ(もしくは基板)接触面またはプラットフォームの例示的なパターンを示す。
図4A図2のESC台座ヒータの上面図であり、埋め込み電極の一実施形態の詳細、およびESC表面に対する台座またはチャック本体内のその位置を示す。
図4B図3のESC台座ヒータの側面図であり、埋め込み電極の一実施形態の詳細、およびESC表面に対する台座またはチャック本体内のその位置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ある特定の実施形態および実施例を以下に開示するが、本開示の具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等物を超えて本開示が延長することは、当業者によって理解されるであろう。それゆえに、本開示の範囲は、本明細書に記述される特定の実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
【0019】
本明細書に提示された例示は、任意の特定の材料、装置、構造、またはデバイスの実際の姿であることを意味せず、本開示の実施形態を説明するために使用される、単なる表現にすぎない。
【0020】
以下により詳細に記載される通り、本開示の様々な詳細および実施形態は、ウエハクリーニング/エッチングプロセスのために、ならびに/またはALD、CVD、有機金属化学蒸着(MOCVD)、分子線エピタキシー(MBE)、物理蒸着(PVD)、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、およびプラズマエッチングを含むがこれらに限定されない、多数の蒸着プロセスのために構成された新しいモジュール式反応チャンバのうちの一つ以上を有する反応器システムと共に利用され得る。
【0021】
本技術の実施形態は、様々な反応またはプロセスチャンバーアセンブリで使用できる静電チャック(ESC)台座ヒータのための新しい設計を提供し、様々な半導体プロセスを実施する。特に、本ESC設計の実施形態は、台座ヒータ表面との「良好」またはより均一な熱接触を達成できるように、締付けまたはチャックすることが困難であり得るボウが発生しているウエハの処理に関する問題に対処する。以前のESC設計は多くの場合、ウエハに均一な締付力を提供せず、所望される温度勾配よりも大きいため蒸着品質の低下をもたらし、時には許容できないほど高いレベルの背面側の蒸着をもたらしていた。
【0022】
簡潔に述べると、ボウが発生しているウエハに対して、外周に向かう方向を含む均一な締付力を提供するよう構成された固有のパターンを有する隆起したウエハの接触面またはプラットフォームを有するESC表面を提供する、台座ヒータのための新しいESC設計を説明している。隆起したウエハの接触面は、ESC表面の中心から半径方向外側に延在するスポークと組み合わせたシールバンドのアレイ、およびMCAドットを含む。接触面またはプラットフォームのパターンにより、ESCに埋め込まれた電極の通電を含むESC台座ヒータの動作中に、ボウが発生しているウエハへ均一な締付力をかけやすくなる。新しいパターンにより、ESC台座ヒータは、MCAドットのみを使用するものと比較して、ハイボウウエハをよりうまくチャックまたは締付けることができる。
【0023】
隆起面パターンでは、スポークは、受容されたウエハ上で締付力が半径方向外側に伝播されるように設計されている。内側シールバンドに加えて、外側シールバンドを隆起面に設けてウエハのエッジを締付けるための大きな表面積を提供することにより、背面側の蒸着を著しく低減させることができる。中間シールバンドまたは中央シールバンドが、隆起面に含まれ、大きな表面積を提供して、締付力またはチャック力がウエハにわたって均一に広がることを可能にし、締付力が放射状に伝搬するのを助ける。隆起面内のMCAドットが、少なくとも部分的に、スポークとシールバンドの両方の間に配置され、ウエハと基部または主たるESC表面との間の接触を防止する。また、ESC表面上の隆起面またはプラットフォームのパターンは、閉じ込められたガスを逃がし、ESC上におけるウエハの摺動を防止または少なくとも低減することを可能にするために、一つまたは複数のシールバンド(例えば、内側および中間シールバンド)などに、切り欠きを含んでもよい。
【0024】
一部の用途では、ウエハは、ウエハの外縁からESC表面までの距離として測定される0.4ミリメートル(mm)など、比較的大きなボウを有していてもよい。こうしたウエハについては、典型的には、台座ヒータのESCでは、少なくとも約1.0Torrのチャック圧力を提供することが望ましいが、試験では、MCAドットのみのパターンを有するESC表面では、半径38mmの外側など、比較的小さな半径の外側においては、提供されるチャック圧力が1.0Torr未満であることを示しており、一方、ウエハの直径は、最大300mm以上の場合もある。対照的に、ESC表面の隆起部分のための新しいパターンは、チャック力がウエハエッジに向かって伝播することを可能にするように特別に設計されている。
【0025】
新しいESC表面パターンを有するESC台座ヒータは、多種多様な反応チャンバで使用できる。これを念頭に置いて、図1は、本記述のESC台座ヒータを有する1つの例示的反応チャンバアセンブリ100の一部分の上部斜視図である。反応チャンバアセンブリ100は、様々な反応器システム設計において使用するように構成される。反応チャンバアセンブリ100は、内側表面または側壁113およびボールトまたは下部チャンバ(もしくは下部チャンバ空間)114を画定する本体112を有する反応チャンバ110を含む。本体112の頂部面または側壁116は、シャワーヘッド130の底壁115を受容するように構成される。ESC台座ヒータ150は、反応チャンバ110内のウエハを受容するためのESC表面156を有するESCを含み、ESC表面156は、以下でより詳細に記載される、隆起したウエハの接触面またはプラットフォーム(またはより簡単には、隆起面またはプラットフォーム)を含む。
【0026】
上部チャンバまたは処理空間は、ESC154の上方に設けられ、反応チャンバアセンブリ100のシャワーヘッドの蓋またはキャップ130によって囲まれている。アセンブリ100は、蓋130を通して処理空間115内に蒸着ガスを供給するための、シャワーヘッド入口134をさらに含む。台座ヒータ150は、ESC154を加熱するためのアセンブリ100に含まれ、ウエハは、クリーン/エッチング中などの処理作業中にESC表面156上に支持され、ヒータ150はヒータの形態を取りうる。一体電極は、ESC表面156上に静電力を生成するために選択的に印加された電力を有してESC154に埋め込まれ、ESC表面156上にウエハを締付けまたはチャックするための締付力を生成する。
【0027】
任意選択的に、反応チャンバアセンブリ100は、反応チャンバ110と結合して、ボールトまたは下部チャンバ空間114を画定するように、またヒータ150を受容して、ボールトまたは下部チャンバ空間114内に位置付けることを可能にするように適合されたインターフェースプレートアセンブリ160を含む。これらの目的のために、アセンブリ160は、(アセンブリ160をヒータ150またはその支持カラーに結合するために使用され得る)下部フランジから上に延在するスリーブまたは導管162を含む。アセンブリ160は、ヒータ150が通過してボールトまたは下部チャンバ空間114に入り得る中心開口部または穴178を有する、円形プレート170をさらに含む。
【0028】
プレート170は、反応チャンバ110およびヒータ150から離れる方向を向いた外面または下部面172と、空間114に当接するとともにヒータ150(または空間114内にあるその発熱要素)に面する、内面または上面173とを含む。反応チャンバ110の本体112は、プレート170の外縁または周辺縁に当接または近接する内側リップまたはリッジ126によって画定された下部開口部または開口内にプレート170を受け入れるように構成された底面または側壁120を有する。シールを達成するために、反応チャンバ本体110の底面/側壁120、およびプレート170の上部面173の周辺リップまたは延長部材上に、対になった表面122および176が設けられる。Oリングまたは他のシール部材(図示せず)は、これら二つの表面122と176との間に配置されてプレート170の周りを連続的な態様で延在してもよい。
【0029】
プレート170および/またはボールトもしくは下部チャンバ空間114の温度を制御するために、冷却および加熱特徴を提供することが望ましい場合がある。これを念頭に置いて、溝またはチャネル(凹面)124は、反応チャンバ本体110の底面/側壁120内に設けられ、フレキシブル(または他の)ヒータまたは加熱要素(図1に図示せず)は、溝またはチャネル124内に挿入されてもよい。典型的には、ヒータおよび溝124は、ボールトまたは下部チャンバ空間114の周辺全体の周りに延在し、本体112およびさらにはボールトまたは下部チャンバ空間114を加熱するように作用する。
【0030】
冷却を提供してプレート170の所望の温度を維持するために、プレート170は、ヒータの中心要素の両側に、プレート170の下部面172の周りを周回する経路で延在する溝またはチャネル(凹面)174を含む。アセンブリ100の動作中に、冷却剤(例えば冷却水)が通過して流れるチュービング(図1には図示せず)は、溝/チャネル174内に配設されてもよく、この冷却剤の流れをプレート170の温度を制御するために使用することができる。上記のように、アセンブリ100は、450℃などの比較的高い温度上限に対応して構成されてもよい。アセンブリ100の構成要素は、このようなより高温の用途において使用するための、様々な材料で製造されてもよい。
【0031】
図2は、図1の反応チャンバアセンブリ100などの様々な反応チャンバで使用するための、本記述のESC台座ヒータ200の側面図を示す。図示されるように、ESC台座ヒータ200は、円筒形ハウジング211のハウジング発熱体を有するヒータアセンブリ210を含む。ESC台座ヒータ200は、エネルギー源に電気的に結合され得るリード212を介して通電される、台座またはチャック本体224に加熱コイルをさらに備えてもよい(示されていないが当業者には理解できる)。
【0032】
ESC台座ヒータ200はまた、ヒータアセンブリ210のハウジング211の下面上に結合されたチャックまたは台座本体224を含むESC220を含む。チャックまたは台座本体224は、ウエハまたは基板(図2には図示せず)を受容し、締付力を印加してウエハまたは基板をESC表面226にチャックまたは締付けるように構成される、ESC表面226をさらに含む。この目的のために、電極に選択的に通電し、本体224に埋め込まれた内部電極をESC表面226を介して締付力を生成するように制御された供給源に結合するために使用される電気リード228が含まれる。
【0033】
図3は、図2のESC台座ヒータ200の上面図であり、ESC表面226上の隆起したウエハの接触面またはプラットフォーム350の例示的なパターンを示す。図示されるように、チャックまたは台座本体224は、ESC表面226が、ヒータ200上に受容されるウエハに適合するように選択された外径を有する円形となるように構成され、例えば、本体224は、一部の例示的な実施形態では330mmの外径を有してもよい。本体224は、典型的には、窒化アルミニウムなどの電気抵抗材料から形成され、本体224内に埋め込まれた一体電極(例えば、図4を参照)を含み、本体224の外周部の周りにトレンチまたは凹面304を含み、幅が1~10mmまたはそれと同等のものであることを示す。さらに、本体224は、ESC表面226に対する受容したウエハの位置決めを制御するために使用される、リフトピン(図示されていないが、多くの反応チャンバ設計で有用であると理解される)の進行経路を画定する通路308を含む。
【0034】
有意に、隆起したウエハの接触面またはプラットフォーム350は、ESC表面226上に形成され、前記ESC表面226から8~25ミクロンの範囲の高さ、より好ましくは、8~15ミクロンの高さにおいて概して平面であり(または一部の実施形態では、各構成要素の上面が平面であり、ESC表面226に平行であるが、一般的に前記ドットおよびスポークは、平面形状またはドーム形状のいずれかであってもよい)、及び1つの例示的な実施形態では、隆起したウエハの接触面350の構成要素に対して約10ミクロンの高さを使用する。図示されるように、この例の接触面350は、内側シールバンド352、中間シールバンド362、および外側シールバンド372を含むパターンを有する。さらに、パターンは、複数の主スポーク(または放射スポークの第一の組)380および複数の補助スポーク(または放射スポークの第二の組)384を含む。さらに、パターンは、アレイまたは複数のMCAドット390を含む。隆起した構成要素のこのパターンは、組み合わせて作用して、ESC表面226上に受容されるウエハ/基板上により均一に印加される半径方向外側に静電力を介して本体224内に生成される、例えば、少なくとも1Torrの締付力の伝播を促進する。隆起したウエハの接触面350は、様々な製造技術を使用してESC表面226上に提供されてもよく、一部の事例では型押しが使用されている。
【0035】
隆起したウエハの接触面350のパターンは、隆起面350の面積をESC表面226の面積で割って計算される、所望の範囲内で接触比を提供し、電力要件を制御して締付力を達成する。いくつかの実施形態では、接触比は、1~約10パーセント未満の範囲から選択され、一方、一実施形態では、約9パーセントなど、7~10パーセント未満の範囲の接触比を実施する。さらに、いくつかの実施形態では、他のシールバンドよりも外側シールバンド内により多くの表面積を提供して、ESC表面226から上に離れる方向に曲がり得るウエハの部分に対してより大きな締付力を提供することが望ましい(例えば、ウエハと隆起したウエハの接触面350との間に接触が起こらない場合など)。さらに、より多くの表面積で接触が生じ、かつESC220によってより多くの締付力がウエハに加えられるように、内側シールバンド352が中間シールバンド362よりも大きな幅を有することが望ましい場合がある。さらに、以下で論じるように、補助スポーク384およびMCAドット390は、パターンに含まれて、ウエハがESC表面226に接触する可能性を防止または制限する。
【0036】
内側シールバンド352は、2~6mmの範囲の幅を有して一部の実施形態では3mmで使用されてもよく、バンド352は円形であり、一部の実施形態では44mmで使用されるが35~60mmの範囲の外径を有してもよい。内側シールバンド352は、ESC表面226の内側領域353を封入し、1つ以上の切り欠きまたはギャップ354が内側シールバンド352内に設けられ、内側領域353と受容したウエハとの間に閉じ込められたガスを逃がすことが可能になる。図3では、60度間隔で設けられた6つの切り欠きまたはギャップ354が示されているが、間隔を異ならせてより小さなまたはより大きな数を採用することができ、各々が1.5~2.5mm(またはそれ以上)の範囲の幅を有してもよく、一部の実装形態では、2.0mmの幅のギャップ354が使用されている。
【0037】
中間または中央シールバンド362は、1~5mmの範囲の幅を有してもよく、一部の実施形態では2mmが使用され、バンド362は円形であり、150~230mmの範囲の外径を有してもよく、一部の実施形態では200mmが使用される。中央シールバンド362および内側シールバンド352は、ESC表面226の中間または中央領域363を封入し、1つ以上の切欠きまたはギャップ366が中間または中央シールバンド362に設けられて、中間領域363と受容したウエハとの間に閉じ込められたガスを逃がすことが可能になる。図3では、30度間隔で設けられた12個の切り欠きまたはギャップ366が示されているが、より小さいまたはより大きな数を、間隔を異ならせて使用することができ、各々が1.5~2.5mm(またはそれ以上)の範囲の幅を有してもよく、一部の実装形態では2.0mmの幅のギャップ366が使用されている。
【0038】
外側シールバンド372は、一部の実施形態では4mmが使用されるが3~7mmの範囲の幅を有してもよく、バンド372は円形であり、270~320mmの範囲の外径を有してもよく、一部の実施形態では約300mmのもの(例えば、298mmまたはこれと同等のもの)が使用され、本体224の外径(例えば、約30mmの物体の外径よりもいくらか少ない量であるなど)と共に変化する。外側シールバンド372および中央シールバンド362は、ESC表面226の外側領域373を画定する。
【0039】
パターンの主スポーク380はそれぞれ、内側シールバンド352と外側シールバンド372との間において直線的に外側に向かって(すなわち、バンド352の外側表面からバンド372の内側表面へ)延在する。主スポーク380の数は通常、2~12で変化してもよく、本体224の中心の周りに60度オフセットして広がる6本が示されている。主スポーク380は、中間領域363を複数のゾーン365に分割し、各ゾーン365に設けられた切り欠きまたはギャップ466のうちの少なくとも一つは、ガスを逃がすことができる。主スポーク480の各々の幅を変化させてもよく、一部の実施形態では1~3mmの範囲の幅で、また、1つの例示的な実装形態では2mmの幅で使用されている。
【0040】
パターンの補助または外側スポーク384はそれぞれ、中間または中央シールバンド362と外側シールバンド372との間に(すなわち、バンド362の外側表面からバンド372の内側表面へ)直線的に外側に向かって延在する。補助スポーク384の数は、概して2~12で変化してもよく、本体224の中心の周りに60度オフセットして広がり、主スポーク380のうち隣接するものから30度オフセットして広がる6本が示されている。補助スポーク384は、主スポーク380と共に、外側領域373を複数のゾーン375に分割する。補助スポーク384の各々の幅も変化させてもよく、典型的には、一部の実施形態で有用である主スポーク380の幅と合致する1~3mmの範囲の幅、および1つの例示的な実装形態で用いられる2mmの幅を備える。
【0041】
隆起したウエハの接触面350のパターンは、多数のMCAドット390をさらに含み、これは、バンド352、362、および372の間、ならびにスポーク380と384の間の位置でのウエハとESC表面226との間の接触を防止するよう作用する。ドット390は、サイズおよび数において変化してもよい。例えば、各ドットの外径は、1.5~3mm(例えば約2.5mm)の範囲内であればよく、一実施形態では、全体を通して同様のサイズのドットを使用しており、一方で他の実施形態では、ドット390に対してこの範囲内の二つ以上の外径を使用している。図示されるように、接触面350のパターンは、73個のMCAドットを含むが、20~100個のMCAドット390の範囲など、より大きな数またはより小さい数を使用してもよく、典型的には、30個以上がそれぞれ中間領域363および外側領域373の各々に設けられる。MCAドット390は、概して互いに、場合によっては、バンド352、362、372およびスポーク380、384から等距離に離間するように配置される。さらに、図示されるように、1つのドット390が内側領域353内の中央に設けられ、一方、6つのMCAドット390が中間領域363の各ゾーン365(中間領域363では合計36)に提供され、3つのMCAドット390が外側領域373の各ゾーン375(外側領域373では合計36)に設けられる。
【0042】
図4Aおよび図4Bは、図2および図3のESC台座ヒータ200の上部および側面断面図であり、一体および埋め込み電極の一実施形態の詳細、ならびに隆起したウエハの接触面350およびその構成要素に対する台座またはチャック本体224内のその位置を示す。図4Aでは、電極は、直線ギャップ424(4~8mmの範囲またはそれと同等の幅wGap、1つの例示的な実装形態では6mmが使用されている)で分割された二つの半月形状の部品420、421を含み、隆起したウエハの接触面350は、すべての電極半片または部品420、421に対して破線で示されている。
【0043】
半片または部品420、421から構成される電極は、半片420、421が組み合わされた場合、台座またはチャック本体224の外径よりもいくらか小さい(15~30mmなど)、および外側シールバンド372の外径と一致する、またはある程度(例えば、数ミリメートル)外側シールバンド372の外径より大きい(例えば、外径が298mmまたはそれと同等の外側シールバンドの場合は約300mmなど)外径ODElectrodeを有することが示されている。他の電極構成および設計を使用して、台座200を実装してもよい。さらに、台座またはチャック本体224は、電極の半片または部品420、421の動作中または通電中に、ウエハ上に受けられ、隆起したウエハの接触面350に締付けまたはチャックされるウエハを加熱するために使用される加熱コイル440を含むように図4Bに示される。
【0044】
恩恵、他の利点、および問題に対する解決策が、具体的な実施形態に関して、本明細書に記述される。しかしながら、恩恵、利点、問題に対する解決策、および何らかの恩恵、利点、もしくは解決策を生じさせる場合がある、またはより顕著にさせる場合がある何らかの要素は、本開示の重要な、必要とされる、または必須の特徴もしくは要素として解釈されない。
【0045】
本明細書全体を通して、特徴、利点、または類似の文言に言及することは、本開示で実現されうるすべての特徴および利点が、本発明のいずれかの単一の実施形態であるべき、またはそうであることを意味するものではない。むしろ、特徴および利点を言及する文言は、一実施形態に関連して記述される特定の特徴、利点、または特性が、本明細書に開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味することが理解される。それゆえに、この明細書全体を通して、特徴および利点、ならびに類似の文言の考察は、必ずしもそうではないが、同じ実施形態を指す場合がある。
【0046】
さらに、記述された本開示の特徴、利点、および特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な様態で組み合わせられてもよい。関連技術分野の当業者は、本出願の主題が、特定の実施形態の特定の特徴または利点のうちの1つ以上を有することなく実施されてもよいことを認識するであろう。他の事例では、本開示のすべての実施形態において存在しない場合がある、ある特定の実施形態で、追加の特徴および利点が認識される場合がある。いかなる特許請求の範囲の要素も、当該要素が「のための手段(means for)」という句を使用して明示的に記載されていない限り、米国特許法(35U.S.C.)第112条(f)を発動することを意図していない。
【0047】
本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲以外の何によっても限定されるべきでなく、当該添付の特許請求の範囲における単数形の要素への言及は、明示的にそのように述べられていない限り「1つの、そして1つのみの」を意味することを意図しておらず、むしろ「1つ以上」を意味することを意図している。具体的に別段の記載がない限り「1つの(a)」、「1つの(an)」、および/または「その(the)」への言及は1つまたは2つ以上を含んでもよく、また単数形のアイテムへの言及は複数形のアイテムも含んでもよいことが、理解されるべきである。さらに、「複数の」という用語は、「少なくとも2つ」として定義することができる。本明細書で使用される場合、「のうちの少なくとも1つ」という句は、アイテムのリストとともに使用される時、リストされたアイテムのうちの1つ以上の異なる組み合わせが使用されてもよく、またリスト中のアイテムのうちの1つのみが必要とされる場合があることを意味する。項目は、特定の物体、事物、またはカテゴリーであってもよい。さらに、「A、B、およびCのうちの少なくとも一つ」に類似する語句が特許請求の範囲において使用される場合、当該語句は、A単独が実施形態の中に存在し得ること、B単独が実施形態の中に存在し得ること、C単独が実施形態の中に存在し得ること、または要素A、B、およびCの任意の組み合わせが単一の実施形態の中に存在し得ること、例えば、AおよびB、AおよびC、BおよびC、またはA、B、およびCを意味すると解釈されることが意図される。一部の事例では、「項目A、項目B、および項目Cのうちの少なくとも一つ」は、例えば、限定されないが、項目Aのうちの二個、項目Bのうちの一個、および項目Cのうちの十個、項目Bのうちの四個および項目Cのうちの七個、または何らかの他の適切な組み合わせを意味し得る。
【0048】
本明細書に開示されるすべての範囲および比率限界は、組み合わされ得る。別段の指示がない限り、「第1の」、「第2の」などの用語は、本明細書では単に標識として使用され、そしてこれらの用語が言及するアイテムに順序的、位置的、または階層的要件を課すことを意図しない。さらに、例えば、「第2の」アイテムへの言及は、例えば、「第1の」アイテムもしくはより小さい番号が付けられたアイテム、および/または例えば、「第3の」アイテムまたはより大きい番号が付けられたアイテムの存在を必要としない、または除外しない。
【0049】
取り付けられる、固定される、接続される、またはこれに類するものへの任意の言及は、永久的な、除去可能な、一時的な、部分的な、完全な、および/または任意の他の可能な取り付けの選択肢を含む場合がある。加えて、接触を有しない(または類似の句)への任意の言及はまた、低減した接触または最小限の接触も含む場合がある。上記の記述では、「上」、「下」、「上部」、「下部」、「水平」、「垂直」、「左」、「右」およびこれに類するものなどのある特定の用語が使用されてもよい。これらの用語は、適用可能な場合、相対的な関係を扱う時に、何らかの記述の明瞭性を提供するために使用される。しかし、これらの用語は、絶対的な関係、位置、および/または向きを暗示することを意図しない。例えば、ある物体に対して、単純に物体をひっくり返すことによって、「上」面は「下」面となる可能性がある。それにもかかわらず、それは依然として同じ物体である。
【0050】
加えて、1つの要素が別の要素に「連結される」本明細書における事例は、直接的な連結および間接的な連結を含むことができる。直接的な連結は、1つの要素が別の要素に連結され、かつこれと何らかの接触の状態にあると定義することができる。間接的な連結は、2つの要素間の連結が、相互に直接的な接触の状態にはなく、しかし連結された要素間に1つ以上の追加的な要素を有すると定義することができる。加えて、本明細書で使用される場合、「隣接」は必ずしも接触を示すものではない。例えば、1つの要素は、別の要素に、その要素と接触することなく隣接することができる。
【0051】
本開示の例示的な実施形態が本明細書に記載されているが、本開示はそのように限定されないことを理解するべきである。例えば、反応器システムは様々な特定の構成に関連して記述されているが、本開示は必ずしもこれらの実施例に限定されない。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載のシステムおよび方法の様々な修正、変形、および強化がなされてもよい。本開示の主題は、本明細書に開示される様々な、システム、構成要素、および構成、ならびに他の特徴、機能、動作および/または特性のすべての新規かつ自明でない組み合わせおよび部分的組み合わせだけでなく、そのありとあらゆる均等物を含む。
図1
図2
図3
図4A
図4B
【外国語明細書】