IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 信越化学工業株式会社の特許一覧

特開2023-165225メルカプト基およびアルコキシシリル基含有オルガノポリシロキサン、ならびにそれを含む組成物
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165225
(43)【公開日】2023-11-15
(54)【発明の名称】メルカプト基およびアルコキシシリル基含有オルガノポリシロキサン、ならびにそれを含む組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 77/28 20060101AFI20231108BHJP
   C07F 7/18 20060101ALI20231108BHJP
   C09K 3/18 20060101ALI20231108BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20231108BHJP
   C08G 75/045 20160101ALI20231108BHJP
【FI】
C08G77/28
C07F7/18 Y
C07F7/18 Q
C09K3/18 104
C08L83/04
C08G75/045
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076011
(22)【出願日】2022-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002240
【氏名又は名称】弁理士法人英明国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣神 宗直
【テーマコード(参考)】
4H020
4H049
4J002
4J030
4J246
【Fターム(参考)】
4H020BA32
4H049VN01
4H049VP09
4H049VP10
4H049VQ79
4H049VR21
4H049VR22
4H049VR42
4H049VR43
4H049VS48
4H049VU21
4H049VW02
4J002CD06X
4J002CP10W
4J002GJ01
4J030BA02
4J030BB07
4J030BC02
4J030BC34
4J030BF02
4J030BG11
4J246AA03
4J246AA11
4J246AA19
4J246BA120
4J246BA12X
4J246BB020
4J246BB022
4J246BB02X
4J246BB360
4J246BB363
4J246BB36X
4J246CA130
4J246CA139
4J246CA13M
4J246CA13X
4J246CA260
4J246CA269
4J246CA26X
4J246CA830
4J246CA839
4J246CA83U
4J246CA83X
4J246FA071
4J246FA131
4J246FA212
4J246FA321
4J246FA322
4J246FA461
4J246FA472
4J246FB051
4J246FB302
4J246FE02
4J246FE26
4J246GA01
4J246GA11
4J246GB02
4J246GC37
4J246GD08
4J246HA56
(57)【要約】
【課題】 揮発性が低く、無機基材に対する接着性や密着性が良好なメルカプト基含有有機基オルガノポリシロキサンを提供すること。
【解決手段】
例えば、下記平均組成式(1)で表されるような、メルカプト基含有有機基と、トリアルコキシシリル基含有有機基、ジアルコキシメチルシリル基含有有機基またはその両方とを有するオルガノポリシロキサン。
(A)a(B)b(C)c(D)dSiO(4-a-b-c-d)/2 (1)
(式中、Aは、メルカプト基含有有機基を表し、Bは、トリアルコキシシリル基含有有機基またはジアルコキシメチルシリル含有有機基を表し、Cは、加水分解性基を表し、Dは、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~10のハロアルキル基または炭素数6~12のアリール基を表し、a、b、c、dは、0<a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、かつ0<a+b+c+d<4を満たす数を表す。)
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メルカプト基含有有機基と、トリアルコキシシリル基含有有機基、ジアルコキシメチルシリル基含有有機基またはその両方とを有するオルガノポリシロキサン。
【請求項2】
下記平均組成式(1)で表される請求項1記載のオルガノポリシロキサン。
(A)a(B)b(C)c(D)dSiO(4-a-b-c-d)/2 (1)
(式中、Aは、メルカプト基含有有機基を表し、Bは、トリアルコキシシリル基含有有機基またはジアルコキシメチルシリル含有有機基を表し、Cは、加水分解性基を表し、Dは、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~10のハロアルキル基または炭素数6~12のアリール基を表し、a、b、c、dは、0<a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、かつ0<a+b+c+d<4を満たす数を表す。)
【請求項3】
前記メルカプト基含有有機基が、下記式(2)
*-(CH2m-SH (2)
(式中、mは、1~10の整数を表し、*-は、結合手を示す。)
で表され、前記トリアルコキシシリル基含有有機基またはジアルコキシメチルシリル含有有機基が、下記式(3)
*-(CH2m-S-(CH2n-Si(CH33-k(OR1k (3)
(式中、mは、1~10の整数を表し、nは、1~10の整数を表し、kは、2または3を表し、R1は、それぞれ独立して、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数7~10のアラルキル基または炭素数2~10のアルケニル基を表し、*-は結合手を示す。)
で表され、前記加水分解性基が、下記式(4)
*-OR1 (4)
(式中、R1は、前記と同じ意味を表し、*-は結合手を示す。)
で表される請求項2記載のオルガノポリシロキサン。
【請求項4】
下記式(5)
【化1】
(式中、R1は、それぞれ独立して、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数7~10のアラルキル基または炭素数2~10のアルケニル基を表し、yは、1~3の整数を表し、mは、1~10の整数を表し、Meは、メチル基を表す。)
で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物の加水分解縮合物と、下記式(7)
【化2】
(式中、R1は、前記と同じ意味を表し、kは、0~8の整数を表し、zは、2または3を表し、Meは、メチル基を表す。)
で表されるアルケニル基含有有機ケイ素化合物とを反応させる請求項1~3のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
【請求項5】
下記式(5)
【化3】
(式中、R1は、それぞれ独立して、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数7~10のアラルキル基または炭素数2~10のアルケニル基を表し、Meは、メチル基を表す。)
で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物、および下記式(6)
【化4】
(式中、R1は、前記と同じ意味を表し、R3は、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~10のハロアルキル基または炭素数6~12のアリール基を表し、zは、1~4の整数を表す。)
で表される有機ケイ素化合物の共加水分解縮合物と、下記式(7)
【化5】
(式中、R1は、前記と同じ意味を表し、kは、0~8の整数を表し、zは、2または3を表し、Meは、メチル基を表す。)
で表されるアルケニル基含有有機ケイ素化合物とを反応させる請求項1~3のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンを含む組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メルカプト基およびアルコキシシリル基含有オルガノポリシロキサン、ならびにそれを含む組成物に関し、さらに詳述すると、メルカプト基含有有機ケイ素化合物の加水分解縮合物を主骨格とし、さらにトリアルコキシシリル基および/またはジアルコキシシリル基を含有するオルガノポリシロキサン、ならびにそれを含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
メルカプト基と加水分解性シリル基を含有する有機ケイ素化合物は、ガラスや金属などの無機基材への密着向上剤として広く使用されており(特許文献1)、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランや3-メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン等が上市されている。
【0003】
一方、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランや3-メルカプトプロピルジメトキシメチルシランは、低分子成分であるため揮発性が高い。その揮発性を低減させたものとして、上記のようなメルカプト基含有アルコキシシランを含むモノマー成分を(共)加水分解縮合させたオリゴマーが知られており(特許文献2~4)、このような製品としては、信越化学工業(株)製KR-518、KR-519等が上市されている。
【0004】
しかし、このようなメルカプト基含有アルコキシシランを含むモノマー成分を(共)加水分解縮合させたオリゴマーには、活性の高いトリアルコキシシリル基またはジアルコキシオルガノシリル基が含まれておらず、ガラスや金属などの無機基材に対する接着性や密着性が不足するケースがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4692885号公報
【特許文献2】特開平07-292108号公報
【特許文献3】特開平09-111188号公報
【特許文献4】特開2003-113243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、揮発性が低く、無機基材に対する接着性や密着性が良好なメルカプト基含有有機基オルガノポリシロキサン、およびその製造方法、ならびに上記オルガノポリシロキサンを含む組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、メルカプト基含有有機基およびトリアルコキシシリル基またはジアルコキシメチルシリル基を含有し、揮発性の低いオルガノポリシロキサンの製造法を見出すとともに、このオルガノポリシロキサンを含むエポキシ樹脂組成物等の樹脂組成物が、無機基材に対して優れた密着性を発揮することを知見し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、
1. メルカプト基含有有機基と、トリアルコキシシリル基含有有機基、ジアルコキシメチルシリル基含有有機基またはその両方とを有するオルガノポリシロキサン、
2. 下記平均組成式(1)で表される1のオルガノポリシロキサン、
(A)a(B)b(C)c(D)dSiO(4-a-b-c-d)/2 (1)
(式中、Aは、メルカプト基含有有機基を表し、Bは、トリアルコキシシリル基含有有機基またはジアルコキシメチルシリル含有有機基を表し、Cは、加水分解性基を表し、Dは、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~10のハロアルキル基または炭素数6~12のアリール基を表し、a、b、c、dは、0<a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、かつ0<a+b+c+d<4を満たす数を表す。)
3. 前記メルカプト基含有有機基が、下記式(2)
*-(CH2m-SH (2)
(式中、mは、1~10の整数を表し、*-は、結合手を示す。)
で表され、前記トリアルコキシシリル基含有有機基またはジアルコキシメチルシリル含有有機基が、下記式(3)
*-(CH2m-S-(CH2n-Si(CH33-k(OR1k (3)
(式中、mは、1~10の整数を表し、nは、1~10の整数を表し、kは、2または3を表し、R1は、それぞれ独立して、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数7~10のアラルキル基または炭素数2~10のアルケニル基を表し、*-は結合手を示す。)
で表され、前記加水分解性基が、下記式(4)
*-OR1 (4)
(式中、R1は、前記と同じ意味を表し、*-は結合手を示す。)
で表される2のオルガノポリシロキサン、
4. 下記式(5)
【化1】
(式中、R1は、それぞれ独立して、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数7~10のアラルキル基または炭素数2~10のアルケニル基を表し、yは、1~3の整数を表し、mは、1~10の整数を表し、Meは、メチル基を表す。)
で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物の加水分解縮合物と、下記式(7)
【化2】
(式中、R1は、前記と同じ意味を表し、kは、0~8の整数を表し、zは、2または3を表し、Meは、メチル基を表す。)
で表されるアルケニル基含有有機ケイ素化合物とを反応させる1~3のいずれかのオルガノポリシロキサンの製造方法、
5. 下記式(5)
【化3】
(式中、R1は、それぞれ独立して、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数7~10のアラルキル基または炭素数2~10のアルケニル基を表し、yは、1~3の整数を表し、mは、1~10の整数を表し、Meは、メチル基を表す。)
で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物、および下記式(6)
【化4】
(式中、R1は、前記と同じ意味を表し、R3は、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~10のハロアルキル基または炭素数6~12のアリール基を表し、zは、1~4の整数を表す。)
で表される有機ケイ素化合物の共加水分解縮合物と、下記式(7)
【化5】
(式中、R1は、前記と同じ意味を表し、kは、0~8の整数を表し、zは、2または3を表し、Meは、メチル基を表す。)
で表されるアルケニル基含有有機ケイ素化合物とを反応させる1~3のいずれかのオルガノポリシロキサンの製造方法、
6. 1~3のいずれかのオルガノポリシロキサンを含む組成物
を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のオルガノポリシロキサンは、揮発性が低く、ガラスや金属などの無機基材に対する高い密着性、接着性を有するため、接着性向上剤として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のオルガノポリシロキサンは、メルカプト基含有有機基、およびトリアルコキシシリル基含有有機基、ジアルコキシメチルシリル基含有有機基またはその両方を有するものであり、具体的には、下記平均組成式(1)で表されるオルガノポリシロキサンが好ましい。
(A)a(B)b(C)c(D)dSiO(4-a-b-c-d)/2 (1)
【0011】
式(1)において、Aは、メルカプト基含有有機基を表し、Bは、トリアルコキシシリル基含有有機基またはジアルコキシメチルシリル含有有機基を表し、Cは、加水分解性基を表し、Dは、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~10のハロアルキル基または炭素数6~12のアリール基を表し、a、b、c、dは、0<a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、かつ0<a+b+c+d<4を満たす数を表す。
なお、a、b、cおよびdは、ケイ素原子1モルに対する各有機基の平均モル数を意味する。
【0012】
より具体的には、式(1)において、上記メルカプト基含有有機基が、下記式(2)
*-(CH2m-SH (2)
(式中、mは、1~10の整数を表し、*-は、結合手を示す。)
で表され、上記トリアルコキシシリル基含有有機基またはジアルコキシメチルシリル含有有機基が、下記式(3)
*-(CH2m-S-(CH2n-Si(CH33-k(OR1k (3)
(式中、mは、1~10の整数を表し、nは、1~10の整数を表し、kは、2または3を表し、R1は、それぞれ独立して、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数7~10のアラルキル基または炭素数2~10のアルケニル基を表し、*-は結合手を示す。)
で表され、上記加水分解性基が、下記式(4)
*-OR1 (4)
(式中、R1は、上記と同じ意味を表し、*-は結合手を示す。)
で表されるオルガノポリシロキサンがより好ましい。
【0013】
上記式(3)および式(4)において、R1の炭素数1~20のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ヘキシル、n-オクチル、n-デシル、オクタデシル基等が挙げられ、炭素数6~10のアリール基の具体例としては、フェニル、トリル、ナフチル基等が挙げられ、炭素数7~10のアラルキル基の具体例としては、ベンジル基等が挙げられ、炭素数2~10のアルケニル基としては、ビニル、プロペニル、ペンテニル基等が挙げられる。
【0014】
上記式(1)において、Dの炭素数1~12のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ヘキシル、n-オクチル、n-デシル基等が挙げられ、炭素数1~10のハロアルキル基の具体例としては、1-クロロメチル、3-クロロプロピル、6-クロロヘキシル、8-クロロオクチル、1-ブロモメチル、3-ブロモプロピル、6-ブロモヘキシル、8-ブロモオクチル基等が挙げられ、炭素数6~12のアリール基の具体例としては、フェニル、トリル、スチリル、ナフチル、ジフェニル基等が挙げられる。
【0015】
上記式(2)で表されるメルカプト基含有有機基の具体例としては、下記で示される基等が挙げられる。
*-CH2SH、
*-C24SH、
*-C36SH、
*-C48SH、
*-C510SH、
*-C612SH、
*-C714SH、
*-C816SH、
*-C918SH、
*-C1020SH
(式中、*-は結合手を示す。以下同様。)
【0016】
上記式(3)で表されるトリアルコキシシリル基含有有機基もしくはジアルコキシメチルシリル含有有機基の具体例としては、下記で示される基等が挙げられる。
*-C36-S-C24-Si(OCH33
*-C36-S-C24-SiCH3(OCH32
*-C36-S-C24-Si(OC253
*-C36-S-C24-SiCH3(OC252
*-C36-S-C612-Si(OCH33
*-C36-S-C612-SiCH3(OCH32
*-C36-S-C612-Si(OC253
*-C36-S-C612-SiCH3(OC252
*-C36-S-C816-Si(OCH33
*-C36-S-C816-SiCH3(OCH32
*-C36-S-C816-Si(OC253
*-C36-S-C816-SiCH3(OC252
*-CH2-S-C24-Si(OCH33
*-CH2-S-C24-SiCH3(OCH32
*-CH2-S-C24-Si(OC253
*-CH2-S-C24-SiCH3(OC252
*-CH2-S-C612-Si(OCH33
*-CH2-S-C612-SiCH3(OCH32
*-CH2-S-C612-Si(OC253
*-CH2-S-C612-SiCH3(OC252
*-CH2-S-C816-Si(OCH33
*-CH2-S-C816-SiCH3(OCH32
*-CH2-S-C816-Si(OC253
*-CH2-S-C816-SiCH3(OC252
【0017】
上記式(4)で表される加水分解性基の具体例としては、下記で示される基等が挙げられる。
*-OCH3
*-OC25
*-OC37
*-OC49
*-OC511
【0018】
本発明のオルガノポリシロキサンは、下記式(5)で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物の加水分解縮合物と、下記式(7)で表されるアルケニル基含有有機ケイ素化合物とを反応させることにより、または下記式(5)で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物および下記式(6)で表される有機ケイ素化合物の共加水分解縮合物と、下記式(7)で表されるアルケニル基含有有機ケイ素化合物とを反応させることにより製造することができる。
【0019】
【化6】
(式中、R1およびmは、上記と同じ意味を表し、yは、1~3の整数を表し、Meは、メチル基を表す。)
【0020】
【化7】
(式中、R1は、上記と同じ意味を表し、kは、0~8の整数を表し、zは、2または3であり、Meは、メチル基を表す。)
【0021】
【化8】
(式中、R1は、上記と同じ意味を表し、R3は、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~10のハロアルキル基または炭素数6~12のアリール基を表し、zは、1~4の整数を表す。)
【0022】
上記式(6)において、R3で表される炭素数1~12のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ヘキシル、n-オクチル、n-デシル基等が挙げられ、炭素数1~10のハロアルキル基の具体例としては、1-クロロメチル、3-クロロプロピル、6-クロロヘキシル、8-クロロオクチル、1-ブロモメチル、3-ブロモプロピル、6-ブロモヘキシル、8-ブロモオクチル基等が挙げられ、炭素数6~12のアリール基の具体例としては、フェニル、トリル、スチリル、ナフチル、ジフェニル基等が挙げられる。
【0023】
上記式(5)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、α-メルカプトメチルトリメトキシシラン、α-メルカプトメチルメチルジメトキシシラン、α-メルカプトメチルトリエトキシシラン、α-メルカプトメチルメチルジエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
【0024】
上記式(6)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルメチルジメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルメチルジエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルメチルジメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルメチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルメチルジメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルメチルジエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルメチルジメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルメチルジエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルメチルジメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、デシルメチルジエトキシシラン等のアルキル基含有有機ケイ素化合物;フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、p-スチリルメチルジメトキシシラン、p-スチリルトリエトキシシラン、p-スチリルメチルジエトキシシラン等のアリール基含有有機ケイ素化合物;1-クロロメチルトリメトキシシラン、1-クロロメチルメチルジメトキシシラン、1-クロロメチルトリエトキシシラン、1-クロロメチルメチルジエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジエトキシシラン、6-クロロヘキシルトリメトキシシラン、6-クロロヘキシルメチルジメトキシシラン、6-クロロヘキシルトリエトキシシラン、6-クロロヘキシルメチルジエトキシシラン、8-クロロオクチルトリメトキシシラン、8-クロロオクチルメチルジメトキシシラン、8-クロロオクチルトリエトキシシラン、8-クロロオクチルメチルジエトキシシラン、1-ブロモメチルトリメトキシシラン、1-ブロモメチルメチルジメトキシシラン、1-ブロモメチルトリエトキシシラン、1-ブロモメチルメチルジエトキシシラン、3-ブロモプロピルトリメトキシシラン、3-ブロモプロピルメチルジメトキシシラン、3-ブロモプロピルトリエトキシシラン、3-ブロモプロピルメチルジエトキシシラン、6-ブロモヘキシルトリメトキシシラン、6-ブロモヘキシルメチルジメトキシシラン、6-ブロモヘキシルトリエトキシシラン、6-ブロモヘキシルメチルジエトキシシラン、8-ブロモオクチルトリメトキシシラン、8-ブロモオクチルメチルジメトキシシラン、8-ブロモオクチルトリエトキシシラン、8-ブロモオクチルメチルジエトキシシラン等のハロゲン化アルキル基含有有機ケイ素化合物;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシランが挙げられる。
【0025】
上記式(7)で表されるアルケニル基含有有機ケイ素化合物の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルメチルジメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルメチルジエトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、ヘキセニルメチルジメトキシシラン、ヘキセニルトリエトキシシラン、ヘキセニルメチルジエトキシシラン、オクテニルトリメトキシシラン、オクテニルメチルジメトキシシラン、オクテニルトリエトキシシラン、オクテニルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
【0026】
上記式(5)で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物の加水分解縮合物、または、上記式(5)で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物と上記式(6)で表される有機ケイ素化合物との共加水分解縮合物は、加水分解・縮合触媒を用いる公知の方法により製造することができる。
【0027】
加水分解・縮合触媒としては、従来公知の種々のものを適用することができる、その具体例としては、酢酸、酪酸、マレイン酸、クエン酸等の有機酸類;塩酸、硝酸、リン酸、硫酸等の無機酸類;トリエチルアミン等の塩基性化合物類;テトラブチルチタネート、ジブチル錫ジラウレート等の有機金属塩類;KF、NH4Fなどの含F化合物等が挙げられ。これらは単独で使用しても、複数種を併用してもよい。
触媒の使用量は、全反応成分に対し、0.0001~1モル%の範囲が好ましい。
【0028】
加水分解・縮合反応に使用する水の量は、所望の重合度に応じて調節することができ、通常、加水分解性シリル基全体1モルに対し、0.5~0.99モルが好ましく、0.66~0.90モルがより好ましい。
【0029】
なお、加水分解・縮合反応では、必要に応じて溶媒を使用してもよい。
使用可能な溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、t-ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジブチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類;トルエン等の芳香族類などが挙げられる。これらの中でも、メタノール、エタノール等のアルコール類が好ましい。
【0030】
上記式(5)で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物の加水分解縮合物、または、上記式(5)で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物と上記式(6)で表される有機ケイ素化合物との共加水分解縮合物と、上記式(7)で表されるビニル基含有有機ケイ素化合物との反応は、公知のエン・チオール反応の技術を用いることができる。
【0031】
エン・チオール反応では、必要に応じて有機過酸化物、アゾ化合物等の触媒を用いてもよい。
有機過酸化物の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジtert-ブチルパーオキサイド、tert-ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。
アゾ化合物の具体例としては、2,2’-アゾビスプロパン、2,2’-ジクロロ-2,2’-アゾビスプロパン、1,1’-アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’-アゾビスイソブタン、2,2’-アゾビスイソブチルアミド、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス-2-メチルプロピオン酸メチル、2,2’-ジクロロ-2,2’-アゾビスブタン、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、2,2’-アゾビスイソ酪酸ジメチル、3,5-ジヒドロキシメチルフェニルアゾ-2-メチルマロノジニトリル、2,2’-アゾビス-2-メチルバレロニトリル、4,4’-アゾビス-4-シアノ吉草酸ジメチル、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル等が挙げられる。
【0032】
触媒の使用量は、上記式(5)で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物の加水分解縮合物、または、上記式(5)で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物および上記式(6)で表される有機ケイ素化合物との共加水分解縮合物と、上記式(7)で表されるアルケニル基含有有機ケイ素化合物との合計量100質量部あたり0.00001~10質量部が好ましい。
【0033】
エン・チオール反応では、必要に応じて溶媒を使用してもよい。
使用可能な溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、t-ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジブチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類;トルエン等の芳香族類;ヘキサン、デカン等の炭化水素類などが挙げられる。
エン・チオール反応の反応温度は、上記式(7)で表されるビニル基含有有機ケイ素化合物の揮発を抑制する点から、0~200℃が好ましく、50~150℃がより好ましい。
【0034】
本発明のオルガノポリシロキサンは、ガラスや金属などの無機基材に対する密着向上剤として好適に用いられる。
本発明のオルガノポリシロキサンは、各種樹脂等に添加した組成物として用いることができる。
樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられるが、特に、エポキシ樹脂の添加剤として用いることが好ましい。
オルガノポリシロキサンの添加量は、密着性向上効果が発揮される限り制限はないが、組成物中、0.01~10質量%が好ましく、0.1~5質量%がより好ましく、0.2~3質量%がより一層好ましい。
【0035】
なお、本発明の組成物には、組成物の性能を損なわない限り、その他の添加剤を含んでいてもよい。その他の添加剤としては、硬化触媒、離型剤、難燃剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、接着付与剤、低応力化剤、着色剤等が挙げられる。その他の添加剤の使用量は、組成物の性能を損なわない限り制限はないが、組成物中、0.01~10質量%が好ましく、0.1~5質量%以下がより好ましく、0.5~5質量%がより一層好ましい。
【実施例0036】
以下、合成例、実施例および比較例を示して本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、下記例において、平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を示す。
【0037】
[合成例1]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM-803)786g(4.0モル)、メタノール100gを納めた後、室温にて0.5N塩酸水63g(水3.5モル)を滴下した。その後、80℃にて10時間撹拌し、次いで、室温まで冷却した。プロピレンオキサイド3.0gを滴下し、室温にて1時間撹拌し、この反応溶液を減圧留去、濾過し、無色透明液体のシリコーンオリゴマー1を620g得た。得られたシリコーンオリゴマー1をGPCにより測定した結果、平均分子量は1250であり、メルカプト当量は156g/モルであり、下記平均組成式で示されるものであった。
(-C36-SH)1.00(CH3O)1.25SiO0.875
【0038】
[合成例2]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM-803)393g(2.0モル)、プロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM-3033)329g(2.0モル)、メタノール100gを納めた後、室温にて0.5N塩酸水63g(水3.5モル)を滴下した。その後、80℃にて10時間撹拌し、次いで、室温まで冷却した。プロピレンオキサイド3.0gを滴下し、室温にて1時間撹拌し、この反応溶液を減圧留去、濾過し、無色透明液体のシリコーンオリゴマー2を560g得た。得られたシリコーンオリゴマー2をGPCにより測定した結果、平均分子量は1100であり、メルカプト当量は275g/モルであり、下記平均組成式で示されるものであった。
(-C36-SH)0.50(-C370.50(CH3O)1.25SiO0.875
【0039】
[実施例1-1]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、合成例1で得られたオリゴマー1 312g(メルカプト基として2モル)、ビニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)、KBM-1003)148g(1.0モル)を納めた後、90℃にてパーオキシエステル化合物(日油製 パーブチルO)0.1gを投入し、90℃にて3時間攪拌した。この反応溶液を減圧留去、濾過し、無色透明液体のオルガノポリシロキサン(i)を450g得た。得られたオルガノポリシロキサン(i)をGPCにより測定した結果、平均分子量は1850であり、メルカプト当量は463g/モルであり、下記平均組成式で示されるものであった。
(-C36-SH)0.50(-C36-S-C24-Si(OCH330.50(CH3O)1.25SiO0.875
【0040】
[実施例1-2]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、合成例1で得られたオリゴマー1 312g(メルカプト基として2モル)、ビニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)、KBM-1003)74g(0.5モル)を納めた後、90℃にてパーオキシエステル化合物(日油(株)製、パーブチルO)0.1gを投入し、90℃にて3時間撹拌した。この反応溶液を減圧留去、濾過することにより、無色透明液体のオルガノポリシロキサン(ii)を380g得た。得られたオルガノポリシロキサン(ii)をGPCにより測定した結果、平均分子量は1550であり、メルカプト当量は257g/モルであり、下記平均組成式で示されるものであった。
(-C36-SH)0.75(-C36-S-C24-Si(OCH330.25(CH3O)1.25SiO0.875
【0041】
[実施例1-3]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、合成例2で得られたオリゴマー2 312g(メルカプト基として2モル)、ビニルトジメトキシメチルシラン(信越化学工業(株)、KBM-1012)66g(0.5モル)を納めた後、90℃にてパーオキシエステル化合物(日油(株)、パーブチルO)0.1gを投入し、90℃にて3時間撹拌した。この反応溶液を減圧留去、濾過し、無色透明液体のオルガノポリシロキサン(iii)を370g得た。得られたオルガノポリシロキサン(iii)をGPCにより測定した結果、平均分子量は1500であり、メルカプト当量は252g/モルであり、下記平均組成式で示されるものであった。
(-C36-SH)0.75(-C36-S-C24-SiCH3(OCH320.25(CH3O)1.25SiO0.875
【0042】
[実施例1-4]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、合成例1で得られたオリゴマー1 312g(メルカプト基として2モル)、オクテニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)、KBM-1083)116g(0.5モル)を納めた後、90℃にてパーオキシエステル化合物(日油(株)製、パーブチルO)0.1gを投入し、90℃にて3時間撹拌した。この反応溶液を減圧留去、濾過し、無色透明液体のオルガノポリシロキサン(iv)を420g得た。得られたオルガノポリシロキサン(iv)をGPCにより測定した結果、平均分子量は1700であり、メルカプト当量は285g/モルであり、下記平均組成式で示されるものであった。
(-C36-SH)0.75(-C36-S-C816-Si(OCH330.25(CH3O)1.25SiO0.875
【0043】
[実施例1-5]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、合成例2で得られたオリゴマー2 550g(メルカプト基として2モル)、ビニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM-1003)74g(0.5モル)を納めた後、90℃にてパーオキシエステル化合物(日油(株)、パーブチルO)0.1gを投入し、90℃にて3時間撹拌した。この反応溶液を減圧留去、濾過し、無色透明液体のオルガノポリシロキサン(v)を615g得た。得られたオルガノポリシロキサン(v)をGPCにより測定した結果、平均分子量は1300であり、メルカプト当量は416g/モルであり、下記平均組成式で示されるものであった。
(-C36-SH)0.375(-C36-S-C24-Si(OCH330.125(-C370.50(CH3O)1.25SiO0.875
【0044】
〔オルガノポリシロキサンの揮発性評価〕
実施例1-1~1-5で得られたオルガノポリシロキサン(i)~(v)、合成例1、2で得られたシリコーンオリゴマー1,2、および3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM-803)の揮発性を評価した。評価方法としては、化合物1gを滴下したアルミシャーレを105℃の恒温室に3時間開放系で静置した際の質量の残存率(%)を不揮発分として評価した。不揮発分が大きい程、化合物の揮発性は低い。評価結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
[実施例2-1~2-5、比較例2-1~2-3]
実施例1-1~1-5で得られたオルガノポリシロキサン(i)~(v)、合成例1、2で得られたシリコーンオリゴマー1、2、および3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM-803)をエポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製 YDPN638、触媒:2-メチルイミダゾール)に表2に示す配合量で添加して組成物を調製した。
【0047】
上記で得られた各組成物を、バーコーターで厚さ10μmとなるようにガラス板上に塗布し、150℃、1時間の条件で硬化させて硬化膜を作製した。得られた硬化膜について、JIS K 5400に準拠した碁盤目剥離試験により、(剥離試験後に残存したマス目の数)/100として密着性を評価した。
【0048】
【表2】
【0049】
表1および表2に示されるように、本発明のオルガノポリシロキサンは揮発性が低く、また、エポキシ樹脂等の樹脂に対して添加することで、優れた密着性を与えることがわかる。