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特開2023-165539基板処理装置及び基板処理装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023165539
(43)【公開日】2023-11-16
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20231109BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20231109BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/31 C
C23C16/458
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076710
(22)【出願日】2022-05-06
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】三枝 直也
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K030AA06
4K030AA14
4K030AA16
4K030AA18
4K030BA44
4K030CA06
4K030CA17
4K030FA01
4K030GA02
4K030KA17
4K030KA18
4K030KA41
4K030LA18
5F045AA08
5F045AB32
5F045AC03
5F045AC11
5F045AC15
5F045AC16
5F045AF07
5F045DP03
5F045DQ10
5F045EB03
5F045EB09
5F045EE04
5F045EF05
5F045EH05
5F045EH14
5F045EM02
5F045EM05
5F045EM09
5F045EM10
5F131AA02
5F131AA03
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA11
5F131BA19
5F131BA24
5F131CA44
5F131EB11
5F131EB72
5F131EB81
5F131EB82
(57)【要約】
【課題】チャンバを変更することなくリフトピンのレイアウトを変更可能な基板処理装置及び基板処理装置の製造方法を提供する。
【解決手段】処理容器と、基板を載置する載置面を有する載置板と前記載置板を支持する本体部とを有し、前記処理容器内に配置される載置台と、前記載置板を貫通する挿通孔に配置され、前記載置面から突没可能に設けられたリフトピンと、前記処理容器の底壁を貫通して上下方向に駆動する駆動軸を有する駆動部と、前記駆動軸と固定され、前記リフトピンと離間して対向配置される駆動部材と、を備える、基板処理装置。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理容器と、
基板を載置する載置面を有する載置板と前記載置板を支持する本体部とを有し、前記処理容器内に配置される載置台と、
前記載置板を貫通する挿通孔に配置され、前記載置面から突没可能に設けられたリフトピンと、
前記処理容器の底壁を貫通して上下方向に駆動する駆動軸を有する駆動部と、
前記駆動軸と固定され、前記リフトピンと離間して対向配置される駆動部材と、を備える、
基板処理装置。
【請求項2】
前記リフトピンは、前記駆動部によって上昇する前記駆動部材と当接して押し上げられ、該リフトピンが前記載置面から突出する、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記載置面において複数の前記リフトピンが配置されてリフトピン配置が構成され、前記リフトピン配置は、前記基板に応じて変更可能に構成され、
前記駆動部材は、前記リフトピン配置に応じて、前記駆動部材の形状及び取り付け向きのうち少なくとも一方が変更可能に構成される、
請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記リフトピン配置に対応した複数の前記挿通孔が配置されて挿通孔配置が構成され、前記載置板は、前記挿通孔配置が異なる他の載置板に交換可能に構成される、
請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記載置板は、挿通孔群を構成する複数の前記挿通孔を有し、前記挿通孔群から選択された前記挿通孔に前記リフトピンが配置される、
請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記載置板は、挿通孔群を構成する複数の前記挿通孔を有し、前記挿通孔群を構成する前記挿通孔のそれぞれに前記リフトピンが配置されてリフトピン群が構成され、
前記駆動部材は、前記リフトピン群から選択された前記リフトピンに対向配置される、
請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項7】
1つの前記駆動部材は、2つ以上の前記リフトピンを駆動可能に設けられる、
請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項8】
処理容器と、基板を載置する載置面を有する載置板と前記載置板を支持する本体部とを有し、前記処理容器内に配置される載置台と、前記載置板を貫通する挿通孔に配置され、前記載置面から突没可能に設けられたリフトピンと、前記処理容器の底壁を貫通して上下方向に駆動する駆動軸を有する駆動部と、前記駆動軸と固定され、前記リフトピンと離間して対向配置される駆動部材と、を備える、基板処理装置の製造方法であって、
前記基板に応じて前記載置板に形成される複数の前記挿通孔の配置を決定する工程と、
前記基板に応じて複数の前記挿通孔から前記リフトピンを配置する挿通孔を選択する工程と、
前記基板に応じて前記駆動部材によって押し上げられる前記リフトピンを決定する工程と、
決定された複数の前記挿通孔の配置に基づいて前記載置板に前記挿通孔を形成する工程と、
選択された前記挿通孔に前記リフトピンを配置する工程と、
前記処理容器の底壁を貫通する前記駆動軸を有する前記駆動部を設置する工程と、
決定された前記リフトピンに基づいて前記駆動部材を前記駆動軸に取り付ける工程と、を含む、
基板処理装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置及び基板処理装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板を載置する載置面から突没可能に設けられたリフトピンを有するサセプタと、リフトピンを駆動する駆動部と、駆動部を制御する制御部と、を備える、基板処理装置が開示されている。特許文献1に示す構成において、リフトピンは、チャンバの底壁およびサセプタを貫通する挿通孔に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-180214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一の側面では、本開示は、チャンバを変更することなくリフトピンのレイアウトを変更可能な基板処理装置及び基板処理装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、一の態様によれば、処理容器と、基板を載置する載置面を有する載置板と前記載置板を支持する本体部とを有し、前記処理容器内に配置される載置台と、前記載置板を貫通する挿通孔に配置され、前記載置面から突没可能に設けられたリフトピンと、前記処理容器の底壁を貫通して上下方向に駆動する駆動軸を有する駆動部と、前記駆動軸と固定され、前記リフトピンと離間して対向配置される駆動部材と、を備える、基板処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
一の側面によれば、チャンバを変更することなくリフトピンのレイアウトを変更可能な基板処理装置及び基板処理装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】基板処理装置の概略断面図の一例。
図2】基板処理装置の平面方向の概略断面図の一例。
図3】リフトピンを駆動させる駆動機構の構成を示すブロック図の一例。
図4】リフトピンを下降させた状態におけるサセプタの部分拡大断面図の一例。
図5】リフトピンを上昇させた状態におけるサセプタの部分拡大断面図の一例。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0009】
<基板処理装置>
本実施形態に係る基板処理装置1について図1から図3を用いて説明する。図1は、基板処理装置1の概略断面図の一例である。基板処理装置1は、載置台に基板Gを載置して、基板Gに所望の処理(例えば、成膜処理等)を施す装置である。また、載置台は、載置された基板Gの温度を調整(例えば、ヒーターによる加熱やチラーによる冷却など)可能に構成されている。なお、水平な一方向をX方向とし、水平かつX方向と直交する方向をY方向とし、高さ方向をZ方向として説明する。
【0010】
また、基板処理装置1において処理が施される基板G、換言すれば、載置台に載置される基板Gは、平面視して矩形状であり、可撓性を有する基板である。基板Gは、例えば、可撓性を有する矩形状のガラス基板であってもよい。また、基板Gは、例えば、厚さが0.2mm乃至数mm程度の薄膜ガラス基板であってもよい。また、基板Gは、例えば、平面寸法が第6世代の1500mm×1800mm程度の寸法から、第10.5世代の3000mm×3400mm程度の寸法までを少なくとも含むものであってもよい。また、基板Gは、例えば、フラットパネルディスプレイの製造に用いられるガラス基板である。
【0011】
基板処理装置1は、基板Gを収容する処理容器としてのチャンバ2を備えている。チャンバ2は、例えば、表面がアルマイト処理(陽極酸化処理)されたアルミニウムからなり、基板Gの形状に対応して四角筒形状に形成されている。
【0012】
チャンバ2内の底壁には、基板Gを載置する載置台としてのサセプタ4が設けられている。サセプタ4は、基板Gの形状に対応して四角板状または柱状に形成されている。サセプタ4は、金属等の導電性材料からなる載置板4aと、載置板4aの底部とチャンバ2の底面との間に設けられ載置板4aを支持する絶縁性材料からなる本体部4bと、を有している。載置板4aには、高周波電力を供給するための給電線23が接続されている。給電線23は、整合器24を介して高周波電源25が接続されている。高周波電源25は、例えば、13.56MHzの高周波電力をサセプタ4に印加する。整合器24は、高周波電源25の出力インピーダンスと負荷側の入力インピーダンスとを整合させる。これにより、サセプタ4は、下部電極として機能するように構成されている。
【0013】
サセプタ4の上面(載置板4aの上面)は、基板Gを載置する基板載置面4c(載置面)となる。なお、サセプタ4の上面に、基板Gを吸着保持する静電チャック(図示せず)を設けてもよい。
【0014】
チャンバ2の上部または上壁には、チャンバ2内に処理ガスを供給するとともに上部電極として機能するシャワーヘッド11が、サセプタ4と対向するように設けられている。シャワーヘッド11は、内部に処理ガスを拡散させるガス拡散空間12が形成されているとともに、下面またはサセプタ4との対向面に処理ガスを吐出する複数の吐出孔13が形成されている。このシャワーヘッド11は接地されており、サセプタ4とともに一対の平行平板電極を構成している。なお、本実施形態では平行平板電極によりプラズマを生成する基板処理装置に本開示を適用した場合について説明するが、誘導結合によりプラズマを生成する基板処理装置に本開示を適用してもよく、また、その他の方法によりプラズマを生成する基板処理装置に本開示を適用してもよいことは勿論である。
【0015】
シャワーヘッド11の上面にはガス導入口14が設けられ、このガス導入口14には、処理ガス供給管15が接続されており、この処理ガス供給管15には、バルブ16およびマスフローコントローラ17を介して、処理ガス供給源18が接続されている。処理ガス供給源18からは、例えば、成膜のための処理ガスが供給される。処理ガスとしては、SiFガス、SiClガス、Nガス、Oガス、Arガス等、通常この分野で用いられるガスを用いることができる。
【0016】
チャンバ2の底壁には排気管19が接続されており、この排気管19には排気装置20が接続されている。排気装置20はターボ分子ポンプなどの真空ポンプを備えており、これによりチャンバ2内を所定の減圧雰囲気まで真空引き可能なように構成されている。チャンバ2の側壁には、基板Gを搬入出するための搬入出口21が形成されているとともに、この搬入出口21を開閉するゲートバルブ22が設けられており、搬入出口21の開放時に、基板Gが、搬送部材としての搬送アーム50(後述する図2参照)により下方から支持された状態で搬入出口21及びゲートバルブ22を介して隣接する図示しない搬送室との間で搬送されるように構成されている。
【0017】
サセプタ4には、載置板4aを貫通する挿通孔7が、サセプタ4の外周部位置および中央部位置(外周部位置よりも内側または中央寄り位置)にそれぞれ形成されている。挿通孔7にはそれぞれ、基板Gを下方から支持して昇降させるリフトピン8がサセプタ4の基板載置面4cに対して突没可能に挿入されている。リフトピン8はそれぞれ、突出時に基板Gの外周部および中央部に当接するように設けられており、図示しない位置決め用ブッシュによって径方向または幅方向に位置決めされて挿通孔7内に挿入されている。
【0018】
リフトピン8の下方は、載置板4aよりも下側に突出している。即ち、リフトピン8の下方は、載置板4aの下側とチャンバ2の底壁との間の空間に配置されている。載置板4aの裏面側には、リフトピン8の上下移動をガイドするリフトピンガイド200が設けられている。また、チャンバ2の底壁を貫通する駆動軸101と、載置板4aとチャンバ2の底壁との間の空間に配置される駆動部材102と、が設けられている。また、チャンバ2の底壁には、駆動部材102を駆動する駆動部9を有している。駆動部9は、駆動軸101及び駆動部材102を上下移動させることにより、リフトピン8を上下移動させる。
【0019】
ここで、基板載置面4cにおける挿通孔7及びリフトピン8の配置について、図2を用いてさらに説明する。図2は、基板処理装置1の平面方向の概略断面図の一例である。なお、図2において、搬送アーム50に保持された基板Gを載置領域4dの上方に配置した際における搬送アーム50及び基板Gの位置を二点鎖線で示す。
【0020】
図2に示すように、基板G及び基板Gが載置されるサセプタ4の基板載置面4cは、平面視して、短辺(Y方向)と長辺(X方向)とを有する矩形状を有している。また、基板載置面4cは、基板Gに対応した載置領域4d(図2において、破線で示す。)を有する。基板Gをサセプタ4に載置する際、基板Gは載置領域4dに載置される。なお、図2において、載置領域4dの中心線4e(一方の長辺の中点と他方の長辺の中点とを結ぶ線)及び中心線4f(一方の短辺の中点と他方の短辺の中点とを結ぶ線)を一点鎖線で示す。また、図2において、便宜上、載置領域4dを示す破線が基板Gを示す二点鎖線よりも内側に描かれているが、載置領域4dが基板Gの外周よりも内側に規定されることを意味するものではなく、載置領域4dは基板Gと同一の形状であり同一の面積を持つことが望ましい。また、載置領域4dは基板Gを内包する形状および面積を有する領域であってもよい。
【0021】
サセプタ4は、基板載置面4c(載置面)において、複数の挿通孔7を有し、複数のリフトピン8が、複数の挿通孔7のそれぞれに配置される。複数の挿通孔7による配置は挿通孔配置を構成し、複数のリフトピン8による配置はリフトピン配置を構成する。サセプタ4は、挿通孔7として挿通孔7a,7bを有する。挿通孔7aは、載置領域4dの外周部に設けられている。挿通孔7bは、載置領域4dの外周部に囲われる載置領域4dの面中央部に設けられている。挿通孔7a,7bには、リフトピン8としてリフトピン8a,8bが配置される。
【0022】
矩形状の載置領域4dの外周部には、挿通孔7aが設けられている。図2に示す例において、挿通孔7aは、中心線4e及び中心線4fを対象軸として、載置領域4d内に12個設けられている。各挿通孔7aには、それぞれリフトピン8aが配置されている。
【0023】
矩形状の載置領域4dの面中央部には、挿通孔7bが設けられている。図2に示す例において、挿通孔7bは、中心線4e上に設けられ、かつ、中心線4fを対象軸として2つ設けられている。各挿通孔7bには、それぞれリフトピン8bが配置されている。
【0024】
図3は、リフトピン8を駆動させる駆動機構の構成を示すブロック図の一例である。
【0025】
リフトピン8はそれぞれ駆動部9に接続される。リフトピン8はこの駆動部9の駆動によって昇降することによりサセプタ4の基板載置面4cに対して突出および没入するように構成されている。駆動部9はそれぞれ、例えばステッピングモータを用いて構成される。なお、リフトピン8は、図3に示すように、個別に駆動することができるように構成されているものとして説明したが、これに限られるものではなく、グループごとに駆動することができるように構成されていてもよい。この構成によれば、駆動部(ステッピングモータ)の数を削減することができる。
【0026】
駆動部9の駆動は、マイクロプロセッサ(コンピュータ)を備えたコントローラ31によって別個に制御される構成となっており、これにより、リフトピン8はそれぞれ互いに独立して昇降可能に構成されている。コントローラ31には、工程管理者が駆動部9の駆動を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、駆動部9の駆動状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザインタフェース32と、駆動部9の駆動をコントローラ31の制御にて実現するための制御プログラムや駆動条件データ等が記録されたレシピが格納された記憶部33とが接続されている。そして、必要に応じて、ユーザインタフェース32からの指示等にて任意のレシピを記憶部33から呼び出してコントローラ31に実行させることで、コントローラ31の制御下で駆動部9の駆動および停止が行われる。前記レシピは、例えば、CD-ROM、ハードディスク、フラッシュメモリなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納された状態のものを利用したり、あるいは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させて利用したりすることも可能である。
【0027】
コントローラ31、ユーザインタフェース32および記憶部33は、駆動部9によるリフトピン8の昇降を制御する制御部を構成し、サセプタ4、リフトピン8、駆動部9および制御部は基板載置機構を構成する。
【0028】
次に、リフトピン8を駆動する駆動機構について、図4及び図5を用いてさらに説明する。図4は、リフトピン8を下降させた状態におけるサセプタ4の部分拡大断面図の一例である。図5は、リフトピン8を上昇させた状態におけるサセプタ4の部分拡大断面図の一例である。
【0029】
リフトピン8は、例えばアルミナで形成され、軸部81及び頭部82を有する。頭部82は、軸部81よりも拡径して形成されている。
【0030】
サセプタ4の挿通孔7は、貫通部71と、収納部72と、を有する。貫通部71は、載置板4aを上面と下面とを貫通して形成され、貫通部71にはリフトピン8の軸部81が挿入される。収納部72は、リフトピン8の頭部82が収納可能なように貫通部71よりも拡径して形成され、リフトピン8を下降させた状態(図4参照)において、リフトピン8の頭部82を収納する。また、リフトピン8の頭部82は、挿通孔7の貫通部71よりも拡径して形成されている。これにより、リフトピン8を下降させた状態(図4参照)において、リフトピン8の頭部82の下面が挿通孔7の収納部72の底面と当接して、リフトピン8が載置板4aに係止される。
【0031】
また、載置板4aの裏面側には、リフトピンガイド200が設けられている。リフトピンガイド200は、リフトピン8を上下方向に移動可能にガイドするとともに、リフトピン8が基板載置面4cから突出した際(図5参照)にリフトピン8の傾きを防止するようにリフトピン8を支持する。リフトピンガイド200は、リフトピン8の軸部81を挿入する軸挿入部211を有する。リフトピンガイド200は、挿通孔7の貫通部71と軸挿入部211とが同軸となるように、固定部材260によって載置板4aの裏面側に固定される。載置板4aは、基板Gの処理時においては、高温(例えば、350℃)となる。リフトピンガイド200をアルミナで形成することにより、高温環境下においても好適にリフトピン8をガイドすることができる。また、リフトピンガイド200には、挿通孔7を介して処理ガスが流入するおそれがある。リフトピンガイド200をアルミナで形成することにより、耐腐食性を向上させることができる。また、リフトピンガイド200をリフトピン8と同じくアルミナで形成することにより、耐摩耗性を向上させることができる。
【0032】
チャンバ2の底壁には、チャンバ2の底壁を貫通し上下方向に駆動する駆動軸101を有する駆動部9が設けられている。駆動軸101は、チャンバ2の底壁に設けられ、駆動軸101の上下方向の移動をガイドする駆動軸ガイド2aによって支持されている。ここで、サセプタ4を上方からみて、駆動軸101の位置とリフトピン8の位置とは、水平方向(駆動軸101の駆動方向と直交する方向)において異なる位置に配置されている。なお、水平方向における駆動軸101の位置とリフトピン8の位置とが一致していてもよい。
【0033】
駆動部材102は、載置板4aとチャンバ2の底壁との間の空間に配置される。駆動部材102は、例えば一端が駆動軸101と固定され、駆動軸101から水平方向に延びる部材である。駆動部9が駆動軸101を上下方向に移動させることにより、駆動部材102も上下方向に移動する。
【0034】
また、駆動部材102は、リフトピン8と対向して配置される。ここでは、サセプタ4を上方からみて、駆動部材102は、駆動軸101の位置とリフトピン8の位置とを含むように形成されている。また、駆動部材102とリフトピン8とは固定されておらず、駆動部材102(駆動軸101)を下降させた状態(図4参照)において、駆動部材102とリフトピン8とは離間している。換言すれば、駆動部材102は、駆動部材102の一端において任意の方向に向けて駆動軸101に取り付け可能であり、駆動部材102の他端若しくは他端と一端の間において、リフトピン8と離間して対向するように形成されている。
【0035】
また、駆動部材102(駆動軸101)を上昇させた状態(図5参照)において、駆動部材102とリフトピン8とが当接し、駆動部材102がリフトピン8を押し上げる。
【0036】
また、駆動部材102には、リフトピン8と当接する位置に当接部材103が設けられている。駆動部材102は、例えばアルミニウムで形成される。当接部材103は、例えばアルミナで形成される。リフトピン8と当接する当接部材103をリフトピン8と同じ材料(アルミナ)とすることにより、リフトピン8と当接部材103との当接時の摩耗を抑制することができる。
【0037】
また、駆動部材102は、着脱可能な固定部材104によって駆動軸101と固定される。これにより、駆動部材102を容易に交換することができる。また、当接部材103は、着脱可能な固定部材105によって駆動部材102と固定される。これにより、当接部材103を容易に交換することができる。
【0038】
ここで、基板Gに処理を施す際、載置板4aはチャンバ2の底壁と比較して高温となり、載置板4aとチャンバ2の底壁との間に温度差が生じる。これにより、リフトピン8の中心位置と駆動軸101の中心位置との水平方向における間隔が変化する。駆動部材102とリフトピン8とは固定されていないことにより、温度差によってリフトピン8の中心位置と駆動軸101の中心位置との間隔が変化した場合でも、リフトピン8が撓むことを防止することができる。なお、駆動部材102は、温度差によってリフトピン8の中心位置と駆動軸101の中心位置との間隔が変化した場合でも、駆動部材102とリフトピン8とが当接可能な大きさに形成されている。
【0039】
また、載置領域4d上に複数配置されるリフトピン8は、基板Gに最終的に形成される半導体装置や発光素子に影響を与えない位置に配置される。このため、基板処理装置1には、基板Gに応じて載置領域4d上に配置される複数のリフトピン8の配置(レイアウト)を変更可能に構成されることが求められている。
【0040】
基板Gに応じて基板載置面4c(載置面)の載置領域4d上に配置されるリフトピン8のレイアウトを変更したい場合、基板処理装置1において、載置板4aを変更後のレイアウトに対応して挿通孔7が形成された他の載置板4aと交換し、駆動部材102の形状及び取り付け向き(延伸方向)のうち少なくとも一方を変更することで、リフトピン8のレイアウトを変更することができる。換言すれば、チャンバ2の底壁に設けられた駆動軸101の位置を変更することなく、リフトピン8のレイアウトを変更することができる。このように、チャンバ2内の部品(載置板4a、駆動部材102)の交換によってリフトピン8のレイアウト(複数のリフトピンの配置)を変更することができる。
【0041】
また、載置板4aに、リフトピン8の数よりも多い複数の挿通孔7から構成される挿通孔群を予め形成しておき、リフトピン8のレイアウトに応じて挿通孔群から選択した挿通孔7にリフトピン8を配置し、駆動部材102の形状及び取り付け向き(延伸方向)のうち少なくとも一方を変更するように構成してもよい。これにより、リフトピン8のレイアウトを変更することができる。
【0042】
また、載置板4aに、駆動部材102に当接するリフトピン8の数よりも多い複数の挿通孔7から構成される挿通孔群を予め形成して、それぞれの挿通孔7に予めリフトピン8を配置してリフトピン群を形成し、駆動部材102の形状及び取り付け向き(延伸方向)のうち少なくとも一方を変更するように構成してもよい。これにより、駆動部材102(駆動軸101)を上昇させた状態(図5参照)において、駆動部材102と当接し押し上げられるリフトピン8をリフトピン群から選択し、基板Gを押し上げるリフトピン8のレイアウトを変更することができる。
【0043】
また、図1図4及び図5に示す例において、1つの駆動部材102は1つのリフトピン8に対応するものとして説明したが、これに限られるものではない。1つの駆動部材102が複数のリフトピン8と当接して押し上げる構成であってもよい。これにより、駆動部9(ステッピングモータ)の数を削減することができる。
【0044】
また、基板処理装置1の製造方法において、基板Gに応じて載置板4aに形成される複数の挿通孔7の配置を決定する工程と、基板Gに応じて複数の挿通孔7からリフトピン8を配置する挿通孔7を選択する工程と、基板Gに応じて駆動部材102によって押し上げられるリフトピン8を決定する工程と、を含む。また、基板処理装置1の製造方法において、決定された複数の挿通孔7の配置に基づいて載置板4aに挿通孔7を形成する工程と、選択された挿通孔7にリフトピン8を配置する工程と、チャンバ2の底壁を貫通する駆動軸101を有する駆動部9を設置する工程と、決定されたリフトピン8に基づいて駆動部材102を駆動軸101に取り付ける工程と、を含む。
【0045】
以上、基板処理装置1について説明したが、本開示は上記実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本開示の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 基板処理装置
2 チャンバ
2a 駆動軸ガイド
4 サセプタ
4a 載置板
4b 本体部
4c 基板載置面
7 挿通孔
8 リフトピン
9 駆動部
71 貫通部
72 収納部
81 軸部
82 頭部
101 駆動軸
102 駆動部材
103 当接部材
104 固定部材
105 固定部材
200 リフトピンガイド
211 軸挿入部
G 基板
図1
図2
図3
図4
図5