(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166015
(43)【公開日】2023-11-17
(54)【発明の名称】基板処理システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20231110BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】31
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023171344
(22)【出願日】2023-10-02
(62)【分割の表示】P 2019151748の分割
【原出願日】2019-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】茂木 卓
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】小田島 章
(72)【発明者】
【氏名】吉村 啓佑
(57)【要約】
【課題】設置面積を抑制すること。
【解決手段】真空搬送モジュールは水平な一方向に伸長する。複数の第1プロセスモジュールは、真空搬送モジュールの第1側面に沿って真空搬送モジュールに結合され、複数の第2プロセスモジュールは真空搬送モジュールの第2側面に沿って真空搬送モジュールに結合される。複数の第1電装ユニットはそれぞれ第1プロセスモジュールに配置され、複数の第2電装ユニットはそれぞれ第2プロセスモジュールに配置される。下部空間は、真空搬送モジュールの下に一方向に沿って真空搬送モジュールの前端から後端に伸長し、複数の第1プロセスモジュールと複数の第2プロセスモジュールとの間に画定される。上部空間は、真空搬送モジュールの上に一方向に沿って真空搬送モジュールの前端から後端に伸長し、複数の第1電装ユニットと複数の第2電装ユニットとの間に画定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムであって、
前記基板処理システムの水平な一方向に沿って伸長する真空搬送モジュールと、
複数の第1プロセスモジュールおよび複数の第2プロセスモジュールを含む複数のプロセスモジュールであって、前記複数の第1プロセスモジュールは、前記真空搬送モジュールの第1側面に沿って前記真空搬送モジュールに結合され、前記複数の第2プロセスモジュールは、前記真空搬送モジュールの第2側面に沿って前記真空搬送モジュールに結合されている、複数のプロセスモジュールと、
複数の第1電装ユニットおよび複数の第2電装ユニットを含む複数の電装ユニットであって、前記複数の第1電装ユニットはそれぞれ、前記複数の第1プロセスモジュールに対応し、該対応する第1プロセスモジュールに配置され、前記複数の第2電装ユニットはそれぞれ、前記複数の第2プロセスモジュールに対応し、該対応する第2プロセスモジュールに配置される、複数の電装ユニットと、
前記真空搬送モジュールの下に画定される下部空間であって、前記基板処理システムの前記一方向に沿って前記真空搬送モジュールの前端から後端に伸長し、前記複数の第1プロセスモジュールと前記複数の第2プロセスモジュールとの間に画定される、下部空間と、
前記真空搬送モジュールの上に画定される上部空間であって、前記基板処理システムの前記一方向に沿って前記真空搬送モジュールの前端から後端に伸長し、前記複数の第1電装ユニットと前記複数の第2電装ユニットとの間に画定される、上部空間と、
を備える基板処理システム。
【請求項2】
前記真空搬送モジュールは、長尺で平板な矩形状に形成される、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
複数の第1ガスボックスおよび複数の第2ガスボックスを含む複数のガスボックスであって、
前記複数の第1ガスボックスはそれぞれ、前記複数の第1プロセスモジュールに対応し、該対応する第1プロセスモジュールに配置された前記第1電装ユニットに隣接して配置され、
前記複数の第2ガスボックスはそれぞれ、前記複数の第2プロセスモジュールに対応し、該対応する第2プロセスモジュールに配置された前記第2電装ユニットに隣接して配置される、
複数のガスボックスをさらに備える請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記ガスボックスは、前記対応するプロセスモジュールにガスを供給する、請求項3に記載の基板処理システム。
【請求項5】
前記複数の第1ガスボックスは、前記複数の第2ガスボックスに対向し、前記上部空間は、前記複数の第1ガスボックスと前記複数の第2ガスボックスとの間に画定される、
請求項3に記載の基板処理システム。
【請求項6】
前記真空搬送モジュールの上面は、前記プロセスモジュールの上面よりも低い、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項7】
前記下部空間の垂直方向の長さは180cm以下である、請求項6に記載の基板処理システム。
【請求項8】
前記下部空間の垂直方向の長さは170cm以下である、請求項6に記載の基板処理システム。
【請求項9】
前記真空搬送モジュールの前端に沿って前記真空搬送モジュールに結合された複数のロードロックモジュールと、
前記複数のロードロックモジュールに結合された常圧搬送モジュールと、
をさらに備える請求項6に記載の基板処理システム。
【請求項10】
前記ロードロックモジュールの上面は、前記プロセスモジュールの上面よりも低い、請求項9に記載の基板処理システム。
【請求項11】
前記プロセスモジュールの上面は、前記常圧搬送モジュールの上面よりも低い、請求項10に記載の基板処理システム。
【請求項12】
前記常圧搬送モジュールの上面は、前記電装ユニットの上面よりも低い、請求項11に記載の基板処理システム。
【請求項13】
前記電装ユニットは、前記対応するプロセスモジュールを制御する電装部品を含む、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項14】
前記複数の第1プロセスモジュールは、6個の第1プロセスモジュールを含み、
前記複数の第2プロセスモジュールは、6個の第2プロセスモジュールを含む、
請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項15】
基板処理システムであって、
前記基板処理システムの水平な一方向に沿って伸長する真空搬送モジュールと、
前記真空搬送モジュールの第1側面に沿って前記真空搬送モジュールに結合された複数の第1プロセスモジュールと、
前記真空搬送モジュールの第2側面に沿って前記真空搬送モジュールに結合された複数の第2プロセスモジュールと、
前記複数の第1プロセスモジュールに配置された複数の第1電装ユニットと、
前記複数の第2プロセスモジュールに配置された複数の第2電装ユニットと、
前記真空搬送モジュールの下に画定される下部空間であって、前記基板処理システムの水平な一方向に沿って前記真空搬送モジュールの前端から後端に伸長し、前記複数の第1プロセスモジュールと前記複数の第2プロセスモジュールとの間に画定される、下部空間と、
前記真空搬送モジュールの上に画定される上部空間であって、前記基板処理システムの前記一方向に沿って前記真空搬送モジュールの前端から後端に伸長し、前記複数の第1電装ユニットと前記複数の第2電装ユニットとの間に画定される、上部空間と、
を備える基板処理システム。
【請求項16】
前記真空搬送モジュールは、長尺で平板な矩形状に形成される、請求項15に記載の基板処理システム。
【請求項17】
前記複数の第1電装ユニットに隣接して配置された複数の第1ガスボックスと、
前記複数の第2電装ユニットに隣接して配置された複数の第2ガスボックスと、
をさらに備える請求項15に記載の基板処理システム。
【請求項18】
前記複数の第1ガスボックスは、前記複数の第2ガスボックスに対向し、前記上部空間は、前記複数の第1ガスボックスと前記複数の第2ガスボックスとの間に画定される、
請求項17に記載の基板処理システム。
【請求項19】
前記複数の第1プロセスモジュールは、6個の第1プロセスモジュールを含み、
前記複数の第2プロセスモジュールは、6個の第2プロセスモジュールを含む、
請求項15に記載の基板処理システム。
【請求項20】
基板処理システムであって、
前記基板処理システムの水平な一方向に沿って伸長する真空搬送モジュールと、
複数の第1プロセスモジュールおよび複数の第2プロセスモジュールを含む複数のプロセスモジュールであって、前記複数の第1プロセスモジュールは、前記真空搬送モジュールの第1側面に沿って前記真空搬送モジュールに結合され、前記複数の第2プロセスモジュールは、前記真空搬送モジュールの第2側面に沿って前記真空搬送モジュールに結合されている、複数のプロセスモジュールと、
複数の第1ガスボックスおよび複数の第2ガスボックスを含む複数のガスボックスであって、前記複数の第1ガスボックスはそれぞれ、前記複数の第1プロセスモジュールに対応し、該対応する第1プロセスモジュールの上に配置され、前記複数の第2ガスボックスはそれぞれ、前記複数の第2プロセスモジュールに対応し、該対応する第2プロセスモジュールの上に配置される、複数のガスボックスと、
前記真空搬送モジュールの下に画定される下部空間であって、前記基板処理システムの前記一方向に沿って前記真空搬送モジュールの前端から後端に伸長し、前記複数の第1プロセスモジュールと前記複数の第2プロセスモジュールとの間に画定される、下部空間と、
前記真空搬送モジュールの上に画定される上部空間であって、前記基板処理システムの前記一方向に沿って前記真空搬送モジュールの前端から後端に伸長し、前記複数の第1ガスボックスと前記複数の第2ガスボックスとの間に画定される、上部空間と、
を備える基板処理システム。
【請求項21】
前記真空搬送モジュールは、長尺で平板な矩形状に形成される、請求項20に記載の基板処理システム。
【請求項22】
前記真空搬送モジュールの上面は、前記プロセスモジュールの上面よりも低い、請求項20に記載の基板処理システム。
【請求項23】
前記下部空間の垂直方向の長さは180cm以下である、請求項22に記載の基板処理システム。
【請求項24】
前記下部空間の垂直方向の長さは170cm以下である、請求項22に記載の基板処理システム。
【請求項25】
前記真空搬送モジュールの前端に沿って前記真空搬送モジュールに結合された複数のロードロックモジュールと、
前記複数のロードロックモジュールに結合された常圧搬送モジュールと、
をさらに備える請求項20に記載の基板処理システム。
【請求項26】
前記ロードロックモジュールの上面は、前記プロセスモジュールの上面よりも低い、請求項25に記載の基板処理システム。
【請求項27】
前記プロセスモジュールの上面は、前記常圧搬送モジュールの上面よりも低い、請求項26に記載の基板処理システム。
【請求項28】
前記複数の第1プロセスモジュールは、6個の第1プロセスモジュールを含み、
前記複数の第2プロセスモジュールは、6個の第2プロセスモジュールを含む、
請求項20に記載の基板処理システム。
【請求項29】
基板処理システムであって、
前記基板処理システムの水平な一方向に沿って伸長する真空搬送モジュールと、
前記真空搬送モジュールの第1側面に沿って前記真空搬送モジュールに結合された複数の第1プロセスモジュールと、
前記真空搬送モジュールの第2側面に沿って前記真空搬送モジュールに結合された複数の第2プロセスモジュールと、
前記複数の第1プロセスモジュールの上に配置された複数の第1ガスボックスと、
前記複数の第2プロセスモジュールの上に配置された複数の第2ガスボックスと、
前記真空搬送モジュールの下に画定される下部空間であって、前記基板処理システムの前記一方向に沿って前記真空搬送モジュールの前端から後端に伸長し、前記複数の第1プロセスモジュールと前記複数の第2プロセスモジュールとの間に画定される、下部空間と、
前記真空搬送モジュールの上に画定される上部空間であって、前記基板処理システムの前記一方向に沿って前記真空搬送モジュールの前端から後端に伸長し、前記複数の第1ガスボックスと前記複数の第2ガスボックスとの間に画定される、上部空間と、
を備える基板処理システム。
【請求項30】
前記真空搬送モジュールは、長尺で平板な矩形状に形成される、請求項29に記載の基板処理システム。
【請求項31】
前記複数の第1プロセスモジュールは、6個の第1プロセスモジュールを含み、
前記複数の第2プロセスモジュールは、6個の第2プロセスモジュールを含む、
請求項29に記載の基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、半導体を製造する製造工場において、複数の処理チャンバおよび各処理チャンバに基板を搬送する搬送モジュールと、各処理チャンバにそれぞれ電力を供給する複数の電源系ユニットとを別フロアに配置する構成を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、設置面積を抑制する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様による基板処理システムは、真空搬送モジュールと、複数のプロセスモジュールと、複数の電装ユニットと、下部空間と、上部空間とを備える。真空搬送モジュールは、基板処理システムの水平な一方向に沿って伸長する。複数のプロセスモジュールは、複数の第1プロセスモジュールおよび複数の第2プロセスモジュールを含む。複数の第1プロセスモジュールは、真空搬送モジュールの第1側面に沿って真空搬送モジュールに結合され、複数の第2プロセスモジュールは、真空搬送モジュールの第2側面に沿って真空搬送モジュールに結合されている。複数の電装ユニットは、複数の第1電装ユニットおよび複数の第2電装ユニットを含む。複数の第1電装ユニットはそれぞれ、複数の第1プロセスモジュールに対応し、該対応する第1プロセスモジュールに配置され、複数の第2電装ユニットはそれぞれ、複数の第2プロセスモジュールに対応し、該対応する第2プロセスモジュールに配置される。下部空間は、真空搬送モジュールの下に画定される下部空間であって、基板処理システムの一方向に沿って真空搬送モジュールの前端から後端に伸長し、複数の第1プロセスモジュールと複数の第2プロセスモジュールとの間に画定される。上部空間は、真空搬送モジュールの上に画定される上部空間であって、基板処理システムの一方向に沿って真空搬送モジュールの前端から後端に伸長し、複数の第1電装ユニットと複数の第2電装ユニットとの間に画定される。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、設置面積を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る基板処理システムの概略構成の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る基板処理システムの概略構成の一例を示す上面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る基板処理システムの概略構成の一例を示す側面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る基板処理システムを複数配置した一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る基板処理システムのパワーボックスの概略構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る基板処理システムにおいてレールおよびフレームを折り畳んだ状態とした図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る基板処理システムにおいてレールおよびフレームをメンテナンス時の状態とした図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る基板処理システムのユニットを移動する一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る基板処理システムを複数配置した一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る基板処理システムの概略構成の一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本願の開示する基板処理システムの実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態により、開示する基板処理システムが限定されるものではない。
【0009】
ところで、近年、基板処理システムは、処理チャンバの数が増加し、処理チャンバに対応して搭載されるユニットも大型化しており、設置面積が増大している。例えば、特許文献1では、処理チャンバおよび搬送モジュールと、電源系ユニットとが別フロアに配置されており、処理チャンバの数の増加や電源系ユニットの大型化により、設置面積が増大している。製造工場は、基板処理システムを配置可能な面積に限りがあり、基板処理システムを多く配置するため、設置面積を抑制することが求められている。
【0010】
(第1実施形態)
[基板処理システムの構成]
第1実施形態に係る基板処理システムの概略的な構成の一例を説明する。
図1は、第1実施形態に係る基板処理システム10の概略構成の一例を示す斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る基板処理システム10の概略構成の一例を示す上面図である。
図3は、第1実施形態に係る基板処理システム10の概略構成の一例を示す側面図である。基板処理システム10は、基板に基板処理を実施する装置である。以下では、位置関係を明確にするために、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を次のように規定する。
図1に示すように、X方向およびY方向は、互いに直交する水平な2方向とする。Z方向は、鉛直上向き方向とする。
図3は、X方向から見た基板処理システム10の側面図であり、後述するレールやフレームを省略している。
【0011】
図1に示すように、基板処理システム10は、複数のプロセスモジュール11を有する。なお、基板処理システム10が有するプロセスモジュール11の数は、図示するものに限定されない。
【0012】
複数のプロセスモジュール11は、並べて配置されている。本実施形態では、複数のプロセスモジュール11がX方向に直線状に2列、並んで配置されている。
【0013】
プロセスモジュール11は、基板に基板処理を実施する装置である。基板処理としては、例えば、プラズマを用いた成膜やエッチングなどが挙げられる。基板は、半導体ウエハ(以下、ウエハとも称する。)とする。
【0014】
プロセスモジュール11は、真空チャンバなどの真空処理室を内部に有し、真空処理室に配置されたウエハに基板処理を実施する。プロセスモジュール11は、ウエハの処理中、真空処理室内が減圧雰囲気に維持される。なお、基板処理システム10は、各プロセスモジュール11が同一種類の基板処理を実施してもよい。また、基板処理システム10は、一部のプロセスモジュール11が他のプロセスモジュール11と異なる種類の基板処理を実施してもよい。例えば、基板処理システム10は、複数種類の基板処理を各プロセスモジュール11で分散して実施してもよい。
【0015】
2列のプロセスモジュール11の間には、真空搬送モジュール12が配置されている。真空搬送モジュール12は、
図2に示すように、長尺で平板な矩形状に形成され、内部に真空搬送室を有する。真空搬送モジュール12は、ウエハの処理中、真空搬送室内が減圧雰囲気に維持される。真空搬送モジュール12は、プロセスモジュール11にウエハを搬送するための搬送口が各プロセスモジュール11と対向する側面に設けられ、搬送口を介して各プロセスモジュール11の真空処理室と導通している。真空搬送モジュール12の各搬送口には、搬送口を開閉可能な不図示のゲートバルブがそれぞれ設けられている。
【0016】
真空搬送モジュール12のX方向の一端には、2つのロードロックモジュール13が不図示のゲートバルブを介して接続されている。2つのロードロックモジュール13は、不図示のゲートバルブを介して常圧搬送モジュール14に接続されている。
【0017】
ロードロックモジュール13を挟んで真空搬送モジュール12の反対側には、常圧搬送モジュール14が設けられている。常圧搬送モジュール14は、平面形状が、略矩形の形状に形成されている。常圧搬送モジュール14は、内部が常圧雰囲気に維持される。常圧搬送モジュール14の一方の長辺に2つのロードロックモジュール13が並設されている。また、常圧搬送モジュール14は、ロードロックモジュール13が設けられて壁部とは反対側の壁部にウエハを収容するキャリアが取り付け可能とされている。
【0018】
常圧搬送モジュール14は、アームなどの搬送機構が内部に配置され、搬送機構により、ロードロックモジュール13とキャリアとの間でウエハを搬送する。
【0019】
ロードロックモジュール13は、真空搬送モジュール12と常圧搬送モジュール14との間でウエハを搬送する際に、大気圧と真空との間で圧力を制御する。
【0020】
真空搬送モジュール12は、アームなどの搬送機構が真空搬送室に配置され、搬送機構により、プロセスモジュール11とロードロックモジュール13との間でウエハを搬送する。
【0021】
プロセスモジュール11は、ウエハに基板処理を実施する。例えば、プロセスモジュール11は、真空処理室に、上部電極、下部電極を備えた平行平板型のプラズマ処理装置として構成されている。プロセスモジュール11は、真空処理室に処理ガスを供給するためのガスボックス20と、電装ユニット21とが上部に配置されている。電装ユニット21には、プロセスモジュール11を制御する電装部品などの各種の機器が配置される。
【0022】
ところで、基板処理システム10は、設置面積を抑制することが求められている。
【0023】
そこで、第1実施形態では、プロセスモジュール11に電力を供給する電源系ユニットをプロセスモジュール11の下部に配置する。例えば、基板処理システム10が設置されるフロアには、床面をかさ上げする台30が設けられている。例えば、台30により、床面を50cm~70cm程度かさ上げする。台30は、複数の支柱31によって天板32が支持されており、プロセスモジュール11などの重量に対して十分な耐荷重を有するように構成されている。各プロセスモジュール11は、台30の上に配置されている。台30によりフロアをかさ上げしたことにより、台30の下部に空間を確保できる。台30は、プロセスモジュール11に対して真空搬送モジュール12の反対側となる前方側に天板32が延長して配置されている。天板32は、取り外しが可能とされている。
【0024】
基板処理システム10は、台30の下部の空間に電源系ユニットを配置する。基板処理システム10は、プロセスモジュール11ごとに、電源系ユニットとして、パワーボックス40と、ジェネレーター41とを備える。パワーボックス40は、プロセスモジュール11の下部となる天板32の下に配置する。ジェネレーター41は、下部電極にそれぞれ異なる周波数の高周波電力を供給するため、プロセスモジュール11ごとに2つ設けており、プロセスモジュール11の前方側の天板32の下に配置する。
【0025】
このように、基板処理システム10は、プロセスモジュール11に電力を供給する電源系ユニットをプロセスモジュール11の下部に配置することで、設置面積を抑制できる。このように設置面積を抑制できることで、基板処理システム10は、複数配置する場合でも、少ない面積で配置できる。
図4は、第1実施形態に係る基板処理システム10を複数配置した一例を示す図である。
図4には、2つの基板処理システム10を並列に隣接させて配置した例を示している。基板処理システム10は、複数配置する場合でも隣接させることができ、少ない面積で配置できる。
【0026】
パワーボックス40には、電力が供給される電源ラインに接続される。従来、パワーボックス40は、プロセスモジュール11などの他のユニットと離して配置され、電源ラインを配設した配線エリアが上部に設けられ、上部から電源ラインが配設される。
【0027】
しかし、第1実施形態に係る基板処理システム10は、プロセスモジュール11の下部にパワーボックス40を配置したため、上部から電源ラインを配設できない。
【0028】
そこで、第1実施形態に係る基板処理システム10では、電源ラインを側面側から配設できるようにパワーボックス40を構成している。
【0029】
図5は、第1実施形態に係る基板処理システム10のパワーボックス40の概略構成の一例を示す図である。パワーボックス40には、ブレーカ70が設けられている。ブレーカ70は、電力を遮断するスイッチなど電力供給を制御する操作部が設けられている。
【0030】
ブレーカ70は、スイッチなどの操作部が設けられるため、パワーボックス40内で上部に配置されることが好ましい。ブレーカ70には、電源ラインを接続するためのコネクタ71が設けられる。コネクタ71は、例えば、銅などの導電性の金属で形成されている。コネクタ71は、ニッケルなどでメッキされていてもよい。コネクタ71は、真空搬送モジュール12が配置される一方側の側面側に屈曲した形状に形成されている。電源ライン72は、真空搬送モジュール12が配置される一方側の側面からパワーボックス40の上部を配設され、コネクタ71に接続される。これにより、第1実施形態に係る基板処理システム10は、真空搬送モジュール12が配置される一方側の側面から電源ライン72を配設してコネクタ71に接続できるため、パワーボックス40内でブレーカ70を上部に配置できる。
【0031】
図1に戻る。パワーボックス40は、電源ライン72から供給された電力をプロセスモジュール11で使用する各種の電圧に変圧してプロセスモジュール11内に配電する。例えば、パワーボックス40は、電装ユニット21やジェネレーター41に電力を配電する。なお、電装ユニット21には、別な配電系統で電力を供給してもよい。
【0032】
ジェネレーター41は、真空処理室の下部電極に不図示の配線を介して接続されている。ジェネレーター41は、真空処理室にプラズマを生成する際、下部電極に高周波電力を供給する。
【0033】
プロセスモジュール11は、ガスボックス20から真空処理室に処理ガスを供給しつつ、2つのジェネレーター41から下部電極に異なる周波数の高周波電力を印加してプラズマを生成することで、ウエハにプラズマを用いた基板処理を実施する。
【0034】
また、プロセスモジュール11の前方側の天板32上には、プロセスモジュール11ごとに収納ボックス42がそれぞれ並んで配置されている。収納ボックス42は、プロセスモジュール11に関連する機器が内部に配置される。例えば、プロセスモジュール11がウエハの温調を実施する場合、収納ボックス42は、温調ユニットが内部に配置される。なお、収納ボックス42は、内部に何も配置されず、空とされてもよい。収納ボックス42は、上面が平坦に形成され、人が乗ることができるよう数百kg程度の耐荷重を有するように構成されている。基板処理システム10は、台30に配置された収納ボックス42の上面に人が乗って移動することで、各プロセスモジュール11に沿って人が移動できる。
【0035】
ところで、基板処理システム10は、各プロセスモジュール11に対して設けられる各種のユニットが大型化し、重量も増加している。基板処理システム10は、大型で重量のあるユニットをメンテナンス等で取り外す機会が増加している。また、製造工場は、基板処理システム10を多く配置するため、メンテナンスの作業時に広くスペースを取ることが困難になってきている。例えば、
図4に示すように、2つの基板処理システム10を並列に隣接して配置した場合、基板処理システム10の間にスペースが無い。
【0036】
そこで、基板処理システム10は、プロセスモジュール11に対して真空搬送モジュール12の反対側となる前方側の上部に各プロセスモジュール11に沿ってレール50を設置している。レール50は、フレーム51により支持されている。フレーム51は、レール50と同程度の高さで各プロセスモジュール11に沿って配置され、複数の支柱52によって支持されている。
【0037】
また、基板処理システム10は、真空搬送モジュール12のロードロックモジュール13が配置されていないX方向の他端側にもレール55およびフレーム56を設置している。レール55は、端部が湾曲してレール50と繋がっている。フレーム56は、フレーム51に接続されると共に、複数の支柱57により支持される。
【0038】
レール55およびフレーム56は、X方向の他端側に対して、プロセスモジュール11の端よりも外側に突き出した状態となり、物品を移動させる際の妨げとなる場合がある。そこで、支柱57は、取外し可能とする。また、レール55およびフレーム56は、レール50およびフレーム51との接続部分を回転可能に構成し、下方側に回転させて折り畳み可能としてもよい。
図6は、第1実施形態に係る基板処理システム10においてレール55およびフレーム56を折り畳んだ状態とした図である。
図7は、第1実施形態に係る基板処理システム10においてレール55およびフレーム56をメンテナンス時の状態とした図である。メンテナンス以外は、
図6に示すように、レール55およびフレーム56を折り畳んだ状態とする。レール55およびフレーム56が物品を移動させる際の妨げとなることを防止できる。メンテナンスの際には、
図7に示すように、レール55およびフレーム56を水平状態に回転させ、支柱57を設置する。
【0039】
レール50、55には、吊り下げ機構が設けられている。例えば、レール50、55には、吊り下げ機構として、クレーン60が着脱可能とされている。クレーン60は、レール50、55に沿って移動可能とされている。クレーン60は、ワイヤ62を巻き取ったウインチ63が設けられている。ワイヤ62は、先端にフック61が固定されている。クレーン60は、ウインチ63を回転させることでフック61を昇降させることが可能とさている。ウインチ63は、電動で回転するものでもよく、手動で回転するものでもよい。
【0040】
基板処理システム10では、メンテナンスの際、クレーン60のフック61をメンテナンス対象のユニットに固定し、ウインチ63を回転させてメンテナンス対象のユニットを上昇させる。そして、クレーン60をレール50、55に沿って移動させる。これにより、基板処理システム10は、大型で重量のあるユニットを容易に移動させることができる。
【0041】
図8は、第1実施形態に係る基板処理システム10のユニットを移動する一例を示す図である。
図8は、例えば、ジェネレーター41をメンテナンスのため取り出す場合を示している。クレーン60は、レール50、55に沿って移動可能とされている。最初に、メンテナンス対象のジェネレーター41の上部の収納ボックス42および天板32を取り外す。次に、クレーン60のフック61をメンテナンス対象のジェネレーター41に固定し、ウインチ63を回転させてジェネレーター41を上昇させる。そして、クレーン60をレール50、55に沿って移動させ、適切な位置でウインチ63を回転させてフック61を下降させて、ジェネレーター41を下す。
図8の例では、メンテナンス対象のジェネレーター41をX方向の他端側に移動させている。このように、基板処理システム10は、メンテナンス対象のジェネレーター41を容易に移動させることができる。また、基板処理システム10は、メンテナンス対象のジェネレーター41を広いスペースに移動できるため、メンテナンスの作業を行いやすくすることができる。
【0042】
なお、
図1、
図2および
図8では、プロセスモジュール11に対して真空搬送モジュール12の反対側となる前方側に各プロセスモジュール11に沿ってレール50を設置している場合を図示したが、これに限定されるものではない。レールは、その他の部分にも設置してもよい。例えば、レールは、真空搬送モジュール12の上部や常圧搬送モジュール14の上部に設置してもよい。レールは、メンテナンスの際など、必要に応じて設置してもよい。この場合、基板処理システム10は、
図8の破線の矢印に示すように、真空搬送モジュール12の上部や常圧搬送モジュール14の上部にもクレーン60を移動できる。これにより、真空搬送モジュール12、常圧搬送モジュール14の周辺のユニットについても、容易に移動できる。また、基板処理システム10を複数配置する場合、互いのレール55を接続してもよい。例えば、レール55のレール50との接続部分に、接続先をレール50と他のレール55とに切り換える可能な分岐機構を設けて、互いのレール55を接続する。
図9は、第1実施形態に係る基板処理システム10を複数配置した一例を示す図である。
図9には、2つの基板処理システム10を並列に隣接させて配置し、互いのレール55を接続した例を示している。
図8には、実線の矢印でクレーン60の移動可能な範囲を示している。クレーン60は、レール55を介して基板処理システム10の間で移動できる。これにより、例えば、一方の基板処理システム10の周囲に広い作業用のスペース90がある場合、他の基板処理システム10のユニットをスペース90に移動させることができる。
【0043】
このように、本実施形態に係る基板処理システム10は、複数のプロセスモジュール11と、複数の電源系ユニットと有する。プロセスモジュール11は、それぞれ基板処理を実施可能とされ、並べて配置される。複数の電源系ユニットは、複数のプロセスモジュール11の下部にそれぞれ配置され、各プロセスモジュール11に個別に電力を供給する。これにより、基板処理システム10は、設置面積を抑制できる。
【0044】
また、複数のプロセスモジュール11と床面の間には、台30を有する。複数の電源系ユニットは、台30の下に配置される。これにより、基板処理システム10は、台30により、プロセスモジュール11と電源系ユニットを重ねて配置できるため、設置面積を抑制できる。
【0045】
また、本実施形態に係る基板処理システム10は、真空搬送モジュール12を有する。真空搬送モジュール12は、複数のプロセスモジュール11の一方側の側面に配置され、複数のプロセスモジュール11にウエハを搬送する。台30は、複数のプロセスモジュール11の一方側に対する反対側となる前方側に天板32が延長して配置され、プロセスモジュール11の前方側の天板32が取り外し可能とされている。基板処理システム10は、電源系ユニットとして、パワーボックス40と、ジェネレーター41とを備える。パワーボックス40は、プロセスモジュール11の下部に配置される。ジェネレーター41は、プロセスモジュール11の前方側の天板32の下に配置される。これにより、基板処理システム10は、プロセスモジュール11とパワーボックス40を重ねて配置できるため、設置面積を抑制できる。また、基板処理システム10は、取り外し可能な天板32の下にジェネレーター41を配置することで、天板32上にスペースを確保でき、天板32を取り外すことで天板32の下に配置したジェネレーター41をメンテナスすることができる。
【0046】
また、本実施形態に係る基板処理システム10は、レール50と、クレーン60とを有する。レール50は、プロセスモジュール11の前方側の上部にプロセスモジュール11に沿って設置される。クレーン60は、レール50に取り付けられ、ジェネレーター41を吊り下げて昇降可能かつレール50に沿って移動可能とされている。これにより、基板処理システム10は、ジェネレーター41を容易に移動させることができる。
【0047】
また、本実施形態に係る基板処理システム10は、真空搬送モジュール12を有する。真空搬送モジュール12は、複数のプロセスモジュール11の一方側の側面に配置され、複数のプロセスモジュール11にウエハを搬送する。パワーボックス40は、プロセスモジュール11の下部に隣接して配置され、一方側の側面側に屈曲した形状とされ、電源ライン72を接続するコネクタ71を備えたブレーカ70が上部に設けられている。これにより、基板処理システム10は、プロセスモジュール11の下部に隣接してパワーボックス40を配置した場合でも、パワーボックス40内でブレーカ70を上部に配置できる。
【0048】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る基板処理システム10の概略的な構成の一例を説明する。第2実施形態に係る基板処理システム10は、
図1-9に示した第1実施形態に係る基板処理システム10と一部同様の構成であるため、同一部分に同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分について主に説明する。
【0049】
図10は、第2実施形態に係る基板処理システム10の概略構成の一例を示す側面図である。第2実施形態に係る基板処理システム10でも、プロセスモジュール11に電力を供給する電源系ユニットをプロセスモジュール11の下部に配置する。例えば、基板処理システム10が設置されるフロアにジェネレーター41を配置し、ジェネレーター41上にプロセスモジュール11を配置する。すなわち、ジェネレーター41は、プロセスモジュール11の下部に隣接して配置される。ジェネレーター41は、収納ボックスなどに収容した状態でプロセスモジュール11の下部に隣接して配置してもよい。パワーボックス40は、プロセスモジュール11の前方に配置してもよく、離して配置してもよい。また、パワーボックス40は、プロセスモジュール11およびジェネレーター41とは別なフロアに配置してもよい。例えば、パワーボックス40は、プロセスモジュール11およびジェネレーター41が配置されたフロアの下のフロアに配置してもよい。なお、プロセスモジュール11の下部にパワーボックス40を配置してもよい。また、パワーボックス40およびジェネレーター41をプロセスモジュール11とは別なフロアに配置してもよい。例えば、パワーボックス40およびジェネレーター41は、プロセスモジュール11が配置されたフロアの下のフロアに配置してもよい。
【0050】
このように、基板処理システム10は、プロセスモジュール11に電力を供給する電源系ユニットをプロセスモジュール11の下部に配置することで、設置面積を抑制できる。
【0051】
なお、フロアに設置したジェネレーター41上にプロセスモジュール11を配置した場合、基板処理システム10は、フロアからの高さが高くなる。製造工場では、設置可能な基板処理システム10の高さに制限がある。このため、基板処理システム10は、フロアからの高さを一定の高さ以下に抑えることが好ましい。例えば、基板処理システム10は、真空搬送モジュール12の下面のフロアからの高さが180cm以下となるように構成することが好ましく、真空搬送モジュール12の下面のフロアからの高さが170cm以下となるように構成することがより好ましい。これにより、基板処理システム10のフロアからの高さを抑えることができる。
【0052】
以上、実施形態について説明してきたが、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は、多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、請求の範囲およびその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【0053】
例えば、第1実施形態では、天板32上に収納ボックス42を配置した場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。収納ボックス42は無くてもよい。
【0054】
例えば、実施形態では、基板を半導体ウエハとした場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。半導体ウエハはシリコンであっても、GaAs、SiC、GaNなどの化合物半導体でもよい。さらに、基板は、半導体ウエハに限定されず、液晶表示装置等のFPD(フラットパネルディスプレイ)に用いるガラス基板や、セラミック基板等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
10 基板処理システム
11 プロセスモジュール
12 真空搬送モジュール
13 ロードロックモジュール
14 常圧搬送モジュール
20 ガスボックス
21 電装ユニット
30 台
31 支柱
32 天板
40 パワーボックス
41 ジェネレーター
50 レール
51 フレーム
52 支柱
55 レール
56 フレーム
57 支柱
60 クレーン
61 フック
62 ワイヤ
63 ウインチ
70 ブレーカ
71 コネクタ
72 電源ライン