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特開2023-166801混合イオン交換樹脂の分離制御装置、及び混合イオン交換樹脂の分離制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166801
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】混合イオン交換樹脂の分離制御装置、及び混合イオン交換樹脂の分離制御方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 49/09 20170101AFI20231115BHJP
   B01J 39/18 20170101ALI20231115BHJP
   B01J 41/12 20170101ALI20231115BHJP
   B03B 5/28 20060101ALI20231115BHJP
   C02F 1/42 20230101ALI20231115BHJP
   B03B 11/00 20060101ALI20231115BHJP
   B03B 13/00 20060101ALI20231115BHJP
   B01F 23/60 20220101ALI20231115BHJP
   B01F 33/40 20220101ALI20231115BHJP
【FI】
B01J49/09
B01J39/18
B01J41/12
B03B5/28 Z
C02F1/42 A
B03B11/00
B03B13/00
B01F23/60
B01F33/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077590
(22)【出願日】2022-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001063
【氏名又は名称】栗田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】勝又 卓也
【テーマコード(参考)】
4D025
4D071
4G035
4G036
【Fターム(参考)】
4D025AA04
4D025BA08
4D025BA13
4D025BB04
4D025BB15
4D025CA10
4D071AA62
4D071AB04
4D071AB15
4D071AB43
4D071BA01
4D071BA11
4D071BB03
4D071BB13
4D071DA20
4G035AB48
4G035AE13
4G036AC13
(57)【要約】
【課題】 アニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂の量、混合比などの多様な状況に対応して混合イオン交換樹脂を安定的かつ容易に分離することができる混合イオン交換樹脂の分離制御装置を提供する。
【解決手段】 混合イオン交換樹脂の分離制御装置11は、分離塔1ののぞき窓にそれぞれ設けられた複数台の電子式カメラ12と、アニオン交換樹脂抜出管5に設けられた第一の自動弁13と、カチオン交換樹脂抜出管6に設けられた第二の自動弁14と、注水管に設けられたコントロール弁15及び給水ポンプ16とを備える。制御手段17は、カメラ12の画像データに基づき映像解析を行う映像解析システム17A及び第一の自動弁13と第二の自動弁14とコントロール弁15と給水ポンプ16を制御するシーケンスコントローラ17Bとを備え、中央監視手段18は、この制御手段17における映像解析システム17Aの解析データに基づきシーケンスコントローラ17Bに指示を与える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との混合イオン交換樹脂の投入部と、上下方向の途中に設けられたアニオン交換樹脂抜出部と、該アニオン交換樹脂抜出部よりも下方に設けられたカチオン交換樹脂抜出部と、底部に設けられたエア及び分離用水の注入部と、1又は2以上ののぞき窓とを有する略筒状の混合イオン交換樹脂の分離塔と、
前記分離塔の頂部に接続された排水管と、
前記アニオン交換樹脂抜出部に接続したアニオン交換樹脂抜出機構と、
前記カチオン交換樹脂抜出部に接続したカチオン交換樹脂抜出機構と、
前記エア及び分離用水の注入部に接続したエア供給機構及び分離用水供給機構と、
前記のぞき窓を介して分離塔内を連続的もしくは断続的に撮像可能な撮像手段と、
前記撮像手段の撮像データに基づき、前記分離用水供給機構、前記アニオン交換樹脂抜出機構及び前記カチオン交換樹脂抜出機構をそれぞれ制御する制御手段と、
を備える、混合イオン交換樹脂の分離制御装置。
【請求項2】
前記制御手段が、前記分離塔とは離間した位置に設けられていて、前記撮像手段のデータを無線通信手段で受信可能となっているとともに、前記エア供給機構、前記分離用水供給機構、前記アニオン交換樹脂抜出機構及び前記カチオン交換樹脂抜出機構と無線通信手段を前記無線通信手段により制御可能となっている、請求項1に記載の混合イオン交換樹脂の分離制御装置。
【請求項3】
アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂の投入部と、上下方向の途中に設けられたアニオン交換樹脂抜出部と、該アニオン交換樹脂抜出部よりも下方に設けられたカチオン交換樹脂抜出部と、底部に設けられたエア及び分離用水の注入部と、1又は2以上ののぞき窓とを有する略筒状の混合イオン交換樹脂の分離塔を用いて、混合イオン交換樹脂中のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを分離する方法において、
前記混合イオン交換樹脂の分離塔内にエア及び分離用水の注入部から分離用水供給機構により分離用水を上向流で通水して前記混合イオン交換樹脂を比重差を利用して分離し、前記アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の分離界面を変動させて、アニオン交換樹脂抜出部からアニオン交換樹脂抜出機構によりアニオン交換樹脂を抜き出した後、カチオン交換樹脂抜出部からカチオン交換樹脂抜出機構によりカチオン交換樹脂を抜き出す、混合イオン交換樹脂の分離方法であって、
前記のぞき窓を介して分離塔内を撮像手段により連続的もしくは断続的に撮像してこの撮像データを制御手段に送信し、前記制御手段は、この撮像データに基づき、前記分離用水供給機構からの分離用水の流速を制御して、前記アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の分離界面をアニオン交換樹脂抜出部及びカチオン交換樹脂抜出部に応じた位置に変動させて、アニオン交換樹脂抜出機構及びカチオン交換樹脂抜出機構を制御してアニオン交換樹脂抜出及びカチオン交換樹脂の抜出しを行う、混合イオン交換樹脂の分離制御方法。
【請求項4】
前記分離塔内に混合イオン交換樹脂を導入する混合イオン交換樹脂投入工程と、
前記エア及び分離用水の注入部から分離用水供給機構により分離用水を水面がイオン交換樹脂の上面よりも所定距離上方となるように充填する水張工程と、
前記エア及び分離用水の注入部からエア供給機構によりエアを注入してバブリングする混合分散工程と、
エア注入を停止し、分離塔内のイオン交換樹脂を、カチオン交換樹脂が下層となりアニオン交換樹脂が上層となるように沈積させる分離工程と、
前記エア及び分離用水の注入部から分離用水供給機構により分離用水を上向流通水し、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離界面をアニオン交換樹脂抜出部よりも下位となる範囲で上昇させる第1の分離界面調整工程と、
分離塔内からアニオン交換樹脂抜出部によってアニオン交換樹脂を抜き出すアニオン交換樹脂抜出工程と、
分離塔内の上向流通水速度を増大させてカチオン交換樹と残存するアニオン交換樹脂との分離界面を上昇させる第2の分離界面調整工程と、
分離塔内からカチオン交換樹脂抜出部によってカチオン交換樹脂を抜き出すカチオン交換樹脂抜出工程を有し、
前記制御手段が、前記分離界面調整工程において、前記撮像手段による撮像データに基づき、前記アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離界面を判断して、この判断結果に基づき前記分離用水供給機構からの分離用水の流速を制御して、前記分離界面を調整した後、前記アニオン交換樹脂抜出機構を作動させてアニオン交換樹脂抜出工程を実行するとともに、前記カチオン交換樹脂位置調整工程において、前記撮像手段による撮像データに基づき、残存するアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離界面を判断して、前記分離界面を調整した後、前記カチオン交換樹脂抜出機構を作動させてカチオン交換樹脂抜出工程を実行する、請求項3に記載の混合イオン交換樹脂の分離制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、純水製造装置などに用いられる非再生式イオン交換装置などに使用した混合イオン交換樹脂を再生する際のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離を自動化することの可能な混合イオン交換樹脂の分離制御装置、及びアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離を自動化することの可能な混合イオン交換樹脂の分離制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
純水製造装置では原水中の不純物を除去して水の清浄度を高めているが、イオン性の不純物、すなわちアニオン性の不純物とカチオン性の不純物を除去するためにアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを混合充填した非再生型のイオン交換装置が汎用的に用いられている。この非再生型のイオン交換装置では、イオン交換樹脂はイオン交換容量に相当する量のイオンを交換すると、それ以上のイオン性不純物は除去できずに破過する。そこで、ある程度の水量を処理したら、この非再生型のイオン交換装置からイオン交換樹脂を回収してそれぞれに分離し、カチオン交換樹脂再生塔、アニオン交換樹脂再生塔でそれぞれ硫酸や苛性ソーダなどにより再生し、工業的な用途で再利用している。
【0003】
この混合イオン交換樹脂を分離して再利用するにあたっては、樹脂の再生状態をより高度に維持することが好ましいが、そのためには逆再生をできるだけ生じさせない必要がある。逆再生とは、アニオン交換樹脂が混入したカチオン交換樹脂を塩酸や硫酸など酸溶液で再生する際、アニオン交換樹脂がCl形やSO形などに再生され、またカチオン交換樹脂の混入したアニオン交換樹脂を水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液で再生する際、カチオン交換樹脂がNa形などに再生されることである。逆再生された樹脂は処理水へClまたはNaをリークし、水質悪化を招くため、混入率の低減が重要な課題となる。
【0004】
このような非再生式イオン交換装置から抜き出された混合イオン交換樹脂(アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との混合樹脂)の分離方法としては、例えば、以下のような方法が一般的である。すなわち、非再生式イオン交換装置から抜き出された混合イオン交換樹脂を分離塔内に導入する混合イオン交換樹脂投入工程と、分離塔の底部のエア及び分離用水の注入部から分離用水供給機構により分離用水を水面がイオン交換樹脂の上面よりも所定距離上方となるように充填する水張工程と、エア及び分離用水の注入部からエア供給機構によりエアを注入してバブリングする混合分散工程と、エア注入を停止し、分離塔内のイオン交換樹脂を、カチオン交換樹脂が下層となりアニオン交換樹脂が上層となるように沈積させる休止工程と、エア及び分離用水の注入部から分離用水供給機構により分離用水を上向流通水し、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離界面をアニオン交換樹脂抜出部よりも下位となる範囲で上昇させる分離界面調整工程と、分離塔内からアニオン交換樹脂抜出部によってアニオン交換樹脂を抜き出すアニオン交換樹脂抜出工程と、分離塔内の上向流通水速度を増大させてカチオン交換樹と残存するアニオン交換樹脂との分離界面を上昇させるカチオン交換樹脂位置調整工程と、分離塔内からカチオン交換樹脂抜出部によってカチオン交換樹脂を抜き出すカチオン交換樹脂抜出工程により、混合イオン交換樹脂の分離を行う。
【0005】
このような混合イオン交換樹脂の分離方法において、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の分離界面の調整や、カチオン交換樹脂位置調整工程における残存するアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離界面の調整は、分離塔に設けた複数の長円形の除き窓から分離塔内を視認することにより確認し、この分離界面に応じて分離塔の底部から供給する分離用水の水量及び流速を制御している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したような混合イオン交換樹脂の分離方法において、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の分離界面の位置は分離対象となるアニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂の量、混合比等により変化する一方、樹脂を抜き出す抜き出し管の位置は固定されているため、分離塔内の樹脂の状況に応じて上向流の分離水の流速を調整する操作が必要である。しかしながら、この状況判断は「目視判断」となるため、人的作業に要する時間が長く生産性が向上しない、という問題点がある。また、「目視判断」の作業員の個人差も発生しやすい、という問題点がある。そこで、安全率を大きく設定することで作業性は安定し混入率も低下するが、収率が下がる、という問題点が生じる。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、目視判断によらず、アニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂の量、混合比、品種等の多様な状況に対応して混合イオン交換樹脂を安定的かつ容易に分離することができる混合イオン交換樹脂の分離制御装置、及び混合イオン交換樹脂の分離制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は第一に、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂の投入部と、上下方向の途中に設けられたアニオン交換樹脂抜出部と、該アニオン交換樹脂抜出部よりも下方に設けられたカチオン交換樹脂抜出部と、底部に設けられたエア及び分離用水の注入部と、1又は2以上ののぞき窓とを有する略筒状の混合イオン交換樹脂の分離塔と、前記分離塔の頂部に接続された排水管と、前記アニオン交換樹脂抜出部に接続したアニオン交換樹脂抜出機構と、前記カチオン交換樹脂抜出部に接続したカチオン交換樹脂抜出機構と、前記エア及び分離用水の注入部に接続したエア供給機構及び分離用水供給機構と、前記のぞき窓を介して分離塔内を連続的もしくは断続的に撮像可能な撮像手段と、前記撮像手段の撮像データに基づき、前記分離用水供給機構、前記アニオン交換樹脂抜出機構及び前記カチオン交換樹脂抜出機構をそれぞれ制御する制御手段とを備える、混合イオン交換樹脂の分離制御装置を提供する(発明1)。
【0009】
かかる発明(発明1)によれば、のぞき窓を介して分離塔内を撮像手段により連続的もしくは断続的に撮像し、この撮像データを制御手段に送信する。この制御手段は、この撮像データに基づき、分離用水供給機構からの分離用水の流速を制御して、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の分離界面をアニオン交換樹脂抜出部及びカチオン交換樹脂抜出部に応じた位置に調整することで、アニオン交換樹脂の抜き出し及びカチオン交換樹脂抜出の抜き出しを目視判断調整によらず、行うことができる。しかも、アニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂の量、混合比等の多様な状況にも対応して分離することができる。
【0010】
上記発明(発明1)においては、前記制御手段が、前記分離塔とは離間した位置に設けられていて、前記撮像手段のデータを無線通信手段で受信可能となっているとともに、前記エア供給機構、前記分離用水供給機構、前記アニオン交換樹脂抜出機構及び前記カチオン交換樹脂抜出機構と無線通信手段を前記無線通信手段により制御可能となっていることが好ましい(発明2)。
【0011】
かかる発明(発明2)によれば、分離塔から離間した場所で、混合イオン交換樹脂の分離を制御することができる。
【0012】
また、本発明は第二に、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂の投入部と、上下方向の途中に設けられたアニオン交換樹脂抜出部と、該アニオン交換樹脂抜出部よりも下方に設けられたカチオン交換樹脂抜出部と、底部に設けられたエア及び分離用水の注入部と、1又は2以上ののぞき窓とを有する略筒状の混合イオン交換樹脂の分離塔を用いて、混合イオン交換樹脂中のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを分離する方法において、前記混合イオン交換樹脂の分離塔内にエア及び分離用水の注入部から分離用水供給機構により分離用水を上向流で通水して前記混合イオン交換樹脂を比重差を利用して分離し、前記アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の分離界面を変動させて、アニオン交換樹脂抜出部からアニオン交換樹脂抜出機構によりアニオン交換樹脂を抜き出した後、カチオン交換樹脂抜出部からカチオン交換樹脂抜出機構によりカチオン交換樹脂を抜き出す、混合イオン交換樹脂の分離方法であって、前記のぞき窓を介して分離塔内を撮像手段により連続的もしくは断続的に撮像してこの撮像データを制御手段に送信し、前記制御手段は、この撮像データに基づき、前記分離用水供給機構からの分離用水の流速を制御して、前記アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の分離界面をアニオン交換樹脂抜出部及びカチオン交換樹脂抜出部に応じた位置に変動させて、アニオン交換樹脂抜出機構及びカチオン交換樹脂抜出機構を制御してアニオン交換樹脂抜出及びカチオン交換樹脂の抜出しを行う、混合イオン交換樹脂の分離制御方法を提供する(発明3)。
【0013】
かかる発明(発明3)によれば、目視判断調整によらず、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の分離界面を判断することにより、アニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂の量、混合比などの多様な状況にも対応して混合イオン交換樹脂を安定的かつ容易に分離することができる。
【0014】
上記発明(発明3)においては、前記分離塔内に混合イオン交換樹脂を導入する混合イオン交換樹脂投入工程と、前記エア及び分離用水の注入部から分離用水供給機構により分離用水を水面がイオン交換樹脂の上面よりも所定距離上方となるように充填する水張工程と、前記エア及び分離用水の注入部からエア供給機構によりエアを注入してバブリングする混合分散工程と、エア注入を停止し、分離塔内のイオン交換樹脂を、カチオン交換樹脂が下層となりアニオン交換樹脂が上層となるように沈積させる分離工程と、前記エア及び分離用水の注入部から分離用水供給機構により分離用水を上向流通水し、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離界面をアニオン交換樹脂抜出部よりも下位となる範囲で上昇させる第1の分離界面調整工程と、分離塔内からアニオン交換樹脂抜出部によってアニオン交換樹脂を抜き出すアニオン交換樹脂抜出工程と、分離塔内の上向流通水速度を増大させてカチオン交換樹と残存するアニオン交換樹脂との分離界面を上昇させる第2の分離界面調整工程と、分離塔内からカチオン交換樹脂抜出部によってカチオン交換樹脂を抜き出すカチオン交換樹脂抜出工程を有し、前記制御手段が、前記分離界面調整工程において、前記撮像手段による撮像データに基づき、前記アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離界面を判断して、この判断結果に基づき前記分離用水供給機構からの分離用水の流速を制御して、前記分離界面を調整した後、前記アニオン交換樹脂抜出機構を作動させてアニオン交換樹脂抜出工程を実行するとともに、前記カチオン交換樹脂位置調整工程において、前記撮像手段による撮像データに基づき、残存するアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離界面を判断して、前記分離界面を調整した後、前記カチオン交換樹脂抜出機構を作動させてカチオン交換樹脂抜出工程を実行する、ことが好ましい(発明4)。
【0015】
かかる発明(発明4)によれば、のぞき窓を介して分離塔内を撮像手段により連続的もしくは断続的に撮像し、この撮像データを制御手段に送信して、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の分離界面を変動させて、アニオン交換樹脂の抜き出し、及びカチオン交換樹脂の抜き出しに好適な位置に調整することで、アニオン交換樹脂抜き出し及びカチオン交換樹脂抜出の抜き出しを目視判断調整によらずに制御することができるので、分離塔による混合イオン交換樹脂の分離を自動化することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の混合イオン交換樹脂の分離制御装置によれば、のぞき窓を介して分離塔内を連続的もしくは断続的に撮像可能な撮像手段を設けて、この撮像手段の撮像データに基づき、分離用水供給機構、アニオン交換樹脂抜出機構及びカチオン交換樹脂抜出機構をそれぞれ制御するものであるので、撮像手段による分離塔内の撮像データに基づき、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の分離界面をアニオン交換樹脂の抜き出し、及びカチオン交換樹脂の抜き出しに好適な位置に調整することで、アニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂の量、混合比などの多様な状況に対応して分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態にかかる混合イオン交換樹脂の分離制御装置を適用可能なイオン交換樹脂分離塔の構成図である。
図2】本発明の混合イオン交換樹脂の分離制御装置のシステム構成を示す概略図である。
図3】樹脂分離工程の説明図である。
図4】樹脂分離工程の説明図である。
図5】樹脂分離工程の説明図である。
図6】樹脂分離工程の説明図である。
図7】樹脂分離工程の説明図である。
図8】樹脂分離工程の説明図である。
図9】樹脂分離工程の説明図である。
図10】樹脂分離工程の説明図である。
図11】樹脂分離工程の説明図である。
図12】樹脂分離工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の混合イオン交換樹脂の分離制御装置の一実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
〔混合イオン交換樹脂の分離塔〕
図1は、本発明の一実施形態による混合イオン交換樹脂の分離制御装置を適用可能な分離塔を示している。図1において、混合イオン交換樹脂の分離塔1は、略円筒状の分離塔本体1Aの底部に注入部としての注水口2が設けられているとともに、頂部には排水口3が形成されている。この注水口2には、注水管(図示せず)とエア供給管(図示せず)がそれぞれ接続しているとともに、排水口3には排水管3Aが接続している。この分離塔本体1A内の下部には集水板4が配置されている。また、分離塔本体1A内の上下方向の中間付近には、アニオン交換樹脂抜出機構としての下端に複数の吸い込み部を有するアニオン交換樹脂抜出管5が設けられているとともに、このアニオン交換樹脂抜出管5の下側で集水板4より上側にカチオン交換樹脂抜出機構としての下端に複数の吸い込み部を有するカチオン交換樹脂抜出管6が設けられている。一方、分離塔本体1Aの側面には複数個、本実施形態においては6個ののぞき窓7A、7B、7C、7D、7E及び7Fが高さを異ならせて設けられていて、これら各のぞき窓7A~7Fには、該のぞき窓を介して分離塔1内を撮影する撮像手段としての電子式のビデオカメラ(図示せず)が設けられている。なお、8は分離塔本体1Aの側面上側に設けられた使用済の混合イオン交換樹脂の投入部としての投入口である。
【0020】
〔混合イオン交換樹脂の分離制御装置〕
この分離塔1を用いた本実施形態の混合イオン交換樹脂の分離制御装置のシステム構成を図2に示す。
【0021】
本実施形態の混合イオン交換樹脂の分離制御装置11は、分離塔1ののぞき窓7A、7B、7C、7D、7E及び7Fにそれぞれ設けられた撮像手段としての複数台の電子式カメラ12と、アニオン交換樹脂抜出管5に設けられたアニオン交換樹脂抜出機構としての第一の自動弁13と、カチオン交換樹脂抜出管6に設けられたカチオン交換樹脂抜出機構としての第二の自動弁14と、注水管2に設けられた分離用水供給機構としてのコントロール弁15及び給水ポンプ16と、カメラ12の画像データに基づき映像解析を行う映像解析システム17A及び第一の自動弁13と第二の自動弁14とコントロール弁15と給水ポンプ16を制御するシーケンスコントローラ17Bとを備えた制御手段17と、この制御手段17における映像解析システム17Aの解析データに基づきシーケンスコントローラ17Bに指示を与える中央監視手段18とを備える。
【0022】
〔混合イオン交換樹脂の分離制御方法〕
上述したような混合イオン交換樹脂の分離制御装置を用いた、本実施形態の混合イオン交換樹脂の分離制御方法について説明する。
【0023】
(1)混合イオン交換樹脂投入工程
図3に示すように脱塩装置などで使用した混合イオン交換樹脂Rを投入口8から分離塔1内に導入する。この混合イオン交換樹脂Rの導入は、例えば、水槽に受けた混合イオン交換樹脂をフレキシブルコンテナ等で運搬し、チューブポンプによって投入口8から分離塔1内に導入すればよいが、これに限定されない。このとき混合イオン交換樹脂Rの上面が、のぞき窓7Cの中間部となるような混合イオン交換樹脂Rの投入量とすればよい。
【0024】
(2)水張工程
次に注水管のコントロール弁15を開成して、給水ポンプ16を駆動することにより、図4に示すように所定量の分離用水Wを注水口2から分離塔1内に導入する。このときのぞき窓7Cを介してカメラ12により分離塔1内を撮影し、この画像を映像解析システムに17Aにより解析して、混合イオン交換樹脂Rの上面を確認するとともに、のぞき窓7Dを介してカメラ12により分離塔1内を撮影し、この画像を映像解析システム17Aにより解析して、分離水Wの水位を確認する。そして、分離水Wがのぞき窓7Dの中間部にまで到達したことを確認したら、中央監視手段18は、シーケンスコントローラ17Bによりコントロール弁15を閉鎖して、分離用水Wの注入を停止する。なお、分離用水Wの水面は、分離塔1内の混合イオン交換樹脂Rよりも上側、例えば200~300mm程度上位とすることが好ましい。
【0025】
(3)エアバブリング工程(混合分散工程)
続いて、図5に示すようにエア供給管を介して注水口2からエア(Air)を分離塔1内に注入し、イオン交換樹脂Rをバブリングにより混合する。これによりコロイド状に絡みついた樹脂粒子をほぐすと共に、樹脂粒子表面に付着した汚れを剥離させる。このとき、のぞき窓7Eを介してカメラ12により分離塔1内を撮影し、この画像を映像解析システム17Aにより解析して、混合イオン交換樹脂Rの樹脂の流動状謡を確認する。混合イオン交換樹脂Rの流動がない場合には、中央監視手段18は、シーケンスコントローラ17Bにより警報を発せさせる。このエアバブリングは、例えば10~60分程度行えばよい。
【0026】
(4)休止工程
所定時間バブリングを行ったらエアの注入を停止し、図6に示すようにイオン交換樹脂粒子を集水板4上に沈降させる。この沈降において、比重の大きいカチオン交換樹脂Cが先に沈降し、比重の小さいアニオン交換樹脂Aが遅れて沈降する。
【0027】
(5)満水水張工程
次の逆洗工程に備えて、注水管のコントロール弁15を開成して、図7に示すように注水口2から分離塔1内に分離用水Wを排水管3Aから溢れるまで導入し、分離塔1内を満水状態とする。
【0028】
(6)第1次逆洗工程(第1の分離界面調整工程)
図8に示すように、注水口2から水(分離用水と同じ水)Wを導入して上向流にて通水し、樹脂を展開させる。この際、最上部ののぞき窓7Fを介して、カメラ12により分離塔1内を撮影し、この画像を映像解析システムに17Aにより解析して、樹脂層の上面が分離塔1の頂付近まで展開していることを確認する。また、中間部ののぞき窓7Cを介してカメラ12により分離塔1内を撮影し、この画像を映像解析システムに17Aにより解析して、カチオン交換樹脂Cとアニオン交換樹脂Aとの分離界面の位置を確認するとともに色度に基づいて両樹脂が十分に分離されているか否かを確認する。
【0029】
そして、カチオン交換樹脂Cとアニオン交換樹脂Aとの分離界面が、アニオン交換樹脂抜出管5の下端の吸い込み部の近傍にあり、アニオン交換樹脂抜出管5からアニオン交換樹脂Aを抜き出すとカチオン交換樹脂Cが混入するおそれがあると中央監視手段18が判断した場合には、シーケンスコントローラ17Bにより給水ポンプ16及びコントロール弁15の開度を制御して、注水口2から導入する水Wの流速を調整し、カチオン交換樹脂Cとアニオン交換樹脂Aとの分離界面が、アニオン交換樹脂抜出管5の下端の吸い込み部よりも十分に下側になるように修正する。
【0030】
(7)アニオン交換樹脂抜き出し工程
カメラ12の画像データに基づき、カチオン交換樹脂Cとアニオン交換樹脂Aとが分離されたことを確認した後、中央監視手段18はシーケンスコントローラ17Bにより第一の自動弁13を開成して、図9に示すようにアニオン交換樹脂抜出管5からアニオン交換樹脂Aをアニオン交換樹脂・水混相流として流出させて取り出す。このアニオン交換樹脂Aは、アニオン交換樹脂・水混相流としてアニオン交換樹脂抜出管5から排出するので、透水性の袋状体などで受け止めればよい。
【0031】
アニオン交換樹脂Aを抜き出している間、中間部ののぞき窓7Cを介してカメラ12により分離塔1内を撮影し、この画像を映像解析システムに17Aにより解析して、カチオン交換樹脂Cとアニオン交換樹脂Aとの分離界面の位置が、アニオン交換樹脂抜出管5よりも十分に下側にあることを監視する。カチオン交換樹脂Cとアニオン交換樹脂Aとの分離界面の位置が、アニオン交換樹脂抜出管5の下端の吸い込み部の近傍にある場合には、シーケンスコントローラ17Bにより給水ポンプ16及びコントロール弁15を制御して、注水口2から導入する水Wを調整し、カチオン交換樹脂Cとアニオン交換樹脂Aとの分離界面が、アニオン交換樹脂抜出管5よりも十分に下側になるように修正する。また、万一、カチオン交換樹脂Cとアニオン交換樹脂Aとの分離が十分でなく、カチオン交換樹脂Cの混入が認められた場合には、「エアバブリング工程」からやり直す。
【0032】
このようにして取り出されたアニオン交換樹脂Aはアニオン交換樹脂再生設備へ送られる。
【0033】
(8)第2次逆洗工程(第2の分離界面調整工程)
上記「アニオン交換樹脂抜き出し工程」は、カチオン交換樹脂Cとアニオン交換樹脂Aとの分離界面近傍のアニオン交換樹脂Aが残存した状態で終了し、第1の自動弁13を閉鎖する。続いて、中央監視手段18は、シーケンスコントローラ17Bにより給水ポンプ16及びコントロール弁15を制御して、図10に示すように注水口2から導入する分離用水Wの流速を増大(例えば、LV=20~2m/h)させ、残ったアニオン交換樹脂Aをさらに押上げる。この際、のぞき窓7Cを介してカメラ12により分離塔1内を撮影し、この画像を映像解析システムに17Bにより解析して、カチオン交換樹脂Cとアニオン交換樹脂Aとの分離界面の位置が、カチオン交換樹脂抜出管6の下端の吸い込み部よりも十分に上側にあることを確認する。そして、カチオン交換樹脂Cとアニオン交換樹脂Aとの分離界面が、カチオン交換樹脂抜出管6の下端の吸い込み部の近傍にある場合には、中央監視手段18は、シーケンスコントローラ17Bにより給水ポンプ16及びコントロール弁15を制御して、注水口2から導入する水Wの流速を増大させ、カチオン交換樹脂Cとアニオン交換樹脂Aとの分離界面が、カチオン交換樹脂抜出管6の下端の吸い込み部よりも十分に上側になるように修正する。
【0034】
なお、この第2次逆洗工程は、アニオン交換樹脂Aが下層のカチオン交換樹脂Cに混入していた場合に、この混入アニオン交換樹脂を上層へと押し出す、という効果も発揮する。
【0035】
(9)カチオン交換樹脂抜出し工程
残存するアニオン交換樹脂Aとカチオン交換樹脂とが十分に分離されたことを確認した後、中央監視手段18は、シーケンスコントローラ17Bにより第二の自動弁14を開成して、図11に示すようにカチオン交換樹脂抜出管6からカチオン交換樹脂Cをカチオン交換樹脂・水混相流として流出させて取り出す。このカチオン交換樹脂Cは、アニオン交換樹脂・水混相流としてカチオン交換樹脂抜出管6から排出するので、透水性の袋状体などで受け止めればよい。
【0036】
このようにして取り出されたカチオン交換樹脂Cはカチオン交換樹脂再生設備へ送られる。
【0037】
このカチオン交換樹脂抜出し工程は、アニオン交換樹脂Aとカチオン交換樹脂Cとの分離界面がカチオン交換樹脂抜出管6の下端の吸い込み部の直上となった時点で終了とし、水Wの上向流通水を停止する。
【0038】
そして、この水Wの上向流通水を停止すると共に、カチオン交換樹脂抜出管6の第二の自動弁14を閉じることにより、図12に示すように、残存する樹脂が集水板4上に沈積させる。
【0039】
この図12では、所定量(例えば300~600L)の樹脂が分離塔1内に残留している。これは、分離塔1内の残留アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との相互混入を避けるためである。
【0040】
図12の状態の後、(1)樹脂導入工程に戻って、残存するイオン交換樹脂に加え、再度イオン交換樹脂を分離塔1内に導入して(1)~(9)の工程を繰り返し、同様にしてイオン交換樹脂を分離処理すればよい。このような本実施形態の混合イオン交換樹脂の分離制御装置によれば、アニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂の量、混合比などの多様な状況に対応して混合イオン交換樹脂を安定的かつ容易に分離することができる。
【0041】
以上本発明について前述した実施形態に基づいて実施してきたが、本発明はこれに限定されず、カメラ12などの撮像手段により撮像した画像を映像解析システム17Aで解析し、アニオン交換樹脂Aとカチオン交換樹脂の分離界面や混合イオン交換樹脂Rの展開高さなどを判断して、シーケンスコントローラ17Bでアニオン交換樹脂抜出管5の第一の自動弁13、カチオン交換樹脂抜出管6の第二の自動弁14、及び注水口2に連通する注水管のコントロール弁15及び給水ポンプ16を制御すれば、種々の変形実施が可能である。例えば、撮像手段としては連続的に画像を撮影するビデオカメラ12を用いたが、静止画を撮影可能な電子式カメラを用いてもよい。また、分離工程としては、アニオン交換樹脂Aとカチオン交換樹脂Cとを比重差を利用して分離し、抜き出すものであれば別の工程を含んでいてもよい。さらに、カメラ12などの撮像手段は、のぞき窓のそれぞれに設けずに、1個の撮像手段が各のぞき窓7A~7Fを順次巡回して撮像するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 分離塔
1A 分離塔本体
2 注水口
3 排水口
3A 排水管
4 集水板
5 アニオン交換樹脂抜出管
6 カチオン交換樹脂抜出管
7A、7B、7C、7D、7E、7F のぞき窓
8 混合イオン交換樹脂の投入口(投入部)
11 分離制御装置
12 カメラ(撮像手段)
13 第一の自動弁
14 第二の自動弁
15 コントロール弁
16 給水ポンプ
17 制御手段
17A 映像解析システム
17B シーケンスコントローラ
18 中央監視手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12