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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167602
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】シアノバクテリアの単離方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/20 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
C12N1/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078903
(22)【出願日】2022-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】今村 壮輔
(72)【発明者】
【氏名】高谷 和宏
(72)【発明者】
【氏名】田中 寛
【テーマコード(参考)】
4B065
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065BA23
4B065BB05
4B065BB12
4B065BB13
(57)【要約】
【課題】 シアノバクテリアを単離する新たな技術を提供すること。
【解決手段】 シアノバクテリアの単離方法は、シアノバクテリアとシアノバクテリア以外の微生物とを含んだ微生物群を準備することと、前記微生物群を、トリメトプリムを含有した培地で培養することと、その後、前記培地で生存している細胞を取得することとを含む。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シアノバクテリアとシアノバクテリア以外の微生物とを含んだ微生物群を準備することと、
前記微生物群を、トリメトプリムを含有した培地で培養することと、
その後、前記培地で生存している細胞を取得することと
を含んだシアノバクテリアの単離方法。
【請求項2】
前記微生物群の培養は、前記微生物群へ光を照射しながら行う請求項1に記載の単離方法。
【請求項3】
前記培地におけるトリメトプリム濃度を10μg/mL以上とする請求項1に記載の単離方法。
【請求項4】
前記培地が固体培地である請求項1に記載の単離方法。
【請求項5】
前記微生物群の準備が、自然環境から前記微生物群を含んだサンプルを採取することを含んだ請求項1に記載の単離方法。
【請求項6】
前記細胞を、トリメトプリムを含有していない培地で培養することと、
その後、トリメトプリムを含有していない前記培地で、シアノバクテリア以外の微生物の増殖の有無を確認することと
を更に含んだ請求項1に記載の単離方法。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の単離方法によりシアノバクテリアを単離することと、
単離した前記シアノバクテリアを増殖させることと
を含んだシアノバクテリアの増殖方法。
【請求項8】
トリメトプリムを含んだシアノバクテリア単離剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シアノバクテリアの単離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シアノバクテリアは、酸素発生を伴う光合成を行う原核生物であり、海、淡水、陸上などの自然環境に広く生育している。シアノバクテリアの多くは、光合成色素としてクロロフィルaとフィコビリンとをもち、緑色をしている。シアノバクテリアは、光合成能力、CO固定能力、物質生産性などの有用性をもつ菌株も多く、自然環境から特定のシアノバクテリアを単離する必要性も高い。これまでは、シアノバクテリアが光合成独立栄養性であるという性質を利用して、有機炭素源を含まない寒天プレートを用いてシアノバクテリアを選択的に培養して、シアノバクテリアを単離することが行われている(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Shirai et al., Development of a Solid Medium for Growth and Isolation of Axenic Microcystis Strains (Cyanobacteria), Applied and Environmental Microbiology (1989) Vol.55, No.10, 2569-2571
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、シアノバクテリアを単離する新たな技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面によると、シアノバクテリアとシアノバクテリア以外の微生物とを含んだ微生物群を準備することと、前記微生物群を、トリメトプリムを含有した培地で培養することと、その後、前記培地で生存している細胞を取得することとを含んだシアノバクテリアの単離方法が提供される。
【0006】
本発明の第2側面によると、第1側面に係る単離方法によりシアノバクテリアを単離することと、単離した前記シアノバクテリアを増殖させることとを含んだシアノバクテリアの増殖方法が提供される。
【0007】
本発明の第3側面によると、トリメトプリムを含んだシアノバクテリア単離剤が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、シアノバクテリアを単離する新たな技術が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、上記側面の何れかをより具体化したものである。以下に記載する事項は、単独で又は複数を組み合わせて、上記側面の各々に組み入れることができる。
【0010】
本発明者らは、自然環境から特定のシアノバクテリアを単離しようとした際に、シアノバクテリアは周囲に粘着性の多糖類を分泌することが多いため、シアノバクテリアを他の微生物と物理的に分離し難いという問題に着目した。
【0011】
一方、薬剤に対する感受性の違いを利用して、特定の微生物を選択的に培養して、特定の微生物を環境中の微生物群から単離する試みが多く為されている。しかし、この手法は、真核微生物と細菌との分離のように、細胞機構が互いに大きく異なる分類群に含まれる微生物を分離する場合には有効であるが、同じ分類群に含まれる微生物を分離する場合には、薬剤に対する感受性に違いがないことが多く、分離したい微生物の種類に応じた条件設定が難しい。具体的には、多くの細菌の増殖を抑制する抗生物質は、シアノバクテリアの増殖も抑制することから、抗生物質に対する感受性の違いを利用してシアノバクテリアを選択的に培養することは難しい。
【0012】
本発明者らは、「トリメトプリムが、シアノバクテリア以外の殆どの細菌におけるデオキシリボ核酸(DNA)の合成を阻害するが、シアノバクテリアにおいてはDNAの合成を阻害しないという性質」を、シアノバクテリアの単離に利用するという新たな技術思想に基づいて、シアノバクテリアの新規単離方法を開発した。すなわち、シアノバクテリアの新規単離方法は、シアノバクテリアとシアノバクテリア以外の微生物とを含んだ微生物群を準備することと、この微生物群を、トリメトプリムを含有した培地で培養することと、その後、この培地で生存している細胞を取得することとを含む。
【0013】
以下、トリメトプリムの上述の性質についてまず説明し、その後、上述の単離方法について説明する。
【0014】
<1.トリメトプリムの性質>
トリメトプリムが、シアノバクテリア以外の殆どの細菌におけるDNAの合成を阻害するメカニズムを、以下の反応経路1に示す。一方、トリメトプリムが、シアノバクテリアにおいてはDNAの合成を阻害しないメカニズムを、以下の反応経路2に示す。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】
DNAの合成に必要なチミジル酸(dTMP)合成は、チミジル酸合成酵素に依存して起こるが、この反応の際に、テトラヒドロ葉酸(THF)に結合したC1ユニット(メチル基)が補酵素因子として必須である(反応経路1および2を参照)。殆どの細菌において、このチミジル酸合成酵素はthyA遺伝子にコードされ、その反応の際に、チミジル酸合成と同時に補酵素であるTHFをジヒドロ葉酸(DHF)に酸化してしまう(反応経路1を参照)。このDHFは、そのままではチミジル酸合成の補酵素とならないため、DHFはジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)による再還元でTHFに再生される(反応経路1を参照)。これを葉酸サイクルといい、DNA合成基質であるチミジル酸(dTMP)の合成には必須な経路となっている。このため、DHFRの特異的阻害剤であるトリメトプリム(Trimethoprim)は、DNA合成を阻害することで殆どの細菌の増殖を阻害する。一方、シアノバクテリアは、殆どの細菌が持っているチミジル酸合成酵素ThyAとは異なるチミジル酸合成酵素ThyXをもち、この酵素はその反応でTHFを酸化しない(反応経路2を参照)。また、シアノバクテリアは、殆どの細菌が持っているDHFRも持たないことから、トリメトプリムに感受性を示さず、トリメトプリムの存在下でDNA合成を行うことができ増殖することができる。
【0018】
従って、トリメトプリムを使用してシアノバクテリア以外の細菌の増殖を阻害することで、トリメトプリムの影響を受けないシアノバクテリアを単離することができる。
【0019】
<2.単離方法>
上述した単離方法を具体的に以下に説明する。ただし、以下の記載は、本発明を説明することを目的としており、本発明を限定することを意図していない。
【0020】
(微生物群の準備)
先ず、シアノバクテリアとシアノバクテリア以外の微生物とを含んだ微生物群を準備する。
例えば、海水、淡水及び土壌などの自然環境から、シアノバクテリアを含んだサンプルを採取する。このようにして採取したサンプルは、一般に、シアノバクテリア以外の微生物を含んでいる。即ち、このようにして採取したサンプルは、一般に、シアノバクテリアとシアノバクテリア以外の微生物とを含んだ微生物群を含んでいる。
【0021】
次に、このサンプルと、BG-11培地などの滅菌培地とを混合する。この混合には、例えば、ボルテックスミキサを使用する。
次いで、この混合液をろ過し、混合液から小石及び木屑などの異物を除去する。この濾過には、例えば、ナイロンメッシュを使用する。
【0022】
続いて、遠心分離により混合液から異物を更に除去する。例えば、混合液をファルコンチューブに入れ、500回転/分の回転速度で1分間程度の低速遠心分離へ供する。これにより、異物を沈殿させる。ここで得られた上清に、シアノバクテリアとシアノバクテリア以外の微生物とを含んだ微生物群が含まれる。
【0023】
(培養)
次に、微生物群を、トリメトプリムを含有した培地で培養する。
先ず、遠心分離後の混合液から上清を取り出し、これを、トリメトプリムを含有した培地へ供給する。トリメトプリムを含有した培地は、固体培地、液体培地の何れでもよいが、固体培地であることが好ましい。固体培地を使用した場合、複数のコロニーの中から目視で緑色のコロニーを選択することによりシアノバクテリアを単離することができる。また、トリメトプリムを含有した培地は、シアノバクテリアを選択的に増殖させるためにグルコースなどの有機炭素源を含まないことが望ましい。トリメトプリムを含有した培地が、グルコースなどの有機炭素源を含まない場合、他の従属栄養細菌の増殖を抑制することができる。ただし、トリメトプリムを含有した培地が、グルコースなどの有機炭素源を含んでいない場合、微生物群の培養は、光を照射しながら行う必要がある。
【0024】
例えば、トリメトプリムを含有したBG-11培地を用いて、寒天培地プレートを作成する。次いで、遠心分離後の混合液から取り出した上清を、寒天培地プレートへ塗布する。培地として、BG-11培地を例示したが、シアノバクテリアを増殖可能であれば他の培地を使用することもできる。
【0025】
なお、本発明は、シアノバクテリアの単離を目的とするため、微生物群の培養は、無菌条件下で行われる。このため、上清の塗布前の培地は予め滅菌されており、塗布は滅菌条件下で行われる。
【0026】
培地におけるトリメトプリム濃度は、一例によれば10μg/mL以上とする。この濃度は、一例によれば、100μg/mL以下とし、他の例によれば80μg/mL以下とする。例えば、この濃度は、20乃至60μg/mLの範囲内とする。
【0027】
続いて、これを、シアノバクテリアの育成に適した環境中に保持して、微生物群を培養する。微生物群の培養は、シアノバクテリアの公知の培養条件に従って行うことができる。好ましくは、微生物群の培養は、前記微生物群へ光を照射しながら行う。微生物群の培養を、微生物群へ光を照射しながら行うと、シアノバクテリアを選択的に増殖させるのを助けることができる。温度は、例えば、30℃程度に維持する。このような条件下で、例えば、1週間程度の静置培養を行う。なお、この培養には、例えば、温度管理に加え、光照射が可能なインキュベータを使用する。また、培養条件は、単離すべきシアノバクテリアの種類に応じて適宜決定する。培養期間は、シアノバクテリアが単離可能な量まで増殖していれば、特に制限されない。
【0028】
(生存している細胞の取得)
その後、この培地で生存している細胞を取得する。
例えば、培地に生じたコロニーから、生存している細胞を採取する。具体的には、緑色のコロニーから細胞を採取する。細胞の採取には、例えば、白金線や楊枝を使用する。なお、自然環境から採取したサンプルがシアノバクテリアを含んでいない場合、通常、緑色のコロニーは生じない。
以上のようにして、シアノバクテリアを単離する。単離されたシアノバクテリアは、必要に応じて同定や有用性試験などを行い、シアノバクテリアの特性に応じて様々な産業で利用することができる。
【0029】
(追加の任意の工程)
上記の単離方法は、
上記の単離方法で取得された細胞を、トリメトプリムを含有していない培地で培養することと、
その後、トリメトプリムを含有していない前記培地で、シアノバクテリア以外の微生物の増殖の有無を確認することと
を更に含んでいてもよい。
【0030】
このような追加の工程を行って、シアノバクテリア以外の微生物の増殖が確認されなかった場合、シアノバクテリアが確実に単離されたことを実証することができる。「トリメトプリムを含有していない培地での培養」は、培地にトリメトプリムが含まれていないことを除いて、「トリメトプリムを含有した培地での培養」と同様の条件下で行うことができる。固体培地を使用した場合、シアノバクテリア以外の微生物の増殖の有無を目視で容易に確認することができる。
【0031】
また、上記の単離方法は、
上記の単離方法で取得された細胞を、メトトレキサートを含有した培地で培養することと、
その後、前記培地で生存している細胞を取得することと
を更に含んでいてもよい。
【0032】
上記の単離方法で取得された細胞には、シアノバクテリアに加えて真菌などの真核微生物が含まれている場合がある。メトトレキサート(Methotrexate)は、上述の反応経路1に示されるジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)の活性を阻害することにより、真菌などの真核微生物の増殖を阻害する。一方、シアノバクテリアは、上述の反応経路2に示したとおり、DHFRを持たないことから、メトトレキサートに感受性を示さず、メトトレキサートの存在下で増殖することができる。このため、上述の追加の工程を行うと、真菌などの真核微生物の増殖を阻害し、メトトレキサートの影響を受けないシアノバクテリアを単離することができる。
【0033】
「メトトレキサートを含有した培地での培養」は、培地にトリメトプリムの代わりにメトトレキサートが含有されていることを除いて、「トリメトプリムを含有した培地での培養」と同様の条件下で行うことができる。培地におけるメトトレキサート濃度は、一例によれば10μg/mL以上とする。この濃度は、一例によれば、100μg/mL以下とし、他の例によれば80μg/mL以下とする。例えば、この濃度は、20乃至60μg/mLの範囲内とする。
【0034】
(単離方法の変形例)
上記の単離方法では、微生物群を、トリメトプリムを含有した培地で培養するが、単離方法の変形例では、微生物群を、トリメトプリムおよびメトトレキサートを含有した培地で培養する。すなわち、単離方法の変形例は、培地にメトトレキサートが更に含有されている点でのみ、上記の単離方法とは異なる。したがって、変形例において、培養は、上記の単離方法で説明したのと同様の条件下で行うことができる。また、培地におけるトリメトプリムおよびメトトレキサートの濃度は、上記した濃度とすることができる。変形例によれば、単離方法で取得された細胞に、シアノバクテリアに加えて真菌などの真核微生物が含まれることを防ぐことができる。
【0035】
<3.増殖方法>
上記の単離方法により単離されたシアノバクテリアを増殖させて、単一菌種のシアノバクテリアを多量に生産することができる。すなわち、別の側面によれば、
上記の単離方法によりシアノバクテリアを単離することと、
単離した前記シアノバクテリアを増殖させることと
を含んだシアノバクテリアの増殖方法が提供される。
【0036】
単離したシアノバクテリアの増殖は、シアノバクテリアを増殖させることが可能な培地を用いて、公知の培養条件に従って行うことができる。例えば、単離したシアノバクテリアの増殖は、シアノバクテリアを、BG-11液体培地などの液体培地中において、光照射下で、炭酸ガスを通気しながら培養することにより行うことができる。このような条件下でシアノバクテリアを培養すると、増殖効率を高めることができる。
【0037】
<4.シアノバクテリア単離剤>
更に別の側面によれば、トリメトプリムを含んだシアノバクテリア単離剤が提供される。シアノバクテリア単離剤は、培地に添加することにより、シアノバクテリアの単離のために使用することができる。シアノバクテリア単離剤は、メトトレキサートを更に含んでいてもよい。シアノバクテリア単離剤は、剤型は特に限定されず、例えば溶液の形態などとすることができる。シアノバクテリア単離剤は、剤型に応じた賦形剤を含んでいてもよく、溶液の形態の場合、DMSO(ジメチルスルホキシド)を含んでいてもよい。
【0038】
<5.効果>
本発明によれば、自然環境中で多くの微生物と共存しているシアノバクテリアを、無菌的に単離することができる。
【0039】
上述のとおり、従来は、シアノバクテリアは周囲に粘着性の多糖を分泌することが多いため、シアノバクテリアの周囲に接着した微生物を取り除くのに困難が多かった。実際には、従来は、自然環境から得たサンプルの希釈、培養や、寒天プレート上での単クローン単離などを繰り返すことにより、シアノバクテリアの単離を行っていたが、混入している微生物を取り除くことが不可能な場合も多かった。これに対し、本発明の単離方法は、トリメトプリムの特有の性質を利用して、シアノバクテリア以外の細菌の増殖を阻害し、トリメトプリムの影響を受けないシアノバクテリアを選択的に増殖させるため、シアノバクテリア以外の細菌を、シアノバクテリアの周囲から容易に取り除くことができる。このように、本発明の単離方法は、従来法と比べて簡便である点で優れている。
【0040】
また、上述のとおり、従来は、同じ分類群に含まれる微生物を分離する場合には、薬剤に対する感受性に違いがないことが多く、分離したい微生物の種類に応じた条件設定が難しかった。これに対し、本発明の単離方法は、トリメトプリムが、シアノバクテリア以外の殆どの細菌の増殖を阻害するが、シアノバクテリアの増殖を阻害しないという性質を利用しているため、シアノバクテリアを、シアノバクテリア以外の細菌から容易に単離することができる。このように、本発明の単離方法は、細菌という同じ分類群に含まれる微生物の分離を可能にしている点で優れている。