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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167796
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】光源装置及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20231116BHJP
   F21V 7/28 20180101ALI20231116BHJP
   F21V 9/20 20180101ALI20231116BHJP
   F21V 9/14 20060101ALI20231116BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20231116BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20231116BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20231116BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20231116BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20231116BHJP
【FI】
F21S2/00 311
F21S2/00 310
F21V7/28 240
F21V9/20
F21V9/14
F21V5/04 350
F21S2/00 340
G03B21/00 F
G03B21/14 A
F21Y115:30
F21Y113:13
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079262
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】北原 和
(72)【発明者】
【氏名】有賀 貴紀
【テーマコード(参考)】
2K203
【Fターム(参考)】
2K203FA25
2K203FA32
2K203FA44
2K203FA54
2K203GA03
2K203GA22
2K203GA25
2K203GA26
2K203GA34
2K203HA03
2K203HA14
2K203HA66
2K203HA67
2K203HA68
2K203HA70
2K203HA92
2K203MA08
(57)【要約】
【課題】スペックルの発生を抑制できる光源装置及び表示装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、光源装置は、第1、第2光学部材、及び、レーザ光を出射する光源を含む。光源は、第1ピーク波長の第1光を出射する第1光源と、第1ピーク波長と異なる第2ピーク波長の第2光を出射する第2光源と、第1、第2ピーク波長と異なる第3ピーク波長の第3光を出射する第3光源と、第2ピーク波長の第4光を出射する第4光源と、第3ピーク波長の第5光を出射する第5光源と、第2ピーク波長の第6光を出射する第6光源と、第1ピーク波長の第7光を出射する第7光源と、第2ピーク波長の第8光を出射する第8光源と、を含む。第1、第5光は、第1光学部材を通過する。第2、第6光は、第2光学部材を通過する。第3、第7光は、第2光学部材で反射される。第4、第8光は、第1光学部材で反射される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光学部材と、
第2光学部材と、
光源部と、
を備え、
前記光源部は、
第1ピーク波長を有する第1レーザ光を出射する第1光源と、
前記第1ピーク波長と異なる第2ピーク波長を有する第2レーザ光を出射する第2光源と、
前記第1ピーク波長と異なり前記第2ピーク波長とも異なる第3ピーク波長を有する第3レーザ光を出射する第3光源と、
前記第2ピーク波長を有する第4レーザ光を出射する第4光源と、
前記第3ピーク波長を有する第5レーザ光を出射する第5光源と、
前記第2ピーク波長を有する第6レーザ光を出射する第6光源と、
前記第1ピーク波長を有する第7レーザ光を出射する第7光源と、
前記第2ピーク波長を有する第8レーザ光を出射する第8光源と、
を含み、
前記第1レーザ光は、前記第1光学部材を通過し、
前記第2レーザ光は、前記第2光学部材を通過し、
前記第3レーザ光は、前記第2光学部材で反射され、
前記第4レーザ光は、前記第1光学部材で反射され、
前記第5レーザ光は、前記第1光学部材を通過し、
前記第6レーザ光は、前記第2光学部材を通過し、
前記第7レーザ光は、前記第2光学部材で反射され、
前記第8レーザ光は、前記第1光学部材で反射される、光源装置。
【請求項2】
前記第2ピーク波長は、前記第1ピーク波長よりも長く、
前記第1ピーク波長は、前記第3ピーク波長よりも長い、請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記第1光源から前記第2光源への方向は、第1方向に沿い、
前記第3光源から前記第4光源への方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿い、
前記第5光源から前記第6光源への方向は、前記第1方向に沿い、
前記第7光源から前記第8光源への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第5光源から前記第1光源への方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する第3方向に沿い、
前記第6光源から前記第2光源への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第7光源から前記第3光源への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第8光源から前記第4光源への方向は、前記第3方向に沿う、請求項1に記載の光源装置。
【請求項4】
前記第1レーザ光は、前記第1光源から前記第2方向に沿って出射され、
前記第2レーザ光は、前記第2光源から前記第2方向に沿って出射され、
前記第3レーザ光は、前記第3光源から前記第1方向に沿って出射され、
前記第4レーザ光は、前記第4光源から前記第1方向に沿って出射され、
前記第5レーザ光は、前記第5光源から前記第2方向に沿って出射され、
前記第6レーザ光は、前記第6光源から前記第2方向に沿って出射され、
前記第7レーザ光は、前記第7光源から前記第1方向に沿って出射され、
前記第8レーザ光は、前記第8光源から前記第1方向に沿って出射される、請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記第1光源と前記第3光源との間の距離は、前記第1光源と前記第4光源との間の距離よりも短く、前記第2光源と前記第3光源との間の距離よりも短い、請求項1に記載の光源装置。
【請求項6】
前記第2光源と前記第4光源との間の距離は、前記第2光源と前記第3光源との間の距離よりも短く、前記第1光源と前記第4光源との間の距離よりも短い、請求項1に記載の光源装置。
【請求項7】
第1ミラー及び第2ミラーをさらに備え、
前記第1光学部材を通過した前記第1レーザ光、及び、前記第1光学部材で反射した前記第4レーザ光は、前記第1ミラーで反射して前記第2ミラーを通過し、
前記第2光学部材を通過した前記第2レーザ光、及び、前記第2光学部材で反射した前記第3レーザ光は、前記第2ミラーで反射され、
前記第1光学部材を通過した前記第5レーザ光、及び、前記第1光学部材で反射した前記第8レーザ光は、前記第1ミラーで反射して前記第2ミラーを通過し、
前記第2光学部材を通過した前記第6レーザ光、及び、前記第2光学部材で反射した前記第7レーザ光は、前記第2ミラーで反射される、請求項1に記載の光源装置。
【請求項8】
光整形部材をさらに備え、
前記第2ミラーを通過した前記第1レーザ光及び前記第4レーザ光、前記第2ミラーで反射した前記第2レーザ光及び前記第3レーザ光、前記第2ミラーを通過した前記第5レーザ光及び前記第8レーザ光、及び、前記第2ミラーで反射した前記第6レーザ光及び前記第7レーザ光は、前記光整形部材を通過する、請求項7に記載の光源装置。
【請求項9】
第1ミラー及び第2ミラーをさらに備え、
前記第2光学部材を通過した前記第2レーザ光、及び、前記第2光学部材で反射した前記第3レーザ光は、前記第1ミラーで反射して前記第2ミラーを通過し、
前記第1光学部材を通過した前記第1レーザ光、及び、前記第1光学部材で反射した前記第4レーザ光は、前記第2ミラーで反射され、
前記第2光学部材を通過した前記第6レーザ光、及び、前記第2光学部材で反射した前記第7レーザ光は、前記第1ミラーで反射して前記第2ミラーを通過し、
前記第1光学部材を通過した前記第5レーザ光、及び、前記第1光学部材で反射した前記第8レーザ光は、前記第2ミラーで反射される、請求項1に記載の光源装置。
【請求項10】
光整形部材をさらに備え、
前記第2ミラーを通過した前記第2レーザ光及び前記第3レーザ光、前記第2ミラーで反射した前記第1レーザ光及び前記第4レーザ光、前記第2ミラーを通過した前記第6レーザ光及び前記第7レーザ光、及び、前記第2ミラーで反射した前記第5レーザ光及び前記第8レーザ光は、前記光整形部材を通過する、請求項9に記載の光源装置。
【請求項11】
拡散素子をさらに備え、
前記光整形部材を出射した前記第1~第8レーザ光は、前記拡散素子に入射する、請求項8に記載の光源装置。
【請求項12】
フライアイレンズをさらに備え、
前記拡散素子を出射した前記第1~第8レーザ光は、前記フライアイレンズを通過する、請求項11に記載の光源装置。
【請求項13】
前記光源部は、複数の前記第1光源と、複数の前記第3光源と、を含み、
前記複数の第1光源の1つから前記複数の第1光源の別の1つへの方向は、前記第2方向に沿い、
前記複数の第3光源の1つから前記複数の第3光源の別の1つへの方向は、前記第2方向に沿う、請求項3に記載の光源装置。
【請求項14】
前記第1光源及び前記第5光源を封止する第1封止部材と、
前記第2光源及び前記第6光源を封止する第2封止部材と、
前記第3光源及び前記第7光源を封止する第3封止部材と、
前記第4光源及び前記第8光源を封止する第4封止部材と、
をさらに備え、
前記第1封止部材、前記第2封止部材、前記第3封止部材及び前記第4封止部材は、互いに離隔している、請求項1に記載の光源装置。
【請求項15】
第1光学部材と、
第2光学部材と、
光源部と、
を備え、
前記光源部は、
第1ピーク波長を有する第1レーザ光を出射する第1光源と、
前記第1ピーク波長と異なる第2ピーク波長を有する第2レーザ光を出射する第2光源と、
前記第1ピーク波長を有する第3レーザ光を出射する第3光源と、
前記第2ピーク波長を有する第4レーザ光を出射する第4光源と、
を含み、
前記第1レーザ光は、前記第1光学部材を通過し、
前記第2レーザ光は、前記第2光学部材を通過し、
前記第3レーザ光は、前記第2光学部材で反射され、
前記第4レーザ光は、前記第1光学部材で反射される、光源装置。
【請求項16】
請求項1~14のいずれか1つに記載の光源装置と、
前記光源装置から出射する光が入射する制御素子と、
前記制御素子から出射する光を結像する結像光学部材と、
を備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタなどの表示装置に光源装置が用いられる。光源装置において、照度分布の均一化が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-003125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、スペックルの発生を抑制できる光源装置及び表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、光源装置は、第1光学部材、第2光学部材及び光源部を含む。前記光源部は、第1ピーク波長を有する第1レーザ光を出射する第1光源と、前記第1ピーク波長と異なる第2ピーク波長を有する第2レーザ光を出射する第2光源と、前記第1ピーク波長と異なり前記第2ピーク波長とも異なる第3ピーク波長を有する第3レーザ光を出射する第3光源と、前記第2ピーク波長を有する第4レーザ光を出射する第4光源と、前記第3ピーク波長を有する第5レーザ光を出射する第5光源と、前記第2ピーク波長を有する第6レーザ光を出射する第6光源と、前記第1ピーク波長を有する第7レーザ光を出射する第7光源と、前記第2ピーク波長を有する第8レーザ光を出射する第8光源と、を含む。前記第1レーザ光は、前記第1光学部材を通過する。前記第2レーザ光は、前記第2光学部材を通過する。前記第3レーザ光は、前記第2光学部材で反射される。前記第4レーザ光は、前記第1光学部材で反射される。前記第5レーザ光は、前記第1光学部材を通過する。前記第6レーザ光は、前記第2光学部材を通過する。前記第7レーザ光は、前記第2光学部材で反射される。前記第8レーザ光は、前記第1光学部材で反射される。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、スペックルの発生を抑制できる光源装置及び表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係る光源装置を例示する模式的斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係る光源装置及び表示装置を例示する模式的平面図である。
図3図3は、第1実施形態に係る光源装置及び表示装置を例示する模式的平面図である。
図4図4は、第1実施形態に係る光の状態を例示する模式図である。
図5図5は、第1実施形態に係る光の状態を例示する模式図である。
図6図6は、第1実施形態に係る光の状態を例示する模式図である。
図7図7は、第1実施形態に係る光の状態を例示する模式図である。
図8図8は、第1実施形態に係る光源装置を例示する模式的斜視図である。
図9図9は、第1実施形態に係る光源装置及び表示装置を例示する模式的平面図である。
図10図10は、第1実施形態に係る光源装置及び表示装置を例示する模式的平面図である。
図11図11は、第1実施形態に係る光源装置を例示する模式的斜視図である。
図12図12は、第1実施形態に係る光源装置及び表示装置を例示する模式的平面図である。
図13図13は、第1実施形態に係る光源装置及び表示装置を例示する模式的平面図である。
図14図14は、第1実施形態に係る光源装置を例示する模式的斜視図である。
図15図15は、第1実施形態に係る光源装置及び表示装置を例示する模式的平面図である。
図16図16は、第1実施形態に係る光源装置及び表示装置を例示する模式的平面図である。
図17図17は、第2実施形態に係る光源装置及び表示装置を例示する模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る光源装置110を例示する模式的斜視図である。
図2及び図3は、第1実施形態に係る光源装置110及び表示装置210を例示する模式的平面図である。
図1~3に示すように、実施形態に係る光源装置110は、第1光学部材21、第2光学部材22及び光源部10を含む。光源部10は、第1光源11、第2光源12、第3光源13、第4光源14、第5光源15、第6光源16、第7光源17及び第8光源18を含む。
【0010】
図2に示すように、第1光源11は、第1ピーク波長を有する第1レーザ光11Lを出射する。第2光源12は、第2ピーク波長を有する第2レーザ光12Lを出射する。第2ピーク波長は、第1ピーク波長と異なる。第3光源13は、第3ピーク波長を有する第3レーザ光13Lを出射する。第3ピーク波長は、第1ピーク波長と異なり第2ピーク波長とも異なる。第4光源14は、第2ピーク波長を有する第4レーザ光14Lを出射する。
【0011】
図3に示すように、第5光源15は、第3ピーク波長を有する第5レーザ光15Lを出射する。第6光源16は、第2ピーク波長を有する第6レーザ光16Lを出射する。第7光源17は、第1ピーク波長を有する第7レーザ光17Lを出射する。第8光源18は、第2ピーク波長を有する第8レーザ光18Lを出射する。
【0012】
図2に示すように、第1レーザ光11Lは、第1光学部材21を通過する。第2レーザ光12Lは、第2光学部材22を通過する。第3レーザ光13Lは、第2光学部材22で反射される。第4レーザ光14Lは、第1光学部材21で反射される。
【0013】
図3に示すように、第5レーザ光15Lは、第1光学部材21を通過する。第6レーザ光16Lは、第2光学部材22を通過する。第7レーザ光17Lは、第2光学部材22で反射される。第8レーザ光18Lは、第1光学部材21で反射される。
【0014】
第1光学部材21及び第2光学部材22は、例えば、ダイクロイックミラーである。
【0015】
図1に示すように、例えば、第1光源11、第2光源12、第5光源15及び第6光源16は、第1モジュール10Aに含まれる。第3光源13、第4光源14、第7光源17及び第8光源18は、第2モジュール10Bに含まれる。
【0016】
これらの2つのモジュールにおいて、波長の異なる光源の配置が、上下左右方向において反転される。このような構成により、照度分布が均一な光が得易い。実施形態によれば、スペックルの発生を抑制できる光源装置が提供される。
【0017】
レーザ光源を用いた光源装置において、スペックルが発生することがある。
例えば、図1図3に示す光源装置において、波長の異なる光源が上下左右方向において同じ向きに設けられ、それぞれの光源から波長合波部材に光線を入射させる場合、同じ波長の光が同じ波長合波部材の近傍に入射するため、波長合波部材から波長が偏った光が出射される。このため、波長合波部材から出射する光において、照射領域内で波長の偏りが生じる。照度分布が不均一となりやすく、波長ムラが大きくなりやすい。このため、光源装置から出射した光が入射する部材において、波長によって入射角度が異なり、波長ごとの角度多重度が平均化され難くなる。波長ごとの角度多重度が平均化され難くなると、スペックルコントラスト値が大きくなり、スペックルが発生する。
【0018】
波長による入射角度の差を抑制し、スペックルの発生を抑制するために、波長合波部材と表示装置との間にサブフライアレイレンズを追加する構成が考えられる。サブフライアレイレンズを追加することで波長合波部材から出射された光の照度分布が均一化される。照度分布を均一化することで、光スイッチに入射する光の波長ごとの角度多重度が平均化され、スペックルの発生を抑制することができる。しかし、サブフライアレイレンズの追加により、部品の数が増え、光学距離も長くなる。このため、光学装置が大型化する。また、サブフライアレイレンズを追加することにより、コストが上昇する。
【0019】
これに対して、実施形態に係る光源装置110においては、波長が異なる光源の配置を上下左右方向において反転させ、それぞれの光源から波長合波部材(第1光学部材21または第2光学部材22)に光線を入射させる。それぞれの光源の配置を反転させることにより、異なる波長の光が同じ波長合波部材の近傍に入射するため、波長合波部材から波長の分布がまばらな光が出射される。このため、波長合波部材から出射する光において、照射領域内の波長の分布がまばらとなり、照度分布が均一化されやすくなる。照度分布が均一化されることにより、光源装置から出射した光が入射する部材において、波長による入射角度の差が抑制され、波長ごとの角度多重度が平均化される。波長ごとの角度多重度が平均化されることにより、スペックルコントラスト値を低減でき、スペックルの発生が抑制できる。例えば、サブフライアレイレンズを追加しなくても照度分布を均一化することができ、波長ごとの角度多重度を平均化できる。サブフライアレイレンズを追加しないことで、装置の大型化やコストの上昇を抑制しながら、スペックルの発生を抑制できる光源装置が提供できる。
【0020】
1つの例において、第2ピーク波長は、第1ピーク波長よりも長い。第1ピーク波長は、第3ピーク波長よりも長い。
【0021】
例えば、第1レーザ光11Lは、緑色の光である。緑色の光におけるピーク波長は、495nm以上570nm以下である。第2レーザ光12Lは、赤色の光である。赤色の光におけるピーク波長は、605nm以上750nm以下である。第3レーザ光13Lは、青色の光である。青色の光におけるピーク波長は、420nm以上494nm以下である。第4レーザ光14Lは、赤色の光である。第5レーザ光15Lは、青色の光である。第6レーザ光16Lは、赤色の光である。第7レーザ光17Lは、緑色の光である。第8レーザ光18Lは、赤色の光である。
【0022】
図1図3に示すように、第1光源11から第2光源12への方向は、第1方向D1に沿う。第3光源13から第4光源14への方向は、第2方向D2に沿う。第2方向D2は、第1方向D1と交差する。第5光源15から第6光源16への方向は、第1方向D1に沿う。第7光源17から第8光源18への方向は、第2方向D2に沿う。
【0023】
第5光源15から第1光源11への方向は、第3方向D3に沿う。第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2を含む平面と交差する。第6光源16から第2光源12への方向は、第3方向D3に沿う。第7光源17から第3光源13への方向は、第3方向D3に沿う。第8光源18から第4光源14への方向は、第3方向D3に沿う。
【0024】
例えば、第1方向D1をX軸方向とする。X軸方向に対して垂直な1つの方向をY軸方向とする。X軸方向及びY軸方向に対して垂直な方向をZ軸方向とする。第2方向D2は、例えば、Y軸方向である。第3方向D3は、例えば、Z軸方向である。
【0025】
図2に示すように、第1レーザ光11Lは、第1光源11から第2方向D2に沿って出射される。第2レーザ光12Lは、第2光源12から第2方向D2に沿って出射される。第3レーザ光13Lは、第3光源13から第1方向D1に沿って出射される。第4レーザ光14Lは、第4光源14から第1方向D1に沿って出射される。
【0026】
図3に示すように、第5レーザ光15Lは、第5光源15から第2方向D2に沿って出射される。第6レーザ光16Lは、第6光源16から第2方向D2に沿って出射される。第7レーザ光17Lは、第7光源17から第1方向D1に沿って出射される。第8レーザ光18Lは、第8光源18から第1方向D1に沿って出射される。
【0027】
この例では、第1光源11と第3光源13との間の距離は、第1光源11と第4光源14との間の距離よりも短い。第1光源11と第3光源13との間の距離は、第2光源12と第3光源13との間の距離よりも短い。第5光源15と第7光源17との間の距離は、第6光源16と第7光源17との間の距離よりも短い。第5光源15と第7光源17との間の距離は、第5光源15と第8光源18との間の距離よりも短い。後述するように、これらの光源の位置関係は変形可能である。
【0028】
図2及び図3に示すように、光源装置110は、第1ミラー31及び第2ミラー32をさらに含んでも良い。
【0029】
図2に示すように、第1光学部材21を通過した第1レーザ光11L、及び、第1光学部材21で反射した第4レーザ光14Lは、第1ミラー31で反射して第2ミラー32を通過する。第2光学部材22を通過した第2レーザ光12L、及び、第2光学部材22で反射した第3レーザ光13Lは、第2ミラー32で反射される。
【0030】
図3に示すように、第1光学部材21を通過した第5レーザ光15L、及び、第1光学部材21で反射した第8レーザ光18Lは、第1ミラー31で反射して第2ミラー32を通過する。第2光学部材22を通過した第6レーザ光16L、及び、第2光学部材22で反射した第7レーザ光17Lは、第2ミラー32で反射される。
【0031】
第1ミラー31は、例えば、全反射ミラーである。第2ミラー32は、例えば、反射型偏光素子である。実施形態においては、波長合成が行われ、その後、偏光合成が行われる。
【0032】
図2及び図3に示すように、光源装置110は、光整形部材40をさらに含んでも良い。第2ミラー32を通過した第1レーザ光11L及び第4レーザ光14Lは、光整形部材40を通過する。第2ミラー32で反射した第2レーザ光12L及び第3レーザ光13Lは光整形部材40を通過する。第2ミラー32を通過した第5レーザ光15L及び第8レーザ光18Lは、光整形部材40を通過する。第2ミラー32で反射した第6レーザ光16L及び第7レーザ光17Lは、光整形部材40を通過する。
【0033】
例えば、光整形部材40は、第1レンズ41及び第2レンズ42を含む。1つの例において、第1レンズ41は、凹レンズ及び凸レンズの一方である。1つの例において、第2レンズ42は、凹レンズ及び凸レンズの他方である。例えば、第1レンズ41及び第2レンズ42の少なくともいずれかは、シリンドリカルレンズでも良い。
【0034】
光整形部材40により、第1~第8レーザ光11L~18Lを含む光が、整形される。光整形部材40により、第1~第8レーザ光11L~18Lを含む光の幅が、任意の方向において拡大され、光が混合される。
【0035】
図2及び図3に示すように、光源装置110は、拡散素子51をさらに含んでも良い。拡散素子51として、シリンダーレンズアレイ、マイクロレンズアレイ、または、表面にシボ加工が施されたプレートなどが使用できる。光整形部材40を出射した第1~第8レーザ光11L~18Lは、拡散素子51に入射する。拡散素子51により、第1~第8レーザ光11L~18Lを含む光の出射角度が制御される。
【0036】
図2及び図3に示すように、光源装置110は、フライアイレンズ52をさらに含んでも良い。拡散素子51を出射した第1~第8レーザ光11L~18Lは、フライアイレンズ52を通過する。フライアイレンズ52により、第1~第8レーザ光11L~18Lを含む光が、更に略均一な光に整形される。
【0037】
図2及び図3に示すように、フライアイレンズ52を出射した光は、制御素子81に入射する。制御素子81は、例えば、複数の光スイッチを含む。制御素子81は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)に基づく素子を含んでも良い。制御素子81により、表示したい画像を形成するための光が得られる。
【0038】
図2及び図3に示すように、結像光学部材82が設けられても良い。結像光学部材82は、制御素子81から出射する光を結像する。結像光学部材82は、例えば、投影レンズなどを含む。
【0039】
図4図7は、第1実施形態に係る光の状態を例示する模式図である。
これらの図は、光の進行方向に対して垂直な平面における光の状態を模式的に示している。
【0040】
図4は、第1光学部材21及び第2光学部材22を通過または反射した後で、第1ミラー31及び第2ミラー32に入射する前におけるレーザ光の状態を例示している。第1レーザ光11L及び第4レーザ光14Lが互いに重なる。第2レーザ光12L及び第3レーザ光13Lが互いに重なる。第5レーザ光15L及び第8レーザ光18Lが互いに重なる。第6レーザ光16L及び第7レーザ光17Lが互いに重なる。例えば、図4に示されるレーザ光の状態において、波長が異なる光源を上下左右方向において反転させて配置しているため、右上のレーザ光において、緑色のレーザ光と赤色のレーザ光とが互いに重なっている。左上のレーザ光において、青色のレーザ光と赤色のレーザ光とが互いに重なっている。右下のレーザ光において、青色のレーザ光と赤色のレーザ光とが互いに重なっている。左下のレーザ光において、緑色のレーザ光と赤色のレーザ光とが互いに重なっている。これに対し、波長の異なる光源が上下左右方向において同じ向きに配置されている場合、右上のレーザ光において、緑色のレーザ光と緑色のレーザ光とが互いに重なる。左上のレーザ光において、赤色のレーザ光と赤色のレーザ光とが互いに重なる。右下のレーザ光において、青色のレーザ光と青色のレーザ光とが互いに重なる。左下のレーザ光において、赤色のレーザ光と赤色のレーザ光とが互いに重なる。波長が異なる光源を上下左右方向において反転させて配置することで、波長の分布が偏らない。
【0041】
図5は、第2ミラー32を出射した光の状態を例示している。第1~第4レーザ光11L~14Lが、互いに重なる。第5~第8レーザ光15L~18Lが、互いに重なる。例えば、図5に示されるレーザ光の状態において、波長が異なる光源を上下左右方向において反転させて配置しているため、上のレーザ光、及び、下のレーザ光の両方で、緑色と赤色と青色とのレーザ光が重なっている。これに対し、波長の異なる光源が上下左右方向において同じ向きに配置されている場合、上のレーザ光において緑色と赤色のレーザ光が重なり、下のレーザ光において青色と赤色のレーザ光が重なる。実施形態においては、図5に示されるレーザ光の状態においても、波長が異なる光源を上下左右方向において反転させて配置することで、波長の分布が偏らない。
【0042】
図6及び図7は、光整形部材40を出射した光の状態を例示している。例えば、第1~第8レーザ光11L~18Lを含む光の照射領域10Rは、略長方形(正方形を含む)の形状を有する。
【0043】
1つの例において、光整形部材40を出射した光は、実質的に白色である。光整形部材40を出射した光は、白色とは異なる色でも良い。均一な照度の照射領域10Rが得られる。
【0044】
図1図3に示すように、光源部10は、第1封止部材11M、第2封止部材12M、第3封止部材13M及び第4封止部材14Mを含んでも良い。第1封止部材11Mは、第1光源11及び第5光源15を封止する。第2封止部材12Mは、第2光源12及び第6光源16を封止する。第3封止部材13Mは、第3光源13及び第7光源17を封止する。第4封止部材14Mは、第4光源14及び第8光源18を封止する。第1封止部材11M、第2封止部材12M、第3封止部材13M及び第4封止部材14Mは、互いに離隔している。
【0045】
第1封止部材11M、第2封止部材12M、第3封止部材13M及び第4封止部材14Mが互いに離隔していることが好ましい。第1封止部材11M及び第2封止部材12Mは、互いに接触していてもよい。第1封止部材11M及び第2封止部材12Mは一体で形成されていてもよい。第3封止部材13M及び第4封止部材14Mは互いに接触していてもよい。第3封止部材13M及び第4封止部材14Mは、一体で形成されていてもよい。
【0046】
図1に示すように、光源部10は、第1~第8光源11~18に加えて、1または複数の別の光源10xを含んでも良い。別の光源10xは、レーザ光を出射する。別の光源10xから出射されたレーザ光が、第1光学部材21または第2光学部材22を通過または反射して、第1ミラー31または第2ミラー32に入射しても良い。別の光源10xから出射されたレーザ光のピーク波長は任意である。別の光源10xを設けることにより、より高い光束が得られる。さらに、上下左右反転した位置に同じ波長の光源10xが設けられる場合、均一な照度分布を維持しながら、より高い光束が得られる。図4図6において、別の光源10xから出射したレーザ光については、省略されている。
【0047】
図8は、第1実施形態に係る光源装置110aを例示する模式的斜視図である。
図8に示すように、実施形態に係る光源装置110aにおいて、光源部10は、複数の第1光源11と、複数の第3光源13と、を含んでも良い。複数の第1光源11の1つから複数の第1光源11の別の1つへの方向は、第3方向D3に沿う。複数の第3光源13の1つから複数の第3光源13の別の1つへの方向は、第3方向D3に沿う。
【0048】
図8に示すように、光源部10は、複数の第5光源15と、複数の第7光源17と、を含んでも良い。複数の第5光源15の1つから複数の第5光源15の別の1つへの方向は、第3方向D3に沿う。複数の第7光源17の1つから複数の第7光源17の別の1つへの方向は、第3方向D3に沿う。上記を除く光源装置110aの構成は、光源装置110の構成と同様で良い。光源装置110aにおいても、スペックルの発生を抑制できる光源装置が提供できる。
【0049】
図9及び図10は、第1実施形態に係る光源装置111及び表示装置210を例示する模式的平面図である。
図9に示すように、実施形態に係る光源装置111において、第1光源11から出射する第1レーザ光11Lは、S偏光10Sである。S偏光10Sの第1レーザ光11Lが第1光学部材21に入射する。第2光源12から出射する第2レーザ光12Lは、P偏光10Pである。P偏光10Pの第2レーザ光12Lが第2光学部材22に入射する。
【0050】
P偏光10Pにおいて電界の振動方向は、第3方向D3に沿う。S偏光10Sにおいて電界の振動方向は、光の進行方向に対して垂直であり、P偏光10Pにおける電界の振動方向と交差(例えば直交)する。
【0051】
図9に示すように、位相素子61が設けられて良い。位相素子61は、例えば、λ/2板である。例えば、第3光源13から出射する第3レーザ光13Lは、S偏光10Sである。S偏光10Sの第3レーザ光13Lが位相素子61を通過して、P偏光10Pに変換される。P偏光10Pに変換された第3レーザ光13Lが第2光学部材22に入射する。例えば、第4光源14から出射する第4レーザ光14Lは、P偏光10Pである。P偏光10Pの第4レーザ光14Lが位相素子61を通過して、S偏光10Sに変換される。S偏光10Sに変換された第4レーザ光14Lが第1光学部材21に入射する。
【0052】
図10に示すように、第5光源15から出射する第5レーザ光15Lは、S偏光10Sである。S偏光10Sの第5レーザ光15Lが第1光学部材21に入射する。第6光源16から出射する第6レーザ光16Lは、P偏光10Pである。P偏光10Pの第6レーザ光16Lが第2光学部材22に入射する。
【0053】
図10に示すように、例えば、第7光源17から出射する第7レーザ光17Lは、S偏光10Sである。S偏光10Sの第7レーザ光17Lが位相素子61を通過して、P偏光10Pに変換される。P偏光10Pに変換された第7レーザ光17Lが第2光学部材22に入射する。例えば、第8光源18から出射する第8レーザ光18Lは、P偏光10Pである。P偏光10Pの第8レーザ光18Lが位相素子61を通過して、S偏光10Sに変換される。S偏光10Sに変換された第8レーザ光18Lが第1光学部材21に入射する。
【0054】
異なる偏光を出射する光源を用いた場合に位相素子61を設けることで、偏光を揃えることができ、偏光合波が行われる。
【0055】
図11は、第1実施形態に係る光源装置120を例示する模式的斜視図である。
図12及び図13は、第1実施形態に係る光源装置120及び表示装置210を例示する模式的平面図である。 図12及び図13は、平面図である。
図11図13に示すように、実施形態に係る光源装置120は、第1光学部材21、第2光学部材22及び光源部10を含む。光源部10は、第1光源11、第2光源12、第3光源13、第4光源14、第5光源15、第6光源16、第7光源17及び第8光源18を含む。光源装置120においては、波長の異なる光源の位置が光源装置110におけるそれとは異なる。これを除く光源装置120の構成は、光源装置110の構成と同様で良い。
【0056】
図12に示すように、光源装置120においては、第2光源12と第4光源14との間の距離は、第2光源12と第3光源13との間の距離よりも短い。第2光源12と第4光源14との間の距離は、第1光源11と第4光源14との間の距離よりも短い。
【0057】
図13に示すように、光源装置120においては、第6光源16と第8光源18との間の距離は、第6光源16と第7光源17との間の距離よりも短い。第6光源16と第8光源18との間の距離は、第5光源15と第8光源18との間の距離よりも短い。
【0058】
図12に示すように、第2光学部材22を通過した第2レーザ光12L、及び、第2光学部材22で反射した第3レーザ光13Lは、第1ミラー31で反射して第2ミラー32を通過する。第1光学部材21を通過した第1レーザ光11L、及び、第1光学部材21で反射した第4レーザ光14Lは、第2ミラー32で反射される。
【0059】
図13に示すように、第2光学部材22を通過した第6レーザ光16L、及び、第2光学部材22で反射した第7レーザ光17Lは、第1ミラー31で反射して第2ミラー32を通過する。第1光学部材21を通過した第5レーザ光15L、及び、第1光学部材21で反射した第8レーザ光18Lは、第2ミラー32で反射される。
【0060】
図12に示すように、第2ミラー32を通過した第2レーザ光12L及び第3レーザ光13Lは、光整形部材40を通過する。第2ミラー32で反射した第1レーザ光11L及び第4レーザ光14Lは、光整形部材40を通過する。
【0061】
図13に示すように、第2ミラー32を通過した第6レーザ光16L及び第7レーザ光17Lは、光整形部材40を通過する。第2ミラー32で反射した第5レーザ光15L及び第8レーザ光18Lは、光整形部材40を通過する。
【0062】
光源装置120においても、波長ごとの角度多重度が平均化でき、スペックルの発生を抑制できる光源装置が提供できる。
【0063】
図14は、第1実施形態に係る光源装置120aを例示する模式的斜視図である。
図14に示すように、実施形態に係る光源装置120aにおいて、光源部10は、複数の第1光源11と、複数の第3光源13と、を含んでも良い。複数の第1光源11の1つから複数の第1光源11の別の1つへの方向は、第3方向D3に沿う。複数の第3光源13の1つから複数の第3光源13の別の1つへの方向は、第3方向D3に沿う。
【0064】
図14に示すように、光源部10は、複数の第5光源15と、複数の第7光源17と、を含んでも良い。複数の第5光源15の1つから複数の第5光源15の別の1つへの方向は、第3方向D3に沿う。複数の第7光源17の1つから複数の第7光源17の別の1つへの方向は、第3方向D3に沿う。上記を除く光源装置120aの構成は、光源装置120の構成と同様で良い。光源装置120aにおいても、波長ごとの角度多重度が平均化でき、スペックルの発生を抑制できる光源装置が提供できる。
【0065】
光源装置110a及び120aにおいて、複数の第2光源12、複数の第4光源14、複数の第6光源16、及び、複数の第8光源18が設けられても良い。複数の第2光源12の1つから複数の第2光源12の別の1つへの方向は、第3方向D3に沿う。複数の第4光源14の1つから複数の第4光源14の別の1つへの方向は、第3方向D3に沿う。複数の第6光源16の1つから複数の第6光源16の別の1つへの方向は、第3方向D3に沿う。複数の第8光源18の1つから複数の第8光源18の別の1つへの方向は、第3方向D3に沿う。
【0066】
図15及び図16は、第1実施形態に係る光源装置121及び表示装置210を例示する模式的平面図である。
図15に示すように、例えば、実施形態に係る光源装置121において、S偏光10Sの第1レーザ光11Lが第1光学部材21に入射する。P偏光10Pの第2レーザ光12Lが第2光学部材22に入射する。
【0067】
図15に示すように、位相素子61(例えば、λ/2板)が設けられて良い。例えば、第3光源13から出射する第3レーザ光13Lは、S偏光10Sである。位相素子61を通過してP偏光10Pに変換され第3レーザ光13Lが第2光学部材22に入射する。例えば、第4光源14から出射する第4レーザ光14Lは、P偏光10Pである。位相素子61を通過してS偏光10Sに変換された第4レーザ光14Lが第1光学部材21に入射する。
【0068】
図16に示すように、例えば、S偏光10Sの第5レーザ光15Lが第1光学部材21に入射する。P偏光10Pの第6レーザ光16Lが第2光学部材22に入射する。
【0069】
図16に示すように、例えば、第7光源17から出射する第7レーザ光17Lは、S偏光10Sである。位相素子61を通過してP偏光10Pに変換された第7レーザ光17Lが第2光学部材22に入射する。例えば、第8光源18から出射する第8レーザ光18Lは、P偏光10Pである。位相素子61を通過してS偏光10Sに変換された第8レーザ光18Lが第1光学部材21に入射する。
【0070】
実施形態において、照射領域10R内における、最高輝度の値を100%とする。照射領域10Rにおいて、輝度の値が最高輝度の値の10%以下である部分を除いた領域を16等分割する。16等分割された領域のそれぞれの平均輝度値に関して最も平均輝度値が低い領域における平均輝度値を第1値とする。最も平均輝度値が高い領域における平均輝度値を第2値とする。第1値の第2値に対する比を第1比とする。第1比が高い場合に、照度分布の均一性が高い。実施形態において、照度分布が均一である状態の1つの例において、第1比は50%以上である。照度分布が均一である状態の別の例において、第1比は、65%以上である。照度分布が均一である状態の別の例において、80%以上である。第1比が過度に低いと、スペックルの発生の抑制が不十分の場合がある。
【0071】
(第2実施形態)
図17は、第2実施形態に係る光源装置140及び表示装置210を例示する模式的平面図である。
図17に示すように、実施形態に係る光源装置140は、第1光学部材21、第2光学部材22及び光源部10を含む。光源部10は、第1光源11、第2光源12、第3光源13及び第4光源14を含む。第1光源11は、第1ピーク波長を有する第1レーザ光11Lを出射する。第2光源12は、第2レーザ光12Lを出射する。第2レーザ光12Lは、第1ピーク波長と異なる第2ピーク波長を有する。第3光源13は、第1ピーク波長を有する第3レーザ光13Lを出射する。第4光源14は、第2ピーク波長を有する第4レーザ光14Lを出射する。
【0072】
第1レーザ光11Lは、第1光学部材21を通過する。第2レーザ光12Lは、第2光学部材22を通過する。第3レーザ光13Lは、第2光学部材22で反射される。第4レーザ光14Lは、第1光学部材21で反射される。
【0073】
光源装置140において、波長の異なる光源の配置が反転される。このような構成により、均一な光が得易い。実施形態によれば、スペックルの発生を抑制できる光源装置が提供される。
【0074】
光源装置140において、第1光学部材21を通過した第1レーザ光11Lは、第1ミラー31で反射して、第2ミラー32を通過する。第1光学部材21で反射した第4レーザ光14Lは、第1ミラー31で反射して、第2ミラー32を通過する。第2光学部材22を通過した第2レーザ光12Lは、第2ミラー32で反射される。第2光学部材22で反射した第3レーザ光13Lは、第2ミラー32で反射される。これらのレーザ光が、光整形部材40を通過し、さらに拡散素子51に入射する。
【0075】
(第3実施形態)
第3実施形態は、表示装置に係る。
例えば、実施形態に係る表示装置210(例えば、図2及び図3などを参照)は、第1実施形態または第2実施形態に係る光源装置(図2及び図3に示す例では、光源装置110)と、制御素子81と、を含む。既に説明したように、光源装置110から出射する光が、制御素子81に入射する。表示装置210は、結像光学部材82を含んでも良い。結像光学部材82は、制御素子81から出射する光を結像する。表示装置210は、例えば、プロジェクタである。表示装置210は、第1実施形態または第2実施形態に係る光源装置を含むため、スペックルの発生が抑制された表示が可能な表示装置を提供できる。
【0076】
実施形態は、以下の項を含んで良い。
(項1)
第1光学部材と、
第2光学部材と、
光源部と、
を備え、
前記光源部は、
第1ピーク波長を有する第1レーザ光を出射する第1光源と、
前記第1ピーク波長と異なる第2ピーク波長を有する第2レーザ光を出射する第2光源と、
前記第1ピーク波長と異なり前記第2ピーク波長とも異なる第3ピーク波長を有する第3レーザ光を出射する第3光源と、
前記第2ピーク波長を有する第4レーザ光を出射する第4光源と、
前記第3ピーク波長を有する第5レーザ光を出射する第5光源と、
前記第2ピーク波長を有する第6レーザ光を出射する第6光源と、
前記第1ピーク波長を有する第7レーザ光を出射する第7光源と、
前記第2ピーク波長を有する第8レーザ光を出射する第8光源と、
を含み、
前記第1レーザ光は、前記第1光学部材を通過し、
前記第2レーザ光は、前記第2光学部材を通過し、
前記第3レーザ光は、前記第2光学部材で反射され、
前記第4レーザ光は、前記第1光学部材で反射され、
前記第5レーザ光は、前記第1光学部材を通過し、
前記第6レーザ光は、前記第2光学部材を通過し、
前記第7レーザ光は、前記第2光学部材で反射され、
前記第8レーザ光は、前記第1光学部材で反射される、光源装置。
【0077】
(項2)
前記第2ピーク波長は、前記第1ピーク波長よりも長く、
前記第1ピーク波長は、前記第3ピーク波長よりも長い、項1に記載の光源装置。
【0078】
(項3)
前記第1光源から前記第2光源への方向は、第1方向に沿い、
前記第3光源から前記第4光源への方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿い、
前記第5光源から前記第6光源への方向は、前記第1方向に沿い、
前記第7光源から前記第8光源への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第5光源から前記第1光源への方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する第3方向に沿い、
前記第6光源から前記第2光源への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第7光源から前記第3光源への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第8光源から前記第4光源への方向は、前記第3方向に沿う、項1または2に記載の光源装置。
【0079】
(項4)
前記第1レーザ光は、前記第1光源から前記第2方向に沿って出射され、
前記第2レーザ光は、前記第2光源から前記第2方向に沿って出射され、
前記第3レーザ光は、前記第3光源から前記第1方向に沿って出射され、
前記第4レーザ光は、前記第4光源から前記第1方向に沿って出射され、
前記第5レーザ光は、前記第5光源から前記第2方向に沿って出射され、
前記第6レーザ光は、前記第6光源から前記第2方向に沿って出射され、
前記第7レーザ光は、前記第7光源から前記第1方向に沿って出射され、
前記第8レーザ光は、前記第8光源から前記第1方向に沿って出射される、項3に記載の光源装置。
【0080】
(項5)
前記第1光源と前記第3光源との間の距離は、前記第1光源と前記第4光源との間の距離よりも短く、前記第2光源と前記第3光源との間の距離よりも短い、項1~4のいずれか1つに記載の光源装置。
【0081】
(項6)
前記第2光源と前記第4光源との間の距離は、前記第2光源と前記第3光源との間の距離よりも短く、前記第1光源と前記第4光源との間の距離よりも短い、項1~4のいずれか1つに記載の光源装置。
【0082】
(項7)
第1ミラー及び第2ミラーをさらに備え、
前記第1光学部材を通過した前記第1レーザ光、及び、前記第1光学部材で反射した前記第4レーザ光は、前記第1ミラーで反射して前記第2ミラーを通過し、
前記第2光学部材を通過した前記第2レーザ光、及び、前記第2光学部材で反射した前記第3レーザ光は、前記第2ミラーで反射され、
前記第1光学部材を通過した前記第5レーザ光、及び、前記第1光学部材で反射した前記第8レーザ光は、前記第1ミラーで反射して前記第2ミラーを通過し、
前記第2光学部材を通過した前記第6レーザ光、及び、前記第2光学部材で反射した前記第7レーザ光は、前記第2ミラーで反射される、項1~6のいずれか1つに記載の光源装置。
【0083】
(項8)
光整形部材をさらに備え、
前記第2ミラーを通過した前記第1レーザ光及び前記第4レーザ光、前記第2ミラーで反射した前記第2レーザ光及び前記第3レーザ光、前記第2ミラーを通過した前記第5レーザ光及び前記第8レーザ光、及び、前記第2ミラーで反射した前記第6レーザ光及び前記第7レーザ光は、前記光整形部材を通過する、項7に記載の光源装置。
【0084】
(項9)
第1ミラー及び第2ミラーをさらに備え、
前記第2光学部材を通過した前記第2レーザ光、及び、前記第2光学部材で反射した前記第3レーザ光は、前記第1ミラーで反射して前記第2ミラーを通過し、
前記第1光学部材を通過した前記第1レーザ光、及び、前記第1光学部材で反射した前記第4レーザ光は、前記第2ミラーで反射され、
前記第2光学部材を通過した前記第6レーザ光、及び、前記第2光学部材で反射した前記第7レーザ光は、前記第1ミラーで反射して前記第2ミラーを通過し、
前記第1光学部材を通過した前記第5レーザ光、及び、前記第1光学部材で反射した前記第8レーザ光は、前記第2ミラーで反射される、項1~6のいずれか1つに記載の光源装置。
【0085】
(項10)
光整形部材をさらに備え、
前記第2ミラーを通過した前記第2レーザ光及び前記第3レーザ光、前記第2ミラーで反射した前記第1レーザ光及び前記第4レーザ光、前記第2ミラーを通過した前記第6レーザ光及び前記第7レーザ光、及び、前記第2ミラーで反射した前記第5レーザ光及び前記第8レーザ光は、前記光整形部材を通過する、項9に記載の光源装置。
【0086】
(項11)
拡散素子をさらに備え、
前記光整形部材を出射した前記第1~第8レーザ光は、前記拡散素子に入射する、項8または10に記載の光源装置。
【0087】
(項12)
フライアイレンズをさらに備え、
前記拡散素子を出射した前記第1~第8レーザ光は、前記フライアイレンズを通過する、項11に記載の光源装置。
【0088】
(項13)
前記光源部は、複数の前記第1光源と、複数の前記第3光源と、を含み、
前記複数の第1光源の1つから前記複数の第1光源の別の1つへの方向は、前記第2方向に沿い、
前記複数の第3光源の1つから前記複数の第3光源の別の1つへの方向は、前記第2方向に沿う、項3または4に記載の光源装置。
【0089】
(項14)
前記第1光源及び前記第5光源を封止する第1封止部材と、
前記第2光源及び前記第6光源を封止する第2封止部材と、
前記第3光源及び前記第7光源を封止する第3封止部材と、
前記第4光源及び前記第8光源を封止する第4封止部材と、
をさらに備え、
前記第1封止部材、前記第2封止部材、前記第3封止部材及び前記第4封止部材は、互いに離隔している、項1~13のいずれか1つに記載の光源装置。
【0090】
(項15)
第1光学部材と、
第2光学部材と、
光源部と、
を備え、
前記光源部は、
第1ピーク波長を有する第1レーザ光を出射する第1光源と、
前記第1ピーク波長と異なる第2ピーク波長を有する第2レーザ光を出射する第2光源と、
前記第1ピーク波長を有する第3レーザ光を出射する第3光源と、
前記第2ピーク波長を有する第4レーザ光を出射する第4光源と、
を含み、
前記第1レーザ光は、前記第1光学部材を通過し、
前記第2レーザ光は、前記第2光学部材を通過し、
前記第3レーザ光は、前記第2光学部材で反射され、
前記第4レーザ光は、前記第1光学部材で反射される、光源装置。
【0091】
(項16)
項1~14のいずれか1つに記載の光源装置と、
前記光源装置から出射する光が入射する制御素子と、
前記制御素子から出射する光を結像する結像光学部材と、
を備える表示装置。
【0092】
実施形態によれば、スペックルの発生を抑制できる光源装置及び表示装置を提供できる。
【0093】
なお、本願明細書において、「垂直」は、厳密な垂直だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直な場合を含む。
【0094】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、光源装置に含まれる光源、波長合波部材、素子及びミラーなどのそれぞれの具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0095】
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0096】
その他、本発明の実施の形態として上述した光源装置及び表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての光源装置及び表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0097】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと解される。
【符号の説明】
【0098】
10…光源部、 10A、10B…第1、第2モジュール、 10P…P偏光、 10S…S偏光、 10x…光源、 11~18…第1~第8光源、 11L~18L…第1~第8レーザ光、 11M~14M…第1~第4封止部材、 21、22…第1、第2光学部材、 31、32…第1、第2ミラー、 40…光整形部材、 41、42…第1、第2レンズ、 51…拡散素子、 52…フライアイレンズ、 61…位相素子、 81…制御素子、 82…結像光学部材、 110、110a、111、120、120a、121、140…光源装置、 210…表示装置、 D1~D3…第1~第3方向
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