(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016789
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】イメージセンシング装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20230126BHJP
H04N 25/76 20230101ALI20230126BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H04N5/374
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117032
(22)【出願日】2022-07-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0096598
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 憲
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
【Fターム(参考)】
4M118AA02
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA14
4M118CA03
4M118CA22
4M118CB20
4M118DD04
4M118DD09
4M118EA14
4M118FA06
4M118FA33
4M118FA38
4M118HA33
5C024CX41
5C024CX43
5C024GX02
5C024GX07
5C024GX18
5C024HX40
5C024HX50
(57)【要約】
【課題】画素サイズが減少してもダイナミックレンジを確保する。
【解決手段】イメージセンシング装置は、入射光を光電荷に変換する光電変換領域212および光電荷を貯蔵するフローティングディフュージョン(FD)領域214を含む第1基板層210と、第1基板層210の上部に位置し、FD領域214の少なくとも一部とオーバーラップするスイッチトランジスタ(ST)ゲート224を含む第1配線層220と、第1配線層220の上部に位置する第2基板層230と、第2基板層230の上部に位置する第2配線層240と、STゲート224によってFD領域214と電気的に接続するキャパシタ250とを含み、キャパシタ250は、第1配線層220、第2基板層230および第2配線層240にかけて配置される第1電極および第2電極を含み、第1電極と第2電極との間に第1配線層220、第2基板層230および第2配線層240の一部が配置される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を光電荷に変換する光電変換領域および前記光電荷を貯蔵するフローティングディフュージョン領域を含む第1基板層と、
前記第1基板層の上部に位置し、前記フローティングディフュージョン領域の少なくとも一部とオーバーラップするスイッチトランジスタゲートを含む第1配線層と、
前記第1配線層の上部に位置する第2基板層と、
前記第2基板層の上部に位置する第2配線層と、
前記スイッチトランジスタゲートによって前記フローティングディフュージョン領域と電気的に接続するキャパシタとを含み、
前記キャパシタは、前記第1配線層、前記第2基板層および前記第2配線層にかけて配置される第1電極および第2電極を含み、前記第1電極と前記第2電極との間に、前記第1配線層、前記第2基板層および前記第2配線層の一部が配置される、イメージセンシング装置。
【請求項2】
前記第1電極は、前記第1配線層、前記第2基板層および前記第2配線層にかけて配置される第1貫通電極と、
前記第2配線層に位置し、前記第1貫通電極を連結する連結電極とを含む、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項3】
前記第2電極は、前記第1配線層、前記第2基板層および前記第2配線層にかけて配置される第2貫通電極と、
前記第1配線層に位置し、前記第2貫通電極を連結するグラウンドコンタンクト部とを含む、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項4】
前記グラウンドコンタンクト部は、接地電圧に接続する、請求項3に記載のイメージセンシング装置。
【請求項5】
前記連結電極は、前記第1貫通電極と垂直に配置される、請求項2に記載のイメージセンシング装置。
【請求項6】
前記第1基板層は、前記スイッチトランジスタゲートと少なくとも一部がオーバーラップするコンタンクト領域を含み、
前記第1貫通電極は、コンタンクト領域に接する、請求項2に記載のイメージセンシング装置。
【請求項7】
前記コンタンクト領域は、前記フローティングディフュージョン領域より高い濃度の不純物でドープされる、請求項6に記載のイメージセンシング装置。
【請求項8】
前記第2配線層は、前記光電変換領域の少なくとも一部とオーバーラップする駆動トランジスタゲートを含み、
前記フローティングディフュージョン領域は、貫通配線によって前記駆動トランジスタのゲートと接続し、
前記貫通配線は、前記第2配線層、前記第2基板層および前記第1配線層にかけて配置される、請求項1に記載のイメージセンシング装置。
【請求項9】
前記貫通配線、前記第1電極および前記第2電極は、銅およびタングステンのうち少なくとも一つを含む、請求項8に記載のイメージセンシング装置。
【請求項10】
入射光に対応する光電変換領域および前記光電荷を貯蔵するフローティングディフュージョン領域を含む第1基板層と、
前記光電変換領域の少なくとも一部とオーバーラップする転送トランジスタゲートおよび前記フローティングディフュージョン領域の少なくとも一部とオーバーラップするスイッチトランジスタゲートを含み、前記第1基板層の上部に位置する第1配線層と、
駆動トランジスタの第1端子領域および前記駆動トランジスタの第2端子領域を含み、前記第1配線層の上部に位置する第2基板層と、
前記フローティングディフュージョン領域と貫通配線を通じて接続する駆動トランジスタのゲートを含み、前記第2基板層の上部に位置する第2配線層と、
前記第1配線層、前記第2基板層および前記第2配線層にかけて配置されるキャパシタとを含み、
前記キャパシタは、前記スイッチトランジスタゲートによって前記フローティングディフュージョン領域と電気的に接続する、イメージセンシング装置。
【請求項11】
前記キャパシタは、第1電極および第2電極を含み、
前記第1電極は、前記第1配線層、前記第2基板層および前記第2配線層にかけて配置される第1貫通電極および前記第2配線層に位置する連結電極を含み、
前記第2電極は、前記第1配線層、前記第2基板層および前記第2配線層にかけて配置される第2貫通電極および前記第1配線層に位置するグラウンドコンタンクト部を含む、請求項10に記載のイメージセンシング装置。
【請求項12】
前記キャパシタは、前記第1電極と前記第2電極との間に位置する誘電領域をさらに含み、
前記誘電領域は、前記第1配線層、前記第2基板層および前記第2配線層の一部を含む、請求項11に記載のイメージセンシング装置。
【請求項13】
前記グラウンドコンタンクト部は、接地電圧に接続する、請求項11に記載のイメージセンシング装置。
【請求項14】
前記第1電極は、前記スイッチトランジスタゲートによって前記フローティングディフュージョン領域と電気的に接続する、請求項11に記載のイメージセンシング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンシング装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
イメージセンシング装置は、光に反応する光感知半導体物質の性質を用いて、光学イメージをキャプチャ(capture)する装置である。自動車、医療、コンピュータおよび通信などの産業の発展に伴い、スマートフォン、デジタルカメラ、ゲーム機器、モノのインターネット(Internet of Things)、ロボット、警備用カメラ、医療用マイクロカメラなどの様々な分野において、高性能(high‐performance)イメージセンシング装置に対する需要が増加している。
【0003】
イメージセンシング装置は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンシング装置と、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンシング装置とに大別することができる。CCDイメージセンシング装置は、CMOSイメージセンシング装置に比べてより良好なイメージ品質を提供するものの、より大きいサイズに具現され、より多い電力を消費する傾向がある。一方、CMOSイメージセンシング装置は、CCDイメージセンシング装置に比べてより小さいサイズに具現可能であり、より少ない電力を消費する。また、CMOSイメージセンシング装置は、CMOS製造技術を用いて製造されることから、光感知素子および信号処理回路を単一チップに統合することができ、これにより、低コストで小型のイメージセンシング装置を生産することができる。かかる理由から、CMOSイメージセンシング装置は、モバイル装置をはじめ様々なアプリケーションのために開発されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、画素サイズが減少し、且つダイナミックレンジが確保されるイメージセンシング装置を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によるイメージセンシング装置は、入射光を光電荷に変換する光電変換領域および前記光電荷を貯蔵するフローティングディフュージョン領域を含む第1基板層と、前記第1基板層の上部に位置し、前記フローティングディフュージョン領域の少なくとも一部とオーバーラップするスイッチトランジスタゲートを含む第1配線層と、前記第1配線層の上部に位置する第2基板層と、前記第2基板層の上部に位置する第2配線層と、前記スイッチトランジスタゲートによって前記フローティングディフュージョン領域と電気的に接続するキャパシタとを含み、前記キャパシタは、前記第1配線層、前記第2基板層および前記第2配線層にかけて配置される第1電極および第2電極を含み、前記第1電極と前記第2電極との間に、前記第1配線層、前記第2基板層および前記第2配線層の一部が配置されることができる。
【0006】
また、一実施形態によると、前記第1電極は、前記第1配線層、前記第2基板層および前記第2配線層にかけて配置される第1貫通電極と、前記第2配線層に位置し、前記第1貫通電極を連結する連結電極とを含むことができる。
【0007】
また、一実施形態によると、前記第2電極は、前記第1配線層、前記第2基板層および前記第2配線層にかけて配置される第2貫通電極と、前記第1配線層に位置し、前記第2貫通電極を連結するグラウンドコンタンクト部とを含むことができる。
【0008】
また、一実施形態によると、前記グラウンドコンタンクト部は、接地電圧に接続することができる。
【0009】
また、一実施形態によると、前記連結電極は、前記第1貫通電極と垂直に配置されることができる。
【0010】
また、一実施形態によると、前記第1基板層は、前記スイッチトランジスタゲートと少なくとも一部がオーバーラップするコンタンクト領域を含み、前記第1貫通電極は、コンタンクト領域に接することができる。
【0011】
また、一実施形態によると、前記コンタンクト領域は、前記フローティングディフュージョン領域より高い濃度の不純物でドープされることができる。
【0012】
また、一実施形態によると、前記第2配線層は、前記光電変換領域の少なくとも一部とオーバーラップする駆動トランジスタゲートを含み、前記フローティングディフュージョン領域は、貫通配線によって前記駆動トランジスタのゲートと接続し、前記貫通配線は、前記第2配線層、前記第2基板層および前記第1配線層にかけて配置されることができる。
【0013】
また、一実施形態によると、前記貫通配線、前記第1電極および前記第2電極は、銅およびタングステンのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0014】
本発明の他の実施形態によると、イメージセンシング装置は、入射光に対応する光電変換領域および前記光電荷を貯蔵するフローティングディフュージョン領域を含む第1基板層と、前記光電変換領域の少なくとも一部とオーバーラップする転送トランジスタゲートおよび前記フローティングディフュージョン領域の少なくとも一部とオーバーラップするスイッチトランジスタゲートを含み、前記第1基板層の上部に位置する第1配線層と、駆動トランジスタの第1端子領域および前記駆動トランジスタの第2端子領域を含み、前記第1配線層の上部に位置する第2基板層と、前記フローティングディフュージョン領域と貫通配線を通じて接続する駆動トランジスタのゲートを含み、前記第2基板層の上部に位置する第2配線層と、前記第1配線層、前記第2基板層および前記第2配線層にかけて配置されるキャパシタとを含み、前記キャパシタは、前記スイッチトランジスタゲートによって前記フローティングディフュージョン領域と電気的に接続することができる。
【0015】
また、他の実施形態によると、前記キャパシタは、第1電極および第2電極を含み、前記第1電極は、前記第1配線層、前記第2基板層および前記第2配線層にかけて配置される第1貫通電極および前記第2配線層に位置する連結電極を含み、前記第2電極は、前記第1配線層、前記第2基板層および前記第2配線層にかけて配置される第2貫通電極および前記第1配線層に位置するグラウンドコンタンクト部を含むことができる。
【0016】
また、他の実施形態によると、前記キャパシタは、前記第1電極と前記第2電極との間に位置する誘電領域をさらに含み、前記誘電領域は、前記第1配線層、前記第2基板層および前記第2配線層の一部を含むことができる。
【0017】
また、他の実施形態によると、前記グラウンドコンタンクト部は、接地電圧に接続することができる。
【0018】
また、他の実施形態によると、前記第1電極は、前記スイッチトランジスタゲートによって前記フローティングディフュージョン領域と電気的に接続することができる。
【発明の効果】
【0019】
様々な実施形態によると、小型化を図るとともに、ハイダイナミックレンジを確保するイメージセンシング装置を提供することができる。
【0020】
その他、本文書により、直接または間接に把握される様々な効果を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態によるイメージセンシング装置を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態による単位ピクセルのレイアウトを例示的に図示した図である。
【
図3a】本発明の一実施形態による単位ピクセルに含まれる構成のうち同一基板層または同一配線層に形成される構成を示す図である。
【
図3b】本発明の一実施形態による単位ピクセルに含まれる構成のうち同一基板層または同一配線層に形成される構成を示す図である。
【
図3c】本発明の一実施形態による単位ピクセルに含まれる構成のうち同一基板層または同一配線層に形成される構成を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態による単位ピクセルの回路図を図示したものである。
【
図5】
図2の第1切断線に沿って単位ピクセルの一部領域を切断した断面を図示した図である。
【
図6a】本発明の一実施形態による単位ピクセルを形成する方法を説明するための図である。
【
図6b】本発明の一実施形態による単位ピクセルを形成する方法を説明するための図である。
【
図6c】本発明の一実施形態による単位ピクセルを形成する方法を説明するための図である。
【
図6d】本発明の一実施形態による単位ピクセルを形成する方法を説明するための図である。
【
図6e】本発明の一実施形態による単位ピクセルを形成する方法を説明するための図である。
【
図6f】本発明の一実施形態による単位ピクセルを形成する方法を説明するための図である。
【
図6g】本発明の一実施形態による単位ピクセルを形成する方法を説明するための図である。
【
図6h】本発明の一実施形態による単位ピクセルを形成する方法を説明するための図である。
【
図6i】本発明の一実施形態による単位ピクセルを形成する方法を説明するための図である。
【
図6j】本発明の一実施形態による単位ピクセルを形成する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して、様々な実施形態について説明する。しかし、本開示は、特定の実施形態に限定されず、実施形態の様々な変更(modification)、均等物(equivalent)、および/または代替物(alternative)を含むものと理解すべきである。本開示の実施形態は、本開示により直間接に認識され得る様々な効果を提供することができる。
【0023】
図1は本発明の一実施形態によるイメージセンシング装置を示すブロック図である。
【0024】
図1を参照すると、イメージセンシング装置100は、ピクセルアレイ(pixel array)110と、ロードライバ(row driver)120と、相関二重サンプラ(Correlate Double Sampler;CDS)130と、アナログ-デジタルコンバータ(Analog-Digital Converter;ADC)140と、出力バッファ(output buffer)150と、カラムドライバ(column driver)160と、タイミングコントローラ(timing controller)170とを含むことができる。ここで、イメージセンシング装置100の各構成は、例示的なものに過ぎず、必要に応じて、少なくとも一部の構成が追加または省略されることができる。
【0025】
ピクセルアレイ110は、複数のロー(rows)および複数のカラム(columns)で配列された複数の単位ピクセルを含むことができる。一実施形態において、複数の単位ピクセルは、ローおよびカラムを含む二次元ピクセルアレイで配列されることができる。他の実施形態において、複数の単位イメージピクセルは、三次元ピクセルアレイで配列されることができる。複数の単位ピクセルは、単位ピクセル単位でまたはピクセルグループ単位で光信号を電気的信号に変換することができ、ピクセルグループ内の単位ピクセルは、少なくとも特定の内部回路を共有することができる。ピクセルアレイ110は、ロードライバ120からロー選択信号、ピクセルリセット信号および転送信号などを含む駆動信号を受信することができ、駆動信号によって、ピクセルアレイ110の当該単位ピクセルは、ロー選択信号、ピクセルリセット信号および転送信号に対応する動作を行うように活性化することができる。
【0026】
ロードライバ120は、タイミングコントローラ170によって供給される命令および制御信号に基づいて、当該ローに含まれた単位ピクセルに対して特定の動作を行うようにピクセルアレイ110を活性化することができる。一実施形態において、ロードライバ120は、ピクセルアレイ110の少なくとも一つのローに配列された少なくとも一つの単位ピクセルを選択することができる。ロードライバ120は、複数のローのうち少なくとも一つのローを選択するために、ロー選択信号を生成することができる。ロードライバ120は、選択された少なくとも一つのローに対応するピクセルに対して、ピクセルリセット信号および転送信号を順にイネーブルさせることができる。これにより、選択されたローのピクセルそれぞれから生成されるアナログ形態の基準信号と映像信号が、順に相関二重サンプラ130に伝達され得る。ここで、基準信号は、単位ピクセルのセンシングノード(例えば、フローティングディフュージョン領域ノード)がリセットされた時に相関二重サンプラ130に提供される電気的信号であり、映像信号は、単位ピクセルによって生成された光電荷がセンシングノードに蓄積された時に相関二重サンプラ130に提供される電気的信号であり得る。ピクセル固有のリセットノイズ(reset noise)を示す基準信号と、入射光の強度を示す映像信号は、通称、ピクセル信号という。
【0027】
CMOSイメージセンサは、二つのサンプル間の差を除去するために、ピクセル信号を2回サンプリングすることで、固定パターンノイズのようなピクセルの好ましくないオフセット値を除去するために相関二重サンプリングを用いることができる。一例として、相関二重サンプリングは、入射光によって生成された光電荷がセンシングノードに蓄積される前・後に取得したピクセル出力電圧を比較することで、好ましくないオフセット値を除去し、単に入射光に基づくピクセル出力電圧が測定可能である。一実施形態において、相関二重サンプラ130は、ピクセルアレイ110から複数のカラムラインそれぞれに提供される基準信号と映像信号を順にサンプルアンドホールド(sampling and holding)することができる。すなわち、相関二重サンプラ130は、ピクセルアレイ110のカラムそれぞれに対応する基準信号と映像信号のレベルをサンプルアンドホールドすることができる。
【0028】
相関二重サンプラ130は、タイミングコントローラ170からの制御信号に基づいて、カラムそれぞれの基準信号と映像信号を相関二重サンプリング信号として、ADC140に伝達することができる。
【0029】
ADC140は、相関二重サンプラ130から出力される各カラムに対する相関二重サンプリング信号をデジタル信号に変換し出力することができる。一実施形態において、ADC140は、ランプ比較タイプ(ramp‐compare type)ADCに具現されることができる。ランプ比較タイプADCは、時間によって上昇または下降するランプ信号とアナログピクセル信号を比較する比較回路、およびランプ信号がアナログピクセル信号にマッチ(matching)するまでカウント動作を行うカウンタを含むことができる。一実施形態において、ADC140は、カラムそれぞれのための相関二重サンプラ130によって生成された相関二重サンプリング信号をデジタル信号に変換し出力することができる。
【0030】
ADC140は、ピクセルアレイ110のカラムそれぞれに対応する複数のカラムカウンタを含むことができる。ピクセルアレイ110の各カラムは、各カラムカウンタに連結され、映像データは、カラムカウンタを用いて、カラムそれぞれに対応する相関二重サンプリング信号をデジタル信号に変換することにより生成されることができる。他の実施形態によって、ADC140は、一つのグローバルカウンタを含み、グローバルカウンタから提供されるグローバルコードを用いて、カラムそれぞれに対応する相関二重サンプリング信号をデジタル信号に変換することができる。
【0031】
出力バッファ150は、ADC140から提供されるそれぞれのカラム単位の映像データを一時的にホールドし出力することができる。出力バッファ150は、タイミングコントローラ170の制御信号に基づいて、ADC140から出力される映像データを一時格納することができる。出力バッファ150は、イメージセンシング装置100と連結された他の装置の間の転送(または処理)速度の差を補償するインターフェースとして動作することができる。
【0032】
カラムドライバ160は、タイミングコントローラ170の制御信号に基づいて、出力バッファ150のカラムを選択し、出力バッファ150の選択されたカラムに一時格納された映像データが順に出力されるように制御することができる。一実施形態において、カラムドライバ160は、タイミングコントローラ170からアドレス信号を受信することができ、カラムドライバ160は、アドレス信号に基づいてカラム選択信号を生成し、出力バッファ150のカラムを選択することで、出力バッファ150の選択されたカラムから映像データが外部に出力されるように制御することができる。
【0033】
タイミングコントローラ170は、ロードライバ120、相関二重サンプラ130、ADC140、出力バッファ150およびカラムドライバ160の少なくとも一つを制御することができる。
【0034】
タイミングコントローラ170は、イメージセンシング装置100の各構成の動作に求められるクロック信号、タイミングコントロールのための制御信号、およびローまたはカラムを選択するためのアドレス信号を、ロードライバ120、相関二重サンプラ130、ADC140、出力バッファ150およびカラムドライバ160のうち少なくとも一つに提供することができる。一実施形態によって、タイミングコントローラ170は、ロジッグ制御回路(Logic control circuit)、位相固定ループ(Phase Lock Loop、PLL)回路、タイミングコントロール回路(timing control circuit)および通信インターフェース回路(communication interface circuit)などを含むことができる。
【0035】
図2は本発明の一実施形態による単位ピクセルのレイアウト200を例示的に図示した図である。
【0036】
本発明の一実施形態によると、単位ピクセルは、光電変換領域212と、フローティングディフュージョン領域214と、転送トランジスタゲート222と、スイッチトランジスタゲート224と、駆動トランジスタゲート242と、キャパシタ250とを含むことができる。
【0037】
図2は例示的な図に過ぎず、実際具現される素子において、各構成要素(例えば、212、214、222、224、242および250など)の相対的なサイズおよび位置は、図面と差があり得る。
【0038】
光電変換領域212は、入射した光に対応する光電荷を生成することができる。光電変換領域212は、有機または無機フォトダイオードを含むことができる。
【0039】
光電変換領域212は、基板層に形成されることができ、互いに相補的な導電型を有する不純物領域(P型不純物領域およびN型不純物領域)が垂直方向に積層されて形成されることができる。
【0040】
光電変換領域212は、入射光に対応する光電荷を容易に生成するように、できるだけ広い面積にわたり配置されることができる。光電変換領域212と転送トランジスタゲート222がオーバーラップする領域は、トランジスタゲート222の辺に沿って延びる形状であり得る。
【0041】
転送トランジスタゲート222に印加される電圧に応じて、光電変換領域212とフローティングディフュージョン領域214が電気的に連結または分離されることができる。
【0042】
転送トランジスタゲート222は、フローティングディフュージョン領域214と光電変換領域212との間に位置することができる。転送トランジスタゲート222は、光電変換領域212の少なくとも一部およびフローティングディフュージョン領域214の少なくとも一部とオーバーラップするように配置されることができる。
【0043】
一実施形態によると、転送トランジスタゲート222は、三角形の形状であってもよく、光電変換領域212とオーバーラップする辺の長さが、フローティングディフュージョン領域214とオーバーラップする辺の長さより長く形成されることができる。
【0044】
光電変換領域212とオーバーラップする転送トランジスタゲート222の一辺は、光電変換領域212に沿って延び、フローティングディフュージョン領域214とオーバーラップする転送トランジスタゲート222の一辺は、フローティングディフュージョン領域214に沿って延びることができる。転送トランジスタゲート222は、金属またはポリシリコンで形成されることができる。
【0045】
フローティングディフュージョン領域214は、光電変換領域212で生成された光電荷を臨時に貯蔵することができる。イメージセンシング装置100は、フローティングディフュージョン領域214に貯蔵された光電荷に対応する電圧信号に基づいて、ピクセル信号を生成することができる。
【0046】
フローティングディフュージョン領域214は、転送トランジスタゲート222とスイッチトランジスタゲート224との間に配置されることができる。フローティングディフュージョン領域214は、四角形の形態を有することができるが、本発明の範囲はこれに限定されない。一例として、複数の単位ピクセルが共有ピクセルを構成する場合、フローティングディフュージョン領域214は、菱形または八角形などの多角形の形態を有することができる。一実施形態によると、フローティングディフュージョン領域214は、半導体基板に形成されたN型不純物ドープ領域であり得る。
【0047】
フローティングディフュージョン領域214は、フローティングディフュージョン領域214にオーバーラップするスイッチトランジスタゲート224を通じて、キャパシタ250の第1電極と接続することができる。
【0048】
スイッチトランジスタゲート224は、フローティングディフュージョン領域214の少なくとも一部と、キャパシタ250の少なくとも一部とオーバーラップするように配置されることができる。スイッチトランジスタゲート224に印加されるスイッチ信号に応じて、フローティングディフュージョン領域214とキャパシタ250が連結または分離されることができる。
【0049】
スイッチトランジスタゲート224は、例示的に、長方形の形態であってもよい。スイッチトランジスタゲート224の辺のうち、長い辺が、フローティングディフュージョン領域214およびスイッチトランジスタゲート224とオーバーラップするように配置されることで、フローティングディフュージョン領域214とキャパシタ250との電子移動を容易にすることができる。
【0050】
キャパシタ250は、複数の基板層および配線層にかけて形成されることができ、第1電極、第2電極および誘電領域を含むことができる。また、キャパシタ250に含まれるコンタンクト領域の少なくとも一部が、スイッチトランジスタゲート224とオーバーラップするように形成されることができる。
【0051】
キャパシタ250は、フローティングディフュージョン領域214の容量を超えてオーバーフローする電荷を貯蔵するか、フローティングディフュージョン領域214に接続して、追加の静電容量を提供することができる。
【0052】
キャパシタ250は、単位ピクセルレイアウト200内で占める面積を最小化するとともに、十分な静電容量を確保することができるように、垂直構造で配置されることができる。キャパシタは、例示的に、横型オーバーフローキャパシタ(Lateral Overflow integration Capacitor)であってもよい。
【0053】
本発明の一実施形態によるキャパシタ250は、複数の垂直貫通配線を含む第1電極および第2電極を含むことができる。前記垂直貫通配線は、基板に含まれるドープ領域と接続するか、配線層に形成される連結電極またはグラウンドコンタンクト部と接続することができる。キャパシタ250は、予め設定された容量を有するように形成されることができ、例示的に、MIM(metal insulator metal)構造を有してもよい。
【0054】
駆動トランジスタゲート242は、光電変換領域212とオーバーラップするように配置されることができる。駆動トランジスタゲート242が光電変換領域212とオーバーラップするように形成されることで、十分なゲート面積を確保することができる。
【0055】
駆動トランジスタゲート242は、フローティングディフュージョン領域214と接続することができ、フローティングディフュージョン領域214の電圧に対応する信号を増幅することができる。
【0056】
ただし、光電変換領域212にオーバーラップするように形成される駆動トランジスタゲート242は、例示的な構成に過ぎないため、駆動トランジスタゲート242の他に、リセットトランジスタゲート(図示せず)または選択トランジスタゲート(図示せず)などが光電変換領域212とオーバーラップするように配置されることができる。
【0057】
図3a~
図3cは本発明の一実施形態による単位ピクセルに含まれる構成のうち、同一基板層または同一配線層に形成される構成を示す図である。
【0058】
図3aは本発明の一実施形態による単位ピクセルに含まれる構成のうち、第1基板層に形成される構成を示す
図300aである。
【0059】
第1基板層は、不純物でドープされた半導体基板であってもよい。例示的に、第1基板層は、P型不純物でドープされた半導体基板であってもよい。
【0060】
第1基板層は、光電変換領域212と、フローティングディフュージョン領域214と、コンタンクト領域216とを含むことができる。
【0061】
光電変換領域212は、基板層に形成される有機または無機フォトダイオードを含むことができる。また、光電変換領域212は、P型またはN型不純物ドープ層が積層された構造であってもよい。上述のように、光電変換領域212は、単位ピクセルの活性領域に対して、できるだけ広い領域を占めるように配置されることができる。
【0062】
フローティングディフュージョン領域214は、第1基板層に対してN型不純物でドープされた領域であってもよい。
【0063】
コンタンクト領域216は、第1基板層に対してN型不純物でドープされた領域であってもよい。コンタンクト領域216は、キャパシタ250の第1貫通電極254a、254b、254cおよび254dと接続する領域であってもよい。
【0064】
一実施形態によると、コンタンクト領域216は、フローティングディフュージョン領域214のドープ濃度より高い濃度でドープされることができる。第1貫通電極254a、254b、254cおよび254dが高濃度の不純物(例えば、N型)でドープされたコンタンクト領域216と接続することによって、第1電極とコンタンクト領域216との間の抵抗が減少することができる。
【0065】
第1貫通電極254a、254b、254cおよび254dは、キャパシタ250の第1電極に含まれることができる。第1貫通電極254a、254b、254cおよび254dは、金属で形成されることができ、前記金属は、例示的に、銅またはタングステンを含んでもよい。第1貫通電極254a、254b、254cおよび254dは、コンタンクト領域216の一面に対して垂直に形成されることができ、後述する第1配線層、第2基板層および第2配線層にかけて形成されることができる。
【0066】
また、コンタンクト領域216は、スイッチトランジスタゲート224が含まれるスイッチトランジスタの一端子であってもよい。コンタンクト領域216がスイッチトランジスタの一端子である場合、キャパシタ250の第1電極は、別の連結導線なしにスイッチトランジスタと接続することができる。
【0067】
図3bは本発明の一実施形態による単位ピクセルに含まれる構成のうち第1配線層に形成される構成を示す
図300bである。第1配線層は、第1基板層の上部に位置する領域であってもよい。第1配線層は、絶縁物質を含む層であってもよく、前記絶縁物質は、例示的に、シリコン酸化物を含んでもよい。
【0068】
第1配線層は、転送トランジスタゲート222と、スイッチトランジスタゲート224と、グラウンドコンタンクト部252とを含むことができる。
【0069】
転送トランジスタゲート222は、転送信号ライン226と接続することができる。転送信号ライン226を通じて転送トランジスタゲート222に転送信号が印加されることができる。一実施形態によると、転送トランジスタゲート222は、ポリシリコンで形成されることができ、転送信号ライン226は、金属で形成されることができる。
【0070】
スイッチトランジスタゲート224は、スイッチ信号ライン228と接続することができる。スイッチ信号ライン228を通じてスイッチトランジスタゲート224にスイッチ信号が印加されることができる。一実施形態によると、スイッチトランジスタゲート224は、ポリシリコンで形成されることができ、スイッチ信号ライン228は、金属で形成されることができる。
【0071】
グラウンドコンタンクト部252は、金属で形成されることができ、キャパシタ250の第2電極に含まれることができる。グラウンドコンタンクト部252は、接地(GND)することができる。キャパシタ250の第2電極は、コンタンクト領域216と接しない電極を意味し得る。
【0072】
一実施形態によると、キャパシタ250の第2電極は、グラウンドコンタンクト部252および第2貫通電極256a、256b、256cを含むことができる。第2貫通電極256a、256b、256cは、金属で形成されることができ、前記金属は、銅またはタングステンを含むことができる。第2貫通電極256a、256b、256cは、第1配線層、第2基板層および第2配線層にかけて形成されることができるが、上述の第1貫通電極254a、254b、254cおよび254dとその長さが相違することがある。
【0073】
図3cは本発明の一実施形態による単位ピクセルに含まれる構成のうち第2配線層に形成される構成を示す
図300cである。第2配線層は、前記第1配線層の上部に位置する領域であり得る。
【0074】
第2配線層は、第1基板と区別される第2基板の上部に位置する配線層であってもよい。一実施形態によると、第2配線層は、絶縁物質を含む層であってもよく、前記絶縁物質は、シリコン酸化物を含むことができる。
【0075】
第2配線層は、駆動トランジスタゲート242と、貫通配線244と、連結電極258とを含むことができる。
【0076】
一実施形態によると、駆動トランジスタゲート242は、貫通配線244によってフローティングディフュージョン領域214と接続することができる。
【0077】
貫通配線244は、駆動トランジスタゲート242と接する第1貫通部244bと、フローティングディフュージョン領域214と接する第2貫通部244cと、前記第1貫通部244bと第2貫通部244cを連結する接続部244aとを含むことができる。貫通配線244に含まれる接続部244aの形状は、配線レイアウトに応じて異なり得る。
【0078】
貫通配線244は、金属で形成されることができ、一実施形態によると、前記金属は、銅またはタングステンを含むことができる。
【0079】
連結電極258は、キャパシタ250の第1電極に含まれることができる。一実施形態によると、連結電極258は、4つの第1貫通電極254a、254b、254cおよび254dと接続することができる。
【0080】
連結電極258が第1貫通電極254a、254b、254cおよび254dと接続して第1電極を形成することにより、キャパシタ250は、連結電極258と第2貫通電極256a、256b、256cとの間に発生する追加の静電容量を確保することができる。
【0081】
図4は本発明の一実施形態による単位ピクセルの回路
図400を図示したものである。
【0082】
図4には、それぞれの単位ピクセルPXに含まれる光電変換領域PD、転送トランジスタTX、フローティングディフュージョン領域FD、スイッチトランジスタSW、キャパシタC、リセットトランジスタRST、駆動トランジスタDXおよび選択トランジスタSXの連結関係が図示されている。
【0083】
光電変換領域PDは、
図2および
図3aで説明した光電変換領域(例えば、
図2の212)に対応することができる。
【0084】
光電変換領域PDは、転送トランジスタTXによってフローティングディフュージョン領域FDと接続することができる。
【0085】
転送トランジスタTXは、
図2および
図3bで説明した転送トランジスタゲート(例えば、
図2の222)を含むことができる。フローティングディフュージョン領域FDは、
図2および
図3aで説明したフローティングディフュージョン領域(例えば、
図2の214)に対応することができる。
【0086】
光電変換領域PDは、蓄積時間の間に入射光に対応する光電荷を生成することができる。光電変換領域PDが入射光に対応する光電荷を生成する時間を蓄積時間(integration time)とすることができる。
【0087】
光電変換領域PDで生成された光電荷は、転送トランジスタTXに活性化電圧レベルを有する転送信号TSが印加されると、フローティングディフュージョン領域FDに転送されることができる。
【0088】
転送信号TSは、活性化電圧レベルまたは非活性化電圧レベルを有することができ、転送トランジスタTXは、転送信号TSの電圧レベルに応じて光電荷の移動を制御することができる。
【0089】
フローティングディフュージョン領域FDは、転送トランジスタTXに活性化電圧レベルの転送信号TSが印加される場合、光電変換領域PDで生成された電荷を蓄積することができる。
【0090】
フローティングディフュージョン領域FDは、駆動トランジスタDXのゲート(
図2および
図3cの242)に接続することができる。フローティングディフュージョン領域FDに蓄積された電荷に対応する電圧信号が、駆動トランジスタDXによって増幅することができる。
【0091】
駆動トランジスタDXのドレイン領域は、選択トランジスタSXと接続することができる。選択トランジスタSXは、駆動トランジスタDXで増幅した信号を選択制御信号SSに応じて選択的に出力することができる。前記選択トランジスタSXから出力される信号をピクセル信号Voutとすることができる。
【0092】
フローティングディフュージョン領域FDは、スイッチトランジスタSWによって、キャパシタCの第1電極およびリセットトランジスタRSTの一端子に接続することができる。
【0093】
スイッチトランジスタSWは、
図2および
図3bで説明したスイッチトランジスタゲート(例えば、
図2の224)を含むことができる。キャパシタCは、
図2で説明したキャパシタ(例えば、
図2の250)に対応することができる。
【0094】
キャパシタCの第1電極は、スイッチトランジスタSWおよびリセットトランジスタRSTの一端子に接続することができ、第2電極は、接地することができる。
【0095】
高照度環境で、光電変換領域PDの容量を超える光電荷が生成されると、生成された光電荷が、フローティングディフュージョン領域FDおよびキャパシタCでオーバーフローすることがある。オーバーフローとは、光電荷が、活性化電圧が印加されていない転送トランジスタTXおよびスイッチトランジスタSWのポテンシャル障壁を越えて移動する現象を意味し得る。
【0096】
キャパシタCがない場合、漏れるオーバーフロー光電荷によってリーク電流が発生し得る。発生したリーク電流は、ピクセル信号にノイズを引き起こすことがあり、ピクセル信号が歪むことがある。
【0097】
一方、キャパシタCが備えられる場合、キャパシタCにオーバーフローした光電荷が臨時貯蔵されることで、フローティングディフュージョン領域FDの飽和を防止することができ、リーク電流を防止することができる。
【0098】
他の実施形態において、スイッチトランジスタSWに印加されるスイッチ信号SWSに応じて、フローティングディフュージョン領域FDとキャパシタCが連結または分離されることができる。
【0099】
フローティングディフュージョン領域FDとキャパシタCが接続すると、フローティングディフュージョン領域FDの全体の静電容量が大きくなり得る。フローティングディフュージョン領域FDの変換ゲイン(conversion gain)は、フローティングディフュージョン領域FDの静電容量に反比例するため、同量の光電荷が蓄積されても、キャパシタCが接続しない場合に比べてフローティングディフュージョン領域FDにキャパシタCが接続した場合、小さなサイズのピクセル信号が出力されることができる。換言すれば、キャパシタCおよびスイッチトランジスタSWは、単位ピクセルの変換ゲインを調節することができる。
【0100】
一実施形態によると、キャパシタCは、フローティングディフュージョン領域FDより高い静電容量を有することができる。キャパシタCがフローティングディフュージョン領域FDより高い静電容量を有することで、キャパシタCは、フローティングディフュージョン領域FDからオーバーフローした光電荷を容易に貯蔵することができ、フローティングディフュージョン領域FDの変換ゲインの変化が大きくなり得る。
【0101】
リセットトランジスタRSTは、単位ピクセルに含まれる構成(例えば、フローティングディフュージョン領域FD、光電変換領域FDなど)を所定の電位レベル(例えば、ピクセル電圧VDD)にリセットすることができる。リセットトランジスタRSTに印加される信号をリセット信号RSとすることができ、リセット信号RSが活性化レベル電圧を有する時に、転送信号TSおよびスイッチ信号SWSが活性化レベル電圧を有することができる。
【0102】
図5は
図2の第1切断線A-A’に沿って単位ピクセルの一部領域を切断した断面500を図示した図である。
【0103】
本発明の一実施形態によると、単位ピクセルは、複数の基板層および配線層にかけて形成されることができる。例えば、単位ピクセルは、第1基板層210、第1配線層220、第2基板層230および第2配線層240にかけて形成されることができる。
【0104】
第1基板層210は、光電変換領域212と、フローティングディフュージョン領域214と、コンタンクト領域216とを含むことができる。一実施形態によると、第1基板層210は、N型不純物またはP型不純物でドープされたシリコン基板であってもよい。他の実施形態によると、第1基板層210は、シリコン基板の上部に形成されるエピタキシャル層を含むことができる。
【0105】
光電変換領域212は、第1基板層210に形成される不純物ドープ領域を含むことができる。
【0106】
フローティングディフュージョン領域214は、第1基板層210とは異なる導電型の不純物でドープされた領域を含むことができる。例えば、P型不純物でドープされたシリコン基板に形成されるフローティングディフュージョン領域214は、N型不純物でドープされた領域を含むことができる。
【0107】
第1基板層210は、コンタンクト領域216を含むことができる。コンタンクト領域216は、第1基板層210とは異なる導電型でドープされることができる。例えば、第1基板層210がP型不純物でドープされた場合、コンタンクト領域216は、N型不純物でドープされることができる。一実施形態において、コンタンクト領域216は、フローティングディフュージョン領域214より高濃度の不純物でドープされることができる。
【0108】
コンタンクト領域216が高濃度の不純物でドープされることによって、コンタンクト領域216と第1貫通電極254a、254b、254cおよび254dとの接続による抵抗が減少することができる。
【0109】
第1配線層220は、第1基板層210の上部に形成されることができる。例示的に、第1配線層220は、シリコン酸化物を含んでもよい。
【0110】
一実施形態によると、第1配線層220は、第1誘電層221を含むことができる。第1配線層220と第1基板層210との間に第1誘電層221が形成されることができ、第1誘電層221の一部は、転送トランジスタゲート222およびスイッチトランジスタゲート224に対して絶縁層になることができる。
【0111】
第1配線層220は、転送トランジスタゲート222と、スイッチトランジスタゲート224と、転送信号ライン226と、スイッチ信号ライン228と、オーバーフロートランジスタ250の一部とを含むことができる。
【0112】
一実施形態によると、転送トランジスタゲート222およびスイッチトランジスタゲート224は、ポリシリコンで形成されることができる。また、転送信号ライン226およびスイッチ信号ライン228は、金属(例えば、銅またはタングステン)で形成されることができる。
【0113】
第1配線層220に形成される金属配線は、キャパシタ250の第2電極に接続するグラウンドコンタンクト部252を含むことができる。グラウンドコンタンクト部252には、接地電圧が接続することができる。
【0114】
図面に図示されているグラウンドコンタンクト部252は、グラウンドコンタンクト部252が第2貫通電極256a、256b、256cを連結することを説明するためのものであり、第1切断線A-A’に沿って切断した断面で、グラウンドコンタンクト部252は、第1配線層220および第2貫通電極256a、256b、256cによって覆われることができる。また、実際の素子において、グラウンドコンタンクト部252は、第1貫通電極254a、254b、254cおよび254dと接触せずに、第2貫通電極256a、256b、256cに連結されるように形成されることができる。
【0115】
転送トランジスタゲート222は、
図4で説明した転送トランジスタTXに含まれることができ、スイッチトランジスタゲート224が
図4のスイッチトランジスタSWに含まれることができる。
【0116】
第2基板層230は、第1配線層220の上部に形成されるSOI基板(Silicon on insulator)であり得る。
【0117】
第2基板層230は、駆動トランジスタ(例えば、
図4のDX)の第1端子領域232と、駆動トランジスタの第2端子領域234と、キャパシタ250の一部とを含むことができる。駆動トランジスタの第1端子領域232は、ピクセル電圧と接続することができ、駆動トランジスタの第2端子領域234は、選択トランジスタ(例えば、
図4のSX)と接続することができる。
【0118】
第2配線層240は、第2基板層230の上部に形成されることができる。第2配線層240と第2基板層230との間には、第2誘電層241が形成されることができる。一実施形態によると、第2誘電層241は、第2配線層240と第2基板層230との間の一部領域にのみ形成されることができ、前記一部領域は、駆動トランジスタDXが形成される領域であり得る。
【0119】
駆動トランジスタゲート242は、ポリシリコンを含むことができる。駆動トランジスタゲート242は、貫通配線244によって、フローティングディフュージョン領域214と接続することができる。
【0120】
貫通配線244は、駆動トランジスタゲート242に接する第1貫通部244bと、フローティングディフュージョン領域214に接する第2貫通部244cと、前記第1貫通部244bと第2貫通部244cを連結する接続部244aとを含むことができる。
【0121】
本発明の一実施形態によるキャパシタ250は、第1配線層220、第2基板層230および第2配線層240にかけて形成されることができる。キャパシタ250は、複数の貫通電極254a、254b、254c、254d、256a、256b、256cと、前記貫通電極254a、254b、254c、254d、256a、256b、256cの間に位置する誘電領域(例えば、第1誘電層221第1配線層220、第2基板層230および第2配線層240)とを含むMIM(metal insulator metal)構造であり得る。
【0122】
図面に図示されてはいないが、貫通電極254a、254b、254c、254d、256a、256b、256cと誘電領域221、220、230、240との間には、絶縁膜が形成されることができる。
【0123】
貫通電極254a、254b、254c、254d、256a、256b、256cは、第1基板層210の一面に垂直に形成されることができる。一実施形態によると、貫通電極254a、254b、254c、254d、256a、256b、256cは、積層された基板層(例えば、210、230)および配線層(例えば、220、240)および第1誘電層221をエッチングした領域に形成されることができる。
【0124】
第1貫通電極254a、254b、254c、254dは、第1基板層210に含まれるコンタンクト領域216に直接接続することができる。また、第1貫通電極254a、254b、254c、254dは、第2配線層240に形成される連結電極258によって相互接続することができる。第1貫通電極254a、254b、254c、254dおよび連結電極258は、キャパシタ250の第1電極を形成することができる。
【0125】
第2貫通電極256a、256b、256cは、第1配線層220に形成されるグラウンドコンタンクト部252によって相互接続することができる。第2貫通電極256a、256b、256cは、キャパシタ250の第2電極を形成することができ、形成された第2電極は、接地することができる。
【0126】
図示されているように、本発明の一実施形態によるキャパシタ250の第1貫通電極254a、254b、254c、254dおよび第2貫通電極256a、256b、256cは、交互な構造に形成されることができる。
【0127】
第2貫通電極256a、256b、256cは、第1貫通電極254a、254b、254c、254dよりも垂直方向に短い長さを有することができる。したがって、第2貫通電極256a、256b、256cと第1貫通電極254a、254b、254c、254dとの間に第1配線層220の一部および第2配線層240の一部が配置されることができ、前記第1配線層220の一部および第2配線層240の一部がキャパシタ250の誘電領域になることができる。
【0128】
キャパシタ250は、コンタンクト領域216を通じてスイッチトランジスタSWと接続することができ、一実施形態によると、コンタンクト領域216は、スイッチトランジスタSWの一端として動作することができる。
【0129】
図6a~
図6jは本発明の一実施形態による単位ピクセルを形成する方法について説明するための図である。
【0130】
図6a~
図6jは例示のために図示されているものであって、実際具現される素子において、各構成要素の位置およびサイズは、図示されているものと相違し得る。
【0131】
図6aには、光電変換領域212と、フローティングディフュージョン領域214と、コンタンクト領域216とを含む第1基板層210が図示されている。
【0132】
光電変換領域212、フローティングディフュージョン領域214およびコンタンクト領域216は、第1基板層210に不純物をドープすることで形成されることができる。
【0133】
一実施形態によると、光電変換領域212は、N型およびP型不純物が積層されてドープされることができる。また、フローティングディフュージョン領域214およびコンタンクト領域216は、N型不純物でドープされた領域であり得る。
【0134】
図6bには、第1基板層210の上部に第1誘電層221が形成され、形成された第1誘電層221の上部に転送トランジスタゲート222およびスイッチトランジスタゲート224が形成された断面が図示されている。
【0135】
第1誘電層221は、例示的に、シリコン酸化物を含んでもよく、転送トランジスタゲート222およびスイッチトランジスタゲート224は、ポリシリコンで形成されることができる。転送トランジスタゲート222およびスイッチトランジスタゲート224は、シリコン蒸着工程により形成されることができる。
【0136】
図6cには、第1誘電層221の上部に、第1配線層の一部220a、転送信号ライン226、スイッチ信号ライン228および第2貫通電極パターン255a、255b、255cが形成された断面が図示されている。
【0137】
第1配線層の一部220aは、低誘電率を有する物質を含むことができ、例示的に、シリコン酸化物を含んでもよい。
【0138】
転送信号ライン226、スイッチ信号ライン228および第2貫通電極パターン255a、255b、255cは、第1配線層の一部220aをエッチングする工程により形成されることができる。
【0139】
第2貫通電極パターン255a、255b、255cは、第2貫通電極が形成されるための位置を表示することができる。また、転送信号ライン226、スイッチ信号ライン228および第2貫通電極パターン255a、255b、255cは、同一金属(例えば、銅またはタングステン)で形成されることができる。
【0140】
図6dには、第1配線層220が形成され、形成された第1配線層220の上部に第2基板層230が形成される断面が図示されている。一実施形態によると、第2基板層230は、P型不純物でドープされたポリシリコンで形成されることができる。第2基板層230は、シリコン蒸着工程により形成されることができる。第1配線層220は、第1誘電層221を含むことができる。
【0141】
図6eには、第2基板層230に形成される駆動トランジスタの第1端子領域232および駆動トランジスタの第2端子領域234が図示され、第2基板層230の上部に形成される第2誘電層241および駆動トランジスタゲート242が図示されている。
【0142】
一実施形態によると、駆動トランジスタの第1端子領域232および駆動トランジスタの第2端子領域234は、第2基板層230と相補的な不純物でドープされることができる。例えば、第2基板層230がP型不純物でドープされる場合、駆動トランジスタの第1端子領域232および駆動トランジスタの第2端子領域234は、N型不純物でドープされることができる。
【0143】
第2誘電層241は、駆動トランジスタゲート242が配置される領域に形成されることができる。第2誘電層241は、シリコン酸化物を含むことができる。駆動トランジスタゲート242は、ポリシリコンを含むことができる。
【0144】
図6fには、第2基板層230の上部に、第2配線層の一部240aおよび貫通配線パターン243bが形成された断面が図示されている。
【0145】
第2配線層の一部240aは、低誘電率を有する物質を含むことができ、例示的に、シリコン酸化物を含んでもよい。貫通配線パターン243bは、貫通配線が形成されるための位置を表示することができる。
【0146】
図6gには、貫通配線パターン243bにオーバーラップするように積層される第2配線層の一部240bが形成される断面が図示されている。第2配線層の一部240bが形成される厚さに応じて、以降の工程で形成される第2貫通電極256a、256b、256cの長さが決定されることができる。
【0147】
図6hには、貫通配線244および第2貫通電極256a、256b、256cが形成される断面が図示されている。
【0148】
貫通配線244は、第1貫通部244bと、第2貫通部244cと、前記第1貫通部244bと第2貫通部244cを連結する接続部244aとを含むことができる。
【0149】
第1貫通部244b、第2貫通部244cおよび第2貫通電極256a、256b、256cは、配線層および基板層(例えば、220、230、240b)をエッチングし、エッチング領域に金属を積層することで形成されることができる。一実施形態によると、貫通配線244および第2貫通電極256a、256b、256cは、銅またはタングステンで形成されることができる。
【0150】
第2貫通電極256a、256b、256cは、第2貫通電極パターン255a、255b、255cと対応する位置に形成されることができる。
【0151】
グラウンドコンタンクト部252は、第2貫通電極256a、256b、256cと接続することができ、接地電圧(GND)が印加されることができる。一実施形態によると、グラウンドコンタンクト部252は、第2貫通電極256a、256b、256cが形成された後、第2貫通電極256a、256b、256cと接続する配線を通じて形成されることができる。グラウンドコンタンクト部252によってキャパシタ250の第2電極が接地されることができる。
【0152】
他の実施形態によると、グラウンドコンタンクト部252は、第2貫通電極パターン255a、255b、255cとともに形成されることができる。
【0153】
図6iには、第1配線層220、第2基板層230および第2配線層の一部240cにかけて形成されるキャパシタ250が図示されている。
【0154】
第2配線層の一部240cが形成される厚さに応じて、以降の工程で形成される第1貫通電極254a、254b、254c、254dの長さが決定されることができる。
【0155】
第1貫通電極254a、254b、254c、254dは、誘電層、配線層および基板層(例えば、221、220、230、240c)をエッチングし、エッチング領域に金属を積層することで形成されることができる。第1誘電層221がエッチングされることで、第1貫通電極254a、254b、254c、254dがコンタンクト領域216と直接接続することができる。
【0156】
一実施形態によると、エッチングされた誘電層、配線層および基板層(例えば、221、220、230、240c)と第1貫通電極254a、254b、254c、254dとの間に絶縁膜が備えられることができる。
【0157】
第1貫通電極254a、254b、254c、254dは、連結電極258によって相互接続することができ、キャパシタ250の第1電極が、連結電極258および第1貫通電極254a、254b、254c、254dを含むことができる。
【0158】
図6jには、本発明の一実施形態による単位ピクセルの断面が例示的に図示されている。キャパシタ250の上部に第2配線層240を積層することで、単位ピクセルの形成が完了することができる。
【0159】
以上、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明しているが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者は、本発明が、その技術的思想や必須の特徴を変更しなくても他の具体的な形態に実施可能であることを理解することができる。したがって、以上で記述した実施形態は、すべての面において例示的なものであって、限定的ではないものと理解すべきである。