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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168310
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】容器蓋
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/20 20060101AFI20231116BHJP
   B65D 85/38 20060101ALI20231116BHJP
   G01N 1/28 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
H01J37/20 B
B65D85/38 100
G01N1/28 F
G01N1/28 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023078959
(22)【出願日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】63/342,024
(32)【優先日】2022-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501233536
【氏名又は名称】エフ イー アイ カンパニ
【氏名又は名称原語表記】FEI COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ネスター ヘルナンデス ロドリゲス
(72)【発明者】
【氏名】マティウス ペトルス ウィルヘルムス ファン デン ボーガード
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ロジャー ラ グランジ
(72)【発明者】
【氏名】ロス デイヴィッド サヴェージ
【テーマコード(参考)】
2G052
3E096
5C101
【Fターム(参考)】
2G052AD52
2G052DA07
2G052DA12
2G052DA23
2G052DA33
2G052GA34
3E096AA05
3E096BA21
3E096BB03
3E096CA01
3E096DA17
3E096DA18
3E096FA27
3E096FA31
3E096GA07
5C101AA04
5C101FF36
5C101FF42
5C101FF46
(57)【要約】      (修正有)
【課題】透過電子顕微鏡試料又は同様の軽い若しくは薄い物体のために使用されるラメラキャリアの信頼性のある自動化ハンドリング及び輸送における使用に好適な容器蓋のための装置及び方法が開示される。
【解決手段】蓋は、容器の上面を通してアクセス可能であり得る1つ以上のキャビティを有する容器とともに使用するためのものである。蓋は、平面を有する剛性部材を備えることができる。平面の運動を上面の上で1自由度の移動に拘束するための第1の手段と、キャビティ内に収容されたラメラキャリアの運動をキャビティ内に制限するための第2の手段とが、剛性部材に固設されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の上面を通してアクセス可能な、第1のキャビティを含む1つ以上のキャビティのための蓋であって、
平面を有する剛性部材を備え、
前記平面の運動を前記上面の上を摺動するように拘束するための第1の手段と、
前記キャビティ内に収容された物体の運動を前記第1のキャビティ内に制限するための第2の手段と、が前記剛性部材に固設された、蓋。
【請求項2】
前記物体が、前記第2の手段によって、前記容器の前記上面と前記剛性部材の前記平面との間の間隙に到達すること、又は初期位置若しくは意図された位置からひっくり返ることを制限される、請求項1に記載の蓋。
【請求項3】
前記物体の主面が、前記第2の手段によって、前記剛性部材の前記平面と広範囲に接触することを制限される、請求項1に記載の蓋。
【請求項4】
前記平面の前記運動が、前記第1の手段によって、前記容器に対する直線並進に拘束される、請求項1に記載の蓋。
【請求項5】
前記第1の手段が、前記容器の周りに少なくとも部分的に延在するように位置付けられた1つ以上の包み込みフランジを備える、請求項4に記載の蓋。
【請求項6】
前記平面の前記運動が、前記第1の手段によって、枢動点を中心とした方位角回転に拘束される、請求項1に記載の蓋。
【請求項7】
前記第1の手段が、前記枢動点において、前記容器内の開口部又は前記剛性部材内の開口部と係合するように位置付けられた支柱を備える、請求項6に記載の蓋。
【請求項8】
前記第1の手段が、前記摺動の方向に延在する前記容器の1つ以上の溝と係合するように位置付けられた1つ以上のフランジを備える、請求項1に記載の蓋。
【請求項9】
前記第1の手段が、前記容器の前記上面から外向きに垂直な方向への前記平面の運動を阻止する、請求項1に記載の蓋。
【請求項10】
前記摺動が、前記容器又は前記蓋に固設された1つ以上の停止部によって有限範囲に制限される、請求項1に記載の蓋。
【請求項11】
前記第2の手段が、1つ以上の突出部を備える、請求項1に記載の蓋。
【請求項12】
前記1つ以上の突出部の各々が、(i)前記摺動の方向に長手方向範囲を有し、(ii)前記蓋が第1の摺動位置にある状態で、前記1つ以上のキャビティのうちの少なくとも1つを占有するように位置付けられた隆起部である、請求項11に記載の蓋。
【請求項13】
前記隆起部の前記長手方向範囲が、前記隆起部によって占有される所与のキャビティの範囲よりも大きいか、前記摺動の方向における前記容器の長さの半分よりも大きいか、又は、前記隆起部によって占有される前記所与のキャビティの前記範囲の90~110%の範囲内である、請求項12に記載の蓋。
【請求項14】
前記1つ以上の突出部の各々が、前記蓋から前記1つ以上のキャビティのそれぞれのキャビティ内に延在するスタッドである、請求項11に記載の蓋。
【請求項15】
前記蓋が第1の摺動位置にある状態で、前記スタッドが、前記それぞれのキャビティの横方向範囲内に完全に位置する、請求項14に記載の蓋。
【請求項16】
前記剛性部材が、プレートである、請求項1に記載の蓋。
【請求項17】
前記剛性部材が、少なくとも部分的に、光学的に半透明又は光学的に透明である、請求項1に記載の蓋。
【請求項18】
前記1つ以上のキャビティの各キャビティが、ラメラキャリアを収容するようなサイズであり、前記各キャビティの横方向範囲が、前記ラメラキャリアの対応する横方向範囲よりもクリアランスだけ大きく、前記クリアランスが、前記ラメラキャリアの前記対応する範囲の1%~100%の範囲である、請求項1に記載の蓋。
【請求項19】
容器のための蓋であって、
前記容器の表面の上に摺動可能に保持される剛性部材と、
前記剛性部材に固設され、かつ前記容器と係合する1つ以上のガイドであって、前記蓋と前記容器との相対運動を1つの摺動方向に制限する1つ以上のガイドと、
前記剛性部材に固設され、かつ前記容器内のそれぞれのキャビティ内に延在する1つ以上の突出部と、を備える、蓋。
【請求項20】
前記容器が、ラメラキャリア容器である、請求項19に記載の蓋。
【請求項21】
前記表面が第1の表面であり、前記剛性部材が、前記第1の表面に近接して適合する第2の表面を含み、前記1つ以上の突出部の各突出部は、前記各突出部の前記それぞれのキャビティ内の物体が、(i)第2の表面と広範囲に接触すること、(ii)前記第1の表面と前記第2の表面との間の間隙に入ること、又は(iii)初期位置若しくは意図された位置からひっくり返ることをブロックする、請求項19に記載の蓋。
【請求項22】
前記キャビティのうちの所与のキャビティが、前記所与のキャビティ内に位置する物体の方位角回転を制限するように成形され、
前記物体が、円のセグメントの形状を有し、
前記所与のキャビティの底面には、前記物体と接触する前記所与のキャビティの表面積を低減させるための窪みが形成されるか、又は
前記突出部が、前記物体と接触することができる前記突出部の表面積を低減させるように成形された底縁部を有する、請求項19に記載の蓋。
【請求項23】
方法であって、
容器の輸送前に、前記容器の上面からアクセス可能な1つ以上のキャビティを覆うように蓋を摺動させることであって、前記蓋が、前記上面の上を一方向に摺動するように拘束される、摺動させることと、
前記輸送に続いて、前記蓋を後退させて前記1つ以上のキャビティを露出させることと、を含み、
前記蓋から前記1つ以上のキャビティのうちの所与のキャビティ内への突出部が、前記輸送中に、前記所与のキャビティ内に格納された物体が、(i)前記蓋に付着すること、(ii)前記上面と前記蓋との間の間隙に入ること、又は(iii)初期位置若しくは意図された位置からひっくり返ることを防止する、方法。
【請求項24】
前記物体が、ラメラキャリアである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記摺動の前に、前記物体を前記所与のキャビティ内に導入することを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記後退に続いて、前記物体を前記所与のキャビティから抽出することを更に含む、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ラメラキャリアの輸送は、損傷又は紛失なしにラメラキャリアを確実に保持する容器及び手順を必要とする。従来の容器は、区画内のラメラキャリアの移動を適切に拘束しない区画からなる。例えば、ラメラキャリアは、容器の蓋にくっついて、容器と蓋との間に詰まる可能性がある。これら及び他の問題は、従来の容器を自動化にあまり適さないものにしている。従来の容器の蓋を手動で着脱することにしても、ラメラキャリアが容器から落下したり、容器から飛び出したりする可能性がある。したがって、ラメラキャリアなどの薄い又は軽い物体の信頼できる自動化可能な輸送及び取り扱いを提供するために、改善された容器蓋が必要とされている。
【発明の概要】
【0002】
要約すると、開示された技術は、容器への及び容器からのラメラキャリアの安全かつ確実な堆積、輸送、及び抽出のための容器蓋を提供する。開示される技術はまた、開示される蓋を有する容器を使用してラメラキャリアを取り扱いするための自動化ワークフローを可能にする。
【0003】
第1の態様では、開示される技術は、容器の上面を通してアクセス可能であり得る少なくとも1つのキャビティを覆うための蓋として実装され得る。蓋は、平面を有する剛性部材を含むことができる。剛性部材には、第1の手段及び第2の手段が取り付けられている。第1の手段は、平面の運動を上面の上を摺動するように拘束する。第2の手段は、キャビティ内に収容されたラメラキャリアの運動を制限する。
【0004】
第2の態様では、開示される技術は、容器のための蓋として実装され得る。蓋は、容器の表面の上に摺動可能に保持された剛性部材を含むことができる。1つ以上のガイドは、剛性部材に固設され、容器と係合することができる。1つ以上のガイドは、蓋と容器との相対運動を1つの摺動方向に制限することができる。1つ以上の突出部は、剛性部材に取り付けられ得る。1つ以上の突出部は、容器内のそれぞれのキャビティ内に延在することができる。
【0005】
別の態様では、開示される技術は、容器蓋を動作させる方法として実装され得る。容器の輸送の前に、蓋をスライドさせて、容器の上面からアクセス可能な1つ以上のキャビティを覆うことができる。蓋は、容器の上面の上を一方向に摺動するように拘束され得る。輸送に続いて、蓋を後退させて、1つ以上のキャビティを露出させることができる。蓋は、蓋から1つ以上のキャビティのうちの所与のキャビティ内への突出部を含むことができる。突出部は、例えば、輸送中に、所与のキャビティ内に格納された物体が、(i)蓋に付着すること、(ii)上面と蓋との間の間隙に入ること、又は(iii)その初期位置又は意図された位置からひっくり返ることを防止することができる。突出部はまた、物体を所与のキャビティの底面又はランディング面上に静止したままにすることができ、自動化に好適なものとし、例えば、物体の抽出を容易にする。いくつかの実施例では、物体は、ラメラキャリアとすることができる。
【0006】
開示される技術の前述及び他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面を参照して進められる以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】開示される技術による第1の例示的な蓋及び容器を例示する。
図2A】開示される技術による第2の例示的な蓋及び容器を例示する。
図2B】第2の例示的な蓋及び容器の断面図を例示する。
図3A】開示される技術による第3の例示的な蓋及び容器を例示する。
図3B】第3の例示的な蓋及び容器の断面図を例示する。
図4A】開示される技術による第4の例示的な蓋及び容器を例示する。
図4B】第4の例示的な蓋及び容器の断面図を例示する。
図5】開示される技術を組み込む例示的なシステムを例示する図である。
図6】開示される技術による例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
序論
透過型電子顕微鏡(transmission electron
microscope、TEM)において試料として使用されるいくつかのラメラは、1~100μmの横方向範囲を有する約10~100nmの厚さであり得る。ラメラキャリアは、それらの取り扱いを容易にするために使用され得る。ラメラキャリアは、典型的には平坦であり、薄く(多くの場合、約10μmの厚さ)、軽く(多くの場合、それぞれ1ミリグラム未満の重さ)することもできる。典型的なラメラキャリア270の一実施例を図2A図2Bに示す。例示されるキャリア270は、直径約3mmの半円形形状を有することができる。ラメラ(図示せず)をフィンガ272の壁に接合する(例えば、集束イオンビーム(focused ion beam、FIB)によって溶接するか、又はファンデルワールス力によって付着する)ことができる。ラメラキャリアの他の形状及び配置も使用することができる。各ラメラキャリアは、様々な用途において1~1,000個のラメラを支持することができる。
【0009】
次に、ラメラキャリアを、容器のそれぞれのポケット内に格納又は輸送することができる。各ポケットは、真っ直ぐな垂直壁を有することができ、1つのラメラキャリアを緩く収容する。次いで、蓋を容器上に置くことができる。典型的な従来の蓋は、スナップ式の蓋とすることができる。輸送中に遭遇する振動及び他の力に起因して、ラメラキャリアは、容器のポケット内で自由に移動することができ、例えば静電気力又はファンデルワールス力を介して蓋の内面に付着することができる。ラメラキャリアを取り出すために蓋が開かれるときに、ラメラキャリアがしばしば蓋から落下する可能性があるが、一部は容器から振り落とされる可能性もあり、紛失又は損傷する可能性がある。
【0010】
加えて、容器から落下しなかったラメラキャリアの取り外しも問題を伴う可能性がある。従来、ラメラキャリアは、容器から手動で取り外されることが多い。例えば、ラメラキャリアは、ピンセット又は任意の他の機械的ツールを使用して取り外すことができる。これらの手動による方法は、ラメラキャリアを引っ掻くこと又は曲げることを含めてラメラキャリアを損傷する可能性がある。ラメラキャリアはまた、容器ポケットの垂直壁にぶつかる傾向があり得、持ち上げツールから分離することさえあり得る。
【0011】
本明細書で開示される技術は、上記の問題を解決するための改良を提供する。例えば、開示される容器蓋は、ラメラキャリアが蓋の内面にくっつくこと、又は蓋と容器の上面との間の間隙(図2Bの262など)に捕捉されることを防止することができる。蓋の移動は、1自由度のみに拘束され得る。この拘束は、例えば、容器の上面から外向きに垂直な方向に、又はそれから離れる方向にスナップ式蓋を開くよりも少ない力を使用する、滑らかで信頼性のある開閉を提供することができる。ラメラキャリアを収容するポケットはまた、ラメラキャリアの取り外しのための明確な経路を提供するように傾斜した壁を有することができ、ラメラキャリアが壁にぶつかる危険性がより少ない。
【0012】
以下に説明される更なる詳細は、開示される技術からの利益を提供することができる代表的な容器蓋の簡単な説明を提供する。例示の目的で、以下の実施例は、ラメラキャリアを取り扱うための容器及び蓋を示す。しかしながら、開示される技術は、箔のサンプル、有機又は無機膜、又は空気質監視からの微粒子サンプルなど、広範囲の他の薄く軽い物体を取り扱うために同様に適用することができる。
【0013】
用語
本節で引用されている全ての用語の使用法及び意味は、別段の明確な指示がない限り、又は、文脈に反するものでない限り、この開示全体に適用する。以下の用語は、関連する語形に拡張される。
【0014】
「AがB固設された」という表現は、例えば締結具、接着剤、溶接によって2つの別個のピースA及びBが一緒に取り付けられたことを指すことができる。この用語はまた、例えば、一緒に成形され、機械加工され、押出成形されるなど、単一ユニットとしてA及びBが一体的に形成されたことを指すことができる。
【0015】
「エンドエフェクタ」という用語は、その端部に操作ツールを有するデバイスを指す。エンドエフェクタは、ロボットアームに取り付けられ得る。本明細書で説明されるエンドエフェクタは、ラメラキャリアを容器内に挿入するためか、又はラメラキャリアを容器から取り出すためのツールを含むことができる。例では、エンドエフェクタは真空ピペットであり得るが、これは要件ではない。接着式、磁気式、又はばね式の操作ツールも使用され得る。
【0016】
「広範囲に接触」という用語は、2つの物体が互いに対して横たわることを指す。顕微鏡的に少数の離散点に限定する表面粗さの存在は、物体間で広範囲に接触することを妨げない。開示される例では、ラメラキャリアは、キャビティの底面上に載置され、それと広範囲に接触する。いくつかの従来技術では、ラメラキャリアは、蓋の内面と広範囲に接触する可能性がある。
【0017】
「ラメラ」という用語は、透過型電子顕微鏡(TEM)における撮像に好適な薄い試料を指す。ラメラは、5~200nm又は10~30nmの範囲の厚さと、通常、1~20μmの横方向範囲と、を有することができる。
【0018】
「ラメラキャリア」という用語は、1つ以上のラメラのための支持構造を指す。ラメラキャリアは、1~100μmの厚さと、通常、0.1~10mmの横方向範囲を有する。ラメラキャリアは、TEM試料の取り扱いに適合することができる。
【0019】
コンポーネントの「主表面」という用語は、その面積がコンポーネントの他のどの表面によっても実質的に超えられないコンポーネントの表面である。
【0020】
「プレート」という用語は、「厚さ」と呼ばれる距離によって分離された2つの実質的に平行な平坦な主面を有する固体物を指す。プレートの厚さ及び厚さ変動は、プレートの任意の横方向範囲の25%未満とすることができる。穴、取り付けられた突出部又は他の取付具、ベベル、又は丸みを帯びた縁部の存在は、物体がプレートであることを妨げない。本明細書で説明されるいくつかの剛性部材は、プレートの形態であってもよいが、これは要件ではない。
【0021】
「任意の数」という用語は、正の整数Nを指し、Nは、1、2、3~10の範囲(両端を含む)、11~100の範囲(両端を含む)、101~10,000の範囲(両端を含む)、又は10,001~10,000,000の範囲(両端を含む)とすることができる。例示すると、開示される蓋は、単一のキャビティを有する容器を覆うことができ、別の開示される蓋は、0.5mmピッチのキャビティのアレイを有する容器を覆うことができ、その結果、0.5m×0.5m容器は、最大1,000,000個のキャビティを有することができ、対応する蓋は、蓋が閉鎖位置にあるときに各キャビティ内に突出する1つ以上のスタッドを有することができる。
【0022】
「Bの上でAを摺動させる」という表現は、Bを固定したままAを移動させること、又はその逆、あるいはそれらの何らかの組み合わせを含むことができる。摺動の方向は、直線に沿うか、円の弧に沿うか、又は別の経路に沿うこととすることができる。すなわち、一方向への摺動運動下で、摺動されている物体上の所与の点は、直線、円弧、又は別の形状の線を横切ることができる。
【0023】
「上部」、「底部」、「上」、「下」、「水平」、「垂直」などの用語は、蓋が容器の上面に位置付けられる一般的な構成に関して便宜上使用される。当業者は、本開示から、開示された技術の範囲から逸脱することなく、実際の配向の選択を変更することができることを理解するであろう。「外向きに垂直」という用語は、容器の上面又は蓋の上面から上向きなど、物体の主面から離れる方向を指す。「横方向」という用語は、物体の主面内の又はそれに平行な方向を指す。
【0024】
容器蓋の第1の実施例
図1は、容器140とともに使用することができる蓋102の一実施例を例示する図100である。容器140は、物体150を受容するようなサイズのキャビティ142を含む。1つのキャビティ142のみが示されているが、容器140は、任意の数のキャビティを有することができる。蓋102は、剛性部材110を含む。剛性部材110は、外面と、外面の反対側にある内面122とを有することができる。内面122の面は、蓋102が容器140に取り付けられたときに、容器140の上部平面に近接して適合する。物体150は、容器140の上面146を通してキャビティ142に挿入されるか、又はキャビティ142から抽出され得る。
【0025】
剛性部材110の内面122は、突出部120を有することができる。実施例では、突出部120は、キャビティ142の内部空間内に嵌合するようなサイズとすることができる。突出部はまた、蓋102が閉鎖位置にあり、物体150がキャビティ142の底部に静止しているときに、突出部が物体150の上方にクリアランスを残すように高さを有するようなサイズとすることができる。しかしながら、閉鎖状態であっても、突出部120は、矢印160によって示されるように、物体150の移動を制限することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、キャビティ142は、物体150がキャビティ142の底部に静止しているときに、物体150の表面積の一部が凹みの底部と接触しないように、物体150の表面積よりも小さくなるようなサイズの凹み又は窪み(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施例では、窪みは、物体150を損傷、例えば、キャビティ142に挿入されている間又はそこから抽出されている間に押しつぶされることから保護することができる。いくつかの実施形態では、キャビティ142は、物体150の移動を制限するようなサイズ及び形状にすることができる。例えば、キャビティ142は、物体150のサイズ及び形状に適合するようなサイズ及び形状にすることができる。この実施例では、物体150は、キャビティ142の底部に静止している間に回転することを制限され得、輸送中にその方位角配向を方位角公差内に維持することができる。実施例では、方位角公差は、1~5、5~10、10~30、又は30~90度とすることができる。
【0027】
突出部120はまた、物体150が剛性部材110の内面122に引き付けられて接合されることを防止することができる。1つの突出部120のみが示されているが、剛性部材110は、任意の数の突出部120を有することができる。
【0028】
剛性部材110は、ガイド130を含むことができる。蓋102が容器140を閉じるために使用されるときに、ガイド130は、矢印162によって概略的に示されるように、剛性部材110の移動を制限することができる。移動は、摺動運動において、例えば、容器140の上面に平行な1自由度に制限され得る。いくつかの実装態様では、移動162は、直線摺動移動に制限され得る。移動162により、剛性部材110は、キャビティ142を隠す(閉鎖状態)か、又はキャビティ142を露出させる(開放状態)ことができる。
【0029】
例示される蓋の多数の拡張又は変形が、開示される技術の範囲内で実装され得、そのうちのいくつかは、他の実施例の文脈又は本明細書の他の場所で説明される。突出部120は、複数のキャビティ142を通って延在するように細長くされ得る。他の実施例では、突出部120は、蓋が閉鎖位置にあるときに1つのキャビティ142内に完全に嵌合するようなサイズにすることができる。容器140は、物体150がキャビティ142から逃げるのに不十分な幅又はクリアランスを有する、突出部120を収容するようなサイズの対応する溝を有することができる。
【0030】
いくつかの実施例では、蓋102と容器140との間の摺動は、枢動点を中心とする回転運動とすることができる。更なる実施例において、剛性部材110又は容器140には、ガスケットを保持するための溝が設けられて、ダイアグラム100の閉鎖アセンブリが真空シールされることを可能にする。摺動運動の範囲を制限するために、蓋102又は容器140に止め具が設けられ得る。取付具又はハンドルが蓋102に設けられて、アクチュエータが蓋102を開閉することを可能にすることができる。内面122は、帯電防止材料でコーティングされ得る。蓋102は、例えば、容器が閉鎖状態にある間にラベル又はコード(例えば、DataMatrix(商標)コード又はQRコード(登録商標))の読み取りを可能にするために、1つ以上の開口部又は透明窓を含むことができる。単一の容器140は、キャビティ142のそれぞれのグループを覆う複数の蓋102を有することができる。
【0031】
容器蓋の第2の実施例
図2Aは、容器250及び蓋210の第2の実施例を例示する図200である。図2Bは、図2Aの平面AA’に沿った容器250及び蓋210の垂直断面図を示す図202である。簡略化のために、1つのキャビティ260のみが図2Bに示されている。この実施例では、容器250は、細長い長方形の形状を有することができる。
【0032】
容器250は、1つ以上のキャビティ(又はポケット)260を含む。キャビティ260は、容器250の上部平面256を通してアクセス可能である。各キャビティ260は、ラメラキャリア270を受容するようなサイズとすることができ、その結果、ラメラキャリア270がキャビティ260の底面253上に平らに横たわることができ、蓋210に面する主面274を有する。図2Aには2つのキャビティ260のみが示されているが、容器250は、任意の数のキャビティを有することができる。ラメラキャリア270は、容器250の上部平面256を通してキャビティ260内に挿入されるか、又はキャビティ260から抽出され得る。
【0033】
蓋210は、剛性部材220を含むことができる。剛性部材220は、平坦な外平面221と、外面221の反対側の内平面222と、を有する平面形状部分を有することができる。内平面222は、蓋210が容器250に取り付けられるときに、容器250の上部平面256に近接して適合する。しかしながら、内平面222と上面256との間に間隙262があってもよい。
【0034】
蓋210は、平面221の運動を上面256上の摺動運動に拘束するための手段を含むことができる。いくつかの実施例では、この運動拘束は、包み込みフランジ230、232によって提供され得る。フランジ230、232は、部分234、236が、容器250の底部の下で少なくとも部分的に中心軸CC’に向かって内向きに延在するL字型断面を有することができる。したがって、蓋210は、フランジ230、232とともに、容器250の周りを少なくとも部分的に包み込むことができる。
【0035】
蓋210が容器250を部分的に包み込むことができるので、蓋210は、容器250の長手方向長さに沿った摺動移動280のみに拘束され得る。したがって、包み込みフランジ230、232はまた、上面256から外向きに垂直な方向、すなわち離れる方向への蓋の移動を阻止する。蓋210が容器250の長手方向長さに沿って移動するにつれて、キャビティ260を露出させるか、又は覆うことができる。キャビティ260が露出していないときに、容器は閉鎖状態にあると言われる。1つ以上のキャビティ260が露出しているときに、容器は開放状態にあると言われる。いくつかの実施例では、蓋210が第1の摺動位置にある状態で、N個のキャビティ260が蓋210によって覆われ得、蓋が第2の摺動位置にある状態で、M個のキャビティ260が蓋210によって覆われ得、M及びNは負でない整数であり、N>1及びM<Nである。
【0036】
キャビティ260の複数の行は、容器250の長さに沿って直線的に延在することができる。キャビティ260の各直線行に対して、容器250は、容器250の長さに沿って直線的に配置された少なくとも1つの対応する溝258を含む。各溝258は、1つ以上のキャビティ260を通って延在する。キャビティ260及び溝258は、上面256から延在する横方向範囲又は深さ255を有することができる。本明細書で説明されるように、容器250は、任意の数の行のキャビティ及び対応する溝を有することができる。
【0037】
蓋210はまた、キャビティ260内に収容された物体270の運動を制限するための手段を含むことができる。いくつかの実施例では、この手段は、突出部224、226によって提供され得る。いくつかの実施形態では、突出部224、226は、内平面222から直交して延在することができる。他の実施例では、突出部224、226は、内平面222から非直交に延在することができる。突出部224、226は、内平面222からキャビティ260内に延在するように位置付けられ得る。突出部224、226の延在部は、深さ255未満とすることができ、その結果、突出部224、226の先端とキャビティ260の底面253との間に間隙259が存在することができる。各突出部224、226は、深さ255未満の延在部を有することができ、溝258内に延在することもできる。
【0038】
この実施例では、突出部224、226の各々は、蓋210、容器250、及び溝258の長手方向長さに沿って直線的に延在する細長い隆起部の形状を有することができる。各隆起部224、226は、蓋210の摺動移動280の方向において、対応する溝258内にかつそれに沿って延在する。いくつかの実施形態では、各隆起部224、226は、対応する溝258に沿って直線的に位置付けられた全てのキャビティ260を通って隆起部が延在することを可能にする長さを有することができる。いくつかの実施形態では、各隆起部224、226の長さは、少なくとも、隆起部によって占有される所与のキャビティの開放上部よりも大きいか、又は摺動移動280の方向における容器の長さの半分よりも大きくすることができる。図2A及び図2Bは、2つの溝258及びキャビティ260を通過する2つの対応する隆起部224、226を示すが、容器250及び蓋210は、例えば、1つ、2~5の範囲、6~10の範囲、11~100の範囲、又はそれ以上の数の任意の数の溝及び対応する隆起部を有することができる。
【0039】
隆起部224、226の先端とキャビティ260の底面253との間の間隙259は、キャビティ260の底部に近接する公差領域内にラメラキャリア270を拘束することができる。ラメラキャリアは、間隙259内でのみ移動することができ、したがって、ラメラキャリアは、容器上面256と蓋210との間の間隙262に到達することを防止することができる。間隙259で形成された公差領域はまた、ラメラキャリア270がその初期位置又は意図された位置からひっくり返るか、又は逆さまになることを防止することができる。隆起部224、226はまた、ラメラキャリアが剛性部材220の内平面222と広範囲に接触することを防止することができる。例えば、隆起部224、226は、ラメラキャリアが内平面222に付着するか、又はくっつくのを防止することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、キャビティ260は、示されるように、キャビティの底部から上向きに、かつ中心軸CC’から外向きに傾斜する傾斜側壁252、254を含むことができる。傾斜壁252、254及び平坦な底部253は、平坦な底部を有する円錐形状を形成することができる。外向きに傾斜するスロープは、側壁252、254と接触することなく、ラメラキャリア270がキャビティ260から抽出されることを可能にすることができる。
【0041】
隆起部224、226の狭い断面は、ラメラキャリア270がリッジ224、226に付着することを実質的に阻止するが、いくつかの用途では、そのようなシナリオに対して更に保護することが望ましい可能性がある。いくつかの実施形態では、側壁252、254は、蓋210及び隆起部224、226が摺動し、それらとともにラメラキャリア270を搬送するときに、停止部として機能することができる。次いで、ラメラキャリア270は、側壁252、254によって停止され得、蓋210及び隆起部224、226が摺動し続ける間に、キャビティ260内に落下して戻ることができる。
【0042】
例示される蓋の多数の拡張又は変形が、開示される技術の範囲内で実装され得、そのうちのいくつかは、本明細書の他の場所で説明される。いくつかの実施例では、フランジ部分234、236は、容器250の底部を横切って接合することができる。様々な実施例では、各キャビティは、単一の突出部224、又は3つ以上の突出部224を収容することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、突出部224、226は、スタッドの形状を有することができる。スタッド224、226は、スタッドによって占有される所与のキャビティの上部長さ267より短い、実質的に等しい、又はそれより長い長さを有することができる。スタッド224、226は、容器が閉鎖位置にあるときに、それぞれのキャビティの横方向範囲において完全に嵌合することができる。いくつかの実施形態では、横方向寸法のアスペクト比は、約1:1(円形)、1.2:1未満、又は3:1未満とすることができる。いくつかの実施形態では、突出部224、226の先端は、丸みを帯びた底端部を有することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、容器250は、蓋移動拘束部材を含むことができる。図2A及び図2Bの実施例では、拘束部材は、細長い容器250の各端部に位置する停止部材282、284を含むことができる。停止部材282、284は、容器250の上部平面256から突出することができる。停止部材282、284は、剛性部材220の厚さよりも小さい、実質的に等しい、又はそれよりも大きい、上部平面256からの延在部を有することができる。停止部材282、284は、蓋210の摺動移動280を有限範囲に制限することができる。
【0045】
図2Aは2つの停止部材282、284を示しているが、容器250は1つの停止部材のみを有することができる。他の変形では、容器250又は蓋210に複数の戻り止めを設けて、キャビティ260の連続するグループ内の容器250の制御された開放を可能にすることができる。他の変形では、1つ以上の停止部材は、容器250に固設されることに加えて、又はその代わりに、蓋210に固設され得る。
【0046】
容器蓋の第3の実施例
図3Aは、部分的に開放された容器350及び蓋310の第3の実施例を例示する図300である。図3Bは、蓋310が閉鎖位置にある、平面BB’に沿った容器350及び蓋310の垂直断面図を例示する図302である。この実施例では、容器350は細長い長方形の形状を有することができる。
【0047】
容器350は、複数のキャビティ(又はポケット)360を含む。キャビティ360は、容器350の上部平面356を通してアクセス可能である。各キャビティ360は、ラメラキャリア370を受容するようなサイズとすることができ、その結果、ラメラキャリア370がキャビティ360の底面353上に平らに横たわることができ、蓋310に面する主面374を有することができる。図3Aには3つのキャビティ360のみが示されているが、容器350は任意の数のキャビティを有することができる。ラメラキャリア370は、容器350の上部平面356を通してキャビティ360内に挿入されるか、又はキャビティ360から抽出され得る。
【0048】
蓋310は、剛性部材320を含むことができる。剛性部材320は、平坦な外平面321と、外面321の反対側の内平面322と、を有する平面形状部分を有することができる。内平面322は、蓋310が容器350に取り付けられるときに、容器350の上部平面356に近接して適合する。しかしながら、内平面322と上面356との間に間隙362があってもよい。
【0049】
容器350は、溝364、366を含むことができる。溝364、366は、容器350の長手方向長さに沿って延在し、剛性部材320のフランジ330、332を受容又は係合するようなサイズである。したがって、溝364、366は、剛性部材320の厚さと実質的に等しいか、又はそれよりも大きい延在部を有することができる。フランジ330、332は、剛性部材320の各長手方向側面に沿って延在する。いくつかの実施形態では、溝364、366は、容器350の長手方向側部に沿って上部平面356から上向きに延在する延長部357、358から形成され得る。
【0050】
溝364、366が剛性部材320に係合すると、蓋310は、矢印380によって示されるように、容器350の長手方向長さに沿った摺動移動のみに拘束され得る。したがって、溝364、366はまた、上面356から外向きに垂直な方向、すなわち離れる方向への蓋310の移動を阻止する。蓋310が容器350の長さに沿って移動するにつれて、キャビティ360を露出させるか、又は覆うことができる。キャビティ360が露出していないときに、容器は閉鎖状態にあると言われる。1つ以上のキャビティ360が露出しているとき、容器は開放状態にあると言われる。いくつかの実施例では、蓋310が第1の摺動位置にある状態で、N個のキャビティ360が蓋310によって覆われ得、蓋が第2の摺動位置にある状態で、M個のキャビティ360が蓋310によって覆われ得、M及びNは負でない整数であり、N>1及びM<Nである。
【0051】
図3A及び図3Bの実施例では、キャビティ360は、容器350の長手方向長さに沿って直線的に位置付けられる。キャビティ360の各直線行に対して、容器350は、容器350の長手方向長さに沿って同様に直線的に位置付けられた少なくとも1つの対応する溝368を含む。各溝368は、1つ以上のキャビティ360を通って延在する。キャビティ360及び溝368は、上面356から延在する横方向範囲又は深さ355を有することができる。本明細書で説明されるように、容器350は、任意の数の行のキャビティ及び対応する溝を有することができる。
【0052】
蓋310は、突出部324、326を含むことができる。いくつかの実施形態では、突出部324、326は、内平面322から直交して延在することができる。他の実施例では、突出部324、326は、内平面322から非直交に延在することができる。突出部324、326は、内平面322からキャビティ360内に延在するように位置付けられる。突出部324、326の延在部は、深さ355未満とすることができ、その結果、突出部324、326の先端とキャビティ360の底面353との間に間隙359が存在することができる。各突出部324、326は、深さ355未満の延在部を有することができるので、突出部324、326は、溝368内に延在することもできる。
【0053】
この実施例では、突出部324、326の各々は、蓋310、容器350、及び溝368の長手方向長さに沿って直線的に延在する細長い隆起部の形状を有することができる。各隆起部324、326は、蓋310の摺動移動380に沿って、対応する溝368に内にかつそれに沿って延在する。いくつかの実施形態では、各隆起部324、326は、対応する溝368に沿って直線的に位置付けられた全てのキャビティ360を通って隆起部が延在することを可能にする長さを有することができる。いくつかの実施形態では、各隆起部324、326の長さは、少なくとも、隆起部324、326によって占有される所与のキャビティ360の開放上部よりも大きいか、又は摺動移動380の方向における容器350の長さの半分よりも大きくすることができる。図3A及び図3Bは、2つの溝368及び2つの対応する隆起部324、326を示すが、容器350及び蓋310は、任意の数の溝及び対応する隆起部を有することができる。
【0054】
隆起部324、326の先端とキャビティ360の底面353との間の間隙359は、キャビティの底部に対する公差内にラメラキャリア370を拘束することができる。ラメラキャリアは、この間隙内でのみ移動することができ、したがって、ラメラキャリアは、容器上面356と蓋310との間の間隙362に到達することを防止することができる。隆起部324、326はまた、ラメラキャリアが剛性部材320の内平面322と広範囲に接触することを防止することができる。例えば、隆起部324、326は、ラメラキャリアが内平面322に付着するか、又はくっつくのを防止することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、キャビティ360は、図示のように、キャビティの底部から上向きに、かつ中心軸EE’から外向きに傾斜する傾斜側壁352、354を含むことができる。外向きに傾斜するスロープは、側壁352、354と接触することなく、ラメラキャリア370がキャビティ360から抽出されることを可能にすることができる。
【0056】
隆起部324、326の狭い断面は、ラメラキャリア370がリッジ324、326に付着することを実質的に阻止するが、いくつかの用途では、そのようなシナリオに対して更に保護することが望ましい可能性がある。いくつかの実施形態では、ラメラキャリア370が隆起部324、326の先端に取り付けられる場合、側壁352、354は、蓋310及び隆起部324、326が摺動し、それらとともにラメラキャリア370を搬送するときに、停止部として機能することができる。次いで、ラメラキャリア370は、側壁352、354によって停止され得、蓋310及び隆起部324、326が摺動し続ける間に、キャビティ360内に落下して戻ることができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、突出部324、326は、スタッドの形状を有することができる。スタッド324、326は、スタッドによって占有される所与のキャビティの開放上部幅367より短い、実質的に等しい、又はそれより長い長さを有することができる。スタッド324、326は、容器が閉鎖位置にあるときに、それぞれのキャビティの横方向範囲において完全に嵌合することができる。いくつかの実施形態では、横方向寸法のアスペクト比は、約1:1(円形)、1.2:1未満、又は3:1未満とすることができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、突出部324、326の先端は、丸みを帯びた凸状(図示のように)又は凹状形状を有することができる。突出部324、326の先端はまた、他の形状を有するか、又は含むことができる。これらのプロファイルのいずれも、ラメラキャリア270又は別の物体と接触する可能性がある突出部の表面積を低減することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、容器350は、蓋移動拘束部材を含むことができる。図3A及び図3Bの実施例では、拘束部材は、細長い容器350の一端部に位置する停止部材382を含むことができる。停止部材382は、容器350の上部平面356から突出して、2つの溝364、366を接続することができる。停止部材382は、剛性部材320の短い端部を受容又は係合するように、溝364、366と同様のサイズの溝(図示せず)を含む。停止部材382は、容器350の閉鎖状態において蓋310の摺動移動380を停止させることができる。他の変形では、1つ以上の停止部材は、容器350に固設されることに加えて、又はその代わりに、蓋310に固設され得る。
【0060】
例示される蓋の多数の拡張又は変形が、開示される技術の範囲内で実装され得、そのうちのいくつかは、本明細書の他の場所で説明される。図3Aは、摺動方向380に長手方向に延在する単一の列のキャビティ360を示す。変形では、キャビティ360は、切断線BB’に平行に延在する単一の行として、又は複数の行若しくは列で配置され得る。蓋310は、窓を含むことができ、その結果、一度に1つ又は少数のキャビティのみが開放される。
【0061】
容器蓋の第4の実施例
図4Aは、容器450及び蓋410の第4の実施例を示す図400である。図4Bは、平面FF’に沿った容器450及び蓋410の垂直断面図を示す図402である。この実施例では、容器450は円形の形状を有することができる。
【0062】
容器450は、複数のキャビティ(又はポケット)460を含む。キャビティ460は、容器450の上部平面456を通してアクセス可能である。各キャビティ460は、ラメラキャリア470を受容するようなサイズとすることができ、その結果、ラメラキャリア470がキャビティ460の底面453上に平らに横たわることができ、円形蓋410に面する主面474を有する。図4Aには3つのキャビティ460のみが示されているが、容器450は任意の数のキャビティを有することができる。ラメラキャリア470は、容器450の上部平面456を通してキャビティ460内に挿入されるか、又はキャビティ460から抽出され得る。
【0063】
蓋410は、剛性部材420を含むことができる。剛性部材420は、平坦な外平面421と、外面421の反対側の内平面422と、を有する平面形状部分を有することができる。内平面422は、蓋410が容器450に取り付けられるときに、容器450の上部平面456に近接して適合する。しかしながら、内平面422と上面456との間に間隙462があってもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、剛性部材420は、開口部425を含むことができる。開口部425は、少なくとも1つのキャビティ460の開口面積よりも大きい開口面積を有することができる。
【0065】
容器450は、溝464を含むことができる。溝464は、容器450の周囲に延在し、剛性部材420のフランジ430を受容又は係合するようなサイズとすることができる。したがって、溝464は、剛性部材420の厚さよりも大きい延在部を有することができる。フランジ430は、剛性部材420の周囲に連続的又は区分的に延在することができる。一実施例では、フランジ430は、剛性部材420の周囲に配置されたいくつかの別個のタブを含むことができる。いくつかの実施形態では、溝464は、容器450の周囲に上部平面456から上向きに延在する延在部457から形成され得る。
【0066】
溝464が剛性部材420に係合すると、蓋410は、枢動点481を中心とした方位角回転480に拘束され得る。したがって、溝464はまた、上面456から外向きに垂直な方向、すなわち離れる方向における蓋を阻止する。いくつかの実施形態では、枢動点481は、剛性部材422の内平面422から容器450の底面451まで延在する支柱を含むことができる。いくつかの実施形態では、容器の底面451上の開口部及び内平面422内の対応して位置合わせされた開口部は、枢動点481において支柱と係合するように位置付けられ得る。いくつかの実装態様では、支柱は、容器の底面451又は剛性部材420の内面422の一方に固定して取り付けられ得、開口部は、他方のユニット内にあることができる。支柱及び対応する開口部は、容器の底面451又は剛性部材420の内面422を通って延在するか、又は途中まで延在する。
【0067】
蓋410が枢動点481を中心として回転すると、キャビティ460のうちの1つ以上を選択的に露出させるか、又は覆うことができる。所与のキャビティ460は、開口部425が所与のキャビティ460と位置合わせされたときに露出され得る。キャビティ460が露出していないときに、容器は閉鎖状態にあると言われる。1つ以上のキャビティ460が露出しているとき、容器は開放状態にあると言われる。いくつかの実施例では、蓋410が第1の摺動位置にある状態で、N個のキャビティ460が蓋410によって覆われ得、蓋が第2の摺動位置にある状態で、M個のキャビティ460が蓋410によって覆われ得、M及びNは負でない整数であり、N>1及びM<Nである。
【0068】
図4Aの実施例では、キャビティ460は、容器450の周囲と同心円状に位置付けられる。キャビティ460の各行に対して、容器450は、容器450の外周と同心円状に位置付けられた1つ以上の対応する溝468を含むことができる。各溝468は、1つ以上のキャビティ460を通って延在することができる。キャビティ460は、上面456から延在する深さ455を有することができる。様々な実施形態では、溝468は、キャビティ深さ455以下の深さを有することができる。変形では、容器450は、キャビティ及び対応する溝の任意の数の円形リングを有することができる。開口部425は、それぞれのリング上で複数のキャビティ460を同時に露出させることができる。
【0069】
蓋410は、突出部424、426を含むことができる。いくつかの実施形態では、突出部424、426は、内平面422から直交して延在することができる。他の実施例では、突出部424、426は、内平面422から非直交に延在することができる。突出部424、426は、内平面422からキャビティ460内に延在するように位置付けられ得る。突出部424、426の下向きの延在部は、溝468の深さ未満であり、またキャビティ深さ455未満とすることができ、その結果、突出部424、426の先端とキャビティ460の底面453との間に間隙459が存在することができる。
【0070】
この実施例では、突出部424、426の各々は、溝468、蓋410、及び溝464と同心円状で、枢動点481を中心として方位角方向に延在する、不完全な円形隆起部の形状を有することができる。隆起部424、426の円は、開口部425において破断されているので不完全である。各隆起部424、426は、対応する溝468内に延在することができる。いくつかの実施形態では、各隆起部424、426は、容器450が閉鎖状態にあるときに、対応する溝368に沿って方位角方向に分散された全てのキャビティ460を通って隆起部が延在することを可能にする長さを有することができる。いくつかの実施形態では、各隆起部424、426の長さは、方位角方向において所与のキャビティ460の開放上部長さ467より少なくとも大きく、又は方位角方向において90°若しくは180°よりも大きくすることができる。図4A及び図4Bは、2つの溝468及び2つの対応する隆起部424、426を示すが、容器450及び蓋410は、任意の数の溝及び対応する隆起部を有することができる。
【0071】
隆起部424、426の先端とキャビティ460の底面453との間の間隙459は、キャビティの底部に対する公差内にラメラキャリア470を拘束することができる。ラメラキャリアは、この間隙内でのみ移動することができ、したがって、ラメラキャリアは、容器上面456と蓋410との間の間隙462に到達することを防止することができる。隆起部424、426はまた、ラメラキャリアが剛性部材420の内平面422と広範囲に接触することを防止することができる。例えば、隆起部424、426は、ラメラキャリアが内平面422に付着するか、又はくっつくのを防止することができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、キャビティ460は、図示のように、キャビティの底面453から上向きに、かつキャビティ460の中心軸GG’から外向きに傾斜する傾斜側壁452、454を含むことができる。外向きに傾斜するスロープは、側壁452、454と接触することなく、ラメラキャリア470がキャビティ460から抽出されることを可能にすることができる。
【0073】
隆起部424、426の狭い断面は、ラメラキャリア470がリッジ424、426に付着することを実質的に阻止するが、いくつかの用途では、そのようなシナリオに対して更に保護することが望ましい可能性がある。いくつかの実施形態では、側壁452、454は、蓋410及び隆起部424、426が摺動し、それらとともにラメラキャリア470を搬送するときに、停止部として機能することができる。次いで、ラメラキャリア470は、側壁452、454によって停止され得、蓋410及び隆起部424、426が摺動し続ける間に、キャビティ460内に落下して戻ることができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、突出部424、426は、スタッドの形状を有することができる。スタッド424、426は、スタッドによって占有される所与のキャビティの開放上部幅467より短い、実質的に等しい、又はそれより長い長さを有することができる。スタッド424、426は、容器が閉鎖位置にあるときに、それぞれのキャビティの横方向範囲において完全に嵌合することができる。いくつかの実施形態では、横方向寸法のアスペクト比は、約1:1(円形)、1.2:1未満、又は3:1未満とすることができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、突出部424、426の先端は、丸みを帯びた凸形状又は凹形状を有することができる。突出部424、426の先端はまた、他の形状を有するか、又は含むことができる。
【0076】
図4A及び図4Bは、容器450及び蓋410の中心に位置付けられた枢動点481を示しているが、枢動点481はまた、容器450内の別の場所に位置付けられてもよい。
【0077】
例示される蓋の多数の拡張又は変形が、開示される技術の範囲内で実装され得、そのうちのいくつかは、本明細書の他の場所で説明される。図4Aは、単一のキャビティ460を露出させる単一の開口部425を有する蓋410を示す。変形では、開口部425が、複数のキャビティ460を露出させることができるか、又は蓋410が、複数の別個の開口部425を組み込むことができる。他の変形では、容器450若しくは蓋410、又はその両方は、蓋移動拘束部材を含むことができる。
【0078】
例示的なシステム
いくつかの実施例では、開示される技術は、ラメラキャリアの自動化ハンドリングに適用され得る。図5は、ラメラ調製ステーション510、輸送サブシステム520、及び透過型電子顕微鏡(TEM)530を含むことができる、例えば、実験室又は生産フロアに位置する動作システムを例示する図500である。いくつかの実施形態では、ラメラ調製ステーション510は、ロードロックを有する真空チャンバを含むことができる。いくつかの実施例では、ラメラ574がラメラキャリア570に取り付けられると、エフェクタ512は、ラメラキャリア570をラメラキャリア容器530内に堆積させる(又は挿入する)ことができる。エフェクタ512は、真空ピペット又は別のタイプのエンドエフェクタとすることができる。いくつかの実施例では、ラメラキャリア容器530又は蓋532は、本明細書で説明される例示的な実施形態によるものであり得るが、これは要件ではなく、他の実施例では、容器530又は蓋532の他の設計が使用され得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、エフェクタ512は、各ラメラキャリア570をラメラキャリア容器530内のそれぞれのキャビティ内に堆積させることができる。ラメラキャリア570がキャビティ内に堆積された後に、エフェクタ512又は別のアクチュエータ(図示せず)は、蓋532を閉鎖することができる。例えば、エフェクタ512は、蓋532を、全てのキャビティを覆う位置に摺動させることができる。いくつかの実施形態では、エフェクタ512又は別のアクチュエータは、蓋532をラメラキャリア容器530に固着することもできる。
【0080】
次いで、容器530は、輸送サブシステム520を通して輸送され得る。いくつかの実施例では、輸送サブシステム520は搬送ベルトを含むことができる。輸送サブシステム520は、ラメラキャリア容器530をTEM530に輸送することができる。TEM530は、例えば、ロードロックを有する真空チャンバを含むことができ、ロードロックを通して、ラメラキャリア570は、TEMの試料チャンバ内に導入され得る。エフェクタ512と同様に、エフェクタ522は、真空ピペット又は別のタイプのエンドエフェクタとすることができる。いくつかの実施形態では、エフェクタ522又は別のアクチュエータは、ラメラキャリア570の抽出の前に蓋532を開放することができる。例えば、エフェクタ522は、蓋532を、ラメラキャリア容器530の1つ以上のキャビティを露出させる位置に摺動させることができる。次いで、露出したキャビティからラメラキャリア570が抽出され得る。
【0081】
例示される蓋の多数の拡張又は変形が、開示される技術の範囲内で実装され得、そのうちのいくつかは、本明細書の他の場所で説明される。例えば、輸送サブシステム520は、ロボットアーム又は気送管を含むことができる。いくつかの実施形態では、輸送サブシステム520は、フロントオープニングユニバーサルポッド(Front Opening Universal Pod、FOUP)を含むことができるか、又はこれとともに使用され得る。エフェクタ512は、ラメラキャリア570をラメラ調整ステーション510から抽出し、ラメラキャリアを容器530内に挿入するように構成され得る。エフェクタ522は、容器530からラメラキャリアを抽出し、ラメラキャリア570をTEM550のロードロックに挿入するように構成され得る。ばね荷重式蓋又は磁気蓋も使用することができる。外部アクチュエータは、(例えば、ばねを更に圧縮又は拡張させることによって)蓋532を摺動させて開放することができる。次いで、アクチュエータを取り外して蓋をその公称位置に戻すことによって、蓋532を自動的に閉鎖することができる。
【0082】
例示的な方法
図6は、ラメラキャリアの自動化ハンドリングのための第1の例示的な方法のフローチャート600である。フローチャート600は、本明細書に開示されるような容器及び蓋を動作させるためのプロセスブロックを含むことができる。変形では、方法は、ラメラ又はラメラキャリアをラメラキャリア容器内にパッケージングすることと、ラメラキャリア容器を輸送することと、ラメラ又はラメラキャリアをラメラキャリア容器から抽出することと、を含むように拡張され得る。
【0083】
プロセスブロック620では、容器を輸送する前に、容器の蓋を摺動させて容器の1つ以上のキャビティを覆うことができる。蓋は、容器の上面の上を第1の方向に摺動するように拘束され得る。これにより、容器を全てのキャビティ又は全ての占有されたキャビティが覆われた閉鎖状態にすることができる。いくつかの実施形態では、ブロック620における蓋の摺動移動は、停止部によって制限され得る。
【0084】
プロセスブロック630では、容器を輸送した後、容器の蓋を摺動させて、容器の1つ以上のキャビティを露出させることができる。いくつかの実施例では、蓋は、容器の上面の上を第2の方向に摺動することができる。これにより、容器を少なくとも1つのキャビティが露出された開放状態、又は部分的な開放状態にすることができる。いくつかの実施形態では、ブロック630における蓋の摺動移動は、停止部によって制限され得る。
【0085】
開示された方法の多数の変形及び拡張を実装することができる。いくつかの実施形態では、プロセスブロック620は、破線の輪郭で示される任意選択のプロセスブロック610によって先行され得る。プロセスブロック610において、物体を容器のキャビティ内に導入することができる。例えば、ラメラキャリアは、上述の例示的なラメラキャリア容器のキャビティ内に堆積され得る。複数のラメラキャリアは、ラメラキャリア容器のそれぞれのキャビティ内にロードされ得る。更なる実施形態では、ブロック630の後に任意選択のプロセスブロック640が続くことができ、物体をそのキャビティから抽出することができる。複数のラメラキャリアは、ラメラキャリア容器のそれぞれのキャビティから抽出することができる。別の例示的な変形では、プロセスブロック610は、蓋を摺動させて1つ以上のキャビティを露出させることによって先行され得る。別の変形では、プロセスブロック640の後に蓋を摺動させてカバーを覆うことができる。いくつかの他の変形では、容器は、物体がキャビティから抽出される必要があるまで、閉鎖状態のままとすることができる。これにより、物体を保護し、汚染を防止することができる。
【0086】
追加の実施例
以下、開示される技術の追加の実施例を説明する。
【0087】
実施例1は、容器の上面を通してアクセス可能な、第1のキャビティを含む1つ以上のキャビティのための蓋であって、平面を有する剛性部材を含み、平面の運動を上面の上を摺動するように拘束するための第1の手段と、キャビティ内に収容された物体の運動を第1のキャビティ内に制限するための第2の手段と、が剛性部材に固設された、蓋である。
【0088】
実施例2は、実施例1の主題を含み、第2の手段によって、容器の上面と剛性部材の平面との間の間隙に到達すること、又は初期位置若しくは意図された位置からひっくり返ることを制限される、ことを更に規定する。
【0089】
実施例3は、実施例1~2のいずれかの主題を含み、物体の主面が、第2の手段によって、剛性部材の平面と広範囲に接触することを制限される、ことを更に規定する。
【0090】
実施例4は、実施例1~3のいずれかの主題を含み、平面の運動が、第1の手段によって、容器に対する直線並進に拘束される、ことを更に規定する。
【0091】
実施例5は、実施例4の主題を含み、第1の手段が、容器の周りに少なくとも部分的に延在するように位置付けられた1つ以上の包み込みフランジを備える、ことを更に規定する。
【0092】
実施例6は、実施例1~5のいずれかの主題を含み、平面の運動が、第1の手段によって、枢動点を中心とした方位角回転に拘束される、ことを更に規定する。
【0093】
実施例7は、実施例6の主題を含み、第1の手段が、枢動点において、容器上の開口部又は平面上の開口部と枢動点において係合するように位置付けられた支柱を備える、ことを更に規定する。
【0094】
実施例8は、実施例1~7のいずれかの主題を含み、第1の手段が、摺動の方向に延在する容器の1つ以上の溝と係合するように位置付けられた1つ以上のフランジを備える、ことを更に規定する。
【0095】
実施例9は、実施例1~8のいずれかの主題を含み、第1の手段が、容器の上面から外向きに垂直な方向への平面の運動を阻止する、ことを更に規定する。
【0096】
実施例10は、実施例1~9のいずれかの主題を含み、N>1及びM<Nが、1つ以上のキャビティの非負整数であり、蓋が第1の摺動位置にある状態で、N個のキャビティが、蓋によって覆われ、蓋が第2の摺動位置にある状態で、M個のキャビティが、蓋によって覆われる、ことを更に規定する。
【0097】
実施例11は、実施例1~10のいずれかの主題を含み、Nが、1、2、3~10の範囲(両端を含む)、11~100の範囲(両端を含む)、101~10,000の範囲(両端を含む)、又は10,001~1,000,000の範囲(両端を含む)である、ことを更に規定する。
【0098】
実施例12は、実施例1~11のいずれかの主題を含み、摺動が、容器又は蓋に固設された1つ以上の停止部によって有限範囲に制限される、ことを更に規定する。
【0099】
実施例13は、実施例1~12のいずれかの主題を含み、第2の手段が、1つ以上の突出部を備える、ことを更に規定する。
【0100】
実施例14は、実施例13の主題を含み、1つ以上の突出部の各々が、(i)摺動の方向に長手方向範囲を有し、(ii)蓋が第1の摺動位置にある状態で、1つ以上のキャビティのうちの少なくとも1つを占有するように位置付けられた隆起部である、ことを更に規定する。
【0101】
実施例15は、実施例14の主題を含み、隆起部の長手方向範囲が、隆起部によって専有される所与のキャビティの範囲よりも大きいか、摺動の方向における容器の長さの半分よりも大きいか、又は、隆起部によって占有される所与のキャビティの範囲の10%以内である、ことを更に規定する。
【0102】
実施例16は、実施例13の主題を含み、1つ以上の突出部の各々が、蓋から1つ以上のキャビティのそれぞれのキャビティ内に延在するスタッドである、ことを更に規定する。
【0103】
実施例17は、実施例16のいずれかの主題を含み、蓋が第1の摺動位置にある状態で、スタッドが、それぞれのキャビティの横方向範囲内に完全に位置する、ことを更に規定する。
【0104】
実施例18は、実施例1~17のいずれかの主題を含み、剛性部材が、プレートである、ことを更に規定する。
【0105】
実施例19は、実施例1~18のいずれかの主題を含み、剛性部材が、少なくとも部分的に、光学的に半透明又は光学的に透明である、ことを更に規定する。
【0106】
実施例20は、実施例1~19のいずれかの主題を含み、1つ以上のキャビティの各キャビティが、ラメラキャリアを収容するようなサイズであり、各キャビティの横方向範囲が、ラメラキャリアの対応する横方向範囲よりもクリアランスだけ大きく、クリアランスが、ラメラキャリアの対応する範囲の1%~100%の範囲である、ことを更に規定する。
【0107】
実施例21は、容器のための蓋であって、容器の表面の上に摺動可能に保持される剛性部材と、剛性部材に固設され、かつ容器と係合する1つ以上のガイドであって、蓋と容器との相対運動を1つの摺動方向に制限する1つ以上のガイドと、剛性部材に固設され、かつ容器内のそれぞれのキャビティ内に延在する1つ以上の突出部と、を含む、蓋である。
【0108】
実施例22は、実施例21の主題を含み、容器が、ラメラキャリア容器である、ことを更に規定する。
【0109】
実施例23は、実施例21~22のいずれかの主題を含み、表面が第1の表面であり、剛性部材が、第1の表面に近接して適合する第2の表面を含み、1つ以上の突出部の各突出部は、各突出部のそれぞれのキャビティ内の物体が、(i)第2の表面と広範囲に接触すること、(ii)第1の表面と第2の表面との間の間隙に入ること、又は(iii)初期位置若しくは意図された位置からひっくり返ることをブロックする、ことを更に規定する。
【0110】
実施例24は、請求項21に記載の蓋と、容器と、を備える容器アセンブリである。
【0111】
実施例25は、実施例24の主題を含み、キャビティのうちの所与のキャビティが、所与のキャビティ内に位置する物体の方位角回転を制限するように成形され、物体が、円のセグメントのうちの所与のキャビティが、所与のキャビティ内に位置する物体の方位角回転を制限するように成形され、形状を有し、所定のキャビティの底面には、物体と接触する所定のキャビティの表面積を低減させるための窪みが形成されるか、又は突出部が、物体と接触することができる突出部の表面積を低減させるように成形された底縁部を有する、ことを更に規定する。
【0112】
実施例26は、ラメラ調製ステーションと、請求項25に記載の容器アセンブリを支持し、ラメラ調製ステーションから1つ以上のラメラを受容するためにラメラ調製ステーションに結合されたコンベヤと、コンベヤから1つ以上のラメラを受容するためにラメラ調製ステーションに結合された透過型電子顕微鏡(TEM)と、を備える、システムである。
【0113】
実施例27は、実施例26の主題を含み、1つ以上のラメラを支持する1つ以上のラメラキャリアを、ラメラ調整ステーションにおける容器アセンブリ内に挿入するように構成された第1のエンドエフェクタと、1つ以上のラメラキャリアを、TEMにおいて容器アセンブリから抽出するように構成された第2のエンドエフェクタと、を更に含む。
【0114】
実施例28は、容器の輸送前に、容器の上面からアクセス可能な1つ以上のキャビティを覆うように蓋を摺動させることであって、蓋が、上面の上を一方向に摺動するように拘束される、摺動させることと、輸送に続いて、蓋を後退させて1つ以上のキャビティを露出させることと、を含み、蓋から1つ以上のキャビティのうちの所与のキャビティ内への突出部が、輸送中に、所与のキャビティ内に格納された物体が、(i)蓋にくっつくこと、(ii)上面と蓋との間の間隙に入ること、又は(iii)初期位置若しくは意図された位置からひっくり返ることを防止する、方法である。
【0115】
実施例29は、実施例28の主題を含み、物体が、ラメラキャリアであることを、更に規定する。
【0116】
実施例30は、実施例28~29のいずれかの主題を含み、摺動の前に、物体を所与のキャビティ内に導入することを含む。
【0117】
実施例31は、実施例28~30のいずれかの主題を含み、後退に続いて、物体を所与のキャビティから抽出することを含む。
【0118】
いくつかの実施形態では、蓋の様々な実施例の剛性部材が、少なくとも部分的に、光学的に半透明又は光学的に透明とすることができる。蓋の様々な実施例の剛性部材が、プレート、又は平坦な底部を有する三次元コンポーネントとすることができる。いくつかの実施形態では、蓋の様々な実施例の剛性部材が、1つ以上のハンドルなどを含むことができる。
【0119】
一般的な考察
本出願及び特許請求の範囲において使用される場合、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形を含む。更に、「含む」という用語は、「備える」を意味する。更に、「結合された」という用語は、結合されたアイテム間の中間要素の存在を除外しない。更に、本明細書で使用される「又は」及び「及び/又は」という用語は、句中の任意の1つの項目、又は項目の組み合わせを意味する。
【0120】
本明細書に記載のシステム、方法、及び装置は、いかなる方法によっても制限的なものとして解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、様々な開示された実施形態の全ての新規かつ非自明な特徴並びに態様を、単独で、並びに互いとの様々な組み合わせ及び部分的組み合わせで対象とする。開示されたシステム、方法、及び装置は、任意の特定の態様若しくは特徴又はそれらの組み合わせに限定されず、開示されたシステム、方法、及び装置は、任意の1つ以上の特定の利点が存在すべきであるか、又は問題が解決されるべきであることも必要としない。任意の実施例の技術は、他の実施例のうちの任意の1つ以上で記載された技術と組み合わせることができる。動作の任意の理論は、説明を容易にするためのものであるが、開示されるシステム、方法、及び装置は、かかる動作の理論に限定されない。
【0121】
開示される方法のうちのいくつかの動作は、便宜的な提示のために特定の連続的な順序で説明されるが、この説明の様式は、特定の順序付けが以下に記載される特定の文言によって必要とされない限り、並べ替えを包含することを理解されたい。例えば、連続して説明される動作は、場合によっては、並べ替えられ得るか、又は同時に行われ得る。更に、簡単にするために、添付の図面は、開示されるシステム、方法、及び装置が、他のシステム、方法、及び装置とともに使用され得る様々な方法を示していない場合がある。更に、説明は、開示される方法を説明するために「生成する」及び「提供する」のような用語を使用することがある。これらの用語は、行われる実際の動作の高レベルの抽象化である。これらの用語に対応する実際の動作は、特定の実装態様に応じて変化し、当業者によって容易に認識可能である。
【0122】
いくつかの実施例では、値、手順、又は装置は、「最低」、「最良」、「最大」、「最適」、「極値」などと称されることがある。そのような記述は、少数の又は多くの代替物からの選択が可能であることを示すことを意図しており、そのような選択は、より低い、より良い、より少ない、又は、他の点で他の選択肢よりも好ましい必要はないことが理解されよう。特に、上記で開示される実施例は、一般に、測定された電流の1つ以上の極値に基づいて、又はその極値において、ビーム焦点、作動距離、又は他のパラメータを調整するが、これは要件ではない。
【0123】
本開示の装置又は方法を参照して本明細書に提示される動作理論、科学的原理、又は他の理論的説明は、理解を深めるために提供されたものであり、範囲を限定することを意図するものではない。別記の特許請求の範囲における装置及び方法は、そのような動作理論によって説明される方法で機能する装置及び方法に限定されない。
【0124】
開示された主題の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮して、例示された実施形態は、開示された主題の好ましい例にすぎず、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを認識すべきである。むしろ、特許請求される主題の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される。したがって、これらの請求項の範囲及び趣旨に含まれる全てのものを請求する。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
【外国語明細書】