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特開2023-169148AR導波結合器の回折格子アウトカップリング強度の制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169148
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】AR導波結合器の回折格子アウトカップリング強度の制御
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/18 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
G02B5/18
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023133291
(22)【出願日】2023-08-18
(62)【分割の表示】P 2020540341の分割
【原出願日】2018-10-23
(31)【優先権主張番号】15/880,693
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー ティマーマン タイセン, ラトガー
(72)【発明者】
【氏名】マクミラン, ウェイン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】表面レリーフ回折格子を用いて、拡張導波結合器との間でインカップリング及びアウトカップリングする際、アウトカップリングの強度は、適切に制御されないことがある。
【解決手段】基板302上に形成される回折格子に於いて、拡張導波領域300はデューティサイクル及び屈折率を有する複数の回折格子332、334,336を含む。ここでデューティサイクルが異なり、屈折率が異なり、或いはデューティサイクルと屈折率の両方が異なる。
【選択図】図3C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のデューティサイクルを有する、基板上に形成される少なくとも1つの第1の回折格子と、
前記第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを有する、前記少なくとも1つの第1の回折格子に隣接して前記基板上に形成される少なくとも1つの第2の回折格子と、
前記第1のデューティサイクル及び前記第2のデューティサイクルとは異なる第3のデューティサイクルを有する、前記少なくとも1つの第2の回折格子に隣接して前記基板上に形成される少なくとも1つの第3の回折格子と、
を備えるデバイス。
【請求項2】
前記第1のデューティサイクル、前記第2のデューティサイクル、及び前記第3のデューティサイクルは、約0.1から約0.5の間である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1の回折格子、前記少なくとも1つの第2の回折格子、及び前記少なくとも1つの第3の回折格子の各回折格子は、同じ高さを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1の回折格子、前記少なくとも1つの第2の回折格子、及び前記少なくとも1つの第3の回折格子の各回折格子は、前記基板に対してある量だけ傾斜した側壁面を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第2のデューティサイクルは、前記第1のデューティサイクルよりも大きく、
前記第3のデューティサイクルは、前記第2のデューティサイクルよりも大きい、
請求項2に記載のデバイス。
【請求項6】
第1の屈折率を有する、基板上に形成される少なくとも1つの第1の回折格子と、
前記第1の屈折率よりも大きな第2の屈折率を有する、前記少なくとも1つの第1の回折格子に隣接して前記基板上に形成される少なくとも1つの第2の回折格子と、
前記第2の屈折率よりも大きな第3の屈折率を有する、前記少なくとも1つの第2の回折格子に隣接して前記基板上に形成される少なくとも1つの第3の回折格子と、
を備えるデバイス。
【請求項7】
前記第1の屈折率及び前記第2の屈折率は、約1.2から約1.7の間である、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第3の屈折率は、約1.5から約2.5の間である、請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1の回折格子は、第2の材料に対して第1の比率の第1の材料を含み、
前記少なくとも1つの第2の回折格子は、前記第2の材料に対して、前記第1の比率とは異なる第2の比率の前記第1の材料を含み、
前記少なくとも1つの第3の回折格子は、前記第2の材料に対して、前記第1の比率及び第2の比率とは異なる第3の比率の前記第1の材料を含む、
請求項6に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の材料が二酸化チタン(TiO)を含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第2の材料が、二酸化ケイ素(SiO)、酸炭化ケイ素(SiOC)、及び/又は二酸化ジルコニウム(ZrO)を含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項12】
基板上に1つ又は複数の第1の材料を堆積させることと、
前記基板上に1つ又は複数の第2の材料を堆積させることと、
前記1つ又は複数の第1の材料及び前記1つ又は複数の第2の材料にスタンプを刻印することと、
前記1つ又は複数の第1の材料及び前記1つ又は複数の第2の材料を硬化させることと、
前記1つ又は複数の第1の材料の第1の回折格子、及び前記1つ又は複数の第2の材料の第2の回折格子を形成するために前記スタンプを取り外すことであって、前記第1の回折格子は、第1の屈折率と第1のデューティサイクルを有し、前記第2の回折格子は、第2の屈折率と第2のデューティサイクルを有し、
前記第1のデューティサイクルが、前記第2のデューティサイクルとは異なるか、或いは、
前記第1の屈折率が、前記第2の屈折率とは異なるか、或いは、
前記第1の屈折率及び前記第1のデューティサイクルの両方が、前記第2の屈折率及び前記第2のデューティサイクルとは異なる、
前記スタンプを取り外すことと、
を含む方法。
【請求項13】
前記第1の回折格子と前記第2の回折格子は、実質的に等しい高さを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2のデューティサイクルは、前記第1のデューティサイクルよりも大きい、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の屈折率は、前記第1の屈折率よりも大きい、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、概して、拡張現実導波器に関する。より具体的には、本明細書に記載の実施形態は、拡張現実導波器のアウトカップリング強度を制御するための拡張導波領域に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
[0002] 仮想現実は、概して、ユーザが見かけ上の物理的存在を有する、コンピュータが生成したシミュレート環境であると考えられる。仮想現実体験は、3Dで生成され、実際の環境に取って代わる仮想現実環境を表示するためのレンズとしてのニアアイディスプレイパネルを有する眼鏡又は他のウェアラブルディスプレイ装置などのヘッドマウントディスプレイ(HMD)で見ることができる。
【0003】
[0003] しかしながら、拡張現実は、ユーザが眼鏡又は他のHMD装置のディスプレイレンズを通して周囲環境を見ることができるが、表示のために生成され、環境の一部として現れる仮想物体の画像も見ることができる体験を可能にする。拡張現実は、音声入力及び触覚入力のような任意のタイプの入力、並びにユーザが経験する環境を強化又は拡張する仮想画像、グラフィックス及びビデオを含むことができる。新たな技術として、拡張現実には多くの課題及び設計上の制約が存在する。
【0004】
[0004] そのような課題の1つは、周囲環境に重ね合わされた仮想画像を表示することである。拡張導波結合器は、画像の重ね合わせを補助するために使用される。生成された光は、拡張導波結合器にインカップリング(入射)され、拡張導波結合器を通って伝播し、拡張導波結合器からアウトカップリング(出射)され、周囲環境に重ね合わされる。光は、表面レリーフ回折格子を用いて、拡張導波結合器との間でインカップリング及びアウトカップリングされる。アウトカップリングの強度は、適切に制御されないことがある。
【0005】
[0005] そのため、当該技術分野で必要とされているのは、改良された拡張導波結合器とその製造方法である。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 一実施形態では、デバイスが提供される。デバイスは、第1のデューティサイクルを有する基板上に形成される少なくとも1つの第1の回折格子と、第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを有する少なくとも1つの第1の回折格子に隣接して基板上に形成される少なくとも1つの第2の回折格子と、第1のデューティサイクル及び第2のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを有する少なくとも1つの第2の回折格子に隣接して基板上に形成される少なくとも1つの第3の回折格子とを含む。
【0007】
[0007] 別の実施形態では、デバイスが提供される。デバイスは、第1の屈折率を有する基板上に形成される少なくとも1つの第1の回折格子と、第1の屈折率よりも大きな第2の屈折率を有する少なくとも1つの第1の回折格子に隣接して基板上に形成される少なくとも1つの第2の回折格子と、第2の屈折率よりも大きな第3の屈折率を有する少なくとも1つの第2の回折格子に隣接して基板上に形成される少なくとも1つの第3の回折格子とを含む。
【0008】
[0008] さらに別の実施形態では、方法が提供される。方法は、基板上に1つ又は複数の第1の材料を堆積させることと、基板上に1つ又は複数の第2の材料を堆積させることと、1つ又は複数の第1の材料及び1つ又は複数の第2の材料にスタンプを刻印することと、1つ又は複数の第1の材料及び1つ又は複数の第2の材料を硬化させることと、1つ又は複数の第1の材料の第1の回折格子及び1つ又は複数の第2の材料の第2の回折格子を形成するため、スタンプを取り外すことと、を含む。第1の回折格子は、第1の屈折率及び第1のデューティサイクルを有する。第2の回折格子は、第2の屈折率及び第2のデューティサイクルを有する。第1のデューティサイクルが第2のデューティサイクルと異なるか、第1の屈折率が第2の屈折率と異なるか、或いは、第1の屈折率及び第1のデューティサイクルの両方が第2の屈折率及び第2のデューティサイクルと異なる。
【0009】
[0009] 本開示の上述の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって、得ることができる。そのうちの幾つかの実施形態は添付の図面で例示されている。しかし、添付図面は例示的な実施形態のみを示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、その他の等しく有効な実施形態も許容されうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態による拡張導波結合器の斜視正面図である。
図2】一実施形態による拡張導波領域を形成する方法の操作を示すフロー図である。
図3A】一実施形態による製造中の拡張導波領域の概略断面図である。
図3B】一実施形態による製造中の拡張導波領域の概略断面図である。
図3C】一実施形態による製造中の拡張導波領域の概略断面図である。
図3D】一実施形態による製造中の拡張導波領域の概略断面図である。
図4】別の実施形態による拡張導波領域を形成する方法の操作を示すフロー図である。
図5A】別の実施形態による製造中の拡張導波領域の概略断面図である。
図5B】別の実施形態による製造中の拡張導波領域の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0015] 理解を容易にするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれうると考えられている。
【0012】
[0016] 本明細書に記載の実施形態は、拡張導波領域に関する。拡張導波領域は、概して、デューティサイクル及び屈折率を有する複数の回折格子を含む。特定の実施形態では、デューティサイクルが異なり、屈折率が異なり、或いはデューティサイクルと屈折率の両方が異なる。また、本明細書には、拡張導波領域を形成するための方法が記載されている。
【0013】
[0017] 図1は、拡張導波結合器100の斜視正面図である。以下に説明する拡張導波結合器100は、例示的な拡張導波結合器であり、本開示の態様を達成するために、他の拡張導波結合器を使用することも、変更することもできることを理解されたい。
【0014】
[0018] 拡張導波結合器100は、複数の回折格子108によって画定される入力カップリング領域102と、複数の回折格子110によって画定される中間領域104と、複数の回折格子112によって画定される出力カップリング領域106とを含む。入力カップリング領域102は、マイクロディスプレイから強度を有する光(仮想画像)の入射ビームを受け取る。複数の回折格子108の各回折格子は、入射ビームを、各ビームが1つのモードを有する複数のモードに分割する。ゼロ次モード(T0)ビームは、拡張導波結合器100内で屈折して戻されるか又は失われ、正の1次モード(T1)ビームは、拡張導波結合器100を通って中間領域104にカップリングされ、負の1次モード(T-1)ビームは、拡張導波結合器100内をT1ビームとは反対の方向に伝播する。理想的には、入射ビームは、仮想画像を中間領域104に向けるため、入射ビームの強度の全てを有するT1ビームに分割される。一実施形態では、複数の回折格子108の各回折格子は、T-1ビーム及びT0ビームを抑制するように角度が付けられる。T1ビームは、T1ビームが中間領域104内の複数の回折格子110に接触するまで、拡張導波結合器100を通って内部全反射(TIR)を受ける。
【0015】
[0019] T1ビームは、複数の回折格子110のうちの1つの回折格子に接触する。T1ビームは、拡張導波結合器100内で屈折して戻されるか又は失われるT0ビームと、T1ビームが複数の回折格子110の別の回折格子に接触するまで中間領域104内でTIRを受けるT1ビームと、拡張導波結合器100を通って出力カップリング領域106にカップリングされるT-1ビームとに分割される。中間領域104でTIRを受けるT1ビームは、拡張導波結合器100を通って中間領域104にカップリングされたT1ビームの強度が減衰(枯渇)するまで、或いは、中間領域104を通って伝播する残りのT1ビームが中間領域104の端部に到達するまで、複数の回折格子110の回折格子に接触し続ける。出力カップリング領域106にカップリングされたT-1ビームの強度を制御して、マイクロディスプレイから生成された仮想画像のユーザの視点からの視野を変調し、ユーザが仮想画像を見ることができる視野角を増大させるために、複数の回折格子110は、拡張導波結合器100を通って中間領域104にカップリングされたT1ビームを制御するように調整されなければならない。
【0016】
[0020] 拡張導波結合器100を通って出力カップリング領域106にカップリングされたT-1ビームは、T-1ビームが複数の回折格子112の1つの回折格子に接触するまで、拡張導波結合器100内でTIRを受け、そこでT-1ビームは、拡張導波結合器100内で屈折して戻されるか又は失われるT0ビームと、複数の回折格子112の別の回折格子に接触するまで出力カップリング領域106内でTIRを受けるT1ビームと、拡張導波結合器100にアウトカップリングされるT-1ビームとに分割される。出力カップリング領域106内でTIRを受けたT1ビームは、拡張導波結合器100を通って出力カップリング領域106にカップリングされたT-1ビームの強度が減衰(枯渇)するまで、或いは、出力カップリング領域106を通って伝播する残りのT1ビームが出力カップリング領域106の端部に到達するまで、複数の回折格子112の回折格子に接触し続ける。複数の回折格子112は、拡張導波結合器100とアウトカップリングされたT-1ビームの強度を制御して、マイクロディスプレイから生成された仮想画像のユーザの視点からの視野をさらに変調し、ユーザが仮想画像を見ることができる視野角をさらに増大させるために、拡張導波結合器100を通って出力カップリング領域106にカップリングされたT-1ビームを制御するように調整されなければならない。
【0017】
[0021] 図2は、図3A図3Dに示された拡張導波領域300を形成するための方法200の操作を示すフロー図である。操作201では、1つ又は複数の第1の材料304が基板302上に堆積される。図3Aに示すように、1つ又は複数の第1の材料304は、インクジェットプリンタによって基板302の上に堆積された液滴310であってもよい。液滴310は、第1の体積及び第1の半径を有する。インクジェットプリンタは、間隔316で液滴310を堆積させる。一実施形態では、液滴310が等しく離間されるように、間隔316は実質的に等しい。別の実施形態では、液滴310間のスペースが異なるように、間隔316は異なる。基板302は、液滴310が時間と共に第1の所定の厚さで第1の横方向に広がる結果をもたらす表面湿潤性を有する。
【0018】
[0022] 1つ又は複数の第1の材料304は、第1の溶液を含むことができる。第1の溶液は、ゾル-ゲル溶液又はナノ粒子溶液であってもよい。第1の溶液は、二酸化ケイ素(SiO)、酸炭化ケイ素(SiOC)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、及び/又は二酸化チタン(TiO)を含むことができる。第1の溶液中のSiO、SiOC、ZrO、及び/又はTiOの比率は、第1の屈折率をもたらすように制御される。例えば、第1の溶液は、SiO、SiOC、及び/又はZrOに対して第1の比率のTiOを含みうる。一実施形態では、SiOのゾル-ゲル前駆体は、オルトケイ酸テトラメチル(TMOS)、メチルトリメトキシシラン(MTMS)、及びオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を含んでもよい。
【0019】
[0023] 操作202では、1つ又は複数の第2の材料306が基板302の上に堆積される。図3Aに示すように、1つ又は複数の第2の材料306は、インクジェットプリンタによって基板302上に堆積された液滴312であってもよい。液滴312は、第2の体積及び第2の半径を有する。一実施形態では、第2の体積及び第2の半径は、第1の体積及び第1の半径とは異なる。別の実施形態では、第2の体積及び第2の半径は、第1の体積及び第1の半径と実質的に等しい。インクジェットプリンタは、間隔316で液滴312を堆積させる。一実施形態では、液滴312が等しく離間されるように、間隔316は実質的に等しい。別の実施形態では、液滴312間のスペースが異なるように、間隔316は異なる。基板302は、液滴312が時間と共に第2の所定の厚さで第2の横方向に広がる結果をもたらす表面湿潤性を有する。
【0020】
[0024] 1つ又は複数の第2の材料306は、第2の溶液を含むことができる。第2の溶液は、ゾル-ゲル溶液又はナノ粒子溶液であってもよい。第2の溶液は、SiO、SiOC、ZrO、及び/又はTiOを含むことができる。第2の溶液中のSiO、SiOC、ZrO、及び/又はTiOの比率は、第2の屈折率をもたらすように制御される。第2の屈折率は、第1の屈折率と異なっていてもよい。例えば、第2の溶液は、第1の屈折率よりも高い屈折率となる第2の屈折率をもたらすように、SiO、SiOC、及び/又はZrOに対して、第1の比率よりも高い比率となる第2の比率のTiOを含んでよく、或いは、第2の比率は、第1の屈折率よりも低い屈折率となる第2の屈折率をもたらすように、SiO、SiOC、及び/又はZrOに対して、第1の比率よりも低い比率のTiOを有してもよい。
【0021】
[0025] 操作203では、1つ又は複数の第3の材料308が基板302の上に堆積される。図3Aに示すように、1つ又は複数の第3の材料308は、インクジェットプリンタによって基板302の上に堆積された液滴314であってもよい。液滴314は、第3の体積及び第3の半径を有する。一実施形態では、第3の体積及び第3の半径は、第1の体積及び第1の半径並びに第2の体積及び第2の半径とは異なる。別の実施形態では、第2の体積及び第2の半径は、第1の体積及び第1の半径並びに第2の体積及び第2の半径と実質的に等しい。インクジェットプリンタは、間隔316で液滴314を堆積させる。一実施形態では、液滴314が等しく離間されるように、間隔316は実質的に等しい。別の実施形態では、液滴314間のスペースが異なるように、間隔316は異なる。基板302は、液滴314が時間と共に第3の所定の厚さで第3の横方向に広がる結果をもたらす表面湿潤性を有する。
【0022】
[0026] 1つ又は複数の第3の材料308は、第3の溶液を含むことができる。第3の溶液は、ゾル-ゲル溶液又はナノ粒子溶液であってもよい。第3の溶液は、SiO、SiOC、ZrO、及び/又はTiOを含むことができる。第3の溶液中のSiO、SiOC、ZrO、及び/又はTiOの比率は、第3の屈折率をもたらすように制御される。第3の屈折率は、第1の屈折率及び第2の屈折率と異なっていてもよい。例えば、第3の溶液は、第1の屈折率及び第2の屈折率よりも高い屈折率となる第3の屈折率をもたらすように、SiO、SiOC、及び/又はZrOに対して、第1の比率及び第2の比率よりも高い第3の比率のTiOを含んでよく、或いは、第3の比率は、第1の屈折率及び第2の屈折率よりも低い屈折率となる第3の屈折率をもたらすように、SiO、SiOC、及び/又はZrOに対して、第1の比率及び第2の比率よりも低い比率のTiOを有してもよい。
【0023】
[0027] 操作204では、スタンプ318が、1つ又は複数の第1の材料304、1つ又は複数の第2の材料306、及び1つ又は複数の第3の材料308に刻印される。図3Bに示すように、スタンプ318は、
1つ又は複数の第1の材料304に対応する1つ又は複数の第1の回折格子パターン322と、1つ又は複数の第2の材料306に対応する1つ又は複数の第2の回折格子パターン324と、1つ又は複数の第3の材料308に対応する1つ又は複数の第3の回折格子パターン326と、を含むポジティブパターン320を有する。1つ又は複数の第1の回折格子パターン322、第2の回折格子パターン324、及び第3の回折格子パターン326は、基板302及び側壁パターン面330に平行な上部パターン面328を含む。側壁パターン表面330は、基板302に対して傾斜していてよく、基板302に対して垂直に配向されていてもよい。一実施形態では、スタンプ318は、1つ又は複数の第1の回折格子の逆パターン、1つ又は複数の第2の回折格子の逆パターン、及び1つ又は複数の第3の回折格子の逆パターンを含むネガティブパターンを有するマスタから製造される。スタンプ318は、マスタから成形される。別の実施形態では、スタンプ318はマスタである。
【0024】
[0028] 操作205では、1つ又は複数の第1の材料304、1つ又は複数の第2の材料306、及び1つ又は複数の第3の材料308が硬化される。スタンプ318は、1つ又は複数の第1の材料304、第2の材料306、及び第3の材料308を紫外線(UV)光に曝すことによって硬化させることができるように、溶融シリカ又はポリジメチルシロキサン(PDMS)などの半透明材料を含みうる。1つ又は複数の第1の材料304、第2の材料306、及び第3の材料308は、代替的に、熱硬化されてもよい。
【0025】
[0029] 操作206では、1つ又は複数の第1の材料304の第1の回折格子332、1つ又は複数の第2の材料306の第2の回折格子334、及び1つ又は複数の第3の材料308の第3の回折格子336を有する拡張導波領域300を形成するため、スタンプ318が取り外される。一実施形態では、スタンプ318は、フッ素コーティングなどの粘着防止表面処理コーティングを単層でコーティングすることができるので、スタンプ318を機械的に除去することができる。別の実施形態では、スタンプ318を水に溶かして除去するように、スタンプ318は、水溶性であるポリビニルアルコール(PVA)材料などの水溶性材料で構成されてもよい。
【0026】
[0030] 図3C及び図3Dは、拡張導波領域300の概略断面図を示す。第1の回折格子332は、第1のエッジ342aと第2のエッジ342bとを有する基板302に平行な上面338と、第1の側壁340と、第2の側壁341と、上面338から基板302まで延在する高さ344と、を含む。第1の側壁340と第2の側壁341は、基板302に対して傾斜されるか、又は基板302に対して垂直に配向されてもよい。第2の回折格子334は、第1のエッジ342aと第2のエッジ342bとを有する基板302と平行な上面338と、第1の側壁340と、第2の側壁341と、上面338から基板302まで延在する高さ346と、を含む。第3の回折格子336は、第1のエッジ342aと第2のエッジ342bを有する基板302と平行な上面338と、第1の側壁340と、第2の側壁341と、上面338から基板302まで延在する高さ348と、を含む。高さ344、346、348は実質的に等しくなりうる。
【0027】
[0031] 第1の回折格子332は、高さ344の半分の位置に、第1の側壁340から第2の側壁341まで第1の線幅350を有する。第2の回折格子334は、高さ346の半分の位置に、第1の側壁340から第2の側壁341まで第2の線幅352を有する。一実施形態では、第2の線幅352は、第1の線幅350とは異なる。第3の回折格子336は、高さ348の半分の位置に、第1の側壁340から第2の側壁341まで第3の線幅354を有する。一実施形態では、第3の線幅354は、第2の線幅352及び第1の線幅350とは異なる。
【0028】
[0032] 第1の回折格子332、第2の回折格子334、及び第3の回折格子336は、ピッチ360を有する。ピッチ360は、第1のエッジ342a間の距離から決定される。第1の回折格子332は、第1の線幅350をピッチ360で割ることによって決定される第1のデューティサイクルを有する。第2の回折格子334は、第2の線幅352をピッチ360で割ることによって決定される第2のデューティサイクルを有する。第3の回折格子336は、第3の線幅354をピッチ360で割ることによって決定される第3のデューティサイクルを有する。
【0029】
[0033] 一実施形態では、液滴310、312、314は、実質的に等しい間隔316で堆積される。液滴310、312、314は、異なる体積及び半径を有する。したがって、ピッチ360は実質的に等しいが、第1の線幅350、第2の線幅352、及び第3の線幅354は異なるため、第1のデューティサイクル、第2のデューティサイクル、及び第3のデューティサイクルは異なる。別の実施形態では、液滴310、312、314は、異なる間隔316で堆積される。液滴310、312、314は、異なる体積及び半径を有してもよく、又は実質的に等しい体積及び半径を有してもよい。したがって、ピッチ360が異なるため、第1のデューティサイクル、第2のデューティサイクル、及び第3のデューティサイクルは異なる。
【0030】
[0034] マイクロディスプレイから生成された仮想画像のユーザの視点からの視野を変調し、ユーザが仮想画像を見ることができる視野角を増大させるために、拡張導波領域300から出力カップリングされるビームの強度は増加しなければならず、一方、拡張導波領域300を通って伝播するビームの強度は減少しなければならない。さらに、出力カップリングされるビームの強度は、拡張導波領域300を通って伝播するビームが拡張導波領域300の最後の回折格子に到達する前に、拡張導波領域300を通って伝播するビームの強度が減衰(枯渇)する点まで増加してはならない。理想的には、出力カップリングされるビームの強度は増大するが、一方、拡張導波領域300を通って伝播するビームの強度は減少し、拡張導波領域300の最後の回折格子によって減衰(枯渇)される。
【0031】
[0035] 拡張導波領域300の光の結合を制御するため、第1のデューティサイクル、第2のデューティサイクル、及び第3のデューティサイクルは異なる。一実施形態では、第1のデューティサイクルは、約0.1から約0.25までの間にあり、第2のデューティサイクルは、第1のデューティサイクルよりも大きく、約0.2から約0.35までの間にあり、第3のデューティサイクルは、第1のデューティサイクル及び第2のデューティサイクルよりも大きく、約0.3から約0.5までの間にある。第1の回折格子332は第1の屈折率を有し、第2の回折格子334は第2の屈折率を有し、第3の回折格子336は第3の屈折率を有する。拡張導波領域300の光のカップリングをさらに制御するため、1つ又は複数の第1の材料、1つ又は複数の第2の材料、及び1つ又は複数の第3の材料中のSiO、SiOC、ZrO、及び/又はTiOの比率が異なっていてもよいため、第1、第2、及び第3の屈折率は異なりうる。第1、第2、及び第3の屈折率は、約1から約2.5までの間であってよく、第2の屈折率は、第1の屈折率よりも大きくてもよく、第3の屈折率は、第1の屈折率及び第2の屈折率よりも大きくてもよい。
【0032】
[0036] 図4は、図5A図5Bに示される拡張導波領域500を形成するための方法400の操作を示すフロー図である。拡張導波領域500を形成するための方法400の操作401~405は、図3A及び図3Bに示されている。操作401では、1つ又は複数の第1の材料304が基板302上に堆積される。図3Aに示すように、1つ又は複数の第1の材料304は、インクジェットプリンタによって基板302の上に堆積された液滴310であってもよい。液滴310は、第1の体積及び第1の半径を有する。インクジェットプリンタは、間隔316で液滴310を堆積させる。一実施形態では、液滴310が等しく離間されるように、間隔316は実質的に等しい。別の実施形態では、液滴310間のスペースが異なるように、間隔316は異なる。
【0033】
[0037] 1つ又は複数の第1の材料304は、第1の溶液を含むことができる。第1の溶液は、ゾル-ゲル溶液又はナノ粒子溶液であってもよい。第1の溶液は、二酸化ケイ素(SiO)、酸炭化ケイ素(SiOC)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、及び/又は二酸化チタン(TiO)を含むことができる。第1の溶液中のSiO、SiOC、ZrO、及び/又はTiOの比率は、第1の屈折率をもたらすように制御される。第1の溶液は、SiO、SiOC、及び/又はZrOに対して、第1の比率のTiOを含む。
【0034】
[0038] 操作402において、1つ又は複数の第2の材料306が基板302上に堆積される。図3Aに示すように、1つ又は複数の第2の材料306は、インクジェットプリンタによって基板302上に堆積された液滴312であってもよい。液滴312は、第2の体積及び第2の半径を有する。一実施形態では、第2の体積及び第2の半径は、第1の体積及び第1の半径に実質的に等しい。別の実施形態では、第2の体積及び第2の半径は、第1の体積及び第1の半径とは異なる。インクジェットプリンタは、間隔316で液滴312を堆積させる。一実施形態では、液滴312が等しく離間されるように、間隔316は実質的に等しい。別の実施形態では、液滴312間のスペースが異なるように、間隔316は異なる。
【0035】
[0039] 1つ又は複数の第2の材料306は、第2の溶液を含むことができる。第2の溶液は、ゾル-ゲル溶液又はナノ粒子溶液であってもよい。第2の溶液は、SiO、SiOC、ZrO、及び/又はTiOを含むことができる。第2の溶液中のSiO、SiOC、ZrO、及び/又はTiOの比率は、第2の屈折率をもたらすように制御される。第2の屈折率は、第1の屈折率とは異なる。第2の溶液は、第1の屈折率よりも高い屈折率となる第2の屈折率をもたらすように、SiO、SiOC、及び/又はZrOに対して、第1の比率よりも高い比率となる第2の比率のTiOを含む。或いは、第1の屈折率よりも低い屈折率となる第2の屈折率をもたらすように、第2の比率は、SiO、SiOC、及び/又はZrOに対して、第1の比率よりも低い比率のTiOを有する。
【0036】
[0040] 操作403では、1つ又は複数の第3の材料308が基板302の上に堆積される。図3Aに示すように、1つ又は複数の第3の材料308は、インクジェットプリンタによって基板302の上に堆積された液滴314であってもよい。液滴314は、第3の体積及び第3の半径を有する。一実施形態では、第3の体積及び第3の半径は、第1の体積及び第1の半径並びに第2の体積及び第2の半径に実質的に等しい。別の実施形態では、第2の体積及び第2の半径は、第1の体積及び第1の半径並びに第2の体積及び第2の半径とは異なる。インクジェットプリンタは、間隔316で液滴314を堆積させる。一実施形態では、液滴314が等しく離間されるように、間隔316は実質的に等しい。別の実施形態では、液滴314間のスペースが異なるように、間隔316は異なる。
【0037】
[0041] 1つ又は複数の第3の材料308は、第3の溶液を含むことができる。第3の溶液は、ゾル-ゲル溶液又はナノ粒子溶液であってもよい。第3の溶液は、SiO、SiOC、ZrO、及び/又はTiOを含むことができる。第3の溶液中のSiO、SiOC、ZrO、及び/又はTiOの比率は、第3の屈折率をもたらすように制御される。第3の屈折率は、第1の屈折率及び第2の屈折率とは異なる。溶液は、第1の屈折率及び第2の屈折率よりも高い屈折率となる第3の屈折率をもたらすように、SiO、SiOC、及び/又はZrOに対して、第1の比率及び第2の比率よりも高い第3の比率のTiOを含んでよく、或いは、第1の屈折率及び第2の屈折率よりも低い屈折率となる第3の屈折率をもたらすように、第3の比率は、SiO、SiOC、及び/又はZrOに対して、第1の比率及び第2の比率よりも低い比率のTiOを有する。
【0038】
[0042] 操作404では、スタンプ318が、1つ又は複数の第1の材料304、1つ又は複数の第2の材料306、及び1つ又は複数の第3の材料308に刻印される。操作405では、1つ又は複数の第1の材料304、1つ又は複数の第2の材料306、及び1つ又は複数の第3の材料308が硬化される。操作406では、1つ又は複数の第1の材料304の第1の回折格子532、1つ又は複数の第2の材料306の第2の回折格子534、及び1つ又は複数の第3の材料308の第3の回折格子536を有する拡張導波領域500を形成するため、スタンプ318が取り外される。
【0039】
[0043] 図5A及び図5Bは、拡張導波領域500の概略断面図を示す。第1の回折格子532は、第1のエッジ542a及び第2のエッジ542bを有する基板302に平行な上面538と、第1の側壁540と、第2の側壁541と、上面538から基板502に延在する高さ544とを含む。第1の側壁540と第2の側壁541は、基板502に対して傾斜されるか、又は基板502に対して垂直に配向されてもよい。第2の回折格子534は、第1のエッジ542aと第2のエッジ542bとを有する基板502と平行な上面538と、第1の側壁540と、第2の側壁541と、上面538から基板502まで延在する高さ546と、を含む。第3の回折格子536は、第1のエッジ542aと第2のエッジ542bを有する基板502と平行な上面538と、第1の側壁540と、第2の側壁541と、上面538から基板502まで延在する高さ548と、を含む。高さ544、546、548は実質的に等しくなりうる。
【0040】
[0044] 第1の回折格子532は、高さ544の半分の位置に、第1の側壁540から第2の側壁541まで第1の線幅550を有する。第2の回折格子534は、高さ546の半分の位置に、第1の側壁540から第2の側壁541まで第2の線幅552を有する。第3の回折格子536は、高さ548の半分の位置に、第1の側壁540から第2の側壁541まで第3の線幅554を有する。一実施形態では、第3の線幅554は、第2の線幅552及び第1の線幅550と実質的に等しい。
【0041】
[0045] 第1の回折格子532、第2の回折格子534、及び第3の回折格子536は、ピッチ560を有する。ピッチ560は、第1のエッジ542a間の距離から決定される。第1の回折格子532は、第1の線幅550をピッチ560で割ることによって決定される第1のデューティサイクルを有する。第2の回折格子534は、第2の線幅552をピッチ560で割ることによって決定される第2のデューティサイクルを有する。第3の回折格子536は、第3の線幅554をピッチ560で割ることによって決定される第3のデューティサイクルを有する。
【0042】
[0046] 一実施形態では、第3の線幅554は、第2の線幅552に実質的に等しく、第1の線幅550及びピッチ560は、実質的に等しい間隔316で実質的に等しい体積及び半径で液滴310、312、314を堆積させるために実質的に等しい。したがって、第1の線幅550、第2の線幅552、及び第3の線幅554が実質的に等しく、ピッチ560が実質的に等しいので、第1のデューティサイクル、第2のデューティサイクル、及び第3のデューティサイクルは実質的に等しい。別の実施形態では、第1のデューティサイクル、第2のデューティサイクル、及び第3のデューティサイクルは実質的に等しいが、第1の線幅550、第2の線幅552、及び第3の線幅554は異なり、ピッチ560は異なる。液滴310の第1の体積及び第1の半径、液滴312の第2の体積及び第2の半径、並びに液滴314の第3の体積及び第3の半径は、第1のデューティサイクル、第2のデューティサイクル、及び第3のデューティサイクルが実質的に等しくなるように、ピッチ560に調整される。一実施形態では、第1のデューティサイクル、第2のデューティサイクル、及び第3のデューティサイクルは、約0.1から約0.5の間である。
【0043】
[0047] 第1の回折格子332は第1の屈折率を有し、第2の回折格子334は第2の屈折率を有し、第3の回折格子336は第3の屈折率を有する。拡張導波領域500の光のカップリングを制御するため、1つ又は複数の第1の材料、1つ又は複数の第2の材料、及び1つ又は複数の第3の材料中のSiO、SiOC、ZrO、及び/又はTiOの比率が異なるため、第1、第2、及び第3の屈折率は異なる。第1、第2、及び第3の屈折率は、約1から約2.5であってもよい。一実施形態では、第1の屈折率は約1.2から約1.5であり、第2の屈折率は第1の屈折率よりも大きく、約1.4から約1.7であり、第3の屈折率は第1の屈折率及び第2の屈折率よりも大きく、約1.5から約2.5である。
【0044】
[0048] 要約すると、デューティサイクル及び屈折率を有する複数の回折格子を含む拡張導波領域及びその製造方法が本明細書に記載されている。異なるデューティサイクル、異なる屈折率、又は異なるデューティサイクル及び異なる屈折率の両方を有する拡張導波領域は、マイクロディスプレイから生成された仮想画像のユーザの視点からの視野を変調し、ユーザが仮想画像を見ることができる視野角を増大させることができる。1つ又は複数の第1の材料、1つ又は複数の第2の材料、及び1つ又は複数の第3の材料中のSiO、SiOC、ZrO、及び/又はTiOの異なる比率の使用により、異なる屈折率が得られ、異なる線幅を有する回折格子を形成することによって、異なるデューティサイクルを提供する。
【0045】
[0049] 以上の記述は、本開示の実施例を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本本開示の他の実施例及び更なる実施例が考案されてよく、本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
【手続補正書】
【提出日】2023-09-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数の領域を有するデバイスであって、
前記1つ又は複数の領域の各々は、基板上に形成される1つ又は複数の回折格子を有し、
前記1つ又は複数の領域のうちの少なくとも1つの領域の前記回折格子は、
第1のデューティサイクルを有する、前記基板上に形成される少なくとも1つの第1の回折格子と、
前記第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルを有する、前記少なくとも1つの第1の回折格子に隣接して前記基板上に形成される少なくとも1つの第2の回折格子と、
前記第1のデューティサイクル及び前記第2のデューティサイクルとは異なる第3のデューティサイクルを有する、前記少なくとも1つの第2の回折格子に隣接して前記基板上に形成される少なくとも1つの第3の回折格子と、
含む、デバイス。
【請求項2】
前記第1のデューティサイクル、前記第2のデューティサイクル、及び前記第3のデューティサイクルは、約0.1から約0.5の間である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1の回折格子、前記少なくとも1つの第2の回折格子、及び前記少なくとも1つの第3の回折格子の各回折格子は、同じ高さを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1の回折格子、前記少なくとも1つの第2の回折格子、及び前記少なくとも1つの第3の回折格子の各回折格子は、前記基板に対してある量だけ傾斜した側壁面を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第2のデューティサイクルは、前記第1のデューティサイクルよりも大きく、
前記第3のデューティサイクルは、前記第2のデューティサイクルよりも大きい、
請求項2に記載のデバイス。
【請求項6】
1つ又は複数の領域を有するデバイスであって、
前記1つ又は複数の領域の各々は、基板上に形成される1つ又は複数の回折格子を有し、
前記1つ又は複数の領域のうちの少なくとも1つの領域の前記回折格子は、
第1の屈折率を有する、前記基板上に形成される少なくとも1つの第1の回折格子と、
前記第1の屈折率よりも大きな第2の屈折率を有する、前記少なくとも1つの第1の回折格子に隣接して前記基板上に形成される少なくとも1つの第2の回折格子と、
前記第2の屈折率よりも大きな第3の屈折率を有する、前記少なくとも1つの第2の回折格子に隣接して前記基板上に形成される少なくとも1つの第3の回折格子と、
含む、デバイス。
【請求項7】
前記第1の屈折率及び前記第2の屈折率は、約1.2から約1.7の間である、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第3の屈折率は、約1.5から約2.5の間である、請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1の回折格子は、第2の材料に対して第1の比率の第1の材料を含み、
前記少なくとも1つの第2の回折格子は、前記第2の材料に対して、前記第1の比率とは異なる第2の比率の前記第1の材料を含み、
前記少なくとも1つの第3の回折格子は、前記第2の材料に対して、前記第1の比率及び第2の比率とは異なる第3の比率の前記第1の材料を含む、
請求項6に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の材料が二酸化チタン(TiO)を含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第2の材料が、二酸化ケイ素(SiO)、酸炭化ケイ素(SiOC)、及び二酸化ジルコニウム(ZrOのうちの、少なくとも1つを含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項12】
基板上に第1の複数の液滴を堆積させることであって、前記第1の複数の液滴の各液滴は、前記基板上で互いに離間され、1つ又は複数の第1の材料を含む、前記第1の複数の液滴を堆積させることと、
前記基板上に第2の複数の液滴を堆積させることであって、前記第2の複数の液滴の各液滴は、前記基板上で互いに離間され、1つ又は複数の第2の材料を含む、前記第2の複数の液滴を堆積させることと、
前記第1の複数の液滴及び前記第2の複数の液滴にスタンプを刻印することと、
前記1つ又は複数の第1の材料及び前記1つ又は複数の第2の材料を硬化させることと、
前記1つ又は複数の第1の材料の第1の回折格子、及び前記1つ又は複数の第2の材料の第2の回折格子を形成するために前記スタンプを取り外すことであって、前記第1の回折格子は、第1の屈折率と第1のデューティサイクルを有し、前記第2の回折格子は、第2の屈折率と第2のデューティサイクルを有し、
前記第1のデューティサイクルが、前記第2のデューティサイクルとは異なるか、或いは、
前記第1の屈折率が、前記第2の屈折率とは異なるか、或いは、
前記第1の屈折率及び前記第1のデューティサイクルの両方が、前記第2の屈折率及び前記第2のデューティサイクルとは異なる、
前記スタンプを取り外すことと、
を含む方法。
【請求項13】
前記第1の回折格子と前記第2の回折格子は、実質的に等しい高さを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子は、前記基板に対して傾斜した側壁面を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のデューティサイクルは、前記第1のデューティサイクルよりも大きい、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の屈折率は、前記第1の屈折率よりも大きい、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ又は複数の第1の材料は、ゾル-ゲル又はナノ粒子溶液を含み、前記ゾル-ゲル又はナノ粒子溶液は、二酸化ケイ素(SiO )、酸炭化ケイ素(SiOC)、及び二酸化ジルコニウム(ZrO )のうちの、少なくとも1つを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の屈折率及び前記第2の屈折率は、約1から約2.5の間である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ゾル-ゲル又はナノ粒子溶液は、二酸化チタン(TiO )をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記1つ又は複数の第2の材料は、TiO の割合が、SiO 、SiOC及びZrOの割合よりも大きい、前記ゾル-ゲル又はナノ粒子溶液を含む、請求項19に記載の方法。
【外国語明細書】