(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169164
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】太陽電池
(51)【国際特許分類】
H01L 31/048 20140101AFI20231121BHJP
【FI】
H01L31/04 560
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023135366
(22)【出願日】2023-08-23
(62)【分割の表示】P 2020534827の分割
【原出願日】2018-12-20
(31)【優先権主張番号】17210122.2
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ヒュンガー マルク
(72)【発明者】
【氏名】タッシュ ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】プラッツァー カイロン
(72)【発明者】
【氏名】ドル オリヴァー
(72)【発明者】
【氏名】ビエルシュホビエツ ピオトル
(72)【発明者】
【氏名】バルト ゼバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ドリュー ローラン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】太陽電池または太陽電池モジュールを着色するための効率的な材料および方法を提供する。
【解決手段】本発明は、透明または半透明材料の1つまたは複数の層でコーティングされおよび任意にポストコーティングでコーティングされた透明または半透明フレーク状基材からなる効果顔料を含む層を、太陽電池の正面放射受容側上または正面放射受容側中に含む太陽電池または太陽電池モジュールを作製する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明または半透明材料の1つまたは複数の層でコーティングされおよび任意にポストコーティングでコーティングされた透明または半透明フレーク状基材からなる少なくとも1種の効果顔料を含む少なくとも1つの層を、太陽電池または太陽電池モジュールの正面放射受容側上または正面放射受容側中に含む太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項2】
効果顔料および/または効果顔料層が、太陽スペクトルの可視光の1~100%、好ましくは5~40%を選択的に反射する、請求項1に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項3】
効果顔料および/または効果顔料層が、特定の太陽電池または太陽電池モジュールに関連する放射に対して、好ましくは260~1200nmの範囲内の放射に対して少なくとも30%、好ましくは80%超の透明性を有する、請求項1または2に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項4】
効果顔料および/または効果顔料層が、260~1200nmの範囲内の放射に対して1~40%、好ましくは30%未満の反射レベルを有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項5】
効果顔料および/または効果顔料層が、260~1200nmの範囲内の放射に対して20%未満、好ましくは10%未満の反射レベルを有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項6】
効果顔料が、真珠光沢顔料、干渉顔料および多層顔料から選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項7】
適用媒体中の効果顔料の量が、適用媒体の固形部に対して1~40質量%、好ましくは1~15質量%の範囲内である、請求項1~6のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項8】
効果顔料の量が、0.1~75g/m2の範囲内である、請求項1~7のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項9】
効果顔料を含んでいる層の厚さが、1~200μmの範囲内である、請求項1~8のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項10】
内部量子効率が、260~1200nm波長領域内で0.7以上、好ましくは0.8以上である、請求項1~9のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項11】
効果顔料および/または効果顔料層が、40%未満、好ましくは30%未満、最も好ましくは20%未満の相対電流損失[A/m2]を生じる、請求項1~10のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項12】
効果顔料および/または効果顔料層が、40%未満、好ましくは30%未満、最も好ましくは20%未満の効率低下[W/m2]を生じる、請求項1~11のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項13】
外部量子効率が、260~1200nm波長領域内で0.6以上、好ましくは0.8以上である、請求項1~12のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項14】
効果顔料が、フレーク状ガラス基材またはフレーク状SiO2基材またはフレーク状Al2O3基材をベースとする、請求項1~13のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項15】
フレーク状基材が、Ti、Sn、Si、Al、ZrおよびZnの金属酸化物および/または金属酸化物水和物の1つまたは複数の層でコーティングされている、請求項1~14のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項16】
効果顔料が、太陽電池の外側、EVA(エチルビニルアセテートフィルム)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)もしくはシリコーン等の任意のラミネーション材料上もしくは材料中、太陽電池の光活性材料直上、または太陽電池モジュールをカバーする保護基板上の層に含まれる、請求項1~15のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項17】
効果顔料が、内側または外側に面するガラス層上のゾル-ゲルベースのポリマーベース層、またはガラスフリットをベースとする層に含まれる、請求項1~16のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項18】
太陽電池および太陽電池モジュールの金属ベース導電部品が、太陽電池モジュールの組立て前に暗色に着色されており、黒色または暗青色のバックシートが使用される、請求項1~17のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項19】
効果顔料層の上に、単電池間の空間、ならびにバスバー、導電路およびはんだ付け点等の明るい領域をカバーする暗色に着色されたパターンが配置されている、または太陽電池もしくは太陽電池モジュールの金属ベース導電部品が暗色に着色されている、または太陽電池もしくは太陽電池モジュールの後側部に黒色もしくは暗青色バックシートが位置する、請求項1~18のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュールを作製するための方法であって、透明または半透明材料の1つまたは複数の層でコーティングされおよび任意にポストコーティングでコーティングされた透明または半透明フレーク状基材を含む効果顔料と、有機または無機結合剤等の1種または複数種の結合剤と、任意に添加剤とを含むコーティング組成物を、太陽電池または太陽電池モジュールに適用する、方法。
【請求項21】
コーティング組成物が、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、他のデジタル印刷方法、スロットダイコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、ドクターブレード/ナイフコーティング、カーテンコーティング、フィルム転写コーティングまたはエアロゾル噴射により適用される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
効果顔料を含むコーティング組成物の上に、単電池間の空間、ならびにバスバー、導電路およびはんだ付け点等の明るい領域をカバーする暗色に着色されたパターンが配置される、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
太陽電池の金属ベース導電部品が暗色に着色される、請求項20~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
太陽電池または太陽電池モジュールの後側部に、黒色または暗青色バックシートが貼付される、請求項20~23のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明または半透明材料の1つまたは複数の層でコーティングされおよび任意にポストコーティングでコーティングされた透明または半透明フレーク状基材からなる効果顔料を含む層を含む太陽電池または太陽電池モジュール、ならびにそれらを作製するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、ここ数年にわたり大きな成功を収め、2017年には100GWの世界年間系統連係設備(global annual grid connected installation)を達成し、その過半数は実用的規模で設置されている。全ての太陽電池の基本的機能は同じであり、光活性材料が光を吸収して、励起電子-正孔対を生成する。この電子-正孔対は、太陽電池内で、電子および正孔の異なる移動度を有する領域、いわゆるpn接合部によって分離される。様々な種類の光吸収性材料が使用され得るため、太陽産業では、以下のいくつかの異なる種類の太陽電池技術が知られている。
1)結晶シリコン太陽電池(単結晶c-Siおよび多結晶mc-Si)
2)テルル化カドミウム太陽電池(CdTe)
3)二セレン化銅インジウムガリウム(CIGS/CIS)
4)非晶質シリコン太陽電池(a-Si)
5)III/V太陽電池、例えばヒ化ガリウム(GaAs)太陽電池、またはIII族およびV属元素のスタックからなる多接合太陽電池、例えばヒ化もしくはリン化ゲルマニウム/インジウム(アルミニウム)ガリウム(In(Al)GaAs/P)
6)色素増感型太陽電池(DSSC)
7)有機太陽電池(OSC)
8)ペロブスカイト太陽電池(PSC)
9)量子ドット太陽電池(QSC)
10)II族およびVI族の元素からなる他のII/VI太陽電池、例えばセレン化亜鉛(ZnSe)または硫化鉄(FeS)
11)タンデム型太陽電池
【0003】
しかしながら、建物のより多くの表面および物体(例えば車)上の他の表面を使用することは、太陽エネルギー生成に使用され得る全体的表面積を増大させる。この新たな技術および手法のため、魅力的な色を有する太陽電池を作製すること、および様々な吸収角での効率を増大させることが、太陽エネルギー事業において大きく注目されている。
JP5648906B2では、冷却のための太陽電池における顔料の使用が記載されている。顔料は、IR太陽放射の一部を反射して太陽電池の動作温度を低減するために使用される。WO07/050756、WO09/143407、および米国特許出願公開第2011/023943号は、光起電モジュール用の選択されたポリマーフィルムおよび特殊ポリマーの層を含む保護シートを開示しており、これは安定剤、色素、顔料、フレーク、他の添加剤またはそれらの混合物を含んでもよい。
現在、着色太陽電池を得るための選択肢および技術は、以下のように限られている。
(1)Si層および他の技術の制限された色の選択肢の使用;
(2)反射防止コーティングの変更による着色;
(3)色ガラスの使用;
(4)反射中間層の使用。
ほとんどの技術および材料は良好な色を与えず、着色は太陽電池の効率の著しい損失を伴う、またはそれらは高い製造コスト(多層技術)のために高額である。15~40%の範囲内の効率の損失が生じ得る。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、最新技術の太陽電池または太陽電池モジュールを着色するための効率的な材料および方法を提供することである。
この目的は、透明または半透明材料の1つまたは複数の層でコーティングされおよび任意にポストコーティングでコーティングされた透明または半透明フレーク状基材からなる少なくとも1種の効果顔料を含む少なくとも1つの層を、太陽電池または太陽電池モジュールの正面放射受容側上または正面放射受容側中に含む太陽電池または太陽電池モジュール、ならびにそのような効果顔料を含むコーティング組成物が太陽電池または太陽電池モジュールに適用される方法により解決される。
「正面放射受容側上または正面放射受容側中」という用語は、顔料を施された層が太陽電池または太陽電池モジュールをカバーし得る、または完成した太陽電池または太陽電池モジュールの上に貼付されるガラスの内側または保護箔もしくは外側箔上に顔料を施された層が適用され得ることを意味する。換言すれば、顔料を施された層は、太陽電池または太陽電池モジュールの可視部分内に位置する。顔料を施された層は、噴霧、コーティングまたは印刷ならびにラミネーション箔により適用されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明は、最新技術の(単)太陽電池、および複数の電気的に相互接続された太陽電池で作製された太陽電池モジュールを、大きな柔軟性をもって着色するための極めて効率的な材料および方法であって、低いまたは無視できる太陽電池効率の損失で広範な異なる色を達成しかつ、また高レベルの長期安定性を達成する、材料および方法を提供する。さらに、本発明は、バスバーがまた太陽電池モジュールにおいては単太陽電池が見えず、また同時に低いまたは無視できる太陽電池効率の損失が達成される、高い色均一性を達成するための解決策を提供する。
驚くべきことに、本発明による効果顔料は、ガラスもしくはSi上に印刷された場合、またはEVAフィルム(エチルビニルアセテートフィルム)中で使用された場合、全体的な太陽電池効率を大きく低減することなく十分な色を与えるのに理想的であることが判明した。長期試験では、高レベルの安定性が示された。人工気候室での高湿度加熱1000試験(climate chamber damp heat 1000 test)(http://sinovoltaics.com/learning-center/testing/damp-heat-test/において説明されている)では、太陽電池の上に直接印刷された任意の結合剤中の効果顔料層を伴って製造された単電池太陽電池モジュールの長期安定性に影響がないことが示された。効果顔料含有層と太陽電池との間の直接接触部は、太陽電池モジュールの構成において最も要求の厳しい場所であり、太陽電池モジュールスタックのいかなる位置でも悪影響がないことが想定され得る。
効果顔料は、可視太陽光の一部を反射するが、エネルギーを作り出すのに必要な光は通過させる。これらの効果顔料は、最良の効率の角度へ調整することができるように、また色および効率を操作することができるようにさらに配向され得る。最新技術の太陽電池または太陽電池モジュールに効果顔料を容易に適用することができる能力によって、適用はさらにより効率的となる。
【0006】
したがって、本発明は、太陽電池におけるフレーク状効果顔料の使用に関する。特に、本発明は、透明または半透明材料の1つまたは複数の層でコーティングされた透明または半透明フレーク状基材からなる効果顔料を含む、太陽電池または太陽電池モジュールに関する。本発明の使用によって、太陽電池および太陽電池モジュールの視覚的外観は、特定のニーズに適合され得る。建物、デバイス、自動車等の太陽電池を含む物体の外側の視覚的外観が改善され得、また太陽電池の透明性および反射性が制御され得る。さらに、暗色バックシートが使用され、バスバーおよび接続点が暗色化された場合、電池および明るい色のバスバーの可視性が回避される。また、本発明は、特殊な効果および設計を達成するように素晴らしい色を有する太陽電池または太陽電池モジュールを提供するために使用され得、例えば、使用される効果顔料に依存して、テクスチャもまた付与され得、すなわち例えばパネル上にきらめく効果が付与され得る。
本発明の主な利点は、外観を人々が見慣れた中間的な意匠に変更することによって、太陽電池または太陽電池モジュールを任意の表面にシームレスに統合することができる可能性である。太陽電池または太陽電池モジュールの着色は、様々な色にわたって可能であり、ガラス等の硬質基板または単太陽電池技術に限定されない。さらに、ラミネーションスタックにおける別の層等の任意の複雑な解決策は必ずしも必要ない。
さらに、実生活での条件において太陽電池効率が15%超の初期性能から10%未満に低下する、太陽電池性能に対する影響という大きな欠点を有する現在利用可能な技術とは対照的に、太陽電池または太陽電池モジュールの効率は過度に大きくは影響されないため、太陽電力のコストは大幅には増大しない。
驚くべきことに、効果顔料は、効果顔料の濃度が適宜選択されれば、電池効率に対するわずかな影響で太陽電池を均一に着色することができる可能性を示す。驚くべきことに、真珠光沢顔料、干渉顔料および/または多層顔料(multi-layer pigment)等の特に従来の効果顔料が効果を示すことが判明している。これらの効果顔料の作用原理は、特定の波長領域の選択された反射に基づくため、色彩効果は選択的に調整され得、得られる効率は光の反射された部分に直接相関し得る。一般に、所望の色彩効果は、特定波長の低反射ですでに得ることができる。さらに、性能は、いくつかのフレークにより検出される特化した700~1100nmの波長で増大し得、これは量子効率に重要である。システム全体の長期安定性が積極的に試験される。
透明または半透明材料の1つまたは複数の層でコーティングされた透明または半透明フレーク状基材を含む効果顔料と、溶媒系と、効果顔料の固定のための有機もしくは無機結合剤系またはそれらの混合物と、任意に1種または複数種の添加剤とを含むコーティング組成物が、太陽電池または太陽電池モジュールに適用される。
効果顔料は、任意の表面上に局所的および柔軟に適用され得るため、全ての異なる適用法が使用され得る。
【0007】
1)効果顔料コーティングは、完成した太陽電池もしくは太陽電池モジュールの外側、太陽電池もしくは太陽電池モジュールをカバーする保護基板(ガラスもしくはプラスチック)上、またはEVA(エチルビニルアセテートフィルム)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)もしくはシリコーン等の任意のラミネーション材料上もしくは材料中、または光活性材料/太陽電池直上に適用され得る。
【0008】
2)効果顔料層は、噴霧、コーティングまたはいくつかの印刷法、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、タンポ印刷、好ましくはスクリーン印刷、(マイクロ)スプレーコーティング、ディップコーティング、スロットダイコーティング、ドクターブレード/ナイフコーティング、分注、レーザー支援転写(laser-assisted transfer)、カーテンコーティング、フィルム転写コーティング、エアロゾル噴射、粉末コーティング、インクジェット印刷、刷毛塗りまたは同様の方法により適用され得る。
【0009】
3)典型的に顔料を施される任意の表面、例えば建物、通信および輸送物体、例えば車、列車、トラック、トレーラー、手動デバイス、船、値札、プラスチック、着用可能な品物、および家庭用電化製品または同様のものへの適用。
【0010】
4)本発明は、非晶質、単結晶および多結晶シリコン太陽電池、CIGS、CdTe、III/V太陽電池、II/VI太陽電池、ペロブスカイト太陽電池、有機太陽電池および色素増感型太陽電池、ならびに単電池で作製された太陽電池モジュールを含む任意の種類の太陽電池技術に適用され得る。結晶太陽電池は、Al-BSF、PERC、PERL、PERT、HIT、IBC、両面受光型、または結晶シリコン基板をベースとする任意の他の電池の種類等の電池構造を含む。
【0011】
5)本発明は、太陽電池の典型的な技術的意匠によって人々が見慣れた典型的な外観が変貌し、また長期安定性が不可欠である、建物(ファサードおよび屋根)、携帯用および設置型デバイス、自動車車両(車、バイク、スクーター、トラックおよび同様のもの)、または他の種類の太陽電池設備に太陽電池をシームレスに統合するために使用され得る。
【0012】
効果顔料層は、太陽電池の正面の表面の外観を、異なる色、例えば赤色、紫色、緑色等にする。効果顔料層は、異なる層厚を含んでもよく、また異なる濃度の効果顔料粒子を含んでもよい。
本発明は、外観を人々が見慣れた中間的な意匠に変更することによって、太陽電池を任意の表面にシームレスに統合することができる可能性を提供する。有利には、本発明は、多くの種類の表面、例えば建物、車、手持ち式デバイス、または光学的外観を変化させることなく、太陽電池のシームレスな統合を必要とする任意の他の可視性の高い表面に太陽電池を組み込むことを可能にする。単電池間の空間、ならびにバスバー、導電路、およびはんだ付け点を隠蔽するために、効果顔料層がその上部に来る限り、暗色(太陽電池の青色(solar cell blue)または黒色)のグリッドを太陽電池モジュールの任意の層に組み込んでそれらの領域を隠蔽することができる。単電池間の空間を隠蔽するために、電池の後ろに黒色または暗い太陽電池の青色(dark solar blue)のバック層が使用され得る。これは、印刷されてもよく、または箔であってもよい。
有利には、本発明の顔料を施されたコーティングはまた、反射防止コーティングとして使用されてもよい。
本発明に従って使用される効果顔料は、好ましくは、透明または少なくとも半透明である。本発明に有用な効果顔料は、好ましくは緑色を示す。しかしながら、青色、灰色、白色、紫色、赤色、橙色、黒色等の他の色もまた好適である。特定の色および影を生成するために、他の色またはその混合色が使用されてもよい。効果顔料はまた、これらに限定されないが、銀、白金、金、銅および様々な他の金属等の金属効果を生成し得る。また、異なる色の混合を使用して、印刷画像/写真を生成することも可能である。
本発明の効果顔料および/または効果顔料層は、好ましくは、太陽スペクトルの可視光の1~100%、好ましくは5~40%を選択的に反射し、一方、その他の光学的に青色の太陽電池の強い緑色の印象を得るには、例えば450~550nmの範囲内の5%の反射率で十分である。
【0013】
本発明の効果顔料および/または効果顔料層は、好ましくは、特定の太陽電池または太陽電池モジュールに関連する放射に対して、好ましくは260~1200nmの範囲内の放射に対して少なくとも30%、好ましくは80%超の透明性を有する。
好ましくは、効果顔料および/または効果顔料層は、260~1200nmの範囲内の放射に対して1~40%、好ましくは30%未満の反射レベルを有する。
特に、効果顔料および/または効果顔料層は、260~1200nmの範囲内の放射に対して20%未満、好ましくは10%未満の反射レベルを有する。
【0014】
その特定の色の他に、効果顔料の層は、特定の太陽電池に関連する放射に対して、好ましくは260~1200nmの範囲内の放射に対して高レベル(少なくとも30%、好ましくは80%超)の透明性を示し、また好ましくは約5~40%、好ましくは10%未満の反射レベルを示す。内部および外部量子効率は、260~1200nm波長領域内で好ましくは60%以上(0.6以上)、好ましくは70%以上(0.7以上)、および好ましくは(0.8以上)80%以上である。内部および外部量子効率は、260~1200nm波長領域内で、40%の反射で好ましくは60%、好ましくは80%超である。量子効率は、発電に使用される光子の量を説明するものである。外部量子効率(EQE)は、太陽電池により吸収され電気に効率的に変換された光子の量に相関する、太陽電池を照射している全光子の量の波長選択的な関係を説明している。内部量子効率(IQE)は、太陽電池に到達し、電気に変換された光子の量の関係を説明している。本発明の場合では、内部量子効率と外部量子効率との間の差は、以下のように説明され得る。
EQE=IQE-効果顔料層により反射された光子
したがって、IQEおよびEQEのレベルが共に高いと、太陽電池性能に対する効果顔料の影響は限定される。効果顔料および/または効果顔料層は、40%未満、好ましくは30%未満、最も好ましくは20%未満の相対電流損失[A/m2]をもたらす。したがって、効果顔料および/または効果顔料層は、40%未満、好ましくは30%未満、最も好ましくは20%未満の効率低下[W/m2]をもたらす。
c-Si太陽電池に対する顔料および層の影響は、反射データにより評価される。反射データは、処理された電池の最大電力吸収/最大光電流生成を推定するために使用される。反射および透過の測定および計算は、当業者に知られている一般的方法によって、実験の項でさらに説明されるように行われる。
TPUベース封入材を用いた参照は、広い波長にわたり90%の典型的EQEを示し、白色/灰色の外観の太陽電池をもたらす本発明による効果顔料混合物は、約7%の減少を示し、コーティングガラスフレークをベースとする本発明による緑色効果顔料は、5%未満の平均減少、さらにはIR領域における量子効率の増大を示す。
【0015】
本発明に従い使用される効果顔料は、好ましくは、金属酸化物、金属酸化物水和物またはそれらの混合物を含む少なくとも1つのコーティングを含むフレーク状基材を有する。好ましくは、効果顔料は、透明または半透明で無色のフレーク状基材からなり、これは、透明または半透明で無色の材料の1つまたは複数の層でコーティングされている。真珠光沢顔料、干渉顔料、および/または多層顔料の使用が好ましい。WO2011/095326A1および以下で説明されるように、効果顔料の長期安定性は、好ましくは、効果顔料の最後の層として有機コーティングおよび/または無機コーティングのポストコーティングを使用することにより改善され得る。
効果顔料に好適な基材は、例えば、全ての知られているコーティングまたは非コーティングフレーク状基材、好ましくは透明または半透明、好ましくは無色のフレークである。好適なのは、例えば、フィロシリケート、特に合成または天然雲母、ガラスフレーク、SiO2フレーク、Al2O3フレーク、TiO2フレーク、液晶ポリマー(LCP)、ホログラフィック顔料、BiOClフレーク、または前記フレークの混合物である。活性光起電層の極めて高い隠蔽力を得るために、誘電体コーティングを有するアルミニウムフレークもまた、本明細書に従って低濃度で使用され得る。
【0016】
ガラスフレークは、当業者に知られている全てのガラスの種類、例えばAガラス、Eガラス、Cガラス、ECRガラス、リサイクルガラス、窓ガラス、ホウケイ酸ガラス、Duran(登録商標)ガラス、実験器具用ガラスまたは光学ガラスからなってもよい。ガラスフレークの屈折率は、好ましくは1.45~1.80、特に1.50~1.70である。特に好ましいガラスフレークは、Aガラス、Cガラス、Eガラス、ECRガラス、石英ガラスおよびホウケイ酸ガラスからなる。
【0017】
合成または天然雲母のコーティングまたは非コーティングフレーク、SiO2フレーク、Al2O3フレーク、およびガラスフレーク、特にCガラス、ECRガラスまたはカルシウムアルミニウムホウケイ酸塩のガラスフレークが好ましい。特に、カルシウムアルミニウムホウケイ酸塩ガラスをベースとする効果顔料が好ましく使用される。本発明の変形例においては、Al2O3フレークが好ましい。
【0018】
基材は、一般に、0.01~5μmの間、特に0.05~4.5μmの間、特に好ましくは0.1~1μmの厚さを有する。長さまたは幅の寸法は、通常、1~500μm、好ましくは1~200μm、特に5~125μmである。それらは、一般に、2:1~25,000:1、好ましくは3:1~1000:1、特に6:1~250:1のアスペクト比(平均粒子厚さに対する平均直径の比)を有する。フレーク状基材の前記寸法はまた、原則的に、本発明に従い使用されるコーティングされた効果顔料にも適用されるが、これは、追加のコーティングが一般にわずか数百ナノメートルの領域内であり、したがって効果顔料の厚さまたは長さまたは幅(粒子サイズ)に大きく影響しないためである。
【0019】
効果顔料およびその基材の粒子サイズおよび粒子サイズ分布は、当技術分野においては通常である様々な方法によって測定され得る。しかしながら、好ましくは、Malvern Mastersizer 2000、Beckman Coulter、Microtrac等を用いた標準的プロセスでのレーザー回折法が使用される。さらに、SEM(走査型電子顕微鏡)画像等の他の技術が使用されてもよい。
好ましい実施形態において、基材は、金属酸化物、金属酸化物水和物、金属水酸化物、金属亜酸化物、金属フッ化物、金属窒化物、金属オキシ窒化物またはこれらの材料の混合物を含む、1つまたは複数の透明または半透明層でコーティングされる。好ましくは、基材は、これらの層で部分的または完全に包み込まれる。
【0020】
さらに、高屈折率層および低屈折率層を含む多層構造がまた存在してもよく、高屈折率層および低屈折率層は、好ましくは交互する。高屈折率層(屈折率≧2.0)および低屈折率層(屈折率<1.8)を含む層パッケージが特に好ましく、これらの層パッケージの1つまたは複数が基材に適用されていてもよい。ここで、高屈折率層および低屈折率層のシーケンスは、多層構造に基材を含めるために、基材に適合されてもよい。
好ましくはTi、Sn、Si、Al、ZrおよびZn、特にTi、SnおよびSiの金属酸化物、金属酸化物水和物またはそれらの混合物が特に好ましい。酸化物および/または酸化物水和物は、単一層または別個の層で存在してもよい。特に、ルチルまたはアナターゼ改質型、好ましくはルチル改質型の二酸化チタンが使用される。二酸化チタンのルチル改質型への変換のために、好ましくは二酸化スズ層が二酸化チタン層の下に適用される。好ましい多層コーティングは、交互する高屈折率層および低屈折率層、好ましくはTiO2-SiO2-TiO2等を含む。
金属酸化物、水酸化物および/または酸化物水和物の層は、好ましくは、知られている湿式化学法により適用され、基材の被覆をもたらす効果顔料の調製のために開発された湿式化学コーティング法が使用され得る。湿式化学適用後、コーティングされた生成物は、その後分離、洗浄、乾燥および好ましくは焼成される。
その個々の層の厚さは、通常、10~1000nm、好ましくは15~800nm、特に20~600nm、特に20~200nmである。
光、温度、水および天候に対する安定性を増大させるために、効果顔料は、ポストコーティングまたは後処理に供されてもよい。ポストコーティングは、最終層としての有機コーティングおよび/または無機コーティングであってもよい。ポストコーティングは、好ましくは、元素Al、Si、Zr、Ceまたはそれらの混合物もしくは混合相の1つまたは複数の金属酸化物層を含む。さらに、有機または組み合わされた有機/無機ポストコーティングが可能である。シランおよび/または有機官能性シランもまた、単独で、または金属酸化物と組み合わせて使用され得る。好適なポストコーティングまたは後処理法は、例えば、DE2215191、DE-A3151354、DE-A3235017またはDE-A3334598、EP0090259、EP0634459、WO99/57204、WO96/32446、WO99/57204、米国特許第5,759,255号、米国特許第5,571,851号、WO01/92425、WO2011/095326に記載の方法、または当業者に知られている他の方法である。
【0021】
本発明に使用され得る効果顔料は、例えば、Iriodin(登録商標)、Pyrisma(登録商標)、Xirallic(登録商標)、Miraval(登録商標)、Colorstream(登録商標)、RonaStar(登録商標)、Biflair(登録商標)、およびLumina Royal(登録商標)の商品名で供されている市販の干渉顔料または真珠光沢顔料である。他の市販の効果顔料もまた使用され得る。特に、Colorstream(登録商標)、Xirallic(登録商標)、Miraval(登録商標)、およびRonastar(登録商標)顔料が使用され得る。
太陽電池への適用のために、効果顔料は、適用媒体、好ましくは透明コーティング配合物中に組み込まれ、その後太陽電池に適用される。
適用媒体は、例えば、水性ニス、溶媒ベースのニス、UV硬化性ニス、および電子ビーム硬化性ニス、セラミック釉薬、ゾルゲルベース成分から選択され得る。
【0022】
効果顔料は、太陽電池の外側、EVA(エチルビニルアセテートフィルム)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)もしくはシリコーン等の任意のラミネーション材料上もしくは材料中、直接太陽電池の光活性材料上、または太陽電池モジュールをカバーする保護基板上の層に含まれてもよい。効果顔料はまた、内側または外側に面するガラス層上のゾルゲルベースのポリマーベース層、またはガラスフリットをベースとする層に含まれてもよい。
内側または外側に面するガラス層上のゾルゲルベースまたはポリマーベースの反射防止層もまた、任意の太陽電池または太陽電池モジュール上に効果顔料を実装するために本発明に従って使用され得る。1つの例示的な手法は、例えばオルトケイ酸テトラエチルの加水分解により作製されるシリカベースゾルゲル溶液中に効果顔料を組み込み、その後基材上で溶液を重縮合させることである。別の例示的な手法は、印刷産業において一般的に使用されるガラスフリットを効果顔料と混合し、その後得られるガラス粒子混合物を溶融することにより、フロントガラス上にガラス様層を形成することである。反射防止層はまた、ポリマーと混合されて、高温ステップ中に反射防止特性を改善する空洞を形成してもよく、または微細構造化されてもよい。また、産業において知られている反射防止層を形成する同様の手法が、本発明による効果顔料を組み込むために使用されてもよい。
多くの場合において、少なくとも2つの異なる効果顔料の使用によって特殊効果を得ることが可能であるため、本発明の適用媒体はまた、異なる効果顔料の混合物を含んでもよい。その場合、効果顔料は任意の割合で混合され得るが、適用媒体中の全ての効果顔料の全体的含量は、60質量%を超えるべきではない。
【0023】
効果顔料または効果顔料の混合物の濃度は、好ましくは、適用媒体の固形部の全質量に対して1~40質量%、好ましくは1~25質量%の範囲内である。好ましくは、効果顔料の量は、1~15質量%の範囲内、特に2~12、特に3~8質量%の範囲内である。
1m2当たりのグラムとしてのフィルム中の効果顔料の量は、フィルム厚により決定付けられる。例えば、結合剤媒体をベースとする配合物中1%の効果顔料を有する20μm厚のフィルムは、1m2当たり約0.4gの効果顔料に相当し、12%の効果顔料を有する100μm厚のフィルムは、1m2当たり約18gの効果顔料に相当する。したがって、処理された太陽電池表面の1m2当たりの効果顔料の一般的な範囲は、薄いフィルム(1μm)および低濃度の場合の0.1g/m2から、厚いフィルム(200μm)で高濃度の場合の75g/m2までの範囲である。本発明の実用的な範囲は、1m2当たり0.4~30gの効果顔料の領域内であり、好ましくは1~25g/m2、特に好ましくは1~16g/m2である。
【0024】
典型的な媒体は、一般に、1種または複数種の効果顔料を、選択された市販のすぐに使用できるニスと混合することにより調製される。任意の厳密な要求に適合するように特定のニスもまた作製され得る。
典型的なニスは、少なくとも、1種または複数種の結合剤と、溶媒または溶媒の混合物とを含有する。さらに、ニスはまた、消泡剤、垂れ防止剤、分散剤、平滑化剤、耐引掻き性添加剤、基材湿潤剤、カップリング剤、腐食防止剤、レオロジー調整剤、難燃剤、安定剤、触媒、臭気マスキング剤、着色剤等の他の添加剤を含有してもよい。
【0025】
本発明の典型的な適用媒体は、説明された効果顔料、結合剤および溶媒を含有し、また、消泡剤、垂れ防止剤、分散剤、平滑化剤、耐引掻き性添加剤、基材湿潤剤、カップリング剤、腐食防止剤、レオロジー調整剤、難燃剤、安定剤、触媒、臭気マスキング剤、着色剤等の他の添加剤を含有してもよい。適用媒体はまた、さらなる着色剤を含んでもよい。
適用媒体は、一般に、まず1種または複数種の効果顔料を導入し、それらを結合剤、溶媒および任意の添加剤と均質に混合することにより調製される。
【0026】
使用され得る結合剤は、印刷プロセスに通常使用される結合剤または結合剤系、例えば、ニトロセルロースベース、ポリアミドベース、アクリレートベース、ポリビニルブチラールベース、PVCベース、PURベースまたはそれらの好適な混合物の水性または溶媒含有結合剤である。二成分系が使用されてもよい。
別の選択肢は、本発明の効果顔料と混合されたセラミック釉薬(フリット/フリット混合物)である。セラミックフリットおよびフラックスは、本発明の効率を阻害しないために透明および無色で硬化され得る。
好ましくは、結合剤は、可視光に対して透明であり、太陽電池またはラミネーションもしくは耐引掻き性/保護層(いつ適用されたかに依存する)への良好な接着性を提供し、環境に対する良好な安定性を提供し、また最終層として使用されない場合には、後続層に対する良好な湿潤性および接着性を提供する。
水以外に、有機溶媒、例えば分岐もしくは非分岐アルコール、芳香族化合物またはアルキルエステル、例えばエタノール、1-メトキシプロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエンまたはそれらを含む混合物を使用することも可能である。しかしながら、各着色したコーティング配合物はまた、例えばUV硬化性結合剤等の放射硬化性結合剤系が使用される場合には、低溶媒含量を有してもよく、または完全に溶媒を含まなくてもよい。
結合剤または結合剤系、および該当する場合には溶媒以外に、コーティングビヒクルは、各効果顔料に加えて、様々な助剤、着色剤および/または添加剤を含んでもよい。
【0027】
好適な添加剤は、UV安定剤、阻害剤、防炎剤、潤滑剤、分散剤、再分散剤、消泡剤、流量調整剤、膜形成剤、接着促進剤、乾燥促進剤、乾燥遅延剤、光開始剤等である。各コーティングビヒクルは、好ましくは、本発明の効果が追加の固形物により減弱されない、またはそうでない場合も低下されないように、全ての必要な助剤を液体状で含む。この理由から、本発明よる必要な効果顔料以外の(可溶性)色素および他の着色用顔料または固形充填剤のいずれも、完成した有色コーティングインク中に存在しないことが特に好ましい。
顔料を施されたコーティンク配合物はその後、様々な方法、例えば噴霧、コーティングまたは印刷により、例えばスクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、他のデジタル印刷方法、スロットダイコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、ドクターブレード/ナイフコーティング、カーテンコーティング、フィルム転写コーティングまたはエアロゾル噴射により適用され得る。外観と最小の性能損失との間の最適なバランスのためにはスクリーン印刷が好ましく、また若干高い電力損失で最適な外観を得るためにはスプレーコーティングが好ましい。
【0028】
乾燥層厚は、0.1μm~1mm、好ましくは0.5μm~200μm、好ましくは1μm~50μm、特に1μm~10μmの範囲内である。
乾燥フィルム中の効果顔料の濃度は、フィルムの全質量に対して約1~20%、好ましくは2~10%、特に2~6%である。
自動車での適用では、顔料の量はさらに高くなり得る(1~40%、好ましくは1~25%)。好ましくは、効果顔料の量は、0.1~75g/m2の範囲内である。
【0029】
本発明による効果顔料を含むコーティング媒体は、非晶質、単結晶および多結晶シリコン太陽電池、CIGS、CdTe、III/V太陽電池、II/VI太陽電池、ペロブスカイト太陽電池、有機太陽電池および色素増感型太陽電池、ならびに単電池で作製された太陽電池モジュール等の任意の所望の太陽電池に適用され得る。結晶太陽電池は、Al-BSF、PERC、PERL、PERT、HIT、IBC、両面受光型、または結晶シリコン基板をベースとする任意の他の電池の種類等の電池構造を含む。
効果顔料は、完成した太陽電池もしくは太陽電池モジュールの外側、モジュールをカバーする保護基板(ガラスもしくはプラスチック)上、EVA、TPUもしくはシリコーン等の任意のラミネーション材料上もしくは材料中、または光活性材料/太陽電池直上に適用され得る。EVAへの適用印刷または完成した太陽電池もしくは太陽電池モジュールへの印刷が好ましい。
太陽電池または太陽電池モジュールユニットへの適用のさらなる可能性は、ガラスおよび他の表面に貼り付けることができる、効果顔料を含む(自己接着性)箔の使用である。これはまた、太陽電池モジュールもしくは太陽電池小型モジュールの任意の既存の設備、またはさらに、手持ち式デバイス、輸送車両、建物もしくは同様のものの単電池にも適用され得る。
【0030】
本発明が特に有利なのは、太陽電池の典型的な技術的意匠によって人々が見慣れた典型的な外観が変貌する、建物(ファサードおよび屋根)、携帯用および設置型デバイス、自動車車両(車、バイク、スクーター、トラックおよび同様のもの)、または他の種類の太陽電池設備に太陽電池をシームレスに統合することができることである。有利には、自動車車両への使用では、効果顔料を自動車クリアコート内に適用することができる。さらに、この改善は、大きな効率損失なしに達成される。
一般的に使用されるシリコン太陽電池または太陽電池モジュールの完全に均一な外観を達成するために、太陽電池および太陽電池モジュールの金属ベース導電部品(主要垂直コネクタ、いわゆるバスバー、および水平電流収集部品、いわゆるフィンガーからなるHグリッド、太陽電池間のコネクタおよびはんだ)は、効果顔料の適用前は暗色に着色されるべきである。Hグリッド正面パターンを有するシリコン太陽電池またはモジュールの他の白色外観金属部品を「暗色化」する可能な手法は、金属ストライプを黒色ポリマー箔でカバーすること、または金属部品を黒色塗料で刷毛塗りすることである。印刷された銀Hグリッドの場合、銀は、硫化銀の薄層の形成(例えばH2Sでの処理による)により直接、または銅のメッキおよび酸化により黒色化され得る。メッキ金属グリッドの場合、金属スタックの最上層は、CuOまたはAg2S等の高吸収性金属酸化物もしくは硫化物、または同様の暗色に着色された金属酸化物、またはその他で直接メッキされ得る。新規金属化スキーム(スマートワイヤ技術等)を使用する場合、黒色化ワイヤ、または反射率を低減し、ひいては金属グリッドの暗色外観を作製する微細構造を有するワイヤもまた、本発明に従って使用され得る。モジュールのバックグラウンドとして黒色または暗い太陽電池の青色のバックシートが使用される場合、近接距離からでも非常に均一であるモジュール全体の外観が達成され得る。
効果顔料は水蒸気が可撓性プラスチック箔を通過するのを部分的にブロックまたは少なくとも防止し、したがって酸素および水蒸気バリアとして機能することができるため、本発明はまた、太陽電池および太陽電池モジュールの長期安定性の改善をもたらすことができた。II/VIまたはIII/V材料および有機等価物で作製された多くの太陽電池は、太陽電池の表面に達して活性材料の光酸化を引き起こす水分に著しく影響される。
【0031】
さらに、効果顔料は、UV光の吸収により、太陽電池または太陽電池モジュールの寿命の改善に役立ち得る。効果顔料層における吸収は、有機封入材の損傷をより少なくし、したがってこれらの封入材中に使用する必要があるUV吸収剤の量がより少なく、またポリマーの光酸化による黄変が低減される。このために、以前に説明した安定化された顔料の使用が不可欠である。
【実施例0032】
(実施例1)
c-Si太陽電池(CZ)を、異なる効果顔料、異なる効果顔料濃度および/または効果顔料混合物を含む異なる層でコーティングする。効果顔料を含む層は、封入された材料のシートの表面外観を、異なる色、例えば緑色または紫色等にする。
例えば、Proell Aqua Jet FGL M093ニス(95.5%)およびProell Defoamer L36459(1.5%)中にPyrisma(登録商標)Green(3%)を含むインクで、手動のフラットベッドスクリーンプリンタを使用して標準c-Siパネル上に印刷する。SefarからのメッシュPET1500 54/137-64Wを使用する(メッシュのパラメータ:137l/インチ、115μmのメッシュ開口および64μmのスレッド直径)。印刷に使用されたスキージは、75°ショアの硬度を有する手動スキージである。層は、周囲条件下で、室温で乾燥される。
【0033】
さらなる効果顔料、および効果顔料濃度を、表1に列挙する。
【表1】
【0034】
c-Si太陽電池に対する顔料層の影響は、反射測定により評価される。
反射データは、処理された電池の最大電力吸収/最大光電流生成を推定するために使用される:
スペクトル反射率は、280nm~1200nmの間の波長間隔で記録される。
電池の透過は人為的にゼロに設定される(これはまた、そのようなデバイスの後側部電極を従来形成する焼結および合金化アルミニウムペーストのほぼ完全な後側部被覆を含むSi太陽電池の実際の条件において推定される)。
電池のバルクによる短波長光の通常の完全吸収
システム全体による光の吸収の計算
顔料層、SiNxおよびAlにおける吸収は無視される(未知であるため)
AM1.5Gスペクトルに基づく最大達成可能光電流への電力吸収の置き換え(ASTM G173-03に等しいIEC60904-3 Ed.2に従う)。この目的のために、上述の参照スペクトルを測定し、280nm~1200nmの波長領域のステップ幅として1ナノメートルの分解能を適用して、スペクトルの補間により照射強度を再計算する。補間されたスペクトルの積分により、835.998W/m2の全照射強度が得られる。後者は、照射強度が836.19W/m2となる元の参照スペクトルの同じ波長範囲に対する積分と極めて良好に一致している。元のスペクトルと補間されたスペクトルとの間の差は、0.2‰となる。
反射率標準(PTFE)
Cary 5000(UV/ViS/NIR);Agilent
全ての電池(該当する場合)は4回探査される
【0035】
電池は反射性測定に供される
測定構成は、「参照試料」を使用することによりチェックされる
光の入射は電池の表面に垂直
反射性は電池の正面側から測定される
- 正面側:この文脈では、SiNxでカバーされた太陽電池の表面は、いわゆる「正面側」と考えられる定義に従い;有色であり、完全Al電極と反対である
- 測定は、3回繰り返して行われる(合計で4測定)
【0036】
照射表面は、直径1cmまでの大面積割合をカバーするような面積である。
したがって、反射率データは、金属化/非金属化表面を含む平均積分値である。
測定データは平均され、平均が以下のさらなる考察に使用される:
平均化された電池の平均反射率
標準偏差および分散の推定
99%(信頼区間)の確率によるT誤差範囲の推定は、PTFE標準を参照として使用して行われる
壊れやすいシリコン太陽電池を意図的に破壊損傷するように、測定中サンプルビームは光吸収性の蓋でカバーおよび封止されない。
【0037】
【0038】
(実施例2)
水性樹脂中の、本発明による効果顔料を含む層が、市販のAl-BSF太陽電池上に直接印刷されるように太陽電池小型モジュールを作製する。その後、モジュールを、手作業によるはんだ付けで接触させ、熱可塑性ポリウレタン(TPU)またはエチルビニルアセテート(EVA)を使用してガラスプレートとtedlarバックシートとの間に封入する。AM1.5において標準化された構成で効率を測定する。
コーティングされていない参照モジュールは最大17.6%の効率を示すが、試験された太陽電池小型モジュールはいずれも、10%(相対)を超える効率の低下を示さない。白色外観モジュールであっても、効果顔料によりもたらされる光の選択的反射に起因して、16%の実効効率を示す。
【0039】
(実施例3)
水性ガラス/フリット混合物中の、本発明による効果顔料を含む層が、太陽電池モジュールに使用される市販の低鉄ガラス上にスクリーン印刷により直接印刷され、その後炉内で600℃~680℃で調質されるように、太陽電池小型モジュールを作製する。第2のステップにおいて、単電池間の空間、ならびにバスバー、導電路およびはんだ付け点等の明るい領域をカバーすることができる設計で、着色されたセラミックの色を有するグリッドを層の上に印刷する。
溶着させる前に、以下のステップでモジュールを作製する。
- ガラスプレートを、熱可塑性ポリウレタン(TPU)またはエチルビニルアセテート(EVA)でできた暗青色で着色されたバックシートでカバーする。この場合、Dymat(Bk PYE SPV-L)からの黒色多層バックシートである。
- 電池を配置し、手作業での併合によって接触させる。
- 熱可塑性ポリウレタン(TPU)またはエチルビニルアセテート(EVA)でできた第2のシートを、電池の上に配置する。
- 着色されたガラスプレートの上に、全ての残りの明るい領域が暗色グリッドによりカバーされるように配置する。
- 真空炉内でモジュールを100℃に加熱し、モジュールを封止する。
AM1.5条件下で標準化された構成で効率を測定する。
コーティングされていない参照モジュールは最大17.6%の効率を示すが、試験された太陽電池小型モジュールはいずれも、20%(相対)を超える効率の低下を示さない。白色外観モジュールであっても、効果顔料によりもたらされる光の選択的反射に起因して、15.1%の実効効率を示す。
【0040】
(実施例4)
統合された青色LED(有機太陽電池により電力供給される)を有する半透明有機太陽電池に、Proell Aqua Jet FGL M 093ニス(95.5%)およびProell Defoamer L36459(1.5%)中にPyrisma(登録商標)Green(3%)を含有するインクで印刷するが、これは、手動のフラットベッドスクリーンプリンタを使用して印刷される。SefarからのメッシュPET1500 54/137-64Wを使用する(メッシュのパラメータ:137l/インチ、115μmのメッシュ開口および64μmのスレッド直径)。印刷に使用されたスキージは、75°ショアの硬度を有する手動スキージである。層は、周囲条件下で、室温で乾燥される。有機太陽電池に統合されたLEDの明るさは、その生成電流に基づき、したがって効率を測定するために使用され得る。LEDは、印刷または非印刷側からの照明下で同じ明るさを示し、したがって、効果顔料コーティングは、有機太陽電池の電流および効率に対して無視できる影響を有する。
【0041】
(実施例5)
効果顔料含有ラッカーによる太陽電池のスプレーコーティング
標準太陽電池を、通常使用されるデバイスでの噴霧適用によりコーティングする。使用される真珠光沢顔料、この場合は緑色干渉顔料を、MIPA(MIPA CC4 2K Klarlack)からの市販の2K再仕上げクリアコート中で撹拌するが、ここで使用される濃度は配合後1.13%である。供給業者が推奨するようにコーティングを調製し、1000 1/sで70~75mPasの適用粘度まで調整する。
以下の効果顔料を使用した:
Iriodin(登録商標)9231 SW
Iriodin(登録商標)9235 SW
Iriodin(登録商標)97235 SW
Miraval(登録商標)Green
Xirallic(登録商標)Stellar Green SW
【0042】
そのようにして調製されたコーティングを太陽電池に適用するために、自動噴霧デバイスOerter APL4.6を使用する。この場合、コーティングは、互いにすぐに後続する2回のサイクルで1.4mmのノズルを用いて適用される。70℃で60分間の焼付け前に、コーティングを室温で10分間乾燥させる。最後に乾燥フィルム厚は約40μmに達する。
【0043】
緑色干渉顔料の特徴が太陽電池パネル上に明確に見え、ある特定の角度では緑色が見えるが、他の角度では見えない。
【0044】
パネルおよびパネルの効率に対する使用された効果顔料の効果をさらに特性評価するために、電池のコーティングされた正面側に対して反射性の測定を行う。したがって、Cary 5000(UV/VIS/NIR)Agilentを使用する。参照として、コーティングされていない標準太陽電池を使用する。この構成では、達成可能な電流の相対損失は、コーティングされていない太陽電池と比較して、使用された緑色干渉顔料に依存してわずか4.5%(Xirallic(登録商標)Stellar Green SW)~6.7%(Iriodin(登録商標)9235 SW)の間であることが測定される。
透明または半透明材料の1つまたは複数の層でコーティングされおよび任意にポストコーティングでコーティングされた透明または半透明フレーク状基材からなる少なくとも1種の効果顔料を含む少なくとも1つの層を、太陽電池または太陽電池モジュールの正面放射受容側上または正面放射受容側中に含む太陽電池または太陽電池モジュール。
パネルおよびパネルの効率に対する使用された効果顔料の効果をさらに特性評価するために、電池のコーティングされた正面側に対して反射性の測定を行う。したがって、Cary 5000(UV/VIS/NIR)Agilentを使用する。参照として、コーティングされていない標準太陽電池を使用する。この構成では、達成可能な電流の相対損失は、コーティングされていない太陽電池と比較して、使用された緑色干渉顔料に依存してわずか4.5%(Xirallic(登録商標)Stellar Green SW)~6.7%(Iriodin(登録商標)9235 SW)の間であることが測定される。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕透明または半透明材料の1つまたは複数の層でコーティングされおよび任意にポストコーティングでコーティングされた透明または半透明フレーク状基材からなる少なくとも1種の効果顔料を含む少なくとも1つの層を、太陽電池または太陽電池モジュールの正面放射受容側上または正面放射受容側中に含む太陽電池または太陽電池モジュール。
〔2〕効果顔料および/または効果顔料層が、太陽スペクトルの可視光の1~100%、好ましくは5~40%を選択的に反射する、前記〔1〕に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
〔3〕効果顔料および/または効果顔料層が、特定の太陽電池または太陽電池モジュールに関連する放射に対して、好ましくは260~1200nmの範囲内の放射に対して少なくとも30%、好ましくは80%超の透明性を有する、前記〔1〕または〔2〕に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
〔4〕効果顔料および/または効果顔料層が、260~1200nmの範囲内の放射に対して1~40%、好ましくは30%未満の反射レベルを有する、前記〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
〔5〕効果顔料および/または効果顔料層が、260~1200nmの範囲内の放射に対して20%未満、好ましくは10%未満の反射レベルを有する、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
〔6〕効果顔料が、真珠光沢顔料、干渉顔料および多層顔料から選択される、前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
〔7〕適用媒体中の効果顔料の量が、適用媒体の固形部に対して1~40質量%、好ましくは1~15質量%の範囲内である、前記〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
〔8〕効果顔料の量が、0.1~75g/m
2
の範囲内である、前記〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
〔9〕効果顔料を含んでいる層の厚さが、1~200μmの範囲内である、前記〔1〕~〔8〕のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
〔10〕内部量子効率が、260~1200nm波長領域内で0.7以上、好ましくは0.8以上である、前記〔1〕~〔9〕のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
〔11〕効果顔料および/または効果顔料層が、40%未満、好ましくは30%未満、最も好ましくは20%未満の相対電流損失[A/m
2
]を生じる、前記〔1〕~〔10〕のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
〔12〕効果顔料および/または効果顔料層が、40%未満、好ましくは30%未満、最も好ましくは20%未満の効率低下[W/m
2
]を生じる、前記〔1〕~〔11〕のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
〔13〕外部量子効率が、260~1200nm波長領域内で0.6以上、好ましくは0.8以上である、前記〔1〕~〔12〕のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
〔14〕効果顔料が、フレーク状ガラス基材またはフレーク状SiO
2
基材またはフレーク状Al
2
O
3
基材をベースとする、前記〔1〕~〔13〕のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
〔15〕フレーク状基材が、Ti、Sn、Si、Al、ZrおよびZnの金属酸化物および/または金属酸化物水和物の1つまたは複数の層でコーティングされている、前記〔1〕~〔14〕のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
〔16〕効果顔料が、太陽電池の外側、EVA(エチルビニルアセテートフィルム)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)もしくはシリコーン等の任意のラミネーション材料上もしくは材料中、太陽電池の光活性材料直上、または太陽電池モジュールをカバーする保護基板上の層に含まれる、前記〔1〕~〔15〕のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
〔17〕効果顔料が、内側または外側に面するガラス層上のゾル-ゲルベースのポリマーベース層、またはガラスフリットをベースとする層に含まれる、前記〔1〕~〔16〕のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
〔18〕太陽電池および太陽電池モジュールの金属ベース導電部品が、太陽電池モジュールの組立て前に暗色に着色されており、黒色または暗青色のバックシートが使用される、前記〔1〕~〔17〕のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
〔19〕効果顔料層の上に、単電池間の空間、ならびにバスバー、導電路およびはんだ付け点等の明るい領域をカバーする暗色に着色されたパターンが配置されている、または太陽電池もしくは太陽電池モジュールの金属ベース導電部品が暗色に着色されている、または太陽電池もしくは太陽電池モジュールの後側部に黒色もしくは暗青色バックシートが位置する、前記〔1〕~〔18〕のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュール。
〔20〕前記〔1〕~〔19〕のいずれか1項に記載の太陽電池または太陽電池モジュールを作製するための方法であって、透明または半透明材料の1つまたは複数の層でコーティングされおよび任意にポストコーティングでコーティングされた透明または半透明フレーク状基材を含む効果顔料と、有機または無機結合剤等の1種または複数種の結合剤と、任意に添加剤とを含むコーティング組成物を、太陽電池または太陽電池モジュールに適用する、方法。
〔21〕コーティング組成物が、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、他のデジタル印刷方法、スロットダイコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、ドクターブレード/ナイフコーティング、カーテンコーティング、フィルム転写コーティングまたはエアロゾル噴射により適用される、前記〔20〕に記載の方法。
〔22〕効果顔料を含むコーティング組成物の上に、単電池間の空間、ならびにバスバー、導電路およびはんだ付け点等の明るい領域をカバーする暗色に着色されたパターンが配置される、前記〔20〕または〔21〕に記載の方法。
〔23〕太陽電池の金属ベース導電部品が暗色に着色される、前記〔20〕~〔22〕のいずれか1項に記載の方法。
〔24〕太陽電池または太陽電池モジュールの後側部に、黒色または暗青色バックシートが貼付される、前記〔20〕~〔23〕のいずれか1項に記載の方法。