(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170166
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】局側装置及びファームウェア更新方法
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20231124BHJP
【FI】
G06F8/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081712
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100083840
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 実
(72)【発明者】
【氏名】舘林 大亮
(72)【発明者】
【氏名】成田 譲
(72)【発明者】
【氏名】吉田 智暁
(72)【発明者】
【氏名】田代 隆義
(72)【発明者】
【氏名】嶌津 聡志
(72)【発明者】
【氏名】喜多 亮太
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AB01
5B376AB27
5B376AB43
5B376CA05
5B376CA41
5B376CA57
5B376CA76
(57)【要約】
【課題】新規なF/Wを、容易に導入できるようにすること。
【解決手段】OLT120は、第1のF/Wで更新を行う第1の下位I/F基板140#1と、第1のF/Wよりも新しい第2のF/Wで更新を行う第2の下位I/F基板140#2と、第1のF/W及び第2のF/Wを含む共通ファイル領域のヘッダである共通ファイルヘッダに、第1のF/Wの固有名称を含むが、第2のF/Wの固有名称を含まないF/W結合モジュールを受信する受信部と、F/W結合モジュールを記憶するメモリ132と、F/W結合モジュールの受信後に更新指示が受信された場合に、F/W結合モジュールから、第1のF/W及び第2のF/Wを分割するファイル分割部133と、第1のF/Wを第1の下位I/F基板140#1に転送し、第2のF/Wを第2の下位I/F基板140#2に転送するファイル転送部136とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のファームウェアで更新を行う第1の機能部と、
前記第1のファームウェアよりも新しい第2のファームウェアで更新を行う第2の機能部と、
前記第1のファームウェア及び前記第2のファームウェアを含む共通ファイル領域のヘッダである共通ファイルヘッダに、前記第1のファームウェアの固有名称を含むが、前記第2のファームウェアの固有名称を含まないファームウェア結合モジュールを受信し、前記ファームウェア結合モジュールを受信した後に、更新指示を受信する受信部と、
前記ファームウェア結合モジュールを記憶する記憶部と、
前記更新指示が受信された場合に、前記ファームウェア結合モジュールから、前記第1のファームウェア及び前記第2のファームウェアを分割するファイル分割部と、
前記第1のファームウェアを前記第1の機能部に転送し、前記第2のファームウェアを前記第2の機能部に転送して、前記第1の機能部及び前記第2の機能部に更新を行わせるファイル転送部と、を備えること
を特徴とする局側装置。
【請求項2】
前記ファームウェア結合モジュールから分割されたデータファイルのヘッダを確認することで、前記第1のファームウェア又は前記第2のファームウェアを認識する認識処理を行うファイル精査機能部と、
前記局側装置に、前記第1の機能部又は前記第2の機能部が備えられているか否かを監視する監視処理を行う監視部と、をさらに備え、
前記ファイル転送部は、前記認識処理の結果及び前記監視処理の結果に従って、前記第1のファームウェア又は前記第2のファームウェアを転送すること
を特徴とする請求項1に記載の局側装置。
【請求項3】
第1のファームウェアで更新を行う第1の機能部と、
前記第1のファームウェアよりも新しい第2のファームウェアで更新を行う第2の機能部と、
前記第2のファームウェアを含むが、前記第1のファームウェアを含まない共通ファイル領域のヘッダである共通ファイルヘッダに、前記第1のファームウェアの固有名称を含むが、前記第2のファームウェアの固有名称を含まないファームウェア結合モジュールを受信し、前記ファームウェア結合モジュールを受信した後に、更新指示を受信する受信部と、
前記ファームウェア結合モジュールを記憶する記憶部と、
前記更新指示が受信された場合に、前記ファームウェア結合モジュールから、前記第2のファームウェアを分割するファイル分割部と、
前記第2のファームウェアを前記第1の機能部及び前記第2の機能部に転送するファイル転送部と、を備え、
前記第1の機能部は、前記第2のファームウェアを用いた更新を行わず、前記第2の機能部は、前記第2のファームウェアを用いた更新を行うこと
を特徴とする局側装置。
【請求項4】
前記第2のファームウェアを用いた更新を行った前記第2の機能部にリセットを行わせ、前記第2のファームウェアを用いた更新を行わなかった前記第1の機能部にはリセットを行わせない監視部をさらに備えること
を特徴とする請求項3に記載の局側装置。
【請求項5】
第1のファームウェア及び前記第1のファームウェアよりも新しい第2のファームウェアを含む共通ファイル領域のヘッダである共通ファイルヘッダに、前記第1のファームウェアの固有名称を含むが、前記第2のファームウェアの固有名称を含まないファームウェア結合モジュールを受信し、
前記ファームウェア結合モジュールを受信した後に、更新指示を受信し、
前記更新指示が受信された場合に、前記ファームウェア結合モジュールから、前記第1のファームウェア及び前記第2のファームウェアを分割し、
前記第1のファームウェアを前記第1のファームウェアで更新を行う第1の機能部に転送し、
前記第2のファームウェアを前記第2のファームウェアで更新を行う第2の機能部に転送し、前記第1の機能部及び前記第2の機能部に更新を行わせること
を特徴とするファームウェア更新方法。
【請求項6】
第1のファームウェアよりも新しい第2のファームウェアを含むが、前記第1のファームウェアを含まない共通ファイル領域のヘッダである共通ファイルヘッダに、前記第1のファームウェアの固有名称を含むが、前記第2のファームウェアの固有名称を含まないファームウェア結合モジュールを受信し、
前記ファームウェア結合モジュールを受信した後に、更新指示を受信し、
前記更新指示が受信された場合に、前記ファームウェア結合モジュールから、前記第2のファームウェアを分割し、
前記第2のファームウェアを、前記第1のファームウェアで更新を行う第1の機能部及び前記第2のファームウェアで更新を行う第2の機能部に転送し、
前記第1の機能部は、前記第2のファームウェアを用いた更新を行わず、前記第2の機能部は、前記第2のファームウェアを用いた更新を行うことを特徴とするファームウェア更新方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、局側装置及びファームウェア更新方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、光通信システムでは、局側装置が光ファイバを介して光スプリッタに接続され、その光スプリッタに、複数の加入者側装置が複数の光ファイバを介して接続される。
【0003】
局側装置は、光通信システムにおける親局装置にあたり、例えば、電話局等に設置される。局側装置は、OLT(Optical Line Terminal)とも称される。また、加入者側装置は、光加入者線システムにおける子局装置にあたり、例えば、加入者宅等に設置される。加入者側装置は、宅側装置又はONU(Optical Network Unit)とも称される。
【0004】
OLTには、制御基板又はONUとのインターフェース基板等、機能に応じた基板が実装される。各基板のファームウェア(以降、F/Wという)には、基板の機能の追加若しくは改修、又は、部品の生産中止対応等を理由にバージョンアップが実施される。
【0005】
特に、S/W(SoftWare)機能に影響を与えるLSI(Large Scale Integration)、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はCPU(Central Processing Unit)等が生産中止となる場合、それらの部品の変更前後で仕様の異なる二つの基板が存在することになる。この場合、その二つの基板の両方に互換性のあるF/Wを単純に作成すると、F/Wの容量が約2倍となってしまうため、旧バージョン用のF/Wと、新バージョン用のF/Wとに分けて管理されることが多い。このとき、OLTには同じ機能を果たす基板でも異なるバージョンの基板が存在することになるが、それぞれに対応したそれぞれのF/WをOLTに転送することで、個別にバージョンアップを実現することができる。
【0006】
ところで、キャリアの通信網は、多種多様な通信装置によって構成されており、装置を管理するEMS(Element Management System)、又は、ネットワーク全体を管理するNMS(Network Management System)等を用いて保守運用が行われている。但し、装置それぞれに対して個別のEMSが導入されると、保守者負担の増加、又は、導入コスト及び維持管理コストの増大につながる。
【0007】
非特許文献1には、運用及び保守の異なるベンダの装置に対しても共通的に適用可能なネットワーク管理の基盤を整備し、この基盤をベースに各EMSを構築及び導入することで操作及び保守に統一性を持った管理を実現する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】加藤 能史、他著、「多種多様な装置管理の共通化を目指すトランスポートネットワーク管理基盤技術」NTT技術ジャーナル出版、2015年8月、インターネット<URL:https://www.ntt.co.jp/journal/1508/files/jn201508042.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
非特許文献1では、ベンダ毎の装置の差分を吸収するシステムを構築することで、保守及び運用の効率化を実現したが、装置側に運用会社の制御システムに影響を与えるような変更が発生した場合について言及されていない。
【0010】
例えば、制御システムによっては、不正なF/Wの更新を防ぐことを目的に、基板種別と紐づけ登録された固有名称のF/Wでのみ更新を許可する機能がある。この場合、例えば、下位インターフェース基板(以降、IFという)については、IF.PKGという名称のF/Wでのみ受信可能となる。
【0011】
このとき、OLTベンダにて部品の生産中止等を理由にF/W互換性のない新バージョンのF/Wで動作する基板に製造切り替えせざるを得ない状況に陥った場合、OLTだけでなく運用中のEMSにも、旧バージョンのF/Wの名称IF.PKGに加えて、新バージョンのF/Wの固有名称、例えば、IF-B.PKGを新規に紐づけて登録する改修が必要になる。これにより、OLTベンダだけでなく運用会社にも開発費用が発生してしまう。
【0012】
そこで、本開示の一又は複数の態様は、新規なF/Wを、容易に導入することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の第1の態様に係る局側装置は、第1のファームウェアで更新を行う第1の機能部と、前記第1のファームウェアよりも新しい第2のファームウェアで更新を行う第2の機能部と、前記第1のファームウェア及び前記第2のファームウェアを含む共通ファイル領域のヘッダである共通ファイルヘッダに、前記第1のファームウェアの固有名称を含むが、前記第2のファームウェアの固有名称を含まないファームウェア結合モジュールを受信し、前記ファームウェア結合モジュールを受信した後に、更新指示を受信する受信部と、前記ファームウェア結合モジュールを記憶する記憶部と、前記更新指示が受信された場合に、前記ファームウェア結合モジュールから、前記第1のファームウェア及び前記第2のファームウェアを分割するファイル分割部と、前記第1のファームウェアを前記第1の機能部に転送し、前記第2のファームウェアを前記第2の機能部に転送して、前記第1の機能部及び前記第2の機能部に更新を行わせるファイル転送部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本開示の第2の態様に係る局側装置は、第1のファームウェアで更新を行う第1の機能部と、前記第1のファームウェアよりも新しい第2のファームウェアで更新を行う第2の機能部と、前記第2のファームウェアを含むが、前記第1のファームウェアを含まない共通ファイル領域のヘッダである共通ファイルヘッダに、前記第1のファームウェアの固有名称を含むが、前記第2のファームウェアの固有名称を含まないファームウェア結合モジュールを受信し、前記ファームウェア結合モジュールを受信した後に、更新指示を受信する受信部と、前記ファームウェア結合モジュールを記憶する記憶部と、前記更新指示が受信された場合に、前記ファームウェア結合モジュールから、前記第2のファームウェアを分割するファイル分割部と、前記第2のファームウェアを前記第1の機能部及び前記第2の機能部に転送するファイル転送部と、を備え、前記第1の機能部は、前記第2のファームウェアを用いた更新を行わず、前記第2の機能部は、前記第2のファームウェアを用いた更新を行うことを特徴とする。
【0015】
本開示の第1の態様に係るファームウェア更新方法は、第1のファームウェア及び前記第1のファームウェアよりも新しい第2のファームウェアを含む共通ファイル領域のヘッダである共通ファイルヘッダに、前記第1のファームウェアの固有名称を含むが、前記第2のファームウェアの固有名称を含まないファームウェア結合モジュールを受信し、前記ファームウェア結合モジュールを受信した後に、更新指示を受信し、前記更新指示が受信された場合に、前記ファームウェア結合モジュールから、前記第1のファームウェア及び前記第2のファームウェアを分割し、前記第1のファームウェアを前記第1のファームウェアで更新を行う第1の機能部に転送し、前記第2のファームウェアを前記第2のファームウェアで更新を行う第2の機能部に転送し、前記第1の機能部及び前記第2の機能部に更新を行わせることを特徴とする。
【0016】
本開示の第2の態様に係るファームウェア更新方法は、第1のファームウェアよりも新しい第2のファームウェアを含むが、前記第1のファームウェアを含まない共通ファイル領域のヘッダである共通ファイルヘッダに、前記第1のファームウェアの固有名称を含むが、前記第2のファームウェアの固有名称を含まないファームウェア結合モジュールを受信し、前記ファームウェア結合モジュールを受信した後に、更新指示を受信し、前記更新指示が受信された場合に、前記ファームウェア結合モジュールから、前記第2のファームウェアを分割し、前記第2のファームウェアを、前記第1のファームウェアで更新を行う第1の機能部及び前記第2のファームウェアで更新を行う第2の機能部に転送し、前記第1の機能部は、前記第2のファームウェアを用いた更新を行わず、前記第2の機能部は、前記第2のファームウェアを用いた更新を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本開示の一又は複数の態様によれば、新規なF/Wを、容易に導入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施の形態1及び2に係る光通信システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1及び2における制御基板及び下位I/F基板の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図3】F/W結合モジュールのフォーマットを示す概略図である。
【
図4】実施の形態1に係る光通信システムにおいて、制御装置に紐づけ未登録の固有名称のF/Wを、第2の下位I/F基板にダウンロードする動作を示すフローチャートである。
【
図5】実施の形態2における判定マトリクス表を示す概略図である。
【
図6】実施の形態2において、全ての下位I/F基板で一斉にF/Wのダウンロードを行う動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る光通信システム100の構成を概略的に示すブロック図である。
光通信システム100は、制御装置110と、局側装置としてのOLT120とを備える。
制御装置110と、OLT120とは、LAN(Local Area Network)等のネットワークに接続されている。
【0020】
制御装置110は、OLT120の保守又は管理を運用するシステムで使用される装置である。ここでは、OLT120で使用されるF/Wと、そのF/Wを適用することのできる機能部である基板とを紐付けて管理している。言い換えると、OLT120で使用されるF/Wは、制御装置110に登録されることで、その保守又は管理を行うことができるようになっている。
【0021】
OLT120は、通信基板121と、制御部として機能する制御基板130と、複数のインターフェース部として機能する複数の下位インターフェース基板(下位I/F基板)140とを備える。このとき、通信基板121と制御基板130は同一基板上でその機能を具備することも考えられる。また、OLT120は、必要に応じて、上位インターフェース基板122又はオプション機能基板123を備えていてもよい。
なお、制御基板130と、下位I/F基板140とは、伝送媒体124及び図示しないバックボード基板により電気的に接続されている。
【0022】
通信基板121は、制御装置110と通信を行う。例えば、通信基板121は、後述するF/W結合モジュール又は更新指示を受信する受信部として機能する。
【0023】
図2は、実施の形態1における制御基板130及び下位I/F基板140の構成を概略的に示すブロック図である。
図2では、実施の形態1を簡便に説明するため、
図1に示されている複数の下位I/F基板140の内、制御装置110で認識可能なF/Wで更新を行う下位I/F基板140を第1の下位I/F基板140#1とし、制御装置110で認識不可能で、第1の下位I/F基板140#1用のF/Wとは互換性がないF/Wで更新を行う下位I/F基板140を第2の下位I/F基板140#2とする。
【0024】
また、第1の下位I/F基板140#1用のF/Wの固有名称をIF.PKGとし、第2の下位I/F基板140#2用のF/Wの固有名称をIF-B.PKGとする。
そして、IF.PKGは、制御装置110で、第1の下位I/F基板140#1と、紐付け登録済みであるが、IF-B.PKGは、制御装置110で、第2の下位I/F基板140#2との紐付け登録が行われていないものとする。
【0025】
制御基板130は、FTP(File Transfer Protcol) work領域部131と、引数精査部134と、ファイル精査機能部135と、ファイル転送部136と、OLT内状態監視部137とを備える。
【0026】
FTP work領域部131は、通信基板121を介して、制御装置110とデータファイルを送受信する。
ここで、FTP work領域部131は、メモリ132と、ファイル分割部133とを備える。
【0027】
メモリ132は、制御装置110との間で送受信するデータファイルを記憶する記憶部として機能する。
ファイル分割部133は、メモリ132に記憶されたデータファイルであるF/W結合モジュールのファイルの分割を行う。
【0028】
引数精査部134は、F/W結合モジュールがどの下位I/F基板140に対するF/Wの更新指示かを確認する。
ファイル精査機能部135は、分割されたF/W結合モジュールである個別ファイルの精査を行う。
ファイル転送部136は、個別ファイルの転送を行う。
OLT内状態監視部137は、OLT120の状態の監視を行う。
【0029】
第1の下位I/F基板140#1と、第2の下位I/F基板140#2とは、同様に構成されているため、ここでは、下位I/F基板140として説明する。
下位I/F基板140は、ファイル取得部141と、ファイル精査部142と、不揮発性記憶領域部143と、基板状態通知部144とを備える。
【0030】
ファイル取得部141は、制御基板130から個別ファイルを取得する。
ファイル精査部142は、取得された個別ファイルのファイルヘッダを確認し、その個別ファイルの精査を行う。
不揮発性記憶領域部143は、取得された個別ファイルを記憶する。
基板状態通知部144は、制御基板130に状態を通知する。
【0031】
図3は、IF.PKGのF/Wと、IF-B.PKGのF/Wとを同梱したF/W結合モジュールのフォーマットの一例を示す概略図である。
図3に示されているF/W結合モジュール160は、F/W結合モジュール160であることを識別するための共通ファイルヘッダを格納する共通ファイルヘッダ部161と、第1の下位I/F基板140#1用の個別ファイルであることを識別する個別ファイルヘッダを格納する個別ファイルヘッダ部162と、第1の下位I/F基板140#1用のF/WであるIF.PKGを格納する本体163と、第2の下位I/F基板140#2用の個別ファイルであることを識別する個別ファイルヘッダを格納する個別ファイルヘッダ部164と、第2の下位I/F基板140#2用のF/WであるIF-B.PKGを格納する本体165とを備える。ここで、個別ファイルヘッダ部162、本体163、個別ファイルヘッダ部164及び本体165を共通ファイル領域ともいう。
【0032】
なお、
図3に示されているF/W結合モジュール160は、二つの個別ファイルを格納するためのフォーマットで構成されているが、格納する個別ファイルは、二つである必要はなく、少なくとも一つ以上格納されていればよい。個別ファイルは、個別ファイルヘッダと、F/Wの本体とを含むファイルである。
【0033】
次に、動作について説明する。
図4は、実施の形態1に係る光通信システム100において、制御装置110に紐づけ未登録の固有名称のF/WであるIF-B.PKGを、第2の下位I/F基板140#2にダウンロードする動作を示すフローチャートである。
【0034】
まず、制御装置110は、オペレータからの指示に従って、OLTベンダから提供される第1の下位I/F基板140#1用のF/WであるIF.PKGと、第2の下位I/F基板140#2用のF/WであるIF-B.PKGとを同梱したF/W結合モジュール160を、OLT100の制御基板130のFTP work領域部131に転送する(S10)。ここで、F/W結合モジュール160の固有名称は、IF.PKGになっているものとする。言い換えると、共通ファイルヘッダ部161には、IF.PKGの固有名称が含まれ、IF-B.PKGの固有名称は含まれないものとする。
【0035】
次に、制御装置110は、オペレータからの指示に従って、第2の下位I/F基板140#2に対してF/W更新を指示する更新指示であるF/W更新コマンドをOLT120に送信する(S11)。ここでのF/W更新コマンドは、IF.PKGを更新する指示を含めばよい。
【0036】
次に、制御基板130の引数精査部134は、ステップS11で送信されたF/W更新コマンドが、IF.PKGのF/Wを更新する指示であるか否かを判断する(S12)。例えば、引数精査部134は、F/W更新コマンドがIF.PKGを更新する指示を含むか否かにより、この判断を行えばよい。F/W更新コマンドがIF.PKGのF/Wを更新する指示ではない場合(S12でNo)には、処理はステップS13に進み、F/W更新コマンドがIF.PKGのF/Wを更新する指示である場合(S12でYes)には、処理はステップS14に進む。
【0037】
ステップS13では、制御基板130は、F/W結合モジュールに対してファイル分割を行わずに、ステップS10で受信されたデータファイルを、そのままFTP work領域部131に保持させ続ける。
【0038】
ステップS14では、制御基板130のファイル分割部133は、F/W結合モジュールのファイルヘッダを確認し、第1の下位I/F基板140#1用のF/WであるIF.PKGと、第2の下位I/F基板140#2用のF/WであるIF-B.PKGとを分割する。例えば、
図3に示されているように、F/W結合モジュール160の共通ファイルヘッダ部161には、識別マーカとして、連結用マーカが含まれている。このため、ファイル分割部133は、共通ファイルヘッダ部161に連結用マーカが含まれていることを確認するとともに、個別ファイルヘッダ部162、164に含まれている識別マーカである個別マーカを確認することで、IF.PKGと、IF-B.PKGとを分割する。
【0039】
なお、F/W結合モジュール160が使用されずに、単一のF/Wのみが送信された場合には、ファイル分割部133は、ファイル分割を行わずに、次のステップに進む。
また、例えば、ファイルヘッダに、連結用マーカも個別マーカも含まれていない場合には、ファイル分割部133は、そのようなデータファイルを削除して、処理を終了する。
【0040】
次に、制御基板130のファイル精査機能部135は、分割されたIF.PKGの個別ファイルヘッダ部162を確認することで、IF.PKGが第2の下位I/F基板140#2に転送するF/Wであるか否かを判断する(S15)。IF.PKGが第2の下位I/F基板140#2に転送するF/Wでない場合(S15でNo)には、処理はステップS16に進み、IF.PKGが第2の下位I/F基板140#2に転送するF/Wである場合(S15でYes)には、処理はステップS18に進む。
【0041】
ステップS16では、制御基板130のファイル精査機能部135は、分割されたIF-B.PKGの個別ファイルヘッダ部164を確認することで、IF-B.PKGが第2の下位I/F基板140#2に転送するF/Wであるか否かを判断する。IF-B.PKGが第2の下位I/F基板140#2に転送するF/Wでない場合(S16でNo)には、処理はステップS17に進み、IF-B.PKGが第2の下位I/F基板140#2に転送するF/Wである場合(S16でYes)には、処理はステップS18に進む。
【0042】
ステップS17では、制御基板130のファイル精査機能部135は、更新ファイルなしと判断し、ファイル転送部136は、第2の下位I/F基板140#2の基板状態通知部144に、更新ファイルがないことを通知する。そして、処理は終了する。
【0043】
ステップS18では、制御基板130のファイル転送部136は、ファイル精査機能部135での判断に従って、第2の下位I/F基板140#2にIF-B.PKGを転送する。転送されたIF-B.PKGは、第2の下位I/F基板140#2のファイル取得部141で受信される。
【0044】
次に、第2の下位I/F基板140#2のファイル精査部142は、受信されたIF-B.PKGが正常であるか否かを判断する(S19)。例えば、個別ファイルヘッダにはシリーズ情報が格納されており、ファイル精査部142は、受信されたF/Wが、自身が認識しているシリーズではない場合には、そのF/Wを不正ファイルと判断する。受信されたIF-B.PKGが正常ではない場合(S19でNo)には、処理はステップS20に進み、受信されたIF-B.PKGが正常である場合(S19でYes)には、処理はステップS21に進む。
【0045】
ステップS20では、第2の下位I/F基板140#2のファイル精査部142は、F/W更新失敗を基板状態通知部144に通知する。この場合、第2の下位I/F基板140#2の基板状態通知部144は、制御基板130のOLT内状態監視部137にF/W更新エラーを応答する。このような応答を受けたOLT内状態監視部137は、F/W更新エラーを示す情報を保持する。制御装置110のオペレータは、OLT内状態監視部137の情報を監視することで、第2の下位I/F基板140#2へのF/Wの更新がエラーとなったことを知ることができる。
【0046】
一方、ステップS21では、第2の下位I/F基板140#2のファイル精査部142は、受信されたIF-B.PKGを不揮発性記憶領域部143に記憶させることで、第2の下位I/F基板140#2のF/Wの更新を実行する。そして、処理はステップS22に進む。
【0047】
ステップS22では、第2の下位I/F基板140#2の基板状態通知部144は、F/W更新が完了したことを制御基板130のOLT内状態監視部137に応答する。このような応答を受けたOLT内状態監視部137は、F/W更新完了を示す情報を保持する。制御装置110のオペレータは、OLT内状態監視部137の情報を監視することで、第2の下位I/F基板140#2へのF/Wの更新が完了したことを知ることができる。
【0048】
以上のように、実施の形態1によれば、IF.PKG及びIF-B.PKGを結合し、制御装置110に登録されたIF.PKGとしてOLT120に転送することで、OLT120の制御基板130が2つのファイルに分割して、制御装置110に未登録の固有名称であるIF-B.PKGのF/Wを第2の下位I/F基板140#2にダウンロードすることが可能となる。このため、今後装置ベンダの都合で基板バージョンが増える場合においても、OLT120の内部処理だけを変更すればよく、制御装置110の開発費を抑制できるという効果が得られる。
【0049】
なお、実施の形態1では、下位I/F基板140のF/Wの更新に適用する場合について述べたが、上位インターフェース基板122、オプション機能基板123又は制御基板130等、EMSで制御されるOLT120内のF/Wを持つ部分である機能部について、実施の形態1を適用可能である。
【0050】
言い換えると、第1の下位I/F基板140#1又はその他の基板は、第1のファームウェアで更新を行う第1の機能部として機能し、第2の下位I/F基板140#2又はその他の基板は、第2のファームウェアで更新を行う第2の機能部として機能する。そして、制御基板130は、上記のように、第1のファームウェアで、第1の機能部の機能を更新することができ、第2のファームウェアで第2の機能部の機能を更新することができる。ここで、第2のファームウェアは、第1のファームウェアよりも新しいファームウェアである。このため、第1のファームウェアは、保守又は管理用の他の装置である制御装置110に登録されており、第2のファームウェアは、保守又は管理用の他の装置である制御装置110に未登録である。
【0051】
通信基板121は、第1のファームウェア及び第2のファームウェアを含む共通ファイル領域のヘッダである共通ファイルヘッダに、第1のファームウェアの固有名称を含むが、第2のファームウェアの固有名称を含まないファームウェア結合モジュールを受信するとともに、そのファームウェア結合モジュールを受信した後に、更新指示を受信する受信部として機能する。
また、メモリ132は、ファームウェア結合モジュールを記憶する記憶部として機能する。
そして、ファイル分割部133は、更新指示が受信された場合に、ファームウェア結合モジュールから、第1のファームウェア及び第2のファームウェアを分割し、ファイル転送部136は、第1のファームウェアを第1の機能部に転送し、第2のファームウェアを第2の機能部に転送して、第1の機能部及び第2の機能部に更新を行わせる。
【0052】
また、ファイル精査機能部135は、ファームウェア結合モジュールから分割されたデータファイルのヘッダを確認することで、第1のフェームウェア又は第2のファームウェアを認識する認識処理を行う。
OLT内状態監視部137は、OLT120に、第1の機能部又は第2の機能部が備えられているか否かを監視する監視処理を行う監視部として機能する。
そして、ファイル転送部136は、認識処理の結果及び監視処理の結果に従って、第1のファームウェア又は第2のファームウェアを転送する。
【0053】
実施の形態2.
実施の形態1では、制御基板130内でF/W結合モジュールを分割することで、制御装置110に影響を与えずに、未登録のバージョンの基板に対してF/Wの更新を実現した。しかしながら、第2の下位I/F基板140#2のF/Wのみが制御基板130のFTP work領域部131に格納されている場合に、全スロット一斉ダウンロードの指示が行われると、第1の下位I/F基板140#1については更新ファイルなしと応答をするため、以降、その他の下位I/F基板140でのF/W更新が停止してしまう。実施の形態2は、このような場合を想定し、受信されたデータファイルが別基板バージョンの下位I/F基板140の更新ファイルのみであっても、全スロット一斉ダウンロードを継続させることができる。
【0054】
図1に示されているように、実施の形態2に係る光通信システム200は、制御装置110と、局側装置としてのOLT220とを備える。制御装置110と、OLT220とは、ネットワークに接続されている。
実施の形態2に係る光通信システム200における制御装置110は、実施の形態1における光通信システム100の制御装置110と同様である。
【0055】
OLT220は、通信基板121と、制御部として機能する制御基板230と、複数のインターフェース部として機能する複数の下位I/F基板140とを備える。また、OLT220は、必要に応じて、上位インターフェース基板122又はオプション機能基板123を備えていてもよい。
なお、制御基板230と、下位I/F基板140とは、伝送媒体124及び図示しないバックボード基板により電気的に接続されている。
【0056】
実施の形態2におけるOLT220の通信基板121及び下位I/F基板140は、実施の形態1におけるOLT120の通信基板121及び下位I/F基板140と同様である。
【0057】
図2には、実施の形態2における制御基板230及び下位I/F基板140の構成が概略的に示されている。
制御基板230は、FTP work領域部131と、引数精査部134と、ファイル精査機能部235と、ファイル転送部136と、OLT内状態監視部137とを備える。
実施の形態2における制御基板230のFTP work領域部131、引数精査部134、ファイル転送部136及びOLT内状態監視部137は、実施の形態1における制御基板130のFTP work領域部131、引数精査部134、ファイル転送部136及びOLT内状態監視部137と同様である。
【0058】
ファイル精査機能部235は、分割されたF/W結合モジュールである個別ファイルの精査を行う。実施の形態2におけるファイル精査機能部235は、
図5に示されている判定マトリクス表に従って、OLT220に実装されている下位I/F基板140の種類と、受信したF/Wの内容とに応じて、ファイル転送部136での処理を制御する。
【0059】
なお、
図5では、第1の下位I/F基板140#1を「IF-A」と表記し、第2の下位I/F基板140#2を「IF-B」と表記し、第1の下位I/F基板140#1及び第2の下位I/F基板140#2以外の下位I/F基板140を「IF-N」と表記している。また、第1の下位I/F基板140#1及び第2の下位I/F基板140#2以外の下位I/F基板140のF/WをIF-N.PKGと表記している。
【0060】
次に動作について説明する。
図6は、実施の形態2において、全ての下位I/F基板140で一斉にF/Wのダウンロードを行う動作を示すフローチャートである。
【0061】
まず、制御装置110は、オペレータからの指示に従って、OLTベンダから提供される第2の下位I/F基板140#2用のF/WであるIF-B.PKGのみが含まれているF/W結合モジュール160を、OLT100の制御基板130のFTP work領域部131に転送する(S30)。ここで、F/W結合モジュール160の名称は、IF.PKGになっているものとする。
【0062】
次に、制御装置110は、オペレータからの指示に従って、全ての下位I/F基板140に対してF/Wの更新を指示する全スロット一斉F/W更新コマンドをOLT220に送信する(S31)。ここでのコマンドには、制御装置110に紐付け登録済のIF.PKGを更新する指示が含まれているものとする。
【0063】
次に、制御基板230の引数精査部134は、ステップS31で送信された全スロット一斉F/W更新コマンドが、IF.PKGのF/Wを更新する指示であることを確認し、制御基板230のファイル分割部133は、F/W結合モジュールのファイルヘッダを確認して、第2の下位I/F基板140#2用のF/WであるIF-B.PKGを分割する(S32)。
【0064】
制御基板230のファイル精査機能部235は、F/W結合モジュールを分割した後、個別ファイルヘッダを確認し、分割されたIF-B.PKGを認識する。また、ファイル精査機能部235は、OLT内状態監視部137に問い合わせることで、OLT220に、どの種類の下位I/F基板140が実装されているかを確認する。その後、ファイル精査機能部235は、受診されたF/W結合モジュールに含まれているF/Wの内容と、実装されている下位I/F基板140の種類とに応じて、
図5に示されているマトリクス表に従って、F/Wを転送する下位I/F基板140を決定する(S33)。ここでは、IF-B.PKGのみ保持、第1の下位I/F基板140#1及び第2の下位I/F基板140#2が実装されている状態であるため、ファイル精査機能部235は、第1の下位I/F基板140#1及び第2の下位I/F基板140#2に、IF-B.PKGを転送することを決定する。
【0065】
次に、制御基板230のファイル転送部136は、ファイル精査機能部135での判断結果に従って、全ての下位I/F基板140のそれぞれにIF-B.PKGを転送する(S34)。転送されたIF-B.PKGは、下位I/F基板140のファイル取得部141で受信される。
【0066】
次に、下位I/F基板140のファイル精査部142は、受信されたIF-B.PKGが正常であるか否かを判断する(S35)。受信されたIF-B.PKGが正常ではない場合(S35でNo)には、処理はステップS36に進み、受信されたIF-B.PKGが正常である場合(S35でYes)には、処理はステップS37に進む。ここでは、第1の下位I/F基板140#1のファイル精査部142は、受信されたIF-B.PKGが正常ではないと判断し、第2の下位I/F基板140#2のファイル精査部142は、受信されたIF-B.PKGが正常であると判断する。
【0067】
ステップS36では、下位I/F基板140のファイル精査部142は、F/Wの更新を実行せず、送られてきたF/Wを破棄して、F/W更新未完了を基板状態通知部144に通知する。この場合、下位I/F基板140の基板状態通知部144は、制御基板230のOLT内状態監視部137にF/W更新未完了を応答する。このような応答を受けたOLT内状態監視部137は、F/W更新未完了を示す情報を保持する。制御装置110のオペレータは、OLT内状態監視部137の情報を監視することで、下位I/F基板140へのF/Wの更新が未完了であることを知ることができる。
【0068】
一方、ステップS37では、ファイル精査部142は、受信されたIF-B.PKGを不揮発性記憶領域部143に記憶させることで、下位I/F基板140のF/Wの更新を実行する。そして、処理はステップS38に進む。
【0069】
ステップS38では、下位I/F基板140の基板状態通知部144は、F/W更新が完了したことを制御基板230のOLT内状態監視部137に応答する。このような応答を受けたOLT内状態監視部137は、F/W更新完了を示す情報を保持する。制御装置110のオペレータは、OLT内状態監視部137の情報を監視することで、下位I/F基板140へのF/Wの更新が完了したことを知ることができる。
【0070】
次に、制御基板230のOLT内状態監視部137は、下位I/F基板140のF/W更新状況を定期的に取得しており、更新対象の下位I/F基板140について、F/Wの更新が完了したことを確認すると、更新が完了した下位I/F基板140に対してのみ、基板リセットを指示する(S39)。このような指示を受けた下位I/F基板140のファイル精査部142は、下位I/F基板140をリセットする。このとき、ステップS36にて、更新未完了を通知してきた下位I/F基板140については、更新未完了のため、リセット対象外となる。
【0071】
以上のように、実施の形態2によれば、F/W結合モジュールに、例えば、第2の下位I/F基板140#2のF/Wしか格納されていないような場合でも、第2の下位I/F基板140#2において、更新を行うことができる。
【0072】
以上説明したように、OLTの全SLOT一斉ダウンロード実施時に更新対象のファイルがない下位I/F基板140についてもファイル転送が行われるため、更新対象のファイルがないと判定された下位I/F基板140があった場合でも、一斉ダウンロードが停止せずに、更新を行うことができるようになる。このため、制御装置110のオペレータは、効率よくF/W更新作業を実施することができる。
【0073】
以上のように、実施の形態1では、第1の下位I/F基板140#1又はその他の基板が第1のファームウェアで更新を行う第1の機能部として機能し、第2の下位I/F基板140#2又はその他の基板が第1のファームウェアとは異なる第2のファームウェアで更新を行う第2の機能部として機能する。
そして、通信基板121は、第2のファームウェアを含むが、第1のファームウェアを含まない共通ファイル領域のヘッダである共通ファイルヘッダに、第1のファームウェアの固有名称を含むが、第2のファームウェアの固有名称を含まないファームウェア結合モジュールを受信するとともに、そのファームウェア結合モジュールを受信した後に、更新指示を受信する受信部として機能する。
【0074】
メモリ132は、ファームウェア結合モジュールを記憶する記憶部として機能し、ファイル分割部133は、更新指示が受信された場合に、ファームウェア結合モジュールから、第2のファームウェアを分割する。ファイル転送部136は、分割された第2のファームウェアを第1の機能部及び第2の機能部に送る。
【0075】
そして、第1の機能部は、第2のファームウェアを用いた更新を行わず、第2の機能部は、第2のファームウェアを用いた更新を行う。
また、OLT内状態監視部137は、第2のファームウェアを用いた更新を行った第2の機能部にリセットを行わせ、第2のファームウェアを用いた更新を行わなかった第1の機能部にはリセットを行わせない監視部として機能する。
【符号の説明】
【0076】
100,200 光通信システム、 110制御装置、 120 OLT、 121 通信基板、 122 上位インターフェース基板、 123 オプション機能基板、 140#1 第1の下位I/F基板、 140#2 第2の下位I/F基板、 130,230 制御基板、 131 FTP work領域部、 132 メモリ、 133 ファイル分割部、 134 引数精査部、 135,235 ファイル精査機能部、 136 ファイル転送部、 137 OLT内状態監視部、 140 下位I/F基板、 141 ファイル取得部、 142 ファイル精査部、 143 不揮発性記憶領域部、 144 基板状態通知部。