IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニ・チャーム株式会社の特許一覧

特開2023-170272情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
<>
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図1
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図2
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図3
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図4
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図5
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図6
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図7
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170272
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231124BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081890
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小澤 美絵子
(72)【発明者】
【氏名】今川 高博
(72)【発明者】
【氏名】水島 藍
(72)【発明者】
【氏名】長井 千香子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】利用者がディスペンサーを継続して利用することを促すこと。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、吸収性物品を提供する所定のディスペンサーが設置された施設に入居する組織に属する利用者が当該所定のディスペンサーを利用することで、当該利用者によって使用された当該吸収性物品の使用に関する使用情報を取得する取得部と、前記使用情報に基づいて、前記吸収性物品の量を前記所定のディスペンサーが設置された施設に入居する組織毎に特定する特定部と、前記吸収性物品の量に基づいて、前記吸収性物品を提供するための提供情報を提供する提供部とを備えることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品を提供する所定のディスペンサーが設置された施設に入居する組織に属する利用者が当該所定のディスペンサーを利用することで、当該利用者によって使用された当該吸収性物品の使用に関する使用情報を取得する取得部と、
前記使用情報に基づいて、前記吸収性物品の量を前記所定のディスペンサーが設置された施設に入居する組織毎に特定する特定部と、
前記吸収性物品の量に基づいて、前記吸収性物品を提供するための提供情報を提供する提供部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記提供部は、
前記特定部によって前記組織毎に特定された吸収性物品の量に基づいて、前記施設毎の前記提供情報を提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提供部は、
前記施設毎の前記提供情報として、前記所定のディスペンサーに補充する吸収性物品の量を示す補充に関する情報を、当該吸収性物品を補充する補充業者に対して提供する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、
前記所定のディスペンサーを利用する利用者の数である利用者数に関する情報をさらに取得し、
前記提供部は、
前記使用情報が示す吸収性物品の量と、前記利用者数とに基づいて、前記提供情報として、前記吸収性物品を提供するサービスに関する情報を前記組織に対して提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記提供部は、
前記使用情報が示す吸収性物品の量と、前記利用者数に基づいて推定された吸収性物品の量であって、前記利用者によって使用される吸収性物品の量とに基づいて、前記吸収性物品を提供するサービスに関する情報を前記組織に対して提供する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記使用情報と、前記吸収性物品の量とに基づいて、前記吸収性物品が不正に使用されたか否かを判定する判定部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定部は、
前記使用情報が示す吸収性物品の量と、前記吸収性物品の量との差が所定の閾値以上である場合に、前記吸収性物品が不正に使用されたと判定する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記組織に対して、前記所定のディスペンサーの利用に関する費用として、前記所定のディスペンサーを利用した費用と、前記吸収性物品の量に基づく費用との合計金額を設定する設定部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記設定部は、
前記吸収性物品の量に基づく費用として、提供情報が示す吸収性物品の量に基づいて算出された費用を設定する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記設定部は、
前記吸収性物品の量に基づく費用として、所定の金額を設定する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記設定部は、
前記吸収性物品の量に基づく費用として、前記組織に属する利用者のうち、所定のディスペンサーを利用する利用者の数に基づいて算出された費用を設定する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
吸収性物品を提供する所定のディスペンサーが設置された施設に入居する組織に属する利用者が当該所定のディスペンサーを利用することで、当該利用者によって使用された当該吸収性物品の使用に関する使用情報を取得する取得工程と、
前記使用情報に基づいて、前記吸収性物品の量を前記所定のディスペンサーが設置された施設に入居する組織毎に特定する特定工程と、
前記吸収性物品の量に基づいて、前記吸収性物品を提供するための提供情報を提供する提供工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
吸収性物品を提供する所定のディスペンサーが設置された施設に入居する組織に属する利用者が当該所定のディスペンサーを利用することで、当該利用者によって使用された当該吸収性物品の使用に関する使用情報を取得する取得手順と、
前記使用情報に基づいて、前記吸収性物品の量を前記所定のディスペンサーが設置された施設に入居する組織毎に特定する特定手順と、
前記吸収性物品の量に基づいて、前記吸収性物品を提供するための提供情報を提供する提供手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生理用品等の吸収性物品を利用者に対して提供するディスペンサーの運用方法であって、公共施設のトイレに設置されたディスペンサーに対する吸収性物品の補充や、ディスペンサー内の吸収性物品の在庫管理等の運用方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-099636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術は、公共施設に訪れた利用者に対して吸収性物品を提供するに過ぎないため、継続的なディスペンサーの利用が想定されているとは限らない。そのため、利用者がディスペンサーを継続的に利用する点において改善の余地がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者がディスペンサーを継続して利用することを促すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、吸収性物品を提供する所定のディスペンサーが設置された施設に入居する組織に属する利用者が当該所定のディスペンサーを利用することで、当該利用者によって使用された当該吸収性物品の使用に関する使用情報を取得する取得部と、前記使用情報に基づいて、前記吸収性物品の量を前記所定のディスペンサーが設置された施設に入居する組織毎に特定する特定部と、前記吸収性物品の量に基づいて、前記吸収性物品を提供するための提供情報を提供する提供部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、利用者がディスペンサーを継続して利用することを促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る契約情報記憶部の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る施設情報記憶部の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る使用情報記憶部の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る提供情報記憶部の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理装置が実行する提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0010】
態様1は、吸収性物品を提供する所定のディスペンサーが設置された施設に入居する組織に属する利用者が当該所定のディスペンサーを利用することで、当該利用者によって使用された当該吸収性物品の使用に関する使用情報を取得する取得部と、前記使用情報に基づいて、前記吸収性物品の量を前記所定のディスペンサーが設置された施設に入居する組織毎に特定する特定部と、前記吸収性物品の量に基づいて、前記吸収性物品を提供するための提供情報を提供する提供部とを備えることを特徴とする。
【0011】
このような態様1によれば、例えば、吸収性物品を提供するディスペンサーが設置されたトイレを有するビル等の施設に入居する企業(組織の一例)に属する利用者が、ディスペンサーを利用することで、利用者によって使用された吸収性物品の使用に関する使用情報を取得する。ここで、吸収性物品とは、例えば、ナプキンや、タンポンや、ショーツ型ナプキンや、月経用ショーツ等といった生理用品や、軽度失禁用パッド等である。以下では、吸収性物品の一例として、生理用品を例に挙げて説明する。
【0012】
続いて、態様1は、取得した使用情報に基づいて、生理用品の量を企業毎に特定する。そして、態様1は、生理用品の量に基づいて、生理用品を提供するための提供情報を提供する。
【0013】
従来、生理用品を利用者に対して提供するディスペンサーの運用方法であって、公共施設のトイレに設置されたディスペンサーに対する生理用品の補充や、ディスペンサー内の生理用品の在庫管理等の運用方法が知られていた。しかしながら、従来、公共施設に訪れた利用者に対して生理用品を提供するに過ぎないため、継続的なディスペンサーの利用が想定されているとは限らなかった。そのため、利用者がディスペンサーを継続的に利用する点において改善の余地があった。そこで、態様1は、利用者が所属する企業において利用可能にディスペンサーを設置することで、利用者に対してディスペンサーの利便性を向上させる。これにより、態様1は、利用者がディスペンサーを継続して利用することを促すことができる。
【0014】
態様2は、態様1において、前記特定部によって前記組織毎に特定された吸収性物品の量に基づいて、前記施設毎の前記提供情報を提供することを特徴とする。
【0015】
態様2によれば、例えば、企業毎に特定された生理用品の量に基づいて、各企業が入居する施設毎の提供情報を、生理用品を補充する補充業者に対して提供する。これにより、態様2は、適切なタイミングで生理用品を補充することができる。
【0016】
態様3は、態様2において、前記施設毎の前記提供情報として、前記所定のディスペンサーに補充する吸収性物品の量を示す補充に関する情報を、当該吸収性物品を補充する補充業者に対して提供することを特徴とする。
【0017】
態様3によれば、例えば、施設毎の提供情報として、ディスペンサーに補充する生理用品の量を示す補充に関する情報を、補充業者に対して提供する。これにより、態様3は、適切なタイミングで生理用品を補充することができる。
【0018】
態様4は、態様1~3のいずれかにおいて、前記所定のディスペンサーを利用する利用者の数である利用者数に関する情報をさらに取得し、前記使用情報が示す吸収性物品の量と、前記利用者数とに基づいて、前記提供情報として、前記吸収性物品を提供するサービスに関する情報を前記組織に対して提供することを特徴とする。
【0019】
態様4によれば、例えば、契約プランがディスペンサーから提供される生理用品の量の上限が異なる契約プランAと、契約プランBとがあるものとする。また、企業が契約している契約プランが契約プランAであるものとする。この場合、態様4は、ディスペンサーを利用する利用者の数である利用者数に関する情報を企業から取得する。
【0020】
続いて、態様4は、使用情報が示す生理用品の量と、取得した利用者数に基づいて推定された生理用品の量とに基づいて、提供情報として、異なる契約プランBに関する情報を企業に対して提供してもよい。ここで、契約プランBは、契約プランAよりも、ディスペンサー20によって提供される生理用品の量が多いプランである。
【0021】
このように、態様4は、企業にとって適切な契約プランに関する情報を提供するため、利用者がディスペンサーを継続して利用することを促すことができる。
【0022】
態様5は、態様4において、前記使用情報が示す吸収性物品の量と、前記利用者数に基づいて推定された吸収性物品の量であって、前記利用者によって使用される吸収性物品の量とに基づいて、前記吸収性物品を提供するサービスに関する情報を前記組織に対して提供することを特徴とする。
【0023】
態様5によれば、例えば、契約プランがディスペンサーから提供される生理用品の量の上限が異なる契約プランAと、契約プランBとがあるものとする。また、企業が契約している契約プランが契約プランAであるものとする。この場合、態様5は、ディスペンサーを利用する利用者の数である利用者数に関する情報を企業から取得する。
【0024】
続いて、態様5は、使用情報が示す生理用品の量と、取得した利用者数に基づいて推定された生理用品の量とに基づいて、提供情報として、異なる契約プランBに関する情報を企業に対して提供してもよい。ここで、契約プランBは、契約プランAよりも、ディスペンサー20によって提供される生理用品の量が多いプランである。
【0025】
このように、態様5は、企業にとって適切な契約プランに関する情報を提供するため、利用者がディスペンサーを継続して利用することを促すことができる。
【0026】
態様6は、態様1~5のいずれかにおいて、前記使用情報と、前記吸収性物品の量とに基づいて、前記吸収性物品が不正に使用されたか否かを判定することを特徴とする。
【0027】
態様6によれば、例えば、企業が管理するサーバである企業サーバから使用情報を取得する。また、態様6は、ディスペンサーから使用情報を取得する。続いて、態様6は、企業サーバから取得された使用情報が示す生理用品の量と、ディスペンサーから取得された使用情報が示す生理用品の量とに基づいて、生理用品が不正に使用されたと判定する。これにより、態様6は、生理用品が不正に使用されたか否かを適切に判定することができる。
【0028】
態様7は、態様6において、前記使用情報が示す吸収性物品の量と、前記吸収性物品の量との差が所定の閾値以上である場合に、前記吸収性物品が不正に使用されたと判定することを特徴とする。
【0029】
態様7によれば、例えば、企業サーバから使用情報を取得する。また、態様7は、ディスペンサーから使用情報を取得する。続いて、態様7は、企業サーバから取得された使用情報が示す生理用品の量と、ディスペンサーから取得された使用情報が示す生理用品の量との差が所定の閾値以上である場合に、生理用品が不正に使用されたと判定する。これにより、態様7は、生理用品が不正に使用されたか否かを適切に判定することができる。
【0030】
態様8は、態様1~7のいずれかにおいて、前記組織に対して、前記所定のディスペンサーの利用に関する費用として、前記所定のディスペンサーを利用した費用と、前記吸収性物品の量に基づく費用との合計金額を設定することを特徴とする。
【0031】
態様8によれば、例えば、企業に対して、ディスペンサーの利用に関する費用として、ディスペンサーを利用した費用と、使用された生理用品の量に基づく費用との合計金額を設定する。これにより、態様8は、ディスペンサーの利用に関する費用を適切に設定することができる。
【0032】
態様9は、態様8において、前記吸収性物品の量に基づく費用として、提供情報が示す吸収性物品の量に基づいて算出された費用を設定することを特徴とする。
【0033】
態様9によれば、例えば、使用された生理用品の量に基づく費用として、従量制に従って使用された生理用品の量に基づいて算出された費用を設定する。このように、態様9は、ディスペンサーの利用態様に応じて費用を設定することができる。
【0034】
態様10は、態様8において、前記吸収性物品の量に基づく費用として、所定の金額を設定することを特徴とする。
【0035】
態様10によれば、例えば、使用された生理用品の量に基づく費用として、定額制に従って所定の金額を設定する。これにより、態様10は、ディスペンサーを利用するサービスを契約した企業に対して、使用された生理用品の量に依存しない費用を設定することができる。これにより、態様10は、企業に対して、お得感を感じさせることができ、ディスペンサーを利用するサービスを継続して利用する動機付けを与えることができる。
【0036】
態様11は、態様8において、前記吸収性物品の量に基づく費用として、前記組織に属する利用者のうち、所定のディスペンサーを利用する利用者の数に基づいて算出された費用を設定することを特徴とする。
【0037】
態様11によれば、例えば、企業に属する利用者のうち、ディスペンサーを利用すると推定される利用者の数に基づいて算出された費用を、使用された生理用品の量に基づく費用として、設定する。このように、態様11は、ディスペンサーの利用態様に応じて費用を設定することができる。
【0038】
以下に、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0039】
[実施形態]
〔1.情報処理装置が示す情報処理の一例〕
図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理の一例を示す図である。
【0040】
まず、前提について説明する。ビルBU1が、利用者U1に対して生理用品(吸収性物品の一例)を提供するディスペンサー20(所定のディスペンサーの一例)を利用するサービスに契約しているものとする。ここで、ディスペンサー20の利用に関するサービスは、情報処理装置100を管理する事業者によって提供される。
【0041】
例えば、情報処理装置100は、ディスペンサー20の利用に関するサービスの契約に関する契約情報として、ディスペンサー20の利用に関するサービスを契約している組織を識別する識別情報や、契約しているディスペンサー20の数や、各ディスペンサー20の設置場所等に関する情報を予め記憶している。また、情報処理装置100は、契約情報として、ディスペンサー20に収容される生理用品の種別や、収容枚数や、契約プラン等に関する情報を予め記憶している。
【0042】
また、ディスペンサー20は、ビルBU1の各階に位置するトイレの個室毎に設置される。
【0043】
また、利用者U1は、組織の一例である企業Aに所属しているものとする。図1の例では、企業Aは、複数の企業が入居するビルBU1の9階及び10階を有する。また、ビルBU1には、他の企業として、企業B等が入居している。
【0044】
このような場合において、利用者U1がディスペンサー20を利用して、生理用品を使用する例について説明する。なお、以下で説明する情報処理のステップは、自然人や、法人の行動も便宜上含み得る。
【0045】
図1の例では、利用者U1は、自身で利用する端末装置10を用いて、認証処理を実行する(ステップS1)。この場合、利用者U1は、所定のアプリケーションAPを利用しているものとする。例えば、利用者U1は、端末装置10に予め所定のアプリケーションAPをインストールしているものとする。
【0046】
ここで、所定のアプリケーションAPについて説明する。所定の事業者が、所定のアプリケーションAPを提供する。具体的には、所定のアプリケーション制御サーバは、所定のアプリケーションAPを制御する。例えば、所定のアプリケーションAPは、利用者U1の生理に関する情報を管理する。また、所定のアプリケーションAPは、利用者U1の生理周期に関する情報を管理する。また、所定のアプリケーションAPは、利用者U1の体調に関する情報を管理する。また、所定のアプリケーションAPは、利用者の性別や、年齢等の属性に関する属性情報を管理する。また、所定のアプリケーションAPは、利用者U1がディスペンサー20から提供される生理用品を利用可能とする。
【0047】
例えば、端末装置10は、所定のアプリケーションAP上における利用者の操作に応じて、ディスペンサー20を利用するための認証処理をディスペンサー20に対して実行する。なお、ディスペンサー20は、通信機能を有するものとする。
【0048】
この場合、ディスペンサー20は、端末装置10から利用者U1の認証要求を受付ける。例えば、ディスペンサー20は、利用者U1の操作に応じて、所定のアプリケーションAP上で、利用者U1を識別する識別情報及び利用者U1が予め設定しているパスワードとともに、利用者U1の認証要求を端末装置10から受付ける。
【0049】
続いて、ディスペンサー20は、利用者U1を認証する。例えば、ディスペンサー20は、利用者U1の認証を行う。より具体的な例を挙げると、ディスペンサー20が有する所定の記憶部には、利用者U1の利用者情報が記憶されているものとする。この場合、ディスペンサー20は、端末装置10から送信された利用者U1を識別する識別情報と、利用者U1が予め設定しているパスワードとの組合せと、ディスペンサー20が有する所定の記憶部に記憶された利用者情報とを照合する。続いて、ディスペンサー20は、照合に成功した場合に、利用者U1を認証する。ここでは、利用者U1の認証が成功したものとする。
【0050】
そして、ディスペンサー20は、認証結果を端末装置10に送信する(ステップS2)。例えば、ディスペンサー20は、利用者U1の認証が成功したといった認証結果を端末装置10に送信する。続いて、利用者U1は、ディスペンサー20から提供された生理用品を使用する(ステップS3)。
【0051】
次に、情報処理装置100が使用された生理用品の量に基づいて、生理用品を補充する補充業者DE1に対して提供情報を提供する例について説明する。
【0052】
図1の例では、情報処理装置100は、各種情報を取得する(ステップS4)。図1の例では、情報処理装置100は、ビルBU1の事業者によって管理される企業サーバ30から、各種情報を取得する。例えば、情報処理装置100は、各種情報として、ディスペンサー20によって提供された生理用品の使用に関する使用情報を取得する。より具体的な例を挙げると、情報処理装置100は、使用情報として、使用数等に関する情報をディスペンサー20毎に取得する。
【0053】
ここで、企業サーバ30は、トイレを清掃する従業員等からの入力を受付けて、ディスペンサー20毎の使用数等を所定の記憶部に記憶する。なお、情報処理装置100は、従業員が予め有している端末装置10等から、使用情報を取得してもよい。
【0054】
続いて、情報処理装置100は、企業毎に生理用品の量を特定する(ステップS5)。例えば、情報処理装置100は、使用情報に基づいて、企業毎に使用された生理用品の量を特定する。図1の例では、情報処理装置100は、使用情報に基づいて、企業Aの使用された生理用品の量を特定する。また、情報処理装置100は、使用情報に基づいて、企業Bの使用された生理用品の量を特定する。
【0055】
そして、情報処理装置100は、生理用品を補充する補充業者DE1に対して提供情報を提供する(ステップS6)。例えば、情報処理装置100は、企業毎に使用された生理用品の量に基づいて、ディスペンサー20に補充する生理用品の量を推定する。
【0056】
ここで、情報処理装置100が推定する生理用品の量は、企業Aと、企業Bとに補充される生理用品の量の総量である。すなわち、情報処理装置100が推定する生理用品の量は、ビルBU1に配送される生理用品の量である。
【0057】
続いて、情報処理装置100は、提供情報として、推定された生理用品の量を補充するための補充に関する情報を、補充業者DE1によって管理される補充業者サーバ40に提供する。
【0058】
続いて、補充業者DE1は、生理用品をビルBU1に配送する(ステップS7)。例えば、補充業者DE1は、補充業者サーバ40によって受付けられた補充に関する情報に基づいて、ビルBU1に生理用品を配送する。
【0059】
次に、情報処理装置100がディスペンサー20の利用に関する費用について企業Aに対して請求する例について説明する。
【0060】
図1の例では、情報処理装置100は、ディスペンサー20の利用に関する費用を企業Aに対して設定する(ステップS8)。例えば、情報処理装置100は、ディスペンサー20の利用に関する費用として、ディスペンサー20を利用した費用と、使用された生理用品の量に基づく費用との合計金額を企業Aに対して決済処理を実行する。この場合、情報処理装置100は、所定の決済サーバと連携することで、企業Aに対して決済処理を実行する。
【0061】
より具体的な例を挙げると、情報処理装置100は、ディスペンサー20の利用に関する費用について、企業Aが管理する所定のサーバに対して決済処理を実行する。例えば、情報処理装置100は、使用された生理用品の量に基づく費用が生理用品を使用した分だけ費用がかかる従量制に従う場合、都度、又は、所定の期間(例えば、1月や、1年等)毎に、所定のサーバに対して、使用された生理用品の量に基づいて算出された金額で決済処理を実行する。これにより、情報処理装置100は、ディスペンサー20を利用した費用と、使用された生理用品の量に基づいて算出された金額との合計金額を企業Aに対して決済処理を実行する。
【0062】
従来、生理用品を利用者に対して提供するディスペンサーの運用方法であって、公共施設のトイレに設置されたディスペンサーに対する生理用品の補充や、ディスペンサー内の生理用品の在庫管理等の運用方法が知られていた。しかしながら、従来、公共施設に訪れた利用者に対して生理用品を提供するに過ぎないため、継続的なディスペンサーの利用が想定されているとは限らなかった。そのため、利用者がディスペンサーを継続的に利用する点において改善の余地があった。そこで、情報処理装置100は、利用者が所属する企業において利用可能にディスペンサー20を設置することで、利用者に対してディスペンサー20の利便性を向上させる。これにより、情報処理装置100は、利用者がディスペンサー20を継続して利用することができるように促すことができる。
【0063】
また、生理用品を使用する利用者は、従来、利用者の自宅から職場のトイレへ移動する場合よりも、職場の自席から職場のトイレに移動する場合の方が、生理用品を持ち歩くことが目立つ場合が多く、精神的な負荷が生じる場合があった。例えば、利用者が、看護師や、介護士等の医療従事者である場合、利用者は、生理用品をロッカー等にしまっておくときが多く、常に生理用品等を持ち歩くときが少ない。このような場合、利用者は、生理用品を使用したいときにロッカーに生理用品を取りに行かなくてはならず、手間であった。また、利用者は、ロッカーに生理用品を取りに行かないように常に生理用品を持ち歩くことに対して精神的な抵抗がある場合もあった。これに対し、ディスペンサー20はトイレの個室に設置されているため、利用者は、生理用品を使用したい場合、生理用品を持って移動する行動が他者の目にさらされることなく、生理用品を使用することができる。これにより、利用者は、安心して生理用品を使用することができる。また、利用者は、生理用品を持ち運ぶ手間が削減できる。このように、利用者は、自身の生活の質を向上させることができる。
【0064】
〔2.情報処理システムの構成〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図2に示すように、情報処理システム1は、端末装置10と、ディスペンサー20と、企業サーバ30と、補充業者サーバ40と、アプリケーション制御サーバ50と、決済サーバ60と、情報処理装置100とを含む。端末装置10、ディスペンサー20、企業サーバ30、補充業者サーバ40、アプリケーション制御サーバ50、決済サーバ60及び情報処理装置100は、ネットワークNを介して有線又は無線により通信可能に接続される。
【0065】
なお、図2に示す情報処理システム1には、複数台の端末装置10や、複数台のディスペンサー20や、複数台の企業サーバ30や、複数台の補充業者サーバ40や、複数台のアプリケーション制御サーバ50や、複数台の決済サーバ60や、複数台の情報処理装置100が含まれてもよい。
【0066】
端末装置10は、ブラウザに表示されるウェブコンテンツやアプリケーション用のコンテンツ等のコンテンツにアクセスする利用者によって利用される情報処理装置である。例えば、端末装置10は、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。
【0067】
ディスペンサー20は、各種の装置と通信可能な情報処理装置であり、ディスペンサー20内部に吸収性物品を収容する機能を有する情報処理装置である。例えば、ディスペンサー20は、バーコード等の1次元のコードや、QR(Quick Response)コード(登録商標)等の2次元コードといった所定のコードを読取るためのコードリーダを有する。また、ディスペンサー20は、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサと、光学系とによって構成されたカメラを有する。
【0068】
また、ディスペンサー20は、ディスペンサー20内部に吸収性物品を収容する収容部や、吸収物品を排出する排出部や、内部に収容する複数の吸収性物品の重量又は在庫数を検出するための検出センサや、窃盗等を防止するための防犯センサ等を有する。
【0069】
例えば、収容部は、1つ以上の吸収性物品を収容する。収容部は、吸収性物品を収容する筒部を有する。なお、収容部は、ディスペンサー20と別体であってもよく、例えばカートリッジのようにディスペンサー20と分離可能なものであって、ディスペンサー20の所定箇所に対して挿脱自在なものであってもよい。
【0070】
例えば、排出部は、収容部に収容された吸収性物品を外部へ排出する。この場合、排出部は、収容部における筒部の底部を開閉可能な扉と、かかる扉の開閉動作や、かかる扉が開放されたとき、収容部の筒部に収容された吸収性物品を所定数取出し可能とするための機構(例えば、吸収性物品を排出する排出口へ吸収性物品をガイドするガイド機構)の動作のためのモータ等の駆動部とを用いて実現される。
【0071】
例えば、検出センサは、加重センサや、圧力センサ等を用いて、収容部が収容する吸収性物品の数を検出し、検出した検出結果を出力する。
【0072】
例えば、検出センサは、ディスペンサー20に加わる外力を検出し、検出した検出結果を出力する。より具体的な例を挙げると、検出センサは、加速度センサ等を用いて、ディスペンサー20に生じる加速度を検出し、検出した検出結果を出力する。なお、検出センサは、GPS(Global Positioning System)センサや、振動センサや、荷重センサ等の各種センサを用いて実現されてもよい。
【0073】
例えば、防犯センサは、アラームや、スピーカ等を用いて、外部へ警報を出力してもよい。
【0074】
また、ディスペンサー20は、画像や動画を表示する表示部等を有し、各種情報を出力する。例えば、ディスペンサー20の表示部は、各種情報を表示出力するものであって、スピーカ、液晶または有機EL(Electro Luminescence)の表示パネルを用いて実現される。なお、表示部は、ディスペンサー20がトイレ等のプライベートな空間に配置される場合、音声等による情報の出力よりも表示等による出力の方が好適である。このため、表示部の形態は、これに限らず、例えば、LED(Light Emitting Diode)ランプを用いて実現する場合、光(LED等の点滅を用いて、LEDランプが光る場所や色、点滅のパターンなどによる情報の提示)によって出力してもよい。もちろん、表示部をスピーカ等によって実現する場合、音声(音量、音のパターン等の組合せによる通知も含む)によって出力してもよい。さらに、表示部を振動センサや小型モータ等によって実現する場合、振動や振動のパターン等によって出力してもよい。
【0075】
また、ディスペンサー20は、各装置と双方向に通信を行うための通信部等を有する。例えば、通信部は、LTE(Long Term Evolution)や、LTE-Advanced等の4G(Generation)や、5Gや、Bluetooth(登録商標)や、WiFi(登録商標)(Wireless Fidelity)等の無線LAN(Local Area Network)等といった各種の無線通信又は各種の有線通信でネットワークNと接続され、ネットワークNを介して各種の装置と通信を行う。
【0076】
企業サーバ30は、利用者が所属する企業の事業者、又は、かかる企業が入居する施設の事業者によって管理される情報処理装置であり、例えば、サーバ装置又はクラウドシステム等により実現される。例えば、企業サーバ30は、利用者に関する利用者情報等を記憶する。また、企業サーバ30は、事業者によって所定の入力装置に入力された在庫情報であって、企業又は施設で使用する吸収性物品に関する在庫情報等を記憶する。
【0077】
また、企業サーバ30は、各種情報を管理することが可能な機能を有する装置であれば、端末装置等であってもよい。例えば、端末装置は、ブラウザに表示されるウェブコンテンツやアプリケーション用のコンテンツ等のコンテンツにアクセスする施設業者によって利用される情報処理装置である。例えば、端末装置は、デスクトップ型PCや、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA等である。
【0078】
補充業者サーバ40は、施設に対して、吸収性物品の補充を行う補充業者によって管理される情報処理装置であり、例えば、サーバ装置又はクラウドシステム等により実現される。例えば、補充業者サーバ40は、情報処理装置100によって提供された提供情報を受付ける。そして、補充業者は、提供情報に従って、吸収性物品を施設に対して補充する。
【0079】
アプリケーション制御サーバ50は、所定のアプリケーションAPを制御する機能を提供する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置又はクラウドシステム等により実現される。例えば、アプリケーション制御サーバ50は、所定のアプリケーションAP上で入力された利用者の生理に関する情報を管理する。
【0080】
決済サーバ60は、決済処理を行う情報処理装置であり、例えば、サーバ装置又はクラウドシステム等により実現される。例えば、決済サーバ60は、ディスペンサー20の利用に関する費用に対して各種決済処理が実行された場合、情報処理装置100と連携して決済処理を、ディスペンサー20を利用するサービスを契約している企業に対して実行する。
【0081】
情報処理装置100は、インターネット等のネットワークNを介して、各種の装置と通信可能な情報処理装置であり、例えば、サーバ装置又はクラウドシステム等により実現される。例えば、情報処理装置100は、ネットワークNを介して、他の各種装置と通信可能に接続される。
【0082】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図2に、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す。図2に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0083】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、他の各種装置との間で情報の送受信を行う。
【0084】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、契約情報記憶部121と、組織情報記憶部122と、使用情報記憶部123と、提供情報記憶部124とを有する。
【0085】
(契約情報記憶部121について)
契約情報記憶部121は、組織によって契約されたディスペンサー20の利用に関する契約情報を記憶する。ここで、図3に、実施形態に係る契約情報記憶部121の一例を示す。図3に示した例では、契約情報記憶部121は、「契約ID(Identifier)」、「契約情報」といった項目を有する。例えば、「契約情報」は、「組織ID」、「ディスペンサーID」、「設置場所」、「吸収性物品の種別」、「収容枚数」といった項目を有する。
【0086】
「契約ID」は、契約情報を識別する識別子である。「組織ID」は、「契約ID」に対応付けられた組織を識別する識別子である。ここでいう組織とは、利用者が所属する組織である。例えば、組織IDは、企業毎に割り振られた識別子等である。
【0087】
「ディスペンサーID」は、「契約ID」に対応付けられたディスペンサーを識別する識別子である。ここで、ディスペンサーIDによって識別されるディスペンサー20は、組織に提供されたディスペンサー20である。
【0088】
「設置場所」は、「契約ID」に対応付けられたディスペンサー20が設置された設置場所に関する情報である。例えば、設置場所は、「組織ID」に対応付けられた企業が有するトイレの場所に関する情報等である。より具体的な例を挙げると、設置場所は、企業の2階のトイレであり、かかるトイレの入り口から数えて4番目の個室等である。
【0089】
「吸収性物品の種別」は、「契約ID」に対応付けられたディスペンサー20に収容される吸収性物品の種別に関する情報である。例えば、吸収性物品の種別に関する情報は、吸収性物品のグレートによって分類された種別に関する情報等である。より具体的な例を挙げると、吸収性物品の種別に関する情報は、スタンダートや、プレミアム等である。「収容枚数」は、「契約ID」に対応付けられたディスペンサー20が収容可能な吸収性物品の最大枚数に関する情報である。
【0090】
例えば、図3では、契約IDによって識別された「C1」は、組織IDが「H1」であり、ディスペンサーIDが「D1」であり、設定場所が「DP1」であり、吸収性物品の種別が「DT1」であり、収容枚数が「DE1」である。
【0091】
なお、図3に示した例では、設置場所等を、「DP1」等の抽象的な符号で表現したが、設置場所等は、数値や、文字列に関する情報や、設置場所等を含むファイルのファイル形式等であってもよい。
【0092】
(組織情報記憶部122について)
組織情報記憶部122は、契約した組織に関する各種情報を記憶する。ここで、図4に、実施形態に係る組織情報記憶部122の一例を示す。図4に示した例では、組織情報記憶部122は、「組織ID」、「組織情報」といった項目を有する。例えば、「組織情報」は、「契約ID」、「契約ディスペンサー数」、「推定利用者数」、「契約プラン」といった項目を有する。
【0093】
「組織ID」は、組織を識別する識別子である。「契約ID」は、「組織ID」に対応付けられた契約情報を識別する識別子である。「契約ディスペンサー数」は、「組織ID」に対応付けられた契約情報に基づいて提供されたディスペンサー20の数に関する情報である。「推定利用者数」は、「組織ID」に対応付けられたディスペンサー20を利用すると推定される利用者の数に関する情報である。例えば、推定利用者数は、企業に所属する女性のうち、閉経前の年齢を有する女性の数等である。
【0094】
「契約プラン」は、「組織ID」に対応付けられた契約プランに関する情報である。ここで、契約プランは、ディスペンサー20によって提供される吸収性物品が、グレードが異なる吸収性物品であるプラン等である。例えば、契約プランSと、契約プランPとがあるものとする。この場合、契約プランSを契約した組織にて利用されるディスペンサー20は、スタンダードグレードの吸収性物品を提供する。一方、契約プランPを契約した組織にて利用されるディスペンサー20は、プレミアムグレードの吸収性物品を提供する。ここで、プレミアムグレードは、スタンダードグレードよりもグレードが高い。
【0095】
また、契約プランは、ディスペンサー20から提供される吸収性物品の量の上限が異なるプラン等である。例えば、契約プランAと、契約プランBとがあるものとする。この場合、契約プランAを契約した組織にて利用されるディスペンサー20は、推定利用者数に基づいて算出された吸収性物品の量のみを提供する。一方、契約プランBを契約した組織にて利用されるディスペンサー20は、推定利用者数に基づいて算出された吸収性物品の量に対して所定の量を加算した量を提供する。
【0096】
例えば、図4では、組織IDによって識別された「H1」は、契約IDが「C1」であり、契約ディスペンサー数が「NC1」であり、推定利用者数が「NU1」であり、契約プランが「CP1」である。
【0097】
なお、図4に示した例では、契約ディスペンサー数等を、「NC1」等の抽象的な符号で表現したが、契約ディスペンサー数等は、数値や、文字列に関する情報や、契約ディスペンサー数等を含むファイルのファイル形式等であってもよい。
【0098】
(使用情報記憶部123について)
使用情報記憶部123は、利用者によってディスペンサー20が使用された吸収性物品の使用に関する各種情報を記憶する。ここで、図5に、実施形態に係る使用情報記憶部123の一例を示す。図5に示した例では、使用情報記憶部123は、「利用者ID」、「使用情報」といった項目を有する。例えば、「使用情報」は、「契約ID」、「組織ID」、「ディスペンサーID」、「設置場所」、「使用時刻の履歴」、「使用数」といった項目を有する。
【0099】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子である。「契約ID」は、「利用者ID」に対応付けられた契約を識別する識別子である。「組織ID」は、「利用者ID」に対応付けられた組織を識別する識別子である。「ディスペンサーID」は、「利用者ID」に対応付けられたディスペンサー20を識別する識別子である。
【0100】
「設置場所」は、「ディスペンサーID」に対応付けられた設置場所に関する情報である。「使用時刻の履歴」は、「ディスペンサーID」に対応付けられたディスペンサー20に収容される吸収性物品が使用された時刻の履歴に関する情報である。「使用数」は、「ディスペンサーID」に対応付けられたディスペンサー20に収容される吸収性物品が使用された使用枚数に関する情報である。
【0101】
例えば、図5では、利用者IDによって識別された「U1」は、契約IDが「C1」であり、組織IDが「H1」であり、ディスペンサーIDが「D1」であり、設置場所が「DP1」であり、使用時刻の履歴が「DH1」であり、使用数が「DU1」である。
【0102】
なお、図5に示した例では、設置場所等を、「DP1」等の抽象的な符号で表現したが、設置場所等は、数値や、文字列に関する情報や、設置場所等を含むファイルのファイル形式等であってもよい。
【0103】
(提供情報記憶部124について)
提供情報記憶部124は、吸収性物品を提供するための提供情報を記憶する。ここで、図6に、実施形態に係る提供情報記憶部124の一例を示す。図6に示した例では、提供情報記憶部124は、「提供情報ID」、「提供情報」といった項目を有する。
【0104】
「提供情報ID」は、提供情報を識別する識別子である。「提供情報」は、「提供情報ID」に対応付けられた提供情報である。
【0105】
例えば、図6では、提供情報IDによって識別された「SI1」は、提供情報が「SP1」である。なお、図6に示した例では、提供情報等を、「SP1」等の抽象的な符号で表現したが、提供情報等は、数値や、文字列に関する情報や、提供情報等を含むファイルのファイル形式等であってもよい。
【0106】
(制御部130について)
制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0107】
図4に示すように、制御部130は、取得部131と、特定部132と、判定部133と、提供部134と、設定部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現又は実行する。なお、制御部130の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0108】
(取得部131について)
取得部131は、各種情報を取得する。具体的には、取得部131は、吸収性物品を提供するディスペンサー20が設置された施設に入居する組織に属する利用者が所定のディスペンサーを利用することで、利用者によって使用された吸収性物品の使用に関する使用情報を取得する。
【0109】
取得部131は、ビル(施設の一例)の事業者によって管理される企業サーバ30から、ディスペンサー20(所定のディスペンサーの一例)によって提供された生理用品(吸収性物品の一例)の使用に関する使用情報を取得する。より具体的な例を挙げると、取得部131は、使用情報として、使用数等に関する情報をディスペンサー20毎に取得する。そして、取得部131は、取得した使用情報を使用情報記憶部123に記憶する。
【0110】
他の例として、取得部131は、アプリケーション制御サーバ50から、利用者に関する利用者情報を取得してもよい。例えば、取得部131は、アプリケーション制御サーバ50から、利用者の生理に関する情報や、生理周期に関する情報や、体調に関する情報や属性情報等を取得してもよい。
【0111】
また、取得部131は、アプリケーション制御サーバ50から、生理用品を使用した使用履歴に関する情報を取得してもよい。この場合、利用者は、アプリケーションAP上で、予め生理用品を使用した情報を記録しているものとする。
【0112】
また、取得部131は、ディスペンサー20から使用情報を取得してもよい。この場合、取得部131は、所定の期間毎に、使用情報をディスペンサー20から取得してもよい。このとき、取得部131は、使用情報として、使用時刻の履歴や、使用数等に関する情報を取得する。
【0113】
このような場合、ディスペンサー20は、使用情報として、設置場所や、吸収性物品の種別や、収容枚数や、使用数や、残数や、使用時刻の履歴や、補充履歴等に関する情報を、ディスペンサー20が有する所定の記憶部に記憶しておいてもよい。
【0114】
(特定部132について)
特定部132は、使用情報に基づいて、吸収性物品の量をディスペンサー20が設置された施設に入居する組織毎に特定する。例えば、特定部132は、使用情報記憶部123に記憶された使用情報に基づいて、企業毎に使用された生理用品の量を特定する。
【0115】
(判定部133について)
判定部133は、使用情報と、吸収性物品の量とに基づいて、吸収性物品が不正に使用されたか否かを判定する。例えば、取得部131は、企業サーバ30から使用情報を取得する。また、取得部131は、ディスペンサー20から使用情報を取得する。続いて、判定部133は、企業サーバ30から取得された使用情報が示す生理用品の量と、ディスペンサー20から取得された使用情報が示す生理用品の量との差が所定の閾値以上である場合に、生理用品が不正に使用されたと判定する。一方、判定部133は、企業サーバ30から取得された使用情報が示す生理用品の量と、ディスペンサー20から取得された使用情報が示す生理用品の量との差が所定の閾値未満である場合に、生理用品が不正に使用されていないと判定する。なお、不正使用の判定には、ディスペンサー20から取得された使用情報が示す生理用品の量だけでなく、アプリケーション制御サーバ50から取得された利用者毎の生理用品の使用量を用いても良い。例えば、取得部131は、利用者毎の当該利用者が所定期間内に使用した生理用品の量を示す使用情報をアプリケーション制御サーバ50から取得し、判定部133は、企業サーバ30から取得された使用情報が示す生理用品の量と、利用者毎の当該利用者が所定期間内に使用した生理用品の量とを比較することで、生理用品が不正に使用されたかを判定しても良い。また、判定部133は、アプリケーション制御サーバ50から取得された利用者毎の当該利用者が所定期間内に使用した生理用品の量と、ディスペンサー20から取得された使用情報が示す生理用品の量とを組合せることで算出された使用された生理用品の量と、企業サーバ30から取得された使用情報が示す生理用品の量と比較して、生理用品が不正に使用されたかを判定しても良い。
【0116】
(提供部134について)
提供部134は、各種情報を提供する。具体的には、提供部134は、吸収性物品の量に基づいて、吸収性物品を提供するための提供情報を提供する。例えば、提供部134は、企業毎に使用された生理用品の量に基づいて、ディスペンサー20に補充する生理用品の量を推定する。ここで、提供部134が推定する生理用品の量は、各企業に補充される生理用品の量の総量である。すなわち、提供部134が推定する生理用品の量は、各企業が入居する施設に配送される生理用品の量である。
【0117】
続いて、提供部134は、提供情報として、推定された生理用品の量を補充するための補充に関する情報を補充業者サーバ40に提供する。
【0118】
また、提供部134は、判定部133によって判定された判定結果を企業サーバ30に対して通知してもよい。例えば、提供部134は、判定結果が、生理用品が不正に使用された結果である場合、生理用品が不正に使用されたといった通知内容を企業サーバ30に対して通知してもよい。
【0119】
(設定部135について)
設定部135は、組織に対して、ディスペンサー20の利用に関する費用として、ディスペンサー20を利用した費用と、吸収性物品の量に基づく費用との合計金額を設定する。図1の例では、設定部135は、ディスペンサー20を利用した費用と、使用された生理用品の量に基づく費用との合計金額を企業Aに対して決済処理を実行する。この場合、設定部135は、決済サーバ60と連携することで、企業Aに対して決済処理を実行する。
【0120】
より具体的な例を挙げると、設定部135は、ディスペンサー20の利用に関する費用について、企業Aが管理する所定のサーバに対して決済処理を実行する。例えば、設定部135は、使用された生理用品の量に基づく費用が生理用品を使用した分だけ費用がかかる従量制に従う場合、都度、又は、所定の期間毎に、所定のサーバに対して、使用された生理用品の量に基づいて算出された金額で決済処理を実行する。これにより、設定部135は、ディスペンサー20を利用した費用と、使用された生理用品の量に基づいて算出された金額との合計金額を企業に対して決済処理を実行する。この場合、設定部135は、生理用品を使用した量が所定の閾値以上である場合に、生理用品の1枚当たりの費用が所定の程度割引された費用に基づいて算出された金額で決済処理を実行してもよい。
【0121】
他の例として、設定部135は、使用された生理用品の量に基づく費用が定額制に従う場合、都度、又は、所定の期間毎に、所定のサーバに対して、所定の金額で決済処理を実行してもよい。これにより、設定部135は、ディスペンサー20を利用した費用と、所定の金額との合計金額を企業に対して決済処理を実行してもよい。
【0122】
また、設定部135は、都度、又は、所定の期間毎に、所定のサーバに対して、企業に属する利用者のうち、ディスペンサー20を利用する利用者の数に基づいて算出された金額で使用された生理用品の量に基づく費用として決済処理を実行してもよい。図4を用いて説明すると、設定部135は、組織情報記憶部122に記憶される推定利用者数に基づいて算出された金額で決済処理を実行してもよい。これにより、設定部135は、ディスペンサー20を利用した費用と、推定利用者数に基づいて算出された金額との合計金額を企業に対して決済処理を実行してもよい。
【0123】
〔4.処理手順〕
次に、図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する提供処理の手順について説明する。図7は、実施形態に係る情報処理装置100が実行する提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0124】
図7に示すように、取得部131は、各種情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、取得部131は、各種情報を取得していない場合(ステップS101;No)、各種情報を取得するまで待機する。
【0125】
一方、特定部132は、取得部131が各種情報を取得した場合(ステップS101;Yes)、各種情報のうち、使用情報が示す吸収性物品の量を組織毎に特定する(ステップS102)。続いて、提供部134は、吸収性物品の量に基づいて、提供情報を提供する(ステップS103)。そして、設定部135は、ディスペンサー20の利用に関する費用を組織に対して設定する。
【0126】
〔5.変形例〕
上述した情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置100の他の実施形態について説明する。
【0127】
〔5-1.事業者〕
上記実施形態では、ディスペンサー20の利用に関するサービスが情報処理装置100を管理する事業者によって提供される例を挙げたが、これに限定されない。例えば、事業者は、ディスペンサー20を提供する事業者と、ディスペンサー20を管理する事業者とに分かれていてもよい。
【0128】
例えば、ディスペンサー20を提供する事業者は、企業からディスペンサー20の提供の要求を受付けた場合、かかる要求によって指定された企業に対してディスペンサー20を提供する。この場合、かかる事業者は、企業が有するトイレの個室毎に、ディスペンサー20を搬入及び設置する。
【0129】
また、ディスペンサー20を提供する事業者が管理する所定のサーバは、ディスペンサー20の性能や、機能に関する各種情報や、ディスペンサー20の搬入日や、ディスペンサー20の設置当日の日程等に関する情報を企業サーバ30に送信する。
【0130】
また、ディスペンサー20を管理する事業者は、ディスペンサー20を提供する事業者によって設置されたディスペンサー20の保守及び点検を所定の期間毎に行う。また、ディスペンサー20を管理する事業者が管理する所定のサーバは、施設で使用する吸収性物品に関する在庫情報等を管理する。
【0131】
このような場合、情報処理装置100は、ディスペンサー20を提供する事業者又はディスペンサー20を管理する事業者に管理されてもよい。例えば、ディスペンサー20を提供する事業者が情報処理装置100を管理する場合、情報処理装置100は、ディスペンサー20の性能や、機能に関する各種情報や、ディスペンサー20の搬入日や、ディスペンサー20の設置当日の日程等に関する情報を企業サーバ30に送信する機能を有してもよい。
【0132】
また、ディスペンサー20を管理する事業者が情報処理装置100を管理する場合、情報処理装置100は、施設で使用する吸収性物品に関する在庫情報等を管理する機能を有してもよい。
【0133】
なお、ディスペンサー20の利用に関するサービスは、ディスペンサー20を提供する事業者又はディスペンサー20を管理する事業者によって提供されてもよい。また、ディスペンサー20の利用に関するサービスは、ディスペンサー20を提供する事業者と、ディスペンサー20を管理する事業者と、補充業者とが統合した事業者によって提供されてもよい。この場合、統合した事業者は、ディスペンサー20を提供する事業者と、ディスペンサー20を管理する事業者と、補充業者との各々が実施する事業内容を実施してもよい。
【0134】
〔5-2.組織〕
上記実施形態では、組織が企業である例を挙げて説明したが、これに限定されない。組織は、利用者が所属する企業以外に、例えば、自治体や、地域団体や、スポーツ団体や、大学等の教育機関等であってもよい。例えば、組織IDは、組織が自治体である場合、村や、町や、市や、区毎に割り振られた識別子であってもよい。また、上記実施形態で説明した企業は、全国に展開される各支店等を含んでもよい。
【0135】
〔5-3.施設〕
上記実施形態では、施設がビルである例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、施設は、公共施設等であってもよい。また、上記実施形態では、ビルに異なる企業が入居する例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、ビルは、一企業の自社ビルであってもよい。
【0136】
〔5-4.契約〕
上記実施形態では、企業がディスペンサー20を利用するサービスを契約する例について説明したが、これに限定されない。施設がディスペンサー20を利用するサービスを契約してもよい。この場合、施設に入居する企業に所属する利用者が、ディスペンサー20を利用することができる。なお、このような場合の費用について、設定部135が企業毎に費用を設定してもよいし、施設に対して費用を設定してもよい。
【0137】
〔5-5.ディスペンサーの利用に関する費用〕
上記実施形態では、設定部135が組織に対してディスペンサー20の利用に関する費用として、ディスペンサー20を利用した費用と、吸収性物品の量に基づく費用との合計金額を設定する例について説明したが、これに限定されない。例えば、ディスペンサー20を利用した費用が無償であり、その代わりに、ディスペンサー20の補修管理費に関する費用が有償であってもよい。この場合、設定部135は、組織に対して、ディスペンサー20の利用に関する費用として、ディスペンサー20の補修管理費に関する費用と、吸収性物品の量に基づく費用との合計金額を設定してもよい。
【0138】
〔5-6.取得処理〕
上記実施形態では、取得部131が使用情報を企業サーバ30から取得する例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、ディスペンサー20は、企業サーバ30に対して、所定の期間毎に、使用情報を送信してもよい。
【0139】
このような場合、ディスペンサー20は、使用情報として、設置場所や、吸収性物品の種別や、収容枚数や、使用数や、残数や、使用時刻の履歴や、補充履歴等に関する情報を、ディスペンサー20が有する所定の記憶部に記憶しておいてもよい。
【0140】
〔5-7.提供処理〕
上記実施形態では、提供部134が吸収性物品の量に基づいて、吸収性物品を提供するための提供情報を提供する例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、提供部134は、提供情報として、吸収性物品を提供するサービスに関する情報を組織に対して提供してもよい。
【0141】
より具体的な例を挙げると、契約プランがディスペンサー20から提供される生理用品の量の上限が異なる契約プランAと、契約プランBとがあるものとする。また、企業が契約している契約プランが契約プランAであるものとする。この場合、取得部131は、ディスペンサー20を利用する利用者の数である利用者数に関する情報を企業から取得する。
【0142】
続いて、提供部134は、使用情報が示す生理用品の量と、取得部131によって取得された利用者数に基づいて推定された生理用品の量とに基づいて、提供情報として、異なる契約プランBに関する情報を企業に対して提供してもよい。ここで、契約プランBは、契約プランAよりも、ディスペンサー20によって提供される生理用品の量が多いプランである。
【0143】
このように、提供部134は、企業にとって適切な契約プランに関する情報を提供するため、利用者がディスペンサーを継続して利用することを促すことができる。
【0144】
〔5-8.認証処理〕
上記実施形態では、ディスペンサー20が利用者を認証する認証処理を実行する例を挙げて説明したが、ディスペンサー20の代わりに、アプリケーション制御サーバ50が認証処理の機能を有してもよい。
【0145】
例えば、アプリケーション制御サーバ50は、利用者の操作に応じて、所定のアプリケーションAP上で、利用者を識別する識別情報及び利用者が予め設定しているパスワードとともに、利用者の認証要求を端末装置10から受付ける。
【0146】
続いて、アプリケーション制御サーバ50は、利用者を認証する。例えば、アプリケーション制御サーバ50は、端末装置10から受付けられた利用者を識別する識別情報と、利用者が予め設定しているパスワードとの組合せと、アプリケーション制御サーバ50が有する所定の記憶部に記憶された利用者情報とを照合する。そして、アプリケーション制御サーバ50は、照合に成功した場合に、利用者を認証する。
【0147】
続いて、アプリケーション制御サーバ50は、認証結果を端末装置10に送信する。例えば、アプリケーション制御サーバ50は、利用者の認証が成功したといった認証結果を端末装置10に送信する。これにより、ディスペンサー20が利用可能となる。
【0148】
他の例として、ディスペンサー20の代わりに、情報処理装置100が認証処理の機能を有してもよい。例えば、ディスペンサー20は、利用者の操作に応じて、所定のアプリケーションAP上で、利用者を識別する識別情報及び利用者が予め設定しているパスワードとともに、利用者の認証要求を端末装置10から受付ける。続いて、情報処理装置100は、ディスペンサー20から、利用者を識別する識別情報及び利用者が予め設定しているパスワードとともに、利用者の認証要求を受付ける。
【0149】
そして、情報処理装置100は、利用者を認証する。例えば、情報処理装置100は、ディスペンサー20から受付けられた利用者を識別する識別情報と、利用者が予め設定しているパスワードとの組合せと、記憶部120に予め記憶された利用者情報とを照合する。続いて、情報処理装置100は、照合に成功した場合に、利用者を認証する。
【0150】
そして、情報処理装置100は、認証結果をディスペンサー20に送信する。例えば、情報処理装置100は、利用者の認証が成功したといった認証結果をディスペンサー20に送信する。続いて、ディスペンサー20は、認証結果を端末装置10に送信する。例えば、ディスペンサー20は、利用者の認証が成功したといった認証結果を端末装置10に送信する。これにより、ディスペンサー20が利用可能となる。
【0151】
〔5-9.福利厚生〕
また、ディスペンサー20を利用するサービスは、企業が利用者に対して提供する福利厚生の一制度として利用者に提供されてもよい。
【0152】
〔5-10.ディスペンサー〕
また、ディスペンサー20は、電力供給がなくとも動作するものであってもよい。例えば、ディスペンサー20は、機械的に吸収性物品の枚数を管理してもよい。また、ディスペンサー20は、吸収性物品の枚数が一定数減った場合に機械的なスイッチが押下されることで吸収性物品の枚数がないことを表示する機構を有していてもよい。
【0153】
〔5-11.備蓄在庫〕
また、吸収性物品は、組織が有している備蓄在庫等であってもよい。この場合、情報処理装置100は、備蓄在庫の利用を想定した在庫管理を実行してもよい。例えば、情報処理装置100は、利用者IDと、ディスペンサーIDとを紐付けることで、組織毎の吸収性物品の使用枚数を算出する。続いて、情報処理装置100は、算出した使用数に基づいて、備蓄在庫を何枚補充するか、新しく吸収性物品を何枚発注するか等を決定してもよい。これにより、情報処理装置100は、備蓄在庫として必要な枚数を確実に担保しつつ、直近の使用情報に基づいて吸収性物品の残数を適切に管理することができる。
【0154】
〔5-12.配送料〕
また、設定部135は、施設に入居する企業毎に費用を設定する際に、施設に対して配送された際の配送料を企業毎に除算して、除算した配送料を費用に加算した費用を企業毎に設定してもよい。
【0155】
〔5-13.利用者の管理方法について〕
また、ディスペンサー20を利用するサービスは、年度毎に更新されてもよい。例えば、端末装置10は、所定のアプリケーションAP上で、利用者から更新された契約IDの入力を受付ける。続いて、情報処理装置100は、端末装置10から契約IDに関する情報を取得する。そして、情報処理装置100は、契約IDに対応する利用者IDを、組織情報記憶部122に記憶される利用者IDとして更新してもよい。
【0156】
これにより、情報処理装置100は、利用者IDを適切に管理することができる。例えば、利用者が退職や、転籍等をした場合、かかる利用者に対応する利用者IDを更新する必要がある。これに対し、情報処理装置100は、年度毎に契約IDを取得することで、利用者IDを更新する。このように、情報処理装置100は、利用者の就業状況に応じて、適切に利用者IDを管理することができる。
【0157】
なお、上記変形例では、端末装置10が利用者から更新された契約IDの入力を受付ける例を挙げて説明したが、端末装置10は、アクティベーションコード等の番号を所定のアプリケーションAP上で入力することで、利用者IDが更新されてもよい。
【0158】
〔5-14.その他〕
上記した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、手動的に行われてもよい。また、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、公知の方法で自動的に行われてもよい。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られるものではない。
【0159】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されなくともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。また、各構成要素は、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成してもよい。
【0160】
また、上記してきた各処理は、矛盾しない範囲で適宜組合せて実行されてもよい。
【0161】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、提供部は、提供手段や提供回路に読み替えることができる。
【0162】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る端末装置10や、ディスペンサー20や、企業サーバ30や、補充業者サーバ40や、アプリケーション制御サーバ50や、決済サーバ60や、情報処理装置100は、例えば、図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、キャッシュ1040、メモリ1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続される。
【0163】
演算装置1030は、キャッシュ1040やメモリ1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。キャッシュ1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するキャッシュである。また、メモリ1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現されるメモリである。
【0164】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現されてよい。一方、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0165】
例えば、入力装置1020は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置により実現されてもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体により実現されてもよい。
【0166】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する機能を有する。
【0167】
ここで、演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行うこととなる。例えば、演算装置1030は、入力装置1020やメモリ1050からプログラムをキャッシュ1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、キャッシュ1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現することとなる。
【0168】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明した。しかしながら、これらは例示であり、本願の実施形態は、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、所謂当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で実施することが可能である。
【符号の説明】
【0169】
N ネットワーク
1 情報処理システム
10 端末装置
20 ディスペンサー
30 企業サーバ
40 補充業者サーバ
50 アプリケーション制御サーバ
60 決済サーバ
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 契約情報記憶部
122 組織情報記憶部
123 使用情報記憶部
124 提供情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 特定部
133 判定部
134 提供部
135 設定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8