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特開2023-170412配線形成用部材、配線形成用積層フィルム、及び半導体装置の製造方法
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  • 特開-配線形成用部材、配線形成用積層フィルム、及び半導体装置の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170412
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】配線形成用部材、配線形成用積層フィルム、及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20231124BHJP
   B32B 7/06 20190101ALI20231124BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20231124BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
H01L23/12 Z
H01L23/12 501P
B32B7/06
B32B15/08 J
H05K1/03 630H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082146
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 裕之
(72)【発明者】
【氏名】井上 裕紀子
(72)【発明者】
【氏名】榎本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 笑
(72)【発明者】
【氏名】赤須 雄太
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AB00B
4F100AB00D
4F100AK01C
4F100AK01E
4F100AT00A
4F100BA04
4F100BA05
4F100BA07
4F100EJ08C
4F100EJ08E
4F100EJ43
4F100GB43
4F100JB13C
4F100JB13E
4F100JG10E
(57)【要約】
【課題】配線層付き半導体部材の製造プロセスに使用することが可能であり、支持部材と配線層付き半導体部材とを容易に分離することが可能な配線形成用部材を提供すること。
【解決手段】配線形成用部材10Aが提供される。当該配線形成用部材10Aは、支持部材1と、第1の金属層3aと、第1の樹脂層5aと、第2の金属層3bとをこの順に備える。第1の樹脂層5aは、第1の硬化性樹脂組成物又はその硬化物を含有する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材と、第1の金属層と、第1の樹脂層と、第2の金属層とをこの順に備え、
前記第1の樹脂層が、第1の硬化性樹脂組成物又はその硬化物を含有する、
配線形成用部材。
【請求項2】
前記支持部材と前記第1の金属層との間に、第2の樹脂層をさらに備え、
前記第2の樹脂層が、第2の硬化性樹脂組成物又はその硬化物を含有する、
請求項1に記載の配線形成用部材。
【請求項3】
第1の金属層と、
前記第1の金属層の一方の面上に設けられた、第1の硬化性樹脂組成物を含有する第1の硬化性樹脂層と、
前記第1の金属層の他の一方の面上に設けられた、第2の硬化性樹脂組成物を含有する第2の硬化性樹脂層と、
前記第1の硬化性樹脂層の前記第1の金属層とは反対側の面上に設けられた第2の金属層と、
を備える、
配線形成用積層フィルム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の配線形成用部材を準備する工程と、
前記第2の金属層を加工して配線層を形成する工程と、
前記配線層上に半導体部材を配置し、配線層付き半導体部材を備える積層体を作製する工程と、
前記積層体の前記第1の金属層に対して前記支持部材側から少なくとも赤外光を含む光を照射して、前記支持部材と前記配線層付き半導体部材とを分離する工程と、
を備える、
半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の配線形成用部材を準備する工程と、
前記第2の金属層上に配線層を形成する工程と、
前記配線層上に半導体部材を配置し、配線層付き半導体部材を備える積層体を作製する工程と、
前記積層体の前記第1の金属層に対して前記支持部材側から少なくとも赤外光を含む光を照射して、前記支持部材と前記配線層付き半導体部材とを分離する工程と、
を備える、
半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線形成用部材、配線形成用積層フィルム、及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高密度実装可能な先端パッケージの1つとして、FO-WLP(Fan-Out Wafer Level Packaging)が知られている。FO-WLPは、チップ上に形成された微細な再配線層(RDL:Redistribution Layer)が、チップの外形より外側に拡張されて形成されている構造のパッケージである。FO-WLPの組み立て工程は、2つに大別することができる。1つは、チップをはじめに搭載してから再配線層を形成する方法であり、Chip First法と呼ばれる。もう1つは、再配線層をはじめに形成してからチップを搭載する方法であり、RDL-First(Redistribution Layer-First)法と呼ばれる。
【0003】
近年、RDL-First法によるパッケージ(配線層付き半導体部材)の製造プロセスに好適に使用される配線形成用部材の開発が進められている。例えば、特許文献1には、キャリア(支持部材)と、ニッケル合金層と、炭素層と、極薄銅層とを備えるキャリア付銅箔(配線形成用部材)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-114070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
RDL-First法による配線層付き半導体部材の製造プロセスにおいては、支持部材上の最表面にある金属層を加工して配線層(再配線層)を形成し、又は、金属層上に配線層(再配線層)を設け、必要に応じて、半導体チップを搭載してパッケージ(配線層付き半導体部材)を作製した後に、支持部材と配線層付き半導体部材とを分離する必要がある。しかしながら、従来の配線形成用部材では、支持部材と配線層付き半導体部材との分離が容易ではなく、この点の改善が求められている。
【0006】
そこで、本開示は、配線層付き半導体部材の製造プロセスに使用することが可能であり、支持部材と配線層付き半導体部材とを容易に分離することが可能な配線形成用部材を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面は、配線形成用部材に関する。当該配線形成用部材は、支持部材と、第1の金属層と、第1の樹脂層と、第2の金属層とをこの順に備える。第1の樹脂層は、第1の硬化性樹脂組成物又はその硬化物を含有する。配線形成用部材は、支持部材と第1の金属層との間に、第2の樹脂層をさらに備えていてもよい。この場合、第2の樹脂層は、第2の硬化性樹脂組成物又はその硬化物を含有する。このような配線形成用部材によれば、パッケージ(配線層付き半導体部材)の製造プロセスに好適に使用することが可能であり、支持部材側から少なくとも赤外光を含む光を照射することによって、支持部材と配線層付き半導体部材とを容易に分離することが可能となる。
【0008】
本開示の他の側面は、配線形成用積層フィルムに関する。当該配線形成用積層フィルムは、第1の金属層と、第1の金属層の一方の面上に設けられた、第1の硬化性樹脂組成物を含有する第1の硬化性樹脂層と、第1の金属層の他の一方の面上に設けられた、第2の硬化性樹脂組成物を含有する第2の硬化性樹脂層と、第1の硬化性樹脂層の第1の金属層とは反対側の面上に設けられた第2の金属層とを備える。
【0009】
本開示の他の側面は、半導体装置の製造方法に関する。当該半導体装置の製造方法の一実施形態は、上記の配線形成用部材を準備する工程と、第2の金属層を加工して配線層を形成する工程と、配線層上に半導体部材を配置し、配線層付き半導体部材を備える積層体を作製する工程と、積層体の第1の金属層に対して支持部材側から少なくとも赤外光を含む光を照射して、支持部材と配線層付き半導体部材とを分離する工程とを備える。当該半導体装置の製造方法の他の実施形態は、上記の配線形成用部材を準備する工程と、第2の金属層上に配線層を形成する工程と、配線層上に半導体部材を配置し、配線層付き半導体部材を備える積層体を作製する工程と、積層体の第1の金属層に対して支持部材側から少なくとも赤外光を含む光を照射して、支持部材と配線層付き半導体部材とを分離する工程とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、配線層付き半導体部材の製造プロセスに使用することが可能であり、支持部材と配線層付き半導体部材とを容易に分離することが可能な配線形成用部材が提供される。また、本開示によれば、このような配線形成用部材を形成するために有用な配線形成用積層フィルムが提供される。さらに、本開示によれば、このような配線形成用部材を用いた半導体装置の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1(a)及び(b)は、配線形成用部材の一実施形態を示す模式断面図である。
図2図2は、配線形成用積層フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。
図3図3は、半導体装置の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図であり、図3(a)、(b)、及び(c)は、各工程を示す模式断面図である。
図4図4は、半導体装置の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図であり、図4(a)、(b)、(c)、及び(d)は、各工程を示す模式断面図である。
図5図5は、半導体装置の製造方法の他の実施形態を説明するための模式断面図であり、図5(a)、(b)、及び(c)は、各工程を示す模式断面図である。
図6図6は、半導体装置の製造方法の他の実施形態を説明するための模式断面図であり、図6(a)、(b)、(c)、(d)、及び(e)は、各工程を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を適宜参照しながら、本開示の実施形態について説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。各図における構成要素の大きさは概念的なものであり、構成要素間の大きさの相対的な関係は各図に示されたものに限定されない。
【0013】
本開示における数値及びその範囲についても同様であり、本開示を制限するものではない。本明細書において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
【0014】
本明細書において「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
【0015】
本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリル共重合体等の他の類似表現についても同様である。
【0016】
本明細書中、以下で例示する材料は、特に断らない限り、条件に該当する範囲で、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。各成分の含有量は、各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、当該複数の物質の合計量を意味する。
【0017】
[配線形成用部材及び配線形成用積層フィルム]
図1(a)及び(b)は、配線形成用部材の一実施形態を示す模式断面図である。図1(a)に示される配線形成用部材10Aは、支持部材1と、第1の金属層3aと、第1の樹脂層5aと、第2の金属層3bとをこの順に備える。
【0018】
支持部材1は、高い透過率を有し、配線形成時に受ける負荷に耐え得る板状体である。支持部材1としては、例えば、無機ガラス基板、透明樹脂基板等が挙げられる。
【0019】
支持部材1の厚さは、例えば、0.1~2.0mmであってよい。支持部材1の厚さが0.1mm以上であると、ハンドリングが容易となる傾向にある。支持部材1の厚さが2.0mm以下であると、材料費を抑制することができる傾向にある。
【0020】
第1の金属層3aは、赤外光を含む光を吸収して熱を発生する層である。第1の金属層3aを構成する金属は、赤外光を含む光を吸収して熱を発生する金属であれば特に制限されない。このような金属としては、例えば、クロム、銅、チタン、銀、白金、金等の金属、ニッケル-クロム、ステンレス鋼、銅-亜鉛等の合金、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛、酸化ニオブ等の金属酸化物などが挙げられる。これらの中でも、第1の金属層3aを構成する金属は、クロム、チタン、銅、アルミニウム、銀、金、又は白金であってよい。
【0021】
第1の金属層3aは、複数の金属層から構成されていてもよい。このような第1の金属層3aとしては、例えば、金属層(1)と金属層(2)とを支持部材1からこの順に含む層等が挙げられる。金属層(1)を構成する金属は、支持部材との密着性、成膜性、熱伝導性、低熱容量等の観点から、チタンであってよい。金属層(2)を構成する金属は、高膨張係数、高熱伝導等の観点から、銅、アルミニウム、銀、金、又は白金であってよく、銅又はアルミニウムであってもよい。
【0022】
第1の金属層3aは、金属箔を用いて形成される金属層、又は、真空蒸着、スパッタリング等の物理気相成長(PVD)によって形成される金属層であってよい。第1の金属層3aは、支持部材との密着性の観点から、PVDによって形成される金属層であることが好ましい。
【0023】
第1の金属層3aの厚さは、軽剥離性の観点から、1~5000nm(0.001~5μm)又は50~3000nm(0.05~3μm)であってよい。第1の金属層3aが金属層(1)と金属層(2)とから構成される層である場合、金属層(1)の厚さは、1~1000nm(0.001~1μm)、5~500nm(0.005~0.5μm)、又は10~100nm(0.01~0.1μm)であってよく、金属層(2)の厚さは、1~5000nm(0.001~5μm)、10~500nm(0.01~0.5μm)、又は50~200nm(0.05~0.2μm)であってよい。
【0024】
第1の樹脂層5aは、第1の硬化性樹脂組成物又はその硬化物を含有する。第1の硬化性樹脂組成物は、熱又は光によって硬化する硬化性樹脂組成物であり得る。すなわち、第1の樹脂層5aは、少なくとも一部が硬化し、半硬化(Bステージ)状態を経て、その後に加熱処理によって硬化(Cステージ)状態となり得るものであってよい。
【0025】
Bステージとは、ある種の熱硬化性樹脂の反応において、材料がある種の液体に接触する場合には膨潤しかつ加熱する場合には軟化するが、しかし完全には溶解又は溶融しない中間段階を意味し、Cステージとは、ある種の熱硬化性樹脂の反応において、その材料が事実上不溶不融となる最終段階を意味する。
【0026】
第1の硬化性樹脂組成物は、一実施形態において、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を含む。このとき、第1の硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤、重合性モノマー、重合開始剤、その他の成分等をさらに含んでいてもよい。
【0027】
熱可塑性樹脂は、熱可塑性を有する樹脂、又は少なくとも未硬化状態において熱可塑性を有し、加熱後に架橋構造を形成する樹脂であってよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、炭化水素樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、石油樹脂、ノボラック樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、熱可塑性樹脂は、炭化水素樹脂であってよい。
【0028】
炭化水素樹脂は、主骨格が炭化水素で構成される樹脂である。このような炭化水素樹脂としては、例えば、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1-ブテン共重合体エラストマー、エチレン・1-ヘキセン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体、エチレン・スチレン共重合体、エチレン・ノルボルネン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、エチレン・1-ブテン・非共役ジエン共重合体、エチレン・プロピレン・1-ブテン・非共役ジエン共重合体、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)等が挙げられる。これらの炭化水素樹脂は、水添処理が施されていてもよい。また、これらの炭化水素樹脂は、無水マレイン酸等によってカルボキシ変性されていてもよい。これらのうち、炭化水素樹脂は、スチレンに由来するモノマー単位を含む炭化水素樹脂(スチレン系樹脂)を含んでいてもよく、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)を含んでいてもよい。
【0029】
熱可塑性樹脂のTgは、-100~500℃、-50~300℃、又は-50~50℃であってよい。熱可塑性樹脂のTgが500℃以下であると、フィルム状の仮固定材を形成したときに、柔軟性を確保し易く、低温貼付性を向上させることができる傾向にある。熱可塑性樹脂のTgが-100℃以上であると、フィルム状の仮固定材を形成したときに、柔軟性が高くなり過ぎることによる取扱性及び剥離性の低下を抑制できる傾向にある。
【0030】
熱可塑性樹脂のTgは、示差走査熱量測定(DSC)によって得られる中間点ガラス転移温度値である。熱可塑性樹脂のTgは、具体的には、昇温速度10℃/分、測定温度-80~80℃の条件で熱量変化を測定し、JIS K 7121に準拠した方法によって算出される中間点ガラス転移温度である。
【0031】
熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1万~500万又は10万~200万であってよい。重量平均分子量が1万以上であると、樹脂層の耐熱性を確保し易くなる傾向にある。重量平均分子量が500万以下であると、フィルム状の樹脂層を形成したときに、フローの低下及び貼付性の低下を抑制し易い傾向にある。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)で標準ポリスチレンによる検量線を用いたポリスチレン換算値である。
【0032】
熱可塑性樹脂の含有量は、第1の硬化性樹脂組成物の総量100質量部に対して、40~90質量部であってよい。熱可塑性樹脂の含有量は、第1の硬化性樹脂組成物の総量100質量部に対して、50質量部以上又は60質量部以上であってもよく、85質量部以下又は80量部以下あってもよい。熱可塑性樹脂の含有量が上記範囲にあると、樹脂層の薄膜形成性及び平坦性により優れる傾向にある。
【0033】
熱硬化性樹脂は、熱により硬化する樹脂を意味し、上記炭化水素樹脂を包含しない概念である。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、熱硬化性樹脂は、耐熱性、作業性、及び信頼性により優れることから、エポキシ樹脂であってよい。熱硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂硬化剤(熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂硬化剤)と組み合わせて用いてもよい。
【0034】
エポキシ樹脂は、硬化して耐熱作用を有するものであれば特に限定されない。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ等の二官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等の脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。また、エポキシ樹脂は、例えば、多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、又は複素環含有エポキシ樹脂であってもよい。これらの中でも、エポキシ樹脂は、耐熱性及び耐候性の観点から、脂環式エポキシ樹脂を含んでいてもよい。
【0035】
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、第1の硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂硬化剤を含んでいてもよい。エポキシ樹脂硬化剤は、通常用いられている公知の硬化剤を使用することができる。エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、アミン、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型等のフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有するビスフェノール、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂等のフェノール樹脂などが挙げられる。
【0036】
熱硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂硬化剤の合計の含有量は、第1の硬化性樹脂組成物の総量100質量部に対して、10~60質量部であってよい。熱硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂硬化剤の合計の含有量は、第1の硬化性樹脂組成物の総量100質量部に対して、15質量部以上又は20質量部以上であってもよく、50質量部以下又は40質量部以下であってもよい。熱硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂硬化剤の合計の含有量が上記範囲にあると、樹脂層の薄膜形成性、平坦性、耐熱性等により優れる傾向にある。
【0037】
第1の硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤をさらに含んでいてもよい。硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド誘導体、ジカルボン酸ジヒドラジド、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2-エチル-4-メチルイミダゾール-テトラフェニルボレート、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7-テトラフェニルボレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0038】
硬化促進剤の含有量は、熱硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂硬化剤の総量100質量部に対して、0.01~5質量部であってよい。硬化促進剤の含有量が上記範囲内であると、硬化性が向上し、耐熱性がより優れる傾向にある。
【0039】
第1の硬化性樹脂組成物は、重合性モノマー及び重合開始剤をさらに含んでいてもよい。重合性モノマーは、加熱又は紫外光等の照射によって重合するものであれば特に制限されない。重合性モノマーは、材料の選択性及び入手の容易さの観点から、例えば、エチレン性不飽和基等の重合性官能基を有する化合物であってよい。重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルエステル、ビニルピリジン、ビニルアミド、アリール化ビニル等が挙げられる。これらのうち、重合性モノマーは、(メタ)アクリレートであってもよい。(メタ)アクリレートは、単官能(1官能)、2官能、又は3官能以上のいずれであってもよいが、充分な硬化性を得る観点から、2官能以上の(メタ)アクリレートであってもよい。
【0040】
重合性モノマーの含有量は、第1の硬化性樹脂組成物の総量100質量部に対して、1~60質量部であってよい。
【0041】
重合開始剤は、加熱又は紫外光等の照射によって重合を開始させるものであれば特に制限されない。例えば、重合性モノマーとして、エチレン性不飽和基を有する化合物を用いる場合、重合性開始剤は熱ラジカル重合開始剤又は光ラジカル重合開始剤であってよい。
【0042】
重合開始剤の含有量は、重合性モノマーの総量100質量部に対して、0.01~5質量部であってよい。
【0043】
第1の硬化性樹脂組成物は、絶縁性フィラー、増感剤、酸化防止剤等のその他の成分をさらに含んでいてもよい。
【0044】
絶縁性フィラーは、樹脂層に低熱膨張性、低吸湿性を付与する目的で添加され得る。絶縁性フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、チタニア、ガラス、セラミック等の非金属無機フィラーなどが挙げられる。これらの絶縁性フィラーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。絶縁性フィラーは、溶剤との分散性の観点から、その表面が表面処理剤で処理された粒子であってもよい。表面処理剤は、例えば、シランカップリング剤であってよい。
【0045】
絶縁性フィラーの含有量は、第1の硬化性樹脂組成物の総量100質量部に対して、5~20質量部であってよい。絶縁性フィラーの含有量が上記範囲内であると、光透過を妨げることなく耐熱性をより向上させることができる傾向にある。また、絶縁性フィラーの含有量が上記範囲内であると、軽剥離性にも寄与する可能性がある。
【0046】
増感剤としては、例えば、アントラセン、フェナントレン、クリセン、ベンゾピレン、フルオランテン、ルブレン、ピレン、キサントン、インダンスレン、チオキサンテン-9-オン、2-イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、4-イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、1-クロロ-4‐プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
【0047】
増感剤の含有量は、第1の硬化性樹脂組成物の総量100質量部に対して、0.01~10質量部であってよい。増感剤の含有量が上記範囲内であると、第1の硬化性樹脂組成物の特性及び薄膜性への影響が少ない傾向にある。
【0048】
酸化防止剤としては、例えば、ベンゾキノン、ハイドロキノン等のキノン誘導体、4-メトキシフェノール、4-t-ブチルカテコール等のフェノール誘導体(ヒンダードフェノール誘導体)、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル等のアミノキシル誘導体、テトラメチルピペリジルメタクリレート等のヒンダードアミン誘導体などが挙げられる。
【0049】
酸化防止剤の含有量は、第1の硬化性樹脂組成物の総量100質量部に対して、0.1~10質量部であってよい。酸化防止剤の含有量が上記範囲内であると、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の分解を抑制し、汚染を防ぐことができる傾向にある。
【0050】
第1の硬化性樹脂組成物の硬化物は、第1の硬化性樹脂組成物を熱硬化(又は光硬化)させることによって得ることができる。熱硬化の条件は、例えば、300℃以下又は100~250℃で、1~180分間又は1~120分間であってよい。
【0051】
第1の硬化性樹脂組成物及びその硬化物は、第1の樹脂層5aの主成分であり得る。第1の硬化性樹脂組成物及びその硬化物の合計の含有量は、第1の樹脂層5aの総量を基準として、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、又は100質量%であってよい。第1の樹脂層5aは、第1の硬化性樹脂組成物及びその硬化物からなるものであってよい。
【0052】
第1の樹脂層5aの厚さは、応力緩和の観点から、例えば、200μm以下であってよい。第1の硬化性樹脂層14の厚さは、1~150μm又は10~100μmであってもよい。
【0053】
第2の金属層3bは、加工されて配線層となる層又はめっき等の下地となる層である。第2の金属層3bを構成する金属は、銅又はチタンであってよく、銅であってもよい。
【0054】
第2の金属層3bは、金属箔を用いて形成される金属層、又は、真空蒸着、スパッタリング等の物理気相成長(PVD)によって形成される金属層であってよい。金属箔は、銅箔又はチタン箔であってよく、銅箔であってもよい。
【0055】
第2の金属層3bが金属箔から形成される金属層である場合、第2の金属層3bの厚さは、取扱性の観点から、1~40μm、3~35μm、又は5~30μmであってよい。第2の金属層3bがPVDによって形成される金属層である場合、第2の金属層3bの厚さは、取扱性の観点から、1~5000nm(0.001~5μm)又は50~3000nm(0.05~3μm)であってよい。
【0056】
図1(a)に示される配線形成用部材10Aの製造方法は、所定の構成を有する部材を得ることができるのであれば特に制限されない。配線形成用部材10Aは、例えば、支持部材1上に第1の金属層3aを設ける工程(工程1A)と、第1の金属層3a上に第1の樹脂層5aを設ける工程(工程1B)と、第1の樹脂層5a上に第2の金属層3bを設ける工程(工程1C)とを備える方法によって得ることができる。
【0057】
(工程1A)
第1の金属層3aは、支持部材1上に、真空蒸着、スパッタリング等の物理気相成長(PVD)を実施することによって設けることができる。第1の金属層3aは、支持部材1上に、電解めっき又は無電解めっきを実施することによっても設けることができる。物理気相成長によれば、支持部材1が大きな面積を有していても、支持部材1の表面を覆う第1の金属層3aを効率的に形成することができる。
【0058】
(工程1B)
第1の金属層3a上に第1の樹脂層5aを設ける方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、第1の硬化性樹脂組成物の各成分を、溶剤中で撹拌、混錬等を行うことによって、溶解又は分散させ、第1の硬化性樹脂組成物を含有する第1の樹脂ワニスを調製する。次いで、離型処理を施した支持フィルム上に、第1の樹脂ワニスをナイフコーター、ロールコーター、アプリケーター、コンマコーター、ダイコーター等を用いて塗工した後、加熱によって溶剤を揮発させて、支持フィルム上に、第1の樹脂フィルムを形成する。このとき、第1の樹脂ワニスの塗工量を調整することによって、第1の樹脂フィルム(第1の樹脂層5a)の厚さを調整することができる。第1の樹脂フィルムの厚さは、上記の第1の樹脂層5aの厚さと同様であってよい。次いで、第1の金属層3aに、得られた第1の樹脂フィルム(第1の樹脂層5a)を貼り付けることによって、第1の樹脂層5aを設けることができる。
【0059】
第1の樹脂ワニスで使用される溶剤は、各成分を均一に溶解又は分散し得る特性を有するものであれば特に制限されない。このような溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、p-シメン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;メチルシクロヘキサンなどの環状アルカン;テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等の環状エーテル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン等のエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミドなどが挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。ワニス中の固形成分濃度は、ワニスの全質量を基準として、10~80質量%であってよい。
【0060】
第1の樹脂ワニスを調製する際の撹拌又は混錬は、例えば、撹拌機、らいかい機、3本ロール、ボールミル、ビーズミル、ホモディスパー等を用いて行うことができる。
【0061】
支持フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスルホン、液晶ポリマのフィルム等が挙げられる。支持フィルムの厚さは、例えば、1~250μmであってよい。
【0062】
支持フィルムへ塗工した第1の樹脂ワニスから溶剤を揮発させる際の加熱条件は、使用する溶剤の種類等に合わせて適宜設定することができる。加熱条件は、例えば、40~120℃で0.1~30分間であってよい。
【0063】
第1の金属層3aに第1の樹脂フィルム(第1の樹脂層5a)を貼り付ける方法としては、例えば、加熱プレス、ロールラミネート、真空ラミネート等の方法が挙げられる。ラミネートは、例えば、0~120℃の温度条件下で行うことができる。
【0064】
第1の金属層3a上に第1の樹脂層5aを設ける方法の他の例としては、例えば、第1の樹脂ワニスを第1の金属層3a上に直接塗工し、溶剤を加熱によって揮発させて、第1の樹脂層5aを形成する方法が挙げられる。
【0065】
(工程1C)
第2の金属層3bは、第1の樹脂層5a上に金属箔を配置することによって形成することができる。第2の金属層3bは、第1の樹脂層5a上に真空蒸着、スパッタリング等の物理気相成長(PVD)を実施することによっても形成することができる。
【0066】
第1の樹脂層5a上に金属箔を用いて第2の金属層3bを形成する場合、第1の樹脂層5aは、Bステージ状態であることが好ましい。また、第1の樹脂層5aは、第2の金属層3bを加工する前に、第1の硬化性樹脂組成物を硬化させ、第1の硬化性樹脂組成物の硬化物を多く含み得るCステージ状態とすることが好ましい。
【0067】
第1の樹脂層5a上にPVDを実施することによって第2の金属層3bを形成する場合、第1の樹脂層5aは、Bステージ状態であっても、第1の硬化性樹脂組成物の硬化物を多く含み得るCステージ状態であってもよいが、低分子成分の揮発を抑制する観点から、Cステージ状態であることが好ましい。第1の樹脂層5a中の第1の硬化性樹脂組成物を熱硬化(又は光硬化)させる条件は、上記と同様であってよい。
【0068】
配線形成用部材10Aは、例えば、支持部材1と第1の金属層3aとを含む積層体Aを作製する工程(工程1D)と、第1の樹脂層5aと第2の金属層3bとを含む積層体Bを作製する工程(工程1E)と、積層体Aの第1の金属層3aに積層体Bの第1の樹脂層5aを貼り付ける工程(工程1F)とを備える方法によっても得ることができる。
【0069】
(工程1D)
積層体Aは、工程1Aと同様にして、支持部材1上に第1の金属層3aを形成することによって得ることができる。
【0070】
(工程1E)
積層体Bは、工程1Bと同様にして、支持フィルム上に第1の樹脂フィルム(第1の樹脂層5a)を形成し、工程1Cと同様にして、第1の樹脂層5a上に、第2の金属層3bを形成することによって得ることができる。
【0071】
(工程1F)
配線形成用部材10Aは、積層体Aの第1の金属層3aに積層体Bの第1の樹脂層5aを貼り付けることによって得ることができる。積層体Aの第1の金属層3aに積層体Bの第1の樹脂層5aを貼り付ける方法は、上記の第1の金属層3aに第1の樹脂フィルムを貼り付ける方法と同様であってよい。
【0072】
図1(b)に示される配線形成用部材10Bは、支持部材1と、第2の樹脂層5bと、第1の金属層3aと、第1の樹脂層5aと、第2の金属層3bとをこの順に備える。第2の樹脂層5bは、第2の硬化性樹脂組成物又はその硬化物を含有する。配線形成用部材10Bは、配線形成用部材10Aにおいて、支持部材1と第1の金属層3aとの間に、第2の樹脂層5bをさらに備えるものということができる。
【0073】
第2の樹脂層5bは、第2の硬化性樹脂組成物又はその硬化物を含有する。第2の硬化性樹脂組成物は、熱又は光によって硬化する硬化性樹脂組成物であり得る。すなわち、第2の樹脂層5bは、少なくとも一部が硬化した、半硬化(Bステージ)状態を経て、その後に加熱処理によって硬化(Cステージ)状態となり得るものであってよい。第2の硬化性樹脂組成物は、第1の硬化性樹脂組成物と同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。第2の硬化性樹脂組成物は、一実施形態において、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を含む。このとき、第2の硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤、重合性モノマー、重合開始剤、その他の成分等をさらに含んでいてもよい。第2の硬化性樹脂組成物の各成分としては、第1の硬化性樹脂組成物の各成分と同様のものが例示される。また、第2の硬化性樹脂組成物の各成分の含有量は、第1の硬化性樹脂組成物の各成分の含有量と同様である。したがって、ここでは、重複する説明を省略する。
【0074】
第2の硬化性樹脂組成物又はその硬化物は、第2の樹脂層5bの主成分であり得る。第2の硬化性樹脂組成物及びその硬化物の合計の含有量は、第2の樹脂層5bの総量を基準として、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、又は100質量%であってよい。第2の樹脂層5bは、第2の硬化性樹脂組成物及びその硬化物からなるものであってよい。
【0075】
第2の樹脂層5bの厚さは、光透過性の観点から、例えば、200μm以下であってよい。第2の樹脂層5bの厚さは、1~150μm又は10~100μmであってもよい。
【0076】
支持部材1と第1の金属層3aとの間に第2の樹脂層5bをさらに備える場合、第1の金属層3aは、金属箔を用いて形成される金属層、又は、真空蒸着、スパッタリング等の物理気相成長(PVD)によって形成される金属層であってよく、金属箔を用いて形成される金属層であることが好ましい。
【0077】
金属箔は、赤外光を含む光を吸収して熱を発生する金属からなる金属箔であれば特に制限されない。このような金属箔を構成する金属としては、例えば、銀、金、白金、銅、チタン、ニッケル、モリブデン、クロム、アルミニウム等の単一金属;SUS、ニクロム、ジュラルミン、青銅、白銅、黄銅、鋼等の合金などが挙げられる。金属箔を構成する金属は、高膨張係数、高熱伝導等の観点から、銀、金、白金、銅、チタン、ニッケル、モリブデン、クロム、及びアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種であってよく、銅であってもよい。
【0078】
第1の金属層3aが金属箔を用いて形成される金属層である場合、第1の金属層3aの厚さは、取扱性の観点から、1~40μm、3~35μm、又は5~30μmであってよい。第1の金属層3aがPVDによって形成される金属層である場合、第1の金属層3aの厚さは、取扱性の観点から、1~5000nm(0.001~5μm)又は50~3000nm(0.05~3μm)であってよい。
【0079】
図1(b)に示される配線形成用部材10Bの製造方法は、所定の構成を有する部材を得ることができるのであれば特に制限されない。配線形成用部材10Bは、例えば、支持部材1上に第2の樹脂層5bを設ける工程(工程2A)と、第2の樹脂層5b上に第1の金属層3aを設ける工程(工程2B)と、第1の金属層3a上に第1の樹脂層5aを設ける工程(工程2C)と、第1の樹脂層5a上に第2の金属層3bを設ける工程(工程2D)とを備える方法によって得ることができる。
【0080】
(工程2A)
支持部材1上に第2の樹脂層5bを設ける方法としては、上記の工程1Bと同様にして、第2の硬化性樹脂組成物を含有する第2の樹脂ワニスを調製し、第2の樹脂フィルムを形成する。次いで、支持部材1に、得られた第2の樹脂フィルム(第2の樹脂層5b)を貼り付けることによって、第2の樹脂層5bを設けることができる。第2の樹脂フィルムの厚さは、上記の第2の樹脂層5bの厚さと同様であってよい。支持部材1上に第2の樹脂層5bを設ける方法の他の例としては、例えば、第2の樹脂ワニスを支持部材1上に直接塗工し、溶剤を加熱によって揮発させて、第2の樹脂層5bを形成する方法が挙げられる。
【0081】
(工程2B)
第1の金属層3aは、第2の樹脂層5b上に金属箔を配置することによって形成することができる。第1の金属層3aは、第2の樹脂層5b上に真空蒸着、スパッタリング等の物理気相成長(PVD)を実施することによっても形成することができる。
【0082】
第2の樹脂層5b上に金属箔を配置する方法は、第1の樹脂層5a上に金属箔を配置する方法と同様であってよい。金属箔を配置する場合、第2の樹脂層5bは、Bステージ状態であることが好ましい。また、第2の樹脂層5bは、第2の金属層3bを加工する前に、第2の硬化性樹脂組成物を硬化させ、第2の硬化性樹脂組成物の硬化物を多く含み得るCステージ状態とすることが好ましい。第2の硬化性樹脂組成物を硬化させる場合、第1の硬化性樹脂組成物も硬化し得ることから、第2の樹脂層5bがCステージ状態である場合は、第1の樹脂層5aもCステージ状態であり得る。熱硬化の条件は、上記と同様であってよい。
【0083】
第2の樹脂層5b上にPVDを実施することによって第1の金属層3aを形成する場合、第2の樹脂層5bは、Bステージ状態であっても、第2の硬化性樹脂組成物の硬化物を多く含み得るCステージ状態であってもよいが、低分子成分の揮発を抑制する観点から、Cステージ状態であることが好ましい。第2の樹脂層5b中の第2の硬化性樹脂組成物を熱硬化(又は光硬化)させる条件は、上記と同様であってよい。
【0084】
(工程2C)
第1の金属層3a上に第1の樹脂層5aを設ける方法は、上記の工程1Bと同様であってよい。
【0085】
(工程2D)
第2の金属層3bは、工程1Cと同様にして、第1の樹脂層5a上に形成することができる。
【0086】
図2は、配線形成用積層フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。図2に示される配線形成用積層フィルム20は、第1の金属層3aと、第1の金属層3aの一方の面上に設けられた、第1の硬化性樹脂組成物を含有する第1の硬化性樹脂層7aと、第1の金属層3aの他の一方の面上に設けられた、第2の硬化性樹脂組成物を含有する第2の硬化性樹脂層7bと、第1の硬化性樹脂層7aの第1の金属層3aとは反対側の面上に設けられた第2の金属層3bとを備える。配線形成用積層フィルム20は、第2の硬化性樹脂層7bと、第1の金属層3aと、第1の硬化性樹脂層7aと、第2の金属層3bとをこの順に備える。第1の硬化性樹脂層7aに含有される第1の硬化性樹脂組成物は、第1の樹脂層5aに含有される第1の硬化性樹脂組成物と同一であり、第2の硬化性樹脂層7bに含有される第2の硬化性樹脂組成物は、第2の樹脂層5bに含有される第2の硬化性樹脂組成物と同一である。
【0087】
配線形成用部材10Bは、例えば、配線形成用積層フィルム20を作製する工程(工程2E)と、支持部材1に配線形成用積層フィルム20の第2の硬化性樹脂層7bを貼り付ける工程(工程2F)とを備える方法によっても得ることができる。
【0088】
(工程2E)
配線形成用積層フィルム20は、例えば、工程2Aと同様にして、支持フィルム上に第2の硬化性樹脂層7bを形成し、工程2Bと同様にして、第2の硬化性樹脂層7b上に第1の金属層3aを形成し、工程2Cと同様にして、第1の金属層3a上に第1の硬化性樹脂層7aを形成し、さらに第1の硬化性樹脂層7a上に第1の金属層3aを形成することによって得ることができる。
【0089】
(工程2F)
配線形成用部材10Bは、支持部材1に配線形成用積層フィルム20の第2の硬化性樹脂層7bを貼り付けることによって得ることができる。支持部材1に配線形成用積層フィルム20の第2の硬化性樹脂層7bを貼り付ける方法は、上記の第1の金属層3aに第1の樹脂フィルムを貼り付ける方法と同様であってよい。
【0090】
このようにして、配線形成用部材10A,10Bを得ることができる。配線形成用部材10A,10Bにおいて、第1の樹脂層5aは、第1の硬化性樹脂組成物の硬化物を含有することが好ましく、第2の樹脂層5bは、第2の硬化性樹脂組成物の硬化物を含有することが好ましい。すなわち、第1の樹脂層5a及び第2の樹脂層5bは、Cステージ状態にあることが好ましい。
【0091】
このような配線形成用部材10A,10Bによれば、パッケージ(配線層付き半導体部材)の製造プロセスに好適に使用することが可能であり、支持部材側から少なくとも赤外光を含む光を照射することによって、支持部材と配線層付き半導体部材とを容易に分離することが可能となる。
【0092】
[半導体装置の製造方法]
図3及び図4は、半導体装置の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。半導体装置の製造方法の一実施形態は、上記の配線形成用部材10Bを準備する工程(工程3A、図3(a)参照)と、第2の金属層3bを加工して配線層11を形成する工程(工程3B、図3(b)参照)と、配線層11上に半導体部材15を配置し、配線層付き半導体部材30を備える積層体40を作製する工程(工程3C、図3(c)参照)と、積層体40の第1の金属層3aに対して支持部材1側から少なくとも赤外光を含む光Aを照射して、支持部材1と配線層付き半導体部材30とを分離する工程(工程3D、図4(a)、(b)参照)とを備える。
【0093】
(工程3A)
本工程では、上記の配線形成用部材を準備する。以下では、主に、配線形成用部材10Bを用いた態様について詳細に説明する。
【0094】
(工程3B)
本工程では、第2の金属層3bを加工して配線層11を形成する。第2の金属層3bを加工して配線層11を形成する方法としては、例えば、サブトラクティブ法(エッチング法)等が挙げられる。
【0095】
サブトラクティブ法は、金属層上に、所望のパターン形状に対応した形状のエッチングレジスト層を形成し、その後の現像処理によって、レジストの除去された部分の金属層を薬液で溶解して除去することによって、所望の回路を有する配線層を形成する方法である。第2の金属層3bを加工して配線層11を形成する方法としてサブトラクティブ法を適用する場合、従来公知のレジスト、薬液等を使用することができる。また、サブトラクティブ法を適用する場合、第2の金属層3bは、金属箔を用いて形成される金属層であってよい。
【0096】
(工程3C)
本工程では、配線層11上に半導体部材15を配置し、配線層付き半導体部材30を備える積層体40を作製する。半導体部材15としては、例えば、半導体ウェハ、半導体ウェハを分割して得られる半導体チップ等が挙げられる。配線層11上に配置される半導体部材15の数は、1個であってもよく、複数であってもよい。半導体部材15の厚さは、半導体装置の小型化、薄型化に加えて、搬送時、加工工程等の際の割れ抑制の観点から、1~1000μm、10~500μm、又は20~200μmであってよい。
【0097】
半導体部材15を配線層11上に配置する場合、半導体部材15が配置される面における配線層11が形成されていない部分には、絶縁層13が形成されていてもよい。
【0098】
半導体部材15は、配線層11上に配置した後に所望の加工が実施されてもよい。半導体部材の加工は、例えば、半導体ウェハ又は半導体チップの薄化、半導体部材の分割(ダイシング)、貫通電極の形成、エッチング処理、めっきリフロー処理、スパッタリング処理、又はこれらの組み合わせを含むことができる。加工された半導体部材は、封止層で封止されていてもよい。封止層は、半導体部材(半導体装置)の製造のために通常用いられる封止材を用いて形成することができる。封止層を形成した後、封止層及び配線層を、半導体部材を1個ずつ含む複数の部分に分割してもよい。
【0099】
(工程3D)
本工程では、積層体40の第1の金属層3aに対して支持部材1側から少なくとも赤外光を含む光Aを照射して、支持部材1と配線層付き半導体部材30とを分離する。光Aの照射によって、第1の金属層3aが光を吸収して熱を瞬間的に発生する。発生した熱によって、第1の樹脂層5aの溶融、支持部材1と配線層付き半導体部材30との間に生じる熱応力等が発生し得る。これらの現象が主な原因となって、例えば、界面剥離(例えば、第1の金属層3aと第1の樹脂層5aとの界面における界面剥離)、凝集剥離(例えば、第1の樹脂層5aにおける凝集剥離)などが発生して、支持部材1と配線層付き半導体部材30とを分離し得る。支持部材1と配線層付き半導体部材30とを分離するために、光Aの照射とともに、配線層付き半導体部材30に対して応力をわずかに加えてもよい。
【0100】
光Aは、少なくとも赤外光を含む。赤外光の波長は、通常、700nm~1mmである。
【0101】
光Aは、コヒーレント光であってよい。コヒーレント光は、可干渉性が高い、指向性が高い、単色性が高いといった性質を有する電磁波である。コヒーレント光は、同一波長で同位相の光が互いに強め合って合成されるため、強度が高い傾向を有する。レーザー光は、一般にコヒーレント光である。レーザー光は、YAGレーザー、ファイバレーザー、半導体レーザー、ヘリウムーネオンレーザー、アルゴンレーザー、エキシマレーザー等が挙げられる。レーザー光の波長は、1300nm以下であってもよい。波長が1300nm以下であることにより、支持部材1の光吸収が抑制され、かつ、第1の金属層3aの光吸収が高くなるため、より低い光照射エネルギーではく離することが可能である。コヒーレント光は、パルス光であってもよい。
【0102】
光Aは、インコヒーレント光であってよい。インコヒーレント光は、コヒーレントでない光であり、干渉縞が発生しない、可干渉性が低い、指向性が低いといった性質を有する電磁波である。インコヒーレント光は、光路長が長くなるほど、減衰する傾向を有する。太陽光、蛍光灯の光等の光は、インコヒーレント光である。インコヒーレント光は、レーザー光を除く光ということもできる。インコヒーレント光の照射面積は、一般にコヒーレント光(すなわち、レーザー光)よりも圧倒的に広いため、照射回数を少なくすることが可能である。例えば、1回の照射により、複数の配線層付き半導体部材30の分離を生じさせ得る。インコヒーレント光は、パルス光であってもよい。
【0103】
光の光源は、特に制限されないが、キセノンランプであってよい。キセノンランプは、キセノンガスを封入した発光管での印加・放電による発光を利用したランプである。キセノンランプは、電離及び励起を繰り返しながら放電するため、紫外光領域から赤外光領域までの連続波長を安定的に有する。キセノンランプは、メタルハライドランプ等のランプと比較して始動に要する時間が短いため、工程に係る時間を大幅に短縮することができる。また、発光には、高電圧を印加する必要があるため、高熱が瞬間的に生じるが、冷却時間が短く、連続的な作業が可能な点でも、キセノンランプは有利である。
【0104】
配線層付き半導体部材30の配線層11上には、第1の樹脂層5aの全部又は一部が残渣として付着することがある。付着した残さは、図4(c)に示されるように除去される。付着した残さは、例えば、ピールにより剥離されてもよいし、溶剤で洗浄することにより除去されてもよい。溶剤としては、エタノール、メタノール、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン等が挙げられる。付着した残さの除去のために、配線層付き半導体部材30を溶剤に浸漬させてもよいし、超音波洗浄を行ってもよい。また、付着した残さの除去のために、必要に応じて、100℃以下程度の低温で配線層付き半導体部材30を加熱してもよい。
【0105】
このようにして、配線層付き半導体部材30(半導体装置50)を得ることができる。配線層付き半導体部材30には、例えば、図4(d)に示されるように、配線層付き半導体部材30の配線層11上にはんだボール17が設けられていてもよい。
【0106】
半導体装置の製造方法の他の実施形態は、上記の配線形成用部材10Bを準備する工程(工程4A、図5(a)参照)と、第2の金属層3b上に配線層12を形成する工程(工程4B、図5(b)参照)と、配線層12上に半導体部材15を配置し、配線層付き半導体部材60を備える積層体70を作製する工程(工程4C、図5(c)参照)と、積層体70の第1の金属層3aに対して支持部材1側から少なくとも赤外光を含む光Aを照射して、支持部材1と配線層付き半導体部材60とを分離する工程(工程4D、図6(a)、(b)参照)とを備える。
【0107】
(工程4A)
本工程では、上記の配線形成用部材を準備する。以下では、主に、配線形成用部材10Bを用いた態様について詳細に説明する。
【0108】
(工程4B)
本工程では、第2の金属層3b上に配線層12を形成する。第2の金属層3b上に配線層12を形成する方法としては、例えば、セミアディティブ法等が挙げられる。
【0109】
セミアディティブ法は、金属層上に所望のパターンに対応した形状のめっきレジスト層を形成し、次いで、電解めっき法によって配線層を形成した後、レジスト層を除去することによって、所望の回路を有する配線層を形成する方法である。不要な金属層は、薬液等を用いてもよいし、配線層付き半導体部材を作製した後に除去してもよい。第2の金属層3b上に配線層12を形成する方法としてセミアディティブ法を適用する場合、従来公知のレジスト、薬液等を使用することができる。また、セミアディティブ法を適用する場合、第2の金属層3bは、PVDによって形成される金属層であってよい。
【0110】
(工程4C)
本工程では、配線層12上に半導体部材15を配置し、配線層付き半導体部材60を備える積層体70を作製する。本工程は、工程3Cと同様であることから、重複する説明を省略する。
【0111】
(工程4D)
本工程では、積層体70の第1の金属層3aに対して支持部材1側から少なくとも赤外光を含む光Aを照射して、支持部材1と配線層付き半導体部材60とを分離する。本工程は、工程3Dと同様であることから、重複する説明を省略する。
【0112】
配線層付き半導体部材60の配線層12上には、第2の金属層3bが付着することがある。第2の金属層3bは、図6(d)に示されるように除去される。第2の金属層3bは、例えば、薬液;プラズマ等によるエッチングなどにより除去されてもよい。
【0113】
このようにして、配線層付き半導体部材60(半導体装置80)を得ることができる。配線層付き半導体部材60には、例えば、図6(e)に示されるように、配線層付き半導体部材60の配線層12上にはんだボール17が設けられていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本開示の配線形成用部材は、配線層付き半導体部材の製造プロセスに使用することが可能であり、支持部材と配線層付き半導体部材とを容易に分離することが可能となる。また、本開示によれば、このような配線形成用部材を形成するために有用な配線形成用積層フィルムを提供することができる。さらに、本開示によれば、このような配線形成用部材を用いた半導体装置の製造方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0115】
1…支持部材、3a…第1の金属層、3b…第2の金属層、5a…第1の樹脂層、5b…第2の樹脂層、7a…第1の硬化性樹脂層、7b…第2の硬化性樹脂層、10A,10B…配線形成用部材、11,12…配線層、13…絶縁層、15…半導体部材、17…はんだボール、20…配線形成用積層フィルム、30,60…配線層付き半導体部材、40,70…積層体、50,80…半導体装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6