(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170475
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】測定システム、測定器および測定方法
(51)【国際特許分類】
G01B 7/00 20060101AFI20231124BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
G01B7/00 102C
H01L21/68 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082269
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(74)【代理人】
【識別番号】100140682
【弁理士】
【氏名又は名称】妙摩 貞茂
(72)【発明者】
【氏名】畑中 貴之
(72)【発明者】
【氏名】横山 公宏
(72)【発明者】
【氏名】網倉 紀彦
【テーマコード(参考)】
2F063
5F131
【Fターム(参考)】
2F063AA03
2F063BA26
2F063BB06
2F063BC06
2F063DA01
2F063DA05
2F063HA01
5F131AA02
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5F131CA18
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5F131DB22
5F131DB43
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5F131HA09
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5F131KA12
5F131KA23
5F131KA34
5F131KA47
5F131KA52
5F131KB05
5F131KB53
5F131KB55
(57)【要約】
【課題】搬送対象の搬送位置のずれ量を表す静電容量を簡便に測定する技術を提供する。
【解決手段】例示的実施形態に係る測定システムは、測定器と測定器を搬送する搬送フォークとの間の静電容量を表す測定値を取得する。搬送フォークは、ターゲット電極を含む。測定器は、ベース基板に設けられた第1センサを備える。第1センサは、中心電極と周辺電極とを含む。中心電極は、ターゲット電極との距離を反映する静電容量を取得する。周辺電極は、中心電極の周囲に配置され、搬送フォークの備えるターゲット電極に対する水平方向におけるずれ量を反映する静電容量を取得する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定器と前記測定器を搬送する第1対象物との間の静電容量を表す測定値を取得する測定システムであって、
前記第1対象物は、前記測定器が載置される本体と、前記本体に設けられたターゲット電極と、を含み、
前記測定器は、
円盤形状を有するベース基板と、
前記ベース基板の底面に沿って設けられた第1センサと、
前記ベース基板上に搭載されており、前記第1センサに接続された回路基板と、を備え、
前記第1センサは、
前記ターゲット電極との距離を反映する静電容量を取得する中心電極と、
前記中心電極の周囲に配置され、前記第1対象物の備える前記ターゲット電極に対する水平方向におけるずれ量を反映する静電容量を取得する周辺電極と、を備える、測定システム。
【請求項2】
前記中心電極は、前記ターゲット電極よりも小さい面積を有する、請求項1に記載の測定システム。
【請求項3】
前記周辺電極は、前記中心電極の周囲に3つ以上配置されている、請求項1に記載の測定システム。
【請求項4】
前記第1対象物は、半導体処理システムに設けられた被加工物を搬送するための搬送フォークである、請求項1に記載の測定システム。
【請求項5】
前記第1対象物は、半導体処理システムに設けられた被加工物を搬送するための第1の搬送フォーク及び第2の搬送フォークであり、
前記第1の搬送フォークは、上向きに突出した第1のパッドを有し、
前記第2の搬送フォークは、上向きに突出した第2のパッドを有し、
前記測定器は、前記第1のパッドに支持されることにより、前記第1の搬送フォークに載置され、前記第2のパッドに支持されることにより、前記第2の搬送フォークに載置され、
前記第1のパッドの厚さと前記第2のパッドの厚さとは互いに異なる、請求項1に記載の測定システム。
【請求項6】
前記測定器は、第2対象物との間の静電容量を表す測定値を取得するために、前記ベース基板のエッジに沿って配列された複数の第2センサをさらに有し、
前記第2対象物は、平面視において円形状をなす載置面を有し、
前記載置面の中心と前記ベース基板の中心とが一致するように前記ベース基板が前記載置面に載置されたとき、前記載置面の外周縁は前記複数の第2センサに対面する、請求項1に記載の測定システム。
【請求項7】
前記第2対象物は、半導体処理システムに設けられたアライナ又はロードロックモジュールの基台である、請求項6に記載の測定システム。
【請求項8】
対象物との間の静電容量を表す測定値を取得する測定器であって、
前記対象物は、前記測定器を搬送するために前記測定器が載置される本体と、前記本体に設けられた電極と、を含み、
前記測定器は、
円盤形状を有するベース基板と、
前記ベース基板の底面に沿って設けられたセンサと、
前記ベース基板上に搭載されており、前記センサに接続された回路基板と、を備え、
前記センサは、
前記対象物の備える前記電極よりも小さい面積を有し、前記電極との距離を反映する静電容量を取得する中心電極と、
前記中心電極の周囲に配置され、前記対象物の備える前記電極に対する水平方向におけるずれ量を反映する静電容量を取得する3つ以上の周辺電極と、を備える、測定器。
【請求項9】
測定器と対象物との間の静電容量を表す測定値を取得する測定方法であって、
前記対象物は、前記測定器を搬送するために前記測定器が載置される本体と、前記本体に設けられたターゲット電極と、を含み、
前記測定器は、
円盤形状を有するベース基板と、
前記ベース基板の底面に沿って設けられたセンサと、
前記ベース基板上に搭載されており、前記センサに接続された回路基板と、を備え、
前記センサは、
前記対象物の備える前記ターゲット電極よりも小さい面積を有し、前記ターゲット電極との距離を反映する静電容量を取得する中心電極と、
前記中心電極の周囲に配置され、前記対象物の備える前記ターゲット電極に対する水平方向におけるずれ量を反映する静電容量を取得する3つ以上の周辺電極と、を備え、
該方法は、
前記対象物の上に前記測定器が載置されるように前記対象物が前記測定器を保持する工程と、
前記対象物の上に前記測定器が載置された状態で、前記中心電極及び前記3つ以上の周辺電極に高周波信号を与えることによって、前記中心電極及び前記3つ以上の周辺電極における電圧振幅のそれぞれから静電容量を表す複数の測定値を取得する工程と、
を含む、測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的実施形態は、測定システム、測定器および測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ウエハ移載装置の搬送位置の較正を行うためのティーチング治具が開示されている。このティーチング治具は、第1のプレートと、第2のプレートとを有する。第1のプレートは、基板を保持する基板保持具に対する前後方向の基板載置位置を決定する。第1プレートには、ターゲットピンが設けられている。第2のプレートは、第1のプレートに対して直交するとともに前後方向に移動自在に設けられ、基板保持具に対する左右方向の基板載置位置を決定する。ウエハ移載装置の搬送位置は、作業者によって位置決めされたティーチング治具を基準として較正される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、搬送対象の搬送位置のずれ量を表す静電容量を簡便に測定する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの例示的実施形態においては、測定器と測定器を搬送する第1対象物との間の静電容量を表す測定値を取得する測定システムが提供される。第1対象物は、測定器が載置される本体と、本体に設けられたターゲット電極と、を含む。測定器は、円盤形状を有するベース基板と、ベース基板の底面に沿って設けられた第1センサと、ベース基板上に搭載されており、第1センサに接続された回路基板と、を備える。第1センサは、中心電極と周辺電極とを含む。中心電極は、ターゲット電極との距離を反映する静電容量を取得する。周辺電極は、中心電極の周囲に配置され、第1対象物の備えるターゲット電極に対する水平方向におけるずれ量を反映する静電容量を取得する。
【発明の効果】
【0006】
一つの例示的実施形態に係る測定システムによれば、搬送対象の搬送位置のずれ量を表す静電容量を簡便に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】搬送フォークを説明するための模式図である。
【
図3】搬送フォークを説明するための模式図である。
【
図4】一例の測定器を上面側から見て示す平面図である。
【
図5】一例の測定器を底面側から見て示す平面図である。
【
図8】測定器の回路基板の構成を例示する図である。
【
図10】測定システムの動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、種々の例示的実施形態について説明する。
【0009】
一つの例示的実施形態においては、測定器と測定器を搬送する第1対象物との間の静電容量を表す測定値を取得する測定システムが提供される。第1対象物は、測定器が載置される本体と、本体に設けられたターゲット電極と、を含む。測定器は、円盤形状を有するベース基板と、ベース基板の底面に沿って設けられた第1センサと、ベース基板上に搭載されており、第1センサに接続された回路基板と、を備える。第1センサは、中心電極と周辺電極とを含む。中心電極は、ターゲット電極との距離を反映する静電容量を取得する。周辺電極は、中心電極の周囲に配置され、第1対象物の備えるターゲット電極に対する水平方向におけるずれ量を反映する静電容量を取得する。
【0010】
この測定システムでは、第1対象物に測定器が載置された状態で、第1対象物によって測定器が搬送される。測定器の第1センサと第1対象物のターゲット電極とが対面している場合、第1センサとターゲット電極との間の静電容量が測定器によって取得される。第1センサの周辺電極によって取得される静電容量は、ターゲット電極に対する第1センサの水平方向におけるずれ量を反映するため、搬送対象である測定器のずれ量を取得することができる。したがって、第1対象物によって測定器を搬送することにより、搬送対象である測定器の位置ずれを簡便に測定することができる。
【0011】
一つの例示的実施形態において、中心電極は、ターゲット電極よりも小さい面積を有してもよい。この構成では、ターゲット電極に対して中心電極が重複する範囲では、一定の静電容量を示す。すなわち、中心電極によって取得される静電容量が所定の範囲内である場合には、第1対象物に対して測定器が正常に載置されていると見做すことができる。
【0012】
一つの例示的実施形態において、周辺電極は、中心電極の周囲に3つ以上配置されてもよい。この構成では、ターゲット電極に対するずれ量を複数の軸方向を基準として測定できる。
【0013】
一つの例示的実施形態において、第1対象物は、半導体処理システムに設けられた被加工物を搬送するための搬送フォークである。
【0014】
一つの例示的実施形態において、第1対象物は、半導体処理システムに設けられた被加工物を搬送するための第1の搬送フォーク及び第2の搬送フォークである。第1の搬送フォークは、上向きに突出した第1のパッドを有する。第2の搬送フォークは、上向きに突出した第2のパッドを有する。測定器は、第1のパッドに支持されることにより、第1の搬送フォークに載置され、第2のパッドに支持されることにより、第2の搬送フォークに載置される。第1のパッドの厚さと第2のパッドの厚さとは互いに異なる。この構成では、中心電極によって取得される静電容量に基づいて、測定器が第1の搬送フォークと第2の搬送フォークとのいずれに載置されているのを判定することができる。
【0015】
一つの例示的実施形態において、測定器は、第2対象物との間の静電容量を表す測定値を取得するために、ベース基板のエッジに沿って配列された複数の第2センサをさらに有する。第2対象物は、平面視において円形状をなす載置面を有し、載置面の中心とベース基板の中心とが一致するようにベース基板が載置面に載置されたとき、載置面の外周縁は複数の第2センサに対面する。この構成では、第1対象物によって測定器が第2対象物の上に載置された際に、測定器によって第2対象物と測定器との位置関係を示す静電容量を取得できる。
【0016】
一つの例示的実施形態において、第2対象物は、半導体処理システムに設けられたアライナ又はロードロックモジュールの基台である。
【0017】
一つの例示的実施形態においては、対象物との間の静電容量を表す測定値を取得する測定器が提供される。対象物は、測定器が載置される本体と、本体に設けられた電極と、を含む。測定器は、円盤形状を有するベース基板と、ベース基板の底面に沿って設けられたセンサと、ベース基板上に搭載されており、センサに接続された回路基板と、を備える。センサは、中心電極と3以上の周辺電極とを含む。中心電極は、対象物の備える電極よりも小さい面積を有し、電極との距離を反映する静電容量を取得する。3以上の周辺電極は、中心電極の周囲に配置され、第1対象物の備える電極に対する水平方向におけるずれ量を反映する静電容量を取得する。
【0018】
一つの例示的実施形態においては、測定器と対象物との間の静電容量を表す測定値を取得する測定方法が提供される。対象物は、測定器が載置される本体と、本体に設けられたターゲット電極と、を含む。測定器は、円盤形状を有するベース基板と、ベース基板の底面に沿って設けられたセンサと、ベース基板上に搭載されており、センサに接続された回路基板と、を備える、センサは、中心電極と3以上の周辺電極とを含む。中心電極は、対象物の備える電極よりも小さい面積を有し、電極との距離を反映する静電容量を取得する。3以上の周辺電極は、中心電極の周囲に配置され、第1対象物の備える電極に対する水平方向におけるずれ量を反映する静電容量を取得する。該方法は、対象物の上に測定器が載置されるように対象物が測定器を保持する工程を含む。また、該方法は、中心電極及び3つ以上の周辺電極に高周波信号を与えることによって、中心電極及び3つ以上の周辺電極における電圧振幅のそれぞれから静電容量を表す複数の測定値を取得する工程と、を含む。
【0019】
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0020】
一つの例示的実施形態に係る測定器は、搬送システムS1としての機能を有する処理システム1によって搬送され得る。まず、被加工物を処理するための処理装置、及び、当該処理装置に被処理体を搬送するための搬送装置を有する処理システムについて説明する。
図1は、処理システムを例示する図である。処理システム1は、台2a~2d、容器4a~4d、ローダモジュールLM、アライナAN、ロードロックモジュールLL1,LL2、プロセスモジュールPM1~PM6、トランスファーモジュールTF及び制御部MCを備えている。なお、台2a~2dの個数、容器4a~4dの個数、ロードロックモジュールLL1,LL2の個数、及び、プロセスモジュールPM1~PM6の個数は限定されるものではなく、一以上の任意の個数であり得る。
【0021】
台2a~2dは、ローダモジュールLMの一縁に沿って配列されている。容器4a~4dはそれぞれ、台2a~2d上に搭載されている。容器4a~4dの各々は、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)と称される容器である。容器4a~4dのそれぞれは、被加工物Wを収容するように構成され得る。被加工物Wは、ウエハのように略円盤形状を有する。
【0022】
ローダモジュールLMは、大気圧状態の搬送空間をその内部に画成するチャンバ壁を有している。この搬送空間内には搬送装置TU1が設けられている。搬送装置TU1は、例えば、搬送フォーク(第1対象物)8を有する多関節ロボットを含んでおり、制御部MCによって制御される。搬送装置TU1は、容器4a~4dとアライナANとの間、アライナANとロードロックモジュールLL1~LL2の間、ロードロックモジュールLL1~LL2と容器4a~4dの間で被加工物Wを搬送するように構成されている。
【0023】
搬送装置TU1の搬送フォーク8は、多関節ロボットを構成するロボットアームの先端に設けられている。
図2は、搬送フォーク8を説明するための平面模式図である。
図2に示すように、搬送フォーク8は、ロボットアームに接続される基端部81と、基端部81から二股に分かれて先端側に延びる一対の爪部82と、を含む。搬送フォーク8の上面8aは、平坦に形成されていてよい。上面8aには、上向きに突出したパッド部85が設けられている。例えば、被加工物Wは、所定の厚みを有するパッド部85によって支持される。搬送フォーク8及びパッド部85は、例えば、樹脂によって形成されている。
【0024】
一例のパッド部85は、複数のパッド85a,85b,85c,85dを含む。例えば、パッド85a,85bは、搬送フォーク8の基端部81に設けられ、パッド85c,85dは、爪部82に設けられている。また、搬送フォーク8には、ターゲット電極87が設けられている。ターゲット電極87は、搬送フォーク8に埋設されていてもよい。一例のターゲット電極87は、円板状を呈する金属部材であってよい。図示例のターゲット電極87は、平面視において、基端部81に設けられている。ターゲット電極87は、一対の爪部82のうちの一方(図示例では、左側の爪部)に近い位置に設けられてもよい。
【0025】
アライナANは、ローダモジュールLMと接続されている。アライナANは、被加工物Wの位置の調整(位置の較正)を行うように構成されている。アライナANは、支持台6を有している。支持台6は、鉛直方向に延びる軸線中心に回転可能な台である。支持台6の上面である載置面6aは、被加工物Wを支持するように構成されている。支持台6は、制御部MCによって制御される駆動装置によって回転可能に構成されている。支持台6の載置面6aは、平面視において円形状をなしている。載置面6aの直径は、被加工物Wの直径よりも小さくてよい。例えば、支持台6は、金属材料によって形成されている。
【0026】
一例において、アライナANは、載置された被加工物Wが回転されている間、被加工物Wのエッジを検出する光学センサを有してもよい。光学センサは、エッジの検出結果から、基準角度位置に対する被加工物Wのノッチの角度位置のずれ量、及び、基準位置に対する被加工物Wの中心位置のずれ量を検出する。例えば、制御部MCは、ノッチの角度位置のずれ量に基づき、ノッチの角度位置を基準角度位置に補正するための支持台6の回転量を算出する。これにより、ノッチの角度位置を基準角度位置に補正することができる。また、制御部MCは、アライナANから被加工物Wを受け取る際の搬送装置TU1の搬送フォーク8の位置を、被加工物Wの中心位置のずれ量に基づき、制御してもよい。これにより、搬送装置TU1のエンドエフェクタ上の所定位置に被加工物Wの中心位置が一致する。
【0027】
ロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2の各々は、ローダモジュールLMとトランスファーモジュールTFとの間に設けられている。ロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2の各々は、予備減圧室を提供している。ロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2のそれぞれには、載置台7が設けられている。載置台7の上面である載置面7aは、被加工物Wを支持するように構成されている。載置台7の載置面7aは、平面視において円形状をなしている。載置面7aの直径は、被加工物Wの直径よりも小さくてよい。一例において、載置面7aの直径は、アライナANの載置面6aの直径と同じであってもよい。例えば、載置台7は、金属材料によって形成されている。
【0028】
トランスファーモジュールTFは、ロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2にゲートバルブを介して気密に接続されている。トランスファーモジュールTFは、減圧可能な減圧室を提供している。この減圧室には、搬送装置TU2が設けられている。搬送装置TU2は、例えば、搬送フォーク9を有する多関節ロボットを含んでおり、制御部MCによって制御される。搬送装置TU2は、ロードロックモジュールLL1~LL2とプロセスモジュールPM1~PM6との間、及び、プロセスモジュールPM1~PM6のうち任意の二つのプロセスモジュール間において、被加工物Wを搬送するように構成されている。
【0029】
搬送装置TU2の搬送フォーク9は、多関節ロボットを構成するロボットアームの先端に設けられている。
図4は、搬送フォーク9を説明するための平面模式図である。
図3に示すように、搬送フォーク9は、ロボットアームに接続される基端部91と、基端部91から二股に分かれて先端側に延びる一対の爪部92と、を含む。搬送フォーク9の上面9aは、平坦に形成されていてよい。上面9aには、上向きに突出したパッド部95が設けられている。例えば、被加工物Wは、パッド部95によって支持される。パッド部95の厚みは、搬送フォーク8に設けられたパッド部85の厚みと異なっている。すなわち、パッド部95の厚みは、パッド部85の厚みよりも大きい又は小さい。搬送フォーク9及びパッド部95は、例えば樹脂によって形成されている。
【0030】
一例のパッド部95は、複数のパッド95a,95b,95c,95dを含む。例えば、パッド95a,95bは、搬送フォーク9の基端部91に設けられ、パッド95c,95dは、爪部92に設けられている。また、搬送フォーク9は、ターゲット電極97を含む。ターゲット電極97は、搬送フォーク9に埋設されていてもよい。一例のターゲット電極97は、円板状を呈する金属部材であってよい。ターゲット電極97とターゲット電極87とは、互いに同じ形状且つ同じサイズであってよい。図示例のターゲット電極97は、平面視において、基端部91に設けられている。ターゲット電極97は、一対の爪部92のうちの一方(図示例では、左側の爪部)に近い位置に設けられてもよい。
【0031】
プロセスモジュールPM1~PM6は、トランスファーモジュールTFにゲートバルブを介して気密に接続されている。プロセスモジュールPM1~PM6の各々は、被加工物Wに対してプラズマ処理といった専用の処理を行うよう構成された処理装置である。
【0032】
この処理システム1において被加工物Wの処理が行われる際の一連の動作は以下の通り例示される。ローダモジュールLMの搬送装置TU1が、容器4a~4dの何れかから被加工物Wを取り出し、当該被加工物WをアライナANに搬送する。次いで、搬送装置TU1は、その位置が調整された被加工物WをアライナANから取り出して、当該被加工物WをロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2のうち一方のロードロックモジュールに搬送する。次いで、一方のロードロックモジュールが、予備減圧室の圧力を所定の圧力に減圧する。次いで、トランスファーモジュールTFの搬送装置TU2が、一方のロードロックモジュールから被加工物Wを取り出し、当該被加工物WをプロセスモジュールPM1~PM6のうち何れかに搬送する。そして、プロセスモジュールPM1~PM6のうち一以上のプロセスモジュールが被加工物Wを処理する。そして、搬送装置TU2が、処理後の被加工物WをプロセスモジュールからロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2のうち一方のロードロックモジュールに搬送する。次いで、搬送装置TU1が被加工物Wを一方のロードロックモジュールから容器4a~4dの何れかに搬送する。
【0033】
この処理システム1は、上述したように制御部MCを備えている。制御部MCは、プロセッサ、メモリといった記憶装置、表示装置、入出力装置、通信装置等を備えるコンピュータであり得る。上述した処理システム1の一連の動作は、記憶装置に記憶されたプログラムに従った制御部MCによる処理システム1の各部の制御により、実現されるようになっている。
【0034】
以下、測定器について説明する。
図4は、測定器を上面側から見て示す平面図である。
図5は、測定器を底面側から見て示す平面図である。
図4及び
図5に示す測定器100は、ベース基板102を備えている。ベース基板102は、例えば、シリコンから形成されており、被加工物Wの形状と同様の形状、即ち略円盤形状を有している。ベース基板102の直径は、被加工物Wの直径と同様の直径であり、例えば、300mmである。測定器100の形状及び寸法は、このベース基板102の形状及び寸法によって規定される。したがって、測定器100は、被加工物Wの形状と同様の形状を有し、且つ、被加工物Wの寸法と同様の寸法を有する。また、ベース基板102のエッジには、ノッチ102Nが形成されている。
【0035】
ベース基板102には、静電容量測定用の第1センサ104が設けられている。第1センサ104は、ベース基板102の底面に設けられている。図示例の第1センサ104は、ベース基板102の底面において、中心からずれた位置に設けられている。第1センサ04の電極面は、ベース基板102の底面に沿っている。
【0036】
また、ベース基板102には、静電容量測定用の複数の第2センサ105A~105Cが設けられている。複数の第2センサ105A~105Cは、ベース基板102のエッジに沿って、例えば当該エッジの全周において、等間隔に配列されている。具体的には、複数の第2センサ105A~105Cの各々は、ベース基板の底面側のエッジに沿うように設けられている。複数の第2センサ105A~105Cの各々のシグナル電極161は、ベース基板102の底面に沿っている。
【0037】
ベース基板102の上面の中央には、回路基板106が設けられている。回路基板106と第1センサ104との間には、互いを電気的に接続するための配線群108A~108Dが設けられている(
図8参照)。また、回路基板106と複数の第2センサ105A~105Cとの間には、互いを電気的に接続するための配線群208A~208Cが設けられている。回路基板106、配線群108A~108D、及び配線群208A~208Cは、カバー103によって覆われている。
【0038】
以下、第1センサについて詳細に説明する。
図6は、
図5の部分拡大図であり、第1センサを示す。第1センサ104は、中心電極141と複数の周辺電極142a~142cとを含んでいる。周辺電極142a~142cを総称する場合、周辺電極142と呼ぶ。中心電極141及び周辺電極142a~142cは、ベース基板102の底面に沿って形成されている。
【0039】
一例において、搬送フォーク8,9によって測定器100が搬送される場合、測定器100の中心とターゲット電極87の中心との位置関係は、測定器100の中心とターゲット電極97の中心との位置関係と同じとなっている(
図2,3参照)。すなわち、搬送フォーク8のターゲット電極87と搬送フォーク9のターゲット電極97とを重複させて見たとすると、搬送フォーク8,9に載置される測定器100の中心位置及び回転位置は、互いに一致する位置に制御される。また、このような制御に基づいて搬送フォーク8に測定器100が載置されたとき、第1センサ104の中心の位置は、搬送フォーク8のターゲット電極87の中心に一致する。同様に、このような制御に基づいて搬送フォーク9に測定器100が載置されたとき、第1センサ104の中心の位置は、搬送フォーク9のターゲット電極97の中心に一致する。
【0040】
図6に示すように、中心電極141は、円形状のシグナル電極151を含む。中心電極141の大きさは、搬送フォーク8,9に設けられたターゲット電極87,97の大きさに比べて十分に小さい。中心電極141の直径は、例えば、ターゲット電極87,97の直径の1/2~1/4程度の大きさであってよい。
【0041】
一つの例示的実施形態では、中心電極141は、シグナル電極151を囲むガード電極152を更に含んでいる。ガード電極152は、円環状をなしており、シグナル電極151をその全周にわたって囲んでいる。ガード電極152とシグナル電極151は、それらの間に絶縁領域154が介在するよう、互いに離間している。また、一つの例示的実施形態では、第1センサ104は、ガード電極152の外側で当該ガード電極152を囲むグランド電極153を更に含んでいる。グランド電極153は、円環状をなしており、ガード電極152をその全周にわたって囲んでいる。ガード電極152とグランド電極153は、それらの間に絶縁領域155が介在するよう互いに離間している。
【0042】
周辺電極142a~142cは、中心電極141を囲む円上に配列されている。すなわち、周辺電極142a~142cは、中心電極141を中心として周方向に等間隔で配列されている。周辺電極142は、シグナル電極156を含む。シグナル電極156は、中心電極141の中心を共有し且つ異なる半径を有する二つの円弧によって規定される平面形状を有している。すなわち、シグナル電極156は、所定の中心角を有する部分円環状を呈している。図示例のシグナル電極156の中心角は、例えば90°程度である。なお、シグナル電極の中心角は、特に限定されない。
【0043】
一つの例示的実施形態では、周辺電極142は、シグナル電極156を囲むガード電極157を更に含んでいる。ガード電極157は、シグナル電極156の外縁に沿った枠状をなしており、シグナル電極156をその全周にわたって囲んでいる。ガード電極157とシグナル電極156は、それらの間に絶縁領域159が介在するよう、互いに離間している。また、一つの例示的実施形態では、第1センサ104は、ガード電極157の外側で当該ガード電極157を囲むグランド電極158を更に含んでいる。グランド電極158は、ガード電極157の外縁に沿った枠状をなしており、ガード電極157をその全周にわたって囲んでいる。ガード電極157とグランド電極158は、それらの間に絶縁領域160が介在するよう互いに離間している。ベース基板102の底面には、絶縁膜が形成されている。絶縁膜は、中心電極141及び周辺電極142a~142cを覆っている。この絶縁膜は、例えばSiO2、SiN、Al2O3、又は、ポリイミドから形成されている。
【0044】
以下、第2センサについて詳細に説明する。
図7は、
図5の部分拡大図であり、一つの第2センサを示す。第2センサ105は、シグナル電極161を有している。シグナル電極161のエッジは部分的に円弧形状をなしている。例えば、シグナル電極161は、中心軸線AX100を中心とした異なる半径を有する二つの円弧である内縁161a及び外縁161bによって規定される平面形状を有している。複数の第2センサ105A~105Cそれぞれのシグナル電極161における径方向外側の外縁161bは、共通する円上で延在する。また、複数の第2センサ105A~105Cそれぞれのシグナル電極161における径方向内側の内縁161aは、他の共通する円上で延在する。
【0045】
一つの例示的実施形態では、第2センサ105は、シグナル電極161を囲むガード電極162を更に含んでいる。ガード電極162は、枠状をなしており、シグナル電極161をその全周にわたって囲んでいる。ガード電極162とシグナル電極161は、それらの間に絶縁領域164が介在するよう、互いに離間している。また、一つの例示的実施形態では、第2センサ105は、ガード電極162の外側で当該ガード電極162を囲む電極163を更に含んでいる。電極163は、枠状をなしており、ガード電極162をその全周にわたって囲んでいる。ガード電極162と電極163は、それらの間に絶縁領域165が介在するよう互いに離間している。第2センサ105は、第1センサ104と同様に絶縁膜に覆われていてよい。
【0046】
以下、回路基板106の構成について説明する。
図8は、測定器の回路基板の構成を例示する図である。回路基板106は、高周波発振器171、C/V変換回路172A、複数のC/V変換回路172B~172C、複数のC/V変換回路272A~272C、A/D変換器173、プロセッサ174、記憶装置175、通信装置176、及び、電源177を有している。一例においては、プロセッサ174、記憶装置175等によって演算装置が構成されている。また、回路基板106は、温度センサ179を有している。温度センサ179は、検出した温度に応じた信号をプロセッサ174に出力する。例えば、温度センサ179は、測定器100の周囲の環境の温度を取得することができる。
【0047】
第1センサ104を構成する中心電極141は、配線群108Aを介して回路基板106に接続されている。また、中心電極141は、配線群108Aに含まれる幾つかの配線を介して、C/V変換回路172Aに接続されている。第1センサ104を構成する周辺電極142の各々は、配線群108B~108Dのうち対応の配線群を介して回路基板106に接続されている。また、複数の周辺電極142の各々は、対応の配線群に含まれる幾つかの配線を介して、C/V変換回路172B~172Dのうち対応のC/V変換回路に接続されている。複数の第2センサ105A~105Cの各々は、複数の配線群208A~208Cのうち対応の配線群を介して回路基板106に接続されている。また、複数の第2センサ105A~105Cの各々は、対応の配線群に含まれる幾つかの配線を介して、複数のC/V変換回路272A~272Cのうち対応のC/V変換回路に接続されている。
【0048】
以下、第1センサ104を構成する中心電極141、配線群108A、C/V変換回路172Aについて説明する。また、周辺電極142a~142cの各々と同構成の1つの周辺電極142、配線群108B~108Dの各々と同構成の1つの配線群108、C/V変換回路172B~172Dの各々と同構成の一つのC/V変換回路172、について説明する。また、第2センサ105A~105Cの各々と同構成の一つの第2センサ105、配線群208A~208Cの各々と同構成の一つの配線群208、及び、C/V変換回路272A~272Cの各々と同構成のC/V変換回路272について説明する。
【0049】
配線群108Aは、配線181A,182A,183Aを含んでいる。配線181Aの一端は、中心電極141を構成するシグナル電極151に接続されており、配線181Aの他端はC/V変換回路172に接続されている。また、配線182の一端は、ガード電極152に接続されており、配線182の他端はC/V変換回路172に接続されている。配線183Aの一端は、グランド電極153に接続されている。この配線183Aは、回路基板106のグランドGに接続されたグランド電位線GLに接続されている。なお、配線183Aは、グランド電位線GLにスイッチSWGを介して接続されていてもよい。
【0050】
配線群108は、配線181~183を含んでいる。配線181の一端は、シグナル電極156に接続されており、配線181の他端はC/V変換回路172に接続されている。また、配線182の一端は、ガード電極157に接続されており、配線182の他端はC/V変換回路172に接続されている。また、配線183の一端は、周辺電極142を構成するグランド電極158に接続されている。この配線183は、回路基板106のグランドGに接続されたグランド電位線GLに接続されている。なお、配線183は、グランド電位線GLにスイッチSWGを介して接続されていてもよい。
【0051】
配線群208は、配線281~283を含んでいる。配線281の一端は、シグナル電極161に接続されており、配線281の他端はC/V変換回路272に接続されている。また、配線282の一端は、ガード電極162に接続されており、配線282の他端はC/V変換回路272に接続されている。また、配線283の一端は、電極163に接続されている。この配線283は、回路基板106のグランドGに接続されたグランド電位線GLに接続されている。なお、配線283は、グランド電位線GLにスイッチSWGを介して接続されていてもよい。
【0052】
高周波発振器171は、バッテリーといった電源177に接続されており、当該電源177からの電力を受けて高周波信号を発生するよう構成されている。なお、電源177は、プロセッサ174、記憶装置175、及び、通信装置176にも接続されている。高周波発振器171は、複数の出力線を有している。高周波発振器171は、発生した高周波信号を複数の出力線を介して、配線181A、配線182A、配線181、配線182、配線281及び配線282に与えるようになっている。高周波発振器171は、第1センサ104を構成する中心電極141のシグナル電極151及びガード電極152に電気的に接続されている。当該高周波発振器171からの高周波信号は、シグナル電極151及びガード電極152に与えられるようになっている。高周波発振器171は、第1センサ104を構成する周辺電極142のシグナル電極156及びガード電極157に電気的に接続されている。当該高周波発振器171からの高周波信号は、シグナル電極156及びガード電極157に与えられるようになっている。また、高周波発振器171は、第2センサ105のシグナル電極161及びガード電極162に電気的に接続されており、当該高周波発振器171からの高周波信号は、シグナル電極161及びガード電極162に与えられるようになっている。
【0053】
C/V変換回路172Aの入力には、配線181及び配線182が接続されている。即ち、C/V変換回路172Aの入力には、第1センサ104を構成する中心電極141のシグナル電極151及びガード電極152が接続されている。また、同様に、C/V変換回路172の入力には、第1センサ104を構成する周辺電極142のシグナル電極156及びガード電極157が接続されている。また、C/V変換回路272の入力には、シグナル電極161及びガード電極162がそれぞれ接続されている。C/V変換回路172A、C/V変換回路172及びC/V変換回路272は、その入力における電位差に応じた振幅を有する電圧信号を生成し、当該電圧信号を出力するよう構成されている。C/V変換回路172Aは、中心電極141が形成する静電容量に応じた電圧信号を生成する。すなわち、C/V変換回路172Aに接続されたシグナル電極151の静電容量が大きいほど、当該C/V変換回路172Aが出力する電圧信号の電圧の大きさは大きくなる。同様に、C/V変換回路172、C/V変換回路272に接続されたシグナル電極の静電容量が大きいほど、当該C/V変換回路172、C/V変換回路272が出力する電圧信号の電圧の大きさは大きくなる。
【0054】
A/D変換器173の入力には、C/V変換回路172A、C/V変換回路172及びC/V変換回路272の出力が接続している。また、A/D変換器173は、プロセッサ174に接続している。A/D変換器173は、プロセッサ174からの制御信号によって制御され、C/V変換回路172A、C/V変換回路172及びC/V変換回路272の出力信号(電圧信号)を、デジタル値に変換し、検出値としてプロセッサ174に出力する。
【0055】
プロセッサ174には記憶装置175が接続されている。記憶装置175は、揮発性メモリといった記憶装置であり、例えば、測定データを記憶するよう構成されている。また、プロセッサ174には、別の記憶装置178が接続されている。記憶装置178は、不揮発性メモリといった記憶装置であり、例えば、プロセッサ174によって読み込まれて実行されるプログラムが記憶されている。
【0056】
通信装置176は、任意の無線通信規格に準拠した通信装置である。例えば、通信装置176は、Bluetooth(登録商標)に準拠している。通信装置176は、記憶装置175に記憶されている測定データを無線送信するように構成されている。
【0057】
プロセッサ174は、上述したプログラムを実行することにより、測定器100の各部を制御するように構成されている。例えば、プロセッサ174は、シグナル電極151、ガード電極152、シグナル電極156、ガード電極157、シグナル電極161、及び、ガード電極162に対する高周波発振器171からの高周波信号の供給を制御する。また、プロセッサ174は、記憶装置175に対する電源177からの電力供給、通信装置176に対する電源177からの電力供給等を制御する。さらに、プロセッサ174は、上述したプログラムを実行することにより、A/D変換器173から入力された検出値に基づいて、第1センサ104を構成する中心電極141の測定値、周辺電極142の測定値、及び第2センサ105の測定値を取得する。一実施形態では、A/D変換器173から出力された検出値をXとした場合、プロセッサ174では、測定値が(a・X+b)に比例した値となるように、検出値に基づいて測定値を取得している。ここで、a及びbは回路状態等によって変化する定数である。プロセッサ174は、例えば、測定値が(a・X+b)に比例した値となるような所定の演算式(関数)を有していてよい。
【0058】
以上説明した測定器100では、測定器100が搬送フォーク8,9に支持されている状態において、測定器100の第1センサ104は搬送フォークに設けられたターゲット電極87,97と対面し得る。第1センサ104を構成する中心電極141及び周辺電極142によって取得される静電容量は、第1センサ104とターゲット電極87,97との位置関係、すなわち、搬送フォーク8,9と測定器100との位置関係に応じた値を示す。ここで、静電容量Cは、C=εS/dで表される。εは第1センサ104とターゲット電極87,97との間の媒質の誘電率であり、dは第1センサとターゲット電極87,97との間の距離である。搬送フォークのパッドに測定器100が載置される場合、通常、距離dは変動しない。
【0059】
周辺電極142について考えると、Sは、平面視においてシグナル電極156とターゲット電極87,97とが互いに重なり合う面積と見なすことができる。この面積Sは、周辺電極142とターゲット電極87,97との相対的な位置関係によって変動し得る。
図6に示すように、基準位置においては周辺電極142a,142b142cのそれぞれのシグナル電極156とターゲット電極87,97との重複面積は、いずれも同じである。一方、搬送位置にズレが生じている場合、ズレの方向に配置された周辺電極142のシグナル電極156とターゲット電極87,97との重複面積は小さくなる。また、ズレの方向と逆側に配置された周辺電極142のシグナル電極156とターゲット電極87,97との重複面積は大きくなる。したがって、測定器100によれば、被加工物Wを模した当該測定器100と搬送フォーク8,9との相対的な位置関係を反映する測定データが得られる。例えば、このようなデータに基づいて、搬送装置TU1,TU2の搬送位置データを較正することが可能となる。
【0060】
また、中心電極141において、Sは、平面視におけるシグナル電極151とターゲット電極87,97とが互いに重なり合う面積と見なすことができる。しかし、ターゲット電極87,97は、中心電極141に比べて十分に大きいため、測定器100の搬送位置のずれ量が通常想定される範囲の場合には、面積Sは変動しない。そのため、面積Sが変動しないことを前提とすると、中心電極141によって取得される静電容量Cは、中心電極141とターゲット電極87,97との距離を反映する。一例においては、搬送フォーク8に設けられたパッド部85の厚みと、搬送フォーク9に設けられたパッド部95の厚みとは、互いに異なっている。この場合、中心電極141の静電容量Cに基づいて、搬送フォーク8と搬送フォーク9とのどちらに測定器100が載置されているのかを判定することが可能となる。
【0061】
また、測定器100がアライナANの支持台6、又は、ロードロックモジュールの載置台7に載置されている状態を考える。アライナAN及びロードロックモジュールのいずれにおいても考え方は同じであるため、ここではアライナANについて説明する。測定器100が支持台6に載置されている場合、複数のシグナル電極161は載置面6aと対面する。上述の通り、静電容量Cは、C=εS/dで表される。εはシグナル電極161と載置面との間の媒質の誘電率であり、dはシグナル電極161と載置面との間の距離であり、Sは平面視においてシグナル電極161と載置面とが互いに重なり合う面積と見なすことができる。面積Sは、平面視における測定器100と載置面6aとの相対的な位置関係によって変化する。したがって、測定器100によれば、被加工物Wを模した当該測定器100と載置面6aとの相対的な位置関係を反映する測定データが得られる。
【0062】
図9は、第2センサ105の機能を説明するための模式図である。
図9に破線で示すように、アライナANの支持台6の中心と測定器100の中心とが一致する基準位置に測定器100が搬送された場合、載置面6aのエッジは、平面視においてシグナル電極161を通っている。この場合、
図9に二点鎖線で示すように、測定器100の搬送位置が所定の基準位置からずれることにより、ズレの方向に配置されたシグナル電極161と載置面6aとの重なり合う面積Sは小さくなる。すなわち、当該シグナル電極161によって測定される静電容量は、基準位置に測定器100が搬送された場合の静電容量に比べて小さくなる。反対に、ズレの方向と逆側に配置されたシグナル電極161と載置面と6aとの重なり合う面積Sは大きくなる。すなわち、当該シグナル電極161によって測定される静電容量は、基準位置に測定器100が搬送された場合の静電容量に比べて大きくなる。したがって、第2センサ105A~105Cの各々のシグナル電極161の静電容量を表す測定値に基づいて、支持台6の各径方向における各シグナル電極161のずれ量を求めることができる。そして、各径方向における第2センサ105A~105Cの各々のシグナル電極161のずれ量から、測定器100の搬送位置の基準位置からの誤差を求めることができる。例えば、このようなデータに基づいて、搬送装置TU1,TU2の搬送位置データを較正することが可能となる。
【0063】
続いて、上述した測定器100を用いた静電容量の測定方法について説明する。
図10は、測定器を用いた測定方法を示すフロー図である。
図10に示すように、一例の測定方法においては、搬送フォークによって測定器100の搬送が実施され(ステップST1)、搬送フォークに載置された測定器によって静電容量が取得される(ステップST2)。また、搬送された測定器100が所定の位置に載置され(ステップST3)、載置された測定器100によって静電容量が取得される(ステップST4)。
【0064】
上述の通り、処理システム1における搬送装置TU1,TU2は、制御部MCによって制御される。一例では、ローダモジュールLMの搬送装置TU1は、制御部MCから送信される搬送位置データに基づき、容器4a~4dの何れかから測定器100を取り出し、当該測定器100をアライナANに搬送する。搬送位置データは、例えば支持台6の載置面の中心位置に測定器100の中心軸線AX100の位置が一致するように予め定められた座標データであってよい。
【0065】
搬送装置TU1によって測定器100がアライナANに搬送される際、搬送フォーク8に載置された測定器100は、搬送フォーク8のターゲット電極87と第1センサ104のシグナル電極151との間の静電容量に応じたデジタル値を取得する。当該デジタル値は記憶装置175に記憶される。一つの例示的実施形態においては、第1センサ104によって取得された静電容量に基づいて、搬送フォーク8に対する測定器100の中心のずれ量(誤差)が導出され得る。なお、この場合、容器に収容されている測定器100の中心位置及び回転位置が所定の基準位置に一致している必要がある。
【0066】
また、測定器100は、支持台6の載置面6aに測定器100が載置された状態で、支持台6と第2センサ105A~105Cのそれぞれのシグナル電極161との間の静電容量に応じた複数のデジタル値(測定値)を取得する。当該複数のデジタル値は、記憶装置175に記憶される。一つの例示的実施形態においては、第2センサ105A~105Cによって取得されたそれぞれの静電容量に基づいて、載置面6aの中心位置に対する測定器100の中心のずれ量(誤差)が導出され得る。
【0067】
次いで、搬送装置TU1は、その位置が調整された測定器100をアライナANから取り出して、当該測定器100をロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2のうち一方のロードロックモジュールに搬送する。搬送位置データは、例えばロードロックモジュールの載置台7の載置面7aの中心位置に測定器100の中心軸線AX100の位置が一致するように予め定められた座標データであってよい。
【0068】
搬送装置TU1によって測定器100がアライナANから取り出される際、搬送フォーク8に載置された測定器100は、搬送フォーク8のターゲット電極87と第1センサ104のシグナル電極151との間の静電容量に応じたデジタル値を取得する。当該デジタル値は記憶装置175に記憶される。一つの例示的実施形態においては、第1センサ104によって取得された静電容量に基づいて、搬送フォーク8に対する測定器100の中心のずれ量(誤差)が導出され得る。
【0069】
また、測定器100がロードロックモジュールの載置台7に載置された際、測定器100は、載置台7と第2センサ105A~105Cのそれぞれのシグナル電極161との間の静電容量に応じた複数のデジタル値を取得する。当該複数のデジタル値は記憶装置175に記憶される。一つの例示的実施形態においては、第2センサ105A~105Cによって取得されたそれぞれの静電容量に基づいて、載置面7aの中心位置に対する測定器100の中心のずれ量(誤差)が導出され得る。
【0070】
次いで、一方のロードロックモジュールが、予備減圧室の圧力を所定の圧力に減圧する。次いで、トランスファーモジュールTFの搬送装置TU2が、一方のロードロックモジュールから測定器100を取り出し、当該測定器100をプロセスモジュールPM1~PM6のうち何れかに搬送する。
【0071】
搬送装置TU2によって測定器100が取り出される際、搬送フォーク9に載置された測定器100は、搬送フォーク9のターゲット電極97と第1センサ104のシグナル電極151との間の静電容量に応じたデジタル値を取得する。当該デジタル値は記憶装置175に記憶される。一つの例示的実施形態においては、第1センサ104によって取得された静電容量に基づいて、搬送フォーク9に対する測定器100の中心のずれ量(誤差)が導出され得る。アライナANの支持台6、搬送フォーク8、ロードロックモジュールの載置台7、及び搬送フォーク9のそれぞれに載置された状態で取得された各ずれ量は、例えば、搬送装置TU1及び搬送装置TU2による搬送に利用される搬送位置データの較正に利用され得る。
【0072】
以上説明のとおり、一つの例示的実施形態においては、測定器100と測定器100を搬送する第1対象物との間の静電容量を表す測定値を取得する測定システムが提供される。この測定システムは、測定器100及び搬送システムS1によって構成される。第1対象物である搬送フォーク8,9は、ターゲット電極87,97をそれぞれ含む。測定器100は、ベース基板102の底面に沿って設けられた第1センサ104と、ベース基板102上に搭載されており、第1センサ104に接続された回路基板106と、を備える。第1センサ104は、中心電極141と3つ以上の周辺電極142とを含む。中心電極141は、ターゲット電極87,97よりも小さい面積を有し、ターゲット電極87,97との距離を反映する静電容量を取得する。3つ以上の周辺電極142は、中心電極141の周囲に配置され、ターゲット電極87,97に対する水平方向におけるずれ量を反映する静電容量を取得する。
【0073】
この測定システムでは、搬送フォーク8,9に測定器100が載置された状態で、搬送フォーク8,9によって測定器100が搬送される。測定器100の第1センサ104と搬送フォーク8,9のターゲット電極87,97とが対面している場合、第1センサ104とターゲット電極87,97との間の静電容量が測定器100によって取得される。第1センサ104の3つ以上の周辺電極142によって取得される静電容量は、ターゲット電極87,97に対する第1センサ104の水平方向におけるずれ量を反映するため、搬送対象である測定器100のずれ量を取得することができる。
【0074】
また、第1センサ104の中心電極141は、ターゲット電極87,97よりも小さい面積を有するため、ターゲット電極87,97に対して中心電極141の全てが重複する範囲では、一定の静電容量を示す。すなわち、中心電極141によって取得される静電容量が所定の範囲内である場合には、搬送フォーク8,9に対して測定器100が正常に載置されていると見做すことができる。また、中心電極141によって取得される静電容量が所定の範囲外である場合には、搬送フォーク8,9に対して測定器100が傾いて載置されているなど、正常に載置されていない可能性が示唆される。
【0075】
したがって、搬送フォーク8,9によって測定器100が搬送されることにより、搬送が正常に実行されていることを確認しながら、搬送対象である測定器100の搬送位置のずれ量を簡便に測定することができる。そして、測定器100のずれ量が取得されることにより、搬送フォーク8,9の位置調整を実行することができる。例えば、制御部MCによって、測定器100のずれ量がゼロになるように搬送フォーク8,9の位置調整が実行されてもよい。静電容量の測定、及び、搬送フォークの位置調整は、自動で実行されてもよい。
【0076】
一つの例示的実施形態において、測定器100は、第2対象物である支持台6又は載置台7との間の静電容量を表す測定値を取得するために、ベース基板102のエッジに沿って配列された複数の第2センサ105をさらに有する。支持台6は、平面視において円形状をなす載置面6aを有する。また、載置台7は、平面視において円形状をなす載置面7aを有する。載置面6a,7aの中心とベース基板102の中心とが一致するようにベース基板102が載置面6a,7aに載置されたとき、載置面6a,7aの外周縁は複数の第2センサ105に対面する。この構成では、搬送フォークによって測定器100が載置面6a,7aの上に載置された際に、測定器100によって載置面6a,7aと測定器100との位置関係を示す静電容量を取得できる。すなわち、搬送フォークが測定器100載置面に搬送する動作中に、測定器100は、搬送フォークのターゲット電極と第1センサ104との間の静電容量と、載置面と第2センサ105との間の静電容量とを取得することができる。
【0077】
一つの例示的実施形態において、搬送フォーク8は、上向きに突出したパッド部85を有する。搬送フォーク9は、上向きに突出したパッド部95を有する。測定器100は、パッド部85に支持されることにより、搬送フォーク8に載置され、パッド部95に支持されることにより、搬送フォーク9に載置される。パッド部85の厚さとパッド部95の厚さとは互いに異なる。この構成では、中心電極141によって取得される静電容量に基づいて、測定器100が搬送フォーク8と搬送フォーク9とのいずれに載置されているのを判定することができる。ユーザが測定器100による測定値をリアルタイムで取得している場合に、又は、測定器100による測定値を後工程において解析する場合に、測定器100の搬送位置を容易に知ることが可能である。
【0078】
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
【0079】
例えば、測定器100に設けられた第1センサの形態は、上述の例に限定されない。
図11は、他の例に係る第1センサ104の形態を示す平面図である。
図11の示すように、一例においては、第1センサ104は、中心電極141と4つの周辺電極142とによって構成されてもよい。この例では、中心電極141を中心にして、4つの周辺電極142が周方向に等間隔で配置されている。この構成では、直交する2つの軸上に4つの周辺電極が配置されるため、より精度よく搬送位置データを取得できる。なお、周辺電極は、2つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。
【0080】
また、略扇形形状の周辺電極を例示したが、周辺電極の形状は特に限定されない。例えば周辺電極は、平面視において略円形状であってもよい。
【0081】
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
【0082】
ここで、本開示に含まれる種々の例示的実施形態を、以下の[E1]~[E9]に記載する。
【0083】
[E1]
測定器と前記測定器を搬送する第1対象物との間の静電容量を表す測定値を取得する測定システムであって、
前記第1対象物は、前記測定器が載置される本体と、前記本体に設けられたターゲット電極と、を含み、
前記測定器は、
円盤形状を有するベース基板と、
前記ベース基板の底面に沿って設けられた第1センサと、
前記ベース基板上に搭載されており、前記第1センサに接続された回路基板と、を備え、
前記第1センサは、
前記ターゲット電極との距離を反映する静電容量を取得する中心電極と、
前記中心電極の周囲に配置され、前記第1対象物の備える前記ターゲット電極に対する水平方向におけるずれ量を反映する静電容量を取得する周辺電極と、を備える、測定システム。
【0084】
[E2]
前記中心電極は、前記ターゲット電極よりも小さい面積を有する、E1に記載の測定システム。
【0085】
[E3]
前記周辺電極は、前記中心電極の周囲に3つ以上配置されている、E1又はE2に記載の測定システム。
【0086】
[E4]
前記第1対象物は、半導体処理システムに設けられた被加工物を搬送するための搬送フォークである、E1~E3のいずれかに記載の測定システム。
【0087】
[E5]
前記第1対象物は、半導体処理システムに設けられた被加工物を搬送するための第1の搬送フォーク及び第2の搬送フォークであり、
前記第1の搬送フォークは、上向きに突出した第1のパッドを有し、
前記第2の搬送フォークは、上向きに突出した第2のパッドを有し、
前記測定器は、前記第1のパッドに支持されることにより、前記第1の搬送フォークに載置され、前記第2のパッドに支持されることにより、前記第2の搬送フォークに載置され、
前記第1のパッドの厚さと前記第2のパッドの厚さとは互いに異なる、E1~E3のいずれかに記載の測定システム。
【0088】
[E6]
前記測定器は、第2対象物との間の静電容量を表す測定値を取得するために、前記ベース基板のエッジに沿って配列された複数の第2センサをさらに有し、
前記第2対象物は、平面視において円形状をなす載置面を有し、
前記載置面の中心と前記ベース基板の中心とが一致するように前記ベース基板が前記載置面に載置されたとき、前記載置面の外周縁は前記複数の第2センサに対面する、E1~E5のいずれかに記載の測定システム。
【0089】
[E7]
前記第2対象物は、半導体処理システムに設けられたアライナ又はロードロックモジュールの基台である、E6に記載の測定システム。
【0090】
[E8]
対象物との間の静電容量を表す測定値を取得する測定器であって、
前記対象物は、前記測定器を搬送するために前記測定器が載置される本体と、前記本体に設けられた電極と、を含み、
前記測定器は、
円盤形状を有するベース基板と、
前記ベース基板の底面に沿って設けられたセンサと、
前記ベース基板上に搭載されており、前記センサに接続された回路基板と、を備え、
前記センサは、
前記対象物の備える前記電極よりも小さい面積を有し、前記電極との距離を反映する静電容量を取得する中心電極と、
前記中心電極の周囲に配置され、前記対象物の備える前記電極に対する水平方向におけるずれ量を反映する静電容量を取得する3つ以上の周辺電極と、を備える、測定器。
【0091】
[E9]
測定器と対象物との間の静電容量を表す測定値を取得する測定方法であって、
前記対象物は、前記測定器を搬送するために前記測定器が載置される本体と、前記本体に設けられたターゲット電極と、を含み、
前記測定器は、
円盤形状を有するベース基板と、
前記ベース基板の底面に沿って設けられたセンサと、
前記ベース基板上に搭載されており、前記センサに接続された回路基板と、を備え、
前記センサは、
前記対象物の備える前記ターゲット電極よりも小さい面積を有し、前記ターゲット電極との距離を反映する静電容量を取得する中心電極と、
前記中心電極の周囲に配置され、前記対象物の備える前記ターゲット電極に対する水平方向におけるずれ量を反映する静電容量を取得する3つ以上の周辺電極と、を備え、
該方法は、
前記対象物の上に前記測定器が載置されるように前記対象物が前記測定器を保持する工程と、
前記対象物の上に前記測定器が載置された状態で、前記中心電極及び前記3つ以上の周辺電極に高周波信号を与えることによって、前記中心電極及び前記3つ以上の周辺電極における電圧振幅のそれぞれから静電容量を表す複数の測定値を取得する工程と、
を含む、測定方法。
【符号の説明】
【0092】
6…支持台(第2対象物)、7…載置台(第2対象物)、8,9…搬送フォーク(第1対象物、対象物)、87,97…ターゲット電極、100…測定器、102…ベース基板、104…第1センサ(センサ)、141…中心電極、142…周辺電極、105…第2センサ。