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特開2023-171343BIBシステムにおける複数の試料の自動処理のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171343
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】BIBシステムにおける複数の試料の自動処理のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/305 20060101AFI20231124BHJP
   G01N 1/32 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
H01J37/305 A
G01N1/32 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023082385
(22)【出願日】2023-05-18
(31)【優先権主張番号】17/748,927
(32)【優先日】2022-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501233536
【氏名又は名称】エフ イー アイ カンパニ
【氏名又は名称原語表記】FEI COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ミカエル フロウゼク
(72)【発明者】
【氏名】リボル ノヴァク
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナ カンス ネーリゼッティ
(72)【発明者】
【氏名】ペトル ヴァンドロル
【テーマコード(参考)】
2G052
5C101
【Fターム(参考)】
2G052AD32
2G052DA33
2G052EC18
2G052GA35
2G052HC04
2G052HC38
2G052JA06
2G052JA07
5C101AA34
5C101BB01
5C101BB03
5C101BB05
5C101BB06
5C101CC01
5C101CC04
5C101CC14
5C101CC17
5C101DD33
5C101EE73
5C101FF17
5C101FF22
5C101FF34
5C101FF45
5C101FF48
5C101FF56
5C101FF58
5C101FF59
5C101GG10
5C101JJ06
5C101JJ08
5C101KK08
5C101KK19
(57)【要約】      (修正有)
【課題】BIBシステムを用いて複数の試料を効率的に処理するためのシステム及び方法を開示する。
【解決手段】本発明によるBIBシステム(102)を用いて複数の試料を効率的に処理するための例示的な方法は、BIBシステム内の保管場所から、試料(104)を収容する個々の試料ホルダ(116)を除去することであって、BIBシステムは、1つ以上の保管場所に配置された複数の試料ホルダを含む、ことと、個々の試料ホルダによって保持された対応する試料の研磨中に、個々の試料ホルダを試料ホルダを保持するように構成された試料ステージ(112)上に装填することと、BIBソースに、試料に向かってブロードイオンビーム(108)を放出させることであって、ブロードイオンビームは、入射した試料の少なくとも一部を除去する、こととを含む。試料の所望の部分が除去されると、試料ホルダは試料ステージから除去され、保管場所に戻される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロードイオンビーム(BIB)システムを用いて複数の試料を効率的に処理するための方法であって、前記方法は、
前記BIBシステム内の保管場所から、試料を収容する個々の試料ホルダを除去するステップであって、前記BIBシステムは、1つ以上の保管場所に配置された複数の試料ホルダを含む、ステップと、
前記個々の試料ホルダによって保持された前記対応する試料の研磨中に、前記個々の試料ホルダを、前記試料ホルダを保持するように構成された試料ステージ上に装填するステップと、
BIBソースに、前記試料に向かってブロードイオンビームを放出させるステップであって、前記ブロードイオンビームは、入射した前記試料の少なくとも一部を除去する、ステップと、
前記対応する試料が処理された後に、前記個々の試料ホルダを前記試料ステージから除去するステップと、
前記個々の試料ホルダを前記保管場所に戻すように装填するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記保管場所は、ブロードイオンビーム研磨のための複数の試料を保管するための保管カセットであり、前記保管カセットは、
内部保管容積を少なくとも部分的に画定する収容部と、
前記内部保管容積内に配置された複数の試料ホルダ収容部であって、各個々の試料ホルダ収容部は、BIBシステムにおける研磨のための対応する試料を含む試料ホルダを受容するように構成されている、複数の試料ホルダ収容部と、を備え、
前記保管カセットは、前記BIBシステムに挿入されるように構成され、前記試料ホルダ収容部の各々は、前記カセットが前記BIBシステムに挿入されたときに、前記対応する試料が前記BIBシステムによって研磨され得るように、その対応する試料ホルダが前記カセットから除去されることを可能にするように更に構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記保管カセットは、各々が対応する試料を含む複数の試料ホルダを保管する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記保管カセットに保管された1つ以上の追加の試料ホルダに対して、請求項1に記載の方法ステップを繰り返すことを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記保管カセット内に保管された前記試料ホルダ内の前記試料は、処理される前に前記BIBシステム内で更に位置合わせされる必要がないように事前に位置合わせされる、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
別の試料を収容する別の個々の試料ホルダを前記保管場所から除去するステップと、
別の個々の試料ホルダを試料ステージ上に装填するステップと、
BIBソースに、試料に向かって別のブロードイオンビームを放出させるステップであって、別のブロードイオンビームは、それが入射する別の試料の少なくとも一部を除去する、ステップと、
前記対応する別の試料が処理された後に、前記別の個々の試料ホルダを前記試料ステージから除去するステップと、
前記別の個々の試料ホルダを前記保管場所に戻すように装填するステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記方法ステップは、前記BIBシステムによって少なくとも部分的に自動的に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記期間は、
前記試料の前記一部が除去されたことと、
対象領域が露光されたこと、
のうちの1つを示す情報を受信する1つ以上のセンサに基づいて決定される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記試料に関連付けられた試料情報にアクセスすることと、
前記試料に関連付けられた前記試料情報に基づいて前記期間を決定することと、
を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記試料ホルダ上の識別子を検出することであって、前記識別子は、識別コード、スキャン可能な識別子画像、及びRFIDを含む、ことを更に含み、
前記データファイルは、前記識別子に基づいてアクセス可能なメモリ上でアクセスされる、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記試料情報は、前記試料のための処理スケジュールを含み、前記処理スケジュールは、
BIB強度と、
BIBミリング時間と、
BIBを用いて除去される前記試料の一部と、
対象表面と、のうちの1つ以上を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
ブロードイオンビーム(BIB)研磨のための複数の試料を保管するための保管カセットであって、前記保管カセットは、
内部保管容積を少なくとも部分的に画定する収容部と、
前記内部保管容積内に配置された複数の試料ホルダ収容部であって、各個々の試料ホルダ収容部は、BIBシステムにおける研磨のための対応する試料を含む試料ホルダを受容するように構成されている、複数の試料ホルダ収容部と、を備え、
前記保管カセットは、前記BIBシステムに挿入されるように構成され、前記試料ホルダ収容部の各々は、前記カセットが前記BIBシステムに挿入されたときに、前記対応する試料が前記BIBシステムによって研磨され得るように、その対応する試料ホルダが前記カセットから除去されることを可能にするように更に構成される、保管カセット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ブロードイオンビーム(BIB)研磨システムを使用して、調査用の試料を準備する。具体的には、BIB研磨システムは、高エネルギーの、集束されていない、又は最小限に集束されたイオン(例えば、アルゴンイオン)のビームを試料に向け、そこで、ビームは、それが入射する試料の一部を劣化させ、及び/又は別様に除去する。ブロードイオンビームは集束を必要としないか、又は最小限の集束しか必要としないので、BIB研磨システムは、他の試料準備技術(集束イオンビーム(FIB)ミリングなど)の光カラム制限を有さず、したがって、BIB研磨システムは、はるかに高い一次エネルギービーム電流を使用することができる。より高い一次エネルギービーム電流に起因して、BIBシステムは、従来のシステムよりも迅速に試料材料を除去して対象領域を露出させることができ、より速い試料準備プロセスを可能にする。
【0002】
残念ながら、試料材料の除去は非常に効率的であるが、処理される試料は、ユーザが除去を望まない試料の領域にビームの一部が入射するのを阻止するように設計された特別なマスクと正確に位置合わせされる必要がある。この位置合わせプロセスは時間がかかり、正確な技能を必要とするので、試料準備ワークフローの減速を引き起こす。更に、より高い電流のブロードイオンビームは試料材料をより迅速に除去するので、除去された材料のブロードイオンビームソース上への再堆積の速度も増加し、システムの休止時間を必要とする洗浄のために、ユーザにブロードイオンビームソースをより頻繁に除去することを強いる。ワークフロー効率に対するこれらの制限のために、BIB研磨システムの現在の使用の大部分は、学術的用途及び他の非商業的用途であった。したがって、より短い時間で多くの試料を効率的かつ正確に処理することができる新しいBIB研磨システムを有することが望ましい。
【発明の概要】
【0003】
ブロードイオンビーム(BIB)システムを用いて複数の試料を効率的に処理するためのシステム及び方法が開示される。本発明によるBIBシステムを用いて複数の試料を効率的に処理するための例示的な方法は、前記BIBシステム内の保管場所から、試料を収容する個々の試料ホルダを除去することであって、前記BIBシステムは、1つ以上の保管場所に配置された複数の試料ホルダを含む、ことと、個々の試料ホルダによって保持された対応する試料の研磨中に、個々の試料ホルダを試料ホルダを保持するように構成された試料ステージ上に装填することと、BIBソースに、前記試料に向かってブロードイオンビームを放出させることであって、前記ブロードイオンビームは、入射した前記試料の少なくとも一部を除去する、こととを含む。試料の所望の部分が除去されると、試料ホルダは試料ステージから除去され、保管場所に戻される。このプロセスは、BIBシステムに保存された複数の試料に対して繰り返すことができる。このようにして、試料が事前に位置合わせされる場合、複数の試料の処理は、ユーザ入力又は見落としがほとんどない状態で実行され得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
詳細な説明は、添付の図面を参照しながら説明される。図では、参照番号の最も左の数字は、参照番号が最初に現れる図を識別する。異なる図の同じ参照番号は、類似又は同一の項目を示している。
図1】複数の試料をより効率的に処理するように構成された本開示による例示的なBIBシステムの断面図を示す。
図2】試料準備ワークフロー内の複数の試料のより効率的な処理のための例示的環境を図示する。
図3】本発明による、システム稼働時間の増加を可能にする二重BIBシステムを用いて試料を処理するための例示的プロセスを描写する。
図4】本発明による、より効率的な試料処理のための二重モード光学及びBIBミリングシステムを用いて試料を処理するための例示的プロセスを描写する。
図5】本発明による、休止時間が低減された二重BIBシステム内で複数の試料を処理するための例示的なプロセスを示す。
図6】本発明による、システム稼働時間の増加を可能にするBIBシステムを用いて試料を処理するための例示的プロセスを描写する。
図7A】第1のマスクと事前に位置合わせされている試料と、その後、第2のマスクを含むBIBシステムで処理されている試料とを示す例示的な図である。
図7B】第1のマスクと事前に位置合わせされている試料と、その後、第2のマスクを含むBIBシステムで処理されている試料とを示す例示的な図である。
【0005】
同じ参照番号は、図面のいくつかの図全体にわたって、対応する部分を指す。概して、図では、所与の例において含まれる可能性が高い要素は、実線で図示されているのに対し、所与の例において任意選択的である要素は、破線で図示されている。しかしながら、実線で図示されている要素は、本開示の全ての例に必須であるわけではなく、実線で示される要素は、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の例から省略され得る。
【発明を実施するための形態】
【0006】
複数の試料のより効率的な処理のためにブロードイオンビーム(BIB)システムを使用するためのシステム及び方法が、本明細書に開示される。より具体的には、本開示は、現在のBIBシステムよりも増加したスループット及び/又は稼働時間で1つ以上の試料を受け取り、処理するように構成されたBIBシステムを含む。
【0007】
図1は、複数の試料104をより効率的に処理するように構成された、本開示による例示的なBIBシステム(複数可)102の断面100の図である。BIBシステム102は、試料ステージ領域112に向かってBIB軸110に沿ってブロードイオンビーム108を放出するように構成されたBIBソース106を含む。ブロードイオンビーム108は、ブロードイオンビーム108の一部が試料104に入射するときに、ブロードイオンビームが入射する試料の材料がミリングされるか、又は他の方法で試料から除去されるように構成される。例えば、いくつかの実施形態において、BIBソース106は、試料ステージ112に向かってアルゴンイオンのビームを放出するように構成されたArイオンソースであってもよい。
【0008】
試料ステージ領域112は、対象部分に対応する試料材料が、入射イオンによって試料104からミリングされないか、又は他の方法で除去されないように、ブロードイオンビーム108の一部を遮断するように構成されたマスク114を含むことができる。例えば、図1は、マスク114に入射するブロードイオンビーム108(a)の断面の第1の部分と、材料がブロードイオンビーム108によってミリング又は他の様態で除去される試料104の一部に部分的に入射するブロードイオンビーム108(a)の断面の第2の部分とを示す。マスク114は、ブロードイオンビーム108によって劣化しない硬質材料から構成され、複数の試料の処理に使用することを可能にする。
【0009】
試料ステージ領域112はまた、試料ホルダ116を受け入れるように構成されたホルダインタフェースを含むことができ、それにより、試料104の処理中に、マスクが試料内の対象部分を保護するように、ホルダインタフェースをマスク114に対して位置決め及び保持することができる。いくつかの実施形態では、試料ステージ領域112は、試料104/試料ホルダ116を平行移動、傾斜、又は回転させることができるステージ要素を含むことができる。加えて、そのような実施形態では、ステージ要素は更に、BIBソース106が試料104に向かってブロードイオンビーム108を放出している間に、試料104/試料ホルダ116を平行移動、傾斜、又は回転させるように構成されてもよい。例えば、ステージ要素は、試料104/試料ホルダ116を一連の所定の角度位置にわたって周期的又は連続的に回転させるように、及び/又は試料104/試料ホルダ116を2つの角度位置間で揺動させるように、ブロードイオンビームによるミリング中に構成することができる。このような平行移動/傾斜/回転は、一定速度又は可変速度で行うことができる。このようにして、ステージ要素は、ブロードイオンビーム108によって照射される試料104の一部を動的に変化させて、BIBシステム102による試料材料のより効率的な又は別様に最適化された除去及び/又は対象領域の研磨を可能にすることができる。
【0010】
試料ホルダ116は、処理中、並びにBIBシステム102への、BIBシステム102からの、及び/又はBIBシステム102内の試料104の搬送中に、試料104を保持するように構成される。図1は更に、対応する追加の試料ホルダ116(a)によって保持される1つ以上の追加の試料104(a)を含むものとしてBIBシステム102を示す。いくつかの実施形態では、BIBシステム102は、試料ホルダが保持する試料104が現在処理されていないときに試料ホルダをBIBシステム102内に置くことができる1つ以上の任意選択の試料保管容積/領域118を有する。図1はまた、カセット保管容積122内に配置された複数の試料ホルダ116を保持するように構成された保管カセット120を含むものとしてBIBシステム102を示す。保管カセット120は、多くの試料104及びそれらの対応する試料ホルダ116が、BIBシステム102に搬送及び/又は装填されることを可能にするように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、試料ホルダ116は、試料104が試料ホルダ116、ブロードイオンビーム108、及び/又はマスク114に対して平行移動、傾斜、回転、又は他の方法で再配置されることを可能にする1つ以上の任意選択の調整要素124を含むことができる。そのような調整要素118を有する実施形態では、BIBシステム112は、試料104がマスク114又はマスクの特徴(例えば、マスク縁部114(a))と所望の幾何学的関係を有するように、ユーザが調整要素又は試料ホルダ116自体を操作することを可能にする1つ以上のインタフェース要素を備えてもよい。図1は調整要素124をねじとして示しているが、当業者であれば、様々なタイプの試料ホルダに対して試料を平行移動、傾斜、回転、又は他の方法で再配置することができる多くのタイプの既知の調整要素が存在することを理解するであろう。図1はまた、BIBシステム102内で試料ホルダ116を再配置するように構成された試料ホルダマニピュレータ126を示す。例えば、試料ホルダマニピュレータ126は、試料ホルダ保管容積118と試料ステージ領域112との間で試料ホルダを移動させるように構成されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、試料ホルダマニピュレータ126は、試料104の平行移動、傾斜、回転などを引き起こすために調整要素124とインタフェースで接続されるように更に構成されてもよい。
【0012】
BIBシステム102はまた、内部容積130を画定する収容部128を含む。いくつかの実施形態では、内部容積は、外部環境とのガスの通過を可能にしない密閉容積であってもよい。そのような実施形態では、内部容積は、内部容積の圧力を調整し、及び/又は内部容積130内の環境のガス構成を変化させるように構成されたポンプシステム132を含むことができる。例えば、ポンプシステム132は、内部容積130を、環境の外側よりも低い圧力にし、及び/又は真空にすることができる。図1は、ポンプシステム132の少なくとも一部分を、内部容積内に任意選択的に含まれるものとして示しているが、当業者であれば、そのようなポンプシステム132の一部又は全部が内部容積130の外側に配置されてもよいことを理解するであろう。代替的に、ポンプシステム132は、内部容積130内の環境のガス構成を不活性ガス(例えば、処理中にブロードイオンビーム108及び/又は試料104材料と相互作用しないガス)から構成させてもよい。BIBシステム102はまた、試料ホルダ116がBIBシステム102に挿入され、及び/又はそこから除去され得る試料ホルダポート134を有するものとして示されている。更に、図1は、保管カセット120がBIBシステム102に挿入され、及び/又はBIBシステム102から除去されることを可能にするように構成された任意選択のカセットポート136を有するものとしてBIBシステム102を更に示す。
【0013】
図1は更に、BIBシステム102を、BIBソース106を収容するように構成されたソース容積140を画定するソース収容部138を含むものとして示す。ソース収容部138はまた、ソース容積140を内部容積130に接続するBIB開口部142と、BIBソース106をソース容積140から除去し、又はその中に再設置することを可能にするBIBソースメンテナンス開口部144(例えば、フランジ、ドア、又はソース収容部138を外部環境から密閉鎖状態と非密閉鎖状態との間で切り替えることを可能にする他のタイプの密閉可能なコンポーネント)とを画定する(すなわち、ソースメンテナンス開口部144は、非密閉時に開口部144を介してBIBソース106を除去し、又はアクセスすることを可能にする)。BIBシステム102は、BIBソース130から放出されたイオンがBIB開口部142を通ってイオンソース容積140から内部容積130へ通過することを可能にする開放状態と、試料104からのイオン又は放出物が内部容積130からイオンソース容積106へ通過することを弁146が防止する密閉状態との間で切り替わるように構成された弁146を更に備えることができる。当業者であれば、弁146は、シャッタ、弁、ドア、又は開放状態と閉鎖状態との間で切り替えることができる他の密閉機構のうちのいずれか1つに対応し得ることを理解するであろう。
【0014】
図1は、試料104及びマスク114に入射するように、ブロードイオンビーム108が内部容積の中へ通過することを可能にするように、開放状態にある弁146を示す。いくつかの実施形態では、弁146が閉鎖状態にあるとき、ソース容積140は、内部容積内の圧力に影響を及ぼすことなく、外部環境に対して(例えば、BIBソースメンテナンス開口部144を介して)開放され得る。このようにして、弁146が閉鎖状態にあるとき、BIBソースメンテナンス開口部144は、内部容積130の圧力又はガス組成物に影響を及ぼすことなく、BIBソース106を洗浄、調整、除去、交換、及び/又は他の方法でメンテナンスすることを可能にするように、開くことができる。そのような実施形態では、ソース容積140は、内部容積130の圧力及び/又はガス組成物に一致するように圧力及び/又はガス組成物を再確立することができる任意選択のポンプシステムを更に含むことができる。BIBソースメンテナンス開口部144は、第1のBIBソース106がソース容積140から除去され得るか、又はソース容積140内に再設置され得る開放状態と、ソース容積140が外部環境から密閉される閉鎖状態との間で切り替わるように構成されたポートを備えてもよい。
【0015】
集束イオンビーム(FIB)システムとは異なり、BIBシステム102は、BIBソース106によって放出されたイオンを集束させるように構成された光学要素を含む光カラムを備えておらず、その結果、イオンは、試料104の試料平面内及びその周囲に小さなスポットサイズを有する。そのような光学要素は、ある強度閾値未満のイオンビームを集束、補正、調整、及び/又は他の方法で操作することができるだけであり、そのような光学要素は、BIBソース106によって放出されたイオンを集束させる必要がないので、BIBシステム102で使用されるブロードイオンビーム(すなわち、一次ビーム電流)の強度は、FIBシステムよりもはるかに大きくなり得る。このビーム電流の増加は、BIBシステム102がFIBシステムよりもはるかに速く試料材料を除去することを可能にする。本出願人は、当業者であれば、BIBシステム102においてブロードイオンビームを集束させるためにいくつかの光学要素が含まれてもよいが、そのような要素を含めると、FIBシステムよりもBIBシステム102に課されるビーム電流制限が小さくなることを理解するであろうと確認する。
【0016】
ブロードイオンビーム108のビーム強度の増加により、ブロードイオンビーム108が入射する試料104の材料は、FIBミリングプロセスよりも速い速度で除去される。具体的には、ブロードイオンビーム108は、より高いビーム強度を有し、試料の広い領域に入射するので、試料104から材料が除去される速度は、FIBシステムよりもはるかに高い。残念ながら、試料材料除去のこの増加のために、ブロードイオンビーム108によって除去された試料104の一部が内部容積130及び/又はソース容積140内の表面上に再堆積するにつれて、材料再堆積が比例して増加する。現在のBIBシステムでは、この再堆積は、BIBソース106上への再堆積が、ユーザに、洗浄及びメンテナンスのためにBIBソース106を頻繁に除去及び/又は別様にアクセスすることを強いるため、大きな効率低下を課す。この洗浄及びメンテナンスのために、現在のBIBシステムは、試料処理に使用できない高い割合の休止時間を有する。
【0017】
図1は、放出軸150に沿って追加のブロードイオンビームを放出するように構成された任意選択の追加のBIBソース148を含むものとしてBIBシステム102を示す。追加のBIBソース148は、追加のソース収容部154によって画定される追加のソース容積152内に配置されているものとして示されている。追加のソース収容部154はまた、追加のソース容積148を内部容積130に接続する追加のBIB開口部156と、追加のBIBソース148を追加のソース容積148から除去し、又はその中に再設置することを可能にする追加のBIBソースメンテナンス開口部158とを画定する。
【0018】
BIBシステム102は、追加のBIBソース152から放出されたイオンが追加のBIB開口部156を通って追加のソース容積152から内部容積130へ通過することを可能にする開放状態と、追加の弁160が試料104からのイオン又は放出物が内部容積130から追加のソース容積160へ通過することを防止する密閉状態との間で切り替わるように構成された追加の弁148を更に備えることができる。弁160が閉鎖状態にあるとき、追加のソース容積152は、内部容積130内の圧力に影響を及ぼすことなく、(例えば、追加のBIBソースメンテナンス開口部158を介して)外部環境に対して開放され得る。したがって、弁160が閉鎖状態にあるとき、BIBソースメンテナンス開口部158は、内部容積130の圧力又はガス組成物に影響を及ぼすことなく、追加のBIBソース148を洗浄、調整、除去、交換、及び/又は他の方法でメンテナンスすることを可能にするように、除去され得る。
【0019】
図1は、ブロードイオンビーム108を介して試料104から除去されたそのような試料材料が、追加のイオンソース容積152内に通過すること、及び/又は追加のBIBソース148上に再堆積することを許されないような閉鎖状態の弁160を示す。本発明によれば、BIBソース148が使用されている間に追加のBIBソース130上に再堆積が起こらないので、洗浄及び/又はメンテナンスのためにBIBソース148を除去し及び/又はアクセスする必要があるときに、追加のBIBソース140を使用して試料104(又は追加の試料)を処理することができる。したがって、弁146を閉じてソース容積140を内部容積130から密閉することができるので、弁160を開くことができ、その結果、追加のBIBソース148を使用して追加のBIB開口部156を通して追加のブロードイオンビームを放出して試料を処理することができる。したがって、本開示のいくつかの実施形態では、BIBシステム102は、休止時間なしに試料を連続的に処理することができ、その効率を大幅に向上させる。加えて、図1には示されていないが、様々な実施形態において、BIBシステム102は、1つのBIBソースのみを含んでもよく、又は3つ以上のBIBソースを含んでもよい。
【0020】
図1はまた、レーザ収容部168によって画定されるレーザ開口部166を通して光学ビームを放出するように構成され得る、レーザ容積164内に配置されるレーザソース162を任意選択で含むものとして、BIBシステム102を示す。レーザソース162によって放出される光学ビームは、ブロードイオンビーム108よりも高いビームエネルギー及び/又は強度のものであり、光学ビームが、ブロードイオンビームで可能な速度よりも10~50倍大きい速度で入射する試料材料を除去することを可能にする。例えば、10分未満で、光学レーザは、ブロードイオンビームが90分で除去することができるのと同程度のニッケル又はコバルトを除去することができる。更に、グラファイトなどのより硬い材料の場合、光学ビームが10分未満で除去することができるのと同じ量の材料を除去するのに、現在のブロードイオンビームは最大4時間かかる。
【0021】
しかしながら、試料材料の除去は光学ビームではより迅速であるが、光学ビームによるミリング及び/又は処理はまた、残りの試料表面に損傷/焼けを引き起こす。したがって、本発明の実施形態では、BIBシステム102は、試料104の初期部分を迅速に除去するために光学ビームを使用することができ、除去される必要がある試料104の最終部分は、BIBソース(例えば、BIBソース106、追加のBIBソース148、又はBIBシステム102内の別のBIBソース)からのブロードイオンビームを使用して除去される。このようにして、光学ビームを使用して試料104のバルク部分を除去することができ、その後、ブロードイオンビームを使用して対象領域を露出させ、及び/又はより滑らかな若しくは損傷のない表面を作成することができる。
【0022】
図1は、BIBシステム102に関連付けられたコンピューティングデバイス170を更に示す。図1は、コンピューティングデバイス170が外部デバイス112から分離されているとして示すが、様々な実施形態では、これらの要素のうちの1つ以上は、組み合わされ得る。すなわち、本出願人は、コンピューティングデバイス170がBIBシステム102のコンポーネントであってもよく、ネットワーク通信インタフェースを介して通信するBIBシステム102とは別個のデバイスであってもよく、又はそれらの組み合わせであってもよいことを確認する。
【0023】
当業者であれば、図1に示されるコンピューティングデバイス170は単なる例示であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解するであろう。コンピューティングシステム及びデバイスは、コンピュータ、ネットワークデバイス、インターネット家電製品、PDA、無線電話、コントローラなどを含む、示された機能を実行することができるハードウェア又はソフトウェアの任意の組み合わせを含み得る。コンピューティングデバイス170はまた、示されていない他のデバイスに接続され得、又は代わりに、スタンドアロンシステムとして動作し得る。追加して、図示のコンポーネントによって提供される機能は、いくつかの実施態様では、より少ないコンポーネントに組み合わせられ、又は追加のコンポーネントに配布され得る。同様に、いくつかの実装態様では、図示の構成要素のうちのいくつかのコンポーネントの機能は実現されなくてもよい、及び/又は他の追加機能を利用可能とすることができる。
【0024】
図1は、コンピューティングデバイス170の例示的なコンピューティングアーキテクチャ180を示す概略図を更に含む。例示的なコンピューティングアーキテクチャ180は、本開示で記載される技法を実装するために使用され得る、ハードウェア及びソフトウェアコンポーネントの追加の詳細を例解する。例示的なコンピューティングアーキテクチャ180では、BIBシステム102のコンピューティングハードウェア170は、1つ以上のプロセッサ182と、1つ以上のプロセッサ182に通信可能に結合されたメモリ184とを含む。
【0025】
例示的なコンピューティングアーキテクチャ180は、メモリ184に保存された少なくとも制御モジュール188及び試料処理モジュール190を含んでもよい。例示的なコンピューティングアーキテクチャ180は更に、メモリ184に保存された試料情報192及び処理スケジュール(複数可)194を含むものとして示されている。試料情報192は、試料の特性、試料の識別情報、試料の履歴、試料の状態、試料ホルダ上の試料の位置決め、試料の組成物、試料内の対象領域、及び試料内の対象表面などを記述するデータに対応し得る。処理スケジュール(複数可)194は、所望の結果を達成するためにBIBシステム102で試料104を処理するための1つ以上の方法、設定、又は命令を含み得る(すなわち、荷電粒子顕微鏡システムを使用して検査され得るように、試料104内の対象表面を露出させ、研磨する)。例えば、処理スケジュール194は、図3図6に関連して示され説明された方法のうちの1つ以上のステップを含み得る。試料のための試料処理スケジュール194は、レーザ強度、レーザミリング時間、レーザを用いて除去される試料の一部、BIB強度、BIBミリング時間、BIBを用いて除去される試料の一部、対象表面、処理順序、試料識別情報、除去される試料の領域、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。例えば、試料処理スケジュール194は、BIBシステム102のコンポーネントによって特定の順序で実行される複数のステップを識別するデータ構造であってもよく、データ構造はまた、コンポーネント及び/又は個々のステップの様々なパラメータを識別してもよい。いくつかの実施形態では、そのような処理スケジュール194は、試料の処理をガイドするためにBIBシステム102のユーザに少なくとも部分的に提示されてもよく、試料の処理に関連する設定を自動化及び/又は調整するためにコンピューティングデバイス170によって少なくとも部分的に使用されてもよく、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、試料情報192及び/又は個々の処理スケジュール(複数可)194は、ユーザによって(例えば、キーパッド、キーボード、マウス、音声コマンド、タッチスクリーンなどを使用して)コンピューティングデバイス170に入力されてもよく、ハードウェア接続(例えば、CD/DVD、USB、HDMI(登録商標)、ポータブルメモリなど)を介して受信されてもよく、ネットワーク接続(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、インターネットなど)を介して受信されてもよく、BIBシステム102(例えば、試料ホルダ116上のアクセス可能なメモリ)に挿入されている試料に関連して受信されてもよく、センサ情報又は試料情報192に基づいて生成されてもよく、又はそれらの組み合わせであってもよい。例えば、例示的実施形態では、BIBシステム102は、試料ホルダ116上のRFIDを介して識別子を受信し、ネットワーク接続を介して識別子に関連付けられた試料情報192にアクセスし、次いで、識別子、試料情報、又は両方に基づいて、試料104のための処理スケジュール194を識別又は生成するように構成され得る。
【0027】
本明細書で使用される場合、「モジュール」という用語は、考察の目的で実行可能な命令の例示的な区分を表すように意図されており、あらゆるタイプの要件又は必要な方法、方式、又は編成を表すようには意図されていない。したがって、様々な「モジュール」が説明されているが、それらの機能及び/又は類似の機能は、異なって配置されることができる(例えば、より少数のモジュールに結合、より多数のモジュールに分割など)。更に、特定の機能及びモジュールは、本明細書ではプロセッサ上で実行可能なソフトウェア及び/又はファームウェアによって実施されるものとして記載されているが、他の事例では、任意又は全てのモジュールは、記載された機能を実行するようにハードウェア(例えば、特殊な処理ユニットなど)によって全体又は部分的に実施され得る。
【0028】
制御モジュール188は、コンピューティングデバイス170及び/又はBIBシステム102に、1つ以上のアクションを取らせ、及び/又は試料処理スケジュールのステップを実行させるために、プロセッサ182によって実行可能であり得る。いくつかの実施形態では、制御モジュール188は、BIBシステム102の個々のコンポーネント(例えば、BIBソース、レーザソースなど)の設定を調整する、BIBシステム102の個々のコンポーネントに特定の動作を実行させる(例えば、BIBシステム102内で試料ホルダを移動させる、弁を開閉する、ブロードイオンビームを放出する、光学ビームを放出する、試料を位置合わせする、容積130、140、及び/又は152内に存在する圧力設定又はガスを調整するなど)、又はそれらの組み合わせを行うように実行可能であってもよい。例えば、制御モジュール188は、試料ホルダマニピュレータ126を、BIBシステム102内に保管された(例えば、カセット保管容積122内に配置された保管カセット120内に保管された、試料ホルダ保管容積118内に保管されたなど)所望の試料ホルダ116と係合させ、係合された試料ホルダ116を試料ステージ領域112に平行移動、傾斜、及び/又は回転させて、それがマスク114と入れ子にされ、試料104がマスク114と所望の幾何学的関係を有するように実行可能であってもよい。そのような例では、制御モジュール118は、試料104が処理されると、当該試料ホルダ116をBIBシステム102内に保管された場所に戻し、次いで追加の試料ホルダ116と係合し、次いで追加の試料ホルダ116を試料ステージ領域112に平行移動させて、追加の試料104を処理することができるように更に実行可能であってもよい。
【0029】
代替的に又は追加的に、制御モジュール188は、ディスプレイ186に、処理プロトコルをユーザに提示させ、処理されている試料についての情報を提示させてもよい。例えば、制御モジュール188は、試料とマスク114との位置合わせ、除去/研磨/処理されている試料104の表面などのビデオ/画像情報を提示させてもよい。いくつかの実施形態では、制御モジュール188は、ユーザが試料104に関連付けられたデータを入力及び/又は変更し、及び/又は試料104を処理するときに使用されるプロトコルステップ又はコンポーネント構成を選択することを可能にする選択可能なインタフェースを含むグラフィカルユーザインタフェースをディスプレイ186に提示させてもよい。
【0030】
試料処理モジュール190は、BIBシステム102による試料104の処理を少なくとも部分的に自動化するために、プロセッサ182によって実行可能であり得る。例えば、試料処理モジュール190は、BIBシステム102内の試料ホルダ116を再配置し、試料の試料情報192にアクセスし、試料104の処理スケジュール194を決定し、BIBシステム102のコンポーネントの構成を調整し、及び/又はBIBシステム102のコンポーネントに試料104の処理を実行させるように実行可能であってもよい。本発明によれば、試料処理モジュール190は、処理される試料104の試料情報192を取得することができる。様々な実施形態では、試料処理モジュール190は、有線又は無線接続を介して、ユーザ入力から情報を受信することによって、情報を取得してもよい。代替的又は追加的に、試料処理モジュール190は、センサ情報に基づいて情報を決定することによって情報を取得してもよい。
【0031】
試料処理モジュール190はまた、ユーザ入力、試料104の試料情報192、試料104に関連付けられた処理スケジュール194、又はそれらの組み合わせに基づいて、BIBシステム102のコンポーネントの所望のコンポーネント構成を決定するように実行可能であってもよい。例えば、除去される試料材料の組成物及び除去される材料の量を示す試料情報192に基づいて、試料処理モジュール190は、所望のブロードイオンビーム強度(例えば、BIB電流、加速電圧、ステージ揺動など)及び試料140を処理するのに必要なブロードイオンビームの照射時間を決定してもよく、それに応じてBIBソース106の構成及び/又は関連する処理スケジュール194を調整してもよい。
【0032】
加えて、試料処理モジュール190はまた、処理される試料104に関連付けられた処理スケジュール194を取得するように実行可能であり得る。処理スケジュール194を取得することは、アクセス可能なデータ構造から所定の処理スケジュールにアクセスすること、所定の処理スケジュールを修正すること、試料のための処理スケジュールを生成すること、又はそれらの組み合わせに対応し得る。例えば、(例えば、試料ホルダ116上のバーコードをスキャンすることによって)試料の識別子を決定した後、試料処理モジュール190は、識別子を使用して、アクセス可能なメモリ上に記憶されたデータ構造から試料情報192及び/又は処理スケジュール194にアクセスし得る。代替的に又は追加的に、ユーザは、試料の識別子、試料情報194、プロセスの所望の結果、発生する処理のタイプなどを入力することができ、試料処理モジュール190は、BIBシステム102に試料の所望の処理を実行させる準備された処理スケジュール194を生成するために使用することができる。例えば、処理スケジュール194の仕様に基づいて、試料処理モジュール190は、BIBシステム102に、図3から図6に示す方法のいずれかを使用して1つ以上の試料104を処理させてもよい。いくつかの実施形態では、試料処理モジュール190は、ユーザが処理スケジュール194のステップを実行するための命令を承認及び/又は与えることを可能にする、一連のGUIをディスプレイ186上に提供してもよい。試料処理モジュール190は更に、ユーザ入力から独立して、処理スケジュール194のステップの一部又は全部を行うように実行可能であり得る。
【0033】
試料処理モジュール190は更に、多くの試料104が連続して処理され得るように、BIBシステム102内で試料ホルダ116を自動的に移動させるように、プロセッサ182によって実行可能であり得る。例えば、処理される複数の試料を識別するユーザ入力に基づいて、試料処理モジュール190は、識別された試料の各々が処理され得るように、試料ホルダマニピュレータ126に、関連付けられた試料ホルダ116を保管場所(例えば、カセット保管容積122内に配置された保管カセット120、試料ホルダ保管容積118など)と試料ステージ領域112との間で連続的に移動させ得る。試料処理モジュール190は、BIBシステム102に、ユーザ入力なしに処理ステップの一部又は全部を実行させるように更に構成されているので、試料処理モジュール190は、BIBシステム102が、複数の試料を迅速に連続して、ユーザ監視なしに自動的に処理することを可能にする。このようにして、本開示のBIBシステム102は、単一のユーザが、複数のBIBシステム102にわたって多くの試料の試料処理を監視することを可能にし、及び/又はBIBシステム102は、長期間にわたって一連の試料を処理するためにユーザの監視なしに放置される。
【0034】
コンピューティングデバイス170は、1つ以上のプロセッサがアクセス可能なメモリ(複数可)に保存された命令、アプリケーション、又はプログラムを実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含む。いくつかの例では、1つ以上のプロセッサは、これらに限定されないが、ハードウェア中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)などを含むハードウェアプロセッサを含み得る。多くの事例では、本技術は、1つ以上のプロセッサにより実行されるものとして本明細書に記載されているが、いくつかの事例では、本技術は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、又はこれらの組み合わせのような1つ以上のハードウェアロジックコンポーネントにより実現され得る。
【0035】
1つ以上のプロセッサにアクセス可能なメモリは、コンピュータ可読媒体の例である。コンピュータ可読媒体は、2つのタイプのコンピュータ可読媒体、すなわちコンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含むことができる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータのような情報の記憶のための任意の方法又は技術において実装される揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び固定の媒体を含むことができる。コンピュータ記憶媒体は、これらに限定されないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用(EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、若しくは他の光記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、又は所望の情報を記憶するように使用され得、かつコンピューティングデバイスによってアクセスされ得る、任意の他の非伝送媒体を含む。一般に、コンピュータ記憶媒体は、1つ以上の処理ユニットによって実行されるときに、本明細書に記載される様々な機能及び/又は操作を実施するようにする、コンピュータ実行可能命令を含み得る。対照的に、通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、若しくは搬送波のような変調データ信号における他のデータ、又は他の伝送機構を具体化する。本明細書において定義されるように、コンピュータ記憶媒体は、通信媒体を含まない。
【0036】
当業者であれば、項目又はその部分が、メモリ管理及びデータ完全性のために、メモリと他の記憶デバイスとの間で移送され得ることも理解するであろう。代替的に、他の実施態様では、ソフトウェアコンポーネントのいくつかは、又は全ては、別のデバイスのメモリ内で実行し得、コンピューティングデバイス170と通信し得る。システムコンポーネント又はデータ構造のうちのいくつか又は全ては、非一時的なコンピュータアクセス可能媒体に記憶する、又は適切なドライブによって読み取られるポータブル製品に記憶することもでき(例えば、命令又は構造化データとして)、その様々な例は、上に説明されている。いくつかの実施態様では、コンピューティングデバイス170とは別個のコンピュータアクセス可能媒体に記憶された命令は、無線リンクなどの通信媒体を介して搬送される電気信号、電磁信号、又はデジタル信号などの伝送媒体又は信号を介して、コンピューティングハードウェア及びコンピューティングデバイス170に伝送されてもよい。様々な実装態様は、コンピュータアクセス可能媒体に関するこれまでの記述に従って実装される命令及び/又はデータを受信する、送信する、又は記憶することを更に含んでもよい。
【0037】
図2は、試料準備ワークフロー内で複数の試料をより効率的に処理するためのBIBシステム(複数可)102がある例示的な環境200の図である。具体的には、図2は、試料準備ステーション202、試料搬送デバイス250、BIBシステム102、及び荷電粒子顕微鏡260を含む環境200を示す。しかしながら、当業者は、本開示によるBIBシステム102が試料を効率的に処理することを可能にするために、異なるステーション、コンポーネント、及びデバイスがどのように使用され得るかを理解するであろう。例えば、例示的な環境200、その中のコンポーネント/ステーション/デバイスは、図3図6に説明される方法並びに本明細書に説明される他のプロセスを実践するために使用されてもよい。
【0038】
図2は、試料準備ステーション202を、制御された圧力及び雰囲気ガス組成物を有するフード付き作業領域として示す。具体的には、図2は、作業容積206を画定するバリア材料204と、コンポーネントが作業容積206と外部環境との間を通過することができる1つ以上の任意選択で密閉可能な開口部208とを備える試料準備ステーション202を示す。しかしながら、当業者は、試料準備ステーション202が開放環境に対応し得ることを理解するであろう。更に、試料準備ステーション202は、BIBシステム102とは別個のものとして図2に示されているが、当業者は、いくつかの実施形態では、試料準備ステーション202は、試料が試料準備ステーション202の試料ホルダ上に位置合わせされ得るように、内部容積を形成する別個のチャンバ内のBIBシステム102内に含まれてもよく、異なる試料は、BIBシステム102の内部容積内のBIBソースによって処理されることを理解するであろう。
【0039】
いくつかの実施形態では、ユーザは、所望の試料210タイプの準備に最適であるように、作業容積206内の圧力及び雰囲気ガス組成物を選択することができる。作業容積206は、BIBシステム102における処理のために試料210を準備するための例示的な要素を含むものとして示されている。例えば、作業容積206は、採取/生成され、検査のために準備された複数の試料210と、試料210を配置することができる複数の空の試料ホルダ212と、試料ホルダ上に試料を位置合わせ/配置するための例示的な補助具214と、試料を収容する試料ホルダ216とを含むものとして示されている。例示的な補助具214は、光学顕微鏡システムとして示されているが、当業者は、異なるタイプの試料210/準備ワークフローが、試料ホルダ上に試料を最適に位置合わせ/位置決めするために異なるタイプの補助具を必要とし得ることを理解するであろう。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態では、準備ステーションは、試料ホルダ212上に試料210を位置合わせするための追加のマスク218を更に含む。追加のマスク218は、試料ホルダが追加のマスク218と入れ子にされたときに試料と追加のマスク218の縁部との間に特定の幾何学的関係を有するように試料が位置合わせ及び/又は配置されたときに、試料ホルダがBIBシステム102内でマスク114と入れ子にされたときに試料210が試料とマスク114(a)の縁部との間に同じ特定の幾何学的関係を有するように、幾何学的に構成される。マスク114と追加マスク218との間のこの幾何学的類似性は、BIBシステム102がブロードイオンビーム及び/又は光学ビームを用いて試料を処理することができる潜在的な時間を取ることなく、試料がそれぞれの試料ホルダ上で位置合わせされることを可能にする。いくつかの実施形態では、試料準備ステーション202内で試料を位置合わせすることは、追加のマスク218を使用せずに試料を光学的に位置合わせすることに対応し得る。例えば、試料ホルダがBIBシステム102内でマスク114と入れ子にされた状態で試料が所望の位置になるように、試料ホルダの調整可能な部分を調整することによって、試料を試料ホルダに対して光学的に位置合わせすることができる。このように試料を光学的に位置合わせするための例示的な方法は、試料縁部をマークされた位置に調整すること(例えば、光学顕微鏡及び/又は画像認識アルゴリズムを使用して)、所望の位置を決定するためにレーザゲート感知を使用することなどを含むが、これらに限定されない。
【0041】
加えて、図2は、複数の試料ホルダ216を保持するように構成された保管カセット220を含む試料準備システムを示す。保管カセット220は、多くの試料204及びそれらの対応する試料ホルダ216が、BIBシステム102に搬送及び/又は装填されることを可能にするように構成される。このようにして、ユーザは、追加のマスト218を使用して、各複数の試料210を事前に位置合わせさせ、次いで、それらを保管カセット220内に装填することができる。
【0042】
図2は、試料準備ステーション202とBIBシステム102との間、及び/又はBIBシステム102と荷電粒子顕微鏡206との間で試料ホルダ216を搬送するように構成された任意選択の試料搬送デバイス204を更に示す。いくつかの実施形態では、試料搬送デバイス204は、搬送中に試料ホルダ216の周囲の所望の圧力及び/又はガス環境を維持することができる。そのような実施形態では、試料搬送デバイス204は、所望の圧力及び/又はガス環境以外の圧力又はガスに露出されることなく、試料が、試料準備ステーション202において準備され、BIBシステム102において処理され、荷電粒子顕微鏡206において調査されることを可能にする。あるいは、試料ホルダ216又は保管カセット220は、それ自体が試料準備ステーション202とBIBシステム102との間で搬送されてもよい。いくつかの実施形態では、保管カセット220は、それが収容する複数の試料ホルダ216を所望の圧力及び/又はガス環境で維持することが可能であり得る。
【0043】
図2は、図1に関連して説明した例示的なBIBシステム102を含むものとして例示的な環境200を更に示す。BIBシステム102は、試料ステージ領域112に向かってBIB軸に沿ってブロードイオンビームを放出するように構成されたBIBソース106及び任意選択の追加のBIBソース148を含む。ブロードイオンビームは、ブロードイオンビームの一部が試料210に入射するときに、ブロードイオンビームが入射する試料の材料がミリングされるか、又は他の方法で試料から除去されるように構成される。試料ステージ領域112は、対象部分に対応する試料材料が、入射イオンによって試料210からミリングされないか、又は他の方法で除去されないように、ブロードイオンビームの一部を遮断するように構成されたマスク114を含むことができる。試料ステージ領域112はまた、試料ホルダ216を受け入れるように構成されたホルダインタフェースを含むことができ、それにより、試料210の処理中に、マスクが試料内の対象部分を保護するように、マスク114に対して位置決め及び保持することができる。BIBシステム102は、任意選択のレーザソース162を含むものとして更に示されている。BIBシステム102は、図1の議論に記載されるように、及び/又は図3から図6に記載される方法並びに本明細書に記載される他のプロセスに従って、試料を処理するように構成される。
【0044】
例示的な環境200は、本発明によるBIBシステム102で処理された試料210を検査するための荷電粒子顕微鏡システム206を含むものとして更に示されている。例示的な荷電粒子顕微鏡システム(複数可)206は、帯電粒子のビーム222(通常は電子ビーム又はイオンビーム)で試料210に照射及び/又はそうでなければ衝突させるように構成された電子顕微鏡(EM)セットアップ又は電子リソグラフィセットアップを含み得る。様々な実施形態において、荷電粒子顕微鏡システム206は、これらに限定されないが、走査型電子顕微鏡(SEM)、走査型透過電子顕微鏡(STEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、荷電粒子顕微鏡(CPM)、デュアルビーム顕微鏡システムなどのような1つ以上の異なるタイプのEM及び/又は荷電粒子顕微鏡であるか、又はこれらを含むことができる。加えて、いくつかの実施形態では、TEMは、STEMとしても動作することができる。図2は、例示的な荷電粒子顕微鏡システム206を、透過型電子顕微鏡(SEM)224として示す。
【0045】
図3は、本発明による、システム稼働時間の増加を可能にする二重BIBシステムを用いて試料を処理するための試料プロセス300を示す。プロセス300は、試料準備ワークフロー内の複数の試料のより効率的な処理のための例示的環境(複数可)200のいずれかを含む任意の環境において、BIBシステム102のいずれかを用いて実装され得る。
【0046】
ステップ302において、処理される試料が任意に決定される。例えば、処理される試料は、BIBシステム上のインタフェースを介して、又は関連付けられたコンピューティングデバイスを介してユーザから受信された入力に基づいて決定され得る。代替的に、処理される試料は、データ構造(すなわち、テーブル、スケジュール、メタデータなど)にアクセスする、及び/又は処理される次の試料の決定をもたらす命令を実行する、BIBシステム又は関連するコンピューティングデバイスによって決定され得る。例えば、BIBシステムは、その中に保管される複数の試料ホルダに順次アクセスするように構成されてもよく、ユーザが、自動的に連続して処理されるように、いくつかの試料をBIBシステムに事前装填することを可能にする。そのような例では、関連するコンピューティングデバイスのBIBシステムは、試料が処理される順序を追跡し、複数の試料のうちのどの試料が次に処理されるかを追跡する。
【0047】
ステップ304において、試料の処理スケジュールが決定される。試料の処理スケジュールは、試料の所望の処理結果(例えば、BIB強度、BIBミリング時間、BIBを用いて除去される試料の一部、対象表面、又はこれらの組み合わせ)を達成するために従うべきBIBシステム構成及びワークフロー設定に対応する。いくつかの実施形態では、処理スケジュールは、予め作成された処理スケジュールのリストから処理スケジュールを選択すること、新しい処理スケジュールを入力/生成すること、個々のステップ若しくは構成命令を入力すること、又はそれらの組み合わせによって、ユーザによって入力され得る。例えば、関連するコンピュータは、ユーザが試料に関連するデータを入力及び/又は変更すること、及び/又は試料を処理するときに使用されるプロトコルステップ若しくはコンポーネント構成を選択することを可能にする選択可能なインタフェースを含むグラフィカルユーザインタフェースを提示してもよい。別の例では、BIBシステムが特定のタイプの試料を処理して特定の検査モダリティのためにそれを準備するために頻繁に使用される場合、BIBシステム又は関連するコンピュータは、頻繁に使用される処理構成/ワークフローを開始するためにユーザが(手動で、又は試料、試料ホルダなどに関連するメタデータを介して)選択することができる関連する処理スケジュールを記憶していてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、処理スケジュールは、処理される試料に関連付けられた試料情報とともに受信され得る。試料情報は、試料識別情報、試料組成物、対象領域、対象表面、関連する処理スケジュールなどのうちの1つ以上を含む。代替的に又は追加的に、BIBシステム又は関連するコンピューティングシステムは、予め定義された規則/命令を使用して、試料情報に基づいて試料の処理スケジュールを決定してもよい。例えば、ユーザは、BIBシステムが関連する試料情報を指定するデータ構造にアクセスするために使用することができる試料の識別子を入力することができ、次いで、BIBシステムは、予め定義された規則を使用して、BIBシステムに試料の所望の処理を実行させる準備された処理スケジュールを作成する。一例として、BIBシステムは、除去される材料組成物に基づいてブロードイオンビームのビーム強度を設定し、及び/又は除去される材料の量に基づいてミリング時間を調整することができる。
【0049】
ステップ306において、試料は処理のために準備される。処理のために試料を準備することは、より大きな試料から試料を採取すること、又はそうでなければ試料を生成すること(例えば、試料の一部を成長又は堆積させる)、試料を試料ホルダに装填すること、試料を位置合わせさせること、試料をBIBシステムに搬送すること、試料ホルダをBIBシステム内の試料ステージ領域に搬送することなどを含むことができる。例えば、BIBシステムは、コンポーネント試料ホルダ搬送要素に、処理される試料に関連する試料ホルダを保管領域から回収させ、試料と保護マスクとの間の幾何学的関係が、照射/ミリング中にマスクが試料の所望の部分を保護するようになるように、試料ホルダを平行移動、傾斜及び/又は回転させることができる。
【0050】
ステップ308において、BIBソースは、試料に向かってブロードイオンビームを放出させられる。図3は更に、ブロードイオンビームが試料に向かって放出されている間に実行可能であるステップ310を示す。ステップ310において、追加のBIBソースがアクセスされる。本発明によれば、追加のBIBソースは、弁を介してBIBシステムの内部から選択可能に密閉され得る容積内に配置される。このようにして、弁が閉じられると、試料からの粉砕された材料は、追加のBIBソースを含有する容積内に通過することができない。加えて、いくつかの実施形態では、追加のBIBソースがアクセスされるとき、圧力及び/又はガス構成は影響を受けない。様々な実施形態において、310において追加のBIBソースにアクセスすることは、BIBシステムから追加のBIBソース312を除去すること(例えば、洗浄、調整、修理などのため)、追加のBIBシステム314に対してメンテナンスを行うこと(例えば、洗浄、位置合わせなど)、追加のBIBソース316を交換すること(例えば、洗浄/メンテナンス後にBIBソースを再設置すること)、及び/又はBIBシステムに新しいBIBソース318を設置することのうちの1つ以上を含み得る。
【0051】
ステップ320において、試料の一部がブロードイオンビームで除去される。本発明によれば、ステップ320は、図4で説明した二重光学及びイオンミリングプロセスなど、ブロードイオンビームとは異なるソースを用いたミリングを含むことができる。ステップ320において、保護マスクによって遮蔽されていない試料の一部が試料から除去される。このようにして、追加の処理を受ける試料の対象領域及び/又は部分を迅速に露出することができる。
【0052】
ステップ322において、別の試料が粉砕されるべきかどうかが決定される。322での答えが「はい」である場合、プロセスはステップ302に戻り、処理される試料が選択される。このようにして、追加のBIBシステムがアクセスされている間に、多数の試料を処理することができる。322における答えが「いいえ」である場合、プロセス300は終了し得る。
【0053】
図4は、本発明による、より効率的な試料処理のための二重モード光学及びBIBミリングシステムを用いて試料を処理するための試料プロセス400を示す。プロセス400は、試料準備ワークフロー内の複数の試料のより効率的な処理のための例示的環境(複数可)200のいずれかを含む任意の環境において、BIBシステム102のいずれかを用いて実装され得る。
【0054】
ステップ402において、処理される試料が任意に決定される。例えば、処理される試料は、BIBシステム上のインタフェースを介して、又は関連付けられたコンピューティングデバイスを介してユーザから受信された入力に基づいて決定され得る。代替的に、処理される試料は、データ構造(すなわち、テーブル、スケジュール、メタデータなど)にアクセスする、及び/又は処理される次の試料の決定をもたらす命令を実行する、BIBシステム又は関連するコンピューティングデバイスによって決定され得る。
【0055】
ステップ404において、試料の処理スケジュールが決定される。試料の処理スケジュールは、試料の所望の処理結果(例えば、BIB強度、BIBミリング時間、BIBを用いて除去される試料の一部、対象表面、又はこれらの組み合わせ)を達成するために従うべきBIBシステム構成及びワークフロー設定に対応する。様々な実施形態では、処理スケジュールは、ユーザによって入力されてもよく、処理される試料に関連付けられた試料情報とともに受信されてもよく、又は(例えば、試料情報に基づいて)BIBシステムによって決定されてもよい。
【0056】
ステップ406において、試料は処理のために準備される。処理のために試料を準備することは、より大きな試料から試料を採取すること、又はそうでなければ試料を生成すること(例えば、試料の一部を成長又は堆積させる)、試料を試料ホルダに装填すること、試料を位置合わせさせること、試料をBIBシステムに搬送すること、試料ホルダをBIBシステム内の試料ステージ領域に搬送することなどを含むことができる。例えば、BIBシステムは、コンポーネント試料ホルダ搬送要素に、処理される試料に関連する試料ホルダを保管領域から回収させ、試料と保護マスクとの間の幾何学的関係が、照射/ミリング中にマスクが試料の所望の部分を保護するようになるように、試料ホルダを平行移動、傾斜及び/又は回転させることができる。
【0057】
ステップ408において、レーザソースは、試料に向かって光学ビーム(例えば、レーザ)を放出させられる。レーザソースによって放出される光学ビームは、ブロードイオンビームよりも高いビームエネルギー及び/又は強度のものである。ステップ410において、試料の第1の部分が光学ビームで除去される。光学ビームの強度が増大するので、それは、ブロードイオンビームで可能な速度よりも10~50倍大きい速度で入射する試料材料を除去することができる。しかしながら、試料材料の除去は光学ビームではより迅速であるが、光学ビームによるミリング及び/又は処理はまた、残りの試料表面に損傷/焼けを引き起こす。
【0058】
ステップ412で、BIBソースは、試料に向かってブロードイオンビームを放出させられ、ステップ414において、試料の第2の部分が、ブロードイオンビームを用いて除去される。ブロードイオンビームは、試料表面を損傷することなく試料材料を除去することができるので、ブロードイオンビームは、試料に更なる損傷を引き起こすことなく、試料の最終部分(すなわち、試料の損傷部分)を除去することができる。このようにして、材料の大部分が光学ビームで急速に除去されると、ブロードイオンビームを使用して試料の最終部分を除去して対象領域を露出させることができる。
【0059】
図5は、本発明による、休止時間が低減された二重BIBシステム内で複数の試料を処理するための試料プロセス500を示す。プロセス500は、試料準備ワークフロー内の複数の試料のより効率的な処理のための例示的環境(複数可)200のいずれかを含む任意の環境において、BIBシステム102のいずれかを用いて実装され得る。
【0060】
ステップ502において、処理される試料が任意に決定される。例えば、処理される試料は、BIBシステム上のインタフェースを介して、又は関連付けられたコンピューティングデバイスを介してユーザから受信された入力に基づいて決定され得る。代替的に、処理される試料は、データ構造(すなわち、テーブル、スケジュール、メタデータなど)にアクセスする、及び/又は処理される次の試料の決定をもたらす命令を実行する、BIBシステム又は関連するコンピューティングデバイスによって決定され得る。
【0061】
ステップ504において、試料の処理スケジュールが決定される。試料の処理スケジュールは、試料の所望の処理結果(例えば、BIB強度、BIBミリング時間、BIBを用いて除去される試料の一部、対象表面、又はこれらの組み合わせ)を達成するために従うべきBIBシステム構成及びワークフロー設定に対応する。様々な実施形態では、処理スケジュールは、ユーザによって入力されてもよく、処理される試料に関連付けられた試料情報とともに受信されてもよく、又は(例えば、試料情報に基づいて)BIBシステムによって決定されてもよい。
【0062】
ステップ506では、処理される試料に関連付けられた試料ホルダが、BIBシステム内の保管場所から除去される。例えば、BIBシステムは、コンポーネント試料ホルダ搬送要素(例えば、試料ホルダマニピュレータ)に、処理される試料に関連付けられた試料ホルダを、BIBシステム内の保管領域から、及び/又は試料保管/搬送デバイス(例えば、保管カセット)内から取り出させ得る。
【0063】
ステップ508において、試料ホルダは試料ステージ領域に配置される。具体的には、試料ホルダは、試料と保護マスクとの間の幾何学的関係が、照射/ミリング中にマスクが試料の所望の部分を保護するようなものであるように、試料ホルダ搬送要素によって平行移動、傾斜、及び/又は回転されてもよい。いくつかの実施形態では、試料はまた、ユーザ及び/又はセンサ入力に基づいて、マスクと位置合わせされてもよい。あるいは、又は更に、試料は、図6に記載されるワークフローのようなワークフローを使用して再位置合わせされ得る。
【0064】
ステップ510において、試料が処理される。具体的には、BIBソースから試料に向かってブロードイオンビームを放出させる。ブロードイオンビームが入射する試料の第1の部分はミリング除去され、BIBソースの保護マスクがブロックする試料の第2の部分はミリング除去されない。代替的、又は追加的に、試料は、本明細書に記載されるプロセスを含むがこれに限定されない他の試料準備ワークフローを使用して、BIBシステムにおいて処理されてもよい。
【0065】
ステップ512では、試料ホルダが試料ステージ領域から除去される。すなわち、試料ホルダは、試料ホルダ搬送要素によって平行移動、傾斜、及び/又は回転され、それにより、試料ホルダは、保管場所、試料搬送デバイスに保管されるか、又はポートを通ってBIBシステムから搬送される。
【0066】
ステップ514において、別の試料が処理されるかどうかが決定される。514での答えが「はい」である場合、プロセスはステップ502に戻り、処理される試料が決定される。514における答えが「いいえ」である場合、プロセス500は終了し得る。
【0067】
図6は、本発明による、システム稼働時間の増加を可能にするBIBシステムを用いて試料を処理するための試料プロセス300を示す。プロセス600は、試料準備ワークフロー内の複数の試料のより効率的な処理のための例示的環境(複数可)200のいずれかを含む任意の環境において、BIBシステム102のいずれかを用いて実装され得る。
【0068】
ステップ602において、試料が取得される。具体的には、試料は、より大きな試料から試料を採取すること、試料の一部を成長又は堆積させること、より大きな試料の一部をミリングすること、又はそれらの組み合わせによって得ることができる。
【0069】
ステップ604において、試料は試料ホルダに固定され、ステップ606において、試料ホルダを第1のマスクと入れ子にする。第1のマスクは、BIBシステム内の第2の保護マスクと幾何学的に類似しており、第1のマスクに対して所望の位置合わせ状態にある試料も、第2の試料と所望の位置合わせ状態にある。すなわち、試料が第1のマスクを有する試料ホルダ上の所望の位置に位置合わせされるとき、試料ホルダがその後BIBシステム内の第2のマスク内に入れ子にされるときに、試料を更に位置合わせする必要はない。
【0070】
ステップ608において、試料を第1のマスクと位置合わせする。例えば、ユーザは、光学顕微鏡、センサ、又は視覚を使用して、試料ホルダ上の試料位置合わせ要素を操作して、試料が所望の位置合わせ位置になるまで平行移動、傾斜、又は回転されるようにし得る。試料が位置合わせされると、試料ホルダは、BIBシステム内の試料保管領域に、及び/又は試料保管/搬送デバイス(例えば、保管カセット)内から平行移動され得る。例えば、試料がこのようにして事前に位置合わせされた後、試料ホルダは、試料が処理されるBIBシステム内の保管場所に搬送されてもよい。いくつかの実施形態では、BIBシステムは、ステップ602~608の一部又は全部が行われ得る別個の試料位置合わせチャンバを有してもよく、試料操作要素は、位置合わせされた試料を含有する試料ホルダをBIBシステム内の保管場所に搬送してもよい。このようにして、ユーザが試料を第1のマスクと位置合わせしているとき、BIBシステムは、第2のマスクを使用して事前に位置合わせされた試料を処理することができる。
【0071】
代替例では、試料が第1のマスクと位置合わせされると、試料は、試料が処理されるBIBシステムへの搬送/装填中に試料を保護する試料搬送デバイスに装填されてもよい。そのような搬送デバイスは、単一の試料ホルダ又は多くの試料ホルダを搬送するように構成され得る。いくつかの実施形態では、搬送デバイスは、搬送中に試料の周囲の圧力又はガス環境を保存してもよい。このようにして、試料は、制御された圧力及び/又はガス組成物を有する試料準備領域において準備され得、次いで、試料を新しい圧力/ガス組成物に露出することなく、BIBシステムに搬送され得る。
【0072】
ステップ610において、別の試料が位置合わせされるべきか否かが判定される。610での答えが「はい」である場合、プロセスはステップ602に戻り、別の試料が取得される。このようにして、複数の試料を事前に位置合わせさせ、BIBシステム内の試料保管領域に、及び/又は試料保管/搬送デバイス内から装填することができる。ユーザは多くの試料を連続的に位置合わせさせることができるので、この方法を使用する複数の試料にわたる試料準備のスループットを大幅に合理化することができる。
【0073】
610における答えが「いいえ」である場合、プロセス600はステップ612に続き、ここで、試料ホルダは、BIBシステム内の第2のマスクと入れ子にされる。試料は第1のマスクと事前に位置合わせされているので、試料ホルダが第2のマスクと入れ子にされるとき、それは更なる位置合わせを必要としない。これは、試料がシステム内で処理され得る速度を大幅に増加させる。
【0074】
ステップ614において、試料はBIBシステムで処理される。例えば、試料の一部は、本明細書に記載されるプロセスのいずれかに従って、光学ビーム又はブロードイオンビームを用いて除去され得る。加えて、現在のBIBシステムによって現在必要とされるユーザ入力の多くは、位置合わせプロセスに関連するので、このプロセスを使用して試料を事前に位置合わせすることによって、必要とされるユーザ入力は、複数の試料の位置合わせ中に全て一度に実行されることができ、残りの処理ステップは、本発明によるBIBシステムが、ユーザ入力/監視をほとんど又は全く伴わずに、複数の事前に位置合わせされた試料を処理することができるように、少なくとも部分的に自動化されることができる。
【0075】
ステップ616において、別の試料が処理されるかどうかが決定される。616における答えが「はい」である場合、プロセスはステップ612に戻り、別の試料ホルダが第2のマスクと入れ子にされる。616における答えが「いいえ」である場合、プロセス600は終了し得る。
【0076】
図7A及び図7Bは、第1のマスク704と事前に位置合わせされている試料702と、その後、第2のマスク706を含むBIBシステムで処理されている試料702とを示す例示的な図である。具体的には、図7Aは、光学顕微鏡710を使用して試料ホルダ708上に位置合わせされている試料702を示す。図7Bは、BIBソース714からのブロードイオンビーム712を使用してBIBシステム内で処理されている試料704を示す。試料702が第1のマスク704と事前に位置合わせされているので、また、第2のマスク706が第1のマスク704と幾何学的に類似しているので、試料702は、BIBシステム内で位置合わせ/配置される必要がない。
【0077】
本開示による本発明の主題の例は、以下に列挙される段落で説明される。
【0078】
A1.改善された稼働時間を有するブロードイオンビーム(BIB)試料準備システムであって、内部容積を画定する収容部と、内部容積内に配置された試料ステージであって、試料ステージは、試料ホルダによって保持された試料の研磨中に試料ホルダを保持するように構成されている、試料ステージと、使用時に試料に向かって第1のブロードイオンビームを放出するように構成された第1のBIBソースであって、第1のBIBソースは第1のソース収容部内に配置されている、第1のBIBソースと、使用時に試料に向かって第2のブロードイオンビームを放出するように構成された第2のBIBソースであって、第1のBIBソースは第1のソース収容部内に配置され、第2のBIBソースは、第1のBIBソースが試料に向かって第1のブロードイオンビームを放出している間に除去されるように構成されている、第2のBIBソースと、を含む、ブロードイオンビーム(BIB)試料準備システム。
A2.第2のソースは、第1のBIBソースが第1のブロードイオンビームを試料に向かって放出している間に再設置されるように更に構成されている、段落A1に記載のBIB試料準備システム。
A2.1.第1のソースは、第2のソースが試料に向かって第2のブロードイオンビームを放出している間に除去されるように構成されている、段落A2に記載のBIB試料準備システム。
A2.2.第1のBIBソースは、第2のBIBソースが第2のブロードイオンビームを試料に向かって放出している間に再設置されるように構成されている、段落A2からA2.2のいずれか1つに記載のBIB試料準備システム。
A3.第1のソース収容部及び第2のソース収容部は各々、内部容積内に少なくとも部分的に配置される、段落A1からA2.2のいずれか1つに記載のBIB試料準備システム。
A4.第1のソース収容部は、第1のBIBソースを含む第1の容積と、第1の容積を内部容積に接続する第1の開口部と、を少なくとも部分的に画定する、段落A1からA3のいずれか1つに記載のBIB試料準備システム。
A4.1.第1のBIBソースから放出されたイオンが第1の開口部を通って第1の容積から内部容積へ通過することを可能にする開放状態と、試料からのイオン又は放出物が内部容積から第1の容積へ通過することを第1の弁が防止する密閉状態との間で切り替わるように構成された第1の弁を更に備える、段落A4に記載のBIB試料準備システム。
A4.1.1.第1の弁が密閉状態にあるとき、第1の容積は、内部容積内の圧力に影響を及ぼすことなく外部環境に対して開放され得る、段落A4.1に記載のBIB試料準備システム。
A4.1.2.第1の弁が密閉状態にあるとき、第1の容積は、内部容積内のガスの組成物に影響を及ぼすことなく外部環境に対して開放され得る、段落A4.1からA4.1.1のいずれか1つに記載のBIB試料準備システム。
A4.1.3.第1の弁が密閉状態にあるとき、第1のBIBソースは、内部容積内の圧力又はガス組成物に影響を及ぼすことなく、BIB試料準備システムから除去されること及び再設置されることの少なくとも一方が可能である、段落A4.1からA4.1.2のいずれか1つに記載のBIB試料準備システム。
A4.1.4.第1の弁が密閉状態にあるとき、第1の容積は、内部容積内の真空を破ることなく外部環境に開放され得る、段落A4.1からA4.1.3のいずれか1つに記載のBIB試料準備システム。
A4.1.5.第1の弁は、シャッタ、弁、又はドアのうちの1つに対応する、段落A4.1からA4.1.4のいずれか1つに記載のBIB試料準備システム。
A4.2.第1の収容部は、第1のBIBソースが第1の容積から除去されるか又は第1の容積内に再設置されることを可能にする第1のBIBソースメンテナンス開口部を更に画定する、段落A4からA4.1.5のいずれか1つに記載のBIB試料準備システム。
A4.2.1.第1のBIBソースが第1の容積から除去され得るか、又は第1の容積内に再設置され得る開放状態と、第1の容積が外部環境から密閉される閉鎖状態との間で切り替わるように構成された第1のアクセスポートを更に備える、段落A4.1に記載のBIB試料準備システム。
A4.2.2.第1収容部は、第1の弁及び第1のアクセスポートが各々閉鎖状態にあるとき、第1容積が内部容積又は第2の容積から独立して加圧されることを可能にするように構成されている、段落A4.2.1に記載のBIB試料準備システム。
A5.第2のソース収容部は、第2のBIBソースを含む第2の容積と、第2の容積を内部容積に接続する第2の開口部と、を少なくとも部分的に画定する、段落A1からA4.2.2のいずれか1つに記載のBIB試料準備システム。
A5.1.第2のBIBソースから放出されたイオンが第2の開口部を通って第2の容積から内部容積へ通過することを可能にする開放状態と、試料からのイオン又は放出物が内部容積から第2の容積へ通過することを第2の弁が防止する密閉状態との間で切り替わるように構成された第2の弁を更に備える、段落A5に記載のBIB試料準備システム。
A5.1.1.第1の弁が密閉状態にあるとき、第1の容積は、内部容積内の圧力に影響を及ぼすことなく外部環境に対して開放され得る、段落A5.1に記載のBIB試料準備システム。
A5.1.2.第1の弁が密閉状態にあるとき、第1の容積は、内部容積内のガスの組成物に影響を及ぼすことなく外部環境に対して開放され得る、段落A5.1からA5.1.1のいずれか1つに記載のBIB試料準備システム。
A5.1.3.第1の弁が密閉状態にあるとき、第1のBIBソースは、内部容積内の圧力又はガス組成物に影響を及ぼすことなく、BIB試料準備システムから除去されること及び再設置されることの少なくとも一方が可能である、段落A5.1からA5.1.21のいずれか1つに記載のBIB試料準備システム。
A5.1.4.第1の弁が密閉状態にあるとき、第1の容積は、内部容積内の真空を破ることなく外部環境に開放され得る、段落A5.1からA5.1.3のいずれか1つに記載のBIB試料準備システム。
A5.1.5.第2の弁は、シャッタ、弁、又はドアのうちの1つに対応する、段落A5.1からA5.1.4のいずれか1つに記載のBIB試料準備システム。
A5.2.第2の収容部は、第2のBIBソースが第2の容積から除去されるか又は第2の容積内に再設置されることを可能にする第2のBIBソースメンテナンス開口部を更に画定する、段落A5からA5.1.5のいずれか1つに記載のBIB試料準備システム。
A5.2.1.第2のBIBソースが第2の容積から除去され得るか、又は第2の容積内に再設置され得る開放状態と、第2の容積が外部環境から密閉される閉鎖状態との間で切り替わるように構成された第2のアクセスポートを更に備える、段落A5.1に記載のBIB試料準備システム。
A5.2.2.第2の収容部は、第2の弁及び第2のアクセスポートが各々閉鎖状態にあるとき、第2の容積が内部容積又は第1の容積から独立して加圧されることを可能にするように構成されている、段落A5.2.1に記載のBIB試料準備システム。
A6.1つ以上の追加のBIBソースを更に含む、段落A1からA5.2.2のいずれか1つに記載のBIB試料準備システム。
A7.第1のBIBソースは、第1の軸に沿って試料に向かって第1のブロードイオンビームを放出し、第2のBIBソースは、第2の軸に沿って試料に向かって第2のブロードイオンビームを放出し、第1のソースと第2のソースとの間の角度は、60度~120度である、段落A1からA5.2.2のいずれか1つに記載のBIB試料準備システム。
A8.プロセッサと、プロセッサ上で実行されると、プロセッサに、段落B1からB7.2.1のいずれか1つに記載の方法の実行を開始させるコンピュータ可読命令を記憶するメモリと、を更に備える、段落A1からA7のいずれか1つに記載のBIB試料準備システム。
【0079】
B1.改善された稼働時間を有するブロードイオンビーム(BIB)研磨機を動作させるための方法であって、第1のBIBソースに、BIB研磨機の内部容積内に配置された試料に向かって第1のブロードイオンビームを放出させるステップであって、第1のブロードイオンビームは、それが入射する試料の一部を除去させる、ステップと、第1のBIBソースが試料に向かって第1のブロードイオンビームを放出している間に、BIB研磨機から第2のBIBソースを除去するステップであって、第2のBIBソースは、第2のBIBソースが使用されているときに試料に向かって第2のブロードイオンビームを放出するように構成されている、ステップと、を含む、方法。
B2.第2のBIBソースをBIB研磨システムに再設置するステップを更に含む、段落B1に記載の方法。
B2.1.第1のBIBソースが第1のブロードイオンビームを放出している間に、第2のBIBソースが再設置される、段落B2に記載の方法。
B2.1.1.第1のBIBソースが第1のブロードイオンビームを試料に向かって放出している間に、第2のBIBソースが再設置される、段落B2.1に記載の方法。
B2.1.2.第1のBIBソースが第1のブロードイオンビームを異なる試料に向かって放出している間に、第2のBIBソースが再設置される、段落B2.1に記載の方法。
B3.第2のBIBソースに第2のブロードイオンビームを放出させることを更に含む、段落B1からB2.1のいずれか1つに記載の方法。
B3.1.第2のブロードイオンビームは、試料に向かって放出される、段落B3に記載の方法。
B3.2.第2のブロードイオンビームは、異なる試料に向かって放出される、段落B3に記載の方法。
B4.第3のBIBソースをBIB研磨システム内に設置することを更に含む、段落B1からB3.2のいずれか1つに記載の方法。
B4.1.第1のBIBソースが第1のブロードイオンビームを放出している間に、第3のBIBソースが設置される、段落B4に記載の方法。
B4.1.1.第3のBIBソースは、第1のBIBソースが第1のブロードイオンビームを試料に向かって放出している間に設置される、段落B4.1に記載の方法。
B4.1.2.第3のBIBソースは、第1のBIBソースが第1のブロードイオンビームを異なる試料に向かって放出している間に設置される、段落B4.1に記載の方法。
B4.2.第3のBIBソースに第3のブロードイオンビームを放出させることと、第3のBIBソースが第3のブロードイオンビームを放出している間に、第1のBIBソースをBIB研磨機から除去することと、を更に含む、段落B4からB4.1.2のいずれか1つに記載の方法。
B5.第2のBIBソースに第2のブロードイオンビームをBIB研磨機の内部容積内に配置された新しい試料に向かって放出させるステップであって、第2のブロードイオンビームは、それが入射する新しい試料の一部を除去させる、ステップと、第2のBIBソースが第2のブロードイオンビームを新しい試料に向かって放出している間に、第1のBIBソースをBIB研磨機から除去するステップと、を更に含む、段落B1からB4.2のいずれか1つに記載の方法。
B6.第1のBIBソースをBIB研磨システムに再設置するステップを更に含む、段落B4.2からB5のいずれか1つに記載の方法。
B6.1.第2のBIBソースが第2のブロードイオンビームを放出している間に、第1のBIBソースが再設置される、段落B6に記載の方法。
B6.1.1.第2のBIBソースが第2のブロードイオンビームを試料に向かって放出している間に、第1のBIBソースが再設置される、段落B6.1に記載の方法。
B6.1.2.第2のBIBソースが第2のブロードイオンビームを異なる試料に向かって放出している間に、第1のBIBソースが再設置される、段落B6.1に記載の方法。
B7.BIB研磨機は、収容部容積、及び収容部容積とBIB研磨機の内部容積との間の開口部を画定するソース収容部を備える、段落B1からB6.1.2のいずれか1つに記載の方法。
B7.1.第2のBIBソースは、収容部容積内に配置される、段落B7に記載の方法。
B7.2.BIB研磨機は、第2のBIBソースから放出されたイオンが開口部を通って収容部容積から内部容積へ通過することを可能にする開放状態と、試料からのイオン又は放出物が内部容積から収容部容積へ通過することを弁が防止する密閉状態との間で切り替わるように構成された弁を更に備える、段落B7からB7.1のいずれか1つに記載の方法。
B7.2.1.第2のBIBソースをBIB研磨機から除去する前に、弁を密閉状態に切り替えることを更に含む、段落B7.2に記載の方法。
【0080】
C1.ブロードイオンビーム(BIB)とレーザ試料準備システムとを組み合わせた試料を準備する方法であって、組み合わせた試料準備システムの内部容積内に試料を配置するステップと、組み合わせた試料準備システムのレーザソースコンポーネントに、試料に向かって光学ビームを放出させるステップであって、光学ビームは、光学ビームが入射する試料の第1の部分を除去させる、ステップと、組み合わせた試料準備システムのBIBソースコンポーネントに、試料に向かってブロードイオンビームを放出させるステップであって、ブロードイオンビームは、ブロードイオンビームが入射する試料の第2の部分を除去させて対象領域を露出させる、ステップと、を含む、方法。
C2.試料は、内部容積から試料を除去することなく、光学ビーム及びブロードイオンビームの各々によって照射される、段落C1に記載の方法。
C2.1.試料は、試料を再配置することなく、光学ビーム及びブロードイオンビームの各々によって照射される、段落C2に記載の方法。
C2.2.試料は、レーザソースを再配置することなく、光学ビーム及びブロードイオンビームの各々によって照射される、段落C2からC2.1のいずれか1つに記載の方法。
C2.3.試料は、BIBソースを再配置することなく、光学ビーム及びブロードイオンビームの各々によって照射される、段落C2からC2.2のいずれか1つに記載の方法。
C3.レーザソースは、試料に光学ビームを第1の期間にわたって照射するように構成され、BIBソースは、試料に光学ビームを第1の期間にわたって照射するように構成される、段落C1からC2.3のいずれか1つに記載の方法。
C3.1.第1の期間及び第2の期間のうちの少なくとも1つは、所定の期間である、段落C2に記載の方法。
C3.2.第1の期間及び第2の期間のうちの少なくとも1つは、ユーザ入力を介して提供される、段落C3からC3.1のいずれか1つに記載の方法。
C3.3.第1の期間及び第2の期間のうちの少なくとも1つは、試料に関連付けられた試料情報にアクセスすることによって決定される、段落C3からC3.2のいずれか1つに記載の方法。
C3.4.第1の期間及び第2の期間のうちの少なくとも1つは、試料の第1の部分の材料に基づいて決定される、段落C3からC3.3のいずれか1つに記載の方法。
C3.5.第1の期間及び第2の期間のうちの少なくとも1つは、試料の第1の部分が除去されたことを示す情報を受信する1つ以上のセンサに基づいて決定される、段落C3からC3.4のいずれか1つに記載の方法。
C3.6.第1の期間及び第2の期間のうちの少なくとも1つは、試料の第2の部分が除去されたことを示す情報を受信する1つ以上のセンサに基づいて決定される、段落C3からC3.5のいずれか1つに記載の方法。
C3.7.第1の期間及び第2の期間のうちの少なくとも1つは、対象領域が露出されたことを示す情報を受信する1つ以上のセンサに基づいて決定される、段落C3からC3.6のいずれか1つに記載の方法。
C3.8.第1の期間及び第2の期間のうちの少なくとも1つは、レーザ強度、レーザを用いて除去される試料の一部、BIB強度、BIBを用いて除去される試料の一部、対象表面、又はこれらの組み合わせのうちの1つ以上に基づいて決定される、段落C3からC3.7のいずれか1つに記載の方法。
C4.試料情報を受信するステップを更に含む、段落C1からC3.8のいずれか1つに記載の方法。
C4.1.試料情報はユーザ入力を介して受信される、段落C4に記載の方法。
C4.2.試料情報は、試料に関連付けられたデータファイルにアクセスすることによって受信される、段落C4に記載の方法。
C4.3.試料情報は、試料組成物、対象領域、及び対象表面のうちの1つ以上を含む、段落C4からC4.2のいずれか1つに記載の方法。
C4.4.試料情報は、1つ以上の処理スケジュールを含む、段落C4からC4.3のいずれか1つに記載の方法。
C4.4.1.試料情報に基づいて1つ以上の処理スケジュールを決定することを更に含む、段落C4.4に記載の方法。
C4.4.2.1つ以上の処理スケジュールは、レーザ強度、レーザミリング時間、レーザを用いて除去される試料の一部、BIB強度、BIBミリング時間、BIBを用いて除去される試料の一部、対象表面、又はこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、段落C4.4に記載の方法。
C5.組み合わされた試料準備システムの内部容積内に追加の試料を配置するステップと、組み合わせた試料準備システムのレーザソースコンポーネントに、追加の試料に向かって追加の光学ビームを放出させるステップであって、追加の光学ビームは、追加の試料の入射した第1の部分を除去させる、ステップと、組み合わせた試料準備システムのBIBソースコンポーネントに、追加の試料に向かって追加のブロードイオンビームを放出させるステップであって、追加のブロードイオンビームは、追加のブロードイオンビームが入射する追加の試料の第2の部分を除去させて追加の対象領域を露出させる、ステップと、を更に含む、段落C1からC4.4.2のいずれか1つに記載の方法。
C6.光学ビームは、ブロードイオンビームよりも20倍、30倍、50倍、又はそれ以上速く試料材料を除去する、段落C1からC5のいずれか1つに記載の方法。
【0081】
D1.改善された研磨スループットを有する組み合わせたブロードイオンビーム(BIB)及びレーザ試料準備システムであって、組み合わせた試料準備システムは、内部容積を画定する収容部と、内部容積内に配置された試料ステージであって、試料ステージは、試料ホルダによって保持された試料の研磨中に試料ホルダを保持するように構成されている、試料ステージと、使用時に試料に向かって光学ビームを放出するように構成されたレーザソースであって、光学ビームは、光学ビームが入射する試料の第1の部分を除去させる、レーザソースと、使用時に試料に向かってブロードイオンビームを放出するように構成されたBIBソースであって、ブロードイオンビームは、ブロードイオンビームが入射する試料の第2の部分を除去させて対象領域を露出させる、BIBソースと、を備える、組み合わせた試料準備システム及びレーザ試料準備システム。
D2.プロセッサと、プロセッサ上で実行されると、段落C1からC6のいずれか1つに記載の方法の実行をプロセッサに開始させるコンピュータ可読命令を記憶するメモリとを更に備える、段落D1に記載の組み合わせた試料準備システム。
【0082】
E1.ブロードイオンビーム(BIB)研磨のための複数の試料を保管するための保管カセットであって、保管カセットは、内部保管容積を少なくとも部分的に画定する収容部と、内部保管容積内に配置された複数の試料ホルダ収容部であって、各個々の試料ホルダ収容部は、BIBシステムで研磨するための対応する試料を含む試料ホルダを受け入れるように構成されている、複数の試料ホルダ収容部と、を備え、保存カセットはBIBシステムに挿入されるように構成され、試料ホルダハウジングの各々は、カセットがBIBシステムに挿入されたときに、対応する試料がBIBシステムによって研磨され得るように、その対応する試料ホルダがカセットから除去されることを可能にするように更に構成されている、保管カセット。
【0083】
F1.複数の試料を効率的に処理するためのブロードイオンビーム(BIB)システムであって、BIBシステムは、内部容積を画定する収容部と、内部容積内に配置された試料ステージであって、試料ステージは、試料ホルダによって保持された試料の研磨中に試料ホルダを保持するように構成されている、試料ステージと、使用時に試料に向かってブロードイオンビームを放出するように構成されたBIBソースであって、第1のBIBソースは、第1のソース収容部内に配置される、BIBソースと、段落E1からEXXのいずれか1つに記載の保管カセットを受け入れて保持するように構成されたカセット収容部と、試料ホルダマニピュレータであって、保管カセットから個々の試料ホルダを除去し、対応する試料が処理され得るように、個々の試料ホルダを試料ステージ上に装填し、対応する試料が処理された後に、個々の試料ホルダを試料ステージから除去し、個々の試料ホルダを保管カセットに戻すように装填する、ように構成された試料ホルダマニピュレータと、を備える、ブロードイオンビーム(BIB)システム。
F2.プロセッサと、プロセッサ上で実行されると、段落G1からG6.4.2のいずれか1つに記載の方法の実行をプロセッサに開始させるコンピュータ可読命令を記憶するメモリとを更に備える、段落F1に記載のBIBシステム。
【0084】
G1.ブロードイオンビーム(BIB)システムを用いて複数の試料を効率的に処理するための方法であって、方法は、試料を含む個々の試料ホルダを保管カセットから除去するステップと、個々の試料ホルダによって保持された対応する試料の研磨中に、個々の試料ホルダを試料ホルダを保持するように構成された試料ステージ上に装填するステップと、BIBソースに、試料に向かってブロードイオンビームを放出させるステップであって、ブロードイオンビームは、入射した試料の少なくとも一部を除去する、ステップと、対応する試料が処理された後に、個々の試料ホルダを試料ステージから除去するステップと、個々の試料ホルダを保管カセットに戻すように装填するステップと、を含む、方法。
G1.1.BIBシステムで処理するために、段落E1に記載の保管カセットを受け取るステップを更に含む、段落G1に記載の方法。
G2.保管カセットは、各々が対応する試料を含む複数の試料ホルダを保管する、段落G1からG1.1のいずれか1つに記載の方法。
G2.1.別の試料を収容する別の個々の試料ホルダを保管カセットから除去するステップと、別の個々の試料ホルダを試料ステージ上に装填するステップと、BIBソースに、試料に向かって別のブロードイオンビームを放出させるステップであって、別のブロードイオンビームは、それが入射する別の試料の少なくとも一部を除去する、ステップと、対応する別の試料が処理された後に、別の個々の試料ホルダを試料ステージから除去するステップと、別の個々の試料ホルダを保管カセットに戻すように装填するステップと、を更に含む、段落G2に記載の方法。
G2.2.保管カセットに保管された1つ以上の追加の試料ホルダに対して、段落G2.1に記載の方法ステップを繰り返すことを更に含む、段落G2からG2.1のいずれか1つに記載の方法。
G3.保管カセット内に保管された試料ホルダ内の試料は、事前に位置合わせされる、段落G2からG2.2のいずれか1つに記載の方法。
G3.1.試料が、段落H1からH9のいずれか1つに記載の方法を使用してそれぞれの試料ホルダ内で事前に位置合わせされる、段落G2に記載の方法。
G4.段落G1からG3.1のいずれか1つに記載のステップは、BIBシステムによって少なくとも部分的に自動的に実行される、段落G1からG3.1のいずれか1つに記載の方法。
G4.1.段落G1からG3.1のいずれか1つに記載のステップは、ユーザ入力なしで実行される、段落G3.1に記載の方法。
G5.BIBソースは、試料にブロードイオンビームを一定期間照射するように構成されている、段落G1からC4.1のいずれか1つに記載の方法。
G5.1.期間は所定の期間である、段落G5に記載の方法。
G5.2.期間は、ユーザ入力を介して提供される、段落G5からG5.1のいずれか1つに記載の方法。
G5.3.期間は、試料に関連付けられた試料情報にアクセスすることによって決定される、段落G5からG5.2のいずれか1つに記載の方法。
G5.4.期間は、試料の一部の材料に基づいて決定される、段落G5からG5.3のいずれか1つに記載の方法。
G5.5.期間は、試料の一部が除去されたことを示す情報を受信する1つ以上のセンサに基づいて決定される、段落G5からC3.4のいずれか1つに記載の方法。
G5.7.期間は、対象領域が露出されたことを示す情報を受信する1つ以上のセンサに基づいて決定される、段落G5からC3.6のいずれか1つに記載の方法。
G5.8.期間は、BIB強度、BIBを用いて除去される試料の一部、対象表面、又はこれらの組み合わせのうちの1つ以上に基づいて決定される、段落G5からC3.7のいずれか1つに記載の方法。
G6.試料情報を受信するステップを更に含む、段落G1からG5.8のいずれか1つに記載の方法。
G6.1.試料情報はユーザ入力を介して受信される、段落G6に記載の方法。
G6.2.試料情報は、対応する試料に関連付けられたデータファイルにアクセスすることによって受信される、段落G6に記載の方法。
G6.2.1.データファイルは、保管カセットのメモリコンポーネントに保管される、段落G6.2に記載の方法。
G6.3.試料情報は、試料組成物、対象領域、及び対象表面のうちの1つ以上を含む、段落G6からG6.2のいずれか1つに記載の方法。
G6.4.試料情報は、1つ以上の処理スケジュールを含む、段落G6からG6.3のいずれか1つに記載の方法。
G6.4.1.試料情報に基づいて1つ以上の処理スケジュールを決定することを更に含む、段落G6.4に記載の方法。
G6.4.2.1つ以上の処理スケジュールは、BIB強度、BIBミリング時間、BIBを用いて除去される試料の一部、対象表面、又はこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、段落G6.4に記載の方法。
【0085】
H1.ブロードイオンビーム(BIB)システムを用いて複数の試料をより効率的に処理するために試料を事前に位置合わせさせる方法であって、方法は、試料ホルダの調整可能な部分に試料を固定するステップと、第1のマスク縁部を有する第1のマスクと試料ホルダを入れ子にするステップであって、第1のマスクは、ブロードイオンビーム(BIB)システムの外側に配置される、入れ子にするステップと第1のマスク縁部に対して所望の幾何学的関係を有するように試料を位置合わせするステップと、試料ホルダを、第2のマスク縁部を有する第2のマスクと入れ子にするステップであって、第2のマスクは、BIBシステム内に配置され、第1のマスクと第2のマスクは幾何学的に類似しており、その結果、試料ホルダが第1のマスクと入れ子にされたときの第1のマスク縁部と試料との間の幾何学的関係が、試料ホルダが第2のマスクと入れ子にされたときの第2のマスク縁部と試料との間の幾何学的関係と同じである、ステップと、
を含む、方法。
H2.試料ホルダが第2のマスクと入れ子にされるとき、試料は、BIBシステム内で試料のいかなる位置合わせもなしに、第2の縁部との所望の幾何学的関係を有する、段落H1に記載の方法。
H3.第2のマスクの一部及び試料の一部にブロードイオンビームを照射して、試料の一部を除去するステップを更に含む、段落H1又はH2に記載の方法。
H3.1.第2のマスクは、ブロードイオンビームによって劣化しない硬質材料で作られている、段落H3.1に記載の方法。
H3.2.第2のマスクは、試料の対象部分が試料から除去されないように、ブロードイオンビームの一部を遮断する、段落H3からH3.1のいずれか1つに記載の方法。
H4.位置合わせすることは、試料が第1のマスク縁部に対して所望の幾何学的関係を有するように配置されるように、試料ホルダの調整可能な部分を調整することに対応する、段落H1からH3.2のいずれか1つに記載の方法。
H5.第1のマスク及び第2のマスクは幾何学的に同一である、段落H1からH4のいずれか1つに記載の方法。
H6.試料は、試料に固定され、閉鎖環境内で位置合わせされる、段落H1からH5のいずれか1つに記載の方法。
H6.1.閉鎖環境は不活性ガス雰囲気を有する、段落H6に記載の方法。
H6.2.閉鎖環境は減圧を有する、段落H6からH6.1のいずれか1つに記載の方法。
H6.3.閉鎖環境は、真空圧力レベルを有する、段落H6からH6.2のいずれか1つに記載の方法。
H7.試料ホルダ及び位置合わせされた試料を準備ステーションからBIBシステムに移送するステップを更に含む、段落H1からH6.3のいずれか1つに記載の方法。
H7.1.BIBシステムは、A1からA8、D1からD2、及び/又はF1からF2のいずれか1つに記載のBIBシステムである、段落H7に記載の方法。
H7.2.準備ステーションは、段落H6からH6.3に記載の閉鎖環境である、段落H7からH7.1のいずれか1つに記載の方法。
H7.3.試料を移送するステップは、試料準備領域及びBIBシステムの両方とインタフェースで接続するように構成された移送デバイスに試料を装填するステップを含む、段落H7からH7.2のいずれか1つに記載の方法。
H7.3.1.移送デバイスは、試料ホルダが環境から密閉されるように試料ホルダを保持するための密閉区画である、段落H7.3に記載の方法。
H7.3.1.1.密閉区画が不活性ガスを有する、段落H7.3.1に記載の方法。
7.3.2.移送デバイスは、段落E1に記載の保管カセットである、段落H7.3からH7.3.1.1のいずれか1つに記載の方法。
H8.対応する試料ホルダ上の複数の試料に対して方法を繰り返すステップを更に含む、段落H1からH7.3.2のいずれか1つに記載の方法。
H9.段落C1からC6及び/又はG1からG6.4.2のいずれか1つに記載の方法を用いて試料を処理することを更に含む、段落H1からH8のいずれか1つに記載の方法。
【0086】
I1.段落C1からC6、G1からG6.4.2、及び/又はH1からH9のいずれか1つに記載の方法を実行するための、段落A1からA8、D1からD2、E1、及び/又はF1からF2のいずれか1つに記載のシステムの使用。
【0087】
J1.プロセッサ上で実行されると、プロセッサに、段落C1からC6、G1からG6.4.2、及び/又はH1からH9のいずれか1つに記載の方法の実行を開始させる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
【外国語明細書】