(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171405
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20231124BHJP
B23K 26/53 20140101ALI20231124BHJP
B23K 26/36 20140101ALI20231124BHJP
【FI】
H01L21/304 601Z
B23K26/53
B23K26/36
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023152078
(22)【出願日】2023-09-20
(62)【分割の表示】P 2022511556の分割
【原出願日】2021-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2020066397
(32)【優先日】2020-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(74)【代理人】
【識別番号】100187849
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 隆史
(74)【代理人】
【識別番号】100212059
【弁理士】
【氏名又は名称】三根 卓也
(72)【発明者】
【氏名】田之上 隼斗
(72)【発明者】
【氏名】山下 陽平
(72)【発明者】
【氏名】溝本 康隆
(57)【要約】
【課題】第1の基板と第2の基板が接合された重合基板において、第2の基板から第1の基板の周縁部を好適に除去するために第1の基板に対するレーザ光の照射により周縁改質層を形成する際の、レーザ光の透過の阻害を防止する。
【解決手段】第1の基板と、第2の基板と、が接合された重合基板における前記第1の基板の周縁部を除去する基板処理方法であって、前記第1の基板の前記周縁部を除去する際の基点となる周縁改質層を、前記第1の基板と前記第2の基板との接合面と反対側の第1の基板の裏面側からレーザ光を照射して形成することと、除去対象の前記第1の基板の前記周縁部を前記第2の基板から剥離することと、前記周縁改質層の形成に先立ち、前記第1の基板の裏面に形成された前記レーザ光の阻害膜を除去することと、を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と、第2の基板と、が接合された重合基板における前記第1の基板の周縁部を除去する基板処理方法であって、
前記第1の基板の前記周縁部を除去する際の基点となる周縁改質層を、前記第1の基板と前記第2の基板との接合面と反対側の第1の基板の裏面側からレーザ光を照射して形成することと、
除去対象の前記第1の基板の前記周縁部を前記第2の基板から剥離することと、
前記周縁改質層の形成に先立ち、前記第1の基板の裏面に形成された前記レーザ光の阻害膜を除去することと、
を含む基板処理方法。
【請求項2】
前記阻害膜の除去を、前記除去対象の前記第1の基板における前記周縁部のみにおいて行う、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記阻害膜の除去を、ウェットエッチングで行う、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記阻害膜の除去を、レーザ光を照射することにより行う、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記レーザ光は、CO2レーザである、請求項4に記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記阻害膜は、酸化膜または窒化膜である、請求項1~5のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記重合基板の内部にレーザ光を照射して、前記周縁部における前記第1の基板と前記第2の基板の接合強度を低下することと、
前記周縁部における前記第1の基板と前記第2の基板の接合強度を低下することに先立ち、前記第1の基板の裏面に形成された前記レーザ光の阻害膜を除去することと、
を含む請求項1~6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ウェハの研削方法が開示されている。かかるウェハの研削方法は、ウェハの一方の面側から外周縁より所定量内側の位置で外周縁に沿ってレーザ光線を照射し、ウェハの外周部を除去する工程と、外周部が除去されたウェハの被研削面を研削して所定の仕上がり厚さに形成する工程と、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本国 特開2006-108532号公報
【特許文献2】日本国 特開2006-212646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示にかかる技術は、第1の基板と第2の基板が接合された重合基板において、第2の基板から第1の基板の周縁部を好適に除去するために第1の基板に対するレーザ光の照射により周縁改質層を形成する際の、レーザ光の透過の阻害を防止する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、第1の基板と、第2の基板と、が接合された重合基板における前記第1の基板の周縁部を除去する基板処理方法であって、
前記第1の基板の前記周縁部を除去する際の基点となる周縁改質層を、前記第1の基板と前記第2の基板との接合面と反対側の第1の基板の裏面側からレーザ光を照射して形成することと、
除去対象の前記第1の基板の前記周縁部を前記第2の基板から剥離することと、
前記周縁改質層の形成に先立ち、前記第1の基板の裏面に形成された前記レーザ光の阻害膜を除去することと、を含む。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、第1の基板と第2の基板が接合された重合基板において、第2の基板から第1の基板の周縁部を好適に除去するために第1の基板に対するレーザ光の照射により周縁改質層を形成する際の、レーザ光の透過の阻害を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】ウェハ処理システムで処理される重合ウェハの一例を示す側面図である。
【
図2】ウェハ処理システムの構成の概略を模式的に示す平面図である。
【
図3】本実施形態にかかるウェハ処理の主な工程を示す説明図である。
【
図4】本実施形態にかかるウェハ処理の主な工程を示すフロー図である。
【
図5】第1のウェハの裏面に形成されたレーザ透過阻害膜の様子を示す説明図である。
【
図6】第1のウェハの内部に形成された周縁改質層の様子を示す説明図である。
【
図7】重合ウェハに残留するパーティクル及びエッジボイドの様子を示す説明図である。
【
図8】本実施形態にかかるパーティクル抑制処理の様子を示す説明図である。
【
図9】本実施形態にかかるパーティクル抑制処理の様子を示す説明図である。
【
図10】本開示内容に係る技術の他の適用例を示す説明である。
【
図11】本実施形態にかかるパーティクル抑制処理の様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
近年、半導体デバイスの製造工程においては、表面に複数の電子回路等のデバイスが形成された半導体基板(以下、「ウェハ」という。)同士が接合された重合ウェハにおいて、当該重合ウェハを形成する第1のウェハを薄化することや、当該第1のウェハに形成されたデバイスを、当該重合ウェハを形成する第2のウェハに転写することが行われている。
【0009】
ところで、通常、ウェハの周縁部は面取り加工がされているが、上述したように重合ウェハにおいて薄化処理や転写処理を行うと、薄化後の第1のウェハや転写後の重合ウェハの周縁部が鋭く尖った形状(いわゆるナイフエッジ形状)になる場合がある。そうすると、これらウェハの周縁部でチッピングが発生し、ウェハが損傷を被るおそれがある。そのため、薄化処理や転写処理を行う前には、予め、このようにウェハの周縁部にナイフエッジ形状が形成されることを抑制するための処理を行う必要がある。
【0010】
上述した特許文献1に記載の研削方法は、薄化処理によりウェハにナイフエッジ形状が形成されるのを抑制する方法の一例として、薄化処理前のウェハの周縁部を除去、いわゆるエッジトリムを行うための研削方法である。しかしながら特許文献1に記載の方法でウェハのエッジトリムを行う場合、エッジトリム後の露出したウェハの表面にパーティクルや残膜が残留する場合があった。そして、このようにウェハの表面に残留したパーティクルや残膜は、搬送中や後工程において落下、飛散することで、装置やフープ、または他のウェハを汚染するおそれがある。したがって、従来のエッジトリム方法には改善の余地がある。
【0011】
本開示にかかる技術は、第1の基板と第2の基板が接合された重合基板において、第2の基板から第1の基板の周縁部を好適に除去するために、第1の基板に対するレーザ光の照射により周縁改質層を形成する際の、レーザ光の透過の阻害を防止する。以下、本実施形態にかかる基板処理方法としてのウェハ処理方法ついて、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
本開示にかかる技術におけるウェハ処理システム1では、
図1に示すように第1の基板としての第1のウェハW1と第2の基板としての第2のウェハW2とが接合された重合基板としての重合ウェハTに対して処理を行う。そしてウェハ処理システム1では、第1のウェハW1の周縁部Weを除去する。以下、第1のウェハW1において、第2のウェハW2に接合される側の面を表面W1aといい、表面W1aと反対側の面を裏面W1bという。同様に、第2のウェハW2において、第1のウェハW1に接合される側の面を表面W2aといい、表面W2aと反対側の面を裏面W2bという。また、第1のウェハW1において、除去対象としての周縁部Weよりも径方向内側の領域を中央部Wcという。
【0013】
第1のウェハW1は、例えばシリコン基板等の半導体ウェハであって、表面W1aに複数のデバイスを含むデバイス層D1が形成されている。また、デバイス層D1にはさらに、接合用膜F1が形成され、当該接合用膜F1を介して第2のウェハW2と接合されている。接合用膜F1としては、例えば酸化膜(SiO2膜、TEOS膜)、SiC膜、SiCN膜又は接着剤などが挙げられる。なお、第1のウェハW1の周縁部Weは面取り加工がされており、周縁部Weの断面はその先端に向かって厚みが小さくなっている。また、周縁部Weは後述のエッジトリムにおいて除去される部分であり、例えば第1のウェハW1の外端部から径方向に0.5mm~3mmの範囲である。なお、第1のウェハW1とデバイス層D1との界面には、周縁部Weの除去に際して重合ウェハTの内部に照射されるレーザ光を吸収できるレーザ吸収層(図示せず)がさらに形成されていてもよい。また、デバイス層D1に形成された接合用膜F1をレーザ吸収層として用いてもよい。
【0014】
第2のウェハW2は、例えば第1のウェハW1と同様の構成を有しており、表面W2aにはデバイス層D2及び接合用膜F2が形成され、周縁部は面取り加工がされている。なお、第2のウェハW2はデバイス層D2が形成されたデバイスウェハである必要はなく、例えば第1のウェハW1を支持する支持ウェハであってもよい。かかる場合、第2のウェハW2は第1のウェハW1のデバイス層D1を保護する保護材として機能する。
【0015】
なお、本実施形態においては、第1のウェハW1および第2のウェハW2に形成されたデバイス層D1、D2、及び接合用膜F1、F2のそれぞれを「表面膜」と呼称する場合がある。換言すれば、本実施形態における第1のウェハW1および第2のウェハW2には、複数の表面膜が積層して形成されている。
【0016】
図2に示すようにウェハ処理システム1は、搬入出ブロックG1、搬送ブロックG2、及び処理ブロックG3を一体に接続した構成を有している。搬入出ブロックG1、搬送ブロックG2及び処理ブロックG3は、X軸負方向側からこの順に並べて配置されている。
【0017】
搬入出ブロックG1は、例えば外部との間で複数の重合ウェハTを収容可能なカセットCが搬入出される。搬入出ブロックG1には、カセット載置台10が設けられている。図示の例では、カセット載置台10には、複数、例えば3つのカセットCをY軸方向に一列に載置自在になっている。なお、カセット載置台10に載置されるカセットCの個数は、本実施形態に限定されず、任意に決定することができる。
【0018】
搬送ブロックG2には、カセット載置台10のX軸正方向側において、当該カセット載置台10に隣接してウェハ搬送装置20が設けられている。ウェハ搬送装置20は、Y軸方向に延伸する搬送路21上を移動自在に構成されている。また、ウェハ搬送装置20は、重合ウェハTを保持して搬送する、例えば2つの搬送アーム22、22を有している。各搬送アーム22は、水平方向、鉛直方向、水平軸回り及び鉛直軸回りに移動自在に構成されている。なお、搬送アーム22の構成は本実施形態に限定されず、任意の構成を取り得る。そして、ウェハ搬送装置20は、カセット載置台10のカセットC、及び後述するトランジション装置30に対して、重合ウェハTを搬送可能に構成されている。
【0019】
搬送ブロックG2には、ウェハ搬送装置20のX軸正方向側において、当該ウェハ搬送装置20に隣接して、重合ウェハTを受け渡すためのトランジション装置30が設けられている。
【0020】
処理ブロックG3は、ウェハ搬送装置40、除去部としての周縁除去装置50、洗浄装置60、内部改質装置70、第2のレーザ照射部および酸化膜除去部としての界面改質装置80、及び第1のレーザ照射部としての膜処理装置90を有している。
【0021】
ウェハ搬送装置40は、X軸方向に延伸する搬送路41上を移動自在に構成されている。また、ウェハ搬送装置40は、重合ウェハTを保持して搬送する、例えば2つの搬送アーム42、42を有している。各搬送アーム42は、水平方向、鉛直方向、水平軸回り及び鉛直軸回りに移動自在に構成されている。なお、搬送アーム42の構成は本実施形態に限定されず、任意の構成を取り得る。そして、ウェハ搬送装置40は、トランジション装置30、周縁除去装置50、洗浄装置60、内部改質装置70、界面改質装置80、及び膜処理装置90に対して、重合ウェハTを搬送可能に構成されている。
【0022】
周縁除去装置50は、第1のウェハW1の周縁部Weの除去、すなわちエッジトリム処理を行う。洗浄装置60は、重合ウェハTを洗浄する。内部改質装置70は、第1のウェハW1の内部にレーザ光(内部用レーザ光、例えばYAGレーザ)を照射し、周縁部Weの剥離の基点となる周縁改質層M1、及び周縁部Weの小片化の基点となる分割改質層M2を形成する。界面改質装置80は、第1のウェハW1と第2のウェハW2の界面にレーザ光(界面用レーザ光、例えばCO2レーザ)を照射し、後述の未接合領域Aeを形成する。膜処理装置90は、エッジトリム処理による第2のウェハW2の周縁部における露出表面(表面膜)に対してレーザ光(膜処理用レーザ光、例えばCO2レーザ)を照射し、露出表面に付着したパーティクルの飛散を抑制する。
【0023】
以上のウェハ処理システム1には、制御部としての制御装置100が設けられている。制御装置100は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、ウェハ処理システム1における重合ウェハTの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、ウェハ処理システム1における後述のウェハ処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、当該記憶媒体Hから制御装置100にインストールされたものであってもよい。
【0024】
次に、以上のように構成されたウェハ処理システム1を用いて行われるウェハ処理について説明する。なお、本実施形態では、ウェハ処理システム1の外部の接合装置(図示せず)において、第1のウェハW1と第2のウェハW2が接合され、予め重合ウェハTが形成されている。
【0025】
先ず、複数の重合ウェハTを収納したカセットCが、搬入出ブロックG1のカセット載置台10に載置される。次に、ウェハ搬送装置20によりカセットC内の重合ウェハTが取り出される。カセットCから取り出された重合ウェハTは、トランジション装置30を介してウェハ搬送装置40に受け渡された後、界面改質装置80に搬送される。界面改質装置80では、
図3(a)に示すように、重合ウェハT(第1のウェハW1)を回転させながら第1のウェハW1とデバイス層D1の界面(より具体的には当該界面に形成された上述のレーザ吸収層)にレーザ光(例えば8.9μm~11μmの波長を有するCO
2レーザ)を照射し、未接合領域Aeを形成する(
図4のステップS1)。
【0026】
未接合領域Aeにおいては第1のウェハW1とデバイス層D1の界面が改質、又は剥離され、第1のウェハW1と第2のウェハW2の接合強度が低下、又は無くされる。これにより第1のウェハW1とデバイス層D1の界面には、環状の未接合領域Aeと、当該未接合領域Aeの径方向内側において、第1のウェハW1と第2のウェハW2とが接合された接合領域Acが形成される。後述するエッジトリムにおいては、除去対象である第1のウェハW1の周縁部Weが除去されるが、このように未接合領域Aeが存在することで、かかる周縁部Weの除去を適切に行うことができる。
【0027】
なお、第1のウェハW1の裏面W1bには、
図5(a)に示すように、例えば大気との接触等により、酸化膜(例えばSiO
2膜)がレーザ透過阻害膜Oxとして自然形成されている場合や、ウェハの反り耐性やエッチング耐性を向上させるための酸化膜(例えばSiO
2膜)や窒化膜(例えばSi
3N
4膜)がレーザ透過阻害膜Oxとして意図的に形成されている場合がある。上記ステップS1においては、第1のウェハW1の裏面W1b側からレーザ光の照射を行って未接合領域Aeを形成するが、このように裏面W1bにレーザ透過阻害膜Oxが形成されている場合、未接合領域Aeを適切に形成できない場合がある。具体的には、重合ウェハTに対して照射されたレーザ光が、レーザ透過阻害膜Oxに吸収、反射されてしまうため、適切に未接合領域Aeの形成位置である第1のウェハW1とデバイス層D1の界面にレーザ光を照射することができない。
【0028】
そこで本実施形態においては、未接合領域Aeの形成(ステップS1)に先立って、第1のウェハW1の裏面W1bに形成されたレーザ透過阻害膜Oxの除去を行ってもよい(
図4のステップS0)。レーザ透過阻害膜Oxは任意の方法により除去することができる。例えば、界面改質装置80においてレーザ光(CO
2レーザ)を照射することによりレーザ透過阻害膜Oxを除去してもよい。また例えば、界面改質装置80の外部に、例えば洗浄装置60と積層して阻害膜除去部としての阻害膜除去装置(図示せず)を設け、当該阻害膜除去装置においてレーザ透過阻害膜Oxの除去を行ってもよい。阻害膜除去装置におけるレーザ透過阻害膜Oxの除去方法としては、例えば第1のウェハW1の裏面W1bに対するウェットエッチング、研削、研磨等の処理を、単独又は組み合わせて行うことができる。また、例えば洗浄装置60の内部にウェットエッチング、研削、研磨等の処理を行うための機構を設けてもよい。
【0029】
また、レーザ透過阻害膜Oxの除去は、第1のウェハW1の裏面W1bの全面で行われてもよいし、
図5(b)に示すように、少なくともレーザ光の照射位置である第1のウェハW1の周縁部Weのみにおいて行われてもよい。ただし、このように周縁部Weのみにおいてレーザ透過阻害膜Oxの除去を行う方が、裏面W1bの全面でレーザ透過阻害膜Oxの除去を行う場合と比較して処理時間の短縮、及び資源(使用する薬液量やレーザ光の照射量)の節約になり、コストを低減、及び省エネルギー化をすることができる。
【0030】
未接合領域Aeが形成された重合ウェハTは、次に、ウェハ搬送装置40により内部改質装置70へと搬送される。内部改質装置70では、
図3(b)及び
図6に示すように、第1のウェハW1の内部に周縁改質層M1及び分割改質層M2を形成する(
図4のステップS2)。周縁改質層M1は、後述のエッジトリムにおいて周縁部Weを除去する際の基点となるものである。分割改質層M2は、除去される周縁部Weの小片化の基点となるものである。なお以降の説明に用いる図面においては、図示が複雑になることを回避するため、分割改質層M2の図示を省略する場合がある。
【0031】
ここで周縁改質層M1の形成位置は、ステップS1で形成された未接合領域Aeの内端よりも若干径方向内側に決定される。周縁改質層M1は、接合領域Acと未接合領域Aeの境界(以下、単に「境界」という。)と重なる位置に形成されることが理想であるが、例えば加工誤差などにより径方向にずれて形成される場合がある。そして、これにより周縁改質層M1が境界から径方向外側に離れた位置、すなわち未接合領域Aeに形成されると、周縁部Weが除去された後に第2のウェハW2に対して第1のウェハW1が浮いた状態になってしまう場合がある。この点、周縁改質層M1を境界よりも径方向内側に形成するように制御することにより、例えば加工誤差により形成位置がずれたとしても、境界と重なる位置、または境界よりも径方向外側であっても当該境界に近接した位置に周縁改質層M1を形成することができ、境界から径方向外側に離れた位置に周縁改質層M1が形成されるのを抑制できる。
【0032】
なお、第1のウェハW1の内部に形成された周縁改質層M1からは、
図3(b)に示したように、第1のウェハW1の厚み方向にクラックC1が伸展する。クラックC1の下端部は、例えば第1のウェハW1の表面W1aに到達させる。
【0033】
第1のウェハW1の内部に周縁改質層M1及び分割改質層M2が形成された重合ウェハTは、次に、ウェハ搬送装置40により周縁除去装置50へと搬送される。周縁除去装置50では、
図3(c)に示すように、第1のウェハW1の周縁部Weの除去、すなわちエッジトリム処理が行われる(
図4のステップS3)。この時、周縁部Weは、周縁改質層M1及びクラックC1を基点として第1のウェハW1の中央部Wcから剥離されるとともに、未接合領域Aeを基点としてデバイス層D1(第2のウェハW2)から剥離される。またこの時、除去される周縁部Weは分割改質層M2及びクラックC2を基点として小片化される。
【0034】
周縁部Weの除去にあたっては、重合ウェハTを形成する第1のウェハW1と第2のウェハW2との界面に、例えばくさび形状からなるブレードを挿入してもよい。また例えば、エアブローやウォータジェットを噴射し、当該周縁部Weを打圧して除去してもよい。このように、エッジトリムにあたっては第1のウェハW1の周縁部Weに対して衝撃を加えることにより、周縁部Weが周縁改質層M1及びクラックC1を基点に適切に剥離される。また、上述のように、未接合領域Aeにより第1のウェハW1と第2のウェハW2の接合強度が低下しているため、周縁部Weが適切に除去される。
【0035】
第1のウェハW1の周縁部Weが除去された重合ウェハTは、次に、ウェハ搬送装置40により膜処理装置90へと搬送される。膜処理装置90では、
図3(d)に示すように、周縁部Weが除去された後の第2のウェハW2の周縁部におけるパーティクルの飛散を抑制するための処理(以下、「膜処理」という場合がある。)が行われる(
図4のステップS4)。
【0036】
周縁部Weの除去後の第2のウェハW2の表面、具体的には、第1のウェハW1の除去により露出した第2のウェハW2の周縁部に残る表面膜の露出面Feには、
図7に示すように残膜やパーティクルP(以下、「パーティクル等」という。)が残留している。このパーティクル等は、重合ウェハTの搬送中やプロセス中に剥離、落下、又は飛散することで、ウェハ処理システム1の内部、カセットCの内部や他の重合ウェハTを汚染する原因となり得る。
【0037】
また、周縁部Weの除去後の第1のウェハW1と第2のウェハW2の接合界面には、
図7に示したように、第1のウェハW1と第2のウェハW2の接合時において形成されたエッジボイドV(空気層)が残留している場合がある。このエッジボイドVは、後工程における重合ウェハTの加熱や冷却、加圧や減圧の影響で破裂することで、パーティクル等の発生原因となり得る。
【0038】
そこで本発明者らが鋭意検討を行ったところ、この周縁部Weの除去後におけるパーティクル等の飛散を抑制するための手法として、下記の2つの方法を知見した。
【0039】
1つ目の方法は、パーティクル等の発生源となり得る露出面Feを除去する方法である。すなわち、例えば露出面Feに対してレーザ光(例えばCO
2レーザ)を照射し、
図8(a)に示すように少なくともパーティクル等が残留する表面膜の表層を除去する。
また例えば、第1のウェハW1と第2のウェハW2の接合界面にエッジボイドVが形成されている場合には、当該接合界面にレーザ光を照射し、
図8(b)に示すように第1のウェハW1の表面膜(デバイス層D1、及び接合用膜F1)を除去してもよい。
更に例えば、露出面Feに対してレーザ光(例えばCO
2レーザ)を照射し、
図8(c)に示すように周縁部Weの除去後の第2のウェハW2の周縁部に残する全ての表面膜(デバイス層D1、D2及び接合用膜F1、F2)を除去してもよい。
【0040】
かかる場合、レーザ光の照射により除去される表面膜と共に、露出面Feの表面に残留いていたパーティクル等が除去されるため、このパーティクル等が剥離、落下、又は飛散することが抑制される。
また、このように表面膜を除去して
図8(b)に示したようにエッジボイドV(接合界面)を露出させることにより、エッジボイドVの形成部に蓄積されていた空気が解放され、当該エッジボイドVの破裂が抑制される。
更に、
図8(c)に示したように第2のウェハW2の周縁部に残る表面膜を全て除去することで、後工程において、当該第2のウェハW2の周縁部からパーティクルP等が剥離、落下、又は飛散することがなくなる。
【0041】
2つ目の方法は、パーティクル等の発生源となり得る露出面Feを改質する方法である。すなわち、例えば露出面Feに対してレーザ光(例えばCO
2レーザ)を照射し、
図9(a)に示すように少なくともパーティクル等が残留する表面膜の表層を溶融させ、更に当該溶融部分を固着させる(以下、この表面膜の「溶融」、及び「固着」を合わせて「表面膜の改質」という。)。
また例えば、第1のウェハW1と第2のウェハW2の接合界面にエッジボイドVが形成されている場合には、第1のウェハW1の表面膜の内部にレーザ光を照射し、
図9(b)に示すように第1のウェハW1の表面膜(デバイス層D1、及び接合用膜F1)を一体に改質してもよい。換言すれば、周縁部Weの除去後に第2のウェハW2に残留するデバイス層D1、及び接合用膜F1の露出部分をレーザ光の照射により溶融させた後、溶融したデバイス層D1、及び接合用膜F1を一体の固着物として形成してもよい。
更に例えば、露出面Feに対してレーザ光(例えばCO
2レーザ)を照射し、
図9(c)に示すように周縁部Weの除去後の第2のウェハW2の周縁部に残る全ての表面膜(デバイス層D1、D2及び接合用膜F1、F2)を一体に改質してもよい。換言すれば、周縁部Weの除去後に第2のウェハW2に残留するデバイス層D1、D2及び接合用膜F1、F2の露出部分をレーザ光の照射により溶融させた後、溶融したデバイス層D1、D2及び接合用膜F1、F2を一体の固着物として形成してもよい。
【0042】
かかる場合、レーザ光の照射により溶融される表面膜と共に、露出面Feの表面に残留いていたパーティクル等が固着するため、換言すれば、表面膜とパーティクル等が一体の固着物として形成されるため、このパーティクル等の飛散が抑制される。
また、
図9(b)に示したように第1のウェハW1の表面膜を一体に改質することにより、この表面膜の改質にかかる過程においてエッジボイドVに蓄積された空気が外部へ解放され、これにより当該エッジボイドVの破裂を抑制できる。
更に、
図9(c)に示したように第2のウェハW2の周縁部に残る全ての表面膜を一体に改質することで、後工程において、当該第2のウェハW2の周縁部からパーティクルP等が剥離、落下、又は飛散することがなくなる。
【0043】
露出面Feにおける表面膜の除去、又は改質が行われた重合ウェハTは、次に、ウェハ搬送装置40により洗浄装置60へと搬送される。洗浄装置60では、周縁部Weを除去し、膜処理が行われた後の第1のウェハW1の裏面W1b、及び露出部分が洗浄される(
図4のステップS5)。なお、洗浄装置60では、第1のウェハW1の裏面W1bと共に、第2のウェハW2の裏面W2bが洗浄されてもよい。
【0044】
その後、全てのウェハ処理が施された重合ウェハTは、トランジション装置30を介してウェハ搬送装置20によりカセット載置台10のカセットCに搬送される。こうして、ウェハ処理システム1における一連のウェハ処理が終了する。
【0045】
以上の実施形態によれば、周縁部Weの除去後に露出部分の少なくとも表層を、レーザ光の照射により除去又は改質することにより、適切にパーティクル等の飛散を抑制することができる。またこの時、露出面Feから第1のウェハW1と第2のウェハW2の接合界面までを一体に除去又は改質することにより、エッジボイドVに蓄積された空気を解放でき、当該エッジボイドVに起因するパーティクルの発生も適切に抑制することができる。
【0046】
また、以上の実施形態においてはエッジトリムに先立って、第1のウェハW1と第2のウェハW2の接合強度を低下させる未接合領域Aeを形成している。これにより、周縁部Weは第2のウェハW2から容易に剥離されるため、剥離界面(露出面Fe)にパーティクル等が残留することが抑制される。すなわち、周縁部Weの除去後におけるパーティクル等の飛散が更に適切に抑制される。
【0047】
また更に、未接合領域Aeの形成に先立って、第1のウェハW1の裏面W1bに形成されたレーザ透過阻害膜Oxの除去が行われるため、未接合領域Aeの形成を適切に行うことができる。
【0048】
なお、以上の実施形態においては未接合領域Aeの形成を界面改質装置80で、露出面Feの膜処理を膜処理装置90でそれぞれ行ったが、これら未接合領域Aeの形成及び膜処理がいずれもレーザ光(CO2レーザ)の照射により行われる場合、未接合領域Aeの形成及び膜処理を同一の装置内で行うように構成することができる。具体的には、例えば第1のウェハW1の周縁部Weが除去された後の重合ウェハTを、ウェハ搬送装置40により周縁除去装置50から界面改質装置80に再度搬入し、当該界面改質装置80において膜処理を行うようにしてもよい。
【0049】
なお、以上の実施形態においては、第1のウェハW1と第2のウェハW2が接合された重合ウェハTにおいて、第2のウェハW2から第1のウェハW1の周縁部Weを剥離することにより露出した、第2のウェハW2の周縁部に残る表面膜を処理する場合を例に説明を行ったが、本開示内容に係る技術の適用例はこれに限定されない。例えば、第1のウェハW1の全面を第2のウェハW2から剥離し、第1のウェハW1に形成されたデバイス層D1を第2のウェハW2に転写する場合においても、本開示内容に係る技術を適用することができる。
【0050】
具体的には、第2のウェハW2へのデバイス層D1の転写においては、
図10(a)に示すように第1のウェハW1とデバイス層D1の界面全面に形成された未接合領域Aeを基点として第1のウェハW1の剥離を行う。しかしながら、この際、未接合領域Aeの形成界面において例えば接合用膜F1が第2のウェハW2に対して浮いた状態となり、
図10(b)に示すようにナイフエッジ形状Kを形成する場合がある。そして、このように第1のウェハW1の除去後の第2のウェハW2の周縁部においてナイフエッジ形状Kが形成された場合、当該第2のウェハW2の周縁部でチッピングが発生し、第1のウェハW1の剥離後における第2のウェハW2の周縁部にパーティクルが付着するおそれがある。
【0051】
そこで、このようにデバイス層D1の転写後の第2のウェハW2の周縁部において上記実施形態に示した膜処理を行うことで、当該ナイフエッジ形状Kに起因するパーティクル等の飛散を抑制することができる。すなわち、
図10(c)に示すように第1のウェハW1の剥離によりナイフエッジ形状Kが形成された第2のウェハW2の周縁部にレーザ光を照射し、これにより当該第2のウェハW2の周縁部に残る表面膜(ナイフエッジ形状K)の除去、又は改質を行って、好ましくは接合用膜F1と接合用膜F2の隙間を無くすことで、適切にパーティクル等の飛散を抑制することができる。
【0052】
また
図10(b)に示したように、第1のウェハW1を第2のウェハW2の未接合箇所(例えば周縁部における面取り加工がされた箇所)においては適切に未接合領域Aeが形成されず、剥離後の第1のウェハW1の周縁部や表面に残留膜K2が残る可能性がある。そして、このように第1のウェハW1に残留膜K2が残った場合、やはりパーティクルを発生させる原因となるおそれがある。そこで本実施形態にかかるウェハ処理システム1においては、このように剥離後の第1のウェハW1に残った残留膜K2を除去するための処理、例えばウェットエッチング等が更に行われてもよい。
【0053】
なお、
図9(c)に示したように、第2のウェハW2の周縁部に残る全ての表面膜をレーザ光(例えばCO
2レーザ)の照射により除去する場合、換言すれば、表面膜を除去して第2のウェハW2の表面W2aを露出させる場合、当該レーザ光の照射により第2のウェハW2の表面W2aの平坦度が悪化する(表面状態が粗くなる)おそれがある。このように表面W2aの平坦度が悪化した場合、後工程におけるウェハ処理を適切に実行できなくなるおそれ、具体的には、例えば表面W2aに対する膜の形成を適切に実行できなくなるおそれがある。
【0054】
そこで本実施形態においては、第2のウェハW2の表面W2aに残る表面膜(接合用膜F1、F2及びデバイス層D1、D2)の除去に際してのレーザ光の照射条件を制御し、表面膜除去後の表面W2aに微細周期構造を形成する。微細周期構造は例えばナノスケール以下の凹凸により構成される表面構造(例えば特許文献2を参照)であって、このように微細周期構造を形成することで、表面W2aの平坦度を改善することができる。
【0055】
そこで以下、第1のウェハWの周縁部Weの除去後において、第2のウェハW2の周縁部に残る全ての表面膜を除去し、かつ、これら表面膜の除去後に露出する第2のウェハWaの表面W2aに微細周期構造を形成するための手法について説明する。
【0056】
第2のウェハW2の周縁部に残る表面膜の完全除去に際しては、周縁部Weの除去後の表面膜の露出面Feに対してレーザ光(例えばフェムト秒レーザやピコ秒レーザ等の超短パルスレーザ)を照射し、
図11に示すように第2のウェハW2の周縁部に残る全ての表面膜(デバイス層D1、D2及び接合用膜F1、F2)を完全に除去する。
【0057】
またこの際、照射されるレーザ光の作用により第2のウェハW2の表面W2aの平坦度が悪化するのを抑制するため、当該レーザ光の照射条件を、表面W2aに微細周期構造Fp(
図11を参照)を形成し得る照射条件で制御する。具体的には、表面膜に照射するレーザ光のフルエンス(Fluence:エネルギー密度)及びオーバーラップ(Over Rap:パルスレーザ照射領域の重なり)を所望の条件で調整する。
そして、かかる照射条件で第2のウェハW2の表面W2aにレーザ光を更に照射することで、表面膜の除去後の当該表面W2aに微細周期構造Fpを形成する。
【0058】
このように、本実施形態においては、微細周期構造Fpを形成し得る所望の条件で表面W2aにレーザ光を照射することで表面W2aの平坦度の悪化を抑制する。
【0059】
なお、表面W2aへの微細周期構造Fpの形成に際してのレーザ光の照射条件(フルエンス及びオーバーラップ)は、上述したように第2のウェハW2の周縁部に残る表面膜の除去に際してのレーザ光の照射条件と同様であってもよい。換言すれば、レーザ照射条件を途中で変更することなく、一貫して表面膜の除去、及び微細周期構造Fpの形成が行われてもよい。
しかしながらレーザ光の照射条件はこれに限られず、表面膜の除去と微細周期構造Fpの形成において、それぞれ異なる照射条件が設定されてもよい。
【0060】
具体的には、例えば、第2のウェハW2の周縁部に残る表面膜の除去に際しては、当該表面膜の除去に係る時間を短縮し得る照射条件、換言すれば、レーザ光の照射時における表面膜の除去体積が大きくなる処理条件でレーザ光を照射してもよい。かかる場合、当該照射条件は、例えば表面W2aに微細周期構造Fpを形成することができない条件であってもよい。
そして、例えば表面膜を概ね除去した後、表面W2aに残る残膜を除去するとともに、表面W2aの表面処理(微細周期構造Fpの形成)を行うに際して、微細周期構造Fpを形成し得る照射条件に調整を行ってもよい。
換言すれば、表面膜の除去と微細周期構造Fpの形成のそれぞれにおいて、レーザ光のフルエンス及びオーバーラップを所望の条件でとなるように変更し、これによりレーザ処理全体の処理時間を短縮するようにしてもよい。
【0061】
また、図示の例においては表面膜(デバイス層D1、D2及び接合用膜F1、F2)が除去された第2のウェハW2の周縁部の全面に微細周期構造Fpを形成したが、微細周期構造Fpの形成範囲はこれに限定されない。例えばウェハ処理等の目的に応じて、第2のウェハW2の周縁部の一部のみに微細周期構造Fpが形成されてもよい。
【0062】
なお、以上の実施形態においては、例えば
図3に示したように第1のウェハW1とデバイス層D1の界面において未接合領域Aeの形成し、更に当該界面において周縁部Weの除去(エッジトリム)を行ったが、第1のウェハW1の周縁部Weの除去界面は当該界面に限定されるものではない。すなわち、例えばデバイス層D1と接合用膜F1の界面やデバイス層D2と接合用膜F2の界面に未接合領域Aeの形成し、未接合領域Aeが形成された当該界面において周縁部Weの除去(エッジトリム)を行ってもよい。
かかる場合であっても、周縁部Weの除去後の露出面Feに対してレーザ光の照射を行うことで、
図8や
図9に示したようにパーティクル等の飛散を抑制できる。
また、このように第1のウェハW1とデバイス層D1の界面よりも第2のウェハW2側に位置する界面において周縁部Weの除去を行うことで、第2のウェハW2の周縁部に残る表面膜の厚みが小さくなる。換言すれば、第2のウェハW2の周縁部に残る表面膜の体積が小さくなるため、上述したように当該表面膜を完全除去する際において、表面膜の除去体積が減少し、当該表面膜の除去に係るスループットを向上できる。
【0063】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0064】
D1 デバイス層
D2 デバイス層
F1 接合用膜
F2 接合用膜
Fe 露出面
T 重合ウェハ
W1 第1のウェハ
W2 第2のウェハ
We 周縁部