(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023171978
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】キャリブレーション装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20231129BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
A61B1/00 630
A61B1/00 551
G02B23/24 B
G02B23/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020147690
(22)【出願日】2020-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001988
【氏名又は名称】弁理士法人小林国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮下 陽太
(72)【発明者】
【氏名】龍田 岳一
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040BA22
2H040DA51
2H040GA02
2H040GA11
4C161CC06
4C161DD03
4C161GG11
4C161HH52
4C161JJ11
4C161LL02
4C161MM05
4C161QQ02
4C161QQ07
4C161WW12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】撮像光学系による歪み等の影響を考慮して、仮想スケールに関するキャリブレーションを行うことができるキャリブレーション装置及び方法を提供する。
【解決手段】チャート101は、3つの指標図形104a,104b,104cからなる指標図形平面104が設けられている。3つの指標図形104a,104b,104cは、2つ以上の色によって、特定の色評価基準に基づく分離、又は、撮像素子のカラーフィルタの透過率に基づく分離がされている。チャート101を内視鏡で撮像して得られるキャリブレーション画像を取得する。キャリブレーション画像から、仮想スケールを拡張ディスプレイで表示するためのスケール用パラメータを取得する。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイに表示して被写体のサイズを計測するための仮想スケールに関するキャリブレーションを行うキャリブレーション装置であって、
複数の指標図形からなる指標図形平面が設けられたチャートであって、前記複数の指標図形は、2つ以上の色によって、特定の色評価基準に基づく分離、又は、内視鏡に設けられた撮像素子のカラーフィルタの透過率に基づく分離がされているチャートと、
前記内視鏡の先端部と前記チャートとの間のチャート間距離を変更する距離変更機構と、
前記指標図形平面の基準位置と、前記内視鏡の先端部から前記チャートに向けて照射される計測光の照射位置との位置関係を調整するために、前記内視鏡の先端部又は前記チャートを移動させる位置調整機構と、
画像制御用プロセッサとを備え、
前記画像制御用プロセッサは、
前記指標図形平面の基準位置と前記計測光の照射位置とが合った状態の前記チャートを前記内視鏡で撮像して得られるキャリブレーション画像を取得し、
前記キャリブレーション画像から、前記仮想スケールを前記ディスプレイで表示するためのスケール用パラメータを取得するキャリブレーション装置。
【請求項2】
前記特定の色評価基準は色相環であり、
前記指標図形の色は、白色、黒色、又は、前記色相環で100°以上それぞれ離れた複数の色相に対応する複数の色のうち2以上の色を含む請求項1記載のキャリブレーション装置。
【請求項3】
前記チャートのうち前記指標図形平面以外の背景部は黒色である請求項1または2記載のキャリブレーション装置。
【請求項4】
前記チャートは光透過型である請求項1ないし3いずれか1項記載のキャリブレーション装置。
【請求項5】
前記距離変更機構により前記チャート間距離を設定する距離設定期間においては、前記光透過型のチャートに設けられたバックライトを消灯することにより、前記キャリブレーション画像において、前記計測光の照射位置のみを表示、及び/又は前記計測光の照射位置を記憶し、且つ、前記指標図形平面を非表示にする請求項4記載のキャリブレーション装置。
【請求項6】
前記位置調整機構により前記内視鏡の先端部又は前記チャートを移動させ、且つ、前記キャリブレーション画像を取得するキャリブレーション画像取得期間においては、前記光透過型のチャートに設けられたバックライトを点灯することにより、前記キャリブレーション画像において、前記計測光の照射位置を表示し、且つ、前記指標図形平面を表示する請求項4記載のキャリブレーション装置。
【請求項7】
キャリブレーション画像取得期間では、内視鏡の先端部とチャートとを正対させるために、指標図形平面に対応する位置合わせ用図形をキャリブレーション画像に表示する請求項6記載のキャリブレーション装置。
【請求項8】
前記内視鏡の先端部を保持する内視鏡保持部と、
前記チャートが載置されるチャート保持部と、
前記内視鏡保持部と前記チャート保持部との間に挟んで、前記チャート間距離を設定距離に合わせる距離設定治具とを備える請求項1ないし7いずれか1項記載のキャリブレーション装置。
【請求項9】
前記ディスプレイは、前記距離変更機構、前記位置調整機構、前記キャリブレーション画像の取得、又は、前記スケール用パラメータの取得の少なくともいずれかを含むキャリブレーションモードに関連する操作の作業内容を表示する請求項1ないし8いずれか1項記載のキャリブレーション装置。
【請求項10】
前記ディスプレイは、前記距離変更機構、前記位置調整機構、前記キャリブレーション画像の取得、又は、前記スケール用パラメータの取得の少なくともいずれかを含むキャリブレーションモードに関連する操作表示を行う請求項1ないし9いずれか1項記載のキャリブレーション装置。
【請求項11】
ディスプレイに表示して被写体のサイズを計測するための仮想スケールに関するキャリブレーションを行うキャリブレーション方法であって、
距離変更機構によって、複数の指標図形からなる指標図形平面が設けられたチャートと内視鏡の先端部との間のチャート間距離を変更する距離変更ステップと、
位置調整機構によって、前記指標図形平面の基準位置と、前記内視鏡の先端部から前記チャートに向けて照射される計測光の照射位置との位置関係を調整するために、前記内視鏡の先端部又は前記チャートを移動させる移動ステップと、
前記チャート間距離を変更する毎に、前記指標図形平面の基準位置と前記計測光の照射位置とが合った状態の前記チャートを前記内視鏡で撮像して得られるキャリブレーション画像を取得するキャリブレーション画像取得ステップと、
前記キャリブレーション画像から、前記仮想スケールを前記ディスプレイで表示するためのスケール用パラメータを取得するパラメータ取得ステップとを有し、
前記チャートにおいて、前記複数の指標図形は、2つ以上の色によって、特定の色評価基準に基づく分離、又は、前記内視鏡に設けられた撮像素子のカラーフィルタの透過率に基づく分離がされているキャリブレーション方法。
【請求項12】
前記距離変更ステップにおいては、光透過型の前記チャートに設けられたバックライトを消灯することにより、前記キャリブレーション画像において、前記計測光の照射位置のみを表示し、且つ、前記指標図形平面を非表示にする請求項11記載のキャリブレーション方法。
【請求項13】
前記キャリブレーション画像取得ステップにおいては、光透過型の前記チャートに設けられたバックライトを点灯することにより、前記キャリブレーション画像において、前記計測光の照射位置を表示し、且つ、前記指標図形平面を表示する請求項11記載のキャリブレーション方法。
【請求項14】
前記指標図形は円であり、
前記パラメータ取得ステップでは、前記キャリブレーション画像における指標図形画像に外接する外接矩形を抽出する外接矩形抽出処理と、前記外接矩形に内接する楕円のフィッティングパラメータを、前記スケール用パラメータとして算出する内接楕円パラメータ算出処理とを行う請求項11ないし13いずれか1項記載のキャリブレーション方法。
【請求項15】
前記スケール用パラメータには、前記チャート間距離が第1距離のスケール用パラメータと、前記チャート間距離が第2距離のスケール用パラメータとが含まれ、
前記パラメータ取得ステップにおいては、前記距離変更機構によって前記チャート間距離を変更する毎に、前記第1距離のスケール用パラメータを取得し、
前記パラメータ取得ステップの後に、前記第1距離の前記スケール用パラメータに基づく補間処理を行うことによって、前記第2距離のスケール用パラメータを算出する補間処理ステップを行う請求項11ないし14いずれか1項記載のキャリブレーション方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体のサイズを計測するための仮想スケールに関するキャリブレーションを行うキャリブレーション装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡装置では、被写体までの距離又は被写体の大きさなどを取得することが行われている。例えば、特許文献1では、照明光及び計測用のスポット光を被写体に照明し、被写体上に照明されたスポット光の位置に対応させて、被写体のサイズを計測するための仮想スケールを撮像画像上に表示している。また、特許文献1には、スポット光の位置と被写体の大きさとの関係性をキャリブレーションすることが記載されている。特許文献1では、計測用のスポット光を方眼紙状のチャートに照明し、チャートとの距離ごとに撮像して得られたキャリブレーション画像から、測定光の照射位置と特定サイズの仮想スケールの大きさとの関係を定めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
内視鏡装置によって得られた撮像画像の周辺部は、撮像光学系によって、被写体に歪み等が生ずることが知られている。これに対して、特許文献1では、撮像光学系による歪み等の影響を考慮せずに、仮想スケールを表示している。そのため、被写体が撮像画像の周辺部に位置する場合には、仮想スケールによって、被写体の大きさを正確に測ることができない場合があった。
【0005】
本発明は、撮像光学系による歪み等の影響を考慮して、被写体のサイズを計測するための仮想スケールに関するキャリブレーションを行うことができるキャリブレーション装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ディスプレイに表示して被写体のサイズを計測するための仮想スケールに関するキャリブレーションを行うキャリブレーション装置であって、複数の指標図形からなる指標図形平面が設けられたチャートであって、複数の指標図形は、2つ以上の色によって、特定の色評価基準に基づく分離、又は、内視鏡に設けられた撮像素子のカラーフィルタの透過率に基づく分離がされているチャートと、内視鏡の先端部とチャートとの間のチャート間距離を変更する距離変更機構と、指標図形平面の基準位置と、内視鏡の先端部からチャートに向けて照射される計測光の照射位置との位置関係を調整するために、内視鏡の先端部又はチャートを移動させる位置調整機構と、画像制御用プロセッサとを備え、画像制御用プロセッサは、指標図形平面の基準位置と計測光の照射位置とが合った状態のチャートを内視鏡で撮像して得られるキャリブレーション画像を取得し、キャリブレーション画像から、仮想スケールをディスプレイで表示するためのスケール用パラメータを取得する。
【0007】
特定の色評価基準は色相環であり、指標図形の色は、白色、黒色、又は、色相環で100°以上それぞれ離れた複数の色相に対応する複数の色のうち2以上の色を含むことが好ましい。チャートのうち指標図形平面以外の背景部は黒色であることが好ましい。チャートは光透過型であることが好ましい。
【0008】
距離変更機構によりチャート間距離を設定する距離設定期間においては、光透過型のチャートに設けられたバックライトを消灯することにより、キャリブレーション画像において、計測光の照射位置のみを表示、及び/又は前記計測光の照射位置を記憶し、且つ、指標図形平面を非表示にすることが好ましい。位置調整機構により内視鏡の先端部又はチャートを移動させ、且つ、キャリブレーション画像を取得するキャリブレーション画像取得期間においては、光透過型のチャートに設けられたバックライトを点灯することにより、キャリブレーション画像において、計測光の照射位置を表示し、且つ、指標図形平面を表示することが好ましい。キャリブレーション画像取得期間では、内視鏡の先端部とチャートとを正対させるために、指標図形平面に対応する位置合わせ用図形をキャリブレーション画像に表示することが好ましい。
【0009】
内視鏡の先端部を保持する内視鏡保持部と、チャートが載置されるチャート保持部と、内視鏡保持部とチャート保持部との間に挟んで、チャート間距離を設定距離に合わせる距離設定治具とを備えることが好ましい。ディスプレイは、距離変更機構、位置調整機構、キャリブレーション画像の取得、又は、スケール用パラメータの取得の少なくともいずれかを含むキャリブレーションモードに関連する操作の作業内容を表示することが好ましい。ディスプレイは、距離変更機構、位置調整機構、キャリブレーション画像の取得、又は、スケール用パラメータの取得の少なくともいずれかを含むキャリブレーションモードに関連する操作表示を行うことが好ましい。
【0010】
本発明は、ディスプレイに表示して被写体のサイズを計測するための仮想スケールに関するキャリブレーションを行うキャリブレーション方法であって、距離変更機構によって、複数の指標図形からなる指標図形平面が設けられたチャートと内視鏡の先端部との間のチャート間距離を変更する距離変更ステップと、位置調整機構によって、指標図形平面の基準位置と、内視鏡の先端部からチャートに向けて照射される計測光の照射位置との位置関係を調整するために、内視鏡の先端部又はチャートを移動させる移動ステップと、チャート間距離を変更する毎に、指標図形平面の基準位置と計測光の照射位置とが合った状態のチャートを内視鏡で撮像して得られるキャリブレーション画像を取得するキャリブレーション画像取得ステップと、キャリブレーション画像から、仮想スケールをディスプレイで表示するためのスケール用パラメータを取得するパラメータ取得ステップとを有し、チャートにおいて、複数の指標図形は、2つ以上の色によって、特定の色評価基準に基づく分離、又は、内視鏡に設けられた撮像素子のカラーフィルタの透過率に基づく分離がされている。
【0011】
前記距離変更ステップにおいては、光透過型の前記チャートに設けられたバックライトを消灯することにより、前記キャリブレーション画像において、前記計測光の照射位置のみを表示し、且つ、前記指標図形平面を非表示にすることが好ましい。
【0012】
キャリブレーション画像取得ステップにおいては、光透過型の前記チャートに設けられたバックライトを点灯することにより、キャリブレーション画像において、計測光の照射位置を表示し、且つ、指標図形平面を表示することが好ましい。指標図形は円であり、パラメータ取得ステップでは、キャリブレーション画像における指標図形画像に外接する外接矩形を抽出する外接矩形抽出処理と、外接矩形に内接する楕円のフィッティングパラメータを、スケール用パラメータとして算出する内接楕円パラメータ算出処理とを行うことが好ましい。
【0013】
スケール用パラメータには、チャート間距離が第1距離のスケール用パラメータと、チャート間距離が第2距離のスケール用パラメータとが含まれ、パラメータ取得ステップにおいては、距離変更機構によってチャート間距離を変更する毎に、第1距離のスケール用パラメータを取得し、パラメータ取得ステップの後に、第1距離の前記スケール用パラメータに基づく補間処理を行うことによって、第2距離のスケール用パラメータを算出する補間処理ステップを行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、撮像光学系による歪み等の影響を考慮して、被写体のサイズを計測するための仮想スケールに関するキャリブレーションを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図5】計測光によって被写体上に形成されるスポットSPを示す説明図である。
【
図6】内視鏡の先端部と観察距離の範囲Rx内の近端Px、中央付近Py、及び遠端Pzとの関係を示す説明図である。
【
図8】観察距離が近端Pxである場合のスポット及び第1の仮想スケールを示す画像図である。
【
図9】観察距離が中央付近Pyである場合のスポット及び第1の仮想スケールを示す画像図である。
【
図10】観察距離が遠端Pzである場合のスポット及び第1の仮想スケールを示す画像図である。
【
図11】十字型、目盛り付き十字型、歪曲十字型、円及び十字型、及び計測用点群型の第1の仮想スケールを示す説明図である。
【
図12】色がそれぞれ同じ3つの同心円状のマーカを示す画像図である。
【
図13】色がそれぞれ異なる3つの同心円状のマーカを示す画像図である。
【
図14】歪曲同心円状のマーカを示す画像図である。
【
図15】交差ライン及び目盛りを示す画像図である。
【
図19】撮像素子のカラーフィルタの透過率分布を示すグラフである。
【
図20】距離変更機構及び位置調整機構を備えるキャリブレーション用機構の概略図である。
【
図21】バックライト消灯時のキャリブレーション画像の画像図である。
【
図22】バックライト点灯時のキャリブレーション画像の画像図である。
【
図23】内視鏡の先端部がXZ平面又はYZ平面で回転可能であることを示す説明図である。
【
図24】キャリブレーションモードに対応する信号処理部の機能を示すブロック図である。
【
図25】二値化処理又は外接矩形抽出処理を示す説明図である。
【
図26】内接楕円パラメータ算出処理を示す説明図である。
【
図29】キャリブレーションモードの一連の流れを示すフローチャートである。
【
図30】設定完了操作アイコンを示す画像図である。
【
図32】移動ステップにおけるチャート画像の画像図である。
【
図33】位置調整完了アイコンを示す画像図である。
【
図34】スケール確認アイコンを示す画像図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示すように、内視鏡システム10は、内視鏡12と、光源装置13と、プロセッサ装置14と、ディスプレイ15と、ユーザーインターフェース16と、拡張プロセッサ装置17と、拡張ディスプレイ18とを有する。内視鏡12は、光源装置13と光学的に接続され、且つ、プロセッサ装置14と電気的に接続される。内視鏡12は、観察対象の体内に挿入される挿入部12aと、挿入部12aの基端部分に設けられた操作部12bと、挿入部12aの先端側に設けられた湾曲部12c及び先端部12dとを有している。湾曲部12cは、操作部12bを操作することにより湾曲動作する。先端部12dは、湾曲部12cの湾曲動作によって所望の方向に向けられる。
【0017】
また、操作部12bには、モードの切り替え操作に用いるモード切替スイッチ12fと、観察対象の静止画の取得指示に用いられる静止画取得指示スイッチ12gと、ズームレンズ21bの操作に用いられるズーム操作部12hとが設けられている。
【0018】
プロセッサ装置14は、ディスプレイ15及びユーザーインターフェース16と電気的に接続される。ディスプレイ15は、プロセッサ装置14で処理された観察対象の画像又は情報等を出力表示する。ユーザーインターフェース16は、キーボード、マウス、タッチパッド、マイク等を有し、機能設定等の入力操作を受け付ける機能を有する。拡張プロセッサ装置17は、プロセッサ装置14に電気的に接続されている。拡張ディスプレイ18は、拡張プロセッサ装置17で処理された画像又は情報等を出力表示する。
【0019】
内視鏡12は、通常観察モードと、特殊観察モードと、測長モードと、キャリブレーションモードを備えており、モード切替スイッチ12fによって切り替えられる。通常観察モードは、照明光によって観察対象を照明するモードである。特殊観察モードは、照明光と異なる特殊光によって観察対象を照明するモードである。測長モードは、照明光又は計測光を観察対象に照明し、且つ、観察対象の撮像により得られる撮像画像上に、観察対象の大きさなどの測定に用いられる仮想スケールを表示する。仮想スケールが重畳表示されない撮像画像はディスプレイ15に表示される一方、仮想スケールが重畳表示された撮像画像は拡張ディスプレイ18に表示される。キャリブレーションモードは、内視鏡12の撮像光学系21によってサイズ等にバラつきが生ずることがある仮想スケールを内視鏡12毎に調整するために、仮想スケールに関するキャリブレーションを行う。
【0020】
なお、照明光は、観察対象全体に明るさを与えて観察対象全体を観察するために用いられる光である。特殊光は、観察対象のうち特定領域を強調するために用いられる光である。計測光は、仮想スケールの表示に用いられる光である。また、本実施形態では、画像上に表示する仮想スケールについて説明を行うが、実際の管腔内に実スケールを設け、実スケールを画像を通して確認できるようにしてもよい。この場合には、実スケールは、内視鏡12の鉗子チャンネルを通して、挿入し、先端部12dから実スケールを突出させることが考えられる。
【0021】
ユーザーが静止画取得指示スイッチ12gを操作することにより、ディスプレイ15の画面がフリーズ表示し、合わせて、静止画取得を行う旨のアラート音(例えば「ピー」)を発する。そして、静止画取得指示スイッチ12gの操作タイミング前後に得られる撮像画像の静止画が、プロセッサ装置14内の静止画保存部42(
図3参照)に保存される。なお、静止画保存部42はハードディスクやUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの記憶部である。プロセッサ装置14がネットワークに接続可能である場合には、静止画保存部42に代えて又は加えて、ネットワークに接続された静止画保存サーバ(図示しない)に撮像画像の静止画を保存するようにしてもよい。
【0022】
なお、静止画取得指示スイッチ12g以外の操作機器を用いて、静止画取得指示を行うようにしてもよい。例えば、プロセッサ装置14にフットペダルを接続し、ユーザーが足でフットペダル(図示しない)を操作した場合に、静止画取得指示を行うようにしてもよい。モード切替についてのフットペダルで行うようにしてもよい。また、プロセッサ装置14に、ユーザーのジェスチャーを認識するジェスチャー認識部(図示しない)を接続し、ジェスチャー認識部が、ユーザーによって行われた特定のジェスチャーを認識した場合に、静止画取得指示を行うようにしてもよい。モード切替についても、ジェスチャー認識部を用いて行うようにしてもよい。
【0023】
また、ディスプレイ15の近くに設けた視線入力部(図示しない)をプロセッサ装置14に接続し、視線入力部が、ディスプレイ15のうち所定領域内にユーザーの視線が一定時間以上入っていることを認識した場合に、静止画取得指示を行うようにしてもよい。また、プロセッサ装置14に音声認識部(図示しない)を接続し、音声認識部が、ユーザーが発した特定の音声を認識した場合に、静止画取得指示を行うようにしてもよい。モード切替についても、音声認識部を用いて行うようにしてもよい。また、プロセッサ装置14に、タッチパネルなどのオペレーションパネル(図示しない)を接続し、オペレーションパネルに対してユーザーが特定の操作を行った場合に、静止画取得指示を行うようにしてもよい。モード切替についても、オペレーションパネルを用いて行うようにしてもよい。
【0024】
図2に示すように、内視鏡12の先端部は略円形となっており、内視鏡12の撮像光学系を構成する光学部材のうち最も被写体側に位置する撮像光学系21と、被写体に対して照明光を照射するための照明光学系22と、計測光を被写体に照明するための計測光出射部23と、処置具を被写体に向けて突出させるための開口24と、送気送水を行うための送気送水ノズル25とが設けられている。
【0025】
撮像光学系21の光軸Axは、紙面に対して垂直な方向に延びている。縦の第1方向D1は、光軸Axに対して直交しており、横の第2方向D2は、光軸Ax及び第1方向D1に対して直交する。撮像光学系21と計測光出射部23とは、第1方向D1に沿って配列されている。
【0026】
図3に示すように、光源装置13は、光源部30と、光源用プロセッサ31とを備えている。光源部30は、被写体を照明するための照明光を発生する。光源部30から出射された照明光は、ライトガイドLGに入射され、照明光学系22に設けられた照明レンズ22aを通って被写体に照射される。光源部30としては、照明光の光源として、白色光を出射する白色光源、又は、白色光源とその他の色の光を出射する光源(例えば青色光を出射する青色光源)を含む複数の光源等が用いられる。光源用プロセッサ31は、プロセッサ装置14のシステム制御部41と接続されている。なお、照明光としては、青色光、緑色光、及び赤色光をそれぞれ組み合わせた白色の混色光としてもよい。この場合には、赤色光の照射範囲に比べて緑色光の照射範囲のほうが大きくなるように、照明レンズ22aの光学設計を行うことが好ましい。
【0027】
光源用プロセッサ31は、システム制御部41からの指示に基づいて光源部30を制御する。システム制御部41は、光源用プロセッサ31に対して、光源制御に関する指示を行う他に、計測光出射部23の光源23a(
図4参照)も制御する。通常観察モード又は特殊観察モードの場合には、システム制御部41は、照明光又は特殊光を点灯し、計測光を消灯する制御を行う。測長モードの場合には、システム制御部41は、照明光を点灯し、計測光を点灯する制御を行う。キャリブレーションモードの場合には、システム制御部41は、照明光を消灯し、計測光を点灯する制御を行う。
【0028】
内視鏡12の先端部12dには、照明光学系22、撮像光学系21、及び計測光出射部23が設けられている。照明光学系22は照明レンズ22aaを有しており、この照明レンズ22aを介して、ライトガイドLGからの光が観察対象に照射される。撮像光学系21は、撮像光学系21a、ズームレンズ21b、及び撮像素子32を有している。観察対象からの反射光は、撮像光学系21aを介して、撮像素子32に入射する。これにより、撮像素子32に観察対象の反射像が結像される。
【0029】
撮像素子32はカラーの撮像センサであり、被検体の反射像を撮像して画像信号を出力する。この撮像素子32は、CCD(Charge Coupled Device)撮像センサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)撮像センサ等であることが好ましい。本発明で用いられる撮像素子32は、R(赤)、G(緑)B(青)の3色の赤色画像、緑色画像、及び赤色画像を得るためのカラーの撮像センサである。赤色画像は、撮像素子32において赤色のカラーフィルタRF(
図19参照)が設けられた赤色画素から出力される画像である。緑色画像は、撮像素子32において緑色のカラーフィルタGF(
図19参照)が設けられた緑色画素から出力される画像である。青色画像は、撮像素子32において青色のカラーフィルタBF(
図19参照)が設けられた青色画素から出力される画像である。撮像素子32は、撮像制御部33によって制御される。
【0030】
撮像素子32から出力される画像信号は、CDS/AGC回路34に送信される。CDS/AGC回路34は、アナログ信号である画像信号に相関二重サンプリング(CDS(Correlated Double Sampling))や自動利得制御(AGC(Auto Gain Control))を行う。CDS/AGC回路34を経た画像信号は、A/D変換器(A/D(Analog /Digital)コンバータ)35により、デジタル画像信号に変換される。A/D変換されたデジタル画像信号は、内視鏡12の通信I/F(Interface)36及び光源装置13の通信I/F(Interface)37を介して、プロセッサ装置14に入力される。
【0031】
プロセッサ装置14は、各種処理又は制御などに関するプログラムがプログラム格納メモリ(図示しない)に組み込まれている。画像制御用プロセッサによって構成されるシステム制御部41は、プログラム格納メモリに組み込まれたプログラムを動作することによって、光源装置13の通信I/F(Interface)37と接続される受信部38と、信号処理部39と、表示制御部40の機能が実現する。
【0032】
受信部38は、通信I/F37から伝送されてきた画像信号を受信して信号処理部39に伝達する。信号処理部39は、受信部38から受けた画像信号を一時記憶するメモリを内蔵しており、メモリに記憶された画像信号の集合である画像信号群を処理して、撮像画像を生成する。なお、受信部38は、光源用プロセッサ31に関連する制御信号については、システム制御部41に直接送るようにしてもよい。
【0033】
信号処理部39では、通常観察モードに設定されている場合には、撮像画像の青色画像はディスプレイ15のBチャンネルに、撮像画像の緑色画像はディスプレイ15のGチャンネルに、撮像画像の赤色画像はディスプレイ15のRチャンネルにそれぞれ割り当てる信号割り当て処理を行うことによって、カラーの撮像画像がディスプレイ15に表示する。測長モードについても、通常観察モードと同様の信号割り当て処理を行う。
【0034】
一方、信号処理部39では、特殊観察モードに設定されている場合には、撮像画像の赤色画像はディスプレイ15の表示には使用せず、撮像画像の青色画像をディスプレイ15のBチャンネルとGチャンネルに割り当て、撮像画像の緑色画像をディスプレイ15のRチャンネルに割り当てることによって、疑似カラーの撮像画像をディスプレイ15に表示する。また、信号処理部39では、測長モードに設定されている場合には、計測光の照射位置を含む撮像画像をデータ送受信部43に送信する。データ送受信部43は、撮像画像に関するデータを拡張プロセッサ装置17に送信する。なお、データ送受信部43は、拡張プロセッサ装置17からのデータ等の受信が可能である。受信したデータは、信号処理部39又はシステム制御部41にて処理が可能である。
【0035】
表示制御部40は、信号処理部39によって生成された撮像画像をディスプレイ15に表示する。システム制御部41は、内視鏡12、光源装置13、プロセッサ装置14、及び拡張プロセッサ装置17に対して、各種の制御を行う。内視鏡12に設けられた撮像制御部33を介して、撮像素子32の制御を行う。撮像制御部33は、撮像素子32の制御に合わせて、CDS/AGC34及びA/D35の制御も行う。
【0036】
拡張プロセッサ装置17は、プロセッサ装置14から送信されたデータをデータ送受信部44にて受信する。信号処理部45は、データ送受信部44で受信したデータに基づいて、測長モードに関連する処理を行う。具体的には、計測光の照射位置を含む撮像画像から仮想スケールの表示パターンを決定し、決定した表示パターンに基づく仮想スケールを撮像画像に重畳表示させる処理を行う。表示制御部46は、仮想スケールが重畳表示された撮像画像を拡張ディスプレイ18に表示させる。なお、データ送受信部44は、プロセッサ装置14にデータ等を送信することが可能である。
【0037】
図4に示すように、計測光出射部23は、光源23aと、回折光学素子DOE23b(Diffractive Optical Element)と、プリズム23cと、計測光用レンズ23dとを備える。光源23aは、撮像素子32の画素によって検出可能な色の光(具体的には可視光)を出射するものであり、レーザー光源LD(Laser Diode)又はLED(Light Emitting Diode)等の発光素子と、この発光素子から出射される光を集光する集光レンズとを含む。
【0038】
本実施形態では、光源23aが出射する光の波長は、例えば、600nm以上650nm以下の赤色のレーザー光を使用するが、その他の波長帯域の光、例えば、495nm以上570nm以下の緑色光を用いてもよい。光源23aはシステム制御部41によって制御され、システム制御部41からの指示に基づいて光出射を行う。DOE23bは、光源から出射した光を、計測情報を得るための計測光に変換する。
【0039】
プリズム23cは、DOE23bで変換後の計測光の進行方向を変えるための光学部材である。プリズム23cは、撮像光学系21の視野と交差するように、計測光の進行方向を変更する。計測光の進行方向の詳細についても、後述する。プリズム23cから出射した計測光Lmは、計測光用レンズ23dを通って、被写体へと照射される。
【0040】
計測光が被写体に照射されることにより、
図5に示すように、被写体において、円状領域としてのスポットSPが形成される。このスポットSPの位置(計測光の照射位置)は、照射位置検出部54(
図7参照)によって特定され、また、スポットSPの位置に応じて、実寸サイズを表す仮想スケールが設定される。設定された仮想スケールは、撮像画像上に表示される。なお、仮想スケールには、後述するように、第1の仮想スケール、第2の仮想スケールなど複数の種類が含まれ、いずれの種類の仮想スケールを撮像画像上に表示するかについては、ユーザーの指示によって選択が可能となっている。ユーザーの指示としては、例えば、ユーザーインターフェース16が用いられる。
【0041】
なお、計測光用レンズ23dに代えて、内視鏡の先端部12dに形成される計測補助用スリットとしてもよい。また、計測光用レンズ23dには、反射防止コート(AR(Anti-Reflection)コート)(反射防止部)を施すことが好ましい。このように反射防止コートを設けるのは、計測光が計測光用レンズ23dを透過せずに反射して、被写体に照射される計測光の割合が低下すると、後述する照射位置検出部54が、計測光により被写体上に形成されるスポットSPの位置を認識し難くなるためである。
【0042】
なお、計測光出射部23は、計測光を撮像光学系21の視野に向けて出射できるものであればよい。例えば、光源23aが光源装置13に設けられ、光源23aから出射された光が光ファイバによってDOE23bにまで導光されるものであってもよい。また、プリズム23cを用いずに、光源23a及びDOE23bの向きを光軸Axに対して斜めに設置することで、撮像光学系21の視野を横切る方向に計測光Lmを出射させる構成としてもよい。
【0043】
計測光の進行方向については、
図6に示すように、計測光Lmの光軸Lmが撮像光学系21の光軸Axと交差する状態で、計測光Lmを出射する。観察距離の範囲Rxにおいて観察可能であるとすると、範囲Rxの近端Px、中央付近Py、及び遠端Pzでは、各点での撮像範囲(矢印Qx、Qy、Qzで示す)における計測光Lmによって被写体上に形成されるスポットSPの位置(各矢印Qx、Qy、Qzが光軸Axと交わる点)が異なることが分かる。なお、撮像光学系29bの撮影画角は2つの実線48で挟まれる領域内で表され、この撮影画角のうち収差の少ない中央領域(2つの点線49「で挟まれる領域)で計測を行うようにしている。
【0044】
以上のように、計測光の光軸Lmを光軸Axと交差する状態で、計測光Lmを出射することによって、観察距離の変化に対するスポット位置の移動の感度が高いことから、被写体の大きさを高精度に計測することができる。そして、計測光が照明された被写体を撮像素子32で撮像することによって、スポットSPを含む撮像画像が得られる。撮像画像では、スポットSPの位置は、撮像光学系21の光軸Axと計測光Lmの光軸Lmとの関係、及び観察距離に応じて異なるが、観察距離が近ければ、同一の実寸サイズ(例えば5mm)を示すピクセル数が多くなり、観察距離が遠ければピクセル数が少なくなる。第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向に直交する方法である。
【0045】
図7に示すように、拡張プロセッサ装置17の信号処理部45は、スポットSPの位置認識、及び仮想スケールの設定を行うために、撮像画像におけるスポットSPの位置を検出する第1信号処理部50と、スポットSPの位置に応じて仮想スケールを設定する第2信号処理部52とを備えている。
【0046】
第1信号処理部50は、撮像画像からスポットSPの照射位置を検出する照射位置検出部54を備えている。照射位置検出部54では、スポットSPの照射位置として、スポットSPの重心位置座標を取得することが好ましい。
【0047】
第2信号処理部52は、スポットSPの照射位置に基づいて、被写体のサイズを計測するための仮想スケールとして、第1の仮想スケールを設定し、第1の仮想スケールのスケール表示位置を設定する。第2信号処理部52は、スポットSPの照射位置及びスケール表示位置によって表示パターンが変わる仮想スケール画像と、スポットの照射位置とを関連付けて記憶するスケール用テーブル55を参照して、スポットSPの照射位置に対応する仮想スケールを設定する。
【0048】
仮想スケールは、スポットSPの照射位置及びスケール表示位置によって、例えば、大きさ、又は、形状が異なっている。仮想スケール画像の表示に関しては、後述する。また、スケール用テーブル55については、拡張プロセッサ装置17の電源をOFFにした場合であっても、保存内容が維持される。なお、スケール用テーブル55は、スケール用パラメータと照射位置とを関連付けて記憶するが、照射位置に対応する被写体との距離(内視鏡12の先端部12dと被写体との距離)とスケール用パラメータとを関連付けて記憶してもよい。
【0049】
なお、スケール用パラメータについては、照射位置毎に必要になり、データ容量が大きくなることから、内視鏡12における保存可能なメモリの容量、起動、及び処理時間などの観点を考慮し、内視鏡12内のメモリ(図示しない)に保持するよりも、拡張プロセッサ装置17(又はプロセッサ装置14)内に保持したほうが好ましい。また、仮想スケールの画像は、後述するように、キャリブレーションによって得られたスケール用パラメータから作成しているが、測長モード時にスケール用パラメータから仮想スケール画像を作成すると、ロスタイムが発生し、処理のリアルタイム性が損なわれる。
【0050】
そのため、内視鏡12を内視鏡接続部に接続し、一度、スケール用パラメータから仮想スケール画像を作成してスケール用テーブル55を更新した後は、代表点から仮想スケールを作成するのではなく、更新後のスケール用テーブル55を用いて、仮想スケール画像の表示を行うようにする。また、第2信号処理部52においては、画像の重畳表示などが困難になる非常時には、測長画像に重畳表示する仮想スケール画像の代わりに、スポットSPの照射位置と被写体の実寸サイズに対応するピクセル数との関係から、スケールの大きさを定める基準スケールが、基準スケール用画像に表示される。なお、測長画像は、スポットSPなどの計測光の照射位置及び/又は仮想スケール画像を含む画像であって、拡張ディスプレイ18で表示される画像である。基準スケール用画像は、計測光の照射位置及び/又は基準スケール画像を含む画像であって、拡張ディスプレイ18で表示される画像である。
【0051】
また、第2信号処理部52は、内視鏡12を、光源装置13の内視鏡接続部(図示しない)に接続した場合には、スケール用テーブル55を更新するためのテーブル更新部56を備えている。このようにスケール用テーブル55を更新できるようにしているのは、内視鏡12は、機種及びシリアル番号によって、計測光の光軸Lmと撮像光学系21との位置関係が異なり、それに従って、仮想スケール画像の表示パターンも変わってくるためである。テーブル更新部56では、キャリブレーションモード時に得られるスケール用パラメータと、照射位置とを関連付けて記憶するパラメータテーブル57が用いられる。テーブル更新部56及びパラメータテーブル57の詳細については、後述する。なお、パラメータテーブル57については、照射位置に対応する被写体との距離(内視鏡12の先端部12dと被写体との距離)と代表点データとを関連付けて記憶してもよい。
【0052】
表示制御部46は、仮想スケールを撮像画像に重畳した測長画像を拡張ディスプレイ18に表示する場合において、仮想スケールを、スポットSPの照射位置及びスケール表示位置に応じて表示態様が異なる制御を行う。具体的には、表示制御部46は、スポットSPを中心として、第1の仮想スケールを重畳した測長画像を拡張ディスプレイ18に表示する。第1の仮想スケールとしては、例えば、円型の計測マーカを用いる。この場合、
図8に示すように、観察距離が近端Px(
図6参照)に近い場合には、被写体の腫瘍tm1上に形成されたスポットSP1の中心に合わせて、実寸サイズ5mm(撮像画像の水平方向及び垂直方向)を示す仮想スケールM1が表示される。
【0053】
仮想スケールM1のマーカ表示位置は、撮像光学系21による歪みの影響を受ける撮像画像の周辺部に位置しているため、仮想スケールM1は、歪み等の影響に合わせて、楕円状となっている。以上のマーカM1は腫瘍tm1の範囲とはほぼ一致しているため、腫瘍tm1は5mm程度と計測することができる。なお、撮像画像に対しては、スポットを表示せず、第1の仮想スケールのみを表示するようにしてもよい。
【0054】
また、
図9に示すように、観察距離が中央付近Py(
図6参照)に近い場合、被写体の腫瘍tm2上に形成されたスポットSP2の中心に合わせて、実寸サイズ5mm(撮像画像の水平方向及び垂直方向)を示す仮想スケールM2が表示される。仮想スケールM2のスケール表示位置は、撮像光学系21によって歪みの影響を受けにくい撮像画像の中心部に位置しているため、仮想スケールM2は、歪み等の影響を受けることなく、円状となっている。
【0055】
また、
図10に示すように、観察距離が遠端Pz(
図6参照)に近い場合、被写体の腫瘍tm3上に形成されたスポットSP3の中心に合わせて、実寸サイズ5mm(撮像画像の水平方向及び垂直方向)を示す仮想スケールM3が表示される。仮想スケールM3のスケール表示位置は、撮像光学系21による歪みの影響を受ける撮像画像の周辺部に位置しているため、仮想スケールM3は、歪み等の影響に合わせて、楕円状となっている。以上の
図8~
図10に示すように、観察距離が長くなるにつれて同一の実寸サイズ5mmに対応する第1の仮想スケールの大きさが小さくなっている。また、マーカ表示位置によって、撮像光学系21による歪みの影響に合わせて、第1の仮想スケールの形状も異なっている。
【0056】
なお、
図8~
図10では、スポットSPの中心とマーカの中心を一致させて表示しているが、計測精度上問題にならない場合には、スポットSPから離れた位置に第1の仮想スケールを表示してもよい。ただし、この場合にもスポットの近傍に第1の仮想スケールを表示することが好ましい。また、第1の仮想スケールを変形して表示するのではなく、撮像画像の歪曲収差を補正し変形させない状態の第1の仮想スケールを補正後の撮像画像に表示するようにしてもよい。
【0057】
また、
図8~
図10では、被写体の実寸サイズ5mmに対応する第1の仮想スケールを表示しているが、被写体の実寸サイズは観察対象や観察目的に応じて任意の値(例えば、2mm、3mm、10mm等)を設定してもよい。また、
図8~
図10では、第1の仮想スケールを、略円型としているが、
図11に示すように、縦線と横線が交差する十字型としてもよい。また、十字型の縦線と横線の少なくとも一方に、目盛りMxを付けた目盛り付き十字型としてもよい。また、第1の仮想スケールとして、縦線、横線のうち少なくともいずれかを傾けた歪曲十字型としてもよい。また、第1の仮想スケールを、十字型と円を組み合わせた円及び十字型としてもよい。その他、第1の仮想スケールを、スポットから実寸サイズに対応する複数の測定点EPを組み合わせた計測用点群型としてもよい。また、第1の仮想スケールの数は一つでも複数でもよいし、実寸サイズに応じて第1の仮想スケールの色を変化させてもよい。
【0058】
なお、第1の仮想スケールとして、
図12に示すように、大きさが異なる3つの同心円状の仮想スケールM4A、M4B、M4C(大きさはそれぞれ直径が2mm、5mm、10mm)を、腫瘍tm4上に形成されたスポットSP4を中心として、撮像画像上に表示するようにしてもよい。この3つの同心円状の仮想スケールは、仮想スケールを複数表示するので切替の手間が省け、また、被写体が非線形な形状をしている場合でも計測が可能である。なお、スポットを中心として同心円状の仮想スケールを複数表示する場合には、大きさや色を仮想スケール毎に指定するのではなく、複数の条件の組合せを予め用意しておきその組み合わせの中から選択できるようにしてもよい。
【0059】
図12では、3つの同心円状の仮想スケールを全て同じ色(黒)で表示しているが、複数の同心円状のマーカを表示する場合、仮想スケールによって色を変えた複数の色付き同心円状のマーカとしてもよい。
図13に示すように、仮想スケールM5Aは赤色を表す点線、仮想スケールM5Bは青色を表す実線、仮想スケールM5Cは白を表す一点鎖線で表示している。このように仮想スケールの色を変えることで識別性が向上し、容易に計測を行うことができる。
【0060】
また、第1の仮想スケールとしては、複数の同心円状の仮想スケールの他、
図14に示すように、各同心円を歪曲させた複数の歪曲同心円状の仮想スケールを用いてもよい。この場合、歪曲同心円状の仮想スケールM6A、仮想スケールM6B、仮想スケールM6Cが、腫瘍tm5に形成されたスポットSP5を中心に撮像画像に表示されている。
【0061】
なお、計測光については、被写体に照射された場合に、スポットとして形成される光を用いているが、その他の光を用いるようにしてもよい。例えば、被写体に照射された場合に、
図15に示すように、被写体上に交差ライン58として形成される平面状の計測光を用いてもよい。この場合は、仮想スケールとして、交差ライン58及び交差ライン58上に被写体の大きさ(例えば、ポリープP)の指標となる目盛り59からなる第2の仮想スケールを生成する。平面状の計測光を用いる場合には、照射位置検出部54は、交差ライン58の位置(計測光の照射位置)を検出する。交差ライン58が下方に位置する程、観察距離が近く、交差ライン58が上方に位置する程、観察距離が遠くなる。これに従い、交差ライン58が下方に位置する程、目盛り59の間隔は大きくなり、交差ライン58が上方に位置する程、目盛り59の間隔は小さくなる。
【0062】
キャリブレーションモードは、
図16に示すキャリブレーション装置100を用いて行われる。キャリブレーション装置100は、拡張ディスプレイ18に表示して被写体のサイズを計測するための仮想スケールに関するキャリブレーションを行うための装置である。キャリブレーション装置100は、チャート101、距離変更機構102、位置調整機構103、拡張プロセッサ装置17、拡張ディスプレイ18を備える。なお、拡張プロセッサ装置17及び拡張ディスプレイ18は、内視鏡システム10と兼用である。また、拡張プロセッサ装置17は、キャリブレーションモードに必要なキャリブレーション画像取得部121及びスケール用パラメータ取得部122の機能が少なくともあればよい。
【0063】
図17に示すように、チャート101は、3つの指標図形104a、104b、104cからなる指標図形平面104が設けられている。指標図形104aは直径5mmの円形であり、指標図形104bは直径10mmの円形であり、指標図形104cは直径20mmの円形である。これら指標図形104a、104b、104cは、後述するように、キャリブレーション画像では撮像光学系21の影響を受けて、円形が変形した楕円などの形になる。なお、チャート101に複数の指標図形を設けることにより、各指標図形に対応するサイズの仮想スケールのスケール用パラメータを同時に取得することができる。これにより、1つの指標図形で仮想スケールのスケール用パラメータを取得する場合と比べて、キャリブレーションの時間を短縮することができる。
【0064】
指標図形平面104は、指標図形104a、104b、104cが一点の基準位置STで接している平面としているが、指標図形104a、104b、104cの中心を同じにする同心円型の平面としてもよい。また、指標図形を円形としているが、正多角形としてもよい。この場合においても、複数の正多角形を一点の基準位置STで接している平面、又は、複数の正多角形の重心を同じにする同心型の平面としてもよい。また、指標図形は、十字、又は、線分などでもよい。
【0065】
3つの指標図形104a、104b、104cは、2つ以上の色によって、特定の色評価基準に基づく分離がされている。特定の色評価基準としては、
図18に示す色相環105を用いることが好ましい。指標図形の色は、白色、黒色、又は色相環105で100°以上それぞれ離れた色相に対応する複数の色のうち2以上の色を含むことが好ましい。
【0066】
ここで、色相環で100°以上離れた色相に対応する複数の色の組み合わせとしては、B(青)、G(緑)、R(赤)(それぞれ色相環で120°離れている)、又は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)(それぞれ色相環で120°離れている)がある。例えば、3つの指標図形104a、104b、104cの色の組み合わせとしては、白、緑、赤が好ましい。
【0067】
また、指標図形の色は、撮像素子32のカラーフィルタの透過率に基づいて分離されていることが好ましい。例えば、撮像素子32において、4色の赤色カラーフィルタRF、緑色カラーフィルタGF、青色カラーフィルタBF、青緑色カラーフィルタBGFが、
図19に示す透過率の分布を有している場合には、各色のカラーフィルタの透過率が一定以上となる波長域に対応する色を、指標図形の色とすることが好ましい。
図19のカラーフィルタの場合であれば、各カラーフィルタにおいて透過率が最も高くなる波長付近の色である450nm付近の色、500nm付近の色、550nm付近の色、630nm付近の色を、指標図形の色とすることが好ましい。
【0068】
また、バックライト107として白色光を用いる場合には、指標図形n(nは自然数)の色は、指標図形nの赤色信号値SRn、指標図形nの緑色信号値SGn、指標図形nの青色信号値SBnに基づいて定めることが好ましい。バックライト107の光のスペクトルをL(λ)、赤色画素の分光感度(赤色カラーフィルタRFの透過率)をR(λ)、緑色画素の分光感度(緑色カラーフィルタGFの透過率)をG(λ)、青色画素の分光感度(青色カラーフィルタBFの透過率)をB(λ)とした場合には、指標図形nの赤色信号値SRn、指標図形nの緑色信号値SGn、指標図形nの青色信号値SBnは、下記の[数1]の通りになる。
【0069】
ここで、指標図形n(nは自然数)の色としては、SR1、SG1、SB1の3成分をS1などで表記した場合に、S1、S2、・・・、Snが分離しやすい色の組み合わせを選ぶのが好ましい。Snは3成分であるため、指標図形は3つ(n=3)とし、S1、S2、S3が直交に近いほど分離しやすいため特に好ましい。
【0070】
指標図形は、後述の外接矩形抽出処理又は内接楕円パラメータ算出処理で指標図形を認識し易くするために、特定の色で塗りつぶされていることが好ましい。この場合、指標図形104a、104b、104cのうち全てを塗りつぶしてもよく、一部のみを塗りつぶしてもよい。また、チャート101のうち指標図形平面104以外の背景部106は黒とすることが好ましい。また、チャート101は、後述するように、バックライト107によってキャリブレーション画像で指標図形平面を表示又は非表示させるために、光を透過させる光透過型であることが好ましい。チャート101を光透過型とすることで、指標図形平面104のコントラストを高くして、指標図形の認識精度を向上させることができる。
【0071】
チャート101の基材は光透過型の基材であることが好ましく、ガラス板、セラミック板、金属板、フィルム、リバーサルフィルムなどがある。指標図形平面の色を発色させるための材料としては、感材、インクジェット、カラーレジストなどであることが好ましい。例えば、指標図形の色が2色以上の場合には、チャート101の基材はガラス板(リバーサルフィルム)で、指標図形の色を発色させる材料はカラーレジストであることが好ましい。
【0072】
チャート101には、チャート101と内視鏡の先端部12dとを正対させるために用いられるアライメントマーク108が設けられている。アライメントマーク108はくさび型であり、キャリブレーション画像上でアライメントラインAL(
図32参照)が連結部108aにくるように、チャート101又は先端部12dを動かす。
【0073】
図20に示すように、距離変更機構102は、内視鏡の先端部12dとチャート101との間のチャート間距離CDを変更する。距離変更機構102は、チャート101を載置する。距離変更機構102は、鉛直方向であるZ方向に移動可能に基台111に取り付けられている。距離変更機構102には、チャート101を載置するチャート保持部109が取り付けられている。チャート保持部109がZ方向に移動することによって、チャート間距離CDが変更される。
【0074】
チャート間距離CDを設定距離に合わせる場合には、設定距離に対応する距離設定治具112を、チャート保持部109と内視鏡保持部110との間に挟んで、チャート間距離CDを設定距離にすることが好ましい。例えば、設定距離を40mmにする場合には、長さ40mmの距離設定治具112をチャート保持部109と内視鏡保持部110との間に挟むことで、チャート間距離を40mmにすることができる。距離設定治具は、長さを調整可能なものを使用することが好ましい。
【0075】
図20に示すように、位置調整機構103は、チャート101の指標図形平面104の基準位置STと計測光の照射位置(スポットSP)との位置関係を調整するために、内視鏡の先端部12dを移動させる。位置調整機構103は、Z方向に直交するX方向又はY方向に移動可能に基台111に取り付けられている。X方向はY方向と直交する。位置調整機構103には、内視鏡の先端部12dを保持する内視鏡保持部110が取り付けられている。内視鏡保持部110がX方向又はY方向に移動することによって、XY平面における指標図形平面104の基準位置STと計測光の照射位置との位置関係が調整される。
【0076】
チャート保持部109には、チャートを載置する面及びその周囲にバックライト107が設けられている。バックライト107は、ユーザーにより点灯又は消灯が可能である。距離変更機構102によりチャート間距離CDを設定する距離設定期間においては、バックライト107を消灯する。バックライト107の消灯時には、内視鏡12が光透過型のチャート101を撮像して得られるキャリブレーション画像では、
図21に示すように、スポットSP(計測光の照射位置)のみが表示され、指標図形平面104が非表示となる。指標図形平面104が非表示となることで、照射位置検出部54が計測光の照射位置を認識しやすくなる。また、距離設定期間においては、チャート間距離が設定距離に設定される毎に、計測光の照射位置(スポットSP)を記憶するようにしてもよい。計測光の照射位置は、拡張プロセッサ装置17の照射位置記憶用の一時保存メモリ(図示しない)に記憶することが好ましい。
【0077】
一方、距離設定期間の後であって、位置調整機構103により内視鏡の先端部12dをX方向又はY方向に移動させ、且つ、キャリブレーション画像を取得するキャリブレーション画像取得期間においては、バックライト107を点灯する。バックライト107の点灯時には、キャリブレーション画像では、
図22に示すように、スポットSPの他、指標図形平面104及びアライメントマーク108が表示されるようになる。これにより、指標図形平面の基準位置STとスポットSPとの位置調整が可能になり、また、外接矩形抽出処理又は内接楕円パラメータ算出処理による指標図形平面の認識が可能となる。
【0078】
チャート101と内視鏡の先端部12dとを正対させるために、内視鏡保持部110は、
図23に示すように、XZ平面にて特定範囲の角度ψで回転可能であること、又は、YZ平面において特定範囲の角度φで回転可能であることが好ましい。内視鏡保持部110に保持された内視鏡の先端部12dを角度ψ、φで回転させて、撮像光学系の光軸Axとチャートの指標図形平面104を垂直する。この状態を、チャート101と内視鏡の先端部12dとが正対した状態とする。なお、内視鏡保持部110は、XY平面にて特定範囲の角度θで回転可能としてもよい。内視鏡保持部110に保持された内視鏡の挿入部12aの形状状態によっては、内視鏡保持部110を角度θで回転させて、チャート101と内視鏡の先端部12dとが正対することが好ましい。
【0079】
拡張プロセッサ装置17においては、キャリブレーションモード用に第3信号処理部120が設けられている。なお、拡張プロセッサ装置17においては、各種処理に関するプログラムがプログラム用メモリ(図示しない)に組み込まれている。拡張プロセッサ装置17には、画像制御用プロセッサによって構成される中央制御部(図示しない)が設けられている。中央制御部がプログラム用メモリ内のプログラムを実行することによって、
図24に示すように、第1信号処理部50、第2信号処理部52、第3信号処理部120の機能が実現する。
【0080】
第3信号処理部120は、キャリブレーション画像取得部121、スケール用パラメータ取得部122、補間処理部123を備えている。拡張ディスプレイ18は、距離変更機構102、位置調整機構103、キャリブレーション画像の取得、又はスケール用パラメータの取得の少なくともいずれかを含むキャリブレーションモードに関連する操作表示を行う。本実施形態では、後述の設定完了操作アイコン132、位置調整完了アイコン134、又は、スケール確認アイコン136が、キャリブレーションモードに関連する操作表示に含まれる。なお、請求の範囲の「ディスプレイ」には、拡張ディスプレイ18が含まれる。
【0081】
キャリブレーション画像取得部121は、ユーザーインターフェース16によりキャリブレーション画像取得指示が行われた場合に、チャート101の指標図形平面104の基準位置STと計測光の照射位置(スポットSP)とが合った状態のチャート101を内視鏡12で撮像して得られるキャリブレーション画像124を取得する。
図25に示すように、キャリブレーション画像124においては、チャート101では円形となっている指標図形104a、104b、104cが、撮像光学系21の光学特性等によって変形した楕円状の指標図形画像126a、126b、126cとなっている。変形度合いは、画面周辺になるほど大きくなっている。
【0082】
スケール用パラメータ取得部122は、キャリブレーション画像124から、仮想スケールを拡張ディスプレイ18で表示するためのスケール用パラメータを取得する。キャリブレーション画像124は、撮像素子32の青色画素から出力された青色キャリブレーション画像124b、撮像素子32の緑色画素から出力された緑色キャリブレーション画像124g、撮像素子32の赤色画素から出力された赤色キャリブレーション画像124rからなる。これら3色の青色キャリブレーション画像124b、緑色キャリブレーション画像124g、赤色キャリブレーション画像124rに対して、それぞれ二値化処理、外接矩形抽出処理、内接楕円パラメータ算出処理を行う。
【0083】
なお、指標図形の色によって、青色キャリブレーション画像124b、緑色キャリブレーション画像124g、赤色キャリブレーション画像124rについて、それぞれ重み付け加算することが好ましい。例えば、指標図形の色として、指標図形104aが白色、指標図形104bが緑色、指標図形104cが青色とする場合には、青色キャリブレーション画像124bは、緑色キャリブレーション画像124g又は赤色キャリブレーション画像124rに特定の重み付け係数を付加して加算することにより、青色の指標図形画像126a(指標図形104cに対応する画像)を認識し易い状態にすることが好ましい。また、緑色キャリブレーション画像124gは、青色キャリブレーション画像124b又は赤色キャリブレーション画像124rに特定の重み付け係数を付加して加算することにより、緑色の指標図形画像126b(指標図形104bに対応する画像)を認識し易い状態にすることが好ましい。また、赤色キャリブレーション画像124rは、青色キャリブレーション画像124b又は緑色キャリブレーション画像124gに特定の重み付け係数を付加して加算することにより、白色の指標図形画像126c(指標図形104aに対応する画像)を認識し易い状態にすることが好ましい。
【0084】
青色キャリブレーション画像124bに対して青色用の二値化処理を行うことによって、指標図形画像126aと指標図形画像126cが抽出される。また、緑色キャリブレーション画像124gに対して緑色用の二値化処理を行うことによって、指標図形画像126bが抽出される。あた、赤色キャリブレーション画像124rに対して赤色用の二値化処理を行うことによって、指標図形画像126aが抽出される。これら二値化処理後の画像に対して、外接矩形抽出処理が行われる。なお、二値化処理を行う際には、各色のキャリブレーション画像に対してシェーディング補正、マスキングなどの処理を行うことが好ましい。
【0085】
二値化処理後の青色キャリブレーション画像124bに対して外接矩形処理を行うことにより、指標図形画像126cに外接する外接矩形128cが得られる。また、二値化処理後の緑色キャリブレーション画像124gに対して外接矩形処理を行うことにより、指標図形画像126bに外接する外接矩形128bが得られる。また、二値化処理後の赤色キャリブレーション画像124rに対して外接矩形処理を行うことにより、指標図形画像126aに外接する外接矩形128aが得られる。これら外接矩形抽出後の画像に対して、内接楕円パラメータ算出処理が行われる。なお、外接矩形処理又は内接楕円パラメータ算出処理については、例えば、OpenCVのfindContours、boundingRect、minAreaRectメソッドなどを用いることが好ましい。また、外接矩形の抽出は、パターンマッチング、テンプレートマッチング、機械学習(例えば、CNN(Convolutional Neural Network))済みの学習モデルの使用などにより行うことが好ましい。
【0086】
図26に示すように、外接矩形128cに対して内接楕円パラメータ算出処理を行うことにより、外接矩形128cに内接する楕円130cのフィッティングパラメータが算出される。算出された楕円130cのフィッティングパラメータが、直径20mmの仮想スケールを表示するためのスケール用パラメータとなる。楕円のフィッティングパラメータは例えば、楕円の中心(X座標、Y座標)、X軸方向の長さ、Y軸方向の長さ、楕円の傾きなどの複数のパラメータから構成される。
【0087】
同様にして、外接矩形128bに対して内接楕円パラメータ算出処理を行うことにより、外接矩形128bに内接する楕円130bのフィッティングパラメータが算出される。算出された楕円130bのフィッティングパラメータが、直径10mmの仮想スケールを表示するためのスケール用パラメータとなる。また、外接矩形128aに対して内接楕円パラメータ算出処理を行うことにより、外接矩形128aに内接する楕円130aのフィッティングパラメータが算出される。算出された楕円130aのフィッティングパラメータが、直径5mmの仮想スケールを表示するためのスケール用パラメータとなる。なお、内接楕円のフィッティングパラメータは、内視鏡の画像で円を表示する場合のパラメータとして比較的優れている。
【0088】
内接楕円のフィッティングパラメータが算出されると、内接楕円のフィッティングパラメータから楕円を生成する。そして、
図27に示すように、生成した楕円を、仮想スケールとして、キャリブレーション画像に重ねて表示するスケール確認画面を表示する。
図27の場合であれば、スケール確認画面においては、内接楕円のフィッティングパラメータから生成される楕円130a、130b、130cが、仮想スケールとして、それぞれ対応する指標図形画像126a、126b、126cに重畳表示される。なお、内接楕円のフィッティングパラメータを用いることで、楕円を生成するだけでなく、円から線分に、線分から円に、十字から格子にそれぞれ変換することが可能である。
【0089】
キャリブレーションを行うユーザーは、楕円130a、130b、130cの位置、サイズ等が、指標図形画像126a、126b、126cにマッチングしているかどうかを確認する。ユーザーがマッチングしていると判断した場合には、ユーザーは、ユーザーインターフェース16を用いて、スケール確認アイコン136(
図34参照)を操作する。スケール確認アイコン136が操作されると、第3信号処理部120は、計測光の照射位置とスケール用パラメータとを対応付けて、パラメータテーブル57に記憶させる。一方、ユーザーがマッチングしていないと判断した場合には、再度、チャート間距離CDからやり直しを行う。
【0090】
補間処理部123は、距離変更機構102によってチャート間距離CDを設定して得られる第1距離のスケール用パラメータP2に基づく補間処理を行うことによって、第1距離に無い第2距離のスケール用パラメータP2を算出する。
図28に示すように、距離変更機構102によってチャート間距離CDを1mm間隔で変更し、変更毎に第1距離のスケール用パラメータP1を取得した場合において、チャート間距離CDが2mmで、直径5mmの仮想スケールのスケール用パラメータ(5mm)をPM5_2とし、チャート間距離が3mmで、直径5mmの仮想スケールのスケール用パラメータ(5mm)をPM5_3とする。チャート間距離CDが2mmと3mmの中間の2.5mmのスケール用パラメータを、第2距離のスケール用パラメータP2として、補間処理で算出する。具体的には、(PM5_2+PM5_3)/2とする補間処理用の演算によって、チャート間距離CDが2.5mmのスケール用パラメータPM5_2.5が、第2距離のスケール用パラメータP2として、算出される。
【0091】
同様にして、チャート間距離が3mmと4mmの間の3.5mmのスケール用パラメータPM5_3.5を補間処理により算出し、チャート間距離が4mmと5mmの間の4.5mmのスケール用パラメータPM5_4.5を補間処理により算出する。補間処理によって得られるスケール用パラメータは、チャート間距離に対応する計測光の照射位置と対応付けられて、パラメータテーブル57に記憶される。以上のように、実際のキャリブレーションモードでは、離散的なチャート間距離についてしかスケール用パラメータが得られない場合であっても、補間処理を用いることで、全てのチャート間距離についてスケール用パラメータを得ることができる。
【0092】
次に、キャリブレーションモードの一連の流れについて、
図29のフローチャートに沿って説明する。キャリブレーションモードの実施は、暗室にて行われる。仮想スケールのキャリブレーションを行うユーザーは、内視鏡の先端部12dを内視鏡保持部110にセットし、また、チャート101をチャート保持部109に載置する。次に、ユーザーは、モード切替スイッチ12fを操作して、キャリブレーションモードに切り替える。これにより、計測光がチャート101に照射される。この状態で、距離変更ステップを実行する。なお、以下のステップにおいては、キャリブレーションモードに関連する操作の作業内容として、各ステップにおける作業内容が分かるように、拡張ディスプレイ18に各ステップの作業内容を表示することが好ましい。
【0093】
距離変更ステップでは、距離変更機構102によって、3つの指標図形104a、104b、104cからなる指標図形平面104が設けられたチャート101と、内視鏡の先端部12dとの間のチャート間距離CDを変更する。距離変更ステップでは、スケール用パラメータを取得するチャート間距離CDが、設定距離として予め定められている。例えば、設定距離は、1mm~50mmの範囲で、1mm間隔とすることが好ましい。
【0094】
距離変更ステップにおいては、光透過型のチャート101に設けられたバックライト107を消灯することにより、キャリブレーション画像において、計測光の照射位置のみ表示し、且つ、指標図形平面104を非表示にしている。これにより、照射位置検出部54は、計測光の照射位置の検出し易くなる。
【0095】
距離変更ステップでは、
図30に示すように、拡張ディスプレイ18においては、設定距離の設定が完了したことを指示するための設定完了操作アイコン132が表示されている。チャート間距離CDが設定距離に設定されたら、ユーザーは、ユーザーインターフェース16を用いて、設定完了操作アイコン132を操作する。これに従って、照射位置検出部54は、計測光の照射位置(スポットSPの位置)を検出する。なお、距離変更ステップでは、チャート間距離CDを距離設定治具112で設定してもよい。距離変更ステップの後は、計測光を消灯してもよい。この場合には、アライメントマーク108のみを用いて移動ステップを行うことになる。
【0096】
なお、距離変更ステップにおいては、距離変更ステップでは、チャート101と内視鏡の先端部12dとが正対しているかどうかを確認する正対確認ステップステップを設けてもよい。正対確認ステップでは、
図31に示すように、キャリブレーション画像124において、指標図形平面画像125のうち一番大きい円形の指標図形画像126cの真円度で確認を行う。指標図形画像126cが真円度確認用矩形140に内接した場合には、指標図形画像126cの真円度が最も高いとして、チャート101と内視鏡の先端部12dが正対しているとする。一方、指標図形画像126cが真円度確認用矩形140に内接せず一部がはみ出しているなどの場合には、正対していないとする。この場合には、正対するように、内視鏡の先端部12dの角度ψ、φを調整することが好ましい。なお、正対しているかどうかを行うステップにおいては、拡張ディスプレイ18に表示する作業内容142として、
図35に示すように、「白い円の左端がスポットSPのところに来るように動かしてください。完了したら、OKボタンを押してください」などがある。
【0097】
なお、仮想スケールの形状が十字の場合には、上下又は左右で線の太さが同じかどうかで正対しているかどうかを判断する。また、仮想スケールの形状が三角形の場合には、上下又は左右でサイズが同じかどうかで正対しているかどうかを判断する。
【0098】
距離変更ステップの後は、移動ステップが行われる。
図32に示すように、移動ステップでは、位置調整機構103によって、チャートの指標図形平面104の基準位置STと計測光の照射位置SPとの位置関係を調整するために、内視鏡の先端部12dを移動させる。内視鏡の先端部12dの移動は、チャート101と平行な面内、即ち、XY平面内で行われる。
【0099】
移動ステップにおいては、光透過型のチャート101に設けられたバックライト107を点灯することにより、キャリブレーション画像において、指標図形平面104を表示にしている。これにより、スケール用パラメータ取得部122によって、指標図形平面画像125に含まれる指標図形画像126a、126b、126cの認識し易くなる。
【0100】
移動ステップでは、キャリブレーション画像124において、縦方向と横方向にアライメントラインALが表示される。アライメントラインALがアライメントマークの連結部108aにくるように、内視鏡の先端部12dをX方向又はY方向に移動させる。この場合、縦方向と横方向のアライメントラインALは十字線であり、それら縦方向と横方向のアライメントラインALの交差点は画面中央に位置している。したがって、チャート101の指標図形平面画像125の中心にアライメントラインALの交差点を重ね合わせることで、位置合わせを容易にすることができる。
【0101】
移動ステップでは、
図33に示すように、拡張ディスプレイ18においては、指標図形平面104の基準位置STと計測光の照射位置SPとが合ったことを指示するための位置調整完了アイコン134が表示されている。指標図形平面104の基準位置STと計測光の照射位置SPとが合った状態になった場合には、ユーザーは、ユーザーインターフェース16を用いて、位置調整完了アイコン134を操作する。
【0102】
位置調整完了アイコン134が操作されると、キャリブレーション画像取得ステップが行われる。キャリブレーション画像取得ステップでは、内視鏡12が、指標図形平面104の基準位置STと計測光の照射位置SPとが合った状態のチャート101を内視鏡12で撮像してキャリブレーション画像を取得する。取得したキャリブレーション画像は、プロセッサ装置14を介して、拡張プロセッサ装置17に送られる。キャリブレーション画像取得部121は、位置調整完了アイコン134が操作された時点で内視鏡12で得られるキャリブレーション画像を、スケール用パラメータを取得するためのキャリブレーション画像として、取得する。これにより、キャリブレーション画像取得ステップが完了し、次に、パラメータ取得ステップが行われる。
【0103】
パラメータ取得ステップでは、キャリブレーション画像124から、仮想スケールを拡張ディスプレイ18で表示するためのスケール用パラメータを取得する。キャリブレーション画像124に含まれる3色の青色キャリブレーション画像124b、緑色キャリブレーション画像124g、赤色キャリブレーション画像124rに対して、それぞれ二値化処理、外接矩形抽出処理、内接楕円パラメータ算出処理を行う。
【0104】
二値化処理では、青色キャリブレーション画像124b、緑色キャリブレーション画像124g、赤色キャリブレーション画像124rに対して、それぞれ青色用の二値化処理、緑色用の二値化処理、赤色用の二値化処理を行う。外接矩形抽出処理では、キャリブレーション画像124における指標図形画像126a、126b、126cに外接する外接矩形128a、128b、128cを抽出する。内接楕円パラメータ算出処理では、外接矩形128a、128b、128cに内接する楕円のフィッティングパラメータを、スケール用パラメータとして算出する。これにより、パラメータ取得ステップが完了し、次に、仮想スケール確認ステップが行われる。
【0105】
仮想スケール確認ステップでは、スケール用パラメータである内接楕円のフィッティングパラメータから楕円を生成する。そして、ユーザーが仮想スケールとして適正かどうかを確認するために、スケール確認画面において、内接楕円のフィッティングパラメータから生成される楕円130a、130b、130cを、仮想スケールとして、それぞれ対応する指標図形画像126a、126b、126cに重畳表示する(
図27参照)。仮想スケール確認ステップでは、ユーザーが、スケール確認画面を見て、楕円130a、130b、130cの位置、サイズ等が、指標図形画像126a、126b、126cにマッチングしていると判断した場合には、ユーザーは、
図34に示すように、ユーザーインターフェース16を用いて、拡張ディスプレイ18に設けられたスケール確認アイコン136を操作する。
【0106】
スケール確認アイコン136が操作された場合には、第3信号処理部120は、計測光の照射位置とスケール用パラメータとを対応付けて、パラメータテーブル57に記憶させる。一方、ユーザーがマッチングしていないと判断した場合には、再度、チャート間距離CDからやり直しを行う。
【0107】
仮想スケール確認ステップが完了したら、距離変更ステップで、チャート間距離CDを次の設定距離に変更して、同様の操作等を行う。そして、全ての設定距離について、スケール用パラメータの取得が完了するまで、同様の操作等を行う。
【0108】
なお、キャリブレーションモードにおいては、補間処理ステップを行ってもよい。補間処理ステップでは、距離変更機構102によってチャート間距離CDを設定して得られる第1距離のスケール用パラメータP2に基づく補間処理を行うことによって、第1距離に無い第2距離のスケール用パラメータP2を算出する。補間処理によって得られる第2距離のスケール用パラメータは、チャート間距離に対応する計測光の照射位置と対応付けられて、パラメータテーブル57に記憶される。
【0109】
なお、移動ステップにおいては、
図36に示すように、キャリブレーション画像124において、内視鏡の先端部とチャートとを正対させるために、指標図形平面画像125に対応する位置合わせ用図形150を表示してもよい。また、同様に、キャリブレーション画像124において、正対させるために、アライメント画像148に対応する位置合わせ用図形151を表示してもよい。指標図形平面画像125と位置合わせ用図形150との位置が合い、及び/又は、アライメント画像148と位置合わせ用画像151との位置が合った場合に、正対したとすることが好ましい。なお、移動ステップ完了後は、位置合わせ用図形150、151は非表示とすることが好ましい。
【0110】
上記実施形態において、信号処理部39、表示制御部40、システム制御部41、第1信号処理部50、第2信号処理部52、照射位置検出部54、スケール用テーブル55、テーブル更新部56、パラメータテーブル57、第3信号処理部120、キャリブレーション画像取得部121、スケール用パラメータ取得部122、補間処理部123といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウエア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA (Field Programmable Gate Array) などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、各種の処理を実行するために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
【0111】
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合せ(例えば、複数のFPGAや、CPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウエアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
【0112】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた形態の電気回路(circuitry)である。また、記憶部のハードウェア的な構造はHDD(hard disc drive)やSSD(solid state drive)等の記憶装置である。
【符号の説明】
【0113】
10 内視鏡システム
12 内視鏡
12a 挿入部
12b 操作部
12c 湾曲部
12d 先端部
12f モード切替スイッチ
12g 静止画取得指示スイッチ
12h ズーム操作部
13 光源装置
14 プロセッサ装置
15 ディスプレイ
16 ユーザーインターフェース
17 拡張プロセッサ装置
18 拡張ディスプレイ
21 撮像光学系
22 照明光学系
22a 照明レンズ
23 計測光出射部
23a 光源
23b DOE
23c プリズム
23d 計測光用レンズ
24 開口
25 送気送水ノズル
30 光源部
32 撮像素子
34 CDS/AGC回路
35 A/D変換器
36 通信I/F
37 通信I/F
38 受信部
39 信号処理部
40 表示制御部
41 システム制御部
42 静止画保存部
43 データ送受信部
44 データ送受信部
45 信号処理部
46 表示制御部
48 実線
49 点線
50 第1信号処理部
52 第2信号処理部
54 照射位置検出部
55 スケール用テーブル
56 テーブル更新部
57 パラメータテーブル
58 交差ライン
59 目盛り
100 キャリブレーション装置
101 チャート
102 距離変更機構
103 位置調整機構
104 指標図形平面
104a、104b、104c 指標図形
105 色相環
106 背景部
107 バックライト
108 アライメントマーク
108a 連結部
109 チャート保持部
110 内視鏡保持部
111 基台
112 距離設定治具
121 キャリブレーション画像取得部
122 スケール用パラメータ取得部
123 補間処理部
124 キャリブレーション画像
124b 青色キャリブレーション画像
124g 緑色キャリブレーション画像
124r 赤色キャリブレーション画像
125 指標図形平面画像
126a、126b、126c 指標図形画像
128a、128b、128c 外接矩形
130a、130b、130c 楕円
132 設定完了操作アイコン
134 位置調整完了アイコン
136 スケール確認アイコン
140 真円度確認用矩形
142 作業内容
148 アライメント画像
151、152 位置合わせ用図形
AL アライメントライン
BF 青色カラーフィルタ
BGF 青緑色カラーフィルタ
CD チャート間距離
D1 第1方向
D2 第2方向
D3 第3方向
EP 測定点
GF 緑色カラーフィルタ
RF 赤色カラーフィルタ
tm1、tm2、tm3、tm4、tm5 腫瘍
SP スポット
SP1、SP2、SP3、SP4、SP5 スポット
ST 基準位置
M1、M2、M3 仮想スケール
M4A、M4B、M4C、M5A、M5B、M5C 同心円状のマーカ
M6A、M6B、M6C 歪曲同心円状のマーカ
Mx 目盛り
P ポリープ
P1 第1距離のスケール用パラメータ
P2 第2距離のスケール用パラメータ