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特開2023-172222表示装置、表示制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172222
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】表示装置、表示制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/34 20060101AFI20231129BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20231129BHJP
   G02F 1/167 20190101ALI20231129BHJP
   G06F 3/04883 20220101ALI20231129BHJP
   G02F 1/1685 20190101ALI20231129BHJP
   G02F 1/16757 20190101ALN20231129BHJP
【FI】
G09G3/34 C
G09G3/20 611A
G09G3/20 K
G09G3/20 680E
G09G3/20 612U
G02F1/167
G06F3/04883
G02F1/1685
G02F1/16757
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083878
(22)【出願日】2022-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】谷岡 弘章
【テーマコード(参考)】
2K101
5C080
5E555
【Fターム(参考)】
2K101AA04
2K101BA02
2K101BB11
2K101BB13
2K101BB22
2K101BD61
2K101EB94
2K101EB95
2K101EC05
2K101EC08
2K101ED74
2K101EE06
2K101EF11
5C080AA13
5C080BB05
5C080BB06
5C080CC03
5C080CC07
5C080DD26
5C080EE01
5C080EE21
5C080EE22
5C080EE23
5C080EE24
5C080EE25
5C080EE26
5C080FF11
5C080FF12
5C080GG12
5C080JJ01
5C080JJ02
5C080JJ07
5E555AA77
5E555BA01
5E555BB01
5E555BC01
5E555CA12
5E555CB10
5E555DA01
5E555DB41
5E555DB56
5E555DC05
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】表示装置の消費電力を削減する。
【解決手段】電気泳動方式の複数の表示パネルで構成した画面を有する表示部と、前記画面の書換え位置及び書換え領域の少なくとも一方に応じて前記表示パネルごとにリフレッシュ操作を行う表示制御部と、を含む、表示装置である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気泳動方式の複数の表示パネルで構成した画面を有する表示部と、
前記画面の書換え位置及び書換え領域の少なくとも一方に応じて前記表示パネルごとにリフレッシュ操作を行う表示制御部と、
を含む、表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、特定の前記表示パネルに前記書換え位置がある場合は、特定の前記表示パネルに前記リフレッシュ操作を行い、複数の前記表示パネルのそれぞれに前記書換え位置がある場合は、複数の前記表示パネルに前記リフレッシュ操作を行う、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、手書き入力の各位置に応じて前記表示パネルごとに前記リフレッシュ操作を行う、請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、特定の前記表示パネルに前記書換え領域がある場合は、特定の前記表示パネルに前記リフレッシュ操作を行い、複数の前記表示パネルに前記書換え領域が跨っている場合は、複数の前記表示パネルに前記リフレッシュ操作を行う、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、表示画像の画像領域に応じて前記表示パネルごとに前記リフレッシュ操作を行う、請求項1又は4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、環境温度が閾値温度未満の場合に、前記表示パネルごとに前記リフレッシュ操作を行う、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、バッテリ残量が閾値残量未満の場合に、前記表示パネルごとに前記リフレッシュ操作を行う、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
表示装置の表示制御方法であって、前記表示装置が、
電気泳動方式の複数の表示パネルで構成した画面の書換え位置及び書換え領域の少なくとも一方に応じて前記表示パネルごとにリフレッシュ操作を行う、表示制御方法。
【請求項9】
表示装置の表示制御プログラムであって、
電気泳動方式の複数の表示パネルで構成した画面の書換え位置及び書換え領域の少なくとも一方に応じて前記表示パネルごとにリフレッシュ操作を行うステップをコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気泳動方式を用いた電子ペーパは、着色粒子が電界によって電極間を移動する電気泳動という現象を利用して画像を表示する。着色粒子は半永久的に帯電しており、電極側へ移動した帯電粒子の位置は壁面との相互作用で保持される。従って、電子ペーパは、通電しなくても画面の表示内容を維持するメモリ性を有し、画面を書換える時にのみ電力を消費する。電子ペーパは、バックライト構造も必要とせず、低消費電力である。
【0003】
斯かる電子ペーパは、帯電した粒子同士の縺れ又は低温環境における流体粘度の上昇等に起因して帯電粒子の動作が鈍くなることで、書換え前の表示内容が薄く残る残像を発生することがある。一般に黒画像と白画像を画面全体に交互に反転表示するリフレッシュ操作を行うことで、粒子を攪拌して残像を消去する。リフレッシュ操作に必要な電力は、装置全体の電力に対して大きな割合を占めることから、例えば画面コンテンツの視認性に応じてリフレッシュ頻度を低減する技術が存在する(例えば特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、リフレッシュ操作を画面全体に行うと、依然として消費電力の削減効果が小さい傾向がある。
【0005】
そこで、開示の技術は、表示装置の消費電力を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術は、電気泳動方式の複数の表示パネルで構成した画面を有する表示部と、前記画面の書換え位置及び書換え領域の少なくとも一方に応じて前記表示パネルごとにリフレッシュ操作を行う表示制御部と、を含む、表示装置である。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、表示装置の消費電力を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る表示装置のハードウェア構成例を示す図である。
図2】第1実施形態に係る電気泳動方式の表示装置の基本原理を説明する図である。
図3】第1実施形態に係る画面の書換えと残像の消去の一例を示す図である。
図4】第1実施形態に係る表示装置の機能構成例を示す図である。
図5】第1実施形態に係るリフレッシュ制御フローチャート例を示す図である。
図6】第2実施形態に係る画面の書換えと残像の消去の一例を示す図である。
図7】第2実施形態に係るリフレッシュ制御フローチャート例を示す図である。
図8】第3実施形態に係るリフレッシュ制御フローチャート例を示す図である。
図9】第4実施形態に係るリフレッシュ制御フローチャート例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本開示の実施形態について詳細に説明する。
【0010】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る表示装置について説明する。
【0011】
<ハードウェア構成>
図1は、本実施形態に係る表示装置100のハードウェア構成例を示す図である。表示装置100は、例えば2枚の表示パネル121を横方向に並べて1つの画面を構成した大型の電子ペーパを備えている。表示装置100は、平置き、壁掛け、又は立て掛け等で使用可能であるが、持ち運び可能な可搬型である。
【0012】
表示装置100は、メインコントローラ111、2枚の表示パネル121、EPDコントローラ122、及びタッチパネル131を備えている。また、表示装置100は、バッテリ141、温度センサ142、バッテリコントローラ143、AC(Alternating Current)アダプタ161、及びペン171を備えている。
【0013】
メインコントローラ111は、一般的なコンピュータと同じ構成を有している。メインコントローラ111は、CPU(Central Processing Unit)112、ROM(Read Only Memory)113、及びRAM(Random Access Memory)114を備えている。また、メインコントローラ111は、NVRAM(Non Volatile Random Access Memory)115、無線モジュール116、温度センサ117、及びバス118を備えている。
【0014】
CPU112は、表示装置100全体の動作を制御する。ROM113は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU112の駆動に用いるプログラムを記憶する。RAM114は、プログラムをロードする記憶領域として、又はロードしたプログラムのワークエリアとして使用する。NVRAM115は、各種プログラム及びプログラムが利用する各種データを保存する不揮発性メモリの一例である。CPU112は、RAM114にロードした各種プログラムを実行することで各種機能を実現する。
【0015】
無線モジュール116は、例えばアンテナ、送受信回路、D/A(Digital-to-Analog)変換器、A/D(Analog-to-Digital)変換器、及び不揮発性メモリ等を備えている。無線モジュール116は、無線及び有線を介して、例えばPC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、又はクラウドサーバ等の外部装置に接続する。無線モジュール116は、各種データを外部装置と送受信する。CPU112は、無線モジュール116を用いて各種プログラムを外部装置からダウンロードしてインストール可能である。
【0016】
温度センサ117は、例えばサーミスタ、A/D変換器、及び不揮発性メモリ等を備えている。温度センサ117は、環境温度(表示装置100の周囲気温)を検知し、検知した環境温度をA/D(Analog/Digital)変換し、不揮発性メモリに保存する。
【0017】
バス118は、各種ハードウェア間を接続する。バス118は、データ線、アドレス線、制御線等の各種信号線を備えている。バス118は、各種ハードウェア間のデータの送受信及び制御等に使用する。
【0018】
表示パネル121は、例えば電気泳動方式を用いた電子ペーパモジュールである。表示パネル121は、例えば保護フィルム層、電子インクフィルム層、TFT(Thin Film Transistor)層、及び駆動回路を備え、例えばアクティブマトリクス方式で駆動する。TFT層は、格子状に張り巡らした導線と、導線の各交点に設けた複数のアクティブ素子と、を備えている。アクティブ素子は、スイッチ素子のTFT及び電荷を溜めるコンデンサ等を備え、1つの画素を規定する。
【0019】
或いは、他の実施形態において、表示パネル121は、アクティブマトリクス方式ではなく、単純マトリクス方式(パッシブマトリクス方式)で駆動してもよい。パッシブマトリクス方式では、TFT及びコンデンサ等のアクティブ素子が無い点で、アクティブマトリクス方式と相違する。
【0020】
アクティブマトリクス方式とパッシブマトリクス方式のいずれの場合も、表示パネル121は、通電しなくても画面の表示内容を維持し、画面を書換える時にのみ通電する。表示パネル121は、バックライト構造も持たないため、消費電力が低い。表示パネル121は、EPDコントローラ122の書換え指令に応じて画面を書換える。
【0021】
EPDコントローラ122は、CPU、ROM、RAM、及びNVRAM等を備えている。EPDコントローラ122は、2枚の表示パネル121で構成した画面の表示内容を制御する。例えば、EPDコントローラ122は、メインコントローラ111の書換え指令に応じて表示パネル121ごとに画像データを分割し、分割した画像データを2枚の表示パネル121にそれぞれ転送する。
【0022】
タッチパネル131は、例えば電磁誘導方式を用いたタッチパネルであり、専用のペン171の位置を検出する。タッチパネル131は、タッチセンサ132及びタッチパネルコントローラ133を備えている。
【0023】
或いは、他の実施形態において、タッチパネル131は、例えば静電容量方式のタッチパネル、電磁誘導方式と静電容量方式を併用したタッチパネル、又は抵抗膜方式のタッチパネル等でもよい。斯かるタッチパネルの場合は、ペン171の位置だけでなく、指先の位置も検出する。
【0024】
タッチセンサ132は、電磁誘導方式のタッチセンサであり、互いに直交するX軸とY軸の方向に平行に並べた複数の矩形アンテナコイルと、アンテナコイル切替スイッチとを備えている。矩形アンテナコイルは、2枚の表示パネル121で構成した1つの画面全体に亘って設けられる。タッチセンサ132は、ペン171の先端から発生する磁束の変化に応じて矩形アンテナコイルに発生した誘導電流を検知する。
【0025】
タッチパネルコントローラ133は、CPU、ROM、RAM、及びNVRAM等を備えている。タッチセンサ132のアンテナコイル切替スイッチを順番に切替えてタッチセンサ132全体を走査する。タッチパネルコントローラ133は、誘導電流を検知した時に画面上のペン171の位置を検出する。ペン171の位置は、例えば画面左上の所定位置を原点としたX座標とY座標で表現する。
【0026】
タッチパネルコントローラ133は、画面上のペン171の位置をNVRAM等の不揮発性メモリに保存する。また、タッチパネルコントローラ133は、ペン171の位置をメインコントローラ111に時々刻々と送出する。画面上のペン171の位置は、画面の書換え位置の一例である。また、画面の書換え位置は、ペン171又は指先が画面に実際に接触した位置だけではなく、ペン171又は指先が画面に接近した位置も含む。
【0027】
バッテリ141は、表示装置100に内蔵される。バッテリ141は、例えばリチウムイオンバッテリ等の二次電池である。バッテリ141は、バッテリコントローラ143の指令に応じて表示装置100の各種ハードウェアに電力を供給する。表示装置100は、バッテリ141の電力で動作可能である。
【0028】
温度センサ142は、例えばサーミスタ、A/D変換器、及び不揮発性メモリ等を備えている。温度センサ142は、バッテリ141の温度を検知し、検知したバッテリ温度をA/D変換し、不揮発性メモリに保存する。
【0029】
バッテリコントローラ143は、CPU、ROM、RAM、及びNVRAM等を備えている。メインコントローラ111の指令に応じてバッテリ141の充放電を制御する。また、バッテリコントローラ143は、バッテリ141のバッテリ残量とバッテリ温度を監視し、NVRAM等の不揮発性メモリに保存する。メインコントローラ111は、バッテリ残量とバッテリ温度に応じて各種制御を行う。
【0030】
ACアダプタ161は、外部の商用電源の交流電圧を直流電圧に変換する。ACアダプタ161は、表示装置100の各種ハードウェアに電力を供給する。例えば、メインコントローラ111は、ACアダプタ161が通電状態の場合は、バッテリコントローラ143に充電指令を送出し、ACアダプタ161が非通電状態の場合は、バッテリコントローラ143に放電指令を送出する。
【0031】
ペン171は、電磁誘導式のタッチパネル131に用いる専用ペンである。例えばペン171は、永久磁石を備え、電源を内蔵しないパッシブペンである。或いは、他の実施形態において、ペン171は、交番磁界を発生するアンテナコイル、送信回路、発振回路、電源等を内蔵したアクティブペンでもよい。また、アクティブペンは、無線モジュール116と無線通信する通信機能を備え、筆圧を検知して筆圧情報を送信する筆圧機能、手書き入力の消去情報を送信する消しゴム機能等を備えていてもよい。
【0032】
<基本原理>
以下、電気泳動方式を用いた表示装置100の基本原理について説明する。図2は、第1実施形態に係る電気泳動方式の表示装置100の基本原理を説明する図である。
【0033】
図2に示す表示パネル121は、マイクロカプセル型電気泳動方式の電子ペーパモジュールである。表示パネル121は、一対のフィルム201と、一対のフィルム201の間に充填した複数のマイクロカプセル202と、前面側のフィルム201に設けた透明電極203と、背面側のフィルム201に設けた対向電極204とを備えている。
【0034】
マイクロカプセル202は、黒色粒子205と、白色粒子206と、流体207とを含む。黒色粒子205は負に帯電し、白色粒子206は正に帯電している。黒色粒子205は、黒色トナー等の黒色顔料であり、白色粒子206は、白色トナー等の白色顔料であり、流体207は、オイル等の液体である。
【0035】
透明電極203は、例えばITO(Indium-Tin-Oxide)電極である。対向電極204は、例えばTFT及びコンデンサ等を備えるアクティブ素子である。対向電極204に負電圧を印加すると、黒色粒子205が流体207の中を泳動して前面側に移動し、白色粒子206が流体207の中を泳動して背面側に移動する。また、対向電極204に正電圧を印加すると、黒色粒子205が流体207の中を泳動して背面側に移動し、白色粒子206が流体207の中を泳動して前面側に移動する。
【0036】
表示パネル121は、電圧を調整することで黒色粒子205と白色粒子206の移動量を変化させ、例えば16階調のグレースケールで表示可能である。なお、他の実施形態において、シアン粒子、マゼンタ粒子、黄色粒子、及び白色粒子をマイクロカプセル202に封入することで、表示パネル121はカラースケールで表示可能に構成してもよい。
【0037】
黒色粒子205と白色粒子206は、半永久的に帯電しており、各電極側へ移動した黒色粒子205と白色粒子206の位置は壁面との相互作用で保持される。従って、表示パネル121は、電源を切っても表示内容を維持するメモリ性を有し、バックライト構造も不要な反射型表示媒体であり、視認性が良好である。表示パネル121は、画面の書換え時にのみ画素ごとに所定の電圧を印加すればよい。
【0038】
しかし、黒色粒子205と白色粒子206が互いに縺れて動作を阻害することで、又は低温環境下で流体207の粘度が上昇して黒色粒子205と白色粒子206の動作が鈍くなることで、書換え前の表示内容が残像として残ることがある。
【0039】
<画面の書換えと残像の消去方法>
以下、画面の書換えと残像の消去方法について説明する。
【0040】
表示装置100は、例えば手書き入力機能及び手書き入力消去機能を有している。表示装置100は、例えばユーザがペン171を用いて手書き入力を行う場合に、又はユーザがペン171を用いて手書き入力を消去する手書き入力を行う場合等に、画面を書換える。
【0041】
画面の書換えの一例として、手書き入力を消去した時の残像を図3に示す。図3は、第1実施形態に係る画面300の書換えと残像302の消去の一例を示す図である。
【0042】
書換え前の画面300には、「ABCD」という手書き入力301と、手書き入力301の消去用の手書き入力308とがある。「ABCD」という手書き入力301を消去する時、書換え後の画面300には、「ABCD」という手書き入力301の残像302が残る場合がある。
【0043】
残像302を消去するため、表示装置100は、表示パネル121にリフレッシュ操作を行う。リフレッシュ操作は、例えば、画面300全体に黒画像303を表示し、次いで画面300全体に白画像304を反転表示する操作である。リフレッシュ操作後、表示装置100は、手書き入力301を消去した書換え後の画像305に書換える。
【0044】
リフレッシュ操作により、黒色粒子205と白色粒子206が撹拌されるため、リフレッシュ操作後の画面300には手書き入力301の残像302が発生しない。
【0045】
しかし、例えば各画素の階調を16階調(すなわち4ビット)で表現する場合、全画素の階調レベルを15(白画像)から1(黒画像)まで変化させるリフレッシュ操作は、書換え操作の中で最も電力を消費する操作になる。
【0046】
そこで、本実施形態に係る表示装置100は、2枚の表示パネル121で構成した画面全体に対して常にリフレッシュ操作を行うのではなく、例えば手書き入力308のストローク中の各位置P1~P3に応じて表示パネル121ごとにリフレッシュ操作を行う。
【0047】
なお、ストロークとは、ペン171の位置をタッチセンサ132で検知してからペン171の位置をタッチセンサ132で検知しなくなるまでの一筆書きの手書き入力を意味する。例えば文字「A」の場合は、二筆書きであるため、2ストロークになる。また、手書き入力308のストローク中の各位置P1~P3は、画面300の書換え位置の一例である。
【0048】
手書き入力308のストローク中の各位置P1~P3が左側の表示パネル121にある場合、表示装置100は、左側の表示パネル121にのみリフレッシュ操作を行う。一方、手書き入力308のストローク中の各位置P1~P3が右側の表示パネル121にある場合、表示装置100は、右側の表示パネル121にのみリフレッシュ操作を行う。
【0049】
また、手書き入力308のストローク中の各位置P1~P3が左側の表示パネル121と右側の表示パネル121のそれぞれにある場合は、表示装置100は、2枚の表示パネル121に対してリフレッシュ操作を行う。
【0050】
手書き入力308のストローク中の各位置P1~P3に応じて表示パネル121ごとにリフレッシュ操作を行うことで、リフレッシュ操作に伴う消費電力を削減することができる。
【0051】
<機能構成>
以下、表示装置100の機能構成例について説明する。図4は、第1実施形態に係る表示装置100の機能構成例を示す図である。
【0052】
本実施形態に係る表示装置100は、書換位置検出部401と表示制御部402を備えている。書換位置検出部401と表示制御部402の機能は、表示装置100(コンピュータ)にインストールした1以上のプログラムがCPU112等のプロセッサに実行させる処理によって実現する。
【0053】
書換位置検出部401は、画面300の書換え位置がどの表示パネル121にあるかを検出する。例えば、書換位置検出部401は、手書き入力のストローク中の各位置P1~P3をタッチパネルコントローラ133から取得し、ストローク中の各位置P1~P3がどの表示パネル121にあるかを検出する。
【0054】
例えば、画面300の高さが2160ピクセル、幅が2880ピクセルの場合、左側の表示パネル121の座標範囲は、(0,0)から(1439, 2159)になる。また、右側の表示パネル121の座標範囲は、(1440,0)から(2879, 2159)になる。2枚の表示パネル121の各座標範囲は、NVRAM115等の不揮発性メモリに事前に記憶しておく。
【0055】
書換位置検出部401は、例えばXY座標が(759, 1254)のペン171の位置を取得した場合、左側の表示パネル121に書換え位置があることを検出する。一方、書換位置検出部401は、例えばXY座標が(1746, 486)のペン171の位置を取得した場合、右側の表示パネル121に書換え位置があることを検出する。
【0056】
表示制御部402は、画面300の書換え位置に応じて表示パネル121ごとにリフレッシュ操作を行う。
【0057】
書換位置検出部401が左側の表示パネル121に書換え位置があることを検出した場合は、表示制御部402が左側の表示パネル121のリフレッシュ指令をEPDコントローラ122に送出する。一方、書換位置検出部401が右側の表示パネル121に書換え位置があることを検出した場合は、表示制御部402が右側の表示パネル121のリフレッシュ指令をEPDコントローラ122に送出する。
【0058】
また、書換位置検出部401が2枚の表示パネル121にそれぞれ書換え位置があることを検出した場合は、表示制御部402が2枚の表示パネル121のリフレッシュ指令をEPDコントローラ122に送出する。
【0059】
<フローチャート>
以下、第1実施形態に係る表示装置100が実行するリフレッシュ制御フローチャートについて説明する。図5は、第1実施形態に係るリフレッシュ制御フローチャート例を示す図である。
【0060】
以下では、ユーザがペン171を用いて手書き入力308を行う場合に、表示制御部402がストローク中の各位置P1~P3に応じて表示パネル121ごとにリフレッシュ制御する例を例示して説明する。
【0061】
まず、メインコントローラ111がシステムを起動する(ステップS101)。次いで、書換位置検出部401が手書き入力308を検出する(ステップS102)。書換位置検出部401が手書き入力308を検出しない場合は(ステップS102のNO)、手書き入力308を検出するまで検出を繰返す(ステップS102)。
【0062】
書換位置検出部401が手書き入力308を検出した場合は(ステップS102のYES)、書換位置検出部401がストローク中の各位置P1~P3が左側の表示パネル121にあることを検出する(ステップS103)。
【0063】
ストローク中の各位置P1~P3が左側の表示パネル121にない場合は(ステップS103のNO)、書換位置検出部401が右側の表示パネル121に書換え位置があることを検出する。そこで、表示制御部402は、画面の書換え後、右側の表示パネル121にリフレッシュ操作を行う(ステップS104)。
【0064】
一方、ストローク中の各位置P1~P3が左側の表示パネル121にある場合は(ステップS103のYES)、書換位置検出部401は、ストローク中の各位置P1~P3が右側の表示パネル121にもあることを検出する(ステップS105)。ストローク中の各位置P1~P3が右側の表示パネル121にない場合は(ステップS105のNO)、書換位置検出部401が左側の表示パネル121に書換え位置があることを検出する。そこで、表示制御部402は、画面の書換え後、左側の表示パネル121にリフレッシュ操作を行う(ステップS106)。
【0065】
他方、ストローク中の各位置P1~P3が右側の表示パネル121にもある場合は(ステップS105のYES)、書換位置検出部401は左側の表示パネル121と右側の表示パネル121のそれぞれに書換え位置があることを検出する。そこで、表示制御部402は、画面の書換え後、2枚の表示パネル121にリフレッシュ操作を行う(ステップS107)。
【0066】
リフレッシュ操作後、書換位置検出部401が手書き入力308を再び検出する(ステップS108)。書換位置検出部401が手書き入力308を検出した場合は(ステップS108のYES)、リフレッシュ制御を繰返す(ステップS103~ステップS107)。
【0067】
書換位置検出部401が手書き入力308を検出しない場合は(ステップS108のNO)、メインコントローラ111がシステムを終了したかを判定する(ステップS109)。
【0068】
システムが終了していない場合は(ステップS109のNO)、書換位置検出部401が手書き入力308の検出を繰返す(ステップS108)。一方、システムが終了した場合は(ステップS109のYES)、処理を終了する。
【0069】
<第1実施形態の変形例1>
表示装置100が静電容量方式のタッチパネル、電磁誘導方式と静電容量方式を併用したタッチパネル、又は抵抗膜方式のタッチパネル等を備えている場合は、タッチパネルコントローラ133が画面300上の指先の位置を検出できる。画面上の指先の位置は、画面の書換え位置の一例である。ユーザが指先を用いて手書き入力を行った場合等も、表示制御部402は、手書き入力のストローク中の各位置に応じて表示パネル121ごとにリフレッシュ制御を行うことができる。
【0070】
(第1実施形態の作用効果)
第1実施形態に係る表示装置100によれば、表示制御部402が手書き入力のストローク中の各位置に応じて表示パネル121ごとにリフレッシュ制御を行うため、従来と比べ、リフレッシュ操作に伴う消費電力を削減することができる。
【0071】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態に係る表示装置100について説明する。
【0072】
表示装置100は、テキスト変換機能、予測変換機能、テキストの拡大、縮小、回転、及び移動等のテキスト表示編集機能、テキスト色選択機能、及び図面及び資料等の画像表示機能をさらに有している。また、表示装置100は、スタンプ及びアイコン等の表示機能、画面分割表示機能、及びページの拡大、縮小、及び移動等のページ表示編集機能を有している。
【0073】
従って、表示装置100は、例えば以下の表示画像を表示する場合等も画面を書換える。
(1)手書き入力のテキスト変換又は予測変換のリスト画像。
(2)手書き入力をテキスト変換したテキスト画像。
(3)拡大、縮小、回転、又は移動したテキスト画像。
(4)テキスト色を選択したテキスト画像。
(5)図面又は資料等のユーザ画像。
(6)スタンプ及びアイコン等の予め用意したコンテンツ画像。
(7)画面を分割して表示するページ画像。
(8)拡大、縮小、又は移動したページ画像。
【0074】
画面の書換えの一例として、テキスト変換のリスト画像306を消去した時の残像302を図6に示す。図6は、第2実施形態に係る画面300の書換えと残像302の消去の一例を示す図である。
【0075】
書換え前の画面300には、「本日」という手書き入力309と、手書き入力後に表示したテキスト変換用のリスト画像306とがある。例えばテキスト変換せずにリスト画像306を消去する時、書換え後の画面300には、リスト画像306の残像302が残ることがある。なお、リスト画像306は、表示画像の一例である。
【0076】
残像302を消去するため、本実施形態に係る表示装置100は、例えばリスト画像306の位置Pとサイズ(高さHと幅W)で定まる画像領域307に応じて表示パネル121ごとにリフレッシュ操作を行う。
【0077】
なお、リスト画像306の位置Pは、例えばリスト画像306の左上角のXY座標であり、リスト画像306の高さHと幅Wは、例えばリスト画像306の高さHの方向の画素数と、幅Wの方向の画素数である。また、画像領域307は、画面300の書換え領域の一例である。
【0078】
リスト画像306の画像領域307が左側の表示パネル121にある場合、表示装置100は、左側の表示パネル121にリフレッシュ操作を行う。一方、リスト画像306の画像領域307が右側の表示パネル121にある場合、表示装置100は、右側の表示パネル121にリフレッシュ操作を行う。
【0079】
また、リスト画像306の画像領域307が左側の表示パネル121と右側の表示パネル121に跨っている場合は、表示装置100は、2枚の表示パネル121に対してリフレッシュ操作を行う。
【0080】
リスト画像306の画像領域307に応じて表示パネル121ごとにリフレッシュ操作を行うことで、リフレッシュ操作に伴う消費電力を削減することができる。
【0081】
<機能構成>
以下、表示装置100の機能構成例について説明する。図4を再び参照すると、表示装置100は、書換領域検出部403をさらに備えている。書換領域検出部403の機能は、表示装置100(コンピュータ)にインストールした1以上のプログラムがCPU112等のプロセッサに実行させる処理によって実現する。
【0082】
書換領域検出部403は、画面300の書換え領域がどの表示パネル121にあるかを検出する。例えば、書換領域検出部403は、リスト画像306をテキスト変換機能から取得し、リスト画像306の位置Pとサイズ(高さHと幅W)で定まる画像領域307がどの表示パネル121にあるかを検出する。
【0083】
例えば、画面300の高さが2160ピクセル、幅が2880ピクセルの場合、左側の表示パネル121の座標範囲は、(0,0)から(1439, 2159)になる。また、左側の表示パネル121の座標範囲は、(1440,0)から(2879, 2159)になる。2枚の表示パネル121の各座標範囲は、NVRAM115等の不揮発性メモリに事前に記憶しておく。
【0084】
書換領域検出部403は、例えば位置Pが(759, 1254)で、サイズ(高さHと幅W)が(457, 443)のリスト画像306を取得した場合、左側の表示パネル121に書換え領域があることを検出する。一方、書換領域検出部403は、例えば位置Pが(1746, 486)で、サイズ(高さHと幅W)が(256, 303)のリスト画像306を取得した場合、右側の表示パネル121に書換え領域があることを検出する。
【0085】
表示制御部402は、画面300の書換え領域に応じて表示パネル121ごとにリフレッシュ操作を行う。
【0086】
書換領域検出部403が例えば左側の表示パネル121に書換え領域があることを検出した場合は、表示制御部402が左側の表示パネル121のリフレッシュ指令をEPDコントローラ122に送出する。一方、書換領域検出部403が右側の表示パネル121に書換え領域があることを検出した場合は、表示制御部402が右側の表示パネル121のリフレッシュ指令をEPDコントローラ122に送出する。
【0087】
また、書換領域検出部403が2枚の表示パネル121に書換え領域が跨ることを検出した場合は、表示制御部402は、2枚の表示パネル121のリフレッシュ指令をEPDコントローラ122に送出する。
【0088】
<フローチャート>
以下、第2実施形態に係る表示装置100が実行するリフレッシュ制御フローチャートについて説明する。図7は、第2実施形態に係るリフレッシュ制御フローチャート例を示す図である。
【0089】
以下では、テキスト変換機能が手書き入力309のテキスト変換用のリスト画像306を表示する場合に、表示制御部402がリスト画像306の画像領域307に応じて表示パネル121ごとにリフレッシュ操作を行う例を例示して説明する。
【0090】
まず、メインコントローラ111がシステムを起動する(ステップS201)。次いで、書換領域検出部403がリスト画像306を検出する(ステップS202)。書換領域検出部403がリスト画像306を検出しない場合は(ステップS202のNO)、リスト画像306を検出するまで検出を繰返す(ステップS202)。
【0091】
書換領域検出部403がリスト画像306を検出した場合は(ステップS202のYES)、書換領域検出部403がリスト画像306の画像領域307が左側の表示パネル121にあることを検出する(ステップS203)。
【0092】
画像領域307が左側の表示パネル121にない場合は(ステップS203のNO)、書換領域検出部403が右側の表示パネル121に書換え領域があることを検出する。そこで、表示制御部402は、画面の書換え後、右側の表示パネル121にリフレッシュ操作を行う(ステップS204)。
【0093】
一方、画像領域307が左側の表示パネル121にある場合は(ステップS203のYES)、書換領域検出部403は、画像領域307が右側の表示パネル121にもあることを検出する(ステップS205)。画像領域307が右側の表示パネル121にない場合は(ステップS205のNO)、書換領域検出部403が左側の表示パネル121に書換え領域があることを検出する。そこで、表示制御部402は、画面の書換え後、左側の表示パネル121にリフレッシュ操作を行う(ステップS206)。
【0094】
他方、画像領域307が右側の表示パネル121にもある場合は(ステップS205のYES)、書換領域検出部403は左側の表示パネル121と右側の表示パネル121に書換え領域が跨っていることを検出する。そこで、表示制御部402は、画面の書換え後、2枚の表示パネル121にリフレッシュ操作を行う(ステップS207)。
【0095】
リフレッシュ操作後、書換領域検出部403がリスト画像306を再び検出する(ステップS208)。書換領域検出部403がリスト画像306を検出した場合は(ステップS208のYES)、リフレッシュ制御を繰返す(ステップS203~ステップS207)。
【0096】
書換領域検出部403がリスト画像306を検出しない場合は(ステップS208のNO)、メインコントローラ111がシステムを終了したかを判定する(ステップS209)。
【0097】
システムが終了していない場合は(ステップS209のNO)、書換領域検出部403がリスト画像306の検出を繰返す(ステップS208)。一方、システムが終了した場合は(ステップS209のYES)、処理を終了する。
【0098】
<第2実施形態の変形例>
以上のリフレッシュ制御フローチャートは、テキスト変換用のリスト画像306を表示する場合を例示して説明したが、手書き入力の予測変換用のリスト画像を表示する場合も、表示制御部402は同様のリフレッシュ制御を行うことができる。
【0099】
また、手書き入力をテキスト変換したテキスト画像を表示する場合、又は拡大、縮小、回転、又は移動したテキスト画像を表示する場合も、表示制御部402は同様のリフレッシュ制御を行うことができる。
【0100】
また、図面又は資料等のユーザ画像を表示する場合、又はスタンプ、アイコン等の事前に用意したコンテンツ画像を表示する場合も、表示制御部402は同様のリフレッシュ制御を行うことができる。
【0101】
また、画面を分割してページ画像を表示する場合、又は拡大、縮小、又は移動したページ画像を表示する場合等も、表示制御部402は同様のリフレッシュ制御を行うことができる。
【0102】
以上のリスト画像、テキスト画像、ユーザ画像、コンテンツ画像、及びページ画像等は、表示画像の一例である。
【0103】
(第2実施形態の作用効果)
本実施形態に係る表示装置100によれば、表示制御部402が表示画像に応じて表示パネル121ごとにリフレッシュ制御を行うため、従来と比べ、リフレッシュ操作に伴う消費電力を削減することができる。
【0104】
(第3実施形態)
以下、第3実施形態に係る表示装置100について説明する。
【0105】
マイクロカプセル型電気泳動方式を用いた電子ペーパは、低温環境下でマイクロカプセル202の中の流体207の粘度が上昇し、帯電粒子の動作が鈍くなり、ひいては書換え前の残像が残り易くなる。
【0106】
また、低温環境では、リフレッシュ操作に10秒程度かかることがある。10秒間のリフレッシュ操作中は、表示内容が一時的に消えてしまうため、手書き入力を行っていたユーザは作業を止めざるを得ない。
【0107】
そこで、第3実施形態に係る表示装置100は、低温環境でのみ図5及び図7の少なくとも一方に示したリフレッシュ制御を行う。
【0108】
<機能構成>
以下、第3実施形態に係る表示装置100の機能構成例について説明する。図4を再び参照すると、表示装置100は、温度検出部404をさらに備えている。温度検出部404の機能は、表示装置100(コンピュータ)にインストールした1以上のプログラムがCPU112等のプロセッサに実行させる処理によって実現する。
【0109】
温度検出部404は、環境温度(表示装置100の周囲気温)が閾値温度未満であることを検出する。温度検出部404は、例えばメインコントローラ111の温度センサ117から環境温度を取得する。また、システムの起動時はバッテリ温度が概ね環境温度に等しい。そこで、温度検出部404は、例えばバッテリ141の温度センサ142から取得したバッテリ温度を環境温度とみなしてもよい。
【0110】
温度検出部404は、温度センサ117又は温度センサ142から取得した環境温度が閾値温度未満であることを検出する。閾値温度は、例えば2度、1度、又は0度等でよい。温度検出部404は、NVRAM115等の不揮発性メモリに事前に保存しておいた閾値温度を取得する。温度検出部404は、環境温度が閾値温度未満であることを検出した場合は、リフレッシュ制御移行指令を書換位置検出部401又は書換領域検出部403に送出する。
【0111】
<フローチャート>
以下、第3実施形態に係るリフレッシュ制御移行フローチャート例について説明する。図8は、環境温度をトリガーとしたリフレッシュ制御移行フローチャート例である。
【0112】
まず、メインコントローラ111がシステムを起動する(ステップS101)。次いで、温度検出部404は環境温度Taが閾値温度Tb未満であることを検出する(ステップS301)。
【0113】
環境温度Taが閾値温度Tb未満でない場合は(ステップS301のNO)、温度検出部404は環境温度Taが閾値温度Tb未満になるまで検出を繰返す。一方、環境温度Taが閾値温度Tb未満である場合は(ステップS301のYES)、図5及び図7の少なくとも一方に示すリフレッシュ制御(ステップS102及びステップS202の少なくとも一方)へ移行する。すなわち、温度検出部404は、リフレッシュ制御移行指令を書換位置検出部401及び書換領域検出部403の少なくとも一方に送出する。
【0114】
(第3実施形態の作用効果)
第3実施形態に係る表示装置100によれば、低温環境下でリフレッシュ操作に10秒程度の時間が掛かったとしても、片方の表示パネル121の表示内容を残した状態にできる。ユーザは片方の表示パネル121を見ながら作業を続行でき、表示装置100の利便性が向上する。
【0115】
(第4実施形態)
以下、第4実施形態に係る表示装置100について説明する。
【0116】
図5及び図7に示すリフレッシュ制御では、リフレッシュする表示パネル121が画面の書換え位置に応じて変化するため、一定に定まらない。リフレッシュする表示パネル121が一定に定まらないことに不快感を持つユーザもいる。或いは、できる限り画面全体でリフレッシュ操作を行うことを望むユーザもいる。
【0117】
そこで、第4実施形態に係る表示装置100は、バッテリ残量に応じて図5及び図7の少なくとも一方に示すリフレッシュ制御を行う。
【0118】
<機能構成>
以下、第4実施形態に係る表示装置100の機能構成例について説明する。図4を再び参照すると、表示装置100は、バッテリ残量検出部405をさらに備えている。バッテリ残量検出部405の機能は、表示装置100(コンピュータ)にインストールした1以上のプログラムがCPU112等のプロセッサに実行させる処理によって実現する。
【0119】
バッテリ残量検出部405は、バッテリ残量が閾値残量未満であることを検出する。バッテリ残量検出部405は、例えばバッテリ残量を検知するバッテリコントローラ143からバッテリ残量を取得する。
【0120】
バッテリ残量検出部405は、バッテリコントローラ143から取得したバッテリ残量が閾値残量未満であることを検出する。閾値残量は、例えば50%、40%、又は30%等でよい。バッテリ残量検出部405は、NVRAM115等の不揮発性メモリに事前に記憶しておいた閾値残量を取得する。バッテリ残量検出部405は、バッテリ残量が閾値残量未満であることを検出した場合は、リフレッシュ制御移行指令を書換位置検出部401及び書換領域検出部403の少なくとも一方に送出する。
【0121】
<フローチャート>
以下、第4実施形態に係るリフレッシュ制御移行フローチャート例について説明する。図9は、バッテリ残量をトリガーとしたリフレッシュ制御移行フローチャート例である。
【0122】
まず、メインコントローラ111がシステムを起動する(ステップS101)。次いで、バッテリ残量検出部405はバッテリ残量Caが閾値残量Cb未満であることを検出する(ステップS401)。
【0123】
バッテリ残量Caが閾値残量Cb未満でない場合は(ステップS401のNO)、バッテリ残量検出部405はバッテリ残量Caが閾値残量Cb未満になるまで検出を繰返す。一方、バッテリ残量Caが閾値残量Cb未満である場合は(ステップS401のYES)、図5及び図7の少なくとも一方に示すリフレッシュ制御(ステップS102及びステップS202の少なくとも一方)へ移行する。すなわち、バッテリ残量検出部405は、リフレッシュ制御移行指令を書換位置検出部401及び書換領域検出部403の少なくとも一方に送出する。
【0124】
(第4実施形態の作用効果)
第4実施形態に係る表示装置100によれば、バッテリ残量が閾値残量以上の場合は、常に画面全体でリフレッシュ操作を行い、バッテリ残量が閾値残量未満になった場合に、図5及び図7の少なくとも一方に示すリフレッシュ制御に移行する。従って、画面全体でのリフレッシュ制御とバッテリ残量の低減化の両立を図ることができる。
【0125】
(全実施形態の変形例1)
第1実施形態に係る表示装置100は、書換え位置(例えば手書きストローク中の各位置)に応じて表示パネルごとにリフレッシュ操作を行い、第2実施形態に係る表示装置100は、書換え領域(例えば表示画像の画像領域)に応じて表示パネルごとにリフレッシュ操作を行っているが、書換え位置と書換え領域を切替えながら書換え位置と書換え領域の少なくとも一方に応じて表示パネルごとにリフレッシュ操作を行ってもよい。
【0126】
(変形例1の作用効果)
変形例1の表示装置100によれば、表示制御部402が手書き入力のストローク中の各位置と、表示画像の画像領域との少なくとも一方に応じて表示パネル121ごとにリフレッシュ制御を行うため、リフレッシュ操作に伴う消費電力を更に削減することができる。
【0127】
(全実施形態の変形例2)
以上の実施形態に係る表示装置100は、2枚の表示パネル121で1つの画面を構成しているが、3枚、4枚等の複数の表示パネル121で1つの画面を構成してもよい。また、表示装置100は、2枚の表示パネル121を横方向に並べて1つの画面を構成しているが、複数の表示パネル121を縦方向に並べて1つの画面を構成してもよい。表示制御部402は、画面の書換え位置及び画面の書換え領域の少なくとも一方に応じて表示パネル121ごとにリフレッシュ操作を行う。
【0128】
(変形例2の作用効果)
変形例2の表示装置100によれば、災害現場、建設現場、工事現場等で必要な低消費電力が必要な更に大型の電子ペーパアプリケーションでも消費電力の削減を図ることができる。
【0129】
(全実施形態の変形例3)
以上の実施形態に係る表示装置100は、電気泳動方式の表示パネル121を用いているが、磁気泳動方式又は気中移動方式等の他の粒子移動型の表示パネルで構成してもよい。磁気泳動方式又は気中移動方式等を用いた電子ペーパでは、粒子同士の縺れに起因して粒子の動作が鈍くなり、書換え前の残像が発生することがある。表示制御部402は、画面の書換え位置及び画面の書換え領域の少なくとも一方に応じて表示パネルごとにリフレッシュ操作を行う。
【0130】
(変形例3の作用効果)
変形例3の表示装置100によれば、磁気泳動方式又は気中移動方式等の他の粒子移動型の表示パネルを用いた電子ペーパアプリケーションでも消費電力の削減を図ることができる。
【0131】
上記で説明した実施形態の各種機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」は、電子回路で実装するプロセッサのようにソフトウェアで各機能を実行するようにプログラミングしたプロセッサを含む。或いは、「処理回路」は、各機能を実行するように設計したASIC(ApplicaCion Specific Integrated Circuit)、又はDSP(Digital Signal Processor)等のデバイスを含む。また、「処理回路」は、FPGA(Field Programmable Gate Array)又は従来の回路モジュール等のデバイスを含む。
【0132】
本開示の態様は、例えば以下の通りである。
<1> 電気泳動方式の複数の表示パネルで構成した画面を有する表示部と、
前記画面の書換え位置及び書換え領域の少なくとも一方に応じて前記表示パネルごとにリフレッシュ操作を行う表示制御部と、
を含む、表示装置。
<2> 前記表示制御部は、特定の前記表示パネルに前記書換え位置がある場合は、特定の前記表示パネルに前記リフレッシュ操作を行い、複数の前記表示パネルのそれぞれに前記書換え位置がある場合は、複数の前記表示パネルに前記リフレッシュ操作を行う、前記<1>に記載の表示装置。
<3> 前記表示制御部は、手書き入力のストローク中の各位置に応じて前記表示パネルごとに前記リフレッシュ操作を行う、前記<1>又は前記<2>に記載の表示装置。
<4> 前記表示制御部は、特定の前記表示パネルに前記書換え領域がある場合は、特定の前記表示パネルに前記リフレッシュ操作を行い、複数の前記表示パネルに前記書換え領域が跨っている場合は、複数の前記表示パネルに前記リフレッシュ操作を行う、前記<1>に記載の表示装置。
<5> 前記表示制御部は、表示画像の画像領域に応じて前記表示パネルごとに前記リフレッシュ操作を行う、前記<1>又は前記<4>に記載の表示装置。
<6> 前記表示制御部は、環境温度が閾値温度未満の場合に、前記表示パネルごとに前記リフレッシュ操作を行う、前記<1>~前記<5>のいずれかに記載の表示装置。
<7> 前記表示制御部は、バッテリ残量が閾値残量未満の場合に、前記表示パネルごとに前記リフレッシュ操作を行う、前記<1>~前記<6>のいずれかに記載の表示装置。
<8> 表示装置の表示制御方法であって、前記表示装置が、
電気泳動方式の複数の表示パネルで構成した画面の書換え位置及び書換え領域の少なくとも一方に応じて前記表示パネルごとにリフレッシュ操作を行う、表示制御方法。
<9> 表示装置の表示制御プログラムであって、
電気泳動方式の複数の表示パネルで構成した画面の書換え位置及び書換え領域の少なくとも一方に応じて前記表示パネルごとにリフレッシュ操作を行うステップをコンピュータに実行させる、プログラム。
【符号の説明】
【0133】
100 表示装置
111 メインコントローラ
112 CPU
113 ROM
114 RAM
115 NVRAM
116 無線モジュール
117 温度センサ
118 バス
121 表示パネル
122 EPDコントローラ
131 タッチパネル
132 タッチセンサ
133 タッチパネルコントローラ
141 バッテリ
142 温度センサ
143 バッテリコントローラ
161 ACアダプタ
171 ペン
201 フィルム
202 マイクロカプセル
203 透明電極
204 対向電極
205 黒色粒子
206 白色粒子
207 流体
300 画面
301 手書き入力
302 残像
303 黒画像
304 白画像
305 書換え後の画像
306 リスト画像
307 画像領域(書換え領域)
308 消去用の手書き入力
309 手書き入力
401 書換位置検出部
402 表示制御部
403 書換領域検出部
404 温度検出部
405 バッテリ残量検出部
P1~P3 ストローク中の位置(書換え位置)
P 表示画像の位置
H 表示画像の高さ
W 表示画像の幅
【先行技術文献】
【特許文献】
【0134】
【特許文献1】特開2011-008101号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9