IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東京エレクトロン株式会社の特許一覧

特開2023-172547基板保持具、基板処理装置及び基板搬送方法
<>
  • 特開-基板保持具、基板処理装置及び基板搬送方法 図1
  • 特開-基板保持具、基板処理装置及び基板搬送方法 図2
  • 特開-基板保持具、基板処理装置及び基板搬送方法 図3
  • 特開-基板保持具、基板処理装置及び基板搬送方法 図4
  • 特開-基板保持具、基板処理装置及び基板搬送方法 図5
  • 特開-基板保持具、基板処理装置及び基板搬送方法 図6
  • 特開-基板保持具、基板処理装置及び基板搬送方法 図7
  • 特開-基板保持具、基板処理装置及び基板搬送方法 図8
  • 特開-基板保持具、基板処理装置及び基板搬送方法 図9
  • 特開-基板保持具、基板処理装置及び基板搬送方法 図10
  • 特開-基板保持具、基板処理装置及び基板搬送方法 図11
  • 特開-基板保持具、基板処理装置及び基板搬送方法 図12
  • 特開-基板保持具、基板処理装置及び基板搬送方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172547
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】基板保持具、基板処理装置及び基板搬送方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
H01L21/68 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084440
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(74)【代理人】
【識別番号】100187849
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 隆史
(74)【代理人】
【識別番号】100212059
【弁理士】
【氏名又は名称】三根 卓也
(72)【発明者】
【氏名】近藤 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 智徳
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA02
5F131BB03
5F131BB23
5F131CA46
5F131DB02
5F131DB22
5F131DB52
5F131DB76
5F131DB82
5F131GA03
5F131HA09
5F131HA12
5F131KA12
5F131KA22
5F131KA47
5F131KA48
5F131KA52
5F131KA54
5F131KA63
5F131KB43
(57)【要約】
【課題】基板を保持して搬送する搬送アームにおいて、基板の離脱性を適切に評価する。
【解決手段】搬送アームから基板を受け取り保持する基板保持具であって、鉛直方向に昇降自在に構成され、基板を載置する載置部と、前記載置部の重量、圧力又は変位の少なくともいずれかを測定する測定部と、前記測定部の測定結果に基づいて、前記搬送アームの状態を予測する制御部と、を有する。基板処理装置は、大気雰囲気下で前記基板保持具に保持された基板を処理する。別の基板処理装置は、前記基板保持具に基板が保持された状態で、大気雰囲気と真空雰囲気に切り替え可能に構成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送アームから基板を受け取り保持する基板保持具であって、
鉛直方向に昇降自在に構成され、基板を載置する載置部と、
前記載置部の重量、圧力又は変位の少なくともいずれかを測定する測定部と、
前記測定部の測定結果に基づいて、前記搬送アームの状態を予測する制御部と、を有する、基板保持具。
【請求項2】
前記測定部は、前記載置部を支持し、当該載置部の重量を測定する、請求項1に記載の基板保持具。
【請求項3】
前記搬送アームは、基板を保持する複数の保持パッドを有し、
前記制御部は、前記搬送アームから前記載置部に基板が載置された際に前記測定部で測定される重量の変化に基づいて、前記保持パッドの状態を予測する、請求項2に記載の基板保持具。
【請求項4】
前記搬送アームは、基板を保持する複数の保持パッドを有し、
前記制御部は、前記搬送アームを前記載置部から退出させた際に前記測定部で測定される重量の変化に基づいて、前記保持パッドの状態を予測する、請求項2又は3に記載の基板保持具。
【請求項5】
前記制御部は、前記搬送アームを前記載置部に進入させた際に前記測定部で測定される重量の変化に基づいて、前記搬送アームにおける基板の状態を予測する、請求項2~4のいずれか一項に記載の基板保持具。
【請求項6】
前記制御部は、前記重量の変化が閾値を超えるとアラームを出力する、請求項3~5のいずれか一項に記載の基板保持具。
【請求項7】
前記載置部は、
複数の支柱と、
前記複数の支柱に設けられ、基板の外周部を載置する載置部材と、
前記複数の支柱の下端を支持する底板と、を有し、
前記測定部は、前記底板を支持する、請求項2~6のいずれか一項に記載の基板保持具。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の基板保持具を有する基板処理装置であって、
前記搬送アームは、大気雰囲気下で基板を吸着保持して搬送し、
前記基板処理装置は、大気雰囲気下で前記基板保持具に保持された基板を処理する、基板処理装置。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか一項に記載の基板保持具を有する基板処理装置であって、
前記搬送アームは、第1の搬送アームと第2の搬送アームを有し、
前記第1の搬送アームは、大気雰囲気下で基板を吸着保持して搬送し、
前記第2の搬送アームは、真空雰囲気下で基板を保持して搬送し、
前記基板処理装置は、前記基板保持具に基板が保持された状態で、大気雰囲気と真空雰囲気に切り替え可能に構成されている、基板処理装置。
【請求項10】
搬送アームから基板保持具に基板を搬送して、当該基板保持具で基板を保持する基板搬送方法であって、
前記基板保持具において鉛直方向に昇降自在に構成された載置部に、基板を保持した前記搬送アームを進入させる工程と、
前記搬送アームと前記基板保持具を鉛直方向に相対的に移動させて、前記搬送アームから前記載置部に基板を受け渡す工程と、
前記基板保持具の測定部で前記載置部の重量、圧力又は変位の少なくともいずれかを測定する工程と、
前記測定部の測定結果に基づいて、前記搬送アームの状態を予測する工程と、を含む、基板搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板保持具、基板処理装置及び基板搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板を真空吸着して搬送する基板搬送装置が開示されている。基板搬送装置は、フランジ部を含み、基板を保持する複数のパッドと、複数のパッドを着脱可能に固定するハンドと、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-103696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示にかかる技術は、基板を保持して搬送する搬送アームにおいて、基板の離脱性を適切に評価する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、搬送アームから基板を受け取り保持する基板保持具であって、鉛直方向に昇降自在に構成され、基板を載置する載置部と、前記載置部の重量、圧力又は変位の少なくともいずれかを測定する測定部と、前記測定部の測定結果に基づいて、前記搬送アームの状態を予測する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、基板を保持して搬送する搬送アームにおいて、基板の離脱性を適切に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態にかかるウェハ処理装置の構成の概略を示す平面図である。
図2】搬送アームの構成の概略を示す斜視図である。
図3】保持パッドの構成の概略を示す斜視図である。
図4】ウェハ保持具の構成の概略を示す斜視図である。
図5】ウェハ保持具でウェハを保持する様子を示す説明図である。
図6】フォースゲージの構成の概略を示す斜視図である。
図7】搬送アームからウェハ保持具にウェハを搬送する様子を示す説明図である。
図8】ロードセルで測定された重量の経時変化を示す説明図である。
図9】ロードセルで測定された重量の経時変化を示す説明図である。
図10】搬送アームからウェハ保持具にウェハを搬送する様子を示す説明図である。
図11】ロードセルで測定された重量の経時変化を示す説明図である。
図12】搬送アームからウェハ保持具にウェハを搬送する様子を示す説明図である。
図13】他の実施形態にかかるウェハ保持具の構成の概略を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
半導体デバイスの製造プロセスにおいては、半導体ウェハ(基板;以下、「ウェハ」という。)に対して、例えば真空雰囲気下でエッチング処理等のウェハ処理が行われる。このウェハ処理は、処理モジュールを複数備えたウェハ処理装置を用いて行われる。
【0009】
例えばウェハ処理装置は、真空雰囲気下(減圧雰囲気下)の減圧部と大気雰囲気下(常圧雰囲気下)の常圧部が、ロードロックモジュールを介して一体に接続された構成を有している。
減圧部は、共通のトランスファモジュールと、トランスファモジュールの周囲に連結された複数の処理モジュールとを備える。そして、真空雰囲気下のトランスファモジュールから処理モジュールにウェハが搬送され、当該処理モジュールにおいて真空雰囲気下で所望の処理が行われる。
常圧部は、複数のウェハを保管可能なフープを載置するロードポートと、ウェハ搬送装置を備えたローダーモジュールとを備える。そして、大気雰囲気下のローダーモジュールにおいて、フープとロードロックモジュールに対してウェハが搬送される。
ロードロックモジュールは、内部が真空雰囲気と大気雰囲気に切り替え可能に構成され、減圧部と常圧部の間でウェハの受け渡しを行う。
【0010】
ローダーモジュールにおいて、大気雰囲気下でウェハを搬送するウェハ搬送装置は、例えば特許文献1に開示されたように、ハンド(搬送アーム)に設けられた複数のパッドでウェハを真空吸着して搬送する。また、ウェハ搬送装置から他のモジュール等にウェハを受け渡す際には、複数のパッドからの真空引きを停止してウェハを離脱させる。
【0011】
しかしながら、パッドからの真空引きを停止しても、当該パッドからウェハが離脱し難い場合がある。これは、例えばウェハの粘着性に起因するが、従来のパッドはこのような離脱困難な場合は想定されていない。そして、パッドからウェハの離脱が困難な場合、ウェハの受け渡し時にウェハが搬送アームから飛び跳ねたり、或いはウェハを受け渡せずに搬送アームにウェハが残るなどのトラブルが生じ得る。
【0012】
このようなトラブルを回避するためには、パッドからのウェハの離脱性を適切に評価する必要がある。しかしながら、従来、上述したようにウェハの離脱困難な場合は想定されておらず、況してその離脱性を評価することは行われていない。
【0013】
本開示にかかる技術は、基板を保持して搬送する搬送アームにおいて、基板の離脱性を適切に評価する。以下、本実施形態にかかるウェハ処理装置について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
<ウェハ処理装置>
先ず、本実施形態にかかるウェハ処理装置について説明する。図1は、ウェハ処理装置1の構成の概略を示す平面図である。本実施形態においては、ウェハ処理装置1が、基板としてのウェハWにCOR(Chemical Oxide Removal)処理、PHT(Post Heat Treatment)処理、及びCST(Cooling Storage)処理を行うための各種処理モジュールを備える場合について説明する。なお、本開示のウェハ処理装置1が備える各種処理モジュールの構成はこれに限られず、任意に選択され得る。
【0015】
図1に示すようにウェハ処理装置1は、常圧部10と減圧部11がロードロックモジュール20a、20bを介して一体に接続された構成を有している。
【0016】
ロードロックモジュール20aは、常圧部10の後述するローダーモジュール30から搬送されたウェハWを、減圧部11の後述するトランスファモジュール60に引き渡すため、ウェハWを一時的に保持する。ロードロックモジュール20aは、内部に複数、例えば2枚のウェハWを同時に保持する。
【0017】
ロードロックモジュール20aは、ゲートバルブ(図示せず)が設けられたゲート(図示せず)を介して、ローダーモジュール30及びトランスファモジュール60に接続されている。このゲートバルブにより、ロードロックモジュール20aと、ローダーモジュール30及びトランスファモジュール60の間との気密性の確保と互いの連通を両立する。
【0018】
ロードロックモジュール20aにはガスを供給する給気部(図示せず)とガスを排出する排気部(図示せず)が接続され、当該給気部と排気部によって内部が大気雰囲気(常圧雰囲気)と真空雰囲気(減圧雰囲気)に切り替え可能に構成されている。すなわちロードロックモジュール20aは、大気雰囲気の常圧部10と、真空雰囲気の減圧部11との間で、適切にウェハWの受け渡しができるように構成されている。
【0019】
ロードロックモジュール20bはトランスファモジュール60から搬送されたウェハWをローダーモジュール30に引き渡すため、ウェハWを一時的に保持する。ロードロックモジュール20bは、ロードロックモジュール20aと同様の構成を有している。すなわち、ゲートバルブ(図示せず)、ゲート(図示せず)、給気部(図示せず)、及び排気部(図示せず)を有している。
【0020】
なお、ロードロックモジュール20a、20bの数や配置は、本実施形態に限定されるものではなく、任意に設定できる。
【0021】
常圧部10は、後述するウェハ搬送装置40を備えたローダーモジュール30と、複数のウェハWを保管可能なフープ31を載置するロードポート32と、ウェハWを冷却するCSTモジュール33と、ウェハWの水平方向の向きを調節するアライナモジュール34とを有している。
【0022】
ローダーモジュール30は内部が矩形の筐体からなり、筐体の内部は大気雰囲気に維持されている。ローダーモジュール30の筐体の長辺を構成する一側面には、複数、例えば3つのロードポート32が並設されている。ローダーモジュール30の筐体の長辺を構成する他側面には、ロードロックモジュール20a、20bが並設されている。ローダーモジュール30の筐体の短辺を構成する一側面には、CSTモジュール33が設けられている。ローダーモジュール30の筐体の短辺を構成する他側面には、アライナモジュール34が設けられている。
【0023】
なお、ロードポート32、CSTモジュール33、及びアライナモジュール34の数や配置は本実施形態に限定されるものではなく、任意に設定できる。また、常圧部10に設けられるモジュールの種類も本実施形態に限定されるものではなく、任意に選択できる。
【0024】
フープ31は複数、例えば1ロット25枚のウェハWを収容する。また、ロードポート32に載置されたフープ31の内部は、例えば、大気や窒素ガスなどで満たされて密閉されている。
【0025】
CSTモジュール33は、後述するウェハ保持具200において、複数、例えばフープ31に収容される枚数以上、例えば35枚のウェハWを等しい間隔で多段に保持する。そして、ウェハ保持具200に保持された複数のウェハWに対して冷却処理を行う。なお、ウェハ保持具200の構成は後述する。
【0026】
アライナモジュール34は、ウェハWを回転させて水平方向の向きの調節を行う。具体的に、アライナモジュール34は、複数のウェハWのそれぞれにウェハ処理を行うにあたり、当該ウェハ処理毎に、基準位置(例えばノッチ位置)からの水平方向からの向きが同じになるように調節される。
【0027】
ローダーモジュール30の内部には、ウェハWを搬送するウェハ搬送装置40が設けられている。ウェハ搬送装置40は、ウェハWを保持して移動する搬送アーム41a、41bと、搬送アーム41a、41bを回転可能に支持する回転台42と、回転台42を搭載した回転載置台43とを有している。回転台42の内部には昇降機構(図示せず)が設けられ、当該昇降機構によって搬送アーム41a、41は昇降可能に構成されている。ウェハ搬送装置40は、ローダーモジュール30の筐体の内部において長手方向に移動可能に構成されている。
【0028】
減圧部11は、2枚のウェハWを同時に搬送するトランスファモジュール60と、ウェハWにCOR処理を行うCORモジュール61と、ウェハWにPHT処理を行うPHTモジュール62とを有している。トランスファモジュール60、CORモジュール61、及びPHTモジュール62の内部は、それぞれ真空雰囲気に維持される。また、CORモジュール61及びPHTモジュール62は、トランスファモジュール60に対して複数、例えば3つずつ設けられている。
【0029】
トランスファモジュール60は内部が矩形の筐体からなり、上述したようにゲートバルブ(図示せず)を介してロードロックモジュール20a、20bに接続されている。トランスファモジュール60は、ロードロックモジュール20aに搬入されたウェハWを一のCORモジュール61、一のPHTモジュール62に順次搬送してCOR処理とPHT処理を施した後、ロードロックモジュール20bを介して常圧部10に搬出する。
【0030】
CORモジュール61の内部には、2枚のウェハWを水平方向に並べて載置する2つのステージ61a、61bが設けられている。CORモジュール61は、ステージ61a、61bにウェハWを並べて載置することにより、2枚のウェハWに対して同時にCOR処理を行う。なお、CORモジュール61には、処理ガスやパージガスなどを供給する給気部(図示せず)とガスを排出する排気部(図示せず)が接続されている。
【0031】
PHTモジュール62の内部には、2枚のウェハWを水平方向に並べて載置する2つのステージ62a、62bが設けられている。PHTモジュール62は、ステージ62a、62bにウェハWを並べて載置することにより、2枚のウェハWに対して同時にPHT処理を行う。なお、PHTモジュール62には、ガスを供給する給気部(図示せず)とガスを排出する排気部(図示せず)が接続されている。
【0032】
また、CORモジュール61及びPHTモジュール62は、ゲートバルブ(図示せず)が設けられたゲート(図示せず)を介して、トランスファモジュール60に接続されている。このゲートバルブにより、トランスファモジュール60とCORモジュール61及びPHTモジュール62の間の気密性の確保と互いの連通を両立する。
【0033】
なお、トランスファモジュール60に設けられる処理モジュールの数や配置、及び種類は本実施形態に限定されるものではなく、任意に設定できる。
【0034】
トランスファモジュール60の内部には、ウェハWを搬送するウェハ搬送装置70が設けられている。ウェハ搬送装置70は、2枚のウェハWを保持して移動する搬送アーム71a、71bと、搬送アーム71a、71bを回転可能に支持する回転台72と、回転台72を搭載した回転載置台73とを有している。回転台72の内部には昇降機構(図示せず)が設けられ、当該昇降機構によって搬送アーム71a、71は昇降可能に構成されている。また、トランスファモジュール60の内部には、トランスファモジュール60の長手方向に延伸するガイドレール74が設けられている。回転載置台73はガイドレール74上に設けられ、ウェハ搬送装置70をガイドレール74に沿って移動可能に構成されている。
【0035】
以上のウェハ処理装置1には、制御部80が設けられている。制御部80は、例えばCPUやメモリ等を備えたコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、ウェハ処理装置1におけるウェハWの処理を制御するプログラムが格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、当該記憶媒体Hから制御部80にインストールされたものであってもよい。また、上記記憶媒体Hは、一時的なものであっても非一時的なものであってもよい。
【0036】
以上のように構成されたウェハ処理装置1においては、先ず、大気雰囲気下でウェハ搬送装置40によってウェハWは、フープ31からアライナモジュール34に搬送され、水平方向の向きが調節される。次に、ウェハ搬送装置40によってウェハWは、ロードロックモジュール20aに搬送される。
【0037】
次に、真空雰囲気下でウェハ搬送装置70によってウェハWは、CORモジュール61に搬送され、COR処理が行われる。次に、ウェハ搬送装置70によってウェハWは、PHTモジュール62に搬送され、PHT処理が行われる。次に、ウェハ搬送装置70によってウェハWは、ロードロックモジュール20bに搬送される。
【0038】
次に、大気囲気下でウェハ搬送装置40によってウェハWは、CSTモジュール33に搬送され、CST処理が行われる。次に、ウェハ搬送装置40によってウェハWは、フープ31に搬送される。こうして、ウェハ処理装置1における一連のウェハ処理が終了する。
【0039】
<搬送アーム>
次に、ウェハ搬送装置40の搬送アーム41a、41bについて説明する。搬送アーム41a、41bは同じ構成を有し、以下では、搬送アーム41と総称して説明する。搬送アーム41は、ウェハWを真空吸着して搬送する。
【0040】
図2に示すように、搬送アーム41は、ウェハWを保持するピック100と、ピック100の表面に設けられた複数、例えば3つの保持パッド110とを有している。ピック100は、基端部101から2本の先端部102、102に分岐したフォーク形状を有している。3つの保持パッド110はそれぞれ、基端部101、先端部102、102の表面に設けられている。
【0041】
図3に示すように保持パッド110は、底面に設けられたベース部111と、ベース部111の表面に円環状に設けられた環状部112とを有している。環状部112は、例えば平面視において長円形状を有している。ベース部111には、真空吸着用の貫通孔113が形成されている。貫通孔113には、保持パッド110の内側にガスを供給する給気部(図示せず)と、保持パッド110の内側のガスを吸引して真空引きする排気部(図示せず)が接続されている。
【0042】
保持パッド110でウェハWを保持する際には、ウェハWの裏面に環状部112が接触した状態で、ウェハWの裏面、ベース部111、及び環状部112で形成された吸着空間110sを真空引きする。一方、保持パッド110からウェハWを離脱させる際には、吸着空間110sの真空引きを停止して、更に吸着空間110sにガスを供給した後、搬送先への受け渡しなどで、保持パッド110からウェハWを相対的に上昇させる。
【0043】
なお、保持パッド110の構成は本実施形態の構成に限定されない。例えば、保持パッド110の平面形状は、長円形状以外であってもよい。
【0044】
<ウェハ保持具>
次に、基板処理装置としてのCSTモジュール33に設けられた、基板保持具としてのウェハ保持具200について説明する。ウェハ保持具200は、複数のウェハWを等しい間隔で多段に保持する。そして、CSTモジュール33の処理容器(図示せず)の内部において、ウェハ保持具200に複数のウェハWが保持された状態で、ファン(図示せず)を動作させて常温の空気を流入させることで、当該複数のウェハWが冷却される。
【0045】
図4に示すようにウェハ保持具200は、載置部としてのウェハストレージ201とフォースゲージ202を有している。ウェハストレージ201は、複数のウェハWを多段に保持する。ウェハストレージ201の水平方向重心位置は、ウェハWの中心位置と一致するように設計されている。フォースゲージ202は、ウェハストレージ201の重量を測定する。なお、力の測定器であるフォースゲージ202は様々な種類がある。図4に示したフォースゲージ202は、後述するビーム型のロードセル220を備えたものである。
【0046】
ウェハストレージ201は、ウェハ保持支柱210、補助支柱211、天板212、及び底板213を有している。ウェハストレージ201は、後述するロードセル220に支持され、鉛直方向に昇降自在であるとともに、水平方向に移動自在に構成されている。換言すれば、ウェハストレージ201は、ロードセル220以外には支持されていない。なお、補助支柱211は必須ではなく、必要に応じて設けられる。
【0047】
ウェハ保持支柱210は複数、例えば3本設けられている。補助支柱211は、例えば3本のウェハ保持支柱210のそれぞれの間に2本設けられている。これら3本のウェハ保持支柱210と2本の補助支柱211は、同一円心の半円上に等間隔で配置されている。天板212は、ウェハ保持支柱210の上端と補助支柱211の上端を支持する。本実施形態の天板212は平面視において略円弧形状を有するが、天板212の平面形状はこれに限定されない。底板213は、ウェハ保持支柱210の下端と補助支柱211の下端を支持する。本実施形態の底板213は平面視において切り欠きが形成された略円形状を有するが、底板213の平面形状はこれに限定されない。
【0048】
ウェハ保持支柱210には、複数の載置部材214が鉛直方向に等間隔に複数設けられている。これら複数の載置部材214は、ウェハ保持支柱210から径方向内側に突出する。また、3本のウェハ保持支柱210において、対応する載置部材214は同じ高さに配置されている。図5に示すように、各載置部材214はウェハWの外周部を載置し、これによりウェハストレージ201においてウェハWが水平に保持される。なお、ウェハ保持支柱210の数は本実施形態に限定されないが、ウェハWを水平に保持するためには、少なくとも3本以上必要である。
【0049】
図6に示すようにフォースゲージ202は、測定部としてのロードセル220、及び支持板221を有している。なお、図6では、フォースゲージ202の内側構造を説明するため、ウェハストレージ201の図示を省略している。
【0050】
ロードセル220は、ウェハストレージ201の底板213を支持し、当該ウェハストレージ201の鉛直方向の重量を測定する。ロードセル220の設置位置は、ウェハストレージ201の水平方向重心位置で鉛直方向の力を受けるように設計されている。ロードセル220の構成は限定されないが、使用条件に合致したロードセルが用いられる。
【0051】
ロードセル220は、支持板221の中央部に形成された窪み部221aに設けられている。またロードセル220は、支持板221の上面から突出して設けられている。かかる構成により、底板213の下面と支持板221の上面との間には隙間が形成され、ロードセル220に支持されたウェハストレージ201が鉛直方向に昇降自在に構成される。支持板221は、CSTモジュール33の処理容器(図示せず)に固定される。
【0052】
なお、本実施形態ではロードセル220は1つ設けられているが、ロードセル220の数はこれに限定されない。ウェハストレージ201はロードセル220に支持されているため、例えばロードセル220を複数設けた場合、ウェハストレージ201を支持するための剛性は高くなる。かかる場合、複数のロードセル220による測定結果を連動させて、ウェハストレージ201の重量を測定する。
【0053】
<ウェハ搬送方法>
次に、ウェハ搬送装置40の搬送アーム41からCSTモジュール33のウェハ保持具200にウェハWを搬送して、当該ウェハ保持具200でウェハWを保持する方法について説明する。図7は、搬送アーム41からウェハ保持具200にウェハWを搬送する様子を示す説明図である。
【0054】
また、搬送アーム41からウェハ保持具200にウェハWを搬送中、ロードセル220では常時ウェハストレージ201の重量を測定する。ロードセル220で測定された重量データは、制御部80に出力される。図8は、ロードセル220で測定された重量の経時変化を示す説明図である。図8の縦軸は重量を示し、横軸は時間を示す。
【0055】
先ず、図7(a)に示すようにウェハストレージ201に、ウェハWを吸着保持した搬送アーム41を進入させる(ステップS1)。ウェハWは、鉛直方向に隣り合う載置部材214の間に進入する。この際、図8に示すようにウェハストレージ201の重量は、ウェハWの重量を含まない重量L1である。
【0056】
次に、搬送アーム41の保持パッド110とウェハWの間に形成された吸着空間110sの真空引きを停止して、更に吸着空間110sにガスを供給する。そして、搬送アーム41によるウェハWの吸着保持を停止する。
【0057】
次に、図7(b)に示すように搬送アーム41を下降させて、当該搬送アーム41からウェハストレージ201にウェハWを受け渡し、載置部材214に載置する(ステップS2)。
【0058】
ここで、ウェハストレージ201でウェハWを保持すると、ウェハストレージ201の重量は、重量L1からウェハWの重量分を加えた重量L2となる。この点、ステップS2では、上述したように吸着空間110sの真空引きを停止しても、保持パッド110からウェハWが離脱し難い場合がある。すなわち、ウェハWが粘着性を有し、ウェハWと保持パッド110が粘着するため、保持パッド110からウェハWが離脱し難くなる。そうすると、ウェハWが載置部材214に載置される際には、ウェハストレージ201に下方向の荷重が作用し、当該ウェハストレージ201が下げられる。また、ウェハWが下降して載置部材214に載置されるので、この際の衝撃によってもウェハストレージ201に下方向の荷重が作用する。このため、図8に示すようにロードセル220では、重量L2より大きい重量L3が測定される。
【0059】
次に、図7(c)に示すようにウェハストレージ201から搬送アーム41を退出させる(ステップS3)。この際、図8に示すように、ロードセル220で測定される重量は、ウェハストレージ201の重量L1からウェハWの重量分を加えた重量L2となる。
【0060】
以上のように搬送アーム41からウェハ保持具200にウェハWが搬送される際、制御部80では、図8に示したロードセル220で測定される重量をモニタする。そして、重量L3と重量L2との重量差ΔL(=L3-L2)に基づいて、保持パッド110におけるウェハWの離脱性の評価を行う。すなわち、重量差ΔLが大きい場合、ウェハWが離脱し難いことを示し、重量差ΔLが小さい場合、ウェハWが離脱し易いことを示す。
【0061】
また、上述したようにウェハWの粘着性に起因して保持パッド110からウェハWが離脱し難くなるが、保持パッド110が劣化すると、このウェハWの離脱性が悪化する。そこで制御部80では、重量差ΔLに基づいて、保持パッド110の状態(搬送アーム41の状態)を予測する。そして、重量差ΔLが予め定められた閾値を超えた場合、ウェハ処理装置1の出力部(図示せず)からアラームを出力させる。
【0062】
アラームを出力する際の重量差ΔLの閾値は、任意に設定することができる。例えば、上述したようにウェハWの離脱性が悪化すると、ウェハWが搬送アーム41から飛び跳ねる場合があるが、このような飛び跳ねを回避するように閾値を設定してもよい。或いは、保持パッド110の交換するタイミングで閾値を設定してもよい。
【0063】
以上の実施形態によれば、ウェハ保持具200がフォースゲージ202を有しているので、ウェハストレージ201の重量を常時モニタすることができる。そして、ウェハストレージ201の重量の経時的変化に基づいて、保持パッド110に対するウェハWの離脱性を数値化して評価することができる。
【0064】
具体的には例えば、図9に示すように搬送アーム41からウェハ保持具200に、3枚のウェハWを搬送する場合、ロードセル220で測定される重量は、段階的に増加する。ここで、保持パッド110に対して、第1のウェハW1が固着しておらず剥離性が「大」であり、第2のウェハW2がやや固着しており剥離性が「中」であり、第3のウェハW3が相当固着していて剥離性が「小」であるとする。かかる場合、第1のウェハW1の載置時の重量差ΔL1、第2のウェハW2の載置時の重量差ΔL2、第3のウェハW3の載置時の重量差ΔL3は、この順で大きくなる(ΔL1<ΔL2<ΔL3)。したがって、保持パッド110に対するウェハWの離脱性を数値化して評価することができる。
【0065】
以上の実施形態において、保持パッド110に対するウェハWの離脱性が更に悪化すると、搬送アーム41からウェハストレージ201にウェハWを受け渡せない場合があり得る。図10は、本実施形態において搬送アーム41からウェハ保持具200にウェハWを搬送する様子を示す説明図である。また図11は、本実施形態においてロードセル220で測定された重量の経時変化を示す説明図である。
【0066】
先ず、図10(a)に示すようにウェハストレージ201に、ウェハWを吸着保持した搬送アーム41を進入させる(ステップT1)。このステップT1は、上記実施形態のステップS1と同様であり、図11に示すようにウェハストレージ201の重量は重量L1である。
【0067】
次に、吸着空間110sの真空引きを停止した後、図10(b)に示しように搬送アーム41を下降させて、当該搬送アーム41からウェハストレージ201にウェハWを受け渡し、載置部材214に載置する(ステップT2)。このステップT2は、上記実施形態のステップS2と同様であり、図11に示すようにウェハストレージ201の重量は重量L3である。
【0068】
次に、図10(c)に示すようにウェハストレージ201から搬送アーム41を退出させる(ステップT3)。この際、本実施形態では、ウェハWの離脱性が低いため、搬送アーム41から載置部材214にウェハWが載置されず、搬送アーム41と共に退出する。そうすると、図11に示すようにウェハストレージ201の重量は、ウェハWの重量を含まない重量L1となる。
【0069】
以上のように本実施形態においても、搬送アーム41からウェハ保持具200にウェハWが搬送される際、制御部80では、図11に示したロードセル220で測定される重量をモニタする。そして、搬送アーム41退出後の重量が重量L1になる場合、搬送アーム41にウェハWが残った状態で退出したと検知することができる。したがって、保持パッド110に対するウェハWの離脱性を数値化して評価することができる。
【0070】
また、制御部80では、搬送アーム41退出後の重量が重量L1になる場合、ウェハ処理装置1の出力部(図示せず)からアラーム(或いは、ワーニング)を出力させる。本実施形態では、搬送アーム41からウェハストレージ201にウェハWを受け渡しができないほどにウェハWの離脱性が悪化しており、保持パッド110の交換が必要となる。そこで、保持パッド110の交換を知らせるアラームを出力する。なお、本実施形態(図11)のアラームは、上記実施形態(図8)のアラームと区別できるように異なるものであってもよい。
【0071】
以上の実施形態のウェハ保持具200では、ステップS1、T1において、ウェハストレージ201にウェハWを吸着保持した搬送アーム41を進入させる際、当該搬送アーム41におけるウェハWの位置ずれを検出することもできる。
【0072】
例えば、図12に示すように搬送アーム41に対してウェハWの位置が進行方向にずれている場合がある。かかる場合、ウェハストレージ201に搬送アーム41を進入させると、搬送アーム41が予め定められた位置に到達する前に、ウェハWがウェハ保持支柱210に衝突する。そうすると、ウェハ保持支柱210にモーメント荷重が作用し、ロードセル220で測定される重量が増加する。具体的には、上述したようにウェハWの載置時の重量L3より早いタイミングで、ロードセル220で測定される重量が増加する。制御部80では、この重量の増加に基づいて、ウェハWの衝突を検知し、更に搬送アーム41においてウェハWが位置ずれしていることを検知する。
【0073】
<他の実施形態>
以上の実施形態では、測定部としてウェハストレージ201の重量を測定するロードセル220を用いたが、測定部の測定対象はこれに限定されない。
【0074】
例えば測定部として、ウェハストレージ201の鉛直下方に作用する圧力を測定する圧力センサを用いてもよい。かかる場合、フォースゲージ202に代えて、ウェハストレージ201の下方には、圧力センサ(図示せず)を備えた圧力ゲージが設けられる。ウェハストレージ201の圧力の変化は、上述ウェハストレージ201の重量の変化と同じ挙動を示す。そうすると、圧力センサで測定されるウェハストレージ201の圧力の経時的変化に基づいて、保持パッド110に対するウェハWの離脱性を数値化して評価することができる。
【0075】
また、例えば測定部として、ウェハストレージ201の鉛直方向の変位を測定するレーザ変位計を用いてもよい。図13に示すように複数、例えば3つのレーザ変位計230が、3本のウェハ保持支柱210に対応して設けられる。ウェハWが載置部材214に載置される際には、ウェハストレージ201に下方向の荷重が作用し、当該ウェハストレージ201が下げられる。そうすると、レーザ変位計230で測定されるウェハ保持支柱210の鉛直方向の変位の経時的変化に基づいて、保持パッド110に対するウェハWの離脱性を数値化して評価することができる。
【0076】
以上の実施形態では、ステップS2、T2において、搬送アーム41を下降させて、当該搬送アーム41からウェハストレージ201にウェハWを受け渡したが、昇降機構(図示せず)によってウェハストレージ201を上昇させてもよい。また、搬送アーム41を下降させると共に、ウェハストレージ201を上昇させてもよい。搬送アーム41とウェハストレージ201を鉛直方向に相対的に移動させれば、搬送アーム41からウェハストレージ201にウェハWを受け渡すことができる。
【0077】
以上の実施形態では、ロードセル220で測定された重量データは、ウェハ処理装置1に設けられた制御部80に出力されたが、例えば別途の制御部(図示せず)に出力してもよい。かかる場合、ウェハ保持具200用の制御部が設けられる。
【0078】
以上の実施形態では、ウェハ保持具200はCSTモジュール33の内部に設けられていたが、ウェハ保持具200の設置対象はこれに限定されない。
【0079】
例えば、基板処理装置としてのアライナモジュール34の内部にウェハ保持具200を設けてもよい。かかる場合、ウェハ保持具200は1枚のウェハWを保持するように構成される。そして、ウェハストレージ201の重量等の経時的変化に基づいて、保持パッド110に対するウェハWの離脱性を数値化して評価することができる。
【0080】
また、例えば基板処理装置としてのロードロックモジュール20a、20bの内部にウェハ保持具200を設けてもよい。かかる場合、ウェハ保持具200は2枚のウェハWを保持するように構成される。以下の説明では、ロードロックモジュール20aにウェハ保持具200を設けた例について説明するが、ロードロックモジュール20bにウェハ保持具200を設けた場合も同様である。
【0081】
ロードロックモジュール20aには、ウェハ搬送装置40の搬送アーム41a、41b(本開示における第1の搬送アーム)と、ウェハ搬送装置70の搬送アーム71a、71b(本開示における第2の搬送アーム)とがアクセスする。以下では、搬送アーム41a、41bを搬送アーム41と総称し、搬送アーム71a、71bを搬送アーム71と総称する。
【0082】
搬送アーム41からウェハ保持具200にウェハWが搬送される際、ウェハストレージ201の重量等の経時的変化に基づいて、保持パッド110に対するウェハWの離脱性を数値化して評価することができる。
【0083】
また、搬送アーム71からウェハ保持具200にウェハWが搬送される際、ウェハストレージ201の重量等の経時的変化に基づいて、搬送アーム71の保持パッド(図示せず)に対するウェハWの離脱性を数値化して評価することができる。
【0084】
ここで、搬送アーム41はウェハWを真空引きして吸着保持するのに対し、搬送アーム71はウェハWを摩擦力で保持する。搬送アーム71は、図2及び図3に示した搬送アーム41と同様に、基端部101と先端部102で構成されたピック100、及びピック100の表面に設けられた表面には保持パッド(図示せず)を有している。この搬送アーム71の保持パッドは、搬送アーム41の保持パッド110と異なり、摩擦力によってウェハWを保持する。
【0085】
なお、搬送アーム71の保持パッドには、ウェハWに対する粘着性の低い材料を用いることができる。かかる場合、ウェハWの離脱性は高くなる。一方、本実施形態のウェハ保持具200のようにウェハストレージ201の重量を測定できれば、ウェハWを離脱させることができる限度において、摩擦力が大きく作用する材料を採用することができる。したがって、保持パッドの材料の自由度を向上ことができる。
【0086】
また、例えばウェハ搬送装置40、70にウェハ保持具200を適用し、搬送アーム41、71でウェハWを保持する際の重量等を測定してもよい。
【0087】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0088】
41(41a、41b) 搬送アーム
80 制御部
200 ウェハ保持具
201 ウェハストレージ
220 ロードセル
W ウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13