(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172683
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】デバイス、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/15 20060101AFI20231129BHJP
H04N 21/442 20110101ALI20231129BHJP
H04N 21/485 20110101ALI20231129BHJP
H04M 3/56 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
H04N7/15
H04N21/442
H04N21/485
H04M3/56 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084656
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】石川 真菜
【テーマコード(参考)】
5C164
5K201
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164PA41
5C164UB41P
5C164UD01P
5C164VA06S
5C164VA09P
5C164VA11P
5C164YA30
5K201BB09
5K201BD04
5K201CC05
5K201CC08
5K201DC05
5K201EC06
5K201ED09
(57)【要約】
【課題】利用する場所に応じた適切な設定に基づいてデバイスを動作させること。
【解決手段】デバイスを利用する場所に関する利用場所情報を前記デバイスのカメラ、センサ、及び通信機能の少なくとも一つを用いて取得する情報取得部と、前記利用場所情報に対応する設定値を取得する設定管理部と、前記設定値に基づいて、前記デバイスを動作させる実行部と、を有することを特徴とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスを利用する場所に関する利用場所情報を前記デバイスのカメラ、センサ、及び通信機能の少なくとも一つを用いて取得する情報取得部と、
前記利用場所情報に対応する設定値を取得する設定管理部と、
前記設定値に基づいて、前記デバイスを動作させる実行部と、
を有するデバイス。
【請求項2】
前記情報取得部は、前記利用場所情報として、前記デバイスが設置された位置情報を取得する請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記情報取得部は、前記利用場所情報として、前記デバイスが設置された場所の広さを取得する請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記情報取得部は、前記利用場所情報として、前記デバイスが設置された場所を特定する識別子を取得する請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記情報取得部は、前記利用場所情報として、前記デバイスが設置された部屋における位置を取得する請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
予め定めた前記利用場所情報と前記設定値の関係を含む設定情報を記憶する記憶部を更に有し、
前記設定管理部は、前記設定情報を用いて、前記設定値を取得する請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記実行部は、前記設定値に基づいた音量の音を前記デバイスのスピーカから出力する請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記設定管理部は、前記音の周波数に応じた前記設定値を取得する請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記実行部は、前記設定値に基づいた印刷速度で印刷を実行する請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記情報取得部が取得する前記利用場所情報を外部デバイスから受信する通信部を更に有する請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記通信部は、前記外部デバイスから前記外部デバイスを識別するための識別子を受信し、
前記情報取得部は、前記利用場所情報として、前記識別子を取得する請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
デバイスと、前記デバイスと通信が可能な外部デバイスを有する情報処理システムであって、
前記外部デバイスは、
前記デバイスからの要求に応じて、前記デバイスを利用する場所に関する利用場所情報を前記デバイスに送信する通信部と、
を有し、
前記デバイスは、
前記外部デバイスから受信した前記利用場所情報を取得する情報取得部と、
前記利用場所情報に対応する設定値を取得する設定管理部と、
前記設定値に基づいて、前記デバイスを動作させる実行部と、
を有する情報処理システム。
【請求項13】
前記外部デバイスの前記通信部は、前記利用場所情報として、前記デバイスが設置された位置情報を前記デバイスに送信し、
前記デバイスの前記情報取得部は、前記利用場所情報として、前記位置情報を取得する請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記外部デバイスの前記通信部は、前記利用場所情報として、前記デバイスが設置された場所の広さを前記デバイスに送信し、
前記デバイスの前記情報取得部は、前記利用場所情報として、前記場所の広さを取得する請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記外部デバイスの前記通信部は、前記利用場所情報として、前記デバイスが設置された場所を特定する識別子を前記デバイスに送信し、
前記デバイスの前記情報取得部は、前記利用場所情報として、前記識別子を取得する請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記デバイスは、予め定めた前記利用場所情報と前記設定値の関係を含む設定情報を記憶する記憶部を更に有し、
前記設定管理部は、前記設定情報を用いて、前記設定値を取得する請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記実行部は、前記設定値に基づいた音量の音を前記デバイスのスピーカから出力する請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項18】
前記設定管理部は、前記音の周波数に応じた前記設定値を取得する請求項17に記載の情報処理システム。
【請求項19】
デバイスが実行する情報処理方法であって、
前記デバイスを利用する場所に関する利用場所情報を前記デバイスのカメラ、センサ、及び通信機能の少なくとも一つを用いて取得するステップと、
前記利用場所情報に対応する設定値を取得するステップと、
前記設定値に基づいて、前記デバイスを動作させるステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項20】
デバイスを利用する場所に関する利用場所情報を前記デバイスのカメラ、センサ、及び通信機能の少なくとも一つを用いて取得するステップ、
前記利用場所情報に対応する設定値を取得するステップ、
前記設定値に基づいて、前記デバイスを動作させるステップ、
をデバイスに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイス、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多地点間で会議を行うためのスピーカとマイクを有する会議端末、又はプロジェクタ等の小型で持ち運びが可能なデバイスが普及しており、ユーザは様々な場所でデバイスを利用することが可能である。特許文献1には、ユーザにおける操作性及び利便性を向上させる目的で、設置場所と利用者に基づいて画像処理装置の設定を行う構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、利用する場所に応じた適切な設定に基づいてデバイスを動作させることができなかった。例えば、ユーザが、会議端末を利用する場所において適切な音量に設定して動作させることは困難であり、動作後に音量が大き過ぎて周囲に迷惑となる、又は音量が小さ過ぎて聞こえないことが問題であった。
【0004】
本発明の実施形態は、上記課題に鑑み、利用する場所に応じた適切な設定に基づいてデバイスを動作させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、デバイスを利用する場所に関する利用場所情報を前記デバイスのカメラ、センサ、及び通信機能の少なくとも一つを用いて取得する情報取得部と、前記利用場所情報に対応する設定値を取得する設定管理部と、前記設定値に基づいて、前記デバイスを動作させる実行部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、利用する場所に応じた適切な設定に基づいてデバイスを動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの概略図の一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るデバイスのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る利用場所に応じたデバイスの設定処理に関するシーケンスの一例を示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る設定情報の一例を示す図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係る第2の設定情報の一例を示す図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係るデバイスの設置場所の一例を示す図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態に係る第3の設定情報の一例を示す図である。
【
図10】本発明の第1の実施形態に係る第4の設定情報の一例を示す図である。
【
図11】本発明の第1の実施形態に係る第5の設定情報の一例を示す図である。
【
図12】本発明の第1の実施形態に係る第6の設定情報の一例を示す図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係る外部デバイスと通信する構成の一例を示す図である。
【
図14】本発明の第2の実施形態に係る外部装置と通信する構成の一例を示す図である。
【
図15】本発明の第2の実施形態に係る情報処理システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。
【
図16】本発明の第2の実施形態に係る利用場所に応じたデバイスの設定処理に関するシーケンスの一例を示す図である。
【
図17】本発明の第2の実施形態に係る設定情報の一例を示す図である。
【
図18】本発明の第2の実施形態に係る利用場所に応じたデバイスの第2の設定処理に関するシーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係るデバイス、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
<システム概要>
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの概略図の一例を示す図である。情報処理システム1は、例えば、インターネット等の通信ネットワーク3に接続する会議端末4a、プロジェクタ4b、プリンタ4c、及び電子黒板4d等のデバイス4(又はエッジデバイスと呼んでもよい)とサーバ等の外部装置5を含む。デバイス4は、通信ネットワーク3を介して、外部装置5及びクラウドネットワーク2と通信することが可能である。また、デバイス4は、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信により、2つのデバイス4の間で直接通信を行うことも可能である。会議端末4aは、他の拠点のユーザと遠隔で会議を実行するためのデバイスであり、マイクで受信した音声情報(音声をデジタル化した情報)を他の拠点に送信し、他の拠点から受信した音声情報を用いて、音声をスピーカから出力する。ここで、音声は人間の声に限らず、音楽、背景雑音等を含む任意の音であってよい。会議端末4aは、遠隔会議を実行するための専用のデバイスであってもよいし、ノートパソコン、スマートフォン、タブレット端末等のデバイスにおいて、会議を行うためのアプリケーションを実行するものでもよい。
【0010】
情報処理システム1において、会議端末4aは、利用場所に関する情報を取得し、利用場所に応じた音量に対応する設定値に基づいて動作する。例えば、会議端末4aは、会議端末4aが設置された会議室の広さに応じて予め設定された音量で動作する。また、会議端末4aは、利用場所及び設定値に関する情報を他のデバイス4、外部装置5、又はクラウドネットワーク2から取得してもよい。利用場所に関する情報の取得方法、及び設定値の設定方法等の詳細は後述する。このようにして、会議端末4aは、利用する場所に応じた適切な設定に基づいて動作することが可能である。
【0011】
なお、
図1に示す情報処理システム1のシステム構成は一例である。例えば、通信ネットワーク3には、移動体通信、又は無線LAN等の無線通信による接続区間が含まれていても良い。また、デバイス4及び外部装置5の台数は、任意の台数であってよい。
【0012】
<ハードウェア構成例(デバイス4)>
図2は、本発明の実施形態に係るデバイス4のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示されているように、デバイス4は、CPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、CMOSセンサ405、撮像素子I/F406、加速度・方位センサ407、メディアI/F409、GPS受信部411を備えている。
【0013】
これらのうち、CPU401は、デバイス4全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401やIPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御にしたがって、デバイス4用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405は、CPU401の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F406は、CMOSセンサ405の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ407は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F409は、フラッシュメモリ等の記録メディア408に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部411は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0014】
また、デバイス4は、遠距離通信回路412、CMOSセンサ413、撮像素子I/F414、マイク415、スピーカ416、音入出力I/F417、ディスプレイ418、外部機器接続I/F(Interface)419、近距離通信回路420、近距離通信回路420のアンテナ420a、及びタッチパネル421を備えている。
【0015】
これらのうち、遠距離通信回路412は、通信ネットワーク3を介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ413は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F414は、CMOSセンサ413の駆動を制御する回路である。マイク415は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ416は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F417は、CPU401の制御に従ってマイク415及びスピーカ416との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ418は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F419は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路420は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル421は、利用者がディスプレイ418を押下することで、デバイス4を操作する入力手段の一種である。
【0016】
また、デバイス4は、バスライン410を備えている。バスライン410は、
図2に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0017】
<ハードウェア構成例(外部装置5)>
図3は、本発明の実施形態に係る外部装置5を構成する情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示されるように、情報処理装置はコンピュータによって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0018】
これらのうち、CPU501は、情報処理装置全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク3を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図3に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0019】
また、キーボード511は、文字、数値、又は各種指示などの入力に使用される複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWドライブ514は、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0020】
<機能について>
図4は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1aにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。デバイス4は、情報取得部10、設定管理部11、実行部12、操作受付部13、表示制御部14、及び通信部15を有する。これら各部は、デバイス4にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU401が実行することで実現される機能又は手段である。記憶部16は、例えば、デバイス4が有するEEPROM404などの記憶装置によって実現可能である。
【0021】
情報取得部10は、デバイス4の利用場所に関する情報を取得する。取得方法の詳細は後述する。
【0022】
設定管理部11は、デバイス4が記憶している設定情報(例えば、出力音声の音量に関する設定情報)を管理し、設定情報に基づいて、デバイス4の利用場所に応じた設定値を取得する。また、設定管理部11は、設定情報において、該当する利用場所に応じた設定値が存在しない場合は、予め定めた初期設定値を取得する。
【0023】
実行部12は、設定管理部11が取得したデバイス4の利用場所に応じた設定値に基づいて、デバイス4を動作させる。例えば、実行部12は、利用場所に応じた出力音声の音量に関する設定値に基づいて、音声をスピーカ416から出力する。或いは、実行部12は、利用場所に応じた印刷速度に関する設定値に基づいて、印刷を実行する。
【0024】
操作受付部13は、デバイス4のタッチパネル421等を介して、ユーザによる設定値の入力、文字入力、ボタンの押下などの操作を受け付ける。
【0025】
表示制御部14は、デバイス4のディスプレイ418に設定情報の入力画面等を表示する。
【0026】
通信部15は、デバイス4が有する通信機能であり、例えば、近距離通信により、他のデバイス4との通信を行い、情報の送受信を行う。また、通信部15は、通信ネットワーク3を介して外部装置5等と情報の送受信を行う。更に、通信部15は、デバイス4が設置された場所の付近に存在する近距離通信による通信が可能な他のデバイス4を検索し、検出する。
【0027】
記憶部16は、デバイス4の利用場所に関する情報(利用場所情報)と利用場所に対応した設定値を含む設定情報をデバイス4の記憶装置に記憶する。例えば、記憶部16は、デバイス4が出力する出力音声の音量に関する設定値を含む設定情報を記憶する。或いは、記憶部16は、デバイス4の印刷速度に関する設定値を含む設定情報を記憶する。
【0028】
<利用場所に応じたデバイスの設定処理>
図5は、本発明の第1の実施形態に係る利用場所に応じたデバイスの設定処理に関するシーケンスの一例を示す図である。本シーケンスでは、会議端末4a(以降、デバイス4とよぶ)は、利用場所に関する情報を取得し、取得した利用場所に応じた音量に対応する設定値に基づいて遠隔会議を行うための動作を実行する。以下、
図5の各ステップの処理について説明する。
【0029】
ステップS30:ユーザは、デバイス4を会議室又は会議スペース等の会議を開催する場所に設置する。
【0030】
ステップS31:デバイス4の情報取得部10は、デバイス4が設置された場所における利用場所に関する情報を取得する。取得方法は、例えば、次の4種類の方法がある。
【0031】
第1の取得方法:デバイス4のCMOSセンサ413を用いたカメラにより撮影した画像、又は光、電磁波、超音波等を用いたセンサにより、デバイス4が設置された場所の空間の種類(部屋、又は仕切り無しの空間)、空間の広さ等に関する情報を利用場所に関する情報として取得する。
【0032】
第2の取得方法:デバイス4のGPS受信部411が、GPS衛星から受信したGPS信号を用いることにより、デバイス4が設置された位置情報を取得する。
【0033】
第3の取得方法:デバイス4のアンテナ420aが、利用場所の候補となる幾つかの場所に設置されたビーコンタグを搭載した発信機から、発信機の識別IDを受信することにより、デバイス4の位置情報又は空間識別情報を取得する。
【0034】
第4の取得方法:デバイス4のCMOSセンサ413を用いたカメラにより、デバイス4の利用場所に予め配置した二次元バーコードを読込むことにより、位置情報等の利用場所に関する情報を取得する。
【0035】
また、第2、第3、第4の取得方法により取得した位置情報に基づいて、予め定めた会議室又は会議スペース等を特定する識別子(空間IDとよぶ)を取得するようにしてもよい。更に、会議室内における詳細な位置(例えば、地図上の表記において中央、右端等)を取得するようにしてもよい。
【0036】
ステップS32:デバイス4の設定管理部11は、デバイス4が記憶している出力音声の音量に関する設定情報において、情報取得部10が取得した利用場所に関する情報に対応する設定値が存在するか否かを確認する。設定管理部11は、該当する設定値が存在しない場合(設置した場所でデバイス4を初めて利用する場合等)は、予め定めた初期設定値を取得して、処理をステップS34に遷移させる。
【0037】
ステップS33:デバイス4の設定管理部11は、デバイス4が記憶している出力音声の音量に関する設定情報において、情報取得部10が取得した利用場所に関する情報に対応する設定値を取得する。
【0038】
ここで、出力音声の音量に関する設定情報に関して説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る設定情報の一例を示す図である。
図6の設定情報70は、利用場所情報71、音量74、設定値75の項目を有する。利用場所情報71は、デバイス4を利用する場所に関する情報であり、種類72と広さ73の項目を有する。種類72は、デバイス4が設置された場所の空間の種類(部屋、又は仕切り無しの空間など)である。広さ73は、デバイス4が設置された場所の空間の広さである。種類72と広さ73は、例えば、ステップS31で説明した第1の取得方法により取得することが可能である。音量74は、利用場所情報71で示される空間において出力する音声の適切な音量であり、単位はデシベル(dB)である。例えば、広さ73が広い程、音量74を高く設定する。設定値75は、デバイス4のスピーカ416から音量74で示される物理的な音量の音声を出力するために、デバイス4において設定される値である。
【0039】
また、出力音声の音量に関する設定情報の他の一例を説明する。
図7は、本発明の第1の実施形態に係る第2の設定情報の一例を示す図である。
図7の設定情報76は、空間ID77、音量78、及び設定値79の項目を有する。空間ID77は、例えば、ステップS31で取得した位置情報に基づいて、会議室又は会議スペース等を特定するための予め定めた識別子である。音量78と設定値79は、
図6で説明した利用場所情報71に対して定められる音量74、設定値75と同様に、空間ID77に対してそれぞれ定められる。
【0040】
更に、会議室内におけるデバイス4の設置場所の指定が可能な設定情報について説明する。
図8は、本発明の第1の実施形態に係るデバイスの設置場所の一例を示す図である。
図8の会議室60では、デバイス61が会議室60内の右端に設置されており、一方、会議室62では、会議室62内の中央に設置されている。ここで、デバイスと席の位置関係を考慮すると、席から距離が遠い位置にあるデバイス61は、デバイス63よりも音量を大きくすることが適切である。
図9は、本発明の第1の実施形態に係る第3の設定情報の一例を示す図である。
図9の設定情報80は、利用場所情報81、音量84、設定値85の項目を有する。利用場所情報81は、デバイス4を利用する場所に関する情報であり、空間ID82と設置場所83の項目を有する。音量84と設定値85は、
図7に示したそれぞれ音量78と設定値79と同じである。従って、空間ID82が「会議室A」の場合、「会議室A」内における設置場所83が「中央」と「右端」に対して、それぞれ音量84と設定値85を設定することが可能であり、「右端」では「中央」よりも大きい音量となるように設定されている。
図5に戻って説明する。
【0041】
ステップS34:デバイス4の実行部12は、ステップS32で取得した初期設定値、又はステップS33で取得した設定値に基づいて、会議における音声をスピーカ416から出力する。
【0042】
以降のステップでは、ユーザが設定情報の設定値を変更する処理を説明する。
【0043】
ステップS35:デバイス4の操作受付部13は、ユーザによる設定値を変更する操作をうけつける。
図10は、本発明の第1の実施形態に係る第4の設定情報の一例を示す図である。
図10の設定情報90は、利用場所情報71、音量74、設定値75の項目を有し、これらは、
図6の設定情報70と同じ項目である。これらの項目の下に記載されている5行の情報において、2行目の情報がステップS32において追加された情報であり、設定値75の項目に初期値である「2」が設定されている。次に、
図11は、本発明の第1の実施形態に係る第5の設定情報の一例を示す図である。
図11の設定情報91も同様に、
図6の設定情報70と同じ項目を有し、2行目の情報に対して、本ステップS35において、ユーザが設定値75の項目に設定されている値を初期値「2」から「3」に更新している。この更新した値「3」は、デバイス4を設置した部屋の広さ73が「30」であり、既に1行目と3行目に設定されている広さ73が「20」と「40」、設定値75が「2」と「4」の情報に基づいて、それらの中間値としている。或いは、ユーザが設定値を更新するのではなく、デバイス4の設定管理部11が、
図10の設定情報90における広さ73と設定値75の関係に基づいて、同様に中間値である「3」を算出することにより設定値を更新してもよい。
図5に戻って説明する。
【0044】
ステップS36:デバイス4の設定管理部11は、ステップS35でユーザにより更新された設定値を取得する。デバイス4の記憶部16は、取得した設定値を含む更新された設定情報を記憶する。
【0045】
ステップS37:ステップS34と同様の手順で、デバイス4の実行部12は、ステップS36で取得した設定値に基づいて、会議における音声をスピーカ416から出力する。
【0046】
以上の処理により、情報処理システム1では、デバイス4は、利用する場所に応じた適切な設定に基づいて動作することが可能である。
【0047】
<変形例>
第1の実施形態の変形例として、
図5に示したシーケンスにおいて利用した出力音声の音量に関する設定情報に関して、音声(音)の周波数に関する項目を追加した設定情報について説明する。
図12は、本発明の第1の実施形態に係る第6の設定情報の一例を示す図である。
図12の設定情報92には、
図6の設定情報70が有する利用場所情報71、音量74、設定値75の項目に加えて、周波数93の項目が追加されている。従って、設定情報92では、デバイス4が出力する音声の周波数に応じて異なる音量の設定値75を設定することが可能である。人間が知覚する音声の音量は、周波数に応じて異なることが知られており、例えば、周波数が1000Hzで音量が40dBの音声信号は、周波数が125Hzでは音量が60dB、周波数が63Hzでは73dBの音声信号と同等の音量である結果が得られている。即ち、1000kHzよりも低い周波数の音声に対しては、音量を大きくすることで、聞き取りにくさを改善することが可能である。設定情報92では、125kHzと63kHzの周波数の音声が1000kHzの音声と同等に知覚される音量に設定されている。ただし、実際の音声には、複数の周波数成分が含まれることから、例えば、出力する音声信号をフーリエ変換等により周波数領域に変換して、最も高いパワーを有する周波数を算出し、算出した周波数に最も近い周波数93に対応する設定値75を用いるようにしてもよい。また、1000kHz以外の周波数93に対応する音量74と設定値75の値は、前述の規則に基づいてユーザが算出して設定するのではなく、デバイス4が値を自動的に算出して設定するようにしてもよい。また、周波数93と音量74の関係、音量74と設定値75の関係について、それぞれ別々に情報を管理してもよい。
【0048】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態について、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。第2の実施形態では、デバイス4は、利用場所に関する情報等を他のデバイス又はサーバ等の外部装置から取得することが可能である。
図13は、本発明の第2の実施形態に係る外部デバイスと通信する構成の一例を示す図である。
図13の情報処理システム1bは、デバイス4と外部デバイス4eを有する。デバイス4は、第1の実施形態と同様に、会議端末4a等のユーザが利用するために会議室等に設置するデバイスである。外部デバイス4eは、ユーザがデバイス4を設置する会議室等に既に設置されているデバイスである。デバイス4は、外部デバイス4eとBluetooth(登録商標)等の近距離通信を行うことにより、利用場所及び設定値に関する情報を外部デバイス4eから取得することが可能である。また、
図14は、本発明の第2の実施形態に係る外部装置と通信する構成の一例を示す図である。
図14の情報処理システム1cは、インターネット等の通信ネットワーク3に接続可能なデバイス4、外部デバイス4e、及びサーバ等の外部装置5を有する。情報処理システム1cでは、デバイス4は、外部デバイス4eとの近距離通信のみでなく、通信ネットワーク3を介して、外部装置5と通信を行うことが可能であり、利用場所及び設定値に関する情報を外部デバイス4eから取得することが可能である。
【0049】
<機能について>
図15は、本発明の第2の実施形態に係る情報処理システム1b、1cにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。情報処理システム1b、1cは、デバイス4と外部デバイス4e、及び外部装置5を有する。デバイス4、外部デバイス4e、及び外部装置5は、
図4に示したデバイス4と同一の機能又は手段を有する。デバイス4の情報取得部10、設定管理部11、実行部12、操作受付部13、表示制御部14、通信部15、及び記憶部16は、外部デバイス4e、及び外部装置5のそれぞれ情報取得部20、設定管理部21、実行部22、操作受付部23、表示制御部24、通信部25、及び記憶部26と同一の機能又は手段である。
【0050】
<第2の実施形態におけるデバイスの設定処理>
図16は、本発明の第2の実施形態に係る利用場所に応じたデバイスの設定処理に関するシーケンスの一例を示す図である。本シーケンスでは、会議端末4a(以降、デバイス4とよぶ)は、外部デバイス4eと近距離通信を行うことにより、利用場所に関する情報を取得し、利用場所に応じた音量に対応する設定値に基づいて遠隔会議を行うための動作を実行する。以下、
図16の各ステップの処理について説明する。
【0051】
ステップS40:ユーザは、デバイス4を会議室又は会議スペース等の会議を開催する場所に設置する。
【0052】
ステップS41:デバイス4の通信部15は、デバイス4が設置された場所の付近に存在する近距離通信による通信が可能なデバイスを検索し、外部デバイス4eを検出する。
【0053】
ステップS42:デバイス4の通信部15は、近距離通信を用いて、デバイス4が設置された場所における利用場所に関する情報を要求するメッセージを外部デバイス4eの通信部25に送信する。
【0054】
ステップS43:外部デバイス4eの通信部25は、要求された利用場所に関する情報として、利用場所の識別子(会議室A)をデバイス4の通信部15に送信する。ここで、利用場所の識別子は、例えば、
図7の空間ID77に相当する情報である。
【0055】
ステップS44:デバイス4の設定管理部11は、受信した利用場所に関する情報に基づいて、利用場所に応じた音量に対応する設定値を取得する。例えば、設定管理部11は、デバイス4が記憶している
図7の設定情報76に基づいて、空間ID77が「会議室A」に対応する設定値79である「2」を取得する。
【0056】
ステップS45:デバイス4の実行部12は、ステップS44で取得した設定値に基づいて、会議における音声をスピーカ416から出力する。
【0057】
以上の処理により、情報処理システム1bでは、デバイス4は、外部デバイス4eから利用場所に関する情報を取得することにより、利用する場所に応じた適切な設定に基づいて動作することが可能である。
【0058】
<第1の変形例>
第2の実施形態の第1の変形例について説明する。第1の変形例は、
図16に示したシーケンスにおいて、ステップS43及びS44の処理が異なる。以下、ステップS43及びS44に対応する第1の変形例における処理(ステップS43´及びS44´)について説明する。
【0059】
ステップS43´:外部デバイス4eの通信部25は、要求された利用場所に関する情報として、外部デバイス4eの識別子(例えば、電子黒板A)をデバイス4の通信部15に送信する。
【0060】
ステップS44´:デバイス4の設定管理部11は、受信した利用場所に関する情報に基づいて、利用場所に応じた音量に対応する設定値を取得する。
図17は、本発明の第2の実施形態に係る設定情報の一例を示す図である。
図17の設定情報94は、外部デバイスID95、音量74、及び設定値75の項目を有する。外部デバイスID95は、デバイスを特定する識別子である。音量78と設定値79は、
図6で説明した利用場所情報71に対して定められる音量74、設定値75と同様に、外部デバイスID95で特定されるデバイスに対して定められる値である。設定管理部11は、デバイス4が記憶している
図17の設定情報94に基づいて、外部デバイスID95が「電子黒板A」に対応する設定値75である「2」を取得し、取得した値をデバイス4が用いる利用場所に応じた音量に対応する設定値とする。
【0061】
以上の処理により、情報処理システム1bでは、デバイス4は、外部デバイス4eから利用場所に関する情報として外部デバイス4eの識別子を取得することにより、利用する場所に応じた適切な設定に基づいて動作することが可能である。
【0062】
<第2の変形例>
第2の実施形態の第2の変形例について説明する。
図18は、本発明の第2の実施形態に係る利用場所に応じたデバイスの第2の設定処理に関するシーケンスの一例を示す図である。本シーケンスでは、デバイス4は、
図16のシーケンスと同様の手順で、外部デバイス4eから利用場所における設定値に関する情報を取得することにより、利用場所に応じた音量に対応する設定値に基づいて遠隔会議を行うための動作を実行する。以下、
図18の各ステップの処理について説明する。
【0063】
ステップS50:ユーザは、デバイス4を会議室又は会議スペース等の会議を開催する場所に設置する。
【0064】
ステップS51:デバイス4の通信部15は、デバイス4が設置された場所の付近に存在する近距離通信による通信が可能なデバイスを検索し、外部デバイス4eを検出する。
【0065】
ステップS52:デバイス4の通信部15は、近距離通信を用いて、利用場所における設定値に関する情報を要求するメッセージを外部デバイス4eの通信部25に送信する。
【0066】
ステップS53:外部デバイス4eの設定管理部21は、受信した要求メッセージに応じて、利用場所における設定値を取得する。例えば、設定管理部21は、外部デバイス4eが記憶している
図17の設定情報94に基づいて、外部デバイス4eの外部デバイスID95である「電子黒板A」に対応する設定値75である「2」をデバイス4に送信する設定値として取得する。
【0067】
ステップS54:外部デバイス4eの通信部25は、取得した設定値をデバイス4の通信部15に送信する。
【0068】
ステップS55:デバイス4の実行部12は、ステップS54で外部デバイス4eから受信した設定値に基づいて、会議における音声をスピーカ416から出力する。
【0069】
以上の処理により、情報処理システム1bでは、デバイス4は、外部デバイス4eから利用場所における設定値に関する情報を取得することにより、利用する場所に応じた適切な設定に基づいて動作することが可能である。また、デバイス4は、設定値を特定する機能の実行及び設定情報の記憶等の必要がないことから、デバイス4における処理及びメモリ等のリソースを他の処理に割当てる等により有効に利用することが可能である。
【0070】
<第3の変形例>
第2の実施形態の第3の変形例について説明する。第3の変形例では、
図14に示した情報処理システム1cにおいて、デバイス4は、外部装置5から利用場所に関する情報を受信する。即ち、
図16又は
図18に示したシーケンスにおいて、デバイス4は、外部デバイス4eからではなく、外部装置5から利用場所に関する情報を取得する。ここで、
図16又は
図18に示したシーケンスにおいて、外部デバイス4eは、デバイス4に近接した位置にあるため、外部デバイス4eは、デバイス4と同じ位置にあるとして、外部デバイス4eは、デバイス4の設置場所に関する情報を取得できた。しかし、外部装置5は、必ずしもデバイス4の近接した位置にあるわけではないため、デバイス4の設置場所を特定する必要がある。従って、外部装置5は、例えば、デバイス4が接続した通信ネットワーク3の情報(IPアドレス等)を用いることにより、デバイス4の設置場所を特定した後、デバイス4の利用場所に関する情報を取得する。
【0071】
このようにして、デバイス4は、外部装置5から受信した利用場所に関する情報に基づいて、利用場所に応じた音量に対応する設定値を取得することにより、利用する場所に応じた適切な設定に基づいて動作することが可能である。
【0072】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態について説明する。第1及び第2の実施形態においては、デバイス4は、会議端末4aであることを想定していた。第3の実施形態では、第1及び第2の実施形態と同様の手順により、プロジェクタ4b又は電子黒板4dが、スピーカから音声を出力する場合において、出力する音声の音量に関する設定に対して、利用場所に応じた音量に対応する設定値を取得する。これにより、プロジェクタ4b又は電子黒板4dは、利用する場所に応じた適切な設定に基づいて動作することが可能である。
【0073】
或いは、デバイス4が、プリンタ4cである場合、利用場所に応じた印刷速度に対応する設定値を取得する。ここで、印刷速度が速い程、印刷時に発生する音が大きくなる関係があることから、予め印刷速度と発生する音の音量の関係、及び利用場所の種類と広さに対する適切な音量の関係を算出し、利用場所と印刷速度の関係に関する設定情報を作成する。これにより、プリンタ4cは、利用する場所に応じた適切な設定に基づいて動作(印刷を実行)することが可能である。
【0074】
以上、本発明を実施するための幾つかの形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0075】
例えば、
図4及び
図15の機能ブロックの構成図の一例は、情報処理システム1を構成するデバイス4による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。デバイス4における処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0076】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0077】
また、記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、情報処理システム1は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0078】
本発明の様態は、例えば、以下のとおりである。
<1>
デバイスを利用する場所に関する利用場所情報を前記デバイスのカメラ、センサ、及び通信機能の少なくとも一つを用いて取得する情報取得部と、
前記利用場所情報に対応する設定値を取得する設定管理部と、
前記設定値に基づいて、前記デバイスを動作させる実行部と、
を有するデバイス。
<2>
前記情報取得部は、前記利用場所情報として、前記デバイスが設置された位置情報を取得する前記<1>に記載のデバイス。
<3>
前記情報取得部は、前記利用場所情報として、前記デバイスが設置された場所の広さを取得する前記<1>に記載のデバイス。
<4>
前記情報取得部は、前記利用場所情報として、前記デバイスが設置された場所を特定する識別子を取得する前記<1>に記載のデバイス。
<5>
前記情報取得部は、前記利用場所情報として、前記デバイスが設置された部屋における位置を取得する前記<1>、<3>、又は<4>のいずれかに記載のデバイス。
<6>
予め定めた前記利用場所情報と前記設定値の関係を含む設定情報を記憶する記憶部を更に有し、
前記設定管理部は、前記設定情報を用いて、前記設定値を取得する前記<1>に記載のデバイス。
<7>
前記実行部は、前記設定値に基づいた音量の音を前記デバイスのスピーカから出力する前記<1>乃至<6>のいずれかに記載のデバイス。
<8>
前記設定管理部は、前記音の周波数に応じた前記設定値を取得する前記<7>に記載のデバイス。
<9>
前記実行部は、前記設定値に基づいた印刷速度で印刷を実行する前記<1>乃至<6>のいずれかに記載のデバイス。
<10>
前記情報取得部が取得する前記利用場所情報を外部デバイスから受信する通信部を更に有する前記<1>乃至<9>のいずれかに記載のデバイス。
<11>
前記通信部は、前記外部デバイスから前記外部デバイスを識別するための識別子を受信し、
前記情報取得部は、前記利用場所情報として、前記識別子を取得する前記<10>に記載のデバイス。
<12>
デバイスと、前記デバイスと通信が可能な外部デバイスを有する情報処理システムであって、
前記外部デバイスは、
前記デバイスからの要求に応じて、前記デバイスを利用する場所に関する利用場所情報を前記デバイスに送信する通信部と、
を有し、
前記デバイスは、
前記外部デバイスから受信した前記利用場所情報を取得する情報取得部と、
前記利用場所情報に対応する設定値を取得する設定管理部と、
前記設定値に基づいて、前記デバイスを動作させる実行部と、
を有するデバイスと、
を有する情報処理システム。
<13>
前記外部デバイスの前記通信部は、前記利用場所情報として、前記デバイスが設置された位置情報を前記デバイスに送信し、
前記デバイスの前記情報取得部は、前記利用場所情報として、前記位置情報を取得する前記<12>に記載の情報処理システム。
<14>
前記外部デバイスの前記通信部は、前記利用場所情報として、前記デバイスが設置された場所の広さを前記デバイスに送信し、
前記デバイスの前記情報取得部は、前記利用場所情報として、前記場所の広さを取得する前記<12>に記載の情報処理システム。
<15>
前記外部デバイスの前記通信部は、前記利用場所情報として、前記デバイスが設置された場所を特定する識別子を前記デバイスに送信し、
前記デバイスの前記情報取得部は、前記利用場所情報として、前記識別子を取得する前記<12>に記載の情報処理システム。
<16>
前記デバイスは、予め定めた前記利用場所情報と前記設定値の関係を含む設定情報を記憶する記憶部を更に有し、
前記設定管理部は、前記設定情報を用いて、前記設定値を取得する前記<12>に記載の情報処理システム。
<17>
前記実行部は、前記設定値に基づいた音量の音を前記デバイスのスピーカから出力する前記<12>乃至<16>のいずれかに記載の情報処理システム。
<18>
前記設定管理部は、前記音の周波数に応じた前記設定値を取得する前記<17>に記載の情報処理システム。
<19>
デバイスが実行する情報処理方法であって、
前記デバイスを利用する場所に関する利用場所情報を前記デバイスのカメラ、センサ、及び通信機能の少なくとも一つを用いて取得するステップと、
前記利用場所情報に対応する設定値を取得するステップと、
前記設定値に基づいて、前記デバイスを動作させるステップと、
を有する情報処理方法。
<20>
デバイスを利用する場所に関する利用場所情報を前記デバイスのカメラ、センサ、及び通信機能の少なくとも一つを用いて取得するステップ、
前記利用場所情報に対応する設定値を取得するステップ、
前記設定値に基づいて、前記デバイスを動作させるステップ、
をデバイスに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0079】
1 情報処理システム
2 クラウドネットワーク
3 通信ネットワーク
4 デバイス
4a 会議端末
4b プロジェクタ
4c プリンタ
4d 電子黒板
4e 外部デバイス
5 外部装置
10、20 情報取得部
11、21 設定管理部
12、22 実行部
13、23 操作受付部
14、24 表示制御部
15、25 通信部
16、26 記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】