(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023172796
(43)【公開日】2023-12-06
(54)【発明の名称】測長ユニット、および、測長ユニットを用いた魚介類または農作物の測長方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/02 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
G01B11/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084863
(22)【出願日】2022-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 誠
(72)【発明者】
【氏名】松村 真史
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA22
2F065CC16
2F065DD03
2F065DD06
2F065FF16
2F065FF23
2F065FF67
2F065GG04
2F065HH04
2F065MM14
2F065UU03
2F065UU04
(57)【要約】
【課題】 魚介類や農作物といった測定しづらい対象に対し、安価でありながらも正確に効率的に測定データを得ることができる測長ユニットを提供する。
【解決手段】
測長ユニットは、測定対象物の長さ方向に平行に設置されるスケールと、スケールの長さ方向にスライドするスライダと、スライダのスケールに対する相対変位または絶対位置を検出する位置検出手段と、スライダと一体的に移動して、測定対象物上の測定ポイントを指し示すポインター手段と、を備える。ポインター手段は、スライダに保持され、スライダの側から測定対象物に向けてレーザー光を発射するレーザー光発射装置である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚介類または農作物の生育状態を調べるために魚介類または農作物を測定対象物としてその寸法を測定する測長ユニットであって、
測定対象物から離間した位置で測定対象物の長さ方向に平行に設置されるスケールと、
前記スケールの長さ方向にスライドするスライダと、
前記スライダの前記スケールに対する相対変位または絶対位置を検出する位置検出手段と、
前記スライダと一体的に移動して、測定対象物上の測定ポイントを指し示すポインター手段と、を備える
ことを特徴とする測長ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の測長ユニットにおいて、
前記ポインター手段は、
前記スライダに保持され、前記スライダの側から前記測定対象物に向けてレーザー光を発射するレーザー光発射装置である
ことを特徴とする測長ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の測長ユニットにおいて、
前記レーザー光発射装置から発射されるレーザー光がライン状である
ことを特徴とする測長ユニット。
【請求項4】
請求項1に記載の測長ユニットにおいて、
測定対象物を設置する測定対象物設置用ユニットには、測定対象物に隣接または近位する位置において、設置される測定対象物の長さ方向に平行な方向に長さを有しかつ設置面に垂直な方向に起立した壁が設けられており、
前記スケールは、前記壁に着脱可能に取り付けられる
ことを特徴とする測長ユニット。
【請求項5】
請求項4に記載の測長ユニットにおいて、
前記スライダには、平面視において、前記設置面に平行であってかつ測定対象物の長さ方向に直交する方向に延在するポインター保持部が設けられ、
前記ポインター手段が前記ポインター保持部に保持されている
ことを特徴とする測長ユニット。
【請求項6】
請求項5に記載の測長ユニットにおいて、
前記ポインター手段は、前記スライダに保持され、前記スライダの側から前記測定対象物に向けてレーザー光を発射するレーザー光発射装置であり、
レーザー光発射装置は、前記ポインター保持部に保持された状態で測定対象物に対して垂直にレーザー光を投射する
ことを特徴とする測長ユニット。
【請求項7】
請求項1に記載の測長ユニットにおいて、
前記位置検出手段で検出された検出値に基づく測定値を有線または無線で外部に出力するデータ出力手段を有する
ことを特徴とする測長ユニット。
【請求項8】
魚介類または農作物の生育状態を調べるために魚介類または農作物を測定対象物としてその寸法を、請求項1に記載の測長ユニットを用いて測定する方法であって、
測定対象物の設置個所に物差しまたは巻き尺をセットして、前記物差しまたは巻き尺の目盛りに測定ポイントを合わせた状態で前記位置検出手段のカウンターを校正し、
前記物差しまたは巻き尺に代えて測定対象物を設置し、
測定対象物上の所望の測定点を前記ポインター手段の測定ポイントが指すように前記スライダを移動させ、測定値を取得する
ことを特徴とする魚介類または農作物の測長方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測長ユニット、および、測長ユニットを用いた魚介類または農作物の測長方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水産業において漁業資源の管理を目的に魚類などの生育度合いを調査するための魚体長調査が広く各地の水産試験場や漁業協同組合などで実施をされており、漁業資源を有効活用するための調査・研究に供されている。また昨今漁業資源の保護が叫ばれる中で魚体長調査の重要性はより増し、計測の頻度、サンプルの計測数共に増加の傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平04-85102
【特許文献2】実開昭58-47821
【特許文献3】特開2001-350191
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら現状は物差しや巻き尺(メジャー)等の計測盤による目視計測が主となっている。
漁場や水揚げ後の作業場にて計測盤の基準となる面に貼られた竹尺(もしくは金尺)の目盛りを作業者が読み取って、その数値を紙媒体に記録し、事務所などへ戻ってからその数値(データ)をキーボードからの入力でコンピュータ等に記録している現状があり、その調査作業の効率化が求められている。特に計測作業には計測者と記録者の2名で実施をされており、人員や工数確保の観点から必要な調査がしきれていない状況となっている。
【0005】
なお、画像測定装置やレーザー測距計などを導入すれば、目視計測やデータ手入力のような問題は解決できるだろうが、画像測定装置やレーザー測距計は極めて高額な測定装置である。しかも、漁場(漁船)や水揚げ後の作業場で塩水をかぶってしまうような環境では高価な精密測定機を導入することはかなり難しい。
【0006】
同様な問題は、農作物の測長にも言えることである。
【0007】
魚介類や農作物といった測定しづらい対象に対し、安価でありながらも正確に効率的に測定データを得ることができる測長ユニットが切望されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の測長ユニットは、
魚介類または農作物の生育状態を調べるために魚介類または農作物を測定対象物としてその寸法を測定する測長ユニットであって、
測定対象物から離間した位置で測定対象物の長さ方向に平行に設置されるスケールと、
前記スケールの長さ方向にスライドするスライダと、
前記スライダの前記スケールに対する相対変位または絶対位置を検出する位置検出手段と、
前記スライダと一体的に移動して、測定対象物上の測定ポイントを指し示すポインター手段と、を備える
ことを特徴とする。
【0009】
本発明の一実施形態では、
前記ポインター手段は、
前記スライダに保持され、前記スライダの側から前記測定対象物に向けてレーザー光を発射するレーザー光発射装置である
ことが好ましい。
【0010】
本発明の一実施形態では、
前記レーザー光発射装置から発射されるレーザー光がライン状である
ことが好ましい。
【0011】
本発明の一実施形態では、
測定対象物を設置する測定対象物設置用ユニットには、測定対象物に隣接または近位する位置において、設置される測定対象物の長さ方向に平行な方向に長さを有しかつ設置面に垂直な方向に起立した壁が設けられており、
前記スケールは、前記壁に着脱可能に取り付けられる
ことが好ましい。
【0012】
本発明の一実施形態では、
前記スライダには、平面視において、前記設置面に平行であってかつ測定対象物の長さ方向に直交する方向に延在するポインター保持部が設けられ、
前記ポインター手段が前記ポインター保持部に保持されている
ことが好ましい。
【0013】
本発明の一実施形態では、
前記ポインター手段は、前記スライダに保持され、前記スライダの側から前記測定対象物に向けてレーザー光を発射するレーザー光発射装置であり、
レーザー光発射装置は、前記ポインター保持部に保持された状態で測定対象物に対して垂直にレーザー光を投射する
ことが好ましい。
【0014】
本発明の一実施形態では、
前記位置検出手段で検出された検出値に基づく測定値を有線または無線で外部に出力するデータ出力手段を有する
ことが好ましい。
【0015】
本発明の魚介類または農作物の測長方法は、
魚介類または農作物の生育状態を調べるために魚介類または農作物を測定対象物としてその寸法を、前記測長ユニットを用いて測定する方法であって、
測定対象物の設置個所に物差しまたは巻き尺をセットして、前記物差しまたは巻き尺の目盛りに測定ポイントを合わせた状態で前記位置検出手段のカウンターを校正し、
前記物差しまたは巻き尺に代えて測定対象物を設置し、
測定対象物上の所望の測定点を前記ポインター手段の測定ポイントが指すように前記スライダを移動させ、測定値を取得する
ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図3】レーザー光発射装置の設置態様を例示する図である。
【
図4】測長ユニットの校正を行う様子を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態を説明する。
本実施形態は、魚介類または農作物の生育状態を調べるために魚介類または農作物を測定対象物としてその寸法を測定する測長ユニットである。
ここでは、測定対象物として魚を例にし、魚体長を測定する。
【0018】
図1は、測長ユニットの全体的な外観図である。
測長ユニット100は、魚載置用ユニット(測定対象物設置用ユニット)800に取り付けられている。
まず、魚載置用ユニット800を説明する。
魚載置用ユニット800は、ベース板810と、突当て壁820と、側壁830と、を有する。
ベース板810は、魚を載置するための平面的な板であり、ここでは矩形である。
突当て壁820は、ベース板810の一辺に起立するように立設されている。測定対象物の先端を突当て壁820に突き当てることで、測定対象物をセットするときの始点(原点)を合わせるためのものである。また、測定値を校正あるいは置数するとき、物差しまたは巻き尺(メジャー)の原点(つまりゼロ)を突当て壁820に突き当てることで原点を合わせることができる。いま、ベース板810において、突当て壁820が設けられている辺を基辺811と称することにする。
【0019】
側壁830は、ベース板810において突当て壁820が設けられている基辺811と交差(直交)する他辺に起立するように立設されている。ベース板810において、側壁830が設けられている他辺を測長辺812と称することにする。
側壁830は、測定対象物(魚体)をベース板810にセットしたとき、測定対象物(魚体)の長さ方向に平行な方向に長さを有する平板である。ここでは、側壁830は矩形の板であり、ベース板810の測長辺812に垂直に起立している。側壁830の上端は、測長ユニット100の設置個所になっている。すなわち、測長ユニット100は側壁830の上端に取り付けられる。したがって、側壁830の上端は、測定対象物(魚体)の長さ方向に平行な面(線)になっていることが好ましい。
【0020】
次に、測長ユニット100の構成を説明する。
測長ユニット100は、リニアエンコーダ部200と、固定具300と、レーザー光発射装置400と、を備える。
【0021】
リニアエンコーダ部200は、長手直線状のスケール210と、スケール210の長さ方向にスライドするスライダ220と、位置検出手段と、を有する。
位置検出手段は、スケール210上に設けられたスケールパターン(不図示)と、スライダ220に設けられ前記スケールパターンから相対変位または絶対位置を読み取る検出ヘッド(不図示)と、を有する。エンコーダの位置検出手段の検出方式としては、光電式、静電容量式、電磁誘導式、磁気式などがある。リニアエンコーダの原理自体は既知のものであるので詳しい説明は省略する。
【0022】
リニアエンコーダは測長器として確立された技術であり、比較的安価でありながらも魚介類または農作物の測長手段としては十分な分解能および測定精度をもっている。また、リニアエンコーダは、工業製品の加工工場など水、油、粉塵などがある苛酷な環境でも使用できるように防水、防塵機構を有するので、魚介類または農作物を測定するにあたって塩水や土がリニアエンコーダ部200にかかったとしても特段問題にはならない。
【0023】
スライダ220のおもて面には、測定値を表示する表示部221(デジタル表示部)と、設定ボタン222と、が設けられている。また、スライダ220の上面端には送信器(データ出力手段)223が着脱できるポートが設けられている。
【0024】
スライダ220には電装部(不図示)が配設されており、電装部には、制御回路として、信号演算処理部、カウンタ、表示制御部、中央処理部、各種メモリなどが搭載されている。
【0025】
固定具300は、スケール210の両端にそれぞれ設けられている。
図2は、固定具300の拡大図である。
固定具300は、側壁830の上端を受け入れるコ字形金具310と、コ字形金具310の一方片311に螺入された押付けネジ部320と、を有する。
コ字形金具310の内側に側壁830の上端が入るようにリニアエンコーダ部200を側壁830の上端に置き、押付けネジ部320を回して前進させる。すると、押付けネジ部320が側壁830をコ字形金具310の他方片312に押し付けて、押付けネジ部320と他方片との間に側壁830を挟持した状態でリニアエンコーダ部200が側壁830の上端に取り付け固定される。これにより、スケール210は、測定対象物(魚体)の長さ方向に平行に設置される。
【0026】
なお、スケール210は、すべての測定対象物(魚体)の長さ全体に渡るような長尺である必要はなく、測定対象物(魚体)の長さの変動分をカバーできる長さがあればよい。例えば、同じ種類の魚の魚体長を次々に数百匹分測定するとして、測定値がおおよそ250mm(25cm)~350mm(35cm)に収まるとすれば、スケール長(測定範囲)は100mm(10cm)あればよい。極端な例でいうと、測定値がおおよそ1500mm(150cm)~1600mm(160cm)に収まるとすれば、スケール長(測定範囲)は100mm(10cm)あればよい。スケール210(リニアエンコーダ部200)を測定対象物(魚体)の末端あたりに合わせて設置し、位置検出手段のカウンタを測定値変動幅のおおよそ真ん中(例えば300mmや1550mm)に置数するように校正(オフセット)しておけばよい。
【0027】
図3は、レーザー光発射装置の設置態様を例示する図である。
レーザー光発射装置400は、スライダ220と一体的に移動して、測定対象物(魚体)上の測定ポイントを指し示すポインター手段である。
スライダ220のうら面には、レーザー光発射装置400を保持するポインター保持部230が取り付けられている。
ポインター保持部230は、L字形の金具であり、横梁部231と、レーザー取付面232と、を有する。横梁部231の先端からレーザー取付面232が直角に屈曲するように連続している。横梁部231の基端がスライダ220のうら面に取り付け固定され、横梁部231は、スライダ220とほぼ同じ高さの仮想平面上で、測定対象物(魚体)の長さ方向に対して直交する方向に延在する(例えば
図1参照)。レーザー取付面232は、横梁部231の先端において、測定対象物(魚体)から離れる方向(ここでは上方)に向けてL字に屈曲することで形成された平面である。
【0028】
レーザー光発射装置400は、点状、線状あるいは十字状のレーザー光を発射できる。
本実施形態では、ライン状(線状)のレーザー光を発射するレーザー光発射装置400を例示する。
レーザー光発射装置400は、いわゆる、レーザーポインター、ラインレーザーポインタ、レーザーレベルと称されるような市販の小型レーザー光発射モジュールであってもよい。レーザー光発射装置400は、ポインター保持部230のレーザー取付面232に取り付けられる。レーザー光発射装置400とレーザー取付面232とは、例えば、磁石で着脱できるようになっている。
【0029】
(測長手順)
測長ユニット100を用いた魚体長の測定手順を説明する。
まず、測長ユニット100の校正を行う。
図4は、測長ユニット100の校正を行う様子を例示した図である。まずは、魚ではなく、魚載置用ユニット800のベース板810に物差し(または巻き尺)840を置き、原点(ゼロ)を突当て壁820に突き当てる。
【0030】
いま、測長ユニット100(の制御回路)には基点プリセット値として300mm(所定の基点プリセット値)が設定登録されているとする。スライダ220のプリセット・原点ボタンを押すと、基点設定モードとなり、カウンタが300に設定され、表示部221に300(mm)が表示される。この状態で、スライダ220をスケール210に沿ってスライドさせて、レーザー光のポインタ(レーザーライン)が300mm(30cm)を指し示すように調整する。レーザー光のポインタ(レーザーライン)が300mm(30cm)に合ったところで、再度、プリセット・原点ボタンを押す。すると、測長ユニット100(の制御回路)は、基点設定モードを解除し、通常の測定モードに移行する。すなわち、レーザー光のポインタ(レーザーライン)が300mm(30cm)に合ったところでカウンタが300に校正される。この後、スライダ220の変位に応じて位置検出手段が変位パルスをカウントし、カウンタの値がインクリメント(デクリメント)されることで、スライダ220の位置が測定値として得られることになる。
【0031】
続いて、測定対象物としての魚の魚体長を測定する。物差し(または巻き尺)840に代えて測定対象物としての魚を魚載置用ユニット800のベース板810に置く。例えば
図1を参照されたい。このとき、魚体の頭部(つまり魚の口)を突当て壁820に当てる。
【0032】
次に、レーザー光のポインタ(レーザーライン)が魚体上の所望の測定点を指すようにスライダ220を移動させる。
図5は、魚体の測定項目を例示した図である。魚体の全長を測定する場合(
図5A)は、尾ひれの先にレーザー光のポインタ(レーザーライン)が合うようにスライダ220を移動させる。この状態で測定値をサンプリングする。
例えば、測定者の手元または足元にスイッチ(フットスイッチ)を置いておき、測定者はスイッチを押す(あるいは踏む)。すると、測定値が送信器(データ出力手段)223から外部のコンピュータに転送され、記録されていく。測定の順番を予め決めておき、外部のコンピュータに集計順をプログラムしておけば、自動的に集計データ表ができる。
図6は、集計データ表を例示した図である。
【0033】
標準魚体長(椎骨の最後端)(
図5B)、尾又長(
図5C)なども同様にして次々に測定していく。
魚体の全長などのように測定対象物の端(前端)と端(後端)との間の長さを測定する場合であれば、例えばノギスのように挟んで測定することもできるが、標準魚体長(椎骨の最後端)や尾又長のような途中までの長さを正確に測定するのは難しい。
この点、本実施形態の測長ユニット100であれば、上から照射するレーザー光のポインタ(レーザーライン)を所望の位置に合わせることで、測定対象物(魚体)の様々な箇所を正確にかつ簡単に測定できる。また、測定対象物(魚体)を挟んだり、押し付けたりする必要もないので、測定対象物(魚体)を損傷することがない。
【0034】
測定対象物(魚体)の測定対象箇所の測定値を全て得たら、次の測定対象物(魚体)に取り替えて、測定を次々に継続していく。
【0035】
このような構成を備えた本実施形態の測長ユニット100によれば、魚介類や農作物といった測定しづらい対象に対し、安価でありながらも正確に効率的に測定データを得ることができるようになる。
【0036】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、レーザー光発射装置は、前記ポインター保持部に保持された状態で測定対象物(魚体)に対して垂直にレーザー光を投射するだけでなく、斜め上からレーザー光を投射するようにしても良い。また、ポインター手段としてはレーザー光発射装置400に限られない。非接触で測定対象物(魚体)上の測定箇所を指し示せるものであればよい。例えば、スライダ220から測定対象物の側に向けて伸びる細い針でもよい。
【符号の説明】
【0037】
100 測長ユニット
200 リニアエンコーダ部
210 スケール
220 スライダ
221 表示部
222 設定ボタン
223 送信器(データ出力手段)
230 ポインター保持部
231 横梁部
232 レーザー取付面
300 固定具
310 コ字形金具
311 コ字形金具の一方片
312 コ字形金具の他方片
320 押付けネジ部
400 レーザー光発射装置
800 魚載置用ユニット(測定対象物設置用ユニット)
810 ベース板
811 基辺
812 測長辺
820 突当て壁
830 側壁
840 物差し(または巻き尺)