(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173327
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】搬送装置、画像形成装置、搬送方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B65H 23/192 20060101AFI20231130BHJP
B41J 11/42 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
B65H23/192
B41J11/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085494
(22)【出願日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】升永 傑
【テーマコード(参考)】
2C058
3F105
【Fターム(参考)】
2C058AB15
2C058AC07
2C058AE04
2C058AF20
2C058AF31
2C058GA02
2C058GB05
2C058GB20
2C058GB43
2C058GB53
2C058GE02
3F105AB04
3F105BA16
3F105CA13
3F105CB01
3F105CC01
3F105CC02
3F105DA23
3F105DB02
3F105DC03
3F105DC12
(57)【要約】
【課題】ロールメディアのロール径が変化しても狙い通りの搬送量を確保することができる搬送装置、画像形成装置、搬送方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】ロールメディアから記録媒体を給紙する給紙部と、記録媒体を搬送する搬送ローラと、搬送ローラにより搬送された記録媒体の実際の搬送量である実搬送量を取得する取得部と、理想の搬送量と、取得部により取得された実搬送量との差に基づいて、理想の搬送量に対する調整値を算出する第1算出部と、調整値とロールメディアのロール径とで定まる二次元座標平面において、第1算出部により算出された調整値と、実搬送量だけ記録媒体が搬送されたときのロールメディアのロール径とで定まる調整点についての近似線を算出する第2算出部と、近似線から、ロールメディアのロール径に対応する調整値を特定し、調整値により搬送ローラによる搬送量の補正を行う補正部と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールメディアから記録媒体を給紙する給紙部と、
前記記録媒体を搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラにより搬送された前記記録媒体の実際の搬送量である実搬送量を取得する取得部と、
理想の搬送量と、前記取得部により取得された前記実搬送量との差に基づいて、該理想の搬送量に対する調整値を算出する第1算出部と、
調整値と前記ロールメディアのロール径とで定まる二次元座標平面において、前記第1算出部により算出された調整値と、前記実搬送量だけ前記記録媒体が搬送されたときの前記ロールメディアのロール径とで定まる調整点についての近似線を算出する第2算出部と、
前記近似線から、前記ロールメディアのロール径に対応する調整値を特定し、該調整値により前記搬送ローラによる搬送量の補正を行う補正部と、
を備えた搬送装置。
【請求項2】
前記第1算出部は、前記ロールメディアの種別と、算出した前記調整値と、該ロールメディアのロール径とを関連付けて記憶部に記憶させ、
前記第2算出部は、前記記憶部を参照し、使用中の前記ロールメディアの種別に対応する前記調整値および前記ロール径で定まる前記調整点について前記近似線を算出する請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記第2算出部は、前記第1算出部により算出された前記調整値のうち、異常値と判定した前記調整値を除外したものを用いて前記近似線を算出する請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記第2算出部は、前記記録媒体がスキュー状態で搬送された場合に前記第1算出部により算出された前記調整値を異常値と判定する請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記第2算出部は、前記記録媒体が巻き戻されて再搬送された場合に前記第1算出部により算出された前記調整値を異常値と判定する請求項3に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記第2算出部は、前記第1算出部により算出された最新の前記調整値が異常値であると判定した場合、該第1算出部により算出された前記調整値のうち該異常値を除いた他の前記調整値についての近似直線を算出し、該近似直線を該異常値の前記調整点を通るように平行移動した直線を前記近似線として算出する請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記第2算出部は、前記第1算出部により算出された前記調整値のうち、第1調整値群に基づく前記近似線と、前記第1調整値群よりも新しい第2調整値群に基づく前記近似線とに差異があると判定した場合、前記第2調整値群に基づく前記近似線を、前記補正部による補正に用いる前記近似線として選択する請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記第1算出部は、前記搬送装置の環境条件と、算出した前記調整値と、該ロールメディアのロール径とを関連付けて記憶部に記憶させ、
前記第2算出部は、前記記憶部を参照し、前記搬送装置の現在の環境条件に対応する前記調整値および前記ロール径で定まる前記調整点について前記近似線を算出する請求項1に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記補正部は、前記搬送ローラによる搬送量の補正を行うための前記近似線がない場合、使用中の前記ロールメディアの種別に対応した代表値で構成される補正式の直線から、該ロールメディアのロール径に対応する調整値を特定し、該調整値により前記搬送ローラによる搬送量の補正を行う請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項10】
請求項1に記載の搬送装置と、
前記記録媒体に印字を行う印字部と、
を備えた画像形成装置。
【請求項11】
ロールメディアから給紙される記録媒体を搬送する搬送ローラにより搬送された前記記録媒体の実際の搬送量である実搬送量を取得する取得ステップと、
理想の搬送量と、取得した前記実搬送量との差に基づいて、該理想の搬送量に対する調整値を算出する第1算出ステップと、
調整値と前記ロールメディアのロール径とで定まる二次元座標平面において、算出した調整値と、前記実搬送量だけ前記記録媒体が搬送されたときの前記ロールメディアのロール径とで定まる調整点についての近似線を算出する第2算出ステップと、
前記近似線から、前記ロールメディアのロール径に対応する調整値を特定し、該調整値により前記搬送ローラによる搬送量の補正を行う補正ステップと、
を有する搬送方法。
【請求項12】
コンピュータに、
ロールメディアから給紙される記録媒体を搬送する搬送ローラにより搬送された前記記録媒体の実際の搬送量である実搬送量を取得する取得ステップと、
理想の搬送量と、取得した前記実搬送量との差に基づいて、該理想の搬送量に対する調整値を算出する第1算出ステップと、
調整値と前記ロールメディアのロール径とで定まる二次元座標平面において、算出した調整値と、前記実搬送量だけ前記記録媒体が搬送されたときの前記ロールメディアのロール径とで定まる調整点についての近似線を算出する第2算出ステップと、
前記近似線から、前記ロールメディアのロール径に対応する調整値を特定し、該調整値により前記搬送ローラによる搬送量の補正を行う補正ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置、画像形成装置、搬送方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
給紙側のロールメディアにバックテンションを付与し、搬送ローラでメディアを印字部に搬送して印字する搬送装置および画像形成装置が既に知られている。
【0003】
このようなロールメディアの搬送に関する技術として、印刷時に前方に搬送されるシート状の記録媒体を支持するプラテンと、印刷後の記録媒体が巻き取られる巻き取り軸と、記録媒体のうち前記プラテンと巻き取り軸との間の部分を押すことにより記録媒体に張力を与えるテンションバーと、テンションバーを支持する支持アームと、支持アームを揺動可能に支持する支軸と、支持アームに対し上方に揺動する向きの力を与えるスプリングと、を備え、支軸の軸方向視において、支軸の中心が巻き取り軸の輪郭の内側に位置しているプリンタが開示されている(例えば特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、一定のトルクを付与するために、例えば給紙ロール軸上にトルクリミッタを取り付けた場合、残っているロール径の変化によって、バックテンションが変化し、狙いの搬送量からずれてしまうという問題がある。また、ロール径に応じた補正テーブルによって搬送量を補正する方法が考えられるが、多種多様のメディア種および銘柄に対応することは困難であり、また、機体ごとの機差もあるため、補正テーブルにより搬送量を補正しても、狙いの搬送量からずれてしまう場合も多い。また、特許文献1に記載された技術のように、ロール径によらず、バックテンションを一定にさせるためにテンションバー等を備えるものとした場合、その構成、およびテンションバーと連動した給紙動作の制御が複雑になるという問題もがある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ロールメディアのロール径が変化しても狙い通りの搬送量を確保することができる搬送装置、画像形成装置、搬送方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ロールメディアから記録媒体を給紙する給紙部と、前記記録媒体を搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラにより搬送された前記記録媒体の実際の搬送量である実搬送量を取得する取得部と、理想の搬送量と、前記取得部により取得された前記実搬送量との差に基づいて、該理想の搬送量に対する調整値を算出する第1算出部と、調整値と前記ロールメディアのロール径とで定まる二次元座標平面において、前記第1算出部により算出された調整値と、前記実搬送量だけ前記記録媒体が搬送されたときの前記ロールメディアのロール径とで定まる調整点についての近似線を算出する第2算出部と、前記近似線から、前記ロールメディアのロール径に対応する調整値を特定し、該調整値により前記搬送ローラによる搬送量の補正を行う補正部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ロールメディアのロール径が変化しても狙い通りの搬送量を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る画像形成装置の要部構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る画像形成装置の側断面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る画像形成装置の搬送ローラの駆動機構の構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る画像形成装置の制御部の機能ブロックの構成の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、2回の搬送で算出された調整値に関する近似線の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、3回の搬送で算出された調整値に関する近似線の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る画像形成装置において記録媒体の搬送量を補正する動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態の変形例1に係る画像形成装置で使用する調整値に関する近似曲線の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態の変形例2に係る画像形成装置で使用する、異常値を除外して算出される近似線の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態の変形例3に係る画像形成装置で使用する、異常値を加味して算出される近似線の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態の変形例4に係る画像形成装置で使用する、直近の調整値を利用して算出される近似線の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態の変形例5に係る画像形成装置の制御部の機能ブロックの構成の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、実施形態の変形例5に係る画像形成装置で使用する、温度に対応して算出された近似線の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態の変形例6に係る画像形成装置で使用する、代表値で構成される補正式の直線の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照しながら、本発明に係る搬送装置、画像形成装置、搬送方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【0010】
また、コンピュータソフトウェアとは、コンピュータの動作に関するプログラム、その他コンピュータによる処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものをいう(以下、コンピュータソフトウェアは、ソフトウェアという)。アプリケーションソフトとは、ソフトウェアの分類のうち、特定の作業を行うために使用されるソフトウェアの総称である。一方、オペレーティングシステム(OS)とは、コンピュータを制御し、アプリケーションソフト等がコンピュータ資源を利用可能にするためのソフトウェアのことである。オペレーティングシステムは、入出力の制御、メモリやハードディスク等のハードウェアの管理、プロセスの管理といった、コンピュータの基本的な管理・制御を行っている。アプリケーションソフトウェアは、オペレーティングシステムが提供する機能を利用して動作する。プログラムとは、コンピュータに対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わせたものをいう。また、プログラムに準ずるものとは、コンピュータに対する直接の指令ではないためプログラムとは呼べないが、コンピュータの処理を規定するという点でプログラムに類似する性質を有するものをいう。例えば、データ構造(データ要素間の相互関係で表される、データの有する論理的構造)がプログラムに準ずるものに該当する。
【0011】
(画像形成装置の全体構成)
図1は、実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。
図2は、実施形態に係る画像形成装置の要部構成の一例を示す図である。
図3は、実施形態に係る画像形成装置の側断面図である。
図1~
図3を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成について説明する。
【0012】
本実施形態に係る画像形成装置1は、広幅シリアル型のインクジェット記録装置である。
図1および
図2に示すように、画像形成装置1は、装置本体30と、装置本体30を支持する支持台31と、制御部100と、を備える。
【0013】
装置本体30は、
図1および
図2に示すように、カバー2と、ガイドロッド3、副ガイドレール4と、キャリッジ5と、記録ヘッド6k、6c、6m、6y(印字部)と、カートリッジ装填部7と、主走査モータ8と、駆動プーリ9と、加圧プーリ10と、タイミングベルト11と、エンコーダ13と、エンコーダシート14と、維持機構15と、プラテン16と、端部検知センサ20と、ロールメディア41と、を備えている。
【0014】
カバー2は、キャリッジ5の走査による画像形成部分を外部から遮蔽するためのカバーである。ガイドロッド3および副ガイドレール4は、装置本体30の両側板に架け渡され、キャリッジ5を主走査方向(
図1および
図2に示すA方向)に摺動自在に保持するガイド部材である。
【0015】
キャリッジ5は、主走査機構部によって主走査方向に移動する部材である。具体的には、キャリッジ5は、主走査モータ8によって回転駆動されるタイミングベルト11を介して、主走査方向に移動する。また、キャリッジ5は、
図2に示す記録ヘッド6k、6c、6m、6yに対して各色のインクを供給するためサブタンクを搭載する。
【0016】
記録ヘッド6k、6c、6m、6yは、キャリッジ5に搭載され、カートリッジ装填部7に装着されたインクカートリッジに応じて、例えば、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)等の各色のインクをノズル列から記録媒体Pへ向けて吐出することにより画像を形成する液体吐出ヘッドである。なお、記録ヘッド6k、6c、6m、6yについて、任意の液体吐出ヘッドを示す場合、または総称する場合、単に「記録ヘッド6」と称するものとする。記録ヘッド6は、副走査方向(
図1および
図2に示すB方向)に配列した複数のノズル列を有する。ここで、副走査方向とは、ロールメディア41から供給される記録媒体Pが搬送される方向(
図1および
図2に示すB方向)であり、主走査方向と直交する方向である。液記録ヘッド6は、ノズル列からのインク吐出方向が下方(記録媒体Pに向かう方向)となるようにキャリッジ5に設置されている。
【0017】
カートリッジ装填部7は、各色のインクカートリッジを着脱自在に装着すること可能な装填部である。インクカートリッジに充填されているインクは、図示しない供給ポンプユニットによって各色の供給チューブを介してキャリッジ5のサブタンクに補充供給される。
【0018】
主走査モータ8は、主走査方向の一方側に配置され、駆動プーリ9を介してタイミングベルト11を回転移動させるモータである。駆動プーリ9は、加圧プーリ10との間でタイミングベルト11が架け渡され、主走査モータ8によって回転駆動されるプーリである。加圧プーリ10は、駆動プーリ9との間でタイミングベルト11が架け渡され、主走査方向の他方側に配置されている。加圧プーリ10は、テンションスプリングによって外方(駆動プーリ9に対して離れる方向)に張力が掛けられている。タイミングベルト11は、駆動プーリ9と加圧プーリ10との間に架け渡され、主走査モータ8の回転駆動により回転移動する牽引部材である。
【0019】
エンコーダ13は、キャリッジ5内に搭載され、装置本体30の両側版に架け渡されたエンコーダシート14を連続的に読み取ることにより、キャリッジ5の主走査方向の位置を検出するためのセンサである。エンコーダシート14は、装置本体30の両側版に架け渡され、エンコーダ13により読み取り可能なスリット等が形成されたシートである。
【0020】
維持機構15は、キャリッジ5の主走査方向の一方側の非印字領域に搭載された、記録ヘッド6の状態を維持及び回復する機構である。維持機構15は、記録ヘッド6の各ノズル面をキャッピングするためのキャップと、ノズル面をワイピングするための払拭ユニットと、を備えている。また、維持機構15の下方側には、維持回復動作によって生じる廃液を収容するための交換可能な廃液タンクが設けられている。
【0021】
プラテン16は、ロールメディア41から供給された記録媒体Pを吸引支持するための部材である。
【0022】
端部検知センサ20は、ロールメディア41から供給されプラテン16上を搬送される記録媒体Pの端部を検知するセンサである。端部検知センサ20により検知された記録媒体Pの端部の位置により、記録媒体Pにスキューが発生しているか否か検知することができる。
【0023】
ロールメディア41は、支持台31に設置された後述する給紙駆動部32によりトルクが付与された状態で、装置本体30側へ記録媒体Pとして供給するロール状の媒体である。
【0024】
制御部100は、画像形成装置1の動作を制御するコントローラである。
【0025】
さらに、画像形成装置1は、
図3に示すように、給紙駆動部32(給紙部)と、プレガイド板16aと、搬送ローラ17と、ピンチローラ18と、ポストガイド板16bと、巻取駆動部33と、巻取紙管42と、を備えている。
【0026】
給紙駆動部32は、ロールメディア41を回転駆動させることにより、装置本体30側へ記録媒体Pとして供給させるための駆動機構である。給紙駆動部32は、モータで駆動し、トルクリミッタ等で一定のトルクを付与しながら弛みをなくす方向に回転する。
【0027】
プレガイド板16aは、プラテン16に対して、記録媒体Pの搬送方向の上流側に設置された当該記録媒体Pの搬送経路を形成する板部材である。
【0028】
搬送ローラ17は、プラテン16上で記録媒体Pを副走査方向に間欠的に搬送するローラである。ピンチローラ18は、記録媒体Pを搬送ローラ17との間で挟持するためのローラである。
【0029】
ポストガイド板16bは、プラテン16に対して、記録媒体Pの搬送方向の下流側に設置された当該記録媒体Pの搬送経路を形成する板部材である。また、ポストガイド板16bは、搬送される記録媒体Pが巻取紙管42へ誘導されるような形状となっている。
【0030】
巻取駆動部33は、巻取紙管42を支持し、当該巻取紙管42を回転駆動させることにより記録媒体Pを巻き取るための駆動機構である。巻取駆動部33は、モータで駆動し、トルクリミッタ等で一定のトルクを付与しながら弛みをなくす方向に回転する。
【0031】
(搬送ローラの駆動機構の構成)
図4は、実施形態に係る画像形成装置の搬送ローラの駆動機構の構成の一例を示す図である。
図4を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置1の搬送ローラ17の駆動機構の構成について説明する。
【0032】
図4に示すように、画像形成装置1は、搬送ローラ17を回転制御するための駆動機構として、搬送モータ51と、駆動プーリ52と、ベルト53と、従動プーリ54と、エンコーダシート55と、エンコーダ56と、を備えている。
【0033】
搬送モータ51は、駆動プーリ52を介してベルト53を回転移動させるモータである。搬送モータ51は、制御部100により制御される。駆動プーリ52は、従動プーリ54との間でベルト53が架け渡され、搬送モータ51によって回転駆動されるプーリである。ベルト53は、駆動プーリ52と従動プーリ54との間に架け渡され、搬送モータ51の回転駆動により回転移動する牽引部材である。従動プーリ54は、駆動プーリ52との間でベルト53が架け渡され、駆動プーリ52の回転駆動により回転するプーリである。この従動プーリ54の回転に連動して搬送ローラ17が回転し、記録媒体Pを間欠的に副走査方向に搬送することができる。
【0034】
エンコーダ56は、搬送ローラ17と同軸上に設けられた円盤状のエンコーダシート55の円周端に設置され、当該エンコーダシート55を連続的に読み取ることにより、搬送ローラ17の回転位置および回転量を検出するためセンサである。すなわち、搬送ローラ17の回転により搬送される記録媒体Pの搬送量は、エンコーダ56により検出されたエンコーダパルス数に変換される。エンコーダ56により読み取られた検出情報は、制御部100に入力される。エンコーダシート55は、搬送ローラ17と同軸上に設けられた円盤状のシートであり、円周部分にエンコーダ56により読み取り可能なスリット等が形成されたシートである。
【0035】
記録媒体Pの搬送量は、上述のように、エンコーダ56による検出によりエンコーダパルス数に変換される。この記録媒体Pの搬送量について、理想の搬送量、すなわち目的とする搬送量(以下、目的搬送量と称する)と、実際の搬送量(以下、実搬送量と称する)とに差(ずれ)がある場合には、実搬送量が目的搬送量に近づくように、搬送ローラ17による記録媒体Pの搬送量を補正する必要がある。また、メディアによって搬送量のずれが変わってくるため、メディア交換時に、搬送量の調整用のテストパタンを印字して調整値を算出する必要がある。搬送量の調整方法としては、例えばヘッド上流でラインを印字してから、記録媒体を搬送し、ヘッド下流で印字したラインが、搬送量が正しければ重なるようなテストパタンを出力し、そのずれ量をセンサで検出する方法がある。また、ヘッド上流でラインを印字してから、記録媒体を搬送し、ヘッド下流で印字したラインが、搬送量が正しければ重なるようなテストパタンを、搬送量をずらしながら複数出力し、目視でずれがないところを選定して調整する方法等もある。また、給紙駆動部32でロールメディア41に付与しているトルクが一定の場合、ロールメディア41の径が小さくなると、バックテンションは高くなり、搬送ローラ17と記録媒体Pとの間でスリップが発生することにより実搬送量は小さくなるため、搬送量に対する調整結果としては、搬送量についてプラスの調整が必要になる。つまり、搬送量の調整を実施しても、メディアの残量が変化すると、搬送量がずれてしまう。
【0036】
そこで、本実施形態では、搬送量に対して調整したときのロールメディア41のロール径と、調整値とを保持し、複数回の調整時のデータにより、近似線を作成し、印字中に変化するロール径に応じて調整値を変化させて適用することにより、ロールメディア41の残量に影響を受けず安定した搬送量を確保できる。また、同じ種類のメディアであれば、メディアの交換後、搬送量の調整を実施しなくても、近似線からロール径に応じた調整値を特定して適用することによって搬送量の補正をすることができる。ここで、搬送量の調整とは、ロール径ごとの調整値を算出すること、さらには複数の調整値が算出された場合に近似線を算出することをいうものとする。また、搬送量の補正とは、近似線から、記録媒体Pの搬送時におけるロール径に応じた調整値を特定し、目的搬送量(理想の搬送量)に、特定した調整値を加算して、搬送ローラ17に指令するための搬送量(以下、補正後搬送量と称する場合がある)を求めることをいうものとする。
【0037】
(画像形成装置のハードウェア構成)
図5は、実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成について説明する。
【0038】
図5に示すように、画像形成装置1は、制御部100と、操作パネル120と、端部検知センサ20と、エンコーダ13と、エンコーダ56と、ヘッドドライバ140と、主走査モータ8と、搬送モータ51と、を備えている。
【0039】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、NVRAM(Non-Volatile RAM)104と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)105と、印刷制御部106と、モータ駆動部107と、I/O108と、ホストI/F109と、を備えている。
【0040】
CPU101は、画像形成装置1全体の制御を行う演算装置である。ROM102は、CPU101が実行するプログラム等の固定データを記憶する不揮発性記憶装置である。RAM103は、CPU101による演算処理のワークエリアとなる揮発性記憶装置である。また、RAM103は、画像データ等を一時的に記憶する。
【0041】
NVRAM104は、画像形成装置1の電源が遮断されている間もデータを保持する不揮発性記憶装置である。NVRAM104は、例えば、後述する搬送量を補正するための近似線のデータを記憶している。
【0042】
ASIC105は、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理、その他の画像形成装置1全体を制御するための入出力信号を処理する集積回路である。
【0043】
印刷制御部106は、ヘッドドライバ140を介して記録ヘッド6の吐出動作を制御する制御回路である。印刷制御部106は、記録ヘッド6を駆動するためのデータをヘッドドライバ140へ転送する。例えば、印刷制御部106は、画像データをシリアルデータで転送すると共に、画像データの転送に要する転送クロック、ラッチ信号、制御信号等をヘッドドライバ140に出力する。ヘッドドライバ140は、シリアルに入力される記録ヘッド6の一行分に相当する画像データに基づいて、印刷制御部106から受信した駆動波形を構成する駆動パルスを、記録ヘッド6の圧力発生手段に対して選択的に与えることにより、記録ヘッド6を駆動してインクを吐出させる。なお、駆動波形を構成するパルスの一部または全部、パルスを形成する波形用要素の一部または全部を選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴等の大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
【0044】
モータ駆動部107は、主走査モータ8および搬送モータ51の動作を制御する駆動回路である。主走査モータ8は、モータ駆動部107による制御に従って、キャリッジ5を主走査方向に移動させる。搬送モータ51は、モータ駆動部107による制御に従って、搬送ローラ17を回転させて記録媒体Pを副走査方向に搬送させる。
【0045】
I/O108は、端部検知センサ20、エンコーダ13およびエンコーダ56等の各種センサにより検出された情報を受信するためのインターフェース回路である。
【0046】
ホストI/F109は、クライアントPC(Personal Computer)等の情報処理装置、画像読取装置、撮影装置等であるホスト170側との間でデータおよび信号の送受信を行うインターフェース回路である。具体的には、ホストI/F109は、ホスト170からケーブルまたはネットワークを介してデータや信号の送受信を行う。ホストI/F109の受信バッファに格納された印刷データは、CPU101によって解析され、ASIC105によって画像処理およびデータの並び替え処理等が行われ、印刷制御部106によって吐出データとしてヘッドドライバ140に転送される。
【0047】
操作パネル120は、各種情報の入力および出力を行う装置である。
【0048】
なお、
図5に示した画像形成装置1のハードウェア構成は一例を示すものであり、
図5に示した構成要素を全て含む必要はなく、または、その他の構成要素を含むものとしてもよい。
【0049】
(画像形成装置の制御部の機能ブロックの構成および動作)
図6は、実施形態に係る画像形成装置の制御部の機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図7は、2回の搬送で算出された調整値に関する近似線の一例を示す図である。
図8は、3回の搬送で算出された調整値に関する近似線の一例を示す図である。
図6~
図8を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置1の制御部100の機能ブロックの構成および動作について説明する。
【0050】
図6に示すように、画像形成装置1の制御部100は、搬送量取得部201(取得部)と、調整値算出部202(第1算出部)と、近似線算出部203(第2算出部)と、吐出制御部204と、搬送制御部205(補正部の一例)と、記憶部206と、を有する。
【0051】
搬送量取得部201は、搬送制御部205による搬送モータ51に対する制御により副走査方向に搬送された記録媒体Pの搬送量(実搬送量)を、エンコーダ56からI/O108を介して取得する機能部である。具体的には、搬送量取得部201は、エンコーダ56により検出されたエンコーダパルス数をI/O108を介して受信し、当該エンコーダパルス数から搬送量に変換することによって取得する。また、搬送量取得部201は、例えば、搬送制御部205により副走査方向に間欠的に搬送された記録媒体Pの搬送量(実搬送量)を取得する。なお、搬送量取得部201は、間欠的に搬送される記録媒体Pの各搬送量を取得してもよく、または、記録媒体P上に1の画像を形成するために行われる間欠的な各搬送量の平均値等を取得するものとしてもよい。
【0052】
調整値算出部202は、目的搬送量(理想の搬送量)と、搬送量取得部201により取得された実搬送量との差を求めて、当該差に基づいて目的搬送量に対する調整値を算出する機能部である。例えば、調整値算出部202は、目的搬送量と実搬送量との差を調整値として算出してもよく、前回搬送量の補正に用いられた調整値に当該差を加算して新たな調整値として算出してもよい。そして、調整値算出部202は、算出した調整値と、記録媒体Pの搬送時点でのロールメディア41のロール径と、記録媒体Pの種別(例えば銘柄等)と、を関連付けて記憶部206に蓄積する。なお、記録媒体Pの種別とは、記録媒体Pの材質、幅、厚さ等の少なくともいずれかを区別する概念である。また、例えば、単一の種別の記録媒体Pを用いる画像形成装置1である場合等においては、調整値およびロール径を当該種別に関連付ける必要はない。
【0053】
近似線算出部203は、記憶部206を参照し、使用している記録媒体Pの種別において、調整値算出部202により算出された調整値と、当該調整値に対応するロール径とで定まる二次元座標平面上の点(以下、調整点と称する場合がある)についての近似線を算出する機能部である。ここで、二次元座標平面とは、例えば、
図7に示すように、ロール径を横軸として、調整値を縦軸として定まる座標平面である。また、近似線の算出とは、例えば、当該近似線を規定する式の係数(直線であれば傾き、切片)を算出することと同義である。
図7では、1回目および2回目の搬送量の調整が行われ、1回目の調整点および2回目の調整点についての近似線が示さている。この場合は、近似線算出部203により算出される近似線は、単に2つの調整点を通る直線となる。このように算出された近似線からロール径に応じて調整値を特定して、次回の搬送量を補正することができるため、ロールメディア41のロール残量の多寡に影響されず、安定した搬送量を確保することができる。
【0054】
図8では、1回目および2回目の調整点に基づく近似線AL1(
図7に示した近似線)により得られた調整値を用いて、次の記録媒体Pの搬送が行われ、3回目の調整点が得られた場合を示している。この場合、近似線算出部203は、1回目~3回目の調整点に対して最小二乗法により、直線である近似線AL2を算出する。そして、近似線算出部203は、算出した近似線AL2を平行移動(すなわち傾きを同一としたまま切片をシフト)させて、最新の3回目の調整点を通る直線である近似線AL3を、3回目の搬送量の調整の結果としての近似線として更新する。3回目の調整で得られた調整値については、値として正しいものとし、ロール径と調整値との変化の割合(傾き)についてはそれまで蓄積された調整値に基づく近似線(
図8の例における近似線AL2)の傾きを採用するというものである。近似線算出部203は、4回目以降の搬送量の調整においても、同様の方法で近似線を算出して更新する。
【0055】
なお、近似線算出部203は、過去に算出された調整点か最小二乗法により近似線を算出し、当該近似線を平行移動させて、最新の調整点を通る直線を最終的な近似線として求めたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、当該平行移動をせずに最小二乗法で求めた近似線を最終的な近似線としてもよい。
【0056】
吐出制御部204は、ホストI/F109により受信された画像データから変換された各インクの吐出量に基づくドットデータを、印刷制御部106およびモータ駆動部107へ出力することにより、キャリッジ5の主走査方向の移動、および記録ヘッド6からのインクの吐出動作を制御する機能部である。
【0057】
搬送制御部205は、上述のドットデータに基づくモータ駆動部107に対する制御により、記録媒体Pの副走査方向の搬送動作を制御する機能部である。この場合、搬送制御部205は、搬送量の補正を行ったうえで、記録媒体Pの搬送を行う。具体的には、搬送制御部205は、近似線算出部203により算出された最新の近似線から、その時点でのロールメディア41のロール径に対応する調整値を特定し、目的搬送量(理想の搬送量)に当該調整値を加算して補正後搬送量を算出する。そして、搬送制御部205は、当該補正後搬送量だけ搬送させるための指令値を、モータ駆動部107に出力する。なお、搬送制御部205による補正後調整値の算出のタイミングとしては、近似線算出部203により近似線が算出された時点であってもよく、または次回の記録媒体Pの搬送の直前の時点等であってもよい。また、ロールメディア41のロール径については、例えば、センサ等により直接計測することによって取得してもよく、搬送ローラ17により搬送された実搬送量の合計値に基づいて算出されるものとしてもよい。
【0058】
記憶部206は、例えば、調整値算出部202により算出された調整値と、記録媒体Pの搬送時点でのロールメディア41のロール径とを関連付けたデータ、および、近似線算出部203におり算出(または更新)された近似線のデータ等を記憶する機能部である。記憶部206は、
図5に示すRAM103またはNVRAM104によって実現される。
【0059】
上述の搬送量取得部201、調整値算出部202、近似線算出部203、吐出制御部204および搬送制御部205は、例えば、
図5に示したCPU101によりプログラムが実行されることによって実現される。なお、これらの機能部の一部または全部は、ソフトウェアであるプログラムではなく、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC等のハードウェア回路(集積回路)によって実現されてもよい。
【0060】
また、
図6に示す画像形成装置1の制御部100の各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、
図6に示す画像形成装置1の制御部100で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、
図6に示す画像形成装置1の制御部100で1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
【0061】
(画像形成装置における記録媒体の搬送量を補正する動作)
図9は、実施形態に係る画像形成装置において記録媒体の搬送量を補正する動作の流れの一例を示すフローチャートである。
図9を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置1において記録媒体Pの搬送量を補正する動作の流れについて説明する。
【0062】
<ステップS11>
制御部100の搬送制御部205は、モータ駆動部107を介した搬送モータ51の回転制御により、記録媒体Pを副走査方向の間欠的に搬送する。そして、ステップS12へ移行する。
【0063】
<ステップS12>
制御部100の搬送量取得部201は、搬送制御部205による搬送モータ51に対する制御により副走査方向に搬送された記録媒体Pの搬送量(実搬送量)を、エンコーダ56からI/O108を介して取得する。そして、ステップS13へ移行する。
【0064】
<ステップS13>
制御部100の調整値算出部202は、目的搬送量(理想の搬送量)と、搬送量取得部201により取得された実搬送量との差を求めて、当該差に基づいて目的搬送量に対する調整値を算出する。そして、調整値算出部202は、算出した調整値と、記録媒体Pの搬送時点でのロールメディア41のロール径と、記録媒体Pの種別(例えば銘柄等)とを関連付けて記憶部206に蓄積する。そして、ステップS14へ移行する。
【0065】
<ステップS14>
制御部100の近似線算出部203は、使用している記録媒体Pの種別において、調整値算出部202により算出された調整値と、当該調整値に対応するロール径とで定まる二次元座標平面上の各調整点についての近似線を算出する。そして、ステップS15へ移行する。
【0066】
<ステップS15>
制御部100の搬送制御部205は、近似線算出部203により算出された最新の近似線から、その時点でのロールメディア41のロール径に対応する調整値を特定し、目的搬送量(理想の搬送量)に当該調整値を加算して補正後搬送量を算出する。そして、搬送制御部205は、当該補正後搬送量だけ搬送させるための指令値を、モータ駆動部107に出力する。
【0067】
以上のステップS11~S15の流れで、画像形成装置1における記録媒体Pの搬送量を補正する動作が行われる。
【0068】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1では、給紙駆動部32は、ロールメディア41から記録媒体Pを給紙し、搬送ローラ17は、記録媒体Pを搬送し、搬送量取得部201は、搬送ローラ17により搬送された記録媒体Pの実際の搬送量である実搬送量を取得し、調整値算出部202は、理想の搬送量と、搬送量取得部201により取得された実搬送量との差に基づいて、理想の搬送量に対する調整値を算出し、近似線算出部203は、調整値とロールメディア41のロール径とで定まる二次元座標平面において、調整値算出部202により算出された調整値と、実搬送量だけ記録媒体Pが搬送されたときのロールメディア41のロール径とで定まる調整点についての近似線を算出し、搬送制御部205は、近似線から、ロールメディア41のロール径に対応する調整値を特定し、当該調整値により搬送ローラ17による搬送量の補正を行うものとしている。これによって、ロールメディアのロール径が変化しても狙い通りの搬送量を確保することができる。
【0069】
(変形例1)
図10は、実施形態の変形例1に係る画像形成装置で使用する調整値に関する近似曲線の一例を示す図である。
図10を参照しながら、本変形例に係る画像形成装置1で算出される近似線について、上述の実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0070】
上述の実施形態においては、近似線算出部203により算出される近似線は、一次関数で規定される近似直線とした。ただし、ロールメディア41の回転に伴うトルクが一定の場合、ロールメディア41から供給される記録媒体Pにかかるテンション(張力)はロール径に反比例し、ロールメディア41の慣性はロール径の二乗に比例するため、実搬送量を理想の搬送量に近づけるための調整値は、これらの複合的な要因により、ロール径の一次関数で規定される直線とは限らない。そこで、本変形例では、搬送量の調整により算出された複数の調整点に基づいて、2以上の次数のn次関数、または対数関数等で規定される曲線を近似線とする。
【0071】
近似線算出部203は、
図10に示すように、近似線算出部203により複数の調整点が得られている場合、これらの調整点に対して最小二乗法等により、曲線である近似線AL11を算出する。
【0072】
搬送制御部205は、近似線算出部203により算出された最新の近似線(曲線)から、その時点でのロールメディア41のロール径に対応する調整値を特定し、目的搬送量(理想の搬送量)に当該調整値を加算して補正後搬送量を算出する。そして、搬送制御部205は、当該補正後搬送量だけ搬送させるための指令値を、モータ駆動部107に出力する。
【0073】
なお、制御部100のその他の機能部の動作については、上述の実施形態で上述した通りである。
【0074】
以上のように、調整値から算出する近似線を直線に限ることなく曲線によって近似することによって、ロール径に応じた精度の高い搬送量の補正を実現することができる。
【0075】
(変形例2)
図11は、実施形態の変形例2に係る画像形成装置で使用する、異常値を除外して算出される近似線の一例を示す図である。
図11を参照しながら、本変形例に係る画像形成装置1で算出される近似線について、上述の実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0076】
上述の実施形態で説明したように、調整値算出部202により調整値が算出されるが、モータ駆動部107のロールメディア41に対する搬送動作の異常、またはロールメディア41による記録媒体Pの搬送不良等により、調整値算出部202により算出される調整値が、それまでに得られた調整値よりも異常な値を示す場合がある。この異常値としての調整値を、近似線算出部203による近似線の算出のために用いると、搬送量の補正の精度に悪影響を与える可能性がある。そこで、本変形例では、搬送量の調整により算出された複数の調整点のうち異常値がある場合、当該異常値を除外して近似線を算出するものとする。
【0077】
近似線算出部203は、例えば、
図11に示すように、他の調整点の位置から明らかに離間している調整点の調整値を異常値と判定して、当該異常値の調整点を除外した他の調整点についての近似線AL21を算出する。
【0078】
調整値が異常値であるか否かの判定方法としては、例えば、調整値のばらつきを示す値(例えば標準偏差または分散等)をσとした場合に、異常値>Xσ(X:所定の係数)を満たす場合、その調整値を異常値と満たす等の方法が挙げられる。
【0079】
また、スキュー状態で搬送した場合、または一度搬送した記録媒体Pを巻き戻して再度搬送した場合等においては、搬送量取得部201により取得された実搬送量は正しい搬送量でない可能性が高いため、近似線算出部203は、当該実搬送量に基づく調整値は異常値として除外することが望ましい。この場合、スキュー状態の検知方法としては、端部検知センサ20により検知された記録媒体Pの端部の位置に基づいて求められたスキュー量について、スキュー量>Y[mm/m](Y:所定値)を満たす場合、スキュー状態が発生していると判定する等の方法がある。また、一度搬送した記録媒体Pを巻き戻して再度の搬送動作の状態であるか否かの判定方法としては、画像形成装置1の動作履歴を参照して判断する等の方法がある。
【0080】
以上のように、算出された調整値のうち異常値を除外した上で近似線を算出するため、精度の高い搬送量の補正を実現することができる。
【0081】
(変形例3)
図12は、実施形態の変形例3に係る画像形成装置で使用する、異常値を加味して算出される近似線の一例を示す図である。
図12を参照しながら、本変形例に係る画像形成装置1で算出される近似線について、上述の実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0082】
上述の変形例2では、異常値と判定された調整値を除外した上で残りの調整値に基づいて近似線を算出するものとした。本変形例では、最新の調整値が異常値であった場合、近似線の傾きの算出には当該調整値を除外するものの、除外した調整値から求めた近似線を、当該異常値の調整点を通るように平行移動した直線を最終的な近似線として算出するものとする。
【0083】
図12では、調整値算出部202により算出された最新(現在)の調整値が異常値であると判定された場合を示している。この場合、近似線算出部203は、まず、当該異常値の調整点を除外した他の調整点についての近似直線である近似線AL31を算出する。そして、近似線算出部203は、算出した近似線AL31を平行移動(すなわち傾きを同一としたまま切片をシフト)させて、最新の調整点(異常値)を通る直線である近似線AL32を、最新の搬送量の調整の結果としての近似線として算出する。
【0084】
これによって、最新の搬送量の調整時点での搬送動作に合わせた搬送量の補正を行うことが可能となり、精度の高い搬送量の補正を実現することができる。
【0085】
(変形例4)
図13は、実施形態の変形例4に係る画像形成装置で使用する、直近の調整値を利用して算出される近似線の一例を示す図である。
図13を参照しながら、本変形例に係る画像形成装置1で算出される近似線について、上述の実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0086】
本変形例では、画像形成装置1の経時的な変化に伴い、最近の算出された調整値群と、過去に算出された調整値群とにずれが生じている場合、過去に算出された調整値群を除外する動作について説明する。
【0087】
図13に示す例では、直近のn個(例えばn=10)の調整値の調整点に基づいて近似線算出部203により算出された近似線AL42と、過去のn個の調整値の調整点に基づいて近似線算出部203により算出された近似線AL41とが示されている。ここで、過去のn個の調整値とは、例えば、直近のn個の調整値のいずれも含まない過去のn個の調整値であってもよく、直近のn個の調整値のうち一部の古い調整値を含むn個の調整値であってもよい。例えば、調整値として50個の値が得られているものとし、n=10とした場合、直近のn=10個の調整値とは41番目~50番目の調整値であるの対し、過去のn=10個の調整値とは、直近と重複部分がない31番目~40番目の調整値としてもよく、直近と重複部分がある36番目~45番目の調整値としてもよい。
【0088】
近似線算出部203は、例えば、直近のn個の調整値(第2調整値群の一例)の調整点に基づく近似線の傾きと、過去のn個の調整値(第1調整値群の一例)の調整点に基づく近似線の傾きとの差分を求め、当該差分の絶対値>Z(Z:所定値)である場合、直近のn個の調整値の調整点に基づく近似線を、搬送量の補正に用いるための最終的な近似線として選択する。
【0089】
これによって、搬送ローラ17またはプレガイド板16a等の摩耗による経時的変化に起因して調整値にずれが生じている場合においても、新しい調整値群を選択して近似線を算出することによって、精度の高い搬送量の補正を実現することができる。
【0090】
(変形例5)
図14は、実施形態の変形例5に係る画像形成装置の制御部の機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図15は、実施形態の変形例5に係る画像形成装置で使用する、温度に対応して算出された近似線の一例を示す図である。
図14および
図15を参照しながら、本変形例に係る画像形成装置1について、上述の実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0091】
温度または湿度等の環境条件によって、記録媒体Pの搬送量が変化する場合があり、その場合、算出される調整値および近似線も当該環境条件によって変わってくる場合がある。本変形例では、環境条件に応じて近似線の算出および搬送量の補正を行う動作について説明する。なお、以下では環境条件として温度に着目した場合について説明するが、これに限定されるものではなく、湿度であってもよく、または温度および湿度の双方等であってもよい。
【0092】
図14に示すように、本変形例に係る画像形成装置1は、上述の実施形態の制御部100に代えて、制御部100aを備えている。さらに、画像形成装置1は、周囲温度を検知する図示しない温度センサを備えているものとする。なお、制御部100aのハードウェア構成は、上述の実施形態に係る制御部100と同様である。
【0093】
図14に示すように、画像形成装置1の制御部100aは、搬送量取得部201と、調整値算出部202と、近似線算出部203と、吐出制御部204と、搬送制御部205と、記憶部206と、温度取得部207と、を有する。
【0094】
温度取得部207は、上述の温度センサにより検出された温度を、I/O108を介して取得する機能部である。
【0095】
調整値算出部202は、目的搬送量(理想の搬送量)と、搬送量取得部201により取得された実搬送量との差を求めて、当該差に基づいて目的搬送量に対する調整値を算出する。そして、調整値算出部202は、温度取得部207により取得された温度と、算出した調整値と、記録媒体Pの搬送時点でのロールメディア41のロール径と、記録媒体Pの種別(例えば銘柄等)と、を関連付けて記憶部206に蓄積する。ここで、調整値、ロール径および種別と関連付けられる温度は、例えば、5~15[℃]、15~25[℃]、25~35[℃]のように所定の幅を持った温度範囲であってもよい。例えば、
図15では、4つの温度範囲(温度(1)~(4))ごとに調整点が区別され、区別された調整点群ごとに近似線が算出された例を示している。
【0096】
近似線算出部203は、各温度に対応する調整点群に基づいてそれぞれ近似線を算出する。
【0097】
なお、他の機能部の動作は、上述の実施形態と同様である。
【0098】
これによって、温度取得部207により取得された温度に応じた近似線から調整値を特定し、当該調整値によって搬送量の補正を行うことができるので、温度環境の変化の影響を抑制した状態で精度の高い搬送量の補正を行うことができる。
【0099】
(変形例6)
図16は、実施形態の変形例6に係る画像形成装置で使用する、代表値で構成される補正式の直線の一例を示す図である。
図16を参照しながら、本変形例に係る画像形成装置1で算出される近似線について、上述の実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0100】
搬送量の調整が行われる前、または搬送量の調整が1回しか行われていない場合には、近似線算出部203による近似線の算出ができない。本変形例では、近似線算出部203により算出された近似線がない場合、使用している記録媒体Pの種別に対応した代表値で構成される補正式の直線から調整値を特定し、当該調整値を用いて搬送量の補正を行う動作について説明する。
【0101】
搬送制御部205は、上述の場合のように、近似線算出部203により算出された近似線がない場合、記憶部206を参照して、使用している記録媒体Pの種別に対応した代表値で構成される補正式の直線(
図16に示す代表直線RL)から、その時点でのロールメディア41のロール径に対応する調整値を特定し、目的搬送量(理想の搬送量)に当該調整値を加算して補正後搬送量を算出する。
【0102】
なお、調整値算出部202による調整値の算出が1回行われた場合には、
図16に示すように、近似線算出部203は、代表直線RLを平行移動(すなわち傾きを同一としたまま切片をシフト)させて、1回目の調整点を通る直線である近似線AL61を、1回目の搬送量の調整の結果としての近似線として算出するものとしてもよい。また、
図16に示す近似線AL62は、2回目の搬送量の調整が終了した後に、近似線算出部203により算出された近似線である。
【0103】
記憶部206は、さらに、記録媒体Pの種別ごとに対応する代表値で構成される補正式のデータを記憶している。
【0104】
なお、記憶部206に記憶された補正式は、記録媒体Pの種別ごとに対応していることに限定されず、さらに、記録媒体Pの幅、厚さごとに対応した補正式のデータが記憶されているものとしてもよい。この場合、使用している記録媒体Pの種別、幅および厚さに応じた補正式のデータを用いればよい。
【0105】
以上のように、調整値の数が不十分であるために近似線が算出できない場合、代表値で構成された補正式の直線、すなわち所定の補正式で規定される直線から調整値を特定して、搬送量の補正に用いることによって、実搬送量が理想の搬送量から大きくずれてしまう現象を抑制することが可能となる。
【0106】
本発明の態様は、以下の通りである。
<1>ロールメディアから記録媒体を給紙する給紙部と、
前記記録媒体を搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラにより搬送された前記記録媒体の実際の搬送量である実搬送量を取得する取得部と、
理想の搬送量と、前記取得部により取得された前記実搬送量との差に基づいて、該理想の搬送量に対する調整値を算出する第1算出部と、
調整値と前記ロールメディアのロール径とで定まる二次元座標平面において、前記第1算出部により算出された調整値と、前記実搬送量だけ前記記録媒体が搬送されたときの前記ロールメディアのロール径とで定まる調整点についての近似線を算出する第2算出部と、
前記近似線から、前記ロールメディアのロール径に対応する調整値を特定し、該調整値により前記搬送ローラによる搬送量の補正を行う補正部と、
を備えた搬送装置である。
<2>前記第1算出部は、前記ロールメディアの種別と、算出した前記調整値と、該ロールメディアのロール径とを関連付けて記憶部に記憶させ、
前記第2算出部は、前記記憶部を参照し、使用中の前記ロールメディアの種別に対応する前記調整値および前記ロール径で定まる前記調整点について前記近似線を算出する<1>に記載の搬送装置である。
<3>前記第2算出部は、前記第1算出部により算出された前記調整値のうち、異常値と判定した前記調整値を除外したものを用いて前記近似線を算出する<1>または<2>に記載の搬送装置である。
<4>前記第2算出部は、前記記録媒体がスキュー状態で搬送された場合に前記第1算出部により算出された前記調整値を異常値と判定する<3>に記載の搬送装置である。
<5>前記第2算出部は、前記記録媒体が巻き戻されて再搬送された場合に前記第1算出部により算出された前記調整値を異常値と判定する<3>に記載の搬送装置である。
<6>前記第2算出部は、前記第1算出部により算出された最新の前記調整値が異常値であると判定した場合、該第1算出部により算出された前記調整値のうち該異常値を除いた他の前記調整値についての近似直線を算出し、該近似直線を該異常値の前記調整点を通るように平行移動した直線を前記近似線として算出する<1>または<2>に記載の搬送装置である。
<7>前記第2算出部は、前記第1算出部により算出された前記調整値のうち、第1調整値群に基づく前記近似線と、前記第1調整値群よりも新しい第2調整値群に基づく前記近似線とに差異があると判定した場合、前記第2調整値群に基づく前記近似線を、前記補正部による補正に用いる前記近似線として選択する<1>~<6>のいずれか一項に記載の搬送装置である。
<8>前記第1算出部は、前記搬送装置の環境条件と、算出した前記調整値と、該ロールメディアのロール径とを関連付けて記憶部に記憶させ、
前記第2算出部は、前記記憶部を参照し、前記搬送装置の現在の環境条件に対応する前記調整値および前記ロール径で定まる前記調整点について前記近似線を算出する<1>~<7>のいずれか一項に記載の搬送装置である。
<9>前記補正部は、前記搬送ローラによる搬送量の補正を行うための前記近似線がない場合、使用中の前記ロールメディアの種別に対応した代表値で構成される補正式の直線から、該ロールメディアのロール径に対応する調整値を特定し、該調整値により前記搬送ローラによる搬送量の補正を行う<1>~<8>のいずれか一項に記載の搬送装置である。
<10><1>~<9>のいずれか一項に記載の搬送装置と、
前記記録媒体に印字を行う印字部と、
を備えた画像形成装置である。
<11>ロールメディアから給紙される記録媒体を搬送する搬送ローラにより搬送された前記記録媒体の実際の搬送量である実搬送量を取得する取得ステップと、
理想の搬送量と、取得した前記実搬送量との差に基づいて、該理想の搬送量に対する調整値を算出する第1算出ステップと、
調整値と前記ロールメディアのロール径とで定まる二次元座標平面において、算出した調整値と、前記実搬送量だけ前記記録媒体が搬送されたときの前記ロールメディアのロール径とで定まる調整点についての近似線を算出する第2算出ステップと、
前記近似線から、前記ロールメディアのロール径に対応する調整値を特定し、該調整値により前記搬送ローラによる搬送量の補正を行う補正ステップと、
を有する搬送方法である。
<12>コンピュータに、
ロールメディアから給紙される記録媒体を搬送する搬送ローラにより搬送された前記記録媒体の実際の搬送量である実搬送量を取得する取得ステップと、
理想の搬送量と、取得した前記実搬送量との差に基づいて、該理想の搬送量に対する調整値を算出する第1算出ステップと、
調整値と前記ロールメディアのロール径とで定まる二次元座標平面において、算出した調整値と、前記実搬送量だけ前記記録媒体が搬送されたときの前記ロールメディアのロール径とで定まる調整点についての近似線を算出する第2算出ステップと、
前記近似線から、前記ロールメディアのロール径に対応する調整値を特定し、該調整値により前記搬送ローラによる搬送量の補正を行う補正ステップと、
を実行させるためのプログラムである。
【0107】
なお、上述の実施形態および各変形例において、画像形成装置1の機能の少なくともいずれかがプログラムの実行によって実現される場合、そのプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。また、上述の実施形態および各変形例において、画像形成装置1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Compact Disk-Recordable)、またはDVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態および各変形例において、画像形成装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態および各変形例において、画像形成装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、上述の実施形態および各変形例において、画像形成装置1で実行されるプログラムは、上述した各機能部のうち少なくともいずれかを含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上述の記憶装置からプログラムを読み出して実行することにより、上述の各機能部が主記憶装置上にロードされて生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0108】
1 画像形成装置
2 カバー
3 ガイドロッド
4 副ガイドレール
5 キャリッジ
6、6c、6k、6m、6y 記録ヘッド
7 カートリッジ装填部
8 主走査モータ
9 駆動プーリ
10 加圧プーリ
11 タイミングベルト
13 エンコーダ
14 エンコーダシート
15 維持機構
16 プラテン
16a プレガイド板
16b ポストガイド板
17 搬送ローラ
18 ピンチローラ
20 端部検知センサ
30 装置本体
31 支持台
32 給紙駆動部
33 巻取駆動部
41 ロールメディア
42 巻取紙管
51 搬送モータ
52 駆動プーリ
53 ベルト
54 従動プーリ
55 エンコーダシート
56 エンコーダ
100、100a 制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 NVRAM
105 ASIC
106 印刷制御部
107 モータ駆動部
108 I/O
109 ホストI/F
120 操作パネル
140 ヘッドドライバ
170 ホスト
201 搬送量取得部
202 調整値算出部
203 近似線算出部
204 吐出制御部
205 搬送制御部
206 記憶部
207 温度取得部
AL1~AL3、AL11、AL21 近似線
AL31、AL32、AL41、AL42 近似線
AL51~AL54、AL61、AL62 近似線
P 記録媒体
RL 代表直線
【先行技術文献】
【特許文献】
【0109】