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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173370
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】センサモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/40 20060101AFI20231130BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20231130BHJP
   H01Q 23/00 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
H01Q1/40
H01Q1/38
H01Q23/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085567
(22)【出願日】2022-05-25
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】日清紡マイクロデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】西野 賀雄
(72)【発明者】
【氏名】藤井 芳雄
(72)【発明者】
【氏名】杉山 克俊
【テーマコード(参考)】
5J021
5J046
【Fターム(参考)】
5J021AA02
5J021AA09
5J021AA11
5J021AB06
5J021JA08
5J046AA02
5J046AA03
5J046AB03
5J046AB13
5J046PA07
5J046QA02
(57)【要約】
【課題】本開示では、平面アンテナの送受信する電波の強度の低下を軽減し、併せてSN比の劣化を軽減することを目的とする。
【解決手段】本開示に係るセンサモジュールは、裏面が実装基板に搭載されるモジュール基板と、裏面が前記モジュール基板の表面に接着されるアンテナ基板と、前記アンテナ基板の表面に形成される一又は複数の平面アンテナと、前記平面アンテナが露出するように前記モジュール基板の表面を覆うモールド樹脂と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面が実装基板に搭載されるモジュール基板と、
裏面が前記モジュール基板の表面に接着されるアンテナ基板と、
前記アンテナ基板の表面に形成される一又は複数の平面アンテナと、
前記平面アンテナが露出するように前記モジュール基板の表面を覆うモールド樹脂と、
を備えるセンサモジュール。
【請求項2】
前記モールド樹脂は、前記モジュール基板の表面からの高さが、前記平面アンテナの高さに等しい
ことを特徴とする請求項1に記載のセンサモジュール。
【請求項3】
前記モールド樹脂は、前記モジュール基板の表面からの高さが、前記アンテナ基板の表面の高さに等しい
ことを特徴とする請求項1に記載のセンサモジュール。
【請求項4】
前記モジュール基板は、表面に一又は複数の電子部品を備え、
前記モールド樹脂は、前記電子部品を覆う
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のセンサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、平面アンテナが露出するようにモールド樹脂がモジュール基板の表面を覆うセンサモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
平面アンテナを用いて無線通信やセンシングを行うセンサモジュールが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
関連技術に係る装置は、半導体チップと、前記半導体チップを実装する基板と、前記基板に形成されて、前記半導体チップが出力する信号を放射する平面アンテナと、前記平面アンテナを覆う樹脂とを具備する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-187740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
関連技術では、樹脂が平面アンテナを覆う構成である。このような構成の場合、平面アンテナが送受信する電波が樹脂により吸収や拡散され、平面アンテナが送受信する電波の強度が低下するという課題があった。また、平面アンテナが受信する電波は、樹脂を透過して平面アンテナに到達するため、電波の強度の低下が、受信する電波のSN比の劣化につながるという課題もあった。
【0006】
前記課題を解決するために、本開示は、平面アンテナの送受信する電波の強度の低下を軽減し、併せてSN比の劣化を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示のセンサモジュールは、平面アンテナが露出するようにモールド樹脂がモジュール基板の表面を覆うこととした。
【0008】
具体的には、本開示に係るセンサモジュールは、
裏面が実装基板に搭載されるモジュール基板と、
裏面が前記モジュール基板の表面に接着されるアンテナ基板と、
前記アンテナ基板の表面に形成される一又は複数の平面アンテナと、
前記平面アンテナが露出するように前記モジュール基板の表面を覆うモールド樹脂と、
を備える。
【0009】
本開示に係るセンサモジュールでは、
前記モールド樹脂は、前記モジュール基板の表面からの高さが、前記平面アンテナの高さに等しくてもよい。
【0010】
本開示に係るセンサモジュールでは、
前記モールド樹脂は、前記モジュール基板の表面からの高さが、前記アンテナ基板の表面の高さに等しくてもよい。
【0011】
本開示に係るセンサモジュールでは、
前記モジュール基板は、表面に一又は複数の電子部品を備え、
前記モールド樹脂は、前記電子部品を覆ってもよい。
【0012】
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、平面アンテナの送受信する電波の強度の低下を軽減し、併せてSN比の劣化を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態1に係るセンサモジュールの概略構成の一例を示す。
図2】実施形態1に係るセンサモジュールの断面図の一例を示す。
図3】実施形態2に係るセンサモジュールの断面図の一例を示す。
図4】実施形態3に係るセンサモジュールの概略構成の一例を示す。
図5】実施形態3に係るセンサモジュールの断面図の一例を示す。
図6】実施形態3に係るセンサモジュールの製造過程の一例を示す。
図7】実施形態3に係るセンサモジュールの製造過程の一例を示す。
図8】実施形態3に係るセンサモジュールの断面図の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本開示は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0016】
(実施形態1)
本実施形態に係るセンサモジュールの概略構成の一例を図1に、図1におけるA-A断面図を図2に示す。図1及び図2において、本実施形態に係るセンサモジュール10は、裏面が実装基板7に搭載されるモジュール基板1と、裏面がモジュール基板1の表面に接着されるアンテナ基板2と、アンテナ基板2の表面に形成される一又は複数の平面アンテナ3と、平面アンテナ3が露出するようにモジュール基板1の表面を覆うモールド樹脂4と、を備える。
【0017】
モジュール基板1は、実装基板7の電極8に接合されて搭載される。モジュール基板1と、電極8との接合には、はんだ付けを用いてもよい。なお、電極8は、実装基板7の表面に形成された銅パターンである。電極8の銅パターンの形状は任意であり、図2に限定されない。
【0018】
モジュール基板1は、表面に一又は複数の電子部品6を備えてもよい。なお、モジュール基板1は、一般的なプリント基板であってもよい。
【0019】
アンテナ基板2は、モジュール基板1の表面に接着される。アンテナ基板2としては、エポキシガラス基板、セラミック基板、樹脂基板等が例示できる。
【0020】
平面アンテナ3は、アンテナ基板2の表面に形成され、電波を送受信する。電波は、マイクロ波やミリ波等が例示できる。平面アンテナ3の材料としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル等が例示できる。
【0021】
モールド樹脂4は、平面アンテナ3が露出するようにモジュール基板1の表面を覆う。例えば、図1及び図2に示すように、平面アンテナ3、及び平面アンテナ3が形成されたアンテナ基板2の周辺が露出するように、モジュール基板1の表面を覆ってもよい。
【0022】
モールド樹脂4は、モジュール基板1が表面に備える電子部品6を覆ってもよい。モールド樹脂4が、電子部品6及びモジュール基板1の表面を覆うことにより、電子部品6間に金属くず等が入りにくく、金属くず等による部品間ショートのリスクを軽減することが出来る。さらに、このような構成の場合、金属くず等による部品間ショートのリスクが低いため、電子部品6間の距離を小さくすることができる。なお、モールド樹脂4としては、エポキシ樹脂等が例示できる。
【0023】
以上説明したように、本実施形態に係るセンサモジュール10では、平面アンテナ3が露出するようにモールド樹脂4がモジュール基板1の表面を覆うことにより、平面アンテナ3の送受信する電波の強度の低下を軽減し、併せてSN比の劣化を軽減することができる。
【0024】
(実施形態2)
本実施形態に係るセンサモジュールの図1におけるA-A断面図を図3に示す。図3に示すように、モールド樹脂4は、モジュール基板1の表面からの高さHmが、アンテナ基板2の表面の高さHbに等しい。
【0025】
これにより、図3に示すように、A-A断面において、平面アンテナ3は、モールド樹脂4よりも突出するため、周囲に障害がなくなる。そのため、本実施形態に係るセンサモジュール10では、平面アンテナ3が、任意の方向に対して、電波の強度の低下及びSN比の劣化を軽減しつつ、電波の送受信をすることができる。
【0026】
以上説明したように、本実施形態に係るセンサモジュール10では、平面アンテナ3が露出するようにモールド樹脂4がモジュール基板1の表面を覆うことにより、平面アンテナ3の送受信する電波の強度の低下を軽減し、併せてSN比の劣化を軽減することができる。
【0027】
(実施形態3)
本実施形態に係るセンサモジュールの概略構成の一例を図4に、図4のA-A断面図を図5に示す。図4では、図1に示すセンサモジュール10と異なり、モールド樹脂4が平面アンテナ3に接するようにモジュール基板1を覆う。
【0028】
また、図5に示すように、モールド樹脂4は、モジュール基板1の表面からの高さHmが、平面アンテナ3の高さHaに等しい。
【0029】
本実施形態に係るセンサモジュール10の製造について図6及び7を用いて説明する。本実施形態に係るセンサモジュール10は、図6に示すように、平面アンテナ3が形成されたアンテナ基板2と電子部品6とが表面に搭載されたモジュール基板1が、凹形状の金型20に対して平面アンテナ3が底に接するように配置され、モジュール基板1と金型20の底との間に樹脂が流し込まれ、流し込まれた樹脂が硬化することでモールド樹脂4が形成されてもよい。
【0030】
本実施形態に係るセンサモジュール10を製造するためには、図6に示すように、金型20の底は平面であれば良いため、平面アンテナ3の大きさ、平面アンテナ3の間隔、アンテナ基板2の大きさ等が変わっても同一の金型20を使用することができる。
【0031】
なお、図7(a)に示すように、平面アンテナ3と金型20の底との間にフィルム21を設けてもよい。図7(a)における平面アンテナ3付近の拡大図を図7(b)に示す。図7(b)に示すように、平面アンテナ3と接触するフィルム21の一部分が変形することにより、平面アンテナ3の先端がフィルム21に少し食い込むことがある。
【0032】
図7(a)及び(b)に示す金型20及びフィルム21を用いて製造したセンサモジュール10を図8に示す。図7(b)に示すように、平面アンテナ3の先端がフィルム21に少し食い込むことで、図8に示すように、モールド樹脂4は、モジュール基板1の表面からの高さHmが、平面アンテナ3の高さHaよりも多少低くなる。このように、製造上の原因で、モジュール基板1の表面からの高さHmと、平面アンテナ3の高さHaとが多少ずれることもある。
【0033】
以上説明したように、本実施形態に係るセンサモジュール10では、平面アンテナ3が露出するようにモールド樹脂4がモジュール基板1の表面を覆うことにより、平面アンテナ3の送受信する電波の強度の低下を軽減し、併せてSN比の劣化を軽減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本開示に係るセンサモジュールは、産業全般に利用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1:モジュール基板
2:アンテナ基板
3:平面アンテナ
4:モールド樹脂
6:電子部品
7:実装基板
8:電極
10:センサモジュール
20:金型
21:フィルム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8