(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023173842
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】検査装置、および検査方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20231130BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20231130BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
H02J7/00 H
H02J7/00 B
H02J1/00 306L
H01L21/66 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086357
(22)【出願日】2022-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】守谷 英純
(72)【発明者】
【氏名】杉山 克昌
【テーマコード(参考)】
4M106
5G165
5G503
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106BA01
4M106DD03
4M106DD10
4M106DD23
4M106DJ02
4M106DJ03
5G165AA08
5G165CA01
5G165DA02
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5G165EA02
5G165EA04
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5G503AA01
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5G503DA07
5G503EA05
5G503GB03
5G503GD04
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】検査対象の検査時の電力を安定的に確保しつつ、装置の小型化を促すことができる技術を提供する。
【解決手段】検査装置は、検査対象を電気的に検査する。検査装置は、前記検査に使用する電力を給電する電源モジュールと、前記電源モジュールと別に設けられ、電力を充放電可能な二次電池と、前記電源モジュールおよび前記二次電池と前記検査対象とを電気的に接続する電力制御回路と、を備える。さらに、検査装置は、前記電力制御回路に設けられ、前記電源モジュール、前記二次電池および前記検査対象の接続状態を切り替え可能なスイッチ部と、前記検査に使用する電力を設定し、設定した電力に基づき前記スイッチ部の前記接続状態を制御する制御部と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象を電気的に検査する検査装置であって、
前記検査に使用する電力を給電する電源モジュールと、
前記電源モジュールと別に設けられ、電力を充放電可能な二次電池と、
前記電源モジュールおよび前記二次電池と前記検査対象とを電気的に接続する電力制御回路と、
前記電力制御回路に設けられ、前記電源モジュール、前記二次電池および前記検査対象の接続状態を切り替え可能なスイッチ部と、
前記検査に使用する電力を設定し、設定した電力に基づき前記スイッチ部の前記接続状態を制御する制御部と、を備える、
検査装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記検査の消費電力を算出して、算出した前記消費電力と前記電源モジュールの最大出力電力とを比較し、
前記消費電力が前記最大出力電力未満の場合に、前記二次電池の電力を使用せずに、前記電源モジュールのみの電力を前記検査対象に給電するように前記スイッチ部の前記接続状態を切り替える、
請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記消費電力が前記最大出力電力以上の場合に、前記二次電池が補充する補充電力を算出して、算出した前記補充電力と前記二次電池の蓄電量とを比較し、
前記二次電池の蓄電量が前記補充電力以上の場合に、前記電源モジュールの電力に加えて前記二次電池の電力を前記検査対象に給電するように前記スイッチ部の前記接続状態を切り替える一方で、
前記二次電池の蓄電量が前記補充電力未満の場合に、前記電源モジュールの電力を前記二次電池に給電するように前記スイッチ部の前記接続状態を切り替える、
請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記電源モジュールの電力を前記二次電池に給電する場合に、前記電源モジュールから前記検査対象への給電を停止するように前記スイッチ部の前記接続状態を切り替える、
請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記電源モジュールの電力を前記検査対象に給電する場合に、前記電源モジュールから余剰の電力を前記二次電池に給電して、前記二次電池を充電するように前記接続状態を切り替える、
請求項2に記載の検査装置。
【請求項6】
前記検査対象の検査を実際に行うテスタを有し、
前記制御部は、前記検査の検査項目を含む検査情報を前記テスタから取得して、前記検査の検査項目に基づき前記消費電力を算出する、
請求項2乃至5のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記検査の複数の検査項目毎の前記消費電力を予め保有しており、
前記検査において使用した実電力を前記複数の検査項目毎に取得し、かつ前記複数の検査項目毎の前記実電力に基づき、前記複数の検査項目毎の前記消費電力を補正する、
請求項6に記載の検査装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記検査に関わる情報および前記二次電池の蓄電情報に基づき、
前記電源モジュールの電力を前記検査対象に給電する通常モードと、
前記通常モードよりも前記検査にかかる時間を長くする一方で、前記通常モードよりも前記検査に使用する電力を減らす低スループットモードと、
前記通常モードよりも前記検査にかかる時間を短くする一方で、前記通常モードよりも前記検査に使用する電力を増やす高スループットモードと、を選択する、
請求項1に記載の検査装置。
【請求項9】
前記スイッチ部は、
前記電源モジュールと前記検査対象との間の接続および遮断を切り替える第1スイッチと、前記第1スイッチの前記電源モジュール側の配線と前記二次電池との接続および遮断を切り替える第2スイッチと、を含む、
請求項1に記載の検査装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記電源モジュールおよび前記二次電池から前記検査対象に給電する際に、前記第1スイッチの接続および遮断を断続的に切り替えると共に、前記第2スイッチの接続および遮断を断続的に切り替えることで、前記電源モジュールの電力および前記二次電池の電力の割合を調整する、
請求項9に記載の検査装置。
【請求項11】
検査対象を電気的に検査する検査装置の検査方法であって、
前記検査装置は、
前記検査に使用する電力を給電する電源モジュールと、
前記電源モジュールと別に設けられ、電力を充放電可能な二次電池と、
前記電源モジュールおよび前記二次電池と前記検査対象とを電気的に接続する電力制御回路と、備え、
前記検査に使用する電力を設定する工程と、
前記電力制御回路に設けられ、前記電源モジュール、前記二次電池および前記検査対象の接続状態を切り替え可能なスイッチ部の前記接続状態を、設定した電力に基づき制御する工程と、を有する、
検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査装置、および検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被検査体の電気的検査を行う複数のテスタ(検査ユニット)を備えた検査装置が開示されている。この種の検査装置は、検査に使用する電力を各検査ユニットに供給するための電源回路を備える。
【0003】
近年は、ウエハの高精細化が進んでいることで、ウエハの検査に使用する電力が増加しており、これに伴い検査装置に適用される電源回路の回路規模およびサイズが大きくなる傾向にある。その一方で、検査装置は、設置先となる工場のフットプリントを考慮して、省スペース化が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、検査対象の検査時の電力を安定的に確保しつつ、装置の小型化を促すことができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、検査対象を電気的に検査する検査装置であって、前記検査に使用する電力を給電する電源モジュールと、前記電源モジュールと別に設けられ、電力を充放電可能な二次電池と、前記電源モジュールおよび前記二次電池と前記検査対象とを電気的に接続する電力制御回路と、前記電力制御回路に設けられ、前記電源モジュール、前記二次電池および前記検査対象の接続状態を切り替え可能なスイッチ部と、前記検査に使用する電力を設定し、設定した電力に基づき前記スイッチ部の前記接続状態を制御する制御部と、を備える、検査装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
一態様によれば、検査対象の検査時の電力を安定的に確保しつつ、装置の小型化を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る検査装置の全体構成を示す図である。
【
図2】検査装置の水平方向に沿った概略断面図である。
【
図3】搬送領域および検査領域の鉛直方向に沿った概略断面図である。
【
図4】テスタおよびプローブカードを有する検査ユニットを示す概略縦断面図である。
【
図5】電源回路部のハードウェア構成を示す説明図である。
【
図6】コントロールICの機能部を説明するための図である。
【
図7】
図7(A)は、DC/DC電源のみの電力をウエハに給電する例を示す動作図である。
図7(B)は、DC/DC電源の電力とバッテリの電力をウエハに給電する例を示す動作図である。
【
図8】
図8(A)は、DC/DC電源の電力をバッテリに給電する例を示す動作図である。
図8(B)は、DC/DC電源の電力をウエハおよびバッテリに給電する例を示す動作図である。
【
図9】一実施形態に係る検査装置の検査方法の処理フローを示すフローチャートである。
【
図10】第1変形例に係るコントロールICの機能部を示すブロック図である。
【
図11】
図11(A)は、第2変形例に係るコントロールICの機能部を示すブロック図である。
図11(B)は、第3変形例に係るコントロールICの機能部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
図1は、本開示の一実施形態に係る検査装置1の全体構成を示す図であり、(A)は、搬入出領域12から見た斜視図、(B)は、検査領域14から見た斜視図である。一実施形態に係る検査装置1は、基板の一例であるウエハWの電気的検査を行う。例えば、ウエハWは、検査対象デバイスであるLSI、半導体メモリ等の半導体デバイスを表面に有する。なお、検査を行う基板は、ウエハWに限定されず、半導体デバイスが配置されたキャリア、ガラス基板、チップ単体、電子回路基板等でもよい。
【0011】
検査装置1は、直方形状の筐体11を有し、この筐体11内にウエハWを実際に検査する複数のテスタ20を備える。また、検査装置1は、当該検査装置1の動作を制御する制御装置30(制御部)と、検査装置1のユーザが操作するための操作用端末40と、を有する。
【0012】
図2は、検査装置1の水平方向に沿った概略断面図である。
図1および
図2に示すように、筐体11は、当該筐体11の外部と内部との間でウエハWを搬入出する搬入出領域12と、搬入出領域12のウエハWを搬送する搬送領域13と、搬送領域13から搬送されたウエハWを検査する検査領域14と、を含む。
【0013】
搬入出領域12には、筐体11の水平方向に沿って複数の搬入出区画12aが設けられている。各搬入出区画12aは、ロードポート15、アライナ16等を備える。ロードポート15には、複数のウエハWを収容する容器であるFOUP(Front Opening Unified Pod)がセットされる。アライナ16は、ウエハWの位置合わせを行う。また、搬入出領域12は、ウエハW、およびテスタ20で使用するプローブカードPR(
図4参照)をFOUPから搬入出するためのローダ17を有する。
【0014】
搬送領域13は、搬入出領域12および検査領域14に移動可能な搬送ステージ18を複数有する。各搬送ステージ18は、後記の検査領域14の各テスタライン14Lに1つずつ設けられる。搬送ステージ18は、ウエハWを真空吸着して、位置決め固定するチャック装置18aを有すると共に、3次元方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)に移動可能な図示しない移動機構を備える。
【0015】
搬送ステージ18は、ロードポート15にセットされたFOUPのウエハWをローダ17から受け取って検査領域14へ搬送する。また、搬送ステージ18は、検査が終了したウエハWを検査領域14から搬入出領域12へ搬送し、ウエハWをローダ17に受け渡してFOUPに収容させる。さらに、搬送ステージ18は、テスタ20のプローブカードPRを交換する場合にも、搬入出領域12と検査領域14との間でプローブカードPRの搬送を行う。
【0016】
図3は、搬送領域13および検査領域14の鉛直方向に沿った概略断面図である。
図3に示すように、検査領域14は、ウエハWを検査する複数のテスタ20を有する。具体的には、複数のテスタ20は、水平方向かつ鉛直方向(高さ方向:Z軸方向)にマトリクス状に配置されている(
図1(B)も参照)。以下、水平方向に配置された複数のテスタ20のまとまりをテスタライン14Lという。テスタライン14Lは、水平方向に4つのテスタ20を有し、検査装置1は、このテスタライン14Lを鉛直方向に3段(多段)有する。つまり、検査装置1は12個のテスタ20を備える。なお、検査装置1は、テスタライン14Lを構成するテスタ20の数およびテスタライン14Lの段数について特に限定されないことは勿論である。
【0017】
また、検査領域14は、複数のテスタライン14L毎に1つのカメラ19を備える。各カメラ19は、対応するテスタライン14Lに沿って水平方向に移動し、テスタライン14Lを構成する各テスタ20の前において、搬送ステージ18が搬送するウエハWの位置等を撮像する。
【0018】
図4は、テスタ20およびプローブカードPRを有する検査ユニット21を示す概略縦断面図である。
図4に示すように、各テスタ20は、プローブカードPRを装着するポゴフレーム22(テストヘッド)を有し、プローブカードPRの装着状態でウエハWの電気的検査を行う。すなわち、検査装置1は、ウエハWの検査において、テスタ20とプローブカードPRとを組み立てることで、検査ユニット21を形成する。
【0019】
各テスタ20のメイン部は、筐体11内のフレームに連結されたポゴフレーム22の上部に、ベース20aを介して設置される。また、ポゴフレーム22の下部には、プローブカードPRが装着される。
【0020】
プローブカードPRは、円板形状の本体23と、本体23の上面に配置される多数の電極24と、各電極24に接続され本体23の下面から下方へ向かって突出する多数のコンタクトプローブ25(接触端子)と、を有する。各コンタクトプローブ25は、ウエハWの検査において、ウエハWに形成された各半導体デバイスの電極パッドや半田バンプに電気的に接触する。各コンタクトプローブ25は、例えば、ウエハWの全面に一括して接触することで、多数の半導体デバイスの電気的特性を同時に検査する。
【0021】
ポゴフレーム22は、略平板状に形成され、中央部近辺に複数の貫通穴26を有する。各貫通穴26には、多数のポゴピンからなるポゴブロック27が挿入されている。ポゴブロック27は、テスタ20のメイン部の検査回路に接続されると共に、プローブカードPRの多数の電極24に接触することが可能である。
【0022】
また、ポゴフレーム22は、当該ポゴフレーム22と搬送ステージ18との間で、真空を形成する真空機構28を有する。真空機構28は、上下移動可能にポゴフレーム22と係合するフランジ28a、ポゴフレーム22とフランジ28aの間を囲うベローズ28b、およびポゴフレーム22と、ベース20aと、プローブカードPRの間を囲うシール部材28c、28dを含む。さらに、フランジ28aの下端面には、チャック装置18aに気密に接触可能な接触部材28eが設けられている。真空機構28は、図示しない真空ポンプによりシール部材28cで囲った空間を真空引きすることで、ベース20aとポゴフレーム22とを装着し、かつチャック装置18aおよびプローブカードPRとポゴフレーム22とを装着する。
【0023】
各テスタ20は、各構成を動作させる制御基板29をテスタ20の内部に有する。制御基板29は、1以上のプロセッサ29a、メモリ29b、図示しない入出力インタフェースおよび電子回路等を有するテスタ用コンピュータ内臓ボードである。1以上のプロセッサ29aは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、複数のディスクリート半導体からなる回路等のうち1つまたは複数を組み合わせたものであり、メモリ29bに記憶されたプログラムを実行処理する。メモリ29bは、不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含み、制御基板29の記憶部を形成している。
【0024】
制御基板29は、プロセッサ29aによるプログラムを実行下に制御装置30から制御指令を受信すると、メモリ29bに記憶されたレシピに沿って各構成を制御してウエハWに対する電気的検査を行う。そして、制御基板29は、ウエハWの検査結果を制御装置30に送信する。
【0025】
検査装置1の制御装置30は、1以上のプロセッサ31、メモリ32、入出力インタフェース33および電子回路34を有する検査装置1全体の制御用コンピュータである。プロセッサ31は、CPU、GPU、ASIC、FPGA、複数のディスクリート半導体からなる回路等のうち1つまたは複数を組み合わせたものである。メモリ32は、不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含み、制御装置30の記憶部を形成している。
【0026】
制御装置30は、入出力インタフェース33を介して、ロードポート15、アライナ16、ローダ17、搬送ステージ18、カメラ19およびテスタ20(共に
図2を参照)等に通信可能に接続されている。
【0027】
また、制御装置30は、入出力インタフェース33を介して、検査装置1の筐体11に設けられた操作用端末40に接続されている(
図1参照)。操作用端末40は、検査装置1の入出力装置を構成するタッチパネル41等を適用し得る。なお、操作用端末40は、特に限定されず、モニタ、スピーカ、キーボード、マウス等を適用してもよい。制御装置30は、操作用端末40を介してユーザが入力した検査装置1の検査内容を受信し、この検査内容に基づき検査装置1の各構成に制御指令を出力し、ウエハWの電気的検査を行う。また、制御装置30は、各テスタ20から検査結果を受信すると、当該検査結果をメモリ32に記憶し、ユーザの操作下に操作用端末40に介して検査結果を表示する。
【0028】
以上のように構成された検査装置1は、制御装置30の制御に基づき、搬入出領域12のウエハWを搬送ステージ18により保持して、搬送ステージ18を移動させる。そして、検査装置1は、テスタ20のプローブカードPRの下方にウエハWを配置して、さらにプローブカードPRにウエハWを近接させる。搬送ステージ18がフランジ28aに当接した際に、プローブカードPRの下には、プローブカードPR、搬送ステージ18、ポゴフレーム22およびフランジ28aによって囲まれる空間が形成される。
【0029】
テスタ20の制御基板29は、検査装置1の制御指令を受信すると、真空機構28を動作し、ベローズ28bによって封止された空間を真空引きすることで、ポゴフレーム22に対してチャック装置18aを保持させる。このとき、ウエハWの各半導体デバイスにおける各電極パッドや各半田バンプと、プローブカードPRの各コンタクトプローブ25とが接触する。
【0030】
その後、各検査ユニット21(テスタ20、プローブカードPR)は、制御基板29の制御に基づき、ポゴピンおよびプローブカードPRの各コンタクトプローブ25を介して、ウエハWの各半導体デバイスに適宜の電力または信号を出力する。そして、制御基板29は、ウエハWから各コンタクトプローブ25およびポゴピンを介して戻る電力または信号を、テスタ20のメイン部の検査回路において電気的に検査する。
【0031】
上記のウエハWの検査において必要な電力をウエハWに給電するために、検査装置1は、
図5に示すような電源回路部50を複数の検査ユニット21毎に備える。
図5は、電源回路部50のハードウェア構成を示す説明図である。なお、
図5では、理解の容易化のために、所定の検査ユニット21においてプローブカードPRのコンタクトプローブ25がウエハWに接触して、ウエハWに電力を供給可能な回路の状態を概略的に示している。
【0032】
電源回路部50は、複数種類の電源を有する電源部51と、電源部51の電力を適宜制御してウエハWに給電する電力制御回路60と、を備える。例えば、電力制御回路60は、テスタ20内において所定の電源用基板(不図示)に設けられることで、テスタ20とウエハWとの間に介在する。あるいは、電力制御回路60は、テスタ20の制御基板29やプローブカードPRに併設されてもよい。
【0033】
具体的に、電源部51は、複数の電源として、テスタ20内に設けられるDC/DC電源52(電源モジュール)と、DC/DC電源52とは別に設けられるバッテリ53と、を含む。DC/DC電源52とバッテリ53の各々は、適宜の配線を介してグランドに接続(接地)されている。
【0034】
DC/DC電源52は、検査装置1の分電部(不図示)に接続され、検査装置1の主電源(不図示)から分電部において分電された電力を受電する。検査装置1の主電源は、図示しないアダプタを介して検査装置1が設置される工場の外部電源(AC電源)に接続される。検査装置1は、アダプタにおいて外部電源の交流電力を直流電力に変換し、主電源および分電部を介してDC/DC電源52に直流電力を給電する。
【0035】
DC/DC電源52は、電力を給電するテスタ20内またはテスタ20の近傍位置に設置され、電力制御回路60に電力を給電する。また、DC/DC電源52は、分電部(一次側)から給電される電圧を、ウエハWの検査に対応した検査用電圧に降圧または昇圧して、電力制御回路60(二次側)に印加する。
【0036】
ここで、本実施形態に係る電源部51は、DC/DC電源52とバッテリ53を併用することにより、DC/DC電源52が出力可能な最大出力電力(または最大効率の電力)について、ウエハWの検査における消費電力の最大値よりも小さくすることができる。したがって、DC/DC電源52は、サイズを可及的に小型化することが可能であり、これに伴って各テスタ20のサイズ、および検査装置1全体のサイズの小型化を促すことができる。
【0037】
バッテリ53は、電力制御回路60を介してDC/DC電源52およびウエハWに接続されている。このため、バッテリ53は、適宜のタイミングで、DC/DC電源52から出力された電力を充電することができる。バッテリ53に蓄電された電力は、ウエハWの検査の消費電力に対するDC/DC電源52の出力電力の不足分を補うために用いられる。バッテリ53は、テスタ20内に設けられてもよく、テスタ20の外部の空いたスペースに設置されてもよい。ユーザによるバッテリ交換を容易化するために、バッテリ53は、筐体11に対して着脱自在に設けられることが好ましい。あるいは、バッテリ53は、筐体11の外部に設けられてもよい。
【0038】
バッテリ53は、DC/DC電源52の検査用電圧と同じ電圧を出力するように構成される。この種のバッテリ53は、特に限定されるものではなく、電力を充放電する周知の二次電池(リチウムイオン電池、ニッケル・水素電池、鉛蓄電池等)を採用することができる。なお、電源回路部50は、バッテリ53と、DC/DC電源52およびウエハWとの間に、定電圧回路部(不図示)を備え、定電圧回路部において電圧を降圧または昇圧して電圧を一定化する構成でもよい。
【0039】
一方、電源回路部50の電力制御回路60は、DC/DC電源52からウエハWに給電する電力、DC/DC電源52からバッテリ53に給電する電力、バッテリ53からウエハWに給電する電力等を制御する。電力制御回路60は、DC/DC電源52、バッテリ53およびウエハWの接続状態を切り替え可能なスイッチ部61と、スイッチ部61の動作を制御するコントロールIC64(制御部)と、ウエハWに給電される電流を検出する電流検出部65と、を備える。
【0040】
また、電力制御回路60のスイッチ部61は、複数のスイッチ(第1スイッチ62、第2スイッチ63)を有する。第1スイッチ62は、配線66aを介してDC/DC電源52に接続され、配線66bを介して電流検出部65に接続され、配線66cを介してコントロールIC64に接続される。第2スイッチ63は、配線66dおよび配線66aを介してDC/DC電源52および第1スイッチ62に接続され、配線66eおよび配線66fを介してバッテリ53に接続され、配線66gを介してコントロールIC64に接続される。配線66aと配線66dは接点67において接続されている。また、電流検出部65は、配線66hを介してウエハWに接続され、一対の配線65wを介してコントロールIC64に接続されている。
【0041】
上記の配線66a~66hを有する電力制御回路60は、DC/DC電源52に対して第1スイッチ62と第2スイッチ63とを並列接続した回路構造となる。第1スイッチ62は、一次側の接点67と、二次側の電流検出部65およびウエハWとの接続および遮断を切り替えるスイッチ機能を有する。一方、第2スイッチ63は、一次側の接点67と二次側のバッテリ53との接続および遮断を切り替えるスイッチ機能を有する。第1スイッチ62および第2スイッチ63を構成するハードウェアは、特に限定されるものではないが、例えば、MOFSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)を好適に用いることができる。
【0042】
この場合、第1スイッチ62のゲートは、配線66cを介してコントロールIC64に接続される。第1スイッチ62のソースは、配線66aを介してDC/DC電源52に接続される。第1スイッチ62のドレインは、配線66cを介して電流検出部65(および二次側のウエハW)に接続される。このように配線された第1スイッチ62は、コントロールIC64の接続信号をゲートにて受信することで、ソース-ドレイン間を導通して電源部51からウエハWへの給電を行う。また、第1スイッチ62は、コントロールIC64の接続信号をゲートにて受信しないことで、ソース-ドレイン間を遮断する。
【0043】
第2スイッチ63のゲートは、配線66gを介してコントロールIC64に接続される。第2スイッチ63のソースは、配線66dを介して接点67に接続される。第2スイッチ63のドレインは、配線66e、66f、コントロールIC64を介してバッテリ53に接続される。このように配線された第2スイッチ63は、コントロールIC64の接続信号をゲートにて受信することで、ソース-ドレイン間を導通してバッテリ53からウエハWへの給電を行う。また、第2スイッチ63は、コントロールIC64の接続信号をゲートにて受信しないことで、ソース-ドレイン間を遮断する。
【0044】
電力制御回路60に搭載されるコントロールIC64は、電力制御用に構成されたICチップであり、例えばASIC、FPGA等のマイクロコンピュータを適用することができる。コントロールIC64は、上記の第1スイッチ62および第2スイッチ63に接続される他に、テスタ20、バッテリ53、電流検出部65に接続される。また、コントロールIC64は、DC/DC電源52およびバッテリ53と同様にグランドに接続(接地)されている。
【0045】
コントロールIC64は、テスタ20から送信される検査情報に基づき、第1スイッチ62の接続(オン)または遮断(オフ)、第2スイッチ63のオンまたはオフを制御する。また、本実施形態に係るコントロールIC64は、配線66e、66fを介してバッテリ53の充電時または放電時の電流を検知することで、バッテリ53の蓄電状態(バッテリ53の蓄電量、バッテリSOC(state of charge)等)を監視および記憶する。このコントロールIC64の動作については、後に詳述する。
【0046】
電流検出部65は、電流検出用の抵抗65rを有すると共に、当該抵抗65rの一次側の配線66bおよび二次側の配線66hにそれぞれ接続される一対の配線65wを有する。コントロールIC64は、一対の配線65wを介して抵抗65rにかかる電位差を検出することで、ウエハWに流れる電流を検知する。
【0047】
コントロールIC64は、ウエハWの検査時に、内部に予め記憶されたプログラムを実行することで、
図6(A)に示すような機能部を形成する。
図6は、コントロールIC64の機能部を説明するための図であり、(A)はブロック図、(B)給電判定処理部74の各機能を例示する説明図である。
【0048】
コントロールIC64の内部には、検査情報取得部71、蓄電状態取得部72、電流取得部73、給電判定処理部74、スイッチ制御部75が形成される。
【0049】
検査情報取得部71は、テスタ20に搬送されたウエハWの検査情報(検査項目、検査手順、または消費電力等)をテスタ20から取得する。そして、検査情報取得部71は、コントロールIC64内の記憶部に検査情報を記憶すると共に、給電判定処理部74に出力する。
【0050】
蓄電状態取得部72は、バッテリ53の蓄電状態に関わる情報をバッテリ53から取得する。なお、蓄電状態取得部72は、蓄電情報としてバッテリ53の出力電流や入力電流を検出して、バッテリの蓄電量(またはバッテリSOC)を算出する構成でもよく、バッテリ53内の図示しない制御チップと通信を行うことで蓄電状態の情報を得てもよい。蓄電情報を取得すると、蓄電状態取得部72は、コントロールIC64の記憶部に記憶すると共に、給電判定処理部74に出力する。
【0051】
電流取得部73は、電流検出部65の検出信号に基づきウエハWに供給される電流を取得(算出)して、コントロールIC64の記憶部に記憶すると共に、スイッチ制御部75に出力する。
【0052】
給電判定処理部74は、検査情報および蓄電情報に基づいて、電源部51の電力の配分を設定し、また電力の配分に基づきスイッチ部61の動作を決定する。このため、給電判定処理部74は、検査時の消費電力を推定する電力推定機能、DC/DC電源52の最大出力電力と消費電力とを比較する給電判定機能、検査時にバッテリ53が補充する補充電力とバッテリ53の蓄電量とを比較する蓄電量判定機能、スイッチ部61の動作を設定する動作設定機能を有する。
【0053】
詳細には
図6(B)に示すように、給電判定処理部74は、電力推定機能において検査情報取得部71から受信したウエハWの検査情報に基づき、今回のウエハWの検査に必要な消費電力を推定(算出)する。例えば、給電判定処理部74は、複数の検査項目毎の消費電力を予め保有しており、検査情報として取得した検査項目に基づき、検査全体の消費電力を算出する。また、給電判定処理部74は、検査の時系列における消費電力を合わせて算出する。一例として、給電判定処理部74は、検査の手順に基づき同時間に複数の検査項目を行う場合に、当該複数の検査項目の消費電力を合算した電力を算出する。なお、コントロールIC64は、複数の検査項目および消費電力を予めデータとして保有する構成に限定されず、検査情報として検査項目と共にその消費電力を合わせて取得する構成でもよい。
【0054】
そして、給電判定処理部74は、給電判定機能により、時系列における消費電力と、予め保有しているDC/DC電源52の最大出力電力とを比較して、最大出力電力以上となる消費電力(以下、補充電力ともいう)があるか否かを判定する。補充電力がある場合には、バッテリ53からウエハWへの給電が必要になるからである。その一方で、最大出力電力以上となる消費電力がない場合、給電判定処理部74は、動作設定機能においてバッテリ53を使用しない給電に設定することができる。なお、検査の消費電力と比較するパラメータは、最大出力電力に限定されるものではなく、例えば、DC/DC電源52の最大効率の電力としてもよい。
【0055】
補充電力がある場合に、給電判定処理部74は、蓄電量判定機能により、検査の時系列全体にわたる補充電力を算出し、算出した補充電力とバッテリ53の蓄電量とを比較して、バッテリ53の充電が必要か否かを判定する。補充電力の算出は、検査の時系列における消費電力に対してDC/DC電源52の最大出力電力(または最大効率の電力)を減算することで得られる。この蓄電量判定機能でバッテリ53の蓄電量が少ない場合に、コントロールIC64は、DC/DC電源52からバッテリ53への給電(充電)を判定する。逆に、蓄電量判定機能でバッテリ53の蓄電量が多い場合に、コントロールIC64は、バッテリ53からの補助電力を直ちに給電することができる。
【0056】
給電判定処理部74は、上記で算出した消費電力、補充電力またはバッテリ53の蓄電量に基づき、動作設定機能により電力の配分を設定し、設定した電力の配分に基づきスイッチ部61の動作内容を設定する。
【0057】
そして、スイッチ制御部75は、給電判定処理部74において設定されたスイッチ部61の動作内容に基づき、第1スイッチ62のオンまたはオフ、および第2スイッチ63のオンまたはオフを制御する。以下、
図7および
図8を参照して、スイッチ部61による電源回路部50の給電パターンについて説明する。
【0058】
図7(A)は、DC/DC電源52のみの電力をウエハWに給電する例を示す動作図である。例えば、給電判定処理部74は、給電判定機能により検査の消費電力がDC/DC電源52の最大出力電力未満であることを判定した場合、バッテリ53からの給電を行わずに、DC/DC電源52のみの電力をウエハWに給電させる。すなわち、給電判定処理部74は、バッテリ53からの給電をゼロするために第2スイッチ63をオフとし、検査項目の時系列に沿った電力をDC/DC電源52から出力するために第1スイッチ62をオンとする動作を設定する。
【0059】
電源回路部50は、第1スイッチ62をオンする一方で第2スイッチ63をオフすることで、検査項目の消費電力に応じた電力をDC/DC電源52からウエハWに給電する。以下、DC/DC電源52のみからウエハWに給電するモードを通常モードともいう。これにより、テスタ20は、バッテリ53の電力を使用せずに、ウエハWを検査することができる。
【0060】
図7(B)は、DC/DC電源52の電力とバッテリ53の電力をウエハWに給電する例を示す動作図である。例えば、給電判定処理部74は、給電判定機能により検査の消費電力がDC/DC電源52の最大出力電力以上と判定し、かつ蓄電量判定機能によりバッテリ53の蓄電量が充分にある場合、DC/DC電源52の電力とバッテリ53の電力とをウエハWに給電する。すなわち、給電判定処理部74は、バッテリ53の電力を給電するために第2スイッチ63をオンとし、かつDC/DC電源52とバッテリ53の電力をウエハWに給電するために第1スイッチ62をオンとする動作を設定する。
【0061】
電源回路部50は、第1スイッチ62および第2スイッチ63の両方がオンとなることで、DC/DC電源52の電力およびバッテリ53の電力を合成してウエハWに給電することができる。以下、DC/DC電源52の電力とバッテリ53の電力の両方から行う給電を高出力モードともいう。これにより、テスタ20は、ウエハWの検査の消費電力が大きい場合でも、検査を安定的に行うことができる。
【0062】
図8(A)は、DC/DC電源52の電力をバッテリ53に給電する例を示す動作図である。例えば、給電判定処理部74は、蓄電量判定機能により高出力モードにおいてバッテリ53の電力をウエハWに給電すると蓄電量がなくなることを判定した場合に、ウエハWの検査を停止して、DC/DC電源52の電力をバッテリ53に給電する動作を行う。すなわち、給電判定処理部74は、バッテリ53を充電するために第2スイッチ63をオンとし、かつウエハWへの給電を遮断するために第1スイッチ62をオフとする動作を設定する。
【0063】
電源回路部50は、第1スイッチ62がオフする一方で第2スイッチ63がオンすることで、DC/DC電源52の電力をバッテリ53にスムーズに充電することができる。以下、DC/DC電源52によるウエハWへの給電を停止して、DC/DC電源52の電力をバッテリ53の充電に当てるモードを全充電モードともいう。そして、検査装置1は、全充電モードにおいて、バッテリ53の蓄電量が補充電力を賄うことが可能な量になる(またはバッテリ53の蓄電量が補充電力よりも大きな所定の値以上になる)と、ウエハWの検査に移行する。これにより、検査装置1は、ウエハWの検査時に、バッテリ53の電力不足による検査の中断を回避できる。
【0064】
図6(A)に戻り、スイッチ制御部75は、給電判定処理部74の動作設定に基づきスイッチ部61のオンまたはオフを制御する際に、電流検出部65が検出する電流に基づきスイッチ部61を切り替えてもよい。例えば、スイッチ制御部75は、第1スイッチ62がオンする一方、第2スイッチ63がオフの状態で、電流検出部65が検出する実電流を監視し、消費電力が大きくなるピーク電流等となったタイミングで第2スイッチ63をオンする等の制御を行う。
【0065】
また、スイッチ制御部75は、実際にウエハWに給電する電力に基づき、PWM制御等の断続波形で電力を給電してもよい。これにより、電力制御回路60は、ウエハWに給電する電力を精度よく調整することができる。例えば、スイッチ制御部75は、DC/DC電源52の電力とバッテリ53の電力の両方をウエハWに給電する場合に、第1スイッチ62および第2スイッチ63のオンまたはオフを適切に切り替えることで、それぞれの電力の割合を調整することも可能となる。一例として、スイッチ制御部75は、ウエハWの検査の消費電力に対して、DC/DC電源52の電力を7割で給電し、バッテリ53の電力を3割で補うように給電させる制御を行うことができる。
【0066】
本実施形態に係る検査装置1は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下その動作(検査方法)について、
図9を参照しながら説明する。
図9は、一実施形態に係る検査装置1の検査方法の処理フローを示すフローチャートである。
【0067】
検査装置1の制御装置30は、所定の検査ユニット21(テスタ20)にウエハWを搬送した後、テスタ20においてウエハWの検査を開始する。ウエハWの検査の開始時に、コントロールIC64は、まず検査情報取得部71においてテスタ20からウエハWの検査情報を取得する(ステップS1)。
【0068】
また、給電判定処理部74は、電力推定機能により、取得したウエハWの検査情報に基づき、ウエハWの検査に必要な消費電力を算出する(ステップS2)。例えば上記したように、給電判定処理部74は、ウエハWの検査全体の消費電力、検査の時系列における消費電力等を算出する。
【0069】
その後、給電判定処理部74は、給電判定機能により、算出した消費電力と、DC/DC電源52の最大出力電力(または最大効率の電力)とを比較し、消費電力が最大出力電力未満か否かを判定する(ステップS3)。消費電力が最大出力電力未満の場合(ステップS3:YES)には、ステップS4に進む一方で、消費電力が最大出力電力以上の場合(ステップS3:NO)には、ステップS5に進む。
【0070】
ステップS4において、給電判定処理部74は、バッテリ53を使用せずに、DC/DC電源52の電力のみをウエハWに供給する通常モードの設定とする。これにより、スイッチ制御部75は、第1スイッチ62をオンする一方で、第2スイッチ63をオフする(
図7(A)も参照)。ステップS4の後、電源回路部50は、DC/DC電源52からウエハWに対して検査に必要な電力を安定して給電することができる。
【0071】
一方、消費電力が最大出力電力以上の場合には、DC/DC電源52の電力に加えて、バッテリ53の電力が必要となる。ただし、ウエハWの検査中に、仮にバッテリ53からの電力が不足した場合には、検査に不都合が生じる。このためステップS5において、蓄電状態取得部72は、バッテリ53から蓄電情報を取得する。
【0072】
そして、給電判定処理部74は、蓄電量判定機能によりウエハWの検査全体に必要な補充電力を算出し、算出した補充電力とバッテリ53の蓄電量とを比較する(ステップS6)。バッテリ53の蓄電量が補充電力以上の場合(ステップS6:YES)には、ステップS7に進む一方で、バッテリ53の蓄電量が補充電力未満の場合(ステップS6:NO)には、ステップS8に進む。
【0073】
ステップS7において、給電判定処理部74は、DC/DC電源52の電力に加えてバッテリ53の電力をウエハWに給電する高出力モードの設定とする。これにより、スイッチ制御部75は、第1スイッチ62をオンすると共に、第2スイッチ63をオンする制御を行う(
図7(B)も参照)。ステップS7の後、電力制御回路60は、DC/DC電源52の電力とバッテリ53の電力とを合成した電力をウエハWに給電することで、ウエハWの検査に必要な電力を安定して給電することができる。なお、DC/DC電源52の電力とバッテリ53の電力を同時に供給するタイミングは、検査期間全体であってもよく、DC/DC電源52の最大出力電力以上の検査項目を実施する時だけであってもよい。
【0074】
また、バッテリの蓄電量が補充電力未満の場合、ステップS8において、給電判定処理部74は、ウエハWの検査を行う前に、バッテリ53を充電する全充電モードの設定とする。そのため、スイッチ制御部75は、第1スイッチ62をオフする一方で、第2スイッチ63をオンする制御を行う(
図8(A)も参照)。これにより、電力制御回路60は、ウエハWの検査前に、DC/DC電源52の電力をバッテリ53に給電してバッテリ53を充電することが可能となる。
【0075】
また全充電モードにおいて、電力制御回路60は、第1スイッチ62をオフとすることで、バッテリ53の充電が完了するまでの間、DC/DC電源52からウエハWへの給電を遮断して検査を一時停止する。この結果、検査装置1は、ウエハWの検査を電力不足によって不用意に中断することを回避することができる。
【0076】
そして、コントロールIC64は、バッテリ53の充電時に、ステップS5、ステップS6、ステップS8の処理を繰り返すことで、バッテリ53の蓄電量が補充電力(また補充電力より大きな所定の値)以上になったか否かを継続的に判定する。ステップS6において、バッテリ53の蓄電量が補充電力以上になったことを判定した場合にステップS7に進む。これにより、コントロールIC64は、バッテリ53の蓄電量が検査に必要な電力となった状態で高出力モードを行うことになるため、ウエハWを安定的に検査することができる。
【0077】
以上のように、本実施形態に係る検査装置1および給電方法は、DC/DC電源52およびバッテリ53を適用することで、ウエハWの検査時の電力を良好に保障することができる。特に、バッテリ53は、蓄電可能な容量が大きくても、DC/DC電源52に比べて充分に小型なものを採用でき、しかも筐体11の空いたスペースに設置することが可能である。したがって、検査装置1は、ウエハWの安定的な検査を実現しつつ、小型化を促進して省スペース化を図ることができる。
【0078】
なお、本開示の検査装置1および給電方法は、上記の実施形態に限定されず、種々の変形例をとり得る。例えば、バッテリ53の充電は、ウエハWの検査の判定に伴って実施するだけでなく、テスタ20の待機時(ウエハWの搬送時、別のテスタ20の稼働に伴う待機時等)に実施し得ることは勿論である。一例として、検査装置1は、バッテリ53の蓄電量が所定値(例えば、バッテリSOCが50%)未満になった状態でテスタ20の待機に移行した場合に、バッテリ53の充電を自動的に行うとよい。
【0079】
検査装置1は、必要に応じてDC/DC電源52の電力よりもバッテリ53の電力をウエハWに多く給電する構成としてもよい。例えば、複数のテスタ20の検査が重複することにより主電源からDC/DC電源52への電力が充分に給電できない場合、停電やトラブルによる電力遮断の場合等に、バッテリ53の電力を用いてウエハWを検査しておく。そして、DC/DC電源52に給電できるようになった場合に、バッテリ53の電力からDC/DC電源52の電力に切り替えること等があげられる。
【0080】
また例えば、検査装置1は、
図1に示すように、複数のテスタ20により複数のウエハWをそれぞれ検査する構成だけでなく、1つのテスタ20によってウエハWを1枚毎に検査するプローバタイプの装置であってもよい。また、ウエハWに給電する電力モジュールは、DC/DC電源52に限定されず、外部電源に接続される主電源であってもよい。
【0081】
検査装置1は、テスタ20毎の電源用基板のコントロールIC64にてDC/DC電源52およびバッテリ53の電力の判定および配分を制御する構成に限定されず、テスタ20の制御基板29や制御装置30等において同様の制御を行ってもよい。
【0082】
検査装置1は、複数のテスタ20毎に電源部51(DC/DC電源52、バッテリ53)を備える構成に限定されず、筐体11内に1つのDC/DC電源52および1つのバッテリ53を備え、各テスタ20の電力制御回路60に電力を給電する構成でもよい。つまり、検査装置1は、電源部51に複数の電力制御回路60を並列接続した構成をとり得る。あるいは、電源部51は、1つのDC/DC電源52に対して複数のバッテリ53を接続した構成等をとってもよい。
【0083】
以下、検査装置1および給電方法の他の変形例(第1~第3変形例)について、
図10および
図11を参照しながら説明していく。なお、以降で説明する第1~第3変形例の構成は、個別に適用可能である他に、上記の実施形態と共に複数組み合わせて構成し得ることは勿論である。
【0084】
図10は、第1変形例に係るコントロールIC64Aの機能部を示すブロック図である。第1変形例に係るコントロールIC64Aは、テスタ20や検査装置1の制御装置30等を連携することで、通常モードや高出力モード、全充電モードの他に、低スループットモード、高スループットモード、余剰充電モード等を実施可能となっている。このように複数のモードを選択および実行することで、コントロールIC64Aは、ウエハWの検査においてフレキシブルな対応を採ることができる。
【0085】
具体的に、「低スループットモード」とは、通常モードよりもウエハWの検査にかかる時間を長くすることで、検査の消費電力を抑制するモード(エコモード)である。例えば、低スループットモードでは、検査項目において低電力に切り替えても検査可能な項目は低電力に切り替えると共に、消費電力が大きい検査項目は1個または少数の半導体デバイス単位で検査する等の動作を行うことがあげられる。
【0086】
「高スループットモード」とは、通常モードよりも検査の消費電力を高めることで、ウエハWの検査にかかる時間を短くするモードである。例えば、高スループットモードでは、検査項目において高電力に切り替えても検査可能な項目は高電力に切り替えると共に、多数または全部の半導体デバイスを同時に検査する等の動作を行うことがあげられる。高スループットモードは、DC/DC電源52とバッテリ53の両方の給電を前提としたパターンを採ってもよく、DC/DC電源52のみの給電を前提としたパターンを採ってもよい。
【0087】
「余剰充電モード」とは、DC/DC電源52の最大出力電力に対してウエハWに出力する電力が小さい場合に、その余剰分の電力をバッテリ53に給電してバッテリ53を充電するモードである。例えば、バッテリ53の蓄電量が少ない場合に、コントロールIC64Aは、
図8(B)に示すように第1スイッチ62および第2スイッチ63の両方をオンすることで、DC/DC電源52からウエハWおよびバッテリ53への充電を行う。
【0088】
ここで、コントロールIC64Aは、バッテリ53の最大電池容量および現在の蓄電量に基づきバッテリ53の充電期間を推定することができる。また上記したように、コントロールIC64Aは、ウエハWの検査において実施する検査項目とその消費電力を認識している。そのため、コントロールIC64Aは、モード選択機能においてモードを適切に選択することで、検査項目、検査項目毎の消費電力、バッテリ53の蓄電量等に応じて、検査期間の短縮または延長、検査の消費電力の低減または増加、バッテリ53を使用するタイミング、バッテリ53の充電タイミング等の最適化を図ることができる。
【0089】
例えば、コントロールIC64Aは、検査情報に基づきウエハWの検査の消費電力が低減可能であり、かつバッテリ53の蓄電量が少なく充電期間が長くなると判定した場合、低スループットモードを選択する。これにより、ウエハWの検査に時間がかかるものの、バッテリ53の電力の使用を抑えてウエハWを良好に検査することができる。
【0090】
また例えば、コントロールIC64Aは、検査情報に基づきウエハWの検査の消費電力が増加可能であり、かつバッテリ53の蓄電量が検査の消費電力よりも充分に多いと判定した場合、高スループットモードを選択する。これにより、ウエハWの検査の消費電力が大きくなるものの、検査の時間を短縮することができる。
【0091】
あるいは、コントロールIC64Aは、ウエハWの検査の消費電力がDC/DC電源52の最大出力電力未満であり、かつバッテリ53の蓄電量が少ない場合、余剰充電モードを選択する。これにより、ウエハWを検査しながら、バッテリ53の充電を行うことができ、バッテリ53の蓄電量を容易に増やすことができる。
【0092】
図11(A)は、第2変形例に係るコントロールIC64Bの機能部を示すブロック図である。第2変形例に係るコントロールIC64Bは、検査している最中に電流検出部65において検出した電流値(実電力)をフィードバックして蓄積し、蓄積した電流値に基づき検査項目の消費電力を補正する消費電力補正部76を備える。例えば、消費電力補正部76は、ウエハWの検査を複数回実施してフィードバックされた各消費電力の平均値を算出する等して、検査項目毎の消費電力を補正する。これにより、コントロールIC64は、保有している検査項目毎の消費電力の精度を一層高めることができる。
【0093】
また、コントロールIC64Bは、検査項目において消費電力が分からない場合に、ウエハWに対して最大出力電力を給電してウエハWの検査を行ってもよい。そして、検査の終了後に、検査項目毎に使用した消費電力をフィードバックすることで、検査項目毎の消費電力を算出することができる。
【0094】
なお、コントロールIC64Bによる消費電力の監視は、電流検出部65による電流の検出だけでなく、検査時にウエハWにかかる電圧を検出する電圧検出部68を備え、電流検出部65の電流と電圧検出部68の電圧とに基づき消費電力を算出してもよい。また、コントロールIC64Bは、検査項目毎の消費電力を、操作用端末を介してユーザにより設定する構成としてもよい。
【0095】
図11(B)は、第3変形例に係るコントロールIC64Cの機能部を示すブロック図である。第3変形例に係るコントロールIC64Cは、バッテリ53から取得する蓄電状態に基づき、バッテリ53の交換を推定するバッテリ劣化推定部77を備える。バッテリ劣化推定部77による劣化推定方法は、バッテリ53の充放電曲線を用いる等の周知の方法を採ることができる。例えば、バッテリ劣化推定部77は、バッテリ53に対して定期的な診断を実行し、バッテリ53の充放電効率等が所定の閾値以下となった場合に、操作用端末40を介してバッテリ53の交換を促すアラームを報知する。これにより、検査装置1は、バッテリ53の蓄電性能を維持することができ、ウエハWの検査時にバッテリ53から安定的に給電することが可能となる。
【0096】
以上の実施形態で説明した本開示の技術的思想および効果について以下に記載する。
【0097】
本開示の第1の態様は、検査対象(ウエハW)を電気的に検査する検査装置1であって、検査に使用する電力を給電する電源モジュール(DC/DC電源52)と、電源モジュールと別に設けられ、電力を充放電可能な二次電池(バッテリ53)と、電源モジュールおよび二次電池と検査対象とを電気的に接続する電力制御回路60と、電力制御回路60に設けられ、電源モジュール、二次電池および検査対象の接続状態を切り替え可能なスイッチ部61と、検査に使用する電力を設定し、設定した電力に基づきスイッチ部61の接続状態を制御する制御部(コントロールIC64)と、を備える。
【0098】
上記によれば、検査装置1は、電源モジュール(DC/DC電源52)の電力と二次電池(バッテリ53)の電力を用いることで、検査対象(ウエハW)の検査時の電力を安定的に確保することが可能となる。また、二次電池は、検査に給電可能な大きな容量を持つ場合でも電源モジュールに比べて小型化することが可能である。しかも、二次電池は、電源モジュールと別になっていることで、検査装置1の空いたスペースに設置することができる。そのため、検査装置1は、検査に要求される電力量が大きい場合でも、装置の小型化を促すことができる。
【0099】
また、制御部(コントロールIC64)は、検査の消費電力を算出して、算出した消費電力と電源モジュール(DC/DC電源52)の最大出力電力とを比較し、消費電力が最大出力電力未満の場合に、二次電池(バッテリ53)の電力を使用せずに、電源モジュールのみの電力を検査対象(ウエハW)に給電するようにスイッチ部61の接続状態を切り替える。このように、検査の消費電力が電源モジュールの最大出力電力未満の場合に、電源モジュールの電力のみを検査対象に給電することで、検査装置1は、検査を安定的に実施しつつ、二次電池の使用頻度を下げることができる。その結果、二次電池の劣化等を抑制することが可能となる。
【0100】
また、制御部(コントロールIC64)は、消費電力が最大出力電力以上の場合に、二次電池(バッテリ53)が補充する補充電力を算出して、算出した補充電力と二次電池の蓄電量とを比較し、二次電池の蓄電量が補充電力以上の場合に、電源モジュール(DC/DC電源52)の電力に加えて二次電池の電力を検査対象(ウエハW)に給電するようにスイッチ部61の接続状態を切り替える一方で、二次電池の蓄電量が補充電力未満の場合に、電源モジュールの電力を二次電池に給電するようにスイッチ部61の接続状態を切り替える。これにより、検査装置1は、検査の消費電力が大きい場合でも電源モジュールの電力と二次電池の電力を合成して検査対象に給電することができる。さらに、二次電池の蓄電量が少ない場合には、二次電池の充電を優先するので、検査装置1は、充電後の二次電池から検査対象に安定的に給電を行うことが可能となる。
【0101】
また、制御部(コントロールIC64)は、電源モジュール(DC/DC電源52)の電力を二次電池(バッテリ53)に給電する場合に、電源モジュールから検査対象(ウエハW)への給電を停止するようにスイッチ部61の接続状態を切り替える。このように、二次電池の充電時に検査対象の検査を停止することで、検査装置1は電力不足による検査の中断を未然に防ぐことができる。
【0102】
また、制御部(コントロールIC64)は、電源モジュール(DC/DC電源52)の電力を検査対象(ウエハW)に給電する場合に、電源モジュールから余剰の電力を二次電池(バッテリ53)に給電して、二次電池を充電するように接続状態を切り替える。これにより、検査装置1は、検査対象の検査時でも二次電池を充電することができ、二次電池の蓄電量を増加させることができる。
【0103】
また、検査対象(ウエハW)の検査を実際に行うテスタ20を有し、制御部(コントロールIC64)は、検査の検査項目を含む検査情報をテスタ20から取得して、検査の検査項目に基づき消費電力を算出する。これにより、検査装置1は、検査対象の検査に必要な消費電力をスムーズに得ることができる。
【0104】
また、制御部(コントロールIC64)は、検査の複数の検査項目毎の消費電力を予め保有しており、検査において使用した実電力を複数の検査項目毎に取得し、かつ複数の検査項目毎の実電力に基づき、複数の検査項目毎の消費電力を補正する。これにより、検査装置1は、検査の消費電力を一層精度よく算出することが可能となる。
【0105】
また、制御部(コントロールIC64)は、検査に関わる情報および二次電池(バッテリ53)の蓄電情報に基づき、電源モジュール(DC/DC電源52)の電力を検査対象(ウエハW)に給電する通常モードと、通常モードよりも検査にかかる時間を長くする一方で、通常モードよりも検査に使用する電力を減らす低スループットモードと、通常モードよりも検査にかかる時間を短くする一方で、通常モードよりも検査に使用する電力を増やす高スループットモードと、を選択する。これにより、検査装置1は、必要に応じて低スループットモードや高スループットモードを選択することで、検査効率の向上、または検査の消費電力の抑制等を適切に実現することができる。
【0106】
また、スイッチ部61は、電源モジュール(DC/DC電源52)と検査対象(ウエハW)との間の接続および遮断を切り替える第1スイッチと62、第1スイッチ62の電源モジュール側の配線と二次電池(バッテリ53)との接続および遮断を切り替える第2スイッチ63と、を含む。これにより、検査装置1は、電源モジュール、二次電池、検査対象の接続状態を簡単に切り替えることができる。
【0107】
また、制御部(コントロールIC64)は、電源モジュール(DC/DC電源52)および二次電池(バッテリ53)から検査対象(ウエハW)に給電する際に、第1スイッチ62の接続および遮断を断続的に切り替えると共に、第2スイッチ63の接続および遮断を断続的に切り替えることで、電源モジュールの電力および二次電池の電力の割合を調整する。これにより、検査装置1は、検査対象に給電する電源モジュールの電力と二次電池の電力を適切に配分することができる。
【0108】
また、本開示の第2の態様は、検査対象(ウエハW)を電気的に検査する検査装置1の検査方法であって、検査装置1は、検査に使用する電力を給電する電源モジュール(DC/DC電源52)と、電源モジュールと別に設けられ、電力を充放電可能な二次電池(バッテリ53)と、電源モジュールおよび二次電池と検査対象とを電気的に接続する電力制御回路60と、備え、検査に使用する電力を設定する工程と、電力制御回路60に設けられ、電源モジュール、二次電池および検査対象の接続状態を切り替え可能なスイッチ部61の接続状態を、設定した電力に基づき制御する工程と、を有する。この場合でも、検査方法は、検査対象の検査時の電力を安定的に確保しつつ、装置の小型化を促すことができる。
【0109】
今回開示された実施形態に係る検査装置1および検査方法は、すべての点において例示であって制限的なものではない。実施形態は、添付の請求の範囲およびその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形および改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。例えば、検査装置1が検査する検査対象は、基板に限定されず、電気的な検査が必要な種々のものを対象とし得る。
【符号の説明】
【0110】
1 検査装置
52 DC/DC電源
53 バッテリ
60 電力制御回路
61 スイッチ部
64 コントロールIC
W ウエハ