IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日亜化学工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-発光モジュール 図1
  • 特開-発光モジュール 図2
  • 特開-発光モジュール 図3
  • 特開-発光モジュール 図4
  • 特開-発光モジュール 図5
  • 特開-発光モジュール 図6
  • 特開-発光モジュール 図7
  • 特開-発光モジュール 図8
  • 特開-発光モジュール 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174024
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】発光モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/58 20100101AFI20231130BHJP
【FI】
H01L33/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086630
(22)【出願日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】大黒 真一
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA13
5F142AA26
5F142CA11
5F142CB03
5F142CB23
5F142CD02
5F142CE06
5F142CE08
5F142CE16
5F142CE32
5F142CG03
5F142CG04
5F142CG05
5F142CG26
5F142DA12
5F142DB17
(57)【要約】
【課題】信頼性が高い発光モジュールを提供すること。
【解決手段】発光モジュールは、基板と、基板上に配置された第1光源であって、第1発光素子と、第1発光素子の側面を覆う第1透光性部材と、第1透光性部材の下面を覆う第1光反射性部材とを有する第1光源と、基板上に配置された第2光源であって、第2発光素子と、第2発光素子の側面を覆う第2透光性部材と、第2透光性部材の下面を覆う第2光反射性部材とを有する第2光源と、第1透光性部材の側面、第1光反射性部材の側面、第1光反射性部材の下面、第2透光性部材の側面、第2光反射性部材の側面、第2光反射性部材の下面、及び基板の上面と接する遮光性部材と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置された第1光源であって、第1発光素子と、前記第1発光素子の側面を覆う第1透光性部材と、前記第1透光性部材の下面を覆う第1光反射性部材とを有する前記第1光源と、
前記基板上に配置された第2光源であって、第2発光素子と、前記第2発光素子の側面を覆う第2透光性部材と、前記第2透光性部材の下面を覆う第2光反射性部材とを有する前記第2光源と、
前記第1透光性部材の側面、前記第1光反射性部材の側面、前記第1光反射性部材の下面、前記第2透光性部材の側面、前記第2光反射性部材の側面、前記第2光反射性部材の下面、及び前記基板の上面と接する遮光性部材と、
を備える発光モジュール。
【請求項2】
前記第1光源は、平面視において前記第1発光素子と前記第1透光性部材の間に位置する第1封止部材を有する請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項3】
前記第1光反射性部材は、前記第1発光素子の下面及び前記第1封止部材の下面を覆う請求項2に記載の発光モジュール。
【請求項4】
前記第1光源は、前記第1発光素子の上面を覆う第1光調整部材を有する請求項1~3のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項5】
前記第1透光性部材の上面の全面が、前記遮光性部材から露出する請求項1~3のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項6】
前記第1透光性部材の側面の一部が、前記遮光性部材から露出する請求項1~3のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項7】
前記遮光性部材の上面の少なくとも一部は、前記第1発光素子の上面よりも上側に位置する請求項1~3のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項8】
前記第1封止部材は、蛍光体を含み、
断面視において、前記第1封止部材の横方向の幅は、前記第1透光性部材の横方向の幅よりも短い請求項2または3に記載の発光モジュール。
【請求項9】
前記第1光源と前記基板とを電気的に接続する第1導電性部材をさらに備え、
前記第1導電性部材と、前記第1光反射性部材の下面に接する前記遮光性部材との間に空隙が位置する請求項1~3のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項10】
前記基板上に配置された第3光源をさらに備え、
前記第1光源と前記第2光源とは、第1方向に並んで位置し、
前記第1光源と前記第3光源とは、前記第1方向に直交する第2方向に並んで位置し、
前記第1方向における前記第1光源と前記第2光源との間の最短距離は、前記第2方向における前記第1光源と前記第3光源との間の最短距離の0.9倍以上1.1倍以下である請求項1~3のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項11】
平面視において、前記基板は、前記第1方向に延びる長辺と、前記第2方向に延び、前記長辺よりも短い短辺とを有し、
前記第1透光性部材の前記第1方向における長さは、前記第1透光性部材の前記第2方向における長さよりも長い請求項10に記載の発光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、基板上に配置された第1発光ダイオードと第2発光ダイオードとの間に、光反射性又は光散乱性のフィラーを含む部材が配置された構成を有する発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0259137号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、信頼性が高い発光モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、発光モジュールは、基板と、前記基板上に配置された第1光源であって、第1発光素子と、前記第1発光素子の側面を覆う第1透光性部材と、前記第1透光性部材の下面を覆う第1光反射性部材とを有する前記第1光源と、前記基板上に配置された第2光源であって、第2発光素子と、前記第2発光素子の側面を覆う第2透光性部材と、前記第2透光性部材の下面を覆う第2光反射性部材とを有する前記第2光源と、前記第1透光性部材の側面、前記第1光反射性部材の側面、前記第1光反射性部材の下面、前記第2透光性部材の側面、前記第2光反射性部材の側面、前記第2光反射性部材の下面、及び前記基板の上面と接する遮光性部材と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、信頼性が高い発光モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の発光モジュールの模式平面図である。
図2図1のII-II線における模式断面図である。
図3図2におけるA部の拡大断面図である。
図4】第2実施形態の発光モジュールの模式平面図である。
図5図4のV-V線における模式断面図である。
図6】第3実施形態の発光モジュールの模式平面図である。
図7】実施形態の発光モジュールにおける光源の第1変形例の模式平面図である。
図8図7のVIII-VIII線における模式断面図である。
図9】実施形態の発光モジュールにおける光源の第2変形例の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態の発光モジュールについて説明する。実施形態に記載されている構成部の寸法、材料、形状、相対的配置などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係などは、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については、同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。
【0009】
以下の説明において、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を分かり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本明細書において「上(又は下)」と表現する位置関係は、例えば、2つの部材があると仮定した場合に、2つの部材が接している場合と、2つの部材が接しておらず一方の部材が他方の部材の上方(又は下方)に位置している場合を含む。
【0010】
以下に示す図でX軸、Y軸、及びZ軸により方向を示す場合がある。X軸に沿うX方向は、実施形態の発光モジュールの発光面内での所定方向を示す。Y軸に沿うY方向は、上記発光面内においてX方向に直交する方向を示す。Z軸に沿うZ方向は、上記発光面に直交する方向を示す。すなわち、発光モジュールの発光面はXY平面に平行であり、Z軸はXY平面に直交する。例えば、以下の実施形態において、第1方向をX軸に沿う方向とし、第2方向をY軸に沿う方向とし、第3方向をZ軸に沿う方向として説明する。また、第1方向を横方向として説明する場合もある。なお、第1方向、第2方向、及び第3方向は、必ずしもX軸、Y軸、及びZ軸に沿う必要はない。
【0011】
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態の発光モジュール1は、基板50と、基板50上に配置された2以上の光源10とを備える。
【0012】
<基板>
基板50は、光源10に電力を供給するための配線部を有する配線基板である。発光モジュール1の薄型化のため、基板50はフレキシブル基板であることが好ましい。基板50は、リジッド基板であってもよい。
【0013】
図2に示すように、基板50は、絶縁性部材51と、導電性の配線部52とを有する。配線部52は、例えば、基板50の上面50cに配置される。例えば、絶縁性部材51の上面が基板50の上面50cを構成し、絶縁性部材51の下面が基板50の下面50dを構成する。下面50dは、第3方向Zにおいて上面50cの反対側に位置する。配線部52は、基板50の下面50dに配置されてもよい。また、基板50は、単層配線構造に限らず、2層以上の配線部を有する多層配線構造であってもよい。多層配線構造の場合、基板50の内部に配線部があってもよい。
【0014】
<光源>
2以上の光源10は、少なくとも、第1方向Xにおいて隣り合う第1光源10Aと第2光源10Bとを有する。発光モジュール1が3以上の光源10を備える場合、3以上の光源10のうちの第1方向Xにおいて隣り合う2つの光源の一方を第1光源10A、他方を第2光源10Bとする。なお、第1光源10Aと、第2光源10Bと、第1光源10A及び第2光源10B以外の光源と、を互いに区別せずに、単に光源10と言う場合もある。
【0015】
また、以下の説明において、第1光源10Aが有する各部材には接頭語として「第1」を添え、第1光源10Aが有する各部材を表す符号の最後には「A」を添える。第2光源10Bが有する各部材には接頭語として「第2」を添え、第2光源10Bが有する各部材を表す符号の最後には「B」を添える。なお、第1光源10Aが有する部材と第2光源10Bが有する部材とを区別せずに(第1又は第2を添えずに)、各部材を表す場合もある。第1又は第2を添えずに表す部材は、発光モジュール1が備えるそれぞれの光源10が有する部材を表す。
【0016】
各光源10の構成は同じである。また、光学特性(輝度、色度等)のばらつきが所定範囲内に収まった複数の光源10を選別して、基板50上に配置する。これにより、発光モジュール1の輝度ムラや色度ムラを低減できる。
【0017】
(発光素子)
各光源10は、発光素子11を有する。第1光源10Aは第1発光素子11Aを有し、第2光源10Bは第2発光素子11Bを有する。
【0018】
各光源10は、例えば、1つの発光素子11を有する。発光素子11は、半導体構造体を含む。半導体構造体は、例えば、サファイア又は窒化ガリウム等の素子基板と、素子基板上に配置されるn型半導体層と、p型半導体層と、n型半導体層とp型半導体層との間に位置する発光層とを含む。また、発光素子11は、n型半導体層と電気的に接続されたn側電極と、p型半導体層と電気的に接続されたp側電極とを含む。さらに、各光源10は、発光素子11の下面側に配置された少なくとも2つの電極17を含む。2つの電極17のうちの一方は発光素子11のp側電極と電気的に接続され、他方は発光素子11のn側電極と電気的に接続されている。尚、各光源10は電極17を含んでいなくてもよい。各光源10が電極17を含んでいない場合には、発光素子11のn側電極とp側電極が、各光源10の下面の一部を構成する。また、各光源10は基板を備えていなくてもよい。これにより、第3方向(Z方向)において各光源10を小型化しやすくなる。
【0019】
発光層の構造としては、ダブルヘテロ構造、単一量子井戸構造(SQW)のように単一の活性層を持つ構造でもよいし、多重量子井戸構造(MQW)のようにひとまとまりの活性層群を持つ構造でもよい。発光層は、可視光又は紫外光を発光可能である。発光層は、可視光として、青色から赤色までを発光可能である。このような発光層を含む半導体構造体としては、例えばInAlGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を含むことができる。半導体構造体は、上述した発光が可能な発光層を少なくとも1つ含むことができる。例えば、半導体構造体は、n型半導体層とp型半導体層との間に1つ以上の発光層を含む構造であってもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順に含む構造が複数回繰り返された構造であってもよい。半導体構造体が複数の発光層を含む場合、発光ピーク波長が異なる発光層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ発光層を含んでいてもよい。なお、発光ピーク波長が同じとは、例えば、数nm程度のばらつきがあってもよい。このような発光層の組み合わせとしては適宜選択することができ、例えば半導体構造体が2つの発光層を含む場合、青色光と青色光、緑色光と緑色光、赤色光と赤色光、紫外光と紫外光、青色光と緑色光、青色光と赤色光、又は緑色光と赤色光などの組み合わせで発光層を選択することができる。また、発光層は、発光ピーク波長が異なる複数の活性層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ複数の活性層を含んでいてもよい。
【0020】
1つの光源10は、2つ以上の発光素子11を有してもよい。各光源10が含む複数の発光素子11の発光ピーク波長は、同じでも異なっていてもよい。例えば各光源10が2つの発光素子を含む場合、青色光と緑色光、青色光と赤色光、紫外光と青光、紫外光と緑色光、紫外光と赤色光、又は緑色光と赤色光などの組み合わせで発光素子11の発光ピーク波長を選択することができる。例えば各光源10が3つの発光素子11を含む場合、青色光と緑色光と赤色光、紫外光と緑色光と赤色光、紫外光と青色光と緑色光、紫外光と青色光と赤色光、紫外光と緑色光と赤色光などの組み合わせで発光素子11の発光ピーク波長を選択することができる。
【0021】
(透光性部材)
各光源10は、透光性部材12をさらに有する。第1光源10Aは第1透光性部材12Aをさらに有し、第2光源10Bは第2透光性部材12Bをさらに有する。
【0022】
透光性部材12は、発光素子11の側面を覆う。また、透光性部材12は、発光素子11の上面を覆う。透光性部材12は、発光素子11を保護する機能を有する。透光性部材12は、発光素子11が発する光に対する透光性を有する。発光素子11の発光ピーク波長に対する透光性部材12の透過率は、例えば、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
【0023】
透光性部材12の上面12dの面積は、発光素子11の上面の面積よりも広い。透光性部材12の上面12dは、発光素子11の上面よりも上側に位置する。透光性部材12の上面12dは、発光モジュール1の発光面として機能する。
【0024】
(光反射性部材)
各光源10は、光反射性部材13をさらに有する。第1光源10Aは第1光反射性部材13Aをさらに有し、第2光源10Bは第2光反射性部材13Bをさらに有する。
【0025】
光反射性部材13は、発光素子11が発する光に対する反射性を有する。発光素子11の発光ピーク波長に対する光反射性部材13の反射率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
【0026】
光反射性部材13は、透光性部材12の下面12f及び発光素子11の下面を覆う。透光性部材12の下面12f及び発光素子11の下面は、基板50の上面50cに対向する。光反射性部材13は、光源10の電極17の側面も覆う。電極17の下面は、光反射性部材13から露出する。
【0027】
透光性部材12内を導光され透光性部材12の下面12f側に向かった光は、光反射性部材13によって透光性部材12の上面12d側に反射される。これにより、透光性部材12の上面12dから取り出される光の輝度を向上させることができる。また、発光素子11から発光素子11の下方に出射した光は、光反射性部材13によって透光性部材12の上面12d側に反射され、透光性部材12の上面12dから取り出される光の輝度を向上させることができる。
【0028】
<遮光性部材>
発光モジュール1は、さらに遮光性部材30を備える。遮光性部材30は、第1方向Xにおいて隣り合う第1光源10Aと第2光源10Bとの間に配置される。遮光性部材30は、発光素子11が発する光に対する遮光性を有する。発光素子11の発光ピーク波長に対する遮光性部材30の透過率は、例えば、40%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。遮光性部材30として、例えば、樹脂部材又は金属部材を用いることができる。
【0029】
第1光源10Aと第2光源10Bとは個別に発光制御可能である。第1光源10Aと第2光源10Bとの間に遮光性部材30を配置することで、第1光源10A及び第2光源10Bのうちの一方の光源を発光させ、他方の光源を非発光にした状態において、発光状態の光源から非発光状態の光源へ光が伝搬することを低減できる。これにより、発光状態の一方の光源近傍の輝度と、非発光状態の他方の光源近傍の輝度と、のコントラスト比を向上させやすくなる。
【0030】
図3に示すように、遮光性部材30は、第1光源10Aの第1透光性部材12Aの側面12e、第1光源10Aの第1光反射性部材13Aの側面13e、第2光源10Bの第2透光性部材12Bの側面12e、及び第2光源10Bの第2光反射性部材13Bの側面13eに接する。
【0031】
さらに、遮光性部材30は、第1光源10Aの下面を構成する第1光反射性部材13Aの下面13dの一部と基板50の上面50cとの間、及び第2光源10Bの下面を構成する第2光反射性部材13Bの下面13dの一部と基板50の上面50cとの間にも配置される。遮光性部材30は、第1光反射性部材13Aの下面13d、第2光反射性部材13Bの下面13d、及び基板50の上面50cと接する。これにより、遮光性部材30と第1光源10Aの密着性、及び遮光性部材30と第2光源10Bの密着性が向上する。このため、遮光性部材30が第1光源10Aから剥がれること、及び遮光性部材30が第2光源10Bから剥がれることを低減できるので、発光モジュール1の信頼性を高くすることができる。
【0032】
図3に示すように、遮光性部材30は、光源10の側面(光反射性部材13の側面13e)と下面(光反射性部材13の下面13d)との間の角部に接することが好ましい。これにより、遮光性部材30と第1光源10Aの密着性、及び遮光性部材30と第2光源10Bの密着性が向上する。
【0033】
遮光性部材30は、発光素子11が発する光を吸収してもよく、反射してもよい。遮光性部材30は、発光素子11が発する光に対する反射性を有することが好ましい。発光素子11の発光ピーク波長に対する遮光性部材30の反射率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。光反射性を有する遮光性部材30として、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材又は金属部材を用いることができる。
【0034】
遮光性部材30が光反射性を有することで、発光素子11から透光性部材12内を伝搬して透光性部材12の側面12eに向かった光を、遮光性部材30によって透光性部材12の上面12d側に反射させ、透光性部材12の上面12dから取り出される光の輝度を向上させることができる。
【0035】
遮光性部材30が光反射性を有することで、遮光性部材30が発光素子11からの光を吸収する場合よりも遮光性部材30の近傍における輝度を向上させやすくなる。これにより、発光モジュール1の光取り出し効率が向上する。
【0036】
第1透光性部材12Aの上面12dからの輝度を向上させるために、第1透光性部材12Aの上面12dの全面が遮光性部材30から露出することが好ましい。同様に、第2透光性部材12Bの上面12dからの輝度を向上させるために、第2透光性部材12Bの上面12dの全面が遮光性部材30から露出することが好ましい。
【0037】
なお、遮光性部材30が、透光性部材12における側面12eの近傍の上面12dの一部を覆ってもよい。この場合、遮光性部材30と透光性部材12との接触面積が増え、遮光性部材30と透光性部材12の密着性が向上する。
【0038】
第1光源10Aと第2光源10Bの両方を発光させた状態において、第1光源10Aと第2光源10Bとの間の領域の輝度低下を低減するために、第1透光性部材12Aの側面12eの一部が遮光性部材30から露出することが好ましい。同様に、第1光源10Aと第2光源10Bとの間の領域の輝度低下を低減するために、第2透光性部材12Bの側面12eの一部が遮光性部材30から露出することが好ましい。図3に示す例では、第1透光性部材12Aの側面12eにおける上面12d側の一部12e1、及び、第2透光性部材12Bの側面12eにおける上面12d側の一部12e1が遮光性部材30から露出している。これにより、第1透光性部材12Aの側面12eにおける上面12d側の一部12e1から出射された光、及び、第2透光性部材12Bの側面12eにおける上面12d側の一部12e1から出射された光が遮光性部材30によって遮られることを低減することができるので、第1光源10Aと第2光源10Bとの間の領域の輝度低下を低減することができる。
【0039】
発光状態の第1発光素子11Aから非発光状態の第2発光素子11Bへの光の伝搬を低減するために、遮光性部材30の上面31の少なくとも一部は、第1発光素子11Aの上面よりも上側に位置することが好ましい。図2に示す例では、遮光性部材30の上面31は例えば凹面であり、その上面31の少なくとも一部の第3方向Zにおける位置は、第1発光素子11Aの上面の第3方向Zにおける位置よりも高い位置にある。
【0040】
発光状態の第2発光素子11Bから非発光状態の第1発光素子11Aへの光の伝搬を低減するために、遮光性部材30の上面31の少なくとも一部は、第2発光素子11Bの上面よりも上側に位置することが好ましい。遮光性部材30の例えば凹面である上面31の少なくとも一部の第3方向Zにおける位置は、第2発光素子11Bの上面の第3方向Zにおける位置よりも高い位置にある。
【0041】
遮光性部材30の上面31を凹面とすることで、図3に示すように、遮光性部材30は、横方向における厚みが薄くなっている部分32が形成される。透光性部材12内を導光された光が、透光性部材12の側面12eから、遮光性部材30の薄くなっている部分32を抜けて遮光性部材30の上方に取り出されやすくなる。これにより、第1光源10Aと第2光源10Bとの間の領域の輝度の調整が容易になる。例えば、横方向における厚みが薄くなっている部分32の横方向における厚みを変更することにより、第1光源10Aと第2光源10Bとの間の領域の輝度を調整することができる。また、遮光性部材30の上面31を凹面とすることで、遮光性部材30の上面31が凸面の場合よりも透光性部材12の側面12eと遮光性部材30とが接する面積を大きくしやすくなる。これにより、遮光性部材30と第1光源10Aの密着性、及び/又は遮光性部材30と第2光源10Bの密着性を向上させることができる。凹面は、曲面により構成されていてもよく、平面により構成されていてもよい。また、凹面は、曲面と平面とを組み合わせて構成してもよい。第1透光性部材12Aの側面12eと接している遮光性部材30の横方向における厚みが薄くなっている部分32の上端は、第2透光性部材12Bの側面12eと接している遮光性部材30の横方向における厚みが薄くなっている部分32の上端と同じ高さに位置していてもよく、異なっていてもよい。尚、遮光性部材30の上面31は第3方向Zと直角な平面であってもよく、凸面であってもよい。
【0042】
発光モジュール1は、各光源10と基板50とを電気的に接続する導電性部材40をさらに備える。導電性部材40の材料として、例えば、はんだを用いることができる。導電性部材40は、光源10の電極17と、基板50の配線部52との間に配置され、電極17と配線部52に接合される。
【0043】
導電性部材40は、第1光源10Aと基板50とを電気的に接続する第1導電性部材40Aと、第2光源10Bと基板50とを電気的に接続する第2導電性部材40Bとを含む。第1導電性部材40Aは、第1光源10Aの電極17と、基板50の配線部52との間に配置され、第1光源10Aの電極17と配線部52に接合される。第2導電性部材40Bは、第2光源10Bの電極17と、基板50の配線部52との間に配置され、第2光源10Bの電極17と配線部52に接合される。
【0044】
光源10の下面である光反射性部材13の下面13dと、基板50の上面50cとの間には、空隙60が形成される。第3方向Zにおける空隙60の厚みは、第3方向Zにおける導電性部材40の厚みと第3方向Zにおける配線部52の厚みとを合わせた厚みを有する。第1導電性部材40Aと、第1光反射性部材13Aの下面13dに接する遮光性部材30との間に空隙60が位置し、第2導電性部材40Bと、第2光反射性部材13Bの下面13dに接する遮光性部材30との間に空隙60が位置する。空隙60によって、遮光性部材30からの熱応力が第1導電性部材40A及び第2導電性部材40Bに加わりにくくなり、第1導電性部材40A及び第2導電性部材40Bに亀裂等が生じることを低減できる。これにより、発光モジュール1の信頼性を高くすることができる。
【0045】
なお、導電性部材40を光源10の電極17に直接接合することに限らず、電極17の下面と光反射性部材13の下面13dとを覆う金属膜を光源10の下面に配置し、その金属膜に導電性部材40を接合させてもよい。
【0046】
第1実施形態によれば、各光源10は、発光素子11の上面を覆う光調整部材15をさらに有する。第1光源10Aは、第1発光素子11Aの上面を覆う第1光調整部材15Aをさらに有する。第2光源10Bは、第2発光素子11Bの上面を覆う第2光調整部材15Bをさらに有する。第1透光性部材12Aは、第1光調整部材15Aを介して、第1光源10Aの上面を覆っている。第2透光性部材12Bは、第2光調整部材15Bを介して、第2光源10Bの上面を覆っている。
【0047】
光調整部材15は、発光素子11の上面から出射する光の量や出射方向を制御する。光調整部材15は、発光素子11が発する光に対する反射性及び透光性を有する。発光素子11の上面から出射した光の一部は光調整部材15により反射し、他の一部は光調整部材15を透過する。発光素子11の発光ピーク波長に対する光調整部材15の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。光調整部材15により、発光素子11の直上での輝度を低下させ、発光モジュール1の輝度ムラを低減することができる。
【0048】
図1に示す例では、発光モジュール1は、基板50上に配置される3以上の光源10を備える。すなわち、発光モジュール1は、第1方向Xにおいて隣り合って並んで位置する第1光源10A及び第2光源10Bの他に、第3光源10Cをさらに備える。第3光源10Cは、第1光源10A及び第2光源10Bと同じ構成を有し、前述した導電性部材40を介して、基板50の配線部52に接合される。図1には9個の光源10を例示するが、光源10の数はこれに限らない。
【0049】
第1光源10Aと第3光源10Cとは、第1方向Xに直交する第2方向Yにおいて隣り合って並んで位置する。なお、3以上の光源10のうち、第1方向Xにおいて隣り合って並んで位置する2つの光源を第1光源10A及び第2光源10Bとし、第1光源10Aと第2方向Yにおいて隣り合って並んで位置する光源を第3光源10Cとする。図1においては、便宜的に、左下の光源を第1光源10A、この第1光源10Aの右隣の光源を第2光源10B、第1光源10Aの上隣の光源を第3光源10Cとしている。第1光源10A、第2光源10B、及び第3光源10Cは、図1において符号10A、10B、及び10Cが付された3つの光源に限らず、3以上の光源のうちの上記配置関係を満たす任意の3つの光源を表す。
【0050】
第1光源10Aと第3光源10Cとの間にも遮光性部材30が配置され、遮光性部材30は、第1透光性部材12Aの側面12e、第1光反射性部材13Aの側面13e、第1光反射性部材13Aの下面13d、第3光源10Cの透光性部材12の側面、第3光源10Cの光反射性部材13の側面、第3光源10Cの光反射性部材13の下面、及び基板50の上面50cと接する。したがって、遮光性部材30と第1光源10Aの密着性、及び遮光性部材30と第3光源10Cの密着性が向上する。
【0051】
各光源10間の遮光性部材30の上方の輝度は、光源10の上方の輝度よりも低下する傾向がある。したがって、各光源10間の距離のばらつきは、発光モジュール1の発光面における輝度ムラに影響する。本実施形態によれば、第1光源10Aと第2光源10Bとの間の第1方向Xにおける最短距離dXと、第1光源10Aと第3光源10Cとの間の第2方向Yにおける最短距離dYとは、光源10を基板50上に配置する装置の精度のばらつき範囲内に収められる。例えば、第1方向Xにおける第1光源10Aと第2光源10Bとの間の最短距離dXは、第2方向Yにおける第1光源10Aと第3光源10Cとの間の最短距離dYの0.9倍以上1.1倍以下である。これにより、発光モジュール1の発光面における輝度ムラを低減することができる。
【0052】
前述した部材等の具体的な材料を以下に例示する。
【0053】
基板50の絶縁性部材51の材料として、樹脂またはセラミックを用いることができる。絶縁性部材51の樹脂としては、例えば、ポリイミドを用いることができる。基板50の配線部52の材料として、例えば、銅などの金属を用いることができる。
【0054】
透光性部材12の材料として、例えば、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、フッ素系樹脂等の透光性樹脂を用いることができる。なかでも、シリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂は、耐熱性及び耐光性に優れているので好ましい。例えば、透光性部材12の材料としてフェニルシリコーン樹脂又はジメチルシリコーン樹脂を用いることができる。
【0055】
光反射性部材13として、例えば、窒素や酸素等の気体を含む樹脂部材や、光散乱粒子を含む樹脂部材を用いることができる。光反射性部材13の光散乱粒子として、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子を用いることができる。光反射性部材13の樹脂材料として、透光性部材12の樹脂材料として挙げたものと同じ透光性樹脂を用いることができる。尚、光反射性部材13は気体と光散乱粒子の両方を含んでいてもよい。
【0056】
遮光性部材30が光反射性を有する場合、遮光性部材30の樹脂材料として、透光性部材12の樹脂材料として挙げたものと同じ透光性樹脂を用いることができる。遮光性部材30の光散乱粒子として、光反射性部材13の光散乱粒子として挙げたものと同じ粒子を用いることができる。
【0057】
光調整部材15として、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材を用いることができる。光調整部材15の光散乱粒子として、光反射性部材13の光散乱粒子として挙げたものと同じ粒子を用いることができる。光調整部材15の樹脂材料として、透光性部材12の樹脂材料として挙げたものと同じ透光性樹脂を用いることができる。また、光調整部材15は、例えば、Al若しくはAgなどの金属部材、又は誘電体多層膜であってもよい。
【0058】
[第2実施形態]
次に、図4及び図5を参照して、第2実施形態の発光モジュール2について説明する。第2実施形態の発光モジュール2においては、光源10の構成が第1実施形態の発光モジュール1と異なる。
【0059】
発光モジュール2の各光源10は、平面視において発光素子11と透光性部材12の間に位置する封止部材14を有する。第1光源10Aは、平面視において第1発光素子11Aと第1透光性部材12Aの間に位置する第1封止部材14Aを有する。第2光源10Bは、平面視において第2発光素子11Bと第2透光性部材12Bの間に位置する第2封止部材14Bを有する。
【0060】
封止部材14は、発光素子11の上面及び側面を覆い、発光素子11を保護する。封止部材14は、発光素子11が発する光に対する透光性を有する。発光素子11の発光ピーク波長に対する封止部材14の透過率は、例えば、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。封止部材14の材料として、透光性部材12の樹脂材料として挙げたものと同じ透光性樹脂を用いることができる。
【0061】
透光性部材12は、封止部材14の上面及び側面を覆う。封止部材14の側面は、透光性部材12に接する。封止部材14の樹脂材料の屈折率と透光性部材12の樹脂材料の屈折率の差は、±0.05以内であることが好ましい。このようにすることで、封止部材14の側面と透光性部材12との界面において光が屈折しにくくなり、横方向に光を広げやすくなる。これにより、発光モジュール2の発光面における輝度ムラを低減できる。尚、各部材の屈折率とは光源10の発光ピーク波長における屈折率とする。
【0062】
封止部材14の樹脂材料の線膨張係数と透光性部材12の樹脂材料の線膨張係数の差は、±30ppm/℃以内であることが好ましい。このようにすることで、透光性部材12が封止部材14から剥離しにくくできる。これにより、発光モジュール2の信頼性を高くできる。封止部材14の樹脂材料及び透光性部材12の樹脂材料として屈折率が約1.5のフェニルシリコーン樹脂を用いてもよい。
【0063】
第1光反射性部材13Aは第1封止部材14Aの下面を覆い、第2光反射性部材13Bは第2封止部材14Bの下面を覆う。これにより、封止部材14の下面側に向かった光は、光反射性部材13によって透光性部材12の上面12d側に反射され、透光性部材12の上面12dから取り出される光の輝度を向上させることができる。
【0064】
発光モジュール2においては、前述した光調整部材15が、封止部材14の上面に配置される。第1光調整部材15Aが第1封止部材14Aの上面に配置され、第1透光性部材12Aは第1光調整部材15Aを介して第1封止部材14Aの上面を覆う。第2光調整部材15Bが第2封止部材14Bの上面に配置され、第2透光性部材12Bは第2光調整部材15Bを介して第2封止部材14Bの上面を覆う。光調整部材15により、発光素子11の直上での輝度を低下させ、発光モジュール2の輝度ムラを低減することができる。
【0065】
また、透光性部材12の上面12dに第3光調整部材16を配置することで、発光素子11の直上での輝度を低下させ、発光モジュール2の輝度ムラを低減することができる。光調整部材15と第3光調整部材16はいずれか一方のみを配置することでもよい。第3光調整部材16の材料は、光調整部材15の材料と同じ材料を用いることができる。
【0066】
封止部材14は、封止部材14に添加される粒子に応じて、波長変換や光拡散等の機能を備えることができる。例えば、封止部材14の透光性樹脂中に蛍光体を含むことができる。
【0067】
第1発光素子11Aの側面から、第1封止部材14Aにおける上面と側面とが形成する角部に向かって進む光の第1光路P1は、第1発光素子11Aの側面から横方向に進む光の第2光路P2よりも長くなりやすい。したがって、第1封止部材14Aが蛍光体を含む場合には、第1光路P1において第1発光素子11Aからの光で励起される蛍光体の量が、第2光路P2において第1発光素子11Aからの光で励起される蛍光体の量よりも多くなり、第1光源10Aの発光面において色ムラが生じやすくなる。第1光路P1と第2光路P2との光路差は、第1封止部材14Aの横方向の幅が長くなるほど大きくなりやすい。
【0068】
したがって、断面視において、第1封止部材14Aの横方向の幅は、第1透光性部材12Aの横方向の幅よりも短いことが好ましい。これにより、第1光路P1と第2光路P2との光路差を低減し、第1光源10Aの色ムラを低減することができる。同じ理由により、断面視において、第2封止部材14Bの横方向の幅は、第2透光性部材12Bの横方向の幅よりも短いことが好ましい。
【0069】
封止部材14に添加する蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb(Al,Ga)12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(POCl:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、SrAl1425:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、CaMgSi16Cl:Eu)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)若しくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)等の酸窒化物系蛍光体、LSN系蛍光体(例えば、(La,Y)Si11:Ce)、BSESN系蛍光体(例えば、(Ba,Sr)Si:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K(Si1-xAl)F6-x:Mn ここで、xは、0<x<1を満たす。)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する量子ドット(例えば、(Cs,FA,MA)(Pb,Sn)(F,Cl,Br,I) ここで、FAとMAは、それぞれホルムアミジニウムとメチルアンモニウムを表す。)、II-VI族量子ドット(例えば、CdSe)、III-V族量子ドット(例えば、InP)、又はカルコパイライト構造を有する量子ドット(例えば、(Ag,Cu)(In,Ga)(S,Se))等を用いることができる。封止部材14に添加する蛍光体としては、1種類の蛍光体を用いてもよく、複数種類の蛍光体を用いてもよい。
【0070】
また、上述した蛍光体を含有する波長変換シートを、第1実施形態の発光モジュール1上、第2実施形態の発光モジュール2上、または後述する第3実施形態の発光モジュール3上に配置してもよい。
【0071】
波長変換シートは、光源10からの光の一部を吸収して、黄色光、緑色光及び/又は赤色光を発し、白色光を出射する発光モジュールとすることができる。例えば、青色の発光が可能な光源10と、黄色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を組み合わせて白色光を得ることができる。また他には、青色の発光が可能な光源10と、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する波長変換シートとを組み合わせてもよい。また、青色の発光が可能な光源10と、複数の波長変換シートとを組み合わせてもよい。複数の波長変換シートとしては、例えば、赤色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を選択することができる。また、青色の発光が可能な発光素子11と、赤色の発光が可能な蛍光体を含有する封止部材14とを有する光源10と、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートとを組み合わせてもよい。
【0072】
波長変換シートに用いられる黄色の発光が可能な蛍光体としては、例えば、上述したイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体を用いるのが好ましい。また、波長変換シートに用いられる緑色の発光が可能な蛍光体としては、発光ピーク波長の半値幅の狭い、例えば、上述したペロブスカイト構造を有する量子ドット、III-V族量子ドット、又は、カルコパイライト構造を有する量子ドットを用いるのが好ましい。また、波長変換シートに用いられる赤色の発光が可能な蛍光体としては、緑色の発光が可能な蛍光体と同様に発光ピーク波長の半値幅の狭い、例えば、上述したKSF系蛍光体、KSAF系蛍光体、III-V族量子ドット、又は、カルコパイライト構造を有する量子ドットを用いるのが好ましい。特に、量子ドット蛍光体は、残光時間が短いため、光源10を個別に発光制御するローカルディミングを行う発光モジュールに好適に用いることができる。
【0073】
[第3実施形態]
次に、図6を参照して、第3実施形態の発光モジュール3について説明する。
【0074】
第3実施形態の発光モジュール3は、基板50と、基板50上に配置された3以上の光源10と、各光源10の間に配置された遮光性部材30とを備える。図6においては、光源10として第2実施形態の光源10を例示するが、発光モジュール3は第1実施形態の光源10を備えていてもよい。3以上の光源10は、前述した配置関係を有する第1光源10A、第2光源10B、及び第3光源10Cを含む。図6には、例えば12個の光源10を示すが、発光モジュール3が備える光源10の数はこれに限らない。
【0075】
平面視において、基板50は、第1方向Xに延びる長辺50aと、第2方向Yに延び、長辺50aよりも短い短辺50bとを有する。すなわち、発光モジュール3は、矩形の光源配置領域、換言すると矩形の発光面を有する。また、第1方向Xにおける隣り合う光源10間の最短距離dXは、第2方向Yにおける隣り合う光源10間の最短距離dYの0.9倍以上1.1倍以下である。第1方向Xと第2方向Yにおいて、隣り合う光源10間の最短距離は実質的に同じである。これにより、発光モジュール3の発光面における輝度ムラを低減することができる。短辺50bよりも長い長辺50aが延びる第1方向Xに並ぶ光源10の数を、短辺50bが延びる第2方向Yに並ぶ光源10の数よりも多くすることで、矩形の発光面における輝度ムラを低減することができる。
【0076】
さらに第3実施形態によれば、透光性部材12の第1方向Xにおける長さLXは、透光性部材12の第2方向Yにおける長さLYよりも長い。これにより、第1方向Xに並べる光源10の数の低減によってコストを低減しつつ、且つ第1方向Xにおいて隣り合う光源10間の最短距離dXの長さの増大による輝度ムラを低減できる。
【0077】
次に、図7及び図8を参照して、実施形態の光源の第1変形例について説明する。
【0078】
平面視において、例えば、発光素子11の上面は4つの角部を有し、透光性部材12の上面12dは4つの角部を有する。平面視において、発光素子11の上面の各角部は、透光性部材12の上面12dの各角部に向き合っている。
【0079】
透光性部材12には、第1溝19aと第2溝19bが配置されている。透光性部材12内を導光される光は、第1溝19a及び第2溝19bから透光性部材12の上方に取り出されやすくなる。また、平面視において、第1溝19a及び第2溝19bは、発光素子11の各角部と、透光性部材12の上面12dの各角部との間に位置する。したがって、光源10の上面において相対的に輝度が低下しやすい角部の近傍の輝度を向上でき、光源10の上面における輝度ムラを低減することができる。
【0080】
第1溝19a内及び第2溝19b内は空気層であってもよいし、第1溝19a内及び第2溝19b内に光反射性の部材を配置してもよい。
【0081】
図7に示す例では、平面視において、第1溝19a及び第2溝19bは、互いに平行であり、発光素子11の上面の角部と透光性部材12の上面12dの角部とを結ぶ方向に交差する方向に延びている。平面視において、第1溝19aの長さは、第2溝19bの長さよりも長い。平面視において、第1溝19aは、第2溝19bよりも発光素子11の上面の角部に近い側に位置し、第2溝19bは、第1溝19aよりも透光性部材12の上面12dの角部に近い側に位置する。
【0082】
図8に示す例では、第1溝19a及び第2溝19bは、透光性部材12の上面12dに開口を有する。第1溝19a及び第2溝19bは、透光性部材12を貫通せず、第1溝19aの底部及び第2溝19bの底部は、透光性部材12内に位置する。
【0083】
第1実施形態の光源10は、例えば、以下の工程により得ることができる。
1.発光素子11、光調整部材15、及び電極17を含む第1構造体を、流動性を有する状態の透光性部材12に埋め込む工程。
2.第1構造体を透光性部材12に埋め込んだ後、透光性部材12を硬化させる工程。
3.透光性部材12を硬化させた後、透光性部材12の下面及び発光素子11の下面に、光反射性部材13を形成する工程。
【0084】
第2実施形態の光源10は、例えば、以下の工程により得ることができる。
1.発光素子11、封止部材14、光調整部材15、及び電極17を含む第2構造体を、流動性を有する状態の透光性部材12に埋め込む工程。
2.第2構造体を透光性部材12に埋め込んだ後、透光性部材12を硬化させる工程。
3.透光性部材12を硬化させた後、透光性部材12の下面、封止部材14の下面、及び発光素子11の下面に、光反射性部材13を形成する工程。
4.透光性部材12を硬化させた後、透光性部材12の上面12dに、第3光調整部材16を形成する工程。
【0085】
また、図9に示すように、上記第2構造体を、シート状または板状の透光性部材12に形成した凹部12gに、接着部材18を介して配置することで、光源を製造してもよい。封止部材14の側面と透光性部材12との間には、透光性の接着部材18が介在する。
【0086】
また、上記第1構造体を、シート状または板状の透光性部材12に形成した凹部12gに、接着部材18を介して配置することで、光源を製造してもよい。
【0087】
前述した透光性部材12の形状は、例えば直方体形状である。これに限らず、透光性部材12は凸レンズであってもよい。この場合、凸レンズの表面において、発光素子11よりも上側に位置する面が透光性部材12の上面となり、発光素子11の側面に向き合う面が透光性部材12の側面となる。
【0088】
本発明の実施形態は、以下の発光モジュールを含む。
【0089】
1.基板と、
前記基板上に配置された第1光源であって、第1発光素子と、前記第1発光素子の側面を覆う第1透光性部材と、前記第1透光性部材の下面を覆う第1光反射性部材とを有する前記第1光源と、
前記基板上に配置された第2光源であって、第2発光素子と、前記第2発光素子の側面を覆う第2透光性部材と、前記第2透光性部材の下面を覆う第2光反射性部材とを有する前記第2光源と、
前記第1透光性部材の側面、前記第1光反射性部材の側面、前記第1光反射性部材の下面、前記第2透光性部材の側面、前記第2光反射性部材の側面、前記第2光反射性部材の下面、及び前記基板の上面と接する遮光性部材と、
を備える発光モジュール。
2.前記第1光源は、平面視において前記第1発光素子と前記第1透光性部材の間に位置する第1封止部材を有する上記1に記載の発光モジュール。
3.前記第1光反射性部材は、前記第1発光素子の下面及び前記第1封止部材の下面を覆う上記2に記載の発光モジュール。
4.前記第1光源は、前記第1発光素子の上面を覆う第1光調整部材を有する上記1~3のいずれか1つに記載の発光モジュール。
5.前記第1透光性部材の上面の全面が、前記遮光性部材から露出する上記1~4のいずれか1つに記載の発光モジュール。
6.前記第1透光性部材の側面の一部が、前記遮光性部材から露出する上記1~5のいずれか1つに記載の発光モジュール。
7.前記遮光性部材の上面の少なくとも一部は、前記第1発光素子の上面よりも上側に位置する上記1~6のいずれか1つに記載の発光モジュール。
8.前記第1封止部材は、蛍光体を含み、
断面視において、前記第1封止部材の横方向の幅は、前記第1透光性部材の横方向の幅よりも短い上記2または3に記載の発光モジュール。
9.前記第1光源と前記基板とを電気的に接続する第1導電性部材をさらに備え、
前記第1導電性部材と、前記第1光反射性部材の下面に接する前記遮光性部材との間に空隙が位置する上記1~8のいずれか1つに記載の発光モジュール。
10.前記基板上に配置された第3光源をさらに備え、
前記第1光源と前記第2光源とは、第1方向に並んで位置し、
前記第1光源と前記第3光源とは、前記第1方向に直交する第2方向に並んで位置し、
前記第1方向における前記第1光源と前記第2光源との間の最短距離は、前記第2方向における前記第1光源と前記第3光源との間の最短距離の0.9倍以上1.1倍以下である上記1~9のいずれか1つに記載の発光モジュール。
11.平面視において、前記基板は、前記第1方向に延びる長辺と、前記第2方向に延び、前記長辺よりも短い短辺とを有し、
前記第1透光性部材の前記第1方向における長さは、前記第1透光性部材の前記第2方向における長さよりも長い上記10に記載の発光モジュール。
【0090】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。本発明の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0091】
1~3…発光モジュール、10…光源、10A…第1光源、10B…第2光源、10C…第3光源、11…発光素子、11A…第1発光素子、11B…第2発光素子、12…透光性部材、12A…第1透光性部材、12B…第2透光性部材、13…光反射性部材、13A…第1光反射性部材、13B…第2光反射性部材、14…封止部材、14A…第1封止部材、14B…第2封止部材、15…光調整部材、15A…第1光調整部材、15B…第2光調整部材、16…第3光調整部材、17…電極、18…接着部材、19a…第1溝、19b…第2溝、30…遮光性部材、40…導電性部材、40A…第1導電性部材、40B…第2導電性部材、50…基板、50a…長辺、50b…短辺、51…絶縁性部材、52…配線部、60…空隙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9