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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174152
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】分析装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20231130BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022086850
(22)【出願日】2022-05-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年7月26日 第40回エネルギー・資源学会研究発表会 講演論文集(ウェブサイト)にて公開 令和3年8月2日 第40回エネルギー・資源学会研究発表会(オンライン)にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(71)【出願人】
【識別番号】000156938
【氏名又は名称】関西電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 容平
(72)【発明者】
【氏名】榎原 史哉
(72)【発明者】
【氏名】岩井 良真
(72)【発明者】
【氏名】山口 麻有
(72)【発明者】
【氏名】上林 由果
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】施設の電力需要の状態に応じた情報を簡易に提供する。
【解決手段】分析方法は、複数の施設の各々について時間帯毎に計測された電力需要を示す電力需要データを取得するステップS1と、複数の施設の各々の地域の外気温を示す外気温データを取得するステップS2と、電力需要データと外気温データとに基づいて、電力需要から、人の活動に依存しない第1成分と、外気温に応じて変動する第2成分と、外気温に応じて変動しない第3成分とを抽出するステップS3と、電力需要のピークを示す第1変数と、第1成分の代表値を示す第2変数と、第2成分の代表値を示す第3変数と、第3成分の経時変化の特性を表す1以上の第4変数とを用いたクラスタリングを実行することにより、複数の施設を複数の類型に分類するステップS4と、対象施設が属する対象類型に応じた情報を提供するステップS5を備える。
【選択図】図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析装置であって、
複数の施設の各々について時間帯毎に計測された電力需要を示す電力需要データを取得する第1取得部と、
前記複数の施設の各々の地域の前記時間帯毎の外気温を示す外気温データを取得する第2取得部と、
前記電力需要データと前記外気温データとに基づいて、前記電力需要から、人の活動に依存しない第1成分と、外気温に応じて変動する第2成分と、外気温に応じて変動しない第3成分とを抽出する抽出部と、
前記電力需要のピークを示す第1変数と、前記第1成分の代表値を示す第2変数と、前記第2成分の代表値を示す第3変数と、前記第3成分の経時変化の特性を表す1以上の第4変数とを用いたクラスタリングを実行することにより、前記複数の施設を複数の類型に分類する分類部と、
前記複数の施設のうちの対象施設が属する対象類型を前記複数の類型の中から特定し、前記対象類型に応じた情報を提供する提供部と、を備える、分析装置。
【請求項2】
前記分類部は、
前記複数の施設の各々について、平日の単位期間ごとの前記第3成分の第1代表値と、休日の前記単位期間ごとの前記第3成分の第2代表値とを算出し、
平日の前記単位期間ごとの前記第1代表値と休日の前記単位期間ごとの前記第2代表値とに対して主成分分析を行ない、寄与率が第1閾値を超える1以上の主成分または累積寄与率が第2閾値を超える1以上の主成分を前記1以上の第4変数として選択する、請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記情報は、前記対象施設と前記対象類型に属する他の施設との比較結果を示す、請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記提供部は、
前記複数の類型から選択される類型および施設の用途の各組み合わせと、当該組み合わせにおける電力需要の特徴および省電力化のための対策の少なくとも一方を示すテキストとを対応付けたデータベースから、前記対象類型および前記対象施設の用途の組み合わせに対応するテキストを読み出し、
読み出した前記テキストを前記情報として提供する、請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項5】
分析方法であって、
複数の施設の各々について時間帯毎に計測された電力需要を示す電力需要データを取得するステップと、
前記複数の施設の各々の地域の前記時間帯毎の外気温を示す外気温データを取得するステップと、
前記電力需要データと前記外気温データとに基づいて、前記電力需要から、人の活動に依存しない第1成分と、外気温に応じて変動する第2成分と、外気温に応じて変動しない第3成分とを抽出するステップと、
前記電力需要のピークを示す第1変数と、前記第1成分の代表値を示す第2変数と、前記第2成分の代表値を示す第3変数と、前記第3成分の経時変化の特性を表す1以上の第4変数とを用いたクラスタリングを実行することにより、前記複数の施設を複数の類型に分類するステップと、
前記複数の施設のうちの対象施設が属する対象類型を前記複数の類型の中から特定し、前記対象類型に応じた情報を提供するステップと、を備える、分析方法。
【請求項6】
分析方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記分析方法は、
複数の施設の各々について時間帯毎に計測された電力需要を示す電力需要データを取得するステップと、
前記複数の施設の各々の地域の前記時間帯毎の外気温を示す外気温データを取得するステップと、
前記電力需要データと前記外気温データとに基づいて、前記電力需要から、人の活動に依存しない第1成分と、外気温に応じて変動する第2成分と、外気温に応じて変動しない第3成分とを抽出するステップと、
前記電力需要のピークを示す第1変数と、前記第1成分の代表値を示す第2変数と、前記第2成分の代表値を示す第3変数と、前記第3成分の経時変化の特性を表す1以上の第4変数とを用いたクラスタリングを実行することにより、前記複数の施設を複数の類型に分類するステップと、
前記複数の施設のうちの対象施設が属する対象類型を前記複数の類型の中から特定し、前記対象類型に応じた情報を提供するステップと、を含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、施設の電力需要を分析するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2013-80419号公報(特許文献1)は、施設の省エネルギー化を図るために、ビルエネルギーマネジメントシステム(以下、「BEMS」と称する。)によって取得されたデータを用いた、エネルギー供給についての契約値最適化診断手法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-80419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、BEMSを必要とする。一般に、BEMSは高価である。また、BEMSによって取得されたデータの分析は手間がかかり、かつ、当該分析には専門技能を要する。そのため、施設の電力需要の状態に応じた情報を簡易に提供できる技術が望まれている。
【0005】
本開示は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、施設の電力需要の状態に応じた情報を簡易に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある局面に従うと、分析装置は、第1取得部と、第2取得部と、抽出部と、分類部と、提供部と、を備える。第1取得部は、複数の施設の各々について時間帯毎に計測された電力需要を示す電力需要データを取得する。第2取得部は、複数の施設の各々の地域の時間帯毎の外気温を示す外気温データを取得する。抽出部は、電力需要データと外気温データとに基づいて、電力需要から、人の活動に依存しない第1成分と、外気温に応じて変動する第2成分と、外気温に応じて変動しない第3成分とを抽出する。分類部は、電力需要のピークを示す第1変数と、第1成分の代表値を示す第2変数と、第2成分の代表値を示す第3変数と、第3成分の経時変化の特性を表す1以上の第4変数とを用いたクラスタリングを実行することにより、複数の施設を複数の類型に分類する。提供部は、複数の施設のうちの対象施設が属する対象類型を複数の類型の中から特定し、対象類型に応じた情報を提供する。
【0007】
上記の分析装置において、分類部は、複数の施設の各々について、平日の単位期間ごとの第3成分の第1代表値と、休日の単位期間ごとの第3成分の第2代表値とを算出する。分類部は、平日の単位期間ごとの第1代表値と休日の単位期間ごとの第2代表値とに対して主成分分析を行ない、寄与率が第1閾値を超える1以上の主成分または累積寄与率が第2閾値を超える1以上の主成分を1以上の第4変数として選択する。
【0008】
上記の分析装置において、情報は、対象施設と対象類型に属する他の施設との比較結果を示す。
【0009】
上記の分析装置において、提供部は、複数の類型から選択される類型および施設の用途の各組み合わせと、当該組み合わせにおける電力需要の特徴および省電力化のための対策の少なくとも一方を示すテキストとを対応付けたデータベースから、対象類型および対象施設の用途の組み合わせに対応するテキストを読み出す。提供部は、読み出したテキストを情報として提供する。
【0010】
他の局面に従うと、分析方法は、第1~第5のステップを備える。第1のステップは、複数の施設の各々について時間帯毎に計測された電力需要を示す電力需要データを取得するステップである。第2のステップは、複数の施設の各々の地域の時間帯毎の外気温を示す外気温データを取得するステップである。第3のステップは、電力需要データと外気温データとに基づいて、電力需要から、人の活動に依存しない第1成分と、外気温に応じて変動する第2成分と、外気温に応じて変動しない第3成分とを抽出するステップである。第4のステップは、電力需要のピークを示す第1変数と、第1成分の代表値を示す第2変数と、第2成分の代表値を示す第3変数と、第3成分の経時変化の特性を表す1以上の第4変数とを用いたクラスタリングを実行することにより、複数の施設を複数の類型に分類するステップである。第5のステップは、複数の施設のうちの対象施設が属する対象類型を複数の類型の中から特定し、対象類型に応じた情報を提供するステップである。
【0011】
他の局面において、プログラムは、上記の分析方法の各ステップをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示の技術によれば、施設の電力需要の状態に応じた情報を簡易に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施の形態に従う分析装置を含むシステムの概略を示す図である。
図2】分析装置のハードウェア構成を示す図である。
図3】分析装置の機能構成を示す図である。
図4】施設に設置される複数の電気機器の分類を示す図である。
図5】電力需要を構成する複数の成分を示す図である。
図6】第1成分の算出方法を説明する図である。
図7】ベース固定成分およびベース季節変動成分の算出方法を説明する図である。
図8】成分24に含まれる外気温影響分の算出方法を示す図である。
図9】成分24と外気温影響分との差分の分布を示す図である。
図10】外気温に対する、成分24から活動起因固定成分を除いた成分25の分布を示す図である。
図11】外気温と成分25との相関を示す回帰曲線の一例を示す図である。
図12】第1代表値および第2代表値の変動を示す図である。
図13】累積寄与率の一例を示す図である。
図14】第1代表値および第2代表値と第4変数として抽出された主成分との相関係数を示す図である。
図15】8つの類型の各々に属する施設の電力需要の静的特性の平均を示す図である。
図16】8つの類型の各々に属する施設の電力需要の動的特性の平均を示す図である。
図17】施設の用途ごとに、各類型に属する施設の比率を示す図である。
図18】各類型に属する施設における、外気温に応じて変動しない第3成分の比率の推移を示す図である。
図19】データベースの一例を示す図である。
図20】提供画面の一例を示す図である。
図21】提供画面の別の例を示す図である。
図22】分析装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は繰り返さない。なお、以下で説明される実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0015】
<A.システム構成>
図1を参照して、本実施の形態に従う分析装置を含むシステムの構成について説明する。図1は、本実施の形態に従う分析装置を含むシステムの概略を示す図である。図1に示されるように、システムSYSは、分析装置100と複数の施設200とサーバ装置300とを含む。
【0016】
複数の施設200の各々は、対応する需要家によって運営され、例えば、店舗、事務所、医療施設、宿泊施設、公共施設などを含む。なお、施設200は、建築物全体を指してもよいし、建築物の一部(たとえば1フロア)を指してもよい。各施設200にはスマートメータ210が設置されている。スマートメータ210は、時間帯毎の電力需要を計測して記録する。具体的には、0時から24時までを所定の時間長さ(例えば、30分または1時間)で区切った時間帯毎に、施設200に設置された各種の電気機器220によって消費された総電力量が電力需要として計測される。
【0017】
スマートメータ210は、サーバ装置300との間で通信を行ない、計測した電力需要を示す電力需要データをサーバ装置300に送信する。サーバ装置300は、スマートメータ210から受信した電力需要データを蓄積する。
【0018】
分析装置100は、ネットワークに接続されており、ネットワークを介してサーバ装置300から各施設200の電力需要データを取得する。分析装置100は、複数の施設200の電力需要データに基づいて、複数の施設200を、電力需要の状態に応じた複数の類型に分類する。分析装置100は、複数の施設200のうちの対象施設が属する対象類型を複数の類型の中から特定し、対象類型に応じた情報を提供する。これにより、対象施設の電力需要の分析者または対象施設を運営する需要家は、当該情報を確認することにより、対象施設の電力需要の傾向を把握したり、省エネルギー化のための対策を検討したりできる。
【0019】
<B.分析装置のハードウェア構成>
図2は、分析装置のハードウェア構成を示す図である。図2に示されるように、分析装置100は、主たる構成要素として、プログラム110を実行するプロセッサ101と、データを不揮発的に格納するROM(Read Only Memory)102と、プロセッサ101によるプログラム110の実行により生成されたデータ、又は入力装置を介して入力されたデータを揮発的に格納するRAM(Random Access Memory)103と、データを不揮発的に格納するハードディスク(HDD)104と、通信IF(Interface)105と、操作キー106と、電源回路107と、ディスプレイ108と、を含む。各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。なお、通信IF105は、他の機器との間における通信を行なうためのインターフェイスである。
【0020】
分析装置100における処理は、各ハードウェアおよびプロセッサ101により実行されるプログラム110によって実現される。このようなプログラム110は、HDD104に予め記憶されている。ただし、プログラム110は、その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通していてもよい。あるいは、プログラム110は、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供されてもよい。このようなプログラム110は、読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信IF105等を介してダウンロードされた後、HDD104に格納される。プロセッサ101は、HDD104からプログラム110を読み出し、プログラム110を実行する。
【0021】
<C.分析装置の機能構成>
図3は、分析装置の機能構成を示す図である。図3に示されるように、分析装置100は、記憶部10と、第1取得部11と、第2取得部12と、抽出部13と、分類部14と、提供部15とを備える。第1取得部11、第2取得部12、抽出部13、分類部14および提供部15は、プロセッサ101がプログラム110を実行することにより実現される。記憶部10は、ROM102およびRAM103によって実現される。
【0022】
第1取得部11は、ネットワークを介してサーバ装置300から、複数の施設200(図1参照)の各々について、分析対象期間における電力需要データ10aを取得する。分析対象期間は、例えば1年である。第1取得部11は、取得した電力需要データ10aを記憶部10に格納する。
【0023】
第2取得部12は、ネットワークを介して、分析対象期間における、複数の施設200の各々の地域の時間帯毎の外気温を示す外気温データ10bを取得する。外気温データ10bは、所定の機関(例えば気象庁)から配信される。第2取得部12は、取得した外気温データ10bを記憶部10に格納する。
【0024】
抽出部13は、各施設200の電力需要データ10aおよび外気温データ10bに基づいて、当該施設200の電力需要の成分分析を行なう。抽出部13は、成分分析の結果、各施設200の電力需要から、人の活動に依存しない第1成分と、外気温に応じて変動する第2成分と、外気温に応じて変動しない第3成分とを抽出する。抽出部13は、各施設200の電力需要の成分分析結果を示す成分データ10cを生成し、生成した成分データ10cを記憶部10に格納する。
【0025】
分類部14は、電力需要のピークを示す第1変数と、第1成分の代表値を示す第2変数と、第2成分の代表値を示す第3変数と、第3成分の経時変化の特性を表す1以上の第4変数とを用いたクラスタリングを実行することにより、複数の施設を複数の類型に分類する。分類部14は、各施設200の成分データ10cに基づいて、当該施設200の第1変数、第2変数、第3変数および1以上の第4変数の値を算出する。分類部14は、複数の施設200の各々と当該施設200が属する類型とを対応付けた分類データ10dを生成し、生成した分類データ10dを記憶部10に格納する。
【0026】
提供部15は、分類データ10dに基づいて、複数の施設200のうちの対象施設が属する対象類型を複数の類型の中から特定し、対象類型に応じた情報を提供する。提供部15は、たとえば、対象類型に応じた情報をディスプレイ108(図2参照)に表示させる。提供部15は、たとえば、記憶部10に予め格納されるデータベース10eから対象類型に応じた情報を読み出す。
【0027】
記憶部10は、電力需要データ10a、外気温データ10b、成分データ10c、分類データ10d、およびデータベース10eを記憶するとともに、さらに契約データ10fを記憶する。契約データ10fは、施設200ごとの電気供給契約に関する情報を示す。電気供給契約に関する情報は、契約者、施設200の用途などを含む。さらに、電気供給契約に関する情報は、施設200の延床面積を含んでもよい。
【0028】
<D.電力需要の成分分析>
施設200に設置される複数の電気機器220(図1参照)は、外気温に応じて消費電力量が変動する季節依存の機器と、外気温に応じて消費電力量が変動しない非季節依存の機器とに分類される。さらに、複数の電気機器220は、常時稼働される機器と、人の活動時に稼働される機器とに分類される。
【0029】
図4は、施設200に設置される複数の電気機器220の分類を示す図である。図4に示されるように、常時稼働される非季節依存の電気機器として、たとえばサーバ、共用室換気装置が挙げられる。人の活動時に稼働される非季節依存の電気機器として、たとえば照明器具およびコンセントに接続された機器が挙げられる。常時稼働される季節依存の電気機器として、たとえば24時間運転される空調機、冷蔵庫、温水洗浄便座が挙げられる。人の活動時に稼働される季節依存の電気機器として、限定された時間にのみ使用される空調機、電気温水機が挙げられる。抽出部13は、図4に示す分類を考慮して、電力需要を複数の成分に分解する。
【0030】
図5は、電力需要を構成する複数の成分を示す図である。抽出部13は、分析対象期間の各日の各時間帯の電力需要20を、人の活動に依存しない第1成分21(「ベース成分」とも称する。)と、第1成分21以外の成分24とに分解する。第1成分21は、常時稼働される電気機器によって消費される電力量に対応する。
【0031】
抽出部13は、成分24を、外気温に応じて変動しない活動起因固定成分Xascと、活動起因固定成分Xasc以外の成分25とに分解する。活動起因固定成分Xascは、人の活動時に稼働される非季節依存の電気機器によって消費される電力量に対応する。
【0032】
抽出部13は、成分25を、外気温に応じて変動する活動起因季節変動成分Xaseと、活動起因季節変動成分Xase以外の残渣成分Xrとに分解する。活動起因季節変動成分Xaseは、人の活動時に稼働される季節依存の電気機器によって消費される電力量に対応する。
【0033】
抽出部13は、第1成分21を、外気温に応じて変動しないベース固定成分Xbfと、ベース固定成分Xbf以外のベース季節変動成分Xbsとに分解する。ベース固定成分Xbfは、常時稼働される非季節依存の電気機器によって消費される電力量に対応する。ベース季節変動成分Xbsは、常時稼働される季節依存の電気機器によって消費される電力量に対応する。
【0034】
抽出部13は、活動起因季節変動成分Xaseとベース季節変動成分Xbsとの和を、外気温に応じて変動する第2成分22として特定する。さらに、抽出部13は、活動起因固定成分Xascとベース固定成分Xbfとの和を、外気温に応じて変動しない第3成分23として特定する。
【0035】
図6は、第1成分21の算出方法を説明する図である。抽出部13は、電力需要データ10aと外気温データ10bとを用いて、分析対象期間に含まれる各日の各時間帯における電力需要と外気温とを対応付けた単位データセットを生成する。例えば、分析対象期間に含まれる日数が365であり、各日が30分毎の48個の時間帯に分割される場合、抽出部13は、365×48=17520個の単位データセットを生成する。
【0036】
第1成分21は、常時稼働される電気機器によって消費される電力量に対応する。そのため、人の活動しない時間帯の電力需要を用いることにより、第1成分21の算出精度を高めることができる。そこで、抽出部13は、分析対象期間に含まれる各日のうちの予め定められた時間帯に対応する単位データセット40を抽出する。予め定められた時間帯は、人の活動しない時間帯(たとえば0時から3時までの深夜時間帯)を含み、たとえば0時から7時までの時間帯である。予め定められた時間帯が0時から7時までの30分毎の時間帯である場合、365日×14個=5110個の単位データセット40が抽出される。
【0037】
図6には、横軸を外気温、縦軸を電力需要とするグラフに、抽出された複数(たとえば5110個)の単位データセット40をプロットした結果が示される。
【0038】
第1成分21は、常時稼働される電気機器によって消費される電力量に対応するため、各外気温における最小の電力需要に対応する可能性が高い。そのため、抽出部13は、例えば以下の手順(A1)~(A4)に従って、分析対象期間に含まれる各日の各時間帯の第1成分21を計算する。
【0039】
手順(A1):抽出部13は、抽出された複数の単位データセット40によって示される外気温のうちの最低外気温Tminから最高外気温Tmaxまでの外気温範囲を複数の外気温度帯に分割する。外気温度帯の個数は、予め定められる。図6に示す例では、抽出部13は、最低外気温Tminから最高外気温Tmaxまでの外気温範囲を30区分の外気温度帯に分割している。30区分の外気温度帯の幅Δtは互いに同じである。
【0040】
手順(A2):抽出部13は、外気温度帯毎の最小の電力需要を特定する。図6に示されるように、抽出部13は、30区分の外気温度帯の各々について、当該外気温度帯に属する単位データセット40の中から最小の電力需要を示す単位データセット41を抽出する。抽出部13は、30区分の外気温度帯の各々について抽出した単位データセット41で示される電力需要を、当該外気温度帯の最小の電力需要として特定する。
【0041】
手順(A3):抽出部13は、外気温を説明変数xとし、手順(A2)で特定した最小の電力需要を目的変数yとする回帰分析を行ない、回帰式50を求める。回帰式50は、最小二乗法を用いて計算される。図6に示すグラフには、回帰式50によって表される回帰曲線30が描かれている。回帰式50は、典型的には2次方程式(y=ax2+bx+c)であり、回帰曲線30として2次曲線を表す。
【0042】
外気温が高くなると、たとえば24時間使用されている空調機の冷房運転によって消費される電力量が多くなる。一方、外気温が低くなると、たとえば24時間使用されている空調機の暖房運転によって消費される電力量が多くなる。そのため、回帰曲線30は、通常、下に凸となる。
【0043】
手順(A4):抽出部13は、回帰式50の説明変数xに分析対象期間に含まれる各日の各時間帯における外気温を代入することにより得られる目的変数yの値を、当該日の当該時間帯における第1成分21として決定する。
【0044】
図7は、ベース固定成分Xbfおよびベース季節変動成分Xbsの算出方法を説明する図である。ベース固定成分Xbf(図5参照)は、常時稼働される非季節依存の電気機器によって消費される電力量に対応する。そのため、図7に示されるように、抽出部13は、回帰曲線30を表す回帰式50において説明変数x(外気温)を変化させたときの目的変数y(最小の電力需要)の最小値をベース固定成分Xbfとして決定する。図7において、破線31は、目的変数yの最小値を示している。抽出部13は、分析対象期間における各日の各時間帯における第1成分21からベース固定成分Xbfを差し引くことにより、当該日の当該時間帯におけるベース季節変動成分Xbsを計算する。
【0045】
なお、第1成分21、ベース固定成分Xbfおよびベース季節変動成分Xbsの算出方法は、上記の手順に限定されない。複数の単位データセット40の中には、異常に低い電力需要を示す特異な単位データセット40が含まれ得る。このような単位データセット40が含まれる場合、上記の手順に従えば、ベース固定成分Xbfを低く見積もってしまう可能性がある。そのため、上記の手順(A2)において、抽出部13は、30区分の外気温度帯の各々について、当該外気温度帯に属する単位データセット40の中から、小さいものから頻度1%分の電力需要を示す単位データセットを抽出してもよい。そして、上記の手順(A3)において、抽出部13は、外気温を説明変数xとし、抽出された単位データセットで示される電力需要(小さいものから頻度1%分の電力需要)を目的変数yとする回帰分析を行ない、回帰式(y=ax2+bx+c)を求めればよい。さらに、抽出部13は、回帰式の標準偏差SDを算出し、算出された標準偏差SDを用いて、回帰式を補正することが好ましい。補正後の回帰式は、以下のように表される。
y=ax2+bx+c-SD
回帰式の標準偏差SDは、回帰推定値(回帰式の説明変数xに外気温を代入して得られる目的変数yの推定値)と抽出された単位データセットで示される頻度1%分の電力需要との偏差(残渣)の標準偏差である。そして、抽出部13は、補正後の回帰式の説明変数xに分析対象期間に含まれる各日の各時間帯における外気温を代入することにより得られる目的変数yの値を、当該日の当該時間帯における第1成分21として決定すればよい。
【0046】
さらに、抽出部13は、補正後の回帰式において説明変数x(外気温)を変化させたときの目的変数yの最小値をベース固定成分Xbfとして決定し、第1成分21からベース固定成分Xbfを差し引くことによりベース季節変動成分Xbsを計算する。
【0047】
図8は、成分24に含まれる外気温影響分の算出方法を示す図である。図9は、成分24と外気温影響分との差分の分布を示す図である。
【0048】
外気温と電力需要との関係は、季節によって異なる。そこで、抽出部13は、分析対象期間に含まれる各日における各時間帯の単位データセット40(図6参照)を、季節ごとに分類する。
【0049】
例えば、抽出部13は、分析対象期間に含まれる各日を、2つの季節「暖房期」,「冷房期」のいずれかに分類する。「暖房期」は、「冷房期」よりも外気温が低く、主に暖房が使用される期間である。「冷房期」は、「暖房期」よりも外気温が高く、主に冷房が使用される期間である。
【0050】
「暖房期」および「冷房期」は、予め定められる。たとえば、11月から4月までが「暖房期」として予め定められ、5月から10月までが「冷房期」として予め定められる。
【0051】
あるいは、抽出部13は、電力需要データ10aに基づいて、「暖房期」および「冷房期」を決定してもよい。「暖房期」から「冷房期」に切り替わるとき、および、「冷房期」から「暖房期」に切り替わるとき、電力需要は低くなる。そのため、抽出部13は、電力需要データ10aを用いて、月毎の1日当たりの平均電力需要が極小となる2つの月を特定する。抽出部13は、特定した2つの月を境として、「暖房期」および「冷房期」を決定すればよい。なお、特定された2つの月の各々は、「暖房期」および「冷房期」のいずれかに分類される。
【0052】
あるいは、抽出部13は、分析対象期間に含まれる各日を3つ以上の季節のいずれかに分類してもよい。例えば、抽出部13は、各月を前後半に分割することにより得られる24個の単位期間の各々を3つ以上の季節のいずれかに分類する。まず、抽出部13は、各単位期間における平均電力需要を昇順にソートし、電力需要が小さい4つの単位期間を第1季節に分類する。次に、第1季節において観測された電力需要の出現頻度分布と、各単位期間において観測された電力需要の出現頻度分布の統計的な差異を評価し、有意差が認められなかった単位期間を第1季節に分類する。分布間の差異の評価では、平均電力需要が小さい単位期間から順にχ2検定を実施し、有意差が認められた場合は検定処理を終了し、そこまでに求めた単位期間を第1季節に分類する。
【0053】
χ2検定では、全ての単位期間の電力需要の出現頻度から全階級が等頻度を持つように電力需要について例えば15の階級を定め、階級別の出現頻度の統計的有意差を評価する。
【0054】
次に、抽出部13は、第1季節によって区切られた、ひとまとまりの単位期間を第2季節、第3季節、・・・として決定する。ただし、決定された第1季節を除く季節が1つの単位期間のみで構成される場合、例外処理として、当該単位期間を第1季節に組み込む。
【0055】
このような処理により、例えば、4月後半、5月前半および11月前後半が第1季節に分類され、1月前半から4月前半までが第2季節に分類され、5月後半から10月後半までが第3季節に分類され、12月前後半が第4季節に分類される、なお、この場合、12月前後半は、第2季節に分類されてもよい。
【0056】
抽出部13は、分析対象期間に含まれる各日における各時間帯の単位データセット40によって示される電力需要から当該日の当該時間帯について算出した第1成分21を差し引くことにより、当該日の当該時間帯における成分24を計算する。
【0057】
図8には、横軸を外気温、縦軸を成分24とするグラフに、分析対象期間に含まれる各日における対象時間帯の単位データセット40に対応する点をプロットした結果が示される。図8には、分析対象期間に含まれる各日が2つの季節「暖房期」,「冷房期」のいずれかに分類されたときの結果例が示される。図8において、三角印によって示される点は、季節「暖房期」に属する日における対象時間帯の単位データセット40に対応する。丸印によって示される点は、季節「冷房期」に属する日における対象時間帯の単位データセット40に対応する。
【0058】
抽出部13は、以下の手順(B1)~(B6)に従って、対象日の対象時間帯における活動起因固定成分Xascを計算する。
【0059】
(手順B1)抽出部13は、対象日の属する季節を特定し、分析対象期間のうち特定した季節に属する複数の日を選択する。例えば、抽出部13は、対象日が季節「暖房期」に属する場合、分析対象期間のうち季節「暖房期」に属する複数の日を選択する。抽出部13は、対象日が季節「冷房期」に属する場合、分析対象期間のうち季節「冷房期」に属する複数の日を選択する。
【0060】
(手順B2)抽出部13は、選択した複数の日における対象時間帯の外気温と成分24との相関を示す相関情報を生成する。具体的には、抽出部13は、外気温を説明変数x’とし、成分24を目的変数y’とする回帰分析を行ない、回帰式52を求める。回帰式52は、最小二乗法を用いて計算される。図8に示すグラフには、季節「冷房期」に属する複数の日における対象時間帯の外気温と成分24とを回帰分析することにより得られる回帰曲線32aが描かれている。さらに、季節「暖房期」に属する複数の日における対象時間帯の外気温と成分24とを回帰分析することにより得られる回帰曲線32bが描かれている。回帰式52は、典型的には2次方程式(y’=a’x’2+b’x’+c’)であり、回帰曲線32a,32bとして2次曲線を表す。
【0061】
(手順B3):抽出部13は、対象日の属する季節の対象時間帯における成分24の最小値を計算する。例えば、抽出部13は、回帰式52において説明変数x’(外気温)を変化させたときの目的変数y’の最小値を成分24の最小値として計算する。図8には、季節「冷房期」に対応する回帰曲線32aから計算される目的変数y’の最小値を示す破線33aと、季節「暖房期」に対応する回帰曲線32bから計算される目的変数y’の最小値を示す破線33bとが示される。
【0062】
(手順B4):抽出部13は、回帰式52の説明変数x’に選択した複数の日の各々の対象時間帯の外気温を代入することにより得られる目的変数y’の値から、手順B3において計算した成分24の最小値を差し引くことにより外気温影響分を計算する。図8には、季節「冷房期」に対応する回帰曲線32aと破線33aとの差が冷房期に対応する外気温影響分として示される。さらに、季節「暖房期」に対応する回帰曲線32bと破線33bとの差が暖房期に対応する外気温影響分として示される。
【0063】
(手順B5):抽出部13は、選択した複数の日の各々における対象時間帯の成分24と手順B4において計算した外気温影響分との差分を計算する。図9には、季節「暖房期」における成分24と外気温影響分との差分が三角印で示され、季節「冷房期」における成分24と外気温影響分との差分が丸印で示されている。
【0064】
(手順B6):抽出部13は、手順B5において算出された差分に基づいて、活動起因固定成分Xascを計算する。たとえば、抽出部13は、選択した複数の日の対象時間帯における、成分24と外気温影響分との差分の代表値(たとえば平均値)を活動起因固定成分Xascとして計算する。
【0065】
図8および図9には、分析対象期間に含まれる各日が2つの季節「暖房期」,「冷房期」のいずれかに分類されたときの例が示される。しかしながら、上述したように、分析対象期間に含まれる各日は、電力需要が相対的に小さい第1季節、第1季節によって区切られた第2季節,第3季節、・・・のいずれかに分類されてもよい。この場合であっても、抽出部13は、対象日と同じ季節に属する複数の日における対象時間帯の単位データセット40を用いて、上記の手順B1~B6を実行し、活動起因固定成分Xascを計算すればよい。なお、手順B3において、抽出部13は、電力需要が相対的に小さい第1季節に属する日の対象時間帯の平均外気温を回帰式52の説明変数x’に代入することにより得られる目的変数y’の値を、対象日の属する季節の対象時間帯における成分24の最小値として計算してもよい。
【0066】
人の活動は、曜日、休日か否か、および祝祭日か否かに応じて変化する。そのため、抽出部13は、手順B1において選択した複数の日の各々を、曜日、休日か否か、および祝祭日か否かの少なくとも1つによって定義される複数のグループのいずれかに分類してもよい。抽出部13は、複数のグループの各々に属する日の対象時間帯における、成分24と外気温影響分との差分の代表値を、当該グループに属する日の対象時間帯における活動起因固定成分Xascとして決定すればよい。これにより、曜日の影響を考慮して活動起因固定成分Xascを決定することができる。
【0067】
複数のグループは、たとえば、「月曜日」と、「火曜日」と、「水曜日」と、「木曜日」と、「金曜日」と、「土曜日」と、「日曜日」との7つのグループを含む。なお、月曜日から土曜日のいずれかであり、かつ祝祭日である日は、グループ「日曜日」に分類される。あるいは、祝祭日ごとに、当該祝祭日における電力需要が、当該祝祭日と同じ曜日の電力需要および日曜日の電力需要のいずれに近い挙動をとるかを確認し、当該祝祭日の単位データセット40を当該祝祭日と同じ曜日のグループに分類するか、グループ「日曜日」に分類するかを決定してもよい。例えば、各祝祭日の前後10週分の日曜日の時刻別平均電力需要と、前後10週分の当該祝祭日と同じ曜日の時刻別平均電力需要とを算出し、当該祝祭日の電力需要との平均二乗誤差が小さい曜日のグループを選択すればよい。
【0068】
活動起因固定成分Xascは、人の活動時に稼働される非季節依存の電気機器によって消費される電力量に対応する。そのため、人が活動していない時間帯における活動起因固定成分Xascは、好ましくはゼロである。したがって、抽出部13は、複数のグループの全時間帯のうち最小の活動起因固定成分Xascがゼロとなるように調整してもよい。
【0069】
たとえば、抽出部13は、選択した複数の日を上記の7つのグループに分類し、上記の手順B5に従って、各グループおよび各時間帯について、成分24と外気温影響分との差分の平均値を計算する。抽出部13は、7つのグループの全ての時間帯について計算された平均値のうちの最小値をオフセット量として決定する。抽出部13は、7つのグループの各々に属する日の対象時間帯における成分24と外気温影響分との差分の平均値からオフセット量だけ減算した値を、当該グループに属する日の対象時間帯における活動起因固定成分Xascとして決定する。
【0070】
なお、対象日の対象時間帯における活動起因固定成分Xascと第1成分21との合計が、対象日の対象時間帯における電力需要よりも大きい場合、抽出部13は、当該合計と当該電力需要力との差分だけ小さくなるように活動起因固定成分Xascを調整する。
【0071】
図10は、外気温に対する、成分24から活動起因固定成分Xascを除いた成分25の分布を示す図である。図11は、外気温と成分25との相関を示す回帰曲線34の一例を示す図である。
【0072】
抽出部13は、以下の手順(C1)~(C6)に従って、対象日の対象時間帯における活動起因季節変動成分Xaseおよび残渣成分Xrを計算する。
【0073】
(手順C1)抽出部13は、対象日の属する季節を特定し、分析対象期間のうち特定した季節に属する複数の日を選択する。例えば、抽出部13は、対象日が季節「暖房期」に属する場合、分析対象期間のうち季節「暖房期」に属する複数の日を選択する。抽出部13は、対象日が季節「冷房期」に属する場合、分析対象期間のうち季節「冷房期」に属する複数の日を選択する。
【0074】
(手順C2)抽出部13は、選択した複数の日における対象時間帯の成分25を計算する。具体的には、抽出部13は、選択した複数の日の各々について、当該日の対象時間帯の成分24から活動起因固定成分Xascを差し引くことにより、当該日の対象時間帯における成分25を計算する。図10には、複数の日について、外気温に対する成分25の分布が示される。なお、図10には、対象時間帯だけでなく全時間帯について、外気温に対する成分25の分布が示される。
【0075】
(手順C3)抽出部13は、選択した複数の日における対象時間帯の外気温と成分25との相関を示す相関情報を生成する。具体的には、抽出部13は、外気温を説明変数x”とし、成分25を目的変数y”とする回帰分析を行ない、回帰式54を求める。回帰式54は、最小二乗法を用いて計算される。図11に示すグラフには、対象時間帯の外気温と成分25とを回帰分析することにより得られる回帰曲線34が描かれている。回帰式54は、典型的には2次方程式(y”=a”x”2+b”x”+c”)であり、回帰曲線34として2次曲線を表す。
【0076】
(手順C4):抽出部13は、回帰式54において説明変数x”(外気温)を変化させたときの目的変数y”(成分25)の最小値を計算する。図11には、回帰曲線34から計算される最小値を示す破線35が示される。
【0077】
(手順C5):抽出部13は、回帰式54の説明変数x”に対象日の対象時間帯の外気温を代入することにより得られる目的変数y”の値から、手順C4において計算した最小値を差し引くことにより、活動起因季節変動成分Xaseを計算する。図11には、対象時間帯に対応する回帰曲線34と破線35との差が活動起因季節変動成分Xaseとして示される。
【0078】
抽出部13は、対象日の対象時間帯について、成分25から活動起因季節変動成分Xaseを差し引くことにより、残渣成分Xrを計算する。
【0079】
なお、抽出部13は、手順C1において選択した複数の日の各々を、曜日、休日か否か、および祝祭日か否かの少なくとも1つによって定義される、上述した複数のグループのいずれかに分類してもよい。抽出部13は、複数のグループの各々に属する日の対象時間帯における成分25の分布に基づいて、対象日の対象時間帯における活動起因季節変動成分Xaseを決定すればよい。これにより、曜日の影響を考慮して活動起因季節変動成分Xaseを決定することができる。
【0080】
抽出部13は、活動起因季節変動成分Xaseとベース季節変動成分Xbsとの和を第2成分22として計算する。さらに、抽出部13は、活動起因固定成分Xascとベース固定成分Xbfとの和を第3成分23として計算する。
【0081】
<E.複数の施設の複数の類型への分類>
分類部14は、各施設200について、電力需要の静的特性を示す変数として、電力需要20のピークを示す第1変数、第1成分21の代表値を示す第2変数および第2成分22の代表値を示す第3変数を計算する。
【0082】
たとえば、分類部14は、分析対象期間に含まれる日の時間帯毎の電力需要20の最大値を第1変数として特定する。ただし、電力需要データ10aによって示される電力需要には、異常値を示すものも有り得る。そのため、分類部14は、分析対象期間に含まれる複数の日の時間帯毎の電力需要20のうち、上位1%の電力需要20を第1変数として特定してもよい。
【0083】
分類部14は、分析対象期間に含まれる各日の時間帯毎に、電力需要20に対する第1成分21の比率を計算する。分類部14は、分析対象期間における当該比率の代表値(たとえば、平均値、中央値など)を第2変数として計算する。
【0084】
分類部14は、分析対象期間に含まれる各日の時間帯毎に、電力需要20に対する第2成分22の比率を計算する。分類部14は、分析対象期間における当該比率の代表値(たとえば、平均値、中央値など)を第3変数として計算する。
【0085】
分類部14は、複数の施設200の各々について、第1変数、第2変数および第3変数を計算する。さらに、分類部14は、複数の施設200の第1変数、第2変数および第3変数の各々を、平均が0、標準偏差1となるように基準化する。
【0086】
分類部14は、各施設200について、電力需要の動的特性を示す変数として、外気温に応じて変動しない第3成分23の経時変化の特性を表す1以上の第4変数を計算する。
【0087】
分類部14は、平日の単位期間ごとの第3成分23の第1代表値と、休日の単位期間ごとの第3成分23の第2代表値とを計算する。休日は、例えば土曜日および日曜日を含む。単位期間は、たとえば3時間である。第1代表値および第2代表値は、たとえば単位期間ごとの第3成分23の平均値または中央値である。3時間毎の第3成分23の平均値を計算することにより、午前中や夕方といった大まかな時間スケールでの変動が抽出される。
【0088】
分類部14は、単位期間毎の第3成分23の最大値を1として、第1代表値および第2代表値を基準化する。
【0089】
図12は、第1代表値および第2代表値の変動を示す図である。図12に示すグラフにおいて、横軸は、単位期間の時間帯を示し、縦軸は、第1代表値または第2代表値を示す。図12に示されるように、単位期間が3時間である場合、複数の施設200の各々について、8個の第1代表値および8個の第2代表値が計算される。単位期間ごとの第1代表値および第2代表値の変動は、施設200の用途等に応じて異なる。
【0090】
分類部14は、単位期間ごとの第1代表値および第2代表値に対して主成分分析を行ない、時系列挙動を表す1以上の主成分を1以上の第4変数として抽出する。
【0091】
たとえば、分類部14は、寄与率が第1閾値を超える1以上の主成分を第4変数として抽出する。第1閾値は、後述するクラスタリングの結果が動的特性に偏ることを避けるために、主成分分析の対象となる要素(第1代表値または第2代表値)1つ分に設定される。たとえば、8個の第1代表値および8個の第2代表値が計算される場合、第1閾値は、1/16に設定される。
【0092】
あるいは、分類部14は、累積寄与率が第2閾値を超える1以上の主成分を第4変数として抽出してもよい。
【0093】
図13は、累積寄与率の一例を示す図である。累積寄与率は、各主成分の寄与率を大きい順に足しあげていった値である。寄与率は、各主成分の固有値をその総和で割った値である。図13に示す例では、主成分PC1~PC8の順に寄与率が大きく、主成分PC4までの累積寄与率が90%を超える。そのため、第2閾値が「90%」に設定された場合、主成分PC1~PC4が第4変数として抽出される。
【0094】
図14は、第1代表値および第2代表値と第4変数として抽出された主成分との相関係数を示す図である。図14には、図13に示す累積寄与率が90%を超える主成分PC1~PC4についての相関係数が示される。
【0095】
主成分PC1は、電力需要の大きさを表している。主成分PC2は、夜間の電力需要と休日の昼間の電力需要とを表している。主成分PC3は、平日の昼間の電力需要と休日の夜間の電力需要とを表している。主成分PC4は、平日の夜間から休日にかけての電力需要を表している。このように、第4変数として抽出された主成分は、施設200の電力需要の曜日および時刻の特性を表す。
【0096】
分類部14は、複数の施設200の各々について計算した第1変数、第2変数、第3変数、および1以上の第4変数を示すデータセットを用いて、複数の施設200を類型化するクラスタリングを行なう。
【0097】
クラスタリングの手法として、公知の技術が採用される。クラスタリングの公知の技術として、k-means法、Bisecting k-means法、Gaussian Mixture Modelなどが挙げられる。ただし、クラスタリングの結果を評価する公知の基準を用いて、これらの手法のうち最適な手法を選択することが好ましい。また、クラスタ数(複数の類型の個数)についても、クラスタリングの結果を評価する公知の基準を用いて最適な値を選択することが好ましい。
【0098】
クラスタリングの結果を評価する公知の基準として、たとえば、Calinski Harabasz基準(「pseudo F」とも称される。)、クラスタ内誤差平方和(SSE)などが挙げられる。Calinski Harabasz基準は、クラスタリング結果の凝集性と分別性とを同時に評価し、クラスタ間分散とクラスタ内分散の比に対応する。クラスタ内誤差平方和は、クラスタ重心とクラスタに属するデータとの距離の平方和である。また、クラスタリングの結果を評価するために、第1変数、第2変数、第3変数、および1以上の第4変数のうちの2つの変数の組み合わせ毎の類型別散布図が参照されてもよい。
【0099】
具体的には、クラスタリング手法およびクラスタ数の少なくとも一方が互いに異なる複数のパターンの各々についてクラスタリングを実行し、公知の基準を用いて、当該複数のパターンの中から最適なパターンが選択される。本実施の形態では、たとえば、クラスタリングの手法として「k-means法」、クラスタ数(複数の類型の個数)として「8」がそれぞれ選択される。
【0100】
図15は、8つの類型の各々に属する施設の電力需要の静的特性の平均を示す図である。図16は、8つの類型の各々に属する施設の電力需要の動的特性の平均を示す図である。図15に示されるように、類型CL1~CL8において、第1変数、第2変数および第3変数の値の傾向が異なる。同様に、類型CL1~CL8において、第4変数として抽出された主成分PC1~PC4の値の傾向が異なる。
【0101】
図17は、施設の用途ごとに、類型CL1~CL8に属する施設の比率を示す図である。図18は、類型CL1~CL8の各々に属する施設における、外気温に応じて変動しない第3成分23の比率の推移を示す図である。
【0102】
図17に示されるように、類型CL1には、主に娯楽施設、食堂、レストランなどのサービス業の用途に使用される施設200が分類される。図18に示されるように、類型CL1に属する施設200において、第3成分23が上昇し始める時刻が相対的に遅く、夜間まで第3成分23が高い状態で維持される。また、類型CL1に属する施設200において、休日の第3成分23が平日の第3成分23よりもわずかに大きい。これは、サービス業の用途に使用される施設200では、営業開始時間が相対的に遅いものの、夜間まで営業されるためである。以下、類型CL1を「午後活動タイプ」とも称する。
【0103】
類型CL2には、主に学校として使用される施設200が分類される。図18に示されるように、類型CL2に属する施設200において、休日の第3成分23が小さく、平日の昼間の第3成分23が大きい。これは、学校の用途に使用される施設200では、平日の昼間に各種の電気機器が使用されるためである。以下、類型CL2を「第1標準タイプ」とも称する。
【0104】
類型CL3には、主に宿泊施設として使用される施設200が分類される。図18に示されるように、類型CL3に属する施設200において、夕方から24時までの第3成分23の比率が大きくなる。これは、宿泊施設として使用される施設200では、主に夕方から宿泊者が訪れ、宿泊者による電気機器の使用が増大するためである。また、平日および休日のいずれにおいても第3成分23の比率が他の類型と比較して高い状態で推移する。これは、宿泊施設として使用される施設200では、宿泊者がいない時間帯であっても、ロビー、廊下などの空調機器や照明機器が常時稼働しているためである。以下、類型CL3を「第1年中無休タイプ」とも称する。
【0105】
類型CL4には、主にスーパー、百貨店、物販店として使用される施設200が分類される。図18に示されるように、類型CL4に属する施設200において、第3成分23の時刻変動が大きい。これは、スーパー、百貨店、物販店として使用される施設200では、営業時間において店舗内の照明機器などの稼働による電力消費量が増大するためである。また、類型CL4に属する施設200において、人の活動に依存しない第1成分21の比率が相対的に大きい。これは、スーパー、百貨店、物販店として使用される施設200では、冷蔵庫など常時稼働される電気機器が多いためである。以下、類型CL4を「第1機器稼働タイプ」とも称する。
【0106】
類型CL5には、主に医療施設として使用される施設200が分類される。図18に示されるように、類型CL5に属する施設200においても、第3成分23の時刻変動が大きい。これは、医療施設として使用される施設200では、昼間において診療、看護等のために電気機器の使用が増大するためである。また、類型CL5に属する施設200において、類型CL4に属する施設200よりは小さいものの、人の活動に依存しない第1成分21の比率が相対的に大きい。これは、医療施設として使用される施設200において、空調機器が常時稼働されるためである。以下、類型CL5を「第2機器稼働タイプ」とも称する。
【0107】
類型CL6には、主にコンビニエンスストアとして使用される施設200が分類される。図18に示されるように、類型CL6に属する施設200において、第3成分23の時刻変動が小さく、かつ、第3成分23が他の類型と比較して格段に大きい。これは、コンビニエンスストアとして使用される施設200では、24時間営業のために各種の電気器が常時稼働しているためである。以下、類型CL6を「第2年中無休タイプ」とも称する。
【0108】
類型CL7には、主に居酒屋、飲食店として使用される施設200が分類される。図18に示されるように、類型CL7に属する施設200において、第3成分23の比率は、夕方から上昇し始める。これは、居酒屋、飲食店として使用される施設200では、夕方から営業を開始するためである。以下、類型CL7を「夜間活動タイプ」とも称する。
【0109】
類型CL8には、主に事務所として使用される施設200が分類される。図18に示されるように、類型CL8に属する施設200において、第3成分23の比率は、平日の昼間に大きくなり、平日の夜間および休日に小さくなる。類型CL2(第1標準タイプ)でも同様の傾向を示す。ただし、平日の昼間において、類型CL2と比較して、第3成分23の比率が大きい。これは、事務所の用途に使用される施設200施設200では、学校の用途に使用される施設200と比べて、外気温に依存せず使用される電気機器(たとえば、サーバー、コンピュータなど)が多く、外気温に応じて変動する第2成分22の比率が小さいためである。以下、類型CL8を「第2標準タイプ」とも称する。
【0110】
<F.情報の提供>
データベース10e(図3参照)は、分類データ10dと、各類型に属する施設200の電力需要データ10aおよび成分データ10cとに基づいて、分析者によって予め作成される。
【0111】
図19は、データベースの一例を示す図である。図19に示されるように、データベース10eは、たとえばテーブル形式を有する。
【0112】
データベース10eは、類型ごとのレコードを含む。各レコード10e1は、施設200の用途ごとのフィールド群10e2を含む。フィールド群10e2は、性能指標が記述されるフィールド10e3と、電力需要の特徴が記述されるフィールド10e4と、省エネルギーのための対策方法が記述されるフィールド10e5と、を含む。
【0113】
まず、分析者は、契約データ10fに基づいて、全ての施設200を用途ごとに分類する。分析者は、各用途について、当該用途の施設200のうち最も多くの施設200が属する類型を標準類型として特定する。
【0114】
次に、分析者は、分類データ10dに基づいて、データベース10eの対象のレコード10e1に対応する類型に属する施設200を特定する。分析者は、契約データ10fに基づいて、特定した施設200を用途ごとにグループ分けする。分析者は、各グループに属する施設200の電力需要データ10aおよび成分データ10cと、全ての施設200の電力需要データ10aおよび成分データ10cの平均とを比較する。さらに、分析者は、各グループに属する施設200の電力需要データ10aおよび成分データ10cと、当該グループの用途に対応する標準類型に属する施設200の電力需要データ10aおよび成分データ10cの平均とを比較する。分析者は、これらの比較結果に基づいて、フィールド群10e2の各フィールドにテキストを記述する。
【0115】
たとえば、用途が「事務所」でありながら、類型CL1(午後活動タイプ)に属する施設200の電力需要と、全ての施設200の電力需要の平均とを比較した結果、以下の情報が得られたとする。分析者は、以下の情報を示すテキストをフィールド10e3に記述する。
・用途が「事務所」でありながら、類型CL1(午後活動タイプ)に属する施設200の中に、電力需要が上位10%内である時間帯の合計時間が全ての施設200の平均よりも短い施設200が存在する。
・用途が「事務所」でありながら、類型CL1(午後活動タイプ)に属する施設200の第1成分21は、全ての施設200の第1成分21の平均とほぼ同じである。
・用途が「事務所」でありながら、類型CL1(午後活動タイプ)に属する施設200の活動起因固定成分Xascが活発となる時間(以下、「稼働時間」と称する。)は、全ての施設200の稼働時間の平均よりも長い。稼働時間は、例えば、活動起因固定成分Xascが閾値を超えている時間である。あるいは、稼働時間は、以下の式に従って算出されてもよい。
avg(Xasc)/max(Xasc)×24
avg(Xasc)およびmax(Xasc)は、活動起因固定成分Xascの平均値および最大値である。ある日の全時刻において、一定の活動起因固定成分Xascが発生した場合、稼働時間は24時間となる。
・用途が「事務所」でありながら、類型CL1(午後活動タイプ)に属する施設200の活動起因季節変動成分Xaseの電力需要20に対する比率(以下、「人系空調電力比率」と称する。)は、全ての施設200の人系空調電力比率の平均よりもやや大きい。
・用途が「事務所」でありながら、類型CL1(午後活動タイプ)に属する施設200の中に、活動起因固定成分Xascの電力需要20に対する比率(以下、「機器系空調電力比率」と称する。)が全ての施設200の機器系空調電力比率の平均よりも大きくなる施設200が存在する。
・用途が「事務所」でありながら、類型CL1(午後活動タイプ)に属する施設200の夜間における電力需要20は、全ての施設200の夜間における電力需要20の平均よりも多い。
【0116】
さらに、分析者は、用途が「事務所」でありながら、類型CL1(午後活動タイプ)に属する施設200の電力需要と、類型CL8に属する施設200の電力需要の平均とを比較した結果、違いが際立っている特徴を示すテキストをフィールド10e4に記述する。例えば、分析者は、用途が「事務所」でありながら、類型CL1(午後活動タイプ)に属する施設200の特徴を示すテキストとして、「夜間の活動電力や空調電力がやや多くなる傾向を示しています。」をフィールド10e4に記述する。
【0117】
分析者は、フィールド10e4の記述内容に基づいて、用途が「事務所」でありながら、類型CL1(午後活動タイプ)に属する施設200の省エネルギー化の対策を示すテキストとして、「夜間不使用部位の省エネが有効です。」をフィールド10e5に記述する。
【0118】
提供部15は、操作キー106(図2参照)への操作に応じて、複数の施設200の中から対象施設の指定を受け付ける。提供部15は、対象施設の指定を受け付けたことに応じて、分類データ10dに基づいて、複数の施設200のうちの対象施設が属する対象類型を複数の類型の中から特定する。提供部15は、対象類型に応じた情報を提供する。
【0119】
たとえば、提供部15は、データベース10eから対象類型に対応するレコード10e1を特定する。提供部15は、特定したレコード10e1から、対象施設の用途に対応するフィールド群10e2を抽出する。対象施設の用途は、契約データ10fに基づいて特定される。提供部15は、抽出したフィールド群10e2に記述されたテキストを提供する。
【0120】
あるいは、提供部15は、対象類型に属する他の施設200の電力需要20と、対象施設の電力需要20との比較結果を示す情報を提供してもよい。
【0121】
図20は、提供画面の一例を示す図である。図20に示される画面60は、提供部15によって提供され、ディスプレイ108に表示される。図20には、ある需要家が運営している10個の施設200が対象施設として指定されたときの画面60が示される。10個の対象施設は、営業所A~GとコンビニZとを含む。
【0122】
図20に示されるように、画面60は、グラフ61、63~65と、表62,66と、コメント表示欄67,68と、を含む。
【0123】
グラフ61は、10個の対象施設が属する類型の比率を示す。表62は、類型ごとの対象施設の個数を示す。
【0124】
グラフ63は、各施設の原単位の分布を示す。グラフ63において、横軸は、施設の延床面積を示し、縦軸は、原単位を示す。原単位は、年間電力量を施設の延床面積で割った値である。施設の延床面積は、契約データ10fによって示される。グラフ63において、他の施設200の原単位の値が白丸でプロットされ、対象施設の原単位の値がハッチングされた大きい丸でプロットされている。グラフ63から、他の施設と比較して、対象施設の電力需要の大小が確認される。
【0125】
グラフ64は、各対象施設の電力需要と電力需要の成分比率とを示す。グラフ64から、対象施設間において電力需要の成分(活動起因季節変動成分Xase、活動起因固定成分Xasc、ベース季節変動成分Xbs、ベース固定成分Xbf、残渣成分Xr)を比較できる。
【0126】
グラフ65は、同一の類型に属する対象施設の電力需要の成分比率の推移を示す。グラフ65には、平日の1時間ごとの成分比率の推移と、休日の1時間ごとの成分比率の推移とが示される。図20に示すグラフ65は、「午後活動タイプ」に属する対象施設の電力需要の成分比率の推移を示す。
【0127】
表66は、同一の類型に属する各対象施設の、原単位、受電規模(kW)および年間電力(kWh)を示す。受電規模(kW)とは、分析対象期間に含まれる日の時間帯毎の電力需要20のうち上位所定%の電力需要を示す。受電規模(kW)として、上記の第1変数が用いられてもよい。
【0128】
コメント表示欄67には、同一の類型に属する対象施設の電力需要の特徴を示すテキストが表示される。提供部15は、データベース10eから当該類型に対応するレコード10e1を特定する。提供部15は、特定したレコード10e1から、対象施設の用途に対応するフィールド10e4を抽出する。提供部15は、抽出したフィールド10e4に記述されたテキストをコメント表示欄67に表示する。図20に示す例では、「午後活動タイプ」に属する3つの対象施設の用途は、全て「事務所」である。そのため、提供部15は、類型CL1(午後活動タイプ)に対応するレコード10e1から、用途「事務所」に対応するフィールド10e4に記述されたテキスト(図19参照)をコメント表示欄67に表示する。
【0129】
コメント表示欄68には、同一の類型に属する対象施設の省エネルギー対策を示すテキストが表示される。提供部15は、データベース10eから当該類型に対応するレコード10e1を特定する。提供部15は、特定したレコード10e1から、対象施設の用途に対応するフィールド10e5を抽出する。提供部15は、抽出したフィールド10e5に記述されたテキストをコメント表示欄68に表示する。図20に示す例では、「午後活動タイプ」に属する3つの対象施設の用途は、全て「事務所」である。そのため、提供部15は、類型CL1(午後活動タイプ)に対応するレコード10e1から、用途「事務所」に対応するフィールド10e5に記述されたテキスト(図19参照)をコメント表示欄68に表示する。
【0130】
なお、用途が互いに異なる複数の対象施設が同一の類型に分類される場合があり得る。このような場合、コメント表示欄67,68には、用途が互いに異なる複数の対象施設の各々についてのテキストが表示される。
【0131】
提供部15は、スクロールバー69の操作に応じて、別の類型に属する対象施設についてのグラフ65、表66およびコメント表示欄67,68を表示する。
【0132】
図21は、提供画面の別の例を示す図である。図21に示される画面70は、提供部15によって提供され、ディスプレイ108に表示される。図21に示されるように、画面70は、対象施設と同じ類型に分類された複数の施設200の電力需要20の傾向を示す10個のグラフ71~80を含む。グラフ71~80において、対象施設に対応する点が三角印で示され、他の施設200に対応する点が丸印で示される。
【0133】
グラフ71は、電力需要のピークを示す第1変数の値の分布を示す。グラフ71において、横軸は延床面積を示し、縦軸は第1変数の値を示す。
【0134】
グラフ72は、ピーク突出指標の分布を示す。ピーク突出指標とは、分析対象期間に含まれる日の時間帯のうち、電力需要20が上位10%内である時間帯の合計時間が小さいほど大きい値を示す。そのため、ピーク突出指標の値が大きいほど、電力需要20が突出する傾向が強い。グラフ72において、横軸は延床面積を示し、縦軸はピーク突出指標を示す。
【0135】
グラフ72において、破線72a,72b間の領域は、対象施設と同じ類型に分類された複数の施設200における標準的なピーク突出指標の範囲を示す。また、枠線72cは、ピーク突出指標が標準的な範囲よりも大きい領域を囲む。対象施設に対応する点が枠線72c内に含まれることは、同一の類型に属する他の施設と比較して、対象施設において突発的に電力需要20が大きくなる傾向があることを意味している。
【0136】
グラフ73は、ベース固定成分Xbfの値の分布を示す。グラフ73において、横軸は延床面積を示し、縦軸は、分析対象期間(1年)におけるベース固定成分Xbfの合計値を示す。グラフ73において、枠線73aは、延床面積のわりにベース固定成分Xbfの大きい範囲を囲む。対象施設に対応する点が枠線73a内に含まれることは、同一の類型に属する他の施設と比較して対象施設におけるベース固定成分Xbfが大きいことを意味する。
【0137】
グラフ74は、総電力需要に対するベース固定成分Xbfの比率の分布を示す。グラフ74において、横軸は延床面積を示し、縦軸は総電力需要に対するベース固定成分Xbfの比率を示す。
【0138】
グラフ74において、破線74a,74b間の領域は、対象施設と同じ類型に分類された複数の施設200における標準的なベース固定成分Xbfの比率の範囲を示す。枠線74cは、総電力需要に対するベース固定成分Xbfの比率が標準的な範囲よりも大きい領域を囲む。ベース固定成分Xbfは、冷蔵庫など常時稼働される電気機器によって消費される電力成分である。そのため、対象施設に対応する点が枠線74c内に含まれることは、同一の類型に属する他の施設と比較して、冷蔵庫などの電気機器の容量が過大であることを意味する。従って、需要家は、グラフ74を確認することにより、省エネルギー対策として冷蔵庫の容量および機器効率の見直しを図ることができる。
【0139】
グラフ75は、活動起因固定成分Xascの値の分布を示す。グラフ75において、横軸は延床面積を示し、縦軸は、分析対象期間(1年)における活動起因固定成分Xascの合計値を示す。グラフ75において、枠線75aは、延床面積のわりに活動起因固定成分Xascの大きい範囲を囲む。対象施設に対応する点が枠線75a内に含まれることは、同一の類型に属する他の施設と比較して対象施設におけるベース固定成分Xbfが大きいことを意味する。
【0140】
グラフ76は、1日における活動起因固定成分Xascが活発となる時間帯の合計の平均値(以下、「第1平均稼働時間」と称する。)の分布を示す。第1平均稼働時間は、人の活動に起因して稼働し、外気温に応じて消費電力が変動しない電気機器の1日の稼働時間の平均を示す。第1平均稼働時間は、例えば、1日における電力需要に対する活動起因固定成分Xascの比率が閾値を超える時間帯の合計の平均値である。あるいは、第1平均稼働時間は、1日における活動起因固定成分Xascの最大値(max(Xasc))に対する活動起因固定成分Xascの平均値(avg(Xasc))の比率(avg(Xasc)/max(Xasc)×24)であってもよい。グラフ76において、横軸は、活動起因固定成分Xascの最大値を施設200の延床面積で割った値を示し、縦軸は第1平均稼働時間を示す。
【0141】
グラフ76において、破線76a,76b間の領域は、対象施設と同じ類型に分類された複数の施設200における標準的な第1平均稼働時間の範囲を示す。破線76c,76d間の領域は、対象施設と同じ類型に分類された複数の施設200における標準的な、活動起因固定成分Xascの最大値を施設200の延床面積で割った値の範囲を示す。枠線76eは、第1平均稼働時間が標準的な範囲よりも大きく、かつ、活動起因固定成分Xascの最大値を施設200の延床面積で割った値が標準的な範囲よりも大きい領域を囲む。活動起因固定成分Xascは、人の活動に応じて稼働し、外気温に応じて消費電力が変動しない電気機器(照明器具など)によって消費される電力成分である。そのため、対象施設に対応する点が枠線76e内に含まれることは、同一の類型に属する他の施設と比較して、人の活動に応じて稼働し、外気温に応じて消費電力が変動しない電気機器(照明器具など)の稼働時間が長く、かつ、容量が過大であることを意味する。従って、需要家は、グラフ76を確認することにより、省エネルギー対策として照明器具の稼働時間、容量および機器効率の見直しを図ることができる。
【0142】
グラフ77は、活動起因季節変動成分Xaseの値の分布を示す。グラフ77において、横軸は延床面積を示し、縦軸は、分析対象期間(1年)における活動起因季節変動成分Xaseの合計値を示す。グラフ77において、枠線77aは、延床面積のわりに活動起因季節変動成分Xaseの大きい範囲を囲む。対象施設に対応する点が枠線77a内に含まれることは、同一の類型に属する他の施設と比較して対象施設における活動起因季節変動成分Xaseが大きいことを意味する。
【0143】
グラフ78は、1日における活動起因季節変動成分Xaseが活発となる時間帯の合計の平均値(以下、「第2平均稼働時間」と称する。)の分布を示す。第2平均稼働時間は、人の活動に起因して稼働し、外気温に応じて消費電力が変動する電気機器の1日の稼働時間の平均を示す。第2平均稼働時間は、例えば、1日における電力需要に対する活動起因季節変動成分Xaseの比率が閾値を超える時間帯の合計の平均値である。あるいは、第2平均稼働時間は、1日における活動起因季節変動成分Xaseの最大値(max(Xase))に対する活動起因季節変動成分Xaseの平均値(avg(Xase))の比率(avg(Xase)/max(Xase)×24)であってもよい。グラフ78において、横軸は、活動起因季節変動成分Xaseの最大値を施設200の延床面積で割った値を示し、縦軸は第2平均稼働時間を示す。
【0144】
グラフ78において、破線78a,78b間の領域は、対象施設と同じ類型に分類された複数の施設200における標準的な第2平均稼働時間の比率の範囲を示す。破線78c,78d間の領域は、対象施設と同じ類型に分類された複数の施設200における標準的な、活動起因季節変動成分Xaseの最大値を施設200の延床面積で割った値の範囲を示す。枠線78eは、第2平均稼働時間が標準的な範囲よりも大きく、かつ、活動起因季節変動成分Xaseの最大値を施設200の延床面積で割った値が標準的な範囲よりも大きい領域を囲む。活動起因季節変動成分Xaseは、人の活動に応じて稼働し、外気温に応じて消費電力が変動する電気機器(空調機器など)によって消費される電力成分である。そのため、対象施設に対応する点が枠線78e内に含まれることは、同一の類型に属する他の施設と比較して、人の活動に応じて稼働し、外気温に応じて消費電力が変動する電気機器(空調機器など)の稼働時間が長く、かつ、容量が過大であることを意味する。従って、需要家は、グラフ78を確認することにより、省エネルギー対策として空調機器の稼働時間、容量および機器効率の見直しを図ることができる。
【0145】
グラフ79は、ベース季節変動成分Xbsの値の分布を示す。グラフ79において、横軸は延床面積を示し、縦軸は、分析対象期間(1年)におけるベース季節変動成分Xbsの合計値を示す。グラフ79において、枠線79aは、延床面積のわりにベース季節変動成分Xbsの大きい範囲を囲む。対象施設に対応する点が枠線79a内に含まれることは、同一の類型に属する他の施設と比較して対象施設におけるベース季節変動成分Xbsが大きいことを意味する。
【0146】
グラフ80は、総電力需要に対するベース季節変動成分Xbsおよびベース固定成分Xbfの比率の分布を示す。グラフ80において、横軸は総電力需要に対するベース固定成分Xbfの比率を示し、縦軸は総電力需要に対するベース季節変動成分Xbsの比率を示す。
【0147】
グラフ80において、破線80a,80b間の領域は、対象施設と同じ類型に分類された複数の施設200における標準的なベース季節変動成分Xbsの比率の範囲を示す。破線80c,80d間の領域は、対象施設と同じ類型に分類された複数の施設200における標準的なベース固定成分Xbfの比率の範囲を示す。枠線80eは、ベース季節変動成分Xbsの比率が標準的な範囲よりも大きく、かつ、ベース固定成分Xbfの比率が標準的な範囲よりも大きい領域を囲む。対象施設に対応する点が枠線80e内に含まれることは、同一の類型に属する他の施設と比較して、営業時間外の電力消費量が大きいことを意味する。営業時間外に大きな電力を消費する機器として、たとえば冷蔵庫等が挙げられる。従って、需要家は、グラフ80を確認することにより、省エネルギー対策として冷蔵庫の容量および機器効率の見直しを図ることができる。
【0148】
<G.分析装置の処理の流れ>
図22は、分析装置100における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図22に示されるように、まず、分析装置100のプロセッサ101は、複数の施設200の各々について時間帯毎に計測された電力需要を示す電力需要データ10aを取得する(ステップS1)。プロセッサ101は、複数の施設200の各々の地域の時間帯毎の外気温を示す外気温データ10bを取得する(ステップS2)。なお、ステップS1,S2の処理順序は逆であってもよい。
【0149】
次に、プロセッサ101は、電力需要データ10aと外気温データ10bとに基づいて、電力需要20から、人の活動に依存しない第1成分21と、外気温に応じて変動する第2成分22と、外気温に応じて変動しない第3成分23とを抽出する(ステップS3)。
【0150】
次に、プロセッサ101は、電力需要20のピークを示す第1変数と、第1成分21の代表値を示す第2変数と、第2成分22の代表値を示す第3変数と、第3成分23の経時変化の特性を表す1以上の第4変数とを用いたクラスタリングを実行することにより、複数の施設200を複数の類型に分類する(ステップS4)。
【0151】
次に、プロセッサ101は、複数の施設200のうちの対象施設が属する対象類型を複数の類型の中から特定し、対象類型に応じた情報を提供する(ステップS5)。ステップS5の後、分析装置100は処理を終了する。
【0152】
<H.変形例>
上記の説明では、電力需要の静的特性を示す第1変数として、たとえば、分析対象期間に含まれる日の時間帯毎の電力需要20の最大値、あるいは、分析対象期間に含まれる複数の日の時間帯毎の電力需要20のうちの上位1%の電力需要20が用いられる。しかしながら、契約データ10fによって示される情報が各施設200の延床面積を含む場合、分析対象期間に含まれる日の時間帯毎の電力需要20の最大値を延床面積で割った値を第1変数として用いてもよい。あるいは、分析対象期間に含まれる複数の日の時間帯毎の電力需要20のうちの上位1%の電力需要20を延床面積で割った値を第1変数として用いてもよい。これにより、延床面積の違いの影響を排除した上で、複数の施設200を複数の類型に分類できる。
【0153】
図20に示す画面60は、各施設200の延床面積を用いて作成されるグラフ63を含む。また、図21に示す画面70は、各施設200の延床面積を用いて作成されるグラフ71~80を含む。しかしながら、契約データ10fによって示される情報が全ての施設200の延床面積を含まない場合が有り得る。このような場合、延床面積と受電規模との間には相関関係があるため、延床面積の代わりに受電規模を用いて各グラフが作成されてもよい。
【0154】
<I.まとめ>
以上のように、分析装置100は、第1取得部11と、第2取得部12と、抽出部13と、分類部14と、提供部15と、を備える。第1取得部11は、複数の施設200の各々について時間帯毎に計測された電力需要20を示す電力需要データ10aを取得する。第2取得部12は、複数の施設200の各々の地域の時間帯毎の外気温を示す外気温データ10bを取得する。抽出部13は、電力需要データ10aと外気温データ10bとに基づいて、電力需要20から、人の活動に依存しない第1成分21と、外気温に応じて変動する第2成分22と、外気温に応じて変動しない第3成分23とを抽出する。分類部14は、電力需要20のピークを示す第1変数と、第1成分21の代表値を示す第2変数と、第2成分22の代表値を示す第3変数と、第3成分23の経時変化の特性を表す1以上の第4変数とを用いたクラスタリングを実行することにより、複数の施設200を複数の類型に分類する。提供部15は、複数の施設200のうちの対象施設が属する対象類型を複数の類型の中から特定し、対象類型に応じた情報を提供する。
【0155】
上記の構成によれば、第1変数、第2変数および第3変数は、電力需要20の静的特性を表す。1以上の第4変数は、電力需要20の動的特性を表す。これらの変数を用いてクラスタリングが実行されることにより、施設の業務形態や設備に応じた電力需要の状態に従って、複数の施設が複数の類型に分類される。そして、対象施設が属する対象類型に応じて情報が提供される。その結果、対象施設の電力需要の状態に応じた情報を簡易に提供できる。
【0156】
上記の分析装置100において、分類部14は、複数の施設200の各々について、平日の単位期間ごとの第3成分23の第1代表値と、休日の単位期間ごとの第3成分23の第2代表値とを算出する。分類部14は、平日の単位期間ごとの第1代表値と休日の単位期間ごとの第2代表値とに対して主成分分析を行ない、寄与率が第1閾値を超える1以上の主成分または累積寄与率が第2閾値を超える1以上の主成分を1以上の第4変数として選択する。これにより、電力需要20の動的特性を適格に表す1以上の主成分が第4変数として選択される。その結果、電力需要20の動的特性を考慮したクラスタリングがより確実に実行される。
【0157】
上記の分析装置100において、情報は、対象施設と対象類型に属する他の施設との比較結果を示す。たとえば、図21に示されるように、グラフ71~80を含む画面70が提供される。これにより、省エネルギー対策を施す余地があるのか否かを判断することができる。
【0158】
上記の分析装置100において、提供部15は、複数の類型から選択される類型および施設の用途の各組み合わせと、当該組み合わせにおける電力需要の特徴および省電力化のための対策の少なくとも一方を示すテキストとを対応付けたデータベース10eから、対象類型および対象施設の用途の組み合わせに対応するテキストを読み出す。提供部15は、読み出したテキストを情報として提供する。たとえば、図20に示されるように、コメント表示欄67,68を含む画面60が提供される。これにより、需要家は、対象施設について、電力需要の特徴および省電力化のための対策の少なくとも一方を容易に把握できる。
【0159】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0160】
10 記憶部、10a 電力需要データ、10b 外気温データ、10c 成分データ、10d 分類データ、10e データベース、10e1 レコード、10e2 フィールド群、10e3~10e5 フィールド、10f 契約データ、11 第1取得部、12 第2取得部、13 抽出部、14 分類部、15 提供部、20 電力需要、21 第1成分、22 第2成分、23 第3成分、24,25 成分、30,32a,32b,34 回帰曲線、40,41 単位データセット、60,70 画面、61,63~65,71~80 グラフ、67,68 コメント表示欄、69 スクロールバー、72c,73a,74c,75a,76e,77a,78e,79a,80e 枠線、100 分析装置、101 プロセッサ、102 ROM、103 RAM、105 通信IF、106 操作キー、107 電源回路、108 ディスプレイ、110 プログラム、200 施設、210 スマートメータ、220 電気機器、300 サーバ装置、SYS システム、Xasc 活動起因固定成分、Xase 活動起因季節変動成分、Xbf ベース固定成分、Xbs ベース季節変動成分、Xr 残渣成分。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22