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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174511
(43)【公開日】2023-12-07
(54)【発明の名称】媒体処理装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B42B 5/00 20060101AFI20231130BHJP
   B65H 37/04 20060101ALI20231130BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
B42B5/00
B65H37/04 Z
G03G15/00 432
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048397
(22)【出願日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】P 2022086931
(32)【優先日】2022-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 秀彦
(72)【発明者】
【氏名】赤井 武志
(72)【発明者】
【氏名】八木 理子
(72)【発明者】
【氏名】杉山 恵介
【テーマコード(参考)】
2H072
3F108
【Fターム(参考)】
2H072GA07
3F108GA01
3F108GB01
3F108HA02
3F108HA11
(57)【要約】
【課題】液体付与部材から液体が蒸発するのを防止する媒体処理装置を提供する。
【解決手段】媒体処理装置は、媒体に液体を塗布する液体付与部と、液体付与部によって液体付与された複数の媒体を加圧変形させて綴じる圧着部とを備え、液体付与部は、液体を貯留する貯液部と、貯液部から供給された液体を含む液体付与部材と、液体付与部材を収容すると共に、下端に開口が形成されたカバー部材と、前記開口を遮断する遮断位置、及び前記開口から退避する退避位置に移動可能な蓋体と、を備え、液体付与部材は、蓋体が退避位置のときに、開口を通じて媒体に当接することによって、媒体に液体を付与する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一枚の媒体の一部に液体付与する液体付与部と、
前記液体付与部において液体付与をされた少なくとも一枚の前記媒体を含む媒体束を加圧変形させて綴じる圧着部と、を備え、
前記液体付与部は、
前記液体付与部による液体付与に用いられる液体を貯留する貯液部と、
前記貯液部から供給された液体を含む液体付与部材と、
前記液体付与部材を収容すると共に、下端に開口が形成されたカバー部材と、
前記開口を遮断する遮断位置、及び前記開口から退避する退避位置に移動可能な蓋体と、を備え、
前記液体付与部材は、前記蓋体が前記退避位置のときに、前記媒体に前記開口を通じて当接することによって、前記媒体に液体付与することを特徴とする媒体処理装置。
【請求項2】
前記蓋体を前記遮断位置に向けて付勢する第一付勢部材を備え、
前記蓋体は、
前記カバー部材の内部を前記媒体側に向かって移動する前記液体付与部材に当接して、前記第一付勢部材の付勢力に抗して前記遮断位置から前記退避位置に移動し、
前記カバー部材の内部を前記媒体から離れる方向に移動する前記液体付与部材に当接して、前記第一付勢部材の付勢力によって前記退避位置から前記遮断位置に移動することを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項3】
前記カバー部材は、前記媒体に対して当接方向及び離間方向に移動可能であり、
前記液体付与部は、
前記カバー部材の下端が前記媒体より離間しており、且つ前記蓋体が前記遮断位置である第一状態と、
前記カバー部材の下端が前記媒体に当接し、且つ前記蓋体が前記遮断位置である第二状態と、
前記カバー部材の下端が前記媒体に当接し、前記蓋体が前記退避位置で、且つ前記液体付与部材が前記媒体に当接する第三状態と
に変化することを特徴とする請求項2に記載の媒体処理装置。
【請求項4】
前記液体付与部は、
前記液体付与部材を保持すると共に、前記カバー部材を前記媒体に対して当接方向及び離間方向に移動可能に支持する保持部材と、
前記カバー部材を前記保持部材に対して離間させる方向に付勢する第二付勢部材と、
前記保持部材を前記媒体に対して接近方向及び離間方向に移動させる保持部材移動手段と、を備え、
前記液体付与部は、
前記保持部材を前記第一状態から前記媒体に対して接近方向に移動させることによって、前記保持部材と共に前記カバー部材が前記媒体に対して当接方向に移動して前記第二状態に変化し、
前記保持部材を前記第二状態から前記第二付勢部材の付勢力に抗して、さらに前記媒体に対して接近方向に移動させることによって、前記液体付与部材が前記カバー部材内を前記媒体に当接する方向に移動して前記第三状態に変化することを特徴とする請求項3に記載の媒体処理装置。
【請求項5】
前記液体付与部は、前記媒体の厚み又は前記媒体の枚数に応じて、前記第一状態から前記第三状態に変化するときの前記液体付与部材の移動量を調整することを特徴とする請求項3に記載の媒体処理装置。
【請求項6】
前記液体付与部は、前記カバー部材の下端を囲む第一密封部材を備え、
前記第一密封部材は、前記液体付与部が前記第二状態及び前記第三状態のときに、前記媒体に密着することを特徴とする請求項3に記載の媒体処理装置。
【請求項7】
前記液体付与部を、前記媒体に対面する液体付与位置、及び前記液体付与位置から外れた待機位置の間で移動させる液体付与部移動手段を備え、
前記液体付与部は、前記待機位置で且つ前記第三状態のときに前記液体付与部材に当接して、前記液体付与部材から排出された液体を前記貯液部に還流させる還流手段を備える
ことを特徴とする請求項3に記載の媒体処理装置。
【請求項8】
前記蓋体は、前記カバー部材の周方向の一部に設けられた切り欠き内に回動可能に支持され、前記退避位置のときに前記切り欠きを閉塞することを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項9】
前記液体付与部は、前記蓋体の外周面に設けられた第二密封部材を備え、
前記第二密封部材は、前記蓋体が前記遮断位置のときに前記カバー部材の内周面に密着することを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項10】
前記媒体に画像を形成する画像形成装置と、
請求項1に記載の媒体処理装置と、を備えることを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体処理装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像形成装置によって画像が形成されたシート状の媒体を束にして綴じる処理を行う媒体処理装置が知られている。なお、シート状の媒体の例として用紙が広く知られているので、本明細書では、シート状の媒体の束に関しては複数の用紙を積層した「用紙束」を例に用いることとする。また、媒体処理装置には、省資源化や環境負荷の低減を鑑みる観点から、金属製の綴じ針を用いずに、凹凸状の綴じ歯で用紙束を挟持して加圧変形させる所謂「圧着綴じ」が可能な圧着部を備えるものがある。
【0003】
圧着綴じには、用紙束を構成する用紙の枚数が多いほど用紙束に綴じ歯が食い込みにくくなって、綴じた用紙が剥がれ落ちるなど、綴じ状態を適切に維持することが困難になるという課題がある。そこで、圧着綴じを行う媒体処理装置には、綴じ強度を上げる目的で、用紙上の綴じ歯が接触する位置に予め液体を付与して、綴じ歯が用紙束に食い込み易くするための液体付与部を備えるものがある(例えば、特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、液体付与部材が常に外気に曝されているので、液体付与部材から液体が蒸発して、用紙への液体付与量が低下するという課題がある。そして、用紙に十分な量の液体を付与できないと、用紙束を適切に圧着綴じできなくなる。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、媒体に液体付与してから圧着綴じを行う媒体処理装置において、液体付与部材から液体が蒸発するのを防止する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、少なくとも一枚の媒体の一部に液体付与する液体付与部と、前記液体付与部において液体付与をされた少なくとも一枚の前記媒体を含む媒体束を加圧変形させて綴じる圧着部と、を備え、前記液体付与部は、前記液体付与部による液体付与に用いられる液体を貯留する貯液部と、前記貯液部から供給された液体を含む液体付与部材と、前記液体付与部材を収容すると共に、下端に開口が形成されたカバー部材と、前記開口を遮断する遮断位置、及び前記開口から退避する退避位置に移動可能な蓋体と、を備え、前記液体付与部材は、前記蓋体が前記退避位置のときに、前記媒体に前記開口を通じて当接することによって、前記媒体に液体付与することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、媒体に液体付与してから圧着綴じを行う媒体処理装置において、液体付与部材から液体が蒸発するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成システムの全体構成を示す図。
図2】後処理装置の内部構造を示す図。
図3】綴じ処理部を用紙の厚み方向から見た図。
図4】液体付与部の構成を示す断面図(A)、斜視図(B)、及び液体付与カバー部材を保護キャップ側から見た状態を示す図(C)。
図5】液体付与部の別の構成を示す断面図(A)、斜視図(B)、及び液体付与カバー部材を保護キャップ側から見た状態を示す図(C)。
図6】液体付与部材を用紙に当接する過程を示す図。
図7】液体付与部材を保護キャップに接離する過程を示す図。
図8】圧着部の構成を示す模式図。
図9】後処理装置を制御する制御ブロックのハードウェア構成図。
図10】綴じ処理のフローチャート。
図11】変形例に係る綴じ処理部の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る画像形成システム1について、図面を参照しながら説明する。図1は、画像形成システム1の全体構成を示す図である。画像形成システム1は、用紙P(シート状の媒体)に画像を形成し、画像が形成された用紙Pに対して後処理を施す機能を有する。図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置2と、後処理装置3(媒体処理装置)とで構成される。
【0010】
画像形成装置2は、用紙Pに画像を形成し、画像を形成した用紙Pを後処理装置3に排出する。画像形成装置2は、用紙Pが収容されたトレイと、トレイに収容された用紙Pを搬送する搬送部と、搬送部によって搬送された用紙Pに画像を形成する画像形成部とを主に備える。画像形成部は、インクを用いて画像を形成するインクジェット方式でもよいし、トナーを用いて画像を形成する電子写真方式でもよい。画像形成装置2の構成は既に周知なので、詳細な説明は省略する。
【0011】
図2は、後処理装置3の内部構造を示す図である。後処理装置3は、画像形成装置2によって画像が形成された用紙Pに後処理を施す。本実施形態に係る後処理は、画像が形成された複数の用紙Pの束(以下、「用紙束Pb」と表記する。)を、綴じる綴じ処理である。より詳細には、本実施形態に係る綴じ処理は、綴じ位置で用紙束Pbを加圧変形させる所謂「圧着綴じ」である。また、圧着綴じは、用紙束Pbの端を綴じる端綴じ処理と、用紙束Pbの中央を綴じる中綴じ処理と含む。
【0012】
後処理装置3は、搬送ローラ対10~19(搬送部)と、切替爪20とを備える。搬送ローラ対10~19は、後処理装置3の内部において、画像形成装置2から供給された用紙Pを搬送する。より詳細には、搬送ローラ対10~13は、第一搬送路Ph1に沿って用紙Pを搬送する。また、搬送ローラ対14~15は、第二搬送路Ph2に沿って用紙Pを搬送する。さらに、搬送ローラ対16~19は、第三搬送路Ph3に沿って用紙Pを搬送する。
【0013】
第一搬送路Ph1は、画像形成装置2からの用紙Pの供給口から排出トレイ21に至る経路である。第二搬送路Ph2は、搬送方向における搬送ローラ対11、14の間において第一搬送路Ph1から分岐し、内部トレイ22を経由して排出トレイ26に至る経路である。第三搬送路Ph3は、搬送方向における搬送ローラ対11、14の間において第一搬送路Ph1から分岐し、排出トレイ30に至る経路である。
【0014】
切替爪20は、第一搬送路Ph1及び第二搬送路Ph2の分岐位置に配置されている。切替爪20は、第一搬送路Ph1を通じて用紙Pを排出トレイ21に排出する第一位置と、第一搬送路Ph1を搬送される用紙Pを第二搬送路Ph2に導く第二位置とに切り替え可能に構成されている。また、第二搬送路Ph2に進入した用紙Pの後端が搬送ローラ対11を通過したタイミングで、搬送ローラ対14を逆回転させることによって、当該用紙Pが第三搬送路Ph3に導かれる。また、後処理装置3は、各搬送路Ph1、Ph2、Ph3上の用紙Pの位置を検知する複数のセンサを備える。なお、搬送時に用紙Pの位置を検知するセンサは、図2において、黒色で塗りつぶされた三角形(▲)で示している。
【0015】
後処理装置3は、排出トレイ21を備える。排出トレイ21は、第一搬送路Ph1を通じて排出された用紙Pを支持する。排出トレイ21には、画像形成装置2から供給される用紙Pのうち、綴じ処理が施されない用紙Pが排出される。
【0016】
また、後処理装置3は、内部トレイ22(トレイ)と、エンドフェンス23と、サイドフェンス24L、24Rと、綴じ処理部25と、排出トレイ26とを備える。内部トレイ22、エンドフェンス23、サイドフェンス24L、24R、及び綴じ処理部25は、第二搬送路Ph2を搬送される用紙Pに端綴じ処理を施す。排出トレイ26には、画像形成装置2から供給される用紙Pのうち、端綴じ処理が施された用紙束Pbが排出される。以下、搬送ローラ対15からエンドフェンス23に向かう方向を、「用紙Pの搬送方向」と定義する。また、用紙Pの厚み方向及び用紙Pの搬送方向に直交する方向を、「主走査方向(用紙Pの幅方向)」と定義する。
【0017】
内部トレイ22は、第二搬送路Ph2を順番に搬送される複数の用紙Pを一時的に支持する。エンドフェンス23は、内部トレイ22に支持された用紙束Pbの搬送方向の位置を揃える。サイドフェンス24L、24Rは、内部トレイ22に支持された用紙束Pbの主走査方向の位置を揃える。綴じ処理部25は、エンドフェンス23及びサイドフェンス24L、24Rによって揃えられた用紙束Pbの端部を綴じる。そして、搬送ローラ対15は、端綴じ処理が施された用紙束Pbを排出トレイ26に排出する。
【0018】
さらに、後処理装置3は、エンドフェンス27と、中綴じ処理部28と、用紙折りブレード29と、排出トレイ30とをさらに備える。エンドフェンス27、中綴じ処理部28、及び用紙折りブレード29は、第三搬送路Ph3を搬送される用紙Pに中綴じ処理を施す。排出トレイ30には、画像形成装置2から供給される用紙Pのうち、中綴じ処理が施された用紙束Pbが排出される。
【0019】
エンドフェンス27は、第三搬送路Ph3を順番に搬送される複数の用紙Pの搬送方向の位置を揃える。また、エンドフェンス27は、用紙束Pbの中央を、中綴じ処理部28に対面させる綴じ位置と、用紙折りブレード29に対面させる折り位置とに移動可能に構成されている。中綴じ処理部28は、綴じ位置のエンドフェンス27によって揃えられた用紙束Pbの中央を綴じる。用紙折りブレード29は、折り位置のエンドフェンス27に支持された用紙束Pbを半分に折って、搬送ローラ対18に挟持させる。搬送ローラ対18、19は、中綴じ処理が施された用紙束Pbを排出トレイ30に排出する。
【0020】
図3は、綴じ処理部25を用紙Pの厚み方向から見た図である。図3に示すように、綴じ処理部25は、液体付与部40と、圧着部60とを備える。液体付与部40は、内部トレイ22に支持された用紙Pに対して液体を付与(以下、「液体付与」と表記する。)する。圧着部60は、内部トレイ22に支持された複数の用紙Pを圧着綴じする。液体付与部40及び圧着部60の詳細な構成は、後述する。
【0021】
なお、液体付与部40によって用紙P又は用紙束Pbに液体付与が行われる位置(液体付与位置)は、圧着部60が用紙束Pbに対して圧着綴じを行う予定である綴じ位置に対応する。よって、以下において液体付与位置と綴じ位置には同一符号を付して説明する。
【0022】
綴じ処理部25は、内部トレイ22より搬送方向の下流側において、主走査方向に延びるガイド軸31に沿ってスライド可能に構成されている。綴じ処理部25は、移動モータの一例である綴じ処理部移動モータ32(液体付与部移動手段)(図9参照)の駆動力が伝達されることによって、ガイド軸31に沿って主走査方向に移動する。なお、本実施形態では、液体付与部40及び圧着部60が一体となって主走査方向に移動する例を説明するが、液体付与部40及び圧着部60が独立して主走査方向に移動してもよい。
【0023】
綴じ処理部25は、主走査方向に離間した待機位置HP及び綴じ位置B1(液体付与位置B1)の間を主走査方向に移動する。図3(A)に示すように、待機位置HPは、内部トレイ22に支持された用紙Pより主走査方向の一方側に外れた位置(すなわち、内部トレイ22に支持された用紙Pの上方から外れた位置)である。すなわち、綴じ処理部25が待機位置HPのとき、液体付与部40及び圧着部60の両方は、内部トレイ22に支持された用紙Pに対面しない。一方、図3(B)及び図3(C)に示すように、綴じ位置B1(液体付与位置B1)は、内部トレイ22に支持された用紙Pに綴じ処理部25が対面する位置(すなわち、内部トレイ22に支持された用紙Pの上方の位置)である。なお、綴じ位置B1(液体付与位置B1)は、図3(B)及び図3(C)の位置に限定されず、内部トレイ22に支持された用紙Pに対面する任意の位置でよい。
【0024】
綴じ処理部25は、後述する綴じ処理を実行していないとき、図3(A)に示すように、待機位置HPに位置している。また、液体付与部40が用紙Pに液体付与するとき、図3(B)に示すように、液体付与部40を液体付与位置B1に位置させる。さらに、圧着部60が複数の用紙Pを圧着綴じするとき、図3(C)に示すように、圧着部60を綴じ位置B1に位置させる。
【0025】
図4(A)は、液体付与部40の断面図である。また、図4(B)は、液体付与部40の斜視図である。そして、図4(C)は、液体付与部材43を下面から見た状態を示している図である。図5(A)は、別の実施形態の液体付与部40´の断面図である。また、図5(B)は、液体付与部40´の斜視図である。そして、図5(C)は、液体付与部材43´を下面から見た状態を示している図である。さらに、図6は、液体付与部材43を用紙Pに当接する過程を示す図である。図7は、液体付与部材43を保護キャップ58に接離する過程を示す図である。
【0026】
図4(A)に示すように、液体付与部40は、第一貯液部41(貯液部)と、供給部42と、液体付与部材43と、液体付与部材ホルダ44(保持部材)と、液体付与部材カバー45(カバー部材)と、コイルバネ46(第二付勢部材)と、蓋体47と、ヒンジ48と、捩りコイルバネ49(第一付勢部材)と、Oリング50(第一密封部材)と、Oリング51(第二密封部材)と、カバーセンサ52とを主に備える。液体付与部40を構成する構成部品41~52はユニット化され、一体となってガイド軸31に沿って主走査方向に移動する。
【0027】
第一貯液部41は、用紙Pに付与する液体を貯留するタンクである。ここで、「液体付与」するための第一貯液部41に貯留される液体とは、さらに詳しくは、さらに詳しくは、化学式「H2O」で表される水素と酸素の化合物の液体状態を主成分とするものである。液体状態であれば、その温度状態は問わず、いわゆる温水や熱水であってもよい。また、純水に限らず、精製水はもちろんのこと、イオン化した塩類が含まれていても良い。金属イオン含有量もいわゆる軟水から超硬水まで硬度は問わない。
【0028】
また主成分に加えて添加物が加えられていてもよい。水道水として用いられる残留塩素を含んでいてもよいし、着色剤・浸透剤・pH調整剤・フェノキシエタノールなどの防腐剤・グリセリンなどの乾燥防止剤等が添加されていることも望ましい。さらには、インクジェット方式の印刷装置で用いられるインクや、水性ペンに用いられるインクも成分として水を用いているので、これを「液体付与」として用いても良い。
【0029】
ここで具体的に挙げたものに限らず、次亜塩素酸水や消毒用に希釈したエタノール水溶液など広義の「水」であっても機能するが、圧着綴じとして機能させるためだけの用途であれば入手・管理が容易な水道水を用いればよい。又、液体としては、上記に例示したような水を主成分とする液体を用いる方が、水を主成分としていない液体を用いるよりも用紙束Pbの綴じ強度を向上させることができる。
【0030】
供給部42は、第一貯液部41に貯留された液体を液体付与部材43に供給する長尺の部分である。供給部42の一端は、第一貯液部41に貯留された液体に浸漬されている。供給部42の他端には、液体付与部材43が取り付けられている。液体付与部材43は、供給部42を通じて第一貯液部41から供給された液体を含んだ状態で、内部トレイ22に支持された用紙Pに当接される部分である。
【0031】
供給部42及び液体付与部材43は、例えば、多孔質部材で形成されている。これにより、第一貯液部41に貯留された液体が毛細管現象によって液体付与部材43に供給される。一例として、供給部42及び液体付与部材43は、スポンジなどで一体形成されていてもよい。他の例として、供給部42及び液体付与部材43は、別体として構成されていてもよい。そして、液体付与部材43は、供給部42の他端に着脱可能(すなわち、交換可能)に構成されていてもよい。また、供給部42は、液体付与部材ホルダ44の移動に伴って伸縮してもよいし、予め撓んだ状態で液体付与部材ホルダ44に収容されていてもよい。
【0032】
液体付与部材ホルダ44は、液体付与部40のフレームに移動可能に支持されている。また、液体付与部材ホルダ44は、供給部42及び液体付与部材43を保持している。さらに、液体付与部材ホルダ44は、液体付与部材カバー45を用紙P又は用紙束Pbに対して当接及び離間方向に移動可能に支持している。そして、液体付与部材ホルダ44は、液体付与部移動モータ53(保持部材移動手段)(図9参照)の駆動力が伝達されることによって、供給部42、液体付与部材43、及び液体付与部材カバー45と共に用紙P又は用紙束Pbに対して接近及び離間方向に移動する。また、液体付与部材ホルダ44は、図6(B)に示す第二状態と、図6(C)に示す第三状態との間において、供給部42及び液体付与部材43と共に、液体付与部材カバー45に対して相対的に移動する。
【0033】
液体付与部材カバー45は、図4(A)~図4(C)に示すように用紙Pに対して略垂直方向に延設された矩形筒形状の部材で構成されている。液体付与部材カバー45は、供給部42の一部と、断面が矩形状の液体付与部材43とを収容する内部空間を有する。また、供給部42の他の一部は、液体付与部材ホルダ44に収容されている。また、液体付与部材カバー45の下端には、開口45aが設けられている。また、液体付与部材カバー45の下端部の周方向の一部(図4(A)に破線で示す部分)には、切り欠き45bが形成されている。さらに、液体付与部材カバー45には、コイルバネ46の下端を支持する支持部45cが設けられている。
【0034】
また、液体付与部材カバー45の別の構成として、図5に示すように円筒形状の部材にすることも可能である。液体付与部材カバー45´は、図5(A)~図5(C)に示す用紙Pに対して略垂直方向に延設された小径部分と大径部分からなる二段円筒形状の部材で構成されている。液体付与部材カバー45´は、供給部42´の一部と、断面が円筒形状の液体付与部材43´(図5(C)参照)とを収容する内部空間を有する。このとき、蓋体47´は円板状の部材であってもよいし、投影外形が円形の湾曲円板状の部材であってもよい。なお、液体付与部材43´は、図5(B)に示すように断面が矩形状の部材で構成することも可能である。
【0035】
コイルバネ46は、液体付与部材ホルダ44と液体付与部材カバー45との間に配置されている。より詳細には、コイルバネ46の上端は液体付与部材ホルダ44の下端に接続され、コイルバネ46の下端は液体付与部材カバー45の支持部45cの上面に接続されている。そして、コイルバネ46は、液体付与部材ホルダ44及び液体付与部材カバー45を、用紙Pに対して略垂直方向に互いに離間させる向きに付勢する。すなわち、コイルバネ46は、液体付与部材ホルダ44に対して液体付与部材カバー45を下方に付勢し、液体付与部材カバー45に対して液体付与部材ホルダ44を上方に付勢する。
【0036】
蓋体47は、ヒンジ48を介して液体付与部材カバー45に回動可能に支持されている。より詳細には、蓋体47は、切り欠き45bに取り付けられている。そして、蓋体47は、図6(A)及び図6(B)に示す遮断位置と、図6(C)に示す退避位置との間を回動可能に構成されている。但し、蓋体47は回動することに限定されず、液体付与部材カバー45の径方向に主走査方向に移動可能に構成されていてもよい。捩じりコイルバネ49は、蓋体47を遮断位置に向けて付勢する。
【0037】
図6(A)及び図6(B)に示すように、遮断位置は、液体付与部材43と開口45aとの間を遮断する位置である。すなわち、蓋体47が遮断位置のとき、液体付与部材43は、蓋体47より上方において、液体付与部材カバー45の内部に収容されている。換言すれば、蓋体47が遮断位置のとき、液体付与部材43は、液体付与部材カバー45の内部において、外気から遮断される。
【0038】
図6(C)に示すように、退避位置は、液体付与部材43と開口45aとの間から退避した位置である。すなわち、蓋体47が退避位置のとき、液体付与部材43は、液体付与部材カバー45の内部を下降して、開口45aの位置に到達可能になる。また、本実施形態に係る蓋体47は、退避位置のときに切り欠き45bを閉塞する。換言すれば、蓋体47は、退避位置のときに、液体付与部材カバー45の切り欠かれた壁面の一部を構成する。
【0039】
Oリング50は、弾性変形可能な材料(例えば、ゴム)で構成されている。そして、Oリング50は、開口45aを囲むように液体付与部材カバー45の下端に取り付けられている。図6(B)及び図6(C)に示すように、Oリング50は、液体付与部材カバー45の下端が用紙Pに接したときに、開口45aを囲むように用紙Pに密着して、開口45aを通じて液体付与部材カバー45の内部に外気が流入するのを防止する。また、図7(B)及び図7(C)に示すように、Oリング50は、液体付与部材カバー45の下端が保護キャップ58に接したときに、開口45aを囲むように保護キャップ58に密着して、開口45aを通じて液体付与部材カバー45の内部に外気が流入するのを防止する。
【0040】
Oリング51は、弾性変形可能な材料(例えば、ゴム)で構成されている。そして、Oリング51は、蓋体47の外周面を囲むように取り付けられている。そして、Oリング51は、蓋体47が遮断位置のときに液体付与部材カバー45の内周面に密着する。これにより、液体付与部材カバー45の液体付与部材43を収容する空間に外気が流入するのを防止する。なお、Oリング51は、蓋体47の外周面のすべてを囲んでいる必要はない。例えば、液体付与部材43が液体を蒸発しにくい材質で構成されている場合などは、蓋体47の外周面の一部にOリング51が設けられていない箇所があっても問題ない。
【0041】
カバーセンサ52は、液体付与部材ホルダ44を基準とした液体付与部材カバー45の相対位置を検知する。より詳細には、カバーセンサ52は、液体付与部材カバー45の上端の位置を検知する。換言すれば、カバーセンサ52は、液体付与部40が第二状態(図6(B))または第三状態(図6(C))になったことを検知する。そして、カバーセンサ52は、検知結果を示す検知信号を、後述するコントローラ100(図9参照)に出力する。
【0042】
また、液体付与部40には、液体流路54を通じて第二貯液部55が接続されている。第二貯液部55は、綴じ処理部25(液体付与部40)とは独立して、後処理装置3のフレームに固定されている。また、第二貯液部55には、第三貯液部56(液体ボトル)が着脱可能に装着される。そして、第二貯液部55は、第三貯液部56から供給された液体を貯留する。さらに、第二貯液部55に貯留された液体は、液体供給ポンプ57によって液体流路54を通じて第一貯液部41に供給される。但し、第一貯液部41に液体を供給する構成は、前述の例に限定されない。
【0043】
第一貯液部41及び第二貯液部55には、残量センサ41a、55aが設けられている。残量センサ41a、55aは、第一貯液部41及び第二貯液部55に貯留された液体の量(残量)を検知し、検知結果を示す検知信号をコントローラ100に出力する。そして、コントローラ100は、残量センサ41aによって検知された残量が第一閾値未満になった場合に、液体供給ポンプ57を駆動して第二貯液部55から第一貯液部41に液体を供給する。また、コントローラ100は、残量センサ55aによって検知された残量が第二閾値未満になった場合に、後述する操作パネル110(図9参照)を通じて第三貯液部56の交換を報知する。
【0044】
さらに、液体付与部40は、保護キャップ58と、還流路59とを備える。図3に示すように、保護キャップ58は、液体付与部40が待機位置HPのときに、用紙Pに対して略垂直方向において液体付与部材カバー45に対面する位置に固定されている。そして、図7(C)に示すように、保護キャップ58は、液体付与部40が待機位置HPで且つ第三状態のときに、液体付与部材43に密着して、液体付与部材43から排出された液体を回収する。還流路59は、保護キャップ58と第一貯液部41とを接続する。そして、還流路59は、保護キャップ58が回収した液体を第一貯液部41に還流させる。保護キャップ58及び還流路59は、還流機構の一例である。
【0045】
液体付与位置B1の液体付与部40は、コントローラ100の制御に従って、図6(A)に示す第一状態と、図6(B)に示す第二状態と、図6(C)に示す第三状態とに状態変化する。本実施形態に係る液体付与部40は、液体付与部移動モータ53を回転させることによって、第一状態、第二状態、第三状態に状態変化する。より詳細には、液体付与部40は、液体付与部材ホルダ44を下降させる第一方向に液体付与部移動モータ53を回転させることによって、第一状態から第二状態を経て第三状態に変化する。一方、液体付与部40は、液体付与部材ホルダ44を上昇させる第二方向に液体付与部移動モータ53を回転させることによって、第三状態から第二状態を経て第一状態に変化する。
【0046】
図6(A)に示すように、第一状態は、液体付与部材カバー45の下端が内部トレイ22に支持された用紙Pより上方に位置し、且つ蓋体47が遮断位置である液体付与部40の状態である。すなわち、液体付与部40が第一状態のとき、搬送ローラ対15によって搬送方向に搬送された用紙Pが内部トレイ22に進入可能である。また、液体付与部40が第一状態のとき、液体付与部材43は、遮断位置の蓋体47で遮蔽された液体付与部材カバー45の内部に収容されて、外気から遮断されている。
【0047】
図6(B)に示すように、第二状態は、液体付与部材カバー45の下端(より詳細には、Oリング50)が内部トレイ22に支持された用紙Pに接触し、且つ蓋体47が遮断位置である液体付与部40の状態である。これにより、内部トレイ22に支持された用紙Pが液体付与部材カバー45によって固定される。一方、液体付与部材43は、未だ液体付与部材カバー45の内部で外気から遮断された状態である。
【0048】
図6(C)に示すように、第三状態は、液体付与部材カバー45の下端(より詳細には、Oリング50)が内部トレイ22に支持された用紙Pに接触し、蓋体47が退避位置で、且つ液体付与部材43が内部トレイ22に支持された用紙Pに当接された液体付与部40の状態である。これにより、液体付与部材43に含まれる液体が用紙Pに付与される。また、液体付与部材カバー45と用紙Pとの間はOリング50によって封止され、切り欠き45bは退避位置の蓋体47によって閉塞されているので、液体付与部材カバー45の内部に進入する外気の量は低減される。
【0049】
液体付与部40が第一状態のときに液体付与部移動モータ53を第一方向に回転させると、液体付与部材43、液体付与部材ホルダ44、液体付与部材カバー45、コイルバネ46、蓋体47、ヒンジ48、捩じりコイルバネ49、Oリング50、51、及びカバーセンサ52が一体となって下降する。液体付与部材カバー45の下端が用紙Pに当接するまでは、各構成部品44~52の相対位置は変化しない。
【0050】
液体付与部材カバー45の下端(Oリング50)が用紙Pに当接した後も、さらに液体付与部移動モータ53を第一方向に回転させると、コイルバネ46の付勢力に抗して(すなわち、コイルバネ46を弾性圧縮させながら)、液体付与部材43、液体付与部材ホルダ44、及びカバーセンサ52が下降する。これにより、液体付与部材43は蓋体47に近づき、液体付与部材カバー45の上端がカバーセンサ52の検知位置に近づく。
【0051】
液体付与部40が第二状態になった後も、さらに液体付与部移動モータ53を第一方向に回転させると、コイルバネ46の付勢力に抗して、液体付与部材43、液体付与部材ホルダ44、及びカバーセンサ52がさらに下降する。そして、液体付与部材カバー45内を下降する液体付与部材43が遮断位置の蓋体47に当接して、捩じりコイルバネ49の付勢力に抗して蓋体47を遮断位置から退避位置に回動(移動)させる。さらに、開口45aの位置まで液体付与部材43が下降することによって、液体付与部40が第二状態になる。
【0052】
なお、第一状態から第二状態までの下降量は、内部トレイ22に支持された用紙Pの厚み及び枚数に応じて変化する。そこで、コントローラ100は、カバーセンサ52によって液体付与部材カバー45の上端が検知されたタイミングで、液体付与部40が第二状態になったと判断すればよい。一方、第二状態から第三状態までの下降量は一定なので、コントローラ100は、液体付与部移動モータ53のロータリエンコーダから出力されるパルス信号に基づいて、液体付与部40が第三状態になったと判断すればよい。
【0053】
また、液体付与部40が第三状態のときに液体付与部移動モータ53を第二方向に回転させると、液体付与部材43、液体付与部材ホルダ44、及びカバーセンサ52が上昇する。そして、液体付与部材43が蓋体47(切り欠き45b)より上方まで上昇すると、液体付与部材43が蓋体47から離間する。これにより、蓋体47は、捩じりコイルバネ49の付勢力によって退避位置から遮断位置に移動する。一方、液体付与部材カバー45の下端は、未だ用紙Pに当接した状態である。そして、コントローラ100は、カバーセンサ52によって液体付与部材カバー45の上端が検知されなくなったことに応じて、液体付与部40が第二状態になったと判断すればよい。
【0054】
液体付与部40が第二状態になった後も、さらに液体付与部移動モータ53を第二方向に回転させると、コイルバネ46が伸びきって、液体付与部材43、液体付与部材ホルダ44、液体付与部材カバー45、コイルバネ46、蓋体47、ヒンジ48、捩じりコイルバネ49、Oリング50、51、及びカバーセンサ52が一体となって上昇する。これにより、液体付与部材カバー45の下端が用紙Pから離間する。そして、コントローラ100は、液体付与部移動モータ53のロータリエンコーダから出力されるパルス信号に基づいて、液体付与部40が第一状態になったと判断すればよい。
【0055】
また、液体付与部40は、待機位置HPにおいても、図7(A)に示す第一状態、図7(B)に示す第二状態、及び図7(C)に示す第三状態に変化が可能である。液体付与部40が変化する過程は、図6を用いた説明と共通する。そして、待機位置HPの液体付与部40を第三状態にすることによって、液体付与部材43が保護キャップ58に密着する。その結果、液体付与部40の待機中に、液体付与部材43が外気に触れるのを防止すると共に、液体付与部材43から排出された液体が保護キャップ58及び還流路59を通じて第一貯液部41に還流される。
【0056】
図8は、圧着部60の構成を示す模式図である。圧着部60は、凹凸状の上圧着歯61及び下圧着歯62で用紙束Pbを加圧変形させることによって、用紙束Pbを綴じる(以下、「圧着綴じ」と表記する。)。すなわち、圧着部60は、綴じ針を用いずに、用紙束Pbを綴じることができる。図8に示すように、圧着部60は、上圧着歯61及び下圧着歯62を備える。
【0057】
上圧着歯61及び下圧着歯62は、内部トレイ22に支持された用紙束Pbを液体付与部材43が用紙を当接した矩形状の液体付与面より小さいまたは同じ矩形状の面で挟むことができるように、用紙束Pbの厚み方向に対向して配置されている。すなわち、図4(B)に破線で示すように、用紙に接触する上圧着歯61及び下圧着歯62の形状は液体付与部材43の形状よりも小さいまたは同じ大きさの形状である。上圧着歯61及び下圧着歯62の互いに対向する面は、凹部及び凸部が交互に形成された凹凸状に形成されている。また、上圧着歯61及び下圧着歯62は、互いに噛合うように、凹部及び凸部がずれて形成されている。そして、上圧着歯61及び下圧着歯62は、接離モータ63(図9参照)の駆動力によって接離する。
【0058】
用紙束Pbを構成する複数の用紙Pが内部トレイ22に供給される過程では、図8(A)に示すように、上圧着歯61及び下圧着歯62は互いに離間している。そして、用紙束Pbを構成する全ての用紙Pが内部トレイ22に支持されると、図8(B)に示すように、上圧着歯61及び下圧着歯62が噛み合って、用紙束Pbを厚み方向から加圧変形させる。これにより、内部トレイ22に支持された用紙束Pbの綴じ領域A2(図4(C)参照)が圧着綴じされる。また、圧着綴じされた用紙束Pbは、搬送ローラ対15によって、排出トレイ26に排出される。
【0059】
なお、圧着部60の構成としては、圧着機構を構成する上圧着歯61及び下圧着歯62が噛み合えばよいので、本実施形態で例示したような動作機構の構造に限定されることではない。例えば、正転のみ、又は正逆転する駆動源とリンク機構を使って上圧着歯61及び下圧着歯62の圧着及び離間動作を行うリンク機構方式の圧着機構(例えば、特許6057167号に開示されているもの)であっても良いし、駆動源の正逆方向の回転運動を直線的な往復運動に変換するねじ機構により、上圧着歯61及び下圧着歯62の圧着及び離間動作を直線的に行う直動方式の圧着機構であってもよい。
【0060】
図9は、後処理装置3における制御処理を実行するためのハードウェア構成図である。図9に示すように、後処理装置3は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、及びI/F105が共通バス109を介して接続されている構成を備える。
【0061】
CPU101は演算手段であり、後処理装置3全体の動作を制御する。RAM102は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU101が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM103は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD104は、情報の読み書きが可能であって記憶容量が大きい不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーションプログラムなどが格納される。
【0062】
後処理装置3は、ROM103に格納された制御プログラム、HDD104などの記憶媒体からRAM102にロードされた情報処理プログラム(アプリケーションプログラム)などをCPU101が備える演算機能によって処理する。その処理によって、後処理装置3の種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、後処理装置3に搭載されるハードウェア資源との組み合わせによって、後処理装置3の機能を実現する機能ブロックが構成される。すなわち、CPU101、RAM102、ROM103、及びHDD104は、後処理装置3の動作を制御するコントローラ100を構成する。
【0063】
I/F105は、搬送ローラ対10、11、14、15、切替爪20、サイドフェンス24L、24R、綴じ処理部移動モータ32、液体付与部移動モータ53、液体供給ポンプ57、接離モータ63、残量センサ41a、55a、カバーセンサ52、及び操作パネル110を、共通バス109に接続するインタフェースである。コントローラ100は、I/F105を通じて、搬送ローラ対10、11、14、15、切替爪20、サイドフェンス24L、24R、綴じ処理部移動モータ32、液体付与部移動モータ53、液体供給ポンプ57、接離モータ63の動作を制御する。又、コントローラ100は、残量センサ41a、55a、カバーセンサ52の検知結果を取得する。なお、図9には端綴じ処理を実行する綴じ処理部25に関する構成部品を図示しているが、中綴じ処理を実行する中綴じ処理部28に関する構成部品も同様にコントローラ100によって制御される。
【0064】
操作パネル110は、ユーザからの操作を受け付ける操作部と、ユーザに情報を報知するディスプレイ(報知部)とを備える。操作部は、例えば、ハードキー、ディスプレイに重畳されたタッチパネル等を含む。そして、操作パネル110は、操作部を通じてユーザから情報を取得し、ディスプレイを通じてユーザに情報を提供する。なお、報知部の具体例はディスプレイに限定されず、LEDランプやスピーカ等でもよい。
【0065】
図10は、綴じ処理のフローチャートである。綴じ処理は、内部トレイ22に支持された用紙Pに対して、液体付与部40に液体付与させ、且つ圧着部60に圧着綴じさせる一連の処理である。コントローラ100は、例えば、画像形成装置2から綴じ処理の実行指示(以下、「綴じ処理指示」と表記する。)を取得したことに応じて、図10に示す綴じ処理を実行する。綴じ処理指示は、例えば、用紙束Pbを構成する用紙Pの数(以下、「所定枚数N」と表記する。)と、用紙束Pbの部数(以下、「必要部数」)と、綴じ位置B1(液体付与位置B1)の数及び主走査方向の位置とを含む。
【0066】
まず、コントローラ100は、図6(A)に示すように、液体付与部移動モータ53を駆動することによって、待機位置HPの液体付与部40を第三状態から第一状態に変化させる。また、コントローラ100は、図3(B)に示すように、綴じ処理部移動モータ32を駆動することによって、液体付与部40が液体付与位置B1に到達するように、綴じ処理部25を主走査方向に移動させる(S901)。
【0067】
この状態で、コントローラ100は、搬送ローラ対10、11、14、15を回転させることによって、画像形成装置2によって画像が形成された用紙Pを内部トレイ22に収容する(S902)。また、コントローラ100は、サイドフェンス24L、24Rを移動させることによって、内部トレイ22に支持された用紙束Pbの主走査方向の位置を揃える(所謂、ジョギング)(S902)。
【0068】
次に、コントローラ100は、直前のステップS902で内部トレイ22に支持された用紙Pに対して、液体付与位置B1に位置する液体付与部40に液体付与を実行させる(S903)。すなわち、コントローラ100は、図6(C)に示すように、液体付与部移動モータ53を第一方向に回転させることによって、液体付与部40を第一状態から第三状態に変化させる。これにより、内部トレイ22に支持された用紙Pに液体付与部材43が当接されて、用紙Pに液体が付与される。その後、コントローラ100は、図6(A)に示すように、液体付与部移動モータ53を第二方向に回転させることによって、液体付与部40を第三状態から第一状態に変化させる。
【0069】
次に、コントローラ100は、内部トレイ22に収容された用紙Pの数が、綴じ処理指示で指示された所定枚数Nに達したか否かを判定する(S904)。そして、コントローラ100は、内部トレイ22に収容された用紙Pの数が所定枚数Nに達していないと判定したことに応じて(S904:No)、ステップS902~S903の処理を再び実行する。すなわち、コントローラ100は、搬送ローラ対10、11、14、15によって内部トレイ22に用紙Pが搬送される度に、ステップS902~S903の処理を実行する。
【0070】
但し、コントローラ100は、用紙束Pbを構成する全ての用紙Pに液体付与する必要はない。すなわち、コントローラ100は、圧着綴じするN枚の用紙Pのうちの少なくとも1枚の用紙に対して、液体付与部40に液体付与させればよい。コントローラ100は、例えば、n(n<N)枚に1枚の間隔で、用紙Pに対して液体付与部40に液体付与させてもよい。
【0071】
そして、コントローラ100は、内部トレイ22に収容された用紙Pの数が所定枚数Nに達したと判定したことに応じて(S904:Yes)、図3(C)に示すように、綴じ処理部移動モータ32を駆動して、圧着部60が綴じ位置B1に到達するように、綴じ処理部25を主走査方向に移動させる(S905)。
【0072】
次に、コントローラ100は、内部トレイ22に収容された用紙束Pbに対して、圧着部60による圧着綴じを実行する(S906)。そして、コントローラ100は、搬送ローラ対15により、圧着部60により圧着綴じされた用紙束Pbを排出トレイ26に排出する(S907)。すなわち、コントローラ100は、接離モータ63を駆動して、内部トレイ22に支持された用紙束Pbを、上圧着歯61及び下圧着歯62に挟持させる。これにより、上圧着歯61及び下圧着歯62の間で用紙束Pbを加圧変形させ圧着綴じを行う。その後、コントローラ100は、搬送ローラ対15を回転させることによって、圧着綴じされた用紙束Pbを排出トレイ26に排出する。
【0073】
次に、コントローラ100は、排出された用紙束Pbの数が、綴じ処理指示で示された必要部数に達したか否かを判定する(S908)。コントローラ100は、必要部数に達していないと判定した場合に(S908:No)、ステップS902以降の処理を再び実行する。すなわち、コントローラ100は、排出トレイ26に排出した用紙束Pbの数が、必要部数に達するまでステップS902~S907の処理を繰り返し実行する。
【0074】
そして、コントローラ100は、排出トレイ26に排出された用紙束Pbの数が、必要部数に達したと判定した場合に(S908:Yes)、図3(A)に示すように、綴じ処理部移動モータ32を駆動して、綴じ処理部25を待機位置HPに移動させる(S909)。さらに、コントローラ100は、図7(C)に示すように、液体付与部移動モータ53を第一方向に回転させることによって、液体付与部40を第一状態から第三状態に変化させる(S909)。これにより、液体付与部材43が保護キャップ58に密着する。その結果、液体付与部40の待機中に、液体付与部材43が外気に触れるのを防止すると共に、液体付与部材43から排出された液体が保護キャップ58及び還流路59を通じて第一貯液部41に還流される。
【0075】
上記の実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
【0076】
上記の実施形態によれば、遮断位置の蓋体47によって外気から遮断された液体付与部材カバー45の内部に液体付与部材43を収容するので、液体付与部材43から液体が蒸発するのを防止することができる。これにより、図10のステップS903において、用紙Pに十分な量の液体を安定的に付与できるので、適切な綴じ強度の圧着綴じを実現できる。
【0077】
また、上記の実施形態によれば、下降する液体付与部材43に押し下げられた蓋体47が捩じりコイルバネ49の付勢力に抗して退避位置に移動し、上昇する液体付与部材43から離間した蓋体47が捩じりコイルバネ49の付勢力によって遮断位置に移動する。これにより、蓋体47を開閉する機構をシンプルで小型にできる。但し、蓋体47を移動させる具体的な方法は、前述の例に限定されず、モータによって移動させてもよい。
【0078】
また、上記の実施形態において、第一状態の液体付与部40は、液体付与部材カバー45の下端が内部トレイ22に支持された用紙Pから離間するので、液体付与部材カバー45が内部トレイ22に進入する次の用紙Pの邪魔にならない。また、第三状態の液体付与部40は、液体付与部材カバー45の下端で用紙Pを押えた状態で、液体付与部材43を用紙Pに当接するので、液体を安定して付与することができる。
【0079】
また、上記の実施形態によれば、液体付与部材ホルダ44と液体付与部材カバー45との間にコイルバネ49を介在させることによって、液体付与部40の第一状態、第二状態、及び第三状態を実現する。これにより、シンプルな構成で液体付与部40を変化させることができる。
【0080】
また、上記の実施形態によれば、液体付与部40が第二状態になったことをカバーセンサ52で検知し、そこから予め定められた下降量だけ液体付与部材ホルダ44を下降させることによって、液体付与部40を第三状態に変化させることができる。すなわち、コントローラ100は、内部トレイ22に支持された用紙Pの厚み及び枚数に応じて、第一状態から第三状態に変化するときの液体付与部材ホルダ44の下降量を調整する。これにより、内部トレイ22に支持された用紙束Pbの厚みに拘わらず、用紙束Pbを構成する各用紙Pに対して液体付与部材43を均一に当接することができる。
【0081】
また、上記の実施形態によれば、液体付与部材カバー45の下端及び蓋体47の外周面にOリング50、51を設けることによって、密閉効果が高まる。また、退避位置の蓋体47で切り欠き45bを閉塞するので、液体付与部材カバー45内への外気の流入量を抑制できる。これにより、液体付与部材43に触れる外気の量を少なくできるので、液体付与部材43からの液体の蒸発をさらに防止できる。
【0082】
さらに、上記の実施形態によれば、液体付与部40が待機位置HPのときに、液体付与部材43を保護キャップ58に密着させるので、長時間に亘って後処理装置3が休止する場合でも、液体が蒸発することによる液体付与部材43内の液体量の変動を少なくできる。また、液体付与部40が待機位置HPに位置するさいに、液体付与部材43から排出された液体を第一貯液部41に還流させるので、液体を有効に利用できる。
【0083】
[変形例]
なお、綴じ処理部25の構成は、上記の実施形態の例に限定されない。図11は、変形例に係る綴じ処理部25Aの構成を示す図である。なお、上記の実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0084】
図11に示す綴じ処理部25Aは、液体付与部40及び圧着部60が搬送方向に隣接して配置されている点で、主走査方向に隣接して配置されている図3の例と相違する。より詳細には、液体付与部40は、圧着部60より搬送方向の上流側に配置されている。また、図11(A)に示すように、液体付与部40より搬送方向の上流側には、搬送ローラ対15によって搬送される用紙Pの先端(搬送方向の下流側の端部)を検知する媒体センサ70が設けられている。
【0085】
そして、変形例に係るコントローラ100は、図11(B)に示すように、媒体センサ70によって用紙Pの先端が検知されてから予め定められた第一搬送量L1だけ搬送されたタイミング(液体付与部40の液体付与部材43が用紙Pの液体付与位置B1に対面するタイミング)で、用紙Pに対して液体付与部40に液体を付与させる。そして、変形例に係るコントローラ100は、用紙束Pbを構成する複数の用紙Pに対して、図11(A)及び図11(B)に示す液体付与部40による液体付与動作を繰り返す。そして、用紙束Pbを構成する複数の用紙Pに対する液体付与部40による液体付与が完了したら、変形例に係るコントローラ100は、図11(C)に示すように、液体付与部40が、用紙Pに対して液体を付与してから予め定められた第二搬送量L2だけ用紙束Pbを搬送されたタイミング(圧着部60の上圧着歯61及び下圧着歯62が綴じ位置B1に対面するタイミング)で、圧着部60に用紙束Pbを圧着綴じさせる。第一搬送量L1及び第二搬送量L2は、例えば、搬送ローラ対15のロータリエンコーダから出力されるパルス信号によって特定される。
【0086】
また、上記に説明した制御方法は、例えば、プログラム等で実現してもよい。すなわち、制御方法は、プログラムに基づいて、演算装置、記憶装置、入力装置、出力装置、及び、制御装置を協働して動作させて、コンピュータが実行する方法である。また、プログラムは、記憶装置、又は、記憶媒体等に書き込まれて配布、又は、電気通信回線等を通じて配布されてもよい。
【0087】
なお、本発明は、上記に例示する各実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【0088】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>少なくとも一枚の媒体の一部に液体付与する液体付与部と、
前記液体付与部において液体付与をされた少なくとも一枚の前記媒体を含む媒体束を加圧変形させて綴じる圧着部と、を備え、
前記液体付与部は、
前記液体付与部による液体付与に用いられる液体を貯留する貯液部と、
前記貯液部から供給された液体を含む液体付与部材と、
前記液体付与部材を収容すると共に、下端に開口が形成されたカバー部材と、
前記開口を遮断する遮断位置、及び前記開口から退避する退避位置に移動可能な蓋体と、を備え、
前記液体付与部材は、前記蓋体が前記退避位置のときに、前記媒体に前記開口を通じて当接することによって、前記媒体に液体付与することを特徴とする媒体処理装置である。
<2> 前記蓋体を前記遮断位置に向けて付勢する第一付勢部材を備え、
前記蓋体は、
前記カバー部材の内部を前記媒体側に向かって移動する前記液体付与部材に当接して、前記第一付勢部材の付勢力に抗して前記遮断位置から前記退避位置に移動し、
前記カバー部材の内部を前記媒体から離れる方向に移動する前記液体付与部材に当接して、前記第一付勢部材の付勢力によって前記退避位置から前記遮断位置に移動することを特徴とする前記<1>に記載の媒体処理装置である。
<3> 前記カバー部材は、前記媒体に対して当接方向及び離間方向に移動可能であり、
前記液体付与部は、
前記カバー部材の下端が前記媒体より離間しており、且つ前記蓋体が前記遮断位置である第一状態と、
前記カバー部材の下端が前記媒体に当接し、且つ前記蓋体が前記遮断位置である第二状態と、
前記カバー部材の下端が前記媒体に当接し、前記蓋体が前記退避位置で、且つ前記液体付与部材が前記媒体に当接する第三状態と
に変化することを特徴とする前記<1>または<2>に記載の媒体処理装置である。
<4> 前記液体付与部は、
前記液体付与部材を保持すると共に、前記カバー部材を前記媒体に対して当接方向及び離間方向に移動可能に支持する保持部材と、
前記カバー部材を前記保持部材に対して離間させる方向に付勢する第二付勢部材と、
前記保持部材を前記媒体に対して接近方向及び離間方向に移動させる保持部材移動手段と、を備え、
前記液体付与部は、
前記保持部材を前記第一状態から前記媒体に対して接近方向に移動させることによって、前記保持部材と共に前記カバー部材が前記媒体に対して当接方向に移動して前記第二状態に変化し、
前記保持部材を前記第二状態から前記第二付勢部材の付勢力に抗して、さらに前記媒体に対して接近方向に移動させることによって、前記液体付与部材が前記カバー部材内を前記媒体に当接する方向に移動して前記第三状態に変化することを特徴とする前記<3>に記載の媒体処理装置である。
<5> 前記液体付与部は、前記媒体の厚み又は前記媒体の枚数に応じて、前記第一状態から前記第三状態に変化するときの前記液体付与部材の移動量を調整することを特徴とする前記<3>または<4>に記載の媒体処理装置である。
<6> 前記液体付与部は、前記カバー部材の下端を囲む第一密封部材を備え、
前記第一密封部材は、前記液体付与部が前記第二状態及び前記第三状態のときに、前記媒体に密着することを特徴とする前記<3>から前記<5>のいずれか1つに記載の媒体処理装置である。
<7> 前記液体付与部を、前記媒体に対面する液体付与位置、及び前記液体付与位置から外れた待機位置の間で移動させる液体付与部移動手段を備え、
前記液体付与部は、前記待機位置で且つ前記第三状態のときに前記液体付与部材に当接して、前記液体付与部材から排出された液体を前記貯液部に還流させる還流手段を備えることを特徴とする前記<3>から前記<6>のいずれか1つに記載の媒体処理装置である。
<8> 前記蓋体は、前記カバー部材の周方向の一部に設けられた切り欠き内に回動可能に支持され、前記退避位置のときに前記切り欠きを閉塞することを特徴とする前記<1>から前記<7>のいずれか1つに記載の媒体処理装置である。
<9> 前記液体付与部は、前記蓋体の外周面に設けられた第二密封部材を備え、
前記第二密封部材は、前記蓋体が前記遮断位置のときに前記カバー部材の内周面に密着することを特徴とする前記<1>から前記<8>のいずれか1つに記載の媒体処理装置である。
<10> 前記媒体に画像を形成する画像形成装置と、
前記<1>から前記<9>のいずれか1つに記載の媒体処理装置と、を備えることを特徴とする画像形成システムである。
【符号の説明】
【0089】
1 :画像形成システム
2 :画像形成装置
3 :後処理装置
10~19 :搬送ローラ対
20 :切替爪
21,26,30 :排出トレイ
22 :内部トレイ
23,27 :エンドフェンス
24L,24R :サイドフェンス
25,25A,28 :綴じ処理部
28 :中綴じ処理部
29 :用紙折りブレード
31 :ガイド軸
32 :綴じ処理部移動モータ
40 :液体付与部
41 :第一貯液部
41a,55a :残量センサ
42 :供給部
43 :液体付与部材
44 :液体付与部材ホルダ
45 :液体付与部材カバー
45a :開口
45b :切り欠き
45c :支持部
46 :コイルバネ
47 :蓋体
48 :ヒンジ
49 :捩じりコイルバネ
50,51 :Oリング
52 :カバーセンサ
53 :液体付与部移動モータ
54 :液体流路
55 :第二貯液部
56 :第三貯液部
57 :液体供給ポンプ
58 :保護キャップ
59 :還流路
60 :圧着部
61,62 :綴じ歯
63 :接離モータ
70 :媒体センサ
100 :コントローラ
101 :CPU
102 :RAM
103 :ROM
104 :HDD
105 :I/F
109 :共通バス
110 :操作パネル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0090】
【特許文献1】特開2016-210555号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11