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特開2023-174714プログラム、画像生成装置および画像生成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023174714
(43)【公開日】2023-12-08
(54)【発明の名称】プログラム、画像生成装置および画像生成方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 15/04 20110101AFI20231201BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20231201BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20231201BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20231201BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20231201BHJP
【FI】
G06T15/04
G06T19/00 300B
G06F3/04815
A63F13/45
A63F13/52
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023166811
(22)【出願日】2023-09-28
(62)【分割の表示】P 2019057792の分割
【原出願日】2019-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】竹村 伸太郎
【テーマコード(参考)】
5B050
5B080
5E555
【Fターム(参考)】
5B050AA10
5B050BA09
5B050BA18
5B050BA20
5B050CA01
5B050CA07
5B050CA08
5B050EA26
5B050FA02
5B080AA00
5B080CA01
5B080FA08
5B080GA22
5E555AA27
5E555AA69
5E555AA76
5E555BA20
5E555BB20
5E555BC04
5E555BC09
5E555BE16
5E555BE17
5E555DB32
5E555DB53
5E555DC43
5E555DC85
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】高画質の画像データを用いたオブジェクト画像の生成を必要に応じて遅滞なく実現可能とすることで、オブジェクト画像の画質向上を図ることができる技術を提供すること。
【解決手段】プレーヤ端末1500は、画像生成用メモリ240に低画質テクスチャデータ241を記憶させてオブジェクト画像の生成に用いる。そのために、高画質化状況条件を満たしたか否かを判定する。そして、満たしたと判定した場合に、画像生成用メモリ240に記憶されている低画質テクスチャデータ241から高画質テクスチャデータ243を生成して画像生成用メモリ240に記憶させ、その上で当該高画質テクスチャデータ243を用いてオブジェクト画像を生成する。一方、高画質化状況条件を満たさない場合は、低画質テクスチャデータ241を用いてオブジェクト画像を生成する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、仮想三次元空間内のオブジェクトを仮想カメラから見たオブジェクト画像を生成させるためのプログラムであって、
前記コンピュータが備える画像生成用メモリに、前記オブジェクトの外観を表現するための第一画像データを記憶させる記憶制御手段、
前記オブジェクトの外観を前記第一画像データよりも高画質で表現するための前記第一画像データよりデータサイズの大きい第二画像データが前記画像生成用メモリに記憶されているか否かを判定する記憶判定手段、
前記第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成すべき状況にあることを示す高画質化状況条件を満たしたか否かを判定する状況判定手段、
(1)前記記憶判定手段で是と判定された場合に、前記画像生成用メモリに記憶された前記第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成し、(2)前記記憶判定手段および前記状況判定手段で共に否と判定された場合に、前記第一画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成し、(3)前記記憶判定手段で否と判定され且つ前記状況判定手段で是と判定された場合に、前記第一画像データに基づいて前記第二画像データを生成して前記画像生成用メモリに記憶させた上で当該第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成する、オブジェクト画像生成制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記状況判定手段は、前記オブジェクトと前記仮想カメラとの距離が所定の近距離条件を満たすことを前記高画質化状況条件に少なくとも含めて前記高画質化状況条件を満たしたか否かを判定する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記状況判定手段は、前記仮想カメラの視界が所定の悪化視界から所定の良好視界に変化したことを示す視界良化条件を満たすことを前記高画質化状況条件に含めて、前記高画質化状況条件を満たしたか否かを判定する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第二画像データを前記画像生成用メモリから破棄すべき状況に至ったことを示す破棄状況条件を満たした場合に、前記第二画像データを前記画像生成用メモリから破棄する破棄候補データに設定する破棄候補設定手段、
として前記コンピュータを更に機能させるための請求項1~3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第二画像データ破棄手段は、前記オブジェクトと前記仮想カメラとの距離が所定の遠距離条件を満たすことを前記破棄状況条件に少なくとも含めて前記破棄状況条件を満たしたか否かを判定する、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記画像生成用メモリの空き容量が所定の小容量条件を満たした場合に前記第二画像データを前記画像生成用メモリから破棄する破棄手段、
として前記コンピュータを更に機能させるための請求項1~5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
サーバシステムと通信を行い、前記仮想三次元空間をゲーム空間とする所与のオンラインゲームを進行制御するゲーム進行制御手段、
として前記コンピュータを更に機能させ、
前記記憶制御手段は、前記サーバシステムから前記第一画像データを取得して前記画像生成用メモリに記憶させる、
請求項1~6の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
仮想三次元空間内のオブジェクトを仮想カメラから見たオブジェクト画像を生成させる画像生成装置であって、
前記画像生成装置が備える画像生成用メモリに、前記オブジェクトの外観を表現するための第一画像データを記憶させる記憶制御手段と、
前記オブジェクトの外観を前記第一画像データよりも高画質で表現するための前記第一画像データよりデータサイズの大きい第二画像データが前記画像生成用メモリに記憶されているか否かを判定する記憶判定手段と、
前記第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成すべき状況にあることを示す高画質化状況条件を満たしたか否かを判定する状況判定手段と、
(1)前記記憶判定手段で是と判定された場合に、前記画像生成用メモリに記憶された前記第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成し、(2)前記記憶判定手段および前記状況判定手段で共に否と判定された場合に、前記第一画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成し、(3)前記記憶判定手段で否と判定され且つ前記状況判定手段で是と判定された場合に、前記第一画像データに基づいて前記第二画像データを生成して前記画像生成用メモリに記憶させた上で当該第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成する、オブジェクト画像生成制御手段と、
を備えた画像生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想カメラから見た仮想三次元空間内のオブジェクト画像を生成させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、仮想三次元空間内にキャラクタ等のオブジェクトを配置してゲーム空間を形成し、このゲーム空間内に仮想カメラを配置してそこから見た画像をゲーム空間画像として生成するゲームシステムが知られている。ゲーム空間画像の生成にあたっては、仮想カメラの視界内にあるオブジェクトに対してその外観を表現するための画像データ(テクスチャデータ)をマッピングする処理を適宜行って、各オブジェクトのオブジェクト画像を生成する。その場合は、新たに仮想カメラの視界内となったオブジェクトがあればその外観に係るテクスチャデータを記憶部から読み出して、或いは通信接続された外部装置から受信して画像生成用のメモリに転送・展開し、オブジェクト画像の生成に用いる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-167291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、オブジェクトの高画質な外観表現を実現するには、そのテクスチャデータとして高画質な画像データを用いる必要がある。しかし、テクスチャデータを高画質な画像データとすればその分データサイズは大きくなる。また、画像生成用メモリの容量は限られているため、画像生成用メモリに格納しておくデータや、既に格納されたデータを消去する決定は高速な画像生成の要諦の1つとも言える。すなわち、当該画像データが画像生成用メモリに格納されていない場合に、画像生成用メモリに展開されて使用可能となるまでの時間が問題となる。特に、当該画像データを外部から取得するといった取得時間はボトルネックとなり得る問題であった。例えば、高いフレームレートが要求される画像生成においてはオブジェクト画像の生成遅延は許されない。そのため、高画質の画像データを用いたオブジェクト画像の生成を必要に応じて遅滞なく実現可能とする技術が望まれていた。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、高画質の画像データを用いたオブジェクト画像の生成を必要に応じて遅滞なく実現可能とすることで、オブジェクト画像の画質向上を図ることができる技術を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、コンピュータに、仮想カメラから見た仮想三次元空間内のオブジェクト画像を生成させるためのプログラムであって、前記コンピュータが備える画像生成用メモリ(例えば、図5の画像生成用メモリ240)に、前記オブジェクトの外観を表現するための第一画像データを記憶させる記憶制御手段(例えば、図5のプレーヤ端末演算部210,低画質テクスチャ記憶制御部231)、前記オブジェクトの外観を前記第一画像データよりも高画質で表現するための前記第一画像データよりデータサイズの大きい第二画像データが前記画像生成用メモリに記憶されているか否かを判定する記憶判定手段(例えば、図5の記憶判定部215)、前記第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成すべき状況にあることを示す高画質化状況条件を満たしたか否かを判定する状況判定手段(例えば、図5の高画質化状況判定部217)、(1)前記記憶判定手段で是と判定された場合に、前記画像生成用メモリに記憶された前記第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成し、(2)前記記憶判定手段および前記状況判定手段で共に否と判定された場合に、前記第一画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成し、(3)前記記憶判定手段で否と判定され且つ前記状況判定手段で是と判定された場合に、前記第一画像データに基づいて前記第二画像データを生成して前記画像生成用メモリに記憶させた上で当該第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成する、オブジェクト画像生成制御手段(例えば、図5のオブジェクト画像生成制御部233)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラム(例えば、図5のゲームプログラム501)である。
【0007】
第1の発明によれば、画像生成用メモリに第一画像データを記憶させてオブジェクト画像の生成に用いることができる。具体的には、高画質化状況条件の判定として、例えば、オブジェクト画像の画質がその視認性に影響を及ぼし得るような状況のときに高画質化状況条件を満たしたと判定する。そして、その場合に、画像生成用メモリに記憶されている第一画像データから、それよりも高画質な第二画像データを生成して画像生成用メモリに記憶させ、その上で当該第二画像データを用いてオブジェクト画像を生成するといったことが可能となる。一方、高画質化状況条件を満たさない場合は、第一画像データを用いてオブジェクト画像を生成することができる。これによれば、高画質化状況条件を満たした場合にのみ高画質な第二画像データを用いたオブジェクト画像の生成を行うことができる。またその際、画像生成用メモリ内の第一画像データに基づいて第二画像データを生成し、オブジェクト画像の生成に用いることができる。つまり、ゲーム中に記憶部や外部装置から第二画像データを取得することなくオブジェクト画像を生成できる。したがって、必要に応じて遅滞なく高画質の第二画像データを用いたオブジェクト画像の生成が実現でき、オブジェクト画像の画質の向上が図れる。
【0008】
また、第2の発明として、前記状況判定手段は、前記オブジェクトと前記仮想カメラとの距離が所定の近距離条件を満たすことを前記高画質化状況条件に少なくとも含めて前記高画質化状況条件を満たしたか否かを判定する、第1の発明のプログラムを構成してもよい。
【0009】
第2の発明によれば、オブジェクトに対する仮想カメラの距離が近い場合に高画質化状況条件を満たしたと判定し、第二画像データを生成することができる。
【0010】
また、第3の発明として、前記状況判定手段は、前記仮想カメラの視界が所定の悪化視界から所定の良好視界に変化したことを示す視界良化条件を満たすことを前記高画質化状況条件に含めて、前記高画質化状況条件を満たしたか否かを判定する、第2の発明のプログラムを構成してもよい。
【0011】
第3の発明によれば、仮想カメラの視界が悪化視界から良好視界に変化した場合に高画質化状況条件を満たしたと判定し、第二画像データを生成することができる。
【0012】
また、第4の発明として、前記第二画像データを前記画像生成用メモリから破棄すべき状況に至ったことを示す破棄状況条件を満たした場合に、前記第二画像データを前記画像生成用メモリから破棄する破棄候補データに設定する破棄候補設定手段(例えば、図5の破棄候補設定部219)、として前記コンピュータを更に機能させるための第1~第3の何れかの発明のプログラムを構成してもよい。
【0013】
第4の発明によれば、画像生成用メモリに記憶されている第二画像データのうち、破棄状況条件を満たした第二画像データを破棄候補データとして設定することができる。
【0014】
また、第5の発明として、前記第二画像データ破棄手段は、前記オブジェクトと前記仮想カメラとの距離が所定の遠距離条件を満たすことを前記破棄状況条件に少なくとも含めて前記破棄状況条件を満たしたか否かを判定する、第4の発明のプログラムを構成してもよい。
【0015】
第5の発明によれば、オブジェクトに対する仮想カメラの距離が遠い場合に破棄状況条件を満たしたと判定し、そのオブジェクトの外観に係る第二画像データを破棄候補データとして設定することができる。
【0016】
また、第6の発明として、前記画像生成用メモリの空き容量が所定の小容量条件を満たした場合に前記第二画像データを前記画像生成用メモリから破棄する破棄手段(例えば、図5の高画質テクスチャ破棄部239)、として前記コンピュータを更に機能させるための第1~第5の何れかの発明のプログラムを構成してもよい。
【0017】
第6の発明によれば、画像生成用メモリの空き容量に応じて、画像生成用メモリ内の第二画像データを破棄することができる。
【0018】
また、第7の発明として、サーバシステムと通信を行い、前記仮想三次元空間をゲーム空間とする所与のオンラインゲームを進行制御するゲーム進行制御手段(例えば、図5のゲーム進行制御部211)、として前記コンピュータを更に機能させ、前記記憶制御手段は、前記サーバシステムから前記第一画像データを取得して前記画像生成用メモリに記憶させる、第1~第6の何れかの発明のプログラムを構成してもよい。
【0019】
第7の発明によれば、ゲーム空間内に配置されるオブジェクトの外観に係る第一画像データをサーバシステムから取得して画像生成用メモリに記憶させ、オンラインゲーム中の当該オブジェクトのオブジェクト画像の生成、およびその外観に係る第二画像データの生成に用いることができる。
【0020】
また、第8の発明は、仮想三次元空間内のオブジェクトを仮想カメラから見たオブジェクト画像を生成させる画像生成装置であって、前記画像生成装置が備える画像生成用メモリに、前記オブジェクトの外観を表現するための第一画像データを記憶させる記憶制御手段と、前記オブジェクトの外観を前記第一画像データよりも高画質で表現するための前記第一画像データよりデータサイズの大きい第二画像データが前記画像生成用メモリに記憶されているか否かを判定する記憶判定手段と、前記第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成すべき状況にあることを示す高画質化状況条件を満たしたか否かを判定する状況判定手段と、(1)前記記憶判定手段で是と判定された場合に、前記画像生成用メモリに記憶された前記第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成し、(2)前記記憶判定手段および前記状況判定手段で共に否と判定された場合に、前記第一画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成し、(3)前記記憶判定手段で否と判定され且つ前記状況判定手段で是と判定された場合に、前記第一画像データに基づいて前記第二画像データを生成して前記画像生成用メモリに記憶させた上で当該第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成する、オブジェクト画像生成制御手段と、を備えた画像生成装置(例えば、図1のプレーヤ端末1500)である。
【0021】
第8の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏する画像生成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】ゲームシステムの全体構成例を示す図。
図2】プレーヤ端末の装置構成例を示す図。
図3】ゲーム画面の一例を示す図。
図4】オブジェクト画像の生成原理を説明する模式図。
図5】プレーヤ端末の機能構成例を示すブロック図。
図6】視界内オブジェクトテーブルのデータ構成例を示す図。
図7】サーバシステムの機能構成例を示すブロック図。
図8】ゲーム処理の流れを説明するためのフローチャート。
図9】オブジェクト画像生成制御処理の流れを説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
【0024】
[全体構成]
図1は、本実施形態におけるゲームシステム1000の全体構成例を示す図である。図1に示すように、ゲームシステム1000は、サーバシステム1100と、本実施形態のゲームのプレーヤ2であるユーザが所持する画像生成装置としてのプレーヤ端末1500とを含み、これらが通信回線Nを介して相互にデータ通信可能に接続されて構成される。
【0025】
通信回線Nは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線Nとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0026】
サーバシステム1100は、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを備え、本体装置1101は制御基板1150を内蔵している。
【0027】
制御基板1150には、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153等の電子部品が搭載される。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0028】
このサーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラムおよびデータに基づいて演算処理することにより、本実施形態のゲームを運営するための処理を行う。具体的には、サーバシステム1100は、ユーザ登録を済ませたプレーヤ2に固有のアカウント(プレーヤID)を発給し、プレーヤ2に関する情報をユーザ登録データ530(図7を参照)として一元的に管理する。また、プレーヤ2のログイン/ログアウトに関する処理や、プレーヤ端末1500でのゲームの実行に必要なデータの配信等を行う。つまり、本実施形態のゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。プレーヤ2は、それぞれのプレーヤ端末1500でサーバシステム1100にアクセスし、発給されたプレーヤIDによりログインして本実施形態のゲームを楽しむ。
【0029】
なお、サーバシステム1100は、図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、通信回線Nを介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であってもよい。
【0030】
プレーヤ端末1500は、マンマシンインターフェースの機能を担うコンピュータシステムであって、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介して通信回線Nに接続し、サーバシステム1100とデータ通信を行うことができる。このプレーヤ端末1500は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ等の形態を取り得る。
【0031】
図2は、プレーヤ端末1500の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。図2に示すように、プレーヤ端末1500は、方向入力キー1502と、ホームキー1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542とを備える。その他、図示しない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0032】
制御基板1550には、CPU1551やGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、通信回線Nに接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局等と無線通信するための無線通信モジュール1553等が搭載されている。また、制御基板1550には、方向入力キー1502やホームキー1504からの信号を受信する回路、タッチパネル1506のドライバ回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音された音声の信号を生成する音声信号生成回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路といった、いわゆるI/F回路(インターフェース回路)1557等が搭載されている。これら制御基板1550に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部または全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。
【0033】
そして、ICメモリ1552には、ゲームプログラムや、ゲームプログラムを実行するのに必要な各種設定データ等が記憶される。ゲームプログラム等は、適宜のタイミングでサーバシステム1100からダウンロードされる。なお、別途入手したメモリカード1540等の記憶媒体から読み出す構成としてもよい。そして、CPU1551等がゲームプログラムを実行して演算処理を実行し、タッチパネル1506や方向入力キー1502、ホームキー1504に対する操作入力に応じてプレーヤ端末1500の各部を制御することで、プレーヤ2のゲームプレイを可能にする。
【0034】
[ゲームの概要]
図3は、本実施形態におけるゲーム画面例を示す図である。本実施形態のゲームでは、仮想三次元空間内に背景オブジェクト等が配置されてゲーム空間が形成され、その内にプレーヤキャラクタ3や標的となる敵キャラクタ4といったキャラクタオブジェクトが配置されて動作制御される。敵キャラクタ4は、予めスクリプトデータによって出現位置や動作の内容が定義されたりAI制御されることで、プレーヤキャラクタ3に攻撃しつつ接近するように自動的に動作制御される。
【0035】
そして、ゲーム画面は、プレーヤキャラクタ3の一人称視点として生成される。具体的には、プレーヤキャラクタ3の背後において、その撮影方向がプレーヤキャラクタ3の視線方向に一致するように仮想カメラCM(図4を参照)が配置され、プレーヤキャラクタ3に追従制御される。そして、プレーヤキャラクタ3の一人称視点として仮想カメラCMでゲーム空間内を撮影したゲーム空間画像(いわゆる3DCG)が生成され、これにプレーヤキャラクタ3のヒットポイントの残数を示すヒットポイントゲージ12や残弾数を表示する弾数ゲージ14、照準16等の各種情報表示が合成されたゲーム画面が、タッチパネル1506に表示される。画面中央下の銃5は、プレーヤキャラクタ3の所持する武器である。プレーヤ2は、プレーヤキャラクタ3を操作してゲーム空間内を移動し、敵キャラクタ4に遭遇するとそれに照準16を合わせて射撃する。
【0036】
[原理]
図4は、プレーヤ端末1500におけるオブジェクト画像の生成原理を説明する模式図である。本実施形態では、敵キャラクタ4(例えば4a)のオブジェクト画像を生成するにあたり、仮想カメラCMとの間の距離(以下、「カメラ間距離」という)に応じて当該オブジェクト画像の生成に用いるテクスチャデータを変更する。
【0037】
1.オブジェクト画像の生成
本実施形態では、敵キャラクタの外観を表現するためのテクスチャデータとして、第一画像データとしての低画質テクスチャデータが予め用意される。1つの敵キャラクタのオブジェクト画像を生成するのに複数種類のテクスチャデータを使用する場合には、その種類毎に低画質テクスチャデータが用意される。この低画質テクスチャデータは、ゲームの開始に先立ち、ゲームプログラム等とともにサーバシステム1100からプレーヤ端末1500にダウンロードされ、記憶部500(図5を参照)に記憶される(記憶部500内のゲーム設定データ511においてキャラクタ初期設定データが格納している低画質テクスチャデータ)。また、ゲーム進行の過程で仮想カメラの視界内となった敵キャラクタの低画質テクスチャデータについては、記憶部500から読み出されて画像生成用メモリ240(図5を参照)に記憶される(画像生成用メモリ240内の低画質テクスチャデータ241)。
【0038】
そして、プレーヤ端末1500は、ゲームプレイ中、予め定められる高画質化状況条件の充足を監視する。高画質化状況条件は、第二画像データとしての高画質テクスチャデータを用いてオブジェクト画像を生成すべき状況にあることを示す条件であり、例えば、「敵キャラクタと仮想カメラとのカメラ間距離が所定の近距離条件を満たすこと」とされる。近距離条件は、例えば、「カメラ間距離が所定距離Dt1以下であること」等とすることができる。高画質テクスチャデータは、敵キャラクタの外観をその低画質テクスチャデータよりも高画質で表現するためのテクスチャデータであって、当該低画質テクスチャデータよりもデータサイズが大きいテクスチャデータである。
【0039】
具体的には、本実施形態では、仮想カメラの視界内に配置されている敵キャラクタを視界内敵キャラクタとし、当該視界内敵キャラクタ毎に高画質化状況条件を満たしたか否かの判定(以下、「高画質化判定」という)を行う。そして、高画質化判定が肯定判定された視界内敵キャラクタについては高画質テクスチャデータを用いてオブジェクト画像を生成し、否定判定された視界内敵キャラクタについては低画質テクスチャデータを用いてオブジェクト画像を生成する。
【0040】
例えば、図4(a)に示すように、仮想カメラCMとの間のカメラ間距離Dが所定距離Dt1より大きい視界内敵キャラクタ4aについては、高画質化状況条件を満たさないと判定する。この場合は、当該視界内敵キャラクタ4aのオブジェクト画像を、その外観に係る低画質テクスチャデータを用いて生成する。そして、当該低画質テクスチャデータに基づくオブジェクト画像を、ゲーム空間画像A11の生成に用いる。これは、仮想カメラCMからの距離が遠い視界内敵キャラクタ4aがゲーム空間画像A11において占める領域は小さく、低画質テクスチャデータを用いてオブジェクト画像を生成してもその画質が当該視界内敵キャラクタ4aの外観に大きく影響しないからである。
【0041】
しかし、視界内敵キャラクタ4aが仮想カメラCMに近づけば、図4(b)に示すように、ゲーム空間画像A13において当該視界内敵キャラクタ4aが占める領域も大きくなる。そのため、低画質テクスチャデータを用いてオブジェクト画像を生成してしまうと、その画質が当該視界内敵キャラクタ4aの外観に影響を及ぼす問題が生じる。当該視界内敵キャラクタ4aの外観が粗雑な画像(粗雑なテクスチャ)として視認されてしまい、場合によってはゲームへの没入感を阻害し得るという問題である。そこで、図4(b)に示すように、仮想カメラCMとの間のカメラ間距離Dが所定距離Dt1以下である視界内敵キャラクタ4aについては高画質化状況条件を満たしたと判定し、当該視界内敵キャラクタ4aのオブジェクト画像を、その外観に係る高画質テクスチャデータを用いて生成する。そして、当該高画質テクスチャデータに基づくオブジェクト画像を、ゲーム空間画像A13の生成に用いる。
【0042】
2.高画質テクスチャデータの生成
高画質テクスチャデータは、低画質テクスチャデータに基づいて生成する。本実施形態では、低解像度の画像を高解像度の画像に変換する公知の高解像化処理を高画質化処理として行い、低画質テクスチャデータから高画質テクスチャデータを生成する。例えば、高画質化処理は、深層学習畳み込みニューラルネットワークを利用した超解像技術による高解像度化処理等を適用することで実現できる。
【0043】
また、テクスチャデータを非可逆圧縮したものを低画質画像データとして用いる場合には、機械学習モデル等を用いたノイズ除去処理を高画質化処理に含めて行うとしてもよい。
【0044】
上記のようにすることで、仮想カメラとのカメラ間距離が所定距離Dt1以下である視界内敵キャラクタについて、高画質化状況条件を満たしたと判定することができる。そしてその場合は、画像生成用メモリ240に記憶されている低画質テクスチャデータ241に基づいて高画質テクスチャデータ243を生成し、画像生成用メモリ240に記憶させた上で、当該高画質テクスチャデータ243を用いて当該視界内敵キャラクタのオブジェクト画像を生成することができる。当該視界内敵キャラクタについて既に高画質テクスチャデータ243が生成され、画像生成用メモリ240に記憶されている場合には、それを用いてオブジェクト画像を生成することができる。よって、仮想カメラとの距離が近くゲーム画面において大きく表示される視界内敵キャラクタについては、高画質テクスチャデータを用いてオブジェクト画像を生成できる。これによれば、当該視界内敵キャラクタの高画質な外観表現が実現でき、その画質の向上が図れる。一方、高画質化状況条件を満たさない視界内敵キャラクタについては、低画質テクスチャデータを用いてオブジェクト画像を生成することができる。但し、既に高画質テクスチャデータ243が画像生成用メモリ240に記憶されている場合には、当該視界内敵キャラクタについては、高画質化状況条件を満たさなくとも、高画質テクスチャデータ243を用いてオブジェクト画像を生成する。また、上記のようにすることで、ゲーム中、高画質テクスチャデータを用いてオブジェクト画像を生成するために記憶部500やサーバシステム1100から高画質テクスチャデータを取得し、画像生成用メモリ240に展開する処理を行う必要がない。したがって、必要に応じて遅滞なく高画質テクスチャデータを用いたオブジェクト画像の生成が実現でき、オブジェクト画像の画質の向上が図れる。
【0045】
なお、GPU(図5の画像生成部230)が直接利用できない非可逆圧縮テクスチャ(例えばJPEG画像データ)を低画質テクスチャデータとしてサーバシステム1100から取得し、ノイズ除去処理でノイズを除去した上で、GPUが直接利用可能な非可逆圧縮テクスチャに再度圧縮して画像生成用メモリ240に記憶させてオブジェクト画像の生成に用いる態様も考えられる。GPUが直接利用可能ではない非可逆圧縮テクスチャのデータサイズが、GPUが直接利用可能な非可逆圧縮テクスチャよりも小さい場合は、上記と同様の効果を奏することができる。
【0046】
[機能構成]
1.プレーヤ端末
図5は、本実施形態におけるプレーヤ端末1500の機能構成例を示すブロック図である。図5に示すように、プレーヤ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、画像表示部390と、音出力部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
【0047】
操作入力部100は、プレーヤが各種操作を入力するためのものであり、例えば、ボタンスイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、角速度センサ、CCDモジュール等によって実現できる。図2では、方向入力キー1502やホームキー1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0048】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100や端末記憶部500を含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、プレーヤ端末1500の動作を統括制御する。図2では、制御基板1550やそのCPU1551がこれに該当する。
【0049】
この端末処理部200は、プレーヤ端末演算部210と、画像生成部230と、音生成部292と、通信制御部294とを備える。
【0050】
プレーヤ端末演算部210は、ゲームの開始に先立ちゲームプログラム501およびゲーム設定データ511をサーバシステム1100からダウンロードして取得し、プレーヤ端末1500をプレーヤのゲームプレイのための端末として機能させるための各種演算処理を実行する。例えば、プレーヤ端末演算部210は、ゲーム進行制御部211と、視界内オブジェクト管理部213と、記憶判定部215と、高画質化状況判定部217と、破棄候補設定部219とを含む。
【0051】
ゲーム進行制御部211は、ゲーム設定データ511を用いてゲームの進行を制御する。具体的には、(1)背景オブジェクト等を配置してゲーム空間を形成する処理、(2)ゲーム空間にプレーヤキャラクタを配置し、操作入力部100に対する操作入力に応じてプレーヤキャラクタの行動を制御する処理、(3)仮想カメラをプレーヤキャラクタの背後に配置・追従制御する処理、(4)ゲーム空間に敵キャラクタを配置し、自動でその動作を制御する処理、(5)攻撃のヒット判定とダメージ判定ならびにその反映に関する処理、(6)ゲームの終了条件を満たしたかの判定処理等を実行する。
【0052】
視界内オブジェクト管理部213は、仮想カメラの視界内に配置されている敵キャラクタを視界内敵キャラクタとして管理する。具体的には、新たに仮想カメラの視界内となった敵キャラクタがあれば、それを視界内敵キャラクタとして視界内オブジェクトテーブル513に追加するとともに、視界内敵キャラクタ毎に仮想カメラとの間のカメラ間距離を随時算出し、視界内オブジェクトテーブル513に設定して管理する。
【0053】
記憶判定部215は、視界内敵キャラクタ毎に、当該視界内敵キャラクタの外観に係る高画質テクスチャデータ243が画像生成用メモリ240に記憶されているか否かの判定(以下、「記憶判定」という)を行う。本実施形態では、画像生成部230において後述する高画質テクスチャデータ生成部235が高画質テクスチャデータ243を生成し、これを画像生成用メモリ240に記憶させた際に、その記憶エリア(記憶先のアドレス)が記憶先リスト515に登録されるようになっている。記憶判定部215は、この記憶先リスト515における記憶エリアの登録の有無に応じて記憶判定を行う。すなわち、判定対象の視界内敵キャラクタの記憶エリアが記憶先リスト515に登録されている場合は記憶判定を肯定判定し、登録されていなければ記憶判定を否定判定する。
【0054】
高画質化状況判定部217は、視界内敵キャラクタ毎に、高画質化状況条件を満たしたか否かの判定(高画質化判定)を行う。本実施形態では、仮想カメラとのカメラ間距離が上記した近距離条件を満たす視界内敵キャラクタについて、高画質化状況条件を満たしたと判定する。
【0055】
破棄候補設定部219は、画像生成用メモリ240に記憶されている各高画質テクスチャデータ243について、画像生成用メモリ240から破棄すべき状況に至ったことを示す破棄状況条件を満たしたか否かの判定(破棄状況判定)を行う。そして、破棄状況条件を満たした高画質テクスチャデータ243を、破棄候補データに設定する。
【0056】
本実施形態では、「視界内敵キャラクタと仮想カメラとのカメラ間距離が所定の遠距離条件を満たすこと」が破棄状況条件とされる。遠距離条件は、例えば、「カメラ間距離が所定距離Dt2以上であること」等とすることができる。そして、破棄候補設定部219は、視界内敵キャラクタ毎に破棄状況条件の充足を監視し、カメラ間距離が所定距離Dt2以上となった視界内敵キャラクタがあれば、その外観に係る高画質テクスチャデータ243を破棄候補データとして、破棄候補リスト517に登録する。距離Dt2は、近距離条件の距離閾値である距離Dt1より大きい距離とすると好適である。
【0057】
画像生成部230は、プレーヤ端末演算部210の処理結果に基づいて仮想カメラから見た仮想三次元空間のゲーム空間画像(3DCG等)を生成する。そして、生成したゲーム空間画像に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を表示するための画像信号を生成し、生成した画像信号を画像表示部390に出力する。例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ、テクスチャデータの展開用に使用されるICメモリ等によって実現される。本実施形態では、画像生成部230は、低画質テクスチャ記憶制御部231と、オブジェクト画像生成制御部233と、高画質テクスチャ破棄部239と、画像生成用メモリ240とを含む。
【0058】
低画質テクスチャ記憶制御部231は、視界内オブジェクト管理部213によって新たに仮想カメラの視野内敵キャラクタとされた敵キャラクタの外観に係る低画質テクスチャデータを記憶部500(ゲーム設定データ511のキャラクタ初期設定データ)から読み出して、画像生成用メモリ240に記憶させる制御を行う。またその際、当該低画質テクスチャデータ241の画像生成用メモリ240における記憶エリアを、記憶先リスト515に登録する。
【0059】
オブジェクト画像生成制御部233は、視界内敵キャラクタを順次処理対象(以下、「対象視界内敵キャラクタ」という)とし、当該対象視界内敵キャラクタについての記憶判定および/又は高画質化判定の結果に基づいて、そのオブジェクト画像の生成制御を行う。
【0060】
具体的には、(1)対象視界内敵キャラクタについての記憶判定が肯定判定された場合は、その外観に係る高画質テクスチャデータ243を用いて当該対象視界内敵キャラクタのオブジェクト画像を生成する制御を行う。また、(2)対象視界内敵キャラクタについての記憶判定および高画質化判定が共に否定判定された場合には、その外観に係る低画質テクスチャデータ241を用いて当該対象視界内敵キャラクタのオブジェクト画像を生成する。また、(3)対象視界内敵キャラクタについて記憶判定は否定判定され、且つ、高画質化判定は肯定判定された場合には、その外観に係る低画質テクスチャデータ241から高画質テクスチャデータを生成し、画像生成用メモリ240に記憶させた上で用いて、当該対象視界内敵キャラクタのオブジェクト画像を生成する制御を行う。
【0061】
このオブジェクト画像生成制御部233は、高画質テクスチャデータ生成部235と、オブジェクト画像生成部237とを備える。
【0062】
高画質テクスチャデータ生成部235は、オブジェクト画像生成制御部233の制御のもと、低画質テクスチャデータ241を高画質化処理して、高画質テクスチャデータを生成する。そして、生成した高画質テクスチャデータ243の画像生成用メモリ240に記憶させ、その画像生成用メモリ240における記憶エリアを記憶先リスト515に登録する。
【0063】
オブジェクト画像生成部237は、オブジェクト画像生成制御部233の制御のもと、対象視界内敵キャラクタの外観に係る低画質テクスチャデータ241又は高画質テクスチャデータ243を用い、そのオブジェクト画像を生成する。
【0064】
高画質テクスチャ破棄部239は、空き容量監視処理を行って、画像生成用メモリ240内の高画質テクスチャデータ243を破棄する処理を行う。具体的には、空き容量監視処理では、画像生成用メモリ240の空き容量が小容量条件を満たしたか否かの判定(破棄判定)を繰り返し行って、小容量条件の充足を監視する。小容量条件は、例えば、「空き容量が所定容量Ct以下であること」等とすることができる。そして、小容量条件を満たした場合に、高画質テクスチャデータ243を画像生成用メモリ240から破棄する。本実施形態では、破棄候補設定部219によって破棄候補データとされて破棄候補リスト517に設定されている高画質テクスチャデータ243を画像生成用メモリ240から破棄する。
【0065】
音生成部292は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーデック等によって実現され、ゲームの効果音やBGM、各種操作音の音声信号を生成して音出力部392に出力する。
【0066】
通信制御部294は、通信部394を介して外部装置(例えばサーバシステム1100)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0067】
画像表示部390は、画像生成部230から入力される画像信号に基づいて、ゲーム画面等の各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図2では、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0068】
音出力部392は、音生成部292から入力される音声信号に基づいてゲームに関する効果音やBGM等を放音する。図2では、スピーカ1510がこれに該当する。
【0069】
通信部394は、通信回線Nと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図2では、無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0070】
端末記憶部500には、プレーヤ端末1500を動作させ、プレーヤ端末1500が備える機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め記憶され、或いは処理の都度一時的に記憶される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図2では、ICメモリ1552や、メモリカード1540がこれに該当する。
【0071】
また、端末記憶部500には、ゲームプログラム501と、ゲーム設定データ511と、視界内オブジェクトテーブル513と、記憶先リスト515と、破棄候補リスト517と、プレイデータ519とが記憶される。また、タイマやカウンタ、各種フラグ等の情報や、例えばゲーム音等のゲームの進行に必要なその他のデータが適宜記憶される。
【0072】
ゲームプログラム501は、端末処理部200が読み出して実行することによってプレーヤ端末演算部210や画像生成部230、音生成部292、通信制御部294としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトである。或いは、ゲームプログラム501は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じた専用のプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラムおよびインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。本実施形態では、ゲームプログラム501は、ゲーム設定データ511等とともにサーバシステム1100からダウンロードされ、記憶部500に記憶される。
【0073】
ゲーム設定データ511は、図7にその原本であるゲーム設定データ560に示すように、ゲーム空間初期設定データと、キャラクタ初期設定データとを含む。そして、敵キャラクタに係るキャラクタ初期設定データが、その外観に係る低画質テクスチャデータを含む。
【0074】
視界内オブジェクトテーブル513は、仮想カメラの視界内に配置されている敵キャラクタ(視界内敵キャラクタ)のリストを格納する。具体的には、図6に示すように、視界内オブジェクトテーブル513は、視界内敵キャラクタのオブジェクトIDと対応付けて、その仮想カメラからの距離(カメラ間距離)を格納している。
【0075】
記憶先リスト515は、画像生成用メモリ240に記憶されている低画質テクスチャデータ241および高画質テクスチャデータ243の記憶エリア(記憶先のアドレス)を格納する。
【0076】
破棄候補リスト517は、破棄候補設定部219によって破棄候補データとされた高画質テクスチャデータ243のリストを格納する。
【0077】
プレイデータ519は、ゲームの進行状況を記述する各種データを格納する。例えば、プレーヤID(アカウント)や現在のプレーヤレベル、プレーヤキャラクタとして使用できるキャラクタのリストやその能力値の現在値、プレイ中のゲームにおけるプレーヤキャラクタや敵キャラクタの状況等が設定される。
【0078】
2.サーバシステム
図7は、サーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。図7に示すように、本実施形態のサーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、画像表示部390sと、音出力部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0079】
操作入力部100sは、システム管理や保守等のための各種操作を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等で実現できる。図1では、キーボード1106やタッチパネル1108がこれに該当する。
【0080】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、プレーヤ端末1500から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、サーバシステム1100の動作を統括制御する。図1では、制御基板1150やそのCPU1151がこれに該当する。
【0081】
このサーバ処理部200sは、アカウント管理部270と、ゲーム管理部280と、画像生成部290sと、音生成部292sと、通信制御部294sとを備える。
【0082】
アカウント管理部270は、ユーザ登録に係る処理およびアカウントに紐付けられる各登録ユーザ(プレーヤ)のデータの管理を行う。例えば、登録手続きを経たユーザにアカウントを発給してユーザ登録データ530を生成する処理、アカウント別に個人情報を登録管理する処理、ログインおよびログアウトの処理やその履歴を管理する処理等を実行することができる。
【0083】
ゲーム管理部280は、プレーヤ端末1500におけるゲームの実行管理に係る各種処理を行う。例えば、プレーヤ端末1500からの要求に応答して配信用データ550を当該プレーヤ端末1500に送信する処理や、プレーヤ端末1500からゲームプレイの管理に必要なデータを取得してユーザ登録データ530を更新する処理等を実行することができる。
【0084】
画像生成部290sは、サーバシステム1100のシステム管理等に関する画像を生成し、画像表示部390sへ出力する。
【0085】
音生成部292sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や動画配信に係る操作音、BGM等の音声データを生成し、或いはデコードする。システム管理に関する音声信号は、音出力部392sへ出力される。
【0086】
通信制御部294sは、通信部394sを介して外部装置(例えばプレーヤ端末1500)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0087】
画像表示部390sは、画像生成部290sから入力される画像信号に基づいてシステム管理等のための各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1では、タッチパネル1108がこれに該当する。
【0088】
音出力部392sは、音生成部292sから入力される音声信号を放音する。図1では、本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0089】
通信部394sは、通信回線Nと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図1では、通信装置1153がこれに該当する。
【0090】
サーバ記憶部500sには、サーバシステム1100を動作させ、サーバシステム1100が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め記憶され、或いは処理の都度一時的に記憶される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図1では、ICメモリ1152やストレージ1140がこれに該当する。
【0091】
また、サーバ記憶部500sには、アカウント管理プログラム503と、ゲーム管理プログラム505と、ユーザ登録データ530と、配信用データ550とが記憶される。また、その他、タイマやカウンタ、各種フラグ等の情報が適宜記憶される。
【0092】
アカウント管理プログラム503は、サーバ処理部200sが読み出して実行することで、アカウント管理部270としての機能を実現させるためのプログラムである。ゲーム管理プログラム505は、サーバ処理部200sが読み出して実行することで、ゲーム管理部280としての機能を実現させるためのプログラムである。
【0093】
ユーザ登録データ530は、アカウント管理部270によってユーザ登録されたプレーヤ毎に用意され、プレーヤID(アカウント)を含む当該プレーヤのゲームプレイに関する管理用の各種データを格納する。
【0094】
配信用データ550は、ゲームプログラム551と、ゲーム設定データ560とを含む。これらは、プレーヤ端末1500に配信されるゲームプログラム501およびゲーム設定データ511の原本である。
【0095】
ゲーム設定データ560は、本実施形態のゲームを実行するための各種初期設定データを格納する。このゲーム設定データ560は、ゲーム空間初期設定データ561と、キャラクタ初期設定データ563とを含む。
【0096】
ゲーム空間初期設定データ561は、ゲーム空間を形成するための初期設定データである。例えば、背景オブジェクト毎に、そのモデルデータ、テクスチャデータ、配置位置データ等を格納している。
【0097】
キャラクタ初期設定データ563は、プレーヤキャラクタや敵キャラクタ等のキャラクタオブジェクトを定義する初期設定データである。このキャラクタ初期設定データ563は、キャラクタオブジェクト毎に用意される。そして、そのオブジェクトIDと対応付けて、モデルデータ、テクスチャデータ、モーションデータ、攻撃力や防御力、HPといった各種能力パラメータの初期値等を格納している。本実施形態では、少なくとも敵キャラクタに係るキャラクタ初期設定データ563において、その外観に係る1つ又は複数の低画質テクスチャデータ565が含まれる。
【0098】
[処理の流れ]
図8は、プレーヤ端末1500におけるゲーム処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここで説明する処理は、端末処理部200がゲームプログラム501を読み出して実行することによって実現される。
【0099】
ゲーム処理では先ず、ゲーム進行制御部211が、ゲームの進行制御を開始する(ステップS1)。具体的には、ゲーム進行制御部211は、背景オブジェクトを配置してゲーム空間を形成し、その内にプレーヤキャラクタと敵キャラクタとを配置する。そして、敵キャラクタの自動制御を開始するとともに、プレーヤの操作入力に応じてプレーヤキャラクタを動作させる。また、仮想カメラをプレーヤキャラクタの背後に配置して、その追従制御を開始する。その他、ゲームの進行制御として基本的に必要とされる制御も適宜開始する。
【0100】
また、高画質テクスチャ破棄部239が、空き容量監視処理を開始する(ステップS3)。ここでの処理によって画像生成用メモリ240の空き容量が監視され、所定容量Ct以下となった場合に、破棄候補データとされて破棄候補リスト517に登録されている高画質テクスチャデータ243が画像生成用メモリ240から破棄される。
【0101】
ゲームの進行制御や必要な処理を開始したならば、続いて、視界内オブジェクト管理部213が、新たに仮想カメラの視界内となった敵キャラクタの有無を監視する。そして、視界内となった敵キャラクタがある場合には(ステップS5:YES)、当該敵キャラクタを視界内敵キャラクタとして視界内オブジェクトテーブル513に追加(設定)し、そのカメラ間距離の管理を開始する(ステップS7)。すなわち、視界内オブジェクト管理部213は、視界内敵キャラクタについてその仮想カメラとの間のカメラ間距離を随時算出し、視界内オブジェクトテーブル513を更新する。
【0102】
そして、ステップS7での視界内敵キャラクタの追加を受けて、画像生成部230において低画質テクスチャ記憶制御部231が、当該新たな視界内敵キャラクタの低画質テクスチャデータ241を記憶部500から読み出し、画像生成用メモリ240に記憶させる(ステップS9)。
【0103】
また、破棄候補設定部219が、視界内敵キャラクタのそれぞれについて、そのカメラ間距離に基づいて破棄状況条件を満たしたか否かの破棄状況判定を行う(ステップS11)。そして、破棄状況判定が肯定判定された視界内敵キャラクタがあれば(ステップS13:YES)、その外観に係る高画質テクスチャデータ243を破棄候補データに設定し、破棄候補リスト517に登録する(ステップS15)。
【0104】
続いて、記憶判定部215が、記憶先リスト515を参照し、視界内敵キャラクタのそれぞれについて、その外観に係る高画質テクスチャデータ243が画像生成用メモリ240に記憶されているか否かの記憶判定を行う(ステップS17)。
【0105】
また、高画質化状況判定部217が、視界内敵キャラクタのそれぞれについて、そのカメラ間距離に基づいて高画質化状況条件を満たしたか否かの高画質化判定を行う(ステップS19)。
【0106】
その後、画像生成部230においてオブジェクト画像生成制御部233が、オブジェクト画像生成制御処理を行う(ステップS20)。図9は、オブジェクト画像生成制御処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0107】
図9に示すように、オブジェクト画像生成制御処理では、視界内敵キャラクタを順次対象視界内敵キャラクタとして、各視界内敵キャラクタについてループAの処理を実行する(ステップS201~ステップS215)。
【0108】
そして、ループAでは先ず、対象視界内敵キャラクタについての記憶判定の結果に応じて処理を分岐する。すなわち、記憶判定が肯定判定された場合は(ステップS203:YES)、ステップS211に移行する。
【0109】
一方、記憶判定が否定判定された場合には(ステップS203:NO)、対象視界内敵キャラクタについての高画質化判定の結果に応じて処理を分岐する。そして、高画質化判定が肯定判定された場合は(ステップS205:YES)、ステップS207に移行する。すなわち、記憶判定が否定判定され、且つ、高画質化判定が肯定判定された場合にステップS207に移行する。そして、ステップS207では、高画質テクスチャデータ生成部235が公知の高解像化処理を適用して高画質化処理を行い、対象視界内敵キャラクタの外観に係る低画質テクスチャデータ241から高画質テクスチャデータを生成する。その後、画像生成用メモリ240に生成した高画質テクスチャデータ243を記憶させ、記憶エリアを記憶先リスト515に登録した上で(ステップS209)、ステップS211に移行する。
【0110】
また、高画質化判定が否定判定された場合(ステップS205:NO)、すなわち、記憶判定および高画質化判定の結果がともに否定された場合には、ステップS213に移行する。
【0111】
そして、ステップS211では、オブジェクト画像生成部237は、画像生成用メモリ240に記憶されている、対象視界内敵キャラクタの外観に係る高画質テクスチャデータ243を用いて、当該対象視界内敵キャラクタのオブジェクト画像を生成する。また、ステップS213では、オブジェクト画像生成部237は、画像生成用メモリ240に記憶されている、対象視界内敵キャラクタの外観に係る低画質テクスチャデータ241を用いて、当該対象視界内敵キャラクタのオブジェクト画像を生成する。
【0112】
そして、全ての視界内敵キャラクタについてループAの処理を行ったならば、オブジェクト画像生成制御処理を終了する。そして、図8に示すように、画像生成部230が、視界内敵キャラクタのオブジェクト画像を前段のオブジェクト画像生成制御処理で生成したオブジェクト画像としてゲーム空間画像を生成し(ステップS31)、画像表示部390にゲーム画面を表示させる(ステップS33)。
【0113】
その後、ゲームの終了判定を行い、ゲームを終了しない間は(ステップS35:NO)、ステップS5に戻って上記した処理を繰り返す。
【0114】
以上説明したように、本実施形態によれば、必要に応じて遅滞なく高画質の画像データを用いたオブジェクト画像の生成を行い、オブジェクト画像の画質向上を図ることができる。
【0115】
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0116】
例えば、上記実施形態では、オブジェクト画像の生成原理を敵キャラクタのオブジェクト画像の生成に適用した例を示したが、敵キャラクタ以外のオブジェクト、例えば、プレーヤキャラクタ、プレーヤキャラクタや敵キャラクタの装備等の各種アイテム、背景物といったゲーム空間内の各種オブジェクトのオブジェクト画像の生成にも同様に適用することができる。また、適用可能なゲームについても、例示した一人称視点のゲーム画面を生成するゲームに限定されない。
【0117】
また、高画質化状況条件は、上記実施形態で例示した「カメラ間距離が近距離条件を満たすこと」以外にも適宜設定できる。例えば、「仮想カメラの視界が所定の悪化視界から所定の良好視界に変化したことを示す視界良化条件を満たすこと」を高画質化状況条件として、高画質化判定を行うとしてもよい。その場合は、プレーヤキャラクタの周辺環境が変化して視界良化条件を満たした場合に、視界内敵キャラクタやその他の仮想カメラの視界内のオブジェクトのオブジェクト画像を、高画質テクスチャデータを用いて生成する。具体的には、プレーヤキャラクタが暗い場所から明るい場所に移動したとか、プレーヤキャラクタの周囲の天候設定が雨から晴れに変わったとか霧が晴れたといった場合に視界良化条件を満たすとして、高画質化判定を肯定判定する。
【0118】
或いは、「ロックオンされた敵キャラクタであること」を高画質化状況条件として、高画質化判定を行うとしてもよい。その場合は、ロックオンされた敵キャラクタについて、高画質テクスチャデータを用いてオブジェクト画像を生成する。また、複数のプレーヤが参加するマルチプレイゲームをオンラインゲームとして実行する場合に、「フレンド登録されたプレーヤが操作するプレーヤキャラクタであること」を高画質化状況条件として高画質化判定を行うとしてもよい。その場合は、フレンド登録されたプレーヤのプレーヤキャラクタについて、高画質テクスチャデータを用いてオブジェクト画像を生成する。
【0119】
また、例示した複数の高画質化状況条件を組み合わせて高画質化判定を行うこともできる。例えば、近距離条件を満たすことと、視界良化条件を満たすことの両方を高画質化状況条件に含めて、高画質化判定を行うとしてもよい。何れか一方を満たした場合に高画質化判定を肯定判定するのでもよいし、両方を満たした場合に肯定判定する構成でもよい。
【0120】
また、高解像化処理の倍率をプレーヤが指定できるようにしてもよい。例えば、設定可能な倍率の範囲でプレーヤが数値を入力して指定する構成としてもよいし、倍率の大きさを、例えば「大」「中」「小」の3段階から選択する等、段階的に指定する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0121】
1000…ゲームシステム
1500…プレーヤ端末
100…操作入力部
200…端末処理部
210…プレーヤ端末演算部
211…ゲーム進行制御部
213…視界内オブジェクト管理部
215…記憶判定部
217…高画質化状況判定部
219…破棄候補設定部
230…画像生成部
231…低画質テクスチャ記憶制御部
233…オブジェクト画像生成制御部
235…高画質テクスチャデータ生成部
237…オブジェクト画像生成部
239…高画質テクスチャ破棄部
240…画像生成用メモリ
241…低画質テクスチャデータ
243…高画質テクスチャデータ
292…音生成部
294…通信制御部
390…画像表示部
392…音出力部
394…通信部
500…端末記憶部
501…ゲームプログラム
511…ゲーム設定データ
513…視界内オブジェクトテーブル
515…記憶先リスト
517…破棄候補リスト
519…プレイデータ
1100…サーバシステム
100s…操作入力部
200s…サーバ処理部
270…アカウント管理部
280…ゲーム管理部
290s…画像生成部
292s…音生成部
294s…通信制御部
390s…画像表示部
392s…音出力部
394s…通信部
500s…サーバ記憶部
503…アカウント管理プログラム
505…ゲーム管理プログラム
530…ユーザ登録データ
550…配信用データ
560…ゲーム設定データ
561…ゲーム空間初期設定データ
563…キャラクタ初期設定データ
565…低画質テクスチャデータ
N…通信回線
2…プレーヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-10-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、仮想三次元空間内のオブジェクトを仮想カメラから見たオブジェクト画像を生成させるためのプログラムであって、
前記コンピュータが備える画像生成用メモリに、前記オブジェクトの外観を表現するための第一画像データを記憶させる記憶制御手段、
前記オブジェクトの外観を前記第一画像データよりも高画質で表現するための前記第一画像データよりデータサイズの大きい第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成すべき状況にあることを示す高画質化状況条件を満たしたか否かを判定する状況判定手段、
前記第二画像データが前記画像生成用メモリに記憶されていない場合に、1)前記状況判定手段で否と判定されたときには、前記第一画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成し、2)前記状況判定手段で是と判定されたときには、前記第一画像データに基づいて前記第二画像データを生成した上で当該第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成する、オブジェクト画像生成制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記状況判定手段は、前記オブジェクトと前記仮想カメラとの距離が所定の近距離条件を満たすことを前記高画質化状況条件に少なくとも含めて前記高画質化状況条件を満たしたか否かを判定する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記状況判定手段は、前記仮想カメラの視界が所定の悪化視界から所定の良好視界に変化したことを示す視界良化条件を満たすことを前記高画質化状況条件に含めて、前記高画質化状況条件を満たしたか否かを判定する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
コンピュータに、仮想三次元空間内のオブジェクトを仮想カメラから見たオブジェクト画像を生成させるためのプログラムであって、
前記コンピュータが備える画像生成用メモリに、前記オブジェクトの外観を表現するための第一画像データを記憶させる記憶制御手段、
前記オブジェクトの外観を前記第一画像データよりも高画質で表現するための前記第一画像データよりデータサイズの大きい第二画像データが前記画像生成用メモリに記憶されているか否かを判定する記憶判定手段
(1)前記記憶判定手段で是と判定された場合に、前記画像生成用メモリに記憶された前記第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成し、(2)前記記憶判定手段で否と判定され、且つ、前記第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成すべき状況にあることを示す高画質化状況にない場合に、前記第一画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成し、(3)前記記憶判定手段で否と判定され且つ、前記高画質化状況にある場合に、前記第一画像データに基づいて前記第二画像データを生成して前記画像生成用メモリに記憶させた上で当該第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成する、オブジェクト画像生成制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項5】
前記第二画像データを前記画像生成用メモリから破棄すべき状況に至ったことを示す破棄状況条件を満たした場合に、前記第二画像データを前記画像生成用メモリから破棄する破棄候補データに設定する破棄候補設定手段、
として前記コンピュータを更に機能させるための請求項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記破棄候補設定手段は、前記オブジェクトと前記仮想カメラとの距離が所定の遠距離条件を満たすことを前記破棄状況条件に少なくとも含めて前記破棄状況条件を満たしたか否かを判定する、
請求項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記画像生成用メモリの空き容量が所定の小容量条件を満たした場合に前記第二画像データを前記画像生成用メモリから破棄する破棄手段、
として前記コンピュータを更に機能させるための請求項の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
サーバシステムと通信を行い、前記仮想三次元空間をゲーム空間とする所与のオンラインゲームを進行制御するゲーム進行制御手段、
として前記コンピュータを更に機能させ、
前記記憶制御手段は、前記サーバシステムから前記第一画像データを取得して前記画像生成用メモリに記憶させる、
請求項の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
仮想三次元空間内のオブジェクトを仮想カメラから見たオブジェクト画像を生成させる画像生成装置であって、
前記画像生成装置が備える画像生成用メモリに、前記オブジェクトの外観を表現するための第一画像データを記憶させる記憶制御手段と、
前記オブジェクトの外観を前記第一画像データよりも高画質で表現するための前記第一画像データよりデータサイズの大きい第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成すべき状況にあることを示す高画質化状況条件を満たしたか否かを判定する状況判定手段と、
前記第二画像データが前記画像生成用メモリに記憶されていない場合に、1)前記状況判定手段で否と判定されたときには、前記第一画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成し、2)前記状況判定手段で是と判定されたときには、前記第一画像データに基づいて前記第二画像データを生成した上で当該第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成する、オブジェクト画像生成制御手段と、
を備えた画像生成装置。
【請求項10】
仮想三次元空間内のオブジェクトを仮想カメラから見たオブジェクト画像を生成させる画像生成装置であって、
前記画像生成装置が備える画像生成用メモリに、前記オブジェクトの外観を表現するための第一画像データを記憶させる記憶制御手段と、
前記オブジェクトの外観を前記第一画像データよりも高画質で表現するための前記第一画像データよりデータサイズの大きい第二画像データが前記画像生成用メモリに記憶されているか否かを判定する記憶判定手段と
(1)前記記憶判定手段で是と判定された場合に、前記画像生成用メモリに記憶された前記第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成し、(2)前記記憶判定手段で否と判定され、且つ、前記第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成すべき状況にあることを示す高画質化状況にない場合に、前記第一画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成し、(3)前記記憶判定手段で否と判定され且つ、前記高画質化状況にある場合に、前記第一画像データに基づいて前記第二画像データを生成して前記画像生成用メモリに記憶させた上で当該第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成する、オブジェクト画像生成制御手段と、
を備えた画像生成装置。
【請求項11】
コンピュータが、仮想三次元空間内のオブジェクトを仮想カメラから見たオブジェクト画像を生成するための画像生成方法であって、
前記コンピュータが備える画像生成用メモリに、前記オブジェクトの外観を表現するための第一画像データを記憶させることと、
前記オブジェクトの外観を前記第一画像データよりも高画質で表現するための前記第一画像データよりデータサイズの大きい第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成すべき状況にあることを示す高画質化状況条件を満たしたか否かを判定する状況判定を行うことと、
前記第二画像データが前記画像生成用メモリに記憶されていない場合に、1)前記状況判定において否と判定されたときには、前記第一画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成し、2)前記状況判定において是と判定されたときには、前記第一画像データに基づいて前記第二画像データを生成した上で当該第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成する、オブジェクト画像生成制御を行うことと、
を含む画像生成方法。
【請求項12】
コンピュータが、仮想三次元空間内のオブジェクトを仮想カメラから見たオブジェクト画像を生成するための画像生成方法であって、
前記コンピュータが備える画像生成用メモリに、前記オブジェクトの外観を表現するための第一画像データを記憶させることと、
前記オブジェクトの外観を前記第一画像データよりも高画質で表現するための前記第一画像データよりデータサイズの大きい第二画像データが前記画像生成用メモリに記憶されているか否かを判定する記憶判定を行うことと、
(1)前記記憶判定において是と判定された場合に、前記画像生成用メモリに記憶された前記第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成し、(2)前記記憶判定において否と判定され、且つ、前記第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成すべき状況にあることを示す高画質化状況にない場合に、前記第一画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成し、(3)前記記憶判定において否と判定され、且つ、前記高画質化状況にある場合に、前記第一画像データに基づいて前記第二画像データを生成して前記画像生成用メモリに記憶させた上で当該第二画像データを用いて前記オブジェクト画像を生成する、オブジェクト画像生成制御を行うことと、
を含む画像生成方法。