(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023175858
(43)【公開日】2023-12-12
(54)【発明の名称】撮像支援装置、撮像装置、撮像支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20231205BHJP
H04N 5/77 20060101ALI20231205BHJP
H04N 5/93 20060101ALI20231205BHJP
H04N 5/91 20060101ALI20231205BHJP
G03B 17/14 20210101ALI20231205BHJP
G03B 17/18 20210101ALI20231205BHJP
【FI】
H04N23/60
H04N5/77
H04N5/93
H04N5/91
G03B17/14
G03B17/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】37
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023161663
(22)【出願日】2023-09-25
(62)【分割の表示】P 2022573015の分割
【原出願日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2020219153
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西尾 祐也
(72)【発明者】
【氏名】入江 公祐
(57)【要約】 (修正有)
【課題】負荷の軽減に寄与することができる撮像支援装置、撮像装置、撮像支援方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】撮像支援装置は、実行部(CPU)と、ストレージと、を含み、ストレージは、撮像装置によって行われる撮像に関連する制御に用いられる第1学習済みモデル106を記憶している。実行部は、撮像装置によって撮像されることで取得された第1画像と、第1画像が取得された際の撮像装置に適用された設定値とを教師データとした学習処理を行うことで、制御に用いられる第2学習済みモデル118を生成し、第2画像が第1学習済みモデルに入力された場合に第1学習済みモデルから出力される第1設定値106Aと第2画像が第2学習済みモデルに入力された場合に第2学習済みモデルから出力される第2設定値118Aとに基づいて特定処理を行う。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、
前記プロセッサに接続又は内蔵されたメモリと、を備え、
前記メモリは、第1学習済みモデルを記憶しており、
前記第1学習済みモデルは、撮像装置によって行われる撮像に関連する制御に用いられる学習済みモデルであり、
前記プロセッサは、
前記撮像装置によって撮像されることで取得された第1画像と、前記第1画像が取得された際の前記撮像装置に適用された設定値とを教師データとした学習処理を行うことで、前記制御に用いられる第2学習済みモデルを生成し、
第2画像が前記第1学習済みモデルに入力された場合に前記第1学習済みモデルから出力される第1設定値と前記第2画像が前記第2学習済みモデルに入力された場合に前記第2学習済みモデルから出力される第2設定値とに基づいて特定処理を行う
撮像支援装置。
【請求項2】
前記メモリに前記第2画像が記憶される
請求項1に記載の撮像支援装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第1画像の数が第1閾値に到達したという条件を満足した場合に前記学習処理を行うことで前記第2学習済みモデルを生成する
請求項1又は請求項2に記載の撮像支援装置。
【請求項4】
前記教師データは、特定時期から前記条件を満足するまでの期間に前記撮像装置によって撮像されることで取得された複数の画像と、前記複数の画像に関連しており、前記撮像装置に適用された複数の設定値とを含むデータである
請求項3に記載の撮像支援装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記条件を満足した場合に前記第1設定値と前記第2設定値とに基づいて前記特定処理を行う
請求項3又は請求項4に記載の撮像支援装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記第1設定値と前記第2設定値との相違度が第2閾値以上の場合に前記特定処理を行う
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記第1画像の数が第3閾値に到達したことを条件に予め定められた処理を行う
請求項1から請求項6の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、第1環境下で前記撮像が行われることで取得され、前記教師データとして用いられた前記第1画像の数が第4閾値以上であり、かつ、前記第1環境とは異なる第2環境下で前記撮像が行われることで得られ、前記教師データとして用いられた前記第1画像の数が第5閾値以下の場合に、予め定められた処理を行う
請求項1から請求項6の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項9】
前記撮像装置は、レンズ交換式撮像装置であり、
前記プロセッサは、前記第1画像に関する前記撮像に用いられた交換レンズの種類毎に前記学習処理を行うことで複数の前記第2学習済みモデルを生成する
請求項1から請求項8の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項10】
前記撮像装置に前記交換レンズが装着された場合、
前記プロセッサは、複数の前記第2学習済みモデルのうち、前記交換レンズが装着された前記撮像装置によって撮像されることで取得された画像を前記第1画像として前記学習処理に用いることで生成した第2学習済みモデルを用いた処理を行う
請求項9に記載の撮像支援装置。
【請求項11】
前記撮像装置は、複数の撮像系を含み、
前記プロセッサは、前記第1画像に関する前記撮像に用いられた前記撮像系毎に前記学習処理を行うことで複数の前記第2学習済みモデルを生成する
請求項1から請求項10の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項12】
複数の前記撮像系から前記撮像で使用する撮像系が選択された場合、
前記プロセッサは、複数の前記第2学習済みモデルのうち、選択された前記撮像系を使用して前記撮像装置によって撮像されることで取得された画像を前記第1画像として前記学習処理に用いることで生成した第2学習済みモデルを用いた処理を行う
請求項11に記載の撮像支援装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記複数の撮像系を無段階式に切り替える指示を受け付け、
前記指示を受け付けた場合に、切り替え前の前記撮像系に対して割り当てられている前記第2学習済みモデルの使用を切り替え後の前記撮像系においても継続する
請求項12に記載の撮像支援装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記撮像装置によって前記第1画像が取得された際のシーンと選択された前記撮像系に関連する情報とを前記設定値として前記学習処理に用い、
前記第2設定値に基づいて、前記撮像装置の起動タイミングで、前記撮像装置に対して前記複数の撮像系を選択的に使用させる
請求項12又は請求項13に記載の撮像支援装置。
【請求項15】
前記特定処理は、前記制御に対して前記第2設定値を反映させる第1処理を含む処理である
請求項1から請求項14の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項16】
前記特定処理は、前記第2学習済みモデルを既定の記憶装置に記憶させる第2処理を含む処理である
請求項1から請求項15の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項17】
前記特定処理は、前記第1学習済みモデル及び前記第2学習済みモデルのうちの前記プロセッサによって受け付けられた指示に従って選択された方の出力を前記制御に対して反映させる第3処理を含む処理である
請求項1から請求項16の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項18】
前記特定処理は、前記第1学習済みモデルに対して第3画像を入力することで前記第1学習済みモデルから出力された第1出力結果が前記第3画像に適用されることで得られる画像に相当する第4画像、及び前記第2学習済みモデルに対して第5画像を入力することで前記第2学習済みモデルから出力された第2出力結果が前記第5画像に適用されることで得られる画像に相当する第6画像を第1ディスプレイに対して表示させるための第1データを出力する第4処理を含む処理である
請求項1から請求項17の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項19】
前記第1データは、前記第4画像と前記第6画像とを区別可能な態様で前記第1ディスプレイに対して表示させるためのデータを含む
請求項18に記載の撮像支援装置。
【請求項20】
前記第1データは、前記第4画像と前記第1学習済みモデルを特定可能な第1学習済みモデル特定情報とを対応させた状態で前記第1ディスプレイに対して表示させ、かつ、前記第6画像と前記第2学習済みモデルを特定可能な第2学習済みモデル特定情報とを対応させた状態で前記第1ディスプレイに対して表示させるためのデータを含む
請求項18又は請求項19に記載の撮像支援装置。
【請求項21】
前記第4処理は、前記第1ディスプレイに表示された前記第4画像及び前記第6画像のうち、前記プロセッサによって受け付けられた指示に従って、前記第4画像が選択された場合に前記第1学習済みモデルの出力を前記制御に対して反映させ、前記第6画像が選択された場合に前記第2学習済みモデルの出力を前記制御に対して反映させる処理を含む処理である
請求項18から請求項20の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項22】
前記特定処理は、前記第2学習済みモデルを生成した時期を特定可能な時期特定情報を第2ディスプレイに対して表示させるための第2データを出力する第5処理を含む処理である
請求項1から請求項21の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項23】
前記第2データは、前記時期特定情報を、前記第2学習済みモデルの出力が反映された第7画像と対応させた状態で前記第2ディスプレイに対して表示させるためのデータを含む
請求項22に記載の撮像支援装置。
【請求項24】
前記特定処理は、前記第2学習済みモデルを生成した時期を特定可能な時期特定情報と前記第2学習済みモデルとを対応付ける第6処理を含む処理である
請求項1から請求項23の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項25】
前記特定処理は、予め定められたタイミングで前記第2学習済みモデルの出力を前記制御に対して反映させる第7処理を含む処理である
請求項1から請求項24の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項26】
前記予め定められたタイミングは、前記撮像装置が起動したタイミング、前記撮像装置によって撮像されることで取得された撮像画像の数が第6閾値以上になったタイミング、前記撮像装置の充電を開始したタイミング、前記撮像装置の動作モードが再生モードから設定モードに遷移したタイミング、又は前記再生モードにて前記撮像画像に対してレーティングが行われたタイミングである
請求項25に記載の撮像支援装置。
【請求項27】
前記特定処理は、前記撮像装置とは異なる撮像装置である別機に対して前記第2学習済みモデルを適用する場合に、前記撮像装置の特性と前記別機の特性とに基づいて、前記第2学習済みモデルに入力されるデータ及び前記第2学習済みモデルからの出力のうちの少なくとも一方を補正する第8処理を含む処理である
請求項1から請求項26の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項28】
前記第2学習済みモデルには、前記第2学習済みモデルに関与する異なるイメージセンサの各々の特性を示す特性情報、及び前記異なるイメージセンサ間の個体差を示す個体差情報のうちの少なくとも1つを含むイメージセンサ情報が付随しており、
前記プロセッサは、前記撮像装置の特性及び前記別機の特性を、前記イメージセンサ情報を用いて特定する
請求項27に記載の撮像支援装置。
【請求項29】
前記特定処理は、前記第2学習済みモデルに対して第8画像を入力することで前記第2学習済みモデルから出力された第3出力結果が前記第8画像に適用されることで得られる画像に相当する第1処理済み画像と、前記第3出力結果が前記第8画像に適用されずに得られた未処理画像とを第3ディスプレイに対して表示させるための第3データを出力する第9処理を含む処理である
請求項1から請求項28の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項30】
前記特定処理は、前記第2学習済みモデルに対して第9画像を入力することで前記第2学習済みモデルから出力された第4出力結果が前記第9画像に適用され輝度が調整された輝度調整画像と、前記第4出力結果が前記第9画像に適用されずに得られた未処理画像とを第4ディスプレイに対して表示させるための第4データを出力する第10処理を含む処理である
請求項1から請求項29の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項31】
前記第2学習済みモデルの出力を前記制御に対して反映させて撮像されることによって得られた第3処理済み画像には、前記第3処理済み画像に付随する第1付随情報が付加されており、
前記特定処理は、前記第2学習済みモデルを特定可能な情報を前記第1付随情報に含める第11処理を含む処理である
請求項1から請求項30の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項32】
前記第1学習済みモデルの出力を前記制御に対して反映させて撮像されることによって得られた第4処理済み画像には、前記第4処理済み画像に付随する第2付随情報が付加されており、
前記特定処理は、前記第1学習済みモデルを特定可能な情報を前記第2付随情報に含める第12処理を含む処理である
請求項1から請求項31の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項33】
前記設定値は、前記撮像で用いるホワイトバランスに関する設定値、前記撮像で用いる露出に関する設定値、前記撮像で用いるフォーカスに関する設定値、前記撮像で用いる彩度に関する設定値、及び前記撮像で用いる階調に関する設定値のうちの少なくとも1つである
請求項1から請求項32の何れか一項に記載の撮像支援装置。
【請求項34】
プロセッサと、
前記プロセッサに接続又は内蔵されたメモリと、を備え、
前記メモリは、第1学習済みモデルを記憶しており、
前記第1学習済みモデルは、撮像装置によって行われる撮像に関連する制御に用いられる学習済みモデルであり、
前記プロセッサは、
前記撮像装置によって撮像されることで取得された第1画像と、前記第1画像が取得された際の前記撮像装置に適用された設定値とを教師データとした学習処理を行うことで、前記制御に用いられる第2学習済みモデルを生成し、
前記第1学習済みモデルと前記第2学習済みモデルとの相違度に基づいて特定処理を行う
撮像支援装置。
【請求項35】
プロセッサと、
前記プロセッサに接続又は内蔵されたメモリと、
撮像装置本体と、を備え、
前記メモリは、第1学習済みモデルを記憶しており、
前記第1学習済みモデルは、前記撮像装置本体によって行われる撮像に関連する制御に用いられる学習済みモデルであり、
前記プロセッサは、
前記撮像装置本体によって撮像されることで取得された第1画像と、前記第1画像が取得された際の前記撮像装置本体に適用された設定値とを教師データとした学習処理を行うことで、前記制御に用いられる第2学習済みモデルを生成し、
第2画像が前記第1学習済みモデルに入力された場合に前記第1学習済みモデルから出力される第1設定値と前記第2画像が前記第2学習済みモデルに入力された場合に前記第2学習済みモデルから出力される第2設定値とに基づいて特定処理を行う
撮像装置。
【請求項36】
撮像装置によって撮像されることで取得された第1画像と、前記第1画像が取得された際の前記撮像装置に適用された設定値とを教師データとした学習処理を行うことで、前記撮像装置によって行われる撮像に関連する制御に用いられる第2学習済みモデルを生成すること、及び、
第2画像が第1学習済みモデルに入力された場合に前記第1学習済みモデルから出力される第1設定値と前記第2画像が前記第2学習済みモデルに入力された場合に前記第2学習済みモデルから出力される第2設定値とに基づいて特定処理を行うこと、を含む
撮像支援方法。
【請求項37】
コンピュータに、
撮像装置によって撮像されることで取得された第1画像と、前記第1画像が取得された際の前記撮像装置に適用された設定値とを教師データとした学習処理を行うことで、前記撮像装置によって行われる撮像に関連する制御に用いられる第2学習済みモデルを生成すること、及び、
第2画像が第1学習済みモデルに入力された場合に前記第1学習済みモデルから出力される第1設定値と前記第2画像が前記第2学習済みモデルに入力された場合に前記第2学習済みモデルから出力される第2設定値とに基づいて特定処理を行うこと、を含む処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、撮像支援装置、撮像装置、撮像支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2013-207471号公報には、被写体像を撮像する撮像手段と、撮像処理設定値を用いて撮像手段による撮像処理を制御する撮像制御手段と、撮像手段により撮像された画像データに対し、画像処理設定値を用いて画像処理を行う画像処理手段と、過去の撮像処理および/または画像処理における、撮影シーンの特徴量と、撮像処理設定値および/または画像処理設定値とが関連付けられたテーブルを記憶する記憶手段と、現在の撮影における撮影シーンの特徴量を算出する特徴量算出手段と、特徴量算出手段により算出された撮影シーンの特徴量と、記憶手段に記憶されたテーブルとに基づいて、撮像処理設定値および/または画像処理設定値を取得する設定値取得手段と、を備えることを特徴するデジタルカメラが開示されている。また、特開2013-207471号公報に記載のデジタルカメラは、テーブルに登録された撮影シーンの特徴量と撮像処理設定値および/または画像処理設定値とをニューラルネットワークを用いて学習する学習手段をさらに備え、設定値取得手段は、学習手段による学習結果に基づいて、撮像処理設定値および/または画像処理設定値を取得する。
【0003】
特開2005-347985号公報には、撮像処理を実行することによって画像データを生成する撮像処理実行部と、1つ以上の設定項目のそれぞれの制御用設定値に従って撮像処理を制御する実行制御部と、を備え、実行制御部は、設定項目の中の少なくとも1つの設定項目を含む設定項目セットに関して、利用可能な複数の設定値セットの中の少なくとも一部の複数の候補設定値セットに対する優先順位を、複数回の撮像処理で用いられた設定値セットに関連する履歴情報に基づいて決定する優先順位決定部と、設定項目セットの制御用設定値セットを、優先順位を利用して決定する設定条件決定部と、を備えるデジタルカメラが開示されている。また、特開2005-347985号公報に記載のデジタルカメラは、さらに、メモリを着脱可能に保持するメモリスロットを備え、優先順位決定部は、メモリスロットを介してメモリから履歴情報を取得するとともに、取得した履歴情報を用いて優先順位を決定する着脱メモリ履歴モードを有する。
【0004】
特開2003-255428号公報には、予め定めた複数の少なくとも明るさに関する撮影条件で撮影可能なカメラにおいて、複数の撮影条件のうち何れかの撮影条件で撮影した時の撮影回数を撮影条件毎に各々カウントするカウント手段と、カウント値に基づいてカウント値の分布を求め、求めた分布から撮影条件の傾向として主要な撮影条件範囲を求める演算手段と、主要な撮影条件範囲内で且つ予め定めた複数の撮影条件以外の特定撮影条件を定め、定めた特定撮影条件を撮影条件として撮影可能に制御する制御手段と、を備えたことを特徴とするカメラが開示されている。
【発明の概要】
【0005】
本開示の技術に係る一つの実施形態は、負荷の軽減に寄与することができる撮像支援装置、撮像装置、撮像支援方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の技術に係る第1の態様は、プロセッサと、プロセッサに接続又は内蔵されたメモリと、を備え、メモリが、第1学習済みモデルを記憶しており、第1学習済みモデルが、撮像装置によって行われる撮像に関連する制御に用いられる学習済みモデルであり、プロセッサが、撮像装置によって撮像されることで取得された第1画像と、第1画像が取得された際の撮像装置に適用された設定値とを教師データとした学習処理を行うことで、制御に用いられる第2学習済みモデルを生成し、第2画像が第1学習済みモデルに入力された場合に第1学習済みモデルから出力される第1設定値と第2画像が第2学習済みモデルに入力された場合に第2学習済みモデルから出力される第2設定値とに基づいて特定処理を行う撮像支援装置である。
【0007】
本開示の技術に係る第2の態様は、メモリに第2画像が記憶される、第1の態様に係る撮像支援装置である。
【0008】
本開示の技術に係る第3の態様は、プロセッサが、第1画像の数が第1閾値に到達したという条件を満足した場合に学習処理を行うことで第2学習済みモデルを生成する、第1の態様又は第2の態様に係る撮像支援装置である。
【0009】
本開示の技術に係る第4の態様は、教師データが、特定時期から条件を満足するまでの期間に撮像装置によって撮像されることで取得された複数の画像と、複数の画像に関連しており、撮像装置に適用された複数の設定値とを含むデータである、第3の態様に係る撮像支援装置である。
【0010】
本開示の技術に係る第5の態様は、プロセッサが、条件を満足した場合に第1設定値と第2設定値とに基づいて特定処理を行う、第3の態様又は第4の態様に係る撮像支援装置である。
【0011】
本開示の技術に係る第6の態様は、プロセッサが、第1設定値と第2設定値との相違度が第2閾値以上の場合に特定処理を行う、第1の態様から第5の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0012】
本開示の技術に係る第7の態様は、プロセッサが、第1画像の数が第3閾値に到達したことを条件に予め定められた処理を行う、第1の態様から第6の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0013】
本開示の技術に係る第8の態様は、プロセッサが、第1環境下で撮像が行われることで取得され、教師データとして用いられた第1画像の数が第4閾値以上であり、かつ、第1環境とは異なる第2環境下で撮像が行われることで得られ、教師データとして用いられた第1画像の数が第5閾値以下の場合に、予め定められた処理を行う、第1の態様から第6の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0014】
本開示の技術に係る第9の態様は、撮像装置が、レンズ交換式撮像装置であり、プロセッサが、第1画像に関する撮像に用いられた交換レンズの種類毎に学習処理を行うことで複数の第2学習済みモデルを生成する、第1の態様から第8の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0015】
本開示の技術に係る第10の態様は、撮像装置に交換レンズが装着された場合、プロセッサが、複数の第2学習済みモデルのうち、交換レンズが装着された撮像装置によって撮像されることで取得された画像を第1画像として学習処理に用いることで生成した第2学習済みモデルを用いた処理を行う、第9の態様に係る撮像支援装置である。
【0016】
本開示の技術に係る第11の態様は、撮像装置が、複数の撮像系を含み、プロセッサが、第1画像に関する撮像に用いられた撮像系毎に学習処理を行うことで複数の第2学習済みモデルを生成する、第1の態様から第10の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0017】
本開示の技術に係る第12の態様は、複数の撮像系から撮像で使用する撮像系が選択された場合、プロセッサが、複数の第2学習済みモデルのうち、選択された撮像系を使用して撮像装置によって撮像されることで取得された画像を第1画像として学習処理に用いることで生成した第2学習済みモデルを用いた処理を行う、第11の態様に係る撮像支援装置である。
【0018】
本開示の技術に係る第13の態様は、プロセッサが、複数の撮像系を無段階式に切り替える指示を受け付け、指示を受け付けた場合に、切り替え前の撮像系に対して割り当てられている第2学習済みモデルの使用を切り替え後の撮像系においても継続する、第12の態様に係る撮像支援装置である。
【0019】
本開示の技術に係る第14の態様は、プロセッサが、撮像装置によって第1画像が取得された際のシーンと選択された撮像系に関連する情報とを設定値として学習処理に用い、第2設定値に基づいて、撮像装置の起動タイミングで、撮像装置に対して複数の撮像系を選択的に使用させる、第12の態様又は第13の態様に係る撮像支援装置である。
【0020】
本開示の技術に係る第15の態様は、特定処理が、制御に対して第2設定値を反映させる第1処理を含む処理である、第1の態様から第14の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0021】
本開示の技術に係る第16の態様は、特定処理が、第2学習済みモデルを既定の記憶装置に記憶させる第2処理を含む処理である、第1の態様から第15の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0022】
本開示の技術に係る第17の態様は、特定処理が、第1学習済みモデル及び第2学習済みモデルのうちのプロセッサによって受け付けられた指示に従って選択された方の出力を制御に対して反映させる第3処理を含む処理である、第1の態様から第16の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0023】
本開示の技術に係る第18の態様は、特定処理が、第1学習済みモデルに対して第3画像を入力することで第1学習済みモデルから出力された第1出力結果が第3画像に適用されることで得られる画像に相当する第4画像、及び第2学習済みモデルに対して第5画像を入力することで第2学習済みモデルから出力された第2出力結果が第5画像に適用されることで得られる画像に相当する第6画像を第1ディスプレイに対して表示させるための第1データを出力する第4処理を含む処理である、第1の態様から第17の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0024】
本開示の技術に係る第19の態様は、第1データが、第4画像と第6画像とを区別可能な態様で第1ディスプレイに対して表示させるためのデータを含む、第18の態様に係る撮像支援装置である。
【0025】
本開示の技術に係る第20の態様は、第1データが、第4画像と第1学習済みモデルを特定可能な第1学習済みモデル特定情報とを対応させた状態で第1ディスプレイに対して表示させ、かつ、第6画像と第2学習済みモデルを特定可能な第2学習済みモデル特定情報とを対応させた状態で第1ディスプレイに対して表示させるためのデータを含む、第18の態様又は第19の態様に係る撮像支援装置である。
【0026】
本開示の技術に係る第21の態様は、第4処理が、第1ディスプレイに表示された第4画像及び第6画像のうち、プロセッサによって受け付けられた指示に従って、第4画像が選択された場合に第1学習済みモデルの出力を制御に対して反映させ、第6画像が選択された場合に第2学習済みモデルの出力を制御に対して反映させる処理を含む処理である、第18の態様から第20の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0027】
本開示の技術に係る第22の態様は、特定処理が、第2学習済みモデルを生成した時期を特定可能な時期特定情報を第2ディスプレイに対して表示させるための第2データを出力する第5処理を含む処理である、第1の態様から第21の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0028】
本開示の技術に係る第23の態様は、第2データが、時期特定情報を、第2学習済みモデルの出力が反映された第7画像と対応させた状態で第2ディスプレイに対して表示させるためのデータを含む、第22の態様に係る撮像支援装置である。
【0029】
本開示の技術に係る第24の態様は、特定処理が、第2学習済みモデルを生成した時期を特定可能な時期特定情報と第2学習済みモデルとを対応付ける第6処理を含む処理である、第1の態様から第23の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0030】
本開示の技術に係る第25の態様は、特定処理が、予め定められたタイミングで第2学習済みモデルの出力を制御に対して反映させる第7処理を含む処理である、第1の態様から第24の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0031】
本開示の技術に係る第26の態様は、予め定められたタイミングが、撮像装置が起動したタイミング、撮像装置によって撮像されることで取得された撮像画像の数が第6閾値以上になったタイミング、撮像装置の充電を開始したタイミング、撮像装置の動作モードが再生モードから設定モードに遷移したタイミング、又は再生モードにて撮像画像に対してレーティングが行われたタイミングである、第25の態様に係る撮像支援装置である。
【0032】
本開示の技術に係る第27の態様は、特定処理が、撮像装置とは異なる撮像装置である別機に対して第2学習済みモデルを適用する場合に、撮像装置の特性と別機の特性とに基づいて、第2学習済みモデルに入力されるデータ及び第2学習済みモデルからの出力のうちの少なくとも一方を補正する第8処理を含む処理である、第1の態様から第26の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0033】
本開示の技術に係る第28の態様は、第2学習済みモデルには、第2学習済みモデルに関与する異なるイメージセンサの各々の特性を示す特性情報、及び異なるイメージセンサ間の個体差を示す個体差情報のうちの少なくとも1つを含むイメージセンサ情報が付随しており、プロセッサが、撮像装置の特性及び別機の特性を、イメージセンサ情報を用いて特定する、第27の態様に係る撮像支援装置である。
【0034】
本開示の技術に係る第29の態様は、特定処理が、第2学習済みモデルに対して第8画像を入力することで第2学習済みモデルから出力された第3出力結果が第8画像に適用されることで得られる画像に相当する第1処理済み画像と、第3出力結果が第8画像に適用されずに得られた未処理画像とを第3ディスプレイに対して表示させるための第3データを出力する第9処理を含む処理である、第1の態様から第28の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0035】
本開示の技術に係る第30の態様は、特定処理が、第2学習済みモデルに対して第9画像を入力することで第2学習済みモデルから出力された第4出力結果が第9画像に適用され輝度が調整された輝度調整画像と、第4出力結果が第9画像に適用されずに得られた未処理画像とを第4ディスプレイに対して表示させるための第4データを出力する第10処理を含む処理である、第1の態様から第29の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0036】
本開示の技術に係る第31の態様は、第2学習済みモデルの出力を制御に対して反映させて撮像されることによって得られた第3処理済み画像には、第3処理済み画像に付随する第1付随情報が付加されており、特定処理が、第2学習済みモデルを特定可能な情報を第1付随情報に含める第11処理を含む処理である、第1の態様から第30の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0037】
本開示の技術に係る第32の態様は、第1学習済みモデルの出力を制御に対して反映させて撮像されることによって得られた第4処理済み画像には、第4処理済み画像に付随する第2付随情報が付加されており、特定処理が、第1学習済みモデルを特定可能な情報を第2付随情報に含める第12処理を含む処理である、第1の態様から第31の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0038】
本開示の技術に係る第33の態様は、設定値が、撮像で用いるホワイトバランスに関する設定値、撮像で用いる露出に関する設定値、撮像で用いるフォーカスに関する設定値、撮像で用いる彩度に関する設定値、及び撮像で用いる階調に関する設定値のうちの少なくとも1つである、第1の態様から第32の態様の何れか1つの態様に係る撮像支援装置である。
【0039】
本開示の技術に係る第34の態様は、プロセッサと、プロセッサに接続又は内蔵されたメモリと、を備え、メモリが、第1学習済みモデルを記憶しており、第1学習済みモデルが、撮像装置によって行われる撮像に関連する制御に用いられる学習済みモデルであり、プロセッサが、撮像装置によって撮像されることで取得された第1画像と、第1画像が取得された際の撮像装置に適用された設定値とを教師データとした学習処理を行うことで、制御に用いられる第2学習済みモデルを生成し、第1学習済みモデルと第2学習済みモデルとの相違度に基づいて特定処理を行う撮像支援装置である。
【0040】
本開示の技術に係る第35の態様は、プロセッサと、プロセッサに接続又は内蔵されたメモリと、撮像装置本体と、を備え、メモリが、第1学習済みモデルを記憶しており、第1学習済みモデルは、撮像装置本体によって行われる撮像に関連する制御に用いられる学習済みモデルであり、プロセッサが、撮像装置本体によって撮像されることで取得された第1画像と、第1画像が取得された際の撮像装置本体に適用された設定値とを教師データとした学習処理を行うことで、制御に用いられる第2学習済みモデルを生成し、第2画像が第1学習済みモデルに入力された場合に第1学習済みモデルから出力される第1設定値と第2画像が第2学習済みモデルに入力された場合に第2学習済みモデルから出力される第2設定値とに基づいて特定処理を行う撮像装置である。
【0041】
本開示の技術に係る第36の態様は、撮像装置によって撮像されることで取得された第1画像と、第1画像が取得された際の撮像装置に適用された設定値とを教師データとした学習処理を行うことで、撮像装置によって行われる撮像に関連する制御に用いられる第2学習済みモデルを生成すること、及び、第2画像が第1学習済みモデルに入力された場合に第1学習済みモデルから出力される第1設定値と第2画像が第2学習済みモデルに入力された場合に第2学習済みモデルから出力される第2設定値とに基づいて特定処理を行うこと、を含む撮像支援方法である。
【0042】
本開示の技術に係る第37の態様は、コンピュータに、撮像装置によって撮像されることで取得された第1画像と、第1画像が取得された際の撮像装置に適用された設定値とを教師データとした学習処理を行うことで、撮像装置によって行われる撮像に関連する制御に用いられる第2学習済みモデルを生成すること、及び、第2画像が第1学習済みモデルに入力された場合に第1学習済みモデルから出力される第1設定値と第2画像が第2学習済みモデルに入力された場合に第2学習済みモデルから出力される第2設定値とに基づいて特定処理を行うこと、を含む処理を実行させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】撮像システムの全体の構成の一例を示す概略構成図である。
【
図2】撮像システムに含まれる撮像装置の光学系及び電気系のハードウェア構成の一例を示す概略構成図である。
【
図3】撮像システムに含まれる撮像支援装置の電気系のハードウェア構成の一例を示す概略構成図である。
【
図4】撮像支援装置に含まれるCPUの要部機能の一例を示すブロック図である。
【
図5】教師データ生成部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図6】第1学習済みモデルが生成される場合のモデル生成部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図7】判定部及びモデル生成部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図8】第2学習済みモデルが生成される場合のモデル生成部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図9】実行部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図10】検証が行われるタイミングと検証の内容の一例を示す概念図である。
【
図11】実行部が有する機能の一例を示すブロック図である。
【
図12】第1処理実行部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図13】第2処理実行部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図14】第3処理実行部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図15】第4処理実行部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図16】CPUの制御下でディスプレイに表示されたシミュレーション画像表示画面の態様の一例を示す画面図である。
【
図17】シミュレーション画像表示画面からシミュレーション画像が選択される態様の一例を示す概念図である。
【
図18】選択されたシミュレーション画像に対応する学習済みモデルから出力された設定値を撮像に関連する制御に反映させる場合の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図19】第5処理実行部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図20】第6処理実行部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図21】第7処理実行部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図22】第8処理実行部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図23】第9処理実行部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図24】CPUの制御下でディスプレイに表示されたシミュレーション画像表示画面の態様の一例を示す画面図である。
【
図25】第10処理実行部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図26】CPUの制御下でディスプレイに表示されたシミュレーション画像表示画面の態様の一例を示す画面図である。
【
図27】第11処理実行部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図28】第12処理実行部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図29A】撮像支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図30】検証が行われるタイミングと検証の内容の一例を示す概念図である。
【
図31】実行部の処理内容の一例を示すブロック図である。
【
図32】撮像支援装置のCPUによって行われる処理内容の一例を示すブロック図である。
【
図33】撮像支援装置のCPUによって行われる処理内容の一例を示すブロック図である。
【
図34】撮像支援装置のCPUによって行われる処理内容の一例を示すブロック図である。
【
図35】撮像支援装置のCPUによって行われる処理内容の一例を示すブロック図である。
【
図36】撮像支援装置のCPUによって行われる処理内容の一例を示すブロック図である。
【
図37】撮像支援装置のCPUによって行われる処理内容の一例を示すブロック図である。
【
図38】撮像支援装置のCPUによって行われる処理内容の一例を示すブロック図である。
【
図39】スマートデバイスの外観構成の一例を示す概略斜視図である。
【
図40A】スマートデバイスに対して画角変更指示が行われている態様の一例を示す概念図である。
【
図40B】表示倍率を変更する場合に用いる画面の一部の一例を示す概略画面図である。
【
図41】撮像支援装置のCPUによって行われる処理内容の一例を示すブロック図である。
【
図42】途中で撮像系の切り替えが伴う画角変更の態様の一例を示す概念図である。
【
図43】撮像支援装置のCPUによって行われる処理内容の一例を示すブロック図である。
【
図44】モデル生成部の処理内容の一例を示す概念図である。
【
図45】撮像支援装置のCPUによって行われる処理内容の一例を示すブロック図である。
【
図46】スマートデバイスのCPUによって行われる処理内容の一例を示すブロック図である。
【
図47】撮像支援装置の機能を撮像装置に担わせる場合の撮像装置本体の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、添付図面に従って本開示の技術に係る撮像支援装置、撮像装置、撮像支援方法、及びプログラムの実施形態の一例について説明する。
【0045】
先ず、以下の説明で使用される文言について説明する。
【0046】
CPUとは、“Central Processing Unit”の略称を指す。GPUとは、“Graphics Processing Unit”の略称を指す。TPUとは、“Tensor processing unit”の略称を指す。NVMとは、“Non-volatile memory”の略称を指す。RAMとは、“Random Access Memory”の略称を指す。ICとは、“Integrated Circuit”の略称を指す。ASICとは、“Application Specific Integrated Circuit”の略称を指す。PLDとは、“Programmable Logic Device”の略称を指す。FPGAとは、“Field-Programmable Gate Array”の略称を指す。SoCとは、“System-on-a-chip”の略称を指す。SSDとは、“Solid State Drive”の略称を指す。USBとは、“Universal Serial Bus”の略称を指す。HDDとは、“Hard Disk Drive”の略称を指す。EEPROMとは、“Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory”の略称を指す。ELとは、“Electro-Luminescence”の略称を指す。I/Fとは、“Interface”の略称を指す。UIとは、“User Interface”の略称を指す。fpsとは、“frame per second”の略称を指す。MFとは、“Manual Focus”の略称を指す。AFとは、“Auto Focus”の略称を指す。CMOSとは、“Complementary Metal Oxide Semiconductor”の略称を指す。CCDとは、“Charge Coupled Device”の略称を指す。LANとは、“Local Area Network”の略称を指す。WANとは、“Wide Area Network”の略称を指す。CNNとは、“Convolutional Neural Network”の略称を指す。AIとは、“Artificial Intelligence”の略称を指す。Exifとは、“exchange image file format”の略称を指す。
【0047】
一例として
図1に示すように、撮像システム10は、撮像装置12及び撮像支援装置14を備えている。撮像装置12は、被写体を撮像する装置である。
図1に示す例では、撮像装置12の一例として、レンズ交換式のデジタルカメラが示されている。撮像装置12は、撮像装置本体16及び交換レンズ18を備えている。交換レンズ18は、撮像装置本体16に交換可能に装着される。交換レンズ18には、フォーカスリング18Aが設けられている。フォーカスリング18Aは、撮像装置12のユーザ(以下、単に「ユーザ」と称する)等が撮像装置12による被写体に対するピントの調整を手動で行う場合にユーザ等によって操作される。
【0048】
本実施形態では、撮像装置12として、レンズ交換式のデジタルカメラを例示しているが、これは、あくまでも一例に過ぎず、レンズ固定式のデジタルカメラであってもよいし、スマートデバイス、ウェアラブル端末、細胞観察装置、眼科観察装置、又は外科顕微鏡等の各種の電子機器に内蔵されるデジタルカメラであってもよい。
【0049】
撮像装置本体16には、イメージセンサ20が設けられている。イメージセンサ20は、CMOSイメージセンサである。イメージセンサ20は、少なくとも1つの被写体を含む撮像範囲を撮像する。交換レンズ18が撮像装置本体16に装着された場合に、被写体を示す被写体光は、交換レンズ18を透過してイメージセンサ20に結像され、被写体の画像を示す画像データがイメージセンサ20によって生成される。
【0050】
本実施形態では、イメージセンサ20としてCMOSイメージセンサを例示しているが、本開示の技術はこれに限定されず、例えば、イメージセンサ20がCCDイメージセンサ等の他種類のイメージセンサであっても本開示の技術は成立する。
【0051】
撮像装置本体16の上面には、レリーズボタン22及びダイヤル24が設けられている。ダイヤル24は、撮像系の動作モード及び再生系の動作モード等の設定の際に操作され、ダイヤル24が操作されることによって、撮像装置12では、動作モードとして、撮像モード、再生モード、及び設定モードが選択的に設定される。撮像モードは、撮像装置12に対して撮像を行わせる動作モードである。再生モードは、撮像モードで記録用の撮像が行われることによって得られた画像(例えば、静止画像及び/又は動画像)を再生する動作モードである。設定モードは、後述する各種の設定値102(
図5参照)等を撮像装置12に対して設定する動作モードである。
【0052】
レリーズボタン22は、撮像準備指示部及び撮像指示部として機能し、撮像準備指示状態と撮像指示状態との2段階の押圧操作が検出可能である。撮像準備指示状態とは、例えば待機位置から中間位置(半押し位置)まで押下される状態を指し、撮像指示状態とは、中間位置を超えた最終押下位置(全押し位置)まで押下される状態を指す。なお、以下では、「待機位置から半押し位置まで押下される状態」を「半押し状態」といい、「待機位置から全押し位置まで押下される状態」を「全押し状態」という。撮像装置12の構成によっては、撮像準備指示状態とは、ユーザの指がレリーズボタン22に接触した状態であってもよく、撮像指示状態とは、操作するユーザの指がレリーズボタン22に接触した状態から離れた状態に移行した状態であってもよい。
【0053】
撮像装置本体16の背面には、タッチパネル・ディスプレイ32及び指示キー26が設けられている。
【0054】
タッチパネル・ディスプレイ32は、ディスプレイ28及びタッチパネル30(
図2も参照)を備えている。ディスプレイ28の一例としては、ELディスプレイ(例えば、有機ELディスプレイ又は無機ELディスプレイ)が挙げられる。ディスプレイ28は、ELディスプレイではなく、液晶ディスプレイ等の他種類のディスプレイであってもよい。
【0055】
ディスプレイ28は、画像及び/又は文字情報等を表示する。ディスプレイ28は、撮像装置12が撮像モードの場合に、ライブビュー画像用の撮像、すなわち、連続的な撮像が行われることにより得られたライブビュー画像の表示に用いられる。ライブビュー画像を得るために行われる撮像(以下、「ライブビュー画像用撮像」とも称する)は、例えば、60fpsのフレームレートに従って行われる。60fpsは、あくまでも一例に過ぎず、60fps未満のフレームレートであってもよいし、60fpsを超えるフレームレートであってもよい。
【0056】
ここで、「ライブビュー画像」とは、イメージセンサ20によって撮像されることにより得られた画像データに基づく表示用の動画像を指す。ライブビュー画像は、一般的には、スルー画像とも称されている。
【0057】
ディスプレイ28は、撮像装置12に対してレリーズボタン22を介して静止画像用の撮像の指示が与えられた場合に、静止画像用の撮像が行われることで得られた静止画像の表示にも用いられる。また、ディスプレイ28は、撮像装置12が再生モードの場合の再生画像等の表示にも用いられる。更に、ディスプレイ28は、撮像装置12が設定モードの場合に、各種メニューを選択可能なメニュー画面の表示、及び、撮像に関連する制御で用いられる各種の設定値102(
図5参照)等を設定するための設定画面の表示にも用いられる。
【0058】
タッチパネル30は、透過型のタッチパネルであり、ディスプレイ28の表示領域の表面に重ねられている。タッチパネル30は、指又はスタイラスペン等の指示体による接触を検知することで、ユーザからの指示を受け付ける。なお、以下では、説明の便宜上、上述した「全押し状態」には、撮像開始用のソフトキーに対してユーザがタッチパネル30を介してオンした状態も含まれる。
【0059】
本実施形態では、タッチパネル・ディスプレイ32の一例として、タッチパネル30がディスプレイ28の表示領域の表面に重ねられているアウトセル型のタッチパネル・ディスプレイを挙げているが、これはあくまでも一例に過ぎない。例えば、タッチパネル・ディスプレイ32として、オンセル型又はインセル型のタッチパネル・ディスプレイを適用することも可能である。
【0060】
指示キー26は、各種の指示を受け付ける。ここで、「各種の指示」とは、例えば、メニュー画面の表示の指示、1つ又は複数のメニューの選択の指示、選択内容の確定の指示、選択内容の消去の指示、ズームイン、ズームアウト、及びコマ送り等の各種の指示等を指す。また、これらの指示はタッチパネル30によってされてもよい。
【0061】
詳しくは後述するが、撮像装置本体16は、ネットワーク34を介して撮像支援装置14に接続されている。ネットワーク34は、例えば、インターネットである。ネットワーク34は、インターネットに限らず、WAN、及び/又は、イントラネット等のLAN等であってもよい。また、本実施形態において、撮像支援装置14は、撮像装置12からの要求に応じたサービスを撮像装置12に対して提供するサーバである。なお、サーバは、オンプレミスで撮像装置12と共に用いられるメインフレームであってもよいし、クラウドコンピューティングによって実現される外部サーバであってもよい。また、サーバは、フォグコンピューティング、エッジコンピューティング、又はグリッドコンピューティング等のネットワークコンピューティングによって実現される外部サーバであってもよい。ここでは、撮像支援装置14の一例として、サーバを挙げているが、これは、あくまでも一例に過ぎず、サーバに代えて、少なくとも1台のパーソナル・コンピュータ等を撮像支援装置14として用いてもよい。
【0062】
一例として
図2に示すように、イメージセンサ20は、光電変換素子72を備えている。光電変換素子72は、受光面72Aを有する。光電変換素子72は、受光面72Aの中心と光軸OAとが一致するように撮像装置本体16内に配置されている(
図1も参照)。光電変換素子72は、マトリクス状に配置された複数の感光画素を有しており、受光面72Aは、複数の感光画素によって形成されている。感光画素は、フォトダイオード(図示省略)を有する物理的な画素であり、受光した光を光電変換し、受光量に応じた電気信号を出力する。
【0063】
交換レンズ18は、撮像レンズ40を備えている。撮像レンズ40は、対物レンズ40A、フォーカスレンズ40B、ズームレンズ40C、及び絞り40Dを有する。対物レンズ40A、フォーカスレンズ40B、ズームレンズ40C、及び絞り40Dは、被写体側(物体側)から撮像装置本体16側(像側)にかけて、光軸OAに沿って、対物レンズ40A、フォーカスレンズ40B、ズームレンズ40C、及び絞り40Dの順に配置されている。
【0064】
また、交換レンズ18は、制御装置36、第1アクチュエータ37、第2アクチュエータ38、及び第3アクチュエータ39を備えている。制御装置36は、撮像装置本体16からの指示に従って交換レンズ18の全体を制御する。制御装置36は、例えば、CPU、NVM、及びRAM等を含むコンピュータを有する装置である。なお、ここでは、コンピュータを例示しているが、これは、あくまでも一例に過ぎず、ASIC、FPGA、及び/又はPLDを含むデバイスを適用してもよい。また、制御装置36として、例えば、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現される装置を用いてよい。
【0065】
第1アクチュエータ37は、フォーカス用スライド機構(図示省略)及びフォーカス用モータ(図示省略)を備えている。フォーカス用スライド機構には、光軸OAに沿ってスライド可能にフォーカスレンズ40Bが取り付けられている。また、フォーカス用スライド機構にはフォーカス用モータが接続されており、フォーカス用スライド機構は、フォーカス用モータの動力を受けて作動することでフォーカスレンズ40Bを光軸OAに沿って移動させる。
【0066】
第2アクチュエータ38は、ズーム用スライド機構(図示省略)及びズーム用モータ(図示省略)を備えている。ズーム用スライド機構には、光軸OAに沿ってスライド可能にズームレンズ40Cが取り付けられている。また、ズーム用スライド機構にはズーム用モータが接続されており、ズーム用スライド機構は、ズーム用モータの動力を受けて作動することでズームレンズ40Cを光軸OAに沿って移動させる。
【0067】
第3アクチュエータ39は、動力伝達機構(図示省略)及び絞り用モータ(図示省略)を備えている。絞り40Dは、開口40D1を有しており、開口40D1の大きさが可変な絞りである。開口40D1は、複数枚の絞り羽根40D2によって形成されている。複数枚の絞り羽根40D2は、動力伝達機構に連結されている。また、動力伝達機構には絞り用モータが接続されており、動力伝達機構は、絞り用モータの動力を複数枚の絞り羽根40D2に伝達する。複数枚の絞り羽根40D2は、動力伝達機構から伝達される動力を受けて作動することで開口40D1の大きさを変化させる。絞り40Dは、開口40D1の大きさを変化させることで露出を調節する。
【0068】
フォーカス用モータ、ズーム用モータ、及び絞り用モータは、制御装置36に接続されており、制御装置36によってフォーカス用モータ、ズーム用モータ、及び絞り用モータの各駆動が制御される。なお、本実施形態では、フォーカス用モータ、ズーム用モータ、及び絞り用モータの一例として、ステッピングモータが採用されている。従って、フォーカス用モータ、ズーム用モータ、及び絞り用モータは、制御装置36からの命令によりパルス信号に同期して動作する。なお、ここでは、フォーカス用モータ、ズーム用モータ、及び絞り用モータが交換レンズ18に設けられている例が示されているが、これは、あくまでも一例に過ぎず、フォーカス用モータ、ズーム用モータ、及び絞り用モータのうちの少なくとも1つが撮像装置本体16に設けられていてもよい。なお、交換レンズ18の構成物及び/又は動作方法は、必要に応じて変更可能である。
【0069】
撮像装置12では、撮像モードの場合に、撮像装置本体16に対して与えられた指示に従ってMFモードとAFモードとが選択的に設定される。MFモードは、手動でピントを合わせる動作モードである。MFモードでは、例えば、ユーザによってフォーカスリング18A等が操作されることで、フォーカスリング18A等の操作量に応じた移動量でフォーカスレンズ40Bが光軸OAに沿って移動し、これによって焦点が調節される。
【0070】
AFモードでは、撮像装置本体16が被写体距離に応じた合焦位置の演算を行い、演算して得た合焦位置に向けてフォーカスレンズ40Bを移動させることで、焦点を調節する。ここで、合焦位置とは、ピントが合っている状態でのフォーカスレンズ40Bの光軸OA上での位置を指す。なお、以下では、説明の便宜上、フォーカスレンズ40Bを合焦位置に合わせる制御を「AF制御」とも称する。
【0071】
撮像装置本体16は、イメージセンサ20、コントローラ44、画像メモリ46、UI系デバイス48、外部I/F50、通信I/F52、光電変換素子ドライバ54、メカニカルシャッタドライバ56、メカニカルシャッタアクチュエータ58、メカニカルシャッタ60、及び入出力インタフェース70を備えている。また、イメージセンサ20は、光電変換素子72及び信号処理回路74を備えている。
【0072】
入出力インタフェース70には、コントローラ44、画像メモリ46、UI系デバイス48、外部I/F50、光電変換素子ドライバ54、メカニカルシャッタドライバ56、及び信号処理回路74が接続されている。また、入出力インタフェース70には、交換レンズ18の制御装置36も接続されている。
【0073】
コントローラ44は、CPU62、NVM64、及びRAM66を備えている。CPU62、NVM64、及びRAM66は、バス68を介して接続されており、バス68は入出力インタフェース70に接続されている。
【0074】
なお、
図2に示す例では、図示の都合上、バス68として1本のバスが図示されているが、複数本のバスであってもよい。バス68は、シリアルバスであってもよいし、データバス、アドレスバス、及びコントロールバス等を含むパラレルバスであってもよい。
【0075】
NVM64は、非一時的記憶媒体であり、各種パラメータ及び各種プログラムを記憶している。例えば、NVM64は、EEPROMである。但し、これは、あくまでも一例に過ぎず、EEPROMに代えて、又は、EEPROMと共に、HDD、及び/又はSSD等をNVM64として適用してもよい。また、RAM66は、各種情報を一時的に記憶し、ワークメモリとして用いられる。
【0076】
CPU62は、NVM64から必要なプログラムを読み出し、読み出したプログラムをRAM66で実行する。CPU62は、RAM66上で実行するプログラムに従って撮像装置12の全体を制御する。
図2に示す例では、画像メモリ46、UI系デバイス48、外部I/F50、通信I/F52、光電変換素子ドライバ54、メカニカルシャッタドライバ56、及び制御装置36がCPU62によって制御される。
【0077】
光電変換素子72には、光電変換素子ドライバ54が接続されている。光電変換素子ドライバ54は、光電変換素子72によって行われる撮像のタイミングを規定する撮像タイミング信号を、CPU62からの指示に従って光電変換素子72に供給する。光電変換素子72は、光電変換素子ドライバ54から供給された撮像タイミング信号に従って、リセット、露光、及び電気信号の出力を行う。撮像タイミング信号としては、例えば、垂直同期信号及び水平同期信号が挙げられる。
【0078】
交換レンズ18が撮像装置本体16に装着された場合、撮像レンズ40に入射された被写体光は、撮像レンズ40によって受光面72Aに結像される。光電変換素子72は、光電変換素子ドライバ54の制御下で、受光面72Aによって受光された被写体光を光電変換し、被写体光の光量に応じた電気信号を、被写体光を示すアナログ画像データとして信号処理回路74に出力する。具体的には、信号処理回路74が、露光順次読み出し方式で、光電変換素子72から1フレーム単位で且つ水平ライン毎にアナログ画像データを読み出す。
【0079】
信号処理回路74は、アナログ画像データをデジタル化することでデジタル画像データを生成する。なお、以下では、説明の便宜上、撮像装置本体16での内部処理の対象とされるデジタル画像データと、デジタル画像データにより示される画像(すなわち、デジタル画像データに基づいて可視化されてディスプレイ28等に表示される画像)とを区別して説明する必要がない場合、「撮像画像75」と称する。
【0080】
メカニカルシャッタ60は、フォーカルプレーンシャッタであり、絞り40Dと受光面72Aとの間に配置されている。メカニカルシャッタ60は、先幕(図示省略)及び後幕(図示省略)を備えている。先幕及び後幕の各々は、複数枚の羽根を備えている。先幕は、後幕よりも被写体側に配置されている。
【0081】
メカニカルシャッタアクチュエータ58は、リンク機構(図示省略)、先幕用ソレノイド(図示省略)、及び後幕用ソレノイド(図示省略)を有するアクチュエータである。先幕用ソレノイドは、先幕の駆動源であり、リンク機構を介して先幕に機械的に連結されている。後幕用ソレノイドは、後幕の駆動源であり、リンク機構を介して後幕に機械的に連結されている。メカニカルシャッタドライバ56は、CPU62からの指示に従って、メカニカルシャッタアクチュエータ58を制御する。
【0082】
先幕用ソレノイドは、メカニカルシャッタドライバ56の制御下で動力を生成し、生成した動力を先幕に付与することで先幕の巻き上げ及び引き下ろしを選択的に行う。後幕用ソレノイドは、メカニカルシャッタドライバ56の制御下で動力を生成し、生成した動力を後幕に付与することで後幕の巻き上げ及び引き下ろしを選択的に行う。撮像装置12では、先幕の開閉と後幕の開閉とがCPU62によって制御されることで、光電変換素子72に対する露光量が制御される。
【0083】
撮像装置12では、ライブビュー画像用撮像と、静止画像及び/又は動画像を記録するための記録画像用の撮像とが露光順次読み出し方式(ローリングシャッタ方式)で行われる。イメージセンサ20は、電子シャッタ機能を有しており、ライブビュー画像用撮像は、メカニカルシャッタ60を全開状態にしたまま作動させずに、電子シャッタ機能を働かせることで実現される。
【0084】
これに対し、本露光を伴う撮像、すなわち、静止画像用の撮像は、電子シャッタ機能を働かせ、かつ、メカニカルシャッタ60を先幕閉状態から後幕閉状態に遷移させるようにメカニカルシャッタ60を作動させることで実現される。
【0085】
画像メモリ46には、信号処理回路74によって生成された撮像画像75が記憶される。すなわち、信号処理回路74が画像メモリ46に対して撮像画像75を記憶させる。CPU62は、画像メモリ46から撮像画像75を取得し、取得した撮像画像75を用いて各種処理を実行する。
【0086】
UI系デバイス48は、ディスプレイ28を備えており、CPU62は、ディスプレイ28に対して各種情報を表示させる。また、UI系デバイス48は、受付デバイス76を備えている。受付デバイス76は、タッチパネル30及びハードキー部78を備えている。ハードキー部78は、指示キー26(
図1参照)を含む複数のハードキーである。CPU62は、タッチパネル30によって受け付けられた各種指示に従って動作する。なお、ここでは、ハードキー部78がUI系デバイス48に含まれているが、本開示の技術はこれに限定されず、例えば、ハードキー部78は、外部I/F50に接続されていてもよい。
【0087】
外部I/F50は、撮像装置12の外部に存在する装置(以下、「外部装置」とも称する)との間の各種情報の授受を司る。外部I/F50の一例としては、USBインタフェースが挙げられる。USBインタフェースには、スマートデバイス、パーソナル・コンピュータ、サーバ、USBメモリ、メモリカード、及び/又はプリンタ等の外部装置(図示省略)が直接的又は間接的に接続される。
【0088】
通信I/F52は、ネットワーク34(
図1参照)を介してCPU62と撮像支援装置14(
図1参照)との間の情報の授受を司る。例えば、通信I/F52は、CPU62からの要求に応じた情報を、ネットワーク34を介して撮像支援装置14に送信する。また、通信I/F52は、撮像支援装置14から送信された情報を受信し、受信した情報を、入出力インタフェース70を介してCPU62に出力する。
【0089】
一例として
図3に示すように、撮像支援装置14は、コンピュータ82及び通信I/F84を備えている。コンピュータ82は、CPU86、ストレージ88、及びメモリ90を備えている。ここで、コンピュータ82は、本開示の技術に係る「コンピュータ」の一例であり、CPU86は、本開示の技術に係る「プロセッサ」の一例であり、ストレージ88は、本開示の技術に係る「メモリ」の一例である。
【0090】
CPU86、ストレージ88、メモリ90、及び通信I/F84は、バス92に接続されている。なお、
図3に示す例では、図示の都合上、バス92として1本のバスが図示されているが、複数本のバスであってもよい。バス92は、シリアルバスであってもよいし、データバス、アドレスバス、及びコントロールバス等を含むパラレルバスであってもよい。
【0091】
CPU86は、撮像支援装置14の全体を制御する。ストレージ88は、各種プログラム及び各種パラメータ等を記憶する不揮発性の記憶装置である。ストレージ88としては、例えば、EEPROM、SSD、及び/又はHDD等の非一時的記憶媒体が挙げられる。メモリ90は、一時的に情報が記憶されるメモリであり、CPU86によってワークメモリとして用いられる。メモリ90としては、例えば、RAMが挙げられる。
【0092】
通信I/F84は、ネットワーク34を介して撮像装置12の通信I/F52と接続されている。通信I/F84は、CPU86と撮像装置12との間の情報の授受を司る。例えば、通信I/F84は、撮像装置12から送信された情報を受信し、受信した情報をCPU86に出力する。また、CPU86からの要求に応じた情報を、ネットワーク34を介して撮像装置12に送信する。
【0093】
撮像支援装置14は、バックアップ用記憶装置94を備えている。バックアップ用記憶装置94は、本開示の技術に係る「既定の記憶装置」の一例である。バックアップ用記憶装置94は、後述の第2学習済みモデル118(
図8参照)等を記憶する不揮発性の記憶装置である。バックアップ用記憶装置94としては、例えば、EEPROM、SSD、及び/又はHDD等の非一時的記憶媒体が挙げられる。バックアップ用記憶装置94は、バス92に接続されており、CPU86が、後述の第2学習済みモデル118等をバックアップ用記憶装置94に記憶させたり、後述の第2学習済みモデル118等をバックアップ用記憶装置94から読み出したりする。
【0094】
ところで、従来既知の撮像装置の1つとして、撮像に関連する制御で用いられる各種パラメータ(例えば、露出の補正に用いられるパラメータ、AF制御に用いられるパラメータ、及び階調の補正に用いられるパラメータ等)が各種条件に応じて設定される自動設定機能が搭載された撮像装置が知られている。しかし、この種の撮像装置で用いられる各種パラメータは、メーカが独自の基準で決めたパラメータに過ぎず、ユーザ毎の好みが反映されたパラメータになっているとは言い難い。
【0095】
そこで、本実施形態では、撮像支援装置14が、撮像装置12を用いた撮像で実際に用いられた設定値と、撮像装置12によって撮像されることで取得された撮像画像75との関係性を学習用のモデルに対して機械学習させ、学習済みモデルを用いることで、できる限りユーザの好みに近いパラメータを撮像装置12に設定するための支援を行っている。また、撮像支援装置14では、学習結果を用いた処理を行うタイミングも考慮された処理が行われる。以下、具体的な一例について説明する。
【0096】
一例として
図4に示すように、撮像支援装置14のストレージ88は、撮像支援処理プログラム96を記憶している。撮像支援処理プログラム96は、本開示の技術に係る「プログラム」の一例である。
【0097】
CPU86は、ストレージ88から撮像支援処理プログラム96を読み出し、読み出した撮像支援処理プログラム96をメモリ90上で実行する。CPU86は、メモリ90上で実行する撮像支援処理プログラム96に従って撮像支援処理を行う(
図29A及び
図29Bも参照)。撮像支援処理は、CPU86が教師データ生成部86A、モデル生成部86B、判定部86C、及び実行部86Dとして動作することで実現される。
【0098】
以下、教師データ生成部86A、モデル生成部86B、判定部86C、及び実行部86Dによる具体的な処理内容の一例について
図5~
図28を参照しながら説明する。
【0099】
一例として
図5に示すように、教師データ生成部86Aは、教師データ98を生成する。教師データ98は、機械学習で用いられるラベル付きデータである。本実施形態において、教師データ98は、CNN104(
図6参照)、複製モデル116(
図8参照)、及び第2学習済みモデル118(
図8参照)等に対する学習処理で用いられる。教師データ98は、撮像画像75及び正解データ100を有する。なお、本開示の技術に係る「学習済みモデル」には、追加学習が可能なモデルも含まれる。
【0100】
撮像装置12(
図2参照)のNVM64には、撮像装置12に対して適用されたパラメータ、すなわち、撮像装置によって行われる撮像に関連する制御に対して適用された各種の設定値102が記憶されている。なお、以下では、説明の便宜上、撮像装置によって行われる撮像に関連する制御を、単に「撮像に関連する制御」とも称する。
【0101】
各種の設定値102としては、例えば、ホワイトバランスRの設定値(例えば、赤(R)に対して適用されるホワイトバランスゲイン)、ホワイトバランスBの設定値(例えば、青(B)に対して適用されるホワイトバランスのゲイン)、露出の補正に用いられる設定値、撮像シーンに応じたハイカラートーンの調整に用いられる設定値、撮像シーンに応じたシャドウトーンの調整に用いられる設定値、及び撮像シーンに応じたカラーの調整に用いられる設定値等が挙げられる。
【0102】
なお、ここで、ホワイトバランスRの設定値及びホワイトバランスBの設定値は、本開示の技術に係る「撮像で用いるホワイトバランスに関する設定値」の一例である。また、露出の補正に用いられる設定値は、本開示の技術に係る「撮像で用いる露出に関する設定値」の一例である。また、撮像シーンに応じたハイカラートーン(又は「ハイライトトーン」ともいう)の調整に用いられる設定値、及び撮像シーンに応じたシャドウトーンの調整に用いられる設定値は、本開示の技術に係る「撮像で用いる階調に関する設定値」の一例である。また、撮像シーンに応じたカラーの調整に用いられる設定値は、本開示の技術に係る「撮像で用いる彩度に関する設定値」の一例である。
【0103】
教師データ生成部86Aは、撮像装置12(
図2参照)の画像メモリ46から撮像画像75を取得する。また、教師データ生成部86Aは、取得した撮像画像75に対応する各種の設定値102、すなわち、撮像画像75を得るために行われた撮像に関連する制御に対して適用された各種の設定値102をNVM64から取得する。なお、撮像装置12に対して適用された設定値102とは、ユーザによって設定された値である。
【0104】
教師データ生成部86Aは、NVM64から取得した各種の設定値102、すなわち、撮像装置12によって撮像画像75が取得された際の撮像装置12に適用された各種の設定値102を正解データ100として用いる。教師データ生成部86Aは、画像メモリ46から取得した撮像画像75と正解データ100とを対応付けることで教師データ98を生成する。
【0105】
教師データ生成部86Aによる教師データ98の生成は、ユーザによって1回の撮像が行われる毎、すなわち、画像メモリ46に撮像画像75が記憶される毎に行われる。なお、以下では、画像の数を「フレーム数」、又は、「枚数」と表す場合もある。
【0106】
教師データ生成部86Aは、生成した教師データ98を1画像単位でストレージ88に記憶させる。ストレージ88には、複数の教師データ98が記憶されている。すなわち、ストレージ88には、複数の撮像画像75と、複数の撮像画像75に関連している複数の正解データ100とが複数の教師データ98として記憶されている。
【0107】
一例として
図6に示すように、モデル生成部86Bは、CNN104を有する。モデル生成部86Bは、ストレージ88から教師データ98を取得し、取得した教師データ98に含まれる撮像画像75をCNN104に入力する。CNN104は、撮像画像75が入力されると、各種の設定値102に対応するCNN信号104Aを出力する。CNN信号104Aは、各種の設定値102と同様の項目の設定値を示す信号である。各種の設定値102と同様の項目の設定値とは、例えば、ホワイトバランスRの設定値、ホワイトバランスBの設定値、露出の補正に用いられる設定値、撮像シーンに応じたハイカラートーンの調整に用いられる設定値、撮像シーンに応じたシャドウトーンの調整に用いられる設定値、及び撮像シーンに応じたカラーの調整に用いられる設定値等を指す。
【0108】
モデル生成部86Bは、CNN104に入力した撮像画像75に対応付けられている正解データ100とCNN信号104Aとの誤差108を算出する。誤差108とは、例えば、ホワイトバランスRの設定値の誤差、ホワイトバランスBの設定値の誤差、露出の補正に用いられる設定値の誤差、撮像シーンに応じたハイカラートーンの調整に用いられる設定値の誤差、撮像シーンに応じたシャドウトーンの調整に用いられる設定値の誤差、及び撮像シーンに応じたカラーの調整に用いられる設定値の誤差等を指す。
【0109】
モデル生成部86Bは、誤差108を最小にする複数の調整値110を算出する。そして、モデル生成部86Bは、算出した複数の調整値110を用いてCNN104内の複数の最適化変数を調整する。ここで、CNN104内の複数の最適化変数とは、例えば、CNN104に含まれる複数の結合荷重及び複数のオフセット値等を指す。
【0110】
モデル生成部86Bは、撮像画像75のCNN104への入力、誤差108の算出、複数の調整値110の算出、及びCNN104内の複数の最適化変数の調整、という学習処理を、ストレージ88に記憶されている撮像画像75の数だけ繰り返し行う。すなわち、モデル生成部86Bは、ストレージ88内の複数の撮像画像75の各々について、誤差108が最小になるように算出した複数の調整値110を用いてCNN104内の複数の最適化変数を調整することで、CNN104を最適化する。なお、モデル生成部86Bは、必ずしもCPU86の内部に設ける必要はなく、CPU86の外部に設けてもよい。すなわち、学習処理とは、CPU86自身が行うものに限られず、学習処理は、CPU86の制御下でCPU86の外に設けられたモデル生成部86Bに学習処理を行わせて学習済みモデルを生成する処理を含む。
【0111】
モデル生成部86Bは、CNN104を最適化することで第1学習済みモデル106を生成する。すなわち、CNN104に含まれる複数の最適化変数が調整されることによってCNN104が最適化され、これによって第1学習済みモデル106が生成される。モデル生成部86Bは、生成した第1学習済みモデル106をストレージ88に記憶させる。詳しく後述するが、第1学習済みモデル106は、撮像に関連する制御に用いられる学習済みモデルである。なお、この撮像に関連する制御には、イメージセンサ20(
図1及び
図2参照)による画像の取り込みに関連する制御のみではなく、撮像されることで得られたデータに対するオートホワイトバランス、トーン、及び/又はカラー等の画像処理も含まれる。
【0112】
一例として
図7に示すように、ストレージ88には、第1学習済みモデル106が記憶されている。また、上述したように、画像メモリ46に撮像画像75が記憶される毎に、教師データ生成部86Aによって教師データ98が生成され、生成された教師データ98がストレージ88に記憶される。判定部86Cは、ストレージ88に第1学習済みモデル106が記憶されてから、ストレージ88に記憶された教師データ98の撮像画像75の数が第1閾値(例えば、“10000”)に到達したか否かを判定する。
【0113】
なお、第1閾値は、固定値ではなく、撮像画像75の数に応じて変更される可変値である。例えば、CNN104に対する学習処理が行われていない段階では、第1閾値は、“10000”であり、撮像画像75の数が“10000”に達すると、撮像画像75の数としてカウントされた値が“0”にリセットされ、第1閾値が“1000”に設定される。そして、これ以降、撮像画像75の数が“1000”に達する毎に、撮像画像75の数としてカウントされた値が“0”にリセットされ、第1閾値が“1000”に設定される。ここで、第1閾値として示されている“10000”及び“1000”という値は、あくまでも一例に過ぎず、他の値であってもよい。
【0114】
ストレージ88に記憶された教師データ98の撮像画像75の数が第1閾値に到達したと判定部86Cによって判定された場合、モデル生成部86Bは、複製モデル116を生成する。複製モデル116は、ストレージ88内の第1学習済みモデル106を複製した学習モデルである。モデル生成部86Bは、複製モデル116に対して、ストレージ88内の教師データ98を用いて学習処理を行うことで、撮像に関する制御に用いられる学習済みモデルである第2学習済みモデル118を生成する。すなわち、モデル生成部86Bは、ストレージ88に記憶された教師データ98の撮像画像75の数が第1閾値に到達したことを条件に複製モデル116に対して、ストレージ88内の教師データ98を用いて学習処理を行うことで第2学習済みモデル118を生成する。
【0115】
一例として
図8に示すように、モデル生成部86Bは、ストレージ88から教師データ98を取得し、取得した教師データ98に含まれる撮像画像75を複製モデル116に入力する。複製モデル116は、撮像画像75が入力されると、各種の設定値102に対応するCNN信号116Aを出力する。CNN信号116Aは、CNN信号104Aと同様に、各種の設定値102と同様の項目の設定値を示す信号である。
【0116】
モデル生成部86Bは、複製モデル116に入力した撮像画像75に対応付けられている正解データ100とCNN信号116Aとの誤差120を算出する。誤差120とは、例えば、ホワイトバランスRの設定値の誤差、ホワイトバランスBの設定値の誤差、露出の補正に用いられる設定値の誤差、撮像シーンに応じたハイカラートーンの調整に用いられる設定値の誤差、撮像シーンに応じたシャドウトーンの調整に用いられる設定値の誤差、及び撮像シーンに応じたカラーの調整に用いられる設定値の誤差等を指す。
【0117】
モデル生成部86Bは、誤差120を最小にする複数の調整値122を算出する。そして、モデル生成部86Bは、算出した複数の調整値122を用いて複製モデル116内の複数の最適化変数を調整する。ここで、複製モデル116内の複数の最適化変数とは、例えば、複製モデル116に含まれる複数の結合荷重及び複数のオフセット値等を指す。
【0118】
モデル生成部86Bは、撮像画像75の複製モデル116への入力、誤差120の算出、複数の調整値122の算出、及び複製モデル116内の複数の最適化変数の調整、という学習処理を、ストレージ88に記憶されている撮像画像75の数分だけ繰り返し行う。すなわち、モデル生成部86Bは、ストレージ88内の複数分の撮像画像75の各々について、誤差120が最小になるように算出した複数の調整値122を用いて複製モデル116内の複数の最適化変数を調整することで、複製モデル116を最適化する。
【0119】
モデル生成部86Bは、複製モデル116を最適化することで第2学習済みモデル11
8を生成する。すなわち、複製モデル116に含まれる複数の最適化変数が調整されることによって複製モデル116が最適化され、これによって第2学習済みモデル118が生成される。モデル生成部86Bは、生成した第2学習済みモデル118をストレージ88に記憶させる。
【0120】
なお、
図8に示す例において、ストレージ88内の教師データ98は、本開示の技術に係る「教師データ」の一例であり、ストレージ88内の撮像画像75は、本開示の技術に係る「第1画像」の一例であり、ストレージ88内の正解データ100は、本開示の技術に係る「設定値」の一例である。
【0121】
一例として
図9に示すように、ストレージ88には、基準画像セット124が記憶されている。基準画像セット124は、複数の基準画像124Aを有する。基準画像124Aは、本開示の技術に係る「第2画像」の一例である。
【0122】
複数の基準画像124Aは、互いに異なるシーンで撮像装置12によって撮像が行われることで取得された画像である。
図9に示す例では、複数の基準画像124Aの一例として、第1シーンで撮像装置12によって撮像が行われることで取得された画像、第2シーンで撮像装置12によって撮像が行われることで取得された画像、第3シーンで撮像装置12によって撮像が行われることで取得された画像、第4シーンで撮像装置12によって撮像が行われることで取得された画像、及び第5シーンで撮像装置12によって撮像が行われることで取得された画像が示されている。
【0123】
実行部86Dは、ストレージ88に記憶された教師データ98の撮像画像75の数が第1閾値に到達したことを条件に特定処理を行う。本実施形態では、一例として、ストレージ88に記憶された教師データ98の撮像画像75の数が第1閾値に到達したことを条件に生成された第2学習済みモデル118の出力結果次第で、特定処理が行われる。これについて、以下、より詳しく説明する。
【0124】
実行部86Dは、基準画像124Aが第1学習済みモデル106に入力された場合に第1学習済みモデル106から出力される第1設定値106Aと、基準画像124Aが第2学習済みモデル118に入力された場合に第2学習済みモデル118から出力される第2設定値118Aとに基づいて特定処理を行う。具体的には、先ず、実行部86Dは、複数の基準画像124Aのうちの1つの基準画像124Aを第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118に入力する。第1学習済みモデル106は、基準画像124Aが入力されると、第1設定値106Aを出力する。第1設定値106Aは、各種の設定値102と同様の項目(以下、「各種設定項目」とも称する)の設定値である。第2学習済みモデル118は、基準画像124Aが入力されると、第2設定値118Aを出力する。第2設定値118Aも、各種設定項目の設定値である。
【0125】
実行部86Dは、第1設定値106Aと第2設定値118Aとの相違度125を算出する。相違度125とは、例えば、第1設定値106Aと第2設定値118Aとの差分の絶対値を指す。なお、差分の絶対値は、あくまでも一例に過ぎず、第1設定値106Aに対する第2設定値118Aの割合、又は、第2設定値118Aに対する第1設定値106Aの割合等であってもよく、第1設定値106Aと第2設定値118Aとの違いの度合いを示す値であればよい。
【0126】
また、ここでは、第1設定値106Aと第2設定値118Aとの相違度125として、例えば、各種設定項目の各々の相違度の平均値が用いられる。例えば、第1設定値106Aと第2設定値118Aとの相違度は、ホワイトバランスRについての第1設定値106Aと第2設定値118Aとの相違度、ホワイトバランスBについての第1設定値106Aと第2設定値118Aとの相違度、露出の補正に用いられる第1設定値106Aと第2設定値118Aとの相違度、撮像シーンに応じたハイカラートーンの調整に用いられる第1設定値106Aと第2設定値118Aとの相違度、撮像シーンに応じたシャドウトーンの調整に用いられる第1設定値106Aと第2設定値118Aとの相違度、及び撮像シーンに応じたカラーの調整に用いられる第1設定値106Aと第2設定値118Aとの相違度等の平均値である。なお、本実施形態では、それぞれの設定値を同等に扱うことができるように、例えば点数化を行っている。
【0127】
実行部86Dは、複数の基準画像124Aのうちの残りの基準画像124Aについても、同様に、相違度125を算出する。そして、実行部86Dは、複数の基準画像124Aの全てについての相違度125が第2閾値以上であるか否かを判定する。実行部86Dは、複数の基準画像124Aの全てについての相違度125が第2閾値以上の場合に、特定処理を行う。
【0128】
ここでは、全ての相違度の平均を算出しているが、これはあくまで一例にすぎない。上記の設定値の各項目全てにおいて差が出ている必要はなく、例えば、ある1つの設定値で第2閾値以上の差が出た場合に特定処理を行うようにしてもよい。なお、平均値に対しての第2閾値と、いずれか1つの設定値に対しての第2閾値は異なる場合もある。また、ここでは、複数の基準画像124Aの全てについての相違度125が第2閾値以上であることを条件に特定処理が実行される形態例を挙げているが、これは、あくまでも一例に過ぎない。例えば、複数の基準画像124Aの各々について算出された相違度125が第2閾値以上と判定された回数が、複数の基準画像124Aの数(本例では、第1~第5シーンの基準画像124Aの5枚(フレーム))のうちの既定数(例えば、過半数、又は、何れか1フレーム等)以上であることを条件に特定処理が行われるようにしてもよい。また、例えば、複数の基準画像124Aの全てについての相違度125の平均値が第2閾値以上であることを条件に特定処理が行われるようにしてもよい。また、例えば、複数の基準画像124Aの全てについての相違度125の最大値が第2閾値以上であることを条件に特定処理が行われるようにしてもよい。また、例えば、複数の基準画像124Aの全てについての相違度125の最小値が第2閾値以上であることを条件に特定処理が行われるようにしてもよい。また、例えば、複数の基準画像124Aの全てについての相違度125の中央値が第2閾値以上であることを条件に特定処理が行われるようにしてもよい。
【0129】
実行部86Dによって実行される特定処理とは、後述する第1~第12処理の何れかの処理を含む処理を指す。但し、これは、あくまでも一例に過ぎず、第1~第12処理のうちの複数の処理を含む処理が特定処理として実行部86Dによって行われてもよい。
【0130】
図10には、相違度125を算出する処理及び相違度125が第2閾値以上であるか否かを判定する処理という一連の処理(以下、「検証」とも称する)が実行部86Dによって行われるタイミングの一例が示されている。
【0131】
図10に示す例では、撮像装置12によって撮像されることで取得された撮像画像75の数(以下、「撮像フレーム数」とも称する)が“10000”に達するまでは、CNN104に対しては「学習待機」とされ、CNN104に対する学習処理が行われない。撮像フレーム数が“10000”に達すると、CNN104に対する学習処理が行われ、これによって第1学習済みモデル106が生成される。第1学習済みモデル106が生成されると、第1学習済みモデル106の運用が開始される。すなわち、第1学習済みモデル106に対して推論(例えば、第1学習済みモデル106に対して撮像画像75等を入力することで、第1学習済みモデル106から第1設定値106Aを出力させる処理)を行わせ、第1学習済みモデル106による推論結果を用いた処理が撮像支援装置14によって行われる。第1学習済みモデル106による推論結果を用いた処理としては、例えば、撮像画像75が第1学習済みモデル106に入力された場合に第1学習済みモデル106から出力される第1設定値106Aを、撮像に関連する制御に反映させる処理(例えば、第1設定値106Aを撮像装置12に対して設定する処理)が挙げられる。なお、第1学習済みモデル106は、撮像装置12を作るメーカが予め生成してカメラ(例えば、撮像装置12)内のメモリ(例えば、NVM64)に記憶させてもよい。
【0132】
また、撮像フレーム数が“10000”に達すると、複製モデル116が生成される。複製モデル116が生成されると、撮像フレーム数が“11000”に達するまでは、複製モデル116に対しては「学習待機」とされ、複製モデル116に対する学習処理が行われない。
【0133】
撮像フレーム数が“11000”に達すると、複製モデル116に対する学習処理が行われ、これによって第2学習済みモデル118が生成される。第2学習済みモデル118が生成されると、検証が行われる。検証では、第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118に対して、基準画像セット124に含まれる全ての基準画像124Aの各々が順次に入力される。これにより、第1学習済みモデル106から第1設定値106Aが出力され、第2学習済みモデル118から第2設定値118Aが出力される。そして、第1学習済みモデル106から出力された第1設定値106Aと第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aとの相違度125が算出され、算出された相違度125が第2閾値以上であるか否かが判定される。ここで、相違度125が第2閾値以上の場合に、特定処理を含む処理が実行される。
【0134】
特定処理を含む処理には、第1学習済みモデル106の運用から既存の第2学習済みモデル118の運用(例えば、最新の第2学習済みモデル118の運用)に切り替える処理が含まれる。すなわち、既存の第2学習済みモデル118に対して推論(例えば、既存の第2学習済みモデル118に対して撮像画像75等を入力することで、既存の第2学習済みモデル118から第2設定値118Aを出力させる処理)を行わせ、既存の第2学習済みモデル118による推論結果を用いた処理が撮像支援装置14によって行われる。第2学習済みモデル118による推論結果を用いた処理としては、例えば、撮像画像75が第2学習済みモデル118に入力された場合に第2学習済みモデル118から出力される第2設定値118Aを、撮像に関連する制御に反映させる処理(例えば、第2設定値118Aを撮像装置12に対して設定する処理)が挙げられる。
【0135】
一方、第1学習済みモデル106と既存の第2学習済みモデル118とを用いた検証において、相違度125が第2閾値未満の場合、特定処理が実行されず、撮像フレーム数が“12000”に達するまでは、第2学習済みモデル118に対しては「学習待機」とされ、第2学習済みモデル118に対する学習処理が行われない。ここで、相違度125が第2閾値未満の場合の既存の第2学習済みモデル118、すなわち、相違度125が第2閾値未満と判定された時点での最新の第2学習済みモデル118は、本開示の技術に係る「学習モデル」の一例である。
【0136】
撮像フレーム数が“12000”に達すると、既存の第2学習済みモデル118に対する学習処理が行われ、これによって新たな第2学習済みモデル118が生成される。新たな第2学習済みモデル118が生成されると、検証が行われる。検証では、第1学習済みモデル106及び新たな第2学習済みモデル118に対して、基準画像セット124に含まれる全ての基準画像124Aの各々が順次に入力される。これにより、第1学習済みモデル106から第1設定値106Aが出力され、新たな第2学習済みモデル118から第2設定値118Aが出力される。そして、第1学習済みモデル106から出力された第1設定値106Aと新たな第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aとの相違度125が算出され、算出された相違度125が第2閾値以上であるか否かが判定される。ここで、相違度125が第2閾値以上の場合に、特定処理が実行される。相違度125が第2閾値未満の場合、特定処理が実行されず、撮像フレーム数が“13000”に達するまでは、既存の第2学習済みモデル118に対しては「学習待機」とされ、既存の第2学習済みモデル118に対する学習処理が行われない。以降、撮像フレーム数が“1000”に達する毎に、「相違度125≧第2閾値」の条件を満足するまで、同様の処理が行われる。
【0137】
なお、
図10に示す例において、複製モデル116が複製された時期、すなわち、撮像フレーム数が“10000”に達した時期は、本開示の技術に係る「特定時期」の一例である。また、
図10に示す例において、撮像フレーム数が“10000”を超える期間において、検証に用いられる第2学習済みモデル118が生成された時期は、本開示の技術に係る「特定時期」の一例である。また、撮像フレーム数が“10000”を超える期間において、検証に用いられる第2学習済みモデル118が生成された時期から撮像フレーム数が“1000”に達するまでの期間(すなわち、次の検証が行われるまでの期間)は、本開示の技術に係る「特定時期から条件を満足するまでの期間」の一例である。
【0138】
図10に示す例では、撮像フレーム数が“10000”に達するまでCNN104に対して学習処理が行われない形態例が示されているが、これは、あくまでも一例に過ぎず、学習待機が解除される条件となる撮像フレーム数は、“10000”未満の値(例えば、“1000”)であってもよいし、“10000”を超える値(例えば、“100000”)であってもよい。また、
図10に示す例では、撮像フレーム数が“10000”を超える場合において、撮像フレーム数が“1000”単位で検証が行われる形態例が示されているが、これは、あくまでも一例に過ぎず、検証が行われる条件となる撮像フレーム数は、“1000”未満の値(例えば、“100”)であってもよいし、“1000”を超える値(例えば、“10000”)であってもよい。
【0139】
一例として
図11に示すように、実行部86Dは、第1処理実行部86D1、第2処理実行部86D2、第3処理実行部86D3、第4処理実行部86D4、第5処理実行部86D5、第6処理実行部86D6、第7処理実行部86D7、第8処理実行部86D8、第9処理実行部86D9、第10処理実行部86D10、第11処理実行部86D11、及び第12処理実行部86D12を有する。
【0140】
第1処理実行部86D1は、第1処理を実行する(
図12参照)。第2処理実行部86D2は、第2処理を実行する(
図13参照)。第3処理実行部86D3は、第3処理を実行する(
図14参照)。第4処理実行部86D4は、第4処理を実行する(
図15~
図18参照)。第5処理実行部86D5は、第5処理を実行する(
図19参照)。第6処理実行部86D6は、第6処理を実行する(
図20参照)。第7処理実行部86D7は、第7処理を実行する(
図21参照)。第8処理実行部86D8は、第8処理を実行する(
図22参照)。第9処理実行部86D9は、第9処理を実行する(
図23及び
図24参照)。第10処理実行部86D10は、第10処理を実行する(
図25及び
図26参照)。第11処理実行部86D11は、第11処理を実行する(
図27参照)。第12処理実行部86D12は、第12処理を実行する(
図28参照)。
【0141】
一例として
図12に示すように、第1処理実行部86D1は、第1処理として、撮像に関連する制御に対して第2設定値118Aを反映させる処理を実行する。例えば、先ず、第1処理実行部86D1は、撮像装置12から撮像画像75を取得し、取得した撮像画像75を第2学習済みモデル118に入力する。第2学習済みモデル118は、撮像画像75が入力されると、第2設定値118Aを出力する。第1処理実行部86D1は、第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aを含む第1処理信号を撮像装置12に送信する。撮像装置12は、第1処理実行部86D1から送信された第1処理信号を受信し、受信した第1処理信号に含まれる第2設定値118Aを用いて撮像を行う。
【0142】
なお、
図12に示す例では、第2学習済みモデル118に対して撮像画像75が入力される形態例が示されているが、これは、あくまでも一例に過ぎず、撮像画像75以外の画像が第2学習済みモデル118に入力されてもよい。撮像画像75以外の画像としては、例えば、複数の基準画像124Aのうち、ユーザ等によって選択された少なくとも1つが挙げられる。
【0143】
一例として
図13に示すように、第2処理実行部86D2は、第2処理として、第2学習済みモデル118をバックアップ用記憶装置94に対して記憶させる処理を実行する。例えば、第2処理実行部86D2は、検証で用いられた最新の第2学習済みモデル118をバックアップ用記憶装置94に対して記憶させる。なお、ここでは、第2学習済みモデル118の記憶先としてバックアップ用記憶装置94を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されず、バックアップ用記憶装置94に代えて、ネットワーク34上に存在している他の装置(例えば、撮像装置12、サーバ、又はパーソナル・コンピュータ等)の記憶装置を用いてもよい。
【0144】
一例として
図14に示すように、第3処理実行部86D3は、第3処理として、第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118のうち、受け付けた指示に従って選択された方の出力を、撮像に関連する制御に対して反映させる処理を実行する。
【0145】
この場合、例えば、撮像装置12に対してユーザ等から与えられた指示に従って第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118のうちの何れかが選択される。
図14に示す例では、撮像装置12のディスプレイ28にモデル指示画面127が表示されており、ユーザ等からの指示がタッチパネル30によって受け付けられる。
【0146】
モデル指示画面127には、メッセージ127A、ソフトキー127B、及びソフトキー127Cが表示されている。メッセージ127Aは、学習済みモデルの選択をユーザに促すメッセージである。
図14に示す例では、メッセージ127Aの一例として、「学習済みモデルを選択して下さい。」というメッセージが示されている。ソフトキー127Bは、ユーザ等によって第1学習済みモデル106が選択される場合にタッチパネル30を介してオンされる。ソフトキー127Cは、ユーザ等によって第2学習済みモデル118が選択される場合にタッチパネル30を介してオンされる。
図14に示す例では、ソフトキー127Cがユーザ等によってオンされている態様例が示されている。ソフトキー127B又はソフトキー127Cがタッチパネル30を介してオンされると、撮像装置12は、モデル選択情報129を第3処理実行部86D3に送信する。モデル選択情報129は、第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118の何れかがユーザ等によって選択されたかを示す情報(例えば、ソフトキー127B及び127Cの何れかがオンされたかを示す情報)である。
【0147】
第3処理実行部86D3は、撮像装置12から送信されたモデル選択情報129を受信し、受信したモデル選択情報129を参照して、第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118の何れが選択されたかを特定する。第3処理実行部86D3は、第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118のうち、特定した方(以下、「選択学習済みモデル」とも称する)に撮像画像75を入力する。選択学習済みモデルが第1学習済みモデル106であれば、第1学習済みモデル106は、第1設定値106Aを出力する。選択学習済みモデルが第2学習済みモデル118であれば、第2学習済みモデル118は、第2設定値118Aを出力する。
【0148】
第3処理実行部86D3は、第1学習済みモデル106から出力された第1設定値106A又は第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aを含む信号を第3処理信号として撮像装置12に送信する。以下、説明の便宜上、第1学習済みモデル106から出力された第1設定値106Aと、第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aとを区別して説明する必要がない場合、「出力設定値」と称する。
【0149】
撮像装置12は、第3処理実行部86D3から送信された第3処理信号を受信し、受信した第3処理信号に含まれる出力設定値を用いて撮像を行う。
【0150】
なお、
図14に示す例では、第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118の各々に対して撮像画像75が入力される形態例が示されているが、これは、あくまでも一例に過ぎず、撮像画像75以外の画像が第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118のうちの少なくとも一方に入力されてもよい。
【0151】
一例として
図15に示すように、第4処理実行部86D4は、第4処理として、第1学習済みモデル106に対して基準画像セット124を入力することで第1学習済みモデル106から出力された第1設定値106Aが基準画像セット124に適用されることで得られる画像に相当するシミュレーション画像128A、及び第2学習済みモデル118に対して基準画像セット124を入力することで第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aが基準画像セット124に適用されることで得られるシミュレーション画像128Bをディスプレイ28(
図16参照)に対して表示させるためのデータを出力する。
【0152】
ここで、基準画像セット124は、本開示の技術に係る「第3画像」及び「第5画像」の一例である。すなわち、「第3画像」及び「第5画像」は同じ画像であってもよい。また、第1設定値106Aは、本開示の技術に係る「第1出力結果」の一例である。また、第2設定値118Aは、本開示の技術に係る「第2出力結果」の一例である。また、シミュレーション画像セット126Bは、本開示の技術に係る「第4画像」の一例である。また、シミュレーション画像128Bは、本開示の技術に係る「第6画像」の一例である。また、ディスプレイ28は、本開示の技術に係る「第1ディスプレイ」の一例である。
【0153】
図15に示す例において、第4処理実行部86D4は、基準画像セット124に含まれる全ての基準画像124Aの各々を第1学習済みモデル106に順次に入力する。第1学習済みモデル106は、基準画像124Aが入力される毎に、第1設定値106Aを出力する。第4処理実行部86D4は、第1学習済みモデル106から第1設定値106Aが出力される毎に、出力された第1設定値106Aと、対応する基準画像124Aとに基づいて、シミュレーション画像128A及び使用モデル識別子130Aを含むシミュレーション画像セット126Aを生成する。シミュレーション画像セット126Aは、基準画像セット124に含まれる全ての基準画像124Aの各々について生成される。なお、ここでは、全ての基準画像124Aの各々を第1学習済みモデル106に順次に入力したが、何れか1つ又は複数であってもよい。
【0154】
シミュレーション画像128Aは、第1設定値106Aを用いた撮像が行われた場合に撮像装置12によって取得される撮像画像75として予想される画像である。シミュレーション画像128Aの一例としては、撮像装置12によって撮像が行われることで基準画像124Aが取得されることを前提として、第1設定値106Aを用いた撮像が行われた場合に第1設定値106Aの影響を受けた基準画像124Aに相当する画像が挙げられる。
【0155】
シミュレーション画像セット126Aに含まれる使用モデル識別子130Aは、第1学習済みモデル106を特定可能な識別子である。使用モデル識別子130Aは、シミュレーション画像128Aに対応付けられる。
【0156】
図15に示す例において、第4処理実行部86D4は、基準画像セット124に含まれる全ての基準画像124Aの各々を第2学習済みモデル118に順次に入力する。第2学習済みモデル118は、基準画像124Aが入力される毎に、第2設定値118Aを出力する。第4処理実行部86D4は、第2学習済みモデル118から第2設定値118Aが出力される毎に、出力された第2設定値118Aと、対応する基準画像124Aとに基づいて、シミュレーション画像128B及び使用モデル識別子130Bを含むシミュレーション画像セット126Bを生成する。シミュレーション画像セット126Bは、基準画像セット124に含まれる全ての基準画像124Aの各々について生成される。
【0157】
シミュレーション画像128Bは、第2設定値118Aを用いた撮像が行われた場合に撮像装置12によって取得される撮像画像75として予想される画像である。シミュレーション画像128Bの一例としては、撮像装置12によって撮像が行われることで基準画像124Aが取得されることを前提として、第2設定値118Aを用いた撮像が行われた場合に第2設定値118Aの影響を受けた基準画像124Aに相当する画像が挙げられる。
【0158】
シミュレーション画像セット126Bに含まれる使用モデル識別子130Bは、第2学習済みモデル118を特定可能な識別子である。使用モデル識別子130Bは、シミュレーション画像セット126Bに対応付けられる。
【0159】
なお、以下では、説明の便宜上、シミュレーション画像セット126A及び126Bを含むデータをシミュレーション画像セット126と称する。また、シミュレーション画像128A及び128Bを区別して説明する必要がない場合、シミュレーション画像128と称する。また、使用モデル識別子130A及び130Bを区別して説明する必要がない場合、使用モデル識別子130と称する。
【0160】
第4処理実行部86D4は、シミュレーション画像セット126を撮像装置12に送信する。撮像装置12は、第4処理実行部86D4から送信されたシミュレーション画像セット126を受信する。ここで、シミュレーション画像セット126は、本開示の技術に係る「第1データ」の一例である。
【0161】
一例として
図16に示すように、撮像装置12のCPU62は、シミュレーション画像セット126に基づいてシミュレーション画像表示画面132を生成し、ディスプレイ28に対してシミュレーション画像表示画面132を表示させる。シミュレーション画像表示画面132には、シミュレーション画像128等が表示される。
【0162】
シミュレーション画像表示画面132は、第1画面132Aと第2画面132Bとを含んでいる。CPU62は、シミュレーション画像セット126Aに基づいて第1画面132Aを生成し、シミュレーション画像セット126Bに基づいて第2画面132Bを生成する。
図16に示す例では、シミュレーション画像表示画面132内の上半分の領域が第1画面132Aであり、下半分の領域が第2画面132Bである。
【0163】
CPU62は、使用モデル識別子130を参照して、第1画面132Aにシミュレーション画像128Aが表示され、かつ、第2画面132Bにシミュレーション画像128Bが表示されるようにディスプレイ28を制御する。なお、表示されるシミュレーション画像128A及び128Bは1つであっても複数であってもよい。これにより、ディスプレイ28には、シミュレーション画像128Aとシミュレーション画像128Bとが区別可能な態様で表示される。なお、使用モデル識別子130は、本開示の技術に係る「第4画像と第6画像とを区別可能な態様で第1ディスプレイに対して表示させるためのデータ」の一例である。
【0164】
CPU62は、シミュレーション画像セット126Aに含まれている使用モデル識別子130Aに基づいて、シミュレーション画像128Aに対応させた状態でメッセージ132A1をディスプレイ28に表示させる。また、CPU62は、シミュレーション画像セット126Bに含まれている使用モデル識別子130Bに基づいて、シミュレーション画像128Bに対応させた状態でメッセージ132B1をディスプレイ28に対して表示させる。
図16に示す例では、第1画面132Aにメッセージ132A1が表示されることで、メッセージ132A1がシミュレーション画像128Aに対応付けられており、第2画面132Bにメッセージ132B1が表示されることで、メッセージ132B1がシミュレーション画像128Bに対応付けられている。
【0165】
メッセージ132A1は、第1学習済みモデル106を特定可能なメッセージであり、メッセージ132B1は、第2学習済みモデル118を特定可能なメッセージである。
図16に示す例では、メッセージ132A1の一例として、「第1学習済みモデルによるシミュレーション画像」というメッセージが示されており、メッセージ132B1の一例として、「第2学習済みモデルによるシミュレーション画像」というメッセージが示されている。
【0166】
図16で例示されているメッセージ132A1の内容は、あくまでも一例に過ぎず、メッセージ132A1は、第1画面132Aに表示されているシミュレーション画像128Aが第1学習済みモデル106に依拠して生成されたシミュレーション画像であることを示すメッセージであればよい。また、
図16で例示されているメッセージ132B1の内容は、あくまでも一例に過ぎず、メッセージ132B1は、第2画面132Bに表示されているシミュレーション画像128Bが第2学習済みモデル118に依拠して生成されたシミュレーション画像であることを示すメッセージであればよい。
【0167】
なお、メッセージ132A1は、本開示の技術に係る「第1学習済みモデル特定情報」の一例であり、メッセージ132B1は、本開示の技術に係る「第2学習済みモデル特定情報」の一例である。また、使用モデル識別子130は、本開示の技術に係る「第4画像と第1学習済みモデルを特定可能な第1学習済みモデル特定情報とを対応させた状態で第1ディスプレイに対して表示させ、かつ、第6画像と第2学習済みモデルを特定可能な第2学習済みモデル特定情報とを対応させた状態で第1ディスプレイに対して表示させるためのデータ」の一例である。
【0168】
ここでは、シミュレーション画像128Aが第1学習済みモデル106に依拠した画像であることがメッセージ132A1によって特定され、シミュレーション画像128Bが第2学習済みモデル118に依拠した画像であることがメッセージ132B1によって特定されるようにしているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、シミュレーション画像128Aの外枠に対して、第1学習済みモデル106によるシミュレーション画像であることを特定可能な色を付し、シミュレーション画像128Bの外枠に対して、第2学習済みモデル118によるシミュレーション画像であることを特定可能な色を付してもよい。また、第1学習済みモデル106によるシミュレーション画像であることを特定可能なマーク等がシミュレーション画像128Aに関連付けられた状態で表示され、第2学習済みモデル118によるシミュレーション画像であることを特定可能なマーク等がシミュレーション画像128Bに関連付けられた状態で表示されるようにしてもよい。
【0169】
一例として
図17に示すように、シミュレーション画像表示画面132がディスプレイ28に表示されている状態で、シミュレーション画像表示画面132内の何れかのシミュレーション画像128がユーザ等によってタッチパネル30を介して選択された場合に、CPU62は、何れのシミュレーション画像128が選択されたかを特定可能な選択画像特定情報134を撮像支援装置14に送信する。撮像支援装置14の第4処理実行部86D4は、撮像装置12から送信された選択画像特定情報134を受信する。
【0170】
一例として
図18に示すように、第4処理実行部86D4は、第4処理に含まれる処理の1つとして、ディスプレイ28に表示された複数のシミュレーション画像128のうち、シミュレーション画像128Aが選択された場合に第1学習済みモデル106の出力を、撮像に関連する制御に対して反映させ、シミュレーション画像128Bが選択された場合に第2学習済みモデル118の出力を、撮像に関連する制御に対して反映させる処理を実行する。
【0171】
この場合、例えば、第4処理実行部86D4は、選択画像特定情報134を参照して、複数のシミュレーション画像128のうちの何れのシミュレーション画像128がユーザ等によって選択されたかを特定する。第4処理実行部86D4は、特定したシミュレーション画像128の生成に用いられた基準画像124Aを、特定したシミュレーション画像128の生成に用いられた学習済みモデルに入力する。シミュレーション画像128の生成に用いられた学習済みモデルは、第1学習済みモデル106又は第2学習済みモデル118である。基準画像124Aが第1学習済みモデル106に入力された場合、第1学習済みモデル106は第1設定値106Aを出力し、基準画像124Aが第2学習済みモデル118に入力された場合、第2学習済みモデル118は第2設定値118Aを出力する。
【0172】
第4処理実行部86D4は、出力設定値を含む信号を第4処理信号として撮像装置12に送信する。撮像装置12は、第4処理実行部86D4から送信された第4処理信号を受信し、受信した第4処理信号に含まれる出力設定値を用いて撮像を行う。
【0173】
一例として
図19に示すように、第5処理実行部86D5は、第5処理として、第2学習済みモデル118を生成した時期を特定可能な時期特定情報136をディスプレイ28に対して表示させるためのデータを出力する処理を実行する。なお、画像を表示せずに複数の時期特定情報136がディスプレイ28に表示されるようにしてもよい。例えば、複数の時期特定情報136により特定される複数の年月日の情報が列挙されてディスプレイ28に表示される。また、ユーザがそれらの日付を選択することにより、使用する学習済みモデルを選択できるようにしてもよい。
【0174】
この場合、例えば、第5処理実行部86D5は、第2学習済みモデル118がモデル生成部86B(
図8参照)によって生成されたか否かを判定する。第5処理実行部86D5は、第2学習済みモデル118がモデル生成部86Bによって生成された場合に、時期特定情報136を取得する。例えば、時期特定情報136は、クロック(一例として、リアルタイムクロック)から取得される。第5処理実行部86D5は、最新の第2設定値118Aを取得する。最新の第2設定値118Aとしては、例えば、「相違度125≧第2閾値」の条件を満足した場合の相違度125の算出に用いられた第2設定値118Aが挙げられる。
【0175】
第5処理実行部86D5は、第2設定値反映画像138を生成する。第2設定値反映画像138は、第2学習済みモデル118の出力、すなわち、最新の第2設定値118Aを基準画像124Aに反映させることで得られた画像である。つまり、第2設定値反映画像138は、第4処理実行部86D4によってシミュレーション画像128(
図15)が生成された要領と同様の要領で、最新の第2設定値118A及び基準画像124Aに基づいて生成される。
【0176】
第5処理実行部86D5は、第2設定値反映画像138に対して時期特定情報136を対応付ける。そして、第5処理実行部86D5は、時期特定情報136が対応付けられた第2設定値反映画像138を撮像装置12に送信する。撮像装置12は、時期特定情報136が対応付けられた第2設定値反映画像138を受信する。撮像装置12では、CPU62の制御下で、ディスプレイ28に、第2設定値反映画像138と、時期特定情報136から特定される時期(例えば、第2学習済みモデル118が生成された時刻)とが並べられた状態で表示される。
【0177】
なお、時期特定情報136及び第2設定値反映画像138は、本開示の技術に係る「第2データ」である。また、時期特定情報136及び第2設定値反映画像138は、本開示の技術に係る「時期特定情報を、第2学習済みモデルの出力が反映された第7画像と対応させた状態で第2ディスプレイに対して表示させるためのデータ」の一例である。また、第2設定値反映画像138は、本開示の技術に係る「第7画像」の一例である。
【0178】
一例として
図20に示すように、第6処理実行部86D6は、第6処理として、時期特定情報136と第2学習済みモデル118とを対応付ける処理を実行する。この場合、例えば、第6処理実行部86D6は、第2学習済みモデル118がモデル生成部86Bによって生成された場合に、時期特定情報136を取得する。第6処理実行部86D6は、取得した時期特定情報136を、ストレージ88内の第2学習済みモデル118と対応付けてストレージ88に記憶させる。なお、
図20に示す例では、第2学習済みモデル118と時期特定情報136とが対応付けられた状態でストレージ88に記憶されているが、本開示の技術はこれに限定されず、バックアップ用記憶装置94に、第2学習済みモデル118と時期特定情報136とが対応付けられた状態で記憶されるようにしてもよい。
【0179】
また、撮像支援装置14のCPU86は、既存の第2学習済みモデル118(
図20に示す例では、ストレージ88に記憶されている第2学習済みモデル118)を第1学習済みモデル106と同様に扱い、既存の第2学習済みモデル118を複製した学習済みモデルである複製学習済みモデルを複製モデル116と同様に扱うことで、複製学習済みモデルに対して学習処理を行うようにしてもよい。
【0180】
この場合、CPU86は、複製学習済みモデルに対して学習処理を行うことで第3学習済みモデルを生成し、生成した第3学習済みモデルに対して、第2学習済みモデル118と同様に、時期特定情報136を対応付ける。そして、CPU86は、第3学習済みモデルと時期特定情報136を対応付けた状態でストレージ88に記憶させる。第2学習済みモデル118に対して学習処理が行われることで第3学習済みモデルが生成されるのと同様の処理が繰り返し行われることで、ストレージ88には、運用可能な複数の学習済みモデルが時期特定情報136と対応付けられた状態で蓄積される。すなわち、Nを3以上の自然数とした場合、N個以上の学習済みモデルが時期特定情報136と対応付けられた状態でストレージ88に蓄積される。なお、N個以上の学習済みモデルは、時期特定情報136と対応付けられた状態でバックアップ用記憶装置94に蓄積されるようにしてもよい。
【0181】
一例として
図21に示すように、第7処理実行部86D7は、第7処理として、予め定められたタイミングで第2学習済みモデル118の出力を、撮像に関連する制御に対して反映させる処理を実行する。
【0182】
この場合、例えば、第7処理実行部86D7は、第2学習済みモデル118から出力された最新の第2設定値118Aをストレージ88に記憶させる。最新の第2設定値118Aとしては、例えば、最新の検証で用いられた第2設定値118Aが挙げられる。第7処理実行部86D7は、ストレージ88に最新の第2設定値118Aが記憶されてから、予め定められたタイミングが到来したか否かを判定する。予め定められたタイミングとしては、例えば、撮像装置12が起動したタイミング、撮像装置12によって撮像されることで取得された撮像画像75の数(一例として、最新の第2設定値118Aがストレージ88に記憶されてから、撮像装置12によって撮像されることで取得された撮像画像75の数)が第6閾値(例えば、“10000”)以上になったタイミング、撮像装置12の動作モードが再生モードから設定モードに遷移したタイミング、又は再生モードにて撮像画像75に対してレーティング(例えば、撮像画像75の画質に対するユーザ等による評価)が行われたタイミングが挙げられる。
【0183】
第7処理実行部86D7は、予め定められたタイミングが到来した場合に、ストレージ88から第2設定値118Aを取得し、取得した第2設定値118Aを撮像に関連する制御に反映させる。この場合、例えば、第7処理実行部86D7は、ストレージ88から取得した第2設定値118Aを含む信号を第7処理信号として撮像装置12に送信する。撮像装置12は、第7処理実行部86D7から送信された第7処理信号を受信し、受信した第7処理信号に含まれる第2設定値118Aを用いて撮像を行う。
【0184】
一例として
図22に示すように、第8処理実行部86D8は、第8処理として、撮像装置12とは異なる撮像装置である別機140に対して第2学習済みモデル118を適用する場合に、撮像装置12の特性と別機140の特性とに基づいて、第2学習済みモデル118に入力されるデータ及び第2学習済みモデル118からの出力のうちの少なくとも一方を補正する処理を実行する。
【0185】
図22に示す例において、ストレージ88には、第2学習済みモデル118及びイメージセンサ情報142が記憶されている。イメージセンサ情報142は、複数のイメージセンサに関する情報である。イメージセンサ情報142は、第2学習済みモデル118に付随しており、特性情報142A及び個体差情報142Bを有する。
【0186】
特性情報142Aは、第2学習済みモデル118に関与する異なるイメージセンサの各々の特性を示す情報である。第2学習済みモデル118に関与する異なるイメージセンサとしては、例えば、現時点で第2学習済みモデル118が適用されている撮像装置12(すなわち、現時点で第2学習済みモデル118の出力が反映される撮像装置12)のイメージセンサ20、及び第2学習済みモデル118が適用される新たな対象に搭載されているイメージセンサが挙げられる。
図22に示す例において、第2学習済みモデル118が適用される新たな対象に搭載されているイメージセンサは、別機140に搭載されているイメージセンサ140Aである。
【0187】
個体差情報142Bは、第2学習済みモデル118に関与する異なるイメージセンサ間の個体差を示す情報である。個体差の一例としては、一方のイメージセンサ(例えば、イメージセンサ20)のRGB各画素の感度と他方のイメージセンサ(例えば、別機140に搭載されているイメージセンサ)のRGB各画素の感度との差、一方のイメージセンサのISO感度と他方のイメージセンサのISO感度との差、及び/又は、一方のイメージセンサの電子シャッタの速度と他方の第2イメージセンサの電子シャッタの速度との差等が挙げられる。
【0188】
第8処理実行部86D8は、別機140から、別機140の特性を示す情報として、イメージセンサ140Aを特定可能な情報を含む別機情報144を取得する。第8処理実行部86D8は、別機情報144及びイメージセンサ情報142を用いて、撮像装置12の特性(例えば、イメージセンサ情報142から特定可能な特性)と別機140の特性(例えば、イメージセンサ情報142から特定可能な特性)とを特定する。例えば、第8処理実行部86D8は、別機情報144から特定されるイメージセンサ140Aに関連する特性情報142A、及び別機情報144から特定されるイメージセンサ140Aに関連する個体差情報142Bのうちの少なくとも1つを取得し、特性情報142A及び個体差情報142Bのうちの少なくとも1つを用いて撮像装置12の特性と別機140の特性とを特定する。
【0189】
第2学習済みモデル118は、撮像装置12によって撮像されることで取得された複数の撮像画像75と正解データ100とを用いた学習処理が行われることで得られたモデルであるので、これをそのまま別機140に対して適用すると、撮像装置12の特性が第2設定値118Aに反映されてしまう。そこで、第8処理実行部86D8は、撮像装置12の特性及び別機140の特性に基づいて、第2学習済みモデル118の入力に用いる基準画像セット124と、第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aとを補正する。
【0190】
この場合、例えば、第8処理実行部86D8は、撮像装置12の特性と別機140の特性との差分と基準画像セット124に対して行う補正の内容とが対応付けられた第1テーブル(図示省略)又は第1演算式(図示省略)を用いて、基準画像セット124に対して行う補正の内容を導出し、導出した補正の内容に従って基準画像セット124を補正する。
【0191】
第8処理実行部86D8は、補正済みの基準画像セット124を第2学習済みモデル118に入力する。第2学習済みモデル118は、補正済みの基準画像セット124が入力されると、第2設定値118Aを出力する。第8処理実行部86D8は、撮像装置12の特性と別機140の特性との差分と第2設定値118Aに対して行う補正の内容とが対応付けられた第2テーブル(図示省略)又は第2演算式(図示省略)を用いて、第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aに対して行う補正の内容を導出し、導出した補正の内容に従って第2設定値118Aを補正する。
【0192】
第8処理実行部86D8は、補正済みの第2設定値118Aを撮像に関連する制御に反映させる。この場合、例えば、第8処理実行部86D8は、補正済みの第2設定値118Aを含む信号を第8処理信号として撮像装置12に送信する。撮像装置12は、第8処理実行部86D8から送信された第8処理信号を受信し、受信した第8処理信号に含まれる補正済みの第2設定値118Aを用いて撮像を行う。
【0193】
なお、ここでは、基準画像セット124及び第2設定値118Aの両方に対して補正が行われているが、本開示の技術はこれに限定されず、基準画像セット124及び第2設定値118Aの一方のみに補正が行われるようにしてもよい。また、ここでは、基準画像セット124が第2学習済みモデル118に入力される形態例を挙げているが、本開示の技術はこれに限定されず、少なくとも1つの基準画像124A又は少なくとも1つの撮像画像75が第2学習済みモデル118に入力されるようにしてもよい。また、基準画像セット124に対する補正の要領と同様の要領で、第8処理実行部86D8は、撮像装置12によって撮像されることで得られる撮像画像75を、撮像装置12の特性及び別機140の特性に基づいて補正してもよい。また、ここでは、イメージセンサ情報142として、特性情報142A及び個体差情報142Bの両方を含む情報を例示したが、本開示の技術はこれに限定されず、イメージセンサ情報142は、特性情報142A及び個体差情報142Bの一方のみを含む情報であってもよい。
【0194】
一例として
図23に示すように、第9処理実行部86D9は、第9処理として、上述したシミュレーション画像128Bと、未処理画像146Aとをディスプレイ28(
図24参照)に対して表示させるためのデータとしてシミュレーション画像セット126Bを出力する処理を実行する。未処理画像146Aは、基準画像セット124に含まれる基準画像124Aを第2学習済みモデル118に入力することで第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aが基準画像124Aに適用されずに得られた画像(例えば、基準画像セット124に含まれる基準画像124Aそのものに相当する画像)である。換言すれば、未処理画像146Aは、学習済みモデルの出力結果を使用しない画像処理のみが反映された画像である。
【0195】
なお、
図23に示す例において、基準画像124Aは、本開示の技術に係る「第8画像」の一例である。また、第2設定値118Aは、本開示の技術に係る「第3出力結果」の一例である。また、シミュレーション画像128Bは、本開示の技術に係る「第1処理済み画像」の一例である。また、未処理画像146Aは、本開示の技術に係る「未処理画像」の一例である。また、シミュレーション画像セット126及び未処理画像セット146は、本開示の技術に係る「第3データ」の一例である。
【0196】
第9処理実行部86D9は、
図15に示す第4処理実行部86D4によって行われる処理と同様の要領で、シミュレーション画像セット126Bを生成し、生成したシミュレーション画像セット126Bを撮像装置12に送信する。また、第9処理実行部86D9は、第2学習済みモデル118に対する入力で用いた基準画像セット124を未処理画像セット146として撮像装置12に送信する。撮像装置12は、第9処理実行部86D9から送信されたシミュレーション画像セット126B及び未処理画像セット146を受信する。
【0197】
一例として
図24に示すように、撮像装置12のCPU62は、シミュレーション画像セット126B及び未処理画像セット146に基づいてシミュレーション画像表示画面148を生成し、ディスプレイ28に対してシミュレーション画像表示画面148を表示させる。シミュレーション画像表示画面148には、シミュレーション画像128B及び未処理画像146A等が表示される。
【0198】
シミュレーション画像表示画面148は、第1画面148Aと第2画面148Bとを含んでいる。CPU62は、未処理画像セット146に基づいて第1画面148Aを生成し、シミュレーション画像セット126Bに基づいて第2画面148Bを生成する。
図24に示す例では、シミュレーション画像表示画面148内の上半分の領域が第1画面148Aであり、下半分の領域が第2画面148Bである。
【0199】
CPU62は、第1画面148Aに未処理画像146Aが表示され、かつ、第2画面148Bにシミュレーション画像128Bが表示されるようにディスプレイ28を制御する。これにより、ディスプレイ28には、未処理画像146Aとシミュレーション画像128Bとが区別可能な態様で表示される。
【0200】
CPU62は、未処理画像146Aに対応させた状態でメッセージ148A1をディスプレイ28に表示させる。また、CPU62は、シミュレーション画像128Bに対応させた状態でメッセージ148B1をディスプレイ28に対して表示させる。
図24に示す例では、第1画面148Aにメッセージ148A1が表示されることで、メッセージ148A1が未処理画像146Aに対応付けられており、第2画面148Bにメッセージ148B1が表示されることで、メッセージ148B1がシミュレーション画像128Bに対応付けられている。
【0201】
メッセージ148A1は、未処理画像146Aを特定可能なメッセージであり、メッセージ148B1は、第2学習済みモデル118を特定可能なメッセージである。
図24に示す例では、メッセージ148A1の一例として、「未処理画像」というメッセージが示されており、メッセージ148B1の一例として、「第2学習済みモデルによるシミュレーション画像」というメッセージが示されている。
【0202】
図24で例示されているメッセージ148A1の内容は、あくまでも一例に過ぎず、メッセージ148A1は、第1画面148Aに表示されている未処理画像146Aが学習済みモデルに依拠して生成された画像ではないことを示すメッセージであればよい。また、
図24で例示されているメッセージ148B1の内容は、あくまでも一例に過ぎず、メッセージ148B1は、第2画面148Bに表示されているシミュレーション画像128Bが第2学習済みモデル118に依拠して生成されたシミュレーション画像であることを示すメッセージであればよい。
【0203】
ここでは、未処理画像146Aが学習済みモデルに依拠して生成された画像ではないことがメッセージ148A1によって特定され、シミュレーション画像128Bが第2学習済みモデル118に依拠した画像であることがメッセージ148B1によって特定されるようにしているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、未処理画像146Aの外枠に対して、未処理画像146Aが学習済みモデルに依拠して生成された画像ではないことを特定可能な色を付し、シミュレーション画像128Bの外枠に対して、第2学習済みモデル118によるシミュレーション画像であることを特定可能な色を付してもよい。また、未処理画像146Aが学習済みモデルに依拠して生成された画像ではないことを特定可能なマーク等が未処理画像146Aに関連付けられた状態で表示され、第2学習済みモデル118によるシミュレーション画像であることを特定可能なマーク等がシミュレーション画像128Bに関連付けられた状態で表示されるようにしてもよい。
【0204】
なお、
図23及び
図24に示す例では、未処理画像146Aが基準画像124Aであり、シミュレーション画像128Bが、基準画像124Aが第2学習済みモデル118に入力された場合に第2学習済みモデル118から出力される第2設定値118Aに基づいて生成される画像である形態例が示されているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、未処理画像146Aに代えて撮像画像75を用い、シミュレーション画像128Bに代えて、撮像画像75が第2学習済みモデル118に入力された場合に第2学習済みモデル118から出力される第2設定値118Aに基づいて生成される画像を用いてもよい。
【0205】
一例として
図25に示すように、第10処理実行部86D10は、第10処理として、上述した未処理画像146Aと、第2学習済みモデル118から出力される第2設定値118Aに基づいてシミュレーション画像128Bの輝度が調整された輝度調整画像150Aとをディスプレイ28(
図26参照)に対して表示させるためのデータを出力する処理を実行する。
【0206】
なお、
図25に示す例において、未処理画像146Aは、本開示の技術に係る「第9画像」の一例である。また、第2設定値118Aは、本開示の技術に係る「第4出力結果」の一例である。また、輝度調整画像150Aは、本開示の技術に係る「第2処理済み画像」の一例である。また、未処理画像146A及び輝度調整画像セット150は、本開示の技術に係る「第4データ」の一例である。
【0207】
第10処理実行部86D10は、
図15に示す第4処理実行部86D4によって行われる処理と同様の要領で、第2設定値118Aに基づいてシミュレーション画像セット126Bを生成し、更に、第2設定値118Aに基づいてシミュレーション画像128Bの輝度を調整した輝度調整画像セット150を生成する。輝度調整画像セット150は、輝度調整画像150A及び使用モデル識別子150Bを含む。第10処理実行部86D10は、シミュレーション画像セット126Bに含まれるシミュレーション画像128Bの輝度を調整することで輝度調整画像150Aを生成する。第10処理実行部86D10は、輝度調整画像150Aに対して使用モデル識別子150Bを対応付ける。使用モデル識別子150Bは、輝度が調整される前のシミュレーション画像128Bに対応付けられている使用モデル識別子130Bに相当する識別子(例えば、使用モデル識別子130Bを複製して得た識別子)である。
【0208】
第10処理実行部86D10は、未処理画像146A及び輝度調整画像セット150を撮像装置12に送信する。撮像装置12は、第10処理実行部86D10から送信された未処理画像146A及び輝度調整画像セット150を受信する。
【0209】
一例として
図26に示すように、撮像装置12のCPU62は、未処理画像146A及び輝度調整画像セット150に基づいてシミュレーション画像表示画面152を生成し、ディスプレイ28に対してシミュレーション画像表示画面152を表示させる。シミュレーション画像表示画面152には、未処理画像146A及び輝度調整画像150A等が表示される。
【0210】
シミュレーション画像表示画面152は、第1画面152Aと第2画面152Bとを含んでいる。CPU62は、未処理画像146Aに基づいて第1画面152Aを生成し、輝度調整画像セット150に基づいて第2画面152Bを生成する。
図26に示す例では、シミュレーション画像表示画面152内の上半分の領域が第1画面152Aであり、下半分の領域が第2画面152Bである。
【0211】
CPU62は、第1画面152Aに未処理画像146Aが表示され、かつ、第2画面152Bに輝度調整画像150Aが表示されるようにディスプレイ28を制御する。これにより、ディスプレイ28には、未処理画像146Aと輝度調整画像150Aとが区別可能な態様で表示される。
【0212】
CPU62は、未処理画像146Aに対応させた状態でメッセージ152A1をディスプレイ28に表示させる。また、CPU62は、輝度調整画像150Aに対応させた状態でメッセージ152B1をディスプレイ28に対して表示させる。
図26に示す例では、第1画面152Aにメッセージ152A1が表示されることで、メッセージ152A1が未処理画像146Aに対応付けられており、第2画面152Bにメッセージ152B1が表示されることで、メッセージ152B1が輝度調整画像150Aに対応付けられている。
【0213】
メッセージ152A1は、未処理画像146Aを特定可能なメッセージであり、メッセージ152B1は、シミュレーション画像128Bに対して輝度の調整が行われたことを特定可能なメッセージである。
図26に示す例では、メッセージ152A1の一例として、「未処理画像」というメッセージが示されており、メッセージ152B1の一例として、「第2学習済みモデルによるシミュレーション画像に対して輝度の調整を行って得た画像」というメッセージが示されている。
【0214】
図26で例示されているメッセージ152A1の内容は、あくまでも一例に過ぎず、メッセージ152A1は、第1画面152Aに表示されている未処理画像146Aが学習済みモデルに依拠した処理を行っていない画像であることを示すメッセージであればよい。また、
図26で例示されているメッセージ152B1の内容は、あくまでも一例に過ぎず、メッセージ152B1は、第2画面152Bに表示されている輝度調整画像150Aが、第2学習済みモデル118の出力に基づいて輝度の調整が行われた画像であることを特定可能なメッセージであればよい。
【0215】
ここでは、未処理画像146Aが第2学習済みモデル118に依拠しない画像であることがメッセージ152A1によって特定され、輝度調整画像150Aがシミュレーション画像128Bに対して第2学習済みモデル118の出力に基づいて輝度の調整が行われた画像であることがメッセージ152B1によって特定されるようにしているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、未処理画像146Aの外枠に対して、未処理画像146Aが第2学習済みモデル118に依拠しない画像であることを特定可能な色を付し、輝度調整画像150Aの外枠に対して、輝度調整画像150Aが第2学習済みモデル118の出力に基づいて輝度の調整が行われた画像であることを特定可能な色を付してもよい。
【0216】
また、未処理画像146Aが第2学習済みモデル118に依拠しない画像であることが特定可能なマーク等が未処理画像146Aに関連付けられた状態で表示され、輝度調整画像150Aが第2学習済みモデル118の出力に基づいて輝度の調整が行われた画像であることを特定可能なマーク等が輝度調整画像150Aに関連付けられた状態で表示されるようにしてもよい。
【0217】
なお、
図25及び
図26に示す例では、輝度調整画像150Aが、基準画像124Aが第2学習済みモデル118に入力された場合に第2学習済みモデル118から出力される
第2設定値118Aに基づいて生成される画像である形態例が示されているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、基準画像124Aに代えて、撮像画像75が第2学習済みモデル118に入力された場合に第2学習済みモデル118から出力される第2設定値118Aに基づいて生成される画像を用いてもよい。
【0218】
一例として
図27に示すように、第11処理実行部86D11は、基準画像セット124に含まれる基準画像124Aを第2学習済みモデル118に入力する。第2学習済みモデル118は、基準画像124Aが入力されると、第2設定値118Aを出力する。
【0219】
第11処理実行部86D11は、
図12に示す第1処理実行部86D1によって行われる処理、
図14に示す第3処理実行部86D3によって行われる処理、
図21に示す第7処理実行部86D7によって行われる処理、及び
図22に示す第8処理実行部86D8によって行われる処理と同様の要領で、第2設定値118Aを撮像に関連する制御に反映させる。このように、撮像に関連する制御に第2設定値118Aが反映された状態で撮像装置12によって撮像が行われることで取得された撮像画像75は、画像メモリ46に記憶される。なお、
図27に示す例において、画像メモリ46に記憶される撮像画像75は、本開示の技術に係る「第3処理済み画像」の一例である。
【0220】
撮像装置12のCPU62は、画像メモリ46から撮像画像75を取得し、取得した撮像画像75に対して、撮像画像75に付随する付随情報154を付加する。付随情報154は、例えば、撮像画像75を得るための撮像に用いられた第2設定値118A、撮像装置12の特性を示す情報、撮像条件、及び撮像日時等を含んでいる。付随情報154としては、例えば、Exif情報が挙げられる。なお、
図27に示す例において、付随情報154は、本開示の技術に係る「第1付随情報」の一例である。
【0221】
撮像装置12のCPU62は、付随情報154が付加された撮像画像75を第11処理実行部86D11に送信する。第11処理実行部86D11は、撮像装置12のCPU62から送信された撮像画像75を受信する。第11処理実行部86D11は、第11処理として、受信した撮像画像75に付加されている付随情報154に、上述した使用モデル識別子130Bを含める処理を実行する。
【0222】
なお、
図27に示す例では、基準画像124Aが第2学習済みモデル118に入力される形態例が示されているが、これは、あくまでも一例に過ぎず、撮像画像75が第2学習済みモデル118に入力されるようにしてもよい。
【0223】
一例として
図28に示すように、第12処理実行部86D12は、基準画像セット124に含まれる基準画像124Aを第1学習済みモデル106に入力する。第1学習済みモデル106は、基準画像124Aが入力されると、第1設定値106Aを出力する。
【0224】
第12処理実行部86D12は、
図12に示す第1処理実行部86D1によって行われる処理、
図14に示す第3処理実行部86D3によって行われる処理、
図21に示す第7処理実行部86D7によって行われる処理、
図22に示す第8処理実行部86D8によって行われる処理、及び
図27に示す第11処理実行部86D11によって行われる処理と同様の要領で、第1設定値106Aを撮像に関連する制御に反映させる。このように、撮像に関連する制御に第1設定値106Aが反映された状態で撮像装置12によって撮像が行われることで取得された撮像画像75は、画像メモリ46に記憶される。なお、
図28に示す例において、画像メモリ46に記憶される撮像画像75は、本開示の技術に係る「第4処理済み画像」の一例である。
【0225】
撮像装置12のCPU62は、画像メモリ46から撮像画像75を取得し、取得した撮像画像75に対して、撮像画像75に付随する付随情報154を付加する。付随情報154は、例えば、撮像画像75を得るための撮像に用いられた第1設定値106A、撮像装置12の特性を示す情報、撮像条件、及び撮像日時等を含んでいる。付随情報154としては、例えば、Exif情報が挙げられる。なお、
図28に示す例において、付随情報154は、本開示の技術に係る「第2付随情報」の一例である。
【0226】
撮像装置12のCPU62は、付随情報154が付加された撮像画像75を第12処理実行部86D12に送信する。第12処理実行部86D12は、撮像装置12のCPU62から送信された撮像画像75を受信する。第12処理実行部86D12は、第12処理として、受信した撮像画像75に付加されている付随情報154に、上述した使用モデル識別子130Aを含める処理を実行する。
【0227】
次に、撮像システム10の作用について
図29A及び
図29Bを参照しながら説明する。
【0228】
図29A及び
図29Bには、撮像支援装置14のCPU86によって行われる撮像支援処理の流れの一例が示されている。なお、
図29A及び
図29Bに示す撮像支援処理の流れは、本開示の技術に係る「撮像支援方法」の一例である。
【0229】
図29Aに示す撮像支援処理では、先ず、ステップST100で、教師データ生成部86Aは、撮像装置12の画像メモリ46に撮像画像75が記憶されたか否かを判定する。ステップST100において、撮像装置12の画像メモリ46に撮像画像75が記憶されていない場合は、判定が否定されて、ステップST100の判定が再び行われる。ステップST100において、撮像装置12の画像メモリ46に撮像画像75が記憶された場合は、判定が肯定されて、撮像支援処理はステップST102へ移行する。
【0230】
ステップST102で、教師データ生成部86Aは、画像メモリ46から撮像画像75を取得する。ステップST102の処理が実行された後、撮像支援処理はステップST104へ移行する。
【0231】
ステップST104で、教師データ生成部86Aは、撮像装置12のNVM64から各種の設定値102を取得する。ステップST104の処理が実行された後、撮像支援処理はステップST106へ移行する。
【0232】
ステップST106で、教師データ生成部86Aは、ステップST102で取得した撮像画像75、及びステップST104で取得した各種の設定値102に基づいて教師データ98を生成し、生成した教師データ98をストレージ88に記憶させる。ステップST106の処理が実行された後、撮像支援処理はステップST108へ移行する。
【0233】
ステップST108で、判定部86Cは、CNN104に対する学習処理を実行するタイミングである第1学習処理実行タイミングが到来したか否かを判定する。第1学習処理実行タイミングの一例としては、撮像フレーム数が第1閾値(例えば、“10000”)に達したタイミングが挙げられる。
【0234】
ステップST108において、第1学習処理実行タイミングが到来していない場合は、判定が否定されて、撮像支援処理はステップST100へ移行する。ステップST108において、第1学習処理実行タイミングが到来した場合は、判定が肯定されて、撮像支援処理はステップST110へ移行する。
【0235】
ステップST110で、モデル生成部86Bは、ストレージ88に記憶されている教師データ98を用いてCNN104に対して学習処理を行うことで第1学習済みモデル106を生成する。ステップST110の処理が実行された後、撮像支援処理はステップST112へ移行する。
【0236】
ステップST112で、判定部86Cは、撮像フレーム数が第1閾値に到達したか否かを判定する。ステップST112において、撮像フレーム数が第1閾値に到達していない場合は、判定が否定されて、ステップST112の判定が再び行われる。ステップST112において、撮像フレーム数が第1閾値に到達した場合は、判定が肯定されて、撮像支援処理はステップST114へ移行する。
【0237】
ステップST114で、モデル生成部86Bは、ステップST110で生成した第1学習済みモデル106から複製モデル116を生成する。ステップST114の処理が実行された後、撮像支援処理はステップST116へ移行する。
【0238】
ステップST116で、教師データ生成部86Aは、撮像装置12の画像メモリ46に撮像画像75が記憶されたか否かを判定する。ステップST116において、撮像装置12の画像メモリ46に撮像画像75が記憶されていない場合は、判定が否定されて、ステップST116の判定が再び行われる。ステップST116において、撮像装置12の画像メモリ46に撮像画像75が記憶された場合は、判定が肯定されて、撮像支援処理はステップST118へ移行する。
【0239】
ステップST118で、教師データ生成部86Aは、画像メモリ46から撮像画像75を取得する。ステップST118の処理が実行された後、撮像支援処理はステップST120へ移行する。
【0240】
ステップST120で、教師データ生成部86Aは、撮像装置12のNVM64から各種の設定値102を取得する。ステップST120の処理が実行された後、撮像支援処理はステップST122へ移行する。
【0241】
ステップST122で、教師データ生成部86Aは、ステップST118で取得した撮像画像75、及びステップST120で取得した各種の設定値102に基づいて教師データ98を生成し、生成した教師データ98をストレージ88に記憶させる。ステップST122の処理が実行された後、撮像支援処理はステップST124へ移行する。
【0242】
ステップST124で、判定部86Cは、ステップST114で生成した複製モデル116に対する学習処理を実行するタイミングである第2学習処理実行タイミングが到来したか否かを判定する。第2学習処理実行タイミングの一例としては、撮像フレーム数が第1閾値(例えば、“1000”)に達したタイミングが挙げられる。
【0243】
ステップST124において、第2学習処理実行タイミングが到来していない場合は、判定が否定されて、撮像支援処理はステップST116へ移行する。ステップST124において、第2学習処理実行タイミングが到来した場合は、判定が肯定されて、撮像支援処理は、
図29Bに示すステップST126へ移行する。
【0244】
図29Bに示すステップST126で、モデル生成部86Bは、ストレージ88に記憶されている教師データ98(一例として、ステップST116~ステップST124の処理が繰り返し行われることで得られた教師データ98)を用いて、最新モデル(例えば、ステップST124において1回目の肯定判定が行われた場合の複製モデル116、及び、ステップST124において2回目以降の肯定判定が行われた場合の既存の第2学習済みモデル118(すなわち、最新の学習済みモデル118))に対して学習処理を行うことで第2学習済みモデル118を生成する。ステップST126の処理が実行された後、撮像支援処理はステップST128へ移行する。
【0245】
ステップST128で、実行部86Dは、ストレージ88から基準画像セット124を取得する。ステップST128の処理が実行された後、撮像支援処理はステップST130へ移行する。
【0246】
ステップST130で、実行部86Dは、ステップST128で取得した基準画像セット124を第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118に入力する。ステップST130の処理が実行された後、撮像支援処理はステップST132へ移行する。
【0247】
ステップST132で、実行部86Dは、第1学習済みモデル106から出力された第1設定値106A、及び第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aを取得する。ステップST132の処理が実行された後、撮像支援処理はステップST134へ移行する。
【0248】
ステップST134で、実行部86Dは、ステップST132で取得した第1設定値106Aと第2設定値118Aとの相違度125を算出する。ステップST134の処理が実行された後、撮像支援処理はステップST136へ移行する。
【0249】
ステップST136で、実行部86Dは、ステップST134で算出した相違度125が第2閾値以上であるか否かを判定する。ステップST136において、ステップST134で算出した相違度125が第2閾値未満の場合は、判定が否定されて、撮像支援処理は、
図29Aに示すステップST116へ移行する。ステップST136において、ステップST134で算出した相違度125が第2閾値以上の場合は、判定が肯定されて、撮像支援処理はステップST138へ移行する。
【0250】
ステップST138で、実行部86Dは、特定処理を実行する。ステップST138の処理が実行された後、撮像支援処理が終了する。
【0251】
以上説明したように、撮像支援装置14では、ストレージ88に第1学習済みモデル106が記憶されており、第1学習済みモデル106は、撮像に関連する制御に用いられる。また、撮像支援装置14では、撮像画像75が取得された際の撮像装置12に適用された各種の設定値102を正解データ100とし、撮像画像75と正解データ100とを教師データ98とした学習処理が学習モデルに対して行われることで、撮像に関連する制御に用いられる第2学習済みモデル118が生成される。そして、基準画像セット124が第1学習済みモデル106に入力された場合に第1学習済みモデル106から出力される第1設定値106Aと、基準画像セット124が第2学習済みモデル118に入力された場合に第2学習済みモデル118から出力される第2設定値118Aとに基づいて特定処理が行われる。従って、本構成によれば、第1学習済みモデル106と第2学習済みモデル118との相違度とは無関係な処理のみが行われる場合に比べ、CPU86及び/又はユーザの負荷の軽減に寄与することができる。
【0252】
撮像支援装置14では、ストレージ88に基準画像セット124が記憶されている。従って、本構成によれば、第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118に入力する画像がストレージ88等のメモリに何ら記憶されていない場合に比べ、第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118に基準画像セット124を入力する処理を容易に実現することができる。
【0253】
撮像支援装置14では、撮像フレーム数が第1閾値に到達したという条件を満足した場合に学習処理が行われることで第2学習済みモデル118が生成される。従って、本構成によれば、常に学習処理を行い続ける場合に比べ、学習処理にかかる負荷を軽減することができる。
【0254】
撮像支援装置14では、学習処理が行われる対象とされる最新の学習モデルが得られた時期(例えば、複製モデル116が生成された時期)から、撮像フレーム数が第1閾値に到達したという条件を満足するまでの期間に撮像装置12によって撮像されることで取得された複数の撮像画像75と、複数の撮像画像75に関連しており、撮像装置12に適用された各種の設定値とが教師データ98として用いられる。従って、本構成によれば、撮像が行われる毎に単一の撮像画像75及び単一の設定値を教師データとした学習処理を行う場合に比べ、学習処理にかかるCPU86の負荷を軽減することができる。
【0255】
撮像支援装置14では、撮像フレーム数が第1閾値に到達したという条件を満足した場合に特定処理が行われる。従って、本構成によれば、常に特定処理が行われる場合に比べ、CPU86にかかる負荷を軽減することができる。
【0256】
撮像支援装置14では、第1設定値106Aと第2設定値118Aとの相違度125が第2閾値以上の場合に特定処理が行われる。従って、本構成によれば、第1設定値106Aと第2設定値118Aとの相違度125とは無関係に常に特定処理が行われる場合に比べ、CPU86にかかる負荷を軽減することができる。
【0257】
撮像支援装置14では、特定処理に含まれる第1処理として、撮像に関連する制御に対して第2設定値118Aを反映させる処理が行われる。従って、本構成によれば、撮像に関連する制御に常に第1学習済みモデル106のみが用いられる場合に比べ、撮像に関する制御をユーザ等が意図する制御に近付けることができる。
【0258】
撮像支援装置14では、特定処理に含まれる第2処理として、第2学習済みモデル118がバックアップ用記憶装置94に記憶させる処理が行われる。従って、本構成によれば、同じ第2学習済みモデル118を繰り返し使用することができる。
【0259】
撮像支援装置14では、特定処理に含まれる第3処理として、第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118のうち、第3処理実行部86D3によって受け付けられた指示に従って選択された方の出力を、撮像に関連する制御に対して反映させる処理が行われる。従って、本構成によれば、第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118のうち、ユーザ等の好みに対応する方からの出力を撮像に関連する制御に反映させることができる。
【0260】
撮像支援装置14では、特定処理に含まれる第4処理として、第1学習済みモデル106に対して基準画像セット124を入力することで第1学習済みモデル106から出力された第1設定値106Aが基準画像セット124に適用されることで得られる画像に相当するシミュレーション画像128A、及び第2学習済みモデル118に対して基準画像セット124を入力することで第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aが基準画像セット124に適用されることで得られるシミュレーション画像128Bをディスプレイ28に対して表示させるためのデータが撮像装置12に送信される。従って、本構成によれば、第1学習済みモデル106の出力と第2学習済みモデル118の出力との違いをユーザ等に対して視覚的に認識させることができる。
【0261】
撮像支援装置14では、第1学習済みモデル106に対して基準画像セット124を入力することで第1学習済みモデル106から出力された第1設定値106Aが基準画像セット124に適用されることで得られる画像に相当するシミュレーション画像128Aと、第2学習済みモデル118に対して基準画像セット124を入力することで第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aが基準画像セット124に適用されることで得られるシミュレーション画像128Bとが区別可能な態様でディスプレイ28に表示される。従って、本構成によれば、シミュレーション画像128Aとシミュレーション画像128Bとが区別できない状態でディスプレイ28に表示される場合に比べ、シミュレーション画像128Aとシミュレーション画像128Bとの違いをユーザ等に容易に知覚させることができる。
【0262】
撮像支援装置14では、シミュレーション画像128Aとメッセージ132A1とが対応付けられた状態で第1画面132Aに表示され、シミュレーション画像128Bとメッセージ132B1とが対応付けられた状態で第2画面132Bに表示される。従って、本構成によれば、シミュレーション画像128Aが第1学習済みモデル106を用いることで得られた画像であること、及びシミュレーション画像128Bが第2学習済みモデル118を用いることで得られた画像であることをユーザ等に容易に知覚させることができる。
【0263】
撮像支援装置14では、特定処理に含まれる第4処理として、第1学習済みモデル106に対して基準画像セット124を入力することで第1学習済みモデル106から出力された第1設定値106Aが基準画像セット124に適用されることで得られる画像に相当するシミュレーション画像128A、及び第2学習済みモデル118に対して基準画像セット124を入力することで第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aが基準画像セット124に適用されることで得られるシミュレーション画像128Bをディスプレイ28に対して表示させるためのデータが撮像装置12に送信される。従って、本構成によれば、第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118からランダムに選ばれた学習済みモデルの出力を撮像に関連する制御に反映させる場合に比べ、第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118のうちのユーザ等が意図する学習済みモデルの出力を撮像に関連する制御に反映させ易くすることができる。
【0264】
撮像支援装置14では、特定処理に含まれる第5処理として、第2学習済みモデル118を生成した時期を特定可能な時期特定情報136をディスプレイ28に対して表示させるためのデータが撮像装置12に送信される。従って、本構成によれば、第2学習済みモデル118を生成した時期をユーザ等に知覚させることができる。
【0265】
撮像支援装置14では、第2学習済みモデル118の出力が反映された第2設定値反映画像138と時期特定情報136とが対応付けられた状態でディスプレイ28に表示される。従って、本構成によれば、第2学習済みモデル118を生成した時期と第2学習済みモデル118の出力が反映された画像との対応関係をユーザ等に知覚させることができる。
【0266】
撮像支援装置14では、特定処理に含まれる第6処理として、時期特定情報136と第2学習済みモデル118とを対応付ける処理が行われる。従って、本構成によれば、第2学習済みモデル118を生成した時期と第2学習済みモデル118との対応関係をユーザ等に知覚させることができる。
【0267】
撮像支援装置14では、特定処理に含まれる第7処理として、予め定められたタイミングで第2学習済みモデル118の出力を撮像に関連する制御に対して反映させる処理が行われる。従って、本構成によれば、例えば、有意差を判定したタイミングで学習済みモデルを更新する場合に比べ、ユーザにとって都合の良いタイミングで学習済みモデルを更新することができる。
【0268】
撮像支援装置14では、特定処理に含まれる第7処理として、撮像装置12が起動したタイミング、撮像装置12によって撮像されることで取得された撮像画像75の数(一例として、最新の第2設定値118Aがストレージ88に記憶されてから、撮像装置12によって撮像されることで取得された撮像画像75の数)が第6閾値(例えば、“10000”)以上になったタイミング、撮像装置12の動作モードが再生モードから設定モードに遷移したタイミング、又は再生モードにて撮像画像75に対してレーティング(例えば、撮像画像75の画質に対するユーザ等による評価)が行われたタイミングで第2学習済みモデル118の出力を撮像に関連する制御に対して反映させる処理が行われる。従って、本構成によれば、例えば、有意差を判定したタイミングで学習済みモデルを更新する場合に比べ、ユーザにとって都合の良いタイミングで学習済みモデルを更新することができる。
【0269】
撮像支援装置14では、特定処理に含まれる第8処理として、撮像装置12とは異なる撮像装置である別機140に対して第2学習済みモデル118を適用する場合に、撮像装置12の特性と別機140の特性とに基づいて、第2学習済みモデル118に入力されるデータ及び第2学習済みモデル118からの出力のうちの少なくとも一方を補正する処理が行われる。従って、本構成によれば、撮像装置12の特性と別機140の特性とが全く考慮されずに別機に対して第2学習済みモデル118が適用される場合に比べ、別機140によって撮像されることで得られた画像の画質を、ユーザ等が意図する画質に容易に近付けることができる。
【0270】
撮像支援装置14では、第2学習済みモデル118にイメージセンサ情報142が付随しており、イメージセンサ情報142に特性情報142A及び個体差情報142Bが含まれている。そして、撮像装置12の特性及び別機140の特性がイメージセンサ情報142に基づいて特定される。従って、本構成によれば、撮像装置12で用いられるイメージセンサ20と別機140で用いられるイメージセンサ140Aとの違いが全く考慮されずに別機140に対して第2学習済みモデル118が適用される場合に比べ、別機140によって撮像されることで得られた画像について、ユーザ等が意図する画質をより正しく再現することができる。
【0271】
撮像支援装置14では、特定処理に含まれる第9処理として、第2学習済みモデル118に対して基準画像セット124を入力することで第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aが基準画像セット124に適用されることで得られるシミュレーション画像128Bと、未処理画像146Aとがディスプレイ28に表示される。未処理画像146Aは、基準画像セット124に含まれる基準画像124Aを第2学習済みモデル118に入力することで第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aが基準画像124Aに適用されずに得られた画像(例えば、基準画像セット124に含まれる基準画像124Aそのものに相当する画像)である。従って、本構成によれば、第2学習済みモデル118の出力の影響を受けた画像とそうでない画像との差をユーザ等に知覚させることができる。
【0272】
撮像支援装置14では、特定処理に含まれる第10処理として、第2学習済みモデル118に対して基準画像セット124を入力することで第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aが基準画像セット124に適用され輝度が調整された輝度調整画像150Aと、未処理画像146Aをディスプレイ28に対して表示させるためのデータが撮像装置12に送信される。従って、本構成によれば、未処理画像と、第2学習済みモデル118の出力の影響を受けた画像の輝度が調整された画像との差をユーザ等に知覚させることができる。
【0273】
撮像支援装置14では、特定処理に含まれる第11処理として、撮像画像75に付加されている付随情報154に、使用モデル識別子130Bを含める処理が行われる。従って、本構成によれば、第2学習済みモデル118の出力を撮像に関連する制御に対して反映させて撮像されることで得られた画像に対して、第2学習済みモデル118を特定可能な情報が関連付けられていない場合に比べ、第2学習済みモデル118の出力を撮像に関連する制御に対して反映させて撮像されることで得られた画像が第2学習済みモデル118を用いて得られた画像であることを容易に特定することができる。
【0274】
撮像支援装置14では、特定処理に含まれる第12処理として、撮像画像75に付加されている付随情報154に使用モデル識別子130Aを含める処理が実行される。従って、本構成によれば、第1学習済みモデル106の出力を撮像に関連する制御に対して反映させて撮像されることで得られた画像に対して、第1学習済みモデル106を特定可能な情報が関連付けられていない場合に比べ、第1学習済みモデル106の出力を撮像に関連する制御に対して反映させて撮像されることで得られた画像が第1学習済みモデル106を用いて得られた画像であることを容易に特定することができる。
【0275】
撮像支援装置14では、教師データ98として各種の設定値102が用いられる。そして、各種の設定値102として、撮像に用いるホワイトバランスに関する設定値、撮像で用いる露出に関する設定値、撮像で用いる彩度に関する設定値、及び撮像で用いる階調に関する設定値が採用されている。従って、本構成によれば、教師データ98として、撮像で用いるホワイトバランスに関する設定値、撮像で用いる露出に関する設定値、撮像で用いる彩度に関する設定値、及び撮像で用いる階調に関する設定値とは全く無関係な設定値を用いる場合に比べ、撮像で用いるホワイトバランスに関する設定値、撮像で用いる露出に関する設定値、撮像で用いる彩度に関する設定値、及び撮像で用いる階調に関する設定値のうちの少なくとも1つをユーザ等が意図する設定値に近付け易くすることができる。
【0276】
また、教師データ98として、撮像で用いるフォーカスに関する設定値を用いてもよい。撮像で用いるフォーカスに関する設定値としては、例えば、AF制御に用いられるフォーカス枠に関する設定値、及び/又は、使用するAF方式(例えば、位相差AF方式及びコントラストAF方式等)に関する設定値等が挙げられる。この場合、教師データ98として、撮像で用いるフォーカスに関する設定値とは全く無関係な設定値を用いる場合に比べ、撮像で用いるフォーカスに関する設定値をユーザ等が意図する設定値に近付け易くすることができる。
【0277】
教師データ98として用いられる設定値102は、撮像に用いるホワイトバランスに関する設定値、撮像で用いる露出に関する設定値、撮像で用いる彩度に関する設定値、撮像で用いる階調に関する設定値、及び撮像で用いるフォーカスに関する設定値のうちの少なくとも1つであればよい。
【0278】
なお、上記実施形態では、基準画像セット124が第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118に入力されることによって検証が行われる形態例(
図10参照)を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、
図30に示すように、1000枚の撮像画像75が第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118に入力されることによって検証が行われるようにしてもよい。この場合、一例として
図31に示すように、撮像装置12の画像メモリ46に撮像画像75が記憶される毎に、ストレージ88にも撮像画像75が記憶される。そして、ストレージ88に記憶された撮像画像75の数が1000に達すると、実行部86Dは、ストレージ88内の1000の撮像画像75を第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118に入力する。これにより、第1学習済みモデル106は、入力された撮像画像75に応じた第1設定値106Aを出力し、第2学習済みモデル118は、入力された撮像画像75に応じた第2設定値118Aを出力する。実行部86Dは、第1設定値106Aと第2設定値118Aとの相違度125を算出し、相違度125が第2閾値以上であるか否かを判定する。
【0279】
この場合、例えば、1000枚分の撮像画像75を用いて学習処理が行われることによって第2学習済みモデル118が生成され、生成された第2学習済みモデル118及び第1学習済みモデル106に対して、検証用の入力として、第2学習済みモデル118を生成するための学習処理に用いられた1000枚分の撮像画像75が1枚ずつ与えられた場合、第1設定値106Aと第2設定値118Aとの相違度125が第2閾値に達する枚数が、指定された枚数(例えば、800)に達したことを条件に、運用に用いられる学習済みモデルが最新の学習済みモデルに切り替えられるようにしてもよいし、特定処理が行われるようにしてもよい。
【0280】
また、1000枚分の撮像画像75が蓄積されるまで検証が行われないという形態例は、あくまでも一例に過ぎず、1回分(1枚)の撮像が行われる毎に検証が行われ、第1設定値106Aと第2設定値118Aとの相違度125が第2閾値に達する枚数が、指定された枚数に達した段階で、運用に用いられる学習済みモデルが最新の学習済みモデルに切り替えられるようにしてもよいし、特定処理が行われるようにしてもよい。
【0281】
なお、ここでは、1000枚の撮像画像75が第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118に入力される形態例を挙げているが、これは、あくまでも一例に過ぎず、1000枚未満の数(例えば、100)の撮像画像75、又は、1000を超える数(例えば、10000)の撮像画像75が第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118に入力されるようにしてよい。
【0282】
上記実施形態では、相違度125が第2閾値以上の場合に特定処理が行われる形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、
図32に示すように、CPU86は、既定の期間内に撮像されることで得られた画像の数が第3閾値に到達したことを条件に予め定められた処理を行うようにしてもよい。第3閾値としては、例えば、複製モデル116が生成されてから5000枚、及び、検証が行われてから5000枚が挙げられるが、これに限らず、5000枚未満の数に相当する値であってもよいし、5000を超える数に相当する値であってもよい。また、既定の期間とは、例えば1日である。すなわち、例えば、1日5000枚以上の画像に関する撮像が行われたか否かを判定するようにしてもよい。1日5000枚に関する撮像が行われれば、第2学習済みモデル118は第1学習済みモデル106よりも有意な差が大きいと考えられる。
【0283】
予め定められた処理としては、第1学習済みモデル106の出力と第2学習済みモデル118の出力との間に有意な差が生じたと判断された第2学習済みモデル118をバックアップ用記憶装置94に記憶させる処理、及び/又は、第1学習済みモデル106の出力と第2学習済みモデル118の出力との間に有意な差が生じたと判断する処理等が挙げられる。ここで、有意な差とは、例えば、第1学習済みモデル106の学習処理に用いられた撮像画像75の内容(例えば、撮像シーン)傾向から、第2学習済みモデル118の学習処理に用いられた撮像画像75の内容の傾向が既定度合い以上で乖離している度合いを指す。また、有意な差とは、例えば、第1学習済みモデル106の学習処理に用いられた正解データ100の内容の傾向から、第2学習済みモデル118の学習処理に用いられた正解データ100の内容の傾向が既定度合い以上で乖離している度合いを指す。既定度合いは、固定値であってもよいし、ユーザ等から撮像支援装置14に対して与えられた指示、及び/又は、各種条件に応じて変更される可変値であってもよい。なお、ここでは予め定められた処理としているが、予め定められる必要はなく、例えば、既定の期間内に撮像された画像の数が第3閾値に到達したことを条件に、これらの処理をユーザに選択させるようにしてもよい。
【0284】
撮像されることで得られた画像の数が第3閾値に到達したことを条件に予め定められた処理が行われる、という構成によれば、撮像されることで得られた画像の数とは無関係に予め定められた処理が行われる場合に比べ、CPU86にかかる負荷を軽減することができる。また、例えば、撮像されることで得られた画像の数が第3閾値に到達したことを条件に、有意な差が生じたと判断された第2学習済みモデル118をバックアップ用記憶装置94に記憶させる処理を行えば、有意な差が出たと判断された第2学習済みモデル118を全てバックアップ用記憶装置94に記憶させる場合と比べ、特に差が大きいと考えられる第2学習済みモデル118のみをバックアップ用記憶装置94に記憶させることができる。
【0285】
また、CPU86は、既定の期間に第1環境下で撮像が行われることで取得され、教師データ98として用いられた撮像画像75の数が第4閾値以上であり、かつ、第1環境とは異なる第2環境下で撮像が行われることで得られ、教師データ98として用いられた撮像画像75の数が第5閾値以下の場合に、予め定められた処理を行うようにしてもよい。既定の期間とは、例えば、1日を指す。例えば、第4閾値が第5閾値よりも大幅に大きい場合(例えば、第4閾値が1000、第5閾値が10)、かつ、撮像画像75の数が上記条件を満たす場合、撮像画像75には第1環境下で撮像されることで得られた画像が多く含まれると考えられる。すなわち、教師データ98の基となる撮像画像75は、第1環境
下に偏って撮像されることで得られたと考えられる。第1環境下に偏って撮像された教師データ98を用いて学習すれば、第2学習済みモデル118は第1学習済みモデル106よりも有意な差が大きいと考えられる。この特定処理も、第2学習済みモデル118をバックアップ用記憶装置94に記憶させる処理、及び/又は、第1学習済みモデル106の出力と第2学習済みモデル118の出力との間に有意な差が生じたと判断する処理等が挙げられる。これらの処理も、予め定められる必要はなく、例えば、第1環境下で撮像が行われることで取得され、教師データ98として用いられた撮像画像75の数が第4閾値以上であり、かつ、第1環境とは異なる第2環境下で撮像が行われることで得られ、教師データ98として用いられた撮像画像75の数が第5閾値以下の場合に、これらの処理をユーザに選択させてもよい。また、必ずしも第2環境下で得られた撮像画像75の数を用いる必要はなく、例えば、1日で得られた撮像画像75の総数に対して第1環境下で撮像が行われることで取得された撮像画像75の数の割合が既定の閾値以上であるかを判定して上記の予め定められた処理を行うようにしてもよい。
【0286】
この場合、例えば、
図33に示すように、CPU86は、撮像画像75に付加されている付随情報154に第1環境及び第2環境を特定可能な情報が含まれていることを前提として、10000枚目から11000枚目までの撮像画像75の各々の付随情報154を参照して、第1環境下で撮像が行われることで取得された撮像画像75の数(以下、「第1環境下フレーム数」と称する)、及び第2環境下で撮像が行われることで取得された撮像画像75の数(以下、「第2環境下フレーム数」と称する)を特定する。ここで、第1環境及び第2環境とは、例えば、撮像シーン及び光源から特定される環境を指す。撮像シーンとは、例えば、人物又は風景等を指し、光源とは、例えば、太陽又は室内光源等を指す。
【0287】
CPU86は、第1環境下フレーム数が第4閾値以上であり、かつ、第2環境下フレーム数が第5閾値以下である、という条件(以下、「判定条件」とも称する)を満足したか否かを判定する。判定条件を満足したということは、第1学習済みモデル106の出力と第2学習済みモデル118の出力との間に有意な差が生じたことを意味する。そこで、CPU86は、判定条件を満足した場合、予め定められた処理を実行する。なお、第4閾値及び第5閾値は、固定値であってもよいし、ユーザ等から撮像支援装置14に対して与えられた指示、及び/又は、各種条件に応じて変更される可変値であってもよい。
【0288】
このように、CPU86は、付随情報154を参照して第1環境下フレーム数及び第2環境下フレーム数を特定し、特定結果に基づいて判定条件を満足したか否かを判定する。従って、本構成によれば、撮像画像75を第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118に入力し、第1学習済みモデル106から第1設定値106Aを出力させ、第2学習済みモデル118から第2設定値118Aを出力させ、第1設定値106Aと第2設定値118Aとの相違度125を算出する場合に比べ、CPU86によって撮像画像75が取得されてから予め定められた処理が行われるまでにCPU86にかかる負荷を軽減することができる。また、第1環境下に偏って教師データ98として用いられる撮像画像75に関する撮像が行われたか否かを判断し、第1環境下に偏って教師データ98として用いられる撮像画像75に関する撮像が行われた場合に、有意な差が生じたと判断された第2学習済みモデル118をバックアップ用記憶装置94に記憶させる処理を行えば、有意な差が出たと判断された第2学習済みモデル118を全てバックアップ用記憶装置94に記憶させる場合と比べ、特に差が大きいと考えられる第2学習済みモデル118のみをバックアップ用記憶装置94に記憶させることができる。
【0289】
図33に示す例では、CPU86が、撮像画像75の付随情報154を参照して第1環境下フレーム数及び第2環境下フレーム数を特定する形態例を挙げたが、これは、あくまでも一例に過ぎず、例えば、
図34に示すように、CPU86は、各撮像画像75に対して被写体認識処理を行うことで、第1環境下フレーム数及び第2環境下フレーム数を特定するようにしてもよい。被写体認識処理は、AI方式の被写体認識処理であってもよいし、テンプレートマッチング方式の被写体認識処理であってもよい。
【0290】
上記実施形態では、撮像装置本体16に対して1種類の交換レンズ18が装着されていることを前提として説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、
図35に示すように、撮像装置12は、レンズ交換式撮像装置であるため、撮像装置本体16には、種類が異なる交換レンズ18が選択的に装着される。そこで、撮像支援装置14のCPU86は、教師データ98に含まれる撮像画像75に関する撮像に用いられた交換レンズ18の種類毎に、学習モデル(例えば、複製モデル116等)に対して学習処理を行うことで複数の第2学習済みモデル118を生成する。CPU86は、生成した複数の第2学習済みモデル118をストレージ88に記憶させる。従って、本構成によれば、交換レンズ18の種類に関わらず、常に1つの第2学習済みモデル118のみからの出力を撮像に関連する制御に反映させる場合に比べ、撮像装置本体16に装着された交換レンズ18に適した第2学習済みモデル118の出力を撮像に関連する制御に反映させることができる。
【0291】
また、一例として
図36に示すように、撮像装置本体16に交換レンズ18が装着された場合、CPU86は、ストレージ88内の複数の第2学習済みモデル118のうち、撮像装置本体16に装着された交換レンズ18に対応した第2学習済みモデル118を取得する。撮像装置本体16に装着された交換レンズ18に対応した第2学習済みモデル118とは、交換レンズ18が装着された撮像装置12によって撮像されることで取得された撮像画像75を教師データ98として学習処理に用いることで生成した第2学習済みモデル118を指す。CPU86は、ストレージ88内から取得した第2学習済みモデル118を用いて各種処理(例えば、第2学習済みモデル118の出力を撮像に関する制御に反映させる処理、及び/又は、第2学習済みモデル118に対する学習処理等)を行う。従って、本構成によれば、複数の第2学習済みモデル118のうち、無作為に選ばれた1つを用いた処理を行う場合に比べ、複数の第2学習済みモデル118のうち、交換レンズ18に適した第2学習済みモデル118を用いた処理を行うことができる。
【0292】
図35及び
図36に示す例では、撮像装置本体16に対して、種類が異なる交換レンズ18が選択的に装着される場合に、撮像装置本体16に装着された交換レンズ18に対応する第2学習済みモデル118が用いられるようにする形態例を挙げて説明したが、これと同様の要領で、被写体を撮像する機能を各々有する複数の撮像系が選択的に用いられる場合に、選択された撮像系に対応する第2学習済みモデル118が用いられるようにしてもよい。
【0293】
例えば、
図37に示すように、スマートデバイス155が、複数の撮像系として、撮像系155A及び155Bを有しており、第1撮像系155A及び第2撮像系155Bの各々が、教師データ98に含まれる撮像画像75に関する撮像に用いられた場合、第1撮像系155A及び第2撮像系155Bの各々について、撮像支援装置14のCPU86は、学習モデル(例えば、複製モデル116等)に対して学習処理を行うことで複数の第2学習済みモデル118を生成する。CPU86は、生成した複数の第2学習済みモデル118をストレージ88に記憶させる。従って、本構成によればスマートデバイス155の第1撮像系155A及び第2撮像系155Bによる撮像に関連する制御に対して、常に1つの第2学習済みモデル118のみからの出力を反映させる場合に比べ、第1撮像系155A及び第2撮像系155Bのうちの使用される方に適した第2学習済みモデル118の出力を、第1撮像系155A及び第2撮像系155Bのうちの使用される方による撮像に関連する制御に対して反映させることができる。なお、スマートデバイス155は、本開示の技術に係る「撮像装置」の一例であり、第1撮像系155A及び第2撮像系155Bは、本開示の技術に係る「複数の撮像系」の一例である。
【0294】
また、一例として
図38に示すように、第1撮像系155A及び第2撮像系155Bから撮像で使用する撮像系が選択された場合、CPU86は、ストレージ88内の複数の第2学習済みモデル118のうち、第1撮像系155A及び第2撮像系155Bから選択された方に対応した第2学習済みモデル118を取得する。第1撮像系155A及び第2撮像系155Bから選択された方に対応した第2学習済みモデル118とは、第1撮像系155A及び第2撮像系155Bのうち、選択された方によって撮像されることで取得された撮像画像75を教師データ98として学習処理に用いることで生成した第2学習済みモデル118を指す。CPU86は、ストレージ88内から取得した第2学習済みモデル118を用いて各種処理(例えば、第2学習済みモデル118の出力を、第1撮像系155A及び第2撮像系155Bのうちの選択された方による撮像に関する制御に反映させる処理、及び/又は、第2学習済みモデル118に対する学習処理等)を行う。従って、本構成によれば、複数の第2学習済みモデル118のうち、無作為に選ばれた1つを用いた処理を行う場合に比べ、複数の第2学習済みモデル118のうち、第1撮像系155A及び第2撮像系155Bのうちの選択された方に適した第2学習済みモデル118を用いた処理を行うことができる。
【0295】
図39には、変倍機能を有する複数の撮像系が搭載されたスマートデバイス156の構成例が示されている。一例として
図39に示すように、スマートデバイス156は、第1撮像系156A及び第2撮像系156Bを備えている。第1撮像系156A及び第2撮像系156Bの各々は、一般的にアウトカメラとも呼ばれている。第1撮像系156A及び158Bの各々は、変倍範囲が互いに異なる変倍機能を有している。また、
図37及び
図38に示す例と同様に、第1撮像系156A及び第2撮像系156Bの各々には、第2学習済みモデル118が割り当てられている。
【0296】
一例として
図40Aに示すように、スマートデバイス156は、タッチパネル・ディスプレイ158を備えている。タッチパネル・ディスプレイ158は、ディスプレイ160及びタッチパネル162を有しており、撮像画像164がライブビュー画像としてディスプレイ160に表示されている状態で、タッチパネル162に対して画角変更指示が与えられると、変倍機能が働いて、画角が変更される。
図40Aに示す例では、画角変更指示として、ピンチアウト操作が示されている。撮像画像164がディスプレイ160に表示されている状態で、タッチパネル162に対してピンチアウト操作が行われると、変倍機能が働いて、ディスプレイ160内において撮像画像164が拡大される。なお、変倍の方法は、これに限らず、一例として
図40Bに示すように、ソフトキー160A、160B及び160Cを使って倍率を直接選択する形態であってもよい。
図40Bに示す例では、ソフトキー160Aは、倍率として1倍を選択する場合にオンされるソフトキーであり、ソフトキー160Bは、倍率として0.5倍を選択する場合にオンされるソフトキーであり、ソフトキー160Cは、倍率として2.5倍を選択する場合にオンされるソフトキーである。なお、ここで例示している倍率は、あくまでも一例であり、他の倍率であってもよい。また、ソフトキーの個数は、ソフトキー160A、160B及び160Cの3つに限らず、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0297】
一例として
図41に示すように、スマートデバイス156は、第1撮像系156A及び第2撮像系156Bのうち、現時点で使用されている撮像系を特定可能な使用撮像系情報166と、現時点で使用されている撮像系によって撮像されることで取得された撮像画像164とが撮像支援装置14に送信される。撮像画像164は、第1撮像系156Aによって撮像されることで取得された撮像画像164Aと、第2撮像系156Bによって撮像されることで取得された撮像画像164Bとに分類される。
【0298】
撮像支援装置14は、第1撮像系156A用の第2学習済みモデル118及び第2撮像系156B用の第2学習済みモデル118を有しており、第1撮像系156A用の第2学習済みモデル118は、複数の撮像画像164A及び複数の撮像画像164Aを得るための撮像で第1撮像系156Aに対して適用された設定値を教師データとした学習処理が行われることで得られたモデルである。第2撮像系156B用の第2学習済みモデル118は、複数の撮像画像164B及び複数の撮像画像164Bを得るための撮像で第2撮像系156Bに対して適用された設定値を教師データとした学習処理が行われることで得られたモデルである。
【0299】
撮像支援装置14のCPU86は、スマートデバイス156から送信された使用撮像系情報166及び撮像画像164を受信する。CPU86は、受信した使用撮像系情報166から特定される撮像系に対応する第2学習済みモデル118に対して、受信した撮像画像164を入力する。例えば、CPU86は、受信した使用撮像系情報166から特定される撮像系が第1撮像系156Aの場合、第1撮像系156A用の第2学習済みモデル118に対して撮像画像164Aを入力する。また、CPU86は、受信した使用撮像系情報166から特定される撮像系が第2撮像系156Bの場合、第2撮像系156B用の第2学習済みモデル118に対して撮像画像164Bを入力する。
【0300】
第1撮像系156A用の第2学習済みモデル118は、撮像画像164Aが入力されると、第2設定値118Aを出力する。CPU86は、第1撮像系156A用の第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aを第1撮像系156Aによる撮像に関連する制御に反映させる。また、第2撮像系156B用の第2学習済みモデル118は、撮像画像164Bが入力されると、第2設定値118Aを出力する。CPU86は、第2撮像系156B用の第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aを第2撮像系156Bによる撮像に関連する制御に反映させる。
【0301】
ところで、撮像に用いる撮像系を、第1撮像系156A及び第2撮像系156Bの一方から他方へ切り替える方法としては、ディスプレイ160に表示される少なくとも1つのソフトキー(図示省略)がオンされる毎に切り替える方法、及びタッチパネル162に対してピンチイン操作及びピンチアウト操作等の無段階式の指示が与えられることによって無段階式に切り替える方法がある。無段階式に切り替える方法では、CPU86が、ピンチイン操作及びピンチアウト操作等の無段階式の指示に応じて無段階式に画角が変更され、画角が変更されている途中で、第1撮像系156A及び第2撮像系156Bの一方から他方へ切り替えられることがある。つまり、第1撮像系156Aの変倍範囲と第2撮像系156Bの変倍範囲とが重複している範囲(以下、「重複変倍範囲」とも称する)内、又は、第1撮像系156Aの変倍範囲と第2撮像系156Bの変倍範囲とが重複していない範囲(以下、「非重複変倍範囲」とも称する)内で画角が変更される場合は、第1撮像系156A及び第2撮像系156Bの一方から他方へ切り替えられることはないが、画角が重複変倍範囲及び非重複変倍範囲の一方から他方へ跨いで変更される場合に、第1撮像系156A及び第2撮像系156Bの一方から他方への切り替えが伴う。
【0302】
第1撮像系156Aによる撮像に関連する制御に対しては、第1撮像系156A用の第2学習済みモデル118の出力が反映されており、第2撮像系156Bによる撮像に関連する制御に対しては、第2撮像系156B用の第2学習済みモデル118の出力が反映されている。そのため、一例として
図42に示すように、画角が変更されている途中で、第1撮像系156A及び第2撮像系156Bの一方から他方へ切り替えられると、第1撮像系156A用の第2学習済みモデル118と第2撮像系156B用の第2学習済みモデル118との差異に起因して、撮像画像164に対してハンチングが発生する虞がある。
【0303】
そこで、一例として
図43に示すように、撮像支援装置14のCPU86は、画角を変更する指示としてスマートデバイス156のタッチパネル162によって受け付けられた無段階式の指示(以下、「画角変更指示」と称する)を受け付ける。そして、CPU86は、受け付けた画角変更指示が、途中で撮像系の切り替えを伴う指示の場合、切り替え前の撮像系に対して割り当てられている第2学習済みモデル118の使用を切り替え後の撮像系においても継続する。これにより、第1撮像系156A及び第2撮像系156Bの一方から他方へ切り替えられた場合であっても、ユーザ等が意図しないタイミングで、第2学習済みモデル118間の差異に起因するハンチングが生じないようにすることができる。
【0304】
なお、スマートデバイス156は、本開示の技術に係る「撮像装置」の一例であり、第1撮像系156A及び第2撮像系156Bは、本開示の技術に係る「複数の撮像系」の一例である。
【0305】
ところで、スマートデバイス156が起動するタイミング(以下、「起動タイミング」とも称する)において、第1撮像系156A及び第2撮像系156Bのうち、ユーザ等が頻繁に使用する撮像系を起動させると、撮像系の切り替え操作を行わずに素早く撮像を開始することが可能となる。
【0306】
そこで、一例として
図44に示すように、正解データ100として用いられる各種の設定値102に、撮像系に関連する情報が設定値として含まれるようにする。撮像系に関連する情報とは、例えば、スマートデバイス156によって撮像画像75が取得された際に選択された撮像系に関連する情報(例えば、撮像系を特定可能な情報)を指す。このように、正解データ100に撮像系に関連する情報を含めることで、モデル生成部86Bは、複製モデル116に対して、スマートデバイス156で頻繁に使用される撮像系の傾向を学習させることが可能となる。スマートデバイス156で頻繁に使用される撮像系の傾向を学習させることで複製モデル116が最適化され、第2学習済みモデル118が生成される。
【0307】
一例として
図45に示すように、ある撮像シーンに対してスマートデバイス156で頻繁に使用される撮像系の傾向を学習させることで複製モデル116が最適化されて得られた第2学習済みモデル118に対して、CPU86は、スマートデバイス156の第1撮像系156A及び第2撮像系156Bによって選択的に撮像されることで得られた撮像画像164を入力する。第2学習済みモデル118は、撮像画像164が入力されると、第2設定値118Aを出力する。CPU86は、第2学習済みモデル118から出力された第2設定値118Aを、スマートデバイス156による撮像に関連する制御に反映させることで、スマートデバイス156の起動タイミングで使用する撮像系を設定し、スマートデバイス156の起動タイミングで、スマートデバイス156に対して第1撮像系156A及び第2撮像系156Bを選択的に使用させる。これにより、スマートデバイス156の起動タイミングで、第1撮像系156A及び第2撮像系156Bから無作為に選択された撮像系を用いる場合に比べ、スマートデバイス156の起動タイミングで、ユーザ等が意図する撮像系を迅速に用いることができる。
【0308】
このように撮像系に関連する情報を含む情報を正解データ100として学習処理が行われることによって得られた第2学習済みモデル118の出力を、スマートデバイス156による撮像に関連する制御に反映させる場合、一例として
図46に示すように、スマートデバイス156のCPU168は、スマートデバイス156の起動タイミングで使用する撮像系に対して、重複変倍範囲内の画角で撮像を開始させるように、スマートデバイス156の起動タイミングで使用する画角の位置を、重複変倍範囲内(例えば、重複変倍範囲の中心)に設定する。
【0309】
なお、正解データ100に含まれる撮像系に関連する情報は、画角変更指示の履歴情報を含む情報であってもよい。このように構成された正解データ100を含む教師データ98を用いて学習処理が行われることによって第2学習済みモデル118が生成されるようにすれば、第2学習済みモデル118の出力を、スマートデバイス156による撮像に関連する制御に反映させることで、スマートデバイス156のCPU168は、画角の位置を、変倍範囲内で頻繁に使用される位置に設定することが可能となる。
【0310】
図37及び
図38に示す例では、第1撮像系155A及び第2撮像系155Bという2つの撮像系を例示し、
図39に示す例でも、第1撮像系156A及び第2撮像系156Bという2つの撮像系を例示したが、本開示の技術はこれに限定されず、3つ以上の撮像系であってもよい。また、複数の撮像系が搭載される装置は、スマートデバイス155及び156に限定される必要はなく、例えば、複数の波長帯域光の各々を異なる撮像系で撮像する撮像装置(例えば、監視カメラ)であってもよい。
【0311】
上記実施形態では、CPU86が、第1設定値106A及び第2設定値118Aに基づいて特定処理を行う形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、CPU86は、第1学習済みモデル106と第2学習済みモデル118との相違度に基づいて特定処理を行うようにしてもよい。例えば、CPU86は、第1学習済みモデル106と第2学習済みモデル118との相違度が既定相違度以上の場合に、特定処理を行う。既定相違度は、固定値であってもよいし、ユーザ等から撮像支援装置14に対して与えられた指示、及び/又は、各種条件に応じて変更される可変値であってもよい。
【0312】
また、第1学習済みモデル106及び第2学習済みモデル118の各々が入力層、複数の中間層、及び出力層を有するモデルであり、CPU86は、第1学習済みモデル106と第2学習済みモデル118との間での少なくとも1つの層(例えば、指定された少なくとも1つの層)の相違度に基づいて特定処理を行うようにしてもよい。この場合、少なくとも1つの層は、例えば、複数の中間層及び出力層であってもよいし、複数の中間層の全てであってもよいし、複数の中間層のうちの一部の層(例えば、指定された少なくとも1つの層)であってもよいし、出力層であってもよい。
【0313】
上記実施形態では、撮像装置12と撮像支援装置14とが別体とされている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されず、撮像装置12と撮像支援装置14とが一体化されていてもよい。この場合、例えば、
図47に示すように、撮像装置本体16のNVM64には、撮像支援処理プログラム96が記憶されており、CPU62が、撮像支援処理プログラム96を実行するようにすればよい。
【0314】
また、このように、撮像装置12に対して撮像支援装置14の機能を担わせる場合、CPU62に代えて、又は、CPU62と共に、他の少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのGPU、及び/又は、少なくとも1つのTPUを用いるようにしてもよい。
【0315】
上記実施形態では、ストレージ88に撮像支援処理プログラム96が記憶されている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、撮像支援処理プログラム96がSSD又はUSBメモリなどの可搬型の非一時的記憶媒体に記憶されていてもよい。非一時的記憶媒体に記憶されている撮像支援処理プログラム96は、撮像支援装置14のコンピュータ82にインストールされる。CPU86は、撮像支援処理プログラム96に従って撮像支援処理を実行する。
【0316】
また、ネットワーク34を介して撮像支援装置14に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶装置に撮像支援処理プログラム96を記憶させておき、撮像支援装置14の要求に応じて撮像支援処理プログラム96がダウンロードされ、コンピュータ82にインストールされるようにしてもよい。
【0317】
なお、撮像支援装置14に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶装置、又はストレージ88に撮像支援処理プログラム96の全てを記憶させておく必要はなく、撮像支援処理プログラム96の一部を記憶させておいてもよい。
【0318】
また、
図2に示す撮像装置12にはコントローラ44が内蔵されているが、本開示の技術はこれに限定されず、例えば、コントローラ44が撮像装置12の外部に設けられるようにしてもよい。
【0319】
上記実施形態では、コンピュータ82が例示されているが、本開示の技術はこれに限定されず、コンピュータ82に代えて、ASIC、FPGA、及び/又はPLDを含むデバイスを適用してもよい。また、コンピュータ82に代えて、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせを用いてもよい。
【0320】
上記実施形態で説明した撮像支援処理を実行するハードウェア資源としては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。プロセッサとしては、例えば、ソフトウェア、すなわち、プログラムを実行することで、撮像支援処理を実行するハードウェア資源として機能する汎用的なプロセッサであるCPUが挙げられる。また、プロセッサとしては、例えば、FPGA、PLD、又はASICなどの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路が挙げられる。何れのプロセッサにもメモリが内蔵又は接続されており、何れのプロセッサもメモリを使用することで撮像支援処理を実行する。
【0321】
撮像支援処理を実行するハードウェア資源は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、又はCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、撮像支援処理を実行するハードウェア資源は1つのプロセッサであってもよい。
【0322】
1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが、撮像支援処理を実行するハードウェア資源として機能する形態がある。第2に、SoCなどに代表されるように、撮像支援処理を実行する複数のハードウェア資源を含むシステム全体の機能を1つのICチップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、撮像支援処理は、ハードウェア資源として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて実現される。
【0323】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路を用いることができる。また、上記の撮像支援処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0324】
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【0325】
本明細書において、「A及び/又はB」は、「A及びBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、A及びBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
【0326】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。