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▶ 旭化成エレクトロニクス株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176286
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】カメラモジュールおよびICチップ
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20231206BHJP
   G02B 7/04 20210101ALI20231206BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20231206BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20231206BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20231206BHJP
   G01B 7/00 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G02B7/04 E
G03B30/00
G03B17/02
H04N5/225 700
G01B7/00 103R
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088490
(22)【出願日】2022-05-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横堀 匠
(72)【発明者】
【氏名】福嶋 貴志
【テーマコード(参考)】
2F063
2H044
2H100
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2F063AA04
2F063BA25
2F063BB03
2F063BD11
2F063BD15
2F063CA34
2F063DA01
2F063DA05
2F063DA08
2F063DC08
2F063DD04
2F063GA52
2H044BE02
2H044BE06
2H044BE09
2H044BE18
2H100BB05
2K005CA02
2K005CA23
2K005CA24
2K005CA40
2K005CA53
5C122EA54
5C122EA56
5C122FB03
5C122FB08
5C122GE11
5C122HA75
5C122HA82
(57)【要約】
【課題】カメラモジュールの部品点数を削減し、または、カメラモジュールを小型化する。
【解決手段】光学素子を含む可動体と、前記光学素子の光軸と交差する方向において前記可動体と向かい合う面を有する固定部と、前記可動体の第1の面に配置された部分を有し、第1の方向に前記可動体を動かすための第1の駆動力を生成する第1の駆動ユニットと、前記第1の面とは異なる前記可動体の第2の面に配置された部分を有し、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記可動体を動かすための第2の駆動力を生成する第2の駆動ユニットと、前記可動体の前記第1の面に向かい合う前記固定部の面、または、前記可動体の前記第1の面に配置され、前記可動体の前記第1の方向における位置、および、前記第2の方向における位置を検出する位置検知ユニットとを備えるカメラモジュールを提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子を含む可動体と、
前記光学素子の光軸と交差する方向において前記可動体と向かい合う面を有する固定部と、
前記可動体の第1の面に配置された部分を有し、第1の方向に前記可動体を動かすための第1の駆動力を生成する第1の駆動ユニットと、
前記第1の面とは異なる前記可動体の第2の面に配置された部分を有し、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記可動体を動かすための第2の駆動力を生成する第2の駆動ユニットと、
前記可動体の前記第1の面に向かい合う前記固定部の面、または、前記可動体の前記第1の面に配置され、前記可動体の前記第1の方向における位置、および、前記第2の方向における位置を検出する位置検知ユニットと
を備えるカメラモジュール。
【請求項2】
前記第1の駆動ユニットは、
前記可動体に配置された第1の磁石と、
前記固定部において前記第1の磁石と向かい合って配置され、可変磁場を発生することで前記第1の磁石との間で前記第1の駆動力を発生させる第1の磁場発生部と
を有し、
前記位置検知ユニットは、前記固定部において前記第1の磁石と向かい合って配置され、前記第1の磁石からの磁場を検出する磁気センサを有する
請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記第1の磁石は、前記位置検知ユニットと向かい合う面に、
第1の極性を有する第1の部分と、
前記第1の極性とは異なる第2の極性を有し、前記第1の方向または前記第2の方向において前記第1の部分と並んで配置された第2の部分と
を有する請求項2に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記位置検知ユニットは、
前記第1の磁石の前記第1の部分と向かい合って配置された第1の前記磁気センサと、
前記第1の磁石の前記第2の部分と向かい合って配置された第2の前記磁気センサと
を有する請求項3に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記第1の磁気センサおよび前記第2の磁気センサの中心間の距離は、前記可動体が前記第1の磁気センサおよび前記第2の磁気センサが並んでいる方向において移動可能な距離よりも小さい
請求項4に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記第1の磁気センサは第1の磁場強度を検出し、
前記第2の磁気センサは第2の磁場強度を検出し、
前記位置検知ユニットは、前記第1の磁場強度と前記第2の磁場強度との和および差の少なくとも一方に基づいて前記第1の方向における前記可動体の位置を算出し、前記第1の磁場強度と前記第2の磁場強度との和および差の少なくとも一方に基づいて前記第2の方向における前記可動体の位置を算出する
請求項4に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
前記第1の方向および前記第2の方向は、前記光軸と交差する方向であり、
前記第1の磁石の前記第1の部分および前記第2の部分は前記第2の方向に沿って並んでおり、
前記第1の磁場発生部は、前記第1の磁石の前記第1の部分と向かい合って配置された第1のコイルを有する請求項6に記載のカメラモジュール。
【請求項8】
前記第1の磁場発生部は、前記第1の磁石の前記第2の部分と向かい合って配置され、前記第1のコイルとは逆向きの磁場を発生させる第2のコイルを更に有する
請求項7に記載のカメラモジュール。
【請求項9】
前記第1の磁気センサおよび前記第2の磁気センサは、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルの間に配置されている
請求項8に記載のカメラモジュール。
【請求項10】
前記位置検知ユニットは、前記光軸と平行な方向において前記第1の磁気センサと並んで配置された第3の磁気センサと、前記光軸と平行な方向において前記第2の磁気センサと並んで配置された第4の磁気センサとの少なくとも一方を更に有する
請求項7に記載のカメラモジュール。
【請求項11】
前記位置検知ユニットは、前記第1の磁気センサが検出する磁場強度と前記第3の磁気センサが検出する磁場強度の差、および、前記第2の磁気センサが検出する磁場強度と前記第4の磁気センサが検出する磁場強度の差の少なくとも一方に基づいて、前記光軸と平行な方向における前記可動体の位置を算出する
請求項10に記載のカメラモジュール。
【請求項12】
前記第1の方向は前記光軸と平行な方向であり、
前記第2の方向は前記光軸と交差し、且つ、前記第2の面と交差する方向であり、
前記第1の磁石の前記第1の部分および前記第2の部分は前記第1の方向に沿って並んでおり、
前記第1の磁場発生部は、前記第1の磁石の前記第1の部分および前記第2の部分の両方に跨るように、前記第1の部分および前記第2の部分に向かい合って配置されたコイルを有する
請求項4に記載のカメラモジュール。
【請求項13】
前記第1の磁石は、
前記第1の方向および前記第2の方向の両方と交差する第3の方向において前記第1の部分と並んで配置され、前記第2の極性を有する第3の部分と、
前記第3の方向において前記第2の部分と並んで配置され、前記第1の極性を有する第4の部分と
を有し、
前記位置検知ユニットは、前記第3の部分と向かい合って配置された第3の前記磁気センサ、および、前記第4の部分と向かい合って配置された第4の前記磁気センサの少なくとも一方を更に有する
請求項12に記載のカメラモジュール。
【請求項14】
前記第1の磁気センサは第1の磁場強度を検出し、
前記第2の磁気センサは第2の磁場強度を検出し、
前記第3の磁気センサは第3の磁場強度を検出し、
前記第4の磁気センサは第4の磁場強度を検出し、
前記位置検知ユニットは、
前記第1の磁場強度および前記第2の磁場強度の和、並びに、前記第3の磁場強度および前記第4の磁場強度の和の少なくとも一方に基づいて、前記第1の方向における前記可動体の位置を算出し、
前記第1の磁場強度および前記第2の磁場強度の差、前記第1の磁場強度および前記第3の磁場強度の差、前記第2の磁場強度と前記第4の磁場強度の差、並びに、前記第3の磁場強度と前記第4の磁場強度の差の少なくとも一つに基づいて、前記第2の方向における前記可動体の位置を算出し、
前記第1の磁場強度および前記第3の磁場強度の和、並びに、前記第2の磁場強度と前記第4の磁場強度の和の少なくとも一方に基づいて、前記第3の方向における前記可動体の位置を算出する
請求項13に記載のカメラモジュール。
【請求項15】
前記位置検知ユニットは、前記可動体の前記第1の方向における位置に基づいて前記第1の駆動ユニットを駆動する第1のドライバと、前記可動体の前記第2の方向における位置に基づいて前記第2の駆動ユニットを駆動する第2のドライバとを更に有し、
前記第1の磁気センサ、前記第2の磁気センサ、前記第1のドライバおよび前記第2のドライバが1つのICチップに設けられている
請求項4から14のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項16】
光学素子を含み、前記光学素子の光軸と交差する方向に移動する可動体と、
前記光軸と交差する方向において前記可動体と向かい合う面を有する固定部と、
前記可動体および前記固定部の一方に設けられた検知用磁石と、
前記可動体および前記固定部の他方において前記検知用磁石と向かい合って配置された磁気センサを有し、前記可動体の位置を検知する位置検知ユニットと
を備え、
前記位置検知ユニットは、前記検知用磁石からの磁場を検出し、検出した磁場強度に基づいて、前記光軸と平行な第1の方向における前記可動体の位置と、前記光軸と交差する第2の方向における前記可動体の位置とを算出するカメラモジュール。
【請求項17】
前記検知用磁石は、前記位置検知ユニットと向かい合う面に、
第1の極性を有する第1の部分と、
前記第1の極性とは異なる第2の極性を有し、前記第1の方向または前記第2の方向において前記第1の部分と並んで配置された第2の部分と
を有する
請求項16に記載のカメラモジュール。
【請求項18】
前記位置検知ユニットは、
前記検知用磁石の前記第1の部分と向かい合って配置された第1の磁気センサと、
前記検知用磁石の前記第2の部分と向かい合って配置された第2の磁気センサと
を有する請求項17に記載のカメラモジュール。
【請求項19】
前記第1の磁気センサは第1の磁場強度を検出し、
前記第2の磁気センサは第2の磁場強度を検出し、
前記位置検知ユニットは、前記第1の磁場強度と前記第2の磁場強度との和および差の一方に基づいて前記第1の方向における前記可動体の位置を算出し、前記第1の磁場強度と前記第2の磁場強度との和および差の他方に基づいて前記第2の方向における前記可動体の位置を算出する
請求項18に記載のカメラモジュール。
【請求項20】
前記可動体を動かすための駆動力を生成する1つ以上の駆動ユニットを更に備え、
前記1つ以上の前記駆動ユニットのそれぞれは、
前記可動体および前記固定部の一方に設けられた駆動用磁石と、
前記可動体および前記固定部の他方に設けられた磁場発生部と
を有し、
前記検知用磁石は、いずれかの前記駆動ユニットの前記駆動用磁石と共通の磁石である
請求項19に記載のカメラモジュール。
【請求項21】
前記可動体を動かすための駆動力を生成する1つ以上の駆動ユニットを更に備え、
前記1つ以上の前記駆動ユニットのそれぞれは、前記検知用磁石とは異なる手段により、前記駆動力を生成する
請求項18に記載のカメラモジュール。
【請求項22】
光学素子を含む可動体の第1の方向および第2の方向の位置を検出し、前記可動体を前記第1の方向および前記第2の方向に駆動するためのICチップであって、
前記可動体の前記第1の方向および前記第2の方向における位置に応じた磁場を検出する複数の磁気センサと、
前記複数の磁気センサの検知磁場に応じて前記可動体の前記第1の方向および前記第2の方向における位置を算出する信号演算部と、
前記可動体の前記第1の方向における位置に基づいて、前記可動体を前記第1の方向に駆動する第1のドライバと、
前記可動体の前記第2の方向における位置に基づいて、前記可動体を前記第2の方向に駆動する第2のドライバと
を内蔵するICチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラモジュールおよびICチップに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気センサを用いて、レンズの位置を検出するカメラモジュールが知られている(例えば特許文献1および2参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2021-51277号公報
[特許文献2] US2021/0333567
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
カメラモジュールの部品点数を減らし、または、カメラモジュールを小型化することが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のひとつの態様においては、カメラモジュールを提供する。カメラモジュールは、光学素子を含む可動体を備えてよい。カメラモジュールは、前記光学素子の光軸と交差する方向において前記可動体と向かい合う面を有する固定部を備えてよい。上記何れかのカメラモジュールは、前記可動体の第1の面に配置された部分を有し、第1の方向に前記可動体を動かすための第1の駆動力を生成する第1の駆動ユニットを備えてよい。上記何れかのカメラモジュールは、前記第1の面とは異なる前記可動体の第2の面に配置された部分を有し、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記可動体を動かすための第2の駆動力を生成する第2の駆動ユニットを備えてよい。上記何れかのカメラモジュールは、前記可動体の前記第1の面に向かい合う前記固定部の面、または、前記可動体の前記第1の面に配置され、前記可動体の前記第1の方向における位置、および、前記第2の方向における位置を検出する位置検知ユニットを備えてよい。
【0005】
上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の駆動ユニットは、前記可動体に配置された第1の磁石を有してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の駆動ユニットは、前記固定部において前記第1の磁石と向かい合って配置され、可変磁場を発生することで前記第1の磁石との間で前記第1の駆動力を発生させる第1の磁場発生部を有してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記位置検知ユニットは、前記固定部において前記第1の磁石と向かい合って配置され、前記第1の磁石からの磁場を検出する磁気センサを有してよい。
【0006】
上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の磁石は、前記位置検知ユニットと向かい合う面に、第1の極性を有する第1の部分を有してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の磁石は、前記位置検知ユニットと向かい合う面に、前記第1の極性とは異なる第2の極性を有し、前記第1の方向または前記第2の方向において前記第1の部分と並んで配置された第2の部分を有してよい。
【0007】
上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記位置検知ユニットは、前記第1の磁石の前記第1の部分と向かい合って配置された第1の前記磁気センサを有してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記位置検知ユニットは、前記第1の磁石の前記第2の部分と向かい合って配置された第2の前記磁気センサを有してよい。
【0008】
上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の磁気センサおよび前記第2の磁気センサの中心間の距離は、前記可動体が前記第1の磁気センサおよび前記第2の磁気センサが並んでいる方向において移動可能な距離よりも小さくてよい。
【0009】
上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の磁気センサは第1の磁場強度を検出してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第2の磁気センサは第2の磁場強度を検出してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記位置検知ユニットは、前記第1の磁場強度と前記第2の磁場強度との和および差の少なくとも一方に基づいて前記第1の方向における前記可動体の位置を算出し、前記第1の磁場強度と前記第2の磁場強度との和および差の少なくとも一方に基づいて前記第2の方向における前記可動体の位置を算出してよい。
【0010】
上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の方向および前記第2の方向は、前記光軸と交差する方向であってよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の磁石の前記第1の部分および前記第2の部分は前記第2の方向に沿って並んでいてよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の磁場発生部は、前記第1の磁石の前記第1の部分と向かい合って配置された第1のコイルを有してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の磁場発生部は、前記第1の磁石の前記第2の部分と向かい合って配置され、前記第1のコイルとは逆向きの磁場を発生させる第2のコイルを有してよい。
【0011】
上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の磁気センサおよび前記第2の磁気センサは、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルの間に配置されていてよい。
【0012】
上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記位置検知ユニットは、前記光軸と平行な方向において前記第1の磁気センサと並んで配置された第3の磁気センサと、前記光軸と平行な方向において前記第2の磁気センサと並んで配置された第4の磁気センサとの少なくとも一方を有してよい。
【0013】
上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記位置検知ユニットは、前記第1の磁気センサが検出する磁場強度と前記第3の磁気センサが検出する磁場強度の差、および、前記第2の磁気センサが検出する磁場強度と前記第4の磁気センサが検出する磁場強度の差の少なくとも一方に基づいて、前記光軸と平行な方向における前記可動体の位置を算出してよい。
【0014】
上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の方向は前記光軸と平行な方向であってよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第2の方向は前記光軸と交差し、且つ、前記第2の面と交差する方向であってよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の磁石の前記第1の部分および前記第2の部分は前記第1の方向に沿って並んでいてよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の磁場発生部は、前記第1の磁石の前記第1の部分および前記第2の部分の両方に跨るように、前記第1の部分および前記第2の部分に向かい合って配置されたコイルを有してよい。
【0015】
上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の磁石は、前記第1の方向および前記第2の方向の両方と交差する第3の方向において前記第1の部分と並んで配置され、前記第2の極性を有する第3の部分を有してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の磁石は、前記第3の方向において前記第2の部分と並んで配置され、前記第1の極性を有する第4の部分を有してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記位置検知ユニットは、前記第3の部分と向かい合って配置された第3の前記磁気センサ、および、前記第4の部分と向かい合って配置された第4の前記磁気センサの少なくとも一方を有してよい。
【0016】
上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の磁気センサは第1の磁場強度を検出してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第2の磁気センサは第2の磁場強度を検出してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第3の磁気センサは第3の磁場強度を検出してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第4の磁気センサは第4の磁場強度を検出してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記位置検知ユニットは、前記第1の磁場強度および前記第2の磁場強度の和、並びに、前記第3の磁場強度および前記第4の磁場強度の和の少なくとも一方に基づいて、前記第1の方向における前記可動体の位置を算出してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記位置検知ユニットは、前記第1の磁場強度および前記第2の磁場強度の差、前記第1の磁場強度および前記第3の磁場強度の差、前記第2の磁場強度と前記第4の磁場強度の差、並びに、前記第3の磁場強度と前記第4の磁場強度の差の少なくとも一つに基づいて、前記第2の方向における前記可動体の位置を算出してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記位置検知ユニットは、前記第1の磁場強度および前記第3の磁場強度の和、並びに、前記第2の磁場強度と前記第4の磁場強度の和の少なくとも一方に基づいて、前記第3の方向における前記可動体の位置を算出してよい。
【0017】
上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記位置検知ユニットは、前記可動体の前記第1の方向における位置に基づいて前記第1の駆動ユニットを駆動する第1のドライバと、前記可動体の前記第2の方向における位置に基づいて前記第2の駆動ユニットを駆動する第2のドライバとを更に有してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の磁気センサ、前記第2の磁気センサ、前記第1のドライバおよび前記第2のドライバが1つのICチップに設けられていてよい。
【0018】
本発明の第2の態様においては、カメラモジュールを提供する。前記カメラモジュールは、光学素子を含み、前記光学素子の光軸と交差する方向に移動する可動体を備えてよい。前記カメラモジュールは、前記光軸と交差する方向において前記可動体と向かい合う面を有する固定部を備えてよい。上記何れかのカメラモジュールは、前記可動体および前記固定部の一方に設けられた検知用磁石を備えてよい。上記何れかのカメラモジュールは、前記可動体および前記固定部の他方において前記検知用磁石と向かい合って配置された磁気センサを有し、前記可動体の位置を検知する位置検知ユニットを備えてよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記位置検知ユニットは、検知用磁石からの磁場を検出し、検出した磁場強度に基づいて、前記光軸と平行な第1の方向における前記可動体の位置と、前記光軸と交差する第2の方向における前記可動体の位置とを算出してよい。
【0019】
上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記検知用磁石は、前記位置検知ユニットと向かい合う面に、第1の極性を有する第1の部分を有してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記検知用磁石は、前記第1の極性とは異なる第2の極性を有し、前記第1の方向または前記第2の方向において前記第1の部分と並んで配置された第2の部分を有してよい。
【0020】
上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記位置検知ユニットは、前記検知用磁石の前記第1の部分と向かい合って配置された第1の磁気センサを有してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記位置検知ユニットは、前記検知用磁石の前記第2の部分と向かい合って配置された第2の磁気センサを有してよい。
【0021】
上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第1の磁気センサは第1の磁場強度を検出してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記第2の磁気センサは第2の磁場強度を検出してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記位置検知ユニットは、前記第1の磁場強度と前記第2の磁場強度との和および差の一方に基づいて前記第1の方向における前記可動体の位置を算出し、前記第1の磁場強度と前記第2の磁場強度との和および差の他方に基づいて前記第2の方向における前記可動体の位置を算出してよい。
【0022】
上記何れかのカメラモジュールは、前記可動体を動かすための駆動力を生成する1つ以上の駆動ユニットを備えてよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記1つ以上の前記駆動ユニットのそれぞれは、前記可動体および前記固定部の一方に設けられた駆動用磁石と、前記可動体および前記固定部の他方に設けられた磁場発生部とを有してよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記検知用磁石は、いずれかの前記駆動ユニットの前記駆動用磁石と共通の磁石であってよい。
【0023】
上記何れかのカメラモジュールは、前記可動体を動かすための駆動力を生成する1つ以上の駆動ユニットを備えてよい。上記何れかのカメラモジュールにおいて、前記1つ以上の前記駆動ユニットのそれぞれは、前記検知用磁石とは異なる手段により、前記駆動力を生成する。
【0024】
本発明の第3の態様においては、光学素子を含む可動体の第1の方向および第2の方向の位置を検出し、前記可動体を前記第1の方向および前記第2の方向に駆動するためのICチップを提供する。ICチップは、前記可動体の前記第1の方向および前記第2の方向における位置に応じた磁場を検出する複数の磁気センサを内蔵してよい。ICチップは、前記複数の磁気センサの検知磁場に応じて前記可動体の前記第1の方向および前記第2の方向における位置を算出する信号演算部を内蔵してよい。上記いずれかのICチップは、前記可動体の前記第1の方向における位置に基づいて、前記可動体を前記第1の方向に駆動する第1のドライバを内蔵してよい。上記何れかのICチップは、前記可動体の前記第2の方向における位置に基づいて、前記可動体を前記第2の方向に駆動する第2のドライバを内蔵してよい。
【0025】
上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第1実施形態に係るカメラモジュール100の一例を示す斜視図である。
図2図1に示したカメラモジュール100の各部材をXY面に投影した平面図である。
図3】XZ面における第1の磁石32-1、磁気センサ72および第1の磁場発生部34-1の配置例を示す図である。
図4】可動体10のX軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の検知磁場の強度との関係を示す図である。
図5】可動体10のY軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の検知磁場の強度との関係を示す図である。
図6】位置検知ユニット70の構成例を示す図である。
図7】位置検知ユニット70の他の構成例を示す図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るカメラモジュール100の一例を示す平面図である。
図9】XZ面における第1の磁石32-1、磁気センサ72および第1の磁場発生部34-1の配置例を示す図である。
図10】可動体10のZ軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の検知磁場の強度との関係を示す図である。
図11】可動体10のY軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の検知磁場の強度との関係を示す図である。
図12】本発明の第3実施形態に係るカメラモジュール100の一例を示す平面図である。
図13】XZ面における第1の磁石32-1、磁気センサ72および第1の磁場発生部34-1の配置例を示す図である。
図14】可動体10のX軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第3の磁気センサ72-3の検知磁場の強度との関係を示す図である。
図15】可動体10のY軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第3の磁気センサ72-3の検知磁場の強度との関係を示す図である。
図16】可動体10のZ軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の検知磁場の強度との関係を示す図である。
図17】ICチップ71の他の構成例を示す図である。
図18】本発明の第4実施形態に係るカメラモジュール100の一例を示す平面図である。
図19】XZ面における第3の磁石32-3および第3の磁場発生部34-3の配置例を示す図である。
図20】XZ面における第1の磁石32-1、磁気センサ72および第1の磁場発生部34-1の配置例を示す図である。
図21】可動体10のX軸方向における位置と、第3の磁気センサ72-3および第4の磁気センサ72-4の検知磁場の強度との関係を示す図である。
図22】可動体10のY軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の検知磁場の強度との関係を示す図である。
図23】可動体10のZ軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第3の磁気センサ72-3の検知磁場の強度との関係を示す図である。
図24】本発明の第5実施形態に係るカメラモジュール100の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0028】
本明細書においては、レンズの光軸と平行な方向における一方の側を「上」、他方の側を「下」と称する場合がある。「上」、「下」の方向は、重力方向と平行な方向には限定されない。
【0029】
本明細書において「同一」または「等しい」のように大きさまたは量を説明した場合、製造ばらつき等に起因する誤差を有する場合も包含してよい。当該誤差は、例えば5%以内である。また、「平行」、「垂直」、「直交」のように角度を説明した場合、製造ばらつき等に起因する誤差を有する場合も包含してよい。当該誤差は、例えば5度以内である。
【0030】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るカメラモジュール100の一例を示す斜視図である。カメラモジュール100は、カメラまたはカメラ機能付きの携帯装置に設けられる。カメラモジュール100は、光学素子20を含む可動体10を備える。光学素子20は、レンズまたはCMOSイメージセンサ等の撮像部である。可動体10は、レンズおよび撮像部の一方を他方に対して移動させることで、レンズおよび撮像部の間の相対位置を調整する。各実施形態では、可動体10がレンズを含み、レンズを動かす例を説明するが、可動体10が撮像部を含み、撮像部を動かしてもよい。カメラモジュール100は、可動体10が撮像部を動かす場合も、可動体10がレンズを動かす場合と同様の機能および構成を有する。本明細書では、光学素子20(本例ではレンズ)の光軸と平行な軸をZ軸、Z軸と直交する2つの軸をX軸およびY軸とする。X軸およびY軸は互いに直交する。本明細書では、光学素子20の光軸を単に光軸と称する場合がある。レンズの下方(Z軸における負方向側)には、レンズを通過した光を受光するCMOSイメージセンサ等の撮像部が設けられるが、図1では省略している。レンズの光軸とは、レンズのXY面における中心点と焦点位置とを結ぶ軸である。レンズのXY面の中心点における、レンズの上面の法線を光軸としてもよい。また、光学素子20として撮像部が設けられている場合も、レンズの光軸を光学素子20の光軸として扱ってよい。他の例では、撮像部の撮像面の中央における撮像面の法線を、光学素子20の光軸としてもよい。
【0031】
可動体10は、複数の面12を有する。一例として面12は、光学素子20の光軸と平行な面であるが、面12は光軸に対して角度を有していてもよい。図1の例では可動体10は直方体または立方体であり、光軸と平行な側面である第1の面12-1~第4の面12-4の4つの面12を有している。他の例では、可動体10は、3つの面12を有してよく、5つ以上の面12を有していてもよい。図1の例のそれぞれの面12は、Y軸またはX軸のいずれかと垂直である。図1の例では、第1の面12-1および第3の面12-3はXZ面と平行であり、第2の面12-2および第4の面12-4はYZ面と平行である。それぞれの面12は平面であるが、曲面部分または凹凸部分を含んでいてもよい。
【0032】
可動体10は、少なくとも2つの方向に移動可能に設けられる。可動体10は、光軸と平行な方向に移動可能であってよい。可動体10を光軸と平行な方向に動かすことで、例えば光学素子20の焦点位置を制御できる。また可動体10は、光軸と交差する方向に移動可能であってよい。交差するとは、平行でないことを指す。可動体10は、光軸と直交する1つまたは複数の方向に移動可能であってよい。可動体10を光軸とは異なる方向に動かすことで、カメラモジュール100が設けられた装置の振動を相殺して、ブレの少ない画像を撮像できる。本例の可動体10は、X軸、Y軸およびZ軸のうちの少なくとも2つの軸の方向に移動可能である。可動体10には、レンズおよび撮像部のうち一方が設けられ、他方が設けられていなくてよい。これにより、可動体10が移動することで、レンズおよび撮像部の一方が他方に対して相対的に移動する。
【0033】
カメラモジュール100は、複数の駆動ユニット30を備える。駆動ユニット30は、可動体10を動かすための駆動力を生成する。駆動ユニット30は、磁力により可動体10を動かしてよく、ピエゾ素子を用いて可動体10を動かしてよく、他の方法で可動体10を動かしてもよい。本例においては、少なくとも1つの駆動ユニット30は、磁力により可動体10を動かす。全ての駆動ユニット30が磁力により可動体10を動かしてよい。
【0034】
本例のカメラモジュール100は、第1の駆動ユニット30-1および第2の駆動ユニット30-2を備える。第1の駆動ユニット30-1は、可動体10の第1の面12-1に配置された部分を有し、第1の方向に可動体10を動かすための第1の駆動力を生成する。第1の駆動力は磁力であってよい。第2の駆動ユニット30-2は、可動体10の第2の面12-2に配置された部分を有し、第2の方向に可動体10を動かすための第2の駆動力を生成する。第1の方向は、第1の面12-1と垂直な方向であってよく、光軸と平行な方向であってよく、他の方向であってもよい。第2の方向は、第2の面12-2と垂直な方向であってよく、光軸と平行な方向であってよく、他の方向であってもよい。図1の例では、第1の駆動ユニット30-1は、第1の面12-1と垂直な第1の方向に可動体10を動かす。また、第2の駆動ユニット30-2は、第2の面12-2と垂直な第2の方向に可動体10を動かす。第1の方向と第2の方向は互いに交差している。第1の方向および第2の方向は、X軸方向、Y軸方向、および、Z軸方向のいずれかであってよい。図1の例では、第1の方向はY軸方向であり、第2の方向はX軸方向である。
【0035】
本例の第1の駆動ユニット30-1は、第1の磁石32-1と、1つ以上の第1の磁場発生部34-1とを有する。図1の例では、第1の駆動ユニット30-1は、第1の磁場発生部34-1a(第1のコイルと称する)および第1の磁場発生部34-1b(第2のコイルと称する)を有している。第1の磁石32-1および第1の磁場発生部34-1のうちの一方は、可動体10の第1の面12-1に設けられ、第1の磁石32-1および第1の磁場発生部34-1のうちの他方は、第1の面12-1と向かい合う位置に設けられる。カメラモジュール100は、可動体10の1つ以上の面12と向かい合う面を含む固定部を有するが、図1では省略している。図1の例では、可動体10に第1の磁石32-1が設けられ、固定部に第1の磁場発生部34-1が設けられている。他の例では、固定部に第1の磁石32-1が設けられ、可動体10に第1の磁場発生部34-1が設けられていてもよい。磁場発生部34および磁石32の配置は、他の駆動ユニット30についても同様である。
【0036】
それぞれの磁場発生部34は、例えばコイルを有する。それぞれのコイルは、面12と平行な面内において周回している。つまり磁場発生部34は、磁石32に対して垂直な磁場を発生する。コイルに流れる電流の向きを反転させることで、磁場発生部34が発生する磁場の向きを反転させることができる。
【0037】
磁石32は、磁場発生部34と向かい合う面に、第1の極性または第2の極性を有する部分を有する。第1の極性はS極およびN極のうちの一方であり、第2の極性はS極およびN極のうちの他方である。各図面において、磁石32の第2の極性を有する部分にハッチングを付しており、第1の極性を有する部分にはハッチングを付していない。
【0038】
磁場発生部34が磁場を発生すると、磁場発生部34が発生した磁場の向きに応じて、磁場発生部34と、磁石32における所定の極性の部分との間で引力または斥力が発生する。これにより、磁石32は可動体10に固定されており、磁石32に生じる引力または斥力に応じて可動体10がいずれかの方向に移動する。
【0039】
第1の磁石32-1は、第1の磁場発生部34-1と向かい合う面において、第1の部分41および第2の部分42を有する。第1の部分41は第1の極性を有し、第2の部分42は第2の極性を有する。第1の磁石32は、第1の部分41の裏に第2の極性の部分51を有し、第2の部分42の裏に第1の極性の部分52を有してもよい。磁石32の部分の裏とは、各部分の面のうち、磁場発生部34と向かい合う面とは逆側の面を指している。
【0040】
第1の磁場発生部34-1aは、第1の磁石32-1の第1の部分41と向かい合って配置されている。第1の磁場発生部34-1bは、第1の磁石32-1の第2の部分42と向かい合って配置されている。第1の磁場発生部34-1aおよび第1の磁場発生部34-1bは、互いに逆向きの磁場を発生する。これにより、第1の磁場発生部34-1aと第1の部分41との間に引力が生じている場合には、第1の磁場発生部34-1bと第2の部分42との間にも引力が生じ、第1の磁場発生部34-1aと第1の部分41との間に斥力が生じている場合には、第1の磁場発生部34-1bと第2の部分42との間にも斥力が生じる。このため、可動体10をY軸方向に移動させることができる。可動体10をどれだけ移動させるかは、磁場発生部34が発生する磁場の強度(本例ではコイルに流す電流の量)で制御できる。
【0041】
第2の駆動ユニット30-2の一部は、可動体10の第2の面12-2に設けられる。本例の第2の面12-2は、第1の面12-1と交差する面である。第2の面12-2は、第1の面12-1と直交してよい。本例の第2の駆動ユニット30-2は、可動体10の第2の面12-2に設けられた第2の磁石32-2と、第2の磁場発生部34-2とを有する。
【0042】
第2の磁石32-2は、第2の磁場発生部34-2と向かい合う面において、第1の部分61を有する。第2の磁石32-2は、第1の部分61の裏に第2の部分62を有する。第1の部分61は第1の極性または第2の極性を有し、第2の部分61は第1の部分61とは逆の極性を有する。
【0043】
第2の磁場発生部34-2は、第2の磁石32-2の第1の部分61と向かい合って配置されている。第2の磁場発生部34-2は、第2の磁石32-2に対して垂直な磁場を発生させる。第2の磁場発生部34-2が発生する磁場の向きに応じて、第2の磁石32-2と第2の磁場発生部34-2との間において引力または斥力が生じ、可動体10が第2の方向に移動する。図1の例において第2の方向はX軸と平行な方向である。
【0044】
位置検知ユニット70は、第1の磁石32-1と向かい合う位置に設けられる。第1の磁石32-1が可動体10に設けられている場合、位置検知ユニット70は、固定部(図2参照)に設けられる。第1の磁石32-1が固定部に設けられている場合、位置検知ユニット70は、可動体10に設けられる。
【0045】
位置検知ユニット70は、可動体10の第1の方向における位置、および、第2の方向における位置を検出する。位置検知ユニット70は、磁気センサを有してよい。磁気センサは、磁場の向きおよび強度を検知できるものであればよい。磁気センサは、磁気センサの検知結果を処理する処理回路、および、駆動ユニットを駆動するためのドライバの少なくとも一方が設けられたICチップに内蔵されてよい。磁気センサは、当該ICチップとは別に設けられていてもよい。当該ICチップは、シリコン基板に形成されてよく、他の材料の半導体基板に形成されてもよい。磁気センサは、トンネル磁気抵抗効果を用いたTMR素子であってよく、巨大磁気抵抗効果を用いたGMR素子であってよく、ホール効果を用いたホール素子であってよく、他の方式のセンサであってもよい。磁気センサは、化合物半導体で形成されてよく、他の材料で形成されてもよい。本例の位置検知ユニット70は、第1の磁石32-1からの磁場を検出し、検出した磁場に基づいて可動体10の位置を検出する。
【0046】
図2は、図1に示したカメラモジュール100の各部材をXY面に投影した平面図である。図1に示した部材に加えて、カメラモジュール100は、可動体10と向かい合う面を有する固定部80を備えている。固定部80は、光学素子20の光軸と交差する方向(例えばX軸方向またはY軸方向)において可動体10と向かい合う面を有する。本例の固定部80は、可動体10の4つの面12と向かい合う4つの面82を有する。第nの面12-nと向かい合う面を、第nの面82-nとする。本例においてnは1から4の整数である。固定部80は、可動体10を収容する箱形状であってよく、可動体10を囲む筒形状であってよく、他の形状であってもよい。固定部80は、カメラモジュール100が設けられる装置に固定される。可動体10は、固定部80に対して相対的に移動可能に設けられる。
【0047】
本例の第1の磁石32-1は、可動体10の第1の面12-1に設けられる。第1の磁場発生部34-1a、34-1bは、固定部80の第1の面82-1に設けられる。第1の磁場発生部34-1a、34-1bは、互いに逆回りに電流が流れるように配置されている。このため、第1の磁場発生部34-1a、34-1bが発生する磁場の向きが逆向きになる。第1の磁場発生部34-1a、34-1bが磁場を発生することで、可動体10は第1の方向(本例ではY軸方向)に移動する。
【0048】
本例の第2の磁石32-2は、可動体10の第2の面12-2に設けられる。第2の磁場発生部34-2は、固定部80の第2の面82-2に設けられる。第2の磁場発生部34-2が磁場を発生することで、可動体10は第2の方向(本例ではX軸方向)に移動する。
【0049】
位置検知ユニット70は、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2を有する。第1の磁気センサ72-1は、第1の磁石32-1の第1の部分41と向かい合って配置される。第2の磁気センサ72-2は、第1の磁石32-1の第2の部分42と向かい合って配置される。なお本明細書において各部材の位置を規定する場合、特に説明する場合を除き、所定の原点位置に可動体10が存在している状態の各部材の位置を規定している。Z軸方向における原点位置は、Z軸方向における可動体10の可動範囲の中心である。X軸方向およびY軸方向における原点位置は、光学素子20の中心(または光軸)が、光学素子20の下方の撮像部における受光面の中心と重なるときの可動体10の位置である。原点位置は、それぞれの磁場発生部34が磁場を発生しておらず、且つ、カメラモジュール100が静止している状態での可動体10の位置であってもよい。
【0050】
図3は、XZ面における第1の磁石32-1、磁気センサ72および第1の磁場発生部34-1の配置例を示す図である。第1の磁石32-1は、位置検知ユニット70と向かい合う面に第1の部分41および第2の部分42を有する。第1の磁石32-1の第1の部分41および第2の部分42は、第2の方向(X軸方向)に並んで配置されている。なお2つの部材が並ぶとは、当該方向における2つの部材の位置が異なることを指す。2つの部材は、当該方向と平行な直線上に配置されてよく、当該直線とはずれて配置されていてもよい。また、当該2つの部材は接していてよく、離れていてもよい。本例の第1の部分41および第2の部分42は接している。他の例では、磁石の第1の極性の部分と第2の極性の部分との間には、中性の部分(着磁されていない部分)が設けられてもよい。第1の部分41および第2の部分42のZ軸方向における位置および長さは同一であってよい。第1の部分41および第2の部分42のX軸方向における長さは同一であってよい。
【0051】
第1の磁場発生部34-1aおよび第1の磁気センサ72-1は、第1の磁石32-1の第1の部分41と向かい合って配置される。第1の磁場発生部34-1bおよび第2の磁気センサ72-2は、第1の磁石32-1の第2の部分42と向かい合って配置される。第1の磁場発生部34-1aおよび第1の磁場発生部34-1bは、Z軸方向における位置および長さが同一であってよい。第1の磁場発生部34-1aおよび第1の磁場発生部34-1bは、X軸方向における長さが同一であってよい。第1の磁場発生部34-1aおよび第1の磁場発生部34-1bは、第1の部分41と第2の部分42との境界線に対して互いに対称となる位置に配置されてよい。
【0052】
第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2は、第2の方向(X軸方向)に並んで配置されている。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2は、第1の磁場発生部34-1aと第2の磁場発生部34-1bとの間に配置されてよい。これにより、それぞれの磁気センサ72において、第1の磁場発生部34-1aが発生する磁場と、第2の磁場発生部34-1bが発生する磁場とが相殺され、第1の磁石32-1からの磁場を精度よく検出できる。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2は、Z軸方向における位置および長さが同一であってよい。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2は、X軸方向における長さが同一であってよい。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2は、第1の部分41と第2の部分42との境界線に対して互いに対称となる位置に配置されてよい。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2が検出する磁場強度は、可動体10の第1の方向(Y軸方向)における位置に応じて変化し、また、可動体10の第2の方向(X軸方向)における位置に応じて変化する。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の感磁軸は、同一の向きであってよく、逆向きであってもよい。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の感磁軸は、第1の面12-1と垂直な方向(Y軸方向)である。つまり本例の第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2は、第1の面12-1と垂直な方向(Y軸方向)の磁場を検出する。
【0053】
第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の第2の方向(X軸方向)における距離L1は、可動体10が第2の方向に移動可能な距離より小さくてよい。距離L1は、第1の磁気センサ72-1の中心と、第2の磁気センサ72-2の中心との距離である。磁気センサ72の中心とは、感磁面の中心を指す。可動体10が第2の方向に移動可能な距離とは、可動体10が第2の方向において移動できる最大の距離を指す。
【0054】
図4は、可動体10のX軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の検知磁場の強度との関係を示す図である。各図において、上述した可動体10の原点位置を原点0とする。第1の磁気センサ72-1が検出する検知磁場の第1の磁場強度をB1とし、第2の磁気センサ72-2が検出する検知磁場の第2の磁場強度をB2とする。図3に示す初期状態では、第1の磁気センサ72-1は第1の部分41からの磁場を多く検出し、正の磁場強度B1を検出する。第2の磁気センサ72-2は第2の部分42からの磁場を多く検出し、負の磁場強度B2を検出する。
【0055】
X軸方向において可動体10が移動すると、それぞれの磁気センサ72が検出する第1の部分41からの磁場と、第2の部分42からの磁場の比率が変化する。例えば図3に示した状態から、可動体10がX軸の正側に移動した場合、第1の磁気センサ72-1と第2の部分42との距離が小さくなるので、第1の磁気センサ72-1が検出する磁場に含まれる、第1の部分41からの磁場成分が減少し、第2の部分42からの磁場成分が増大する。このため図4に示すように、可動体10がX軸の正方向に移動すると、第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1は直線的に減少する。同様に、可動体10がX軸の正方向に移動すると、第2の磁気センサ72-2の第2の磁場強度B2は直線的に減少する。また、可動体10がX軸の負側に移動した場合、第1の磁気センサ72-1と第2の部分42との距離が大きくなるので、第1の磁気センサ72-1が検出する磁場に含まれる、第1の部分41からの磁場成分が増大し、第2の部分42からの磁場成分が減少する。このため図4に示すように、可動体10がX軸の負方向に移動すると、第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1は直線的に増大する。同様に、可動体10がX軸の負方向に移動すると、第2の磁気センサ72-2の第2の磁場強度B2は直線的に増大する。
【0056】
図5は、可動体10のY軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の検知磁場の強度との関係を示す図である。図3に示す初期状態では、第1の磁気センサ72-1は正の第1の磁場強度B1を検出する。第2の磁気センサ72-2は負の第2の磁場強度B2を検出する。それぞれの磁気センサ72の感磁軸は、図4および図5に示す特性を示すように設定されている。
【0057】
Y軸方向において可動体10が移動すると、それぞれの磁気センサ72と、第1の磁石32-1との距離が変化する。図5においては、磁気センサ72と第1の磁石32-1との距離が増大する方向をY軸の正方向とし、当該距離が減少する方向をY軸の負方向とする。それぞれの磁気センサ72が検知する磁場強度の絶対値は、第1の磁石32-1との距離の2乗から3乗に比例して減衰する。
【0058】
位置検知ユニット70は、第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1と、第2の磁気センサ72-2の第2の磁場強度B2とに基づいて、第1の方向における可動体10の位置と、第2の方向における可動体10の位置とを検出する。位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1および第2の磁場強度B2の少なくとも一方に基づいて、第2の方向(X軸方向)における可動体10の位置を算出してよい。位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の和、および、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の差の一方に基づいて第1の方向における可動体10の位置を算出し、当該和および差の他方に基づいて第2の方向における可動体10の位置を算出してよい。
【0059】
図4に示すように、X軸の正方向に可動体10が移動するほど、B1+B2は減少し、X軸の負方向に可動体10が移動するほど、B1+B2は増大する。位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の和に基づいて、X軸方向の可動体10の位置を算出してよい。位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の和を、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2との差で除算した値(B1+B2)/(B1-B2)に基づいて、X軸方向の可動体10の位置を算出してもよい。位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の差に基づいて、可動体10のY軸方向の位置を算出してよい。図5に示すように、Y軸の正方向に可動体10が移動するほど、B1-B2は小さくなり、Y軸の負方向に可動体10が移動するほど、B1-B2は大きくなる。
【0060】
本例によれば、1つの位置検知ユニット70により、2つの方向における可動体10の位置を検知できる。このため、位置検知ユニット70を各方向毎に設ける場合に比べて、カメラモジュール100の部品点数を削減し、または、カメラモジュール100を小型化できる。また、第1の駆動ユニット30-1に含まれる第1の磁石32-1を、位置検知用の磁石としても用いている。このため、位置検知用の磁石を別途設けずともよく、カメラモジュール100の部品点数を削減し、または、カメラモジュール100を小型化できる。
【0061】
図6は、位置検知ユニット70の構成例を示す図である。本例の位置検知ユニット70は、ICチップ71を有する。ICチップ71には、第1の磁気センサ72-1、第2の磁気センサ72-2、第1のドライバ76-1および第2のドライバ76-2が設けられている。第1のドライバ76-1は、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2における磁場強度B1、B2に基づいて、第1の磁場発生部34-1および第2の磁場発生部34-2が発生する磁場を制御する。ICチップ71には、加算回路73-1、減算回路73-2、第1の信号演算部74-1、第2の信号演算部74-2、第1の制御信号出力部75-1および第2の制御信号出力部75-2の少なくとも一つが更に設けられていてもよい。
【0062】
第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2は、第1の磁場強度B1および第2の磁場強度B2の大きさを示す信号を出力する。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2は、デジタル信号を出力してよく、アナログ信号を出力してもよい。
【0063】
加算回路73-1は、第1の磁場強度B1および第2の磁場強度B2を加算した結果を出力する。減算回路73-2は、第1の磁場強度B1から第2の磁場強度B2を減算した結果を出力する。第1の信号演算部74-1は、加算回路73-1における加算結果に基づいて、可動体10の第2の方向における位置を算出する。上述したように、第1の信号演算部74-1は、減算回路73-2における減算結果に更に基づいて、可動体10の第2の方向における位置を算出してもよい。第2の信号演算部74-2は、減算回路73-2における減算結果に基づいて、可動体10の第1の方向における位置を算出する。
【0064】
第1の制御信号出力部75-1は、可動体10の第2の方向における位置に基づいて、可動体10の第2の方向における位置を調整するための第1の制御信号を出力する。第2の制御信号出力部75-2は、可動体10の第1の方向における位置に基づいて、可動体10の第1の方向における位置を調整するための第2の制御信号を出力する。例えば第1の制御信号および第2の制御信号は、可動体10の位置を、原点位置等の所定の位置に制御するための信号である。
【0065】
位置検知ユニット70は、当該所定の位置を指定する目標位置出力部78を更に有してよい。目標位置出力部78は、ICチップ71に内蔵されてよく、ICチップ71とは別に設けられていてもよい。目標位置出力部78は、第1の方向および第2の方向における可動体10の目標位置を、第1の制御信号出力部75-1および第2の制御信号出力部75-2に出力する。例えばZ軸方向の目標位置は、光学素子20の焦点が特定の被写体に合う位置である。これによりオートフォーカス機能が実現できる。またX軸方向またはY軸方向の目標位置は、可動体10の振動を抑制できる位置である。例えば当該目標位置は、可動体10の角速度および加速度の少なくとも一方に応じて定められてよい。これにより手振れ補正機能が実現できる。目標位置は、撮像部が取得する画像におけるボケ量またはコントラスト、若しくは、可動体10の角速度または加速度等に基づいて、目標位置出力部78が演算してよい。第1の制御信号出力部75-1および第2の制御信号出力部75-2は、第1の信号演算部74-1および第2の信号演算部74-2が算出した可動体10の位置と、目標位置出力部78が出力する目標位置との差分が小さく、または、ゼロとなるように、第1の制御信号および第2の制御信号を出力する。
【0066】
第1のドライバ76-1は、第1の制御信号に基づいて、第2の磁場発生部34-2を駆動する。第1のドライバ76-1は、第1の制御信号に応じた向きおよび大きさの電流を、第2の磁場発生部34-2のコイルに流してよい。第2のドライバ76-2は、第2の制御信号に基づいて、第1の磁場発生部34-1を駆動する。第2のドライバ76-2は、第2の制御信号に応じた向きおよび大きさの電流を、第1の磁場発生部34-1のコイルに流してよい。
【0067】
本例によれば、1つのICチップ71で、2つの方向における可動体10の位置を検出し、且つ、2つの方向における可動体10の位置を制御できる。このため、カメラモジュール100の部品点数を削減し、または、カメラモジュール100を小型化できる。ICチップ71は、図1等に示した位置検知ユニット70の位置に設けられてよい。
【0068】
図7は、位置検知ユニット70の他の構成例を示す図である。本例の位置検知ユニット70は、第1の信号演算部74-1および第2の信号演算部74-2に代えて、1つの信号演算部74が設けられている。また第1の制御信号出力部75-1および第2の制御信号出力部75-2に代えて、1つの制御信号出力部75が設けられている。他の構造は、図6に示した例と同様である。
【0069】
信号演算部74は、時分割で、図6に示した第1の信号演算部74-1および第2の信号演算部74-2として機能する。つまり信号演算部74は、所定の時間毎に、第1の信号演算部74-1として機能するか、第2の信号演算部74-2として機能するかが切り替わる。信号演算部74は、所定の時間毎に、第1の方向における可動体10の位置を算出するか、第2の方向における可動体10の位置を算出するかを切り替える。
【0070】
制御信号出力部75は、時分割で、図6に示した第1の制御信号出力部75-1および第2の制御信号出力部75-2として機能する。つまり制御信号出力部75は、所定の時間毎に、第1の制御信号出力部75-1として機能するか、第2の制御信号出力部75-2として機能するかが切り替わる。制御信号出力部75は、所定の時間毎に、第1の制御信号を出力するか、第2の制御信号を出力するかを切り替える。
【0071】
第1のドライバ76-1は、制御信号出力部75が新たに第1の制御信号を出力すると、当該第1の制御信号に応じて第2の磁場発生部34-2を駆動する。第1のドライバ76-1は、制御信号出力部75が次の第1の制御信号を出力するまで、第2の磁場発生部34-2の駆動状態を維持する。つまり第1のドライバ76-1は、制御信号出力部75が第2の制御信号を出力している間、第2の磁場発生部34-2の駆動状態を維持する。
【0072】
第2のドライバ76-2は、制御信号出力部75が新たに第2の制御信号を出力すると、当該第2の制御信号に応じて第1の磁場発生部34-1を駆動する。第2のドライバ76-2は、制御信号出力部75が次の第2の制御信号を出力するまで、第1の磁場発生部34-1の駆動状態を維持する。つまり第2のドライバ76-2は、制御信号出力部75が第1の制御信号を出力している間、第1の磁場発生部34-1の駆動状態を維持する。
【0073】
本例によれば、ICチップ71に含まれる機能ブロックを少なくできる。このため、ICチップ71を小型化でき、カメラモジュール100を小型化できる。
【0074】
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態に係るカメラモジュール100の一例を示す平面図である。本例においては、可動体10は、光軸と平行なZ軸方向(第1の方向)と、光軸と交差する第2の方向に移動する。本例における第2の方向は、第1の磁石32-1において第1の部分41および第2の部分42が配置された配置面(または第1の面12-1)と交差するY軸方向である。また本例では、可動体10において、第1の面12-1と逆側の面を第2の面12-2とする。同様に、固定部80において、第1の面82-1と逆側の面を第2の面82-2とする。
【0075】
本例の第2の駆動ユニット30-2は、第2の面12-2に設けられた第2の磁石32-2と、第2の面82-2に設けられた第2の磁場発生部34-2とを有する。第2の磁石32-2と、第2の磁場発生部34-2の機能および構造は、第1実施形態と同様であってよい。本例の第2の駆動ユニット30-2は、Y軸方向に可動体10を移動させる。
【0076】
本例の第1の駆動ユニット30-1は、第1の面12-1に設けられた第1の磁石32-1と、第1の面82-1に設けられた第1の磁場発生部34-1とを有する。本例の位置検知ユニット70は、第1の面82-1に設けられている。本例の第1の駆動ユニット30-1は、光軸と平行なZ軸方向に可動体10を移動させる。
【0077】
図9は、XZ面における第1の磁石32-1、磁気センサ72および第1の磁場発生部34-1の配置例を示す図である。本例の第1の磁石32-1は、位置検知ユニット70と向かい合う面において、Z軸方向(第1の方向)に並んだ第1の部分41および第2の部分42を有する。本明細書では、第1の磁石32-1において位置検知ユニット70と向かい合う面を配置面と称する場合がある。第1の部分41および第2の部分42のX軸方向における位置および長さは同一であってよい。第1の部分41および第2の部分42のZ軸方向における長さは同一であってよい。
【0078】
本例の第1の磁場発生部34-1は、第1の部分41および第2の部分42の両方に跨るように、第1の部分41および第2の部分42に向かい合って配置された第3のコイルである。第3のコイルは、巻線の中心軸が、第1の部分41および第2の部分42の境界線と重なるように配置されてよく、中心軸が当該境界線とずれて配置されてもよい。第1の磁場発生部34-1は、第1の磁石32-1に対して垂直な方向の磁場を発生する。第1の磁場発生部34-1が発生する磁場の向きにより、可動体10がZ軸の正方向(上)に移動するか、Z軸の負方向(下)に移動するかを制御できる。例えば第1の磁場発生部34-1の磁場が第1の部分41と引き合う向きの場合、可動体10は、第1の磁石32-1の第1の部分41のZ軸方向の中心が、第1の磁場発生部34-1のZ軸方向の中心に近づく方向(図9の例ではZ軸の負方向)に移動する。第1の磁場発生部34-1の磁場が第2の部分42と引き合う向きの場合、可動体10は、第1の磁石32-1の第2の部分42のZ軸方向の中心が、第1の磁場発生部34-1のZ軸方向の中心に近づく方向(図9の例ではZ軸の正方向)に移動する。
【0079】
第1の磁気センサ72-1は、第1の磁石32-1の第1の部分41と向かい合って配置される。第2の磁気センサ72-2は、第1の磁石32-1の第2の部分42と向かい合って配置される。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2は、第1の方向(Z軸方向)に並んで配置されている。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2は、X軸方向における位置および長さが同一であってよい。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2は、Z軸方向における長さが同一であってよい。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2は、第1の部分41と第2の部分42との境界線に対して互いに対称となる位置に配置されてよい。Z軸方向における第1の磁気センサ72-1と第2の磁気センサ72-2との距離L2は、可動体10がZ軸方向に移動可能な距離よりも小さくてよい。距離L2は、第1の磁気センサ72-1の中心と、第2の磁気センサ72-2の中心との距離である。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2が検出する磁場強度は、可動体10の第1の方向(Z軸方向)における位置に応じて変化し、また、可動体10の第2の方向(Y軸方向)における位置に応じて変化する。
【0080】
図10は、可動体10のZ軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の検知磁場の強度との関係を示す図である。本例では、Z軸の正方向を上とし、Z軸の負方向を下とする。図4において説明した例と同様に、可動体10がZ軸の正方向に移動すると、第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1および第2の磁気センサ72-2の第2の磁場強度B2は直線的に増大する。また、可動体10がZ軸の負方向に移動すると、第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1および第2の磁気センサ72-2の第2の磁場強度B2は直線的に減少する。
【0081】
図11は、可動体10のY軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の検知磁場の強度との関係を示す図である。図5において説明した例と同様に、可動体10がY軸の正方向に移動すると、第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1および第2の磁気センサ72-2の第2の磁場強度B2の絶対値は減少する。また、可動体10がY軸の負方向に移動すると、第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1および第2の磁気センサ72-2の第2の磁場強度B2の絶対値は増大する。
【0082】
本例においても、位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の和に基づいて、Z軸方向の可動体10の位置を算出してよい。位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の和を、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2との差で除算した値(B1+B2)/(B1-B2)に基づいて、Z軸方向の可動体10の位置を算出してもよい。位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2の差(B1-B2)に基づいて、可動体10のY軸方向の位置を算出してよい。
【0083】
(第3実施形態)
図12は、本発明の第3実施形態に係るカメラモジュール100の一例を示す平面図である。本例においては、可動体10は、光軸と平行な第1の方向(図12ではZ軸方向)、光軸と交差する第2の方向(図12ではY軸方向)、第1の方向および第2の方向の両方と交差する第3の方向(図12ではX軸方向)に移動する。また本例では、可動体10において、第1の面12-1と逆側の面を第2の面12-2とし、第1の面12-1および第2の面12-2の両方と交差する面を第3の面12-3とする。同様に、固定部80において、第1の面82-1と逆側の面を第2の面82-2とし、第1の面82-1および第2の面82-2の両方と交差する面を第3の面82-3とする。
【0084】
本例の第1の駆動ユニット30-1は、第1の面12-1に設けられた第1の磁石32-1と、第1の面82-1に設けられた第1の磁場発生部34-1とを有する。本例の位置検知ユニット70は、第1の面82-1に設けられている。本例の第1の駆動ユニット30-1は、光軸と平行なZ軸方向に可動体10を移動させる。
【0085】
本例の第2の駆動ユニット30-2は、第2の面12-2に設けられた第2の磁石32-2と、第2の面82-2に設けられた第2の磁場発生部34-2とを有する。第2の磁石32-2と、第2の磁場発生部34-2の機能および構造は、第2実施形態と同様であってよい。本例の第2の駆動ユニット30-2は、Y軸方向に可動体10を移動させる。
【0086】
本例の第3の駆動ユニット30-3(図1等には図示していない)は、第3の面12-3に設けられた第3の磁石32-3と、第3の面82-3に設けられた第3の磁場発生部34-3とを有する。第3の磁石32-3と、第3の磁場発生部34-3の機能および構造は、第1実施形態の第2の磁石32-2および第2の磁場発生部34-2と同様である。本例の第3の駆動ユニット30-3は、X軸方向に可動体10を移動させる。
【0087】
図13は、XZ面における第1の磁石32-1、磁気センサ72および第1の磁場発生部34-1の配置例を示す図である。本例の第1の磁石32-1は、位置検知ユニット70と向かい合う面(つまり配置面)において、Z軸方向(第1の方向)に並んだ第1の部分41および第2の部分42を有する。第1の部分41および第2の部分42は、第2実施形態における第1の部分41および第2の部分42と同様であってよい。
【0088】
第1の磁石32-1は、配置面において、第3の部分43および第4の部分44を更に有する。第3の部分43は、第3の方向(X軸方向)において第1の部分41と並んで配置された、第2の極性を有する部分である。第4の部分44は、第3の方向(X軸方向)において第2の部分42と並んで配置された、第1の極性を有する部分である。第4の部分44は、第1の方向(Z軸方向)において第3の部分43と並んで配置されている。第3の部分43および第4の部分44のX軸方向における位置および長さは同一であってよい。第3の部分43および第4の部分44のZ軸方向における長さは同一であってよい。第1の部分41、第2の部分42、第3の部分43および第4の部分44は、第1の磁石32-1を4等分した部分であってよい。第1の部分41、第2の部分42、第3の部分43および第4の部分44のそれぞれの裏には、逆極性の部分が配置されてよい。
【0089】
本例では、第1の磁石32-1と向かい合うように、第1の磁場発生部34-1aおよび第2の磁場発生部34-1bの少なくとも一つが設けられる。第1の磁場発生部34-1aは、第2実施形態の第1の磁場発生部34-1と同様に、第1の部分41および第2の部分42の両方に跨るように、第1の部分41および第2の部分42に向かい合って配置されたコイルである。第1の磁場発生部34-1bは、第2実施形態の第1の磁場発生部34-1と同様に、第3の部分43および第4の部分44の両方に跨るように、第3の部分43および第4の部分44に向かい合って配置されたコイルである。第1の磁場発生部34-1aおよび第1の磁場発生部34-1bは、互いに逆向きの磁場を発生する。これにより、第1の磁場発生部34-1aが、第1の部分41および第2の部分42を上側(または下側)に動かす磁場を発生している場合、第1の磁場発生部34-1bも、第3の部分43および第4の部分44を上側(または下側)に動かす磁場を発生することになる。
【0090】
位置検知ユニット70は、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2を有する。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の配置は、第1実施形態と同様である。
【0091】
本例の位置検知ユニット70は、第3の磁気センサ72-3および第4の磁気センサ72-4のうちの少なくとも一つを更に有する。第3の磁気センサ72-3は、第3の部分43と向かい合って配置される。第4の磁気センサ72-4は、第4の部分44と向かい合って配置される。第3の磁気センサ72-3および第4の磁気センサ72-4は、第1の方向(Z軸方向)に並んで配置されている。第1の磁気センサ72-1および第3の磁気センサ72-3は、第3の方向(X軸方向)に並んで配置されている。第2の磁気センサ72-2および第4の磁気センサ72-4は、第3の方向(X軸方向)に並んで配置されている。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2は、第1の部分41と第2の部分42との境界線に対して互いに対称となる位置に配置されてよい。第3の磁気センサ72-3および第4の磁気センサ72-4は、第3の部分43と第4の部分44との境界線に対して互いに対称となる位置に配置されてよい。第1の磁気センサ72-1および第3の磁気センサ72-3は、第1の部分41と第3の部分43との境界線に対して互いに対称となる位置に配置されてよい。第2の磁気センサ72-2および第4の磁気センサ72-4は、第2の部分42と第4の部分44との境界線に対して互いに対称となる位置に配置されてよい。
【0092】
それぞれの磁気センサ72は、X軸方向において第1の磁場発生部34-1aおよび第2の磁場発生部34-1bの間に配置されてよい。これにより、それぞれの磁気センサ72において、第1の磁場発生部34-1aおよび第2の磁場発生部34-1bが発生する磁場が相殺されて、第1の磁石32-1からの磁場を精度よく検出できる。
【0093】
図14は、可動体10のX軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第3の磁気センサ72-3の検知磁場の強度との関係を示す図である。なお第2の磁気センサ72-2および第4の磁気センサ72-4の検知磁場の強度も、第1の磁気センサ72-1および第3の磁気センサ72-3と同様である。図4において説明した例と同様に、可動体10がX軸の正方向に移動すると、第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1および第3の磁気センサ72-3の第3の磁場強度B3は直線的に減少する。また、可動体10がX軸の負方向に移動すると、第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1および第3の磁気センサ72-3の第3の磁場強度B3は直線的に増大する。
【0094】
図15は、可動体10のY軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第3の磁気センサ72-3の検知磁場の強度との関係を示す図である。なお第2の磁気センサ72-2および第4の磁気センサ72-4の検知磁場の強度も、第1の磁気センサ72-1および第3の磁気センサ72-3と同様である。図11において説明した例と同様に、可動体10がY軸の正方向に移動すると、第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1および第3の磁気センサ72-3の第3の磁場強度B3の絶対値は減少する。また、可動体10がY軸の負方向に移動すると、第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1および第3の磁気センサ72-3の第3の磁場強度B3の絶対値は増大する。
【0095】
図16は、可動体10のZ軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の検知磁場の強度との関係を示す図である。なお第3の磁気センサ72-3および第4の磁気センサ72-4の検知磁場の強度も、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2と同様である。X軸方向における移動と同様に、可動体10がZ軸の正方向に移動すると、第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1および第2の磁気センサ72-2の第2の磁場強度B2は減少する。また、可動体10がZ軸の負方向に移動すると、第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1および第2の磁気センサ72-2の第2の磁場強度B2は増大する。
【0096】
第1実施形態と同様に、位置検知ユニット70は、X軸方向において隣り合って配置された2つの磁気センサ72が検知する磁場強度の和に基づいて、可動体10のX軸方向の位置を算出する。位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1と第3の磁場強度B3との和(B1+B3)、並びに、第2の磁場強度B2と第4の磁場強度B4との和(B2+B4)の少なくとも一方に基づいてX軸方向の位置を算出してもよい。また位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1と第3の磁場強度B3との和と差の比(B1+B3)/(B1-B3)に基づいてX軸方向の位置を算出してよく、第2の磁場強度B2と第4の磁場強度B4との和と差の比(B2+B4)/(B2-B4)に基づいてX軸方向の位置を算出してもよい。位置検知ユニット70は、2つ以上の方法で算出したX軸方向の位置の平均値を用いてもよい。
【0097】
第1実施形態と同様に、位置検知ユニット70は、X軸方向またはZ軸方向において隣り合って配置された2つの磁気センサ72が検知する磁場強度の差に基づいて、可動体10のY軸方向の位置を算出する。位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2との差(B1-B2)に基づいて、可動体10のY軸方向の位置を算出してよい。位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1と第3の磁場強度B3との差(B1-B3)に基づいて可動体10のY軸方向の位置を算出してよく、第2の磁場強度B2と、第4の磁気センサ72-4の第4の磁場強度B4との差(B2-B4)に基づいて可動体10のY軸方向の位置を算出してよく、第3の磁場強度B3と第4の磁場強度B4との差(B3-B4)に基づいて可動体10のY軸方向の位置を算出してもよい。位置検知ユニット70は、2つ以上の方法で算出したY軸方向の位置の平均値を用いてもよい。
【0098】
第2実施形態と同様に、位置検知ユニット70は、Z軸方向において隣り合って配置された2つの磁気センサ72が検知する磁場強度の和に基づいて、可動体10のZ軸方向の位置を算出する。位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2との和(B1+B2)に基づいてZ軸方向の位置を算出してよく、第3の磁場強度B3と第4の磁場強度B4との和(B3+B4)に基づいてZ軸方向の位置を算出してもよい。また位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2との和と差の比(B1+B2)/(B1-B2)に基づいてZ軸方向の位置を算出してよく、第3の磁場強度B3と第4の磁場強度B4との和と差の比(B3+B4)/(B3-B4)に基づいてZ軸方向の位置を算出してもよい。位置検知ユニット70は、2つ以上の方法で算出したZ軸方向の位置の平均値を用いてもよい。
【0099】
図17は、ICチップ71の他の構成例を示す図である。本例のICチップ71は、図6において説明したICチップ71の構成に加えて、第3の磁気センサ72-3、加算回路73-3、第3の信号演算部74-3、第3の制御信号出力部75-3、および、第3のドライバ76-3を更に備える。加算回路73-3は、第1の磁場強度B1と第3の磁場強度B3との和(B1+B3)を算出する。
【0100】
第1の信号演算部74-1は、加算回路73-1における加算結果に基づいて、可動体10の第1の方向(Z軸方向)における位置を算出する。上述したように、第1の信号演算部74-1は、減算回路73-2における減算結果に更に基づいて、可動体10の第1の方向における位置を算出してもよい。第2の信号演算部74-2は、減算回路73-2における減算結果に基づいて、可動体10の第2の方向(Y軸方向)における位置を算出する。第3の信号演算部74-3は、加算回路73-3における加算結果に基づいて、可動体10の第3の方向(X軸方向)における位置を算出する。上述したように、第3の信号演算部74-3は、第1の磁場強度B1と第3の磁場強度B3との差(B1-B3)に更に基づいて、可動体10の第3の方向における位置を算出してもよい。ICチップ71は、第1の磁場強度B1と第3の磁場強度B3との差(B1-B3)を算出する減算回路73-4を更に有してよい。
【0101】
第1の制御信号出力部75-1は、可動体10の第1の方向における位置に基づいて、可動体10の第1の方向における位置を調整するための第1の制御信号を出力する。第2の制御信号出力部75-2は、可動体10の第2の方向における位置に基づいて、可動体10の第2の方向における位置を調整するための第2の制御信号を出力する。第3の制御信号出力部75-3は、可動体10の第3の方向における位置に基づいて、可動体10の第3の方向における位置を調整するための第3の制御信号を出力する。
【0102】
第1のドライバ76-1は、第1の制御信号に基づいて、第1の磁場発生部34-1を駆動する。第2のドライバ76-2は、第2の制御信号に基づいて、第2の磁場発生部34-2を駆動する。第3のドライバ76-3は、第3の制御信号に基づいて、第3の磁場発生部34-3を駆動する。
【0103】
図7に示した例と同様に、一つの信号演算部74が、第1の信号演算部74-1~第3の信号演算部74-3として、時分割で動作してもよい。また、一つの制御信号出力部75が、第1の制御信号出力部75-1~第3の制御信号出力部75-3として、時分割で動作してもよい。
【0104】
(第4実施形態)
図18は、本発明の第4実施形態に係るカメラモジュール100の一例を示す平面図である。本例においては、可動体10は、光軸と交差する第1の方向(図18ではY軸方向)、光軸および第1の方向の両方と交差する第2の方向(図18ではX軸方向)、および、光軸と平行な第3の方向(図18ではZ軸方向)に移動する。また本例では、可動体10において、第1の面12-1と逆側の面を第3の面12-3とし、第1の面12-1および第3の面12-3の両方と交差する面を第2の面12-2とする。同様に、固定部80において、第1の面82-1と逆側の面を第3の面82-3とし、第1の面82-1および第3の面82-3の両方と交差する面を第2の面82-2とする。
【0105】
本例の第1の駆動ユニット30-1は、第1の面12-1に設けられた第1の磁石32-1と、第1の面82-1に設けられた第1の磁場発生部34-1とを有する。本例の位置検知ユニット70は、第1の面82-1に設けられている。本例の第1の駆動ユニット30-1は、第1の方向(図18ではY軸方向)に可動体10を移動させる。
【0106】
本例の第2の駆動ユニット30-2は、第2の面12-2に設けられた第2の磁石32-2と、第2の面82-2に設けられた第2の磁場発生部34-2とを有する。第2の磁石32-2と、第2の磁場発生部34-2の機能および構造は、第1実施形態と同様であってよい。本例の第2の駆動ユニット30-2は、第2の方向(図18ではX軸方向)に可動体10を移動させる。
【0107】
本例の第3の駆動ユニット30-3は、第3の面12-3に設けられた第3の磁石32-3と、第3の面82-3に設けられた第3の磁場発生部34-3とを有する。本例の第3の駆動ユニット30-3は、第3の方向(図18ではZ軸方向)に可動体10を移動させる。
【0108】
図19は、XZ面における第3の磁石32-3および第3の磁場発生部34-3の配置例を示す図である。本例の第3の磁石32-3は、XZ面においてZ軸方向に並んだ第1の部分61および第2の部分62とを有する。第1の部分61および第2の部分62は、互いに極性が異なる。
【0109】
第3の磁場発生部34-3は、第2実施形態の第1の磁場発生部34-1と同様に、第1の部分61および第2の部分62の両方に跨るように、第1の部分61および第2の部分62に向かい合って配置されたコイルである。第3の磁場発生部34-3が磁場を発生することで、第3の磁石32-3をZ軸方向に移動させる駆動力が発生する。
【0110】
図20は、XZ面における第1の磁石32-1、磁気センサ72および第1の磁場発生部34-1の配置例を示す図である。本例の第1の磁石32-1は、位置検知ユニット70と向かい合う面(つまり配置面)において、X軸方向(第1の方向)に並んだ第1の部分41および第2の部分42を有する。第1の部分41および第2の部分42は、第1実施形態における第1の部分41および第2の部分42と同様であってよい。第1の部分41および第2の部分42のそれぞれの裏には、逆極性の部分が配置されてよい。
【0111】
本例では、第1の磁石32-1と向かい合うように、第1の磁場発生部34-1aおよび第2の磁場発生部34-1bの少なくとも一つが設けられる。第1の磁場発生部34-1aおよび第2の磁場発生部34-1bの配置は、第1実施形態の第1の磁場発生部34-1aおよび第2の磁場発生部34-1bと同様である。第1の磁場発生部34-1aおよび第2の磁場発生部34-1bの少なくとも一方が磁場を発生することで、第1の磁石32-1をY軸方向に移動させる駆動力が発生する。
【0112】
位置検知ユニット70は、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2を有する。第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の配置は、第1実施形態と同様である。
【0113】
本例の位置検知ユニット70は、第3の磁気センサ72-3および第4の磁気センサ72-4のうちの少なくとも一つを更に有する。第3の磁気センサ72-3は、第1の部分41と向かい合って配置される。第4の磁気センサ72-4は、第2の部分42と向かい合って配置される。第1の磁気センサ72-1および第3の磁気センサ72-3は、Z軸方向に並んで配置されている。第1の磁気センサ72-1と、第1の部分41の下端との距離と、第3の磁気センサ72-3と、第1の部分41の上端との距離は同一であってよい。当該距離は、可動体10がZ軸方向に移動可能な距離よりも小さくてよい。第2の磁気センサ72-2および第4の磁気センサ72-4は、Z軸方向に並んで配置されている。第2の磁気センサ72-1と、第2の部分41の下端との距離は、第4の磁気センサ72-4と、第2の部分42の上端との距離と同一であってよい。当該距離は、可動体10がZ軸方向に移動可能な距離よりも小さくてよい。第3の磁気センサ72-3および第4の磁気センサ72-4は、X軸方向に並んで配置されている。第3の磁気センサ72-3および第4の磁気センサ72-4は、第1の部分41と第2の部分42との境界線に対して互いに対称となる位置に配置されてよい。
【0114】
それぞれの磁気センサ72は、X軸方向において第1の磁場発生部34-1aおよび第2の磁場発生部34-1bの間に配置されてよい。これにより、それぞれの磁気センサ72において、第1の磁場発生部34-1aおよび第2の磁場発生部34-1bが発生する磁場が相殺されて、第1の磁石32-1からの磁場を精度よく検出できる。
【0115】
図21は、可動体10のX軸方向における位置と、第3の磁気センサ72-3および第4の磁気センサ72-4の検知磁場の強度との関係を示す図である。なお第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の検知磁場の強度も、第3の磁気センサ72-3および第4の磁気センサ72-4と同様である。可動体10がX軸の正方向に移動すると、第4の磁気センサ72-4の第4の磁場強度B4および第3の磁気センサ72-3の第3の磁場強度B3は直線的に増大する。また、可動体10がX軸の負方向に移動すると、第4の磁気センサ72-4の第4の磁場強度B4および第3の磁気センサ72-3の第3の磁場強度B3は直線的に減少する。
【0116】
図22は、可動体10のY軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2の検知磁場の強度との関係を示す図である。なお第3の磁気センサ72-3および第4の磁気センサ72-4の検知磁場の強度も、第1の磁気センサ72-1および第2の磁気センサ72-2と同様である。図11において説明した例と同様に、可動体10がY軸の正方向に移動すると、第2の磁気センサ72-2の第2の磁場強度B2および第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1の絶対値は減少する。また、可動体10がY軸の負方向に移動すると、第2の磁気センサ72-2の第2の磁場強度B2および第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1の絶対値は増大する。
【0117】
図23は、可動体10のZ軸方向における位置と、第1の磁気センサ72-1および第3の磁気センサ72-3の検知磁場の強度との関係を示す図である。なお第2の磁気センサ72-2および第4の磁気センサ72-4の検知磁場の強度も、第1の磁気センサ72-1および第3の磁気センサ72-3と同様である。
【0118】
Z軸方向に並んだ2つの磁気センサ72の磁場強度は、第1の磁石32-1がZ軸方向に移動することで変動する。例えば第1の磁石32-1が上方向に移動すると、第1の磁気センサ72-1と第1の部分41の下端との距離が近くなる。この場合、第1の磁気センサ72-1の第1の磁場強度B1は減少する。また、第1の磁気センサ72-1が第1の部分41と重ならない位置まで第1の部分41が移動すると、第1の磁場強度B1は更に減少する。一方で、第3の磁気センサ72-3と第1の部分41の上端との距離は遠くなり、第3の磁気センサ72-3は、第1の部分41の中央に近づく。この場合、第3の磁気センサ72-3の第3の磁場強度B3は増大する。このため、図23に示すような特性が得られる。
【0119】
第1実施形態と同様に、位置検知ユニット70は、X軸方向において隣り合って配置された2つの磁気センサ72が検知する磁場強度の和に基づいて、可動体10のX軸方向の位置を算出する。位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2との和(B1+B2)、並びに、第3の磁場強度B3と第4の磁場強度B4との和(B3+B4)の少なくとも一方に基づいてX軸方向の位置を算出してもよい。また位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2との和と差の比(B1+B2)/(B1-B2)に基づいてX軸方向の位置を算出してよく、第3の磁場強度B3と第4の磁場強度B4との和と差の比(B3+B4)/(B3-B4)に基づいてX軸方向の位置を算出してもよい。位置検知ユニット70は、2つ以上の方法で算出したX軸方向の位置の平均値を用いてもよい。
【0120】
第1実施形態と同様に、位置検知ユニット70は、X軸方向において隣り合って配置された2つの磁気センサ72が検知する磁場強度の差に基づいて、可動体10のY軸方向の位置を算出する。位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1と第2の磁場強度B2との差(B1-B2)に基づいて、可動体10のY軸方向の位置を算出してよい。位置検知ユニット70は、第3の磁場強度B3と第4の磁場強度B4との差(B3-B4)に基づいて可動体10のY軸方向の位置を算出してよい。位置検知ユニット70は、2つ以上の方法で算出したY軸方向の位置の平均値を用いてもよい。
【0121】
位置検知ユニット70は、Z軸方向において隣り合って配置された2つの磁気センサ72が検知する磁場強度の差に基づいて、可動体10のZ軸方向の位置を算出する。位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1と第3の磁場強度B3との差(B1-B3)に基づいてZ軸方向の位置を算出してよく、第2の磁場強度B2と第4の磁場強度B4との差(B2-B4)に基づいてZ軸方向の位置を算出してもよい。図23に示すように、当該磁場強度の差の絶対値は、可動体10が原点位置から移動するほど大きくなる。また、当該磁場強度の差の符号は、可動体10が正方向または負方向のいずれに移動したかにより定まる。また位置検知ユニット70は、第1の磁場強度B1と第3の磁場強度B3との差と和の比(B1-B3)/(B1+B3)に基づいてZ軸方向の位置を算出してよく、第2の磁場強度B2と第4の磁場強度B4との差と和との比(B2-B4)/(B2+B4)に基づいてZ軸方向の位置を算出してもよい。位置検知ユニット70は、2つ以上の方法で算出したZ軸方向の位置の平均値を用いてもよい。
【0122】
(第5実施形態)
図24は、本発明の第5実施形態に係るカメラモジュール100の一例を示す平面図である。本例においては、可動体10は、光軸と平行な第1の方向(図24ではZ軸方向)と、光軸と交差する第2の方向(図24ではX軸方向)と、第1の方向および第2の方向の両方と交差する第3の方向(図24ではY軸方向)に移動する。
【0123】
本例のカメラモジュール100は、可動体10、固定部80、第2の磁場発生部34-2、第3の磁場発生部34-3、第4の磁場発生部34-4、第2の磁石32-2、第3の磁石32-3、第4の磁石32-4、検知用磁石132および位置検知ユニット70を有する。可動体10および固定部80は、図1から図23の例と同様である。対となる磁場発生部34および磁石32は、駆動ユニット30を構成している。
【0124】
第2の磁場発生部34-2および第2の磁石32-2は、可動体10をX軸方向に移動させる駆動力を発生する。第2の磁場発生部34-2は第2の面82-2に設けられ、第2の磁石32-2は第2の面12-2に設けられる。第2の磁場発生部34-2および第2の磁石32-2は、第1実施形態における第2の磁場発生部34-2および第2の磁石32-2と同様である。
【0125】
第3の磁場発生部34-3および第3の磁石32-3は、可動体10をY軸方向に移動させる駆動力を発生する。第3の磁場発生部34-3は第3の面82-3に設けられ、第3の磁石32-3は第3の面12-3に設けられる。第3の面82-3は第2の面82-2と交差する面であり、第3の面12-3は第2の面12-2と交差する面である。第3の磁場発生部34-3および第3の磁石32-3は、第2実施形態における第2の磁場発生部34-2および第2の磁石32-2と同様である。
【0126】
第4の磁場発生部34-4および第4の磁石32-4は、可動体10をZ軸方向に移動させる駆動力を発生する。第4の磁場発生部34-4は第4の面82-4に設けられ、第4の磁石32-4は第4の面12-4に設けられる。第4の面82-4は第2の面82-2の逆側の面であり、第4の面12-4は第2の面12-2の逆側の面である。第4の磁場発生部34-4および第4の磁石32-4は、第4実施形態における第3の磁場発生部34-3および第3の磁石32-3と同様である。
【0127】
検知用磁石132は、可動体10の第1の面12-1および固定部80の第1の面82-1の一方に設けられる。検知用磁石132は、第1から第4実施形態におけるいずれかの第1の磁石32-1と同様の構成を有する。検知用磁石132は、少なくとも第1の部分41および第2の部分42を有する。位置検知ユニット70は、固定部80の第1の面82-1に設けられる。位置検知ユニット70は、可動体10の第1の面12-1および固定部80の第1の面82-1のうち、検知用磁石132が設けられていない方に設けられる。位置検知ユニット70は、検知用磁石132と向かい合って配置され、可動体10の位置を検知する。
【0128】
位置検知ユニット70は、検知用磁石132からの磁場を検出し、検出した磁場強度に基づいて、光軸と平行な第1の方向(図24ではZ軸方向)における可動体10の位置と、光軸と交差する第2の方向(図24ではX軸方向)における可動体10の位置とを算出する。位置検知ユニット70は、第1の方向および第2の方向の両方と交差する第3の方向(図24ではY軸方向)における可動体10の位置を更に算出してもよい。位置検知ユニット70は、2つ以上の磁気センサ72を有する。位置検知ユニット70の構成は、第1から第4実施形態におけるいずれかの位置検知ユニット70と同様である。また、複数の磁気センサ72と、検知用磁石132の各極性の部分の配置は、第1から第4実施形態のいずれかの形態における磁気センサ72と、第1の磁石32-1の各部分の配置と同様である。
【0129】
このような構成により、可動体10を複数の方向に移動させ、また、1つの位置検知ユニット70で、複数の方向における可動体10の位置を検知できる。このため、カメラモジュール100の部品点数を削減し、または、カメラモジュール100を小型化できる。
【0130】
第1から第4実施形態においては、位置検知ユニット70は、第1の磁場発生部34-1と同一の面に配置されていた。本例の位置検知ユニット70は、いずれの磁場発生部34とも異なる面に配置されている。
【0131】
第1から第5実施形態においては、それぞれの駆動ユニット30が、駆動用磁石を有している。第1の磁石32-1から第4の磁石32-4は、それぞれ駆動用磁石である。第1から第4実施形態においては、第1の磁石32-1が、駆動用磁石として機能するとともに、検知用磁石132としても機能している。つまり、第1から第4実施形態においては、検知用磁石132は、いずれかの駆動ユニット30の駆動用磁石と共通の磁石である。一方で第5実施形態においては、検知用磁石132は、いずれの駆動ユニット30の駆動用磁石とも異なる磁石である。第5実施形態におけるそれぞれの駆動ユニット30は、検知用磁石132とは異なる手段で、可動体10を移動させる駆動力を生成する。図24の例では、駆動ユニット30は、磁力で可動体10を動かしている。他の例では、駆動ユニット30は、ピエゾ素子を用いて可動体10を動かしてよく、他の方法で可動体10を動かしてもよい。
【0132】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0133】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0134】
10・・・可動体、12・・・面、12-1・・・第1の面、12-2・・・第2の面、12-3・・・第3の面、12-4・・・第4の面、20・・・光学素子、30・・・駆動ユニット、30-1・・・第1の駆動ユニット、30-2・・・第2の駆動ユニット、30-3・・・第3の駆動ユニット、32・・・磁石、32-1・・・第1の磁石、32-2・・・第2の磁石、32-3・・・第3の磁石、32-4・・・第4の磁石、34・・・磁場発生部、34-1・・・第1の磁場発生部、34-2・・・第2の磁場発生部、34-3・・・第3の磁場発生部、34-4・・・第4の磁場発生部、41・・・第1の部分、42・・・第2の部分、43・・・第3の部分、44・・・第4の部分、51・・・部分、52・・・部分、61・・・第1の部分、62・・・第2の部分、70・・・位置検知ユニット、72・・・磁気センサ、72-1・・・第1の磁気センサ、72-2・・・第2の磁気センサ、72-3・・・第3の磁気センサ、72-4・・・第4の磁気センサ、73-1・・・加算回路、73-2・・・減算回路、73-3・・・加算回路、73-4・・・減算回路、74・・・信号演算部、74-1・・・第1の信号演算部、74-2・・・第2の信号演算部、75・・・制御信号出力部、74-3・・・第3の信号演算部、75・・・制御信号出力部、75-1・・・第1の制御信号出力部、75-2・・・第2の制御信号出力部、75-3・・・第3の制御信号出力部、76・・・ドライバ、76-1・・・第1のドライバ、76-2・・・第2のドライバ、76-3・・・第3のドライバ、78・・・目標位置出力部、80・・・固定部、82・・・面、82-1・・・第1の面、82-2・・・第2の面、82-3・・・第3の面、82-4・・・第4の面、100・・・カメラモジュール、132・・・検知用磁石
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図19
図20
図21
図22
図23
図24
【手続補正書】
【提出日】2022-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子を含む可動体と、
前記光学素子の光軸と交差する方向において前記可動体と向かい合う面を有する固定部と、
前記可動体の第1の面に配置された部分を有し、第1の方向に前記可動体を動かすための第1の駆動力を生成する第1の駆動ユニットと、
前記第1の面とは異なる前記可動体の第2の面に配置された部分を有し、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記可動体を動かすための第2の駆動力を生成する第2の駆動ユニットと、
前記可動体の前記第1の面に向かい合う前記固定部の面、または、前記可動体の前記第1の面に配置され、前記可動体の前記第1の方向における位置、および、前記第2の方向における位置を検出する位置検知ユニットと
を備え
前記位置検知ユニットは、前記可動体の前記第1の方向における位置に基づいて前記第1の駆動ユニットを駆動する第1のドライバと、前記可動体の前記第2の方向における位置に基づいて前記第2の駆動ユニットを駆動する第2のドライバと、前記可動体の前記第1の方向および前記第2方向における位置に応じた磁場を検出する複数の磁気センサと、更に有し、
前記複数の磁気センサ、前記第1のドライバおよび前記第2のドライバが1つのICチップに設けられているカメラモジュール。
【請求項2】
前記第1の駆動ユニットは、
前記可動体に配置された第1の磁石と、
前記固定部において前記第1の磁石と向かい合って配置され、可変磁場を発生することで前記第1の磁石との間で前記第1の駆動力を発生させる第1の磁場発生部と
を有し、
前記複数の磁気センサは、前記固定部において前記第1の磁石と向かい合って配置され、前記第1の磁石からの磁場を検出する磁気センサを有する
請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記第1の磁石は、前記位置検知ユニットと向かい合う面に、
第1の極性を有する第1の部分と、
前記第1の極性とは異なる第2の極性を有し、前記第1の方向または前記第2の方向において前記第1の部分と並んで配置された第2の部分と
を有する請求項2に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記位置検知ユニットは、
前記第1の磁石の前記第1の部分と向かい合って配置された第1の前記磁気センサと、
前記第1の磁石の前記第2の部分と向かい合って配置された第2の前記磁気センサと
を有する請求項3に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記第1の磁気センサおよび前記第2の磁気センサの中心間の距離は、前記可動体が前記第1の磁気センサおよび前記第2の磁気センサが並んでいる方向において移動可能な距離よりも小さい
請求項4に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記第1の磁気センサは第1の磁場強度を検出し、
前記第2の磁気センサは第2の磁場強度を検出し、
前記位置検知ユニットは、前記第1の磁場強度と前記第2の磁場強度との和および差の少なくとも一方に基づいて前記第1の方向における前記可動体の位置を算出し、前記第1の磁場強度と前記第2の磁場強度との和および差の少なくとも一方に基づいて前記第2の方向における前記可動体の位置を算出する
請求項4に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
前記第1の方向および前記第2の方向は、前記光軸と交差する方向であり、
前記第1の磁石の前記第1の部分および前記第2の部分は前記第2の方向に沿って並んでおり、
前記第1の磁場発生部は、前記第1の磁石の前記第1の部分と向かい合って配置された第1のコイルを有する請求項6に記載のカメラモジュール。
【請求項8】
前記第1の磁場発生部は、前記第1の磁石の前記第2の部分と向かい合って配置され、前記第1のコイルとは逆向きの磁場を発生させる第2のコイルを更に有する
請求項7に記載のカメラモジュール。
【請求項9】
前記第1の磁気センサおよび前記第2の磁気センサは、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルの間に配置されている
請求項8に記載のカメラモジュール。
【請求項10】
前記位置検知ユニットは、前記光軸と平行な方向において前記第1の磁気センサと並んで配置された第3の磁気センサと、前記光軸と平行な方向において前記第2の磁気センサと並んで配置された第4の磁気センサとの少なくとも一方を更に有する
請求項7に記載のカメラモジュール。
【請求項11】
前記位置検知ユニットは、前記第1の磁気センサが検出する磁場強度と前記第3の磁気センサが検出する磁場強度の差、および、前記第2の磁気センサが検出する磁場強度と前記第4の磁気センサが検出する磁場強度の差の少なくとも一方に基づいて、前記光軸と平行な方向における前記可動体の位置を算出する
請求項10に記載のカメラモジュール。
【請求項12】
前記第1の方向は前記光軸と平行な方向であり、
前記第2の方向は前記光軸と交差し、且つ、前記第2の面と交差する方向であり、
前記第1の磁石の前記第1の部分および前記第2の部分は前記第1の方向に沿って並んでおり、
前記第1の磁場発生部は、前記第1の磁石の前記第1の部分および前記第2の部分の両方に跨るように、前記第1の部分および前記第2の部分に向かい合って配置されたコイルを有する
請求項4に記載のカメラモジュール。
【請求項13】
前記第1の磁石は、
前記第1の方向および前記第2の方向の両方と交差する第3の方向において前記第1の部分と並んで配置され、前記第2の極性を有する第3の部分と、
前記第3の方向において前記第2の部分と並んで配置され、前記第1の極性を有する第4の部分と
を有し、
前記位置検知ユニットは、前記第3の部分と向かい合って配置された第3の前記磁気センサ、および、前記第4の部分と向かい合って配置された第4の前記磁気センサの少なくとも一方を更に有する
請求項12に記載のカメラモジュール。
【請求項14】
前記第1の磁気センサは第1の磁場強度を検出し、
前記第2の磁気センサは第2の磁場強度を検出し、
前記第3の磁気センサは第3の磁場強度を検出し、
前記第4の磁気センサは第4の磁場強度を検出し、
前記位置検知ユニットは、
前記第1の磁場強度および前記第2の磁場強度の和、並びに、前記第3の磁場強度および前記第4の磁場強度の和の少なくとも一方に基づいて、前記第1の方向における前記可動体の位置を算出し、
前記第1の磁場強度および前記第2の磁場強度の差、前記第1の磁場強度および前記第3の磁場強度の差、前記第2の磁場強度と前記第4の磁場強度の差、並びに、前記第3の磁場強度と前記第4の磁場強度の差の少なくとも一つに基づいて、前記第2の方向における前記可動体の位置を算出し、
前記第1の磁場強度および前記第3の磁場強度の和、並びに、前記第2の磁場強度と前記第4の磁場強度の和の少なくとも一方に基づいて、前記第3の方向における前記可動体の位置を算出する
請求項13に記載のカメラモジュール。
【請求項15】
光学素子を含み、前記光学素子の光軸と交差する方向に移動する可動体と、
前記光軸と交差する方向において前記可動体と向かい合う面を有する固定部と、
前記可動体および前記固定部の一方に設けられた検知用磁石と、
前記可動体および前記固定部の他方において前記検知用磁石と向かい合って配置された磁気センサを有し、前記可動体の位置を検知する位置検知ユニットと
を備え、
前記位置検知ユニットは、前記検知用磁石からの磁場を検出し、検出した磁場強度に基づいて、前記光軸と平行な第1の方向における前記可動体の位置と、前記光軸と交差する第2の方向における前記可動体の位置とを算出するカメラモジュール。
【請求項16】
前記検知用磁石は、前記位置検知ユニットと向かい合う面に、
第1の極性を有する第1の部分と、
前記第1の極性とは異なる第2の極性を有し、前記第1の方向または前記第2の方向において前記第1の部分と並んで配置された第2の部分と
を有する
請求項15に記載のカメラモジュール。
【請求項17】
前記位置検知ユニットは、
前記検知用磁石の前記第1の部分と向かい合って配置された第1の磁気センサと、
前記検知用磁石の前記第2の部分と向かい合って配置された第2の磁気センサと
を有する請求項16に記載のカメラモジュール。
【請求項18】
前記第1の磁気センサは第1の磁場強度を検出し、
前記第2の磁気センサは第2の磁場強度を検出し、
前記位置検知ユニットは、前記第1の磁場強度と前記第2の磁場強度との和および差の一方に基づいて前記第1の方向における前記可動体の位置を算出し、前記第1の磁場強度と前記第2の磁場強度との和および差の他方に基づいて前記第2の方向における前記可動体の位置を算出する
請求項17に記載のカメラモジュール。
【請求項19】
前記可動体を動かすための駆動力を生成する1つ以上の駆動ユニットを更に備え、
前記1つ以上の前記駆動ユニットのそれぞれは、
前記可動体および前記固定部の一方に設けられた駆動用磁石と、
前記可動体および前記固定部の他方に設けられた磁場発生部と
を有し、
前記検知用磁石は、いずれかの前記駆動ユニットの前記駆動用磁石と共通の磁石である
請求項18に記載のカメラモジュール。
【請求項20】
前記可動体を動かすための駆動力を生成する1つ以上の駆動ユニットを更に備え、
前記1つ以上の前記駆動ユニットのそれぞれは、前記検知用磁石とは異なる手段により、前記駆動力を生成する
請求項17に記載のカメラモジュール。
【請求項21】
光学素子を含む可動体の第1の方向および第2の方向の位置を検出し、前記可動体を前記第1の方向および前記第2の方向に駆動するためのICチップであって、
前記可動体の前記第1の方向および前記第2の方向における位置に応じた磁場を検出する複数の磁気センサと、
前記複数の磁気センサの検知磁場に応じて前記可動体の前記第1の方向および前記第2の方向における位置を算出する信号演算部と、
前記可動体の前記第1の方向における位置に基づいて、前記可動体を前記第1の方向に駆動する第1のドライバと、
前記可動体の前記第2の方向における位置に基づいて、前記可動体を前記第2の方向に駆動する第2のドライバと
を内蔵するICチップ。
【請求項22】
前記複数の磁気センサは、前記可動体に配置された磁石からの磁場を検出する
請求項21に記載のICチップ。
【請求項23】
前記複数の磁気センサは、第1の磁気センサおよび第2の磁気センサを有し、
前記第1の磁気センサおよび前記第2の磁気センサの中心間の距離は、前記可動体が前記第1の磁気センサおよび前記第2の磁気センサが並んでいる方向において移動可能な距離よりも小さい
請求項21に記載のICチップ。