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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176407
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】高電圧制御回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
H02M3/28 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088674
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小西 慧
(72)【発明者】
【氏名】任田 浩
(72)【発明者】
【氏名】石垣 直也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 一貴
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AS01
5H730BB23
5H730BB57
5H730DD04
5H730EE06
5H730EE52
5H730EE58
5H730EE59
5H730FD01
5H730FF06
5H730FV05
5H730FV09
(57)【要約】
【課題】複雑な制御アルゴリズムを必要とせず、また簡単な構成で、降圧に掛かる時間の短縮化を図ることが可能な高電圧制御回路を提供する。
【解決手段】高電圧制御回路1は、交流電圧を直流高電圧に変換する高電圧整流回路100と、高電圧整流回路100から出力される直流高電圧を平滑する平滑用コンデンサ140と、平滑用コンデンサ140と並列に接続されたスイッチ回路102と、指令電圧Vivと直流高電圧に従った分圧電圧Vdvとの間の差分電圧Vdfを増幅する誤差増幅器133を備え、誤差増幅器133の出力信号に基づいて、高電圧整流回路100を制御するフィードバック回路103と、差分電圧Vdfを増幅する増幅器105とを備える。ここで、スイッチ回路102は、増幅器105の出力信号によって制御される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧を直流高電圧に変換する高電圧整流回路と、
前記高電圧整流回路から出力される前記直流高電圧を平滑するコンデンサと、
前記コンデンサと並列に接続されたスイッチ回路と、
所定の電圧値を有する指令電圧と、前記直流高電圧に従った電圧値との間の差分電圧を増幅する第1増幅器とを備え、前記第1増幅器の出力信号に基づいて、前記高電圧整流回路を制御するフィードバック回路と、
前記差分電圧を増幅する第2増幅器と、
を備え、
前記スイッチ回路は、前記第2増幅器の出力信号によって制御される、高電圧制御回路。
【請求項2】
請求項1に記載の高電圧制御回路において、
前記フィードバック回路は、前記直流高電圧を分圧する分圧器を備え、
前記分圧器の出力と前記指令電圧との間の差が、前記差分電圧として用いられる、高電圧制御回路。
【請求項3】
請求項2に記載の高電圧制御回路において、
前記フィードバック回路は、前記分圧器として、前記直流高電圧が入力される反転増幅器を備え、前記反転増幅器の出力と前記指令電圧との間の差が、前記差分電圧として用いられる、高電圧制御回路。
【請求項4】
請求項1に記載の高電圧制御回路において、
前記直流高電圧と前記指令電圧は、所定の基準電圧を基準として、互いに異なる極性であり、抵抗素子を介して合成され、
合成により得られた中点電圧は、前記差分電圧として用いられる、高電圧制御回路。
【請求項5】
請求項1に記載の高電圧制御回路において、
前記第2増幅器の出力信号は、電流制限用抵抗素子を介して、前記スイッチ回路に供給され、
前記スイッチ回路は、
所定の電圧が供給されたゲートと、ソースと、ドレインとを有するトランジスタと、
前記トランジスタのソースとドレインとの間の経路に対して直列に接続され、前記電流制限用抵抗素子を介して供給された前記第2増幅器の出力信号に従って流れる電流値が決定される電流制御器と、
を備え、
直列接続された前記トランジスタと前記電流制御器とが、前記コンデンサと並列に接続されている、高電圧制御回路。
【請求項6】
請求項5に記載の高電圧制御回路において、
前記トランジスタは、ソースとドレインとの間の経路が、互いに直列に接続された複数のトランジスタを備えている、高電圧制御回路。
【請求項7】
請求項1に記載の高電圧制御回路において、
前記高電圧整流回路は、パルス信号が供給されるコッククロフト・ウォルトン回路を備える、高電圧制御回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高電圧制御回路に関し、例えば昇圧および降圧が可能な高電圧制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
高電圧制御回路としては、例えばコッククロフト・ウォルトン回路(以下、CW回路とも称する)を代表とする高電圧整流回路を用いたものが知られている。この場合、高電圧整流回路において、交流電圧がダイオード素子によってダイオード整流される。ダイオード整流により得られた電流によって、平滑用コンデンサに電荷が蓄積され、直流電圧として負荷に給電される。直流電圧を高い電圧値にするために、CW回路において昇圧が行われるが、この昇圧は短時間で行うことが可能である。
【0003】
一方、直流電圧を高い電圧値から低い電圧値に変更する降圧時には、長い時間が掛かるという問題がある。すなわち、降圧時には、直流電圧を所望の値に制御するためのフィードバック回路等の高抵抗の経路を介して、平滑用コンデンサに蓄積されている電荷を放電することになり、放電時間が長くなり、降圧に長い時間が掛かることになる。
【0004】
降圧時に、直流電圧が所望の低い電圧値に整定するまでの時間は、高電圧制御回路を用いた装置を操作する際の待ち時間となる。したがって、高電圧制御回路の出力である直流電圧の電圧値を、頻繁に上下させるような用途では、待ち時間が長くなるという課題がある。
降圧時に、放電用の経路を生成し、高速に放電を行う技術が、例えば特許文献1および2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-230098号公報
【特許文献2】特開2019-204751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の図1には、平滑用コンデンサ(161、162)と並列に、半導体スイッチ(21~2n、31~3n)を多段接続したスイッチ回路(200、300)を設け、降圧時にスイッチ回路を導通させることで、降圧時の高速化を行うことが示されている。スイッチ回路の制御については、放電のタイミングを外部信号で供給する構成となっており、適切なタイミングと放電量に合わせた長さの外部信号を供給することが必要である。
【0007】
また、特許文献2の図5には、CW回路の低圧側コンデンサ(C2、C4)の両端に抵抗(R1、R2)とフォトカプラ(U1、U2)で構成した放電回路を設け、放電回路のオン/オフの比率をパルス信号で制御することで、放電量の制御を行うことが示されている。この場合、必要な放電量から複数の放電回路用のパルス信号を生成するには、プロセッサ等を用いて計算処理を行うことが必要となる。
【0008】
すなわち、特許文献1および2に記載の技術では、放電の制御は、外部信号やプロセッサ等を用いた処理で行うことになる。したがって、高電圧制御回路の負荷が変わる場合、外部信号やプロセッサの設定を変更することが必要となり、構成やプロセッサの制御アルゴリズムが複雑になるという課題がある。
【0009】
本発明の目的は、複雑な制御アルゴリズムを必要とせず、また簡単な構成で、降圧に掛かる時間の短縮化を図ることが可能な高電圧制御回路を提供することにある。
本発明の他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される実施の形態のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0011】
すなわち、一実施の形態に係る高電圧制御回路は、交流電圧を直流高電圧に変換する高電圧整流回路と、高電圧整流回路から出力される直流高電圧を平滑する平滑用コンデンサと、平滑用コンデンサと並列に接続されたスイッチ回路と、指令電圧と直流高電圧に従った電圧値との間の差分電圧を増幅する第1増幅器を備え、第1増幅器の出力信号に基づいて、高電圧整流回路を制御するフィードバック回路と、差分電圧を増幅する第2増幅器とを備える。ここで、スイッチ回路の導通は、第2増幅器の出力信号によって制御される。
【発明の効果】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すると、複雑な制御アルゴリズムを必要とせず、また簡単な構成で、降圧に掛かる時間の短縮化を図ることが可能な高電圧制御回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1に係る高電圧制御回路の構成を示すブロック図である。
図2図2(A)~図2(C)は、実施の形態1に係る高電圧制御回路の動作を示す波形図である。
図3】実施の形態2に係る高電圧制御回路の構成を示すブロック図である。
図4図4(A)~図4(D)は、実施の形態2に係る高電圧制御回路の動作を示す波形図である。
図5】実施の形態3に係る高電圧制御回路の構成を示すブロック図である。
図6】実施の形態4に係る高電圧制御回路の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
(実施の形態1)
【0015】
図1は、実施の形態1に係る高電圧制御回路の構成を示すブロック図である。以下、図1に示す実施の形態1の一具体例である高電圧制御回路1について説明する。実施の形態1では、高電圧制御回路1が、接地電圧(以下、所定の基準電圧とも称する)Vsに対して負極性(負電圧)の直流高電圧Votを出力する例を説明する。また、高電圧制御回路1を構成する増幅器としては、オペアンプを用いた例を説明する。
<高電圧制御回路の構成>
【0016】
高電圧制御回路1は、高電圧整流回路100と、高電圧整流回路100から出力される直流高電圧Votを平滑する平滑用コンデンサ140と、直流高電圧Votの電圧値を決める指令電圧Vivを出力する制御回路104と、指令電圧Vivと直流高電圧Votとが供給され、電流信号Icを高電圧整流回路100へフィードバックするフィードバック回路103とを備えている。図1において、101は、高電圧整流回路100から出力された直流高電圧Votが給電される負荷を示している。負荷101は、平滑用コンデンサ140と、実際の負荷を等価的に表す抵抗素子141とが並列接続された構成として示されている。
【0017】
また、実施の形態1に係る高電圧制御回路1は、平滑用コンデンサ140と並列接続されたスイッチ回路102と、直流高電圧Votに従って変化する分圧電圧Vdvと指令電圧Vivとの間の差に相当する差分電圧Vdfを増幅し、スイッチ回路102の導通を制御する増幅器105とを備えている。増幅器105の出力信号は、図1では、電流制限用抵抗素子106を介してスイッチ回路102に供給されている。
【0018】
図1において、PTRは、Nチャンネル型の電界効果型トランジスタ(以下、トランジスタと称する)を示しており、107は、指令電圧Vivの安定化を図るためのコンデンサを示している。
【0019】
トランジスタPTRは、周期的に変化するパルス信号PWCが供給されるゲートと、ソースSと、ドレインとを備えている。トランジスタPTRのソースSは、接地電圧Vsに接続され、ドレインは高電圧整流回路100に接続されている。
【0020】
図1では、図面が複雑になるのを避けるために、接地電圧を示す符号Vsは、トランジスタPTRのソースSに接続された接地電圧についてのみ付されており、他の接地電圧は、黒塗りの下向き矢印のみで表している。以降の図面においても、接地電圧の明示方法は、図1と同様である。
【0021】
高電圧整流回路100は、トランス110と、ダイオード115~118と、コンデンサ111~114とを備えたCW回路によって構成されている。トランス110の一次側コイルは、トランジスタPTRのドレインに接続された端子とフィードバック回路103からの電流信号Icが供給される端子とを備えている。トランジスタPTRがパルス信号PWCによって周期的にオン/オフすることにより、一次側コイルを周期的に電流信号Icが流れ、トランス110の二次側コイルに交流電圧が発生する。トランス110の二次側コイルに発生した交流電圧が、ダイオード115~118とコンデンサ111~114とによって負電圧の直流高電圧Votに変換される。
【0022】
直流高電圧Votは、平滑用コンデンサ140に供給され、平滑用コンデンサ140は、直流高電圧Votによって充電され、電荷を蓄積することにより、直流高電圧Votの平滑化が行われる。
【0023】
制御回路104は、例えばデジタル/アナログ変換回路(以下、D/Aコンバータと称する)を備えており、D/Aコンバータに入力されたデジタルの指令信号に対応したアナログの指令電圧Vivを出力する。図1に示した制御回路104は、接地電圧Vsに対して正極性の電圧(正電圧)の指令電圧Vivを出力する。なお、制御回路104は、指令電圧Vivを出力するため、指令電圧出力回路とも見なすことができる。
【0024】
フィードバック回路103は、反転増幅器135と、誤差増幅器(以下、第1増幅器とも称する)133と、電流増幅器130と、抵抗素子131、134、136、137とコンデンサ132とを備えている。
【0025】
反転増幅器135の負入力端子(-)には、抵抗素子137を介して、直流高電圧Votが供給されている。反転増幅器135の正入力端子(+)には、接地電圧Vsが供給されている。反転増幅器135の負入力端子(-)と反転増幅器135の出力端子(O)との間には、抵抗素子136が接続されている。直流高電圧Votの電圧値の変化は、反転増幅器135によって、反転され、抵抗素子137と抵抗素子136との間の抵抗比に従って、直流高電圧Votは分圧される。すなわち、反転増幅器135の出力端子Oからは、抵抗素子137と抵抗素子136とによって構成された分圧器によって分圧され、直流高電圧Votの変化が反転された電圧が、出力されることになる。言い換えるならば、反転増幅器135は、分圧器の機能を有し、直流高電圧Votに従った電圧を出力することになる。
【0026】
反転増幅器135の出力電圧は、抵抗素子134を介して誤差増幅器133の一方の入力端子に供給されるとともに、分圧電圧Vdvとして、フィードバック回路103から出力される。誤差増幅器133の一方の入力端子と誤差増幅器133の出力端子との間には、フィルタを構成する抵抗素子131とコンデンサ132が直列接続されている。また、誤差増幅器133の他方の入力端子には、制御回路104からの指令電圧Vivが供給される。誤差増幅器133は、一方の入力端子に供給されている電圧(分圧電圧Vdv)と他方の入力端子に供給されている指令電圧Vivとの間の差の電圧である差分電圧Vdfを増幅し、電流増幅器130に供給する。
電流増幅器130は、差分電圧Vdfを小さくするような値の電流信号Icを高電圧整流回路100へ出力する。
【0027】
増幅器105は、単一の電源電圧で動作する増幅器である。すなわち、接地電圧Vsと所定の正電圧Vdを電源電圧として、増幅器105は動作する。図1では、増幅器105の負入力端子(-)に指令電圧Vivが供給され、正入力端子(+)に分圧電圧Vdvが供給されている。したがって、増幅器105は、指令電圧Vivに対して分圧電圧Vdvの電圧値が高いとき、その差電圧である差分電圧Vdfを増幅して、接地電圧Vsに対して正極性の電圧として出力する。分圧電圧Vdvは、図1に示すように、反転増幅器135からの出力であるため、直流高電圧Votの電圧値が、例えば負電圧側に向けて変化したとき、分圧電圧Vdvの電圧値は、正電圧側に向けて変化することになる。
【0028】
スイッチ回路102は、直流高電圧Votと接地電圧Vsとの間に直列接続された固定電圧素子122と抵抗素子123とを備えている。固定電圧素子122と抵抗素子123との間の接続ノードndから、所定の電圧値が出力される。固定電圧素子122としては、特に制限されないが定電圧ダイオードが用いられ、接続ノードndから出力される所定の電圧値は、固定電圧素子122と抵抗素子123とで定められた電圧値となっている。
【0029】
スイッチ回路102は、さらに、電流制限器120とNチャンネル型のトランジスタ121とを備えている。電流制限器120は、電流制限用抵抗素子106を介して供給される増幅器105からの出力信号に従って、それを流れる電流量を決定する制限器である。すなわち、電流制限器120を流れる電流量が、増幅器105の出力信号によって決定される。当該電流制限器120は、直流高電圧Votとトランジスタ121のソースSとの間に接続され、トランジスタ121のドレインは接地電圧Vsに接続されている。すなわち、電流制限器120とトランジスタ121のソースSとドレインとの間の経路とが、直流高電圧Votと接地電圧Vsとの間で直列に接続されている。
【0030】
トランジスタ121のゲートは、接続ノードndに接続されている。接続ノードndにおける所定の電圧は、トランジスタ121が導通となるような電圧に設定されている。したがって、電流制限器120を介して電流が流れると、電流制限器120およびトランジスタ121を介して、直流高電圧Votと接地電圧Vsとの間で電流が流れることになる。本明細書では、電流制限器120およびトランジスタ121を介して電流が流れるときを、スイッチ回路102が導通しているときと称する。
【0031】
高電圧制御回路1においては、直流高電圧Votを降圧させるとき、平滑用コンデンサ140と並列接続されたスイッチ回路102を導通させて、平滑用コンデンサ140を放電させる。より具体的に述べると、降圧時には、直列接続された電流制限器120とトランジスタ121とによって、平滑用コンデンサ140に蓄積されている電荷を放電する放電電流の経路が形成されることになる。
【0032】
図1では、電流制限器120は、増幅器105からの出力信号の電流量に従って、電流制限器120を流れる電流量が決定される。したがって、増幅器105の出力端子Oと電流制限器120との間に接続されている電流制限用抵抗素子106の抵抗値によって、平滑用コンデンサ140を放電させる際の電流量を調整することが可能である。例えば、電流制限用抵抗素子106の抵抗値を大きくすれば、増幅器105から電流制限器120に供給される電流量を小さくすることができ、放電の際の電流量を小さくすることできる。これに対して、電流制限用抵抗素子106の抵抗値を小さくすれば、増幅器105から電流制限器120に供給される電流量を大きくすることができ、放電の際の電流量を大きくすることできる。したがって、電流制限用抵抗素子106の抵抗値を調整することで、降圧に掛かる待ち時間を調整することが可能である。勿論、電流量を調整する必要等が無ければ、電流制限用抵抗素子106は設けなくても良い。
【0033】
後で図2を用いて詳しく説明するが、直流高電圧Votを降圧するとき、制御回路104は、降圧すべき電圧値を指令電圧Vivとして出力する。このとき、直流高電圧Votは、昇圧された負極性の高電圧になっているため、分圧電圧Vdvの電圧値は、指令電圧Vivよりも高くなるため、増幅器105は、差分電圧Vdfを増幅して、出力する。その結果、スイッチ回路102が導通し、平滑用コンデンサ140の放電が行われ、直流高電圧Votを短時間で降圧することになる。
【0034】
これに対して、昇圧時においては、フィードバック回路103の動作により、分圧電圧Vdvが指令電圧Vivと一致する方向に変化し、一致することになる。すなわち、指令電圧Vivは、分圧電圧Vdvよりも高い電圧値あるいは等しい電圧値である。指令電圧Vivは、増幅器105の負入力端子(-)に供給されているため、増幅器105は、例えば接地電圧Vsの出力信号を出力することになる。その結果、電流制限器120を電流は流れない状態となっている。すなわち、スイッチ回路102は遮断(非導通)状態となるため、スイッチ回路102が、昇圧時に影響することはない。
<高電圧制御回路の動作例>
【0035】
次に、図面を用いて、図1に示した高電圧制御回路1の動作を説明する。図2は、実施の形態1に係る高電圧制御回路の動作を示す波形図である。ここで、図2(A)は、直流高電圧Votの波形を示し、図2(B)は、分圧電圧Vdvおよび指令電圧Vivの波形を示し、図2(C)は、スイッチ回路102を流れる電流(放電電流)の波形を示している。図2(A)では、縦軸の矢印の方向が、負電圧の絶対値が大きくなる方向を示している。また、図2(B)では、縦軸の矢印の方向が、正電圧の絶対値が大きくなる方向を示している。なお、図2において、横軸は時間を示しており、図2(A)~(C)は、波形の時系列変化を表している。
【0036】
時刻t1までは、直流高電圧Votの分圧電圧Vdvが、指令電圧Vivと一致した状態となっている。すなわち、指令電圧Vivに対応する直流高電圧Votが安定して出力されている。
【0037】
直流高電圧Votを降圧する指示が、時刻t1において発行される。降圧の指示により、制御回路104が、時刻t1において、降圧すべき所望の電圧値を、指令電圧Vivとして出力する。降圧であるため、直流高電圧Votの分圧電圧Vdvが、指令電圧Vivよりも高い状態となり、図2では、時刻t1から時刻t2までの期間、分圧電圧Vdvが指令電圧Vivよりも高い状態が継続している。この期間においては、増幅器105が、差分電圧Vdfを増幅し、出力する。その結果、スイッチ回路102が導通状態となり、図2(C)に示すような放電電流が、スイッチ回路102を流れ、平滑用コンデンサ140が放電され、直流高電圧Votが、接地電圧Vsに向かって降下する。
【0038】
直流高電圧Votが降下して、分圧電圧Vdvが、時刻t2において指令電圧Vivと等しくなると、増幅器105の出力信号は、接地電圧Vsに相当する電圧値となる。その結果、スイッチ回路102が遮断される。スイッチ回路102の遮断により、平滑用コンデンサ140の放電が停止し、図2(C)に示すように、放電電流が無くなる。
【0039】
時刻t2から時刻t3では、指令電圧Vivが変更されていないため、時刻t1までの期間と同様になる。但し、時刻t2から時刻t3までの期間においては、降圧された直流高電圧Votが出力されている。
【0040】
時刻t3において、直流高電圧Votを上昇(より高い負電圧)させるために、制御回路104は、指令電圧Vivを上昇させる。上昇させることで、指令電圧Vivの電圧値が、直流高電圧Votの分圧電圧Vdvよりも高くなる。この状態では、増幅器105の負入力端子(-)の電圧値が正入力端子(+)よりも高くなるため、増幅器105は、接地電圧Vsに相当する出力信号を出力することになる。その結果、スイッチ回路102は遮断状態となり、図2(C)に示すように、放電電流は流れない。一方、平滑用コンデンサ140は、高電圧整流回路100から供給される電流によって充電される。したがって、直流高電圧Votは上昇し、直流高電圧Votの分圧電圧Vdvが指令電圧Vivと一致すると、直流高電圧Votの上昇が停止、一定の電圧値として安定する。
【0041】
実施の形態1に係る高電圧制御回路1によれば、指令電圧Vivを変更するだけで、降圧が必要なときのみスイッチ回路102を導通状態にし、平滑用コンデンサ140を短時間で放電することが可能である。すなわち、実施の形態1によれば、複雑な制御アルゴリズムを必要とせず、また簡単な構成で、降圧に掛かる時間の短縮化を図ることが可能な高電圧制御回路を提供することができる。
【0042】
また、実施の形態1によれば、高電圧制御回路を構成する増幅器を単一電源電圧で動作する構成にすることが可能であり、増幅器のために複数の電源電圧を準備しなくてもよい。
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2に係る高電圧制御回路の構成を示すブロック図である。図3は、図1と類似しているため、相違点を主に説明する。
<高電圧制御回路の構成>
【0043】
主な相違点は、図3では、図1に示した反転増幅器135に係る部分と、増幅器105に係る部分と、誤差増幅器133に係る部分とが変更されていることである。
【0044】
図1の高電圧制御回路では、直流高電圧Votを分圧し、その電圧変化を反転するために、反転増幅器135を用いていた。また、図1では、分圧電圧Vdvと指令電圧Vivとの間の差分電圧Vdfを増幅するために、単一の電源電圧で動作する増幅器105を用いていた。さらに、図1では、分圧電圧Vdvと指令電圧Vivとが誤差増幅器133に供給されていた。
【0045】
これに対して、図3では、反転増幅器135に係る部分、すなわち反転増幅器135および抵抗素子136、137が、抵抗素子138に変更されている。また、増幅器105に係る部分が、複数電源電圧で動作する増幅器109および抵抗素子108に変更されている。さらに、誤差増幅器133では、指令電圧Vivの代わりに接地電圧Vsが供給されている。
【0046】
抵抗素子138は、高電圧整流回路100の出力と合成ノードncとの間に接続されている。また、合成ノードncは、抵抗素子134を介して誤差増幅器133の入力に接続されている。さらに、合成ノードncは、抵抗素子108を介して制御回路104に接続されるとともに、増幅器109の負入力端子(-)に接続されている。増幅器109の正入力端子(+)は接地電圧Vsに接続され、出力端子Oは電流制限用抵抗素子106を介してスイッチ回路102に接続されている。
【0047】
前記したように、直流高電圧Votは負電圧であり、指令電圧Vivは正電圧である。実施の形態2においては、直流高電圧Votの電圧値が指令電圧Vivによって指令された所望の電圧値と一致しているときに、合成ノードncにおける中点電圧Vctが接地電圧Vs、すなわち0(V)となるよう、抵抗素子108および138の抵抗値が設定されている。すなわち、抵抗素子を介して直流高電圧Votと指令電圧Vivとが合成され、直流高電圧Votと指令電圧Vivとがバランスしているとき、中点電圧Vctが所定の電圧(接地電圧Vs)となるように抵抗素子108、138の抵抗値が設定されている。
【0048】
したがって、直流高電圧Votの電圧値が、指令電圧Vivで指令された電圧値から外れると、中点電圧Vctは、接地電圧Vsから外れ、正電圧または負電圧となる。言い換えるならば、中点電圧Vctは、実質的に、直流高電圧Votと指令電圧Vivとの間の差である差分電圧Vdf(図1)に該当する。
【0049】
図3では、増幅器109が、中点電圧Vctと接地電圧Vsとの間の差分電圧を増幅し、増幅器109の出力信号によって、電流制限器120が制御される。増幅器109は、所定の正電圧Vdと所定の負電圧Veを電源電圧として動作する増幅器である。正電圧Vdおよび負電圧Veを電源電圧として動作するため、増幅器109は、負入力端子(-)に供給されている中点電圧Vctの電圧値が接地電圧Vsよりも高いとき、基準電圧である接地電圧Vsに対して負極性の出力信号を出力し、中点電圧Vctが接地電圧Vsよりも低いとき、基準電圧である接地電圧Vsに対して正極性の出力信号を出力することになる。図3には、増幅器109として2つの電源電圧を用いた例が示されているが、増幅器109は、3つ以上の電源電圧を用いる複数電源電圧で動作する増幅器であってもよい。
【0050】
電流制限器120は、電流制限用抵抗素子106を介して供給される増幅器109の出力信号が、正極性のとき、出力信号に従った電流が、直流高電圧Votとトランジスタ121のソースSとの間を流れるように動作する。すなわち、スイッチ回路102が導通状態になる。一方、増幅器109の出力信号が、接地電圧Vsまたは負極性のとき、電流制限器120は、電流が流れないように動作する。すなわち、スイッチ回路102が遮断状態となる。
【0051】
後で、図4を用いて動作例を説明するが、中点電圧Vctは、降圧時に負極性の電圧となり、増幅器109の出力信号は正極性となる。その結果、スイッチ回路102が導通状態となり、平滑用コンデンサ140は短時間で放電されることになる。降圧時以外では、増幅器109の出力信号は、接地電圧Vsまたは負極性となる。その結果、スイッチ回路102は遮断状態となり、スイッチ回路102が高電圧制御回路1に影響するのを防ぐことができる。
【0052】
なお、フィードバック回路103においては、誤差増幅器133が、接地電圧Vsと抵抗素子134を介して供給された中点電圧Vctとの間の差分電圧を増幅する。フィードバック回路103は、この差分電圧を小さくするような電流信号Icを高電圧整流回路100に出力することになる。
<高電圧制御回路の動作例>
【0053】
図4は、実施の形態2に係る高電圧制御回路の動作を示す波形図である。ここで、図4(A)は、直流高電圧Votの波形を示し、図4(B)は、指令電圧Vivの波形を示し、図4(C)は、中点電圧Vctの波形を示し、図4(D)は、スイッチ回路102を流れる電流(放電電流)の波形を示している。図4(A)では、縦軸の矢印の方向が、負電圧の絶対値が大きくなる方向を示している。また、図4(B)および(C)では、縦軸の矢印の方向が、正電圧の絶対値が大きくなる方向を示している。なお、図4において、横軸は時間を示しており、図4(A)~(D)は、波形の時系列変化を表している。
【0054】
時刻t1までは、直流高電圧Votが、指令電圧Vivによって指令された電圧と一致しており、安定した電圧値になっている。一致しているため、指令電圧と直流高電圧Votとの合成により形成されている中点電圧Vctは、接地電圧(0(V))となっている。その結果、増幅器109(図3)は、接地電圧の出力信号を出力し、スイッチ回路102(図3)は遮断状態となっている。
【0055】
時刻t1において、降圧が指令され、制御回路104(図3)が指令電圧Vivを低下させる。抵抗素子138(図3)を介して、合成ノードnc(図3)に供給される直流高電圧Votの絶対値よりも、抵抗素子108(図3)を介して、合成ノードncに供給される指令電圧Vivの電圧値が小さくなるため、図4(C)に示すように、中点電圧Vctは、接地電圧よりも低下することになる。その結果、増幅器109(図3)は、正電圧の出力信号を出力することになる。この出力信号によって、スイッチ回路102が導通状態となり、平滑用コンデンサ140(図3)に蓄積されていた電荷が、スイッチ回路102を流れる放電電流(図4(D))によって放電される。
【0056】
平滑用コンデンサ140の放電が進み、直流高電圧Votの絶対値が低下し、時刻t2において、指令電圧Vivの電圧値と一致すると、中点電圧Vctは接地電圧に戻る。中点電圧Vctが接地電圧になることで、スイッチ回路102は再び遮断状態となり、図4(D)に示すように放電電流が無くなる。
【0057】
次に、時刻t3において、昇圧が指令され、制御回路104が指令電圧Vivを上昇させた場合を説明する。この場合には、抵抗素子138を介して合成ノードncに供給される直流高電圧Votの絶対値よりも、抵抗素子108を介して合成ノードncに供給される指令電圧Vivの電圧値が大きくなるため、図4(C)に示すように、中点電圧Vctは、接地電圧から上昇することになる。この場合、増幅器109は負極性の信号を出力し、スイッチ回路102は遮断状態を維持することになる。その結果、図4(D)に示すようにスイッチ回路102においては、放電電流は流れず、平滑用コンデンサ140の放電は行われない。
【0058】
一方、時刻t3においては、誤差増幅器133(図3)が、中点電圧Vctと接地電圧との間の差分電圧を増幅し、電流増幅器130に供給する。電流増幅器130は、この差分電圧を小さくするような電流信号Icを高電圧整流回路100に出力する。その結果、平滑用コンデンサ140が高電圧整流回路100の出力によって充電され、直流高電圧Votが上昇することになる。すなわち、負電圧である直流高電圧Votの絶対値が大きくなる。
【0059】
実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、複雑な制御アルゴリズムを必要とせずに、簡単な構成で、降圧に掛かる時間の短縮化を図ることが可能な高電圧制御回路を提供することができる。さらに、実施の形態2によれば、図1で示したような反転増幅器を必要としないため、高電圧制御回路1を更に簡単な構成にすることが可能である。
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3に係る高電圧制御回路の構成を示すブロック図である。図5は、図3と類似しているので、相違点を主に説明する。
【0060】
主な相違点は、図5では、スイッチ回路102の構成が、図3に示したスイッチ回路102から変更されている点である。すなわち、図3では、電流制限器120と接地電圧Vsとの間に1個のトランジスタ121が接続され、固定電圧素子122と接地電圧Vsとの間に1個の抵抗素子123が接続されていた。これに対して、図5では、3個のトランジスタ124~126が、電流制限器120と接地電圧Vsとの間に直列接続され、3個の抵抗素子127~129が、固定電圧素子122と接地電圧Vsとの間に直列接続されている。
【0061】
より具体的に述べると、3個のトランジスタ124~126のソースとドレインとの間の経路が、電流制限器120と接地電圧Vsとの間に直列接続されている。また、トランジスタ124のゲートは、抵抗素子127と固定電圧素子122とを接続するノードnd1に接続され、トランジスタ125のゲートは、抵抗素子127と抵抗素子128とを接続するノードnd2に接続され、トランジスタ126のゲートは、抵抗素子128と抵抗素子129とを接続するノードnd3に接続されている。トランジスタ124~126のそれぞれのゲートには、それぞれのトランジスタがオン状態となるような電圧が供給されるように、抵抗素子127~129の抵抗値が設定されている。
【0062】
トランジスタ124~126を多段接続することにより、平滑用コンデンサ140の電荷を放電する際に、1つのトランジスタが負担する電圧を減少することが可能となる。その結果、より高い直流高電圧Votを放電することが可能となる。例えば、1つのトランジスタの耐圧が2kVであった場合、図5のように3個のトランジスタを直列に多段接続することで、全体の耐圧を6kVにすることが可能である。勿論、トランジスタの段数は、3段に限定されるものではなく、2段あるいは4段以上であってもよい。
(実施の形態4)
図6は、実施の形態4に係る高電圧制御回路の構成を示すブロック図である。図6は、図3と類似しているので、相違点を主に説明する。
主な相違点は、図6では、昇圧により負極性の高電圧を出力するのではなく、正極性の高電圧を出力するように高電圧制御回路1Pが構成されている点である。
【0063】
図6を参照して、具体的に相違点を述べると、図3の高電圧整流回路100に対応する高電圧整流回路100Pにおいては、ダイオードの接続方向が変更され、ダイオード115P~118Pとなっている。また、図3の制御回路104に対応する制御回路104Pにおいては、指令に従って負極性の方向に変化する指令電圧Vivnを出力する。
【0064】
さらに、図3のスイッチ回路102に対応するスイッチ回路102Pにおいては、図3に対してトランジスタと電流制限素子の配置が入れ替えられて、トランジスタ121Pと電流制限器120Pとなっている。また、図3に対して抵抗素子と固定電圧素子の配置が入れ替えられて、抵抗素子123Pと固定電圧素子122Pとなっている。図6に示すように、トランジスタ121PのソースSは、図3と同様に電流制限器120Pに接続されているが、電流制限器120Pにおいては、電流の流れる方向が、図3とは逆になっている。また、増幅器109の正入力端子(+)に中点電圧Vctが供給され、負入力端子(-)に接地電圧Vsが供給されている。
図6に示した高電圧制御回路1Pの動作原理は、図3に示した高電圧制御回路1と同様であるので、説明は省略する。
【0065】
実施の形態4によれば、実施の形態2と同様に、複雑な制御アルゴリズムを必要とせずに、簡単な構成で、降圧に掛かる時間の短縮化を図ることが可能な高電圧制御回路を提供することができる。
【0066】
実施の形態1~4においては、フィードバック回路103が備える誤差増幅器133に供給される差分電圧が、増幅器105、109によって監視される。監視によって、指令電圧Viv、Vivnの絶対値が、直流高電圧Votの絶対値より小さいと判定されたとき、平滑用コンデンサ140に蓄積されている電荷がスイッチ回路102、102Pによって放電される。したがって、外部信号による複雑な制御は不要である。また、プロセッサ等を利用した複雑な制御アルゴリズムも不要であり、出力されるべき直流高電圧の電圧値を定める指令電圧の絶対値を小さくするだけで、直流高電圧を降圧する際の速度を向上させることが可能である。また、昇圧の際には、スイッチ回路102、102Pは遮断状態となるため、昇圧は、スイッチ回路102、102Pを設けていない場合と同様な速度で行うことが可能である。外部信号による複雑な制御や複雑な制御アルゴリズムが不要であるため、高電圧制御回路を簡単な構成にすることが可能である。
【0067】
実施の形態1~4では、高電圧整流回路として、CW回路を用いる例を説明したが、これに限定されるものではない。高電圧整流回路は、ダイオード整流により、電流を一方向へ流す構成であればよい。
【0068】
実施の形態1~4に係る高電圧制御回路は、医療用途、工業用途、製造用途、分析用途、検査計測用途等のさまざまな高電圧装置および高電圧制御回路に使用可能である。実施の形態1~4に係る高電圧制御回路は、例えば、X線放電管電源、荷電粒子線装置の荷電粒子源用電源または電極制御電源、光電子増倍管用の電源、除電装置の放電電極用電源、質量分析装置のイオン源用電源などにも適用可能である。
【0069】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0070】
1 高電圧制御回路
100、100P 高電圧整流回路
101 負荷
102、102P スイッチ回路
103 フィードバック回路
104 制御回路
105、109 増幅器
120 電流制限器
140 平滑用コンデンサ
133 誤差増幅器
135 反転増幅器
Vct 中点電圧
Vdf 差分電圧
Vdv 分圧電圧
Viv、Vivn 指令電圧
Vot 直流高電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6