(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176437
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】X線検査装置及びX線検査方法
(51)【国際特許分類】
G01N 23/04 20180101AFI20231206BHJP
【FI】
G01N23/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088714
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】503460323
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクサイエンス
(74)【代理人】
【識別番号】100120396
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】高原 稔幸
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 恒郎
(72)【発明者】
【氏名】松原 哲
(72)【発明者】
【氏名】関 雄太
(72)【発明者】
【氏名】岩田 寿哉
【テーマコード(参考)】
2G001
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001BA11
2G001CA01
2G001DA09
2G001EA06
2G001JA09
2G001KA05
2G001LA11
2G001MA05
2G001PA11
(57)【要約】
【課題】 正極材の塗工部と未塗工部とがあるような試料であっても、両方の部分を同じ条件で同時に異物検査を行うことが可能なX線検査装置及びX線検査方法を提供すること。
【解決手段】 試料Sに対してX線X1を照射するX線源2と、試料に対してX線源と反対側に設置され試料を透過したX線を検出するX線検出部3と、X線源とX線検出部との間に設置されたフィルタ4とを備え、試料が、相対的にX線吸収量が多い領域とX線吸収量が少ない領域とを有し、フィルタが、X線吸収量が多い領域を透過したX線とX線吸収量が少ない領域を透過したX線との強度比がフィルタを設置しない状態よりも小さくなる材料で形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料に対してX線を照射するX線源と、
前記試料に対して前記X線源と反対側に設置され前記試料を透過した前記X線を検出するX線検出部と、
前記X線源と前記X線検出部との間に設置されたフィルタとを備え、
前記試料が、相対的にX線吸収量が多い領域とX線吸収量が少ない領域とを有し、
前記フィルタが、前記X線吸収量が多い領域を透過したX線と前記X線吸収量が少ない領域を透過したX線との強度比が前記フィルタを設置しない状態よりも小さくなる材料で形成されていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載のX線検査装置において、
前記試料が、前記照射するX線のうち特定のエネルギー帯において、相対的にX線吸収量が多い領域とX線吸収量が少ない領域とを有し、
前記フィルタが、前記特定のエネルギー帯のX線を他のエネルギー帯のX線よりも多く吸収する材料で形成されていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のX線検査装置において、
前記試料が、基材が露出し前記X線吸収量が少ない領域である未塗工部と、
前記基材上に前記基材とは異なる材料が塗布され前記X線吸収量が多い領域である塗工部とを有していることを特徴とするX線検査装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のX線検査装置において、
前記試料が、可撓性のフィルム状であり、
前記フィルタが、前記X線源と前記X線検出部との間で前記試料に密着させた状態で配置されていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項5】
請求項4に記載のX線検査装置において、
前記フィルタが、前記試料を挟んだ状態で前記試料の表裏面にそれぞれ配置されていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項6】
請求項4に記載のX線検査装置において、
帯状の前記試料を延在方向に連続して移動させる試料移動機構を備え、
前記試料移動機構が、前記試料を外周面の一部に接触させた状態で回転可能なローラ部材を備え、
前記X線源が、前記ローラ部材の内側又は外側に配され、
前記X線検出部が、前記ローラ部材の外周面に接触した部分の前記試料に対して前記X線源と反対側に設置され、
前記ローラ部材が、前記フィルタであることを特徴とするX線検査装置。
【請求項7】
試料に対してX線源からX線を照射するステップと、
前記試料に対して前記X線源と反対側に設置されたX線検出部により前記試料を透過した前記X線を検出するステップとを有し、
前記X線源と前記X線検出部との間にフィルタを設置し、
前記試料が、相対的にX線吸収量が多い領域とX線吸収量が少ない領域とを有し、
前記フィルタを、前記X線吸収量が多い領域を透過したX線と前記X線吸収量が少ない領域を透過したX線との強度比が前記フィルタを設置しない状態よりも小さくなる材料で形成することを特徴とするX線検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料中の異物等を検出可能なX線検査装置及びX線検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、リチウムイオン二次電池の正極材をはじめとする電池部材は、セル内に金属異物が混入した場合、短絡による発煙,発火の恐れがある。特に、近年、BEVをはじめとする高容量アプリケーションの要求が広まったことにより、高エネルギー密度化が加速しており、製造工程における金属異物の混入管理が大きな課題となっている。
また、リチウムイオン二次電池の正極材は、エネルギー密度を確保するために塗工厚さが増す傾向にあり、塗工部のロスを少なくするために間欠塗工がトレンドとなっている。
【0003】
金属異物による短絡は、正極材中の混入異物による影響の他に、電解液が触れる未塗工部に付着する異物も問題になる。このため、未塗工部も含めた正極材全面における異物混入管理を行う必要がある。
従来、塗工部及び未塗工部の異物検査は、可視光外観検査により行ってきたが、表面に付着した異物しか検出できなかった。また、非金属異物の過検出が歩留まり悪化の原因になっていた。さらに、可視光外観検査では、正極材中の混入異物を検出することができないため、セル化後のエージング工程における出力監視を行うことで検査の代用としてきたが、不良となった場合の損失が大きいという問題があった。
【0004】
そのため、X線検査装置によって塗工部及び未塗工部の異物検査を行うことが検討されている。
例えば、測定対象の試料中の異物検出をするX線検査装置として、特許文献1には、試料にX線源からX線を照射し、試料を透過したX線をX線検出部で受けてそのX線強度から異物を検出するX線透過検査装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、従来のX線検査装置では、塗工部と未塗工部とを同一条件で撮像した場合、透過したX線の両者のコントラスト差が大き過ぎ、これを異物として判定してしまう不都合があった。例えば、
図10に示すように、塗工部P1と未塗工部P0とがあるセル状の電極部材ELに異物Xが存在している場合、異物X上を通るラインL1では、
図11の(a)に示すように、透過したX線の輝度(強度)の分布が得られる。しかしながら、
図11の(b)に示すように、塗工部P1と未塗工部P0とで透過したX線のコントラスト差が大き過ぎて、境界過検出部分X0を異物Xと誤判定してしまう問題があった。
また、塗工部P1を検査できる条件で測定すると、塗工部P1と未塗工部P0とのバックグラウンド差が大きく、
図11の(a)に示すように、未塗工部P0が明るくなりすぎて画像が白つぶれ(ハレーション)してしまう。この場合、
図11の(b)に示すように、塗工部P1の異物Xは検出されるが、未塗工部P0の異物Xはしきい値に達せず、検出されない。このように、未塗工部P0内の異物Xが過小評価されてしまう不都合が生じる。このため、未塗工部P0内の異物Xを検出するためには、X線源の管電圧等の条件を変更して再測定する必要があり、手間が掛かってしまう問題があった。
【0007】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、正極材の塗工部と未塗工部とがあるような試料であっても、両方の部分を同じ条件で同時に異物検査を行うことが可能なX線検査装置及びX線検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るX線検査装置は、試料に対してX線を照射するX線源と、前記試料に対して前記X線源と反対側に設置され前記試料を透過した前記X線を検出するX線検出部と、前記X線源と前記X線検出部との間に設置されたフィルタとを備え、前記試料が、相対的にX線吸収量が多い領域とX線吸収量が少ない領域とを有し、前記フィルタが、前記X線吸収量が多い領域を透過したX線と前記X線吸収量が少ない領域を透過したX線との強度比が前記フィルタを設置しない状態よりも小さくなる材料で形成されていることを特徴とする。
【0009】
このX線検査装置では、フィルタが、X線吸収量が多い領域を透過したX線とX線吸収量が少ない領域を透過したX線との強度比がフィルタを設置しない状態よりも小さくなる材料で形成されているので、X線吸収量が多い領域とX線吸収量が少ない領域とのコントラスト差が小さくなり、境界過検出を抑制し、これを異物として誤判定してしまうことを防止できる。また、X線吸収量が多い領域に合わせた条件で測定した場合でも、X線吸収量が少ない領域の白つぶれを防ぐことができ、異物を過小評価してしまうことを防止できる。したがって、本発明のX線検査装置では、従来透過したX線のコントラスト差が大き過ぎて同時に異物検査できなかった試料でも、同じ条件で同時に異物検査することが可能になる。
【0010】
第2の発明に係るX線検査装置は、第1の発明において、前記試料が、前記照射するX線のうち特定のエネルギー帯において、相対的にX線吸収量が多い領域とX線吸収量が少ない領域とを有し、前記フィルタが、前記特定のエネルギー帯のX線を他のエネルギー帯のX線よりも多く吸収する材料で形成されていることを特徴とする。
すなわち、このX線検査装置では、フィルタが、特定のエネルギー帯のX線を他のエネルギー帯のX線よりも多く吸収する材料で形成されているので、特定のエネルギー帯のX線吸収量が少ない領域を透過したX線においてフィルタにより特定のエネルギー帯がより多く吸収されることで、X線吸収量が多い領域とX線吸収量が少ない領域とで透過したX線のエネルギー分布の差が小さくなり、コントラスト差を小さくすることができる。
なお、X線の特定のエネルギー帯が低エネルギー成分である場合、低エネルギー成分のX線がフィルタで多く吸収されて減衰することで、空気中の酸素の活性化によるオゾンの発生を抑制して、装置構造物等の酸化による劣化等を抑制することもできる。
【0011】
第3の発明に係るX線検査装置は、第1又は第2の発明において、前記試料が、基材が露出し前記X線吸収量が少ない領域である未塗工部と、前記基材上に前記基材とは異なる材料が塗布され前記X線吸収量が多い領域である塗工部とを有していることを特徴とする。
すなわち、このX線検査装置では、試料が、基材が露出しX線吸収量が少ない領域である未塗工部と、基材上に基材とは異なる材料が塗布されX線吸収量が多い領域である塗工部とを有しているので、未塗工部と塗工部とを同時に異物検査することが可能になる。例えば、基材が、リチウムイオン二次電池の正極集電体であり、基材とは異なる材料が、リチウムイオン二次電池の正極材であるリチウムイオン二次電池の正極材部材も、正極材が塗布された塗工部と、正極材が塗布されていない未塗工部とを同時に異物検査することが可能になる。
【0012】
第4の発明に係るX線検査装置は、第1又は第2の発明において、前記試料が、可撓性のフィルム状であり、前記フィルタが、前記X線源と前記X線検出部との間で前記試料に密着させた状態で配置されていることを特徴とする。
すなわち、このX線検査装置では、フィルタが、X線源とX線検出部との間で試料に密着させた状態で配置されているので、上記コントラスト差の低減効果に加え、フィルタ自体が試料の反りや撓み・うねりを矯正する反り等矯正機能を有しており、異物の撮像をより正確に行うことができる。したがって、コントラスト差の低減効果と、反り等矯正効果とを、共通の単一部材であるフィルタにより実現することが可能になり、装置コストの低減等を行うことができる。
【0013】
第5の発明に係るX線検査装置は、第4の発明において、前記フィルタが、前記試料を挟んだ状態で前記試料の表裏面にそれぞれ配置されていることを特徴とする。
すなわち、このX線検査装置では、フィルタが、試料を挟んだ状態で試料の表裏面にそれぞれ配置されているので、フィルタによりサンドイッチ状に試料を挟むことで、試料の反りや撓み・うねりを矯正して、異物の撮像をより正確に行うことができる。
【0014】
第6の発明に係るX線検査装置は、第4の発明において、帯状の前記試料を延在方向に連続して移動させる試料移動機構を備え、前記試料移動機構が、前記試料を外周面の一部に接触させた状態で回転可能なローラ部材を備え、前記X線源が、前記ローラ部材の内側又は外側に配され、前記X線検出部が、前記ローラ部材の外周面に接触した部分の前記試料に対して前記X線源と反対側に設置され、前記ローラ部材が、前記フィルタであることを特徴とする。
すなわち、このX線検査装置では、試料移動機構が、前記試料を外周面の一部に接触させた状態で回転可能なローラ部材を備え、ローラ部材が、フィルタであるので、上記コントラスト差の低減効果に加え、試料の反りや撓み・うねりを矯正しつつ帯状の試料を延在方向に連続して移動させて異物の撮像を連続かつ正確に行うことができる。特に、連続的に流れる長尺のロール状の試料であっても、フリーロールのローラ部材によって反り等を矯正して異物の連続検査が可能になる。
【0015】
第7の発明に係るX線検査方法は、試料に対してX線源からX線を照射するステップと、前記試料に対して前記X線源と反対側に設置されたX線検出部により前記試料を透過した前記X線を検出するステップとを有し、前記X線源と前記X線検出部との間にフィルタを設置し、前記試料が、相対的にX線吸収量が多い領域とX線吸収量が少ない領域とを有し、前記フィルタを、前記X線吸収量が多い領域を透過したX線と前記X線吸収量が少ない領域を透過したX線との強度比が前記フィルタを設置しない状態よりも小さくなる材料で形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るX線検査装置及びX線検査方法によれば、フィルタが、X線吸収量が多い領域を透過したX線とX線吸収量が少ない領域を透過したX線との強度比がフィルタを設置しない状態よりも小さくなる材料で形成されているので、透過したX線のコントラスト差が大き過ぎて同時に異物検査できなかった試料でも、同じ条件で同時に異物検査することが可能になる。
したがって、本発明のX線検査装置及びX線検査方法では、例えばリチウムイオン電池において正極材の塗工部と未塗工部とを有する正極材部材でも、塗工部と未塗工部との両方の異物を高い検出精度で同時に検査が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係るX線検査装置及びX線検査方法の第1実施形態において、X線検査装置を示す概略的な構成図である。
【
図2】第1実施形態において、塗工部と未塗工部とにおいて透過したX線をフィルタの有無で比較したX線のエネルギーに対する透過したX線強度のグラフである。
【
図3】第1実施形態において、
図10に示す試料において透過したX線の輝度分布を示すグラフ(a)と、これに対応するS/N(コントラスト比)を示すグラフ(b)である。
【
図4】本発明に係るX線検査装置及びX線検査方法の第2実施形態において、X線検査装置を示す概略的な構成図である。
【
図5】本発明に係るX線検査装置及びX線検査方法の第3実施形態において、X線検査装置を側方から視た示す概略的な構成図である。
【
図6】第3実施形態において、X線検査装置を他端側から視た示す概略的な構成図である。
【
図7】本発明に係るX線検査装置及びX線検査方法の第4実施形態において、X線検査装置を側方から視た示す概略的な構成図である。
【
図8】第4実施形態において、X線検査装置を他端側から視た示す概略的な構成図である。
【
図9】本発明に係るX線検査装置及びX線検査方法において、塗工部と未塗工部とにおいてフィルタの有無を比較したX線エネルギーに対する透過したX線強度を示すX線スペクトルのシミュレーショングラフである。
【
図10】正極材の塗工部と未塗工部とを有する電極部材の試料を示す平面視である。
【
図11】本発明に係るX線検査装置及びX線検査方法の従来例において、
図10に示す試料において透過したX線の輝度分布を示すグラフ(a)と、これに対応するS/N(コントラスト比)を示すグラフ(b)である。
【
図12】本発明に係るX線検査装置及びX線検査方法の従来例において、試料に反りや撓み・うねりが生じている場合のX線検査装置を示す概略的な構成図である。
【
図13】
図12に示す反り等が生じた電極部材の試料を示す平面視(a)と、従来のX線検査装置で撮像した概念的な画像(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るX線検査装置及びX線検査方法の第1実施形態を、
図1から
図3を参照しながら説明する。
【0019】
本実施形態のX線検査装置1は、
図1に示すように、試料Sに対してX線X1を照射するX線源2と、試料Sに対してX線源2と反対側に設置され試料Sを透過したX線X1を検出するX線検出部3と、X線源2とX線検出部3との間に設置されたフィルタ4とを備えている。
【0020】
上記試料Sは、相対的にX線吸収量が多い領域P1とX線吸収量が少ない領域P0とを有している。
本実施形態では、試料Sが、照射するX線X1のうち特定のエネルギー帯において、相対的にX線吸収量が多い領域P1とX線吸収量が少ない領域P0とを有している。
例えば、試料Sが、基材が露出しX線吸収量が少ない領域P0である未塗工部(以下、未塗工部の符号もP0とする)と、基材上に基材とは異なる材料が塗布されX線吸収量が多い領域P1である塗工部(以下、塗工部の符号もP1とする)とを有している。
具体的には、本実施形態の試料Sは、基材がリチウムイオン二次電池の正極集電体(例えば、アルミ等)である未塗工部P0と、基材とは異なる材料がリチウムイオン二次電池の正極材である塗工部P1とを有したリチウムイオン二次電池の正極材部材である。
【0021】
上記フィルタ4は、X線吸収量が多い領域(塗工部)P1を透過したX線X1とX線吸収量が少ない領域(未塗工部)P0を透過したX線X1との強度比がフィルタ4を設置しない状態よりも小さくなる材料で形成されている。
すなわち、本実施形態のフィルタ4は、上記試料Sに対応して、特定のエネルギー帯のX線X1を他のエネルギー帯のX線X1よりも多く吸収する材料で形成されている。
例えば、X線吸収量が多い領域P1が、リチウムイオン二次電池の正極材である塗工部の場合、正極材が、低いエネルギー帯(特に、5keV~12KeV)のX線X1を他のエネルギー帯(12KeVを越えるエネルギー帯)のX線X1よりも多く吸収する材料(例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)等である。
上記フィルタ4は、例えばCFRP,軽金属,金属箔等で形成されている。
【0022】
上記試料Sは、可撓性のフィルム状であり、フィルタ4は、X線源2とX線検出部3との間で試料Sに密着させた状態で配置されている。
すなわち、フィルタ4は、試料Sを挟んだ状態で試料Sの表裏面にそれぞれ配置されている。
図10に示すように、セル形状に切り出した後の電極部材である試料Sは、
図1に示すように、上下を一対のフィルタ4により挟んで平板状に保持した状態で、試料台5の上に載置されてX線検査が行われる。
【0023】
なお、
図10に示すように、セル形状に切り出した後の電極部材(試料S)は、シート状であるため、反りや撓み・うねりが数十mm単位で発生する場合が有り、この状態でX線透過検査を行った場合、正確に異物Xを撮像できないという問題がある。例えば、
図12に示すように、試料台105を挟んでX線源2とX線検出部3とを対向配置し、試料台105に電極部材の試料Sを載置させて異物検査を行う場合、試料Sに反りや撓み等が生じていると、試料S中の異物XがX線検出部3のピントPtから外れてしまう。
【0024】
例えば、試料Sの平面視で、
図13の(a)に示すように、異物Xが混入していた場合、試料Sに
図8に示すような反りや撓みがあると、
図13の(b)に示すように、光学倍率の位置依存性が生じて、異物サイズと検出率との相関が減少してしまったり、ワークサイズや塗工幅に対する画素数の変動により検査範囲が減少してしまったりする問題が生じる。また、搬送Z軸(厚さ方向)の制限があることで、焦点ボケの拡大が生じてしまう場合がある。さらに、ピント位置ズレによって搬送方向へのボケが生じてしまう。すなわち、これらにより、実際よりも異物サイズが拡大して検出されてしまう場合が生じる。
【0025】
また、撓み・うねり等が生じていると、X線吸収量の位置依存性が生じて、X線の光路長が部位によって異なってしまい、やはり異物サイズと検出率との相関が減少したり、過検出リスクが増加したりしてしまう。
これらの対策のために、本実施形態では、試料Sを一対のフィルタ4でサンドイッチ状に挟んで反り等を矯正する構成を採用している。
なお、X線検出部3のピントPtは、一対のフィルタ4に挟まれ平坦とされた試料Sの高さ位置に一致させている。
【0026】
上記X線源2は、X線X1を照射可能なX線管球であって、管球内のフィラメント(陰極)から発生した熱電子がフィラメント(陰極)とターゲット(陽極)との間に印加された電圧により加速されターゲットのW(タングステン)、Mo(モリブデン)、Cr(クロム)などに衝突して発生したX線X1を1次X線としてベリリウム箔などの窓から出射するものである。
【0027】
上記X線検出部3は、ラインセンサを特定の方向に沿って複数列有して行列状に画素が並び、試料Sを透過したX線X1を画素で検出するX線検出部であるTDIセンサ(図示略)と、特定の方向に沿った複数の画素における電荷の蓄積と転送とを制御するラインセンサ演算部(図示略)とを備えているものである。
なお、本実施形態のX線検査装置1は、上記各部を制御する制御部(図示略)、透過像等の情報を表示する表示部(図示略)、X線源2からのX線X1を照射中に試料Sを特定の方向に移動させるモータ等の試料移動機構(図示略)も備えている。
【0028】
本実施形態の試料Sは、上述したように、リチウムイオン二次電池に使用される電極部材のシートであるが、例えば帯状に形成された燃料電池の材料、ガス拡散層、カーボンペーパー、医薬品系に用いられる長尺のシート状材料等でも構わない。
なお、試料Sがリチウムイオン二次電池に使用される電極シートなどである場合、それに混入する金属異物Xは、例えばFeやSUS等が想定される。
【0029】
本実施形態のX線検査装置1を用いたX線検査方法について説明する。
本実施形態のX線検査方法は、試料Sに対してX線源2からX線X1を照射するステップと、試料Sに対してX線源2と反対側に設置されたX線検出部3により試料を透過したX線X1を検出するステップとを有している。このとき、X線源2とX線検出部3との間に上記フィルタ4を設置しているため、
図2に示すように、X線吸収量が多い領域P1を透過したX線X1とX線吸収量が少ない領域P0を透過したX線X1との強度比がフィルタ4を設置しない状態よりも小さくなる。
【0030】
例えば、
図10に示すように、塗工部P1と未塗工部P0とがあるセル状の電極部材ELに異物Xが存在している場合、異物X上を通るラインL1において、
図3の(a)に示すように、透過したX線X1の輝度(強度)の分布が得られる。このとき、
図3の(b)に示すように、塗工部P1と未塗工部P0とで透過したX線X1のコントラスト差が、
図11の(a)の場合よりも小さくなり、境界過検出部分を異物Xと誤判定せずに、塗工部P1にあった異物Xだけでなく未塗工部P0にあった異物Xも、しきい値を超えて同時に異物Xとして判定される。
【0031】
このように本実施形態のX線検査装置1では、フィルタ4が、X線吸収量が多い領域P1を透過したX線X1とX線吸収量が少ない領域P0を透過したX線X1との強度比がフィルタ4を設置しない状態よりも小さくなる材料で形成されているので、X線吸収量が多い領域P1とX線吸収量が少ない領域P0とのコントラスト差が小さくなり、境界過検出を抑制し、これを異物Xとして誤判定してしまうことを防止できる。
【0032】
また、X線吸収量が多い領域P1に合わせた条件で測定した場合でも、X線吸収量が少ない領域P0の白つぶれを防ぐことができ、異物Xを過小評価してしまうことを防止できる。したがって、本実施形態のX線検査装置1では、従来透過したX線X1のコントラスト差が大き過ぎて同時に異物検査できなかった試料Sでも、同じ条件で同時に異物検査することが可能になる。
【0033】
また、フィルタ4が、特定のエネルギー帯のX線X1を他のエネルギー帯のX線X1よりも多く吸収する材料で形成されているので、特定のエネルギー帯のX線吸収量が少ない領域P0を透過したX線X1においてフィルタ4により特定のエネルギー帯がより多く吸収されることで、X線吸収量が多い領域P1とX線吸収量が少ない領域P0とで透過したX線X1のエネルギー分布の差が小さくなり、コントラスト差を小さくすることができる。
【0034】
特に、試料Sが、基材が露出しX線吸収量が少ない領域P0である未塗工部P0と、基材上に基材とは異なる材料が塗布されX線吸収量が多い領域P1である塗工部P1とを有している場合、未塗工部P0と塗工部P1とを同時に異物検査することが可能になる。例えば、基材が、リチウムイオン二次電池の正極集電体であり、基材とは異なる材料が、リチウムイオン二次電池の正極材であるリチウムイオン二次電池の正極材部材も、正極材が塗布された塗工部P1と、正極材が塗布されていない未塗工部P0とを同時に異物検査することが可能になる。
【0035】
さらに、フィルタ4が、X線源2とX線検出部3との間で試料Sに密着させた状態で配置されているので、上記コントラスト差の低減効果に加え、フィルタ4自体が試料Sの反りや撓み・うねりを矯正する反り等矯正機能を有しており、異物Xの撮像をより正確に行うことができる。したがって、コントラスト差の低減効果と、反り等矯正効果とを、共通の単一部材であるフィルタ4により実現することが可能になり、装置コストの低減等を行うことができる。
特に、フィルタ4が、試料Sを挟んだ状態で試料Sの表裏面にそれぞれ配置されているので、フィルタ4によりサンドイッチ状に試料を挟むことで、試料Sの反りや撓み・うねりを矯正して、異物Xの撮像をより正確に行うことができる。
【0036】
次に、本発明に係るX線検査装置及びX線検査方法の第2~第4実施形態について、
図4~
図8を参照して以下に説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0037】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、セル形状に切り出した後の電極部材である試料Sを一対のフィルタ4で挟んで平板状にした状態で試料台5に載置してX線検査を行っているのに対し、第2実施形態のX線検査装置21では、
図4に示すように、長尺の帯状の試料Sを延在方向に連続して移動させる試料移動機構26を備えている点である。
【0038】
上記試料移動機構26は、試料Sを外周面の一部に接触させた状態で回転可能なローラ部材24を備えている。
X線源2は、ローラ部材24の内側又は外側に配され、X線検出部3は、ローラ部材24の外周面に接触した部分の試料Sに対してX線源2と反対側に設置されている。なお、本実施形態では、ローラ部材24の内側にX線源2が配置されている。
また、上記ローラ部材24は、上述したフィルタである。すなわち、ローラ部材24は、第1実施形態のフィルタ4と同じ材料で円筒状に形成されたものである。
【0039】
なお、試料移動機構26は、例えばロール・to・ロール形式で長尺の試料Sを延在方向に移動可能な複数のローラやモータ等の構成を有しており、ローラ部材24は、図示しない軸部材等により回転可能に支持されている。したがって、試料Sが延在方向に移動させられると、試料Sに外周面の一部が密着しているフィルタであるローラ部材24も合わせて回転するようになっている。
【0040】
なお、長尺の帯状の電極部材では、単にロール・to・ロール方式のロール間に張設された電極部材に対してX線を照射して検査する場合、ロール間に張設され延在するシート状の電極部材に自重によって撓みが生じるため、やはり正確に異物を撮像することが困難である。
しかしながら、第2実施形態のX線検査装置21では、試料Sを外周面の一部に接触させた状態で回転可能なローラ部材24を備え、ローラ部材24が、フィルタで形成されているので、上記コントラスト差の低減効果に加え、試料Sの反りや撓み・うねりを矯正しつつ帯状の試料Sを延在方向に連続して移動させて異物Xの撮像を連続かつ正確に行うことができる。特に、連続的に流れる長尺のロール状の試料Sであっても、フリーロールのローラ部材24によって反り等を矯正して異物Xの連続検査が可能になる。
【0041】
次に、第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、一対の平板状のフィルタ4で試料Sを挟んで支持しているだけであるのに対し、第3実施形態のX線検査装置31では、
図5及び
図6に示すように、フィルタ4のうち少なくともX線源2とX線検出部3との間に配された部分を水平状態にしてフィルタ4を支持するフィルタ支持部35を備えている点である。
すなわち、第3実施形態のX線検査装置31は、一対のフィルタ4で挟まれた試料Sのうち少なくともX線源2とX線検出部3との間に配された部分についてX線源2からの距離を一定にするフィルタ支持部35を備えている。
【0042】
このX線検査装置31では、試料SとX線源2及びX線検出部3とを相対的に移動可能な移動機構を備え、フィルタ支持部35が、試料Sが移動した際のX線X1の照射時において、常に上記水平状態にして平板状のフィルタ4を支持するように設定されている。
フィルタ支持部35は、一対のフィルタ4で挟まれた試料Sのうち少なくともX線源2とX線検出部3との間に配された部分についてX線源2からの距離を一定にする機能を有している。
上記フィルタ支持部35は、X線源2からX線検出部3までのX線照射領域の周囲に配された4つの撓み抑制ローラ35aと、撓み抑制ローラ35aを上部に設置した4つ伸縮軸部材35bとを備えている。
【0043】
各伸縮軸部材35bは、X線源2の支持台2a上にX線源2の周囲に立設されている。
伸縮軸部材35bは、例えば油圧等によりシリンダ部からピストン部が上方に突出して伸縮可能な部材である。
上記支持台2aは、X線源側X軸ステージ36上に載置され、X線源側X軸ステージ36により延在方向M2に向けて移動可能とされている。
また、X線検出部3は、検出部側X軸ステージ38下面に固定され、検出部側X軸ステージ38により延在方向M2に向けて移動可能とされている。なお、X線源側X軸ステージ36と検出部側X軸ステージ38とは、互いに連動して同じピッチで支持台2a及びX線検出部3を移動可能である。
【0044】
なお、試料Sをその幅方向M1に移動させる機構としてY軸ステージ(図示略)が、X線源側X軸ステージ36及び検出部側X軸ステージ38に直交する方向に延在して配置されている。このY軸ステージに試料Sの試料台(図示略)が固定されており、Y軸ステージによって幅方向M1に試料Sを移動可能になっている。
上記撓み抑制ローラ35aは、試料Sの延在方向に回転軸を有して回転可能に軸支されている。
【0045】
この試料Sは、第1実施形態と同様に一対のフィルタ4に上下面が挟持されたサンドイッチ状態とされているが、第1実施形態よりも長く形成されている。また、試料S及びフィルタ4は、一端部が端部支持部37によって固定されているが、他端部が開放端となっている。
このX線検査装置31で試料SのX線検査を行う場合、まず一対のフィルタ4で挟持された試料Sの一端部を端部支持部37で固定した状態で、試料Sの一端側下面を4つの撓み抑制ローラ35aで支持する。このとき、4つの伸縮軸部材35bにより、自重で撓もうとする試料Sが水平になるように一対の撓み抑制ローラ35aの高さ位置を設定する。
【0046】
すなわち、X線源2の焦点から試料Sのワークパスラインまでの距離FODが、撓みのない状態の正規の値になるようにフィルタ支持部35により設定される。
なお、フィルタ支持部35により試料S及びフィルタ4を支持しない場合、試料Sが長いため、
図5に示すように、自重によりフィルタ4に挟まれた状態でも試料Sが撓み量Tで他端側で下方に撓んだ状態S0となってしまう。
【0047】
フィルタ支持部35により試料S及びフィルタ4を支持した状態で、
図6に示すように、Y軸ステージで試料台と共に試料Sを幅方向M1に移動させながらX線X1でスキャンすることで、幅方向M1のX線検査を行う。このとき、一対の撓み抑制ローラ35aが回転しながらフィルタ4で挟まれた試料Sを支持することで、試料Sが撓まず検査を行うことができる。
【0048】
さらに、
図5に示すように、X線源側X軸ステージ36及び検出部側X軸ステージ38で支持台2a及びX線検出部3を試料Sの延在方向M2に沿って一定のピッチで移動させると共に、試料Sの上記幅方向M1のX線検査を行うことで、長い試料Sでも撓みを抑制しつつX線検査を行うことができる。
なお、上記X線検査装置31では、長い試料Sだけでなく、大型基板を用いた試料Sにおいても自重による反りや撓みを抑制することが可能である。
また、4つの撓み抑制ローラ35aと4つの伸縮軸部材35bとを採用したが、4つ以外、例えば2つの撓み抑制ローラ35aと2つの伸縮軸部材35bとでフィルタ支持部35を構成しても構わない。
【0049】
次に、第4実施形態と第3実施形態との異なる点は、第3実施形態では、試料S及びフィルタ4の下面側をフィルタ支持部35で支持して撓みを抑制しているのに対し、第4実施形態のX線検査装置41では、
図7及び
図8に示すように、試料S及びフィルタ4の上面側もフィルタ支持部45で支持している点である。
すなわち、第4実施形態のフィルタ支持部45は、試料S及びフィルタ4の下面に押し当てられて支持する4つの撓み抑制ローラ35aだけでなく、試料S及びフィルタ4の上面に当接して支持する4つの反り抑制ローラ45aを備えている。
【0050】
反り抑制ローラ45aは、検出部側X軸ステージ38又はX線検出部3に上部が固定されて垂下されている。なお、各反り抑制ローラ45aは、それぞれ対応する撓み抑制ローラ35aの直上に配されている。すなわち、試料S及びフィルタ4は、撓み抑制ローラ35aと反り抑制ローラ45aとにより上下から挟持される。
上記反り抑制ローラ45aは、撓み抑制ローラ35aと同様に、試料Sの延在方向に回転軸を有して回転可能に軸支されている。
【0051】
このX線検査装置41で試料SのX線検査を行う場合、まず試料Sの下面を4つの撓み抑制ローラ35aで支持すると共に、試料Sの上面を4つの反り抑制ローラ45aで支持する。
なお、反り抑制ローラ45aで試料S及びフィルタ4を支持しない場合、
図7に示すように、試料Sが反り量Wで他端側で上方に反った状態S1となる場合があるが、反り抑制ローラ45aで試料S及びフィルタ4を支持することで、フィルタ4だけでは矯正し切れなかった試料Sの反りを矯正することができる。
また、4つの反り抑制ローラ45aを採用したが、4つ以外、例えば2つの反り抑制ローラ45aを用いてフィルタ支持部45を構成しても構わない。
【実施例0052】
上記第1実施形態のX線検査装置を用いた場合について、塗工部と未塗工部とにおいてフィルタの有無を比較したX線エネルギーに対する透過したX線強度を示すX線スペクトルの輝度をシミュレーションした結果を、
図9に示す。
なお、フィルタを構成する材料としては、2mm厚のCFRPを使用し、上記正極材の塗工部と未塗工部とについて調べた。
【0053】
その結果、塗工部に対する未塗工部の明るさの比は、フィルタを使用しない場合が3.5倍であったのに対し、フィルタを使用した本発明のX線検査装置及びX線検査方法では、2.5倍と小さくなった。これにより、未塗工部の輝度が飽和してしまうことを抑制可能になることが分かる。
【0054】
より詳しく説明すると、正極材の塗工部は、X線が透過しづらく、一般的な材料では低エネルギーのX線ほど透過率が下がる傾向にあり、X線吸収量が多い領域となる。このため、
図9に示すように、フィルタを使用しない場合でも、塗工部の透過後のX線スペクトルは、低エネルギー側が大きく減少している。
これに対して、フィルタを使用すると、塗工部及び未塗工部も低エネルギー側ほど大きく透過率が下がる傾向にあるため、低エネルギー側の強度は、未塗工部の方が強度が大きく変化し、塗工部は元々強度が小さいため、透過後の強度の差が小さくなっている。したがって、フィルタを入れることで、透過したX線の塗工部と未塗工部との強度比が小さくなる。
【0055】
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0056】
また、上記各実施形態では、正極材の塗工部と未塗工部とを有した試料を検査しているが、X線吸収量が少ない領域と、このX線吸収量が少ない領域に対して同じ材料で厚く形成されたX線吸収量が多い領域とを有した試料についても、同様に本発明のX線検査装置及びX線検査方法でX線検査することが可能である。
1,21,31…X線検査装置、2…X線源、3…X線検出部、4,24…フィルタ、26…試料移動機構、24…ローラ部材、P0…X線吸収量が少ない領域(未塗工部)、P1…X線吸収量が多い領域(塗工部)、S…試料、X1…X線