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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176438
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】鉱石投入用ホッパ
(51)【国際特許分類】
   C22B 1/00 20060101AFI20231206BHJP
   B07B 1/12 20060101ALI20231206BHJP
   B07B 1/46 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
C22B1/00 101
B07B1/12 Z
B07B1/46 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088716
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】弁理士法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 靖信
【テーマコード(参考)】
4D021
4K001
【Fターム(参考)】
4D021AA03
4D021AB04
4D021AC01
4D021BA01
4D021CA01
4D021EA05
4K001AA07
4K001AA19
4K001BA01
4K001BA02
4K001CA02
4K001DB03
4K001DB14
4K001DB16
4K001DB23
4K001DB24
(57)【要約】
【課題】所定の大きさの大塊を確実に排除することができるとともに、大塊がグリズリバーの間に挟まった場合でも容易にその大塊を除去することが可能である鉱石投入用ホッパを提供する。
【解決手段】鉱石投入用ホッパ10は、2以上の長尺のグリズリバー20が並列して配列されているグリズリ12を備える。このグリズリバー20に対して、少なくとも一方の端部の動作制限機構14が設けられている。この動作制限機構14は、グリズリバー20の短手方向である配列方向に対して、あらかじめ定められた範囲だけ動作可能な態様で、グリズリバー20を固定する。この構成により、グリズリバー20同士の間隔が所定の範囲以上には広がらず、大塊を確実に排除することができる。加えて、グリズリバー20同士の間に大塊が挟まった場合でも、容易にその大塊を除去することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の長尺のグリズリバーが並列して配列されているグリズリを備え、
前記グリズリバーに対して、少なくとも一方の端部の動作を制限する動作制限機構が設けられ、
該動作制限機構は、前記グリズリバーの短手方向である配列方向に対して、あらかじめ定められた範囲だけ動作可能な態様で、前記グリズリバーを固定する、
ことを特徴とする鉱石投入用ホッパ。
【請求項2】
前記動作制限機構が、
前記配列方向に沿って、前記グリズリバーに設けられた貫通孔と、
該貫通孔に貫通する貫通ピンと、
該貫通ピンを保持し、あらかじめ定められた距離だけ離間して設けられたガイド体からなるガイド対と、を含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の鉱石投入用ホッパ。
【請求項3】
前記動作制限機構が、
前記配列方向に沿って、前記グリズリバーに設けられた貫通孔と、
該グリズリバーを挟んで、あらかじめ定められた距離だけ離間して設けられたガイド体からなるガイド対と、
該ガイド体にそれぞれ設けられた保持孔と、
該保持孔および前記貫通孔に通されているガイドワイヤと、を含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の鉱石投入用ホッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉱石投入用ホッパに関する。さらに詳しくは、本発明は、グリズリバーを有する鉱石投入用ホッパに関する。
【背景技術】
【0002】
ニッケル酸化鉱石の湿式製錬においては、高温高圧条件下で硫酸により浸出処理を施すHPAL(High Pressure Acid Leaching)法とも称される高圧酸浸出法が知られている。この高圧酸浸出法は、原料のニッケル酸化鉱石に対して還元処理および乾燥処理を施す乾式製錬法とは異なり、ほぼ全工程に亘って湿式で処理を行うのでエネルギー的及びコスト的に有利な処理法である。また、比較的低品位のニッケル酸化鉱石原料からニッケル品位が50~60質量%程度まで高められたニッケルおよびコバルトを含む混合硫化物(ニッケルコバルト混合硫化物とも称する)を生成できるという利点も有している。
【0003】
上記の高圧酸浸出法は、原料のニッケル酸化鉱石に水を加えて鉱石スラリーを調製する鉱石処理工程と、調整した鉱石スラリーに硫酸を添加して高温高圧下で浸出処理を行う浸出工程と、該浸出工程で生成される浸出スラリーから浸出残渣を分離除去してニッケルおよびコバルトを含む浸出液を得る固液分離工程と、該浸出液に中和剤を添加して該浸出液に含まれる不純物を中和澱物として分離除去して中和終液を得る中和工程と、該中和終液に硫化剤を添加してニッケル及びコバルトをそれらの混合硫化物として回収するニッケル回収工程と、から一般的に構成される。
【0004】
上記の鉱石処理工程における鉱石供給は、一般に、ホイル・ローダー等の重機を用いて工程入口に設置されたホッパへ投入されることで行われる。ただ、供給鉱石中には未風化の岩石、脈鉱など(以下、大塊)が含まれており、これらの大塊は処理できないばかりか、設備故障の要因ともなる。その為、一般に、これらの大塊を除去、スクリーニングするために、グリズリが設置された投入用ホッパが用いられる。グリズリは、大塊を除去、スクリーニングするように、グリズリバーがスリット状に配置された構成である。特許文献1には、グリズリが設置された鉱石投入用ホッパが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-81938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
グリズリを構成するグリズリバーの両端は、一般的には鉱石投入用ホッパに溶接で固定されている。すなわち、投入用ホッパに対してグリズリバーが全く動作しないように構成されている。しかし、鉱石処理工程の鉱石供給においては、このようなグリズリ付きホッパに、重機を使用して鉱石を投入される。特に重機がホイル・ローダーである場合、バケットとホッパ間に高低差(落差)が必要となり、グリズリに大塊の落下衝撃が加わる。これにより、大塊がグリズリバーの間に挟まり、詰まるような状態となる場合がある。特に落下衝撃が大きい場合、グリズリバーによる挟圧が大きくなり、詰まった大塊を除去するのに多大な時間を要することとなり、作業効率が悪くなるという問題がある。
【0007】
特許文献1では、グリズリバーの一方の端部は、取付座により全く動作しないように固定されているのに対し、他方の端部は受け台に載せられ、左右に動作可能となっている。この左右の動作は、グリズリバー同士を結合するために設けられた変形防止部材により拘束されている。しかしこの場合、グリズリバーにおいて変形防止部材との距離が長くなる部分においては、グリズリバーの変形量が大きくなり、あらかじめ定められた大きさ以上の大塊が通過する可能性があるという問題がある。
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、あらかじめ定められた大きさの大塊を確実に分離(分級)することができるとともに、大塊がグリズリバーの間に挟まった場合でも容易にその大塊を除去することが可能である鉱石投入用ホッパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明の鉱石投入用ホッパは、2以上の長尺のグリズリバーが並列して配列されているグリズリを備え、前記グリズリバーに対して、少なくとも一方の端部の動作を制限する動作制限機構が設けられ、該動作制限機構は、前記グリズリバーの短手方向である配列方向に対して、あらかじめ定められた範囲だけ動作可能な態様で、前記グリズリバーを固定することを特徴とする。
第2発明の鉱石投入用ホッパは、第1発明において、前記動作制限機構が、前記配列方向に沿って、前記グリズリバーに設けられた貫通孔と、該貫通孔に貫通する貫通ピンと、該貫通ピンを保持し、あらかじめ定められた距離だけ離間して設けられたガイド体からなるガイド対と、を含んで構成されていることを特徴とする。
第3発明の鉱石投入用ホッパは、第1発明において、前記動作制限機構が、前記配列方向に沿って、前記グリズリバーに設けられた貫通孔と、該グリズリバーを挟んで、あらかじめ定められた距離だけ離間して設けられたガイド体からなるガイド対と、該ガイド体にそれぞれ設けられた保持孔と、該保持孔および前記貫通孔に通されているガイドワイヤと、を含んで構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1発明によれば、グリズリバーの動作制限機構が、グリズリバーの配列方向に対して所定の範囲だけ、グリズリバーを動作可能に固定することにより、グリズリバー同士の間隔が所定の範囲以上には広がらず、あらかじめ定められた大きさの大塊を確実に小粒子から分離することができる。加えて、グリズリバーが、その配列方向に所定の範囲だけ動作可能であるので、グリズリバー同士の間に大塊が挟まった場合でも、容易にその大塊を除去することができる。
第2発明によれば、動作制限機構が、グリズリバーに設けられた貫通孔と、この貫通孔に貫通する貫通ピンと、を含んで構成されていることにより、グリズリバーの動作が貫通孔の貫通方向に対してガイドされるため、貫通ピンと貫通孔との間の動作がなめらかとなる。これによりグリズリバーの配列方向の動作がなめらかになり、大塊の除去をさらに容易に行うことが可能となる。
第3発明によれば、動作制限機構が、ガイド対に設けられた保持孔、およびグリズリバーに設けられた貫通孔に通されているガイドワイヤを含んで構成されていることにより、グリズリバーの動作が上下方向にも可能となるので、大塊の除去をさらに容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る鉱石投入用ホッパの斜視図である。
図2図1の鉱石投入用ホッパの正面方向の断面図である。
図3図1の鉱石投入用ホッパの動作制限機構の拡大図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る鉱石投入用ホッパの動作制限機構の拡大図である。
図5】本発明の第3実施形態に係る鉱石投入用ホッパの斜視図である。
図6図5の鉱石投入用ホッパの正面方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための鉱石投入用ホッパを例示するものであって、本発明は鉱石投入用ホッパを以下のものに特定しない。なお、各図面が示す部材の大きさまたは位置関係等は、小さな部品を認識できる大きさに拡大して描画したり、他の部品に隠れてしまう部分を見えるよう描画したりする等、説明を明確にするため誇張していることがある。
【0013】
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態に係る鉱石投入用ホッパ10の斜視図を、図2にはその正面方向からの断面図を示す。本実施形態に係る鉱石投入用ホッパ10は、ホッパ本体11の内部にグリズリ12が設けられている。
【0014】
ホッパ本体11は、筒状体をその軸心が鉛直になるように配置され、その外面に複数の支持脚13を有している構成である。ホッパ本体11の上側開口部11aは、投入される鉱石がこぼれるのを抑制するため比較的大きく、ホッパ本体11の下側開口部11bは、選別された後の鉱石をコンベア等に載せるため比較的小さくなっている。本実施形態では、ホッパ本体11の上部および下部は、その水平断面が矩形である。ただし、ホッパ本体11の形状はこれに限定されず、例えば水平断面が円であったり、長円であったりしても問題ない。
【0015】
本実施形態に係る鉱石投入用ホッパ10は、ホッパ本体11の側面(図2の紙面の右側)からホイル・ローダー等により鉱石が鉱石投入用ホッパ10に投入され、グリズリ12を通過できない鉱石の大塊は、図2の紙面の右側に排出される。排出された大塊は、ホイル・ローダー等により搬出される。
【0016】
ホッパ本体11には、グリズリ12が設けられている。このグリズリ12は、複数のグリズリバー20が、並列して並べられた構成である。さらに詳しくは、グリズリ12は、複数のグリズリバー20により構成され、これらのグリズリバー20は、いずれも水平面に対してあらかじめ定められた傾斜角度θを有するように固定されている。そして、これらのグリズリバー20は、そのグリズリバー20の長手方向と垂直な方向に、同じ姿勢で並べられている。
【0017】
本実施形態に係る鉱石投入用ホッパ10では、グリズリバー20の両方の端部は、動作制限機構14により、グリズリバー20の配列方向に対して、あらかじめ定められた範囲だけ、グリズリバー20を動作可能とするように固定されている。
【0018】
本実施形態の鉱石投入用ホッパ10のグリズリ12では、たがいに隣接しているグリズリバー20間の距離は、鉱石投入用ホッパ10の使用者があらかじめ定めた距離となっている。グリズリバー20間の距離があらかじめ定められた距離であることにより、そのグリズリバー20間の距離よりも小さい直径の鉱石は、グリズリ12を上から下へ通過してホッパ本体11の下部から回収される。これに対しグリズリバー20間の距離よりも大きい直径を有する鉱石の大塊は、グリズリ12を通過することなく、グリズリ12の上面を転がり、図2の紙面において右側から排出される。
【0019】
図3には、本実施形態に係る鉱石投入用ホッパ10の動作制限機構14の拡大図を示す。図3は、図2におけるIII矢視の図である。グリズリバー20は、曲げ強さを確保するために、例えば鉄道で使用されるレール用鋼材、またはI型鋼などが用いられることが好ましい。本実施形態では、レール用鋼材が、その上下をさかさまにして用いられている。これらの鋼材は、例えば図3の紙面における上下方向の曲げ強さが大きくなるとともに、鉱石が投入される面が平面となり、鉱石の大塊がより容易に転がることができる。
【0020】
本実施形態の鉱石投入用ホッパ10の動作制限機構14は、グリズリバー20に設けられた貫通孔20aと、この貫通孔20aに貫通する貫通ピン22と、ガイド対21とを含んで構成されている。
【0021】
貫通孔20aは、複数あるグリズリバー20の配列方向に向けって貫通している。また貫通孔20aは、レール用鋼材が使用されている場合、図3に示すように、その断面の縦長部分に設けられるのが好ましい。
【0022】
貫通ピン22は、貫通孔20aに対して遊嵌できる径であることが好ましい。また貫通ピン22の一方の端部には、ガイド対に設けられている保持孔23の径よりも大きい抜け止め用フランジが設けられているとともに、他方の端部には、抜け止め用のピン孔が設けられているのが好ましい。貫通ピン22の材質は特に限定されないが、グリズリバー20と同じ材質であるか、傷による破断を避けるために表面処理により表面の硬度が、グリズリバー20の硬度よりも高いことが好ましい。
【0023】
ガイド対21は、グリズリバー20をはさんで設けられる2つのガイド体(第1ガイド体21aおよび第2ガイド体21b)により構成されていることが好ましい。第1ガイド体21aおよび第2ガイド体21bは、あらかじめ定められた距離だけ離間して設けられている。このあらかじめ定められた距離は、グリズリ12を通過する鉱石の大きさの許容値により定められる。第1ガイド体21aおよび第2ガイド体21bは、ホッパ本体11に対して溶接されている。また、第1ガイド体21aおよび第2ガイド体21bには、貫通ピン22を保持するための保持孔23がそれぞれ設けられている。
【0024】
上記した動作制限機構14の構成では、第1ガイド体21aと第2ガイド体21bとの間に挟まれているグリズリバー20の下部と、第1ガイド体21aとの距離、グリズリバー20の下部と、第2ガイド体21bとの距離だけ、グリズリバー20は図3の紙面において左右方向に動作することができる。
【0025】
グリズリバー20の動作制限機構14が、グリズリバー20の配列方向に対して所定の範囲だけ、グリズリバー20を動作可能に固定することにより、グリズリバー20同士の間隔が所定の範囲以上には広がらず、あらかじめ定められた大きさの大塊を確実に小粒子から分離することができる。加えて、グリズリバー20が、その配列方向に所定の範囲だけ動作可能であるので、グリズリバー20同士の間に大塊が挟まった場合でも、容易にその大塊を除去することができる。
【0026】
動作制限機構14が、グリズリバー20に設けられた貫通孔20aと、この貫通孔20aに貫通する貫通ピン22と、を含んで構成されていることにより、グリズリバー20の動作が貫通孔20aの貫通方向に対してガイドされるため、貫通ピン22と貫通孔20aとの間の動作がなめらかとなる。これによりグリズリバー20の配列方向の動作がなめらかになり、大塊の除去をさらに容易に行うことが可能となる。
また本実施形態では、ホッパ本体11の上側開口部11aにグリズリバー20が固定されているので、グリズリバー20の自重がホッパ本体11に支えられ、貫通ピン22に付加される下向きの荷重が小さくなり、貫通ピン22と貫通孔20aとの間の動作がより滑らかになる。
【0027】
(第2実施形態)
図4には、本発明の第2実施形態に係る鉱石投入用ホッパ10の動作制限機構14の拡大図を示す。本実施形態に係る鉱石投入用ホッパ10の構成は、動作制限機構14の構成を除き、第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と同じ部分については説明を省略する。図4に示されている動作制限機構14は、図3と同様、図2におけるIII矢視の図である。
【0028】
本実施形態のグリズリバー20も、第1実施形態と同様、曲げ強さを確保するために、例えば鉄道で使用されるレール用鋼材、またはI型鋼などが用いられることが好ましい。本実施形態では、レール用鋼材は、その上下をさかさまにして用いられている。
【0029】
本実施形態の鉱石投入用ホッパ10の動作制限機構14は、グリズリバー20に設けられた貫通孔20aと、ガイド対21と、ガイド対21にそれぞれ設けられた保持孔23と、保持孔23および貫通孔20aに通されているガイドワイヤ24と、を含んで構成されている。
【0030】
貫通孔20aは、グリズリバー20の配列方向に沿って設けられている。また貫通孔20aは、レール用鋼材が使用されている場合、図4に示すように、その断面の縦長部分に設けられるのが好ましい。
【0031】
ガイド対21は、グリズリバー20をはさんで設けられている2つのガイド体(第1ガイド体21aおよび第2ガイド体21b)により構成されていることが好ましい。第1ガイド体21aおよび第2ガイド体21bは、あらかじめ定められた距離だけ離間して設けられている。このあらかじめ定められた距離は、グリズリ12を通過する鉱石の大きさの許容値により定められる。第1ガイド体21aおよび第2ガイド体21bは、ホッパ本体11に対して溶接されている。また、第1ガイド体21aおよび第2ガイド体21bには、ガイドワイヤ24が通されるための保持孔23がそれぞれ設けられている。
【0032】
ガイドワイヤ24は、始端と終端が固着したリング状のワイヤが好ましい。ガイドワイヤ24がリング状の場合、図4に示すように、保持孔23には、ガイドワイヤ24が孔1つにつき1本の状態で通され、グリズリバー20の貫通孔20aには、ガイドワイヤ24が孔1つにつき2本の状態で通されることが好ましい。
なお図4には、第1ガイド体21a等に保持孔23が1つある構成が図示されているが、これに限定されない。第1ガイド体21a等に2つの保持孔を設けることも可能である。この場合これらの保持孔23の配置は、ガイドワイヤ24にかかる力が小さくなるように選択するのが望ましい。たとえば、ガイドワイヤ24の屈曲が小さくなるように保持孔23と保持孔23の距離を取り、グリズリバー20の傾斜に合わせて、保持孔23と保持孔23は水平位置、鉛直位置とも異なるようにする。
【0033】
上記した動作制限機構14の構成では、第1ガイド体21aと第2ガイド体21bとの間に挟まれているグリズリバー20の下部と、第1ガイド体21aとの距離、グリズリバー20の下部と、第2ガイド体21bとの距離だけ、グリズリバー20は図3の紙面において左右方向に動作することができる。
【0034】
動作制限機構14が、ガイド対21に設けられた保持孔23、およびグリズリバー20に設けられた貫通孔20aに通されているガイドワイヤ24を含んで構成されていることにより、グリズリバー20の動作が上下方向にも可能となるので、大塊の除去をさらに容易に行うことが可能となる。
【0035】
(第3実施形態)
図5には、本発明の第3実施形態に係る鉱石投入用ホッパ10の斜視図を、図6にはその正面方向からの断面図を示す。本実施形態多に係る鉱石投入用ホッパ10と第1実施形態に係る鉱石投入用ホッパ10との相違点は、グリズリバー20の一方の端部がホッパ本体11の外側まで延伸している点、その外側に位置している部分に、側面排出口11cが設けられている点であり、その他の点は第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と同じ部分については説明を省略する。なお、図5では、鉱石投入用ホッパ10の構造を理解しやすいように、グリズリ12の上方に位置する側面排出口11cの一部が切り欠かれたように表示されている。
【0036】
本実施形態に係る鉱石投入用ホッパ10は、ホッパ本体11の側面に、側面排出口11cを有する。本実施形態に係る鉱石投入用ホッパ10では、例えば図6の紙面における左側からホイル・ローダーにより鉱石が投入され、このホイル・ローダーが接近してくる側と逆側に、側面排出口11cから、鉱石の大塊が排出される。また、グリズリバー20の他方の端部は、側面排出口11cを通してホッパ本体11の外側にまで延伸している。
【0037】
(その他)
第1実施形態および第2実施形態のいずれにおいても、動作制限機構14は、全てのグリズリバー20に設けられることが好ましい。しかし、全てのグリズリバー20に設けられている必要はない。例えば、配列方向に1つ飛ばしに設けられている場合もある。
【0038】
第1実施形態等に係る鉱石投入用ホッパ10では、グリズリバー20の両方の端部が動作制限機構14で固定されていたが、この形態に限定されない。例えば、グリズリバー20の一方の端部(例えば図2の紙面の右側のみ)が動作制限機構14である場合がある。この場合グリズリバー20のもう一方の端部は、ホッパ本体11の上側開口部11aにボルト締めなどの回動可能な方法で固定される。
【符号の説明】
【0039】
10 鉱石投入用ホッパ
12 グリズリ
14 動作制限機構
20 グリズリバー
20a 貫通孔
21 ガイド対
22 貫通ピン
23 保持孔
24 ガイドワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6