(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177133
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】検査装置及び検査方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
H01L21/66 X
H01L21/66 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089894
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(74)【代理人】
【識別番号】100187849
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 隆史
(74)【代理人】
【識別番号】100212059
【弁理士】
【氏名又は名称】三根 卓也
(72)【発明者】
【氏名】中山 博之
【テーマコード(参考)】
4M106
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106BA01
4M106BA04
4M106CA17
4M106DD03
4M106DD10
4M106DD23
4M106DH31
4M106DH40
4M106DJ02
4M106DJ07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】側方入射型照射部から面内均一な面状の光を照射する裏面照射型撮像デバイスの検査装置及び検査方法を提供する。
【解決手段】裏面照射型の撮像デバイスは、載置台(ステージ10)を備える。載置台は、検査対象体が載置される透明な載置面40a及び載置面の下方に配置され、載置面に載置された検査対象体としての基板(ウエハW)に向けて光を照射する照射部50を有する。照射部は、載置面を間に挟み検査対象体と対向する対向面51aを有する導光板51及び導光板の側方外側の領域に設けられ、導光板の側端面に向けて光を出射する光源部52を有する。導光板は、光源部から出射され、導光板51側端面から入射された光を対向面から載置面に向けて出射する。載置台はさらに、導光板の対向面から載置面に載置された検査対象体に向かう光を透過する光学部材(液晶パネル60)を有する。光学部材は、複数の領域に区画され光透過率が領域毎に可変である。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象デバイスを検査する検査装置であって、
前記検査対象デバイスは、配線層が設けられた側とは反対側の面である裏面から光が入射される裏面照射型の撮像デバイスであり、検査対象体に形成されており、
当該検査装置は、前記撮像デバイスの前記裏面と対向する形態で前記検査対象体を支持する載置台を備え、
前記載置台は、
前記検査対象体が載置される透明な載置面と、
前記載置面の下方に配置され、当該載置面に載置された前記検査対象体に向けて光を照射する照射部と、を有し、
前記照射部は、
前記載置面を間に挟み前記検査対象体と対向する対向面を有する導光板と、
前記導光板の側方外側の領域に設けられ、前記導光板の側端面に向けて光を出射する光源部と、を有し、
前記導光板は、前記光源部から出射され当該導光板の側端面から入射された光を前記対向面から前記載置面に向けて出射し、
前記載置台は、前記導光板の前記対向面から前記載置面に載置された前記検査対象体に向かう光を透過する光学部材をさらに有し、
前記光学部材は、複数の領域に区画され光透過率が前記領域毎に可変に構成されている、検査装置。
【請求項2】
前記光学部材は、液晶パネルである、請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記液晶パネルは、それぞれ異なる波長を透過する複数のフィルタを、前記領域に対応する形態で有する、請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記載置面からの光の照度の面内分布を取得し、取得結果に基づいて、前記光学部材における光透過率を調整する、請求項1~3のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項5】
制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記複数の領域のうち特定の領域のみが光を透過するよう、前記光学部材における光透過率を調整する、請求項1~3のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項6】
検査対象デバイスを検査する検査方法であって、
前記検査対象デバイスは、配線層が設けられた側とは反対側の面である裏面から光が入射される裏面照射型の撮像デバイスであり、検査対象体に形成されており、
前記撮像デバイスの前記裏面と透明な載置面とが対向する形態で、当該載置面に前記検査対象体を載置する工程と、
導光板の側端面に向けて光を出射し、当該導光板の前記検査対象体と対向する対向面から光を出射させ、複数の領域に区画され光透過率が前記領域毎に可変に構成された光学部材を透過させ、前記載置面から出射させる工程と、
前記載置面からの光の照度の面内分布を取得する工程と、
取得結果に基づいて、前記光学部材における光透過率を調整する工程と、を含む、検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の検査装置は、被検査体に形成された撮像デバイスに光を入射させながら、該撮像デバイスの配線層に接触端子を電気的に接触させて、撮像デバイスを検査する。特許文献1において、撮像デバイスは、配線層が設けられた反対側の面である裏面から光が入射されるものである。特許文献1の検査装置は、撮像デバイスの裏面と対向する形態で被検査体が載置される、光透過部材で形成された載置台と、載置台を間に挟んで被検査体に対向するように配置され、被検査体を指向する複数のLEDを有する光照射機構と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示にかかる技術は、裏面照射型の撮像デバイスの検査に、側方入射型の照射部を用いる場合において、面内均一な面状の光を検査対象体に照射することができるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、検査対象デバイスを検査する検査装置であって、前記検査対象デバイスは、配線層が設けられた側とは反対側の面である裏面から光が入射される裏面照射型の撮像デバイスであり、検査対象体に形成されており、当該検査装置は、前記撮像デバイスの前記裏面と対向する形態で前記検査対象体を支持する載置台を備え、前記載置台は、前記検査対象体が載置される透明な載置面と、前記載置面の下方に配置され、当該載置面に載置された前記検査対象体に向けて光を照射する照射部と、を有し、前記照射部は、前記載置面を間に挟み前記検査対象体と対向する対向面を有する導光板と、前記導光板の側方外側の領域に設けられ、前記導光板の側端面に向けて光を出射する光源部と、を有し、前記導光板は、前記光源部から出射され当該導光板の側端面から入射された光を前記対向面から前記載置面に向けて出射し、前記載置台は、前記導光板の前記対向面から前記載置面に載置された前記検査対象体に向かう光を透過する光学部材をさらに有し、前記光学部材は、複数の領域に区画され光透過率が前記領域毎に可変に構成されている。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、裏面照射型の撮像デバイスの検査に、側方入射型の照射部を用いる場合において、面内均一な面状の光を検査対象体に照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】裏面照射型撮像デバイスが形成された検査対象体としての基板の構成を概略的に示す平面図である。
【
図2】裏面照射型撮像デバイスの構成を概略的に示す断面図である。
【
図3】本実施形態にかかる検査装置としてのプローバの構成の概略を示す斜視図である。
【
図4】本実施形態にかかる検査装置としてのプローバの構成の概略を示す正面図である。
【
図5】収容室の内部構造の概略を示す斜視図である。
【
図6】ステージの構成を概略的に示す断面図である。
【
図8】液晶パネルの他の例の部分拡大断面図である。
【
図9】ステージ内における液晶パネルの位置の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
半導体製造プロセスでは、例えば、半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)等の基板上に所定の回路パターンを持つ多数の半導体デバイスが形成される。形成された半導体デバイスは、電気的特性等の検査が行われ、良品と不良品とに選別される。半導体デバイスの検査は、例えば、各半導体デバイスが分割される前の基板の状態で、プローバ等と称される検査装置を用いて行われる。
【0009】
検査装置は、針状の接触端子であるプローブを複数有するプローブカードが、基板を支持する載置台の上方に設けられている。検査の際は、プローブカードと載置台上のウェハとが近づけられ、プローブカードの各プローブと基板に形成された半導体デバイスの各電極に接触される。この状態で、プローブカードの上部に設けられたテストヘッドから各プローブを介して半導体デバイスに電気信号が供給される。そして、各プローブを介して半導体デバイスからテストヘッドが受信した電気信号に基づいて、当該半導体デバイスが不良品か否か選別される。
【0010】
検査対象の半導体デバイスがCMOSセンサ等の撮像デバイスである場合は、他の一般的な半導体デバイスとは異なり、撮像デバイスに光を照射しながら検査が行われる。
また、近年では、撮像デバイスとして、配線層が形成された表面側とは反対側の裏面側から入射した光を受光する裏面照射型のものが開発されている。
【0011】
裏面照射型の撮像デバイスに対する検査装置において、載置台は、上記撮像デバイスの裏面と対向する形態で基板を支持する。また、裏面照射型の撮像デバイスに対する検査装置において、載置台は、基板が載置される透明な載置面と、載置面の下方に配置され、当該載置面に載置された基板に向けて光を照射する照射部と、を有する。
【0012】
照射部は、例えば、載置面を間に挟み基板と対向する対向面を有する導光板と、該導光板の側方外側の領域に設けられ、導光板の側端面に向けて光を出射する光源部と、を有する。また、照射部において、導光板は、光源部から出射され当該導光板の側端面から入射された光を、反射ドット等により上記対向面へ向けて反射し、当該対向面から面状の光で出射する。そして、載置面に載置された基板にはこの面状の光が照射される。なお、以下では、上述のように導光板の側端面から光が入射される照射部を側方入射型の照射部という。
【0013】
ところで、検査の際に基板に面状の光を照射する場合、上記面状の光は面内均一であることが好ましい。側方入射型の照射部を用いる場合において、上記面状の光を面内均一にする手法としては、導光板の側端面に入射させる光の強度を調整する手法や、導光板の上述の反射ドットの寸法や配列を調整する手法等が考えられる。しかし、これらの手法では、上記面状の光が面内均一となる条件を導き出すのは困難であり、すなわち、上記面状の光を面内で均一にすることは難しい。
【0014】
そこで、本開示にかかる技術は、裏面照射型の撮像デバイスの検査に、側方入射型の照射部を用いる場合において、面内均一な面状の光を検査対象体に照射することができるようにする。
【0015】
以下、本実施形態にかかる検査装置及び検査方法を、図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
本実施形態にかかる技術において、検査対象デバイスは、裏面照射型撮像デバイスであるため、まず、裏面照射型撮像デバイスについて説明する。
【0017】
[裏面照射型撮像デバイス]
図1は、裏面照射型撮像デバイスが形成された検査対象体としての基板の構成を概略的に示す平面図であり、
図2は、裏面照射型撮像デバイスの構成を概略的に示す断面図である。
図1に示すように、裏面照射型撮像デバイスDは、基板の一例である、略円板状のウェハWに、複数形成されている。
【0018】
裏面照射型撮像デバイスDは、固体撮像素子であり、例えば、
図2に示すように、フォトダイオードである光電変換部PDと、複数の配線PLaを含む配線層PLと、を有する。また、裏面照射型撮像デバイスDは、配線層PLが設けられた側である表側とは反対側の面であるウェハWの裏面から光が入射される。そして、裏面照射型撮像デバイスDは、ウェハWの裏面から入射された光を、オンチップレンズL及びカラーフィルタFを介して光電変換部PDで、受光する。カラーフィルタFは、赤色カラーフィルタFR、青色カラーフィルタFB及び緑色カラーフィルタFGからなる。
【0019】
また、裏面照射型撮像デバイスDの表(おもて)面DaすなわちウェハWの表(おもて)面には、電極Eが形成されており、該電極Eは配線層PLの配線PLaに電気的に接続されている。配線PLaは、裏面照射型撮像デバイスDの内部の回路素子に電気信号を入力したり、同回路素子からの電気信号を裏面照射型撮像デバイスDの外部に出力したりするためのものである。配線層PLは、光電変換部に関する信号を制御する画素トランジスタを含んでもよい。
【0020】
[検査装置]
続いて、本実施形態にかかる検査装置について説明する。
図3及び
図4はそれぞれ、本実施形態にかかる検査装置としてのプローバ1の構成の概略を示す斜視図及び正面図である。
図4では、
図3のプローバ1の後述の収容室とローダが内蔵する構成要素を示すため、その一部が断面で示されている。
【0021】
プローバ1は、ウェハWに形成された複数の裏面照射型撮像デバイスD(以下、撮像デバイスDと省略することがある。)それぞれの電気的特性の検査を行うものである。プローバ1は、
図3及び
図4に示すように、収容室2と、収容室2に隣接して配置されるローダ3と、収容室を覆うように配置されるテスタ4とを備える。
【0022】
収容室2は、内部が空洞の筐体であり、載置台としてのステージ10を有する。ステージ10は、後述するように、撮像デバイスDの裏面と当該ステージ10とが対向する形態でウェハWを支持する。
【0023】
なお、ステージ10は、水平方向及び鉛直方向に移動自在に構成されており、後述のプローブカード11とウェハWの相対位置を調整してウェハWの表面の電極Eを後述のプローブカード11のプローブ11aと接触させることができる。
【0024】
また、収容室2におけるステージ10の上方には、当該ステージ10に対向するようにプローブカード11が配置される。プローブカード11は、接触端子としての針状のプローブ11aを多数有する。各プローブ11aは、ウェハWの表面の対応する電極Eに接触しうるように形成されている。
プローブカード11は、インターフェース12を介してテスタ4へ接続されている。撮像デバイスDの検査の際、各プローブ11aは、対応する電極Eに接触し、テスタ4からインターフェース12を介して入力された電力を撮像デバイスDへ供給し、または、撮像デバイスDからの信号をインターフェース12を介してテスタ4へ伝達する。
【0025】
収容室2内に配設されるセンサブリッジ30、進退機構33については後述する。
【0026】
ローダ3は、搬送容器であるFOUP(図示せず)に収容されているウェハWを取り出して収容室2のステージ10へ搬送する。また、ローダ3は、撮像デバイスDの電気的特性の検査が終了したウェハWをステージ10から受け取り、FOUPへ収容する。
【0027】
ローダ3は、各種制御等を行う制御部13を有する。制御部13は、例えばCPU等のプロセッサやメモリ等を備えたコンピュータにより構成され、プログラム格納部を有する。プログラム格納部には、電気的特性検査時や後述する照度分布取得処理時のプローバ1の各構成部の動作を制御するプログラムが格納されている。上記プログラムは、電気的特性検査や照度分布取得処理に必要な演算も行う。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、当該記憶媒体から制御部13にインストールされたものであってもよい。上記記憶媒体は一時的に記憶するものでも非一時的に記憶するものであってもよい。
【0028】
また、制御部13は、配線14を介してステージ10へ接続され、配線15を介してテスタコンピュータ16に接続されている。制御部13は、テスタコンピュータ16からの入力信号に基づいて、ステージ10の後述の光源部52の動作を制御する。なお、制御部13は収容室2に設けられてもよい。
【0029】
テスタ4は、撮像デバイスDが搭載されるマザーボードの回路構成の一部を再現するテストボード(図示せず)を有する。テストボードは、テスタコンピュータ16に接続される。テスタコンピュータ16は、撮像デバイスDからの信号に基づいて当該撮像デバイスDの良否を判断する。テスタ4では、上記テストボードを取り替えることにより、複数種のマザーボードの回路構成を再現することができる。
【0030】
さらに、プローバ1は、ユーザインターフェース部17を備える。ユーザインターフェース部17は、ユーザ向けに情報を表示したりユーザが指示を入力したりするためのものであり、例えば、タッチパネルやキーボード等を有する表示パネルからなる。
【0031】
上述の各部を有するプローバ1では、撮像デバイスDの電気的特性の検査の際、テスタコンピュータ16が、撮像デバイスDと各プローブ11aを介して接続されたテストボードへデータを送信する。そして、テスタコンピュータ16が、送信されたデータが当該テストボードによって正しく処理されたか否かを当該テストボードからの電気信号に基づいて判定する。
【0032】
[収容室2の内部構造]
続いて、収容室2の内部構造について
図5を用いてさらに説明する。
図5は、収容室2の内部構造の概略を示す斜視図である。
【0033】
図示するように、収容室2内において、ステージ10は、基台20上に配置され、図中X方向に沿って移動するX方向移動ユニット21と、図中Y方向に沿って移動するY方向移動ユニット22と、図中Z方向に沿って移動するZ方向移動ユニット23とを有する。これらX方向移動ユニット21、Y方向移動ユニット22及びZ方向移動ユニット23は、ステージ10と後述の照度センサ32とを相対的に移動させる移動機構を構成する。
【0034】
X方向移動ユニット21は、X方向に延伸するガイドレール21aに沿って、ボールねじ21bの回動によってステージ10をX方向に移動させる。ボールねじ21bは、モータ(図示せず)によって回動される。また、このモータに組み合わされたエンコーダ(図示せず)によってステージ10の移動量の検出が可能となっている。
【0035】
Y方向移動ユニット22は、Y方向に延伸するガイドレール22aに沿って、ボールねじ22bの回動によってステージ10をY方向に移動させる。ボールねじ22bは、モータ22cによって回動される。また、このモータ22cに組み合わされたエンコーダ22dによってステージ10の移動量の検出が可能となっている。
【0036】
以上の構成によって、X方向移動ユニット21とY方向移動ユニット22は、ステージ10を、水平面に沿い、互いに直交するX方向とY方向に移動させる。
【0037】
Z方向移動ユニット23は、図示しないモータ及びエンコーダを有し、ステージ10をZ方向に沿って上下に移動させるとともに、その移動量を検出できるようになっている。Z方向移動ユニット23は、ステージ10をプローブカード11へ向けて移動させて、ウェハWに形成されている撮像デバイスDの電極とプローブとを当接させる。また、ステージ10は、図示しないモータによって、Z方向移動ユニット23の上において、図中のθ方向に回転自在に配置されている。
【0038】
また、収容室2の内部には、下部撮像ユニット24が配置されている。
下部撮像ユニット24は、プローブカード11に形成されたプローブ11aを撮像する。この下部撮像ユニット24は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ等から構成される下部カメラ(図示せず)と、撮像対象から下部カメラに光を導く光学系(図示せず)とを有する。下部撮像ユニット24は、下部カメラによって、プローブカード11に形成されたプローブ11aを撮像し、その撮像結果は、制御部13に出力され、例えば、ウェハW上の電極とプローブ11aとの位置合わせに用いられる。
下部撮像ユニット24は、ステージ10に固定されており、ステージ10とともにX方向、Y方向及びZ方向に移動する。
【0039】
また、収容室2の内部には、鉛直方向に関するステージ10とプローブカード11との間の位置に、搭載部としてのセンサブリッジ30が配設されている。センサブリッジ30には、撮像部としての上部カメラ31と、照度測定部としての照度センサ32とが設けられている。
【0040】
上部カメラ31は、ウェハW等を撮像するものであり、例えばCMOSカメラ等から構成される。上部カメラ31に対して下部カメラと同様に光学系を設けてもよい。
照度センサ32は、ステージ10におけるウェハWの載置面40a(後述の
図6の符号40a参照)からの光の照度の面内分布を取得するためのものである。照度センサ32は、上記載置面の一部の領域からの光の照度を測定する。なお、以下の説明では、照度センサ32が1回の測定で照度を測定する載置面における領域(以下、「単位センサ領域」という)は、1つの撮像デバイスDに対応する領域であるものとする。
【0041】
上部カメラ31での撮像結果や、照度センサ32での測定結果は制御部13に出力される。
【0042】
センサブリッジ30には、進退機構33(
図4参照)が設けられている。進退機構33はセンサブリッジ30の進退をガイドするガイドレール33aと、センサブリッジ30がガイドレール33aに沿って移動するよう駆動するモータとボールねじの組み合わせ等からなる駆動部33bとを有する。進退機構33によって、センサブリッジ30が、つまりは照度センサ32が、ステージ10の載置面と対向する領域に相対的に進退される。具体的には、進退機構33によって、照度センサ32が、ステージ10の載置面より平面視外側の領域と、上記載置面と対向する所定の領域との間を移動する。
【0043】
[ステージ10]
次に、ステージ10の構成について説明する。
図6は、ステージ10の構成を概略的に示す断面図である。
図7は、後述の液晶パネルの部分拡大断面図である。
【0044】
ステージ10は、撮像デバイスDの裏面と当該ステージ10とが対向する形態でウェハWを支持するものであり、例えば、
図6に示すように、天板40と、照射部50と、液晶パネル60と、基台70と、を有する。
【0045】
天板40は、光透過材料からなる平板状の部材であり、その上面40aが、ウェハWが載置される載置面となる。天板40は、例えば、照射部50からウェハWの方向に向けて出射され液晶パネル60を透過した光を、拡散させながら透過する。すなわち、天板40は例えば拡散板としても機能するように形成されている。また、天板40は、例えば平面視でウェハWの直径より一辺の長さが大きい正方形状に形成されている。
【0046】
なお、上述の「光透過材料」とは、検査範囲の波長の光(すなわち照射部50からの光)を透過する材料であり、例えばガラスである。
【0047】
照射部50は、ステージ10における載置面の下方に載置され、当該載置面に載置されたウェハWに向けて光を照射する。本例では、照射部50は、その上面40aが載置面となる天板40の下方に配置され、当該上面40aに載置されたウェハWに向けて光を照射する。なお、以下では、天板40の上面40aを載置面40aということがある。
【0048】
照射部50は、例えば導光板51と光源部52とを有する。
【0049】
導光板51は、載置面40aを間に挟み、ウェハWと対向する対向面51aを有し、例えば平板状に形成されている部材である。導光板51の平面視における形状及び寸法は、例えば天板40と同様である。この導光板51は、光源部52から出射され当該導光板51の側端面から入射された光を、その内部で反射及び拡散し、上記対向面51aから面状の光として出射する。また、導光板51は、平面視において、面状の光を出射する領域内に、ウェハWの撮像デバイス形成領域が含まれるように配置される。
【0050】
光源部52は、導光板51の側方外側の領域に設けられており、導光板51の側端面に向けて光を出射する。光源部52は、例えば、導光板51の辺毎に、当該辺に沿って設けられた複数のLED(図示せず)を有する。
また、本実施形態では、光源部52のLEDの熱をステージ10の外部に放出するため、LEDを支持する基板(図示せず)の背面には放熱板53が設けられている。放熱板53は、例えば、金属材料から形成される。放熱板53には、光源部52のLEDを冷却するための水等の冷媒が通流する経路が形成されていてもよい。
【0051】
液晶パネル60は、導光板51の上記対向面51aから載置面40aに載置されたウェハWに向かう光を透過する光学部材の一例であり、複数の領域に区画され、その領域(以下、素子領域という。)毎に光透過率が可変に構成されている。液晶パネル60は、具体的には、例えば、
図7に示すように、液晶層61と、当該液晶層61を挟み込んで封止するガラス基板62、63と、を有し、ガラス基板62、63それぞれの液晶層61と反対側の部分には偏光板64、65が設けられている。また、液晶パネル60では、上述の素子領域毎に、ガラス基板62、63それぞれに透明電極(図示せず)が形成されている。この透明電極間に印加する電圧を素子領域毎に変化させることで、各素子領域の光透過率を調整することができる。上記透明電極に電圧を印加する電源等を含む回路(図示せず)は制御部13により制御される。すなわち、液晶パネル60の光透過率は制御部13により制御される。
【0052】
プローバ1では、照射部50の光源部52のLEDから出射され導光板51の側端面から入射された光が、当該導光板51の内部で反射及び拡散され、ウェハWと対向する対向面51aから面状の光として出射される。そして、その面状の光は、例えば、液晶パネル60及び天板40を透過され、ウェハWの撮像デバイスDに入射される。
なお、光源部52のLEDは、検査範囲の波長の光を含む光を出射する。検査範囲の波長の光とは、例えば、可視光領域の波長の光であり、撮像デバイスDの種類によっては、赤外線等の可視光領域外の光である場合もある。
【0053】
基台70は、天板40、液晶パネル60及び導光板51を間に挟んで載置面40a上のウェハWと対向する位置すなわち導光板51の下方に配置され、天板40、液晶パネル60及び照射部50を支持する。例えば、天板40が透明接着材料による接着により液晶パネル60に保持され、液晶パネル60が透明接着材料による接着により、照射部50に保持され、照射部50が接着材料による接着により基台70に保持される。
【0054】
基台70は、載置面40aに載置されたウェハWの撮像デバイスDの温度を調整する温調部(図示せず)が設けられていてもよい。温調部は、ウェハWを加熱するヒータ(例えば抵抗加熱式のヒータ)またはウェハWを冷却するもの(例えば冷却用冷媒の流路)の少なくともいずれか一方が設けられていてもよい。
【0055】
[照度分布取得・透過率決定処理]
次に、プローバ1にて行われる照度分布取得・透過率決定処理について説明する。照度分布取得・透過率決定処理は、ステージ10の載置面40aを介して照射される光の照度の面内分布を取得すると共に液晶パネル60の透過率を決定する処理であり、例えば、プローバ1の立ち上げ時やメンテナンス時、品質管理(QC:Quality Control)時等に行われる。
【0056】
照度分布取得・透過率決定処理ではまず、ステージ10が、X方向移動ユニット21、Y方向移動ユニット22及びZ方向移動ユニット23によって、水平面内における所定の位置且つ所定の高さに移動される。なお、上記所定の位置は、例えば、ウェハWに形成された複数の撮像デバイスのうちの1つに対応する位置、つまり、載置面40aの1つの単位センサ領域に対応する位置である。
上述のステージ10の移動と並行して、または、この移動前後に、移動後のステージ10の上方の領域にセンサブリッジ30が位置するよう、当該センサブリッジ30が進退機構33によって移動される。
【0057】
次いで、液晶パネル60(の各素子領域)が所定の光透過率(例えば50%)に調整された状態で、ステージ10の照射部50が制御され、導光板51の前述の対向面51aから面状の光が出射される。なお、このとき、ステージ10の照射部50は、検査時と同じ条件、すなわち液晶パネル60の各素子領域が上記所定の光透過率の状態で、所望の照度に近い光がウェハWに照射されうる条件で動作するよう、制御される。これにより、ステージ10の載置面40aから上方へ光が照射される。そして、載置面40aのある単位センサ領域から照射された光の照度が、照度センサ32によって測定される。その後、X方向移動ユニット21及びY方向移動ユニット22によるステージ10の移動、並びに、照度センサ32による照度の測定が繰り返される。その結果、載置面40aの少なくともウェハWの撮像デバイス形成領域に対応する部分全てについて、各単位センサ領域からの光の照度が測定される。この測定結果に基づいて、載置面40aを介して照射される光の照度の面内分布が、制御部13によって取得される。
【0058】
次いで、制御部13によって、液晶パネル60の各素子領域の光透過率が決定される。具体的には、制御部13によって、取得された光の照度の面内分布の面内均一性が解消または緩和されるよう、すなわち、載置面40aを介して照射される光の照度の面内分布が面内均一になるよう、液晶パネル60の各素子領域の光透過率が決定される。
【0059】
液晶パネル60の各素子領域の光透過率が、決定された値に変更された後、再度、照度センサ32による測定等が行われ、載置面40aを介して照射される光の照度の面内分布が取得されてもよい。そして、取得結果が所望の結果にならなかった場合は、取得結果に基づいて、決定された液晶パネル60の各素子領域の光透過率が調整されてもよい。これら、載置面40aを介して照射される光の照度の面内分布の取得と、液晶パネル60の光透過率の調整は、所望の上記面内分布が得られるまで繰り返されてもよい。
【0060】
[検査処理の例1]
次に、プローバ1を用いたウェハWに対する検査処理の一例について説明する。以下の説明では、1回の検査で1つの撮像デバイスDが検査されるものとする。ただし、プローバ1を用いた1回の検査で、複数の撮像デバイスDを一括して検査してもよい。また、以下の検査処理は、制御部13の制御の下、行われる。
【0061】
例えば、まず、ローダ3のFOUPからウェハWが取り出されて収容室2内に搬送される。そして、ウェハWは、当該ウェハWに形成された撮像デバイスDの裏面とステージ10とが対向すると共に当該ウェハWの裏面がステージ10と当接するように、ステージ10の載置面40aに載置される。
【0062】
次いで、ステージ10がX方向移動ユニット21等から構成される移動機構により移動され、ステージ10の上方に設けられているプローブ11aと検査対象の撮像デバイスDの電極Eとが接触する。
【0063】
そして、照射部50からの光の照射が所定の条件で行われる。これにより、例えば、光源部52の全LEDが点灯され、各LEDから導光板51の側端面に光が入射される。入射された光は、導光板51の内部で載置面40aに向けて反射されると共に拡散され、導光板51におけるウェハWと対向する対向面51aから面状に出射される。
【0064】
上記対向面51aから面状に出射された光は、照度分布取得・透過率決定処理で決定された光透過率に調整された液晶パネル60を通過し、天板40で拡散されつつ当該天板40を透過し、ウェハWに入射し、すなわち、検査対象の撮像デバイスDに入射する。
【0065】
この光の照射と共に、プローブ11aへの検査用の信号の入力が行われる。これにより、撮像デバイスDの検査が行われる。
【0066】
上記検査中、不図示の温度測定機構により、ウェハWの温度が測定され、その結果に基づいて、基台70に設けられた温調部(図示せず)が制御され、ウェハWの温度が所望の値に調整されることにより、撮像デバイスDの温度が所望の値に調整される。
以後、全ての撮像デバイスDの検査が完了するまで上述と同様な処理が繰り返される。
【0067】
[本実施形態の主な効果]
以上のように、本実施形態では、プローバ1が、裏面照射型の撮像デバイスDの裏面と対向する形態でウェハWを支持するステージ10を有し、ステージ10が、ウェハWが載置される透明な載置面40aと、載置面40aの下方に配置され、当該載置面40aに載置されたウェハWに向けて光を照射する照射部50と、を有する。また、照射部50が、載置面40aを間に挟みウェハWと対向する対向面51aを有する導光板51と、導光板51の側方外側の領域に設けられ導光板51の側端面に向けて光を出射する光源部52と、を有する。さらに、導光板51は、光源部52から出射され当該導光板51の側端面から入射された光を対向面51aから載置面40aに向けて面状に出射する。そして、ステージ10が、導光板51の対向面51aから載置面40aに載置されたウェハWに向かう光を透過する液晶パネル60をさらに有する。この液晶パネル60は、複数の素子領域に区画され光透過率が素子領域毎に可変に構成されている。そのため、本実施形態では、載置面40aからの光の照度の面内分布を取得し、取得結果に基づいて、液晶パネル60における光透過率を素子領域毎に調整することで、載置面40aからの光の照度の面内分布を面内均一にすることができ、具体的には、載置面40aからの光の照度の面内分布を所望の照度で面内均一にすることができる。すなわち、本実施形態によれば、裏面照射型の撮像デバイスDの検査に、側方入射型の照射部50を用いる場合において、面内均一な面状の光をウェハWに照射することができ、具体的には、所望の強度で面内均一な面状の光をウェハWに照射することができる。ウェハWに形成されている撮像デバイスDの検査時に、所望の強度で面内均一な面状の光をウェハWに照射すれば、各撮像デバイスDについて、当該撮像デバイスDに対する光の照射強度の、所望の強度からのズレを抑えることができる。その結果、各撮像デバイスDの検査を正確に行うことができる。
【0068】
また、本実施形態では、側方入射型の照射部50が用いられており、照射部50の光源部52が導光板51と平面視で重なっていない。そのため、基台70にヒータを設けても、ヒータが発生する熱の影響を、光源部52(具体的には光源部52が有するLED)が受けにくい。
【0069】
さらに、本実施形態にかかるプローバ1の構成では、撮像デバイスDに対する光の照射強度を、光源部52に供給する電力(具体的には光源部52のLEDに供給する電流)により粗調整し、液晶パネル60の光透過率により微調整することができる。したがって、本実施形態によれば、撮像デバイスDに対する光の照射強度を、広範囲(例えば0.01lx~10000lx)且つ高分解能(例えば0.1%)で調整することができる。
【0070】
また、撮像デバイスDに対する光の照射強度を、光源部52のLEDに供給する電流のみで調整する場合、載置面40aからの光の照度の面内分布を面内均一にすることがそもそも難しいが、広範囲且つ高分解能で調整可能とするためには、多数の電源が必要となる。それに対し、本実施形態にかかる上述の液晶パネル60の光透過率も利用する手法では、撮像デバイスDに対する光の照射強度を広範囲且つ高分解能で調整可能とするために、多数の電源が必要とならないので、コストの面で優位性がある。
【0071】
[検査処理の他の例]
次に、プローバ1を用いたウェハWに対する検査処理の他の例について説明する。なお、前述の検査処理の例1と同様な部分についてはその説明を省略する。また、以下の説明では、1回の検査で1つの撮像デバイスDが検査されるものとする。ただし、プローバ1を用いた1回の検査で、複数の撮像デバイスDを一括して検査してもよい。さらに、以下の検査処理は、制御部13の制御の下、行われる。
【0072】
例えば、検査処理の例1と同様に、ウェハWが、ステージ10の載置面40aに載置され、その後、プローブ11aと検査対象の撮像デバイスDの電極Eとが接触する。
【0073】
そして、検査処理の例1と同様に、照射部50からの光の照射が所定の条件で行われる。これにより、導光板51におけるウェハWと対向する対向面51aから面状に光が出射される。ただし、検査処理の例1と異なり、液晶パネル60における複数の素子領域のうち、特定の素子領域のみが光を通過するよう、液晶パネル60の光透過率が調整される。具体的には、液晶パネル60における、検査対象の撮像デバイスDに対応する素子領域のみ、照度分布取得・透過率決定処理で決定された光透過率に調整され、それ以外の素子領域の光透過率は0%とされ、すなわち、それ以外の素子領域は遮光状態とされる。そのため、上記対向面51aから面状に出射された光のうち、液晶パネル60及び天板40を透過するのは、液晶パネル60における検査対象の撮像デバイスDに対応する素子領域に入射されたもののみである。したがって、載置面40aにおける検査対象の撮像デバイスDに対応する領域のみからウェハWに光を照射することができる。すなわち、ウェハWにおける検査対象の撮像デバイスDにのみ局所的に光を照射することができる。
【0074】
この光の照射と共に、プローブ11aへの検査用の信号の入力が行われる。これにより、撮像デバイスDの検査が行われる。
【0075】
このように、プローバ1によれば、ウェハWにおける検査対象の撮像デバイスDにのみ局所的に光を照射することもできる。
【0076】
[液晶パネルの他の例]
図8は、液晶パネルの他の例の部分拡大断面図である。
図8の液晶パネル60Aは、
図7の液晶パネル60と異なり、それぞれ互いに異なる波長を透過する複数のフィルタF1、F2、F3が素子領域に対応する形態で形成されたフィルタ基板(フィルタ部材の一例)100を、ガラス基板62と液晶層61との間に有する。例えば、フィルタF1は、赤色(R)の波長のみ透過し、フィルタF2は、緑色(G)の波長のみ透過し、フィルタF3は、青色(B)の波長のみ透過する。
【0077】
この液晶パネル60Aを用いることにより、互いに異なる波長の光を出射する複数の光源を用いずに、単一の光源で互いに異なる複数の波長のいずれかの光を撮像デバイスDに照射することができる。
【0078】
(変形例)
図9は、ステージ内における液晶パネル60の位置の別の例を示す図である。
以上の例では、拡散板として機能する天板40の下方に液晶パネル60が設けられていた。これに代えて、
図9に示すように、ステージ10Aにおいて、拡散板110の上方に液晶パネル60が設けられていてもよい。この場合、例えば、液晶パネル60の上面60aが、ウェハWが載置される載置面となる。
ただし、拡散板として機能する天板40の下方に液晶パネル60が設けられていた方が、液晶パネル60の素子領域間の隙間が、撮像デバイスDに照射される光及び検査結果に影響を及ぼすのを軽減することができる。
【0079】
また、拡散板はステージから省略してもよい。
【0080】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲、後述の付記項及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。例えば、上記実施形態の構成要件は任意に組み合わせることができる。
【0081】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、又は、上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0082】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)検査対象デバイスを検査する検査装置であって、
前記検査対象デバイスは、配線層が設けられた側とは反対側の面である裏面から光が入射される裏面照射型の撮像デバイスであり、検査対象体に形成されており、
当該検査装置は、前記撮像デバイスの前記裏面と対向する形態で前記検査対象体を支持する載置台を備え、
前記載置台は、
前記検査対象体が載置される透明な載置面と、
前記載置面の下方に配置され、当該載置面に載置された前記検査対象体に向けて光を照射する照射部と、を有し、
前記照射部は、
前記載置面を間に挟み前記検査対象体と対向する対向面を有する導光板と、
前記導光板の側方外側の領域に設けられ、前記導光板の側端面に向けて光を出射する光源部と、を有し、
前記導光板は、前記光源部から出射され当該導光板の側端面から入射された光を前記対向面から前記載置面に向けて出射し、
前記載置台は、前記導光板の前記対向面から前記載置面に載置された前記検査対象体に向かう光を透過する光学部材をさらに有し、
前記光学部材は、複数の領域に区画され光透過率が前記領域毎に可変に構成されている、検査装置。
(2)前記光学部材は、液晶パネルである、前記(1)に記載の検査装置。
(3)前記液晶パネルは、それぞれ異なる波長を透過する複数のフィルタを、前記領域に対応する形態で有する、前記(2)に記載の検査装置。
(4)制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記載置面からの光の照度の面内分布を取得し、取得結果に基づいて、前記光学部材における光透過率を調整する、前記(1)~(3)のいずれか1つに記載の検査装置。
(5)制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記複数の領域のうち特定の領域のみが光を透過するよう、前記光学部材における光透過率を調整する、前記(1)~(4)のいずれか1つに記載の検査装置。
(6)検査対象デバイスを検査する検査方法であって、
前記検査対象デバイスは、配線層が設けられた側とは反対側の面である裏面から光が入射される裏面照射型の撮像デバイスであり、検査対象体に形成されており、
前記撮像デバイスの前記裏面と透明な載置面とが対向する形態で、当該載置面に前記検査対象体を載置する工程と、
導光板の側端面に向けて光を出射し、当該導光板の前記検査対象体と対向する対向面から光を出射させ、複数の領域に区画され光透過率が前記領域毎に可変に構成された光学部材を透過させ、前記載置面から出射させる工程と、
前記載置面からの光の照度の面内分布を取得する工程と、
取得結果に基づいて、前記光学部材における光透過率を調整する工程と、を含む、検査方法。
【符号の説明】
【0083】
1 プローバ
10、10A ステージ
40a 載置面
50 照射部
51 導光板
51a 対向面
52 光源部
60、60A 液晶パネル
60a 上面
D 裏面照射型撮像デバイス
W ウェハ