(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177430
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/90 20190101AFI20231207BHJP
G06F 16/908 20190101ALI20231207BHJP
【FI】
G06F16/90 100
G06F16/908
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090089
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】毛利 隆軌
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175EA01
5B175FA01
5B175FB02
5B175FB04
5B175HA01
(57)【要約】
【課題】利用者からの問い合わせ内容の解析によって、より効率的なシステムの改善を行うことができる。
【解決手段】本発明は、利用者端末から入力された内容に応じて応答を行うサービスを提供する情報処理装置であって、過去に複数の利用者端末から入力された内容を、記憶部から取得して解析する解析部を備え、記憶部には、複数の利用者端末のそれぞれから入力された内容に関する複数の入力情報と、複数の入力情報のそれぞれへの応答に関する応答情報と、を含む履歴情報が記憶されており、解析部は、複数の入力情報のそれぞれから少なくとも1つの語句を抽出し、語句に基づいて複数の入力情報の解析を行う。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者端末から入力された内容に応じて応答を行うサービスを提供する情報処理装置であって、
過去に複数の利用者端末から入力された内容を、記憶部から取得して解析する解析部を備え、
前記記憶部には、
前記複数の利用者端末のそれぞれから入力された内容に関する複数の入力情報と、
前記複数の入力情報のそれぞれへの応答に関する応答情報と、を含む履歴情報が記憶されており、
前記解析部は、
前記複数の入力情報のそれぞれから少なくとも1つの語句を抽出し、前記語句に基づいて前記複数の入力情報の解析を行う、
情報処理装置。
【請求項2】
前記解析部は、
前記複数の入力情報における前記語句の出現回数をカウントする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記解析部は、
前記語句の抽出元の前記履歴情報と紐づけて前記語句のカウント結果を生成する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記解析部は、
類義語を含めて前記語句の出現回数をカウントする、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記解析部は、
前記複数の入力情報のそれぞれから複数の語句を抽出し、
前記複数の入力情報における前記複数の語句の組み合わせの出現回数をカウントする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記履歴情報には、
前記応答情報のそれぞれについて、前記応答に不備があったか否かを示す応答結果情報が更に含まれており、
前記解析部は、
前記応答結果情報に基づいて、前記複数の入力情報のうち前記解析の対象とする入力情報を含む1以上の処理対象情報を抽出し、前記処理対象情報について前記解析を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記解析部は、
所定の期間内における前記履歴情報の中から前記処理対象情報を抽出する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
利用者端末から入力された内容に応じて応答を行うサービスを提供する情報処理装置と、
前記情報処理装置を管理する管理端末と、を備える情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
過去に複数の利用者端末から入力された内容を、記憶部から取得して解析する解析部を備え、
前記記憶部には、
前記複数の利用者端末のそれぞれから入力された内容に関する複数の入力情報と、
前記複数の入力情報のそれぞれへの応答に関する応答情報と、を含む履歴情報を記憶されており、
前記解析部は、
前記複数の入力情報のそれぞれから少なくとも1つの語句を抽出し、前記語句に基づいて前記複数の入力情報の解析を行う、
情報処理システム。
【請求項9】
前記管理端末は、
前記複数の入力情報における前記語句の出現回数を前記解析部にカウントさせる指示部と、
前記解析部によるカウント結果を前記管理端末の表示部に表示させる表示制御部と、を備える、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記解析部は、
前記語句の抽出元の前記履歴情報と紐づけて前記語句のカウント結果を生成し、
前記表示制御部は、
前記語句に紐づけられた前記履歴情報の表示に遷移可能に前記カウント結果を前記表示部に表示させる、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記履歴情報には、
前記応答情報のそれぞれについて、前記応答に不備があったか否かを示す応答結果情報が更に含まれており、
前記指示部は、
前記応答結果情報の要件を設定可能であり、
前記解析部は、
前記指示部が設定した前記応答結果情報の要件を満たす履歴情報の中から、前記複数の入力情報のうち前記解析の対象とする入力情報を含む1以上の処理対象情報を抽出し、前記処理対象情報について前記解析を行う、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記指示部は、
前記履歴情報から前記語句を抽出する期間を設定可能であり、
前記解析部は、
前記指示部により設定された前記期間内における前記履歴情報の中から、前記処理対象情報を抽出する、
請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
利用者端末から入力された内容に応じて応答を行うサービスを提供する情報処理方法であって、
過去に複数の利用者端末から入力された内容を、記憶装置から取得して解析し、
前記記憶装置には、
前記複数の利用者端末のそれぞれから入力された内容に関する複数の入力情報と、
前記複数の入力情報のそれぞれへの応答に関する応答情報と、を含む履歴情報が記憶されており、
解析を行うときは、
前記複数の入力情報のそれぞれから少なくとも1つの語句を抽出し、前記語句に基づいて前記複数の入力情報の解析を行う、
情報処理方法。
【請求項14】
前記解析を行うときは、
前記複数の入力情報における前記語句の出現回数をカウントする、
請求項13に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記解析を行うときは、
前記語句の抽出元の前記履歴情報と紐づけて前記語句のカウント結果を生成する、
請求項14に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記解析を行うときは、
類義語を含めて前記語句の出現回数をカウントする、
請求項14に記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記解析を行うときは、
前記複数の入力情報のそれぞれから複数の語句を抽出し、
前記複数の入力情報における前記複数の語句の組み合わせの出現回数をカウントする、
請求項13に記載の情報処理方法。
【請求項18】
前記履歴情報には、
前記応答情報のそれぞれについて、前記応答に不備があったか否かを示す応答結果情報が更に含まれており、
前記解析を行うときは、
前記応答結果情報に基づいて、前記複数の入力情報のうち前記解析の対象とする入力情報を含む1以上の処理対象情報を抽出し、前記処理対象情報について前記解析を行う、
請求項13に記載の情報処理方法。
【請求項19】
前記解析を行うときは、
所定の期間内における前記履歴情報の中から前記処理対象情報を抽出する、
請求項18に記載の情報処理方法。
【請求項20】
利用者端末から入力された内容に応じて応答を行うサービスを提供させるプログラムであって、
コンピュータに、
過去に複数の利用者端末から入力された内容を、記憶装置から取得させて解析させ、
前記記憶装置には、
前記複数の利用者端末のそれぞれから入力された内容に関する複数の入力情報と、
前記複数の入力情報のそれぞれへの応答に関する応答情報と、を含む履歴情報が記憶されており、
解析を行わせるときは、
前記複数の入力情報のそれぞれから少なくとも1つの語句を抽出させ、前記語句に基づいて前記複数の入力情報の解析を行わせる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者からの問い合わせ等に応じて、コンピュータ等の装置またはオペレータが応答する自動応答サービス、いわゆるチャットボット(単に「ボット」等とも呼称)のシステムが知られている。
【0003】
自動応答サービスの管理者は、適切な回答がなされるよう適宜、システムの改善を図る場合がある。例えば特許文献1の技術では、回答が得られなかった問い合わせを抽出し、その問い合わせに所定のキーワードを紐づけて、紐づけたキーワードに対する回答とともに質問情報を登録することが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したように従来、適切な回答がなされるよう適宜、システムの改善を図る場合においては、例えば記録された問合せの中からより多い問合せ内容に基づき対応していくのがよいものの、さまざまなユーザの問合せの表現の差異などにより、どのような問合せが多く存在するのか分かりにくく非効率的である。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者からの問い合わせ内容の解析によって、より効率的なシステムの改善を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、利用者端末から入力された内容に応じて応答を行うサービスを提供する情報処理装置であって、過去に複数の利用者端末から入力された内容を、記憶部から取得して解析する解析部を備え、前記記憶部には、前記複数の利用者端末のそれぞれから入力された内容に関する複数の入力情報と、前記複数の入力情報のそれぞれへの応答に関する応答情報と、を含む履歴情報が記憶されており、前記解析部は、前記複数の入力情報のそれぞれから少なくとも1つの語句を抽出し、前記語句に基づいて前記複数の入力情報の解析を行う。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利用者からの問い合わせ内容の解析によって、より効率的なシステムの改善を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる情報処理システムの全体構成の概要を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態にかかる情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態にかかる情報処理装置の機能構成の一例を他の構成との関係とともに示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態にかかる応答情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、実施形態にかかる履歴情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図6】
図6は、実施形態にかかる解析結果データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、実施形態にかかる管理端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、実施形態にかかる管理端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、実施形態にかかる管理端末に表示される履歴情報解析画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態にかかる管理端末に表示される履歴情報解析画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態にかかる情報処理装置による語句の抽出処理の手順の一例を示すフロー図である。
【
図12】
図12は、実施形態にかかる情報処理装置による抽出語句のカウント処理の手順の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための最良の形態を、図面に従って詳細に説明する。
【0010】
[実施形態]
以下に、図面を用いて実施形態について説明する。
【0011】
(情報処理システムの概略構成例)
図1は、実施形態にかかる情報処理システム1の全体構成の概要を示す模式図である。実施形態の情報処理システム1は、利用者が入力した内容に応じて応答を行うサービスを提供するシステムであって、例えばコンピュータ等の装置が利用者に対して自動応答を行うチャットボット等の疑似応答システムとして構成されている。
【0012】
図1に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置10、応答端末20、及び管理端末30を備える。
【0013】
情報処理装置10は、インターネット等のネットワークを介して、情報処理装置10に代わって利用者への応答を行うオペレータが使用する応答端末20、情報処理システム1の管理者が使用する管理端末30、及び利用者が使用する複数の利用者端末50(50a,50b,50c・・・)と接続されている。
【0014】
ただし、情報処理装置10が、応答端末20及び管理端末30の少なくともいずれかと、イントラネット等のネットワークを介して接続されていてもよい。
【0015】
応答端末20、管理端末30、及び利用者端末50は、デスクトップ型、ラップトップ型、またはノート型等のPC(Personal Computer)である。応答端末20及び利用者端末50の少なくともいずれかは、スマートフォン、タブレット、または携帯電話等の携帯端末であってもよい。
【0016】
管理者は、管理端末30を介して情報処理システム1の管理、保守、アップデート等を行う。例えば管理者は、情報処理装置10の機能向上を図るため、利用者からの問い合わせ内容および情報処理装置10からの応答内容等を解析し、情報処理装置10の仕様を改変する等の各種処理を管理端末30から行うことができる。
【0017】
利用者は、利用者端末50に問い合わせ等の文章を入力する。利用者端末50は、その入力内容に関する入力情報を、ネットワークを介して情報処理装置10に送信する。また、利用者は、情報処理システム1からの回答を得ると、その回答に対する評価結果を利用者端末50に入力することができる。利用者端末50は、利用者の評価結果に関する評価情報を、ネットワークを介して情報処理装置10に送信する。
【0018】
オペレータは、利用者からの呼び出し等に応じて、利用者端末50からの入力情報に応じた応答を応答端末20から入力する。応答端末20は、オペレータの応答内容に関する応答情報を、例えば情報処理装置10を経由して利用者端末50へと送信する。これにより、情報処理装置10に替わって応答端末20から、利用者への応答を返すこともできる。
【0019】
情報処理装置10は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えるコンピュータとして構成されている。また、情報処理装置10には、応答情報DB(データベース)115、履歴情報DB125、及び解析結果DB135が保持されている。
【0020】
情報処理装置10は、利用者端末50から入力情報を取得すると、その入力情報に応じた応答情報を応答情報DB115から取得して、利用者端末50へと出力する。
【0021】
応答情報DB115は、複数の入力情報に応じた複数の応答情報を保持しており、情報処理装置10が取得した入力情報に対する応答情報を読み出し可能である。
【0022】
履歴情報DB125は、利用者とのこれまでのセッションの内容を含む履歴情報を保持しており、例えば情報処理装置10、応答端末20、または管理端末30からの要求に応じて、要求があった情報処理装置10、応答端末20、または管理端末30に履歴情報を読み出し可能である。
【0023】
ここで、セッションとは、例えば利用者に対する応答サービスの1回の提供内容を意味する。セッションの内容には、例えば利用者と情報処理システム1との間で交わされた少なくとも1回分の入力情報と応答情報とが含まれる。情報処理システム1からの応答情報には、情報処理装置10により生成された応答情報と、応答端末20でオペレータにより生成された応答情報とが共に含まれうる。
【0024】
したがって、1回分のセッションについての履歴情報には、利用者端末50及び情報処理システム1の間で交わされた1組以上の入力情報および応答情報が少なくとも含まれる。また、利用者が、利用者端末50からそのセッションの評価を行っていれば、1回分のセッションについての履歴情報に評価情報も含まれる。
【0025】
例えば所定の利用者に応答サービスを提供中に情報処理装置10または応答端末20に履歴情報が読み出されることで、情報処理装置10またはオペレータが、その利用者とのこれまでのセッションの内容を参照し、取得した入力情報に対してより適した応答情報を利用者に返すことができる。
【0026】
また、例えば複数の利用者からの問い合わせ内容等を解析中に、情報処理装置10または管理端末30に履歴情報が読み出されることで、情報処理装置10または管理者が、複数の利用者とのこれまでのセッションの内容等の履歴情報の解析を行うことができる。
【0027】
解析結果DB135は、情報処理装置10が履歴情報を解析した結果を保持している。情報処理装置10は、例えば管理端末30からの要求に応じて、利用者端末50からの入力情報および評価情報、情報処理装置10による応答情報、並びに応答端末20による応答情報等の履歴情報に含まれる各種情報を解析し、管理端末30に出力するとともに解析結果DB135に格納する。
【0028】
なお、
図1の構成はあくまでも一例であって、情報処理システム1は
図1とは異なる構成を有していてもよい。例えば、情報処理装置10に接続される応答端末20及び管理端末30の少なくともいずれかが複数あってもよい。
【0029】
また、上述のように、情報処理装置10自体が、応答情報DB115、履歴情報DB125、及び解析結果DB135を保有していてもよく、あるいは、情報処理装置10に接続される1つ以上のサーバ等に、応答情報DB115、履歴情報DB125、及び解析結果DB135の少なくともいずれかが格納されていてもよい。この場合、情報処理装置10は、自身に接続されるサーバから各種情報を読み出すことができる。
【0030】
また、情報処理装置10は、履歴情報の解析結果を履歴情報DB125に上書き保存してもよい。この場合、情報処理装置10が解析結果DB135を有していなくともよく、履歴情報DB125を解析結果の保存先として兼用することができる。
【0031】
(情報処理装置の構成例)
次に、
図2及び
図3を用いて、実施形態の情報処理装置10の詳細について説明する。情報処理装置10は、例えばネットワーク等のオンラインシステムに接続されるコンピュータとして構成される。情報処理装置10が、ネットワーク上に置かれたクラウドサーバ等のサーバとして構成されていてもよい。
【0032】
図2は、実施形態にかかる情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、CPU11、ROM12、RAM13、通信I/F(インターフェース)14、入出力I/F15、及び記憶装置16を備える。
【0033】
CPU11は、情報処理装置10の全体を制御する。ROM12は、情報処理装置10における保存領域として機能する。ROM12に記憶された情報は、情報処理装置10の電源が切られても保持される。RAM13は、一次記憶装置として機能し、CPU11の作業領域となる。
【0034】
CPU11が、例えばROM12に格納される制御プログラム等をRAM13に展開して実行することで、利用者に対して応答を行うサービスを提供する情報処理装置10としての機能が実現される。
【0035】
また、CPU11が、例えばROM12に格納される解析プログラム112をRAM13に展開して実行することで、上述の履歴情報を解析する機能が実現される。つまり、解析プログラム112は、コンピュータ等として構成される情報処理装置10に、以下に詳述する各種解析処理を行わせる。なお、解析プログラム112が、応答サービスを提供する機能を情報処理装置10に実現させる上記制御プログラム等に組み込まれていてもよい。
【0036】
なお、解析プログラム112は、フレキシブルディスク、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク(登録商標)、半導体メモリ等の、コンピュータで読み取り可能な各種の記録媒体に記録されて提供されることができる。
【0037】
また、解析プログラム112を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、解析プログラム112をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0038】
通信I/F14は、例えばインターネット等のネットワークに接続可能に構成される。通信I/F14により、情報処理装置10と利用者端末50、応答端末20、及び管理端末30との間で各種情報の授受が可能となる。
【0039】
入出力I/F15には、必要に応じてキーボード、マウス、モニタ、プリンタ等の入出力装置が接続される。これにより、例えば情報処理システム1の管理者等が、情報処理装置10に対して直接的に各種操作を行うこともできる。
【0040】
記憶装置16は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等であり、CPU11の補助記憶装置として機能する。記憶装置16には、応答情報DB115、履歴情報DB125、解析結果DB135、及び辞書DB145が格納されている。辞書DB145には、情報処理装置10による履歴情報の解析の際、情報処理装置10が参照する各種辞書情報が格納されている。
【0041】
図3は、実施形態にかかる情報処理装置10の機能構成の一例を他の構成との関係とともに示すブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置10は、入出力部101、応答管理部102、履歴管理部103、解析部104、及び記憶部105を備える。
【0042】
入出力部101は、インターネット等のネットワークを介して、利用者端末50、応答端末20、及び管理端末30と、情報処理装置10との間で各種情報の授受を行う。
【0043】
つまり、入出力部101は、利用者端末50から入力情報および評価情報を受信し、応答情報を利用者端末50に送信する。また、入出力部101は、利用者端末50からの入力情報を応答端末20に送信し、応答情報を応答端末20から受信する。
【0044】
また、入出力部101は、管理端末30から、情報処理装置10の管理、保守、アップデート等に関する各種指令等を受信し、これらの指令に対する情報処理装置10からの応答を管理端末30に送信する。
【0045】
また、入出力部101は、応答サービスを利用者に提供する応答サービス提供画面を、利用者端末50及び応答端末20に表示させる。この応答サービス提供画面は、利用者と情報処理装置10との、あるいはオペレータと情報処理装置10とのユーザインターフェースとなる。
【0046】
また、入出力部101は、履歴情報等を解析する際に、管理者が各種作業を行うことができる履歴情報解析画面を管理端末30に表示させる。この履歴情報解析画面は、管理者と情報処理装置10とのユーザインターフェースとなる。
【0047】
入出力部101の上記機能は、例えば制御プログラムまたは解析プログラム112を実行するCPU11の制御下で動作する通信I/F14により実現される。
【0048】
応答管理部102は、利用者端末50から取得した入力情報を、記憶部105に格納された応答情報DB115の応答情報と照合する。また、応答管理部102は応答情報DB115から、入力情報に応じた応答情報を取得する。また、応答管理部102は、例えば管理端末30からの指令にしたがって、応答情報DB115の編集を行う。
【0049】
このように、応答管理部102は、応答情報DB115の管理、保守、アップデート等の機能を有する。応答管理部102の上記機能は、例えば制御プログラムを実行するCPU11により実現される。
【0050】
履歴管理部103は、利用者と情報処理装置10または応答端末20との間で少なくとも1回の入力情報と応答情報とのやり取りが行われると、その内容に関する履歴情報を生成し、履歴情報DB125に格納する。履歴情報の生成、及び履歴情報DB125への格納のタイミングは、例えば利用者との1回のセッションが終了したタイミングであってよい。
【0051】
また、履歴管理部103は、例えば情報処理装置10の応答管理部102もしくは解析部104、応答端末20、または管理端末30等からの要求にしたがって、履歴情報DB125に記憶されている履歴情報を取得する。これにより、情報処理装置10またはオペレータが、利用者に応答サービスを提供する際などに、その利用者とこれまでに交わされた入力情報および応答情報等を参照することができる。また、管理者が、情報処理装置10の機能向上を図るため履歴情報を参照することができる。
【0052】
履歴管理部103の上記機能は、例えば制御プログラムまたは解析プログラム112を実行するCPU11により実現される。
【0053】
解析部104は、例えば管理端末30からの指示にしたがって、履歴情報DB125から取得した履歴情報を解析する。
【0054】
このとき、解析部104は、例えば記憶部105の辞書DB145に格納される各種辞書情報を参照しつつ、複数の利用者端末50から得られた複数の入力情報のそれぞれから所定の語句を抽出し、抽出した語句に基づいて複数の入力情報の解析を行う。抽出した語句に基づく解析には、例えば抽出した語句の複数の入力情報における出現回数のカウント等が含まれる。解析部104による解析処理の詳細については後述する。
【0055】
解析部104は、解析結果を、入出力部101を介して管理端末30へと出力するとともに、解析結果DB135に格納する。
【0056】
解析部104の上記機能は、例えば解析プログラム112を実行するCPU11により実現される。
【0057】
記憶部105には、情報処理装置10の動作に必要な各種パラメータ、応答サービスを提供する機能を実現させる制御プログラム、及び履歴情報の解析機能を実現させる解析プログラム112等が格納されている。また、記憶部105には、応答情報DB115、履歴情報DB125、解析結果DB135、及び辞書DB145が格納されている。
【0058】
記憶部105の上記機能は、例えば制御プログラムまたは解析プログラム112を実行するCPU11の制御下で動作するROM12、RAM13、及び記憶装置16により実現される。
【0059】
(各種データベースの構成例)
次に、
図4~
図6を用いて、応答情報DB115、履歴情報DB125、及び解析結果DB135の構成例について説明する。
【0060】
図4は、実施形態にかかる応答情報DB115の構成の一例を示す模式図である。
【0061】
図4に示すように、応答情報DB115は、想定される複数の入力情報と、それらの入力情報のそれぞれに応じた複数の応答情報とを記憶する。これらの入力情報と応答情報とは、例えばカテゴリID等によってカテゴリごとに分類されていてもよい。なお、カテゴリID等は、入力情報、及びその入力情報と対応する応答情報の分類を識別するための識別情報である。
【0062】
また、入力情報と応答情報とは、1:1で対応していてもよく、1:多で対応していてもよい。つまり、1つの入力情報に対して複数の応答情報が対応付けられていてよい。また、複数の入力情報に対して1つの応答情報が対応付けられていてもよい。
【0063】
また、利用者からの入力情報は、通常、問い合わせ、質問等であることが想定され、それに応じた応答情報はそれらの入力情報に対する回答であることが想定される。したがって、応答情報DB115は、例えばFAQ(Frequently Asked Questions)をまとめたFAQ集として構成されていてもよい。
【0064】
図5は、実施形態にかかる履歴情報DB125の構成の一例を示す模式図である。
【0065】
図5に示すように、履歴情報DB125は、これまでに利用者と情報処理システム1との間で行われたセッション内容、情報処理システム1による回答結果、及び利用者による評価がなされた場合には評価情報を履歴情報として記憶する。履歴情報は、例えばセッションID等によって1回のセッションごとに分類されている。なお、セッションID等は、個々のセッション等を識別するための識別情報である。
【0066】
回答結果には、例えば情報処理装置10によって回答できた場合にはマル印が、回答できなかった場合にはバツ印が付されている。また、オペレータが応答端末20から回答した場合には、例えば「オペレータ対応」の表記が付される。
【0067】
評価結果には、例えば「満足」「不満足」等の表記が付される。セッション終了後の利用者による評価の入力は任意である。利用者端末50から評価情報の送信がなかった場合には、例えば「評価無し」の表記が付される。
【0068】
図6は、実施形態にかかる解析結果DB135の構成の一例を示す模式図である。
【0069】
図6に示すように、解析結果DB135は、個々の履歴情報に対して解析部104が行った解析結果を記憶する。履歴情報の解析にあたって、解析部104は、履歴情報に含まれる入力情報から所定の語句を抽出し、その語句を抽出語句として、対応する履歴情報に紐づけて解析結果DB135に格納する。
【0070】
より具体的には、解析部104は、解析対象の入力情報に対し、例えば形態素解析を行う。形態素解析とは、入力情報に含まれる文章等の自然言語を形態素にまで分解することである。形態素とは、自然言語において意味を有することができる最小単位、つまり、単語を指す。解析部104は、例えば辞書DB145の各種辞書情報を参照しつつ、形態素に分割した複数の単語のそれぞれについて、品詞および活用形等の種類を特定する。
【0071】
図6のセッションID1001に含まれる「価格について知りたい」という文章であれば、解析部104は、形態素解析により上記文章を「価格(名詞)」「について(連語)」「知り(動詞)」「たい(助動詞)」などのように複数の単語に分解する。
【0072】
また、解析部104は、これらの単語の中から、例えば名詞である「価格」という語句を抽出語句として抽出する。その際、解析部104は、ストップワードを除く文章の中から抽出語句を抽出してもよい。ストップワードとは、解析に不要な単語として処理対象外とする助詞、助動詞等の単語のことである。
【0073】
1つの入力情報からは、上記の例のように、例えば1つの抽出語句が抽出されてもよい。また、
図6のセッションID1005,1009等のように、1つの入力情報から複数の抽出語句が抽出されてもよい。
【0074】
解析部104は、例えば管理端末30からの指令にしたがって上記解析を行う。後述するように、管理端末30からは、履歴情報DB125に含まれる複数の履歴情報のうち、解析処理の対象とする履歴情報を絞り込むことができる。管理端末30からは、例えばその履歴情報が生成された期間、並びに履歴情報の生成元のセッションにおける回答結果および評価結果等によって、履歴情報の絞り込みが可能である。
【0075】
なお、解析部104は、複数の履歴情報のうち、少なくとも情報処理装置10による回答ができなかった事例について予め上記解析を行って、抽出語句を解析結果DB135に格納しておいてもよい。このような解析は、1回のセッションが終了して履歴情報が生成されたタイミングで行われてよい。あるいは、上記解析は、例えば情報処理装置10が応答サービスの提供等を行っておらず、アイドル状態となっているタイミング等で行われてもよい。
【0076】
(管理端末の構成例)
次に、
図7及び
図8を用いて、実施形態の管理端末30の詳細について説明する。
【0077】
図7は、実施形態にかかる管理端末30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、管理端末30は、CPU31、ROM32、RAM33、通信I/F34、入出力I/F35、及び記憶装置36を備える。
【0078】
CPU31は、管理端末30の全体を制御する。ROM32は、管理端末30における保存領域として機能する。ROM32に記憶された情報は、管理端末30の電源が切られても保持される。RAM33は、一次記憶装置として機能し、CPU31の作業領域となる。
【0079】
CPU31が、例えばROM32に格納される制御プログラム等をRAM33に展開して実行することで、情報処理システム1の管理、保守、アップデート等を行う管理端末30としての機能が実現される。
【0080】
通信I/F34は、例えばインターネット等のネットワークに接続可能に構成される。通信I/F34により、管理端末30と情報処理装置10との間で各種情報の授受が可能となる。
【0081】
入出力I/F35には、キーボード、マウス等の入力装置351、及びモニタ等の表示装置352が接続されている。表示装置352は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、または有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electro-Luminescence)ディスプレイ等である。
【0082】
入出力I/F35に接続される入力装置351により、例えば管理者等が管理端末30を介して情報処理装置10に各種指令を送信して各種操作を行うことができる。また、入出力I/F35に接続される表示装置352に、情報処理装置10による履歴情報の解析結果等を表示させることができる。
【0083】
記憶装置36は、HDD、SSD等であり、CPU31の補助記憶装置として機能する。
【0084】
図8は、実施形態にかかる管理端末30の機能構成の一例を示すブロック図である。
図8に示すように、管理端末30は、入出力部301、指示部302、表示制御部303、及び記憶部304を備える。
【0085】
入出力部301は、インターネット等のネットワークを介して、管理端末30と情報処理装置10との間で各種情報の授受を行う。
【0086】
つまり、入出力部301は、管理端末30の入力装置351等から入力された各種指令を情報処理装置10へと送信し、各種指令に対する情報処理装置10からの処理結果を受信する。また、入出力部301は、管理者が履歴情報等の解析時に作業を行う履歴情報解析画面の情報を情報処理装置10から受信する。
【0087】
入出力部301の上記機能は、例えば制御プログラムを実行するCPU31の制御下で動作する通信I/F34により実現される。
【0088】
指示部302は、管理端末30の入力装置351等から入力された指示内容にしたがって、履歴情報等の解析を行わせる各種指令を、入出力部301を介して情報処理装置10に送信する。
【0089】
指示部302による各種指令には、例えば情報処理装置10の解析部104に、上述の抽出語句を抽出させる指令がある。また、各種指令には、解析処理にあたって、解析部104に処理対象とする履歴情報の絞り込みを行わせる指令がある。また、各種指令には、複数の入力情報における抽出語句の出現回数を解析部104にカウントさせる指令がある。
【0090】
指示部302の上記機能は、例えば制御プログラムを実行するCPU31により実現される。
【0091】
表示制御部303は、例えば表示部313における各種表示内容を生成するなどして表示部313の表示を制御する。履歴情報等の解析時には、表示制御部303は、情報処理装置10から取得した履歴情報解析画面の情報に基づいて、表示部313に履歴情報解析画面を表示させる。
【0092】
表示制御部303の上記機能は、例えば制御プログラムを実行するCPU31により実現される。また、表示部313の上記機能は、例えば制御プログラムを実行するCPU31の制御下で動作する表示装置352により実現される。
【0093】
記憶部305には、管理端末30の動作に必要な各種パラメータ及び制御プログラム等が格納されている。記憶部305の上記機能は、例えば制御プログラムを実行するCPU31の制御下で動作するROM32、RAM33、及び記憶装置36により実現される。
【0094】
(情報処理システムの機能例)
次に、
図9及び
図10を用いて、実施形態の情報処理システム1の詳細機能について説明する。
図9及び
図10は、実施形態にかかる管理端末30に表示される履歴情報解析画面の一例を示す図である。これらの履歴情報解析画面は、管理端末30の表示制御部303により表示部313に表示される。
【0095】
上述のように、管理端末30からは、情報処理装置10に履歴情報等を解析させる各種指令を送信することができる。
図9に、情報処理装置10に抽出語句のカウントを行わせる画面の一例を示す。
【0096】
図9に示すように、
図9の画面では解析を行う情報を選択することができる。例えば、情報処理装置10に抽出語句のカウントを行わせる場合には、
図9の画面において「チャットボットの回答」「質問者の入力」「質問者からのコメント」のうち、「質問者の入力」を選択する(
図9のA)。
【0097】
「チャットボットの回答」とは、情報処理装置10による応答情報を指す。「質問者の入力」とは、利用者が利用者端末50から入力した入力情報を指す。「質問者からのコメント」は利用者による評価情報を指す。
【0098】
解析を行う情報として、上記のように入力情報を選択することで、入力情報から抽出される抽出語句のカウントを情報処理装置10の解析部104に行わせることができる。
【0099】
管理者は、また、
図9の画面において各種要件を指定して、情報処理装置10の履歴情報DB125に格納される複数の履歴情報の中から、解析の対象とする入力情報を含む履歴情報の絞り込みを行うことができる。絞り込まれた後の解析対象となる履歴情報を処理対象情報とも呼ぶ。
【0100】
絞り込みの要件としては、例えばその履歴情報が生成された期間、並びに履歴情報の生成元のセッションにおける回答結果および評価結果等がある。
【0101】
履歴情報が生成された期間は、例えば年月日等を指定して絞り込むことができる(
図9のB)。セッションにおける評価結果としては、例えば上述のように「満足」「不満」「評価無し」等を指定して絞り込むことができる(
図9のD)。
【0102】
セッションにおける回答結果としては、例えば「回答できなかった」「オペレータ対応」等を指定して絞り込むことができる(
図9のC)。「回答できなかった」は、例えば上述の
図6のセッションID1001等に示すように、情報処理装置10が回答できなかった事例を示している。「オペレータ対応」は、例えば上述の
図6のセッションID1003等に示すように、情報処理装置10に代わってオペレータが回答した事例を示している。
【0103】
ここで、例えば情報処理装置10における回答の精度を高めるためには、例えば情報処理装置10の回答に不備があったことを示す要件を指定して、履歴情報の絞り込みを行うことができる。情報処理装置10の回答に不備があったことを示す要件としては、例えば情報処理装置10が回答できなかったことを示す回答結果の情報、及び利用者が満足していないことを示す評価結果の情報等がある。これらの回答結果および評価結果の情報を応答結果情報とも呼ぶ。
【0104】
なお、上記の他、利用者による操作情報が履歴情報に残されることにより、操作情報によっても履歴情報の絞り込みが可能であってもよい。この場合、利用者がセッションの進行を何段階か戻したりリセットしたりするなど、利用者がセッション内容に満足していないことが推定される操作情報を応答結果情報に含めてもよい。
【0105】
また、管理端末30からは、解析部104によるカウントの要件を設定することも可能である。カウントの要件としては、1つの抽出語句に類義語まで含めてカウントさせたり、入力情報における複数の抽出語句の組み合わせの出現回数をカウントさせたりすることができる。
【0106】
情報処理装置10の解析部104は、抽出語句に類義語まで含めてカウントする場合、辞書DB145に格納される各種辞書情報を参照して、カウント対象の抽出語句の類義語を特定し、これら全ての出現回数の合計をカウント対象の抽出語句の出現回数とする。また、解析部104は、複数の抽出語句の組み合わせをカウントする場合、1つの入力情報にこれらの抽出語句がすべて含まれる場合に出現回数を1回としてカウントする。
【0107】
図9の例では、履歴情報が生成された期間として直近の期間が選択され、セッションにおける回答結果として「回答できなかった」が選択されたものとする。
【0108】
情報処理装置10の解析部104は、例えば予め、情報処理装置10が回答できなかったことを示す複数の履歴情報について、形態素解析を行って複数の抽出語句を得て解析結果DB135に格納しておく。
【0109】
また、解析部104は、管理端末30から指定された期間に該当する履歴情報に含まれる入力情報において、これらの抽出語句の出現回数をカウントする。また、解析部104は、これらの抽出語句、及び抽出語句のそれぞれのカウント数等の情報を、抽出元の履歴情報と紐づけて、入出力部101を介して管理端末30に送信する。
【0110】
管理端末30の表示制御部303は、入出力部301が受信した情報処理装置10からの解析結果を表示部313に表示させる。このとき、表示制御部303は、
図9に示すように、解析部104によってカウントされた抽出語句、及び抽出語句のカウント数を、例えば出現回数が多かった順に並べて表示させる。このような抽出語句の表示は、例えば上位30個まで可能であって良い。
【0111】
これにより、管理者は、
図9において上位にある抽出語句に関わる質問に対し、多くの場合、情報処理装置10が回答できていないことを知ることができる。したがって、情報処理装置10の応答情報DB115において、例えばこれらの抽出語句に関わる質問に対する応答情報を拡充すれば、情報処理装置10における回答の精度を向上させることが可能であるなどと判断することができる。
【0112】
また、上述のように、これらの抽出語句にはそれぞれ、抽出元の履歴情報が紐づけられている。このため、
図9の画面から所定の抽出語句に紐づけられた抽出元の履歴情報のリストを表示させることも可能である。
【0113】
図9の画面で所定の抽出語句が選択されると、表示制御部303は、選択された抽出語句の抽出元の履歴情報リストの表示へと遷移させる。
図10に、遷移画面の一例を示す。ここでは、最上位の抽出語句である「事例」が選択されたものとする。
【0114】
図10に示すように、選択された抽出語句の抽出元の履歴情報リストを表示する遷移画面では、
図9の画面で行った設定がそのまま反映される。すなわち、
図10の例では、解析を行う情報として「質問者の入力」がセットされ(
図10のA)、履歴情報が生成された期間として直近の期間が自動的にセットされ(
図10のB)、セッションにおける回答結果として「回答できなかった」が自動的にセットされている(
図10のC)。また、セッションにおける評価結果として未選択の状態が維持されている(
図10D)。
【0115】
図9の画面におけるこれらの設定項目に加え、
図10の画面では、
図9の画面で選択された抽出語句である「事例」が自動的にセットされている(
図10E)。
【0116】
図10の画面には、これらの要件に該当する履歴情報のリストが表示される。このリストの中から所定の履歴情報が選択されると、その履歴情報に含まれるセッション内容を表示させることができる。
【0117】
これにより、管理者は、選択した抽出語句の抽出元のセッション内容をより詳細に知ることができる。よって、より適切に、情報処理装置10における回答の精度を向上させる対策を採ることができる。
【0118】
以上のような解析を行った後、管理端末30からは、例えば情報処理装置10の応答情報DB115の編集を行うことができる。応答情報DB115の編集内容としては、例えば応答情報DB115における複数の応答情報のカテゴリ、入力情報、及び応答情報等の項目の内容を変更したり、追加したり、削除したりすることができる。
【0119】
図9及び
図10の例であれば、上述のように、カウント結果の上位にある抽出語句に関わるカテゴリ、それらの抽出語句を含む入力情報、及びその入力情報に対する応答情報等を新たに追加する等の編集を応答情報DB115に対して行うことが考えられる。
【0120】
管理端末30の指示部302は、管理端末30に入力された応答情報DB115の編集内容から編集情報を生成する。編集情報は、管理端末30及び情報処理装置10のそれぞれの入出力部301,101を介して情報処理装置10に送信される。情報処理装置10の応答管理部102は、管理端末30から取得した編集情報に基づいて、応答情報DB115の編集を行う。
【0121】
(情報処理装置の処理例)
次に、
図11及び
図12を用いて、実施形態の情報処理装置10による解析処理の例について説明する。
図11は、実施形態にかかる情報処理装置10による語句の抽出処理の手順の一例を示すフロー図である。
【0122】
図11に示すように、情報処理装置10の履歴管理部103は、所定のセッションが終了すると、そのセッション内容を含む履歴情報を生成して履歴情報DB125に格納する(ステップS101)。
【0123】
解析部104は、そのセッションにおける回答結果を参照し、情報処理装置10が回答できたか否かを判定する(ステップS102)。情報処理装置10が回答できていた場合(ステップS102:Yes)、解析部104は、その履歴情報について解析を行うことなく処理を終了する。
【0124】
情報処理装置10が回答できていなかった場合(ステップS102:No)、解析部104は、辞書DB145に格納される辞書情報を参照しつつ、その履歴情報に含まれる入力情報について形態素解析を行う(ステップS103)。また、解析部104は、その入力情報から、処理対象外の単語であるストップワードを除去して抽出語句を抽出する(ステップS104)。解析部104は、抽出語句を解析結果DB135に保存する(ステップS105)。
【0125】
以上により、実施形態の情報処理装置10による語句の抽出処理が終了する。
【0126】
なお、管理者が、情報処理装置10の回答の精度の向上を図る場合、情報処理装置10が回答できなかった事例について詳細に解析する場合が多いと考えられる。このため、上記フローのように、語句の抽出処理を行う履歴情報を回答結果に基づき選定し、予め抽出処理を行っておくことで、管理端末30からの抽出語句のカウント指示を受けたときに、素早く処理を行うことができる。
【0127】
ただし、予め語句の抽出処理を行っておく履歴情報は、上記以外の要件で選定されてもよい。その場合、上記に挙げた情報処理装置10の回答に不備があったことを示す応答結果情報の中から、1つ、または2つ以上の情報を要件として指定して履歴情報の選定を行うことができる。
【0128】
すなわち、上記のように、回答不可の事例に関する履歴情報を選定する替わりに、例えば評価情報に基づいて、利用者が不満を感じたセッションの履歴情報を選定することができる。または、オペレータが対応したセッション内容を含む履歴情報を選定してもよく、上記に挙げた要件の幾つかに当てはまる履歴情報を選定してもよい。
【0129】
図12は、実施形態にかかる情報処理装置10による抽出語句のカウント処理の手順の一例を示すフロー図である。
【0130】
図12に示すように、情報処理装置10の解析部104は、管理端末30から抽出語句のカウント指示を受信すると(ステップS201)、管理端末30において履歴情報の絞り込みの要件が設定されているか否かを判定する(ステップS202)。
【0131】
絞り込み要件が設定されていた場合には(ステップS202:Yes)、解析部104は、要件に該当する履歴情報を処理対象情報として絞り込む(ステップS203)。絞り込み要件が設定されていなかった場合には(ステップS202:No)、解析部104は、ステップS203の処理を行うことなくステップS204へと処理を進める。
【0132】
解析部104は、処理対象の履歴情報に含まれる入力情報における抽出語句の出現回数をカウントする(ステップS204)。また、解析部104は、カウント結果を管理端末30に送信する(ステップS205)。
【0133】
管理端末30では、情報処理装置10からカウント結果を受信すると、表示制御部303が、そのカウント結果に基づいて、出現回数が多い順に複数の抽出語句をそれらのカウント数とともに表示部313に表示させる。
【0134】
解析部104は、カウント結果の表示画面において所定の抽出語句が選択されたか否かを判定する(ステップS206)。いずれの抽出語句も選択されない場合(ステップS206:No)、解析部104は処理を終了する。
【0135】
所定の抽出語句が選択された場合(ステップS206:Yes)、解析部104は、管理端末30の表示部313に、選択された抽出語句の抽出元の履歴情報のリストを表示させる(ステップS207)。
【0136】
より具体的には、解析部104は、入出力部101から管理端末30に遷移画面の情報を送信する。管理端末30の表示制御部303は、情報処理装置10から遷移画面の情報を受信すると、その情報に基づいて表示部313の表示を遷移させる。
【0137】
解析部104は、履歴情報リストの表示画面において所定の履歴情報が選択されたか否かを判定する(ステップS208)。いずれの履歴情報も選択されない場合(ステップS208:No)、解析部104は処理を終了する。
【0138】
所定の履歴語句が選択された場合(ステップS208:Yes)、解析部104表示させる(ステップS209)。
【0139】
以上により、実施形態の情報処理装置10による抽出語句のカウント処理が終了する。
【0140】
(概括)
コンピュータが、FAQ集等を参照して、利用者からの質問に自動で応答するチャットボットシステム等が知られている。このようなシステムにおいては、コンピュータによる回答の精度を向上させるため、FAQ集が適宜アップデートされる場合がある。
【0141】
これまでのシステムでは、例えば複数の質問を問合せ数が多い順にリストアップする機能等が知られている。一方で、コンピュータによる回答の精度を高めるためには、例えばコンピュータが回答できなかった質問を抽出し、それらの質問をカテゴリ別に分類するなどして解析することが望ましい。
【0142】
しかしながら、例えば同種の内容を問う質問であっても、利用者による言い回し等の違いにより、別のカテゴリに属する質問として分類されてしまう可能性がある。この場合、正しい解析結果が得られず、コンピュータによる回答の精度向上のため有効な対策が採れないこととなりかねない。
【0143】
実施形態の情報処理装置10によれば、複数の入力情報のそれぞれから少なくとも1つの語句を抽出し、抽出した語句に基づいて複数の入力情報の解析を行う。このように、質問文の中から、その質問文が問うている内容を表す語句を抽出することで、言い回しの異なる質問文であっても、同種の問い合わせに関するもの同士をより正確に分類することができる。これにより、利用者からの問い合わせ内容の解析精度をより高めることが可能となる。
【0144】
実施形態の情報処理装置10によれば、複数の入力情報における抽出語句の出現回数をカウントする。このように、個々の質問文が問うている内容を表す語句をカウントすることで、質問文の言い回し等に影響されることなく、情報処理装置10がどのような問い合わせに対して多く回答できていないのかをより正確に把握することができる。よって、情報処理装置10の回答の精度を高めるべき質問の優先順位をつけることができ、効率的に情報処理装置10の処理する情報の改善を図ることができる。
【0145】
実施形態の情報処理装置10によれば、抽出元の履歴情報と紐づけて抽出語句のカウント結果を生成する。これにより、管理端末30からの指示に応じて、選択された抽出情報の抽出元の履歴情報のリストを管理端末30の表示部313に表示させることができる。このように、抽出語句だけでなく履歴情報に含まれる詳細のセッション内容を知ることができるので、より的確に情報処理装置10の処理する情報の改善を図ることができる。
【0146】
実施形態の情報処理装置10によれば、類義語を含めて抽出語句の出現回数をカウントする。これにより、抽出語句自体に表記ゆれ等がある場合でも、同種の問い合わせに関する質問同士をより正確に分類することができる。
【0147】
実施形態の情報処理装置10によれば、複数の入力情報における複数の抽出語句の組み合わせの出現回数をカウントする。このように、複数の抽出語句を組み合わせて出現回数をカウントすることで、自由度が高く、より管理者のニーズに即した解析を行うことができる。
【0148】
実施形態の情報処理装置10によれば、複数の応答情報のそれぞれについて、情報処理装置10が回答できなかった場合、及び利用者が満足していない場合等の、応答に不備があったか否かを示す複数の応答結果情報に基づいて、複数の入力情報のうち解析の対象とする入力情報を含む1以上の履歴情報を抽出し、その履歴情報について解析を行う。
【0149】
このように、利用者への回答に不備があったセッション内容を含む履歴情報に絞り込んで上記解析を行うことによっても、情報処理装置10の回答の精度を高めるべき質問の優先順位をつけることができる。したがって、効率的に情報処理装置10の処理する情報の改善を図ることができる。
【0150】
実施形態の情報処理装置10によれば、所定の期間内における履歴情報の中から処理対象とする履歴情報を抽出する。これにより、例えば現時点で改善が必要な質問の優先順位を高めることができる。つまり、例えば過去の所定期間において問い合わせの多かった質問であっても、今現在、殆ど問い合わせのない質問であれば、それらを除いて解析を行うことができる。このため、不要な改善に労力を割くことを抑制して、優先順位の高い質問への回答の精度を高めることができる。
【0151】
[その他の実施形態]
上述の実施形態によれば、例えば情報処理装置10が回答できなかった事例である等の所定の要件を満たす履歴情報について、情報処理装置10の解析部104が、予め入力情報から語句を抽出しておくこととした。これにより、管理端末30から抽出語句のカウント指示を受信した際に、管理端末30に素早く解析結果を出力することができる。しかし、情報処理システム1における解析手順は上記手順に限られない。
【0152】
例えば、予め絞り込みの要件を固定したうえで、あるいは、複数の履歴情報の全件について、語句の抽出だけでなく、抽出語句のカウント及び集計処理まで予め終了させておいてもよい。これにより、履歴情報の絞り込みの自由度は低下するものの、いっそう素早く解析結果を管理端末30に出力することができる。
【0153】
また例えば、解析部104は、管理端末30からの指示を受信してから、語句の抽出を含めた全ての解析処理を開始してもよい。これにより、解析結果の出力には時間を要するが、辞書DB145等の情報処理装置10の仕様に変更があった後でも、最新の、かつ、統一された基準で解析処理を行うことができる。
【0154】
上述の実施形態によれば、期間、回答結果、及び評価結果等の要件で履歴情報の絞り込みを行うこととした。しかし、絞り込みの要件はこれらに限られない。例えば、情報処理装置10に、過去の回答結果を再判定する機能を付与するなどして、これを要件に加えてもよい。
【0155】
つまり、解析処理を行う時点での最新の応答情報DB115に基づいて、例えば過去に回答不能であった質問に対して回答可能であるか否かを情報処理装置10に判定させ、最新の状態で回答可能となっている質問については処理対象から外させることができる。これにより、現在においては改善済みの質問を無視することができ、効率的に情報処理装置10の処理する情報の改善を図ることができる。
【0156】
以上、実施形態について説明したが、その各部の具体的な構成、処理の内容等は、実施形態で説明したものに限るものではない。
【符号の説明】
【0157】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
16 記憶装置
20 応答端末
30 管理端末
50 利用者端末
101 入出力部
102 応答管理部
103 履歴管理部
104 解析部
105 記憶部
112 解析プログラム
301 入出力部
302 指示部
303 表示制御部
313 表示部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0158】