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特開2023-177586電子線観察装置の1次光学系を評価する方法、そのために用いられる評価装置およびその製造方法
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  • 特開-電子線観察装置の1次光学系を評価する方法、そのために用いられる評価装置およびその製造方法 図1A
  • 特開-電子線観察装置の1次光学系を評価する方法、そのために用いられる評価装置およびその製造方法 図1B
  • 特開-電子線観察装置の1次光学系を評価する方法、そのために用いられる評価装置およびその製造方法 図1C
  • 特開-電子線観察装置の1次光学系を評価する方法、そのために用いられる評価装置およびその製造方法 図2
  • 特開-電子線観察装置の1次光学系を評価する方法、そのために用いられる評価装置およびその製造方法 図3A
  • 特開-電子線観察装置の1次光学系を評価する方法、そのために用いられる評価装置およびその製造方法 図3B
  • 特開-電子線観察装置の1次光学系を評価する方法、そのために用いられる評価装置およびその製造方法 図4
  • 特開-電子線観察装置の1次光学系を評価する方法、そのために用いられる評価装置およびその製造方法 図5A
  • 特開-電子線観察装置の1次光学系を評価する方法、そのために用いられる評価装置およびその製造方法 図5B
  • 特開-電子線観察装置の1次光学系を評価する方法、そのために用いられる評価装置およびその製造方法 図6A
  • 特開-電子線観察装置の1次光学系を評価する方法、そのために用いられる評価装置およびその製造方法 図6B
  • 特開-電子線観察装置の1次光学系を評価する方法、そのために用いられる評価装置およびその製造方法 図7
  • 特開-電子線観察装置の1次光学系を評価する方法、そのために用いられる評価装置およびその製造方法 図8
  • 特開-電子線観察装置の1次光学系を評価する方法、そのために用いられる評価装置およびその製造方法 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177586
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】電子線観察装置の1次光学系を評価する方法、そのために用いられる評価装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/04 20060101AFI20231207BHJP
   H01J 37/20 20060101ALI20231207BHJP
   H01J 37/28 20060101ALN20231207BHJP
【FI】
H01J37/04 B
H01J37/20 A
H01J37/28 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090326
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 賢治
(72)【発明者】
【氏名】村上 武司
(72)【発明者】
【氏名】當間 康
(72)【発明者】
【氏名】田島 涼
(72)【発明者】
【氏名】狩俣 努
【テーマコード(参考)】
5C101
【Fターム(参考)】
5C101AA03
5C101EE03
5C101EE41
5C101EE51
5C101EE69
5C101GG04
5C101HH21
5C101HH23
5C101HH25
5C101HH43
5C101LL04
5C101LL06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電子線観察装置の1次光学系における電子ビームの軌跡のずれを評価できるようにする。
【解決手段】評価方法は、複数の開口が設けられたマルチビーム発生機構により生成される1次電子ビームを照射対象に照射し、照射対象からの2次電子ビームによって形成される各開口に対応する第1パターンを含む第1画像を取得し(S1)、第1画像における第1パターンの位置とその目標位置との第1ずれ量を算出し(S2)、ステージに設置されたマルチビーム発生機構の複数の開口と対応する複数の光電変換部に光を照射し光電変換部からの電子ビームによって形成される各光電変換部に対応する第2パターンを含む第2画像を取得し(S3)、第2画像における第2パターンの位置とその目標位置との第2ずれ量を算出し(S4)、第1ずれ量および第2ずれ量に基づいて1次光学系における1次電子ビームの軌道のずれを得る(S5)。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の1次電子から構成される1次電子ビームを試料に照射する1次光学系と、前記1次電子ビームが照射された試料から放射される複数の2次電子から構成される2次電子ビームを検出器で検出する2次光学系と、を備える電子線観察装置における、前記1次光学系での1次電子ビームの軌道のずれを評価する方法であって、
複数の開口が設けられたマルチビーム発生機構により生成される1次電子ビームを照射対象に照射し、照射対象からの2次電子ビームによって形成される第1画像を取得するステップであって、前記第1画像は、前記マルチビーム発生機構に設けられた各開口とそれぞれ対応する複数の第1パターンを含む、ステップと、
前記第1画像における前記第1パターンの位置と、その目標位置との第1ずれ量を算出するステップと、
前記電子線観察装置のステージに設置された、前記マルチビーム発生機構に設けられた複数の開口とそれぞれ対応する複数の光電変換部に光を照射し、前記光電変換部からの電子ビームによって形成される第2画像を取得するステップであって、前記第2画像は、各光電変換部とそれぞれ対応する複数の第2パターンを含む、ステップと、
前記第2画像における前記第2パターンの位置と、その目標位置との第2ずれ量を算出するステップと、
前記第1ずれ量および前記第2ずれ量に基づいて、前記1次光学系における1次電子ビームの軌道のずれを得るステップと、を含む評価方法。
【請求項2】
複数の1次電子から構成される1次電子ビームを試料に照射する1次光学系と、前記1次電子ビームが照射された試料から放射される複数の2次電子から構成される2次電子ビームを検出器で検出する2次光学系と、を備える電子線観察装置における、前記1次光学系での1次電子ビームの軌道のずれを評価する方法であって、
複数の電子源から1次電子ビームを照射対象に照射し、照射対象からの2次電子ビームによって形成される第1画像を取得するステップであって、前記第1画像は、前記複数の電子源の配置とそれぞれ対応する複数の第1パターンを含む、ステップと、
前記第1画像における前記第1パターンの位置と、その目標位置との第1ずれ量を算出するステップと、
前記電子線観察装置のステージに設置された、前記複数の電子源の配置とそれぞれ対応する複数の光電変換部に光を照射し、前記光電変換部からの電子ビームによって形成される第2画像を取得するステップであって、前記第2画像は、各光電変換部とそれぞれ対応する複数の第2パターンを含む、ステップと、
前記第2画像における前記第2パターンの位置と、その目標位置との第2ずれ量を算出するステップと、
前記第1ずれ量および前記第2ずれ量に基づいて、前記1次光学系における1次電子ビームの軌道のずれを得るステップと、を含む評価方法。
【請求項3】
前記第1画像における前記第1パターンの位置は、前記1次光学系における1次電子ビームの軌道のずれと、前記2次光学系における2次電子ビームの軌道のずれと、に応じて目標位置からずれ、
前記第2画像における前記第2パターンの位置は、前記2次光学系における2次電子ビームの軌道のずれに応じて目標位置からずれるが、前記1次光学系における1次電子ビームの軌道のずれには依存しない、請求項1または2に記載の評価方法。
【請求項4】
前記照射対象は、前記電子線観察装置のステージである、請求項1または2に記載の評価方法。
【請求項5】
前記複数の光電変換部は、基板上に設けられ、
前記照射対象は、前記基板における前記光電変換部が設けられていない部分である、請求項1または2に記載の評価方法。
【請求項6】
複数の1次電子から構成される1次電子ビームを試料に照射する1次光学系と、前記1次電子ビームが照射された試料から放射される複数の2次電子から構成される2次電子ビームを検出器で検出する2次光学系と、を備える電子線観察装置における、前記1次光学系での1次電子ビームの軌道のずれを評価するために用いられる評価装置であって、
前記1次電子ビームを生成するマルチビーム発生機構に設けられた複数の開口とそれぞれ対応する複数の光電変換部を備える評価装置。
【請求項7】
複数の1次電子から構成される1次電子ビームを試料に照射する1次光学系と、前記1次電子ビームが照射された試料から放射される複数の2次電子から構成される2次電子ビームを検出器で検出する2次光学系と、を備える電子線観察装置における、前記1次光学系での1次電子ビームの軌道のずれを評価するために用いられる評価装置であって、
前記1次電子ビームを放出する複数の電子源の配置とそれぞれ対応する複数の光電変換部を備える評価装置。
【請求項8】
基板を備え、
前記基板に設けられた穴部に前記光電変換部が配置される、請求項6または7に記載の評価装置。
【請求項9】
前記基板の表面および前記光電変換部の表面が面一である、請求項6または7に記載の評価装置。
【請求項10】
複数の1次電子から構成される1次電子ビームを試料に照射する1次光学系と、前記1次電子ビームが照射された試料から放射される複数の2次電子から構成される2次電子ビームを検出器で検出する2次光学系と、を備える電子線観察装置における、前記1次光学系での1次電子ビームの軌道のずれを評価するために用いられる評価装置の製造方法であって、
光透過性基材上に光電変換材料膜を形成する工程と、
前記形成された光電変換材料膜をパターニングすることにより、前記1次電子ビームを生成するマルチビーム発生機構に設けられた複数の開口とそれぞれ対応する複数の光電変換部を形成する工程と、
前記光電変換部が形成された基材を、基板に形成された穴部に配置する工程と、を備える、製造方法。
【請求項11】
複数の1次電子から構成される1次電子ビームを試料に照射する1次光学系と、前記1次電子ビームが照射された試料から放射される複数の2次電子から構成される2次電子ビームを検出器で検出する2次光学系と、を備える電子線観察装置における、前記1次光学系での1次電子ビームの軌道のずれを評価するために用いられる評価装置の製造方法であって、
光透過性基材上に光電変換材料膜を形成する工程と、
前記形成された光電変換材料膜をパターニングすることにより、前記1次電子ビームを放出する複数の電子源とそれぞれ対応する複数の光電変換部を形成する工程と、
前記光電変換部が形成された基材を、基板に形成された穴部に配置する工程と、を備える、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子線観察装置の1次光学系を評価する方法、そのために用いられる評価装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ビームを試料に照射し、試料から放出され電子ビームを観察する電子線観察装置が知られている(例えば特許文献1)。電子線観察装置は、試料に1次電子ビームを照射する1次光学系と、試料から生じる2次電子ビームを画像として検出する2次光学系から構成される。
【0003】
1次光学系における1次電子ビームを複数の電子で構成することにより、高スループット化を図れる。このような電子線観察装置においては、試料における正確な位置に1次電子ビームを照射するのが重要である。適切な位置からずれた位置に電子が照射されると、画像のオーバーラップや検査の抜けが生じ得るためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-48755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子線観察装置の1次光学系における電子ビームの軌跡のずれを評価できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、
[1]
複数の1次電子から構成される1次電子ビームを試料に照射する1次光学系と、前記1次電子ビームが照射された試料から放射される複数の2次電子から構成される2次電子ビームを検出器で検出する2次光学系と、を備える電子線観察装置における、前記1次光学系での1次電子ビームの軌道のずれを評価する方法であって、
複数の開口が設けられたマルチビーム発生機構により生成される1次電子ビームを照射対象に照射し、照射対象からの2次電子ビームによって形成される第1画像を取得するステップであって、前記第1画像は、前記マルチビーム発生機構に設けられた各開口とそれぞれ対応する複数の第1パターンを含む、ステップと、
前記第1画像における前記第1パターンの位置と、その目標位置との第1ずれ量を算出するステップと、
前記電子線観察装置のステージに設置された、前記マルチビーム発生機構に設けられた複数の開口とそれぞれ対応する複数の光電変換部に光を照射し、前記光電変換部からの電子ビームによって形成される第2画像を取得するステップであって、前記第2画像は、各光電変換部とそれぞれ対応する複数の第2パターンを含む、ステップと、
前記第2画像における前記第2パターンの位置と、その目標位置との第2ずれ量を算出するステップと、
前記第1ずれ量および前記第2ずれ量に基づいて、前記1次光学系における1次電子ビームの軌道のずれを得るステップと、を含む評価方法が提供される。
【0007】
本発明の一態様によれば、
[2]
複数の1次電子から構成される1次電子ビームを試料に照射する1次光学系と、前記1次電子ビームが照射された試料から放射される複数の2次電子から構成される2次電子ビームを検出器で検出する2次光学系と、を備える電子線観察装置における、前記1次光学系での1次電子ビームの軌道のずれを評価する方法であって、
複数の電子源から1次電子ビームを照射対象に照射し、照射対象からの2次電子ビームによって形成される第1画像を取得するステップであって、前記第1画像は、前記複数の電子源の配置とそれぞれ対応する複数の第1パターンを含む、ステップと、
前記第1画像における前記第1パターンの位置と、その目標位置との第1ずれ量を算出するステップと、
前記電子線観察装置のステージに設置された、前記複数の電子源の配置とそれぞれ対応する複数の光電変換部に光を照射し、前記光電変換部からの電子ビームによって形成される第2画像を取得するステップであって、前記第2画像は、各光電変換部とそれぞれ対応する複数の第2パターンを含む、ステップと、
前記第2画像における前記第2パターンの位置と、その目標位置との第2ずれ量を算出するステップと、
前記第1ずれ量および前記第2ずれ量に基づいて、前記1次光学系における1次電子ビームの軌道のずれを得るステップと、を含む評価方法が提供される。
【0008】
[3]
[1]または[2]に記載の評価方法において、
前記第1画像における前記第1パターンの位置は、前記1次光学系における1次電子ビームの軌道のずれと、前記2次光学系における2次電子ビームの軌道のずれと、に応じて目標位置からずれ、
前記第2画像における前記第2パターンの位置は、前記2次光学系における2次電子ビームの軌道のずれに応じて目標位置からずれるが、前記1次光学系における1次電子ビームの軌道のずれには依存しないのが望ましい。
【0009】
[4]
[1]乃至[3]のいずれかに記載の評価方法において、
前記照射対象は、前記電子線観察装置のステージであってよい。
【0010】
[5]
[1]乃至[3]のいずれかに記載の評価方法において、
前記複数の光電変換部は、基板上に設けられ、
前記照射対象は、前記基板における前記光電変換部が設けられていない部分であってよい。
【0011】
本発明の一態様によれば、
[6]
複数の1次電子から構成される1次電子ビームを試料に照射する1次光学系と、前記1次電子ビームが照射された試料から放射される複数の2次電子から構成される2次電子ビームを検出器で検出する2次光学系と、を備える電子線観察装置における、前記1次光学系での1次電子ビームの軌道のずれを評価するために用いられる評価装置であって、
前記1次電子ビームを生成するマルチビーム発生機構に設けられた複数の開口とそれぞれ対応する複数の光電変換部を備える評価装置が提供される。
【0012】
本発明の一態様によれば、
[7]
複数の1次電子から構成される1次電子ビームを試料に照射する1次光学系と、前記1次電子ビームが照射された試料から放射される複数の2次電子から構成される2次電子ビームを検出器で検出する2次光学系と、を備える電子線観察装置における、前記1次光学系での1次電子ビームの軌道のずれを評価するために用いられる評価装置であって、
前記1次電子ビームを放出する複数の電子源の配置とそれぞれ対応する複数の光電変換部を備える評価装置が提供される。
【0013】
[8]
[6]または[7]に記載の評価装置において、
基板を備え、
前記基板に設けられた穴部に前記光電変換部が配置されるのが望ましい。
【0014】
[9]
[6]乃至[8]のいずれかに記載の評価装置において、
前記基板の表面および前記光電変換部の表面が面一であるのが望ましい。
【0015】
本発明の一態様によれば、
[10]
複数の1次電子から構成される1次電子ビームを試料に照射する1次光学系と、前記1次電子ビームが照射された試料から放射される複数の2次電子から構成される2次電子ビームを検出器で検出する2次光学系と、を備える電子線観察装置における、前記1次光学系での1次電子ビームの軌道のずれを評価するために用いられる評価装置の製造方法であって、
光透過性基材上に光電変換材料膜を形成する工程と、
前記形成された光電変換材料膜をパターニングすることにより、前記1次電子ビームを生成するマルチビーム発生機構に設けられた複数の開口とそれぞれ対応する複数の光電変換部を形成する工程と、
前記光電変換部が形成された基材を、基板に形成された穴部に配置する工程と、を備える、製造方法が提供される。
【0016】
本発明の一態様によれば、
[11]
複数の1次電子から構成される1次電子ビームを試料に照射する1次光学系と、前記1次電子ビームが照射された試料から放射される複数の2次電子から構成される2次電子ビームを検出器で検出する2次光学系と、を備える電子線観察装置における、前記1次光学系での1次電子ビームの軌道のずれを評価するために用いられる評価装置の製造方法であって、
光透過性基材上に光電変換材料膜を形成する工程と、
前記形成された光電変換材料膜をパターニングすることにより、前記1次電子ビームを放出する複数の電子源とそれぞれ対応する複数の光電変換部を形成する工程と、
前記光電変換部が形成された基材を、基板に形成された穴部に配置する工程と、を備える、製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0017】
電子線観察装置の1次光学系における電子ビームの軌跡のずれを評価できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A】第1実施形態に係る電子線観察装置の概略構成図。
図1B】検出器28の概略構成図。
図1C図1Aの変形例である電子線観察装置の概略構成図。
図2図1の電子線観察装置におけるマルチビーム発生機構12の模式図。
図3A】本実施形態に係る評価で用いるサンプルプレート3の平面図。
図3B図3AのA-A断面図。
図4】本実施形態に係る評価方法の手順を示すフローチャート。
図5A】ステップS1で得られた画像を模式的に示す図。
図5B】ステップS1で得られた画像と、各パターン51~54の目標位置61~64(破線で示す)とを重ねて示す図。
図6A】ステップS3で得られた画像を模式的に示す図。
図6B】ステップS3で得られた画像と、各パターン71~74の目標位置81~84とを重ねて示す図。
図7】第2実施形態に係る電子線観察装置の概略構成図。
図8】電子源111~113の配置を模式的に示す図。
図9】本実施形態に係る評価で用いるサンプルプレート3の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1Aは、第1実施形態に係る電子線観察装置の概略構成図である。この電子線観察装置は、例えば走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)であり、1次光学系1(照射系あるいはマルチビーム光学系とも呼ばれる)と、2次光学系2(結像系あるいは投影光学系とも呼ばれる)とを備えている。
【0021】
1次光学系1はステージ16に載置された試料の複数箇所に複数の1次電子から構成される1次電子ビームを集束して照射するものであり、電子源11、マルチビーム発生機構12、転送レンズ13、ビーム分離器14、対物レンズ15、ステージ16、スキャン偏向器17などから構成される。
【0022】
電子源11から放出された電子ビームは、適宜、加速器(不図示)によって加速されるとともにレンズ(不図示)によって拡げられ、マルチビーム発生機構12に入射する。マルチビーム発生機構12は複数の開口を有しており(後述)、これらの開口を電子源11からの電子ビームが通過することで、複数の1次電子から構成される1次電子ビームが生成される。生成された1次電子ビームは転送レンズ13、ビーム分離器14および対物レンズ15によって個々に集束され、ステージ16に載置された試料の複数の箇所に等間隔に離散して照射される。
【0023】
また、1次電子ビームはスキャン偏向器17によって2次元的に試料上を走査するよう偏向される。これにより、離散的に照射される1次電子ビームが試料上に万遍なく照射される。
【0024】
2次光学系2は、1次電子ビームが照射された試料から放射される複数の2次電子から構成される2次電子ビームを検出器28で検出するものであり、対物レンズ15、ビーム分離器14、ビームベンダ21、投影レンズ27、開口絞り26、検出器28などから構成される。なお、対物レンズ15およびビーム分離器14は1次光学系1と共用される。
【0025】
試料からの2次電子ビームは対物レンズ15によって集束される。そして、電界と磁界の重畳界を形成するビーム分離器14により、2次電子ビームは1次光学系1とは異なる方向に曲げられる。2次電子ビームはビームベンダ21によってさらに曲げられる。
【0026】
2次電子ビームは投影レンズ27によって光軸付近に近づけられる。開口絞り26は、複数の2次電子が光軸中心で最も互いに近接する位置に配置される。
【0027】
開口絞り26は開口部を有しており、開口部を通過した2次電子ビームのみが投影レンズ27に到達する。これにより、2次電子ビームの開き角が規定される。
【0028】
検出器28は、図1Bに示すように、例えばシンチレータ281、光増幅器282、イメージセンサ283(例えばCMOSイメージセンサ)、拡大レンズ284、ハーフミラー285を有する。
【0029】
試料上の複数箇所から放出された2次電子はシンチレータ281上で結像し、シンチレータ281に到達した2次電子ビームの多寡に応じた光がシンチレータ281から生じる。生じた光は発散光であるので、光路に配置された拡大レンズ284を用いて拡大投影される。拡大レンズ284を通過した光は、その一部がハーフミラー285を通過して光ファイバの束を介して光増幅器282に向かい、また、その一部がハーフミラー285によって反射されてイメージセンサ283に向かう。前者の光は増幅器282によって電気信号に変換され、2次電子ビームの多寡に応じたビーム本数の走査画像(SEM像)が形成される。後者の光はイメージセンサ283上に結像し、2次電子ビームによる画像が得られる。
【0030】
図1Cは、図1Aの変形例である電子線観察装置の概略構成図である。図示のように、図1Aの電子線観察装置に対し、第1リレーレンズ22、第2リレーレンズ23、フィールドレンズ25を追加してもよい。この場合、開口絞り26と検出器28との間に投影レンズ27が配置される。
【0031】
図1Cの電子線観察装置において、第1リレーレンズ22および第2リレーレンズ23は、2次電子ビームが、試料の電位に関わらず、フィールドレンズ25のレンズ主面近傍における一定の位置に一定のサイズで結像するように調整する。これら第1リレーレンズ22および第2リレーレンズ23を設けることで、幅広い試料電位に対応できる。
【0032】
フィールドレンズ25は、開口絞り26の位置近傍において、2次電子ビームを構成する複数の2次電子が光軸中心で最も互いに近接するよう、電界あるいは磁界を発生させて2次電子ビームの軌道を調整する。言い換えると、開口絞り26は、複数の2次電子が光軸中心で最も互いに近接する位置に配置される。
【0033】
投影レンズ27は開口絞り26の開口部を通過した2次電子ビームを検出器28上に結像させる。
【0034】
図2は、図1の電子線観察装置におけるマルチビーム発生機構12の模式図である。図示のように、マルチビーム発生機構12は複数(図2では4つ)の開口121~124を有する。電子源11からマルチビーム発生機構12の全面に電子ビームを照射することで、複数の開口121~124を通った複数の1次電子から構成される1次電子ビームが得られる。
【0035】
なお、図2および以降の説明では、簡略化のために4つの開口121~124を有するマルチビーム発生機構12を例に取って説明するが、開口の数に特に制限はなく数個~1000個あるいはそれ以上であってもよい。
【0036】
複数の電子から構成される1次電子ビームを試料に照射する電子線観察装置においては、試料における正確な位置に電子を照射するのが重要である。検出器28における光ファイバはマルチビーム発生機構12の開口121~124のそれぞれに対応して設けられるが、正確な位置に電子が照射されない場合、光ファイバで受光できなかったり(感度低下につながる)、対応しない光ファイバによって受光されたり(像のクロストークが生じる)してしまうためである。
【0037】
しかしながら、1次光学系1において、転送レンズ13、ビーム分離器14、対物レンズ15を1次電子ビームが通過する際に、1次電子ビームの軌跡が想定からずれる(歪む)ことがある。例えば、転送レンズ13が本来の位置からずれて配置されている場合、1次電子ビームが転送レンズ13の中心からずれた位置を通過することとなり、照射位置のずれが生じる。このずれは、検査領域のオーバーラップや抜けを生じてしまうので、必要な検査精度に調整しなければならない。
【0038】
そのため、1次光学系1には、転送レンズ13、ビーム分離器14、対物レンズ15での1次電子ビームの軌跡のずれをキャンセルするためのアライナ(不図示)が設けられる。そして、アライナでどのように1次電子ビームの軌跡を調整すべきかを把握するために、1次光学系1における1次電子ビームの軌跡のずれを評価する必要がある。
【0039】
ただし、2次光学系2においても、対物レンズ15、ビーム分離器14、ビームベンダ21、第1リレーレンズ22、第2リレーレンズ23、フィールドレンズ25、投影レンズ27を2次電子ビームが通過する際に、2次電子ビームの軌跡が想定からずれる(歪む)ことがある。そのため、イメージセンサ283で得られる画像は、1次光学系1におけるずれと、2次光学系2におけるずれとが重畳されたものとなる。
【0040】
そこで、本実施形態では、以下に述べるようにして1次光学系1におけるずれのみを評価するようにする。
【0041】
図3Aは、本実施形態に係る評価で用いるサンプルプレート3(評価装置)の平面図である。また、図3Bは、図3AのA-A断面図である。このサンプルプレート3は図1の電子線観察装置のステージ16に載置される。
【0042】
サンプルプレート3は、例えばアルミニウム製の基板31と、フォトカソード32とを有する。図3Bに示すように、基板31に穴部31aが形成され、この穴部31aにフォトカソード32が埋め込まれている。より具体的には、基板31は穴部31aに向かう肩部31bがあり、その肩部31b上にフォトカソード32が配置される。
【0043】
フォトカソード32は、光透過性基材41と、複数の光電変換部421~424とを有する。光透過性基材41は、例えばガラス、石英あるいはサファイア製(熱伝導が高いサファイアが特に好ましい)であり、厚さが3mm~5mm程度である。光電変換部421~424は、例えば、金、白金、ルテニウム等の金属膜により形成され、厚さ5nm~100nm程度である。電子発生効率を高めるため、光電変換部421~424は、上記金属膜に加え、さらに厚さ5nm~20nm程度のCsBr等が上面に設けられてもよい。
【0044】
複数の光電変換部421~424はマルチビーム発生機構12の各開口121~124と対応する。より具体的には、光電変換部421~424の配置位置、形状、大きさは図2に示すマルチビーム発生機構12の開口121~124とそれぞれ対応している。そして、基板31の上面と、フォトカソード32における光透過性基材41の上面とが面一であるのが望ましい。仮に基板31の上面と光透過性基材41の上面がずれていると、電界が不均一となり、対物レンズ15とステージ16間の放電の要因になったり、電子軌道の乱れとなってビーム位置ずれや収差を起こしたりする可能性があるためである。なお、基板31の上面と光電変換部421~424の上面とがずれていてもよい。
【0045】
フォトカソード32の下面から光を照射すると、光電効果によって光電変換部421~424から電子が生じる。一方、光電変換部421~424以外の箇所からは電子が生じない。ここで、照射する光は、光電変換部421~424を構成する材料の仕事関数より高い励磁が必要であり、265nmより低い波長を有する光、レーザー光、紫外線ランプ、水銀ランプであってよい。
【0046】
このようなフォトカソード32は、例えば光透過性基材41となるガラス上に光電変換材料を形成(例えば蒸着)し、リソグラフィー技術を用いてマルチビーム発生機構12における各開口121~124と対応するよう光電変換材料をパターニングすることで製造される。
【0047】
なお、サンプルプレート3には、他の評価に用いられる1以上のチップ33が基板31に形成された穴部に埋め込まれてもよい。いずれにしても、サンプルプレート3は、少なくとも、マルチビーム発生機構12に設けられた複数の開口121~124とそれぞれ対応する複数の光電変換部421~424を備えていればよい。
【0048】
図4は、本実施形態に係る評価方法の手順を示すフローチャートである。なお、同図の手順は一例であり、適宜順序を入れ替えてもよい。
【0049】
まず、1次電子ビームを照射対象に照射し、照射対象からの2次電子ビームによってイメージセンサ283上に形成される画像を取得する(ステップS1)。なお、照射対象は電子線観察装置のステージ16の表面であってもよい。
【0050】
図5Aは、ステップS1で得られた画像を模式的に示す図である。この画像は、マルチビーム発生機構12における各開口121~124とそれぞれ対応する複数のパターン51~54を含んでいる。
【0051】
図5Bは、ステップS1で得られた画像と、各パターン51~54の目標位置61~64(破線で示す)とを重ねて示す図である。目標位置61~64は、1次光学系1および2次光学系2において電子ビームのずれが生じない場合に、マルチビーム発生機構12における各開口121~124とそれぞれ対応するパターン51~54が形成されるはずの位置である。
【0052】
図示のように、ステップS1で得られる画像におけるパターン51~54は目標位置61~64からずれている。このずれは、1次光学系1における1次電子ビームの軌道のずれと、2次光学系2における2次電子ビームの軌道のずれとに起因したものとなっている。
【0053】
図4に戻り、ステップS1で取得された画像における各パターン51~54の位置と、その目標位置61~64とのずれ量を算出する(ステップS2)。このずれ量は、1次光学系1におけるずれに起因するずれと、2次光学系2におけるずれに起因するずれとを含んでいる。
【0054】
例えば、図5Bに示すように、パターン53と、その目標位置63の、x方向のずれdx1と、y方向のずれdy1とを算出する。この算出はオペレータが手動で行ってもよいし、適宜の画像処理によって行ってもよい。また、パターン51~54のすべてについて、目標位置61~64とのずれを算出するのが望ましいが、パターン51~54の一部のみについて目標位置61~64とのずれを算出してもよい。
【0055】
続いて、電子線観察装置のステージ16にサンプルプレート3を載置する。そして、サンプルプレート3の下方から光を照射することにより、光電変換部421~424から電子ビームを発生させる。この電子ビームは試料から放出される2次電子ビームを模したものとなる。そして、この光電変換部421~424からの電子ビームによってイメージセンサ283上に形成される画像を取得する(ステップS3)。
【0056】
図6Aは、ステップS3で得られた画像を模式的に示す図である。この画像は、サンプルプレート3における各光電変換部421~424とそれぞれ対応する複数のパターン71~74を含んでいる。
【0057】
図6Bは、ステップS3で得られた画像と、各パターン71~74の目標位置81~84とを重ねて示す図である。この目標位置81~84は、1次光学系1および2次光学系2において電子ビームのずれが生じない場合に、サンプルプレート3における各光電変換部421~424とそれぞれ対応するパターン71~74が形成されるはずの位置であり、図5Bの目標位置61~64とそれぞれ対応する。
【0058】
図4に戻り、ステップS3で取得された画像における各パターン71~74の位置と、その目標位置81~84とのずれ量を算出する(ステップS4)。このずれ量は、1次光学系1における1次電子ビームの軌道のずれには依存せず、2次光学系2における2次電子ビームの軌道のずれに起因したものとなっている。
【0059】
例えば、図6Bに示すように、パターン73と、その目標位置83の、x方向のずれdx2と、y方向のずれdy2とを算出する。この算出はオペレータが手動で行ってもよいし、適宜の画像処理によって行ってもよい。また、パターン71~74のすべてについて、目標位置81~84とのずれを算出するのが望ましいが、パターン71~74の一部のみについて目標位置81~84とのずれを算出してもよい。
【0060】
そして、ステップS2で算出されたずれ量と、ステップS4で算出されたずれ量から、1次光学系1における1次電子ビームの軌道のずれを得る(ステップS5)。具体例として、両ずれ量の差(dx1-dx2およびdy1-dy2)が1次光学系1における1次電子ビームの軌道のずれ量となる。
【0061】
なお、ステップS1において、予めサンプルプレート3をステージ16上に載置しておき、サンプルプレート3における光電変換部421~424が形成されていない部分を照射対象としてもよい。
【0062】
このように、本実施形態によれば、1次光学系1および2次光学系2を通った電子ビームによる画像と、2次光学系2のみを通った電子ビームによる画像とを比較するため、1次光学系1における電子ビームの軌跡のずれを評価できる。そして、1次光学系1における電子ビームの軌跡のずれを1次光学系1におけるアライナでキャンセルできる。これにより、精度よく1次電子ビームを照射可能な1次光学系1を実現でき、例えば1次光学系1のみの単独製造・販売等につなげることができる。
【0063】
(第2実施形態)
上述した第1実施形態は、複数の開口を有するマルチビーム発生機構12を用いて複数の1次電子から構成される1次電子ビームを生成するものであった。これに対し、次に説明する第2実施形態では、マルチビーム発生機構12に代えて、複数の電子源11によって1次電子ビームを生成するものである。以下、第1実施形態との共通点は説明を省略あるいは簡略化し、相違点を中心に説明する。
【0064】
図7は、第2実施形態に係る電子線観察装置の概略構成図である。本電子線観察装置は、図1Aのマルチビーム発生機構12を有しない代わりに、複数の電子源111~113を有している。電子源111~113のそれぞれが1つの電子ビームを放出する。これにより、複数の1次電子から構成される1次電子ビームが生成される。
【0065】
なお、図7では模式的に3つの電子源111~113を描いているが、その数に特に制限はなく数個~1000個あるいはそれ以上であってもよい。また、図1Cに示す電子線観察装置のマルチビーム発生機構12に代えて複数の電子源111~113を設けてもよい。
【0066】
図8は、電子源111~113を下方から見た模式図である。図示のように、3つの電子源111~113が一列に配置されている。本実施形態では、第1実施形態で説明したサンプルプレート3(図3A)を用いることができる。ただし、図9に示すように、サンプルプレート3の光電変換部521~523は電子源111~113の配置とそれぞれ対応する。例えば、図8に示すように、3つの電子源111~113が一列に配置されているのであれば、図9に示すようにサンプルプレート3の光電変換部521~523も一列に配置される。
【0067】
本実施形態における評価方法の手順は図4に示すものと同様でよいので、簡単に説明する。
【0068】
まず、1次電子ビームを照射対象に照射し、照射対象からの2次電子ビームによってイメージセンサ283上に形成される画像を取得する(ステップS1)。なお、照射対象は電子線観察装置のステージ16の表面であってもよい。ここで取得される画像は、電子源111~113の配置とそれぞれ対応する複数のパターンを含んでいる。
【0069】
続いて、ステップS1で取得された画像における各パターンの位置と、その目標位置とのずれ量を算出する(ステップS2)。このずれ量は、1次光学系1におけるずれに起因するずれと、2次光学系2におけるずれに起因するずれとを含んでいる。
【0070】
次に、電子線観察装置のステージ16にサンプルプレート3を載置する。そして、サンプルプレート3の下方から光を照射することにより、光電変換部521~523から電子ビームを発生させる。この電子ビームは試料から放出される2次電子ビームを模したものとなる。そして、この光電変換部521~523からの電子ビームによってイメージセンサ283上に形成される画像を取得する(ステップS3)。
【0071】
ここで取得される画像は、サンプルプレート3における各光電変換部521~523とそれぞれ対応する複数のパターンを含んでいる。
【0072】
そして、ステップS3で取得された画像における各パターンの位置と、その目標位置とのずれ量を算出する(ステップS4)。このずれ量は、1次光学系1における1次電子ビームの軌道のずれには依存せず、2次光学系2における2次電子ビームの軌道のずれに起因したものとなっている。
【0073】
そして、ステップS2で算出されたずれ量と、ステップS4で算出されたずれ量から、1次光学系1における1次電子ビームの軌道のずれを得る(ステップS5)。具体例として、両ずれ量の差が1次光学系1における1次電子ビームの軌道のずれ量となる。
【0074】
なお、ステップS1において、予めサンプルプレート3をステージ16上に載置しておき、サンプルプレート3における光電変換部521~523が形成されていない部分を照射対象としてもよい。
【0075】
第2実施形態によれば、複数の電子源111~113により1次電子ビームを生成する電子源観察装置においても、精度よく1次電子ビームを照射可能な1次光学系1を実現でき、例えば1次光学系1のみの単独製造・販売等につなげることができる。
【0076】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形例を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態には限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【0077】
例えば、本明細書において1台の装置(あるいは部材、以下同じ)として説明されるもの(図面において1台の装置として描かれているものを含む)を複数の装置によって実現してもよい。逆に、本明細書において複数の装置として説明されるもの(図面において複数の装置として描かれているものを含む)を1台の装置によって実現してもよい。あるいは、ある装置に含まれるとした手段や機能の一部または全部が、他の装置に含まれるようにしてもよい。
【0078】
また、本明細書に記載された事項の全てが必須の要件というわけではない。特に、本明細書に記載され、特許請求の範囲に記載されていない事項は任意の付加的事項ということができる。
【0079】
なお、本出願人は本明細書の「先行技術文献」欄の文献に記載された文献公知発明を知っているにすぎず、本発明は必ずしも同文献公知発明における課題を解決することを目的とするものではないことにも留意されたい。本発明が解決しようとする課題は本明細書全体を考慮して認定されるべきものである。例えば、本明細書において、特定の構成によって所定の効果を奏する旨の記載がある場合、当該所定の効果の裏返しとなる課題が解決されるということもできる。ただし、必ずしもそのような特定の構成を必須の要件とする趣旨ではない。
【符号の説明】
【0080】
1 マルチビーム光学系
11,111~113 電子源
12 マルチビーム発生機構
121~124 開口
13 転送レンズ
14 ビーム分離器
15 対物レンズ
16 ステージ
17 スキャン偏向器
2 投影光学系
21 ビームベンダ
22 第1リレーレンズ
23 第2リレーレンズ
25 フィールドレンズ
26 開口絞り
27 投影レンズ
28 検出器
281 シンチレータ
282 光増幅器
283 イメージセンサ
284 ハーフミラー
284 拡大レンズ
285 ハーフミラー
3 サンプルプレート
31 基板
31a 穴部
31b 肩部
32 フォトカソード
41 光透過性基材
421~424,521~523 光電変換部
51~54,71~74 パターン
61~64,81~84 目標位置
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9