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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177677
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20231207BHJP
【FI】
H01L29/78 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090471
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】日清紡マイクロデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石丸 賢一
【テーマコード(参考)】
5F140
【Fターム(参考)】
5F140AA25
5F140AC21
5F140BA16
5F140BC12
5F140BD19
5F140BF01
5F140BF04
5F140BH14
5F140BH30
5F140BH43
5F140BH47
5F140BK13
5F140CB07
5F140CD01
5F140CD02
(57)【要約】
【課題】ドレイン領域とソース領域間の耐圧および基板耐圧が高く、製造コストの増加を招かない半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置は、N型埋込層3(第1埋込層)とP型埋込層4(第2埋込層)が形成されているN型のエピタキシャル層2の表面に、ソース領域6を備えたボディ領域5と、ドレイン領域8を備えたドリフト領域7が配置され、ソース領域6とドレイン領域8との間のチャネル領域上にゲート酸化膜を介してゲート電極9が形成されている。ゲート電極9の一部は、フィールド酸化膜10上に形成されている。P型埋込層4は、ソース領域6側の端部がフィールド酸化膜10のソース領域6側の端部よりソース領域6側に配置されるとともに、ドレイン領域8と重なり、かつソース領域6と重ならない配置に形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型の半導体基板と、
前記半導体基板上に配置されている前記第1導電型と逆導電型の第2導電型の半導体層と、
前記半導体層表面から前記半導体基板に達する第1導電型の分離領域と、
前記半導体基板と前記半導体層との間に配置されている第2導電型の第1埋込層と、
前記第1埋込層上の前記半導体層内に前記第1埋込層と接して配置されている第1導電型の第2埋込層と、
前記半導体層表面に配置され、前記第2埋込層と離間して配置されている第1導電型のボディ領域と、
前記ボディ領域表面に配置されている第2導電型のソース領域および第1導電型のボディコンタクト領域と、
前記半導体層表面のドリフト領域と、
前記ドリフト領域表面に配置されている第2導電型のドレイン領域と、
前記ソース領域と前記ドレイン領域との間の前記ドリフト領域表面に配置されている絶縁領域と、
ゲート絶縁膜および前記絶縁領域上に配置されているゲート電極と
を備え、
前記第2埋込層は、前記ソース領域側の端部が前記絶縁領域の前記ソース領域側の端部より前記ソース領域側に配置されているとともに前記ドレイン領域と重なり、かつ前記ソース領域と重ならないように配置されている
半導体装置。
【請求項2】
前記第2埋込層が、前記ソース領域および前記ドレイン領域間に電圧が印加される場合、前記第2埋込層と前記半導体層との接合部に形成される第1空乏層と前記ボディ領域と前記半導体層との接合により形成される第2空乏層とがつながるように設けられる、
請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
第1導電型の半導体基板の第1埋込層形成予定領域に第2導電型の不純物を導入して第2導電型不純物注入領域を形成する工程と、
第1導電型の前記半導体基板の第2埋込層形成予定領域と分離領域形成予定領域に、前記第2導電型の不純物より熱拡散速度の速い第1導電型の不純物を同時に導入して第1導電型不純物注入領域を形成する工程と、
前記半導体基板上に第2導電型の半導体層を形成し、前記半導体層と前記半導体基板との間に前記第2導電型不純物注入領域から不純物が拡散した第1埋込層と、前記第1導電型不純物注入領域から不純物が拡散した第2埋込層および下部分離領域とを形成する工程と、
前記半導体層表面に形成されている第1導電型のボディ領域表面に第2導電型のソース領域および第1導電型のボディコンタクト領域を形成する工程と、
前記半導体層表面のドリフト領域表面に第2導電型のドレイン領域を形成する工程と、
ゲート電極形成予定領域の前記ドリフト領域表面に絶縁領域を形成する工程と、
前記ソース領域と前記ドレイン領域との間のチャネル領域上にゲート絶縁膜を介し、前記絶縁領域上に延在するゲート電極を形成する工程とを含み、
前記第2埋込層は、前記ソース領域側の端部が前記絶縁領域の前記ソース領域側の端部より前記ソース領域側に配置されているとともに前記ドレイン領域と重なり、かつ前記ソース領域と重ならないように形成されている
半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1導電型不純物注入領域を形成する工程において、前記第1導電型不純物注入領域は、少なくとも一部がドレイン領域形成予定領域に重なるとともに、前記ソース領域形成予定領域側の端部の位置が、目的とする前記第2埋込層の配置と不純物濃度を得るために必要となる前記第1導電型不純物注入領域の幅となるように設定される
請求項3記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、MOS型半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MOS型半導体装置、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)の高耐圧化、低オン抵抗化のために、いわゆるリサーフ(RESURF;Reduced Surface Field)構造が知られている。例えば特許文献1には、ドレイン-ソース間耐圧の高いLDMOSFET(Lateral Double diffused metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-88334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図9は、従来のリサーフ構造を備えた半導体装置200を説明するための説明図である。図9に示すように、従来のこの種の半導体装置200は、P型の半導体基板21上にN型のエピタキシャル層22が形成され、半導体基板21とエピタキシャル層22との間にN型埋込層23とP型埋込層24が形成されている。エピタキシャル層22の表面には、P型埋込層24と接するようにP型のボディ領域25が形成され、ボディ領域25の表面にN型のソース領域26が形成されている。またボディ領域25とP型埋込層24で囲まれたN型のエピタキシャル層の一部がドリフト領域27として機能する。ドリフト領域27の表面にN型のドレイン領域28が形成されている。ソース領域26とドレイン領域28との間のボディ領域25とドリフト領域27上には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極29が形成されている。30はフィールド酸化膜、31は下部分離領域31aと上部分離領域31bとで構成されている分離領域である。このような構造の半導体装置200では、ソース領域26とドレイン領域28との間に高い電圧が印加されると、ボディ領域25とP型埋込層24から空乏層が拡がりドリフト領域27を完全に空乏化させることができる。その結果、ドレイン領域28とソース領域26間の電界分布を均一化して局所的な電界集中が防止され、半導体装置200の高耐圧化を図ることができる。
【0005】
このようなリサーフ構造を備えた半導体装置で200を製造する際には、特許文献1に開示されているようにN型埋込層23を形成するためのイオン注入とエピタキシャル成長を行い、その後、P型埋込層24を形成するためのイオン注入とエピタキシャル成長を行う必要があり、製造コストが嵩んでしまうという問題があった。
【0006】
また、P型埋込層24と下部分離領域31aが同時に形成される場合、P型埋込層24と下部分離領域31aの不純物濃度はほぼ等しく形成される。例えば、下部分離領域31aを形成するために好適な不純物濃度となるようにP型埋込層24と下部分離領域31aが形成されると、不純物濃度の高いP型埋込層24を備える構造となり、ドレイン領域28とP型埋込層24との接合耐圧やソース領域26とP型埋込層24との接合耐圧が低下してしまう。そのため、60V程度の基板耐圧(ドレイン領域28と半導体基板21間の基板耐圧、ソース領域26と半導体基板21間の基板耐圧)が得られないという問題があった。基板耐圧を改善するためには、P型埋込層24の不純物濃度を低くする必要があるが、同時に形成される下部分離領域31aの不純物濃度が低くなると素子分離ができなくなってしまう。これらを解決するためには、P型埋込層24を形成するためのイオン注入と下部分離領域31aを形成するためのイオン注入を別々に行う必要があり、製造コストが嵩んでしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、ドレイン領域とソース領域間の耐圧および基板耐圧が高く、製造コストの増加を招かない半導体装置およびその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の半導体装置は、第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板上に配置されている前記第1導電型と逆導電型の第2導電型の半導体層と、前記半導体層表面から前記半導体基板に達する第1導電型の分離領域と、前記半導体基板と前記半導体層との間に配置されている第2導電型の第1埋込層と、前記第1埋込層上の前記半導体層内に前記第1埋込層と接して配置されている第1導電型の第2埋込層と、前記半導体層表面に配置され、前記第2埋込層と離間して配置されている第1導電型のボディ領域と、前記ボディ領域表面に配置されている第2導電型のソース領域および第1導電型のボディコンタクト領域と、前記半導体層表面のドリフト領域と、前記ドリフト領域表面に配置されている第2導電型のドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間の前記ドリフト領域表面に配置されている絶縁領域と、ゲート絶縁膜および前記絶縁領域上に配置されているゲート電極とを備え、前記第2埋込層は、前記ソース領域側の端部が前記絶縁領域の前記ソース領域側の端部より前記ソース領域側に配置されているとともに前記ドレイン領域と重なり、かつ前記ソース領域と重ならないように配置されている構成としている。
【0009】
本発明の半導体装置の製造方法は、第1導電型の半導体基板の第1埋込層形成予定領域に第2導電型の不純物を導入して第2導電型不純物注入領域を形成する工程と、第1導電型の前記半導体基板の第2埋込層形成予定領域と分離領域形成予定領域に、前記第2導電型の不純物より熱拡散速度の速い第1導電型の不純物を同時に導入して第1導電型不純物注入領域を形成する工程と、前記半導体基板上に第2導電型の半導体層を形成し、前記半導体層と前記半導体基板との間に前記第2導電型不純物注入領域から不純物が拡散した第1埋込層と、前記第1導電型不純物注入領域から不純物が拡散した第2埋込層および下部分離領域とを形成する工程と、前記半導体層表面に形成されている第1導電型のボディ領域表面に第2導電型のソース領域および第1導電型のボディコンタクト領域を形成する工程と、前記半導体層表面のドリフト領域表面に第2導電型のドレイン領域を形成する工程と、ゲート電極形成予定領域の前記ドリフト領域表面に絶縁領域を形成する工程と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間のチャネル領域上にゲート絶縁膜を介し、前記絶縁領域上に延在するゲート電極を形成する工程とを含み、前記第2埋込層は、前記ソース領域側の端部が前記絶縁領域の前記ソース領域側の端部より前記ソース領域側に配置されているとともに前記ドレイン領域と重なり、かつ前記ソース領域と重ならないように形成されている構成としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の半導体装置によれば、ソース領域の直下にリサーフ構造として機能する第2埋込層が配置されていないことで、ソース領域と基板間の耐圧を低下させることなく、所望のドレイン領域とソース領域間の耐圧および基板耐圧を有する半導体装置を提供することができる。また本発明の半導体装置の製造方法によれば、リサーフ構造として機能する第2埋込層と分離領域として機能する下部分離領域とを同時に形成することができ、製造コストを増加させることなく不純物濃度の低い第2埋込層を形成することができ、所望のドレイン領域とソース領域間の耐圧および基板耐圧を有する半導体装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の半導体装置の一実施形態の説明図である。
図2】本発明の半導体装置の製造方法の一実施態様の説明図である。
図3】本発明の半導体装置の製造方法の一実施態様の説明図である。
図4】本発明の半導体装置の製造方法の一実施態様の説明図である。
図5】本発明の半導体装置の製造方法の一実施態様の説明図である。
図6】本発明の半導体装置の製造方法によりP型不純物注入領域の幅を変更した場合のドレイン-ソース間耐圧を示すグラフである。
図7】本発明の半導体装置の製造方法によりP型不純物注入領域の幅を変更した場合のドレイン-半導体基板間耐圧を示すグラフである。
図8】本発明の半導体装置の製造方法によりP型不純物注入領域の幅を変更した場合のソース-半導体基板間耐圧を示すグラフである。
図9】従来の半導体装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、図面を参照しながら本発明の半導体装置の実施形態およびその製造方法の実施態様を説明するが、本発明はこれらの実施形態および実施態様に限定されるものではなく、以下に説明する部材、材料等は、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。また図面において同一符号は同等あるいは同一のものを示し、各構成要素間の大きさや位置関係などは便宜上のものであり、実態を反映したものではない。
【0013】
(実施形態)
図1は、本発明の半導体装置の実施形態を説明するための説明図であり、LDMOSFETの断面模式図である。図1に示すように、本実施形態の半導体装置100は、P型の半導体基板1上に半導体層に相当する低濃度N型のエピタキシャル層2が形成され、半導体基板1とエピタキシャル層2との間に第1埋込層に相当するN型埋込層3と第2埋込層に相当するP型埋込層4が形成されている。P型埋込層4はN型埋込層3と接して形成されている。エピタキシャル層2の表面には、P型のボディ領域5が形成され、ボディ領域5の表面に高濃度N型のソース領域6が形成されている。またボディ領域5と離間したエピタキシャル層2の表面に、N型のドリフト領域7が形成され、ドリフト領域7の表面に高濃度のN型のドレイン領域8が形成されている。ソース領域6とドレイン領域8との間のチャネル領域となるボディ領域5、エピタキシャル層2およびドリフト領域7上には、ゲート絶縁膜を介してポリシリコンからなるゲート電極9が形成されている。10はソース領域6とドレイン領域8との間のドリフト領域7の表面に形成されている絶縁領域に相当するフィールド酸化膜で、ゲート電極9の一部がこのフィールド酸化膜10上に積層されている。11はエピタキシャル層2の一部を取り囲み半導体装置形成予定領域を区画する分離領域で、P型領域の下部分離領域11aと上部分離領域11bとで構成されている。12は高濃度のP型のボディコンタクト領域である。
【0014】
本実施形態の半導体装置100は、P型埋込層4がリサーフ構造の一部に相当し、P型埋込層4のソース領域6(ボディ領域5)側の端部は、フィールド酸化膜10のソース領域6側端部よりもソース領域6側に配置されている。またP型埋込層4はドレイン領域8と重なり、ソース領域6と重ならない位置に形成されている。P型埋込層4をこのように配置すると、P型埋込層4はフローティング状態であっても、周囲を取り囲むN型領域(エピタキシャル層2およびドリフト領域7)と接触してPN接合が形成され、その接合部に第1空乏層に相当する空乏層が形成される。またボディ領域5も、周囲を取り囲むN型領域(エピタキシャル層2)と接触してPN接合が形成され、その接合部に第2空乏層に相当する空乏層が形成される。
【0015】
ソース領域6、ボディ領域5および半導体基板1を0Vとし、ドレイン領域8に印加する電圧を高くしていくと、第2空乏層が拡がる。一方、周囲の電界の影響を受けて第1空乏層も拡がる。
【0016】
ドレイン領域8に印加する電圧が所定の電圧に達すると、第1空乏層と第2空乏層が相互につながる。この空乏化によりボディ領域5表面の電界強度が緩和され、ドレイン領域8とソース領域6間の高耐圧化を図ることが可能となる。このように本実施形態に係るP型埋込層4がリサーフ構造として機能することになる。
【0017】
基板耐圧について説明する。まずドレイン領域8と半導体基板1間の基板耐圧について説明する。P型埋込層4は、一般的なこの種の半導体装置のP型埋込層の不純物濃度と比較して不純物濃度が低くできる。この不純物濃度は、同じ深さに形成されている下部分離領域11aの端部の不純物濃度とほぼ同じとなる。P型埋込層4を構成するP型の不純物は、下部分離領域11aを構成するP型の不純物とほぼ等しい濃度プロファイルでN型埋込層3およびP型埋込層4内に拡散しているが、比較的不純物濃度の高い領域にはN型埋込層3を構成するN型の不純物の方が多く存在するためN型の導電型を示すN型埋込層3となり、P型の導電型を示す領域は不純物濃度の低い領域となっているからである。これは後述するように、P型埋込層4が下部分離領域11aと同時に形成され、またN型埋込層3とも同時に形成されるためである。その結果、リサーフ構造を備えながらドレイン領域8と半導体基板1間の基板耐圧の低下を抑制し基板耐圧を高く保つことが可能となる。
【0018】
次にソース領域6と半導体基板1間の基板耐圧について説明する。本実施形態の半導体装置は、ソース領域6の直下にP型埋込層4がないので、ソース領域6と半導体基板1間の基板耐圧を高くすることができる。また本実施形態の半導体装置100においては、ソース領域6と半導体基板1を電気的に分離することができるため、半導体基板1を0V、ボディ領域5およびソース領域6を半導体基板1より高い電位とし、ドレイン領域8に印加する電圧を高くしていくと、第2空乏層が拡がる。一方、周囲の電界の影響を受けて第1空乏層も拡がる。そのため本実施形態の半導体装置100は、ハイサイド素子として使用される場合であってもP型埋込層4がリサーフ構造として機能し、ドレイン領域8とソース領域6間の高耐圧化を図ることが可能となる。
【0019】
当然ながら、P型埋込層4の不純物濃度やエピタキシャル層2の不純物濃度、P型埋込層4とボディ領域5との間の寸法、P型埋込層4とドリフト領域7との間の寸法等により、半導体装置100のドレイン領域8とソース領域6間の耐圧、ドレイン領域8と半導体基板1間、ソース領域6と半導体基板1間の基板耐圧が変わるので、不純物濃度や寸法は適宜設定する必要がある。
【0020】
なお、図1に示す例では、半導体装置100のオン抵抗を低減させるためドリフト領域7をエピタキシャル層2表面に形成されたN型領域で構成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図1に示すドリフト領域7を形成せず、N型のエピタキシャル層2の一部をドリフト領域とすることができる。この場合、ドレイン領域8よりソース領域6側のエピタキシャル層2の一部がドリフト領域となる。また例えば、図1に示すエピタキシャル層2がN型ウエル領域であってもよい。この場合、N型ウエル内にボディ領域5、ドリフト領域7等が形成され、ドレイン領域8よりソース領域6側のN型ウエルの一部がドリフト領域となる。
【0021】
(半導体装置の製造方法)
次に、本発明の半導体装置の製造方法の実施態様について説明する。
【0022】
図2~5は本発明の半導体装置の製造方法の一実施態様の説明図で、上述の実施形態で説明した半導体装置100の製造方法の説明図である。まず、P型の半導体基板1を用意し、第1埋込層形成予定領域に相当するN型埋込層形成予定領域にN型不純物であるアンチモン(Sb)またはヒ素(As)をイオン注入し、第2導電型不純物注入領域に相当するN型不純物注入領域13を形成する。イオン注入条件は、一例としてドーズ量1×1015~3×1015/cm2、注入エネルギー40keV程度とする。また、第2埋込層形成予定領域に相当するP型埋込層形成予定領域にP型不純物であるホウ素(B)を注入し、第1導電型不純物注入領域に相当するP型不純物注入領域14を形成する。P型不純物注入領域14は後述するドレイン領域が形成される領域と重なる領域に形成する。イオン注入条件は、一例としてドーズ量2×1014~4×1014/cm2、注入エネルギー30keV程度とする。図2に示すように、P型不純物注入領域14はN型不純物注入領域13の一部と重なるように形成される。図2に矢印で示す幅WをP型不純物注入領域14の幅とすると、例えば幅Wを2μm程度とする。
【0023】
またP型不純物であるホウ素は、分離領域形成予定領域にも同時にイオン注入され、第1導電型不純物注入領域に相当するP型不純物注入領域15が形成される。ここで注入される不純物は、P型不純物の熱拡散速度がN型不純物の熱拡散速度より速い不純物から選択される。また、N型不純物のドーズ量がP型不純物のドーズ量より多くなるようにイオン注入条件が設定される。
【0024】
イオン注入による欠陥回復の熱処理を行った後、半導体基板1上に半導体層に相当する低濃度N型のエピタキシャル層2を成長させる。ドレイン領域とソース領域間の耐圧が50~100V程度の半導体装置を形成する場合、エピタキシャル層2は、例えば比抵抗が1~3Ωcm、厚さ5~8μm程度成長させる。一例としてドレイン領域とソース領域間の耐圧が70V程度の半導体装置を形成する場合、1.6Ωcm、厚さ5.5μm程度成長させる。このエピタキシャル成長工程で、N型不純物注入領域13、P型不純物注入領域14、15に注入された不純物イオンが半導体基板1およびエピタキシャル層2中に拡散し、第1埋込層に相当するN型埋込層3、第2埋込層に相当するP型埋込層4および下部分離領域11aが形成される。注入されたP型不純物はN型不純物と比較して熱拡散速度が速いため、図3に示すようにN型埋込層3の外側にN型埋込層に接するようにP型埋込層4が形成される。P型埋込層4を形成するために注入されたP型不純物はN型埋込層3中にも拡散しているが、N型不純物のドーズ量がP型不純物のドーズ量より多いため、両不純物が拡散している領域はN型埋込層3が形成される。
【0025】
P型埋込層4と下部分離領域11aは、同一のイオン注入条件、熱処理条件で形成されるが、P型埋込層4となる領域は、拡散領域の端部に相当し不純物濃度が低い領域となる。
【0026】
エピタキシャル層2表面からドリフト領域形成予定領域にN型不純物、例えばヒ素をイオン注入する。またボディ領域形成予定領域および上部分離領域形成予定領域にP型不純物をイオン注入する。その後、フィールド酸化膜形成予定領域を開口するように窒化膜等のマスク膜を形成して絶縁領域に相当するフィールド酸化膜10を形成する。このフィールド酸化膜10を形成するための熱処理により注入された不純物イオンが拡散し、ボディ領域5、ドリフト領域7および上部分離領域11bが形成される(図4)。ボディ領域5を形成するためのイオン注入は、必ずしも上部分離領域11bを形成するためのイオン注入と同時に行う必要はない。
【0027】
ボディ領域5およびドリフト領域7と、N型埋込層3およびP型埋込層4との配置は、P型埋込層4とドリフト領域7とが重なるように配置され、P型埋込層4とボディ領域7とが重ならないように配置されている。また、N型埋込層3とボディ領域5およびドリフト領域7とが重なるように配置されている。さらにまた、P型埋込層4のボディ領域5側(後工程で形成されるソース領域側)の端部は、フィールド酸化膜10のボディ領域5側端部よりボディ領域5側に配置されている。なお、P型埋込層4のボディ領域5側の端部と、ボディ領域5のドリフト領域7側の端部は、重ならないように配置するのが好ましい。また後述するように、P型埋込層4は、ドレイン領域8と重なり、ソース領域6と重ならない配置とする。
【0028】
その後、ボディ領域5表面から、ソース領域形成予定領域にN型不純物、例えばヒ素をイオン注入する。同時にドリフト領域7表面から、ドレイン領域形成予定領域にN型不純物をイオン注入する。またボディ領域5表面から、ボディコンタクト領域形成予定領域にP型不純物をイオン注入する。
【0029】
ゲート酸化膜を形成するため、全面を熱酸化する。この熱酸化のための熱処理により、ソース領域6、ドレイン領域8およびボディコンタクト領域12が形成される。図5に示すように、ソース領域6はN型埋込層3のみと重なり、P型埋込層4と重ならない配置となる。ドレイン領域8はP型埋込層4と重なる配置となる。
【0030】
ソース領域6とドレイン領域8との間のチャネル領域となるボディ領域5、エピタキシャル層2およびドリフト領域7上に、ゲート絶縁膜を介してポリシリコンからなるゲート電極9を形成する。ゲート電極9の一部は、フィールド酸化膜10上に積層される(図5)。
【0031】
以下、通常の半導体装置の製造方法に従い、ソース領域6およびドレイン領域8に接続する電極や表面保護膜、配線等を形成して半導体装置100を完成させる。なお、図1、5に示す半導体装置100ではソース領域6に接続する電極等は図示を省略している。
【0032】
本実施態様の半導体装置の製造方法により形成される半導体装置100は、上述の本発明の実施形態で説明したように、リサーフ構造を備えることでドレイン領域8とソース領域6間の高耐圧化を図ることができ、さらにソース領域6と半導体基板1間の基板耐圧、ドレイン領域8と半導体基板1間の基板耐圧の低下を抑制できる。
【0033】
所望のドレイン領域8、ソース領域6間耐圧や基板耐圧となる半導体装置100を形成するため本実施態様の半導体装置の製造方法では、図2で説明したP型不純物注入領域14の注入幅を適宜設定すればよい。ここで「注入幅」とは、図2に矢印で示す幅Wである。この注入幅を変更することで、形成されるP型埋込層4の配置と不純物濃度を変更することができる。
【0034】
ドレイン領域8とソース領域6間の耐圧について説明する。P型不純物注入領域14の中心をドレイン領域形成予定領域の中心と一致させ、P型不純物注入領域14の幅を変更して形成された半導体装置のドレイン領域8とソース領域6間の耐圧(ドレイン-ソース間耐圧)を図6に示す。P型不純物注入領域14の幅が0μmは、P型埋込層4のない構造となる。図6に示すようにドレイン-ソース間耐圧は、P型不純物注入領域14の幅の増加とともに上昇し、2μmを超えると低下する。
【0035】
P型不純物注入領域14の幅を広げると、形成されるP型埋込層4の幅が広がりボディ領域5に近づくことになる。そのため、P型埋込層4とエピタキシャル層2とのPN接合により形成されている第1空乏層に相当する空乏層と、ボディ領域5から拡がる第2空乏層に相当する空乏層がつながり、ボディ領域5表面の電界強度を低くすることができる。図6に示す例では、P型不純物注入領域14の幅が2μmのとき、70Vを超える耐圧となり、P型埋込層14のない場合(P型不純物注入領域の幅が0μmの場合)と比較して、特性改善が図られていることがわかる。
【0036】
また、P型不純物注入領域14の幅が2μmを超えるとドレイン-ソース間耐圧が低下する傾向を示す。これは、P型不純物注入領域14の幅を広げることで、形成されるP型埋込層4がソース領域6に近づいたため、またはP型埋込層4の不純物濃度が高くなるためと考えられる。
【0037】
このような場合には、ドレイン領域8とソース領域6との離間幅を大きくしたり、ドリフト領域7の不純物濃度を低くする等の設計変更を行えば、さらにドレイン領域8とソース領域6間の耐圧を改善することができる。
【0038】
ドレイン領域8と半導体基板1間の基板耐圧について説明する。P型不純物注入領域14の中心とドレイン領域形成予定領域の中心を一致させ、P型不純物注入領域14の幅を変更して形成された半導体装置のドレイン領域8と半導体基板1間の基板耐圧(ドレイン-半導体基板間耐圧)を図7に示す。P型不純物注入領域14の幅が0μmは、P型埋込層4のない構造となる。図7に示すようにドレイン-半導体基板間耐圧は、P型不純物注入領域14の幅の増加とともに低下する。
【0039】
P型不純物注入領域14の幅を広げると、形成されるP型埋込層4の不純物濃度が高くなる。そのためP型埋込層4とドレイン領域8とのPN接合の耐圧が下がり、ドレイン-半導体基板間耐圧が低下していると考えられる。しかしながら、本実施態様の製造方法により形成される半導体装置100は、P型埋込層4の不純物濃度が低い。そのため、ドレイン-半導体基板間耐圧は、図6で説明したドレイン-ソース間耐圧(P型不純物注入領域の幅2μmで、72V)を超える基板耐圧(P型不純物注入領域の幅2μmで、75V程度)が得られ、問題なく使用可能な半導体装置100が得られる。
【0040】
ドレイン領域8とソース領域6の耐圧を改善するためドレイン領域8とソース領域6との離間幅を変える等の設計変更を行えば、ドレイン領域8と半導体基板1間の基板耐圧も変動するので、好適な設計変更を行い、所望のドレイン領域8と半導体基板1間の基板耐圧とすればよい。
【0041】
ソース領域6と半導体基板1間の基板耐圧について説明する。P型不純物注入領域14の中心とドレイン領域形成予定領域の中心を一致させ、P型不純物注入領域14の幅を変更して形成された半導体装置のソース領域6と半導体基板1間の基板耐圧(ソース-半導体基板間耐圧)を図8に示す。P型不純物注入領域14の幅が0μmは、P型埋込層4のない構造となる。図8に示すようにソース-半導体基板間耐圧は、P型不純物注入領域14の幅の増加とともに低下する。
【0042】
P型不純物注入領域14の幅を広げると、形成されるP型埋込層4がソース領域6に近づき、またはP型埋込層4の不純物濃度が高くなるため、P型埋込層4とソース領域6とのPN接合の耐圧が下がり、ソース-半導体基板間耐圧が低下していると考えられる。しかしながら、本実施態様の製造方法により形成される半導体装置100は、P型埋込層4の不純物濃度が低い。そのため、ソース-半導体基板間耐圧は、図6で説明したドレイン-ソース間耐圧(P型不純物注入領域の幅2μmで、72V)と同等の基板耐圧(P型不純物注入領域の幅2μmで、約71V)が得られ、問題なく使用可能な半導体装置100が得られる。
【0043】
ドレイン領域8とソース領域6の耐圧を改善するためドレイン領域8とソース領域6との離間距離を変える等の設計変更を行えば、ソース領域6、半導体基板1間の基板耐圧も変動するので、好適な設計変更を行い、所望のソース領域6と半導体基板1間の基板耐圧とすればよい。
【0044】
以上説明したように本実施態様の半導体装置の製造方法によれば、N型不純物注入領域13とN型不純物より拡散速度の速い不純物が注入されたP型不純物注入領域14から、それぞれ不純物を拡散させてN型埋込層3とP型埋込層4を形成し、ボディ領域5、ソース領域6、ドレイン領域8等を所望の位置に形成するために追加の工程を必要とせず、製造コストの上昇を招かない製造方法となる。また、図2に示すP型不純物注入領域14の幅を適宜設定することで、形成されるP型埋込層4の配置とその不純物濃度を変更することができ、ドレイン領域8とソース領域6間の耐圧や、ドレイン領域8と半導体基板1間の基板耐圧、ソース領域6と半導体基板1間の基板耐圧を適宜設定することができ、簡便な製造方法となる。特にP型不純物注入領域14の幅を変えるために要する製造コストは、イオン注入用マスクの変更に要するコストのみとなり、製造コストが大幅に増加することはない。
【0045】
以上本発明の半導体装置の製造方法の実施態様について説明したが本発明はこれらの実施態様に限定されない。例えば、半導体装置100のドリフト領域7をN型のエピタキシャル層で構成する半導体装置を製造する場合、エピタキシャル層を所望の不純物濃度で、所望の厚さに形成すればよい。また、ボディ領域5およびドリフト領域7を形成する領域にNウエルで構成する半導体装置を製造する場合、エピタキシャル層等に所望のNウエルを形成すればよい。
【0046】
(まとめ)
(1)本発明の半導体装置の一実施形態は、第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板上に配置されている前記第1導電型と逆導電型の第2導電型の半導体層と、前記半導体層表面から前記半導体基板に達する第1導電型の分離領域と、前記半導体基板と前記半導体層との間に配置されている第2導電型の第1埋込層と、前記第1埋込層上の前記半導体層内に前記第1埋込層と接して配置されている第1導電型の第2埋込層と、前記半導体層表面に配置され、前記第2埋込層と離間して配置されている第1導電型のボディ領域と、前記ボディ領域表面に配置されている第2導電型のソース領域および第1導電型のボディコンタクト領域と、前記半導体層表面のドリフト領域と、前記ドリフト領域表面に配置されている第2導電型のドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間の前記ドリフト領域表面に配置されている絶縁領域と、ゲート絶縁膜および前記絶縁領域上に配置されているゲート電極とを備え、前記第2埋込層は、前記ソース領域側の端部が前記絶縁領域の前記ソース領域側の端部より前記ソース領域側に配置されているとともに前記ドレイン領域と重なり、かつ前記ソース領域と重ならないように配置されている構成とすることができる。
【0047】
(2)前記第2埋込層が、前記ソース領域および前記ドレイン領域間に電圧が印加される場合、前記第2埋込層と前記半導体層との接合部に形成される第1空乏層と前記ボディ領域と前記半導体層との接合により形成される第2空乏層とがつながるように設けられている構成とすることができる。
【0048】
本発明の半導体装置によれば、ソース領域6とドレイン領域8に印加する電圧を高くしていくと、P型埋込層4(第2埋込層)と周囲のエピタキシャル層2(半導体層)とのPN接合により形成されている空乏層(第1空乏層)と、ボディ領域5と周囲のエピタキシャル層2(半導体層)とのPN接合により形成される空乏層(第2空乏層)とが相互につながることで、ボディ領域5表面の電界強度が緩和され、ドレイン領域8とソース領域6間の高耐圧化を図ることが可能となる。さらに、ドレイン領域8の直下に配置されている第2埋込層(P型埋込層4)の不純物濃度は低く、ドレイン領域8と半導体基板1との間の基板耐圧も高くなる。またボディ領域5の直下にP型埋込層4(第2埋込層)を配置しない構造とすることで、ソース領域6と半導体基板1との間の基板耐圧も高くなる。
【0049】
(3)本発明の半導体装置の製造方法の一実施態様では、第1導電型の半導体基板の第1埋込層形成予定領域に第2導電型の不純物を導入して第2導電型不純物注入領域を形成する工程と、第1導電型の前記半導体基板の第2埋込層形成予定領域と分離領域形成予定領域に、前記第2導電型の不純物より熱拡散速度の速い第1導電型の不純物を同時に導入して第1導電型不純物注入領域を形成する工程と、前記半導体基板上に第2導電型の半導体層を形成し、前記半導体層と前記半導体基板との間に前記第2導電型不純物注入領域から不純物が拡散した第1埋込層と、前記第1導電型不純物注入領域から不純物が拡散した第2埋込層および下部分離領域とを形成する工程と、前記半導体層表面に形成されている第1導電型のボディ領域表面に第2導電型のソース領域および第1導電型のボディコンタクト領域を形成する工程と、前記半導体層表面のドリフト領域表面に第2導電型のドレイン領域を形成する工程と、ゲート電極形成予定領域の前記ドリフト領域表面に絶縁領域を形成する工程と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間のチャネル領域上にゲート絶縁膜を介し、前記絶縁領域上に延在するゲート電極を形成する工程とを含み、前記第2埋込層は、前記ソース領域側の端部が前記絶縁領域の前記ソース領域側の端部より前記ソース領域側に配置されているとともに前記ドレイン領域と重なり、かつ前記ソース領域と重ならないように形成される構成とすることができる。
【0050】
(4)前記第1導電型不純物注入領域を形成する工程において、前記第1導電型不純物注入領域は、少なくとも一部がドレイン領域形成予定領域に重なるとともに、前記ソース領域形成予定領域側の端部の位置が、目的とする前記第2埋込層の配置と不純物濃度を得るために必要となる前記第1導電型不純物注入領域の幅となるように設定される構成とすることができる。
【0051】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、N型不純物注入領域13とN型不純物より拡散速度の速い不純物が注入されたP型不純物注入領域14から、N型埋込層3(第1埋込層)とP型埋込層4(第2埋込層)を形成し、ボディ領域5、ソース領域6、ドレイン領域8等を所望の位置に形成するために追加の工程を必要とせず、製造コストの上昇を招かない製造方法となる。また、P型不純物注入領域14の幅を適宜設定することで、形成されるP型埋込層4の配置とその不純物濃度を変更することができる。その結果、ソース領域6とドレイン領域8に所望の電圧が印加されるとき、P型埋込層4(第2埋込層)と周囲のエピタキシャル層2(半導体層)とのPN接合により形成されている空乏層(第1空乏層)とボディ領域5と周囲のエピタキシャル層2(半導体層)とのPN接合により形成される空乏層(第2空乏層)が相互につながるように形成することができ、ドレイン領域8とソース領域6間の耐圧や、ドレイン領域8と半導体基板1間の基板耐圧、ソース領域6と半導体基板1間の基板耐圧を適宜設定することができ、簡便な製造方法となる。
【符号の説明】
【0052】
100、200 半導体装置
1、21 半導体基板
2、22 エピタキシャル層
3、23 N型埋込層
4、24 P型埋込層
5、25 ボディ領域
6、26 ソース領域
7、27 ドリフト領域
8、28 ドレイン領域
9、29 ゲート電極
10、30 フィールド酸化膜
11、31 分離領域
11a、31a 下部分離領域
11b、31b 上部分離領域
12 ボディコンタクト領域
13 N型不純物注入領域
14、15 P型不純物注入領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9