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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177782
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】発光器具
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/559 20160101AFI20231207BHJP
【FI】
E01F9/559
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090640
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】眞鍋 博紀
(72)【発明者】
【氏名】小田 英希
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 浩樹
【テーマコード(参考)】
2D064
【Fターム(参考)】
2D064AA04
2D064AA22
2D064BA11
2D064CA01
2D064CA04
2D064CA09
2D064EB05
2D064EB33
2D064GA01
2D064GA02
(57)【要約】
【課題】道路上を移動する車両および歩行者の快適性を損なうことなく、車両の運転者および歩行者に確実に視認させることができる発光器具を提供する。
【解決手段】移動体が移動する道路Rに設置される発光器具10であって、光を放出する発光体20と、互いに移動体の移動する方向に配置される第1側板部32および第2側板部33の間に発光体20が収容される収容空間30aが形成され、上面側に開口部30bを有するケース30と、発光体20から放出された光を透過可能な部材からなり、開口部30bを閉鎖するカバー40と、を備え、開口部30bを閉鎖した状態のカバー40の上面は、道路Rの路面Gと面一となり、発光体20は、ケース30の収容空間30aにおける第1側板部32側に配置されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が移動する道路に設置される発光器具であって、
光を放出する発光体と、
互いに移動体の移動する方向に配置される第1側板部および第2側板部の間に前記発光体が収容される収容空間が形成され、上面側に開口部を有するケースと、
前記発光体から放出された光を透過可能な部材からなり、前記開口部を閉鎖するカバーと、を備え、
前記開口部を閉鎖した状態の前記カバーの上面は、道路の路面と面一であり、
前記発光体は、前記ケースの収容空間における前記第1側板部側に配置されている
発光器具。
【請求項2】
前記発光体は、光を放出する方向が、前記第1側板部から前記第2側板部に向かって斜め上方に向けられている
請求項1に記載の発光器具。
【請求項3】
前記第2側板部は、前記収容空間側に所定以下の反射率となる低反射面を有している
請求項2に記載の発光器具。
【請求項4】
前記ケースは、前記第2側板部側において、前記発光体から放出された光を反射させる反射部を有している
請求項1に記載の発光器具。
【請求項5】
前記反射部は、前記第2側板部の前記収容空間側に位置する平滑面である
請求項4に記載の発光器具。
【請求項6】
前記反射部は、前記収容空間の前記第2側板部側に設けられた反射鏡である
請求項4に記載の発光器具。
【請求項7】
前記反射鏡は、前記第2側板部から前記第1側板部に向かって斜め上方に鏡面が向けられている
請求項6に記載の発光器具。
【請求項8】
前記発光体から放出された光を複数に分岐して前記反射部に当てる多角形レンズを備える
請求項4に記載の発光器具。
【請求項9】
前記発光体から放出された光を集めて前記反射部に当てる凸レンズを備える
請求項4に記載の発光器具。
【請求項10】
前記反射部は、複数の凹凸が形成された凹凸面である
請求項4に記載の発光器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路に設置される発光器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の発光器具としては、ランプが取り付けられた歩行ブロックおよび傾斜ブロックを道路の路面に沿って配置し、ランプを点灯させることにより、道路を移動する移動体としての車両の運転者および歩行者に対して横断歩道を認識させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-90599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の発光器具は、車両の運転者および歩行者に対して横断歩道を認識させることはできるが、路面に歩行ブロックおよび傾斜ブロックを設置しているため、路面に凹凸が形成されることになり、道路を移動する車両および歩行者の快適性が損なわれるおそれがある。
【0005】
本発明の目的とするところは、道路上を移動する車両および歩行者の快適性を損なうことなく、車両の運転者および歩行者に確実に視認させることができる発光器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る発光器具は、移動体が移動する道路に設置される発光器具であって、光を放出する発光体と、互いに移動体の移動する方向に配置される第1側板部および第2側板部の間に前記発光体が収容される収容空間が形成され、上面側に開口部を有するケースと、前記発光体から放出された光を透過可能な部材からなり、前記開口部を閉鎖するカバーと、を備え、前記開口部を閉鎖した状態の前記カバーの上面は、道路の路面と面一であり、前記発光体は、前記ケースの収容空間における前記第1側板部側に配置されている。
【0007】
また、本発明に係る発光器具は、前記発光体の光を放出する方向が、前記第1側板部から前記第2側板部に向かって斜め上方に向けれられている。
【0008】
また、本発明に係る発光器具は、前記第2側板部が、前記収容空間側に所定以下の反射率となる低反射面を有している。
【0009】
また、本発明に係る発光器具は、前記ケースが、前記第2側板部側において、前記発光体から放出された光を反射させる反射部を有している。
【0010】
また、本発明に係る発光器具は、前記反射部が、前記第2側板部の前記収容空間側に位置する平滑面である。
【0011】
また、本発明に係る発光器具は、前記反射部が、前記収容空間の前記第2側板部側に設けられた反射鏡である。
【0012】
また、本発明に係る発光器具は、前記反射鏡が、前記第2側板部から前記第1側板部に向かって斜め上方に鏡面が向けられている。
【0013】
また、本発明に係る発光器具は、前記発光体から放出された光を複数に分岐して前記反射部に当てる多角形レンズを備える。
【0014】
また、本発明に係る発光器具は、前記発光体から放出された光を集めて前記反射部に当てる凸レンズを備える。
【0015】
また、本発明に係る発光器具は、前記反射部は、複数の凹凸が形成された凹凸面である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、道路の路面に凹凸を形成することなく、カバーを透過した光を路面上において斜め上方に照射させることができるので、道路を移動する車両および歩行者の快適性を損なうことなく、車両の運転者および歩行者に確実に光を視認させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態に係る発光器具を説明する概略図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る発光器具が設置された路面の斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る発光器具の横断面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る発光器具の横断面図である。
図5】本発明の第3実施形態に係る発光器具の横断面図である。
図6】本発明の第4実施形態に係る発光器具の横断面図である。
図7】本発明の第5実施形態に係る発光器具の横断面図である。
図8】本発明の第6実施形態に係る発光器具の横断面図である。
図9】本発明の第7実施形態に係る発光器具の横断面図である。
図10】本発明の第8実施形態に係る発光器具の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
図1乃至図3は、本発明の第1実施形態を示すものである。図1は発光器具を説明する概略図であり、図2は発光器具が設置された路面の斜視図であり、図3は発光器具の横断面図である。
【0019】
本実施形態の発光器具10は、例えば、図1に示すように、移動体としての車両M1が走行する車道R1と、車道R1の幅方向両側に配置され、移動体としての歩行者M2や自転車M3が移動する歩道R2と、歩行者M2が車道R1を横切る際に用いられる横断歩道R3と、を有する道路Rに設置されるものである。発光器具10は、例えば、車両M1と歩行者M2との衝突等、移動体同士の衝突を防止するために、車道R1を走行する車両M1が歩道R2を横切る箇所および横断歩道R3の近傍等、車両M1の移動経路と歩行者M2および自転車M3の移動経路とが交差する位置に設置される。発光器具10は、道路Rの路面から線状の光を斜め上方に向けて照射するようになっており、車両M1、歩行者M2および自転車M3の停止線として機能させることも可能である。
【0020】
発光器具10は、図2に示すように、例えば、発電所から供給される電力を各需要設備に対して送る送電線または配電線や、複数の無線基地局装置と交換局との間で送受信される信号を送るための通信線等の複数のケーブルを収容するケーブル収容容器1の蓋体1aに設置される。発光器具10は、例えば、道路R上の雨水等の排水を流通させる側溝の蓋に設置することも可能である。
【0021】
発光器具10は、図3に示すように、光を放出する発光体20と、発光体20が収容される収容空間30aを有し、上面側に開口部30bが形成されたケース30と、ケース30の開口部30bを閉鎖するカバー40と、を有している。
【0022】
発光体20は、複数のLED素子を接続することによって紐状または棒状に形成され、長さ方向の全体にわたって光を放出するものである。発光体20は、ケーブル収容容器1に収容されたケーブルから電力の供給を受けることによって発光する。発光体20は、例えば、ケース30に収容した専用のバッテリから電力の供給を受けることによって発光するようにしてもよい。この場合に、専用のバッテリは、例えば、ケース30またはカバー40に設置した太陽電池によって充電すればよい。
【0023】
ケース30は、例えば、ステンレス鋼等の金属製の部材からなる。ケース30は、底板部31と、底板部31の幅方向両側からそれぞれ上方に延びる第1側板部32および第2側板部33と、を有する直線状に延びる部材である。即ち、ケース30は、横断面形状がU字型に形成され、底板部31、第1側板部32および第2側板部33に囲まれる空間が収容空間30aとなり、第1側板部32の上端側と第2側板部33の上端側との間が開口部30bとなる。ケース30は、第1側板部32および第2側板部33が互いに車両M1、歩行者M2または自転車M3の移動する方向に配置され、第1側板部32の上端部および第2側板部33の上端部が道路Rの路面Gと同じ高さとなるように設置される。
【0024】
ここで、ケース30の収容空間30aに収容される発光体20は、収容空間30aにおいて、第1側板部32側に配置され、光を放出する方向が第2側板部33側に向けられている。
【0025】
カバー40は、透明な樹脂製またはガラス製の部材からなる。カバー40は、幅方向の大きさが、ケース30の第1側板部32と第2側板部33との間に嵌合する大きさに形成され、長手方向の大きさが、ケース30の開口部30bの長手方向の全体を覆う大きさに形成されている。カバー40は、上面が、道路Rの路面Gと面一の高さとなるようにケース30に取り付けられる。
【0026】
以上のように構成された発光器具10において、発光体20から放出された光は、ケース30の収容空間30aにおいて、第1側板部32側から第2側板部33側に向かって進み、カバー40を透過して路面Gの上方且つ第2側板部33の外側に向かって斜め上方に向けて照射される。
【0027】
これにより、カバー40の上面から路面G上に放出された光は、ケース30の幅方向における第2側板部33の外側に向かって斜め上方に照射されるため、ケース30の幅方向における第2側板部33の外側から発光器具10に向かって移動する車両M1の運転者および歩行者M2が発光器具10から放出された光を容易に視認することが可能である。
【0028】
このように、本実施形態の発光器具10によれば、移動体が移動する道路Rに設置される発光器具10であって、光を放出する発光体20と、互いに移動体の移動する方向に配置される第1側板部32および第2側板部33の間に発光体20が収容される収容空間30aが形成され、上面側に開口部30bを有するケース30と、発光体20から放出された光を透過可能な部材からなり、開口部30bを閉鎖するカバー40と、を備え、開口部30bを閉鎖した状態のカバー40の上面は、道路Rの路面Gと面一となり、発光体20は、ケース30の収容空間30aにおける第1側板部32側に配置されている。
【0029】
これにより、道路Rの路面Gに凹凸を形成することなく、カバーを透過した光を路面G上において斜め上方に照射させることができるので、道路Gを移動する車両M1および歩行者M2の快適性を損なうことなく、道路Rを移動する車両M1の運転者および歩行者M2に確実に光を視認させることが可能となる。
【0030】
<第2実施形態>
図4は、本発明の第2実施形態を示すものであり、発光器具の横断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0031】
本実施形態の発光器具10は、発光体20の光を放出する方向が、第1側板部32から第2側板部33に向かって斜め上方に向けられている。
【0032】
また、本実施形態の発光器具10は、ケース30の第2側板部33の収容空間30a側の面が、所定以下の反射率となる低反射面33aとなっている。低反射面33aは、例えば、第2側板部33の収容空間30a側の面を黒色に塗装することによって構成される。低反射面33aは、例えば、反射率が50パーセント以下であることが好ましい。
【0033】
以上のように構成された発光器具10において、ケース30の第1側板部32側に配置された発光体20から放出される光の大部分は、カバー40を透過してケース30の幅方向における第2側板部33の外側に向けて照射される。
【0034】
また、発光体20から放出されてケース30の第2側板部33に到達した光の大部分は、低反射面33aにおいて吸収される。
【0035】
このように、本実施形態の発光器具10によれば、前記第1実施形態と同様に、道路Rの路面Gに凹凸を形成することなく、カバーを透過した光を路面G上において斜め上方に照射させることができるので、道路Gを移動する車両M1および歩行者M2の快適性を損なうことなく、道路Rを移動する車両M1の運転者および歩行者M2に確実に光を視認させることが可能となる。
【0036】
また、発光体20は、光を放出する方向が、第1側板部32から第2側板部33に向かって斜め上方に向けられている、ことが好ましい。
【0037】
これにより、発光体20から放出される光の大部分を、カバー40を介してケース30の幅方向における第2側板部33の外側に向けて照射することが可能となるので、ケース30の幅方向における第2側板部33側から発光器具10に向かって移動する車両M1の運転者および歩行者M2が発光器具10から照射される光をより確実に視認することが可能となる。
【0038】
また、第2側板部33は、収容空間30a側に所定以下の反射率となる低反射面33aを有している、ことが好ましい。
【0039】
これにより、第2側板部33の低反射面33aに到達した光の大部分は、反射することなく、吸収されることになるため、目的の方向にのみ光を放出することが可能となる。
【0040】
<第3実施形態>
図5は、本発明の第3実施形態を示すものであり、発光器具の横断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0041】
本実施形態の発光器具10は、ケース30が、収容空間30aの第2側板部33側において、発光体20から放出された光を反射させる反射部34を有している。
【0042】
反射部34は、ケース30の第2側板部33の収容空間30a側に位置する平滑面34aである。
【0043】
平滑面34aは、発光体20から放出された光を反射可能な、例えば、ケース30を構成するステンレス鋼等の金属板の表面である。平滑面34aは、例えば、反射率が60%である。
【0044】
以上のように構成された発光器具10において、ケース30の収容空間30aにおける第1側板部32側に配置された発光体20から放出された光は、第2側板部33の収容空間30a側の平滑面34aにおいて反射するとともに拡散し、カバー40を透過してケース30の幅方向における第1側板部32の外側に向けて照射される。
【0045】
このように、本実施形態の発光器具10によれば、前記第1実施形態と同様に、道路Rの路面Gに凹凸を形成することなく、カバーを透過した光を路面G上において斜め上方に照射させることができるので、道路Gを移動する車両M1および歩行者M2の快適性を損なうことなく、道路Rを移動する車両M1の運転者および歩行者M2に確実に光を視認させることが可能となる。
【0046】
また、ケース30は、第2側板部33側において、発光体20から放出された光を反射させる反射部34を有している、ことが好ましい。
【0047】
これにより、第1側板部32側に配置された発光体20から放出された光が、第2側板部33側において反射した後に、カバー40を透過してケース30の幅方向における第1側板部32の外側に向けて照射されるので、発光体20から放出された光が、収容空間30aにおいて拡散した後に、ケース30の外側に向けて照射することが可能となり、ケース30の幅方向における第1側板部32側から発光器具10に向かって移動する車両M1の運転者および歩行者M2が光をより確実に視認することが可能となる。
【0048】
また、反射部34は、第2側板部33の収容空間30a側に位置する平滑面34aである、ことが好ましい。
【0049】
これにより、ケース30を構成する部材の表面を、反射部34として機能させることが可能となるので、専用の加工を必要とすることなく反射部34を形成することが可能となり、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0050】
<第4実施形態>
図6は、本発明の第4実施形態を示すものであり、発光器具の横断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0051】
本実施形態の発光器具10は、第3実施形態と同様に、ケース30が、収容空間30aの第2側板部33側において、発光体20から放出された光を反射させる反射部34を有している。
【0052】
本実施形態の反射部34は、ケース30の第2側板部33の収容空間30a側の面に配置された反射鏡34bを有している。
【0053】
反射鏡34bは、例えば、ガラス板にメッキ処理を施すことによって構成され、第2側板部33の収容空間30a側の面に取り付けられている。反射鏡34bは、例えば、反射率が90%である。
【0054】
以上のように構成された発光器具10において、ケース30の収容空間30aにおける第1側板部32側に配置された発光体20から放出された光は、第2側板部33の収容空間30a側に配置された反射鏡34bにおいて反射するとともに拡散し、カバー40を透過してケース30の幅方向における第1側板部32の外側に向けて照射される。
【0055】
このように、本実施形態の発光器具10によれば、前記第1実施形態と同様に、道路Rの路面Gに凹凸を形成することなく、カバーを透過した光を路面G上において斜め上方に照射させることができるので、道路Gを移動する車両M1および歩行者M2の快適性を損なうことなく、道路Rを移動する車両M1の運転者および歩行者M2に確実に光を視認させることが可能となる。
【0056】
また、反射部34は、第2側板部33の収容空間30a側に設けられた反射鏡34bである、ことが好ましい。
【0057】
これにより、発光体20から放出されて第2側板部33側に到達する光が反射鏡34bによって確実に反射することになるため、ケース30の幅方向における第1側板部32の外側に向けて確実に光を照射することが可能となる。
【0058】
<第5実施形態>
図7は、本発明の第5実施形態を示すものであり、発光器具の横断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0059】
本実施形態の発光器具10は、第3および第4実施形態と同様に、ケース30が、収容空間30aの第2側板部33側において、発光体20から放出された光を反射させる反射部34を有している。
【0060】
本実施形態の反射部34は、第4実施形態と同様に、ケース30の第2側板部33の収容空間30a側の面に配置された反射鏡34bを有している。
【0061】
本実施形態の反射鏡34bは、第2側板部33から第1側板部32に向かって斜め上方に鏡面が向けれられた姿勢でケース30に取り付けられている。
【0062】
以上のように構成された発光器具10において、ケース30の収容空間30aにおける第1側板部32側に配置された発光体20から放出された光は、第2側板部33の収容空間30a側に配置された反射鏡34bにおいて反射するとともに拡散し、カバー40を透過してケース30の幅方向における第1側板部32の外側に向けて照射される。
【0063】
このように、本実施形態の発光器具10によれば、前記第1実施形態と同様に、道路Rの路面Gに凹凸を形成することなく、カバーを透過した光を路面G上において斜め上方に照射させることができるので、道路Gを移動する車両M1および歩行者M2の快適性を損なうことなく、道路Rを移動する車両M1の運転者および歩行者M2に確実に光を視認させることが可能となる。
【0064】
また、反射鏡34bは、第2側板部33から第1側板部32に向かって斜め上方に鏡面が向けられている、ことが好ましい。
【0065】
これにより、発光体20から放出され、反射鏡34bの鏡面において反射した光の大部分を、カバー40を介してケース30の幅方向における第1側板部32の外側に向けて照射させることが可能となるので、ケース30の幅方向における第1側板部32側から発光器具10に向かって移動する車両M1の運転者および歩行者M2が、発光器具10から照射される光をより確実に視認することが可能となる。
【0066】
<第6実施形態>
図8は、本発明の第6実施形態を示すものであり、発光器具の横断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0067】
本実施形態の発光器具10は、第3乃至第5実施形態と同様に、ケース30が、収容空間30aの第2側板部33側において、発光体20から放出された光を反射させる反射部34を有している。
【0068】
本実施形態の反射部34は、第3実施形態と同様に、ケース30の第2側板部33の収容空間30a側に位置する平滑面34aである。
【0069】
また、本実施形態の発光器具10は、発光体20の光源を覆う多角形レンズ21を備えている。発光体20の光源から放出された光は、多角形レンズ21によって分岐され、それぞれ平滑面34aに到達する。
【0070】
以上のように構成された発光器具10において、ケース30の収容空間30aにおける第1側板部32側に配置された発光体20から放出された光は、多角形レンズ21によって分岐され、第2側板部33の収容空間30a側の平滑面34aにおいてそれぞれ反射するとともに拡散し、カバー40を透過してケース30の幅方向における第1側板部32の外側に向けて照射される。
【0071】
このように、本実施形態の発光器具10によれば、前記第1実施形態と同様に、道路Rの路面Gに凹凸を形成することなく、カバーを透過した光を路面G上において斜め上方に照射させることができるので、道路Gを移動する車両M1および歩行者M2の快適性を損なうことなく、道路Rを移動する車両M1の運転者および歩行者M2に確実に光を視認させることが可能となる。
【0072】
また、前記発光体20から放出される光を複数に分岐して反射部34に当てる多角形レンズ21を備えている、ことが好ましい。
【0073】
これにより、第1側板部32側に配置された発光体20から放出された光が、多角形レンズ21によって複数に分岐されて第2側板部33側においてそれぞれ反射した後、カバー40を透過してケース30の幅方向における第1側板部32の外側に向けて照射されるので、発光体20から放出された光を、収容空間30aにおいて確実に拡散させた後に、ケース30の外側に向けて照射させることが可能となり、ケース30の幅方向における第1側板部32側から発光器具10に向かって移動する車両M1の運転者および歩行者M2が光をより確実に視認することが可能となる。
【0074】
<第7実施形態>
図9は、本発明の第7実施形態を示すものであり、発光器具の横断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0075】
本実施形態の発光器具10は、第3乃至第6実施形態と同様に、ケース30が、収容空間30aの第2側板部33側において、発光体20から放出された光を反射させる反射部34を有している。
【0076】
本実施形態の反射部34は、第3および第6実施形態と同様に、ケース30の第2側板部33の収容空間30a側に位置する平滑面34aである。
【0077】
本実施形態の発光器具10は、発光体20から放出された光を集めて平滑面34aに当てる凸レンズ34cを備えている。凸レンズ34cは、一方の面が平面状に形成された平凸レンズであり、収容空間30aにおいて、平面状に形成された一方の面が平滑面34aに当接するように配置されている。
【0078】
以上のように構成された発光器具10において、ケース30の収容空間30aにおける第1側板部32側に配置された発光体20から放出された光は、凸レンズ34cによって集められて第2側板部33の収容空間30a側の平滑面34aに当たって反射し、カバー40を透過してケース30の幅方向における第1側板部32の外側に向けて照射される。
【0079】
このように、本実施形態の発光器具10によれば、前記第1実施形態と同様に、道路Rの路面Gに凹凸を形成することなく、カバーを透過した光を路面G上において斜め上方に照射させることができるので、道路Gを移動する車両M1および歩行者M2の快適性を損なうことなく、道路Rを移動する車両M1の運転者および歩行者M2に確実に光を視認させることが可能となる。
【0080】
また、発光体20から放出される光を集めて反射部34に当てる凸レンズ34cを備える、ことが好ましい。
【0081】
これにより、発光体20から放出され、凸レンズ34cによって集められた光が、反射部34に当たって反射するため、光度を高めた光を、カバー40を透過してケース30の幅方向における第1側板部32の外側に向けて照射することができるので、ケース30の幅方向における第1側板部32側から発光器具10に向かって移動する車両M1の運転者および歩行者M2が光をより確実に視認することが可能となる。
【0082】
<第8実施形態>
図10は、本発明の第8実施形態を示すものであり、発光器具の横断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0083】
本実施形態の発光器具10は、第3乃至第7実施形態と同様に、ケース30が、収容空間30aの第2側板部33側において、発光体20から照射された光を反射させる反射部34を有している。
【0084】
本実施形態の反射部34は、ケース30の第2側板部33の収容空間30a側に複数の凹凸が形成された凹凸面34dである。
【0085】
凹凸面34dは、例えば、ケース30を構成するステンレス鋼等の金属板にプレス加工を施したり、金属板の表面に切削加工を施したりすることによって、表面に複数の凹凸を形成する。
【0086】
以上のように構成された発光器具10において、ケース30の収容空間30aにおける第1側板部32側に配置された発光体20から放出された光は、第2側板部33の収容空間30a側の凹凸面34dに当たることによって様々な方向に反射し、カバー40を透過してケース30の幅方向における第1側板部32の外側に向けて照射される。
【0087】
このように、本実施形態の発光器具10によれば、前記第1実施形態と同様に、道路Rの路面Gに凹凸を形成することなく、カバーを透過した光を路面G上において斜め上方に照射させることができるので、道路Gを移動する車両M1および歩行者M2の快適性を損なうことなく、道路Rを移動する車両M1の運転者および歩行者M2に確実に光を視認させることが可能となる。
【0088】
また、反射部34は、複数の凹凸が形成された凹凸面34dである、ことが好ましい。
【0089】
これにより、第1側板部32側に配置された発光体20から放出された光が、凹凸面34dにおいて様々な方向に反射した後に、カバー40を透過してケース30の幅方向における第1側板部32の外側に向けて照射されるので、発光体20から放出された光が、収容空間30aにおいて拡散した後に、ケース30の外側に向けて照射することが可能となり、道路Rを第1側板部32側から発光器具10に向かって移動する車両M1の運転者および歩行者M2が光をより確実に視認することが可能となる。
【0090】
尚、前記実施形態では、LED素子からなる発光体20を示したが、LED素子以外の発光する物質を発光体として用いてもよい。また、発光体20は、紐状または棒状の長さ方向の全体にわたって光を放出するものに限られず、紐状または棒状の長手方向に間隔をおいて配置された複数の発光部を有するものであってもよい。
【0091】
また、前記実施形態では、ステンレス鋼等の金属製の部材から形成したものを示したが、これに限られるものではなく、例えば、樹脂製の部材から形成してもよい。この場合、白色の樹脂材料を用いることによって第2側板部の収容空間側の面に反射部を構成してもよいし、光を反射する物質を塗布することによって反射部を構成してもよい。
【0092】
また、前記実施形態では、発光器具10を、ケーブル収容容器1の蓋体1aに設置することによって、道路Rの路面Gに設置するようにしたものを示したが、これに限られるものではなく、発光器具を直接的に道路に設置してもよい。
【0093】
また、前記実施形態では、底板部31と、底板部31の幅方向両側からそれぞれ上方に延びる第1側板部32および第2側板部33と、を有する横断面がU字状に形成されたケース30を示したが、これに限られるものではない。例えば、底板部を有さず、第1側板部および第2側板部を有する横断面がV字状に形成されたケースであってもよい。
【符号の説明】
【0094】
10 発光器具
20 発光体
21 多角形レンズ
30 ケース
30a 収容空間
30b 開口部
32 第1側板部
33 第2側板部
33a 低反射面
34 反射部
34a 平滑面
34b 反射鏡
34c 凸レンズ
34d 凹凸面
40 カバー
G 路面
M1 車両
M2 歩行者
M3 自転車
R 道路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10