(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177914
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】フロー式反応装置、及びその運転方法
(51)【国際特許分類】
B01J 19/24 20060101AFI20231207BHJP
C01B 6/10 20060101ALI20231207BHJP
B01J 10/00 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
B01J19/24 Z
C01B6/10
B01J10/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090884
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】320011650
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 和也
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼岡 慎也
【テーマコード(参考)】
4G075
【Fターム(参考)】
4G075AA03
4G075AA13
4G075AA37
4G075AA57
4G075AA62
4G075AA65
4G075BA10
4G075BB05
4G075BD13
4G075BD15
4G075BD23
4G075DA02
4G075EB25
4G075FB12
(57)【要約】
【課題】長時間の連続運転が可能なフロー式反応装置を提供する。
【解決手段】2種以上の前記原料を混合する混合部2と、2種以上の原料を反応させて生成物を得る反応部3と、混合部2に原料を供給する2以上の供給配管と、混合部2以降の閉塞徴候を検知する圧力測定器4とを備え、2以上の供給配管のうち、少なくとも一つが液体原料を混合部2に供給する液体原料供給配管L1であり、液体原料供給配管L1の混合部2寄りに、圧力測定器4が位置する、フロー式反応装置1を選択する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2種以上の原料を連続的に反応させるフロー式反応装置であって、
2種以上の前記原料を混合する混合部と、
前記混合部の二次側に位置し、2種以上の前記原料を反応させて生成物を得る反応部と、
前記混合部に前記原料を供給する2以上の供給配管と、
前記混合部以降の閉塞徴候を検知する圧力測定器と、を備え、
2以上の前記供給配管のうち、少なくとも一つが液体原料を前記混合部に供給する液体原料供給配管であり、
前記液体原料供給配管の前記混合部寄りに、前記圧力測定器が位置する、フロー式反応装置。
【請求項2】
2以上の前記供給配管のうち、少なくとも一つから分岐し、クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給配管と、
分岐を有する前記供給配管と前記クリーニングガス供給配管との流路を切り替える、流路選択手段と、をさらに備える、請求項1に記載のフロー式反応装置。
【請求項3】
分岐を有する前記供給配管が、気体原料を前記混合部に供給する気体原料供給配管である、請求項2に記載のフロー式反応装置。
【請求項4】
前記生成物が、ジボランである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のフロー式反応装置。
【請求項5】
少なくとも一つの液体原料を含む、2種以上の前記原料をそれぞれの供給配管を介して混合部に供給し、
前記混合部で2種以上の前記原料を混合した後、前記混合部の二次側に位置する反応部で2種以上の前記原料を連続的に反応させて生成物を得る、フロー式反応装置の運転方法であって、
前記混合部の一次側の前記液体原料の圧力を測定して前記混合部以降の閉塞徴候を検知する、フロー式反応装置の運転方法。
【請求項6】
前記閉塞徴候を検知した際、2種以上の前記原料のうち、いずれか一つの供給を停止し、前記混合部にクリーニングガスの供給を開始する、請求項5に記載のフロー式反応装置の運転方法。
【請求項7】
供給を停止する前記原料が、気体原料である、請求項6に記載のフロー式反応装置の運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロー式反応装置、及びその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原料を反応部に連続的に供給し、連続的に化学反応させるフロー式反応装置が注目されている。フロー式反応装置には、バッチ式の反応装置に比べて、高い生産効率で目的物を製造でき、反応設備が小型で安全である等の利点がある。
【0003】
しかしながら、フロー式反応装置では、原料を反応部に供給する供給配管が化学反応で副生した固形物等によって閉塞しやすいという課題がある。
【0004】
例えば、特許文献1には、三ハロゲンホウ素ガスと、還元剤を含むエーテル系溶媒とを原料とし、各々を連続的に混合器に供給してジボランを高効率で生成するとともに、固形物の堆積による配管の閉塞について対策を講じた、フロー式反応装置、及びその運転方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、長時間の合成反応の際、流路の分岐箇所に固形物が析出しやすく、さらに環境による温度変化や原料溶液の調整ミス等により析出した固形物が配管中に堆積して閉塞すると、反応装置を停止して固形物を除去する必要があるため、連続運転の効率が低下する課題があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、長時間の連続運転が可能なフロー式反応装置、及びその運転方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
[1] 2種以上の原料を連続的に反応させるフロー式反応装置であって、
2種以上の前記原料を混合する混合部と、
前記混合部の二次側に位置し、2種以上の前記原料を反応させて生成物を得る反応部と、
前記混合部に前記原料を供給する2以上の供給配管と、
前記混合部以降の閉塞徴候を検知する圧力測定器と、を備え、
2以上の前記供給配管のうち、少なくとも一つが液体原料を前記混合部に供給する液体原料供給配管であり、
前記液体原料供給配管の前記混合部寄りに、前記圧力測定器が位置する、フロー式反応装置。
[2] 2以上の前記供給配管のうち、少なくとも一つから分岐し、クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給配管と、
分岐を有する前記供給配管と前記クリーニングガス供給配管との流路を切り替える、流路選択手段と、をさらに備える、[1]に記載のフロー式反応装置。
[3] 分岐を有する前記供給配管が、気体原料を前記混合部に供給する気体原料供給配管である、[2]に記載のフロー式反応装置。
[4] 前記生成物が、ジボランである、[1]乃至[3]のいずれかに記載のフロー式反応装置。
[5] 少なくとも一つの液体原料を含む、2種以上の前記原料をそれぞれの供給配管を介して混合部に供給し、
前記混合部で2種以上の前記原料を混合した後、前記混合部の二次側に位置する反応部で2種以上の前記原料を連続的に反応させて生成物を得る、フロー式反応装置の運転方法であって、
前記混合部の一次側の前記液体原料の圧力を測定して前記混合部以降の閉塞徴候を検知する、フロー式反応装置の運転方法。
[6] 前記閉塞徴候を検知した際、2種以上の前記原料のうち、いずれか一つの供給を停止し、前記混合部にクリーニングガスの供給を開始する、[5]に記載のフロー式反応装置の運転方法。
[7] 供給を停止する前記原料が、気体原料である、[6]に記載のフロー式反応装置の運転方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明のフロー式反応装置、及びその運転方法によれば、長時間の連続運転が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態であるフロー式反応装置の構成を示す系統図である。
【
図2】第1実施形態のフロー式反応装置の変形例を示す系統図である。
【
図3】本発明の第2実施形態であるフロー式反応装置の構成を示す系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
なお、以下の説明において例示される図の寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0012】
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態であるフロー式反応装置の構成を、図面を用いて説明する。
図1は、第1実施形態のフロー式反応装置の構成の系統図である。
図1に示すように、本実施形態のフロー式反応装置1は、液体原料供給配管(供給配管)L1、気体原料供給配管(供給配管)L2、混合部2、反応部3、監視装置(圧力測定器)4、及び除去機構5を備えて、概略構成されている。
【0013】
本実施形態のフロー式反応装置1は、2種以上の原料を連続的に反応させるフロー式反応装置であり、1種の気体原料と1種の液体原料との反応、すなわち、気液反応に適用することができる。以下、本実施形態のフロー式反応装置1が、気液反応により、生成物としてジボランガスを得る、ジボランの製造装置である場合を一例として説明する。
【0014】
液体原料供給配管(供給配管)L1は、混合部2に原料を供給する供給配管のうちの一つであり、液体原料供給源6と混合部2との間に位置する。本実施形態のフロー式反応装置1は、液体原料供給配管L1を介して液体原料を混合部2に供給する。液体原料供給配管L1には、一次側から順に、送液ポンプ7、流量制御機器(マスフローコントローラ;「MFC」)8、及び監視装置4が設けられている。
【0015】
液体原料は、ジボランの生成に用いるものであれば、特に限定されない。液体原料としては、例えば、水素化ナトリウム(NaH)、ソジウムボロハイドライド(NaBH4)等の還元剤を含む、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。
【0016】
気体原料供給配管(供給配管)L2は、混合部2に原料を供給する供給配管のうちの一つであり、気体原料供給源9と混合部2との間に位置する。本実施形態のフロー式反応装置1は、気体原料供給配管L2を介して気体原料を混合部2に供給する。気体原料供給配管L2には、一次側から順に、圧力調整弁10、開閉弁11、クリーニングガス供給配管L3との分岐(合流)点P、及び流量制御機器(MFC)12が設けられている。
【0017】
気体原料は、ジボランの生成に用いるものであれば、特に限定されない。気体原料としては、例えば、BF3やBCl3等の三ハロゲン化ホウ素ガスが挙げられる。
【0018】
供給配管L1、L2の材質は、原料である気体又は液体によって腐食しない材質であれば、特に限定されず、各原料の性状に応じて適宜選択できる。配管の材質としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂、SUS等の金属が挙げられる。
【0019】
供給配管L1、L2の径は、特に限定されず、混合部2への各原料の供給量に応じて、適宜選択できる。これらの配管としては、例えば、外径が6~7mm、内径が4~5mmの配管を用いることができる。
【0020】
クリーニングガス供給配管L3は、図示略のクリーニングガス供給源と分岐(合流)点Pとの間に位置する。本実施形態のフロー式反応装置1は、クリーニングガス供給配管L3及び気体原料供給配管L2を介してクリーニングガスを混合部2に供給する。クリーニングガス供給配管L3には、開閉弁13が設けられている。
【0021】
クリーニングガスは、液体原料及び気体原料と反応しない気体(不活性ガス)であれば、特に限定されない。また、クリーニングガスは、液体原料に溶解しにくいガスであることが好ましい。クリーニングガスとしては、例えば、窒素ガスや、ヘリウム、アルゴン等の希ガスが挙げられる。これらの中でも、ジボランの製造装置では、クリーニングガスとして窒素ガスを用いることが好ましい。
【0022】
クリーニングガス供給配管L3の材質は、クリーニングガスによって腐食しない材質であれば、特に限定されず、適宜選択できる。配管の材質としては、例えば、SUS等の金属が挙げられる。
【0023】
クリーニングガス供給配管L3の径は、特に限定されず、混合部2へのクリーニングガスの供給量に応じて、適宜選択できる。クリーニングガス供給配管L3としては、外径が10mm以下、内径が5mm以下の配管を用いることが好ましい。
【0024】
混合部2は、2種以上の原料を混合する部位である。本実施形態では、混合部2は、液体原料と気体原料とを混合する混合器である。混合器としては、例えば、ミキサーが挙げられる。
【0025】
反応部3は、混合部2の二次側に位置し、2種以上の原料を反応させて生成物を得る部位である。本実施形態では、反応部3は、液体原料と気体原料とが反応する反応場14を有する配管L4である。
【0026】
配管L4は、混合部2と、分離回収装置15との間に位置する。本実施形態のフロー式反応装置1は、混合部2で混合された原料を反応部3に供給し、反応場14にて生成された生成物(ジボラン)、副生成物、及び溶媒の混合物を、配管L4を介して分離回収装置15に供給する。配管L4には、一次側から順に、反応場14、及び背圧弁16が設けられている。
【0027】
配管L4の材質は、特に限定されず、各原料の性状に応じて適宜選択できる。配管の材質としては、供給配管L1,L2と同様に、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂、SUS等の金属が挙げられる。
【0028】
配管L4の径は、特に限定されず、分離回収装置15への混合物の供給量に応じて、適宜選択できる。これらの配管としては、例えば、外径が1~30の配管を用いることができる。
【0029】
反応場14は、液体原料と気体原料との化学反応の反応時間を制御できる形態であれば、特に限定されない。反応場14としては、例えば、渦巻き状の配管部分が挙げられる。
【0030】
反応場14を構成する配管の長さは、特に限定されるものではなく、原料、目的の生成物、化学反応の反応効率等の種々の要因に応じて適宜選択できる。例えば、反応時間を長時間に設定する場合、反応場14の配管長を長くすればよい。一方、反応時間を短時間に設定する場合、または化学的に不安定な反応中間体を目的の生成物とする場合、反応場14の配管長を短くすればよい。
【0031】
反応場14を構成する配管の材質は、特に限定されるものではなく、化学反応時の温度及び圧力等、種々の要因に応じて適宜選択できる。反応場14の材質としては、配管L4と同様に、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂、SUS等の金属が挙げられる。
【0032】
背圧弁16は、配管L4の分離回収装置15寄りに位置する。背圧弁16は、反応場14の圧力を制御する。配管L4において、反応場14の二次側に背圧弁16を配置することで、化学反応に必要な圧力に反応場14を保つことができ、反応場14での気液接触効率を維持し、気液反応効率を高められるため、生成物の収率を高めることができる。
【0033】
分離回収装置15は、反応部3の二次側に位置する。分離回収装置15には、反応部3における化学反応で生成した、ジボランガスと溶媒とを気液の共存状態で含む混合物が連続的に供給される。
【0034】
分離回収装置15は、気液分離機17、液面センサ18、開閉弁19、開度調整弁20、及びポンプ21を備える。本実施形態において、分離回収装置15は、反応場14から供給される気液の共存状態で含む混合物から任意の液体と気体とを気液分離機17で分離し、液体を開閉弁19から、気体を開度調整弁20およびポンプ21から回収する。
【0035】
分離回収装置15の構成は、特に限定されるものではなく、従来から公知の構成を用いることができる。分離回収装置15の構成としては、例えば、特開2019-098275号公報に開示された構成が挙げられる。
【0036】
監視装置(圧力測定器)4は、液体原料供給配管L1の混合部2寄りの場所に位置し、混合部2以降の配管(混合部2を構成する混合器、及び反応部3を構成する配管(反応場14を含む)L4)の閉塞徴候を検知する圧力測定器である。本実施形態のフロー式反応装置1によれば、液体原料供給配管L1の混合部2寄りの位置に監視装置4を設け、液体原料供給配管L1内の液体原料の圧力を連続的に測定(監視)し、圧力の低下を検知することで、混合部2以降の配管における閉塞徴候を捕捉できる。
【0037】
なお、本発明において、「閉塞」とは、監視装置4によって液体原料供給配管L1内の液体原料の圧力の低下が検知され、かつ、分離回収装置15への気液の共存状態で含む混合物の流量が低下した状態をいう。
これに対して、「閉塞徴候」とは、監視装置4によって液体原料供給配管L1内の液体原料の圧力の低下が検知されるが、分離回収装置15への気液の共存状態で含む混合物の流量が低下していない状態をいう。
【0038】
監視装置4は、液体原料供給配管L1において、できる限り混合部2に近い位置に設けられることが好ましい。監視装置4を、液体原料供給配管L1の混合部2に近い位置に設けることで、混合部2以降の配管の閉塞徴候を鋭敏に感知できる。
【0039】
監視装置4として用いる圧力測定器は、特に限定されるものではなく、各種耐性と適正な測定範囲とに応じて適宜選択できる。圧力測定器としては、例えば、ブルドン管式やベロー式、ダイヤフラム式の圧力発信機を用いることができる。これらの中でも、デジタルで高速かつ高精度に圧力を測定できるダイヤフラム式の圧力発信機を圧力測定器として用いることが好ましい。
【0040】
監視装置4は、混合部2から1000mm未満の位置に設けることが好ましい。1000mmを超えると、圧力応答に遅れが生じ、閉塞兆候の感知が遅れるおそれがある。監視装置4は、混合部2から500mm以内の位置に設けることがより好ましく、100mm以内の位置に設けることがさらに好ましい。
【0041】
除去機構5は、監視装置4によって混合部2以降の配管の閉塞徴候を感知した際、混合部2以降の配管内に析出した固形物を除去する機構である。
除去機構5は、クリーニングガス供給配管L3、流路選択手段、及び制御装置22を有する。
【0042】
クリーニングガス供給配管L3は、気液反応である場合、気体原料供給配管L2から分岐することが好ましい。気体原料供給配管L2から分岐することで、クリーニングガス供給の際、気体原料供給配管L2側への液体原料の流入を防ぐことができる。
【0043】
気体原料供給配管L2における、クリーニングガス供給配管L3との分岐(合流)点Pの位置は、混合部2よりも一次側に離れていることが好ましい。具体的には、混合部2よりも5cm以上一次側に離れた位置であることが好ましい。これにより、クリーニングガス供給配管L3の閉塞の恐れがなく、混合部2にクリーニングガスを確実に供給できる。また、気体原料供給配管L2における、分岐点Pの位置は、流量制御機器12よりも一次側であることがより好ましい。これにより、混合部2にクリーニングガスを供給する際、流量制御機器12を用いて流量を制御できる。
【0044】
流路選択手段は、分岐(合流)点Pを有する気体原料供給配管(供給配管)L2と、クリーニングガス供給配管L3との流路を切り替える。具体的には、流路選択手段は、気体原料供給配管L2に位置する開閉弁11と、クリーニングガス供給配管L3に位置する開閉弁13とを有する。開閉弁11及び開閉弁13のうち、一方を開放状態、他方を閉止状態とすることで、気体原料供給配管L2及びクリーニングガス供給配管L3のうち、いずれか一方を混合部2と連通する流路として選択できる。
【0045】
開閉弁11及び開閉弁13は、流体に対して耐性を有しており、ある一定以上の開閉速度(たとえば、1s以内に開閉可能)を有するものであれば、特に限定されない。開閉弁11及び開閉弁13としては、例えば、ダイヤフラムバルブ、ベローズバルブ、ニードルバルブなどを用いることができる。
【0046】
制御装置22は、監視装置4、開閉弁11、及び開閉弁13と、有線または無線により電気的に接続されている。具体的には、制御装置22は、監視装置4で測定した圧力値を電気信号として受信し、圧力値の変化量を演算し、開閉弁11及び開閉弁13に対して開閉状態の制御指令を電気信号として送信する。
【0047】
(フロー式反応装置の運転方法)
次に、本実施形態のフロー式反応装置1の運転方法(すなわち、ジボランの製造方法)について、
図1を参照しながら説明する。
本実施形態のフロー式反応装置1の運転方法は、液体原料と気体原料とをそれぞれの供給配管L1、L2を介して混合部2に供給し、混合部2で2種の原料を混合した後、反応部3で2種の原料を連続的に反応させて生成物であるジボランを得る。
【0048】
具体的には、先ず、液体原料を、液体原料供給配管L1を介して連続的に混合部2に供給する。液体原料の供給条件としては、例えば、流量:50~2000(ml/min)、濃度:0.25~2(mol/l)、供給圧力:0.1~1.5(MPaG)とすることができる。
【0049】
同様に、気体原料を、気体原料供給配管L2を介して連続的に混合部2に供給する。気体原料の供給条件としては、例えば、流量:1.5~3(L/min)、濃度:100(体積%)、背圧弁16の二次側の圧力:0.1~1.5(MPaG)とすることができる。
【0050】
次に、混合部2では液体原料と気体原料とが混合され、次いで、反応部3の反応場14において、目的の生成物であるジボランガスと、エーテル系溶媒とが、気液の共存状態で、その他の副生成物質と共に連続的に生成する。生成された各種物質は、安定的かつ連続的に、背圧弁16を介して分離回収装置15に供給される。反応場14での滞留時間(配管長)、および圧力としては、例えば、滞留時間:1s~10min、圧力:0.01~1(MPaG)とすることができる。
【0051】
ここで、本実施形態のフロー式反応装置1の運転方法では、2種の原料を連続的に反応させて生成物であるジボランを得る際、監視装置4を用いて混合部2の一次側の液体原料の圧力を連続的に測定(監視)し、混合部2以降の配管の閉塞徴候を検知する。
【0052】
閉塞徴候の検知方法は、特に限定されない。閉塞徴候の検知方法としては、例えば、以下の指標が挙げられる。
・圧力値が所定の値以上となる(例えば、圧力値が制御上限値の0%~80%になる)。
・圧力値の上昇速度が所定の値以上となる(例えば、単位時間あたりに設定圧力範囲内の10~80%以上の速度で圧力が上昇する)。
・圧力値のノイズ幅が所定の値以上となる(例えば、圧力値のノイズ幅が設定範囲の±50%以上となる)。
これらの指標は、いずれか一つ用いてもよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
【0053】
次に、監視装置4によって閉塞徴候を検知した際、気体原料の供給を停止し、混合部2にクリーニングガスの供給を開始し、副生した固形物を除去する。
具体的には、監視装置4によって測定された圧力の測定値が制御装置22に送信され、制御装置22において上述した指標が演算される。設定された指標を超えた場合、制御装置22から開閉弁11に対して閉止状態とする制御信号が送信され、開閉弁13に対して開放状態とする制御信号が送信される。これにより、瞬時に混合部2への気体原料の供給が停止し、クリーニングガスの供給が開始される。
【0054】
なお、気液反応である本実施形態のフロー式反応装置1の運転方法では、混合部2への液体原料の供給は停止しない。これにより、混合部2以降の配管が乾燥せずに、副生した固形物が強固に配管内に付着することを防ぐことができる。
【0055】
クリーニングガスの供給量は、特に限定されるものではなく、混合部2以降の配管において液体流量と気体流量とのバランスにより適宜選択できる。クリーニングガスの供給量としては、例えば、混合部2以降の配管においてプラグ流やスラグ流となるような条件とすることが好ましい。具体的には、質量流束(kg/m2・s)が気体を1とした際、液体が10倍以上のような条件であることが好ましい。
【0056】
クリーニングガスの供給時間(すなわち、洗浄時間)は、特に限定されるものではなく、混合部2以降の配管に副生した固形物の量と質によって適宜選択できる。クリーニングガスの供給時間としては、例えば、5s~100minとすることができ、10s~10minとすることが好ましい。
【0057】
クリーニングガスの供給の停止は、上述した供給時間の経過後としてもよいし、監視装置4における指標を下回り、固形物が除去されたことを確認した場合としてもよい。
【0058】
次に、クリーニングガスの供給を停止した後、気体原料の供給を再開する。
具体的には、制御装置22から開閉弁11に対して開放状態とする制御信号が送信され、開閉弁13に対して閉止状態とする制御信号が送信される。これにより、瞬時に混合部2へのクリーニングガスの供給が停止し、気体原料の供給が再開される。
また、本実施形態のフロー式反応装置1の運転方法によれば、液体原料の供給を停止しないため、気体原料の供給の再開により、直ちに生成物であるジボランの製造が再開される。
【0059】
次に、本実施形態のフロー式反応装置1の運転方法では、反応部3における化学反応で生成したジボランガスと溶媒とを気液の共存状態で含む混合物が、分離回収装置15に連続的に供給される。次いで、分離回収装置15において、エーテル系溶媒や副生成物と、生成物であるジボランガスが分離され、それぞれ回収される。
【0060】
以上説明したように、本実施形態のフロー式反応装置1及びその運転方法によれば、液体原料供給配管L1の混合部2寄りに位置する監視装置(圧力測定器)4により、混合部2の一次側の液体原料の圧力を測定して混合部2以降の配管の閉塞徴候を検知する構成であるため、混合部2以降の配管が副生した固形物によって閉塞する前に除去できる。したがって、固形物の除去によるメンテナンス等が不要となり、フロー式反応装置1の長時間の連続運転が可能となる。
【0061】
また、本実施形態のフロー式反応装置1及びその運転方法によれば、気液反応であり、除去機構5を備える構成であるため、監視装置4によって閉塞徴候を検知した際、気体原料の混合部2への供給を停止し、クリーニングガスの混合部2への供給を開始して、混合部2以降の配管において液体原料とクリーニングガスとの気液混合流体を供給することで、気液反応を停止(すなわち、閉塞原因となる固形物の生成を停止)しつつ、クリーニングガスと固形物との衝突によって、混合部2以降の配管に副生した固形物を除去(パージアウト)できる。
【0062】
また、本実施形態のフロー式反応装置1及びその運転方法によれば、気液反応であり、固形物の除去の際、液体原料の供給を停止しない構成であるため、固形物の除去後、クリーニングガスの供給を停止し、気体原料の混合部2への供給を再開することで、直ちに生成物(ジボラン)の製造を再開できる。
【0063】
(第1実施形態の変形例)
次に、第1実施形態のフロー式反応装置の変形例について、説明する。
図2は、第1実施形態のフロー式反応装置の変形例を示す系統図である。
図2に示すように、第1実施形態の変形例であるフロー式反応装置31は、気体原料供給配管L2に第2監視装置(流量測定器)34をさらに備える点で、上述したフロー式反応装置1と異なっている。したがって、本実施形態の変形例であるフロー式反応装置31については、第1の実施形態と同一の構成部分については同じ符号を付すると共に説明を省略する。
【0064】
第2監視装置(流量測定器)34は、気体原料供給配管L2の混合部2寄りの場所に位置し、混合部2以降の配管(混合部2を構成する混合器、及び反応部3を構成する配管(反応場14を含む)L4)の閉塞徴候を検知する流量測定器である。第1実施形態の変形例であるフロー式反応装置31によれば、監視装置4に加えて、気体原料供給配管L2の混合部2寄りの位置に第2監視装置34を設け、気体原料供給配管L2内の気体原料の流量を連続的に測定(監視)し、流量の低下を検知することで、混合部2以降の配管における閉塞徴候を捕捉できる。
【0065】
第2監視装置34は、気体原料供給配管L2において、できる限り混合部2に近い位置に設けられることが好ましい。第2監視装置34を、気体原料供給配管L2の混合部2に近い位置に設けることで、混合部2以降の配管の閉塞徴候を鋭敏に感知できる。
また、第2監視装置34を設けることで、気体原料供給配管L2内の気体原料流量の閉塞兆候が、監視装置4を用いた液体原料圧力の閉塞兆候よりも先に現れるような場合であっても、俊敏に閉塞兆候を検知できる。また、監視装置4に何らかの異常が発生した場合であっても、閉塞徴候を検知できる。
【0066】
第2監視装置34として用いる流量測定器は、特に限定されるものではなく、各種耐性と適正な測定範囲とに応じて、公知の流量測定器を適宜選択できる。
第2監視装置34は、混合部2から1000mm未満の位置に設けることが好ましい。1000mm未満であると、流量の安定的な検出が可能となる。
また、第2監視装置34は、混合部2から100mm~500mmの位置に設けることが好ましい。混合部2から100mm以上の位置に第2監視装置34を設けると、流量指示値が安定するため、好ましい。また、第2監視装置34として気体流量を検出する流量測定器を用いる場合、混合部2から100mm以上の位置に第2監視装置34を設けると、第2監視装置34の故障を招くおそれがないため、好ましい。
【0067】
次に、第1実施形態の変形例であるフロー式反応装置31の運転方法について、説明する。
フロー式反応装置31の運転方法では、2種の原料を連続的に反応させて生成物であるジボランを得る際、監視装置4を用いて混合部2の一次側の液体原料の圧力を連続的に測定(監視)するとともに、第2監視装置34を用いて混合部2の一次側の気体原料の流量を連続的に測定(監視)して、混合部2以降の配管の閉塞徴候を検知する。
【0068】
閉塞徴候の検知方法としては、第1実施形態の指標に加えて、例えば、以下の指標が挙げられる。
・流量値が所定の値以下となる(例えば、瞬時流量値が設定値の0%~80%になる)。
・流量値の減少速度が所定の値以上となる(例えば、単位時間あたりに設定流量範囲内の10~80%以上の速度で流量が下降する)。
・流量値のノイズ幅が所定の値以上となる(例えば、流量値のノイズ幅が設定範囲の±50%以上となる)。
これらの指標は、いずれか一つ用いてもよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
【0069】
監視装置4及び第2監視装置34の少なくとも一方によって閉塞徴候を検知した際、気体原料の供給を停止し、混合部2にクリーニングガスの供給を開始し、副生した固形物を除去する。
【0070】
以上説明したように、第1実施形態の変形例であるフロー式反応装置31及びその運転方法によれば、上述した第1実施形態のフロー式反応装置1及びその運転方法と同様の効果を奏することができる。さらに、第1実施形態の変形例であるフロー式反応装置31及びその運転方法によれば、気体原料供給配管L2内の気体原料流量の閉塞兆候が、監視装置4を用いた液体原料圧力の閉塞兆候よりも先に現れるような場合であっても、俊敏に閉塞兆候を検知できる。また、監視装置4に何らかの異常が発生した場合であっても、閉塞徴候を検知できる。
【0071】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態であるフロー式反応装置の構成を、図面を用いて説明する。
図3は、第2実施形態のフロー式反応装置の構成の系統図である。
図3に示すように、第2実施形態のフロー式反応装置51は、液-液反応であって、第1実施形態の気体原料供給配管L2にかえて、2つの液体原料供給配管L1A,L1Bを備える点で、第1実施形態のフロー式反応装置1と異なっている。したがって、本実施形態のフロー式反応装置51については、第1実施形態と同一の構成部分については同じ符号を付すると共に説明を省略する。
【0072】
第1液体原料供給配管L1Aは、混合部2に原料を供給する供給配管のうちの一つであり、図示略の液体原料供給源と混合部2との間に位置する。第1液体原料供給配管L1Aには、一次側から順に、送液ポンプ7A、流量制御機器(MFC)8A、開閉弁51A、クリーニングガス分岐配管L3Aとの分岐(合流)点Q1、及び第1監視装置4Aが設けられている。
【0073】
第2液体原料供給配管L1Bは、混合部2に原料を供給する供給配管のうちの一つであり、図示略の液体原料供給源と混合部2との間に位置する。第2液体原料供給配管L1Bには、一次側から順に、送液ポンプ7B、流量制御機器(MFC)8B、開閉弁51B、クリーニングガス分岐配管L3Bとの分岐(合流)点Q2、及び第2監視装置4Bが設けられている。
【0074】
クリーニングガス供給配管L3は、クリーニングガス分岐配管L3Aとクリーニングガス分岐配管L3Bとに分岐する。
【0075】
除去機構は、クリーニングガス供給配管L3、第1及び第2流路選択手段、及び図示略の制御装置を有する。
【0076】
第1及び第2液体原料供給配管L1A,L1Bにおける、クリーニングガス分岐配管L3A,L3Bとの分岐(合流)点Q1,Q2の位置は、混合部2よりも一次側に離れていることが好ましい。
【0077】
第1流路選択手段は、分岐(合流)点Q1を有する第1液体原料供給配管L1Aと、クリーニングガス分岐配管L3Aとの流路を切り替える。具体的には、第1流路選択手段は、第1液体原料供給配管L1Aに位置する開閉弁51Aと、クリーニングガス分岐配管L3Aに位置する開閉弁13Aとを有する。開閉弁51A及び開閉弁13Aのうち、一方を開放状態、他方を閉止状態とすることで、第1液体原料供給配管L1A及びクリーニングガス分岐配管L3Aのうち、いずれか一方を混合部2と連通する流路として選択できる。
なお、第2流路選択手段については、第1流路選択手段と同一であるため、説明を省略する。
【0078】
制御装置(図示略)は、第1及び第2監視装置4A,4B、開閉弁51A,51B、及び開閉弁13A,13Bと、有線または無線により電気的に接続されている。具体的には、制御装置は、第1(第2)監視装置4A(4B)で測定した圧力値を電気信号として受信し、圧力値の変化量を演算し、第1(第2)開閉弁51A(51B)及び開閉弁13A(13B)に対して開閉状態の制御指令を電気信号として送信する。
【0079】
次に、第2実施形態のフロー式反応装置51の運転方法について、説明する。
フロー式反応装置51の運転方法では、液-液反応において、2種の原料を連続的に反応させて生成物を得る際、二つの監視装置4A,4Bを用いて混合部2の一次側の液体原料の圧力を連続的に測定(監視)して、混合部2以降の配管の閉塞徴候を検知する。
【0080】
閉塞徴候の検知方法としては、第1及び第2監視装置4A,4Bにおいて、第1実施形態の指標をそれぞれ用いることができる。
【0081】
第1及び第2監視装置4A,4Bの少なくとも一方によって閉塞徴候を検知した際、液体原料のうちいずれか一方の供給を停止し、混合部2にクリーニングガスの供給を開始することで、副生した固形物を除去する。
【0082】
以上説明したように、第2実施形態のフロー式反応装置51及びその運転方法によれば、液-液反応に適用した場合であっても、上述した第1実施形態のフロー式反応装置1及びその運転方法と同様の効果を奏することができる。さらに、第2実施形態のフロー式反応装置51及びその運転方法によれば、監視装置(圧力測定器)を2以上備える構成であるため、第1及び第2監視装置4A,4Bのどちらかに何らかの異常が発生した場合であっても、閉塞徴候を検知できる。
【0083】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。上述した第1実施形態のフロー式反応装置1では、気体材料として三ハロゲン化ホウ素ガスを、液体材料として水素化ナトリウム(NaH)、ソジウムボロハイドライド(NaBH4)等の還元剤を含むエーテル系溶媒をそれぞれ用いるジボランの製造を一例として説明したが、これに限定されるものではなく、固体の反応生成物、あるいは副生成物による閉塞が起こり得る気体-液体反応、液体-液体反応の全般に適用することができる。
【0084】
例えば、気体-液体反応としては、気体材料としてクロロシラン[SinClmH4n-m-2(n、mは1以上の整数)]、液体材料としてアルキルアミン[NHR1R2(R1は炭素数1以上の炭化水素基、R2は水素または炭素数1以上の炭化水素基)]を溶解した有機溶媒(例えば、ヘプタン、オクタン、デカン、o-キシレン、トルエン、p-キシレン、m-キシレン、テトラヒドロフラン等)をそれぞれ用い、反応生成物がアルキルアミノシランである反応に適用することができる。
【0085】
また、液体-液体反応としては、化学反応プロセスや汚水処理プロセスで用いられ、固体の反応生成物、あるいは副生成物による閉塞が起こり得る反応全般に適用することができる。
【実施例0086】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
【0087】
<実施例>
図1に示すフロー式反応装置1を使用し、連続的にジボランの合成を行った。なお、使用した溶媒はエバポレーターによって蒸留精製し、循環利用することで、反応装置を長期にわたって運転した。また、以下のような条件で閉塞兆候を検知し、閉塞除去を実施した。
【0088】
(実施条件)
・原料ガス:BF3
・原料液体:還元剤を溶かしたエーテル系溶液
・クリーニングガス:窒素ガス(N2)
・クリーニングガス供給配管L3の合流位置:気体原料供給配管L2の混合部2から10cm上流地点
・閉塞兆候の閾値:液体原料供給配管L1の混合部2の前段圧力が0.5MPa以上
・洗浄時間:1min(経過後、クリーニングガスの供給を停止し、原料ガスの供給を再開)
・クリーニングガス流量:5L/min
【0089】
(結果)
本発明のフロー式反応装置1を用い、ジボランの製造を2週間程度(累計65時間)実施したところ、装置の停止や、メンテナンスによる解体に至ることなく、連続的に合成反応を実施できた。
【0090】
<比較例>
図1に示すフロー式反応装置1を使用し、連続的にジボランの合成を行った。なお、使用した溶媒はエバポレーターによって蒸留精製し、循環利用することで、反応装置を長期にわたって運転した。なお、実施例における閉塞兆候の検知、及び閉塞除去を実施しなかった。
【0091】
(結果)
図1に示すフロー式反応装置1を用い、閉塞兆候の検知、及び閉塞除去をすることなく、ジボランの製造を2週間程度(累計65時間)実施したところ、反応部3系内の圧力および流量が不安定化し、生成物の流量が設定値に達しなくなった。結果、閉塞が疑われる箇所を全て分解して洗浄しなければならなかった。