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特開2023-178076配線基板、半導体装置及び配線基板の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178076
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】配線基板、半導体装置及び配線基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/11 20060101AFI20231207BHJP
   H05K 3/40 20060101ALI20231207BHJP
   H05K 3/42 20060101ALI20231207BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20231207BHJP
   H05K 3/18 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
H05K1/11 H
H05K3/40 E
H05K3/40 K
H05K3/42 630A
H05K3/42 650B
H05K3/46 B
H05K3/18 D
H05K3/18 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091130
(22)【出願日】2022-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水野 雅之
【テーマコード(参考)】
5E316
5E317
5E343
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA04
5E316AA12
5E316AA15
5E316AA32
5E316AA35
5E316AA43
5E316BB02
5E316CC10
5E316CC14
5E316CC32
5E316CC54
5E316CC55
5E316DD17
5E316DD23
5E316DD24
5E316DD33
5E316DD47
5E316DD48
5E316EE31
5E316FF07
5E316FF15
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG18
5E316GG22
5E316GG23
5E316GG28
5E316HH06
5E316HH11
5E317AA24
5E317BB03
5E317BB12
5E317CC25
5E317CC32
5E317CC33
5E317CD15
5E317CD18
5E317CD25
5E317GG03
5E317GG11
5E343AA07
5E343AA18
5E343AA19
5E343BB16
5E343BB24
5E343DD25
5E343DD33
5E343DD43
5E343EE17
5E343ER18
5E343ER26
5E343GG02
5E343GG13
(57)【要約】
【課題】絶縁層と配線層との間の密着力を強化できる配線基板等を提供する。
【解決手段】配線基板は、第1の配線層と、前記第1の配線層上に設けられた絶縁層と、前記絶縁層上に設けられた第2の配線層と、を有する。前記第1の配線層は、第1のプレーン層と、前記第1のプレーン層を貫通する開口部と、前記開口部内に設けられた補強パッドと、を有する。前記第2の配線層は、第2のプレーン層を有する。前記絶縁層は、前記補強パッドと前記第2のプレーン層とを接続する補強ビアを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の配線層と、
前記第1の配線層上に設けられた絶縁層と、
前記絶縁層上に設けられた第2の配線層と、を有し、
前記第1の配線層は、
第1のプレーン層と、
前記第1のプレーン層を貫通する開口部と、
前記開口部内に設けられた補強パッドと、を有し、
前記第2の配線層は、
第2のプレーン層を有し、
前記絶縁層は、
前記補強パッドと前記第2のプレーン層とを接続する補強ビアを有することを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記補強パッドは、
全周囲が前記第1のプレーン層に囲まれ、かつ、前記第1のプレーン層と離間した状態で前記開口部内に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記第1の配線層は、
複数の前記補強パッド及び前記開口部を有し、前記補強パッド及び前記開口部が平面から見て格子状に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項4】
前記第1のプレーン層及び前記第2のプレーン層は、
グランドプレーン又はパワープレーンを含むことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項5】
前記第1の配線層は、
第1の信号パッドと、前記第1の信号パッドと電気的に接続する第1の信号線とを有することを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項6】
前記第2の配線層は、
第2の信号パッドと、前記第2の信号パッドと電気的に接続する第2の信号線とを有することを特徴とする請求項5に記載の配線基板。
【請求項7】
前記絶縁層は、
前記第1の信号パッドと前記第2の信号パッドとの間を電気的に接続する信号ビアを有することを特徴とする請求項6に記載の配線基板。
【請求項8】
前記絶縁層は、
当該絶縁層を貫通すると共に、前記補強パッド表面を露出する貫通孔を有し、
前記第2のプレーン層及び前記補強ビアは、
前記貫通孔の内壁を含む前記絶縁層表面及び前記補強パッド表面に設けられたシード層と、
前記シード層上に設けられ、かつ、前記貫通孔内に充填された電解めっき層と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項9】
前記第2の配線層は、
前記第2のプレーン層を貫通する他の開口部と、
前記他の開口部内に設けられた他の補強パッドと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項10】
前記第2の配線層上に設けられた他の絶縁層と、
前記他の絶縁層上に設けられた第3の配線層と、を有し、
前記第3の配線層は、
第3のプレーン層を有し、
前記他の絶縁層は、
前記他の補強パッドと前記第3のプレーン層とを接続する他の補強ビアを有することを特徴とする請求項9に記載の配線基板。
【請求項11】
第1の配線層と、前記第1の配線層上に設けられた絶縁層と、前記絶縁層上に設けられた第2の配線層と、を有する配線基板と、
前記配線基板上に搭載される半導体チップと、を有する半導体装置であって、
前記第1の配線層は、
第1のプレーン層と、
前記第1のプレーン層を貫通する開口部と、
前記開口部内に配置された補強パッドと、を有し、
前記第2の配線層は、
第2のプレーン層を有し、
前記絶縁層は、
前記補強パッドと前記第2のプレーン層とを接続する補強ビアを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
第1のプレーン層と、前記第1のプレーン層を貫通する開口部と、前記開口部内に設けられた補強パッドと、を有する第1の配線層を形成する工程と、
前記第1の配線層上に絶縁層を形成する工程と、
前記補強パッド表面を露出する貫通孔を前記絶縁層に形成する工程と、
第2のプレーン層を有する第2の配線層を前記絶縁層上に形成する工程と、を有し、
前記第2の配線層を形成する工程は、
前記補強パッドと前記第2のプレーン層との間を接続する補強ビアを前記貫通孔内に形成することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項13】
前記第2の配線層を形成する工程は、
前記貫通孔内の内壁を含む前記絶縁層表面及び前記補強パッド表面にシード層を形成する工程と、
前記シード層上にめっきマスクパターンを形成する工程と、
前記シード層への給電により電解めっきを施し、前記めっきマスクパターンから露出する前記シード層上に電解めっき層を形成して、前記貫通孔内を前記電解めっき層で充填する工程と、
前記めっきマスクパターンを除去する工程と、
前記電解めっき層から露出する前記シード層を除去する工程と、を有し、
前記シード層及び前記電解めっき層で前記補強ビアを形成することを特徴とする請求項12に記載の配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板、半導体装置及び配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図18は、従来の配線基板100の一例を示す説明図である。図18に示す配線基板100は、絶縁層101と、絶縁層101上に積層された配線層102とを有する。絶縁層101の表面には、粗化処理を施すことで微細な凹凸を含む凹凸部101Aが設けられている。配線層102の表面には、粗化処理を施すことで微細な凹凸を含む凹凸部102Aが設けられている。絶縁層101上に配線層102を形成した際に、凹凸部101Aに配線層102を食い込ませるアンカー効果により絶縁層101と配線層102との間の密着力を強化している。また、配線層102上に更に他の絶縁層を形成した際に、凹凸部102Aに他の絶縁層を食い込ませるアンカー効果により配線層102と他の絶縁層との密着力を強化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-91743号公報
【特許文献2】特開平11-67900号公報
【特許文献3】特開平5-37103号公報
【特許文献4】特開平11-251753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の配線基板100では、絶縁層101表面の凹凸部101Aと配線層102表面の凹凸部102Aで配線層102と絶縁層101との間の密着力を強化するようにした。しかしながら、従来の配線基板100では、配線層102を流れる電気信号が高周波信号の場合、配線層102表面が平坦の場合に比較して、凹凸部101A及び凹凸部102Aによる信号の伝送距離増加で信号遅延が大きくなる。
【0005】
しかしながら、配線基板100において、絶縁層101の表面や配線層102の表面が平坦であると、配線層102と絶縁層101との間の密着力が低下して、絶縁層101と配線層102との間のデラミネーション(離間剥離)が発生する。尚、デラミネーションは、グランドプレーン等の配線層102と絶縁層101との間で顕著に発生する。
【0006】
従って、絶縁層101表面の凹凸部101Aや配線層102表面の凹凸部102Aを設けることなく、配線層102と絶縁層101との間のデラミネーションを抑制できる配線基板が求められている。
【0007】
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、絶縁層と配線層との間の密着力を強化できる配線基板、半導体装置及び配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願が開示する配線基板は、1つの態様において、第1の配線層と、前記第1の配線層上に設けられた絶縁層と、前記絶縁層上に設けられた第2の配線層と、を有する。前記第1の配線層は、第1のプレーン層と、前記第1のプレーン層を貫通する開口部と、前記開口部内に設けられた補強パッドと、を有する。前記第2の配線層は、第2のプレーン層を有する。前記絶縁層は、前記補強パッドと前記第2のプレーン層とを接続する補強ビアを有する。
【発明の効果】
【0009】
本願が開示する配線基板の1つの態様によれば、絶縁層と配線層との間の密着力を強化できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施例1の配線基板の第2の配線層における平面図である。
図2図2は、図1に示すA-A線の略断面図である。
図3図3は、実施例1の配線基板製造工程の一例を示すフローチャートである。
図4A図4Aは、第1の絶縁層形成工程の一例を示す説明図である。
図4B図4Bは、第1のシード層形成工程の一例を示す説明図である。
図5A図5Aは、第1のめっきレジスト層形成工程の一例を示す説明図である。
図5B図5Bは、第1の電解めっき層形成工程の一例を示す説明図である。
図6A図6Aは、第1のめっきレジスト層除去工程の一例を示す説明図である。
図6B図6Bは、第1のシード層除去工程の一例を示す説明図である。
図7図7は、配線基板の第1の配線層における平面図である。
図8A図8Aは、第2の絶縁層形成工程の一例を示す説明図である。
図8B図8Bは、貫通孔形成工程の一例を示す説明図である。
図9A図9Aは、第2のシード層形成工程の一例を示す説明図である。
図9B図9Bは、第2のめっきレジスト層形成工程の一例を示す説明図である。
図10図10は、第2の電解めっき層形成工程の一例を示す説明図である。
図11図11は、第2のめっきレジスト層除去工程の一例を示す説明図である。
図12図12は、第2のシード層除去工程の一例を示す説明図である。
図13図13は、半導体装置の一例を示す説明図である。
図14図14は、実施例2の配線基板の一例を示す略断面図である。
図15A図15Aは、第1の配線層の一例を示す略平面図である。
図15B図15Bは、第2の配線層の一例を示す略平面図である。
図15C図15Cは、第3の配線層の一例を示す略平面図である。
図16図16は、実施例3の配線基板の一例を示す略平面図である。
図17図17は、図16に示すA-A線の略断面図である。
図18図18は、従来の配線基板の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願が開示する配線基板、半導体装置及び配線基板の製造方法の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。尚、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【実施例0012】
図1、2、及び7は、実施例1の配線基板1の一例を示す。実施例1では、複数の絶縁層と配線層とを積層した配線基板における、ある層の絶縁層と配線層を示す。このような配線基板における一部平面及び断面を示す。図1は、配線基板1の第2の配線層3Bにける平面図を示す。図2は、配線基板1の図1に示すA-A線の略断面図である。また、図7は、配線基板1の第1の配線層3Aにおける平面図を示す。配線基板1は、第1の絶縁層2Aと、第1の絶縁層2A上に設けられた第1の配線層3Aと、第1の配線層3A上に設けられた第2の絶縁層2Bと、第2の絶縁層2B上に設けられた第2の配線層3Bと、を有する。
【0013】
第1の配線層3Aは、第1のプレーン層10Aと、第1のプレーン層10Aを貫通する第1の開口部5Aと、第1の開口部5A内に設けられた補強パッド6Aと、第1の信号パッド7Aと、第1の信号パッド7Aと電気的に接続する第1の信号線22Aとを有する。第1の配線層3Aは、例えば、セミアディティブ法で形成するものとする。
【0014】
第1の配線層3Aは、第1の絶縁層2A上に設けられた第1のシード層11Aと、第1のシード層11A上に設けられた第1の電解めっき層12Aとを有する。第1のプレーン層10Aは、グランドプレーン又はパワープレーンに相当する。第1の信号パッド7A及び第1の信号線22Aは、第1のプレーン層10Aと電気的に分離している。
【0015】
補強パッド6Aは、図7に示すように、平面から見て全周囲が第1のプレーン層10Aに囲まれ、かつ、第1のプレーン層10Aと離間した状態で第1の開口部5A内に設けられている。第1の配線層3Aは、複数の補強パッド6A及び第1の開口部5Aを有し、補強パッド6A及び第1の開口部5Aが平面から見て格子状に設けられている。補強パッド6Aと第1のプレーン層10Aとの間隔は、例えば、1~10μm程度である。
【0016】
第1の信号パッド7Aも、平面から見て第1の信号配線22Aとの接続部以外の全周囲が第1のプレーン層10Aに囲まれ、かつ、第1のプレーン層10Aと離間した状態で第1の開口部5A内に設けられている。第1の信号パッド7Aと第1のプレーン層10Aとの間隔は1~10μm程度である。第1の信号配線22Aも、平面からみて周囲が第1プレーン層10Aに囲まれ、かつ、第1のプレーン層10Aと離間した状態で第1の開口部5A内に設けられている。第1の信号配線22Aと第1のプレーン層10Aとの間隔は1~5μm程度である。
【0017】
第2の配線層3Bは、第2のプレーン層10Bと、第2のプレーン層10Bを貫通する第2の開口部5Bと、第2の開口部5B内に設けられた第2の信号パッド7Bと、第2の信号パッド7Bと電気的に接続する第2の信号線22Bとを有する。第2の配線層3Bも、例えば、セミアディティブ法で形成するものとする。
【0018】
第2の配線層3Bは、第2の絶縁層2B上に設けられた第2のシード層11Bと、第2のシード層11B上に設けられた第2の電解めっき層12Bとを有する。第2のプレーン層10Bは、グランドプレーン又はパワープレーンに相当する。第2の信号パッド7B及び第2の信号線22Bは、第2のプレーン層10Bと電気的に分離している。
【0019】
第2の信号パッド7Bは、平面から見て第2の信号配線22Bとの接続部以外の全周囲が第2のプレーン層10Bに囲まれ、かつ、第2のプレーン層10Bと離間した状態で第2の開口部5B内に設けられている。第2の信号パッド7Bと第2のプレーン層10Bとの間隔は1~10μm程度である。第2の信号配線22Bも、平面からみて周囲が第2プレーン層10Bに囲まれ、かつ、第2のプレーン層10Bと離間した状態で第2の開口部5B内に設けられている。第2の信号配線22Bと第2のプレーン層10Bとの間隔は、例えば、1~10μm程度である。
【0020】
第2の絶縁層2Bは、貫通孔21と、補強パッド6Aと第2のプレーン層10Bとを接続する補強ビア20Aと、第1の信号パッド7Aと第2の信号パッド7Bとの間を電気的に接続する信号ビア20Bとを有する。貫通孔21は、当該第2の絶縁層2Bを表裏に貫通すると共に、補強パッド6A表面を露出する。補強ビア20A及び補強パッド6Aは、信号線に接続するものではない。また、貫通孔21は、当該第2の絶縁層2Bを表裏に貫通すると共に、第1の信号パッド7A表面を露出する。
【0021】
補強ビア20Aは、貫通孔21の内壁である第2の絶縁層2B表面に設けられた第2のシード層11Bと、第2のシード層11B上に設けられ、かつ、貫通孔21内に充填された第2の電解めっき層12Bとを有する。尚、補強ビア20Aの第2の電解めっき層12Bは、第2の配線層3Bの第2のプレーン層10B内の第2の電解めっき層12Bの一部である。
【0022】
尚、説明の便宜上、第2の配線層3Bには、補強パッドを設けていない場合を例示したが、第2の配線層3Bに補強パッドを設けても良く、適宜変更可能である。
【0023】
図3は、実施例1の配線基板製造工程の一例を示すフローチャートである。図3に示す配線基板製造工程としては、第1の絶縁層2Aを形成する第1の絶縁層形成工程を実行する(ステップS11)。図4Aは、第1の絶縁層形成工程の一例を示す説明図である。例えば、感光性の絶縁樹脂からなる第1の絶縁層2Aを形成する。尚、感光性絶縁樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂やポリイミド系樹脂を用いる。
【0024】
配線基板製造工程としては、ステップS11にて第1の絶縁層形成工程を経た後、第1の絶縁層2A上に第1のシード層11Aを形成する第1のシード層形成工程を実行する(ステップS12)。図4Bは、第1のシード層形成工程の一例を示す説明図である。例えば、無電解めっき又はスパッタにより、第1の絶縁層2A表面に第1のシード層11Aを形成する。第1のシード層11Aとしては、例えば、厚さ100~350nm程度の銅を用いる。尚、厚さ20~50nm程度のチタンの層の上に、例えば、厚さ100~300nmの銅の層を積層し、第1のシード層11Aとしても良い。
【0025】
配線基板製造工程としては、ステップS12にて第1のシード層形成工程を経た後、第1の配線層3Aを形成するための第1のめっきレジスト層51Aを第1のシード層11A上に配置する第1のめっきレジスト層形成工程を実行する(ステップS13)。図5Aは、第1のめっきレジスト層形成工程の一例を示す説明図である。第1のシード層11A上に、例えば、感光性樹脂からなるドライフィルムレジストを積層する。次いで、ドライフルムレジストを露光・現像することで、第1の配線層3Aの平面形状に相当する開口51Cを有する第1のめっきレジスト層51Aを形成する。これにより、開口51Cから第1のシード層11A表面の一部を露出させる。
【0026】
配線基板製造工程としては、ステップS13にて第1のめっきレジスト層形成工程を経た後、第1のシード層11A上に第1の電解めっき層12Aを形成する第1の電解めっき層形成工程を実行する(ステップS14)。図5Bは、第1の電解めっき層形成工程の一例を示す説明図である。第1の電解めっき層形成工程では、第1のシード層11Aを給電層として電解めっき処理を実行する。その結果、第1のめっきレジスト層51Aの開口51Cから露出する第1のシード層11A上にめっきを析出させ、第1のシード層11A上に第1の電解めっき層12Aを形成することになる。尚、第1の電解めっき層12Aは、例えば、電解銅めっきにより形成する。第1の電解めっき層12Aの厚さは、例えば、1~5μm程度とする。尚、第1の配線層3A内の第1の信号パッド7Aとなる第1の電解めっき層12A、第1のプレーン層10Aとなる第1の電解めっき層12A、及び補強パッド6Aとなる第1の電解めっき層12Aは同一の電解銅めっき層で形成される。
【0027】
配線基板製造工程としては、ステップS14にて第1の電解めっき層形成工程を経た後、第1のシード層11A上の第1のめっきレジスト層51Aを除去する第1のめっきレジスト層除去工程を実行する(ステップS15)。図6Aは、第1のめっきレジスト層除去工程の一例を示す説明図である。第1のめっきレジスト層除去工程では、めっきレジストの剥離液により第1のシード層11A上の第1のめっきレジスト層51Aを除去する。
【0028】
配線基板製造工程としては、ステップS15にて第1のめっきレジスト層除去工程を経た後、第1の電解めっき層12Aから露出する第1のシード層11Aを除去する第1のシード層除去工程を実行する(ステップS16)。図6Bは、第1のシード層除去工程の一例を示す説明図である。第1のシード層除去工程では、第1の電解めっき層12Aから露出する第1のシード層11Aを、第1の電解めっき層12Aをマスクにしてエッチングし除去する。例えば、ウエットエッチングにより除去する。その結果、第1のシード層11Aと第1の電解めっき層12Aとからなる第1の配線層3Aを第1の絶縁層2A上に形成することになる。図7は、第1の配線層3Aの一例を示す略平面図である。第1の配線層3Aのライン/スペースは、例えば、1μm/1μm~5μm/5μm程度とする。第1の配線層3A内の第1の信号パッド7A及び補強パッド6Aの直径は、例えば、10~30μm程度とする。第1の信号パッド7A及び補強パッド6Aと第1のプレーン層10Aとの間隔は、例えば、1~10μm程度とする。
【0029】
ビルドアップ法により配線基板1を製造する場合、絶縁層は複数回の加熱工程を経るため、絶縁層から樹脂の熱硬化に伴うガスが発生することになる。このガスがプレーン層(配線層)と絶縁層との間に滞留し、プレーン層と絶縁層との間で剥離が生じる場合がある。しかしながら、本実施例では、補強パッド6A周囲の第1のプレーン層10Aの第1の開口部5Aから、このガスを逃がすことができる。その結果、例えば、第1の配線層3A内の第1のプレーン層10Aと第1の絶縁層2Aや第2の絶縁層2Bとの間の剥離を抑制できる。
【0030】
配線基板製造工程としては、ステップS16にて第1のシード層除去工程を経た後、第1の配線層3A上に第2の絶縁層2Bを形成する第2の絶縁層形成工程を実行する(ステップS17)。図8Aは、第2の絶縁層形成工程の一例を示す説明図である。第2の絶縁層形成工程では、例えば、第1の配線層3A上に、例えば、液状又はペースト状の感光性絶縁樹脂を塗布した状態で加熱する。その結果、半硬化状態の第2の絶縁層2Bを第1の配線層3A上に形成することになる。感光性絶縁樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂やポリイミド系樹脂を用いる。第2の絶縁層2Bの厚さは、例えば、5~10μm程度とする。
【0031】
配線基板製造工程としては、ステップS17にて第2の絶縁層形成工程を経た後、補強パッド6A及び第1の信号パッド7Aの表面を露出する貫通孔21を第2の絶縁層2Bに形成する貫通孔形成工程を実行する(ステップS18)。図8Bは、貫通孔形成工程の一例を示す説明図である。貫通孔形成工程では、例えば、感光性樹脂からなる第2の絶縁層2Bの露光・現像により、第2の絶縁層2Bを表裏に貫通すると共に、第1の配線層3A表面の一部を露出する貫通孔21を第2の絶縁層2Bに形成する。その後、第2の絶縁層2Bを、感光性樹脂の硬化温度以上に加熱して硬化させる。尚、貫通孔21は、第2の絶縁層2B側の表面の開口径が、第1の配線層3A側の表面の開口径よりも大きい、逆円錐台の形状に形成されることになる。第2の絶縁層2B表面における開口径は、例えば、5~20μm程度とする。
【0032】
配線基板製造工程としては、ステップS18にて貫通孔形成工程を経た後、第2の絶縁層2B上に第2のシード層11Bを形成する第2のシード層形成工程を実行する(ステップS19)。図9Aは、第2のシード層形成工程の一例を示す説明図である。第2のシード層形成工程では、貫通孔21の内壁を含む第2の絶縁層2Bの表面及び、貫通孔21から露出する第1の配線層3Aの表面に、例えば、無電解めっき又はスパッタにより、第2のシード層11Bを形成することになる。第2のシード層11Bとしては、例えば、厚さ100~350nm程度の銅を用いる。尚、厚さ20~50nm程度のチタンの層の上に、厚さ100~300nmの銅の層を積層し、第2のシード層11Bとしても良い。
【0033】
配線基板製造工程としては、ステップS19にて第2のシード層形成工程を経た後、第2のめっきレジスト層51Bを第2のシード層11B上に形成する第2のめっきレジスト層形成工程を実行する(ステップS20)。図9Bは、第2のめっきレジスト層形成工程の一例を示す説明図である。第2のめっきレジスト層形成工程では、第2のシード層11B上に感光性の第2のめっきレジスト層51Bを形成することになる。例えば、第1のめっきレジスト層51Aと同様な方法で露光・現像を行い、第2の配線層3Bの平面形状に相当する開口51Cを有する第2のめっきレジスト層51Bを形成する。これにより、開口51Cから第2のシード層11B表面の一部を露出させる。
【0034】
配線基板製造工程としては、ステップS20にて第2のめっきレジスト層形成工程を経た後、第2のシード層11B上に第2の電解めっき層12Bを形成する第2の電解めっき層形成工程を実行する(ステップS21)。図10は、第2の電解めっき層形成工程の一例を示す説明図である。第2の電解めっき層形成工程では、第2のシード層11Bを給電層として電解めっき処理を実行する。その結果、第2のめっきレジスト層51Bの開口51Cから露出する第2のシード層11B上にめっきを析出させ、第2のシード層11B上に第2の電解めっき層12Bを形成することになる。第2の電解めっき層12Bは、例えば、電解銅めっきにより形成する。第2の電解めっき層12Bの厚さ(絶縁層表面における厚さ)は、例えば、1~3μm程度とする。第2の電解めっき層12Bを貫通孔21内部を充填するように形成することで第2の絶縁層2B内に補強ビア20Aや信号ビア20Bを形成する。第2の配線層3Bの内、第2の信号パッド7B等となる部分の第2の電解めっき層12Bと、第2のプレーン層10Bになる部分の第2の電解めっき層12Bとは、同一の第2の電解めっき層12Bで形成される。
【0035】
配線基板製造工程としては、ステップS21にて第2の電解めっき層形成工程を経た後、第2のシード層11B上の第2のめっきレジスト層51Bを除去する第2のめっきレジスト層除去工程を実行する(ステップS22)。図11は、第2のめっきレジスト層除去工程の一例を示す説明図である。第2のめっきレジスト層除去工程では、めっきレジストの剥離液により第2のシード層11B上の第2のめっきレジスト層51Bを除去する。
【0036】
配線基板製造工程としては、ステップS22にて第2のめっきレジスト層除去工程を経た後、第2の電解めっき層12Bから露出する第2のシード層11Bを除去する第2のシード層除去工程を実行する(ステップS23)。図12は、第2のシード層除去工程の一例を示す説明図である。第2のシード層除去工程では、第2の電解めっき層12Bから露出する第2のシード層11Bを、第2の電解めっき層12Bをマスクにしてエッチングし除去する。例えば、ウエットエッチングにより除去する。その結果、第2のシード層11Bと第2の電解めっき層12Bとからなる第2の配線層3Bを形成することになる。第2の配線層3Bのライン/スペースは、例えば、1μm/1μm~5μm/5μm程度とする。第2の信号パッド7Bの直径は、例えば、10~30μm程度とする。第2の信号パッド7Bと第2のプレーン層10Bとの間隔は、例えば、1~10μm程度とする。
【0037】
その結果、第1の絶縁層2A、第1の配線層3A、第2の絶縁層2B及び第2の配線層3Bを備えた配線基板1のプレーン層部分が完成したことになる。つまり、配線基板1は、第2の電解めっき層形成工程で第2の絶縁層2B内に補強ビア20A及び信号ビア20Bを同一の電解めっき層12Bで形成するため、補強ビア20Aを形成するのに追加の工程が不要となる。
【0038】
実施例1における配線基板1の構造は、各種配線基板や、その配線基板を用いた半導体装置に応用可能である。例えば、特開2020-047735に開示された配線基板や半導体装置に応用可能である。図13は、特開2020-047735に開示された半導体装置の一例を示す説明図である。図13に示す半導体装置80は、ベース基板81と、ベース基板81を補強するスティフナ83と、ベース基板81上にはんだバンプ94を介して搭載された配線基板91と、配線基板91上に搭載される半導体チップ82と、を有する。配線基板91は、ガラスクロス等の補強材に非感光性の熱硬化性樹脂を含侵させた絶縁層92と、絶縁層92上に設けられた多層配線構造93と、を有する。多層配線構造93は、感光性樹脂からなる絶縁層931と、セミアディティブ法で形成された配線層932とが、複数積層されてなる。この多層配線構造93に、配線基板1のプレーン層、補強パッド、補強ビアの構造を適用できる。よって、半導体装置80において、絶縁層931と配線層932との間の密着力を強化した配線基板91を使用できる。
【0039】
実施例1の配線基板1は、第1の配線層3A内の第1の開口部5A内に設けられた補強パッド6Aと、第2の配線層3B内の第2のプレーン層10Bとを接続する補強ビア20Aを第2の絶縁層2B内に形成する。つまり、配線基板1では、補強ビア20Aと補強パッド6Aとにより、第2の絶縁層2Bの上下面を第2のプレーン層10Bと補強パッド6Aとで挟み込む構造を形成している。その結果、第2の絶縁層2Bに対する第2のプレーン層10Bの剥離を防止できる。そして、配線層と絶縁層との間の密着力を強化することで配線層と絶縁層との間のデラミネーションを抑制できる。
【0040】
補強パッド6Aは、全周囲が第1のプレーン層10Aに囲まれ、かつ、第1のプレーン層10Aと離間した状態で第1の開口部5A内に設けられる。その結果、第1の絶縁層2Aの樹脂の熱硬化に伴い発生するガスを補強パッド6A周囲の第1のプレーン層10Aの第1の開口部5Aから逃がすことができる。その結果、第1のプレーン層10Aと第1の絶縁層2Aとの間の剥離を防止できる。
【0041】
第1の配線層3Aは、複数の補強パッド6A及び第1の開口部5Aを有し、補強パッド6A及び第1の開口部5Aが平面から見て格子状に設けられる。その結果、配線層と絶縁層との間の密着性のムラを抑制できる。
【0042】
第2の絶縁層2Bは、第1の信号パッド7Aと第2の信号パッド7Bとの間を電気的に接続する信号ビア20Bを有する。その結果、第1の配線層3Aと第2の配線層3Bとを電気的に接続できる。
【0043】
第2の絶縁層2Bは、第2の絶縁層2Bを表裏に貫通すると共に、補強パッド6A表面を露出する貫通孔21を有する。第2のプレーン層10B及び補強ビア20Aは、貫通孔21の内壁の第2の絶縁層2B表面及び補強パッド6A表面に設けられた第2のシード層11Bと、第2のシード層11B上に設けられ、かつ、貫通孔21内に充填された第2の電解めっき層12Bとを有する。その結果、配線層と絶縁層との間の密着力を強化することで配線層と絶縁層との間のデラミネーションを抑制できる。
【0044】
配線基板1は、第1の配線層3Aの補強パッド6Aと第2の配線層3Bとの間の第2の絶縁層2B内に補強ビア20Aを形成する。その結果、第1の配線層3Aと第1の絶縁層2A(第2の絶縁層2B)との間、第2の配線層3Bと第2の絶縁層2Bとの間の密着力を強化できる。
【0045】
更に、第1の配線層3A上の第2の絶縁層2B内に補強ビア20Aを等間隔(100~500μm程度)で配置するようにしたので、配線層と絶縁層との間の密着性のムラを抑制できる。
【0046】
更に、実施例1の配線基板1では、2層の配線層3A(3B)を実装する場合を例示したが、2層に限定されるものではなく、3層以上の配線層を実装しても良く、その実施の形態につき、実施例2として以下に説明する。
【実施例0047】
図14は、実施例2の配線基板1Aの一例を示す略断面図である。尚、実施例1の配線基板1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。図14に示す配線基板1Aは、第1の絶縁層2Aと、第1の配線層3Aと、第2の絶縁層2Bと、第2の配線層3Bと、第3の絶縁層2Cと、第3の配線層3Cとを有する。第1の配線層3Aは、第1の絶縁層2A上に設けられている。第2の絶縁層2Bは、第1の配線層3A上に設けられている。第2の配線層3Bは、第2の絶縁層2B上に設けられている。第3の絶縁層2Cは、第2の配線層3B上に設けられている。第3の配線層3Cは、第3の絶縁層2C上に設けられている。尚、説明の便宜上、信号パッドや信号ビアは省略して説明する。
【0048】
図15Aは、第1の配線層3Aの一例を示す略平面図である。図15Aに示す第1の配線層3Aは、第1のプレーン層10Aと、複数の第1の開口部5Aと、複数の第1の補強パッド6A1とを有する。複数の第1の開口部5Aと複数の第1の補強パッド6A1は、格子状に配置される。第1の配線層3Aは、第1のシード層11Aと、第1の電解めっき層12Aとを有する。なお、図14では、第1のシード層11Aと第1の電解めっき層12Aの図示を省略し、一つの層として第1の配線層3Aを示している。また、説明の便宜上、図15Aでは、第1の配線層3A上に位置する第2の配線層3Bの第2の補強パッド6A2を点線で図示するが、第2の補強パッド6A2は第1の配線層3Aに設けられるものではない。
【0049】
図15Bは、第2の配線層3Bの一例を示す略平面図である。図15Bに示す第2の配線層3Bは、第2のプレーン層10Bと、複数の第2の開口部5Bと、複数の第2の補強パッド6A2とを有する。複数の第2の開口部5Bと複数の第2の補強パッド6A2は、格子状に配置される。第2の配線層3Bは、第2のシード層11Bと、第2の電解めっき層12Bとを有する。なお、図14では、第2のシード層11Bと第2の電解めっき層12Bの図示を省略し、一つの層として第2の配線層3Bを示している。また、説明の便宜上、図15Bでは、第2の配線層3B上に位置する第3の配線層3Cの第3の補強パッド6A3及び第2の配線層3B下に位置する第1の配線層3Aの第1の補強パッド6A1を点線で図示する。しかしながら、第1の補強パッド6A1及び第3の補強パッド6A3は第2の配線層3Bに設けられるものではない。
【0050】
図15Cは、第3の配線層3Cの一例を示す略平面図である。図15Cに示す第3の配線層3Cは、第3のプレーン層10Cと、複数の第3の開口部5Cと、複数の第3の補強パッド6A3とを有する。複数の第3の開口部5Cと複数の第3の補強パッド6A3は、格子状に配置される。第3の配線層3Cは、第3のシード層11Cと、第3の電解めっき層12Cとを有する。なお、図14では、第3のシード層11Cと第3の電解めっき層12Cの図示を省略し、一つの層として第3の配線層3Cを示している。また、説明の便宜上、図15Cでは、第3の配線層3C下に位置する第2の配線層3Bの第2の補強パッド6A2を点線で図示する。しかしながら、第2の補強パッド6A2は第3の配線層3Cに設けられるものではない。
【0051】
配線基板1Aは、第1の配線層3Aと、第2の配線層3Bと、第3の配線層3Cとを積層した場合、第1の配線層3A内の第1の補強パッド6A1と第3の配線層3C内の第3の補強パッド6A3とが平面視して重なる位置に配置されるものとする。
【0052】
第2の絶縁層2Bは、当該第2の絶縁層2Bを貫通すると共に、第1の補強パッド6A1表面を露出する貫通孔21と、第1の補強パッド6A1と第2のプレーン層10Bとを接続する第1の補強ビア20A1とを有する。
【0053】
第3の絶縁層2Cは、当該第3の絶縁層2Cを貫通すると共に、第2の補強パッド6A2表面を露出する貫通孔21と、第2の補強パッド6A2と第3のプレーン層10Cとを接続する第2の補強ビア20A2とを有する。
【0054】
実施例2の配線基板1Aは、第1の絶縁層2Aと、第2の絶縁層2Bと、第3の絶縁層2Cとを積層した場合、第2の絶縁層2B内の第1の補強ビア20A1の位置と、第3の絶縁層2C内の第2の補強ビア20A2の位置とが重ならない。つまり、あるプレーン層の補強パッド6Aと補強ビア20Aとの配列と、その上層のプレーン層の補強パッド6Aと補強ビア20Aとの配列とは、逆にした。その結果、配線層と絶縁層との間の密着性のムラを抑制できる。
【0055】
実施例2の配線基板1Aでは、3層の配線層を積層する場合を例示したが、3層に限定されるものではなく、4層以上でも良く、適宜変更可能である。この場合、第1の配線層と第2の配線層との間の第2の絶縁層の第1の補強ビア20A1の位置と、第3の配線層と第4の配線層との間の第4の絶縁層の第3の補強ビアの位置とが重なるようにしても良い。また、第1の補強ビア20A1と第3の補強ビアとが重ならないようにしても良く、補強ビア20Aの位置は適宜変更可能である。
【0056】
尚、実施例1の配線基板1は、第1のプレーン層10Aの第1の開口部5A内に全周囲が囲まれるように補強パッド6Aを配置する場合を例示した。しかしながら、補強パッド6Aの配置は第1の開口部5A内に限定されるものではない。第1のプレーン層10A内に補強パッド6Aを配置しても良く、その実施の形態につき、実施例3として以下に説明する。
【実施例0057】
図16は、実施例3の配線基板1Bの一例を示す略平面図である。配線基板1Bにおける第1の配線層3Aの平面図を示す。図17は、図16に示すA-A線の略断面図である。尚、実施例1の配線基板1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。実施例1の配線基板1と実施例3の配線基板1Bとが異なるところは、補強パッド6A11を第1の開口部5A以外の第1のプレーン層10Aの部位に設けた点にある。
【0058】
第1の配線層3A内の補強パッド6A11は、第1のプレーン層10A内に配置した。つまり、補強パッド6A11と第1のプレーン層10Aとを一体に形成した。第2の絶縁層2B内には、補強パッド6A11と第2の配線層3B内の第2のプレーン層10Bとを接続する補強ビア20Aを形成した。
【0059】
実施例3の配線基板1Bは、第1の配線層3A内の第1のプレーン層10A内に形成された補強パッド6A11と、第2の配線層3B内の第2のプレーン層10Bとを接続する補強ビア20Aを第2の絶縁層2B内に形成する。その結果、配線層と絶縁層との間の密着力を強化することで配線層と絶縁層との間のデラミネーションを抑制できる。
【0060】
尚、第1の配線層3Aや第2の配線層3B等の配線層をセミアディティブ法で形成する場合を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、フルアディティブ法等の異なる方法で形成しても良く、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 配線基板
2B 第2の絶縁層(絶縁層)
2C 第3の絶縁層(他の絶縁層)
3A 第1の配線層
3B 第2の配線層
3C 第3の配線層
5A 第1の開口部
5B 第2の開口部
6A 補強パッド
7A 信号パッド
10A 第1のプレーン層
10B 第2のプレーン層
11A 第1のシード層
11B 第2のシード層
12A 第1の電解めっき層
12B 第2の電解めっき層
20A 補強ビア
20B 信号ビア
21 貫通孔
22A 第1の信号線
22B 第2の信号線
80 半導体装置
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図16
図17
図18