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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178942
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】転写装置、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20231211BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20231211BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
G03G21/00 384
G03G15/01 114
G03G15/16 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060073
(22)【出願日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】P 2022091526
(32)【優先日】2022-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】高木 広彰
【テーマコード(参考)】
2H200
2H270
2H300
【Fターム(参考)】
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA34
2H200GA44
2H200GA47
2H200HA01
2H200HB12
2H200HB22
2H200JA02
2H200JA29
2H200JC03
2H270KA32
2H270LA63
2H270LA90
2H270MB04
2H270MB39
2H270MD01
2H270MD12
2H270MD17
2H270PA49
2H270ZC03
2H270ZC04
2H300EB04
2H300EB07
2H300EB12
2H300EC02
2H300EC05
2H300EF03
2H300EF17
2H300EG02
2H300EJ10
2H300GG01
2H300GG02
2H300GG04
2H300GG34
2H300TT03
2H300TT04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】所望の順番で特別色の現像剤像を転写可能な転写装置で、特別色の現像剤の消費を抑えることを課題とする。
【解決手段】中間転写ベルト2を介して一次転写ローラと感光体との間に形成される一次転写ニップを有する一次転写部を複数備え、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのいずれの色でもない特別色の現像剤を、複数の一次転写部のうち、中間転写ベルト2の走行方向の最も上流側である最上流一次転写部201で転写する状態と、最も下流側である最下流一次転写部203で転写する状態とを取り得るように構成され、最上流一次転写部201および最下流一次転写部203の一次転写ローラが、中間転写ベルト2を介して感光体に当接させた当接位置と感光体から離間した離間位置との間で切り替え可能に設けられ、特別色の現像剤を転写する転写部のみを離間位置に配置し、その他の転写部を当接位置に配置した状態で画像を転写することを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周回走行する中間転写体と、
前記中間転写体に当接する複数の一次転写部材と、を備えた転写装置であって、
前記中間転写体を介して前記一次転写部材と潜像担持体との間に形成される一次転写ニップを有する一次転写部を複数備え、
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのいずれの色でもない特別色の現像剤を、前記複数の一次転写部のうち、前記中間転写体の走行方向の最も上流側である最上流一次転写部で転写する状態と、最も下流側である最下流一次転写部で転写する状態とを取り得るように構成され、
前記最上流一次転写部および前記最下流一次転写部の前記一次転写部材が、前記中間転写体を介して前記潜像担持体に当接させた当接位置と前記潜像担持体から離間した離間位置との間で切り替え可能に設けられ、
前記特別色の現像剤を転写する前記転写部のみを前記離間位置に配置し、その他の前記転写部を前記当接位置に配置した状態で画像を転写することを特徴とする転写装置。
【請求項2】
前記最上流一次転写部および前記最下流一次転写部の他方がブラックの現像剤像を転写する請求項1記載の転写装置。
【請求項3】
前記最上流一次転写部で転写する現像剤と前記最下流一次転写部で転写する現像剤とを交換可能である請求項1記載の転写装置。
【請求項4】
前記特別色の現像剤を転写する前記転写部を前記離間位置に配置し、他の少なくとも4つの前記転写部を前記当接位置に配置した状態で画像を転写する請求項1記載の転写装置。
【請求項5】
前記最下流一次転写部と前記最下流一次転写部より一つ上流の一次転写部との間に、前記中間転写体の走行速度を検知する検知機構をさらに有する請求項1記載の転写装置。
【請求項6】
前記中間転写体を張架する第1張架ローラと、
共通の駆動源により、前記最下流一次転写部の一次転写部材を前記当接位置および前記離間位置へ移動させるとともに、前記第1張架ローラを三つの位置へ移動させる第1移動機構をさらに有する請求項1記載の転写装置。
【請求項7】
前記第1張架ローラは、前記最下流一次転写部の一次転写部材よりも前記中間転写体の走行方向の下流側に設けられ、かつ、前記第1移動機構により移動される三つの位置すべてにおいて、前記中間転写体を張架する請求項6記載の転写装置。
【請求項8】
前記最下流一次転写部と前記最下流一次転写部より一つ上流の一次転写部との間に、前記中間転写体を張架する第2張架ローラをさらに備え、
前記最下流一次転写部の前記一次転写部材が前記潜像担持体から離間し、前記最下流一次転写部より一つ上流の一次転写部の前記一次転写部材が前記潜像担持体に当接した状態で、前記第2張架ローラが前記中間転写体を張架する請求項7記載の転写装置。
【請求項9】
前記最下流一次転写部と前記第2張架ローラとの間に、前記中間転写体の走行速度を検知する検知機構をさらに有する請求項8記載の転写装置。
【請求項10】
前記最下流一次転写部より一つ上流の一次転写部の前記一次転写部材を、前記中間転写体に対して当接あるいは離間させる第2移動機構をさらに備え、
前記第2移動機構が前記第2張架ローラを前記中間転写体に対して接離する方向へ移動させる請求項8記載の転写装置。
【請求項11】
前記第1移動機構が前記第2張架ローラを前記中間転写体に対して接離する方向へ移動させる請求項8記載の転写装置。
【請求項12】
前記検知機構による検知結果により、前記中間転写体の走行速度を変更する請求項5記載の転写装置。
【請求項13】
複数の前記潜像担持体と、
請求項1から12いずれか1項に記載の転写装置とを備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー画像を印刷可能な画像形成装置においては、YMCKの4色の他に、透明色や白色などの特別色のトナーを転写可能な転写装置が設けられる。このような画像形成装置では、まず、各色のトナー像を各一次転写部において中間転写体に転写した後、二次転写部において用紙などの記録シートに多色トナー画像を二次転写する。
【0003】
例えば特許文献1(特開2006-30737号公報)では、YMCKの4色の他に、中間転写ベルトの最下流に透明色のトナー像を転写する一次転写部が設けられる。透明トナー像を形成しない場合には、透明色に対応する一次転写部の一次転写ローラが感光体から離間し、透明トナーのトナー像形成部は停止する。
【0004】
上記のように特別色のトナー像を形成しない場合に、対応する一次転写ローラを潜像担持体としての感光体から離間させることで、特別色のトナーの余分な消費を抑えることができる。
【0005】
ところで、画像形成装置によっては、特別色のトナー像を最上流で一次転写したい場合と最下流で一次転写したい場合とがあり、求める転写の順番が異なっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
所望の順番で特別色の現像剤像を転写可能な転写装置で、特別色の現像剤の消費を抑えることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、周回走行する中間転写体と、前記中間転写体に当接する複数の一次転写部材と、を備えた転写装置であって、前記中間転写体を介して前記一次転写部材と潜像担持体との間に形成される一次転写ニップを有する一次転写部を複数備え、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのいずれの色でもない特別色の現像剤を、複数の前記一次転写部のうち、前記中間転写体の走行方向の最も上流側である最上流一次転写部で転写する状態と、最も下流側である最下流一次転写部で転写する状態とを取り得るように構成され、前記最上流一次転写部および前記最下流一次転写部の前記一次転写部材が、前記中間転写体を介して前記潜像担持体に当接させた当接位置と前記潜像担持体から離間した離間位置との間で切り替え可能に設けられ、前記特別色の現像剤を転写する前記転写部のみを前記離間位置に配置し、その他の前記転写部を前記当接位置に配置した状態で画像を転写することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、所望の順番で特別色の現像剤像を転写可能で、かつ、特別色の現像剤の消費を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】画像形成装置の概略構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る転写装置の概略構成図である。
図3】(a)~(f)はA~Fの各モードにおける転写装置を示す図である。
図4】各モードの切り替えを示す図である。
図5】接離機構の駆動源の構成を画像形成装置の正面側から見た斜視図で、「離間小」の状態を示す図である。
図6図5からブラケットを取り外した状態の斜視図である。
図7】接離機構の駆動源の構成を画像形成装置の正面側から見た斜視図で、「当接」の状態を示す図である。
図8】接離機構の駆動源の構成を画像形成装置の正面側から見た斜視図で、「離間大」の状態を示す図である。
図9】最下流一次転写部の中間転写ベルトに対する接離構成を画像形成装置の背面側から見た図で、「当接」の状態を示す図である。
図10】最下流一次転写部の中間転写ベルトに対する接離構成を画像形成装置の背面側から見た図で、「離間小」の状態を示す図である。
図11】最下流一次転写部の中間転写ベルトに対する接離構成を画像形成装置の背面側から見た図で、「離間大」の状態を示す図である。
図12】カム部材を示す斜視図である。
図13】カム部材およびその周辺の構成を背面側から見た斜視図である。
図14】第1アームおよび第2アーム周辺の構成を示す平面図である。
図15】第2アームおよびその周辺の構成を示す斜視図である。
図16】第2アームおよびその周辺の構成を背面側から見た斜視図である。
図17】検知センサおよびセンサブラケットの接離構成を示す平面図である。
図18】第1センサブラケットおよび第2センサブラケットを画像形成装置の正面側から見た斜視図である。
図19】「離間大」の状態における第2センサブラケットの位置決めの様子を示す平面図である。
図20】中央一次転写ユニットおよび最上流一次転写部の中間転写ベルトに対する接離構成を示す平面図である。
図21】最下流一次転写部に特別色のトナーを配置した場合の作像部、補給前貯留器、およびトナーボトルの配置を示す図である。
図22】最下流一次転写部にブラックのトナーを配置した場合の作像部、補給前貯留器、およびトナーボトルの配置を示す図である。
図23】トナー補給装置の構成を示す図である。
図24】作像部、補給前貯留器、およびトナーボトルの配置を確認するフロー図である。
図25】画像形成装置に設けられた制御部の構成を示す概略図である。
図26図5と異なる実施形態の従動ローラと検知センサの配置を示す平面図である。
図27図5と異なる実施形態の中央一次転写ユニットの接離構成を示す平面図で、(a)図が「当接」の状態、(b)図が「離間」の状態を示す図である。
図28図5および図27と異なる実施形態の最下流一次転写部の接離構成を示す平面図で、(a)図が「当接」の状態、(b)図が「離間小」の状態、(c)図が「離間大」の状態を示す図である。
図29】FC印刷時の転写部を中心とした動作手順を示すフロー図である。
図30】K印刷時の転写部を中心とした動作手順を示すフロー図である。
図31】FCS印刷時の転写部を中心とした動作手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の構成を示す図である。図1に示す画像形成装置1は、潜像担持体としての感光体を複数並置したタンデム方式の構成のカラープリンタである。各感光体は、現像装置から供給された現像剤としてのトナーにより、色分解に対応した色のトナー画像を形成できる。各感光体上で形成されたトナー像を中間転写体に重畳転写した後、その重畳画像を記録用紙などのシートに対して一括転写することで、シートに多色画像を形成できる。本発明では、画像形成装置として、カラープリンタに限らず、カラー複写機、ファクシミリ装置および印刷機なども含まれること勿論である。
【0012】
図1において、画像形成装置1には、画像形成部1Aが上下方向の中央付近に配置され、その下方に給紙部1Bが、さらに画像形成部1Aの上方に原稿載置台1C1を備えた原稿走査部1Cがそれぞれ配置されている。画像形成部1Aには、中間転写体としての中間転写ベルト2が配置されている。中間転写ベルト2は水平方向に展張面を有する。中間転写ベルト2の上方には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。
【0013】
画像形成部1Aには、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による画像および透明トナーによる光沢画像を形成可能な作像部10K、10C、10M、10Y、10Tが配置されている。各作像部10K、10C、10M、10Y、10Tには画像を担持可能な感光体3K、3C、3M、3Y、3T(透明トナー)が中間転写ベルト2の展張面に沿って並置されている。なお、以下の説明において、全ての感光体に共通する内容の場合には感光体を符号3により示す。
【0014】
各感光体3K、3C、3M、3Y、3Tは、それぞれ同じ方向(図1では、反時計方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周辺には、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置,書き込み装置5,現像装置6,一次転写部材としての一次転写ローラ7,およびクリーニング装置が配置されている(便宜上、感光体3Tを対象として、各装置の符号にTを付して示してある)。
【0015】
転写装置20は、中間転写ベルト2と、転写部材としての複数の一次転写ローラ7(便宜上、一次転写ローラ7Tのみに符号を付して示してある)、複数のローラ2A~2Cを備える。
【0016】
中間転写ベルト2は、各感光体3を備えた作像部からのトナー像を順次転写される。中間転写ベルト2は複数のローラ2A~2C、および、図1に符号をつけていない複数のローラに掛け回されて図1の矢印方向へ周回走行できる。ローラ2A、2Bは、中間転写ベルト2の各感光体3に対向する対向位置の中間転写ベルト2の走行方向外側の両側で中間転写ベルト2を張架する。二次転写対向ローラ2Cは、中間転写ベルト2を挟んで二次転写装置9に対峙している。
【0017】
二次転写装置9は二次転写ローラ9Aを有する。二次転写ローラ9Aは中間転写ベルト2を挟んで二次転写対向ローラ2Cとの間に二次転写ニップを形成する。二次転写対向ローラ2Cにはトナーと同極性の二次転写バイアスが印加されているのに対し、二次転写ローラ9Aは接地されている。これにより、二次転写ニップには中間転写ベルト2上の多色トナー像をベルト側から二次転写ローラ9A側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。この二次転写ニップにより、二次転写ニップに搬送されてきたシートに多色トナー画像が転写される。
【0018】
二次転写位置には給紙部1Bから記録シートが給送される。給紙部1Bは、複数の給紙カセット1B1と、複数の搬送ローラ1B2とを備えている。複数の搬送ローラ1B2は、給紙カセット1B1から繰り出される記録シートの搬送路に配置される。
【0019】
書き込み装置5は書き込み光を感光体3K、3C、3M、3Y、3Tに照射し、感光体3K、3C、3M、3Y、3Tに対して画像情報に応じた静電潜像を形成する。この画像情報は原稿走査部1Cに有する原稿載置台1C1上の原稿を走査することにより、あるいは、コンピュータから出力される画像情報により得られる。
【0020】
原稿走査部1Cには、スキャナ1C2および自動原稿給送装置1C3が備えられている。スキャナ1C2は原稿載置台1C1上の原稿を露光走査する。自動原稿給送装置1C3は原稿載置台1C1の上面に配置される。自動原稿給送装置1C3は、原稿載置台1C1上に繰り出される原稿を反転可能な構成を備え、原稿の表裏各面での走査が行えるようになっている。
【0021】
書き込み装置5により形成された感光体3上の静電潜像は、現像装置6(図1では、便宜上、符号6Tで示してある)によって可視像処理され、中間転写ベルト2に一次転写される。中間転写ベルト2に対して各色のトナー像が重畳転写されると、二次転写装置9により記録シートに対して一括して二次転写される。
【0022】
二次転写された記録シートは、表面に担持している未定着画像が定着装置11によって定着される。定着装置11は、加熱ローラにより加熱される定着ベルトと定着ベルトに対向当接する加圧ローラとを備えたベルト定着構造を備える。定着ベルトと加圧ローラとの当接領域、つまりニップ領域を設けることにより熱ローラ定着方式の構造に比べて記録シートへの加熱領域を広げることができる。
【0023】
定着装置11を通過した記録シートは、定着装置11の後方に配置されている搬送路切り換え爪によって搬送方向が切り換えられるようになっている。具体的には、搬送路切り換え爪により、排紙部13に向けた搬送路と、反転搬送路RPとに搬送方向が選択される。
【0024】
以上のような構成を備えた画像形成装置1では、原稿載置台1C1上に載置された原稿を露光走査することにより、あるいはコンピュータからの画像情報により、一様帯電された感光体3に対して静電潜像が形成され、静電潜像が現像装置6によって可視像処理された後、トナー像が中間転写ベルト2に一次転写される。
【0025】
中間転写ベルト2に転写されたトナー像は、単一色画像の場合にはそのまま給紙部1Bから繰り出された記録シートに対して転写され、多色画像の場合には一次転写が繰り返されることで重畳された上で記録シートに対して一括して二次転写される。二次転写後の記録シートは定着装置11により未定着画像を定着された後、排紙部13あるいは、反転されて再度二次転写位置に向けて給送される。
【0026】
図1において、中間転写ベルト2は、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン-四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)等を単層または複数層に構成し、カーボンブラック等の導電性材料を分散させて構成される。中間転写ベルト2の体積抵抗率を10~1012Ωcm、かつ表面抵抗率を10~1013Ωcmの範囲となるよう調整されている。なお、必要に応じ中間転写ベルト2の表面に離型層をコートしても良い。コートに用いる材料としては、ETFE(エチレン-四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パ-フルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)等のフッ素樹脂が使用できるが、これに限定されるものではない。中間転写ベルト2の製造方法は注型法、遠心成形法等があり、必要に応じてその表面を研磨しても良い。中間転写ベルト2の体積抵抗率が上述した範囲を超えると、転写に必要なバイアスが高くなるため、電源コストの増大を招くため好ましくない。また、転写工程、転写紙剥離工程などで中間転写ベルト2の帯電電位が高くなり、かつ自己放電が困難になるため除電手段を設ける必要が生じる。また、体積抵抗率および表面抵抗率が上記範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるためトナー飛び散りが発生してしまう。したがって、本実施形態における中間転写ベルト2の体積抵抗率および表面抵抗率は上記範囲内が好ましい。なお、体積抵抗率および表面抵抗率の測定は高抵抗抵抗率計(三菱化学社製:ハイレスタIP)にHRSプローブ(内側電極直径5.9mm,リング電極内径11mm)を接続し、中間転写ベルト2の表裏に100V(表面抵抗率は500V)の電圧を印加して10秒後の測定値を用いた。
【0027】
中間転写ベルト2は、少なくとも一対のローラであるローラ2A、2B、二次転写位置に設けられている二次転写対向ローラ2Cにそれぞれ掛け回されて駆動ローラ2Aが時計方向に回転設定されることで図1において中間転写ベルト2の内部に示す矢印方向に移動することができるようになっている。ローラ2Aおよび2B間で移動するベルトの転写面が各作像ユニットの感光体3K、3Y、3C、3M、3Tに対向している。中間転写ベルト2を挟んで各感光体と対向する位置には、感光体上の可視像を静電転写するための転写部材に相当する一次転写ローラ7(図1では、特殊トナーを対象として符号7Tで示してある)がそれぞれ配置されている。
【0028】
本実施形態に用いられる一次転写ローラ7は、発泡樹脂剤を金属製(鉄、SUS、AI等)の芯金に塗布したものである。発泡樹脂剤の肉厚は2mm~10mmである。なお、転写部材としては、公知であるブレード状やブラシ状のものも用いることができる。
【0029】
本実施例では、フルカラー画像形成に用いられるトナーに加えて、画像に白色の下地を形成する目的で白トナーが用いられる。この他、画像の光沢性、転写性を向上させる目的で透明トナーを用いてもよいし、色域を増やすためにライトシアントナー、ライトマゼンタトナーなどが選択される場合もある。赤銅色、青銅色などの色のついた金属色を作成する目的で、金トナー、銀トナーなどの金属色のトナーを下地に用いる場合もある。
【0030】
図2に示すように、一次転写ローラ7Tが、中間転写ベルト2を介して感光体3Tとの間に特別色転写ニップNTを形成する。一次転写ローラ7Cが、中間転写ベルト2を介して感光体3Cとの間にシアン転写ニップNCを形成する。一次転写ローラ7Mが、中間転写ベルト2を介して感光体3Mとの間にマゼンタ転写ニップNMを形成する。一次転写ローラ7Yが、中間転写ベルト2を介して感光体3Yとの間にイエロー転写ニップNYを形成する。一次転写ローラ7Kが、中間転写ベルト2を介して感光体3Kとの間にブラック転写ニップNKを形成する。
【0031】
転写装置20は、中間転写ベルト2の走行方向の最も上流側に配置された最上流一次転写部201と、最も下流側に配置された最下流一次転写部203と、最上流一次転写部201と最下流一次転写部203との間に配置された複数の一次転写部からなる中央一次転写ユニット202とを有する。本実施形態では、最上流一次転写部201はブラック転写ニップNKによりブラックトナー像を、中央一次転写ユニット202は、シアン転写ニップNC、マゼンタ転写ニップNM、イエロー転写ニップNYにより、シアントナー像、マゼンタトナー像、イエロートナー像を、最下流一次転写部203は特別色転写ニップNTにより特別色トナー像を、それぞれ中間転写ベルト2に転写する。また以下の説明では、中間転写ベルト2の走行方向の上流側あるいは下流側を単に上流側あるいは下流側とも称する。またここで言う特別色とは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのいずれでもない色であり、例えばクリアー、白、金、銀などのことである。
【0032】
図2において、最上流一次転写部201に設けられた一次転写ローラ7Kが最上流一次転写部材、中央一次転写ユニット202に設けられた一次転写ローラ7Y,7M,7Cが中央側一次転写部材、最下流一次転写部203に設けられた一次転写ローラ7Tが最下流一次転写部材である。中間転写ベルト2の走行方向は図2に矢印Aで示す方向である。また一次転写ローラ7Tよりも上流側の各一次転写ローラ7K,7Y,7M,7Cは上流側一次転写部材でもある。
【0033】
本実施形態では、最上流一次転写部201で特別色を転写することも、最下流一次転写部203で特別色を転写することもできる。これにより、必要な順番で特別色のトナーを転写することが可能になる(詳しくは後述する)。
【0034】
中間転写ベルト2の走行方向において、一次転写ローラ7Cと一次転写ローラ7Tとの間には、第2張架ローラとしての従動ローラ21Aおよび検知機構としての検知センサ22が設けられる。従動ローラ21Aは中間転写ベルト2を張架する。検知センサ22は中間転写ベルト2上のスケールを検知し、中間転写ベルト2の走行速度を検知する。この検知結果に基づいて中間転写ベルト2の速度を制御することにより、中間転写ベルト2に転写する各色のトナー像の位置ズレを抑制できる。
【0035】
本実施形態の転写装置20では、画像形成時のモードに合わせて、各一次転写ローラ7が感光体3に対して中間転写ベルト2を介して当接あるいは離間する。具体的には、以下の表1に示すモードA~Fのように、それぞれの一次転写ローラ7が中間転写ベルト2を介して感光体3に当接して一次転写ニップを形成する当接位置と、一次転写ローラ7が感光体3から離間した離間位置との間でその位置を変更できる。また最下流一次転写部203の一次転写ローラ7Tに連動して、中間転写ベルト2を張架する従動ローラ21A、第1張架ローラとしての従動ローラ33Aも感光体3から離間する方向である図2の下方向あるいはその反対の上方向へ移動する。そして、最下流一次転写部203の一次転写ローラ7Tは、感光体3に当接して一次転写ニップを形成する当接位置、感光体3に対する離間距離の小さい離間小位置と、感光体3に対する離間距離の大きい離間大位置との間で位置を変更できる。この一次転写ローラ7Tに連動して、従動ローラ21A、33Aも感光体3に接近する方向である図2の上方向あるいは感光体3から離間する方向である図2の下方向へ移動する。なお、図2はすべての一次転写ローラ7が中間転写ベルト2に当接したモードDの場合を示している。
【表1】
【0036】
図3(a)~(f)はこれらの各A~Fモードの転写装置20を示した図である。各モードの離間位置では、各一次転写ローラ7を図3の下方向へ移動させることにより、一次転写ローラ7を感光体3から離間させる。これにより、中間転写ベルト2の各ローラにより張架される位置が変化する。また最下流の一次転写ローラ7Tの感光体3Tに対する離間動作に連動して従動ローラ21A、33Aが図3の下方向へ移動し、一次転写ローラ7Tの感光体3Tに対する接近動作に連動して従動ローラ21A、33Aは図3の上方向へ移動する。また検知センサ22は、一次転写ローラ7Tの当接位置あるいは離間大位置から離間小位置への移動により、図3の下方向へ移動する。これらの各モードにおける一次転写ローラなどの動作については後述する。また、表1の「当接」状態における従動ローラ33Aの位置が第1位置、「離間小」状態における従動ローラ33Aの位置が第2位置、「離間大」状態における従動ローラ33Aの位置が第3位置である。なお、各ローラは厳密に図3の上方向あるいは下方向へ移動するわけではない。
【0037】
図4は各モード間の切り替えを示す図である。図4の実線で囲まれた範囲が最下流一次転写部203にブラックのトナーを配置した場合の切り替え、図4の点線で囲まれた範囲が最下流一次転写部203に特別色のトナーを配置した場合の切り替えを示している。つまり、モードCは最下流一次転写部203にブラックのトナーを配置した場合のみのモードであり、モードEは最下流一次転写部203に特別色のトナーを配置した場合のモードで、モードCとモードE間での切り替えは行われない。
【0038】
これらのモードを変更することにより、画像形成に必要な一次転写部のみが一次転写ニップを形成することができる。従って、画像形成に必要のない一次転写部で一次転写ニップが形成されて余分なトナーが消費されることを防止できる。例えば、モノクロ画像を記録シートに形成する場合には、モードFにより最上流一次転写部201のみがブラック転写ニップNKを形成する。特に、本実施形態のように最上流一次転写部201で特別色トナーを転写する状態、および、最下流一次転写部203で特別色トナーを転写する状態を取ることが可能な構成の転写装置において、最上流一次転写部201および最下流一次転写部203の一次転写ローラ7をそれぞれ感光体3に対して当接および離間可能に設けることにより、特別色トナーをいずれの位置で転写する場合であっても、必要に応じて特別色の一次転写部における一次転写ローラ7を感光体3から離間させることができる。従って、特色トナーの余分な消費をいずれのモードでも抑制できる。
【0039】
また中央一次転写ユニット202の各一次転写ローラ7が当接位置に配置され、最下流一次転写部203の一次転写ローラ7Tが離間位置に配置される場合には、モードEに示すように、「離間大」状態にして中間転写ベルト2を張架する従動ローラ33Aを感光体3から離間する方向へ大きく移動させる。これにより、中間転写ベルト2が張架される位置を感光体3から遠ざかる位置に変更することができる。これにより、感光体3Tと中間転写ベルト2との干渉およびこの干渉による感光体3Tと中間転写ベルト2の傷つきを防止できる。
【0040】
また各モード間の切り替えのうち、いくつかの切り替え時には、接離させる各部材の順序を予め設定している。具体的には、モードA→Eの場合には一次転写ローラ7Tおよび従動ローラ21A、33Aを先に「離間大」状態にした後、中央一次転写ユニット202の各一次転写ローラ7を「当接」状態にする。これとは逆に、モードE→Aの場合には、中央一次転写ユニット202の各一次転写ローラ7を先に「離間」状態にした後、一次転写ローラ7Tおよび従動ローラ21A、33Aを「離間小」状態にする。これらの場合に、最上流一次転写部201の一次転写ローラ7Kの「離間」状態と「当接」状態の切り替えのタイミングは任意である。モードB→Fの場合には、一次転写ローラ7Tおよび従動ローラ21A、33Aを「離間小」状態にした後、最上流一次転写部201の一次転写ローラ7Kを「当接」状態にする。これとは逆に、モードF→Bの場合には、最上流一次転写部201の一次転写ローラ7Kを「離間」状態にした後、一次転写ローラ7Tおよび従動ローラ21A、33Aを「当接」状態にする。モードE→Fの場合には、中央一次転写ユニット202の各一次転写ローラ7を「離間」状態にした後、一次転写ローラ7Tおよび従動ローラ21A、33Aを「離間小」状態にする。これとは逆に、モードF→Eの場合には、一次転写ローラ7Tおよび従動ローラ21A、33Aを「離間大」状態にした後、中央一次転写ユニット202の各一次転写ローラ7を「当接」状態にする。このように、まず離間する側を先に動かすことにより、中間転写ベルト2と感光体3との接触による、両者の傷つきを抑制できる。
【0041】
なお本実施形態では、後述するように一次転写ローラ7Tと従動ローラ21A、33Aは共通の移動機構により同時に移動するが、これらが異なる移動機構により移動する場合には、それらの移動の順番は任意である。
【0042】
次に、最下流一次転写部203に設けられた一次転写ローラ7Tを中間転写ベルト2に対して接離させる第1接離機構(第1移動機構)について説明する。まず、図5および図6を用いて第1接離機構の駆動源であるモータおよびその周辺の構成について説明する。図5はモータ23周辺の斜視図、図6図5からギヤ列を覆うブラケット29を外した状態の斜視図である。
【0043】
図5および図6に示すように、ステッピングモータであるモータ23が二段ギヤ24に接続されている。二段ギヤ24は一方の歯部でモータ23と噛み合い、モータ23の出力により二段ギヤ24が回転する。二段ギヤ24は、他方の歯部でプーリ25の軸部に設けられた歯部と噛み合い、モータ23からの駆動力をプーリ25に伝達する。歯付きベルト26はプーリ25およびフィラー付きプーリ27により掛け回されている。歯付きベルト26はその内周面に設けられた歯部が、プーリ25およびフィラー付きプーリ27の外周面の歯部と噛み合っている。
【0044】
モータ23の駆動力は、後述の一次転写ローラ7Tを接離させるためのカムを回転させるとともに、二段ギヤ24、プーリ25、歯付きベルト26を介してフィラー付きプーリ27に伝達され、フィラー付きプーリ27を回転させる。
【0045】
フィラー付きプーリ27に対向してフォトセンサ28が設けられる。フィラー付きプーリ27の回転により、フィラー付きプーリ27に設けられたフィラー27aがフォトセンサ28に対向する位置に配置されるか否かを変更し、フォトセンサ28の検知状態を変化させることができる。フォトセンサ28はブラケット29に取り付けられる。
【0046】
図5は一次転写ローラ7Tが離間小位置、図7は当接位置、図8は離間大位置に配置される場合をそれぞれ示している。フィラー27aがフォトセンサ28に対向する図8の離間大位置から、モータ23を所定のパルス分だけ駆動させてフィラー27aを反時計回りに回転させた後、モータ23を停止および励起保持することで離間小位置に切り替えることができる。そして、図8の位置からモータ23を所定のパルス分だけ駆動させてフィラー27aを時計回りに回転させた後、モータ23を停止および励起保持することで図7の離間小位置に切り替えることができる。つまり、当接位置および離間小位置への切り替えは、離間大位置を経由して切り替えられる。この単一のモータ23の駆動力により、一次転写ローラ7Tおよび従動ローラ21A、33A、そして検知センサ22を三つの位置で切り替えている。また、中央一次転写ユニットを構成する各一次転写ローラ7Y,7M,7Cを当接位置および離間位置に切り替えるモータと各一次転写ローラ7Y,7M,7Cの位置を検知するためのフィラー、そして、最上流の一次転写部の一次転写ローラ7Kを当接位置および離間位置に切り替えるモータと一次転写ローラ7Kの位置を検知するためのフィラーがそれぞれ設けられる。
【0047】
次に、各印刷モード時における各転写部の動作手順について、図29図31を用いて、順に説明する。図29はフルカラー印刷(FC印刷)モードの場合、図30は黒印刷(K印刷)モードの場合、図31はフルカラー+特殊色(FCS印刷)の場合である。
【0048】
FC印刷について図29を用いて説明する。
図29に示すように、まず、FC印刷の指示が出されると、画像形成装置の制御部でK(ブラック)が最上流の一次転写部201に設定されているか否かを確認する(S1)。Kが最上流に設定されている場合にはステップS2へ進み、画像形成装置内の中間転写ベルトや感光体を駆動させるための駆動モータ(以下、単に駆動モータ)が駆動し、画像形成装置内の画像形成動作が開始される。
【0049】
そして、各一次転写ローラを所定の位置に配置する。具体的には、最下流一次転写ローラ7Tおよび従動ローラを離間大位置に、中央一次転写ユニットの各一次転写ローラ7Y,7M,7Cを当接位置に、最上流一次転写ローラ7Kを当接位置に配置するように、前述のモータ23(図5参照)およびそれに相当する各転写部を接離させるためのモータ(以下、これらをモータ、またこれらを総称して各モータ、モータとも呼ぶ)を駆動させる(S3)。つまり、最下流の特殊色の一次転写ローラ7Tのみを離間させ、その他の一次転写ローラを当接位置に配置することでFC印刷が可能な状態にする。
【0050】
各モータの駆動後、フィラー27aが所定のタイミングで検知されたか、つまり、各転写ローラが上記定められた位置に配置されたか否かを検知する(S4)。検知が正常に行われた場合には、各モータを停止させて印刷動作を実行する(S5~S7)。一方、フィラー27aが所定のタイミングで検知されない場合には、モータの動作などに何らかの不具合が生じているため、各モータおよび画像形成装置内の駆動モータの全モータを停止し、画像形成装置の表示部にエラー表示をして印刷動作を終了する(S12,S13)。
【0051】
正常に印刷動作が終了すると、各一次転写ローラを離間位置へ移動させる。具体的には、最下流一次転写ローラ7Tおよび従動ローラを離間位置に、中央一次転写ユニットの各一次転写ローラ7Y,7M,7Cを離間位置に、最上流一次転写ローラ7Kを離間位置に配置するように、各モータを駆動させる(S8)。ここでも、各フィラーを所定のタイミングで検知できたか否かを判断する(S9)。所定のタイミングで検知できた場合には、各モータを定められた位置で停止した後、画像形成装置内の各駆動モータを停止させて一連の動作を終了する(S10,S11)。また、フィラー27aが所定のタイミングで検知されない場合には、全モータを停止し、画像形成装置の表示部にエラー表示をして印刷動作を終了する(S12,S13)。
【0052】
また、ステップS1でKが最上流に設定されない場合、つまり、最下流の一次転写ローラ7Tによりブラックが転写される場合のステップS14~S25も基本的な手順はステップS2~S13と同じである。ステップS2~S13と異なる点として、ステップS15では、ブラックを転写する最下流一次転写ローラ7Tを当接位置へ移動させ、ステップS20で離間位置へ戻し、最上流の一次転写ローラ7Kは移動させない。
【0053】
図30はK印刷の場合である。こちらも図29のFC印刷の場合と基本的な手順は全て同じである。図29と異なる点として、K印刷ではブラックを転写する一次転写ローラのみを当接位置に配置する点である。具体的には、Kが最上流の場合には、ステップSA4で最上流の一次転写ローラ7Kを当接位置に配置した後、ステップSA8で離間位置へ移動させる。またKが最下流の場合には、ステップSA15で最下流の一次転写ローラ7Tおよび従動ローラを当接位置に配置した後、ステップSA20で離間位置へ移動させる。
【0054】
図31はFCS印刷の場合である。FCS印刷の場合も、上記の印刷と基本的な手順は同じである。ただし、FCS印刷の場合には、Kが最上流か最下流かを問わず、全ての転写ローラを当接位置に配置する(SB2)。これにより、全ての一次転写ローラからの転写が可能になる。また、印刷動作後は全ての転写ローラを離間位置に戻す(SB7)。このため、最初のステップでKが最上流か否かを確認するステップが存在しない点が異なる。
【0055】
次に、モータ23の駆動力により一次転写ローラ7Tおよび従動ローラ21A、33Aを動作させる第1接離機構91について、図9を用いて説明する。図9は、画像形成装置を図1等と反対側である背面側から見た断面図である。
【0056】
図9に示すように、第1接離機構91には、前述のモータ23の駆動力を伝達されるカム部材31が設けられる。カム部材31は第1カム31A(図12参照)と第2カム31Bとを有し、回転軸31aを中心に回転可能に設けられる。第2カム31Bは外輪を有する玉軸受であり、回転軸31aに対して偏心したカムである。
【0057】
第1カム31Aは、スライド部材としての前スライダ32に当接する。図9に示すように、前スライダ32はスプリングにより図9の左方向へ付勢されている。モータ23の駆動力により、第1カム31Aが回転して前スライダ32に当接する面を変えることで、前スライダ32をスプリングの付勢力に抗して図9の右方向へ移動させることができる。
【0058】
中間転写ベルト2を張架するローラの一つである従動ローラ33Aが、回転部材33の一端に設けられる。回転部材33は、回転支点33aを中心に回転可能に設けられる。回転部材33は、従動ローラ33Aが設けられる側とは反対側の端部に孔部33bを有する。孔部33bには前スライダ32に設けられる挿入部32aが挿入されている。挿入部32aは前スライダ32に固定された軸部に玉軸受が圧入されて構成される。挿入部32aに玉軸受が設けられることにより、挿入部32aと回転部材33との摺動抵抗を減らすことができる。一次転写ローラ7Tが、回転部材34の一端に設けられる。回転部材34は、回転支点34aを中心に回転可能に設けられる。回転部材34は、一次転写ローラ7Tが設けられる側とは反対側の端部に孔部34bを有する。孔部34bには前スライダ32に設けられたピン32bが挿入されている。スプリング35は画像形成装置の筐体に固定され、回転部材34を、回転支点34aを中心に図9の時計回りに回転する方向へ付勢している。従動ローラ33Aは最下流一次転写部203の一次転写ローラ7Tよりも下流側に設けられる第1張架ローラである。
【0059】
前スライダ32が図9の左右方向へ移動することにより、挿入部32aが回転部材33を押し、回転部材33が回転支点33aを中心に回転する。これにより、従動ローラ33Aがその位置を変更する。また前スライダ32が図9の右方向へ移動することにより、回転部材34がピン32bに押され、スプリング35の付勢力に抗して回転支点34aを中心に反時計回りに回転する。あるいは、前スライダ32が図の左方向へ移動することにより、スプリング35の付勢力で回転部材34が回転支点34aを中心に時計回りに回転する。これらにより、回転部材34に設けられた一次転写ローラ7Tが感光体3に対して接離する。
【0060】
また図9に示すように、一次転写ローラ7Tの中間転写ベルト2の走行方向上流側で、一次転写ローラ7Tよりも一つ上流の一次転写ローラ7Cの下流側には、中間転写ベルト2を張架し、中間転写ベルト2の回転によって従動する従動ローラ21Aが設けられる。従動ローラ21Aは、回転部材21の一端に設けられる。回転部材21は、回転支点21aを中心に回転可能に設けられる。回転部材21は、スプリング39により回転支点21aを中心に時計回りに回転する方向の力を受けている。
【0061】
図9は最下流一次転写部203が「当接」状態の転写装置を示している。この状態では、前スライダ32がその他の二つの状態と比較して図9の最も左側に配置されている。そして、第1カム31A(図12参照)を所定の位置に回転させて「離間小」の状態にすることで、図10に示すように、前スライダ32が図9よりも右側へ移動する。また、第1カム31Aを所定の位置に回転させて「離間大」の状態にすることで、図11に示すように、前スライダ32が図9および図10よりも右側へ移動する。
【0062】
例えば図9図11のように、前スライダ32が図9の右方向へ移動することにより、回転部材34がスプリング35の付勢力に抗して回転支点34aを中心に反時計回りに回転し、一次転写ローラ7Tが感光体3から離間する方向へ移動する。図10の「離間小」および図11の「離間大」の状態で、一次転写ローラ7Tは感光体3から離間する。また前スライダ32が図9の右方向へ移動することにより、回転部材33が回転支点33aを中心に反時計回りに回転し、従動ローラ33Aが中間転写ベルト2側とは反対側へ移動する。従動ローラ33Aは図9図11のすべての状態で中間転写ベルト2を張架しているが、図9図10図11で中間転写ベルト2を張架する位置がより感光体側(図9等の上側)から遠い位置になっている。また前スライダ32が図9の右方向へ移動することにより、前スライダ32に設けられたピン32c(図15参照)が回転部材21の従動ローラ21Aが設けられる側とは反対側を押圧する。これにより、回転部材21がスプリング39の付勢力に抗して回転支点21aを中心に反時計回りに回転する。これにより、図10および図11では、従動ローラ21Aが中間転写ベルト2から離間する。
【0063】
このように、「当接」、「離間小」、「離間大」のそれぞれの状態で従動ローラ33Aの配置を変更することにより、各状態における中間転写ベルト2を張架する位置を変更できる。従って、中間転写ベルト2を適切な位置で張架させることができ、検知センサ22により中間転写ベルト2の走行速度を精度良く検知させることができる。特に本実施形態では、最下流一次転写部203の一次転写ローラ7Tよりも下流側に配置され、上記三つの状態のすべてで中間転写ベルト2を張架する従動ローラ33Aの張架位置を変更することにより、各状態における中間転写ベルト2の張架姿勢を適切に変更することができ、検知センサ22が中間転写ベルト2の走行速度を精度良く検知できる。また特に「離間大」の状態である前述のモードEにおいて、回転部材33を図11の反時計回りに大きく回転させて従動ローラ33Aを感光体3Tと離れる方向へ移動させることで、中間転写ベルト2が張架される位置を図11の下方向へずらすことができる。モードEでは、中央一次転写ユニット202の各一次転写ローラ7が中間転写ベルト2に対して当接することで中間転写ベルト2を持ち上げており、中間転写ベルト2が感光体3Tにより近い位置に配置される。このため、中間転写ベルト2が張架される位置を図11の下方向へずらすことで、感光体3T(図2参照)と中間転写ベルト2との干渉による感光体3Tや中間転写ベルト2の傷つきを防止できる。
【0064】
次に、第1接離機構91が有する機構のうち、検知センサ22を移動させるための機構について説明する。
【0065】
図9に示すように、カム部材31に設けられた第2カム31Bの外周面を、第1リンク部材あるいは第2伝達部材としての第1アーム37が把持している。第1アーム37は、回転支点37aを中心に回転可能に設けられる。回転支点37aは玉軸受を介して前スライダ32に固定されている。第2カム31Bの回転により、図9に示すように、第1アーム37は回転支点37aを中心に回転する。またカム部材31に設けられた第1カム31A(図12参照)の回転による前スライダ32の移動により、第1アーム37は図9の左右方向へ移動する。
【0066】
図12はカム部材31を示す斜視図である。図12に示すように、カム部材31は第1カム31Aおよび第2カム31Bを有する。カム部材31は回転軸31aを中心に回転可能に設けられる。第1カム31Aは、それぞれの径の異なる小径部、中径部、大径部を120度ずつ有する。図13に示すように、第1カム31Aは、玉軸受からなるカムフォロワ36に当接する。カムフォロワ36は第1アーム37に設けられる第1伝達部材である。第1カム31Aが回転によってカムフォロワ36に当接する面を変えることで、前スライダ32を図9の左右方向へ移動させることができる。また前スライダ32の移動により、回転支点37aが前スライダ32に固定される第1アーム37が前スライダ32に連動して図9の左右方向へ移動する。
【0067】
図13および図14に示すように、第1アーム37は第2カム31Bを把持部37c1,37c2の2箇所で把持する。第2カム31Bの回転により、第1アーム37は回転支点37aを中心に回転する。
【0068】
図13に示すように、第1アーム37には、規制部材および抜け止め部材としてのスラスト止め部材60が取り付けられる。スラスト止め部材60は、抜け止め部としての当接部60aおよび規制部60bを有する。当接部60aを第1アーム37の回転支点37aに対して図13の上方から当接させることで、回転支点37aの前スライダ32に対する抜け止めとして機能する。なお、図14はスラスト止め部材60を取り除いた図である。またスラスト止め部材60は図13の下方からも回転支点37aに当接し、図13の下方向への抜け止めも行っている。スラスト止め部材60の規制部60bは、軸受である第2カム31Bに設けられた外輪の外周面に沿って設けられた面である。規制部60bが第2カム31Bの外周面の位置を規制することで、第1アーム37の第2カム31Bに対する相対移動方向を規制できる。つまり、第1アーム37が第2カム31Bの外周面に沿った方向ではない、例えば第2カム31Bに対して滑り方向へ移動することを規制できる。従って、第1アーム37の第2カム31Bに対する傾きなどの位置ズレを防止でき、把持部37c1,37c2の摩耗を防止できる。
【0069】
本実施形態では、第1アーム37の前スライダ32に対する抜け止めとして機能する当接部60aと、第1アーム37の第2カム31Bに対する相対移動方向を規制する規制部60bを共通のスラスト止め部材60に設けることにより、転写装置の部品点数を削減できる。ただし、これらが別々の部材に設けられていてもよい。
【0070】
図15は第1アーム37および第2アーム38の周辺の正面側の斜視図である。図16は第1アーム37および第2アーム38の背面側の斜視図である。
【0071】
図15に示すように、第2リンク部材としての第2アーム38は、その両端にそれぞれ他の長孔38aと長孔38bとを有する。第1アーム37の一端37bが他の長孔38aに挿入されている。図16に示すように、第1アーム37の一端37bは軸受40を有する。軸受40は他の長孔38a内を相対移動可能に設けられる。軸受40は他の長孔38aに対する他の挿入部である。
【0072】
軸受40にはその背面側に、抜け止め部としての平行ピン40aが設けられる。平行ピン40aの長さは他の長孔38aの長手方向の長さよりも短く設けられる。平行ピン40aを他の長孔38aの長手方向と略平行に配置することで、軸受40を他の長孔38aに挿入できる。前述の「当接」「離間小」「離間大」の3つの状態では、平行ピン40aが他の長孔38aの長手方向と平行になる位置まで回転しない。従って、平行ピン40aが軸受40の他の長孔38aに対する抜け止めとして機能する。
【0073】
図15に示すように、長孔38bには軸受41が挿入される。軸受41は、段ネジ42により、保持部材としての第1センサブラケット43に固定される。軸受41は長孔38b内を移動可能に設けられる。軸受41は長孔38bに対する挿入部である。
【0074】
カム部材31の回転により、図9あるいは図10の状態から前スライダ32を図10の右側へ移動させて最下流一次転写部203を「離間大」の状態にすることで、第2カム31Bの回転により第1アーム37は回転支点37aを中心にして時計回りに回転する。これにより、第1アーム37の一端37bが図9あるいは図10の下方向へ移動する。これにより、図11に示すように、一端37bが他の長孔38aの一端まで移動して他の長孔38aを形成する壁面部に当接し、第2アーム38を図11の左下方向へ引き込む。これにより、軸受41が長孔38bの一端まで相対移動して長孔38bを形成する壁面部に当接する。そして、第2アーム38が第1センサブラケット43を図11の左下方向へ引き込む。
【0075】
図17は第1センサブラケット43および検知センサ22周辺の構成を示す図で、図9などから回転部材21を取り外した状態の図である。図17では便宜上、検知センサ22および第2センサブラケット44を簡略化して記載している。
【0076】
図17に示すように、第1センサブラケット43は回転支点43aを中心に回転可能に設けられる。第1センサブラケット43は、画像形成装置の筐体に固定されたスプリング45により、回転支点43aを中心に図17の反時計回りに回転する方向の力を受けている。また第1センサブラケット43には規制部材63が固定されている。規制部材63の孔部63aに、前スライダ32のピン32dが挿入されている。図9の「当接」の状態および図10の「離間小」の状態では、ピン32dが孔部63aを形成する壁面部に当接することで、前スライダ32が第1センサブラケット43に、回転支点43aを中心に図17の時計回りに回転する力を加えている。
【0077】
第1センサブラケット43に設けられたスタッド43bを介して、第2センサブラケット44が第1センサブラケット43に固定されている。第2センサブラケット44は検知センサ22を保持する。第2センサブラケット44は、スプリング62(図9参照)の一端が取り付けられるフック44aと、第1当接部44bと、第2当接部44cとを有する。
【0078】
第2センサブラケット44は、図9の「当接」の状態では、スプリング62により付勢されて、回転支点43aを中心に時計回りに回転する方向へ移動し、第1当接部44bが、画像形成装置の筐体に設けられたスタッド64に当接する位置で位置決めされている。
【0079】
一方、図10の「離間小」の状態では、前スライダ32に設けられたピン32dが図9よりも右側へ移動することにより、第1センサブラケット43および第2センサブラケット44および検知センサ22は、自重およびスプリング45の付勢力により回転支点43aを中心に反時計回りに回転する力を受ける。また図18に示す第1センサブラケット43に設けられたピン43cが第2センサブラケット44の曲げ部44dを押圧し、第2センサブラケット44が回転支点43aを中心に図10の反時計回りに回転する力を受ける。これらにより、第1センサブラケット43および第2センサブラケット44および検知センサ22は図10の反時計回りに回転し、図9よりも感光体3と離れる方向である図10の下方向へ移動する。なお、図18は第1センサブラケット43および第2センサブラケット44の図10の紙面裏側を示した斜視図である。
【0080】
また図11の「離間大」の状態では、ピン32dがさらに右方向へ移動することにより、図17に示すように、ピン32dが規制部材63を図17の左方向へ押圧する力が解除されるとともに、前述のように第2アーム38が第1センサブラケット43を図17の左下の方向へ引き込むことにより、第1センサブラケット43が回転支点43aを中心に図17の時計回りに回転する。これにより、スタッド43bを介して第1センサブラケット43に固定された第2センサブラケット44が図17の上方向へ移動し、検知センサ22も図17の上方向へ移動する。この際、図19に示すように、第2センサブラケット44の第2当接部44cが、回転部材21の位置決め部21bに当接する位置で、第2センサブラケット44が位置決めされる。つまり、第2センサブラケット44および検知センサ22の図17などの上方向への移動が規制され、検知センサ22が位置決めされる。本実施形態では、この位置決めされる位置は、図9の「当接」状態よりも図9の下側の位置であり、図10の「離間小」状態よりも上側の位置である。
【0081】
このように、第1アーム37や第2アーム38などのリンク部材を介してカム部材31の駆動力を第1センサブラケット43に伝達し、第1センサブラケット43を回転させる機構とすることで、第1センサブラケット43を所望の方向へ回転させることができる。
【0082】
特に本実施形態では、第1アーム37の回転力が所定の条件の時だけ第2アーム38に伝達される機構とすることで、特定の位置変更時のみカム部材31の回転による駆動力を検知センサ22に伝達させることができる。具体的には、第2アーム38にそれぞれ設けた他の長孔38a、38bを介してそれぞれ第1アーム37あるいは第1センサブラケット43と連結される構成とすることで、「離間大」の状態の時のみ第2アーム38を引き込んで検知センサ22を図11などの下方向へ移動させることができる。つまり、前スライダ32の移動に伴って一定の方向へ移動する一次転写ローラ7T、従動ローラ21A,33Aと比較すると、検知センサ22は、「当接」→「離間小」の場合には図10などの上方向へ移動するのに対して、「当接」→「離間大」あるいは「離間小」→「離間大」では、図11などの下方向へ移動するというように、前スライダ32の移動方向とは逆方向へ移動させることができる。「離間小」の状態では、最上流一次転写部201および中央一次転写ユニット202の各一次転写ローラが感光体3から離間することで中間転写ベルト2を張架する位置が図10の下方向へ下がっている。一方で、「離間大」の状態では、中央一次転写ユニット202の各一次転写ローラが中間転写ベルト2を介して感光体3に当接することで、中間転写ベルト2が図11の上方向へ押し上げられている。従って、前述のように検知センサ22の配置を変更することにより、それぞれの中間転写ベルト2の張架される位置に応じた位置に検知センサ22を配置することができる。従って、各モードにおいて検知センサ22の中間転写ベルト2に対する検知精度を向上させることができ、中間転写ベルト2の走行速度を精度良く制御できる。また第1接離機構91は、この検知センサ22の動作と、一次転写ローラ7T、従動ローラ21A、33Aの動作を単一の駆動源であるモータ23の駆動力により行うことができる。従って、転写装置の省エネルギー化および部品点数の削減を実現できる。
【0083】
ただし、検知センサ22を保持する第1センサブラケット43に連結されるリンク部材の個数は本実施形態の二つに限らない。3つ以上であってもよいし1つでもよい。また長孔とそれに挿入されるピンなどの挿入部材を設ける部材の組み合わせは逆であってもよい。またモータ23の駆動力により、検知センサ22、一次転写ローラ7T、従動ローラ21A、33Aのすべてを必ずしも動作させる必要はない。
【0084】
以上のように本実施形態では、図12に示す第1カム31Aの回転により前スライダ32を図9の左右方向へ移動させて各一次転写ローラ7と従動ローラを移動させることができる。また第1カム31Aおよび第2カム31Bの回転により、検知センサ22を移動させることができる。具体的には、図9の「当接」状態および図10の「離間小」状態では、第1カム31Aの回転により移動するピン32d(図16参照)による押圧により、第1センサブラケット43に時計回りに回転する方向の力を加え、検知センサ22の位置を変更できる。また「離間大」の状態では、第2カム31Bの回転により第1センサブラケット43が第2アーム38に引き込まれることにより、検知センサ22の位置を変更できる。
【0085】
次に、中央一次転写ユニット202に設けられる各一次転写ローラ7C,7M,7Yを中間転写ベルト2に対して接離させる、第2移動機構としての第2接離機構92、および、最上流一次転写部201に設けられる一次転写ローラ7Kを接離させる、第3移動機構としての第3接離機構93について、図20を用いて説明する。
【0086】
図20に示すように、第2接離機構92は、回転部材46~48、カム51およびカムフォロワ52を有する。第3接離機構93は、回転部材49,カム53およびカムフォロワ54を有する。第2接離機構92はカム51を回転させる駆動源としてのモータを、第3接離機構93はカム53を回転させる駆動源としてのモータをそれぞれ備える。
【0087】
回転部材46,47,48,49が、回転支点46a、47a、48a、49aを中心に回転可能に設けられる。回転部材46の一端には一次転写ローラ7Cが設けられる。回転部材47の一端には一次転写ローラ7Mが設けられる。回転部材48の一端には一次転写ローラ7Yが設けられる。回転部材49の一端には一次転写ローラ7Kが設けられる。各回転部材46~49はスプリングにより図20の時計回りに回転する方向へ付勢され、各一次転写ローラ7を中間転写ベルト2を介して感光体に当接させている。
【0088】
カム51の回転によりカムフォロワ52が回転し、最上流一次転写部201の前スライダ50が図20の右方向へ移動する。これにより、回転部材46~48の各一次転写ローラ7を設ける側と反対側の端部が押圧され、各回転部材46~48はスプリングの付勢力に抗して図20の反時計回りに回転する。これにより、各一次転写ローラ7C,7M,7Yが中間転写ベルト2から離間する。またカム53の回転により、カムフォロワ54が回転し、回転部材49の一次転写ローラ7Kを設ける側と反対側の端部が押圧される。これにより、回転部材49はスプリングの付勢力に抗して図20の反時計回りに回転し、一次転写ローラ7Kが中間転写ベルト2から離間する。以上のようにして、最上流一次転写部201の一次転写ローラ7Kと中央一次転写ユニット202の各一次転写ローラ7C,7M,7Yとが独立して中間転写ベルト2に対する接離動作を行う。
【0089】
次に、トナーを現像装置に補給する補給装置について、図21図23を用いて説明する。
【0090】
図21に示すように、画像形成装置1は、筐体内の上部にボトル収容部101を有する。このボトル収容部101には、補給用のYトナー、Mトナー、Cトナー、Kトナー、特別色トナーを収容するトナーボトル102Y,102M、102C、102K、102Tが取り付けられている。また、トナー補給装置のボトル駆動部103Y,103M、103C、103K、103T(図23参照)がそれぞれ固定されている。各ボトル駆動部は各トナーボトルを着脱自在に保持する。
【0091】
図23は、T,Y,M,C,Kのうち、何れか一色におけるトナーボトル、トナー補給装置、現像装置、および感光体を示す模式図である。同図においては、便宜上、符号に付されるT,Y,M,C,Kという添字を省略している。
【0092】
トナー補給装置150は、ボトル駆動部103と、補給前貯留器104と、トナー補給部材105と、吸引ポンプ106と、移送チューブ107とを有している。補給前貯留器104は現像装置6の真上に設けられる。移送チューブ107は、一端をボトル駆動部103に他端を吸引ポンプ106に接続され、ボトル駆動部103から補給前貯留器104へトナーを搬送するトナー搬送路を形成する。移送チューブ107は、本実施形態ではフレキシブルチューブからなる。
【0093】
ボトル駆動部103がトナーボトル102を回転駆動させることにより、トナーボトル102内に収容されているトナーがトナーボトル102の頭部開口からボトル駆動部103に移送される。吸引ポンプ106はその吸引動作により、移送チューブ107を介してボトル駆動部103内のトナーを吸引ポンプ106へ移送するとともに、ボトル駆動部103から吸引したトナーを、吸引ポンプ106の排出口から補給前貯留器104に落下させる。
【0094】
そしてトナー補給部材105の回転により、補給前貯留器104に貯留されたトナーが、トナー補給路108を介して現像装置6へ供給される。このように本実施形態では、吸引ポンプ106によってボトル駆動部103から現像装置6の近くまで移送したトナーを、補給前貯留器104内に一時貯留するようになっている。
【0095】
ところで、例えば画像に白色の下地を作成するために特別色として白トナーを用いる場合には、画像の最下層に白色のトナー層を形成する必要があり、一次転写部の最下流に最下流一次転写部203を配置する必要がある。一方で、透明トナー像を転写して画像に光沢性を付与する場合には、画像の表面に透明トナー像が形成される。従って、この場合には一次転写部の最上流に最下流一次転写部203を配置する必要がある。
【0096】
このように、用いる特別色の種類に応じて、特別色を一次転写する順番を変更する必要があるため、本実施形態では、最上流一次転写部201と最下流一次転写部203とに補給するトナーを、図21図22とのように変更可能にしている。具体的に図21では、特別色のトナーボトル102Tが図21の右側である最下流の補給前貯留器104Tに接続され、ブラックのトナーボトル102Kが最上流の補給前貯留器104Kに接続される。また図22では、ブラックのトナーボトル102Kが右側である最下流の補給前貯留器104Kに接続され、特別色のトナーボトル102Tが図22の最上流の補給前貯留器104Tに接続される。また図21図22とで、トナーボトル102K、102Tの配置、および、トナーボトル102K、102Tに接続される移送チューブ107K,107Tを変えず、移送チューブ107K,107Tの接続先を変更している。つまり、図21では移送チューブ107Kを引き伸ばして最上流の吸引ポンプ106Tに接続する。一方、図22では移送チューブ107Kは最下流の吸引ポンプ106Tに接続する。移送チューブ107Kは移送チューブ107Tとは逆に、図22では大きく上流側へ引き伸ばされている。これにより、トナーボトルやボトル駆動部を取り換えることなく、補給前貯留器104と作像部10とを交換するだけでブラックと特別色のトナーが一次転写される転写位置を変更することができ、入れ替え作業の手間を軽減できる。なお、図21の移送チューブ107Tおよび図22の移送チューブ107Kは図示よりも実際の長さは長くなっており、余った分のチューブを収容可能なスペースが画像形成装置内に設けられる。
【0097】
次に、これらの一次転写部で転写するトナーの色の変更作業について、図24のフロー図を用いて説明する。
【0098】
図24に示すように、まず、トナー色の配置の設定を変更する(ステップS1)。具体的には、ブラックを最上流一次転写部に配置し、特別色を最下流一次転写部に配置するか、あるいは、これとは逆に特別色を最上流一次転写部に配置し、ブラックを最下流一次転写部に配置する。そして、画像形成装置の制御部が各色が正しく配置されているかを判別し、正しく配置されていない場合には交換を促すメッセージを操作表示部に表示させる(ステップS2、S3)。そして、作業者が画像形成装置の電源を落として補給前貯留器と作像部との交換を行ったうえで、再び画像形成装置の電源をONする(ステップS4~S6)。そして、画像形成装置が正しく交換されているかを再び判別し(ステップS7)、交換がされていない場合には再び操作表示部に表示を行う(ステップS8)。
【0099】
ステップS2およびステップS7では、ブラックと特別色が正しく配置されているかを判別するとともに、特別色が透明色か白色かなど、正しい色がセットされているか否かも判別される。
【0100】
なお、画像形成装置の設定を変更する前に、ステップS4のように電源をOFFにしてステップS5のようにトナー色の配置を交換する手順であってもよい。
【0101】
図25に示すように、画像形成装置に設けられる制御部300が、ステップS1およびステップS6のブラックと特別色が正しく配置されているか否かの判断を行う。制御部300は、補給前貯留器104および作像部10の装着状態を判定する判定回路301を有する。
【0102】
判定回路301は、それぞれ、最上流に配置される補給前貯留器に接続される第1コネクタ302と、最下流に配置される補給前貯留器に接続される第2コネクタ303と、最上流に配置される作像部に接続される第3コネクタ304と、最下流に配置される作像部に接続される第4コネクタ305とを備える。また、補給前貯留器104Kには上記コネクタと接続される基板104K1が、補給前貯留器104Tには上記コネクタと接続される基板104T1がそれぞれ設けられる。作像部10Kの例えば現像装置の現像容器に上記コネクタと接続される基板10K1が、作像部10Tの例えば現像装置の現像容器に上記コネクタと接続される基板10T1がそれぞれ設けられる。
【0103】
各コネクタ302~305には複数のスイッチが設けられる。各基板が各コネクタに接続された際のスイッチのONOFFの組み合わせにより、判定回路301は、ブラックと特別色のいずれが装着されたか、および、特別色であればいずれの特別色であるかを判定できる。いずれの特別色であるかの判定を行わず、ブラックか特別色かのみを判定する場合には、フィラーとフォトセンサのONOFFによって判別する構成であってもよい。
【0104】
また制御部300は検知センサ22の検知結果を受信する。制御部300は、この検知結果に基づいて、中間転写ベルト2の走行速度を変更する。
【0105】
次に、以上で説明した転写装置の変形例について図26および図27を用いて説明する。図27(a)は各一次転写ローラ7C,7M,7Yを中間転写ベルト2に当接させた「当接」状態、図27(b)は「離間」状態をそれぞれ示している。
【0106】
図26に示すように、本実施形態では、最下流一次転写部203に設けられる一次転写ローラ7Tとその上流の一次転写ローラ7Cとの間に、中間転写ベルト2を張架する従動ローラ55Aが設けられる。従動ローラ55Aは検知センサ22よりも上流側に設けられる。図27(a)に示すように、従動ローラ55Aは、回転部材55の一端に設けられる。回転部材55は、従動ローラ55Aを有する側とは反対側の端部に設けられた回転支点55aを中心に回転可能に設けられる。
【0107】
第2接離機構92はカム51を有する。回転支点55aは、中央一次転写ユニット202の各一次転写ローラ7C,7M,7Yを接離させる前スライダ50に固定される。カム51の回転により前スライダ50が図27の右方向へ移動すると、図27(b)のように回転部材55が回転支点55aを中心に時計回りに回転する。
【0108】
本実施形態では、従動ローラ55Aが、中央一次転写ユニット202が「当接」状態で中間転写ベルト2に当接し、中間転写ベルト2を張架する。最下流一次転写部203が「離間大」、中央一次転写ユニット202が「当接」状態の前述のモードEでは、最下流の一次転写ローラ7Tが感光体3から離間していることにより、中央一次転写ユニット202の各一次転写ローラ7の各転写ニップのニップ圧が小さくなりやすい。これに対して、最下流の一次転写ローラ7Tとその一つ上流の一次転写ローラ7Cとの間に配置された従動ローラ55Aを、中央一次転写ユニット202が「当接」状態で中間転写ベルト2に当接させることにより、中央一次転写ユニット202における転写圧の低下を防止できる。
【0109】
また検知センサ22を従動ローラ55Aと一次転写ローラ7Tとの間に設けることにより、従動ローラ55Aの振れの影響がない状態で中間転写ベルト2の走行速度を検知できるため、最下流一次転写部203における中間転写ベルト2の走行速度の精度を特に高めることができる。
【0110】
次に、最下流の一次転写ローラ7Tと一つ上流の一次転写ローラ7Cとの間に配置された従動ローラ56Aが、最下流の一次転写ローラを接離させる第1接離機構によって移動される実施形態について、図28を用いて説明する。図28(a)は「当接」状態、図28(b)は「離間小」状態、図28(c)は「離間大」状態をそれぞれ示している。
【0111】
図28(a)に示すように、回転部材56は、従動ローラ56Aを有する側とは反対側の端部に設けられた回転支点56aを中心に回転可能に設けられる。回転支点56aは、最下流一次転写部203の一次転写ローラ7Tを接離させる前スライダ32に固定される。なお、検知センサ22を接離させる機構は前述の実施形態と同様であるため、その記載を省略している。
【0112】
回転部材56には孔部56bが設けられる。孔部56bには前スライダ32のピン32eが挿入されている。孔部56dは前スライダ32の移動方向である図28の左右方向の両端の高さ(図28の上下方向の高さで、中間転写ベルト2に対する接離方向の高さ)が同じに設けられるとともに、前スライダ32の移動方向である図28の左右方向の中央に、中間転写ベルト2側へ突出した凸部56b1を有する形状をしている。この形状により、最下流一次転写部203が「離間小」の状態の時のみ、従動ローラ56Aを中間転写ベルト2から離間させ、「離間大」の状態では従動ローラ56Aを中間転写ベルト2に当接させることができる。つまり、図28(b)の最下流一次転写部203が「離間小」の状態では、前スライダ32のピン32eが孔部56bの凸部56b1に収まることにより、回転部材56が図28の時計回りに回転する。これにより、従動ローラ56Aが中間転写ベルト2から離間する。一方、「離間大」の状態では、ピン32eが孔部56dの右端側へ移動して回転部材56が反時計回りに回転し、従動ローラ56Aが中間転写ベルト2に当接する。
【0113】
本実施形態においても、中央一次転写ユニット202が「当接」状態となる最下流一次転写部203が「離間大」の状態で、従動ローラ56Aを中間転写ベルト2に当接させることができる。これにより、中央一次転写ユニット202における転写圧の低下を防止できる。また前述の孔部56dの形状により、最下流一次転写部203が「離間小」の状態の時にのみ、従動ローラ56Aを中間転写ベルト2から離間させることができる。
【0114】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0115】
記録シートとしては、用紙P(普通紙)の他、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、プラスチックフィルム、プリプレグ、銅箔等が含まれる。
【0116】
以上の実施形態では、転写装置に設けられたすべての転写部の一次転写部材を潜像担持体に対する接離方向へ移動可能とする場合を示したが、本発明はこれに限らない。つまり、中央一次転写ユニット202の各一次転写ローラ7を移動させない構成とすることもできる。
【0117】
以上の実施形態では、最下流一次転写部203の一次転写ローラ7Tと従動ローラ33A,21Aとを共通の駆動源による駆動力により移動させる場合を示したが、これらを別々の駆動源による駆動力により移動させてもよい。
【0118】
以上の実施形態では、「離間小」よりも「離間大」の状態において、最下流一次転写部材である一次転写ローラ7Tの感光体3に対する距離を大きくする場合を示したが、「離間小」と「離間大」の状態において、一次転写ローラ7Tが移動しない構成であってもよい。
【0119】
以上の説明では、すべての一次転写部の一次転写ローラが感光体に対して接離する構成を示したが、少なくとも最下流一次転写部と最上流一次転写部の一次転写ローラが感光体に対して接離する構成であればよい。
【0120】
本発明の態様は、例えば以下のとおりである。
<1>
周回走行する中間転写体と、
前記中間転写体に当接する複数の一次転写部材と、を備えた転写装置であるであって、
前記中間転写体を介して前記一次転写部材と潜像担持体との間に形成される一次転写ニップを有する一次転写部を複数備え、
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのいずれの色でもない特別色の現像剤を、複数の前記一次転写部のうち、前記中間転写体の走行方向の最も上流側である最上流一次転写部で転写する状態と、最も下流側である最下流一次転写部で転写する状態とを取り得るように構成され、
前記最上流一次転写部および前記最下流一次転写部の前記一次転写部材が、前記中間転写体を介して前記潜像担持体に当接させた当接位置と前記潜像担持体から離間した離間位置との間で切り替え可能に設けられ、
前記特別色の現像剤を転写する前記転写部のみを前記離間位置に配置し、その他の前記転写部を前記当接位置に配置した状態で画像を転写することを特徴とする転写装置である。
<2>
前記最上流一次転写部および前記最下流一次転写部の他方がブラックの現像剤像を転写する<1>記載の転写装置である。
<3>
前記最上流一次転写部で転写する現像剤と前記最下流一次転写部で転写する現像剤とを交換可能である<1>または<2>記載の転写装置である。
<4>
前記特別色の現像剤を転写する前記転写部を前記離間位置に配置し、他の少なくとも4つの前記転写部を前記当接位置に配置した状態で画像を転写する<1>から<3>いずれか記載の転写装置である。
<5>
前記最下流一次転写部と前記最下流一次転写部より一つ上流の一次転写部との間に、前記中間転写体の走行速度を検知する検知機構をさらに有する<1>から<4>いずれか記載の転写装置である。
<6>
前記中間転写体を張架する第1張架ローラと、
共通の駆動源により、前記最下流一次転写部の一次転写部材を前記当接位置および前記離間位置へ移動させるとともに、前記第1張架ローラを三つの位置へ移動させる第1移動機構をさらに有する<1>から<5>いずれかに記載の転写装置である。
<7>
前記第1張架ローラは、前記最下流一次転写部の一次転写部材よりも前記中間転写体の走行方向の下流側に設けられ、かつ、前記第1移動機構により移動される三つの位置すべてにおいて、前記中間転写体を張架する<6>記載の転写装置である。
<8>
前記最下流一次転写部と前記最下流一次転写部より一つ上流の一次転写部との間に、前記中間転写体を張架する第2張架ローラをさらに備え、
前記最下流一次転写部の前記一次転写部材が前記潜像担持体から離間し、前記最下流一次転写部より一つ上流の一次転写部の前記一次転写部材が前記潜像担持体に当接した状態で、前記第2張架ローラが前記中間転写体を張架する<1>から<7>いずれかに記載の転写装置である。
<9>
前記最下流一次転写部と前記第2張架ローラとの間に、前記中間転写体の走行速度を検知する検知機構を有する<8>記載の転写装置である。
<10>
前記最下流一次転写部より一つ上流の一次転写部の前記一次転写部材を、前記中間転写体に対して当接あるいは離間させる第2移動機構をさらに備え、
前記第2移動機構が前記第2張架ローラを前記中間転写体に対して接離する方向へ移動させる<8>または<9>記載の転写装置である。
<11>
前記第1移動機構が前記第2張架ローラを前記中間転写体に対して接離する方向へ移動させる<8>または<9>記載の転写装置である。
<12>
前記最下流一次転写部と前記最下流一次転写部より一つ上流の一次転写部との間に、前記中間転写体の走行速度を検知する検知機構を有し、
前記検知機構による検知結果により、前記中間転写体の走行速度を変更する<2>から<4>または<6>から<11>いずれか記載の転写装置である。
<13>
複数の前記潜像担持体と、
<1>から<12>いずれかに記載の転写装置とを備えた画像形成装置である。
【符号の説明】
【0121】
1 画像形成装置
2 中間転写ベルト(中間転写体)
3 感光体(潜像担持体)
7 一次転写ローラ(一次転写部材)
20 転写装置
21A 従動ローラ(第2張架ローラ)
22 検知センサ(検知機構)
23 モータ(駆動源)
32 前スライダ(スライド部材)
33A 従動ローラ(第1張架ローラ)
36 カムフォロワ(第1伝達部材)
37 第1アーム(第1リンク部材あるいは第2伝達部材)
38 第2アーム(第2リンク部材)
38a 他の長孔
38b 長孔
40 軸受(他の挿入部)
40a 平行ピン(抜け止め部)
41 軸受(挿入部)
43 第1センサブラケット(保持部材)
60 スラスト止め部材(規制部材あるいは抜け止め部材)
60a 当接部(抜け止め部)
60b 規制部
91 第1接離機構(第1移動機構)
92 第2接離機構(第2移動機構)
93 第3接離機構(第3移動機構)
201 最上流一次転写部
202 中央一次転写ユニット
203 最下流一次転写部
A 中間転写ベルトの走行方向(中間転写体の走行方向)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0122】
【特許文献1】特開2006-30737号公報
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