(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178947
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】載置パッド、載置機構及び基板搬送機構
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20231211BHJP
B25J 15/06 20060101ALI20231211BHJP
B65G 49/06 20060101ALI20231211BHJP
B65G 49/07 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J15/06 A
B65G49/06 A
B65G49/07 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071398
(22)【出願日】2023-04-25
(31)【優先権主張番号】P 2022091651
(32)【優先日】2022-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小原 真智
(72)【発明者】
【氏名】高田 楽人
(72)【発明者】
【氏名】長田 英之
(72)【発明者】
【氏名】七崎 玄一
(72)【発明者】
【氏名】東海林 賢斗
(72)【発明者】
【氏名】松本 周平
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS24
3C707BS15
3C707BS26
3C707ES17
3C707FS01
3C707FT02
3C707JS02
3C707LV02
3C707MT05
3C707NS13
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA32
5F131AA33
5F131BA01
5F131BA11
5F131BA17
5F131BA37
5F131BA39
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5F131CA18
5F131CA32
5F131DA02
5F131DA22
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB22
5F131DB52
5F131DB62
(57)【要約】
【課題】載置機構への基板の貼り付きを低減することができる載置パッド、載置機構及び基板搬送機構を提供する。
【解決手段】載置パッドは、対象物を載置するための載置パッドであって、基台と、基台の一方の面に設けられ、該面の外縁を囲むように、該面の面方向に交差する方向に突出し、対象物と接触可能な環状の外縁部と、を備え、外縁部のうち少なくとも一の部分において、外縁部の厚さが、外縁部の他の部分の厚さと異なる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を載置するための載置パッドであって、
基台と、
前記基台の一方の面に設けられ、該面の外縁を囲むように、該面の面方向に交差する方向に突出し、前記対象物と接触可能な環状の外縁部と、を備え、
前記外縁部のうち少なくとも一の部分において、外縁部の厚さが、前記外縁部の他の部分の厚さと異なる、
載置パッド。
【請求項2】
前記基台に設けられた少なくとも1つの貫通孔をさらに備える、
請求項1に記載の載置パッド。
【請求項3】
前記外縁部の厚さが異なる前記部分は、前記基台の中央を回転軸としたときの回転対称の位置に2つ以上設けられる、
請求項1に記載の載置パッド。
【請求項4】
前記貫通孔は、
互いに径の異なる第1の貫通孔及び第2の貫通孔を含む、
請求項2に記載の載置パッド。
【請求項5】
前記第1の貫通孔は、前記基台の中央に配置され、
前記第1の貫通孔の周囲には、2つ以上の前記第2の貫通孔が配置され、
前記第1の貫通孔の径は、前記第2の貫通孔の径よりも大きい、
請求項4に記載の載置パッド。
【請求項6】
前記外縁部のうち少なくとも一の前記部分は、前記外縁部の外周が前記基台の中央に近づくように設けられ、
前記外縁部の外周が前記基台の中央に近づくように設けられた前記部分は、前記外縁部の前記外周と内周との距離が、前記外縁部の前記他の部分よりも小さい、
請求項1又は2に記載の載置パッド。
【請求項7】
前記外縁部のうち少なくとも一の前記部分は、前記外縁部の内周が前記基台の中央から遠ざかるように設けられ、
前記外縁部の内周が前記基台の中央から遠ざかるように設けられた前記部分は、前記外縁部の外周と前記内周との距離が、前記外縁部の前記他の部分よりも小さい、
請求項1又は2に記載の載置パッド。
【請求項8】
前記外縁部のうち少なくとも一の前記部分である第1の部分は、前記外縁部の外周が前記基台の中央に近づくように設けられ、
前記外縁部のうち少なくとも一の前記部分である第2の部分は、前記外縁部の内周が前記基台の中央から遠ざかるように設けられ、
前記第1の部分と、前記第2の部分とが、前記外縁部の周方向に沿って交互に配置される、
請求項1又は2に記載の載置パッド。
【請求項9】
前記基台は、前記外縁部との境界近傍に環状の溝を備える、
請求項1に記載の載置パッド。
【請求項10】
前記溝の太さは、前記溝のうち少なくとも一の部分において、前記溝の他の部分の太さと異なる、
請求項9に記載の載置パッド。
【請求項11】
前記外縁部のうち少なくとも一の前記部分、及び、前記溝のうち少なくとも一の前記部分は、直線上に配置される、
請求項10に記載の載置パッド。
【請求項12】
対象物を載置する載置機構であって、
前記載置機構内部に設けられた排気流路と、
前記載置機構の一方の面に位置する載置パッドとを備え、
前記載置パッドは、
基台と、
前記基台に設けられ、前記排気流路と連通する少なくとも1つの第1の貫通孔と、
前記基台の一方の面に設けられ、該面の外縁を囲むように、該面の面方向に交差する方向に突出し、前記対象物と接触可能な環状の外縁部と、を備え、
前記外縁部のうち少なくとも一の部分において、外縁部の厚さが、前記外縁部の他の部分の厚さと異なる、
載置機構。
【請求項13】
前記外縁部と前記載置機構の前記一方の面との間に空隙を備える、
請求項12に記載の載置機構。
【請求項14】
前記載置機構の前記一方の面に設けられたパッド取り付け部をさらに備え、
前記載置パッドは、前記パッド取り付け部に取り付けられる、
請求項12又は13に記載の載置機構。
【請求項15】
前記載置パッドは、前記載置機構の前記一方の面に一体的に成形されている、
請求項12又は13に記載の載置機構。
【請求項16】
前記載置機構は、基板搬送用のエンドエフェクタである、
請求項12又は13に記載の載置機構。
【請求項17】
前記載置パッドは、前記基台に少なくとも1つの締結部材用の締結孔をさらに備える、
請求項12又は13に記載の載置機構。
【請求項18】
前記載置パッドは、前記基台に少なくとも1つの締結部材用の締結孔を備え、
前記締結孔には、前記載置パッドと前記パッド取り付け部とを締結するための締結部材が嵌め込まれ、
前記締結部材は、締結方向に沿って第2の貫通孔を備える、
請求項14に記載の載置機構。
【請求項19】
前記基台と前記載置機構の前記一方の面との間に、平面視で全ての前記第1の貫通孔を取り囲むように設けられるシール部材をさらに備える、
請求項12又は13に記載の載置機構。
【請求項20】
基板を載置する台へ前記基板を受け渡し、又は、前記台から前記基板を受け取る基板搬送機構であって、
請求項12に記載の載置機構を有し、
前記載置機構において、
前記載置パッドは、前記外縁部の厚さが最も小さい部分のうち少なくとも1つが、前記載置機構に載置された前記基板が前記台と接触可能な部分を向くように設けられる、
基板搬送機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、載置パッド、載置機構及び基板搬送機構に関する。
【背景技術】
【0002】
基板(以下、ウエハともいう。)に対して真空雰囲気で成膜処理やエッチング処理等の基板処理を行う基板処理室を複数有する基板処理装置が知られている。この様な基板処理装置では、大気圧雰囲気に保持された大気搬送室の基板搬送機構によって、大気中に置かれた複数の基板を収容する容器から基板がロードロックモジュールに搬送される。ロードロックモジュールは、内部を真空と大気圧とに切替可能であり、大気搬送室と真空搬送室との間で基板の受け渡しが行われる。基板は、真空雰囲気に保持された真空搬送室の基板搬送機構によって、各基板処理室に対して搬送される。
【0003】
大気搬送室の基板搬送機構は、例えば、搬送アームの先端に設けられた載置機構で基板を保持する。載置機構には、基板を真空吸着して保持する真空吸着パッドが設けられている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、載置機構への基板の貼り付きを低減することができる載置パッド、載置機構及び基板搬送機構を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による載置パッドは、対象物を載置するための載置パッドであって、基台と、基台の一方の面に設けられ、該面の外縁を囲むように、該面の面方向に交差する方向に突出し、対象物と接触可能な環状の外縁部と、を備え、外縁部のうち少なくとも一の部分において、外縁部の厚さが、外縁部の他の部分の厚さと異なる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、載置機構への基板の貼り付きを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の第1実施形態における処理システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態における大気搬送ロボットの載置機構と基板との相対位置の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態における載置機構の載置パッド近傍の断面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態における載置パッド及びそのバリエーションの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、載置パッドのバリエーションの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、載置パッドのバリエーションの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、載置パッドの変形イメージの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、ティースによる基板の剥がれ起点の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、ティースと載置パッドの向きとの関係の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、基板中心と載置パッドの向きとの関係の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、変形例1における載置パッドのバリエーションの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、変形例2における載置機構と基板と支持台との相対位置の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、変形例3における載置機構の載置パッド近傍の断面の他の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、第2実施形態における載置機構の載置パッド近傍の断面の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、第2実施形態における載置パッドの一例を示す図である。
【
図16】
図16は、載置パッドの外縁部の変位の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、変形例4における載置パッドの一例を示す図である。
【
図18】
図18は、第2実施形態及び変形例4におけるZ軸方向の変位量の一例を示すグラフである。
【
図19】
図19は、第2実施形態及び変形例4における半径方向の変位量の一例を示すグラフである。
【
図20】
図20は、変形例5における載置パッドの一例を示す図である。
【
図21】
図21は、変形例6における載置パッドの一例を示す図である。
【
図22】
図22は、変形例7における載置パッドの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、開示する載置パッド、載置機構及び基板搬送機構の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態により開示技術が限定されるものではない。
【0010】
大気搬送室の基板搬送機構は、例えば、複数の基板を収容する容器において、真空吸着を解除して載置機構を下方に移動させることで、ティースに基板を載置する。なお、ティースとは、複数の基板を収容する容器内における基板を載置する台である。このとき、基板は、載置機構の真空吸着パッドから速やかに離脱することが求められる。ところが、真空吸着を解除しても基板が真空吸着パッドに張り付いたままとなる場合がある。この状態で搬送アームが別の基板を搬送しようとすると、載置機構に前の基板が吸着したまま、次の基板を受け取りに行ってしまい、基板同士が衝突して割れてしまうトラブルが発生したり、吸着したままの前の基板が途中で外れて搬送エラーが発生したりする。そこで、載置機構への基板の貼り付きを低減することが期待されている。
【0011】
(第1実施形態)
[処理システムの構成]
図1は、本開示の第1実施形態における処理システムの一例を示す図である。
図1に示すように、処理システムPSは、基板にプラズマ処理等の各種処理を施すことが可能なシステムである。処理システムPSは、真空搬送モジュールTM1,TM2、プロセスモジュールPM1~PM12、ロードロックモジュールLL1,LL2、大気搬送モジュールLM、アライナAN、ストレージSR等を備える。
【0012】
真空搬送モジュールTM1,TM2は、それぞれ平面視において略四角形状を有する。真空搬送モジュールTM1は、対向する2つの側面にプロセスモジュールPM1~PM6が接続されている。真空搬送モジュールTM1の他の対向する2つの側面のうち、一方の側面にはロードロックモジュールLL1,LL2が接続され、他方の側面には真空搬送モジュールTM2と接続するためのパス(図示せず)が接続されている。真空搬送モジュールTM1のロードロックモジュールLL1,LL2が接続される側面は、2つのロードロックモジュールLL1,LL2に応じて角度が付けられている。真空搬送モジュールTM2は、対向する2つの側面にプロセスモジュールPM7~PM12が接続されている。真空搬送モジュールTM2の他の対向する2つの側面のうち、一方の側面には真空搬送モジュールTM1と接続するためのパス(図示せず)が接続されている。真空搬送モジュールTM1,TM2は、真空雰囲気の真空室を有し、内部にそれぞれ真空搬送ロボットTR1,TR2が配置されている。
【0013】
真空搬送ロボットTR1,TR2は、旋回、伸縮、昇降自在に構成されている。真空搬送ロボットTR1,TR2は、後述する制御部CUが出力する動作指示に基づいて搬送対象物を搬送する。例えば、真空搬送ロボットTR1は、先端に配置された載置機構EE11,EE12で搬送対象物を保持し、ロードロックモジュールLL1,LL2、プロセスモジュールPM1~PM6及びパス(図示せず)の間で搬送対象物を搬送する。例えば、真空搬送ロボットTR2は、先端に配置された載置機構EE21,EE22で搬送対象物を保持し、プロセスモジュールPM7~PM12及びパス(図示せず)の間で搬送対象物を搬送する。なお、載置機構は、エンドエフェクタ、ピック、フォークとも称される。
【0014】
搬送対象物は、基板及び消耗部材を含む。基板は、例えば半導体ウエハである。消耗部材は、プロセスモジュールPM1~PM12内に交換可能に取り付けられる部材であり、プロセスモジュールPM1~PM12内でプラズマ処理等の各種の処理が行われることで消耗する部材である。消耗部材は、例えばプロセスモジュールPM1~PM12内に配置されるリングアセンブリ、シャワーヘッドを構成する部材を含む。
【0015】
プロセスモジュールPM1~PM12は、処理室を有し、内部に配置されたステージ(載置台)を有する。プロセスモジュールPM1~PM12は、ステージに基板が設置された後、内部を減圧して処理ガスを導入し、RF電力を印加してプラズマを生成し、プラズマによって基板にプラズマ処理を施す。真空搬送モジュールTM1,TM2とプロセスモジュールPM1~PM12とは、開閉自在なゲートバルブG1で仕切られている。
【0016】
ロードロックモジュールLL1,LL2は、真空搬送モジュールTM1と大気搬送モジュールLMとの間に配置されている。ロードロックモジュールLL1,LL2は、内部を真空、大気圧に切り換え可能な内圧可変室を有する。ロードロックモジュールLL1,LL2は、内部に配置されたステージを有する。ロードロックモジュールLL1,LL2は、基板を大気搬送モジュールLMから真空搬送モジュールTM1へ搬入する際、内部を大気圧に維持して大気搬送モジュールLMから基板を受け取り、内部を減圧して真空搬送モジュールTM1へ基板を搬入する。ロードロックモジュールLL1,LL2は、基板を真空搬送モジュールTM1から大気搬送モジュールLMへ搬出する際、内部を真空に維持して真空搬送モジュールTM1から基板を受け取り、内部を大気圧まで昇圧して大気搬送モジュールLMへ基板を搬入する。ロードロックモジュールLL1,LL2と真空搬送モジュールTM1とは、開閉自在なゲートバルブG2で仕切られている。ロードロックモジュールLL1,LL2と大気搬送モジュールLMとは、開閉自在なゲートバルブG3で仕切られている。
【0017】
大気搬送モジュールLMは、真空搬送モジュールTM1に対向して配置されている。大気搬送モジュールLMは、例えばEFEM(Equipment Front End Module)であってよい。大気搬送モジュールLMは、直方体状であり、FFU(Fan Filter Unit)を備え、大気圧雰囲気に保持された大気搬送室である。大気搬送モジュールLMの長手方向に沿った一の側面には、2つのロードロックモジュールLL1,LL2が接続されている。大気搬送モジュールLMの長手方向に沿った他の側面には、ロードポートLP1~LP4が接続されている。ロードポートLP1~LP4には、複数(例えば25枚)の基板を収容する容器Cが載置される。容器Cは、例えばFOUP(Front-Opening Unified Pod)であってよい。大気搬送モジュールLM内には、搬送対象物を搬送する大気搬送ロボットTR3が配置されている。
【0018】
大気搬送ロボットTR3は、大気搬送モジュールLMの長手方向に沿って移動可能に構成されると共に、旋回、伸縮、昇降自在に構成されている。大気搬送ロボットTR3は、後述する制御部CUが出力する動作指示に基づいて搬送対象物を搬送する。例えば、大気搬送ロボットTR3は、先端に配置された載置機構EE31で搬送対象物を保持し、ロードポートLP1~LP4、ロードロックモジュールLL1,LL2、アライナAN及びストレージSRの間で搬送対象物を搬送する。
【0019】
アライナANは、大気搬送モジュールLMの短手方向に沿った一の側面に接続されている。ただし、アライナANは、大気搬送モジュールLMの長手方向に沿った側面に接続されていてもよい。また、アライナANは、大気搬送モジュールLMの内部に設けられていてもよい。アライナANは、支持台、光学センサ(いずれも図示せず)等を有する。ここでいうアライナとは、搬送対象物の位置を検出する装置である。
【0020】
支持台は、鉛直方向に延びる軸線中心に回転可能な台であり、その上に基板を支持するように構成されている。支持台は、駆動装置(図示せず)によって回転される。駆動装置は、後述する制御部CUによって制御される。駆動装置からの動力により支持台が回転すると、当該支持台の上に設置された基板も回転するようになっている。
【0021】
光学センサは、基板が回転する間、基板のエッジを検出する。光学センサは、エッジの検出結果から、基準角度位置に対する基板のノッチ(或いは、別のマーカー)の角度位置のずれ量、及び、基準位置に対する基板の中心位置のずれ量を検出する。光学センサは、ノッチの角度位置のずれ量及び基板の中心位置のずれ量を後述する制御部CUに出力する。制御部CUは、ノッチの角度位置のずれ量に基づき、ノッチの角度位置を基準角度位置に補正するための回転支持台の回転量を算出する。制御部CUは、この回転量の分だけ回転支持台を回転させるよう、駆動装置(図示せず)を制御する。これにより、ノッチの角度位置を基準角度位置に補正することができる。また、制御部CUは、大気搬送ロボットTR3の載置機構EE31上の所定位置に基板の中心位置が一致するよう、アライナANから基板を受け取る際の大気搬送ロボットTR3の載置機構EE31の位置を、基板の中心位置のずれ量に基づき、制御する。
【0022】
ストレージSRは、大気搬送モジュールLMの長手方向に沿った側面に接続されている。ただし、ストレージSRは、大気搬送モジュールLMの短手方向に沿った側面に接続されていてもよい。また、ストレージSRは、大気搬送モジュールLMの内部に設けられていてもよい。ストレージSRは、搬送対象物を収容する。
【0023】
処理システムPSには、制御部CUが設けられている。制御部CUは、例えばコンピュータであってよい。制御部CUは、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置等を備える。CPUは、ROM又は補助記憶装置に格納されたプログラムに基づいて動作し、処理システムPSの各部を制御する。例えば、制御部CUは、動作指示を真空搬送ロボットTR1,TR2、大気搬送ロボットTR3等に出力する。動作指示は、例えば、先端に配置された載置機構EE11,EE12,EE21,EE22,EE31で搬送対象物を保持し、各モジュール等の間で搬送対象物を搬送する指示を含む。
【0024】
[載置機構EE31の詳細]
次に、
図2及び
図3を用いて、大気搬送ロボットTR3の載置機構EE31の詳細について説明する。
図2は、第1実施形態における大気搬送ロボットの載置機構と基板との相対位置の一例を示す図である。
図2(a)は、基板Wを保持した載置機構EE31の平面図である。
図2(b)は、基板Wを保持した載置機構EE31の断面図であり、
図2(a)における一点鎖線5B-5Bで切断した断面を示す。
【0025】
載置機構EE31は、平面視で略U字形状を有する。載置機構EE31は、複数の吸引孔V1、吸引路V2等を含む。吸引路V2は、排気流路の一例である。載置機構EE31は、基板Wの下面を複数の吸引孔V1により真空吸着して保持する。吸引孔V1には、載置パッド10が設けられている。載置パッド10は、例えば、エンジニアリングプラスチックで構成されており、取付方向の変更及び交換が可能である。複数の吸引孔V1は、吸引路V2及び排気管V3を介して排気装置V4に接続されている。排気装置V4は、バルブ、レギュレータ、真空ポンプ等を含み、圧力を調整しながら吸引路V2及び排気管V3内を吸引する。
【0026】
図3は、第1実施形態における載置機構の載置パッド近傍の断面の一例を示す図である。
図3は、
図2(a)における一点鎖線6B-6Bで切断した断面の一部を示す。
図3に示すように、載置パッド10は、吸引孔V1に対応し、載置機構EE31の一方の面(例えば、上面)に設けられたパッド取り付け部V11にブラケット20を介して取り付けられる。ブラケット20は、載置機構EE31に、Oリング21によって吸引孔V1の気密を保ちつつ、ネジ22で締結される。載置パッド10は、ブラケット20に図示しないネジで締結される。なお、載置パッド10は、ブラケット20と接する部分23が接着されていてもよい。この場合、図示しないネジ孔が不要になるため、載置パッド10の基台11の面積を小さくすることができる。
【0027】
続いて、
図4から
図6を用いて載置パッド10及びそのバリエーションについて説明する。
図4は、第1実施形態における載置パッド及びそのバリエーションの一例を示す図である。
図5及び
図6は、載置パッドのバリエーションの一例を示す図である。
【0028】
図4に示す載置パッド10及び載置パッド30は、外縁部の周方向において、外縁部の厚さが外縁部の他の部分の厚さと異なる部分を含んで剥がれの起点を作成する形状である。なお、外縁部の厚さは、外縁部の内側部と外側部との間の差し渡し寸法である。載置パッド10は、円形状の基台11に対して外縁部12が環状に高く形成されている。すなわち、外縁部12は、基台11の一方の面に設けられ、当該面の外縁を囲むように、当該面の面方向に交差する方向に突出し、対象物(基板W)と接触可能な環状である。ここで、当該面の面方向に交差する方向とは、当該面に対し30~150度の方向であってもよく、当該面に対し60~120度の方向であってもよく、当該面に対し略垂直の方向(約90度の方向)であってもよいし、90度の方向であってもよい。これにより、載置パッド10は、基板Wを真空吸着した際に、外縁部12で囲まれた基台11の空間内が吸引される。載置パッド10は、基台11の中央に開口部13を有する。開口部13は、ブラケット20を介して吸引孔V1及び吸引路V2に連通している。また、基台11には、開口部13の外周側に複数のネジ孔14が設けられている。なお、開口部13及びネジ孔14は、貫通孔の一例である。貫通孔の孔径は、好適にはΦ1~5mmであり、より好適にはΦ2~3mmである。
【0029】
載置パッド10は、各ネジ孔14に対応する図示しないネジでブラケット20に締結される。なお、載置パッド10では、ネジ孔14を6個設けて基台11を円形状としたが、他の形状でもよく、例えば、ネジ孔14を3個設けて基台11を三角形状としてもよい。載置パッド10は、外縁部12の内周面15側に、1つ以上の凹状部16が設けられる。
図4の例では、凹状部16は、対向する位置に2つ設けられている。また、外縁部12の厚さが異なる部分(凹状部16)は、基台11の中央を回転軸としたときの回転対称の位置に2以上設けられるようにしてもよい。載置パッド10では、外縁部12の厚さ、つまり、基板Wと接触する外縁部12の厚さが、凹状部16が存在する領域17と、凹状部16が存在しない領域18とで異なる。すなわち、外縁部12のうち少なくとも一の部分(領域17)において、外縁部12の厚さが、外縁部12の他の部分の厚さ(領域18)と異なる。載置パッド10の場合、領域17が剥がれの起点となる。つまり、載置パッド10では、凹状部16を設けることで、載置機構EE31への基板Wの貼り付きを低減することができる。
【0030】
載置パッド30は、載置パッド10のバリエーションの一例である。載置パッド30は、円形状の基台31に対して外縁部32が環状に高く形成されている。載置パッド30は、載置パッド10と同様に、基台31の中央に開口部33を有するとともに、開口部33の外周側に複数のネジ孔34が設けられている。載置パッド30は、載置パッド10と同様に、各ネジ孔34に対応する図示しないネジでブラケット20に締結される。載置パッド30は、外縁部32の外周面35側に、1つ以上の凸状部36が設けられる。
図4の例では、凸状部36は、周方向の等間隔の位置に3つ設けられており、外形が三角形のおにぎりと似た形状となっている。載置パッド30では、外縁部32の厚さ、つまり、基板Wと接触する外縁部32の厚さが、凸状部36が存在する領域37と、凸状部36が存在しない領域38とで異なる。載置パッド30の場合、領域38が剥がれの起点となる。つまり、載置パッド30では、領域38を設けることで、載置機構EE31への基板Wの貼り付きを低減することができる。
【0031】
図5に示す載置パッド40及び載置パッド50は、外縁部の外周側に角を設けることで剥がれの起点を作成する形状である。なお、載置パッド40及び載置パッド50においても、外縁部の周方向において基板Wと接触する外縁部の厚さが異なる部分を含むことになる。載置パッド40は、円形状の基台41に対して外縁部42が環状に高く形成されている。載置パッド40は、載置パッド10と同様に、基台41の中央に開口部43を有するとともに、開口部43の外周側に複数のネジ孔44が設けられている。載置パッド40は、載置パッド10と同様に、各ネジ孔44に対応する図示しないネジでブラケット20に締結される。載置パッド40は、外縁部42の外周面45側に、1つ以上の角46が設けられている。
図5の例では、角46は、周方向の等間隔の位置に5つ設けられており、外縁部42の外形が五角形となっている。つまり、外縁部42は、内周面側が円形であり、外周面側が角46と平面とで形成されている。なお、外縁部42の内周面側は楕円形であってもよい。さらに、外縁部42の外形は五角形に限られず、多角形であってもよい。載置パッド40では、角46を設けることで、角46が剥がれの起点となり、基板Wがより剥がれやすくなる。なお、載置パッド40においても、外縁部42の厚さ、つまり、基板Wと接触する外縁部42の厚さが、角46が存在する領域47と、角46が存在しない領域とで異なるので、領域47又は角46が存在しない領域が剥がれの起点となるとも捉えることができる。
【0032】
載置パッド50は、円形状の基台51に対して外縁部52が環状に高く形成されている。載置パッド50は、載置パッド10と同様に、基台51の中央に開口部53を有するとともに、開口部53の外周側に複数のネジ孔54が設けられている。載置パッド50は、載置パッド10と同様に、各ネジ孔54に対応する図示しないネジでブラケット20に締結される。載置パッド50は、外縁部52の外周面55側に、1つ以上の角56が設けられている。
図5の例では、角56は、周方向の等間隔の位置に6つ設けられ、角56を形成する角度が載置パッド40の角46より小さく、外周面55の角56間に両側の面を接続する線57を有する。つまり、外縁部52は、外形が星形となっている。載置パッド50では、角56を設けることで、角56が剥がれの起点となり、基板Wがより剥がれやすくなる。なお、載置パッド50においても、外縁部52の厚さ、つまり、基板Wと接触する外縁部52の厚さが、角56が存在する領域58と、角56が存在しない領域、例えば線57が存在する領域とで異なるので、領域58又は線57が存在する領域が剥がれの起点となるとも捉えることができる。
【0033】
図6に示す載置パッド60及び載置パッド70は、外縁部の外周側に変形ポイントとして凹状部を設けることで載置パッド全体が変形しやすくなることで剥がれの起点を作成する形状である。なお、載置パッド60及び載置パッド70においても、外縁部の周方向において基板Wと接触する外縁部の厚さが異なる部分を含むことになる。載置パッド60は、円形状の基台61に対して外縁部62が環状に高く形成されている。載置パッド60は、載置パッド10と同様に、基台61の中央に開口部63を有するとともに、開口部63の外周側に複数のネジ孔64が設けられている。載置パッド60は、載置パッド10と同様に、各ネジ孔64に対応する図示しないネジでブラケット20に締結される。載置パッド60は、外縁部62の外周面65側に、1つ以上の凹状部66が設けられる。
図6の例では、凹状部66は、対向する位置に2つ設けられている。載置パッド60では、凹状部66を設けることで、凹状部66を起点として載置パッド60が変形する。
【0034】
ここで、
図7を用いて矢視68における載置パッド60の変形について説明する。
図7は、載置パッドの変形イメージの一例を示す図である。
図7に示すように、載置機構EE31が基板Wを載置する際の載置パッド60を側面から見ると、対向する位置に設けられた凹状部66が存在する領域67を中心として、状態80から状態81に示すように、載置パッド60が下に凸形状に変形する。この場合、領域67は、他の部分よりも基板Wから先に離れることとなる。つまり、載置パッド60では、凹状部66が存在する領域67が剥がれの起点となり、基板Wがより剥がれやすくなる。なお、載置パッド60においても、外縁部62の厚さ、つまり、基板Wと接触する外縁部の厚さが、凹状部66が存在する領域67と、凹状部66が存在しない領域とで異なるので、領域67が剥がれの起点となるとも捉えることができる。
【0035】
図6の説明に戻って、載置パッド70は、円形状の基台71に対して外縁部72が環状に高く形成されている。載置パッド70は、載置パッド10と同様に、基台71の中央に開口部73を有するとともに、開口部73の外周側に複数のネジ孔74が設けられている。載置パッド70は、載置パッド10と同様に、各ネジ孔74に対応する図示しないネジでブラケット20に締結される。載置パッド70は、外縁部72の外周面75側に、1つ以上の凹状部76が設けられる。
図6の例では、凹状部76は、対向する位置に2つ設けられている。また、載置パッド70は、基台71と外縁部72との境界近傍に環状の溝78が形成されている。載置パッド70では、凹状部76とともに、溝78を設けることで、凹状部76を起点として載置パッド70がより変形しやすくなる。なお、載置パッド70の変形は、矢視79において
図7に示す載置パッド60の変形と同様である。つまり、載置パッド70では、凹状部76が存在する領域77が剥がれの起点となり、基板Wがより剥がれやすくなる。なお、載置パッド70においても、外縁部72の厚さ、つまり、基板Wと接触する外縁部の厚さが、凹状部76が存在する領域77と、凹状部76が存在しない領域とで異なるので、領域77が剥がれの起点となるとも捉えることができる。また、載置パッド60,70では、載置パッド自体が変形しやすくなるように、変形ポイントである領域67,77から遠いネジ孔64,74、例えば、領域67,77から周方向90度近傍のネジ孔64,74を設けないようにしてもよい。
【0036】
次に、
図8から
図10を用いて、ティース90と各種載置パッドの向き、及び、基板Wの中心と各種載置パッドの向きとの関係について説明する。
図8は、ティースによる基板の剥がれ起点の一例を示す図である。
図8では、例えば、ロードポートLP1に載置された容器Cのティース90に基板Wを載置する状態を示している。
図8において、載置機構EE31が下方に移動されると、基板Wの両端部がティース90と接触し、剥がれの起点91となる。このとき、載置機構EE31の先端部92と、根元部93とでは、載置パッドにおける剥がれの起点となる方向を異なる方向とする場合が考えられる。なお、先端部92及び根元部93のどちらにおいても、吸引孔V1における載置パッドの対称性を崩すことで、剥がれの起点としている。また、先端部92及び根元部93の吸引孔V1の位置は、基板Wの中心から等距離の位置であるとする。なお、線94は、基板Wの中心と根元部93における吸引孔V1とを結ぶ線である。また、領域90aは、基板Wがティース90と接触可能な部分を表している。
【0037】
図9は、ティースと載置パッドの向きとの関係の一例を示す図である。
図9に示す例95及び例96は、
図8における右側の先端部92における剥がれの起点となる方向の一例を示している。なお、
図8における左側の先端部92は、左右が反転するのみで同様であるので省略している。また、例95及び例96では、載置パッド30又は載置パッド70は、
図8に示すように、基板Wの中心から等距離の位置に3つ以上設けられている。例95では、載置パッド30を用いた場合において、領域38がティース90の方向に向くように配置されている。例96では、載置パッド70を用いた場合において、領域77がティース90の方向に向くように配置されている。つまり、少なくとも2つの載置パッド30又は載置パッド70は、搬送対象物である基板Wと接触する外縁部の厚さが最も少ない外縁部32又は外縁部72(領域38又は領域77)の位置が、ティース90の方向となるように設けられる。なお、ティース90の方向には、載置パッド30又は載置パッド70のそれぞれの中心と領域38又は領域77とを結ぶ直線の延長線が、領域90aを通る範囲の方向が含まれる。言い換えると、載置パッド30又は載置パッド70は、外縁部32又は外縁部72の厚さが最も小さい部分のうち少なくとも1つが、載置機構EE31に載置された基板Wが台であるティース90と接触可能な部分(領域90a)を向くように設けられる。すなわち、例95及び例96では、ティース90における剥がれの起点91と、載置パッド30,70の剥がれの起点となる領域38,77とを近づけることで、基板Wの貼り付きを低減することができる。なお、
図8における先端部92では、基板Wの中心方向と、載置パッド30,70の剥がれの起点の方向とは異なる方向となる。
【0038】
図10は、基板中心と載置パッドの向きとの関係の一例を示す図である。一方、
図10に示す例97から例99は、根元部93における剥がれの起点となる方向の一例を示している。例97では、載置パッド30を用いた場合において、領域38が基板Wの中心方向を表す線94上に来る方向であって、基板Wの中心側に領域38が向くように配置されている。例98では、載置パッド30を用いた場合において、領域38が基板Wの中心方向を表す線94上に来る方向であって、基板Wの外縁側に領域38が向くように配置されている。つまり、例98は、例97の載置パッド30を180度回転させた状態である。例99では、載置パッド70を用いた場合において、領域77が基板Wの中心方向を表す線94上に来る方向に配置されている。すなわち、少なくとも1つの載置パッド30又は載置パッド70は、基板Wと接触する外縁部の厚さが最も少ない外縁部32又は外縁部72(領域38又は領域77)の位置が、基板Wの中心と当該載置パッド30又は載置パッド70とを結ぶ直線上の方向となるように設けられている。つまり、例97から例99では、基板Wの中心と、載置パッド30,70の剥がれの起点となる領域38,77との向きを合わせることで、基板Wの貼り付きを低減することができる。
【0039】
続いて、
図11から
図13を用いて変形例1~3について説明する。
図11は、変形例1における載置パッドのバリエーションの一例を示す図である。
図11に示す変形例1の載置パッド100は、載置パッド70と同様に、外縁部の外周側に変形ポイントとして凹状部を設けることで載置パッド全体が変形しやすくなることで剥がれの起点を作成する形状である。なお、載置パッド100においても、外縁部の周方向において基板Wと接触する外縁部の厚さが異なる部分を含むことになる。
【0040】
載置パッド100は、円形状の基台101に対して外縁部102が環状に高く形成されている。載置パッド100は、載置パッド10と同様に、基台101の中央に開口部103を有するとともに、開口部103の外周側に複数のネジ孔104が設けられている。載置パッド100は、載置パッド10と同様に、各ネジ孔104に対応する図示しないネジでブラケット20に締結される。載置パッド100は、外縁部102の外周面105側に、1つ以上の凹状部106が設けられる。
図11の例では、凹状部106は、対向する位置に2つ設けられている。また、ネジ孔104は、対抗する2つの凹状部106を結んだ直線上に2つ設けられている。すなわち、載置パッド100では、外縁部102の厚さが異なる部分(凹状部106)、及び、貫通孔(開口部103、ネジ孔104)は、直線上に配置される。また、載置パッド100は、基台101と外縁部102との境界近傍に環状の溝108が形成されている。載置パッド100では、凹状部106とともに、溝108を設けることで、凹状部106を起点として載置パッド100がより変形しやすくなる。なお、載置パッド100の変形は、矢視109において
図7に示す載置パッド60の変形と同様である。つまり、載置パッド100では、凹状部106が存在する領域107が剥がれの起点となり、基板Wがより剥がれやすくなる。なお、載置パッド100においても、外縁部102の厚さ、つまり、基板Wと接触する外縁部の厚さが、凹状部106が存在する領域107と、凹状部106が存在しない領域とで異なるので、領域107が剥がれの起点となるとも捉えることができる。
【0041】
図12は、変形例2における載置機構と基板と支持台との相対位置の一例を示す図である。
図12に示す変形例2の支持台110は、アライナANの支持台であり、その中心に載置機構EE31と同様の載置パッド10を有する。つまり、支持台110は、載置機構の一例である。なお、
図12では、載置パッド10は図示を省略している。また、
図12では、載置機構EE31に載置された基板WがアライナANの支持台110に搬送された状態を示している。支持台110では、載置機構EE31と同様に、図示しない載置パッド10の吸引孔が吸引路及び排気管を介して排気装置に接続され、基板Wが吸着保持される。その後、アライナANから基板Wが搬出されるとき、基板Wが載置機構EE31で持ち上げられる際に、載置パッド10の凹状部16が剥がれの起点となることで、支持台110への基板Wの貼り付きを低減することができる。
【0042】
図13は、変形例3における載置機構の載置パッド近傍の断面の他の一例を示す図である。
図13に示すように、変形例3の載置パッド120は、吸引孔V1に対応し、載置機構EE31aの一方の面(例えば、上面)に設けられたパッド取り付け部V12にネジ121によって取り付けられる。載置パッド120は、中心の開口部126に吸引孔V1の上部が接続される。載置パッド120の裏面(基台11の裏面に相当)であって、ネジ121の取付孔122の外周部には、シール部材としてOリング123が設けられる。ネジ121は、締結部材の一例であり、取付孔122は、貫通孔の一例である。つまり、載置パッド120では、貫通孔のうち少なくとも1つは締結部材(ネジ121)用の締結孔である。また、
図13の例では、載置パッド120の基台とパッド取り付け部V12との間、かつ全ての貫通孔を取り囲むように、シール部材であるOリング123が配置される。このように、ネジ121を取り巻くようにOリング123を配置することで、載置パッド120の中心からOリング123までの載置パッド120とパッド取り付け部V12とが接触する領域124において、載置パッド120とパッド取り付け部V12との間の密着性を確保することができる。また、載置パッド120のOリング123より外周側の外縁部には、パッド取り付け部V12との間に空隙125を有する状態である。このように、空隙125を設けることで、載置パッド120のたわみ代ができ、載置パッド120の外縁部をより基板Wに密着させることができる。
【0043】
(第2実施形態)
上記の変形例3では、吸引孔V1が接続される載置パッド120の中心の開口部126と、載置パッド120の取付孔122とを個別に設けたが、貫通孔を有するネジ等の締結部材で載置パッドを載置機構に取り付けてもよい。この場合の実施の形態につき、第2実施形態として説明する。なお、第2実施形態における処理システムは、上述の第1実施形態と同様であるので、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
【0044】
図14は、第2実施形態における載置機構の載置パッド近傍の断面の一例を示す図である。
図14に示すように、第2実施形態の載置機構EE31bは、変形例3のパッド取り付け部V12、載置パッド120及びネジ121に代えて、パッド取り付け部V13、載置パッド200及びネジ201を有する。また、第2実施形態の載置機構EE31bは、変形例3の吸引孔V1に代えて、ネジ201に設けられた吸引孔V1a、及び、載置パッド200に設けられた複数の吸引孔V1bを有する。なお、吸引孔V1aは、第1の貫通孔の一例である。
【0045】
載置パッド200は、載置機構EE31bの一方の面(例えば、上面)に設けられたパッド取り付け部V13にネジ201によって取り付けられる。載置パッド200は、中心の開口部202において、ネジ201によって載置機構EE31bに締結される。ネジ201は、締結部材の一例である。ネジ201には、中心に吸引孔V1aが設けられ、吸引路V2に連通している。つまり、ネジ201の吸引孔V1aは、ネジ201の締結方向に沿った第2の貫通孔の一例である。載置パッド200には、開口部202の周囲を取り囲むように、吸引孔V1bに対応する貫通孔213が複数設けられる。貫通孔213は、第2の貫通孔の一例である。吸引孔V1bは、吸引路V2に連通している。なお、以下の説明では、載置パッド200が載置機構EE31bに取り付けられた状態において、貫通孔213と吸引孔V1bとを纏めて吸引孔V1bと表す場合がある。載置パッド200では、吸引孔V1aとともに、複数の吸引孔V1bを設けることで、基板Wの裏面にかかる圧力を分散することができる。
【0046】
また、載置パッド200の裏面であって、吸引孔V1bの外周部には、シール部材としてOリング203が設けられる。
図14の例では、載置パッド200の後述する基台211とパッド取り付け部V13との間、かつ全ての貫通孔(吸引孔V1a,V1b)を取り囲むように、シール部材であるOリング123が配置される。すなわち、Oリング203は、載置パッド200の基台211と載置機構EE31bの一方の面との間に、平面視で全ての貫通孔(吸引孔V1a,V1b)を取り囲むように設けられるシール部材の一例である。このように、吸引孔V1a,V1bを取り巻くようにOリング203を配置することで、載置パッド200の中心からOリング203までの載置パッド200とパッド取り付け部V13とが接触する領域204において、載置パッド200とパッド取り付け部V13との間の密着性を確保することができる。
【0047】
また、載置パッド200のOリング203より外周側の外縁部には、パッド取り付け部V13との間に空隙205を有する状態である。空隙205は、変形例3の載置パッド120における空隙125よりも、Oリング203から外縁部までの距離が長く、載置パッド200のたわみ代をより大きくすることができる。このように、空隙205を設けることで、載置パッド200の外縁部をより基板Wに密着させることができる。また、載置機構EE31bが、基板Wをティース90等に受け渡す場合において、Oリング203は、基板Wに張り付いた載置パッド200が剥がれて元の位置に戻る際のクッションの役割を果たす。従って、載置パッド200のたわみ代がより大きくなっても、Oリング203が載置パッド200の応力割れを抑制して載置パッド200を長寿命化することができる。
【0048】
次に、
図15及び
図16を用いて載置パッド200の詳細について説明する。
図15は、第2実施形態における載置パッドの一例を示す図である。
図15に示す載置パッド200は、外縁部の外周側及び内周側に変形ポイントとして凹状部を設けることで、さらに載置パッド全体が変形しやすくなることで剥がれの起点を作成する形状である。なお、載置パッド200においても、外縁部の周方向において基板Wと接触する外縁部の厚さが異なる部分を含むことになる。載置パッド200は、円形状の基台211に対して外縁部212が環状に高く形成されている。載置パッド200は、基台211の中央に開口部202を有するとともに、開口部202の外周側に複数の貫通孔213が設けられている。複数の貫通孔213それぞれは、パッド取り付け部V13に取り付けられた際に、載置機構EE31b側の複数の吸引孔V1bそれぞれと連通する。つまり、基台211に設けられた複数の貫通孔(開口部202、貫通孔213)は、そのうちの1つが締結孔であってもよい。例えば、載置パッド200のように、複数の貫通孔について、基台211の中央の貫通孔である開口部202を締結孔として備え、開口部202の周囲にその他の貫通孔213を備えるようにしてもよい。また、締結孔である開口部202(第1の貫通孔)と、その他の貫通孔213(第2の貫通孔)とは、径が異なってもよい。ここで、径とは、貫通孔の断面形状が円形状である場合には直径を、その他の形状である場合には、その差し渡し径のうち最長のものをいう。また、締結孔である開口部202の径は、その他の貫通孔213の径よりも大きくすることが好ましい。
【0049】
載置パッド200は、基台211の各貫通孔213と外縁部212との間に、環状の溝214が形成されている。溝214の一部には、凸部215が設けられている。凸部215は、基台211の各貫通孔213近傍と肉厚が同じであり、溝214の周方向において、溝214との間で肉厚差を有する。すなわち、溝214の太さ(幅)は、溝214のうち少なくとも一の部分(凸部215が設けられた部分)において、溝214の他の部分の太さと異なる。また、凸部215は、例えば、載置パッド200の中心を通る直線上に当該中心を挟んて対向する位置にそれぞれ設けられている。
【0050】
載置パッド200は、外縁部212の外周面側に、1つ以上の凹状部216が設けられている。すなわち、凹状部216は、外縁部212のうち少なくとも一の部分が、外縁部212の外周が基台211の中央に近づくように設けられ、当該部分は、外縁部212の外周と内周との距離が、外縁部212の他の部分よりも小さいといえる。また、載置パッド200は、外縁部212の内周面側に、1つ以上の凹状部217が設けられている。すなわち、凹状部217は、外縁部212のうち少なくとも一の部分が、外縁部212の内周が基台211の中央から遠ざかるように設けられ、当該部分は、外縁部212の外周と内周との距離が、外縁部212の他の部分よりも小さいといえる。
図15の例では、凹状部216は、外縁部212の周方向において、90°間隔で4つ設けられており、凹状部217は、外縁部212の周方向において、凹状部216と45°ずれた位置に、90°間隔で4つ設けられている。すなわち、凹状部216,217は、外縁部212の周方向に沿って交互に配置される。また、載置パッド200は、外縁部212のうち少なくとも一の部分(例えば、凹状部216)、溝214のうち少なくとも一の部分(例えば、凸部215)、及び、開口部202が直線上に配置されてもよい。
【0051】
載置パッド200では、4つの凹状部216のうち、載置パッド200の中心との間に凸部215を有しない方向の2つの凹状部216がそれぞれ存在する領域218が剥がれの起点となり、基板Wがより剥がれやすくなる。つまり、凸部215を有しない方向の2つの凹状部216では、凸部215を有する方向の2つの凹状部216よりも、載置パッド200が変形しやすい。
【0052】
図16は、載置パッドの外縁部の変位の一例を示す図である。
図16では、載置パッド200を平面視して周方向を時計回りに16分割した位置P1~P16における外縁部212の変位(XY軸方向の変位)の傾向を矢印220~222で表している。なお、
図16では、凸部215を有しない方向の凹状部216のうち1つを位置P1としている。矢印220~222は、矢印の長さで大まかな変位量を表し、矢印の向きで変位の方向を表している。矢印220は、位置P1,P9における変位を表し、矢印221は、位置P5,P13における変位を表し、矢印222は、位置P3,P7,P11,P15における変位を表している。なお、位置P2,P4,P6,P8,P10,P12,P14,P16は、煩雑となるので矢印を省略している。
【0053】
図16に示すように、載置パッド200では、矢印220で示す位置P1,P9における変位が最も大きくなり、矢印222で示す位置P3,P7,P11,P15における変位が最も小さくなる。このように、載置パッド200では、外縁部212の基板Wとの接触面にかかる変位を偏らせることで、位置P1,P9が剥がれの起点となり、基板Wがより剥がれやすくなることがわかる。
【0054】
続いて、
図17を用いて変形例4について説明する。
図17は、変形例4における載置パッドの一例を示す図である。
図17に示す載置パッド230は、
図6に示す載置パッド70と、
図15に示す載置パッド200の基台211とを組み合わせたバリエーションである。なお、載置パッド230においても、外縁部の周方向において基板Wと接触する外縁部の厚さが異なる部分を含むことになる。載置パッド230は、円形状の基台231に対して外縁部232が環状に高く形成されている。載置パッド230は、基台231の中央に開口部202aを有するとともに、開口部202aの外周側に複数の貫通孔233が設けられている。開口部202aは、開口部202と同様の貫通孔の一例である。複数の貫通孔233それぞれは、パッド取り付け部V13に取り付けられた際に、載置機構EE31b側の複数の吸引孔V1bそれぞれと連通する。
【0055】
載置パッド230は、基台231の各貫通孔233と外縁部232との間に、環状の溝234が形成されている。溝234は、載置パッド200の溝214よりも幅が狭く、内周側の基台231の中央からの距離は、周方向において同じ距離である。つまり、載置パッド230は、載置パッド200における凸部215に相当する部分は設けられていない。
【0056】
載置パッド230は、外縁部232の外周面側に、1つ以上の凹状部235が設けられている。すなわち、凹状部235は、外縁部232のうち少なくとも一の部分が、外縁部232の外周が基台231の中央に近づくように設けられ、当該部分は、外縁部232の外周と内周との距離が、外縁部232の他の部分よりも小さいといえる。
図17の例では、凹状部235は、外縁部232の周方向において、180°間隔で2つ設けられている。つまり、凹状部235は、載置パッド230の中心を通る直線上の対向する位置に設けられている。載置パッド230では、2つの凹状部235がそれぞれ存在する領域236が剥がれの起点となり、基板Wがより剥がれやすくなる。
【0057】
次に、
図18及び
図19を用いて第2実施形態の載置パッド200と変形例4の載置パッド230との変位量の比較について説明する。なお、
図18及び
図19では、載置パッド200,230に基板Wを載置して、Z軸方向のプラス側(垂直方向の上側)に1[N]の力で引っ張った場合の変位量を比較している。
【0058】
図18は、第2実施形態及び変形例4におけるZ軸方向の変位量の一例を示すグラフである。
図18に示すグラフ240は、載置パッド200のZ軸方向の変位量を表し、グラフ241は、載置パッド230のZ軸方向の変位量を表している。なお、
図18では、横軸に外縁部212,232の周方向を16分割した位置P1~P16(
図16の位置P1~P16に対応)を示し、縦軸に変位量が収まる範囲において正規化した変位量を示している。また、位置P1は、載置パッド200では
図16の位置P1に対応し、載置パッド230では凹状部235の一方に対応する位置である。グラフ240では、位置P1,P9においてZ軸方向の変位量が大きくなり、位置P5,P13においてZ軸方向の変位量が小さくなることがわかる。グラフ241では、変位量の変化はグラフ240より少ないが、グラフ240と同様に位置P1,P9においてZ軸方向の変位量が大きくなり、位置P5,P13においてZ軸方向の変位量が小さくなることがわかる。
【0059】
図19は、第2実施形態及び変形例4における半径方向の変位量の一例を示すグラフである。
図19に示すグラフ242は、載置パッド200の半径方向(XY軸方向)の変位量を表し、グラフ243は、載置パッド230の半径方向(XY軸方向)の変位量を表している。なお、
図19では、
図18と同様に横軸に位置P1~P16を示し、縦軸に変位量が収まる範囲において正規化した変位量を示している。グラフ242では、位置P1,P9において半径方向の変位量が大きくなり、位置P4~P7,P11~P15において半径方向の変位量が小さくなることがわかる。グラフ243では、変位量の変化はグラフ242より少ないが、グラフ242と同様に位置P1,P9において半径方向の変位量が大きくなり、位置P4~P6,P12~P14において半径方向の変位量が小さくなることがわかる。グラフ242,243を比較すると、半径方向の変位量は、載置パッド200の凸部215の影響が大きいことがわかる。また、グラフ243から、載置パッド230では凹状部235の影響が大きいことがわかる。さらに、グラフ242では、位置P1~P4,P7~P9,P9~P11,P15~P1にかけての傾きが大きいことがわかる。これらの傾きから、載置パッド200の外縁部212において、位置P1,P9が剥がれの起点となると推測される。
【0060】
続いて、
図20から
図22を用いて変形例5~7について説明する。
図20は、変形例5における載置パッドの一例を示す図である。
図20に示す載置パッド250は、
図15に示す載置パッド200において凸部215を設けず、載置パッド200の中心との間に凸部215を有した方向の2つの凹状部216のエッジ部分の面取りを行わないバリエーションである。なお、載置パッド250においても、外縁部の周方向において基板Wと接触する外縁部の厚さが異なる部分を含むことになる。載置パッド250は、円形状の基台251に対して外縁部252が環状に高く形成されている。載置パッド250は、基台251の中央に開口部202bを有するとともに、開口部202bの外周側に複数の貫通孔253が設けられている。開口部202bは、開口部202と同様の貫通孔の一例である。複数の貫通孔253それぞれは、パッド取り付け部V13に取り付けられた際に、載置機構EE31b側の複数の吸引孔V1bそれぞれと連通する。
【0061】
載置パッド250は、基台251の各貫通孔253と外縁部252との間に、環状の溝254が形成されている。溝254は、内周側の基台251の中央からの距離が、周方向において同じ距離である。つまり、載置パッド250は、載置パッド200における凸部215に相当する部分は設けられていない。
【0062】
載置パッド250は、外縁部252の外周面側に、凹状部255及び凹状部255aのうち1つ以上の凹状部が設けられる。すなわち、凹状部255及び凹状部255aのうち1つ以上の凹状部は、外縁部252のうち少なくとも一の部分が、外縁部252の外周が基台251の中央に近づくように設けられ、当該部分は、外縁部252の外周と内周との距離が、外縁部252の他の部分よりも小さいといえる。凹状部255aは、凹状部255のエッジ部分の面取りを行わないものである。なお、載置パッド250は、凹状部255aに代えて、凹状部255を設けてもよい。また、載置パッド250は、外縁部252の内周面側に、1つ以上の凹状部256が設けられる。すなわち、凹状部256は、外縁部252のうち少なくとも一の部分が、外縁部252の内周が基台251の中央から遠ざかるように設けられ、当該部分は、外縁部252の外周と内周との距離が、外縁部252の他の部分よりも小さいといえる。
図20の例では、凹状部255及び凹状部255aは、外縁部252の周方向において、90°間隔で交互に2つずつ(計4つ)設けられている。また、凹状部256は、外縁部252の周方向において、凹状部255及び凹状部255aと45°ずれた位置に、90°間隔で4つ設けられている。すなわち、凹状部255及び凹状部255aと、凹状部256とは、外縁部252の周方向に沿って交互に配置される。載置パッド250では、2つの凹状部255がそれぞれ存在する領域257が剥がれの起点となり、基板Wがより剥がれやすくなる。なお、2つの凹状部255aも剥がれの起点となりうる。
【0063】
図21は、変形例6における載置パッドの一例を示す図である。
図21に示す載置パッド260は、
図20に示す載置パッド250において溝254を二重に設けたバリエーションである。なお、載置パッド260においても、外縁部の周方向において基板Wと接触する外縁部の厚さが異なる部分を含むことになる。載置パッド260は、円形状の基台261に対して外縁部262が環状に高く形成されている。載置パッド260は、基台261の中央に開口部202cを有するとともに、開口部202cの外周側に複数の貫通孔263が設けられている。開口部202cは、開口部202と同様の貫通孔の一例である。複数の貫通孔263それぞれは、パッド取り付け部V13に取り付けられた際に、載置機構EE31b側の複数の吸引孔V1bそれぞれと連通する。
【0064】
載置パッド260は、基台261の各貫通孔263と外縁部262との間に、環状の溝264,266が形成されている。溝264と溝266との間には、基台261の各貫通孔263近傍と同じ肉厚である環状部265が形成されている。溝264は、内周側の基台261の中央からの距離及び外周側の基台261の中央からの距離が、周方向において同じ距離である。溝266は、内周側の基台261の中央からの距離及び外周側の基台261の中央からの距離が、周方向において同じ距離である。
【0065】
載置パッド260は、外縁部262の外周面側に、凹状部267及び凹状部267aのうち1つ以上の凹状部が設けられている。すなわち、凹状部267及び凹状部267aのうち1つ以上の凹状部は、外縁部262のうち少なくとも一の部分が、外縁部262の外周が基台261の中央に近づくように設けられ、当該部分は、外縁部262の外周と内周との距離が、外縁部262の他の部分よりも小さいといえる。凹状部267aは、凹状部267のエッジ部分の面取りを行わないものである。なお、載置パッド260は、凹状部267aに代えて、凹状部267を設けてもよい。また、載置パッド260は、外縁部262の内周面側に、1つ以上の凹状部268が設けられている。すなわち、凹状部268は、外縁部262のうち少なくとも一の部分が、外縁部262の内周が基台261の中央から遠ざかるように設けられ、当該部分は、外縁部262の外周と内周との距離が、外縁部262の他の部分よりも小さいといえる。
図21の例では、凹状部267及び凹状部267aは、外縁部262の周方向において、90°間隔で交互に2つずつ(計4つ)設けられている。また、凹状部268は、外縁部262の周方向において、凹状部267及び凹状部267aと45°ずれた位置に、90°間隔で4つ設けられている。すなわち、凹状部267及び凹状部267aと、凹状部268とは、外縁部262の周方向に沿って交互に配置される。載置パッド260では、2つの凹状部267がそれぞれ存在する領域269が剥がれの起点となり、基板Wがより剥がれやすくなる。なお、2つの凹状部267aも剥がれの起点となりうる。
【0066】
図22は、変形例7における載置パッドの一例を示す図である。
図22に示す載置パッド270は、
図20に示す載置パッド250において溝254の幅を狭くし、溝254から基台251の中央に向けて溝254と同じ肉厚である矩形状の凹部を複数設けることで、扇形状の凸部を複数設けたバリエーションである。なお、載置パッド270においても、外縁部の周方向において基板Wと接触する外縁部の厚さが異なる部分を含むことになる。載置パッド270は、円形状の基台271に対して外縁部272が環状に高く形成されている。載置パッド270は、基台271の中央に開口部202dを有するとともに、開口部202dの外周側に複数の貫通孔273が設けられている。開口部202dは、開口部202と同様の貫通孔の一例である。複数の貫通孔273それぞれは、パッド取り付け部V13に取り付けられた際に、載置機構EE31b側の複数の吸引孔V1bそれぞれと連通する。
【0067】
載置パッド270は、基台271の各貫通孔273と外縁部272との間に、環状の溝274が形成されている。溝274には、溝274から基台271の中央に向けて溝274と同じ肉厚である矩形状の凹部275を複数設けることで、扇形状の凸部276を複数設けている。凹部275は、例えば、基台271の周方向を8分割した各方向に設けられている。凸部276は、基台271の各貫通孔273近傍と肉厚が同じであり、溝274の周方向において、溝274との間で肉厚差を有する。凸部276は、凹部275と交互に設けられる。すなわち、溝274の太さ(幅)は、溝274のうち少なくとも一の部分(凸部276が設けられた部分)において、溝274の他の部分の太さと異なる。
【0068】
載置パッド270は、外縁部272の外周面側に、凹状部277及び凹状部277aのうち1つ以上の凹状部が設けられている。すなわち、凹状部277及び凹状部277aのうち1つ以上の凹状部は、外縁部272のうち少なくとも一の部分が、外縁部272の外周が基台271の中央に近づくように設けられ、当該部分は、外縁部272の外周と内周との距離が、外縁部272の他の部分よりも小さいといえる。凹状部277aは、凹状部277のエッジ部分の面取りを行わないものである。なお、載置パッド270は、凹状部277aに代えて、凹状部277を設けてもよい。また、載置パッド270は、外縁部272の内周面側に、1つ以上の凹状部278が設けられている。すなわち、凹状部278は、外縁部272のうち少なくとも一の部分が、外縁部272の内周が基台271の中央から遠ざかるように設けられ、当該部分は、外縁部272の外周と内周との距離が、外縁部272の他の部分よりも小さいといえる。
図22の例では、凹状部277及び凹状部277aは、外縁部272の周方向において、90°間隔で交互に2つずつ(計4つ)設けられている。凹状部278は、外縁部272の周方向において、凹状部277及び凹状部277aと45°ずれた位置に、90°間隔で4つ設けられている。すなわち、凹状部277及び凹状部277aと、凹状部278とは、外縁部272の周方向に沿って交互に配置される。載置パッド270では、2つの凹状部277がそれぞれ存在する領域279が剥がれの起点となり、基板Wがより剥がれやすくなる。なお、2つの凹状部277aも剥がれの起点となりうる。
【0069】
なお、上記の各実施形態では、載置パッド10,30,40,50,60,70,100,120,200,230,250,260,270と、載置機構EE31,EE31a,EE31bとを別体として構成したが、これに限定されない。例えば、載置機構EE31,EE31a,EE31bの一方の面に載置パッド10,30,40,50,60,70,100,120,200,230,250,260,270を一体的に成形されるように(一体成型物となるように)構成してもよい。
【0070】
以上、各実施形態によれば、載置パッド(例えば、載置パッド10,200)は、対象物(基板W)を載置するための載置パッドであって、基台(例えば、基台11,211)と、基台の一方の面に設けられ、該面の外縁を囲むように、該面の面方向に交差する方向に突出し、対象物と接触可能な環状の外縁部(例えば、外縁部12,212)と、を備え、外縁部のうち少なくとも一の部分(例えば、凹状部16,216)において、外縁部の厚さが、外縁部の他の部分の厚さと異なる。その結果、載置機構EE31等への対象物(基板W)の貼り付きを低減することができる。
【0071】
また、各実施形態によれば、基台に設けられた少なくとも1つの貫通孔(例えば、開口部13,202、ネジ孔14、貫通孔213)をさらに備える。その結果、例えば、貫通孔が開口部13である場合、基板Wを吸着することができる。また、例えば、貫通孔がネジ孔14である場合、載置パッド10を載置機構EE31に固定することができる。また、例えば、開口部202においてネジ201によって載置パッド200を載置機構EE31bに固定できるとともに、ネジ201の吸引孔V1a、及び、貫通孔213が連通する吸引孔V1bによって基板Wを吸着することができる。
【0072】
また、各実施形態によれば、外縁部の厚さが異なる部分は、基台の中央を回転軸としたときの回転対称の位置に2つ以上設けられる。その結果、載置機構EE31等への対象物の貼り付きを低減することができる。
【0073】
また、各実施形態によれば、外縁部の厚さが異なる部分、及び、貫通孔は、直線上に配置される。その結果、載置機構EE31等への対象物の貼り付きをより低減することができる。
【0074】
また、各実施形態によれば、外縁部(例えば、外縁部62,72,232)の厚さが異なる部分(例えば、凹状部66,76,235)は、対向する位置に2つ設けられる。その結果、載置パッド60,70,230が変形しやすくなり、載置機構EE31等への対象物の貼り付きをより低減することができる。
【0075】
また、各実施形態によれば、貫通孔は、互いに径の異なる第1の貫通孔(例えば、開口部202)及び第2の貫通孔(例えば、貫通孔213)を含む。その結果、締結及び吸引に適した貫通孔を設けることができる。
【0076】
また、各実施形態によれば、第1の貫通孔は、基台の中央に配置され、第1の貫通孔の周囲には、2つ以上の第2の貫通孔が配置され、第1の貫通孔の径は、第2の貫通孔の径よりも大きい。その結果、締結及び吸引に適した貫通孔を設けることができる。
【0077】
また、各実施形態によれば、外縁部(例えば、外縁部62,72,212)のうち少なくとも一の部分(例えば、凹状部66,76,216)は、外縁部の外周が基台の中央に近づくように設けられ、外縁部の外周が基台の中央に近づくように設けられた部分は、外縁部の外周と内周との距離が、外縁部の他の部分よりも小さい。その結果、載置機構EE31等への対象物の貼り付きをより低減することができる。
【0078】
また、各実施形態によれば、外縁部のうち少なくとも一の部分(例えば、凹状部16,217)は、外縁部の内周が基台の中央から遠ざかるように設けられ、外縁部の内周が基台の中央から遠ざかるように設けられた部分は、外縁部の外周と内周との距離が、外縁部の他の部分よりも小さい。その結果、載置機構EE31等への対象物の貼り付きをより低減することができる。
【0079】
また、各実施形態によれば、外縁部(例えば、212)のうち少なくとも一の部分である第1の部分(例えば、凹状部216)は、外縁部の外周が基台の中央に近づくように設けられ、外縁部のうち少なくとも一の部分である第2の部分(例えば、凹状部217)は、外縁部の内周が基台の中央から遠ざかるように設けられ、第1の部分と、第2の部分とが、外縁部の周方向に沿って交互に配置される。その結果、外縁部の対象物との接触面にかかる変位を偏らせることで剥がれの起点を生成でき、対象物がより剥がれやすくなる。
【0080】
また、各実施形態によれば、基台(例えば、基台71,211)は、外縁部(例えば、外縁部72,212)との境界近傍に環状の溝(例えば、溝78,214)を備える。その結果、載置パッド70等がより変形しやすくなり、載置機構EE31等への対象物の貼り付きをより低減することができる。
【0081】
また、各実施形態によれば、溝の太さは、溝のうち少なくとも一の部分(例えば、凸部215が位置する溝214)において、溝の他の部分の太さと異なる。その結果、外縁部の対象物との接触面にかかる変位を偏らせることで剥がれの起点を生成でき、対象物がより剥がれやすくなる。
【0082】
また、各実施形態によれば、外縁部のうち少なくとも一の部分(例えば、凹状部216)、及び、溝のうち少なくとも一の部分(例えば、凸部215が位置する溝214)は、直線上に配置される。その結果、外縁部の対象物との接触面にかかる変位を偏らせることで剥がれの起点を生成でき、対象物がより剥がれやすくなる。
【0083】
また、各実施形態によれば、外縁部(外縁部42,52)は、内周面側が円形又は楕円形であり、外周面(外周面45,55)側が多角形である。その結果、載置機構EE31等への対象物の貼り付きをより低減することができる。
【0084】
また、各実施形態によれば、載置機構(例えば、載置機構EE31,EE31b)は、対象物を載置する載置機構であって、載置機構内部に設けられた排気流路(吸引路V2)と、載置機構の一方の面に位置する載置パッド(例えば、載置パッド10,200)とを備え、載置パッドは、基台(例えば、基台11,211)と、基台に設けられ、排気流路と連通する少なくとも1つの第1の貫通孔(例えば、開口部13,202,貫通孔213(吸引孔V1b))と、基台の一方の面に設けられ、該面の外縁を囲むように、該面の面方向に交差する方向に突出し、対象物と接触可能な環状の外縁部(例えば、外縁部12,212)と、を備え、外縁部のうち少なくとも一の部分(例えば、凹状部16,216)において、外縁部の厚さが、外縁部の他の部分の厚さと異なる。その結果、載置機構EE31等への対象物(基板W)の貼り付きを低減することができる。
【0085】
また、各実施形態によれば、載置機構は、その上に対象物を吸着保持可能な支持台110である。その結果、アライナANの支持台110への対象物(基板W)の貼り付きを低減することができる。
【0086】
また、各実施形態によれば、外縁部と載置機構の一方の面との間に空隙(例えば、空隙125,205)を備える。その結果、載置パッド120等のたわみ代ができ、外縁部をより対象物(基板W)に密着させることができる。
【0087】
また、各実施形態によれば、載置機構の一方の面に設けられたパッド取り付け部(例えば、パッド取り付け部V11~V13)をさらに備え、載置パッドは、パッド取り付け部に取り付けられる。その結果、載置パッド10等を容易に交換することができる。
【0088】
また、各実施形態によれば、載置パッドは、載置機構の一方の面に一体的に成形されている。その結果、載置機構の構成を簡略化できる。
【0089】
また、各実施形態によれば、載置機構は、基板搬送用のエンドエフェクタである。その結果、エンドエフェクタへの基板Wの貼り付きを低減することができる。
【0090】
また、各実施形態によれば、載置パッドは、基台に少なくとも1つの締結部材用の締結孔(例えば、取付孔122、開口部202)をさらに備える。その結果、載置パッド120等を載置機構EE31a等に取り付けることができる。
【0091】
また、各実施形態によれば、載置パッド(例えば、載置パッド200)は、基台(例えば、基台211)に少なくとも1つの締結部材用の締結孔(例えば、開口部202)を備え、締結孔には、載置パッドとパッド取り付け部(例えば、パッド取り付け部V13)とを締結するための締結部材(例えば、ネジ201)が嵌め込まれ、締結部材は、締結方向に沿って第2の貫通孔(例えば、吸引孔V1a)を備える。その結果、締結孔と吸引孔とを兼用することができる。
【0092】
また、各実施形態によれば、基台と載置機構の一方の面との間に、平面視で全ての第1の貫通孔(例えば、開口部13,202,貫通孔213(吸引孔V1b))を取り囲むように設けられるシール部材(例えば、Oリング123,203)をさらに備える。その結果、基台と載置機構の一方の面との間の密着性を確保することができる。また、載置パッド200等のたわみ代がより大きくなっても、Oリング203が載置パッド200等の応力割れを抑制して載置パッド200等を長寿命化することができる。
【0093】
また、各実施形態によれば、基台(例えば、基台11)の裏面の一部とパッド取り付け部(例えば、パッド取り付け部V11)とが接着されている。その結果、基台11等の面積を小さくすることができる。
【0094】
また、各実施形態によれば、基板搬送機構(例えば、大気搬送ロボットTR3)は、基板Wを載置する台(例えば、ティース90)へ基板Wを受け渡し、又は、台から基板Wを受け取る基板搬送機構であって、載置機構(例えば、載置機構EE31,EE31b)を有する。載置機構において、載置パッド(例えば、載置パッド10,200)は、外縁部(例えば、外縁部12,212)の厚さが最も小さい部分のうち少なくとも1つが、載置機構に載置された基板Wが台と接触可能な部分(例えば、領域90a)を向くように設けられる。その結果、載置機構への基板Wの貼り付きをより低減することができる。
【0095】
また、各実施形態によれば、基板搬送機構(大気搬送ロボットTR3)は、載置パッド(例えば、載置パッド10,30,60,70,100,200)が、対象物の中心から等距離の位置に3つ以上設けられ、少なくとも2つの載置パッドが、対象物と接触する外縁部の厚さが最も少ない外縁部(例えば、凹状部16,66,76,106,216、領域38,218)の位置が、ティース90の方向となるように設けられる載置機構EE31を有する。その結果、ティース90における剥がれの起点91と、載置パッドの剥がれの起点となる領域(例えば、領域17,38,67,77,107,218)とを近づけることで、載置機構EE31への基板Wの貼り付きをより低減することができる。
【0096】
また、各実施形態によれば、少なくとも1つの載置パッド(例えば、載置パッド10,30,60,70,100,200)は、対象物と接触する外縁部の厚さが最も少ない外縁部の位置(例えば、凹状部16,66,76,106,216、領域38,218)が、対象物の中心と該載置パッドとを結ぶ直線(線94)上の方向となるように設けられる。その結果、基板Wの中心と、載置パッドの剥がれの起点となる領域(例えば、領域17,38,67,77,107,218)の向きを合わせることで、載置機構EE31への基板Wの貼り付きをより低減することができる。
【0097】
また、各実施形態によれば、外縁部12は、環状に形成され、外縁部12の厚さが異なる部分は、環状の内周面15側に設けられた1つ以上の凹状の部分(凹状部16)である。その結果、載置機構EE31への基板Wの貼り付きを低減することができる。
【0098】
また、各実施形態によれば、外縁部(例えば、外縁部62,72,102)は、環状に形成され、外縁部の厚さが異なる部分は、環状の外周面(例えば、外周面65,75,105)側に設けられた1つ以上の凹状の部分(例えば、凹状部66,76,106)である。その結果、載置パッド60,70,100等が変形しやすくなり、載置機構EE31への基板Wの貼り付きをより低減することができる。
【0099】
また、各実施形態によれば、外縁部(例えば、外縁部32,42,52)は、環状に形成され、外縁部の厚さが異なる部分は、環状の外周面(例えば、外周面35,45,55)側に設けられた1つ以上の凸状の部分(例えば、凸状部36、角46,56)である。その結果、載置機構EE31への基板Wの貼り付きを低減することができる。
【0100】
また、各実施形態によれば、凸状の部分(例えば、凸状部36)は、周方向の等間隔の位置に3つ設けられる。その結果、載置機構EE31への基板Wの貼り付きを低減することができる。
【0101】
また、各実施形態によれば、凸状の部分(例えば、角46,56)は、角を含む。その結果、載置機構EE31への基板Wの貼り付きをより低減することができる。
【0102】
また、各実施形態によれば、外縁部(例えば、外縁部42,52)は、内周面側が円形又は楕円形であり、外周面(例えば、外周面45,55)側が角(例えば、角46,56)と平面とで形成される。その結果、載置機構EE31への基板Wの貼り付きをより低減することができる。
【0103】
今回開示された各実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。上記の各実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形体で省略、置換、変更されてもよい。
【0104】
また、上記した各実施形態では、基板Wと接触する外縁部12等を1つの環状とする場合を説明したが、これに限定されない。例えば、外縁部を2つ以上の同心円の環状としてもよい。
【0105】
また、上記した各実施形態では、基板WをロードポートLP1~LP4に載置された容器Cに載置する場合を説明したが、これに限定されない。例えば、アライナANの支持台、ロードロックモジュールLL1,LL2のステージ等に基板Wを載置する場合、剥がれの起点が基板Wの中心に来ることになるが、同様に適用することができる。
【0106】
また、上記した各実施形態では、搬送対象物が基板Wの場合を説明したが、これに限定されない。例えば、ストレージSRに収容されたリングアセンブリ等を搬送可能な載置機構に適用してもよい。
【0107】
なお、本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)
対象物を載置するための載置パッドであって、
基台と、
前記基台の一方の面に設けられ、該面の外縁を囲むように、該面の面方向に交差する方向に突出し、前記対象物と接触可能な環状の外縁部と、を備え、
前記外縁部のうち少なくとも一の部分において、外縁部の厚さが、前記外縁部の他の部分の厚さと異なる、
載置パッド。
(2)
前記基台に設けられた少なくとも1つの貫通孔をさらに備える、
前記(1)に記載の載置パッド。
(3)
前記外縁部の厚さが異なる前記部分は、前記基台の中央を回転軸としたときの回転対称の位置に2つ以上設けられる、
前記(1)又は(2)に記載の載置パッド。
(4)
前記外縁部の厚さが異なる前記部分、及び、前記貫通孔は、直線上に配置される、
前記(2)に記載の載置パッド。
(5)
前記外縁部の厚さが異なる前記部分は、対向する位置に2つ設けられる、
前記(1)~(4)のいずれか1つに記載の載置パッド。
(6)
前記基台には、前記外縁部との境界近傍に環状の溝が形成される、
前記(1)~(5)のいずれか1つに記載の載置パッド。
(7)
前記外縁部は、内周面側が円形又は楕円形であり、外周面側が多角形である、
前記(1)~(6)のいずれか1つに記載の載置パッド。
(8)
対象物を載置する載置機構であって、
前記載置機構内部に設けられた排気流路と、
前記載置機構の上面に設けられたパッド取り付け部と、
前記パッド取り付け部に取り付けられた載置パッドとを備え、
前記載置パッドは、
基台と、
前記基台に設けられ、前記排気流路と連通する少なくとも1つの貫通孔と、
前記基台の一方の面に設けられ、該面の外縁を囲むように、該面の面方向に交差する方向に突出し、前記対象物と接触可能な環状の外縁部と、を備え、
前記外縁部のうち少なくとも一の部分において、外縁部の厚さが、前記外縁部の他の部分の厚さと異なる、
載置機構。
(9)
前記載置機構は、その上に前記対象物を吸着保持可能な支持台である、
前記(8)に記載の載置機構。
(10)
前記外縁部と前記パッド取り付け部との間に空隙を備える、
前記(8)又は(9)に記載の載置機構。
(11)
前記貫通孔のうち少なくとも1つは締結部材用の締結孔であり、
前記基台と前記パッド取り付け部との間、かつ全ての前記貫通孔を取り囲むように、シール部材が配置される、
前記(8)~(10)のいずれか1つに記載の載置機構。
(12)
前記基台の裏面の一部と前記パッド取り付け部とが接着されている、
前記(8)~(10)のいずれか1つに記載の載置機構。
(13)
前記載置パッドは、前記対象物の中心から等距離の位置に3つ以上設けられ、
少なくとも2つの前記載置パッドは、前記対象物と接触する前記外縁部の厚さが最も少ない前記外縁部の位置が、ティースの方向となるように設けられる、
前記(8)~(12)のいずれか1つに記載の載置機構を有する、
基板搬送機構。
(14)
少なくとも1つの前記載置パッドは、前記対象物と接触する前記外縁部の厚さが最も少ない前記外縁部の位置が、前記対象物の中心と該載置パッドとを結ぶ直線上の方向となるように設けられる、
前記(13)に記載の基板搬送機構。
【0108】
また、本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)
対象物を載置するための載置パッドであって、
基台と、
前記基台の一方の面に設けられ、該面の外縁を囲むように、該面の面方向に交差する方向に突出し、前記対象物と接触可能な環状の外縁部と、を備え、
前記外縁部のうち少なくとも一の部分において、外縁部の厚さが、前記外縁部の他の部分の厚さと異なる、
載置パッド。
(2)
前記基台に設けられた少なくとも1つの貫通孔をさらに備える、
前記(1)に記載の載置パッド。
(3)
前記外縁部の厚さが異なる前記部分は、前記基台の中央を回転軸としたときの回転対称の位置に2つ以上設けられる、
前記(1)又は(2)に記載の載置パッド。
(4)
前記貫通孔は、
互いに径の異なる第1の貫通孔及び第2の貫通孔を含む、
前記(2)に記載の載置パッド。
(5)
前記第1の貫通孔は、前記基台の中央に配置され、
前記第1の貫通孔の周囲には、2つ以上の前記第2の貫通孔が配置され、
前記第1の貫通孔の径は、前記第2の貫通孔の径よりも大きい、
前記(4)に記載の載置パッド。
(6)
前記外縁部のうち少なくとも一の前記部分は、前記外縁部の外周が前記基台の中央に近づくように設けられ、
前記外縁部の外周が前記基台の中央に近づくように設けられた前記部分は、前記外縁部の前記外周と内周との距離が、前記外縁部の前記他の部分よりも小さい、
前記(1)~(5)のいずれか1つに記載の載置パッド。
(7)
前記外縁部のうち少なくとも一の前記部分は、前記外縁部の内周が前記基台の中央から遠ざかるように設けられ、
前記外縁部の内周が前記基台の中央から遠ざかるように設けられた前記部分は、前記外縁部の外周と前記内周との距離が、前記外縁部の前記他の部分よりも小さい、
前記(1)~(6)のいずれか1つに記載の載置パッド。
(8)
前記外縁部のうち少なくとも一の前記部分である第1の部分は、前記外縁部の外周が前記基台の中央に近づくように設けられ、
前記外縁部のうち少なくとも一の前記部分である第2の部分は、前記外縁部の内周が前記基台の中央から遠ざかるように設けられ、
前記第1の部分と、前記第2の部分とが、前記外縁部の周方向に沿って交互に配置される、
前記(1)~(7)のいずれか1つに記載の載置パッド。
(9)
前記基台は、前記外縁部との境界近傍に環状の溝を備える、
前記(1)~(8)のいずれか1つに記載の載置パッド。
(10)
前記溝の太さは、前記溝のうち少なくとも一の部分において、前記溝の他の部分の太さと異なる、
前記(9)に記載の載置パッド。
(11)
前記外縁部のうち少なくとも一の前記部分、及び、前記溝のうち少なくとも一の前記部分は、直線上に配置される、
前記(10)に記載の載置パッド。
(12)
対象物を載置する載置機構であって、
前記載置機構内部に設けられた排気流路と、
前記載置機構の一方の面に位置する載置パッドとを備え、
前記載置パッドは、
基台と、
前記基台に設けられ、前記排気流路と連通する少なくとも1つの第1の貫通孔と、
前記基台の一方の面に設けられ、該面の外縁を囲むように、該面の面方向に交差する方向に突出し、前記対象物と接触可能な環状の外縁部と、を備え、
前記外縁部のうち少なくとも一の部分において、外縁部の厚さが、前記外縁部の他の部分の厚さと異なる、
載置機構。
(13)
前記外縁部と前記載置機構の前記一方の面との間に空隙を備える、
前記(12)に記載の載置機構。
(14)
前記載置機構の前記一方の面に設けられたパッド取り付け部をさらに備え、
前記載置パッドは、前記パッド取り付け部に取り付けられる、
前記(12)又は(13)に記載の載置機構。
(15)
前記載置パッドは、前記載置機構の前記一方の面に一体的に成形されている、
前記(12)又は(13)に記載の載置機構。
(16)
前記載置機構は、基板搬送用のエンドエフェクタである、
前記(12)~(15)のいずれか1つに記載の載置機構。
(17)
前記載置パッドは、前記基台に少なくとも1つの締結部材用の締結孔をさらに備える、
前記(12)~(14)のいずれか1つに記載の載置機構。
(18)
前記載置パッドは、前記基台に少なくとも1つの締結部材用の締結孔を備え、
前記締結孔には、前記載置パッドと前記パッド取り付け部とを締結するための締結部材が嵌め込まれ、
前記締結部材は、締結方向に沿って第2の貫通孔を備える、
前記(14)に記載の載置機構。
(19)
前記基台と前記載置機構の前記一方の面との間に、平面視で全ての前記第1の貫通孔を取り囲むように設けられるシール部材をさらに備える、
前記(12)~(14)のいずれか1つに記載の載置機構。
(20)
基板を載置する台へ前記基板を受け渡し、又は、前記台から前記基板を受け取る基板搬送機構であって、
前記(12)に記載の載置機構を有し、
前記載置機構において、
前記載置パッドは、前記外縁部の厚さが最も小さい部分のうち少なくとも1つが、前記載置機構に載置された前記基板が前記台と接触可能な部分を向くように設けられる、
基板搬送機構。
【符号の説明】
【0109】
10,30,40,50,60,70,100,120,200,230,250,260,270 載置パッド
11,31,41,51,61,71,101,211,231,251,261,271 基台
12,32,42,52,62,72,102,212,232,252,262,272 外縁部
13,33,43,53,63,73,103,202,202a~202d 開口部
14 ネジ孔
15 内周面
16,66,76,106,216,217,235,255,255a,256,267,267a,268,277,277a,278 凹状部
20 ブラケット
35,45,55,65,75,105 外周面
36 凸状部
38 領域
46,56 角
78,108,214,234,254,264,266,274 溝
90 ティース
90a 領域
110 支持台
122 取付孔
123,203 Oリング
124 領域
125,205 空隙
201 ネジ
213,233,253,263,273 貫通孔
215,276 凸部
C 容器
EE31,EE31a,EE31b 載置機構
LM 大気搬送モジュール
PS 処理システム
TR3 大気搬送ロボット
V1,V1a,V1b 吸引孔
V11,V12,V13 パッド取り付け部
V2 吸引路
W 基板