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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179206
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】電源装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
H02M3/28 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092369
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】中山 俊太郎
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 崇彦
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 淳一
(72)【発明者】
【氏名】梶田 健太朗
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 洸三郎
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AS01
5H730BB43
5H730BB81
5H730CC01
5H730DD04
5H730DD41
5H730EE59
5H730FD01
5H730FD41
5H730FG05
5H730VV01
5H730XC02
(57)【要約】
【課題】第1トランジスタがオフする場合の第1トランジスタのゲートの放電時間を適切に制御することで、電源装置を保護する。
【解決手段】電源装置は、第1モードおよび第2モードにかかわりなく入力電圧に応じて第1電圧を生成する第1コンバータ部と、前記第1モード中にオンして前記第1電圧を第2電圧として出力し、前記第2モード中にオフして前記第2電圧の出力を停止する第1トランジスタと、前記第1モード中に第3電圧を生成し、前記第2モード中に第3電圧の生成を停止する第2コンバータ部と、前記第2電圧の出力中、前記第3電圧の低下に応じて前記第1トランジスタのゲートに接続される放電経路を導通させて前記第1トランジスタをオフし、前記第2電圧の出力の停止中、前記第3電圧の低下に応じた前記放電経路の導通を抑制するゲート制御部と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1モードおよび第2モードにかかわりなく入力電圧に応じて第1電圧を生成する第1コンバータ部と、
前記第1モード中にオンして前記第1電圧を第2電圧として出力し、前記第2モード中にオフして前記第2電圧の出力を停止する第1トランジスタと、
前記第1モード中に第3電圧を生成し、前記第2モード中に第3電圧の生成を停止する第2コンバータ部と、
前記第2電圧の出力中、前記第3電圧の低下に応じて前記第1トランジスタのゲートに接続される放電経路を導通させて前記第1トランジスタをオフし、前記第2電圧の出力の停止中、前記第3電圧の低下に応じた前記放電経路の導通を抑制するゲート制御部と、
を有することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記ゲート制御部は、前記第2電圧を出力する電圧線が短絡した場合、前記第3電圧の低下に応じた前記放電経路の導通を抑制すること
を特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記第1電圧は、前記放電経路の導通の抑制によりオンし続ける前記第1トランジスタを介して前記第2電圧とともに低下し、
前記第1コンバータ部は、前記第1電圧の低下が一定時間継続したことに基づいてラッチ停止すること
を特徴とする請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記第2電圧の電圧値を検出する電圧検出部と、
前記第1トランジスタのゲートに接続され、前記電圧検出部が、前記第2電圧が接地電圧より高い所定電圧まで低下したことを検出したとき、前記第1トランジスタのゲートを接地する第2トランジスタと
を有することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電源装置と、
前記第1モード中に前記第2電圧および前記第3電圧を使用して画像を形成する画像形成部と、
前記第2モード中に前記第1電圧を使用して外部からの操作を受け付ける外部インタフェース部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電源と負荷との間に接続され、負荷に供給する電源をオンまたはオフする半導体スイッチを有する電源装置が知られている。この種の電源装置では、負荷への出力電流と半導体スイッチをオンした後の経過時間に応じて半導体スイッチを制御することで、半導体スイッチが保護される(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、半導体スイッチのゲート電圧を、半導体スイッチをオフするレベルに設定するまでに掛かるゲートの放電時間によっては、半導体スイッチを含む電源装置を誤動作または故障から保護できないおそれがある。
【0004】
上記の課題に鑑み、本発明は、第1トランジスタがオフする場合の第1トランジスタのゲートの放電時間を適切に制御することで、電源装置を保護することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的課題を解決するため、本発明の一形態の電源装置は、第1モードおよび第2モードにかかわりなく入力電圧に応じて第1電圧を生成する第1コンバータ部と、前記第1モード中にオンして前記第1電圧を第2電圧として出力し、前記第2モード中にオフして前記第2電圧の出力を停止する第1トランジスタと、前記第1モード中に第3電圧を生成し、前記第2モード中に第3電圧の生成を停止する第2コンバータ部と、前記第2電圧の出力中、前記第3電圧の低下に応じて前記第1トランジスタのゲートに接続される放電経路を導通させて前記第1トランジスタをオフし、前記第2電圧の出力の停止中、前記第3電圧の低下に応じた前記放電経路の導通を抑制するゲート制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
第1トランジスタがオフする場合の第1トランジスタのゲートの放電時間を適切に制御することで、電源装置を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係る電源装置の一例を示す回路ブロック図である。
図2図1のコンバータ部の一例を示す回路ブロック図である。
図3】他の電源装置の一例を示す回路ブロック図である。
図4図1および図3の電源装置の動作の一例を示すタイミング図である。
図5図1の電源装置の動作の別の例を示すタイミング図である。
図6】本発明の別の実施形態に係る電源装置の一例を示す回路ブロック図である。
図7図6の電源装置の動作の一例を示すタイミング図である。
図8図1および図6の電源装置が搭載される画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて実施形態を説明する。以下では、電圧が伝達される電圧線には、電圧名と同じ符号を使用し、信号が伝達される信号線には、信号名と同じ符号を使用する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る電源装置の一例を示す回路ブロック図である。図1に示す電源装置100は、商用電源等の交流電源ACから供給される交流電圧Vinを使用して複数種の直流電圧DC5X、DC5、DC24を生成して負荷に出力する機能を有する。直流電圧DC5Xは、第1電圧の一例であり、例えば5Vである。直流電圧DC5は、第2電圧の一例であり、例えば5Vである。直流電圧DC24は、第3電圧の一例であり、例えば24Vである。
電源装置100は、平滑部20、コンバータ部30、電力供給部40、コンバータ部50、放電部60、トランジスタQ1、Q2、抵抗素子R1、R2、R3、ダイオードD1、D2およびコンデンサC2を有する。特に限定されないが、例えば、トランジスタQ1、Q2は、nチャネル型の絶縁ゲート電界効果トランジスタである。コンバータ部30は、第1コンバータ部の一例であり、コンバータ部50は、第2コンバータ部の一例である。
【0010】
平滑部20は、交流電圧Vinを全波整流するダイオードブリッジDBと、全波整流した電圧を平滑化するコンデンサC1とを有し、平滑化により生成した直流電圧を出力する。コンバータ部30は、平滑部20から出力される直流電圧から直流電圧DC5Xを生成する。
【0011】
電力供給部40は、省エネ信号ECOが通常モードを示す場合、コンバータ部30から受ける定電圧をコンバータ部50に供給する。電力供給部40は、省エネ信号ECOが省エネルギーモードを示す場合、コンバータ部30から受ける定電圧のコンバータ部50への供給を停止する。通常モードは、第1モードの一例であり、省エネルギーモードは、第2モードの一例である。例えば、省エネ信号ECOは、通常モード中にロウレベルに設定され、省エネルギーモード中にハイレベルに設定される。以下では、省エネルギーモードは、省エネモードとも称される。
【0012】
コンバータ部50は、電力供給部40から定電圧を受けている間に動作し、平滑部20から出力される直流電圧から直流電圧DC24を生成する。コンバータ部50は、電力供給部40から定電圧を受けない場合、直流電圧DC24の生成動作を停止する。すなわち、コンバータ部50は、通常モード中に直流電圧DC24を生成し、省エネモード中に直流電圧DC24の生成を停止する。
【0013】
トランジスタQ1のゲートは、抵抗素子R1、R2およびダイオードD2を介して直流電圧線DC24に接続される。ダイオードD2は、アノードが直流電圧線DC24に接続され、カソードが抵抗素子R2に接続される。トランジスタQ1のドレインは直流電圧線DC5Xに接続され、トランジスタQ1のソースは、直流電圧線DC5に接続される。トランジスタQ1は、ゲートでハイレベルを受けているときにオンし、直流電圧線DC5Xを直流電圧線DC5に接続して、直流電圧DC5を生成する。例えば、トランジスタQ1は、コンバータ部50が直流電圧DC24を生成したことに基づいてオンし、直流電圧DC24が生成されている間にオンし続ける。
【0014】
トランジスタQ1は、ゲートでロウレベルを受けているときにオフし、直流電圧線DC5Xと直流電圧線DC5との接続を遮断し、直流電圧DC5の生成を停止する。例えば、トランジスタQ1は、コンバータ部50が直流電圧DC24の生成を停止したことに基づいてオフし、直流電圧DC24の生成が停止されている間にオフし続ける。トランジスタQ1は、第1トランジスタの一例である。
【0015】
電源装置100は、交流電圧Vinを受けている間、直流電圧DC5Xを常時出力する。電源装置100は、交流電圧Vinを受けている間で通常モード中に直流電圧DC24を出力し、トランジスタQ1をオンさせることで直流電圧DC5を出力する。電源装置100は、交流電圧Vinを受けている間で省エネモード中に直流電圧DC24、DC5の出力を停止する。
【0016】
このように、電源装置100は、通常モード中、コンバータ部30が生成する直流電圧を2系統に分岐して直流電圧DC5X、DC5として出力する。例えば、直流電圧DC5Xを動作電源として受ける負荷は、動作モードを制御するために常時動作する制御回路を有する。例えば、直流電圧DC5を動作電源として受ける負荷は、通常モード中のみ動作する制御回路を有する。例えば、直流電圧DC24を動作電源として受ける負荷は、通常モード中のみ動作する駆動機構等を有する。
【0017】
コンデンサC2、抵抗素子R3およびトランジスタQ2は、抵抗素子R1、R2の接続ノードであるノードND1と接地線VSSとの間に並列に接続される。トランジスタQ2は、通常モード中、ゲートでロウレベルの省エネ信号ECOを受けてオフする。トランジスタQ2は、省エネモード中、ゲートでハイレベルの省エネ信号ECOを受けてオンし、ノードND1およびトランジスタQ1のゲートを接地線VSSに接続する。
【0018】
例えば、省エネ信号ECOは、直流電圧DC5Xを受けて動作モードを制御するために動作する制御回路により生成され、電源装置100に出力される。電源装置100は、省エネモード中、コンバータ部50の動作を停止し、コンバータ部30から負荷への直流電圧DC5の供給を停止する。また、電源装置100が搭載されるシステムは、省エネモード中、直流電圧DC5、DC24を受ける負荷の動作を停止する。
【0019】
これにより、省エネモード中、電源装置100およびシステムの消費電力が低減される。このように、電源装置100は、省エネ信号ECOの論理レベルに応じて、直流電圧DC5Xのみ出力する消費電力の小さい省エネ状態と、直流電圧DC5X、DC5、DC24の全てを出力する消費電力の大きい稼働状態とに切り替えることができる。
【0020】
放電部60は、ノードND1と直流電圧線DC24との間に直列に接続されるダイオードD1およびトランジスタTr1(NPN型バイポーラトランジスタ)を有する。ダイオードD1は、アノードがノードND1に接続され、カソードがトランジスタTr1のコレクタに接続される。ダイオードD1およびトランジスタTr1は、ノードND1(すなわち、トランジスタQ1のゲート)と直流電圧線DC24との間に形成される放電経路の一例である。
【0021】
トランジスタTr1のベースは、直流電圧線DC5に接続される。トランジスタTr1は、直流電圧DC5が正常値(例えば、5V)の場合にオンする。これにより、トランジスタQ1のゲートから直流電圧線DC24への放電経路が導通される。
【0022】
例えば、コンバータ部50が、直流電圧DC24を正常に生成している場合、トランジスタQ1のゲートおよびノードND1は、抵抗素子R3の抵抗値を抵抗素子R2の抵抗値よりも十分大きく設定することで、直流電圧DC24に設定されるため、放電部60による放電は行われない。
【0023】
直流電圧DC5が正常値のときにコンバータ部50が動作を停止し、直流電圧DC24が接地電圧VSSに向けて低下した場合、放電部60を介した放電により、トランジスタQ1のゲート電圧は急速に低下する(放電機能の有効状態)。これにより、トランジスタQ1はオフし、直流電圧DC5の生成は停止される。
【0024】
直流電圧線DC5が短絡により0Vになった場合、トランジスタTr1はオフし、放電部60によるトランジスタQ1のゲートと直流電圧線DC24との放電経路は遮断される(放電機能の無効状態)。
【0025】
このように、放電部60は、直流電圧DC5の生成状態に応じて、トランジスタQ1のゲートの放電経路を有効または無効に切り替える機能を有する。放電部60は、直流電圧DC5の出力中、直流電圧DC24の低下に応じてトランジスタQ1のゲートを放電させてトランジスタQ1をオフするゲート制御部の一例である。また、放電部60は、直流電圧DC5の出力の停止中、直流電圧DC24の低下に応じたトランジスタQ1のゲートの放電を抑制するゲート制御部の一例である。
【0026】
図2は、図1のコンバータ部30、50の一例を示す回路ブロック図である。コンバータ部30は、トランスT1と、トランジスタQ3と、パルス幅決定部32および電流検出部33を含む制御部31と、定電圧生成部34と、出力フィードバック部35と、平滑部36とを有し、フライバックコンバータとして動作する。
【0027】
制御部31は、トランスT1の補助巻き線からの電力を受けて動作する。制御部31の電流検出部33は、トランスT1の1次側の電流を検出する。出力フィードバック部35は、トランスT1の2次側の出力電圧を制御部31にフィードバックする。
【0028】
制御部31は、1次側の電流検出結果と2次側の出力電圧のフィードバック結果とに基づいて、トランジスタQ3への印加電圧のパルス幅をパルス幅決定部32により決定する。また、制御部31は、電流検出部33が閾値を超える電流を検出した場合、パルス幅を0にすることで、トランジスタQ3のスイッチング動作を停止する。さらに、制御部31は、電流検出部33が閾値を超える電流を検出している時間が一定時間を経過した場合、ラッチ停止する。
【0029】
コンバータ部50は、制御部51および主回路52を有する。制御部51は、通常モード中、コンバータ部30のトランス補助巻き線からの電力を電力供給部40を介して受けることで動作し、主回路52の動作を制御する。主回路52は、制御部51による制御を受け、平滑部20から出力される直流電圧を使用して直流電圧DC24を生成する。
【0030】
制御部51は、例えば、主回路52が生成する直流電圧DC24を分圧した電圧が参照電圧に近づくように主回路52をフィードバック制御する。なお、省エネモード中、電力供給部40からの電力の供給が停止される制御部51は、動作を停止する。このため、省エネモード中、制御部51による主回路52のフィードバック制御は停止され、主回路52による直流電圧DC24の生成は停止される。
【0031】
図3は、他の電源装置の一例を示す回路ブロック図である。図1と同一または同様の要素については、詳細な説明は省略する。図3に示す電源装置200は、平滑部20、コンバータ部30、電力供給部40、コンバータ部50、トランジスタQ1、Q2、抵抗素子R1、R2、R3、ダイオードD2、コンデンサC2、電流検出部70および停止部80を有する。電源装置200において、電流検出部70および停止部80を除く構成および接続関係は、図1の放電部60を持たないことを除き、図1の電源装置100と同様である。
【0032】
電流検出部70は、直流電圧線DC5に接続され、トランジスタQ1の出力電流を検出する。停止部80は、トランジスタQ1がオンされてから所定時間が経過するまでトランジスタQ1のゲート電圧の制御を保留する機能を有する。しかしながら、電源装置200は、直流電圧DC24の停止時にトランジスタQ1のゲートの放電時間を制御しない。このため、例えば、交流電圧Vinの瞬断が発生したときにトランジスタQ1のゲート電圧を迅速に低下させられない場合、コンバータ部30がラッチ停止するおそれがある。
【0033】
図4は、図1の電源装置100および図3の電源装置200の動作の一例を示すタイミング図である。図4は、交流電圧Vinの瞬断が発生したときの動作を示している。
【0034】
電源装置100では、交流電圧Vinの瞬断が発生すると、平滑部20から出力される直流電圧(入力電圧)が低下する。これに伴い、コンバータ部50からの直流電圧DC24の出力が停止され、直流電圧DC24が接地電圧VSSに向けて低下する(図4(a))。
【0035】
瞬断の発生時に、トランジスタQ1は、直流電圧DC5を出力しており、放電部60のトランジスタTr1は、オンしている(図4(b))。このため、直流電圧DC24の低下に追従してダイオードD1に電流を流すことができ、トランジスタQ1のゲート電圧を急速に低下させてトランジスタQ1を直ちにオフすることができる(図4(c))。トランジスタQ1のオフにより、直流電圧DC5は接地電圧VSSまで低下する(図4(d))。
【0036】
トランジスタQ1がオフすることにより、コンバータ部30の出力と直流電圧線DC5との接続が遮断され、コンバータ部30の出力に接続される負荷は小さくなる。このため、コンバータ部30は、交流電圧Vinの瞬断が発生した状態でもラッチ停止することなく動作し続けることができる。すなわち、コンバータ部30は、瞬断の発生時にも正常な直流電圧DC5Xを出力し続けることができる(図4(e))。コンバータ部30の出力電流は、コンバータ部30の出力に接続される負荷が小さくなるため減少する(図4(f))。
【0037】
瞬断の解消により交流電圧Vinの振幅が元に戻り、コンバータ部50は、直流電圧DC24の生成を再開する(図4(g))。直流電圧DC24の上昇に伴い、トランジスタQ1のゲート電圧が上昇し、トランジスタQ1がオンする(図4(h))。これにより、直流電圧DC5の出力が再開される(図4(i))。トランジスタQ1のオンにより、コンバータ部30の出力に接続される負荷が大きくなるため、コンバータ部30の出力電流は増加する(図4(j))。そして、コンバータ部30は、正常な状態に戻る。
【0038】
このように、直流電圧DC5の電圧値に応じてオンまたはオフするトランジスタTr1を含む放電部60を電源装置100に設けることで、瞬断の発生時にトランジスタQ1を迅速にオフすることができる。これにより、コンバータ部30の出力負荷が軽減されるため、ラッチ停止による過剰な保護を抑制することができ、瞬断の解消後、直流電圧DC24、DC5の生成を再開することができる。
【0039】
電源装置200では、電源装置100と同様に、交流電圧Vinの瞬断が発生すると、平滑部20から出力される直流電圧(入力電圧)が低下する。これに伴い、コンバータ部50が直流電圧DC24の出力を停止し、直流電圧DC24が接地電圧VSSまで低下する(図4(k))。
【0040】
電源装置200は、図1の放電部60を持たないため、トランジスタQ1のゲート電圧を急峻に低下させる放電経路がない。このため、直流電圧DC24が接地電圧VSSまで低下してもトランジスタQ1のゲート電圧は徐々に低下し、瞬断の発生中にトランジスタQ1はオフしない(図4(l))。
【0041】
トランジスタQ1のオン状態が維持されるため、コンバータ部30は、出力に接続される負荷が大きい状態、かつ入力電圧が低い状態で動作し続ける。このため、コンバータ部30の1次側の電流も大きくなり、コンバータ部30はラッチ停止する。
【0042】
ラッチ停止によりコンバータ部30は、直流電圧DC5Xの生成を停止する(図4(m))。直流電圧DC5の生成の停止により、直流電圧DC5の出力も停止される(図4(n))。そして、コンバータ部30の出力電流はゼロになる(図4(o))。ラッチ停止状態は、瞬断が解消した後も続くため、電源装置200の全系統が停止したままとなってしまう。
【0043】
なお、電源装置200において、コンバータ部30の出力に接続された負荷が軽い場合、ラッチ停止せず、瞬断の解消後に直流電圧DC5X、DC24、DC5の出力が復帰する場合もある。しかしながら、瞬断の発生時にトランジスタQ1がオフすることなくオン状態に維持されるため、瞬断後の起動シーケンスが通常と異なってしまう。
【0044】
例えば、通常の起動シーケンスでは、直流電圧DC5X、DC24、DC5の順に出力が開始されるが、瞬断の解消後は、直流電圧DC5X、DC5、DC24の順で出力が開始される。起動シーケンスが異なる場合、電源装置200が搭載されるシステムにおいて、予期せぬエラーが発生するおそれがある。
【0045】
図5は、図1の電源装置100の動作の別の例を示すタイミング図である。図5は、直流電圧線DC5の短絡時に、放電部60による放電機能が無効状態にされたときの動作を示している。図5のかぎ括弧内に示す動作タイミングは、直流電圧線DC5の短絡時に、放電部60による放電機能が有効状態であるとしたときの動作を示している。例えば、図5のかぎ括弧内は、図1の放電部60がトランジスタTr1を持たない場合の動作を示す。
【0046】
コンバータ部30は、直流電圧DC5が接地電圧VSSまたは接地電圧VSSに近い電圧まで低下したことを、直流電圧DC5Xに基づいて検出することで、直流電圧線DC5の短絡の発生を検出する。コンバータ部30は、短絡を検出した場合、トランジスタQ3(図2)のスイッチング動作を停止する(図5(a))。これにより、コンバータ部30からコンバータ部50への電力供給が停止するため、コンバータ部50の動作が停止し、直流電圧DC24が接地電圧VSSまで低下する(図5(b))。
【0047】
直流電圧線DC5の短絡により放電部60のトランジスタTr1は、ロウレベルに対応する電圧値の直流電圧DC5を受けてオフし、放電部60の放電機能は無効状態になる。このため、直流電圧線DC5の短絡時、トランジスタQ1のゲートは、直流電圧DC24が低下しても放電されない。トランジスタQ1のゲート電圧は、例えば、抵抗R1、R3から接地線VSSまでの経路を介して徐々に低下する(図5(c))。
【0048】
コンバータ部30は、トランジスタQ1がオフするまでの間に、直流電圧DC5X(すなわち、直流電圧DC5)の低電圧(例えば、接地電圧VSS)が一定時間継続したことに基づいてラッチ停止する。すなわち、放電機能を無効状態に設定可能な放電部60を有する電源装置100は、短絡に対する電源装置100の保護機能を働かせることができる。このように、電源装置100に放電部60を設けるだけでなく、直流電圧DC5の出力状態に応じて放電機能の有効状態と無効状態を切り替えることで、電源装置100内のコンバータ部30等の回路を適切に保護することができる。
【0049】
これに対して、かぎ括弧内に示すように、直流電圧線DC5の短絡時に、放電部60による放電機能が有効状態である場合、直流電圧線DC5の短絡時にトランジスタQ1のゲート電圧が直ちに接地電圧VSSに向けて低下する(図5(d))。これにより、トランジスタQ1は、コンバータ部30がラッチ停止する前にオフする。
【0050】
トランジスタQ1がオフすると、コンバータ部30と短絡箇所とは、トランジスタQ1により遮断される。このため、コンバータ部30は、直流電圧線DC5の短絡を検出しなくなり、トランジスタQ3のスイッチング動作を再開する(図5(e))。
【0051】
トランジスタQ3のスイッチング動作の再開により、直流電圧DC5Xの生成が再開される(図5(f))。また、コンバータ部30からコンバータ部50への電力の供給が再開される。これにより、コンバータ部50は、直流電圧DC24の生成を再開する(図5(g))。直流電圧DC24の生成の再開により、直流電圧DC24の上昇に追従してトランジスタQ1のゲート電圧が上昇し、トランジスタQ1の閾値電圧VTを超えたときに、トランジスタQ1はオンする(図5(h))。
【0052】
トランジスタQ1のオンにより、コンバータ部30と短絡箇所とがトランジスタQ1を介して接続される。これにより、コンバータ部30は、直流電圧線DC5の短絡を再び検出し、トランジスタQ3のスイッチング動作を停止する(図5(i))。以上の動作が繰り返されるため、コンバータ部30はラッチ停止することなく、繰り返し起動され、短絡に対する電源装置100の保護機能を働かせることができない。
【0053】
以上、この実施形態では、直流電圧DC5の電圧値に応じてオンまたはオフするトランジスタTr1を含む放電部60が電源装置100に設けられる。これにより、放電機能の有効状態と無効状態を切り替えることができ、電源装置100内の回路を適切に保護することができる。すなわち、トランジスタQ1がオフする場合のトランジスタQ1のゲートの放電時間を適切に制御することで、電源装置100を保護することができる。
【0054】
例えば、放電部60を電源装置100に設けることで、瞬断の発生時にトランジスタQ1を迅速にオフすることができる。これにより、コンバータ部30の出力負荷が軽減するため、ラッチ停止による過剰な保護を抑制することができ、瞬断の解消後、直流電圧DC24、DC5の生成を再開することができる。
【0055】
直流電圧線DC5が短絡した場合に、放電部60による放電機能を無効状態にすることで、コンバータ部30をラッチ停止させることができ、短絡に対する電源装置100の保護機能を働かせることができる。
【0056】
さらに、電源装置100が、トランジスタQ1がオンされてから所定時間が経過するまでトランジスタQ1のゲート電圧の制御を保留する機能を有する場合にも、放電部60を設けることにより、瞬断の発生時にトランジスタQ1を迅速にオフさせることができる。
【0057】
図6は、本発明の別の実施形態に係る電源装置の一例を示す回路ブロック図である。上述した実施形態と同一または同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。図6に示す電源装置110は、図1の電源装置100に電圧検出部90およびトランジスタTr2(NPN型バイポーラトランジスタ)を追加している。トランジスタTr2は、第2トランジスタの一例である。
【0058】
電圧検出部90は、直流電圧DC5が0Vより高い所定電圧以下であることを検出した場合(すなわち、短絡ではない低電圧を検出した場合)、トランジスタTr2をオンさせるベース電流をトランジスタTr2のベースに出力する。
【0059】
トランジスタTr2は、コレクタがノードND1および抵抗素子R1を介してトランジスタQ1のゲートに接続され、エミッタが接地されている。このため、直流電圧DC5が0Vより高い所定の電圧値以下になったとき、トランジスタQ1のゲートは接地され、トランジスタQ1はオフする。
【0060】
図7は、図6の電源装置110の動作の一例を示すタイミング図である。図7は、例えば、図2のコンバータ部50の制御部51等のフィードバック系の回路の異常によりコンバータ部50の出力異常が発生したときの動作を示している。出力異常が発生する前、直流電圧DC24、DC5(DC5X)は、正常に出力されている(図7(a)、(b))。また、電圧検出部90は、正常な直流電圧DC5を検出するため、トランジスタTr2のベースにベース電流を出力せず、トランジスタTr2はオフしている(図7(c))。
【0061】
この後、コンバータ部50の出力異常が発生し、例えば、直流電圧DC24が正常値と接地電圧VSSの中間値まで低下する(図7(d))。直流電圧DC24の低下により、トランジスタQ1のゲートから直流電圧線DC24に放電部60を介して電流が流れる。これにより、トランジスタQ1のゲート電圧は、直流電圧DC24の電圧値に向けて低下する(図7(e))。
【0062】
トランジスタQ1のゲート電圧の低下によりトランジスタQ1は、非飽和領域で動作する(図7(f))。これにより、トランジスタQ1のドレイン、ソース間の電圧降下が大きくなるため、直流電圧DC5が低下する(図7(g))。電圧検出部90は、直流電圧DC5の低下(短絡ではない)を検出する。そして、電圧検出部90は、トランジスタTr2のベースにベース電流を出力し、トランジスタTr2をオンさせる(図7(h))。
【0063】
トランジスタTr2のオンにより、トランジスタQ1のゲート電圧が接地電圧VSSに向けて低下し、トランジスタQ1はオフする(図7(i))。トランジスタQ1のオフにより、直流電圧DC5の出力が停止される(図7(j))。これにより、トランジスタQ1が非飽和状態で動作し続けることを抑止することができ、トランジスタQ1を故障または破損から保護することができる。
【0064】
これに対して、電源装置110が電圧検出部90およびトランジスタTr2を持たない場合、コンバータ部50の帰還系の異常により直流電圧DC24が低下した状態が続くと、トランジスタQ1のゲート電圧が低下した状態が継続するおそれがある。この場合、トランジスタQ1が非飽和領域で動作し続けるおそれがある。また、トランジスタQ1が非飽和領域で動作している間、トランジスタQ1のドレインとソース間の電圧降下により直流電圧DC5も低下する。この場合、トランジスタQ1の損失が増大し、トランジスタQ1が故障または破損するおそれがある。
【0065】
以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、直流電圧DC5の電圧値に応じてオンまたはオフするトランジスタTr1を含む放電部60を電源装置110に設けることで、放電機能の有効状態と無効状態を切り替えることができ、電源装置110内の回路を適切に保護することができる。
【0066】
さらに、この実施形態では、電圧検出部90およびトランジスタTr2が電源装置110に設けられる。これにより、例えば、コンバータ部50の出力異常が発生した場合に、トランジスタQ1が非飽和状態で動作し続けることを抑止することができ、トランジスタQ1を故障または破損から保護することができる。
【0067】
図8は、図1の電源装置100および図6の電源装置110が搭載される画像形成装置の一例を示す全体構成図である。図8に示す画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリント機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能等を有するデジタル複合機(MFP:Multi-Function Printer)である。画像形成装置1は、画像形成装置1の操作部のアプリケーション切り替えキー等により、コピー機能、プリント機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能をそれぞれ実現する動作モードを相互に切り替えることが可能である。画像形成装置1は、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリント機能の選択時にはプリントモードとなり、スキャナ機能の選択時にはスキャナモードとなり、ファクシミリ機能の選択時にはファクシミリモードとなる。
【0068】
また、画像形成装置1は、内部回路の状態に応じて、内部状態が通常モードまたは省エネモード(省電力モード)等に切り替わる。例えば、通常モードは、動作中モード(動作している状態)および待機モード(待機している状態)を有する。
【0069】
例えば、動作中モードは、画像またはテキストデータ等を紙媒体等に印刷するコピーモードまたはプリントモードを含む。プリントモードは、ファクシミリモードにおいて受信データを紙媒体等に印刷する動作を含む。また、動作中モードは、原稿等をスキャンするスキャナモードまたはファクシミリモードにおける送受信動作を含む。内部回路の状態は、ユーザによる操作部の操作または画像形成装置1内での制御により切り替わる。
【0070】
例えば、画像形成装置1は、自動原稿送り装置2(ADF:Auto Document Feeder)、画像読み取り装置3、書き込みユニット4、プリンタユニット5、操作パネル11、制御装置12および電源装置13を有する。
【0071】
電源装置13は、図1の電源装置100または図6の電源装置110である。電源装置13は、生成した直流電圧DC24をプリンタユニット5等の各種負荷に供給する。例えば、負荷として、各種モータ、感光体ドラム6を帯電させる帯電器および現像装置7の現像ローラ等がある。
【0072】
電源装置13は、生成した直流電圧DC5を制御装置12に搭載されるCPUおよびメモリ等の動作電源として制御装置12に供給する。電源装置13は、生成した直流電圧DC5Xを操作パネル11が接続される制御基板に搭載されるCPU(Central Processing Unit)およびメモリ等の動作電源として制御基板に常時供給する。
【0073】
プリンタユニット5は、感光体ドラム6、現像装置7、搬送ベルト8および定着装置9と、給紙トレイ10が収納される収納空間とを有する。自動原稿送り装置2、画像読み取り装置3、書き込みユニット4、プリンタユニット5および操作パネル11は、画像を形成する本体部の一例である。
【0074】
プリンタユニット5は、画像情報に基づいて紙媒体等に転写するトナー像を作成する。プリンタユニット5は、画像を形成する画像形成部の一例である。以下、画像形成装置1での画像の形成の流れの一例として、動作モードがコピーモードに設定されている場合について簡単に説明する。
【0075】
コピーモードでは、コピーの対象である複数枚の原稿が自動原稿送り装置2にセットされ、あるいは、コピーの対象である原稿が画像読み取り装置3上にセットされる。操作パネル11に表示されるスタートボタンが押されると、自動原稿送り装置2は、原稿を1枚ずつ画像読み取り装置3に給送する。画像読み取り装置3は、自動原稿送り装置2から順に送られる原稿の各々または画像読み取り装置3にセットされた原稿の画像情報を読み取る。画像読み取り装置3により読み取られた画像情報は、例えば、制御装置12に搭載される画像処理部により処理される。
【0076】
書き込みユニット4は、画像処理部により処理された画像情報を光情報に変換する。感光体ドラム6は、感光体ドラム6に対向する位置に配置される帯電器により一様に帯電された後、書き込みユニット4により変換された光情報を含むレーザ光により露光される。露光により、感光体ドラム6上には静電潜像が形成される。現像装置7は、感光体ドラム6上の静電潜像を現像し、感光体ドラム6上にトナー像を形成する。搬送ベルト8は、トナー像を紙媒体等に転写する。定着装置9は、トナー像を紙媒体等に定着させる。そして、原稿の画像がコピーされた転写紙は、排出部から排出される。
【0077】
例えば、上述した待機モード(=通常モード)は、コピーモードにおいて、スタートボタンが押されるまでの状態であり、動作中モード(=通常モード)は、スタートボタンが押されてから紙媒体等が排出されるまでの状態である。電源装置13が直流電圧DC24、DC5、DC5Xを生成する通常モードでは、モータ等の負荷は、直流電圧DC24を受けて動作または動作可能な状態である。
【0078】
動作中モードの終了後、画像形成装置1の状態は待機モードに戻り、待機モードが所定時間継続すると省エネモード(スリープ状態)になる。そして、電源装置13は、ハイレベルの省エネ信号ECOを受けて、直流電圧DC24、DC5の生成を停止する。省エネモード中に、操作パネル11が操作されると画像形成装置1の状態は待機モードに復帰する。この場合、電源装置13は、ロウレベルの省エネ信号ECOを受けて、直流電圧DC24、DC5の生成を再開する。
【0079】
操作パネル11は、ユーザの操作に応じた各種の入力を受け付けるとともに、操作パネル11の表示部に各種の情報を表示する。例えば、操作パネル11に表示される情報は、入力を受け付けた操作を示す情報、画像形成装置1の動作状況を示す情報、または、画像形成装置1の設定状態を示す情報などである。操作パネル11が接続される制御基板は、直流電圧DC5Xを受けて常時動作する。このため、操作パネル11は、通常モード中だけでなく、省エネモード中にも各種の入力を受け付けることができる。操作パネル11は、外部からの操作を受け付ける外部インタフェース部の一例である。
【0080】
制御装置12は、内蔵するCPU等のコントローラに制御プログラムを実行させることで、プリンタユニット5の制御、通信の制御および操作パネル11への入力の制御等、画像形成装置1の全体の動作を制御する。そして、制御装置12は、画像処理プログラムまたはデータ処理プログラムを実行することで画像処理またはデータ処理を実施し、紙媒体等に転写する画像を形成する。制御装置12は、直流電圧DC5を受けて動作するため、省エネモード中に動作を停止する。
【0081】
なお、図8では、図1に示す電源装置100または図6に示す電源装置110が、電源装置13として画像形成装置1に搭載される例が示されている。しかしながら、図1に示す電源装置100または図6に示す電源装置110は、複数種の直流電圧DC24、DC5、DC5Xが供給され、省エネモード中に直流電圧DC24、DC5が使用されない電子機器に搭載可能である。
【0082】
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1>
第1モードおよび第2モードにかかわりなく、入力電圧に応じて第1電圧を生成する第1コンバータ部と、
前記第1モード中にオンして前記第1電圧を第2電圧として出力し、前記第2モード中にオフして前記第2電圧の出力を停止する第1トランジスタと、
前記第1モード中に第3電圧を生成し、前記第2モード中に第3電圧の生成を停止する第2コンバータ部と、
前記第2電圧の出力中、前記第3電圧の低下に応じて前記第1トランジスタのゲートに接続される放電経路をオンさせて前記第1トランジスタをオフし、前記第2電圧の出力の停止中、前記第3電圧の低下に応じた前記放電経路のオンを抑制するゲート制御部と、
を有することを特徴とする電源装置。
<2>
前記ゲート制御部は、前記第2電圧を出力する電圧線が短絡した場合、前記第3電圧の低下に応じた前記放電経路のオンを抑制すること
を特徴とする前記<1>に記載の電源装置。
<3>
前記第1電圧は、前記放電経路のオンの抑制によりオンし続ける前記第1トランジスタを介して前記第2電圧とともに低下し、
前記第1コンバータ部は、前記第1電圧の低下が一定時間継続したことに基づいてラッチ停止すること
を特徴とする前記<2>に記載の電源装置。
<4>
前記第2電圧の電圧値を検出する電圧検出部と、
前記第1トランジスタのゲートと接地線との間に接続され、前記電圧検出部が、前記第2電圧が接地電圧より高い所定電圧まで低下したことを検出したとき、前記第1トランジスタのゲートを接地する第2トランジスタと
を有することを特徴とする前記<1>ないし前記<3>のいずれかに記載の電源装置。
<5>
前記<1>ないし前記<4>のいずれかに記載の電源装置と、
前記第1モード中に前記第2電圧および前記第3電圧を使用して画像を形成する画像形成部と、
前記第2モード中に前記第1電圧を使用して外部からの操作を受け付ける外部インタフェース部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0083】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0084】
1 画像形成装置
2 自動原稿送り装置
3 画像読み取り装置
4 書き込みユニット
5 プリンタユニット
6 感光体ドラム
7 現像装置
8 搬送ベルト
9 定着装置
10 給紙トレイ
11 操作パネル
12 制御装置
13 電源装置
20 平滑部
30 コンバータ部
31 制御部
32 パルス幅決定部
33 電流検出部
34 定電圧生成部
35 出力フィードバック部
36 平滑部
40 電力供給部
50 コンバータ部
51 制御部
52 主回路
60 放電部
70 電流検出部
80 停止部
90 電圧検出部
100、110、200 電源装置
AC 交流電源
D1、D2 ダイオード
DB ダイオードブリッジ
DC5、DC5X、DC24 直流電圧
ECO 省エネ信号
Q1、Q2、Q3 トランジスタ
T1 トランス
Tr1、Tr2 トランジスタ
Vin 交流電圧
【先行技術文献】
【特許文献】
【0085】
【特許文献1】特開2019-62657号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8