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  • 特開-スクリーンフィルタ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179819
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】スクリーンフィルタ
(51)【国際特許分類】
   B01D 39/10 20060101AFI20231213BHJP
   B01D 39/20 20060101ALI20231213BHJP
   B01D 29/11 20060101ALI20231213BHJP
   B01D 35/02 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
B01D39/10
B01D39/20 A
B01D29/10 501C
B01D29/10 510D
B01D29/10 510F
B01D29/10 510G
B01D29/10 530A
B01D35/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092631
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】303017679
【氏名又は名称】独立行政法人 国立印刷局
(72)【発明者】
【氏名】小原 雅公
【テーマコード(参考)】
4D019
4D116
【Fターム(参考)】
4D019AA03
4D019BA02
4D019BB02
4D019BB09
4D019BB10
4D019CA03
4D019CB06
4D116AA16
4D116BB01
4D116BC27
4D116BC45
4D116BC49
4D116BC75
4D116BC76
4D116DD06
4D116FF12B
4D116FF17B
4D116GG02
4D116QB05
4D116QB17
4D116QB22
4D116QB26
4D116UU04
4D116VV07
4D116ZZ01
(57)【要約】
【課題】水に含まれる不純物を除去し清水又は浄水へ精製する設備であるストレーナ用のスクリーンフィルタにおいて、耐久性が高く、確実に異物を除去することが可能なスクリーンフィルタを提供する。
【解決手段】本発明のスクリーンフィルタは、パンチングメタル、パンチングメタルよりも小さい開孔率を有する第1の金網及び第1の金網よりもメッシュ数の高い第2の金網からなり、パンチングメタル、第1の金網及び第2の金網の順に積層したのち焼結処理により溶着し一体化している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水に含まれる不純物を除去し清水又は浄水へ精製するストレーナ用のスクリーンフィルタであって、
前記スクリーンフィルタは、パンチングメタル、前記パンチングメタルよりも小さい開孔率を有する第1の金網及び前記第1の金網よりもメッシュ数の高い第2の金網からなり、
前記パンチングメタル、前記第1の金網及び前記第2の金網を順に積層した後、焼結処理により溶着し一体化して円筒状に形成して成ることを特徴とするスクリーンフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水に含まれる不純物を除去し清水又は浄水へ精製する設備であるストレーナ用のスクリーンフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より紙を製造する製紙工程では、大量の水が必要となる。また、製紙工程で使用される水に不純物が含まれていると、最終的に抄造される紙の中にも不純物が混入することとなり、品質不良を引き起こすこととなる。そのため、製紙工程で使用される水は、不純物を含んでいないことが求められる。
【0003】
そこで、水に含まれる不純物を除去するための設備としてストレーナがある。
【0004】
図4は一般的なストレーナ(1)の概略図であり、ストレーナ(1)は、ストレーナ(1)中に流れ込む水をストレーナ(1)の内部に存するスクリーンフィルタ(2)でろ過することで不純物を除去する設備である。
【0005】
図5及び図6に一般的なストレーナ(1)用のスクリーンフィルタ(2)及びその層構成を示す。一般的なスクリーンフィルタ(2)は、パンチングメタル(4)と金網(3)(例えば100メッシュ)の2層構成となっており、これら2種類の金属を積層し、はんだ付けで溶接することで形成されている。
【0006】
また特許文献1にはパンチングメタル(4)のみの1層構成のスクリーンフィルタ(2)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007―296490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、これらの従来のスクリーンフィルタ(2)は1層または2層構成であったことから、強度が非常に弱く、不純物との接触や人為的な接触といった軽微な接触で破損してしまうことがあった。スクリーンフィルタ(2)が破損した際は軽微な損傷であれば破損した箇所を溶接することで補修することは可能であったが、補修箇所が複数になるとスクリーンフィルタ(2)の開孔率が減少し、異物が除去できなくなることで水の精製能力が低下してしまうという課題があった。
【0009】
本発明は、上記の課題を踏まえ、耐久性が高く、確実に異物を除去することが可能なスクリーンフィルタ(2)を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、水に含まれる異物を除去し精製するストレーナ用のスクリーンフィルタであって、スクリーンフィルタは、パンチングメタル、パンチングメタルよりも小さい開孔率を有する第1の金網及び第1の金網よりもメッシュ数の高い第2の金網からなり、パンチングメタル、第1の金網及び第2の金網を順に積層した後、焼結処理により溶着し一体化して円筒状に形成して成ることを特徴とするスクリーンフィルタである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のスクリーンフィルタ(2)は、従来のスクリーンフィルタとは異なり、3層構成とし、各層の金属を焼結処理によって接合することで各層の金属間の接着強度が増す。そのため、従来のスクリーンフィルタと比べて、耐久性が向上し、損傷しないことから効率的な不純物の除去が行え、不純物の少ない良質な水を安定供給できるようになった。
【0012】
なお、スクリーンフィルタの耐久性を向上させるため3層以上の構成についても検討したが、フィルタ構成が複雑となり価格が上昇する一方、不純物除去の効果がさほど期待できないことを承知している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のスクリーンフィルタの一例を示す図
図2】本発明のスクリーンフィルタの層構成の一例を示す図
図3】本発明のスクリーンフィルタの一例を示す図
図4】一般的なストレーナの概略図
図5】一般的なストレーナ用のスクリーンフィルタを示す図
図6】一般的なストレーナ用のスクリーンフィルタの層構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のスクリーンフィルタ(2)を図1に示す。
【0015】
本発明のスクリーンフィルタ(2)は、パンチングメタル(4)とメッシュ数の異なる第1の金網(5)と第2の金網(6)の2枚の金網の3層構造となっている。
【0016】
詳しくは図2に示すように、パンチングメタル(4)の内方に第1の金網(5)、第2の金網(6)の順に積層した構成となっている。
【0017】
第1の金網(5)と第2の金網(6)の違いはメッシュ数の違いによる。具体的には第2の金網(6)は第1の金網(5)よりメッシュ数が高い(網目が細かい)ものとする。
【0018】
たとえば、第1の金網(5)のメッシュ数が10メッシュであった場合、第2の金網(6)のメッシュ数は100メッシュとする。
【0019】
このように第2の金網(6)のメッシュ数を第1の金網(5)のメッシュ数より高くすることで、第1の金網(5)をすり抜けたより小さい残渣物も捕捉することができる。
【0020】
また、パンチングメタル(4)は、第1の金網(5)及び第2の金網(6)よりも開孔率が高いものを使用することが好ましい。
【0021】
このように積層された、第1の金網(5)、第2の金網(6)及びパンチングメタル(4)に焼結処理を行うことで溶着する。
【0022】
ここでは、焼結処理を例示しているが、その他、金属間結合であればその処理方法は問わない。
【0023】
焼結処理を行うことで、第1の金網(5)、第2の金網(6)及びパンチングメタル(4)の線同士が溶着し一体化することで、従来のハンダ付けによる溶着より強固な接着強度が得られる。
【0024】
なお、焼結処理としては公知の焼結処理の方法で行えばよい。
【0025】
このように焼結処理によって溶着された第1の金網(5)、第2の金網(6)及びパンチングメタル(4)を図2に示すように円筒化したのち、重なる領域を溶接することでスクリーンフィルタ(2)とする。
【0026】
このように形成されたスクリーンフィルタ(2)は、パンチングメタル(4)をすり抜けた残渣物を第1の金網(5)で、第1の金網(5)をすり抜けた残渣物を第2の金網(6)で捕捉することが可能となる。
【0027】
また、本発明のスクリーンフィルタ(2)は図3に示すように円筒形状の上面にブラケット部(7)、下面には底蓋部(9)を備え、それぞれが溶接によりスクリーンフィルタ(2)に接着されている。
【0028】
ブラケット部(7)は、スクリーンフィルタ(2)をストレーナ内に取り付け固定する役目を果たす。
【0029】
底蓋部(9)は、スクリーンフィルタ(2)の円筒形状の一方を閉状態とすることで、スクリーンフィルタ(2)によって除去した異物を戴置・滞留させる役目を果たす。
【0030】
また、スクリーンフィルタ(2)の中央部及び下部には補強リング(8)が設けられている。補強リング(8)を設けることで、よりスクリーンフィルタ(2)の強度が向上する。なお、この補強リング(8)は取り付けてもよいし、取り付けなくてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 ストレーナ
2 スクリーンフィルタ
3 金網
4 パンチングメタル
5 第1の金網
6 第2の金網
7 ブラケット部
8 補強リング
9 底蓋部
図1
図2
図3
図4
図5
図6