(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179910
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】供給巻取装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 19/28 20060101AFI20231213BHJP
B41J 15/16 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
B65H19/28 Z
B41J15/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092834
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】星名 雅
【テーマコード(参考)】
2C060
3F064
【Fターム(参考)】
2C060CA01
3F064CB03
3F064CB08
(57)【要約】
【課題】印刷媒体のセット時に印刷媒体が無駄となる部分を極力無くすことができるとともに、印刷媒体のセット時の手間を低減でき、再利用可能な接続部材及び固定部材を用いた供給巻取装置を提供する。
【解決手段】ロール状の印刷媒体を供給する供給手段と、印刷媒体を搬送する搬送手段と、印刷媒体を巻き取る巻取手段と、を備え、前記巻取手段は、印刷媒体を巻き付ける巻管と、前記巻管の内部に格納可能であり、印刷媒体の先端と前記巻管とを接続する接続部材と、前記接続部材に備えられ、印刷媒体の先端を挟み込んで印刷媒体の先端と前記接続部材とを固定する固定部材と、前記接続部材に張力を付与する張力付与手段と、を有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状の印刷媒体を供給する供給手段と、
印刷媒体を搬送する搬送手段と、
印刷媒体を巻き取る巻取手段と、を備え、
前記巻取手段は、
印刷媒体を巻き付ける巻管と、
前記巻管の内部に格納可能であり、印刷媒体の先端と前記巻管とを接続する接続部材と、
前記接続部材に備えられ、印刷媒体の先端を挟み込んで印刷媒体の先端と前記接続部材とを固定する固定部材と、
前記接続部材に張力を付与する張力付与手段と、を有する
ことを特徴とする供給巻取装置。
【請求項2】
前記接続部材は、ワイヤである
ことを特徴とする請求項1に記載の供給巻取装置。
【請求項3】
前記ワイヤは、前記固定部材の一の端部側に接続するワイヤと、他の端部側に接続するワイヤとからなる
ことを特徴とする請求項2に記載の供給巻取装置。
【請求項4】
前記固定部材は、前記接続部材に備えられた第1部材と、前記第1部材と分離可能な第2部材とからなり、
前記第1部材と前記第2部材は、磁力により印刷媒体の先端を挟み込む
ことを特徴とする請求項1に記載の供給巻取装置。
【請求項5】
前記固定部材は、クリップ形状の部材である
ことを特徴とする請求項1に記載の供給巻取装置。
【請求項6】
前記張力付与手段は、ばねにより前記接続部材に張力を付与する
ことを特徴とする請求項1に記載の供給巻取装置。
【請求項7】
前記ばねは、前記巻管の内部に格納されている
ことを特徴とする請求項6に記載の供給巻取装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の供給巻取装置と、
印刷媒体に画像を形成する画像形成手段と、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給巻取装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の画像形成装置では、ロール状に巻かれたメディアが搬送手段により搬送され、例えばインクジェットヘッドによりインクが吐出された後、巻き取るものが知られている。
【0003】
特許文献1では、印刷媒体供給手段により印刷媒体を供給し、プリンタヘッドによりインクを吐出した後、印刷媒体巻き取り装置により印刷媒体をロール状に巻き取るプリンタが開示されている。この印刷媒体巻き取り装置は、印刷媒体をロール状に巻き取るための巻管と、一端側が巻管に接合されて巻管に繰り出し可能に巻き取られて設けられたロールシートと、ロールシートの先端側と印刷媒体の先端側を連結させる印刷媒体連結手段と、を有している。また特許文献1では、印刷媒体連結手段として、面ファスナーやテープが例示されている。
特許文献1によれば、セッティング時にプラテン前部から印刷媒体巻き取り装置までの間の領域に発生する印刷媒体の空白部分となり無駄となる部分を極力無くすことができ、印刷媒体の無駄遣いを防止することができるとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、面ファスナーやテープを用いてロールシートの先端側と印刷媒体の先端側を連結させているため、連結させる作業に手間が生じていた。また、ロールシートに消耗品である面ファスナーやテープを貼付すると、そのロールシートを再利用しにくくなり、例えば面ファスナー等を貼付した部分を取り除く必要が生じる。この場合、ロールシートの長さ調節を検討しなければならず、不便であった。また、ロールシートを用いる場合、ロールシート上に印刷媒体が巻き付けられるため、ロールシートを再利用することができなかった。ロールシートを再利用することができない場合、印刷媒体のセットに手間が生じる他、コストも増えてしまう。
【0005】
そこで本発明は、印刷媒体のセット時に印刷媒体が無駄となる部分を極力無くすことができるとともに、印刷媒体のセット時の手間を低減でき、再利用可能な接続部材及び固定部材を用いた供給巻取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の供給巻取装置は、ロール状の印刷媒体を供給する供給手段と、印刷媒体を搬送する搬送手段と、印刷媒体を巻き取る巻取手段と、を備え、前記巻取手段は、印刷媒体を巻き付ける巻管と、前記巻管の内部に格納可能であり、印刷媒体の先端と前記巻管とを接続する接続部材と、前記接続部材に備えられ、印刷媒体の先端を挟み込んで印刷媒体の先端と前記接続部材とを固定する固定部材と、前記接続部材に張力を付与する張力付与手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、印刷媒体のセット時に印刷媒体が無駄となる部分を極力無くすことができるとともに、印刷媒体のセット時の手間を低減でき、再利用可能な接続部材及び固定部材を用いた供給巻取装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る画像形成装置の一例及び本発明に係る供給巻取装置の一例を示す概略図である。
【
図3】印刷媒体のセット方法の一例を説明するための図である。
【
図4】固定部材の他の例を示す図(A)及び(B)である。
【
図5】固定部材の他の例を示す図(A)~(C)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る供給巻取装置及び画像形成装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0010】
本発明の供給巻取装置は、ロール状の印刷媒体を供給する供給手段と、印刷媒体を搬送する搬送手段と、印刷媒体を巻き取る巻取手段と、を備え、前記巻取手段は、印刷媒体を巻き付ける巻管と、前記巻管の内部に格納可能であり、印刷媒体の先端と前記巻管とを接続する接続部材と、前記接続部材に備えられ、印刷媒体の先端を挟み込んで印刷媒体の先端と前記接続部材とを固定する固定部材と、前記接続部材に張力を付与する張力付与手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
また本発明の画像形成装置は、本発明の供給巻取装置と、印刷媒体に画像を形成する画像形成手段と、を備えている。
【0012】
発明によれば、印刷媒体のセット時に印刷媒体が無駄となる部分を極力無くすことができるとともに、印刷媒体のセット時の手間を低減でき、再利用可能な接続部材及び固定部材を用いた供給巻取装置及び画像形成装置を提供することができる。
【0013】
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態及び本発明に係る供給巻取装置の一実施形態を説明するための概略図である。
図1は、印刷媒体(メディア、記録媒体、基材などと称してもよい)がセットされた状態を示す図であり、これを初期状態などとも称する。画像を形成する際には、図中の黒矢印の方向にメディア40を搬送させて画像形成を行う。
【0014】
本実施形態の画像形成装置1は、本実施形態の供給巻取装置2、画像形成手段3を備え、必要に応じてその他の手段を備える。本実施形態の供給巻取装置2は、供給手段100、搬送手段50、巻取手段110を備え、必要に応じてその他の手段を備える。
【0015】
以下、メディア40の搬送方向に沿って一例を説明する。
供給手段100は、ロール状のメディア40を供給する。供給手段100は、ロール状に格納されたメディア40を画像形成が行われる位置(例えばインクが吐出される位置)に送り出す。供給手段100は、巻き出し手段、送り出し手段などと称されてもよい。
メディア40(印刷媒体)としては、適宜選択することができ、例えばロール紙が挙げられる。
【0016】
供給手段100により供給されたメディア40は、搬送パス60上を搬送され、ヒータ70aにより加熱される。本実施形態に用いられるヒータ70aは、メディア40における画像が形成される面とは反対側の面(裏面と称してもよい)から加熱を行う。
【0017】
ヒータによる加熱は任意であるが、加熱を行うことで、各種メディアへの印刷に対応しやすくなる。ヒータとしては、例えば、セラミックやニクロム線を用いた電熱ヒータ等を用いることができる。
【0018】
本実施形態の供給巻取装置2は、搬送手段50を有している。搬送手段50は、例えば、送りローラ51と押えローラ52を有し、2つのローラでメディア40を挟んで搬送する。供給巻取装置2が搬送手段50を有する構成にしてもよいし、供給巻取装置2が搬送手段50を有さず、画像形成装置1が搬送手段50を有する構成にしてもよい。また、搬送手段50は、メディア40を搬送できればよく、図示する例に限られるものではなく、適宜変更することができる。
【0019】
メディア40は、図中の矢印方向に搬送されて、プラテン30上を搬送される。プラテン30上を搬送されるメディア40は、画像形成手段3により画像形成が行われる。プラテン30の下方には、ヒータ70bが設けられていて、例えばメディア40の裏面側から加熱を行う。
【0020】
また、プラテン30の下方にはファン80及び気室90が設けられていて、例えば負圧によりメディア40を吸着させる。メディア40を吸着させることで、搬送されたメディア40の浮き上がりを抑制できる。メディア40を吸着させやすくするために、プラテン30には吸引穴が設けられていてもよい。
【0021】
画像形成手段3は、例えばキャリッジ20を有し、キャリッジ20は液体吐出ヘッド10を有している。液体吐出ヘッド10は、例えばインクジェットヘッドを用いる。液体吐出ヘッド10は1つであってもよいし、複数であってもよい。本実施形態の画像形成手段3は、キャリッジ20が走査するシリアル方式を用いているが、これに限られず、ライン方式を用いてもよい。
【0022】
液体吐出ヘッド10はインクを吐出し、吐出されたインクはメディア40に着弾する。インクとしては、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。1種のインクを用いてもよいし、複数種のインクを用いてもよい。色材を含まないインクを用いてもよい。メディア40におけるインクが着弾する面を表面と称してもよい。
【0023】
なお、インクを吐出する動作を画像形成と称してもよいし、搬送、加熱、インクの吐出などの一連の動作を画像形成と称してもよい。また、画像形成を印刷などと称してもよい。
【0024】
インクが吐出されたメディア40は、搬送パス60上を搬送され、ヒータ70cにより加熱される。
【0025】
巻取手段110は、画像形成が行われたメディア40を巻き取る。巻取手段110は、メディア40を巻き付ける巻管120を有しており、画像形成が行われたメディア40を巻管120に例えばロール状に巻き取る。巻管120は、例えば円筒状の部材であり、単に管などと称してもよい。巻管120の大きさは、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。
【0026】
巻取手段110は、巻管120の内部に格納可能なワイヤ122を有している。ワイヤ122は、接続部材の一例であり、メディア40の先端と巻管120とを接続する。ワイヤ122は、例えば、巻管120の内部にロール状に格納可能である。このように格納可能であることにより、装置の省スペース化を図ることができ、またワイヤ122がからまることを抑制できる。
【0027】
ワイヤ122を巻管120の内部に格納するには、適宜選択することが可能であり、例えば巻管120の内部に軸を設け、ワイヤ122の一端を軸に取り付ける方法が挙げられる。この場合、巻管120もしくは軸の回転により、ワイヤ122が巻管120の内部にロール状に格納できる。
【0028】
巻取手段110は、固定部材121を有している。固定部材121は、ワイヤ122に備えられ、メディア40の先端を挟み込んでメディア40の先端とワイヤ122とを固定する。固定部材121としては、例えば、磁力を用いた部材(例えばマグネットと称してもよい)、クリップ形状の部材(例えばクリップと称してもよい)等を用いることができる。詳細例は後述する。固定部材121がワイヤ122に備えられていることを、固定部材121がワイヤ122に取り付けられているなどと称してもよい。
【0029】
巻取手段110は、ばね123を有している。ばね123は、張力付与手段の一例であり、ワイヤ122に張力を付与する。図示するように、ばね123は巻管120の内部に格納可能であり、このように格納することで、装置の省スペース化を図ることができる。張力付与手段をテンション付与手段などと称してもよく、張力をテンションなどと称してもよい。ばね123は例えば巻管120の内部にワイヤ122を引っ張る。図示する例におけるばね123は、巻きばねとしている。
【0030】
ばね123(張力付与手段)を用いることにより、例えばワイヤ122が図中の黒矢印の方向に引っ張られる。これにより、メディア40をセットし、メディア40の供給を停止した初期状態において、メディア40にたるみが生じることを防ぐことができる。そのため、初期状態から画像形成の動作に移行した際に、メディア40がたるんでいることにより生じる画像の乱れ(異常画像)を防止できる。
【0031】
本実施形態の供給巻取装置2によれば、
図1に示すように、巻管120からプラテン30までの間に、メディア40の代わりにワイヤ122が配置されるため、印刷媒体のセット時に印刷媒体が無駄となる部分を極力無くすことができる。また、本実施形態において、固定部材121はメディア40の先端を挟み込んでメディア40の先端とワイヤ122とを固定するため、メディア40とワイヤ122を固定する際の手間が低減される。更に、このような固定部材121を用いることで、画像形成が終了した後、固定部材121を再利用することが可能である。また、本実施形態において、ワイヤ122は巻管120の内部に格納可能であり、メディア40を巻管120に巻き取った場合でも、ワイヤ122を再利用することが可能である。
【0032】
図2は、本実施形態の給紙巻取装置の要部概略図であり、巻取手段110におけるメディア40の固定を説明するための概略図である。
【0033】
ワイヤ122の先端には固定部材121が取り付けられている。本例のワイヤ122は、固定部材121の一の端部側に接続するワイヤと、他の端部側に接続するワイヤとからなる。このように、ワイヤ122が固定部材121の一の端部側と他の端部側に接続することで、安定してメディア40の先端を固定することができる。
【0034】
ワイヤ122が固定部材121の一の端部側と他の端部側に接続するようにするには、例えば、2本のワイヤを用いる方法が挙げられる。特に制限されるものではないが、2本のワイヤを用いる場合、それぞれ対応するばね123を用いるようにしてもよい。本実施形態において、用いるワイヤの数は特に制限されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0035】
本実施形態で用いられる巻管120は、ワイヤ122を内部に格納可能であり、更にばね123を内部に格納可能である。図示する例における巻管120は、内部にワイヤ122及びばね123を格納可能としており、好ましい例である。これにより、装置の省スペース化を図ることができる。
【0036】
ワイヤ122は、例えば一端が固定部材121に取り付けられ、他端がばね123に取り付けられる。このような場合も、ワイヤ122がメディア40の先端と巻管120を接続しているといえる。また例えば、巻管120に開口部を設け、その開口部からワイヤ122を取り出すようにしてもよい。
【0037】
固定部材121は、メディア40の先端を挟み込んでメディア40の先端とワイヤ122とを固定する。メディア40の先端は、図示するように、ある程度の幅(長さ)を持った領域ともいえる。
【0038】
図示するように、本実施形態では、固定部材121がメディア40の先端を挟み込むため、メディア40にテープなどを貼付する必要がない。このため、メディア40のセットの手間を低減できる。
【0039】
巻管120にメディア40を巻き付けるとき、固定部材121が巻管120の外部に位置する状態でメディア40が巻き付けられる。そのため、巻管120とメディア40との間に固定部材121が存在することになるが、メディア40に形成された画像に影響が生じることはない。本実施形態では例えば、メディアの搬送は、供給手段と巻取手段でテンションを掛けながら搬送することで制御している。この場合、巻取手段側で過剰なテンションを掛けると、メディアの搬送精度が悪化するおそれがある。これを考慮し、巻取手段では、低いテンションで巻き取ることを目的としてワンウェイクラッチを設け、低いテンションにコントロールしている。そのため、固定部材により巻き取りの管の径が多少変わっても問題ないと考えている。
【0040】
本実施形態では、固定部材121とワイヤ122を再利用可能である。特に制限されるものではないが、印刷後のメディアは、ロール状のまま、後処理にかけられることが多い。そのため、固定部材ごとロール状になった印刷物を後処理機にセットして、巻き解いた後に固定部材121とワイヤ122を回収すれば良い。このように回収された固定部材121とワイヤ122は再利用可能であり、使用した固定部材121とワイヤ122を別のメディアに用いることができる。
【0041】
図3は、印刷媒体のセット方法の一例を説明するための図である。なお、
図3(B)は、
図1と同じ図である。なお、印刷媒体(メディア)をセットすることを、メディアを充填するなどと称してもよい。
【0042】
まず
図3(A)の矢印で示すように、メディア40の先端が巻取手段110の巻管120の付近にくるように、メディア40を巻き出す(送り出す)。次いで、メディア40の先端を固定部材121に挟み込んでワイヤ122に固定させる。
図3(A)はこの時点の状態を示している。次いで、
図3(B)の矢印で示すように、搬送手段50及び供給手段100を逆駆動させて、メディア40を上流側に巻き戻す。固定部材121がプラテン30の下流付近に到達したところで、巻き戻しを停止する。
図3(B)はこの時点の状態を示している。
【0043】
このようにすることで、メディア40が画像形成装置にセットされ、画像形成可能な状態になる。このように、本実施形態では簡便にメディア40をセットすることができる。
【0044】
次に、本実施形態における固定部材の他の例を説明する。
図4は、固定部材の他の例を説明するための図である。
図4(A)は、本例の固定部材121の側面概略図であり、
図4(B)は、固定部材121がメディア40の先端を挟み込んだ場合の図である。
図4(A)の矢印は付勢力を模式的に示しており、このような付勢力が働くことで、固定部材121がメディア40の先端を挟み込むことができる。
【0045】
本例の固定部材121は、クリップ形状の部材である。また、本例におけるワイヤ122は、固定部材121の一の端部側に接続するワイヤと、他の端部側に接続するワイヤとからなる。本例の固定部材121は、クリップ形状の部材としていることで、簡便にメディア40の先端を挟み込むことができる。また、安定してワイヤ122に取り付けやすい。
【0046】
図4に示す例では、例えばばねにより付勢力が生じるようにすることを想定しているが、これに限られず、その他にも磁力により付勢力が生じるようにしてもよい。
【0047】
図5は、固定部材の他の例を説明するための図である。
図5(A)は、本例の固定部材121の側面概略図であり、
図5(B)及び
図5(C)は、固定部材121がメディア40の先端を挟み込んだ場合の図である。
図5(B)は、固定部材121がメディア40の先端を挟み込んだ場合の側面概略図であり、
図5(C)は、固定部材121がメディア40の先端を挟み込んだ場合の平面概略図である。
【0048】
本例の固定部材は、ワイヤ122(接続部材)に備えられた第1部材121aと、第1部材121aと分離可能な第2部材121bとからなり、第1部材121aと第2部材121bは、磁力によりメディア40の先端を挟み込む。
【0049】
図5(A)では、第1部材121aがワイヤ122に備えられていること、第1部材121aと第2部材121bが分離可能であることが図示されている。また同図には、両矢印で磁力を模式的に示している。第1部材121aと第2部材121bが磁力で互いに引き付け合うことで、
図5(B)及び
図5(C)に示すようにメディア40を挟み込むことができる。本例においても、本例の固定部材121は、簡便にメディア40の先端を挟み込むことができる。また、安定してワイヤ122に取り付けやすい。
【0050】
上記の例では、接続部材としてワイヤ122を例に挙げて説明した。本発明における接続部材としては、ワイヤの他にも樹脂シートを用いることもできる。樹脂シートを用いた場合も巻管120の内部に格納格納にする。上記と同様に、例えば巻管120の内部に軸を設け、軸に樹脂シートの一端を取り付ける方法により、巻管120の内部に格納することができる。
【0051】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>ロール状の印刷媒体を供給する供給手段と、
印刷媒体を搬送する搬送手段と、
印刷媒体を巻き取る巻取手段と、を備え、
前記巻取手段は、
印刷媒体を巻き付ける巻管と、
前記巻管の内部に格納可能であり、印刷媒体の先端と前記巻管とを接続する接続部材と、
前記接続部材に備えられ、印刷媒体の先端を挟み込んで印刷媒体の先端と前記接続部材とを固定する固定部材と、
前記接続部材に張力を付与する張力付与手段と、を有する
ことを特徴とする供給巻取装置。
<2>前記接続部材は、ワイヤである
ことを特徴とする<1>に記載の供給巻取装置。
<3>ワイヤは、前記固定部材の一の端部側に接続するワイヤと、他の端部側に接続するワイヤとからなる
ことを特徴とする<2>に記載の供給巻取装置。
<4>前記固定部材は、前記接続部材に備えられた第1部材と、前記第1部材と分離可能な第2部材とからなり、
前記第1部材と前記第2部材は、磁力により印刷媒体の先端を挟み込む
ことを特徴とする<1>から<3>のいずれかに記載の供給巻取装置。
<5>前記固定部材は、クリップ形状の部材である
ことを特徴とする<1>から<3>のいずれかに記載の供給巻取装置。
<6>前記張力付与手段は、ばねにより前記接続部材に張力を付与する
ことを特徴とする<1>から<5>のいずれかに記載の供給巻取装置。
<7>前記ばねは、前記巻管の内部に格納されている
ことを特徴とする<6>に記載の供給巻取装置。
<8><1>から<7>のいずれかに記載の供給巻取装置と、
印刷媒体に画像を形成する画像形成手段と、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【符号の説明】
【0052】
10 液体吐出ヘッド
20 キャリッジ
30 プラテン
40 メディア
50 搬送手段
51 送りローラ
52 押えローラ
60 搬送パス
70 ヒータ
80 ファン
90 気室
100 供給手段
110 巻取手段
120 巻管
121 固定部材
122 ワイヤ
123 ばね
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】