IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友金属鉱山株式会社の特許一覧

特開2023-179962異物検査装置、異物検査方法およびプログラム
<>
  • 特開-異物検査装置、異物検査方法およびプログラム 図1
  • 特開-異物検査装置、異物検査方法およびプログラム 図2
  • 特開-異物検査装置、異物検査方法およびプログラム 図3
  • 特開-異物検査装置、異物検査方法およびプログラム 図4
  • 特開-異物検査装置、異物検査方法およびプログラム 図5
  • 特開-異物検査装置、異物検査方法およびプログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179962
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】異物検査装置、異物検査方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/90 20060101AFI20231213BHJP
   G01B 11/30 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
G01N21/90 D
G01B11/30 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092951
(22)【出願日】2022-06-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145872
【弁理士】
【氏名又は名称】福岡 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100091362
【弁理士】
【氏名又は名称】阿仁屋 節雄
(72)【発明者】
【氏名】村上 慎一
【テーマコード(参考)】
2F065
2G051
【Fターム(参考)】
2F065AA02
2F065AA24
2F065AA49
2F065CC25
2F065DD03
2F065FF04
2F065FF41
2F065GG04
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065PP16
2F065QQ29
2F065QQ31
2F065QQ41
2F065QQ42
2F065SS13
2F065SS15
2G051AA28
2G051AB01
2G051CA04
2G051DA06
2G051EB01
2G051EC02
2G051EC03
(57)【要約】
【課題】匣鉢に収納される粉体への異物混入について、これを精度良く検出することを可能にする技術を提供する。
【解決手段】匣鉢2に収納される粉体3への異物混入を検査する異物検査装置1であって、前記匣鉢2内における前記粉体3の表面に沿った平面での前記粉体3の表面状態に関する二次元情報を第一表面状態情報として得る第一検出部20と、前記匣鉢2内における前記粉体3の表面に交わる平面での前記粉体3の表面状態に関する二次元情報を第二表面状態情報として得る第二検出部30と、前記第一検出部20で得た前記第一表面状態情報と前記第二検出部30で得た前記第二表面状態情報とに基づき前記匣鉢2内に混入した異物の有無を判定する判定制御部41と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
匣鉢に収納される粉体への異物混入を検査する異物検査装置であって、
前記匣鉢内における前記粉体の表面に沿った平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第一表面状態情報として得る第一検出部と、
前記匣鉢内における前記粉体の表面に交わる平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第二表面状態情報として得る第二検出部と、
前記第一検出部で得た前記第一表面状態情報と前記第二検出部で得た前記第二表面状態情報とに基づき前記匣鉢内に混入した異物の有無を判定する判定制御部と、
を備える異物検査装置。
【請求項2】
前記第一検出部は、前記粉体の表面画像を撮像する撮像カメラを有し、前記撮像カメラの撮像結果である画像情報を前記第一表面状態情報として得るように構成されている
請求項1に記載の異物検査装置。
【請求項3】
前記第二検出部は、前記粉体の表面高さの変位量を検出する変位センサを有し、前記変位センサの検出結果である変位量情報を前記第二表面状態情報として得るように構成されている
請求項1または2に記載の異物検査装置。
【請求項4】
前記匣鉢を搬送する匣鉢搬送部を備え、
前記第二検出部は、前記匣鉢搬送部による前記匣鉢の搬送方向との交差方向に並設された複数の前記変位センサを有して構成されている
請求項3に記載の異物検査装置。
【請求項5】
前記判定制御部は、前記第一表面状態情報が異常を示す領域部分で、かつ、前記第二表面状態情報が異常を示す領域部分について、前記匣鉢内に混入した異物有りと判定するように構成されている
請求項1に記載の異物検査装置。
【請求項6】
前記判定制御部は、前記第一表面状態情報が異常を示す領域部分または前記第二表面状態情報が異常を示す領域部分のいずれかについて、前記匣鉢内に混入した異物有りと判定するように構成されている
請求項1に記載の異物検査装置。
【請求項7】
匣鉢に収納される粉体への異物混入を検査する異物検査方法であって、
前記匣鉢内における前記粉体の表面に沿った平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第一表面状態情報として得る工程と、
前記匣鉢内における前記粉体の表面に交わる平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第二表面状態情報として得る工程と、
前記第一検出部で得た前記第一表面状態情報と前記第二検出部で得た前記第二表面状態情報とに基づき前記匣鉢内に混入した異物の有無を判定する工程と、
を備える異物検査方法。
【請求項8】
匣鉢に収納される粉体への異物混入を検査するためのコンピュータに、
前記匣鉢内における前記粉体の表面に沿った平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第一表面状態情報として得る手順と、
前記匣鉢内における前記粉体の表面に交わる平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第二表面状態情報として得る手順と、
前記第一検出部で得た前記第一表面状態情報と前記第二検出部で得た前記第二表面状態
情報とに基づき前記匣鉢内に混入した異物の有無を判定する手順と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、異物検査装置、異物検査方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子工業用の製品の材料となる粉体に対しては、匣鉢と呼ばれる耐熱容器に収納された状態で、搬送先となる焼成炉にて所定温度に加熱(焼成)するといったことが行われる。その場合に、匣鉢内への異物の混入があると、焼成された粉体の品質や焼成後の粉体に対して行う工程等に悪影響が及ぶおそれがある。このことから、匣鉢内の粉体については、その表面を撮像する撮像装置を用いて表面検査を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-108849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、粉体の表面を撮像して行う検査のみでは、匣鉢内への異物の混入について、必ずしも精度良く検出し得るとは限らない。例えば、広範囲に広がる異物は検出が比較的容易であるが、小さい異物は外観のみでは識別が困難なおそれがある。
【0005】
本開示は、匣鉢に収納される粉体への異物混入について、これを精度良く検出することを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、
匣鉢に収納される粉体への異物混入を検査する異物検査装置であって、
前記匣鉢内における前記粉体の表面に沿った平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第一表面状態情報として得る第一検出部と、
前記匣鉢内における前記粉体の表面に交わる平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第二表面状態情報として得る第二検出部と、
前記第一検出部で得た前記第一表面状態情報と前記第二検出部で得た前記第二表面状態情報とに基づき前記匣鉢内に混入した異物の有無を判定する判定制御部と、
を備える異物検査装置が提供される。
【0007】
本開示の他の態様によれば、
匣鉢に収納される粉体への異物混入を検査する異物検査方法であって、
前記匣鉢内における前記粉体の表面に沿った平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第一表面状態情報として得る工程と、
前記匣鉢内における前記粉体の表面に交わる平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第二表面状態情報として得る工程と、
前記第一検出部で得た前記第一表面状態情報と前記第二検出部で得た前記第二表面状態情報とに基づき前記匣鉢内に混入した異物の有無を判定する工程と、
を備える異物検査方法が提供される。
【0008】
本開示のさらに他の態様によれば、
匣鉢に収納される粉体への異物混入を検査するためのコンピュータに、
前記匣鉢内における前記粉体の表面に沿った平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第一表面状態情報として得る手順と、
前記匣鉢内における前記粉体の表面に交わる平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第二表面状態情報として得る手順と、
前記第一検出部で得た前記第一表面状態情報と前記第二検出部で得た前記第二表面状態情報とに基づき前記匣鉢内に混入した異物の有無を判定する手順と、
を実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、匣鉢に収納される粉体への異物混入について、これを精度良く検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係る異物検査装置を匣鉢移動方向に対して側面視したときの概略構成例を模式的に示す説明図である。
図2】本開示の一実施形態に係る異物検査装置を匣鉢移動方向からみたときの概略構成例を模式的に示す説明図である。
図3】本開示の一実施形態に係る異物検査装置の撮像カメラによる撮像結果の一具体例を示す説明図である。
図4】本開示の一実施形態に係る異物検査装置の変位センサによる検出結果の一具体例を示す説明図である。
図5】本開示の一実施形態に係る異物検査装置において複数の変位センサが並設されている場合の各変位センサによる検出結果の一具体例を示す説明図である。
図6】本開示の一実施形態に係る異物検査装置の判定制御部による第一表面状態情報および第二表面状態情報の処理例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<本発明の一実施形態>
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(1)異物検査装置の構成例
まず、本開示の一実施形態に係る異物検査装置の構成例について説明する。
図1は、本実施形態に係る異物検査装置1を匣鉢移動方向に対して側面視したときの概略構成例を模式的に示す説明図である。図2は、本実施形態に係る異物検査装置1を匣鉢移動方向からみたときの概略構成例を模式的に示す説明図である。
【0013】
(全体構成)
本実施形態において例に挙げる異物検査装置1は、匣鉢2に収納される粉体3への異物混入を検査するものであって、その匣鉢2内の粉体3に対する処理を行う処理装置(ただし不図示)に付随して用いられるものである。粉体3に対する処理を行う処理装置としては、例えば、粉体3を所定温度(例えば100℃以上、より具体的には200℃以上の高温)に加熱(焼成)を行う焼成炉が挙げられる。
【0014】
処理装置で処理される粉体3は、例えば、電子工業用の製品の材料となる粉状のものである。ただし、粉体3は、匣鉢2に収納された状態で処理されるものであればよく、その種類が特定の種類に限定されるものではない。
【0015】
粉体3が収納される匣鉢2は、耐熱性に優れた緻密なセラミックスで形成された耐熱容器であり、無蓋有底状に構成されている。無蓋有底状であるから、匣鉢2内に粉体3が収納されると、その匣鉢2の開放された上面側は、収納された粉体3の表面が露出すること
になる。
【0016】
このような匣鉢2については、収納された粉体3に対して異物が混入してしまうおそれがある。異物としては、例えば、匣鉢2の壁面から剥がれ落ちて粉体3の表面に堆積したセラミックスの破片や、処理装置への搬送経路で発生し得る塵埃や、これらの準ずるもの等が挙げられる。匣鉢2内への異物混入は、処理された粉体3の品質に悪影響を及ぼし得る。また、処理後の粉体3に対して行う後工程にも悪影響を及ぼし得る。そのため、本実施形態においては、処理装置での処理を経た後の匣鉢2について、異物検査装置1を利用して、その匣鉢2に収納された粉体3への異物混入を検査するのである。
【0017】
異物混入の検査を行うために、本実施形態に係る異物検査装置1は、大別すると、匣鉢搬送部10と、第一検出部20と、第二検出部30と、制御部40と、情報出力部50と、を備えて構成されている。
【0018】
(匣鉢搬送部)
匣鉢搬送部10は、処理装置での処理を経た後の匣鉢2を搬送するものである。そのために、匣鉢搬送部10は、図示せぬ駆動源によって駆動される複数のローラ11が匣鉢2の搬送方向(図中矢印A参照)に沿って並設されており、各ローラ11の回転を利用して当該ローラ11上の匣鉢2の搬送を行うように構成されている。なお、ここでは、複数のローラ11を利用して匣鉢2の搬送を行う場合を例に挙げるが、匣鉢搬送部10は、これに限定されるものではなく、他の機構(例えばベルト搬送機構)等を利用して匣鉢2の搬送を行うように構成されたものであってもよい。
【0019】
(第一検出部)
第一検出部20は、匣鉢搬送部10によって搬送される匣鉢2に収納された粉体3について、その粉体3の表面状態に関する情報の一つである第一表面状態情報を得るものである。第一表面状態情報は、匣鉢2内における粉体3の表面に沿った平面における二次元情報である。表面に沿った平面とは、当該表面とは交わらない平面のことであり、その一例として当該表面と平行な平面が挙げられる。当該表面と当該平面が同一面であってもよい。具体的には、第一表面状態情報である二次元情報として、例えば、匣鉢2内における粉体3の表面画像についての画像情報が挙げられる。
【0020】
このような第一表面状態情報を得るために、第一検出部20は、匣鉢搬送部10によって搬送される匣鉢2が所定位置に到達したことを検出する位置検出センサ21と、その所定位置にある匣鉢2内における粉体3の表面画像を撮像する撮像カメラ22と、を有している。そして、第一検出部20は、撮像カメラ22の撮像結果である画像情報を、第一表面状態情報として得るように構成されている。位置検出センサ21は、匣鉢2を検出し得るものであればよく、例えば光電センサや近接スイッチ等を利用して構成することができる。撮像カメラ22は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を有するカメラを利用して構成することができるが、二次元情報である画像情報を取得可能であれば、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0021】
(第二検出部)
第二検出部30は、匣鉢搬送部10によって搬送される匣鉢2に収納された粉体3について、その粉体3の表面状態に関する情報の他の一つである第二表面状態情報を得るものである。第二表面状態情報は、匣鉢2内における粉体3の表面に交わる平面での二次元情報である。つまり、第二表面状態情報は、第一表面状態情報とは異なる平面における二次元情報である。具体的には、第二表面状態情報である二次元情報として、例えば、匣鉢2の搬送方向に沿った当該匣鉢2内の粉体3の表面高さの変位量を示す二次元情報、すなわ
ち搬送方向に沿った方向における位置と表面高さとの関係についての二次元情報が挙げられる。
【0022】
このような第二表面状態情報を得るために、第二検出部30は、匣鉢搬送部10によって搬送される匣鉢2内の粉体3の表面高さの変位量を検出する変位センサ31を有している。変位センサ31は、匣鉢2の搬送方向との交差方向(例えば、搬送方向が水平方向である場合に、当該水平方向と直交する他の水平方向)に複数が所定間隔で並設されていることが好ましい。つまり、第二検出部30は、当該交差方向の全域をカバーするように所定間隔で並設された複数の変位センサ31a,31b,…を有していることが好ましい。そして、第二検出部30は、変位センサ31の検出結果である変位量情報を、第二表面状態情報として得るように構成されている。変位センサ31は、レーザ光の照射およびその反射光の受光により対象物との間の距離の変位量を非接触で検出するレーザ変位センサを利用して構成することができるが、粉体3の表面高さの変位量を検出可能であれば、必ずしもこれに限定されるものではない。複数の変位センサ31a,31b,…を並設する場合、その並設数が特に限定されることはないが、並設数が多ければ変位量検出の分解能が高くなる一方で、並設数が少なければ変位量の検出結果についての処理負荷軽減が図れる。本実施形態では、八個の変位センサ31a~31hを並設した場合を例に挙げる。
【0023】
(制御部)
制御部40は、異物検査装置1における各部の動作制御を行うものである。制御部40が行う動作制御には、位置検出センサ21の検出結果に応じて撮像カメラ22に撮像指示を与えて当該撮像カメラ22から撮像結果である画像情報を受け取る撮像制御、変位センサ31の検出結果を監視して当該検出結果である変位量情報を受け取るセンサ制御、撮像カメラ22からの画像情報および変位センサ31からの変位量情報に基づき匣鉢2内に混入した異物の有無を判定する判定制御、情報出力部50での各種情報の出力制御等が含まれる。制御部40は、上述した動作制御のうち、特に異物有無の判定制御を行うことで、第一検出部20で得た第一表面状態情報と第二検出部30で得た第二表面状態情報とに基づき匣鉢2内に混入した異物の有無を判定する判定制御部41として機能することになる。
【0024】
このような動作制御を行うために、制御部40は、異物検査装置1における各部と通信可能に接続されており、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等といったハードウエア資源を組み合わせたコンピュータによって構成されている。そして、制御部40は、予めインストールされている所定プログラム(ソフトウエア)の実行により、そのソフトウエアによる情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現されることで、異物検査装置1における各部の動作制御を行うように構成されている。
【0025】
以上のような制御部40としてのコンピュータに、匣鉢2内の異物有無についての判定制御を行わせる所定プログラム(ソフトウエア)は、本開示における「プログラム」の一実施形態に相当するものである。その場合に、当該プログラムは、通信線または記憶媒体を介して外部から提供されて、制御部40としてのコンピュータがアクセス可能な記憶装置に保存されるものとする。
【0026】
(情報出力部)
情報出力部50は、制御部40からの指示に従って異物検査装置1の利用者に対して各種情報の出力を行うものである。情報出力部50が出力する情報としては、例えば、判定制御部41による判定結果に関する情報、すなわち匣鉢2内への異物混入の有無に関する情報がある。
【0027】
このような情報出力のために、情報出力部50は、情報の表示出力を行う画像表示パネル、情報の音出力を行うスピーカー、または、光による表示態様の切り替えを行う回転灯の少なくともいずれかによって構成されている。
【0028】
(2)処理動作手順
次に、上述した構成の異物検査装置1を用いて匣鉢2内の粉体3への異物混入を検査する場合の処理動作例、すなわち本開示の一実施形態に係る異物検査方法の手順について、具体的に説明する。
【0029】
異物検査装置1では、匣鉢2内の粉体3への異物混入の検査に際して、その検査の対象となる匣鉢2であって粉体3を収納した状態のもの(以下「検査対象匣鉢」ともいう。)が、匣鉢搬送部10によって搬送されてくる。
【0030】
匣鉢搬送部10の搬送時、制御部40は、位置検出センサ21の検出結果を監視している。そして、搬送される検査対象匣鉢2が所定位置に到達したことを位置検出センサ21が検出すると、その検出結果に応じて、制御部40は、撮像カメラ22に撮像指示を与える。この撮像指示に従い、撮像カメラ22は、所定位置にある検査対象匣鉢2の上方側から、その検査対象匣鉢2内に収納されている粉体3の表面を撮像し、その表面状態に関する二次元情報である表面画像の画像情報を得る。表面画像は、動画であってもよいし、静止画であってもよい。なお、静止画を撮像する場合、その撮像に際して、撮像カメラ22は、一度の撮像で匣鉢2内の粉体3の表面全域を撮像し得るように、画角や配置等が設定されていることが好ましい。
【0031】
図3は、本実施形態に係る異物検査装置の撮像カメラによる撮像結果の一具体例を示す説明図である。図例は、検査対象匣鉢2内の粉体3の表面画像の一部を示している。
【0032】
撮像カメラ22が検査対象匣鉢2内の粉体3の表面を撮像すると、その撮像で得られた画像情報を、粉体3の表面状態に関する第一表面状態情報として、制御部40が受け取る。つまり、異物混入検査の一工程として、検査対象匣鉢2内における粉体3の表面に沿った平面での当該粉体3の表面状態に関する二次元情報(すなわち、当該粉体3の表面画像の画像情報)を第一表面状態情報として得る工程と行う。
【0033】
ところで、撮像カメラ22で得た画像情報のみに基づく異物混入検査では、検査対象匣鉢2内への異物の混入について、必ずしも精度良く検出し得るとは限らない。
【0034】
そこで、本実施形態においては、第一表面状態情報を得る工程に加えて、当該工程とは別の一工程として、第一表面状態情報とは異なる平面における二次元情報である第二表面状態情報を得る工程を行う。第二表面状態情報を得る工程は、第一表面状態情報を得る工程に先立って行ってもよいし、第一表面状態情報を得る工程の後に行ってもよいし、第一表面状態情報を得る工程と並行して行ってもよい。
【0035】
具体的には、第二表面状態情報を得る工程として、変位センサ31がレーザ光を利用した変位量検出を行うとともに、その変位センサ31の検出結果を制御部40が監視している。そして、少なくとも、搬送される検査対象匣鉢2が変位センサ31による変位量検出位置(すなわちレーザ光の被照射位置)に到達する直前から当該変位量検出位置を通過するまでの間、変位センサ31の検出結果である変位量情報を、粉体3の表面状態に関する第二表面状態情報として、制御部40が受け取る。つまり、異物混入検査の一工程として、検査対象匣鉢2内における粉体3の表面に交わる平面での当該粉体3の表面状態に関する二次元情報(すなわち、当該粉体3の表面高さの変位量情報)を第二表面状態情報として得る工程と行う。
【0036】
図4は、本実施形態に係る異物検査装置1の変位センサ31による検出結果の一具体例を示す説明図であり、(a)は異物混入がない場合の例を示す図、(b)は異物混入がある場合の例を示す図である。図例は、変位センサ31で得られる変位量情報のプロファイルを示しており、横軸は検査対象匣鉢2の搬送方向に沿った方向における位置、縦軸は変位センサ31により検出された表面高さである。
【0037】
例えば、異物混入がない場合、変位センサ31の検出結果は、図4(a)に示すように、検査対象匣鉢2の一方の容器壁から他方の容器壁にわたり、粉体3の表面高さがほぼ平坦なプロファイルとなるか、または平坦に近いなだらかな起伏を描くプロファイルとなることが一般的である。これに対して、異物混入があると、変位センサ31の検出結果は、図4(b)に示すように、異物4の部分の表面高さが粉体3の表面高さよりも高くなり、その部分が凸状に突出したプロファイルとなる。
【0038】
このような変位センサ31の検出結果のプロファイルにおいて、凸状の突出部分については、予め設定される高さ閾値を利用することで、他の平坦部分と判別することが可能である。つまり、検査対象匣鉢2の容器壁の部分を除き、高さ閾値を超える表面高さのプロファイル部分があると、その部分については、異物4が混入している部分であると推認することができる。
【0039】
高さ閾値は、以下のように設定することが考えられる。例えば、異物混入がない場合の粉体3の表面高さが粉体収納量等から絶対値として特定可能であれば、その絶対値を基準にして特定される固定値を、高さ閾値として設定することができる。また、例えば、異物混入がない場合の粉体3の表面高さが変動し得る場合であっても、変位センサ31の検出結果に基づいて粉体3の表面高さとなる代表値(高さの頻出値、最小値、平均値、中央値等)を特定した上で、その代表値に所定量を加えた相対値を、高さ閾値として設定することができる。また、その他にも、例えば、変位センサ31の検出結果から位置あたりの高さ変化の度合い(プロファイルの傾き)を算出する場合であれば、異物混入があると変化度合いが急峻となるので、その変化度合いの許容値を高さ閾値として設定することができる。
【0040】
複数の変位センサ31a,31b,…が並設されている場合には、以上のような第二表面状態情報の取得を、各変位センサ31a,31b,…のそれぞれについて行う。
図5は、本実施形態に係る異物検査装置1において複数の変位センサ31a,31b,…が並設されている場合の各変位センサ31a,31b,…による検出結果の一具体例を示す説明図である。図中では、複数の変位センサ31a,31b,…が並ぶ方向を幅方向としている。
図例のように、異物混入があった場合に、想定される異物4の大きさよりも細かい分解能で各変位センサ31a,31b,…が並設されていれば、少なくとも一つの変位センサ31a,31b,…による検出結果において、異物4に対応した凸状の突出部分を有するプロファイルが現れることになる。
【0041】
つまり、第二表面状態情報を得る工程では、複数の変位センサ31a,31b,…が並設されていれば、各変位センサ31a,31b,…のそれぞれの検出結果である変位量情報を、粉体3の表面状態に関する第二表面状態情報として得る。これにより、検査対象匣鉢2内における粉体3の表面の略全域について、第二表面状態情報を得ることができる。
【0042】
制御部40が第一表面状態情報および第二表面状態情報を得ると、その後、これら第一表面状態情報および第二表面状態情報に基づき、検査対象匣鉢2内に混入した異物4の有無を判定する工程を行う。この工程は、制御部40における判定制御部41としての機能
が行う。
【0043】
異物4の有無を判定する工程では、まず、第一表面状態情報および第二表面状態情報のそれぞれに対する処理を行う。
【0044】
図6は、本実施形態に係る異物検査装置1の判定制御部41による第一表面状態情報および第二表面状態情報の処理例を示す説明図である。
【0045】
第一表面状態情報については、以下のような処理を行う。すなわち、第一表面状態情報である検査対象匣鉢2内の粉体3の表面画像の画像情報については、その画像情報に対する画像処理を行って、当該表面画像中で異常を示す領域部分4aの抽出を行う。画像情報に対する画像処理は、異常を示す領域部分4aの抽出が可能であれば、公知技術を利用して行えばよい。異常を示す領域部分4aは、例えば、粉体3とは異なる輝度または明度の画素を含む部分であり、異物4があると推認される部分である。
【0046】
また、第二表面状態情報については、以下のような処理を行う。すなわち、第二表面状態情報である検査対象匣鉢2内の粉体3の表面高さの変位量情報については、その変位量情報を高さ閾値と対比させる処理を行って、当該変位量情報中で異常を示す領域部分4bの抽出を行う。異常を示す領域部分4bは、高さ閾値を超える表面高さのプロファイル部分であり、異物4があると推認される部分である。このような処理を、複数の変位センサ31a,31b,…から得られる変位量情報のそれぞれについて行う。
【0047】
その後は、画像情報についての処理結果と変位量情報についての処理結果との合成を行う。合成は、例えば、画像情報中において検査対象匣鉢2の容器壁として特定される部分と、変位量情報のプロファイル中で容器壁として特定される部分とを、合致させるようにして行えばよい。ただし、このような手法に限定されることはなく、他の公知の手法を用いて各情報を同期させるようにしてもよい。
【0048】
そして、各情報の合成後に、画像情報(第一表面状態情報)と変位量情報(第二表面状態情報)とに基づいて、検査対象匣鉢2内に混入した異物4の有無を判定する。
【0049】
具体的には、例えば、画像情報(第一表面状態情報)が異常を示す領域部分4aで、かつ、変位量情報(第二表面状態情報)が異常を示す領域部分4bの抽出を行う。つまり、領域部分4aであるという条件と領域部分4bであるという条件との両方を満たす部分(すなわちアンド条件が成立する部分)の抽出を行う。そして、その抽出部分について、検査対象匣鉢2内に混入した異物4が有ると判定する。
以上のような判定を行えば、例えば、異物4が無いにもかかわらず、何らかの要因(例えば外部からの光入射の影響)ので異物4が有るように写った部分について、異物4が有ると誤判定してしまうのを回避することができる。つまり、検査対象匣鉢2に収納される粉体3への異物混入について、これを精度良く検出することが可能になる。
【0050】
また、異物4の有無の判定は、以下のように行ってもよい。例えば、画像情報(第一表面状態情報)が異常を示す領域部分4aまたは変位量情報(第二表面状態情報)が異常を示す領域部分4bのいずれかについて抽出を行う。つまり、領域部分4aであるという条件と領域部分4bであるという条件との少なくとも一方を満たす部分(すなわちオア条件が成立する部分)の抽出を行う。そして、その抽出部分について、検査対象匣鉢2内に混入した異物4が有ると判定する。
以上のような判定を行えば、例えば、混入した異物4の外観が粉体3と識別困難な場合(例えば異物4が粉体3と同系色の場合)や、混入した異物4が粉体3に覆われた状態である場合等であっても、異物4が有ると判定することが可能となる。つまり、画像情報の
みでは検出困難な異物4についても検出可能となり、検査対象匣鉢2に収納される粉体3への異物混入について、これを精度良く検出することが可能になる。
【0051】
いずれの条件で判定する場合においても、本実施形態では、画像情報(第一表面状態情報)のみならず変位量情報(第二表面状態情報)についても判定の際に用いる。したがって、本実施形態によれば、異物4の有無のみならず、異物4の高さについても検出することが可能である。
【0052】
異物4の高さを検出可能であれば、検査対象匣鉢2内に混入する異物4についての選別性能の向上が図れる。
例えば、高さのある異物4は、比較的硬いものであることが多い。硬い異物4は、後の工程でトラブルを引き起こす可能性が高く、確実に検出することが好ましい。しかしながら、高さのある硬い異物4は、粉体3と同系色で、しかも小型であることが多く、画像情報(第一表面状態情報)のみによる検出には限界がある。
これに対し、本実施形態では、変位量情報(第二表面状態情報)に基づいて異物4の高さを検出可能なので、画像処理の結果を総合的に判断することで、高さのある硬い異物4を確実に検出することができ、その結果として異物4の選別性能の向上が図れることになる。
なお、異物4の高さについては、例えば、その高さの高さ閾値からの乖離の度合いを高さ情報として検出し、その高さ情報を異物4が有ると判定した場合の検出結果に含めるようにしてもよい。
【0053】
また、本実施形態においては、変位量情報(第二表面状態情報)だけではなく、画像情報(第一表面状態情報)についても判定の際に用いる。したがって、例えば、複数の変位センサ31a,31b,…の配置分解能よりも小型の異物4についても対応することが実現可能となる。
【0054】
以上のような手順の判定処理を行った結果、検査対象匣鉢2内に異物4が有ると判定した場合には、その旨の情報出力を制御部40が情報出力部50に対して指示する。この指示を受けて、情報出力部50は、検査対象匣鉢2内への異物混入が有る旨の情報出力を行う。
【0055】
具体的には、情報出力部50は、例えば、回転灯の点灯やスピーカーによる音出力等によって、検査対象匣鉢2内への異物混入が有る旨のアラーム出力を行う。これにより、異物検査装置1の利用者は、異物混入の事実を把握して、異物混入が有った検査対象匣鉢2がそのまま後の工程に投入されるのを未然に防止することが可能となる。
【0056】
また、情報出力部50においては、必要に応じて、異物混入の判定の基になった画像情報(第一表面状態情報)または変位量情報(第二表面状態情報)の少なくとも一方についても、異物検査装置1の利用者に対する情報出力を行うようにしてもよい。このような情報出力を行うようにすれば、異物混入の具体的な態様について異物検査装置1の利用者が解析をすることが可能となり、異物混入の原因究明等に役立つようになる。さらには、このときに異物4の高さ情報についても出力すれば、その異物4の硬さ等の解析にも役立つようになる。
【0057】
(3)本実施形態により得られる効果
本実施形態によれば、以下に示す一つまたは複数の効果が得られる。
【0058】
(a)本実施形態においては、匣鉢2内の粉体3の表面に沿った二次元情報である第一表面状態情報に加えて、その第一表面状態情報とは異なる平面における二次元情報である第
二表面状態情報を得て、これら第一表面状態情報と第二表面状態情報とに基づき匣鉢2内に混入した異物4の有無を判定する。つまり、いずれか一方の情報のみに基づく異物混入検査では検査対象匣鉢2内への異物混入について必ずしも精度良く検出し得るとは限らないところ、本実施形態では、第一表面状態情報と第二表面状態情報とに基づいて匣鉢2内への異物混入を検査する。したがって、本実施形態によれば、匣鉢2に収納される粉体3への異物混入について、これを精度良く検出することが可能になる。
【0059】
匣鉢2への異物混入を精度良く検出することが可能であれば、異物混入が有った匣鉢2がそのまま後の工程で処理されるのを未然に防止することができる。したがって、本実施形態によれば、精度の良い異物混入検査を行うことで、処理された粉体3の品質に悪影響が及ぶおそれや後の工程に悪影響が及ぶおそれ等を未然に排除でき、当該粉体3の品質向上に寄与し得るようになる。
【0060】
(b)本実施形態においては、撮像カメラ22の撮像結果である画像情報を第一表面状態情報として得る。したがって、本実施形態によれば、このような第一表面状態情報を基にすることで、粉体3と外観が識別可能な異物4の混入を精度良く検出する上で好適なものとなる。しかも、撮像カメラ22を用いて実現することで、第一表面状態情報の取得にあたり、装置構成の複雑化を抑制しつつ、当該取得を簡便かつ確実に行うことが可能となる。
【0061】
(c)本実施形態においては、変位センサ31の検出結果である変位量情報を第二表面状態情報として得る。したがって、本実施形態によれば、このような第二表面状態情報を基にすることで、外観が粉体3と識別困難な異物4の混入を精度良く検出する上で好適なものとなる。しかも、異物4の有無のみならず、異物4の高さについても検出することが可能となるので、異物4についての選別性能の向上が図れるようにもなる。
【0062】
(d)本実施形態においては、匣鉢搬送部10によって搬送される匣鉢2の搬送方向との交差方向に複数の変位センサ31a,31b,…が並設されている。したがって、本実施形態によれば、検査対象匣鉢2内における粉体3の表面の全域について第二表面状態情報を得る場合であっても、例えば当該全域を走査(スキャン)するための変位センサの移動機構を要することないので、装置構成(特に機構部分)の複雑化を抑制することができ、しかも当該全域について第二表面状態情報を簡便かつ確実に得ることが可能となる。
【0063】
(4)変形例等
以上、本開示の一実施形態を具体的に説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0064】
例えば、上述の実施形態では、第一表面状態情報が撮像カメラ22の撮像結果である画像情報であり、第二表面状態情報が変位センサ31の検出結果である変位量情報である場合を例に挙げたが、必ずしもこれに限定されるものではない。すなわち、第一表面状態情報と第二表面状態情報は、互いに異なる平面における匣鉢2内の粉体3の表面状態の二次元情報であればよく、必ずしも画像情報や変位量情報等に限定されるものではない。ただし、情報取得の容易性や各情報の信頼性等を考慮すると、上述の実施形態で説明したように、画像情報や変位量情報等を取得することが好ましい。
【0065】
つまり、本開示には、以下のような技術的思想が含まれる。
匣鉢に収納される粉体への異物混入を検査する異物検査装置であって、
前記匣鉢内における前記粉体の表面に沿った平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第一表面状態情報として得る第一検出部と、
前記匣鉢内における前記粉体の表面に交わる平面での前記粉体の表面状態に関する二次
元情報を第二表面状態情報として得る第二検出部と、
前記第一検出部で得た前記第一表面状態情報と前記第二検出部で得た前記第二表面状態情報とに基づき前記匣鉢内に混入した異物の有無を判定する判定制御部と、
を備える異物検査装置。
そして、以上の技術的思想には、上述の実施形態で説明したように、以下のような技術的思想が含まれる。
匣鉢に収納される粉体への異物混入を検査する異物検査装置であって、
前記匣鉢内における前記粉体の表面画像を撮像する画像撮像部と、
前記匣鉢内における前記粉体の表面高さの変位量を検出する変位量検出部と、
前記画像撮像部で得た画像情報と前記変位量検出部で得た変位量情報とに基づき前記匣鉢内に混入した異物の有無を判定する判定制御部と、
を備える異物検査装置。
【0066】
また、例えば、上述の実施形態では、匣鉢2の搬送方向との交差方向に複数(例えば八個)の変位センサ31a,31b,…が並設されている場合を例に挙げたが、必ずしもこれに限定されるものではない。すなわち、変位センサ31a,31b,…の設置数は特に限定されるものではなく、必要とされる分解能に応じて適宜設定されたものであればよい。また、走査(スキャン)のための移動機構を備えていれば、変位センサ31の設置数が一つのみであっても構わない。
【0067】
また、例えば、上述の実施形態では、匣鉢2内への異物混入の有無の判定にあたり、第一表面状態情報が異常を示す部分と第二表面状態情報が異常を示す部分とについて、これらのアンド条件で判定を行う場合と、これらのオア条件で判定を行う場合とを例に挙げたが、必ずしもこれに限定されるものではない。すなわち、第一表面状態情報と第二表面状態情報とに基づいて判定を行うのであれば、アンド条件とオア条件とのいずれか一方に限定されることはなく、これらを必要に応じて判定制御部41が適宜使い分けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…異物検査装置、2…匣鉢、3…粉体、4…異物、4a,4b…領域部分、10…匣鉢搬送部、11…ローラ、20…第一検出部、21…位置検出センサ、22…撮像カメラ、30…第二検出部、31,31a~31h…変位センサ、40…制御部、41…判定制御部、50…情報出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
匣鉢に収納され粉体への異物混入を前記匣鉢の搬送中に検査する異物検査装置であって、
搬送中の前記匣鉢が所定位置に到達したことを検出する位置検出センサと、
前記所定位置に到達した前記匣鉢内における前記粉体の表面に沿った平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第一表面状態情報として得る第一検出部と、
搬送中の前記匣鉢内における前記粉体の表面に交わる平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第二表面状態情報として得る第二検出部と、
前記第一検出部で得た前記第一表面状態情報と前記第二検出部で得た前記第二表面状態情報とに基づき前記匣鉢内に混入した異物の有無を判定する判定制御部と、
を備え
前記判定制御部は、前記第一表面状態情報が異常を示す領域部分を抽出するともに、前記第二表面状態情報が異常を示す領域部分を抽出し、前記第一表面状態情報と前記第二表面状態情報とを同期させた上で、抽出したそれぞれの領域部分のアンド条件が成立する部分、または抽出したそれぞれの領域部分のオア条件が成立する部分について、前記匣鉢内に混入した異物有りと判定するように構成されている
異物検査装置。
【請求項2】
前記第一検出部は、前記粉体の表面画像を撮像する撮像カメラを有し、前記撮像カメラの撮像結果である画像情報を前記第一表面状態情報として得るように構成されている
請求項1に記載の異物検査装置。
【請求項3】
前記第二検出部は、前記粉体の表面高さの変位量を検出する変位センサを有し、前記変位センサの検出結果である変位量情報を前記第二表面状態情報として得るように構成されている
請求項1または2に記載の異物検査装置。
【請求項4】
前記匣鉢を搬送する匣鉢搬送部を備え、
前記第二検出部は、前記匣鉢搬送部による前記匣鉢の搬送方向との交差方向に並設された複数の前記変位センサを有して構成されている
請求項3に記載の異物検査装置。
【請求項5】
前記判定制御部による判定結果に関する情報を出力するとともに、判定の基になった前記第一表面状態情報または前記第二表面状態情報の少なくとも一方についても情報出力を行う情報出力部
を備える請求項1に記載の異物検査装置。
【請求項6】
匣鉢に収納され粉体への異物混入を前記匣鉢の搬送中に検査する異物検査方法であって、
搬送中の前記匣鉢が所定位置に到達したことを位置検出センサが検出すると、前記所定位置に到達した前記匣鉢内における前記粉体の表面に沿った平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第一表面状態情報として得る工程と、
搬送中の前記匣鉢内における前記粉体の表面に交わる平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第二表面状態情報として得る工程と、
前記第一表面状態情報前記第二表面状態情報とに基づき前記匣鉢内に混入した異物の有無を判定する工程と、
を備え
前記匣鉢内に混入した異物の有無を判定する工程では、前記第一表面状態情報が異常を示す領域部分を抽出するともに、前記第二表面状態情報が異常を示す領域部分を抽出し、前記第一表面状態情報と前記第二表面状態情報とを同期させた上で、抽出したそれぞれの領域部分のアンド条件が成立する部分、または抽出したそれぞれの領域部分のオア条件が成立する部分について、前記匣鉢内に混入した異物有りと判定する
異物検査方法。
【請求項7】
匣鉢に収納され粉体への異物混入を前記匣鉢の搬送中に検査するためのコンピュータに、
搬送中の前記匣鉢が所定位置に到達したことを位置検出センサが検出すると、前記所定位置に到達した前記匣鉢内における前記粉体の表面に沿った平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第一表面状態情報として得る手順と、
搬送中の前記匣鉢内における前記粉体の表面に交わる平面での前記粉体の表面状態に関する二次元情報を第二表面状態情報として得る手順と、
前記第一表面状態情報前記第二表面状態情報とに基づき前記匣鉢内に混入した異物の有無を判定する手順と、
を実行させ
前記匣鉢内に混入した異物の有無を判定する手順では、前記第一表面状態情報が異常を示す領域部分を抽出するともに、前記第二表面状態情報が異常を示す領域部分を抽出し、前記第一表面状態情報と前記第二表面状態情報とを同期させた上で、抽出したそれぞれの領域部分のアンド条件が成立する部分、または抽出したそれぞれの領域部分のオア条件が成立する部分について、前記匣鉢内に混入した異物有りと判定する
プログラム。