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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180052
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】ケーブル保護体
(51)【国際特許分類】
   G01H 9/00 20060101AFI20231213BHJP
【FI】
G01H9/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093115
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】和田 直人
(72)【発明者】
【氏名】望月 洋人
(72)【発明者】
【氏名】忠隈 昌輝
(72)【発明者】
【氏名】高坂 繁弘
(72)【発明者】
【氏名】有田 和宏
【テーマコード(参考)】
2G064
【Fターム(参考)】
2G064AB01
2G064AB02
2G064BA02
2G064BC12
(57)【要約】
【課題】振動検知用光ファイバを長期間にわたって適切に保護しつつ、車両や歩行者、自転車の通過による振動を振動検知用光ファイバによって検知することが可能な、ケーブル保護体を提供する。
【解決手段】ケーブル保護体1は、ケーブル4が収容される内部空間Sが形成され、振動を検知する振動検知用光ファイバケーブル2が設置される本体部10を備え、本体部10の上側部分11aに、振動検知用光ファイバケーブル2を設置するとともに、振動検知用光ファイバケーブル2を固定する固定機構3を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルが収容される内部空間が形成され、振動を検知する振動検知用光ファイバケーブルが設置される本体部を備えるケーブル保護体であって、
前記本体部の上側部分に、前記振動検知用光ファイバケーブルを設置するとともに、前記振動検知用光ファイバケーブルを固定する固定機構を備える、ケーブル保護体。
【請求項2】
前記本体部は、
底壁、および前記底壁の両端からそれぞれ上方に向かって延在する両側壁を有し、前記両側壁の上端部が開口する容器本体と、
前記容器本体の開口を閉鎖する蓋体と
を備え、前記容器本体の前記底壁および前記両側壁と、前記蓋体とによって前記内部空間が形成され、
前記振動検知用光ファイバケーブルは、前記両側壁の上側部分および前記蓋体の少なくとも一方に、前記固定機構によって固定されかつ設置される、請求項1に記載のケーブル保護体。
【請求項3】
前記固定機構は、前記本体部に対して連結可能な固定金具である、請求項2に記載のケーブル保護体。
【請求項4】
前記容器本体は、両側壁の上端部に形成される溝を有し、
前記溝の内部に、前記振動検知用光ファイバケーブルを収容した状態で前記固定機構によって固定される、請求項2に記載のケーブル保護体。
【請求項5】
前記溝は、前記振動検知用光ファイバケーブルのケーブル径よりも5%~10%だけ小さい深さ寸法または幅寸法で構成され、
前記固定機構は、前記溝の上方側から、前記溝に収容した前記振動検知用光ファイバケーブルを押圧した状態で固定する押付部材をさらに有する、請求項4に記載のケーブル保護体。
【請求項6】
前記固定機構は、前記溝の開口を閉鎖し、かつ、前記溝に収容した前記振動検知用光ファイバケーブルを固定する溝蓋を有する、請求項4に記載のケーブル保護体。
【請求項7】
前記固定機構は、前記振動検知用光ファイバケーブルを収容した前記溝内に充填した接着剤で構成される、請求項4に記載のケーブル保護体。
【請求項8】
前記固定機構は、前記溝が前記容器本体に対して着脱可能な溝部材で構成され、かつ、溝部材は、前記振動検知用光ファイバケーブルのケーブル径に応じた溝幅及び溝深さをもつ溝部材への交換が可能である、請求項4に記載のケーブル保護体。
【請求項9】
前記固定機構は、前記容器本体の開口を前記蓋体で閉鎖した状態で、前記溝位置に対応する前記蓋体の位置に形成された凸部で構成される、請求項4に記載のケーブル保護体。
【請求項10】
前記固定機構は、前記溝内に前記振動検知用光ファイバケーブルを押し込むと、押し込み力によって回転して前記溝の側壁の内面に前記振動検知用光ファイバケーブルを押し付けて固定する回転金具によって構成される、請求項4に記載のケーブル保護体。
【請求項11】
前記容器本体は、前記両側壁のうち少なくとも一方の側壁の上側部分の外面から前記容器本体の外方に向かって延在する板状の振動検知部材をさらに備え、前記振動検知部材は、内部に前記振動検知用光ファイバケーブルが設置されている、請求項2に記載のケーブル保護体。
【請求項12】
前記本体部は、樹脂、コンクリートおよびアルミニウムからなる群から選択される1種以上からなる、請求項1から11のいずれか1項に記載のケーブル保護体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル保護体に関し、より具体的には、振動を検知する振動検知用光ファイバケーブルが設置されるケーブル保護体に関する。
【背景技術】
【0002】
道路上の交通を検知し、その結果に基づいてリアルタイムに道路上の交通を制御する、アクティブな交通管理システムが望まれている。ここで、道路上の交通を検知する手段としては、分布型音響測定器(DAS)などのセンサを用いることができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、光ファイバを備えた分布型音響測定器を用いた道路交通の監視方法が記載されており、車両が横切る際に道路表面の音響発生源によって生成される特徴的な音響を、道路表面または音響発生源の近くに配置される光ファイバに複数設けられる検出部で検出する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】英国特許第2513399号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載される方法は、音響発生源を横切る車両を検出するものであるが、交通管理システムを用いた交通制御の精度を高めるためには、車両に加えて歩行者や自転車などをセンサによって検知することが望ましく、そのためにはセンサによる検知の感度を高めることが望まれる。
【0006】
これに関し、センサによる検知の感度を高めるため、車両や歩行者、自転車が通過する際の振動を、振動検知用光ファイバで直接検知することも考えられる。しかし、振動検知用光ファイバが保護ケーシングの内部に収容されただけの状態では、車両や歩行者、自転車の通過による振動が保護ケーシングに吸収されるため、振動検知用光ファイバによる振動の検知は困難である。
【0007】
他方で、道路表面や道路内に振動検知用光ファイバケーブルを直接埋設した場合、振動検知用光ファイバケーブルの被覆が腐食することで、ケーブルの内部にある振動検知用光ファイバが破損する恐れがある。
【0008】
本発明は、振動検知用光ファイバを長期間にわたって適切に保護しつつ、車両や歩行者、自転車の通過による振動を振動検知用光ファイバによって検知することが可能な、ケーブル保護体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、ケーブルが収容される内部空間を形成する本体部の上側部分に振動検知用光ファイバケーブルを設置することで、振動検知用光ファイバケーブルの被覆が腐食され難くなるとともに、固定機構によって振動検知用光ファイバケーブルを本体部の上側部分に固定することで、振動検知用光ファイバケーブルによる振動検知の感度が高められることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
(1)ケーブルが収容される内部空間が形成され、振動を検知する振動検知用光ファイバケーブルが設置される本体部を備えるケーブル保護体であって、前記本体部の上側部分に、前記振動検知用光ファイバケーブルを設置するとともに、前記振動検知用光ファイバケーブルを固定する固定機構を備える、ケーブル保護体。
(2)前記本体部は、底壁、および前記底壁の両端からそれぞれ上方に向かって延在する両側壁を有し、前記両側壁の上端部が開口する容器本体と、前記容器本体の開口を閉鎖する蓋体とを備え、前記容器本体の前記底壁および前記両側壁と、前記蓋体とによって前記内部空間が形成され、前記振動検知用光ファイバケーブルは、前記両側壁の上側部分および前記蓋体の少なくとも一方に、前記固定機構によって固定されかつ設置される、上記(1)に記載のケーブル保護体。
(3)前記固定機構は、前記本体部に対して連結可能な固定金具である、上記(2)に記載のケーブル保護体。
(4)前記容器本体は、両側壁の上端部に形成される溝を有し、
前記溝の内部に、前記振動検知用光ファイバケーブルを収容した状態で前記固定機構によって固定される、上記(2)または(3)に記載のケーブル保護体。
(5)前記溝は、前記振動検知用光ファイバケーブルのケーブル径よりも5%~10%だけ小さい深さ寸法または幅寸法で構成され、前記固定機構は、前記溝の上方側から、前記溝に収容した前記振動検知用光ファイバケーブルを押圧した状態で固定する押付部材をさらに有する、上記(4)に記載のケーブル保護体。
(6)前記固定機構は、前記溝の開口を閉鎖し、かつ、前記溝に収容した前記振動検知用光ファイバケーブルを固定する溝蓋を有する、上記(4)に記載のケーブル保護体。
(7)前記固定機構は、前記振動検知用光ファイバケーブルを収容した前記溝内に充填した接着剤で構成される、上記(4)に記載のケーブル保護体。
(8)前記固定機構は、前記溝が前記容器本体に対して着脱可能な溝部材で構成され、かつ、溝部材は、前記振動検知用光ファイバケーブルのケーブル径に応じた溝幅及び溝深さをもつ溝部材への交換が可能である、上記(4)に記載のケーブル保護体。
(9)前記固定機構は、前記容器本体の開口を前記蓋体で閉鎖した状態で、前記溝位置に対応する前記蓋体の位置に形成された凸部で構成される、上記(4)に記載のケーブル保護体。
(10)前記固定機構は、前記溝内に前記振動検知用光ファイバケーブルを押し込むと、押し込み力によって回転して前記溝の側壁の内面に前記振動検知用光ファイバケーブルを押し付けて固定する回転金具によって構成される、上記(4)に記載のケーブル保護体。
(11)前記容器本体は、前記両側壁のうち少なくとも一方の側壁の上側部分の外面から前記容器本体の外方に向かって延在する板状の振動検知部材をさらに備え、前記振動検知部材は、内部に前記振動検知用光ファイバケーブルが設置されている、上記(2)から(10)のいずれか1項に記載のケーブル保護体。
(12)前記本体部は、樹脂、コンクリートおよびアルミニウムからなる群から選択される1種以上からなる、上記(1)から(11)のいずれか1項に記載のケーブル保護体。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、振動検知用光ファイバを長期間にわたって適切に保護しつつ、車両や歩行者、自転車の通過による振動を振動検知用光ファイバによって検知することが可能な、ケーブル保護体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明に従う第1実施形態のケーブル保護体の斜視図であって、その本体部を構成する容器本体と蓋体とを分離した(組み立て前の)状態で示す。
図2図2は、図1のケーブル保護体を組み立てた後の状態で示す正面図である。
図3図3は、本発明に従う第2実施形態のケーブル保護体の構造を示した正面図であって、その本体部を構成する容器本体と蓋体とを分離した状態で示す。
図4図4は、本発明に従う第3実施形態のケーブル保護体の構造を示した正面図であって、その本体部を構成する容器本体と蓋体とを分離した状態で示す。
図5図5は、本発明に従う第4実施形態のケーブル保護体の構造を示した正面図であって、その本体部を構成する容器本体と蓋体とを分離した状態で示す。
図6図6は、本発明に従う第5実施形態のケーブル保護体の構造を説明するための図であって、図6(a)が溝部材を容器本体から取り外した状態、図6(b)が溝部材を容器本体に取り付け、蓋体を容器本体の上端部に組み付ける前の状態で示す。
図7図7は、本発明に従う第6実施形態のケーブル保護体の構造を示した正面図であって、その本体部を構成する容器本体と蓋体とを分離した状態で示す。
図8図8は、本発明に従う第7実施形態のケーブル保護体の構造を示した正面図であって、その本体部を構成する容器本体と蓋体とを分離した状態で示す。
図9図9は、本発明に従う第8実施形態のケーブル保護体の構造を示した斜視図であって、その本体部を構成する容器本体と蓋体とを分離した状態で示す。
図10図10は、本発明に従う第9実施形態のケーブル保護体の構造を示した斜視図であって、その本体部を構成する容器本体と蓋体とを分離した状態で示す。
図11図11は、本発明に従う他の実施形態のケーブル保護体の構造を示した斜視図であって、図11(a)がその本体部を構成する、容器本体と、振動検知用光ファイバケーブルを固定した蓋体とを分離した状態で示し、また、図11(b)が振動検知用光ファイバケーブルを管状の本体部の上側部分に固定して設置した状態で示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の好ましい実施形態について、以下で説明する。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、本発明に従う第1実施形態のケーブル保護体の斜視図であって、その本体部を構成する容器本体と蓋体とを分離した(組み立て前の)状態で示す。また、図2は、本発明に従う第1実施形態のケーブル保護体の構造を示した正面図である。
【0015】
ケーブル保護体1は、ケーブル4が収容される内部空間Sが形成され、振動を検知する振動検知用光ファイバケーブル2が設置される本体部10を備え、本体部10の上側部分10aに、振動検知用光ファイバケーブル2を設置するとともに、振動検知用光ファイバケーブル2を固定する固定機構3を備える。
【0016】
このケーブル保護体1では、ケーブル4が収容される内部空間Sを形成する本体部10の上側部分10aに振動検知用光ファイバケーブル2を設置することで、振動検知用光ファイバケーブル2による地上面で発生した振動を精度良く検知することができ、加えて、ケーブル保護体1によって振動検知用光ファイバケーブル2が包囲されるため、振動検知用光ファイバケーブル2が腐食され難くなり、また、被覆の腐食による振動検知用光ファイバケーブル2の内部にある振動検知用光ファイバの破損も起こり難くなる結果、振動検知用光ファイバケーブルを長期間にわたって適切に保護することができる。
【0017】
また、ケーブル保護体1では、固定機構3によって振動検知用光ファイバケーブル2を本体部10の上側部分10aに固定することで、振動検知用光ファイバケーブル2が車両や歩行者、自転車の通行面の近くに位置するとともに、車両や歩行者、自転車の通過などによって地上面で発生した振動が、振動検知用光ファイバケーブル2が本体部10に固定されることで、本体部10から振動検知用光ファイバケーブル2に伝わりやすくなるため、振動検知用光ファイバケーブル2による振動検知の感度が高められる。
【0018】
したがって、このケーブル保護体1によることで、振動検知用光ファイバを長期間にわたって適切に保護しながらも、車両や歩行者、自転車の通過などによって地上面で発生した振動を振動検知用光ファイバによって検知し、それにより歩行者や自転車を含めた交通状況を監視するとともに、リアルタイムな交通状況の制御に寄与することができる。例えば、振動検知用光ファイバを用いて、車両および歩行者の通過によって発生する振動のパターンをそれぞれ検知し、それを基に、車両の接近を歩行者に知らせる制御をすることができる。
【0019】
(本体部)
ケーブル保護体1は、ケーブル4が収容される内部空間Sが形成され、振動を検知する振動検知用光ファイバケーブル2が設置される本体部10を備える。これにより、振動検知用光ファイバケーブル2が本体部10によって包囲されるため、振動検知用光ファイバケーブル2の被覆に対する腐食や損傷を生じ難くすることができる。
【0020】
ケーブル保護体1の本体部10は、図1および図2に示すように、底壁12、および底壁12の両端からそれぞれ上方に向かって延在する両側壁13、13’を有し、両側壁13、13’の上端部13a、13a’が開口する容器本体11と、容器本体11の開口を閉鎖する蓋体14とを備えることが好ましい。このとき、ケーブル保護体1には、容器本体11の底壁12および両側壁13、13’と、蓋体14とによって、内部空間Sが形成される。ここで、容器本体11は、U字溝のように形成されたものであり、底壁12、両側壁13、13’および蓋体14によって囲まれる溝状の空間が内部空間Sとなり、この内部空間Sにケーブル4が収容される。このような形状の本体部10によることで、ケーブル保護体1を設置する際の内部空間Sへのケーブル4の収納や、内部空間Sに収納されたケーブル4の保守を行い易くすることができる。
【0021】
容器本体11の底壁12は、ケーブル保護体1の底面となる。また、容器本体11の両側壁13、13’は、それぞれケーブル保護体1の側面となり、底壁12から立ち上がる板状の壁によって構成される。特に、両側壁13、13’は、互いに対向するように構成されることが好ましい。
【0022】
また、蓋体14は、容器本体11の開口を閉鎖する部材であり、例えば板状の形状を有する。蓋体14の厚さは、蓋体14に求められる耐荷重量や、蓋体14の材料や内部構造などに応じて設定することができ、特に限定されない。蓋体14は、両側壁13、13’の上端部13a、13a’の開口の少なくとも一部、より好ましくは上端部13a、13a’の開口の全部を閉鎖するように構成される。また、蓋体14の上面14aは、ケーブル保護体1の保守を行い易くする観点では、道路面に沿って設けられることが好ましいが、蓋体14を含む本体部10の全体が道路内に埋設されていてもよい。
【0023】
本体部10の材質は、特に限定されないが、樹脂、コンクリートおよびアルミニウムからなる群から選択される1種以上からなることが好ましい。ここで、本体部10が、樹脂、コンクリートおよびアルミニウムからなる群から選択される1種以上によって構成されることで、車両や歩行者、自転車の通過などによって地上面で発生した振動が、本体部10から振動検知用光ファイバケーブル2に伝わりやすくなるため、振動検知用光ファイバケーブル2による振動検知の感度を、より一層高めることができる。ここで、本体部10は、容器本体11と蓋体14は異なる材料によって構成されていてもよい。また、本体部10を構成する容器本体11と蓋体14のうち一方または両方が、異なる複数の材料の組み合わせによって構成されていてもよい。
【0024】
本体部10は、後述する振動検知用光ファイバケーブル2の延在方向Xに沿って設けられることが好ましい。このケーブル保護体1は、より広範における車両や歩行者、自転車の通過などによる振動を検知する観点から、振動検知用光ファイバケーブル2の延在方向Xに沿って、複数並べて設置してもよい。このとき、隣接するケーブル保護体1のうち、振動検知用光ファイバケーブル2が設置される本体部10の上側部分10aが、互いに隣接するように配置されることが好ましい。これにより、車両や歩行者、自転車の通過などによって地上面に振動があっても、振動検知用光ファイバケーブル2を本体部10の上側部分10aに安定して保持することができる。
【0025】
(振動検知用光ファイバケーブル)
振動検知用光ファイバケーブル2は、本体部10の上側部分10aに設置され、振動を検知するように構成される。ここで、振動検知用光ファイバケーブル2に、車両や歩行者、自転車が道路上を通過するときに発生する振動が伝わると、振動検知用光ファイバケーブル2に沿って伝搬する光の振幅や位相、周波数などに変化が生じる。振動検知用光ファイバケーブル2は、分布型音響測定器(DAS)などの図示しないセンサに接続されており、センサは振動検知用光ファイバケーブル2に光信号を送り、振動検知用光ファイバケーブル2からの後方散乱光を検出するように構成される。このときセンサによって検出される、後方散乱光の振幅や位相、周波数などの変化から、地上面で発生する振動の発生源となる車両や歩行者、自転車の数や、移動の方向性、速度、通行位置(振動が発生した位置)などに関連する情報を得ることができる。ここで、センサとして分布型音響測定器(DAS)を用いた場合は、道路上の離隔した位置における振動をセンサで検出することも可能であり、この場合、複数のケーブル保護体1に跨って延設された1本の振動検知用光ファイバケーブル2に、センサを接続するように構成してもよい。
【0026】
ここで、振動検知用光ファイバケーブル2は、長いケーブルの形態に限られず、短いパッチコードの形態でもよい。また、振動検知用光ファイバケーブル2は、1本の光ファイバを備えるものであってもよく、複数の光ファイバを備えるものであってもよい。また、複数の光ファイバを備えたケーブルでは、うち1本の光ファイバが振動検知用光ファイバケーブル2であればよく、他の光ファイバは、通信用途などの他の用途のものや、用途を有しないものであってもよい。ここで、振動検知用光ファイバケーブル2の太さの一例として、ケーブルの形態の場合には例えば10mm以上20mm以下のものを、パッチコードの形態の場合には例えば1mm以上3mm以下のものを、それぞれ挙げることができる。
【0027】
(固定機構)
固定機構3は、本体部10の上側部分11aに備えられ、振動検知用光ファイバケーブル2を固定するものである。特に、図1のケーブル保護体1では、固定機構3は、容器本体11の上側部分11aにある、両側壁13、13’の上端部13a、13a’に設けられる。このとき、振動検知用光ファイバケーブル2は、固定機構3によって両側壁13、13’の上側部分に固定されかつ設置される。そのため、振動検知用光ファイバケーブル2を車両や歩行者、自転車の通行面の近くに位置させるとともに、車両や歩行者、自転車の通過などによって地上面で発生した振動を、本体部10から振動検知用光ファイバケーブル2に伝わりやすくすることができる。
【0028】
このケーブル保護体1における固定機構3は、本体部10に対して連結可能な固定金具によって構成される。これにより、振動検知用光ファイバケーブル2が固定金具によって本体部10に固定されるため、振動検知用光ファイバケーブル2を強固に本体部10に固定することができる。ここで、振動検知用光ファイバケーブル2の延在方向Xに沿った固定金具の設置間隔は、振動の検出感度に基づいて設定することができ、例えば0.3m以上1.0m以下の範囲で設定することができる。なお、図1の斜視図では、説明のためにケーブル保護体1が1個の固定機構3を有する図を記載しているが、ケーブル保護体1は複数の固定機構3を有していてもよい。
【0029】
ケーブル保護体1の容器本体11は、両側壁13、13’の上端部13a、13a’に形成される溝15を有することができる。このとき、容器本体11は、溝15の内部に、振動検知用光ファイバケーブル2を収容した状態で固定機構3によって固定されることが好ましい。これにより、振動検知用光ファイバケーブル2が、溝15の内部に収容された状態で、固定機構3によって容器本体11の両側壁13、13’に固定されるため、振動検知用光ファイバケーブル2を容器本体11により強固に固定することができる。ここで、溝15は、振動検知用光ファイバケーブル2の一部を収容するものであってもよく、振動検知用光ファイバケーブル2の全部を収容するものであってもよい。また、溝15は、両側壁13、13’のうち少なくとも一方の側壁に設けていればよく、例えば図1に示すように、両側壁13、13’のうち一方の側壁13に設けていてもよい。
【0030】
なお、図1および図2のケーブル保護体1では、固定機構3は、溝15の内部に収容された振動検知用光ファイバケーブル2を固定しているが、これに限定されない。例えば、固定機構3は、本体部10の両側壁13、13’のうち一方の側壁に、振動検知用光ファイバケーブル2を直接固定するものであってもよい。このとき、本体部10は、溝15を有しなくてもよい。
【0031】
(ケーブル)
ケーブル保護体1は、本体部10が、例えば、通信線や低圧電力線、高圧電力線などのケーブル4を内部空間Sに収容できるように構成される。このとき、ケーブル保護体1の容器本体11は、例えば図2に示すような、ケーブル4が延在する方向に対して直角に交わる方向から見た正面図において、凹状となる形状を有することが好ましい。これにより、ケーブル保護体1を振動検知用光ファイバケーブル2の延在方向Xに沿って複数並べて設置したときに、ケーブル4も延在方向Xに沿って延在させることができる。
【0032】
<第2実施形態>
図3は、本発明に従う第2実施形態のケーブル保護体の構造を示した正面図であって、その本体部を構成する容器本体と蓋体とを分離した状態で示す。以下の説明において、上記第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略または簡略にし、主に相違点について説明する。
【0033】
図3に示すケーブル保護体1Aは、両側壁13、13’の上端部13a、13a’に形成される溝として、振動検知用光ファイバケーブル2のケーブル径rよりも5%~10%だけ小さい深さ寸法dまたは幅寸法wで構成される溝15Aを有する。ここで、溝15Aは、深さ寸法dがケーブル径rより5%~10%だけ小さいとき、幅寸法wがケーブル径rより大きいことが好ましい。また、溝15Aは、幅寸法wがケーブル径rより5%~10%だけ小さいとき、深さ寸法dがケーブル径rの50%より大きくかつ100%未満であることが好ましい。このような溝15Aを両側壁13、13’の上端部13a、13a’に設けることで、振動検知用光ファイバケーブル2が深さ寸法dまたは幅寸法wに圧縮された状態で溝15Aに収容されるため、振動検知用光ファイバケーブル2をより強固に本体部10に固定することができる。
【0034】
このとき、ケーブル保護体1Aの固定機構3Aは、溝15Aの上方側から、溝15Aに収容した振動検知用光ファイバケーブル2を押圧した状態で固定する押付部材16をさらに有することが好ましい。これにより、溝15Aに収容された振動検知用光ファイバケーブル2が、押付部材16の押圧によって深さ寸法dにさらに圧縮された状態で、さらに強固に本体部10に固定されるため、車両や歩行者、自転車の通過などによって地上面で発生した振動を、本体部10から振動検知用光ファイバケーブル2により伝わりやすくすることができる。なお、押付部材16は、振動検知用光ファイバケーブル2に沿って連続的に設けられていてもよく、断続的に設けられていてもよい。
【0035】
<第3実施形態>
図4は、本発明に従う第3実施形態のケーブル保護体の構造を示した正面図であって、その本体部を構成する容器本体と蓋体とを分離した状態で示す。以下の説明において、上記第1実施形態または上記第2実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略または簡略にし、主に相違点について説明する。
【0036】
図3に示すケーブル保護体1Bは、固定機構3Bとして、溝15の開口を閉鎖し、かつ、溝15に収容した振動検知用光ファイバケーブル2を固定する溝蓋17を有する。これにより、振動検知用光ファイバケーブル2を収容した溝15の開口が、溝蓋17を閉じることで閉鎖されるため、振動検知用光ファイバケーブル2の本体部10への固定を容易に行なうことができる。このとき、溝蓋17は、振動検知用光ファイバケーブル2をより強固に本体部10に固定する観点から、溝15に収容された振動検知用光ファイバケーブル2を押圧した状態で、本体部10に固定されることが好ましい。
【0037】
溝蓋17は、図3に示すように、例えば本体部10に蝶番などを介して設けることで、溝蓋17を本体部10から部分的に取り外して溝15の開口を開閉してもよく、また、溝蓋17を本体部10から完全に取り外して溝15の開口を開閉してもよい。このように、溝蓋17を、溝15の開口を開閉しうるように構成することで、保守時などにおける振動検知用光ファイバケーブル2の交換を容易に行なうことができる。
【0038】
<第4実施形態>
図5は、本発明に従う第4実施形態のケーブル保護体の構造を示した正面図であって、その本体部を構成する容器本体と蓋体とを分離した状態で示す。以下の説明において、上記第1実施形態から上記第3実施形態のうち少なくともいずれかと同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略または簡略にし、主に相違点について説明する。
【0039】
図5に示すケーブル保護体1Cは、固定機構3が、振動検知用光ファイバケーブル2を収容した溝15内に充填した接着剤5で構成される。このように、振動検知用光ファイバケーブル2が収容された溝15を接着剤5で充填することで、容器本体11に設けられた溝15と、振動検知用光ファイバケーブル2とが接着されて固定されるため、車両や歩行者、自転車の通過などによって地上面で発生した振動を、本体部10から振動検知用光ファイバケーブル2により伝わりやすくすることができる。
【0040】
ここで、溝15に充填される接着剤5としては、振動検知用光ファイバケーブル2の被覆と、本体部10の両方に対して粘着性を有するものを用いることができる。また、接着剤5としては、溝15に収容された振動検知用光ファイバケーブル2をより強固に固定するでは、溝15に充填した後で硬化するものを用いることが好ましい。
【0041】
<第5実施形態>
図6は、本発明に従う第5実施形態のケーブル保護体の構造を説明するための図であって、図6(a)が溝部材を容器本体から取り外した状態、図6(b)が溝部材を容器本体に取り付け、蓋体を容器本体の上端部に組み付ける前の状態で示す。以下の説明において、上記第1実施形態から上記第4実施形態のうち少なくともいずれかと同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略または簡略にし、主に相違点について説明する。
【0042】
図6に示すケーブル保護体1Dは、固定機構3Dが、溝15Dが容器本体11Dに対して着脱可能な溝部材6で構成される。ここで、溝部材6は、振動検知用光ファイバケーブル2のケーブル径に応じた溝幅及び溝深さをもつ溝部材6への交換が可能である。このケーブル保護体1Dでは、溝部材6が容器本体11Dに固定されるとともに、振動検知用光ファイバケーブル2が溝部材6に固定されるように構成される。これにより、設置される振動検知用光ファイバケーブル2のケーブル径に応じて、溝部材6の溝幅及び溝深さを変更することができるため、振動検知用光ファイバケーブル2をより適切な形で容器本体11Dに固定することができる。
【0043】
ここで、溝部材6を容器本体11Dに固定する手段としては、図6に示すように、容器本体11Dの上側部分11aに形成された段差の入隅部分11bに溝部材6を設置し、溝部材6を容器本体11Dの両側壁13、13’に固定する手段が挙げられる。また、振動検知用光ファイバケーブル2を溝部材6に固定する手段としては、溝部材6に形成された溝15Dに振動検知用光ファイバケーブル2を収容し、振動検知用光ファイバケーブル2を溝部材6に固定する手段が挙げられる。
【0044】
なお、溝部材6を容器本体11Dに固定する手段と、振動検知用光ファイバケーブル2を溝部材6に固定する手段には、他の実施形態に記載されている、振動検知用光ファイバケーブル2を容器本体11Dに固定する手段を用いてもよい。
【0045】
<第6実施形態>
図7は、本発明に従う第6実施形態のケーブル保護体の構造を示した正面図であって、その本体部を構成する容器本体と蓋体とを分離した状態で示す。以下の説明において、上記第1実施形態から上記第5実施形態のうち少なくともいずれかと同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略または簡略にし、主に相違点について説明する。
【0046】
図7に示すケーブル保護体1Eは、固定機構3Eは、容器本体11の両側壁13、13’の開口を蓋体14Eで閉鎖した状態で、溝15の位置に対応する蓋体14Eの位置に形成された凸部14bで構成される。このケーブル保護体1Eは、蓋体14Eを閉鎖したときに、凸部14bによって溝15が閉鎖された状態となることが好ましい。このようなケーブル保護体1Eによることで、容器本体11の両側壁13、13’の開口を蓋体14Eで閉鎖する際に、蓋体14Eに形成された凸部14bによって、溝15に収容された振動検知用光ファイバケーブル2を固定することができる。
【0047】
このとき、ケーブル保護体1Eの固定機構3Eは、溝15の上方側から、蓋体14Eに形成された凸部14bによって、溝15に収容した振動検知用光ファイバケーブル2を押圧した状態で固定することが好ましい。これにより、溝15に収容された振動検知用光ファイバケーブル2が、凸部14bの押圧によって圧縮された状態で、強固に本体部10に固定されるため、車両や歩行者、自転車の通過などによって地上面で発生した振動を、本体部10から振動検知用光ファイバケーブル2により伝わりやすくすることができる。
【0048】
<第7実施形態>
図8は、本発明に従う第7実施形態のケーブル保護体の構造を示した正面図であって、その本体部を構成する容器本体と蓋体とを分離した状態で示す。以下の説明において、上記第1実施形態から上記第6実施形態のうち少なくともいずれかと同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略または簡略にし、主に相違点について説明する。
【0049】
図8に示すケーブル保護体1Fは、容器本体11Fの溝15F内に振動検知用光ファイバケーブル2を押し込むと、押し込み力によって回転して、容器本体11の両側壁13、13’の内面、例えば溝15Fの側壁の内面15aに、振動検知用光ファイバケーブル2を押し付けて固定する回転金具18によって、固定機構3Fが構成される。このとき、回転金具18は、溝15Fの側壁の内面15aに固定されている部分を有するとともに、溝15Fの側壁の内面15aに固定されていない部分に振動検知用光ファイバケーブル2を押し込むことで、振動検知用光ファイバケーブル2の近傍が、溝15Fの側壁の内面15aに対して回転するように構成される。このように、回転金具18の一部が溝15Fの側壁の内面15aに対して回転することで、振動検知用光ファイバケーブル2を固定できるスペースが形成されるため、このスペースに振動検知用光ファイバケーブル2を固定することができる。
【0050】
回転金具18は、側壁の内面15aに戻るように働く弾性力によって、溝15Fの側壁の内面15aとの間で振動検知用光ファイバケーブル2を挟み込むように構成されることが好ましい。これにより、回転金具18のみによって振動検知用光ファイバケーブル2を本体部10Fに強固に固定することができる。ここで、回転金具18は、溝15Fの側壁の内面15aに対して実質的に回転するように構成されていればよく、蝶番などのように回転軸を有するもののほか、板ばねなどのように溝15Fの側壁の内面15aに対して屈曲するものであってもよい。また、ケーブル保護体1Fは、振動検知用光ファイバケーブル2を固定したときに回転金具18が必要以上に回転するのを防ぐため、回転金具18の回転を係止する図示しない係止部を、容器本体11Fに備えてもよい。
【0051】
<第8実施形態>
図9は、本発明に従う第8実施形態のケーブル保護体の構造を示した斜視図であって、その本体部を構成する容器本体と蓋体とを分離した状態で示す。以下の説明において、上記第1実施形態から上記第7実施形態のうち少なくともいずれかと同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略または簡略にし、主に相違点について説明する。
【0052】
図9に示すケーブル保護体1Gは、容器本体11Gが、両側壁13、13’のうち少なくとも一方の側壁(図9における側壁13)の上側部分の外面から、容器本体11Gの外方に向かって延在する、板状の振動検知部材19をさらに備える。ここで、振動検知部材19は、容器本体11Gの上側部分11aの外面から、容器本体11Gの外方に向かって延在するように構成される。これにより、容器本体11Gから延在する振動検知部材19が、容器本体11Gよりも振動しやすくなるため、地上面で発生したより微細な振動を、ケーブル保護体1Gで検知しやすくすることができる。
【0053】
この振動検知部材19は、内部に振動検知用光ファイバケーブル2が設置されている。このとき、振動検知用光ファイバケーブル2Gは、本体部10Gの容器本体11Gの上側部分10aに設置される部分と、振動検知部材19に収容される部分とを有するように構成される。これにより、振動検知部材19の振動を、振動検知部材19に収容された振動検知用光ファイバケーブル2Gが検知するように構成されるため、ケーブル保護体1Gにおける振動の検知感度をさらに高めることができる。なお、振動検知用光ファイバケーブル2Gは、例えば、振動検知用光ファイバケーブル2Gの上側および下側を板状の部材で包囲することで設置することができるが、この態様に限定されない。
【0054】
振動検知部材19が延在する方向は、容器本体11Gの外方とすることが好ましい。ここで、振動検知用光ファイバケーブル2Gによる振動の検知感度をより高める観点では、振動検知部材19が延在する方向は、設置される道路面に対して略平行であることが好ましく、そのためには、容器本体11Gの底壁12と平行であることが好ましい。他方で、振動検知部材19が延在する方向は、容器本体11Gの底壁12に対して平行でなくてもよく、例えば両側壁13、13’に対して平行であってもよい。
【0055】
振動検知部材19は、板状であるとともに、振動検知部材19の厚さtは、振動検知部材19の機械的な耐久性を高める観点から、1cm以上であることが好ましい。他方で、振動検知部材19の板厚は、振動検知部材19を振動しやすくして振動の検知感度を高める観点から、3cm以下であることが好ましい。
【0056】
<第9実施形態>
図10は、本発明に従う第9実施形態のケーブル保護体の構造を示した斜視図であって、その本体部を構成する容器本体と蓋体とを分離した状態で示す。以下の説明において、上記第1実施形態から上記第8実施形態のうち少なくともいずれかと同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略または簡略にし、主に相違点について説明する。
【0057】
図10に示すケーブル保護体1Hは、固定機構3Hとして、振動検知用光ファイバケーブル2が容器本体11Hに埋設された構造を有する。これにより、容器本体11Hが湾曲する場合のように、振動検知用光ファイバケーブル2を容器本体の表面に固定することが困難な場合であっても、振動検知用光ファイバケーブル2を容器本体11Hに容易に固定することができる。また、振動検知用光ファイバケーブル2と容器本体11Hの密着性が高められることで、本体部10Hから振動検知用光ファイバケーブル2に振動をより伝えやすくすることができる。
【0058】
ここで、容器本体11Hに埋設される振動検知用光ファイバケーブル2は、パッチコードであることが好ましく、特に、長手方向Xに沿った長さが、埋設される容器本体11Hより長いパッチコードであることが好ましい。このとき、振動検知用光ファイバケーブル2は、ケーブル保護体1Hを設置する際の作業性を高める観点から、両端にコネクタ22a、22bを有するとともに、長手方向Xに隣接して設けられる他の容器本体のコネクタと、光接続されるように構成されることが好ましい。
【0059】
<他の実施形態>
ケーブル保護体1に設けられる振動検知用光ファイバケーブル2は、本体部10の容器本体11に設置されていなくてもよい。
【0060】
例えば、図11(a)に示すケーブル保護体1Iのように、振動検知用光ファイバケーブル2は、固定機構3によって、本体部10Iの蓋体14Iに固定されかつ設置されていてもよい。図11(a)のケーブル保護体1Iでは、蓋体14Iは、上面14aに溝15Iを有するとともに、溝15Iの内部に振動検知用光ファイバケーブル2を収容した状態で、振動検知用光ファイバケーブル2が固定機構3によって固定される。
【0061】
また、図11(b)に示すケーブル保護体1Jのように、振動検知用光ファイバケーブル2は、容器本体と蓋体に分けることができない本体部10Jに固定して設置されていてもよい。図11(b)のケーブル保護体1Jでは、蓋体14Jの外面の一部に溝15Jを有するとともに、溝15Jの内部に振動検知用光ファイバケーブル2を収容した状態で、振動検知用光ファイバケーブル2が固定機構3によって固定される。
【0062】
このとき、図11(a)、(b)に示すケーブル保護体1I、1Jは、振動検知用光ファイバケーブル2の被覆の腐食を抑える観点から、振動検知用光ファイバケーブル2が収容されている溝15I、15Jの開口を、樹脂などによって埋めてもよい。
【0063】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含み、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【符号の説明】
【0064】
1、1A~1J ケーブル保護体
10、10D~10J 本体部
10a 本体部の上側部分
11、11D、11F、11G 容器本体
11a 容器本体の上側部分
11b 容器本体の上側部分に形成された段差の入隅部分
12 底壁
13、13’ 両側壁
13a、13a’ 両側壁の上端部
14、14E 蓋体
14a 蓋体の上面
14b 凸部
15、15A、15D、15F、15I、15J 溝
15a 溝の側壁の内面
16 押付部材
17 溝蓋
18 回転金具
19 振動検知部材
2、2G 振動検知用光ファイバケーブル
22a、22b コネクタ
3、3A~3F 固定機構
4 ケーブル
5 接着剤
6 溝部材
S 内部空間
t 振動検知部材の厚さ
X 振動検知用光ファイバケーブルの延在方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11